詳細説明
本発明により、ポリマードットを用いた解析のための方法、組成物、キットおよびシステムを提供する。種々の態様において、本開示により、タンパク質のウェスタンブロット解析を行なうための方法、組成物およびキットを提供する。
本開示の一部の態様では、生体分子にコンジュゲートさせた発色団ポリマードットを用いて標的分子を検出および解析するための方法、システム、組成物およびキットを提供する。ポリマードットの使用により、既存の手法と比べて改善された検出感度および安定性がもたらされる。
本明細書で用いる場合、用語「アルキル」は、表示した数の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の飽和脂肪族原子団をいう。例えば、C1〜C6アルキルとしては、限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシルなどが挙げられる。他のアルキル基としては、限定されないが、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなどが挙げられる。アルキルは、任意の数、例えば、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、2〜3、2〜4、2〜5、2〜6、3〜4、3〜5、3〜6、4〜5、4〜6および5〜6個の炭素を含むものであり得る。アルキル基は典型的には一価であるが、二価であってもよい(例えば、アルキル基が2つの部分に一体に結合している場合)。本明細書で用いる場合、用語「ヘテロアルキル」は、炭素原子の直鎖または分枝鎖の飽和脂肪族原子団であって、該炭素原子のうち少なくとも1個がヘテロ原子、例えば、N、OまたはSで置き換えられたものをいう。また、さらなるヘテロ原子、例えば限定されないが、B、Al、SiおよびPも有用であり得る。
上記および以下、本明細書において有機原子団または化合物に関して言及される用語「低級」は、それぞれ分枝であっても非分枝であってもよい化合物または原子団が7個(を含む)まで、好ましくは4個(を含む)まで、(非分枝として)1個または2個の炭素原子を有するものであり得ることと定義する。
本明細書で用いる場合、用語「アルキレン」は、少なくとも2つの他の基が連結される、すなわち二価の炭化水素原子団である上記に定義したアルキル基をいう。アルキレンに連結される2つの部分は、アルキレンの同じ原子に連結されても異なる原子に連結されてもよい。例えば、直鎖アルキレンは−(CH2)nの二価の原子団であり得、式中、nは1、2、3、4、5または6である。アルキレン基としては、限定されないが、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、イソブチレン、sec−ブチレン、ペンチレンおよびヘキシレンが挙げられる。
本明細書に記載している基は置換されていても非置換であってもよい。アルキルおよびヘテロアルキル原子団(例えば、多くの場合、アルキレン、アルケニル、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、およびヘテロシクロアルケニルと称される基)に対する置換基はさまざまな基、例えば、アルキル、アリール、シアノ(CN)、アミノ、スルフィド、アルデヒド、エステル、エーテル、酸、ヒドロキシルまたはハライドであり得る。置換基は反応性基、例えば限定されないが、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシル、またはアミノであってもよい。好適な置換基は:−OR’、=O、=NR’、=N−OR’、−NR’R”、−SR’、−ハロゲン、−SiR’R”R”’、−OC(O)R’、−C(O)R’、−CO2R’、−CONR’R”、−OC(O)NR’R”、−NR”C(O)R’、−NR’−C(O)NR”R”’、−NR”C(O)2R’、−NH−C(NH2)=NH、−NR’C(NH2)=NH、−NH−C(NH2)=NR’、−S(O)R’、−S(O)2R’、−S(O)2NR’R”、−CNおよび−NO2(ゼロ〜(2m’+1)の範囲の数,ここで、m’はかかる原子団の炭素原子の総数である)から選択され得る。R’、R”およびR”’は各々、独立して、水素、非置換の(C1〜C8)アルキルおよびヘテロアルキル、非置換アリール、アルコキシもしくはチオアルコキシ基、またはアリール−(C1〜C4)アルキル基を示す。R’とR”が同じ窒素原子に結合されている場合、これらは該窒素原子と一体となって5−、6−、または7−員環を形成していてもよい。例えば、−NR’R”には1−ピロリジニルおよび4−モルホリニルが包含されることが意図されている。置換基の上記の論考から、当業者には、用語「アルキル」に、ハロアルキル(例えば、−CF3および−CH2CF3)ならびにアシル(例えば、−C(O)CH3、−C(O)CF3、−C(O)CH2OCH3など)などの基が包含されることが意図されていること理解されよう。
本明細書で用いる場合、用語「アルコキシ」は、アルコキシ基を結合点と連結させるか、またはアルコキシ基の2個の炭素に連結されているかのいずれかである酸素原子を有するアルキル基をいう。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソ−プロポキシ、ブトキシ、2−ブトキシ、イソ−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシなどが挙げられる。アルコキシ基は、本明細書に記載したさまざまな置換基でさらに置換されていてもよい。例えば、アルコキシ基はハロゲンで置換されて「ハロ−アルコキシ」基を形成したものであってもよい。
本明細書で用いる場合、用語「アルケニル」は、少なくとも1つの二重結合を有する2〜6個の炭素原子の直鎖または分枝のいずれかの炭化水素をいう。アルケニル基の例としては、限定されないが、ビニル、プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、イソブテニル、ブタジエニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、イソペンテニル、1,3−ペンタジエニル、1,4−ペンタジエニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、1,3−ヘキサジエニル、1,4−ヘキサジエニル、1,5−ヘキサジエニル、2,4−ヘキサジエニル、または1,3,5−ヘキサトリエニルが挙げられる。
本明細書で用いる場合、用語「アルケニレン」は、少なくとも2つの他の基が連結される、すなわち二価の炭化水素原子団である上記に定義したアルケニル基をいう。アルケニレンに連結される2つの部分は、アルケニレンの同じ原子に連結されても異なる原子に連結されてもよい。アルケニレン基としては、限定されないが、エテニレン、プロペニレン、イソプロペニレン、ブテニレン、イソブテニレン、sec−ブテニレン、ペンテニレンおよびヘキセニレンが挙げられる。
本明細書で用いる場合、用語「アルキニル」は、少なくとも1つの三重結合を有する2〜6個の炭素原子の直鎖または分枝のいずれかの炭化水素をいう。アルキニル基の例としては、限定されないが、アセチレニル、プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、イソブチニル、sec−ブチニル、ブタジイニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、イソペンチニル、1,3−ペンタジイニル、1,4−ペンタジイニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、1,3−ヘキサジイニル、1,4−ヘキサジイニル、1,5−ヘキサジイニル、2,4−ヘキサジイニル、または1,3,5−ヘキサトリイニルが挙げられる。
本明細書で用いる場合、用語「アルキニレン」は、上記に定義した、少なくとも2つの他の基が連結される、すなわち二価の炭化水素原子団であるアルキニル基をいう。アルキニレンに連結される2つの部分は、アルキニレンの同じ原子に連結されても異なる原子に連結されてもよい。アルキニレン基としては、限定されないが、エチニレン、プロピニレン、イソプロピニレン、ブチニレン、sec−ブチニレン、ペンチニレンおよびヘキシニレンが挙げられる。
本明細書で用いる場合、用語「アルキルアミン」は、1つ以上のアミノ基を有する本明細書に定義したアルキル基をいう。アミノ基は第1級であっても第2級であっても第3級であってもよい。アルキルアミンはヒドロキシ基でさらに置換されていてもよい。アルキルアミンとしては、限定されないが、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、エチレンジアミンおよびエタノールアミンが挙げられ得る。アミノ基は、アルキルアミンを化合物の残部との結合点と連結させるもの、アルキル基のω位に存在するもの、またはアルキル基の少なくとも2個の炭素原子に一体に連結されるものであり得る。
本明細書で用いる場合、用語「ハロゲン」または「ハライド」はフッ素、塩素、臭素およびヨウ素をいう。本明細書で用いる場合、用語「ハロアルキル」は、一部またはすべての水素原子がハロゲン原子で置換されている上記に定義したアルキルをいう。ハロゲン(ハロ)は、好ましくはクロロまたはフルオロを表すが、ブロモまたはヨードであってもよい。本明細書で用いる場合、用語「ハロ−アルコキシ」は、少なくとも1つのハロゲンを有するアルコキシ基をいう。ハロ−アルコキシは、一部またはすべての水素原子がハロゲン原子で置換されているアルコキシと定義する。アルコキシ基は1つ、2つ、3つまたはそれ以上のハロゲンで置換されていてもよい。すべての水素がハロゲン、例えばフッ素で置き換えられている場合、該化合物は全置換型(per−substituted)、例えばパーフルオロ型である。ハロ−アルコキシとしては、限定されないが、トリフルオロメトキシ、2,2,2,−トリフルオロエトキシ、パーフルオロエトキシなどが挙げられる。
本明細書で用いる場合、用語「シクロアルキル」は、3〜12個の環内原子または表示した数の原子を含む飽和または部分不飽和の単環式、縮合二環式または橋かけ多環式の環集合体をいう。単環式の環としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびシクロオクチルが挙げられる。二環式および多環式の環としては、例えば、ノルボルナン、デカヒドロナフタレンおよびアダマンタンが挙げられる。例えば、C3〜8シクロアルキルには、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、およびノルボルナンが包含される。
本明細書で用いる場合、用語「シクロアルキレン」は、少なくとも2つの他の基が連結される、すなわち二価の炭化水素原子団である上記に定義したシクロアルキル基、をいう。シクロアルキレンに連結される2つの部分は、シクロアルキレンの同じ原子に連結されても異なる原子に連結されてもよい。シクロアルキレン基としては、限定されないが、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレン、およびシクロオクチレンが挙げられる。
本明細書で用いる場合、用語「ヘテロシクロアルキル」は、3個の環構成員〜約20個の環構成員ならびに1〜約5個のヘテロ原子(N、OおよびS)を有する環系をいう。また、さらなるヘテロ原子、例えば限定されないが、B、Al、SiおよびPも有用であり得る。また、ヘテロ原子は酸化型、例えば限定されないが、−S(O)−および−S(O)2−であってもよい。
本明細書で用いる場合、用語「ヘテロシクロアルキレン」は、少なくとも2つの他の基が連結される上記に定義したヘテロシクロアルキル基をいう。ヘテロシクロアルキレンに連結される2つの部分は、ヘテロシクロアルキレンの同じ原子に連結されても異なる原子に連結されてもよい。
本明細書で用いる場合、用語「アリール」は、6〜16個の環内炭素原子を含む単環式または縮合二環式、三環式のまたはそれ以上の環式の芳香族環集合体をいう。例えば、アリールはフェニル、ベンジル、アズレニルまたはナフチルであり得る。「アリーレン」はアリール基から誘導される二価の原子団を意味する。アリール基は、アルキル、アルコキシ、アリール、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、アミノ、アミノ−アルキル、トリフルオロメチル、アルキレンジオキシおよびオキシ−C2〜C3−アルキレン(これらはすべて、例えば、本明細書において先に定義したとおりに任意選択でさらに置換されている)または1−もしくは2−ナフチル;または1−もしくは2−フェナントレニルから選択される1つ、2つまたは3つの原子団による一置換型、二置換型または三置換型であり得る。アルキレンジオキシは、フェニルの隣接している2個の炭素原子に結合される二価の置換体、例えば、メチレンジオキシまたはエチレンジオキシである。また、オキシ−C2〜C3−アルキレンも、フェニルの隣接している2個の炭素原子に結合される二価の置換基、例えば、オキシエチレンまたはオキシプロピレンである。オキシ−C2〜C3−アルキレン−フェニルの一例は2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イルである。
アリール基としては、限定されないが、ナフチル、フェニル、またはアルコキシ、フェニル、ハロゲン、アルキルもしくはトリフルオロメチルによる一置換型または二置換型のフェニル、フェニルまたはアルコキシ、ハロゲンもしくはトリフルオロメチルによる一置換型または二置換型のフェニル、特にフェニルが挙げられ得る。
本明細書で用いる場合、用語「アリーレン」は、少なくとも2つの他の基が連結される上記に定義したアリール基をいう。アリーレンに連結される2つの部分はアリーレンの異なる原子に連結される。アリーレン基としては、限定されないがフェニレンが挙げられる。
本明細書で用いる場合、用語「アルコキシ−アリール」または「アリールオキシ」は、アリールに連結されている部分のうちの1つが酸素原子を介して連結される上記に定義したアリール基をいう。アルコキシ−アリール基としては、限定されないがフェノキシ(C6H5O−)が挙げられる。また、本発明には、アルコキシ−ヘテロアリールまたはヘテロアリールオキシ基も包含される。
本明細書で用いる場合、用語「ヘテロアリール」は、5〜16個の環内原子を含み、環内原子のうち1〜4個がヘテロ原子(各々、N、OまたはS)である単環式または縮合二環式または三環式の芳香族環集合体をいう。例えば、ヘテロアリールとしては、ピリジル、インドリル、インダゾリル、キノキサリニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、フラニル、ピロリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チエニルまたは任意の他の原子団(置換型、特に、例えばアルキル、ニトロまたはハロゲンによる一置換型または二置換型)が挙げられる。また、本発明に好適な基としては、アリーレンおよびアリーレン−オキシ基について上記のものと同様のヘテロアリーレンおよびヘテロアリーレン−オキシ基も挙げられ得る。
同様に、本明細書に記載のアリールおよびヘテロアリール基は置換されていても非置換であってもよい。アリールおよびヘテロアリール基に対する置換基はさまざまであり、例えば、アルキル、アリール、CN、アミノ、スルフィド、アルデヒド、エステル、エーテル、酸、ヒドロキシルまたはハライドである。置換基は反応性基、例えば限定されないが、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシル、またはアミノであってもよい。置換基は:−ハロゲン、−OR’、−OC(O)R’、−NR’R”、−SR’、−R’、−CN、−NO2、−CO2R’、−CONR’R”、−C(O)R’、−OC(O)NR’R”、−NR”C(O)R’、−NR”C(O)2R’、−NR’−C(O)NR”R”’、−NH−C(NH2)=NH、−NR’C(NH2)=NH、−NH−C(NH2)=NR’、−S(O)R’、−S(O)2R’、−S(O)2NR’R”、−N3、−CH(Ph)2(ゼロ〜芳香族環系の空き結合価(open valences)の総数の範囲の数;ここで、R’、R”およびR”’は、独立して、水素、(C1〜C8)アルキルおよびヘテロアルキル、非置換のアリールおよびヘテロアリール、(非置換アリール)−(C1〜C4)アルキル、ならびに(非置換アリール)オキシ−(C1〜C4)アルキルから選択される)から選択され得る。
本明細書で用いる場合、用語「アルキル−アリール」は、アルキル成分とアリール成分を有し、該アルキル成分が該アリール成分を結合点と連結させる原子団をいう。アルキル成分は、アリール成分を結合点と連結させるために少なくとも二価であること以外は上記に定義したとおりである。一部の場合では、アルキル成分が存在しない場合があり得る。アリール成分は上記に定義したとおりである。アルキル−アリール基の例としては、限定されないがベンジルが挙げられる。また、本発明にはアルキル−ヘテロアリール基も包含される。
本明細書で用いる場合、用語「アルケニル−アリール」は、アルケニル成分とアリール成分の両方を有し、該アルケニル成分が該アリール成分を結合点と連結させる原子団をいう。アルケニル成分は、アリール成分を結合点と連結させるために少なくとも二価であること以外は上記に定義したとおりである。アリール成分は上記に定義したとおりである。アルケニル−アリールの例としては、とりわけエテニル−フェニルが挙げられる。また、本発明にはアルケニル−ヘテロアリール基も包含される。
本明細書で用いる場合、用語「アルキニル−アリール」は、アルキニル成分とアリール成分の両方を有し、該アルキニル成分が該アリール成分を結合点と連結させる原子団をいう。アルキニル成分は、アリール成分を結合点と連結させるために少なくとも二価であること以外は上記に定義したとおりである。アリール成分は上記に定義したとおりである。アルキニル−アリールの例としては、とりわけエチニル−フェニルが挙げられる。また、本発明には、アルキニル−ヘテロアリール基も包含される。
発色団ポリマードット
本開示により、タンパク質およびペプチドを解析するための発色団ポリマードット(Pドット)を含む方法、システム、組成物およびキットを提供する。Pドットは卓越した光学特性を有し、そのためタンパク質および他の生物学的分子の検出に特に有用である。
ポリマードット(Pドット)は、検出剤としての使用に対していくつかの利点を有する。Pドットは、さまざまな立体形状、例えば限定されないが、一様で均質な組成を有するモノリシックポリマードットまたは相違するコアとキャップ構造を有するポリマードットが採用され得る蛍光性ポリマーベースの粒子である。Pドットは、単一のポリマーで構成されたものであってもよく、ポリマーブレンドを含むものであってもよい。
本明細書で用いる場合、用語「ポリマードット」、「発色団ポリマードット」、「蛍光性ポリマードット」、「発色団ナノ粒子」および「Pドット」は、安定なサブミクロンサイズの粒子に崩壊させた1種類以上のポリマー(例えば、半導体ポリマー)を含む構造を示すために互換的に用いている。用語「発色団ポリマー」は、ポリマーの少なくとも一部分が、UVから近赤外スペクトルの範囲の特定波長の光を吸収する発色団単位を含むものであるポリマーをいう。本開示による発色団ポリマーは発光性であってもそうでなくてもよい。
本開示によるポリマードットは、タンパク質またはペプチド、特にタンパク質の検出を可能にする任意の適当なポリマーサブユニット(1つまたは複数)を含むものであってもよい。
本明細書で用いる場合、用語「ポリマー」は、少なくとも2つの反復構造単位が典型的には共有結合性化学結合によって接続されて構成された分子をいう。反復構造単位は1つの型のモノマーであってもよく、得られるポリマーはホモポリマーである。一部の態様では、ポリマーは、異なる2つの型のモノマー、または異なる3つの型のモノマー、またはそれより多くの型のモノマーを含むものであり得る。当業者には、異なる型のモノマーはポリマー鎖に沿ってさまざまな様式で分布させ得ることが認識されよう。例えば、異なる3つの型のモノマーはポリマーに沿ってランダムに分布させ得る。同様にして、ポリマーに沿ったモノマーの分布は種々の様式で提示され得ることが認識されよう。
本開示により、半導体、非半導体またはこれらの組合せであるPドットを提供する。例えば、ウェスタンブロット解析過程などにおけるタンパク質およびペプチドの検出に適している限り、任意のポリマー組成が本開示に従って使用され得る。
本開示により、望ましい表面の化学的性質および光学特性を有し、そのため本発明の方法によるタンパク質の検出に特によく適したPドットを提供する。Pドット集団の光学特性および官能化の度合いはPドットの作製時に調整され得る。特に、Pドットの属性は、さまざまな光物理学的特性(例えば、吸光度、発光の明るさおよび/または発光色)を微調整するために必要に応じて調整され得る。一部の特定の態様では、ポリマードットにより、予期しない明るさおよび/または光安定性がもたらされる。注目すべきことには、一部の場合において、蛍光の消光は粒子形成のため増大しない。さらに、ポリマードットの表面の少数で離散した官能基により、生物学的に関連性のある分子および/または細胞へのPドットの非特異的吸収が低減され得る。高い明度および特異的結合能を有するポリマードットにより、化学的系および生物学的系の試験のためのイメージング手法および検出手法の分野を拡大する重要な側面がもたらされることは認識されよう。
本明細書において使用される発色団ポリマードットは、ポリマーを崩壊させるための当該技術分野で知られた任意の方法、例えば限定されないが、析出に依存する方法、エマルジョン(例えば、ミニエマルジョンまたはマイクロエマルジョン)の形成に依存する方法、および濃縮に依存する方法によって形成され得る。
一部の態様では、Pドットは析出によって形成され得る。この手法は、発色団ポリマーの希薄溶液(例えば、有機溶媒に溶解させた発色団ポリマー)の過剰容量の非溶媒(だが該有機溶媒と混和性)、例えば、水または別の生理学的に関連性のある水溶液への急速添加(例えば、超音波処理または激しい撹拌によって助長する)を伴うものである。例えば、本明細書に記載の手順の一部のものでは、発色団ポリマーをまず、溶解性が良好である有機溶媒(良溶媒)、例えばTHF(テトラヒドロフラン)に溶解させ得、その後、THFに溶解したポリマーを過剰容量の水またはバッファー溶液(これは、疎水性の発色団ポリマーにとっては貧溶媒であるが良溶媒(THF)とは混和性である)に添加する。得られた混合物を超音波処理するか、または激しく撹拌して発色団ポリマードットの形成を補助し、次いで有機溶媒を除去すると、充分に分散された発色団ナノ粒子が得られる。この手順の使用において、発色団ポリマーは有機溶媒(例えば、THF)に溶解されるのに充分に疎水性であるのがよい。生体分子または高密度の親水性側鎖とのカップリングのために側鎖に高密度の親水性官能基を導入することにより、得られるポリマーは、高分子電解質の挙動と同様または同一の様式で有機溶媒(例えば、THF)中に不溶性または難溶性となる。一部の態様では、他の方法、例えば限定されないが、エマルジョン(例えば、ミニエマルジョンもしくはマイクロエマルジョン)または析出または濃縮に基づいた種々の方法によって形成されるPドットの使用のための方法、システム、組成物およびキットを提供する。また、発色団ポリマードットの崩壊および安定性に影響を及ぼさない疎水性官能基を有する他のポリマーを使用してもよい。次いで、ナノ粒子の表面上の疎水性官能基は、バイオコンジュゲーションのために親水性官能基に変換され得る(例えば、後官能化により)か、または直接、疎水性官能基が生体分子に連結される。この後者のアプローチは、疎水性であり、かつクリック可能な(すなわち、クリックケミストリーの枠に含まれる化学反応)官能基、例えば限定されないが、アルキン、歪みアルキン(strained alkyne)、アジド、ジエン、アルケン、シクロオクチン、およびホスフィン基を用いて特に良好に奏功し得る。
一部の態様では、官能化Pドットの使用のための方法、システム、組成物およびキットを提供し、官能化Pドットは、一価であっても二価であっても多価であってもよい単分子ポリマードットが形成されるように修飾されたものである。修飾は、該ドットからいくつかポリマー分子を除去するが分子を1個だけ残すことであり、該分子は、1つだけ官能基を有するものであってもよく、2つ以上の官能基を有するものであってもよい。一実施形態では、修飾を容易にするために加工表面が使用され得る。加工表面は、特定の官能基、例えば、アルデヒド、アルケン、アルキル、アルキン、歪みアルキン、アミノ、アジド、カルボニル、カルボキシル、シアノ、シクロオクチン、ジエノ、エステル、スクシンイミジルエステル、ハロアルキル、ヒドロキシル、イミド、ケトン、マレイミド、メルカプト、ホスフェート、ホスフィン、スルフェート、スルホネート、その置換型誘導体、およびこれらの組合せを有するものであり得る。一般に、バイオコンジュゲーションに適した任意の他の官能基が使用され得る。かかる官能基は当業者には、例えば、Bioconjugate Techniques(Academic Press,New York,1996またはそれ以降の版)において知得され得よう。表面は平坦な表面、例えば、カバーガラスまたは任意の粒子の湾曲表面であってもよい。表面はシリカ、金属、半導体、シリコンおよび種々のポリマー表面であり得る。上記の官能化された多分子発色団ポリマードットは表面に、1つだけの発色団ポリマー分子により任意の安定な物理的または化学的会合によって結合される。発色団ポリマードット内のすべての遊離分子(表面と会合しているもの以外)は、例えば有機溶媒での表面の洗浄によって除去され得、その結果、表面と会合している分子だけが保持される。次いで、この単分子発色団ドットは表面から任意の物理的または化学的方法によって解放され得る。得られる単分子ドットは、元のポリマー分子の官能基数に応じて一価、二価または多価となり得る。
いくつかの半導体ポリマーが本開示による使用に適している。可視スペクトル全体を含むUVから赤外の範囲の発光波長を有する半導体ポリマーを開発した。種々の態様において、半導体ポリマー、例えば限定されないが:ポリフルオレンポリマー、例えば限定されないが、ポリ(9,9−ジヘキシルフルオレニル−2,7−ジイル)(PDHF)およびポリ(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)(PFO);フルオレンベースのコポリマー、例えば限定されないが、ポリ[{9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレン−フルオレニレン}−alt−コ−{2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン}](PFPV)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−コ−(1,4−ベンゾ−{2,1,3}−チアジアゾール)](PFBT)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−コ−(4,7−ジ−2−チエニル−2,1,3−ベンゾチアジアゾール)](PFTBT)、ならびにポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−コ−(4,7−ジ−2−チエニル−2,1,3−ベンゾチアジアゾール)](PF−0.1TBT);フェニレンビニレンポリマー、例えば限定されないが、ポリ[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン](MEH−PPV)およびポリ[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−(1−シアノビニレン−1,4−フェニレン)](CN−PPV);フェニレンエチニレンポリマー、例えば限定されないが、ポリ(2,5−ジ(3’,7’−ジメチルオクチル)フェニレン−1,4−エチニレン(PPE)の使用のための方法、システム、組成物およびキットを提供する。一部の態様では、ポリスチレンベースのの櫛形ポリマーを含むPドットが使用され得る。ポリスチレンベースのの櫛形ポリマーの非限定的な例としては、ポリスチレングラフトアクリル酸、ポリスチレングラフトエチレンオキシド、ポリスチレングラフトブチルアルコールなどが挙げられる。
一部の態様では、ポリ(メタクリル酸メチル)ベースのの櫛形ポリマーを含むPドットが使用され得る。ポリ(メタクリル酸メチル)ベースのの櫛形ポリマーの非限定的な例としては、ポリ(メタクリル酸メチル)グラフトアクリル酸、ポリ(メタクリル酸メチル)グラフトエチレンオキシドなどが挙げられる。
一部の態様では、カルボキシル、アミン、チオール、エステル、スクシンイミジルエステル、アジド、アルキン、シクロオクチンまたはホスフィン基を含む櫛形ポリマーを含むPドットが使用され得る。
一部の態様では、末端モノマー単位が例えばカルボキシル、アミン、チオール、エステル、スクシンイミジルエステル、アジド、アルキン、シクロオクチン、ホスフィンまたは同様の官能基で官能化されたポリマーを含むPドットが使用され得る。使用され得るポリマーの例としては、限定されないが、ポリ(メタ)アクリレートポリマー、ポリアクリルアミドポリマー、ポリイソブチレン、ポリジエン、ポリフェニレン、ポリエチレン、ポリ(エチレングリコール)、ポリラクチド、ポリスチレン、ポリシロキサン、ポリ(ビニルピリジン)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリウレタン、そのブロックコポリマー、そのランダムコポリマーまたは交互コポリマーなどが挙げられる。
一部の態様では、1つ以上の官能化モノマー単位を有するコポリマー、例えば、両親媒性ポリマー、例えば限定されないが:ポリ((メタ)アクリル酸)ベースのコポリマー、例えば:ポリ(アクリル酸−b−アクリルアミド)、ポリ(アクリル酸−b−メタクリル酸メチル)、ポリ(アクリル酸−b−N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(n−ブチルアクリレート−b−アクリル酸)、ポリ(アクリル酸ナトリウム−b−メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸−b−メタクリル酸ネオペンチル)、ポリ(メタクリル酸メチル−b−アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸メチル−b−メタクリル酸)、ポリ(メタクリル酸メチル−b−N,N−ジメチルアクリルアミド)、ポリ(メタクリル酸メチル−b−アクリル酸ナトリウム)、ポリ(メタクリル酸メチル−b−メタクリル酸ナトリウム)、ポリ(メタクリル酸ネオペンチル−b−メタクリル酸)、ポリ(メタクリル酸t−ブチル−b−エチレンオキシド)、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸−b−アクリル酸);ポリジエンベースのコポリマー、例えば:ポリ(ブタジエン(1,2付加)−b−エチレンオキシド)、ポリ(ブタジエン(1,2付加)−b−メチルアクリル酸、ポリ(ブタジエン(1,4付加)−b−アクリル酸)、ポリ(ブタジエン(1,4付加)−b−エチレンオキシド、ポリ(ブタジエン(1,4付加)−b−アクリル酸ナトリウム)、ポリ(ブタジエン(1,4付加)−b−N−メチル 4−ビニルピリジニウムヨージド)、ポリ(イソプレン−b−エチレンオキシド)、ポリ(イソプレン−b−エチレンオキシド)およびポリ(イソプレン−b−N−メチル2−ビニルピリジニウムヨージド);ポリ(エチレンオキシド)ベースのコポリマー、例えば:ポリ(エチレンオキシド−b−アクリル酸)、ポリ(エチレンオキシド−b−アクリルアミド)、ポリ(エチレンオキシド−b−ブチレンオキシド)、ポリ(エチレンオキシド−b−c−カプロラクトン)、ポリ(エチレンオキシド−b−ラクチド)、ポリ(エチレンオキシド−b−ラクチド)、ポリ(エチレンオキシド−b−メタクリル酸)、ポリ(エチレンオキシド−b−アクリル酸メチル)、ポリ(エチレンオキシド−b−N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(エチレンオキシド−b−メタクリル酸メチル)、ポリ(エチレンオキシド−b−メタクリル酸ニトロベンジル)、ポリ(エチレンオキシド−b−N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(エチレンオキシド−b−プロピレンオキシド)、ポリ(エチレンオキシド−b−アクリル酸t−ブチル)、ポリ(エチレンオキシド−b−メタクリル酸t−ブチル)、ポリ(エチレンオキシド−b−メタクリル酸テトラヒドロフルフリル)、ポリ(エチレンオキシド−b−2−エチルオキサゾリン)、ポリ(エチレンオキシド−b−メタクリル酸2−ヒドロキシエチル)、ポリ(エチレンオキシド−b−2−メチルオキサゾリン);ポリイソブチレンベースのコポリマー、例えば、ポリ(イソブチレン−b−アクリル酸)、ポリ(イソブチレン−b−エチレンオキシド)、ポリ(イソブチレン−b−メタクリル酸);ポリスチレンベースのコポリマー、例えば、ポリ(スチレン−b−アクリルアミド)、ポリ(スチレン−b−アクリル酸)、ポリ(スチレン−b−アクリル酸セシウム)、ポリ(スチレン−b−エチレンオキシド)、ブロック接合部で切断可能なポリ(スチレン−b−エチレンオキシド)酸、ポリ(スチレン−b−メタクリル酸)、ポリ(4−スチレンスルホン酸−b−エチレンオキシド)、ポリ(スチレンスルホン酸−b−メチルブチレン)、ポリ(スチレン−b−N,N−ジメチルアクリルアミド)、ポリ(スチレン−b−N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(スチレン−b−N−メチル2−ビニルピリジニウムヨージド)、ポリ(スチレン−b−N−メチル−4−ビニルピリジニウムヨージド)、ポリ(スチレン−b−プロピルアクリル酸)、ポリ(スチレン−b−アクリル酸ナトリウム)ポリ(スチレン−b−メタクリル酸ナトリウム)、ポリp−クロロメチルスチレン−b−アクリルアミド)、ポリ(スチレン−コ−p−クロロメチルスチレン−b−アクリルアミド)、ポリ(スチレン−コ−p−クロロメチルスチレン−b−アクリル酸)、ポリ(スチレン−b−メチルブチレン−コ−イソプレンスルホン酸);ポリシロキサンベースのコポリマー、例えば、ポリ(ジメチルシロキサン−b−アクリル酸)、ポリ(ジメチルシロキサン−b−エチレンオキシド)、ポリ(ジメチルシロキサン−b−メタクリル酸);ポリ(フェロセニルジメチルシラン)ベースのコポリマー、例えば、ポリ(フェロセニルジメチルシラン−b−エチレンオキシド);ポリ(2−ビニルナフタレン)ベースのコポリマー、例えば、ポリ(2−ビニルナフタレン−b−アクリル酸)、ポリ(ビニルピリジンおよびN−メチルビニルピリジニウムヨージド)ベースのコポリマー、例えば、ポリ(2−ビニルピリジン−b−エチレンオキシド)、ポリ(2−ビニルピリジン−b−メチルアクリル酸)、ポリ(N−メチル2−ビニルピリジニウムヨージド−b−エチレンオキシド)、ポリ(N−メチル 4−ビニルピリジニウムヨージド−b−メタクリル酸メチル)、ポリ(4−ビニルピリジン−b−エチレンオキシド)PEO末端官能性OH;ならびにポリ(ビニルピロリドン)ベースのコポリマー、例えば、ポリ(ビニルピロリドン−b−D/L−ラクチド);などを含むPドットが使用され得る。
本開示の一部の態様では、検出に使用されるPドットはポリマーCN−PPVを含むものであり得、該ポリマーは、ポリ[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−(1−シアノビニレン−1,4−フェニレン)]としても知られている明るくてコンパクトなオレンジ色発光半導体ポリマードットである。CN−PPVは、卓越した蛍光特性、例えば、大きな吸収断面積、高い量子収量および高速発光速度を有する。
一部の態様では、タンパク質およびペプチドを検出するために使用されるPドットは、本質的にCN−PPVからなるポリマーを含むものであり得る。一部の態様では、該ナノ粒子はCN−PPVと少なくとも1種類の他の物質を含むものである。例えば、CN−PPVは、さらなる機能性をもたらすコポリマーまたは他の物質と混合され得る。
一部の態様では、タンパク質およびペプチドの検出に使用されるポリマードットは、少なくとも2つの異なる発色団単位を有する半導体コポリマーを含むものであり得る。例えば、コンジュゲートコポリマーは、所与の比率で存在させたフルオレン発色団単位とベンゾチアゾール発色団単位の両方を含むものであり得る。半導体コポリマーを合成するために使用される典型的な発色団単位としては、限定されないが、フルオレン単位、フェニレンビニレン単位、フェニレン単位、フェニレンエチニレン単位、ベンゾチアゾール単位、チオフェン単位、カルバゾールフルオレン単位、ボロン−ジピロメテン単位、およびその誘導体が挙げられる。該異なる発色団単位は、ブロックコポリマーの場合のように隔離されていてもよく、混ざり合っていてもよい。本明細書で用いる場合、発色団コポリマーは、主な発色団の種の実体を記載することにより示している。例えば、PFBTは、フルオレン単位とベンゾチアゾール単位を特定の比率で含む発色団ポリマーである。一部の場合では、ダッシュを用いて少ない方の発色団の種の割合を示し、次いで、少ない方の発色団の種の実体を示している。例えば、PF−0.1 BTは90%のPFと10%のBTを含む発色団コポリマーである。
一部の特定の態様では、ポリマードットは半導体ポリマーブレンドを含むものであり得る。該ブレンドは、ホモポリマー、コポリマーおよびオリゴマーの任意の組合せを含むものであり得る。ポリマードットを形成するために使用されるポリマーブレンドは、得られるポリマードットの特性が微調整されるように、例えば、ポリマードットのための所望の励起スペクトルまたは発光スペクトルが得られるように選択され得る。
一部のアッセイでは、半導体Pドットにより、一部において他の蛍光レポーターよりも高い量子収量を示すため検出感度の改善がもたらされる。一部の態様では、使用されるPドットの量子収量は20%より大きい、30%より大きい、40%より大きい、50%より大きい、60%より大きい、70%より大きい、80%より大きい、または90%より大きい。
一部のアッセイでは、半導体Pドットにより、一部において他の蛍光レポーターよりも速い発光速度を示すため検出感度の改善がもたらされる。一部の特定の態様では、使用されるPドットの発光速度は約0.1ナノ秒〜約50ナノ秒である。
一部の態様では、使用される発色団ポリマードットは、有機色素小分子、金属錯体、フォトコトクロミック(photochotochromic)色素およびその任意の組合せの単位を有するポリマー、例えば光学的に不活性なポリマー、例えば、小分子有機色素、金属錯体、フォトクロミック色素およびその任意の組合せが共有結合またはグラフトされたポリスチレンを含むものである。このような色素または金属錯体はタンパク質感知能を有するものであり得る。
一部の態様では、有機色素小分子、金属錯体、フォトクロミック色素、およびその任意の組合せを発光性単位として共有結合させた半導体ポリマーを含むPドットの使用のための方法、システム、組成物およびキットを提供する。かかる発光性単位は、発光色を微調整し得、量子収量を増大させ得、発色団ポリマードットの光安定性を改善し得るものである。
一部の態様では、小分子有機色素または金属錯体は、感知機能を有し、したがって発色団ポリマードットに対してさらなる機能性、例えば、タンパク質感知能を付加し得る。
一部の態様では、Pドットは、小分子有機色素、金属錯体、フォトクロミック色素およびその任意の組合せが共有結合またはグラフトされた他の発色団ポリマー、例えば光学的に不活性なポリマーと物理的に混合または化学架橋されてさらなる機能性、例えばタンパク質感知を有する半導体ポリマーを含むものであり得る。
一部の態様では、Pドットは、発光色を微調整するため、量子収量および/または光安定性を改善するため、および/またはさらなる機能性、例えば、磁性機能、プラズモン共鳴機能などをもたらすために他の成分、例えば、蛍光色素、無機発光性物質、磁性物質、金属物質などと物理的に混合または化学架橋された半導体ポリマーを含むものであり得る。
本明細書において提供するナノ粒子のサイズは、ナノ粒子の最小寸法を示す「限界寸法」に関して規定する。多くのナノ粒子は、おおまかには球形の形状であり、このため限界寸法は球形粒子の半径または直径となる。典型的なナノ粒子、例えばナノスフェアおよびナノキューブは完全にナノスコピックサイズであるが、ナノ粒子のどの寸法もナノスケールである必要はない。例えば、ナノシリンダーは、ナノスケールの直径を有するが長さはマイクロスケールであるものであってもよい。
一部の態様では、使用されるPドットの限界寸法は30nm以下である。一部の態様では、限界寸法は25nm以下である。一部の態様では、限界寸法は20nm以下である。一部の態様では、限界寸法は15nm以下である。一部の態様では、限界寸法は10nm以下である。一部の態様では、限界寸法は5nm以下である。
一部の態様では、使用されるPドットは1nmより大きく1000nm未満の限界寸法を有する。
ナノ粒子の考えられ得る形状には本質的に制限はない。しかしながら、一部の特定の態様では、形状は、球形、円筒形、楕円、多面体、角柱形、棒状およびワイヤから選択される。ナノ粒子の形状は検出特性に寄与する場合があり得、これは当業者には認識されよう(例えば、ナノロッドはナノスフェアとは異なる光学特性を有し得る)。
ナノ粒子のナノスケールサイズは、大型粒子サイズによって提示される問題点を回避するために必須である。例えば、光ルミネセンスイメージングのためにナノ粒子を標的分子(例えば、タンパク質)に結合させる場合、比較的大型の粒子の方が、標的以外の分子への非特異的結合または表面への吸着に利用可能な表面積が大きい。
提供する本ナノ粒子は、解析方法、システムまたはキットの一部として標的分子に結合され得る光ルミネッセントレポーターとしての使用に最適化されたものである。該ナノ粒子は、光ルミネセンスを用いて容易に検出可能なものであるのがよく、標的分子に対する特異性を有するものであるのがよい。
所与のPドットの光学特性、例えば吸収波長は、その組成および幾何形状を改変することにより微調整され得る。可視スペクトル全体を含むUVから赤外の範囲の吸収波長を有する半導体ポリマーを開発した。一部の態様では、約200nm〜約300nm、約250nm〜約350nm、約300nm〜約400nm、約350nm〜約450nm、約400nm〜約500nm、約450nm〜約550nm、約500nm〜約600nm、約550nm〜約650nm、約600nm〜約700nm、約650nm〜約750nm、約700nm〜約800nm、約750nm〜約850nm、約800nm〜約900nm、約850nm〜約950nm、または約900nm〜約1000nmのピーク吸収波長を有するPドットが使用される。
可視スペクトル全体を含むUVから赤外の範囲の発光波長を有する半導体ポリマーを開発した。一部の態様では、約200nm〜約300nm、約250nm〜約350nm、約300nm〜約400nm、約350nm〜約450nm、約400nm〜約500nm、約450nm〜約550nm、約500nm〜約600nm、約550nm〜約650nm、約600nm〜約700nm、約650nm〜約750nm、約700nm〜約800nm、約750nm〜約850nm、約800nm〜約900nm、約850nm〜約950nm、約900nm〜約1000nm、約950nm〜約1050nm、約1000nm〜約1100nm、約1150nm〜約1250nm、または約1200nm〜約1300nmのピーク発光波長を有するPドットが使用される。
一部の態様では、提供する本方法、システム、組成物およびキットは、狭帯域発光を有するPドットを利用するものである。狭帯域発光は一部の特定の用途、例えば限定されないが多重化用途に好都合である。ポリマードットの発光波長は紫外領域から近赤外領域までさまざまであり得る。発光バンドの半値全幅(FWHM)は70nm未満である。一部の実施形態では、FWHMは約65nm未満である。一部の実施形態では、FWHMは約60nm未満である。一部の実施形態では、FWHMは約55nm未満である。一部の実施形態では、FWHMは約50nm未満である。一部の実施形態では、FWHMは約45nm未満である。一部の実施形態では、FWHMは約40nm未満である。一部の実施形態では、FWHMは約35nm未満である。一部の実施形態では、FWHMは約30nm未満である。一部の実施形態では、FWHMは約25nm未満である。一部の実施形態では、FWHMは約20nm未満である。一部の実施形態では、FWHMは約10nm未満である。一部の実施形態では、本明細書に記載のポリマードットのFWHMは約5nm〜約70nm、約10nm〜約60nm、約20nm〜約50nm、または約30nm〜約45nmの範囲であり得る。
一部の態様では、Pドットを作製するための狭帯域発光性のポリマーとしては、狭帯域モノマーとして、ボロン−ジピロメテン(4,4−ジフルオロ−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン、BODIPY)およびまたはその誘導体、および/または他のボロン含有モノマーおよびその誘導体が挙げられる。BODIPYおよび他のボロン含有モノマーならびにこれらの誘導体としては、限定されないが、これらのアルキル誘導体、アリール誘導体、アルキン誘導体、芳香族誘導体、アルコキシド誘導体、アザ誘導体、BODIPY拡張系および他のBODIPY誘導体が挙げられる。また、狭帯域発光性のポリマーは任意の他のモノマーを含むものであってもよい。最終Pドットが狭帯域発光を示し得るものとなるように、BODIPYベースのモノマーをエネルギー受容体にし、他のモノマーをエネルギー供与体にしてもよい。良溶媒中の狭帯域発光性の発色団ポリマーは、広域発光を示す場合または狭域発光を示す場合があり得る。BODIPYおよび他のボロン含有モノマーならびにこれらの誘導体を含む狭帯域発光を有するPドットの包括的説明はWO2013/101902(これは引用によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。
当業者には認識されるように、本明細書に定義した種々の化学用語は、本開示のポリマーおよびモノマーの化学構造を説明するために使用したものであり得る。例えば、さまざまなモノマー誘導体(例えば、BODIPY誘導体)は、本明細書に記載したさまざまな化学置換基および基を含むものであり得る。例えば、一部の実施形態では、種々のモノマーの誘導体は、水素、重水素、アルキル、アラルキル、アリール、アルコキシ−アリール、N−ジアルキル−4−フェニル、N−ジフェニル−4−フェニル、N−ジアルコキシフェニル−4−フェニル、アミノ、スルフィド、アルデヒド、エステル、エーテル、酸、および/またはヒドロキシルで置換されたものであり得る。本発明はポリマードット、例えば狭帯域発光性発色団ポリマードットを含むものであり得る。本明細書においてさらに記載するように、本発明には、狭帯域発光特性(例えば、70nm未満のFWHM)を示す多種多様なポリマードットが包含される。本明細書においてさらに記載するように、本発明の多様なポリマードットとしては、狭帯域発光性単位(例えば、狭帯域モノマーおよび/または狭帯域単位)を有するポリマーが挙げられ得る。例えば、本発明には、狭帯域モノマー、例えば、BODIPYおよび/またはBODIPY誘導体モノマー、スクアラインおよび/またはスクアライン誘導体、金属錯体および/または金属錯体誘導体モノマー、ポルフィリンおよび/またはポルフィリン誘導体モノマー、フタロシアニンおよび/またはフタロシアニン(phthalocynanine)誘導体モノマー、ランタニド錯体および/またはランタニド錯体誘導体モノマー、ペリレンおよび/またはペリレン誘導体モノマー、シアニンおよび/またはシアニン誘導体モノマー、ローダミンおよび/またはローダミン誘導体モノマー、クマリンおよび/またはクマリン誘導体モノマー、および/またはキサンテンおよび/またはキサンテン誘導体モノマーを含むホモポリマーまたはヘテロポリマーが包含され得る。狭帯域単位は、例えば、狭帯域モノマーまたはポリマードットに包埋もしくは結合させた蛍光ナノ粒子であり得る。蛍光ナノ粒子は、例えば量子ドットであり得る。また、狭帯域単位としては、本発明のポリマードットにおいて狭域発光をもたらすポリマーまたは蛍光色素分子も挙げられ得る。
さまざまな他のBODIPY誘導体が本発明に使用され得る。BODIPYおよびBODIPY誘導体は、重合させてポリマー(例えば、ホモポリマーまたはヘテロポリマー)を形成してもよい、および/またはポリマー主鎖、側鎖および/または末端に結合(例えば、共有結合)させてもよい。一部の実施形態では、本発明の発色団ポリマードットは、式(I):
(式中、R
1、R
2A、R
2B、R
3A、R
3B、R
4AおよびR
4Bは各々、独立して、限定されないが、水素(H)、重水素(D)、ハロゲン、直鎖または分枝鎖アルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキレン、アルコキシ、アリール、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、エーテルおよびその誘導体、エステルおよびその誘導体、アルキルケトン、アルキルエステル、アリールエステル、アルキニル、アルキルアミン、フルオロアルキル、フルオロアリール、ならびにポリアルカレン(alkalene)(例えば、メトキシエトキシエトキシ、エトキシエトキシおよび−(OCH
2CH
2)
nOH、n=1〜50)、フェニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フェニル、ピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピリジル、ビピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ビピリジル トリピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換トリピリジル、フリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フリル、チエニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換チエニル、ピロリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピロリル、ピラゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピラゾリル、オキサゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換オキサゾリル、チアゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換チアゾリル、イミダゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換イミダゾリル、ピラジニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピラジニル、ベンゾオキサジゾリル(benzooxadizolyl)、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ベンゾオキサジゾリル、ベンゾチアジゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ベンゾチアジゾリル(benzothiadizolyl)、フルオレニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フルオレニル、トリフェニルアミニル置換フルオレニル、ジフェニルアミニル置換フルオレニル、アルキル置換カルバゾリル、アルキル置換トリフェニルアミニルおよびアルキル置換チオフェニルからなる群より選択される)の構造を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含むものであり得る。例示的な実施形態として、アルキル置換フェニルとしては、2−アルキルフェニル、3−アルキルフェニル、4−アルキルフェニル、2,4−ジアルキルフェニル、3,5−ジアルキルフェニル、3,4−ジアルキルフェニルが挙げられ得;アルキル置換フルオレニルとしては、9,9−ジアルキル置換フルオレニル、7−アルキル−9,9−ジアルキル置換フルオレニル、6−アルキル−9,9−ジアルキル置換フルオレニル、7−トリフェニルアミニル−9,9−ジアルキル置換フルオレニルおよび7−ジフェニルアミニル−9,9−ジアルキル置換フルオレニルが挙げられ得;アルキル置換カルバゾリルとしては、N−アルキル置換カルバゾリル、6−アルキル置換カルバゾリルおよび7−アルキル置換カルバゾリルが挙げられ得;アルキル置換トリフェニルアミニルとしては、4’−アルキル置換トリフェニルアミニル、3’−アルキル置換トリフェニルアミニル、3’,4’−ジアルキル置換トリフェニルアミニルおよび4’,4’’−アルキル置換トリフェニルアミニルが挙げられ得;アルキル置換チオフェニルとしては、2−アルキルチオフェニル、3−アルキルチオフェニルおよび4−アルキルチオフェニル、N−ジアルキル−4−フェニル、N−ジフェニル−4−フェニル、ならびにN−ジアルコキシフェニル−4−フェニルが挙げられ得る。狭帯域モノマーは、ポリマーの主鎖に一体化され得る(例えば、ポリマーに重合させる)、および/またはポリマーの主鎖、末端もしくは側鎖に、R
1、R
2A、R
2B、R
3A、R
3B、R
4A、R
4Bもしくはこれらの組合せとの少なくとも1つの結合によって共有結合され得る。
一部の実施形態では、本発明の発色団ポリマードットは、式(II):
(式中、R
1、R
2A、R
2B、R
3A、R
3B、R
4AおよびR
4Bは各々、独立して、限定されないが、水素(H)、重水素(D)、ハロゲン、直鎖または分枝鎖アルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキレン、アルコキシ、アリール、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、エーテルおよびその誘導体、エステルおよびその誘導体、アルキルケトン、アルキルエステル、アリールエステル、アルキニル、アルキルアミン、フルオロアルキル、フルオロアリール、ならびにポリアルカレン(例えば、メトキシエトキシエトキシ、エトキシエトキシおよび−(OCH
2CH
2)
nOH、n=1〜50)、フェニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フェニル、ピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピリジル、ビピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ビピリジル トリピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換トリピリジル、フリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フリル、チエニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換チエニル、ピロリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピロリル、ピラゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピラゾリル、オキサゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換オキサゾリル、チアゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換チアゾリル、イミダゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換イミダゾリル、ピラジニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピラジニル、ベンゾオキサジゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ベンゾオキサジゾリル、ベンゾチアジゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ベンゾチアジゾリル、フルオレニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フルオレニル、トリフェニルアミニル置換フルオレニル、ジフェニルアミニル置換フルオレニル、アルキル置換カルバゾリル、アルキル置換トリフェニルアミニルおよびアルキル置換チオフェニルからなる群より選択される)の構造を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含むものであり得る。例示的な実施形態として、アルキル置換フェニルとしては、2−アルキルフェニル、3−アルキルフェニル、4−アルキルフェニル、2,4−ジアルキルフェニル、3,5−ジアルキルフェニル、3,4−ジアルキルフェニルが挙げられ得;アルキル置換フルオレニルとしては、9,9−ジアルキル置換フルオレニル、7−アルキル−9,9−ジアルキル置換フルオレニル、6−アルキル−9,9−ジアルキル置換フルオレニル、7−トリフェニルアミニル−9,9−ジアルキル置換フルオレニルおよび7−ジフェニルアミニル−9,9−ジアルキル置換フルオレニルが挙げられ得;アルキル置換カルバゾリルとしては、N−アルキル置換カルバゾリル、6−アルキル置換カルバゾリルおよび7−アルキル置換カルバゾリルが挙げられ得;アルキル置換トリフェニルアミニルとしては、4’−アルキル置換トリフェニルアミニル、3’−アルキル置換トリフェニルアミニル、3’,4’−ジアルキル置換トリフェニルアミニルおよび4’,4’’−アルキル置換トリフェニルアミニルが挙げられ得;アルキル置換チオフェニルとしては、2−アルキルチオフェニル、3−アルキルチオフェニルおよび4−アルキルチオフェニル、N−ジアルキル−4−フェニル、N−ジフェニル−4−フェニル、ならびにN−ジアルコキシフェニル−4−フェニルが挙げられ得る。狭帯域モノマーは、ポリマーの主鎖に一体化され得る(例えば、ポリマーに重合させる)、および/またはポリマーの主鎖、末端もしくは側鎖に、R
1、R
2A、R
2B、R
3A、R
3B、R
4A、R
4Bもしくはこれらの組合せとの少なくとも1つの結合によって共有結合され得る。該モノマーは、例えば、ポリマーの主鎖とR
3A基およびR
3B基との結合によって一体化され得る。
一部の実施形態では、本発明の発色団ポリマードットは、式(III):
(式中、R
1、R
2AおよびR
2Bは各々、独立して、限定されないが、水素(H)、重水素(D)、ハロゲン、直鎖または分枝鎖アルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキレン、アルコキシ、アリール、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、エーテルおよびその誘導体、エステルおよびその誘導体、アルキルケトン、アルキルエステル、アリールエステル、アルキニル、アルキルアミン、フルオロアルキル、フルオロアリール、ならびにポリアルカレン(例えば、メトキシエトキシエトキシ、エトキシエトキシおよび−(OCH
2CH
2)
nOH、n=1〜50)、フェニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フェニル、ピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピリジル、ビピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ビピリジル トリピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換トリピリジル、フリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フリル、チエニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換チエニル、ピロリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピロリル、ピラゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピラゾリル、オキサゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換オキサゾリル、チアゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換チアゾリル、イミダゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換イミダゾリル、ピラジニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピラジニル、ベンゾオキサジゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ベンゾオキサジゾリル、ベンゾチアジゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ベンゾチアジゾリル、フルオレニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フルオレニル、トリフェニルアミニル置換フルオレニル、ジフェニルアミニル置換フルオレニル、アルキル置換カルバゾリル、アルキル置換トリフェニルアミニルおよびアルキル置換チオフェニルからなる群より選択される)の構造を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含むものであり得る。例示的な実施形態として、アルキル置換フェニルとしては、2−アルキルフェニル、3−アルキルフェニル、4−アルキルフェニル、2,4−ジアルキルフェニル、3,5−ジアルキルフェニル、3,4−ジアルキルフェニルが挙げられ得;アルキル置換フルオレニルとしては、9,9−ジアルキル置換フルオレニル、7−アルキル−9,9−ジアルキル置換フルオレニル、6−アルキル−9,9−ジアルキル置換フルオレニル、7−トリフェニルアミニル−9,9−ジアルキル置換フルオレニルおよび7−ジフェニルアミニル−9,9−ジアルキル置換フルオレニルが挙げられ得;アルキル置換カルバゾリルとしては、N−アルキル置換カルバゾリル、6−アルキル置換カルバゾリルおよび7−アルキル置換カルバゾリルが挙げられ得;アルキル置換トリフェニルアミニルとしては、4’−アルキル置換トリフェニルアミニル、3’−アルキル置換トリフェニルアミニル、3’,4’−ジアルキル置換トリフェニルアミニルおよび4’,4’’−アルキル置換トリフェニルアミニルが挙げられ得;アルキル置換チオフェニルとしては、2−アルキルチオフェニル、3−アルキルチオフェニルおよび4−アルキルチオフェニル、N−ジアルキル−4−フェニル、N−ジフェニル−4−フェニル、ならびにN−ジアルコキシフェニル−4−フェニルが挙げられ得る。狭帯域モノマーは、ポリマーの主鎖に一体化され得る(例えば、ポリマーに重合させる)、および/またはポリマーの主鎖、末端もしくは側鎖に、例えばR
1、R
2A、R
2Bもしくはこれらの組合せとの少なくとも1つの結合によって共有結合され得る。括弧はポリマーの主鎖とのモノマーの結合点を示す。
一部の実施形態では、本発明の発色団ポリマードットは、式(IV):
(式中、R
1、R
2A、R
2B、R
3AおよびR
3Bは各々、独立して、限定されないが、水素(H)、重水素(D)、ハロゲン、直鎖または分枝鎖アルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキレン、アルコキシ、アリール、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、エーテルおよびその誘導体、エステルおよびその誘導体、アルキルケトン、アルキルエステル、アリールエステル、アルキニル、アルキルアミン、フルオロアルキル、フルオロアリール、ならびにポリアルカレン(例えば、メトキシエトキシエトキシ、エトキシエトキシおよび−(OCH
2CH
2)
nOH、n=1〜50)、フェニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フェニル、ピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピリジル、ビピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ビピリジル トリピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換トリピリジル、フリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フリル、チエニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換チエニル、ピロリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピロリル、ピラゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピラゾリル、オキサゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換オキサゾリル、チアゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換チアゾリル、イミダゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換イミダゾリル、ピラジニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピラジニル、ベンゾオキサジゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ベンゾオキサジゾリル、ベンゾチアジゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ベンゾチアジゾリル、フルオレニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フルオレニル、トリフェニルアミニル置換フルオレニル、ジフェニルアミニル置換フルオレニル、アルキル置換カルバゾリル、アルキル置換トリフェニルアミニルおよびアルキル置換チオフェニルからなる群より選択される)の構造を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含むものであり得る。例示的な実施形態として、アルキル置換フェニルとしては、2−アルキルフェニル、3−アルキルフェニル、4−アルキルフェニル、2,4−ジアルキルフェニル、3,5−ジアルキルフェニル、3,4−ジアルキルフェニルが挙げられ得;アルキル置換フルオレニルとしては、9,9−ジアルキル置換フルオレニル、7−アルキル−9,9−ジアルキル置換フルオレニル、6−アルキル−9,9−ジアルキル置換フルオレニル、7−トリフェニルアミニル−9,9−ジアルキル置換フルオレニルおよび7−ジフェニルアミニル−9,9−ジアルキル置換フルオレニルが挙げられ得;アルキル置換カルバゾリルとしては、N−アルキル置換カルバゾリル、6−アルキル置換カルバゾリルおよび7−アルキル置換カルバゾリルが挙げられ得;アルキル置換トリフェニルアミニルとしては、4’−アルキル置換トリフェニルアミニル、3’−アルキル置換トリフェニルアミニル、3’,4’−ジアルキル置換トリフェニルアミニルおよび4’,4’’−アルキル置換トリフェニルアミニルが挙げられ得;アルキル置換チオフェニルとしては、2−アルキルチオフェニル、3−アルキルチオフェニルおよび4−アルキルチオフェニル、N−ジアルキル−4−フェニル、N−ジフェニル−4−フェニル、ならびにN−ジアルコキシフェニル−4−フェニルが挙げられ得る。狭帯域モノマーは、ポリマーの主鎖に一体化され得る(例えば、ポリマーに重合させる)、および/またはポリマーの主鎖、末端もしくは側鎖に、R
1、R
2A、R
2B、R
3AおよびR
3Bもしくはこれらの組合せとの少なくとも1つの結合によって共有結合され得る。
一部の実施形態では、本発明の発色団ポリマードットは、式(V):
(式中、R
1、R
2A、R
2B、R
3A、R
3B、R
4A、R
4B、R
5AおよびR
5Bは各々、独立して、限定されないが、水素(H)、重水素(D)、ハロゲン、直鎖または分枝鎖アルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキレン、アルコキシ、アリール、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、エーテルおよびその誘導体、エステルおよびその誘導体、アルキルケトン、アルキルエステル、アリールエステル、アルキニル、アルキルアミン、フルオロアルキル、フルオロアリール、ならびにポリアルカレン(例えば、メトキシエトキシエトキシ、エトキシエトキシおよび−(OCH
2CH
2)
nOH、n=1〜50)、フェニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フェニル、ピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピリジル、ビピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ビピリジル トリピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換トリピリジル、フリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フリル、チエニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換チエニル、ピロリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピロリル、ピラゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピラゾリル、オキサゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換オキサゾリル、チアゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換チアゾリル、イミダゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換イミダゾリル、ピラジニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピラジニル、ベンゾオキサジゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ベンゾオキサジゾリル、ベンゾチアジゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ベンゾチアジゾリル、フルオレニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フルオレニル、トリフェニルアミニル置換フルオレニル、ジフェニルアミニル置換フルオレニル、アルキル置換カルバゾリル、アルキル置換トリフェニルアミニルおよびアルキル置換チオフェニルからなる群より選択される)の構造を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含むものであり得る。例示的な実施形態として、アルキル置換フェニルとしては、2−アルキルフェニル、3−アルキルフェニル、4−アルキルフェニル、2,4−ジアルキルフェニル、3,5−ジアルキルフェニル、3,4−ジアルキルフェニルが挙げられ得;アルキル置換フルオレニルとしては、9,9−ジアルキル置換フルオレニル、7−アルキル−9,9−ジアルキル置換フルオレニル、6−アルキル−9,9−ジアルキル置換フルオレニル、7−トリフェニルアミニル−9,9−ジアルキル置換フルオレニルおよび7−ジフェニルアミニル−9,9−ジアルキル置換フルオレニルが挙げられ得;アルキル置換カルバゾリルとしては、N−アルキル置換カルバゾリル、6−アルキル置換カルバゾリルおよび7−アルキル置換カルバゾリルが挙げられ得;アルキル置換トリフェニルアミニルとしては、4’−アルキル置換トリフェニルアミニル、3’−アルキル置換トリフェニルアミニル、3’,4’−ジアルキル置換トリフェニルアミニルおよび4’,4’’−アルキル置換トリフェニルアミニルが挙げられ得;アルキル置換チオフェニルとしては、2−アルキルチオフェニル、3−アルキルチオフェニルおよび4−アルキルチオフェニル、N−ジアルキル−4−フェニル、N−ジフェニル−4−フェニル、ならびにN−ジアルコキシフェニル−4−フェニルが挙げられ得る。狭帯域モノマーは、ポリマーの主鎖に一体化され得る(例えば、ポリマーに共重合させる)、および/またはポリマーの主鎖、末端もしくは側鎖に、R
1、R
2A、R
2B、R
3A、R
3B、R
4A、R
4B、R
5A、R
5Bもしくはこれらの組合せとの少なくとも1つの結合によって共有結合され得る。一部の特定の実施形態では、狭帯域モノマーは主鎖にR
5A基およびR
5B基との結合によって一体化され得る。
一部の実施形態では、本発明の発色団ポリマードットは、式(VI):
(式中、R
1A、R
1B、R
2A、R
2B、R
3AおよびR
3Bは各々、独立して、限定されないが、水素(H)、重水素(D)、ハロゲン、直鎖または分枝鎖アルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキレン、アルコキシ、アリール、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、エーテルおよびその誘導体、エステルおよびその誘導体、アルキルケトン、アルキルエステル、アリールエステル、アルキニル、アルキルアミン、フルオロアルキル、フルオロアリール、ならびにポリアルカレン(例えば、メトキシエトキシエトキシ、エトキシエトキシおよび−(OCH
2CH
2)
nOH、n=1〜50)、フェニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フェニル、ピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピリジル、ビピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ビピリジル トリピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換トリピリジル、フリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フリル、チエニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換チエニル、ピロリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピロリル、ピラゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピラゾリル、オキサゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換オキサゾリル、チアゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換チアゾリル、イミダゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換イミダゾリル、ピラジニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピラジニル、ベンゾオキサジゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ベンゾオキサジゾリル、ベンゾチアジゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ベンゾチアジゾリル、フルオレニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フルオレニル、トリフェニルアミニル置換フルオレニル、ジフェニルアミニル置換フルオレニル、アルキル置換カルバゾリル、アルキル置換トリフェニルアミニルおよびアルキル置換チオフェニルからなる群より選択される)の構造を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含むものであり得る。例示的な実施形態として、アルキル置換フェニルとしては、2−アルキルフェニル、3−アルキルフェニル、4−アルキルフェニル、2,4−ジアルキルフェニル、3,5−ジアルキルフェニル、3,4−ジアルキルフェニルが挙げられ得;アルキル置換フルオレニルとしては、9,9−ジアルキル置換フルオレニル、7−アルキル−9,9−ジアルキル置換フルオレニル、6−アルキル−9,9−ジアルキル置換フルオレニル、7−トリフェニルアミニル−9,9−ジアルキル置換フルオレニルおよび7−ジフェニルアミニル−9,9−ジアルキル置換フルオレニルが挙げられ得;アルキル置換カルバゾリルとしては、N−アルキル置換カルバゾリル、6−アルキル置換カルバゾリルおよび7−アルキル置換カルバゾリルが挙げられ得;アルキル置換トリフェニルアミニルとしては、4’−アルキル置換トリフェニルアミニル、3’−アルキル置換トリフェニルアミニル、3’,4’−ジアルキル置換トリフェニルアミニルおよび4’,4’’−アルキル置換トリフェニルアミニルが挙げられ得;アルキル置換チオフェニルとしては、2−アルキルチオフェニル、3−アルキルチオフェニルおよび4−アルキルチオフェニル、N−ジアルキル−4−フェニル、N−ジフェニル−4−フェニル、ならびにN−ジアルコキシフェニル−4−フェニルが挙げられ得る。狭帯域モノマーは、ポリマーの主鎖に一体化され得る(例えば、ポリマーに重合させる)、および/またはポリマーの主鎖、末端もしくは側鎖に、R
1A、R
1B、R
2A、R
2B、R
3A、R
3Bもしくはこれらの組合せとの少なくとも1つの結合によって共有結合され得る。
一部の実施形態では、本発明の発色団ポリマードットは、式(VII):
(式中、R
2A、R
2B、R
3A、R
3B、R
4A、R
4B、R
5AおよびR
5Bは各々、独立して、限定されないが、水素(H)、重水素(D)、ハロゲン、直鎖または分枝鎖アルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキレン、アルコキシ、アリール、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、エーテルおよびその誘導体、エステルおよびその誘導体、アルキルケトン、アルキルエステル、アリールエステル、アルキニル、アルキルアミン、フルオロアルキル、フルオロアリール、ならびにポリアルカレン(例えば、メトキシエトキシエトキシ、エトキシエトキシおよび−(OCH
2CH
2)
nOH、n=1〜50)、フェニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フェニル、ピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピリジル、ビピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ビピリジル トリピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換トリピリジル、フリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フリル、チエニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換チエニル、ピロリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピロリル、ピラゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピラゾリル、オキサゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換オキサゾリル、チアゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換チアゾリル、イミダゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換イミダゾリル、ピラジニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピラジニル、ベンゾオキサジゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ベンゾオキサジゾリル、ベンゾチアジゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ベンゾチアジゾリル、フルオレニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フルオレニル、トリフェニルアミニル置換フルオレニル、ジフェニルアミニル置換フルオレニル、アルキル置換カルバゾリル、アルキル置換トリフェニルアミニルおよびアルキル置換チオフェニルからなる群より選択される)の構造を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含むものであり得る。例示的な実施形態として、アルキル置換フェニルとしては、2−アルキルフェニル、3−アルキルフェニル、4−アルキルフェニル、2,4−ジアルキルフェニル、3,5−ジアルキルフェニル、3,4−ジアルキルフェニルが挙げられ得;アルキル置換フルオレニルとしては、9,9−ジアルキル置換フルオレニル、7−アルキル−9,9−ジアルキル置換フルオレニル、6−アルキル−9,9−ジアルキル置換フルオレニル、7−トリフェニルアミニル−9,9−ジアルキル置換フルオレニルおよび7−ジフェニルアミニル−9,9−ジアルキル置換フルオレニルが挙げられ得;アルキル置換カルバゾリルとしては、N−アルキル置換カルバゾリル、6−アルキル置換カルバゾリルおよび7−アルキル置換カルバゾリルが挙げられ得;アルキル置換トリフェニルアミニルとしては、4’−アルキル置換トリフェニルアミニル、3’−アルキル置換トリフェニルアミニル、3’,4’−ジアルキル置換トリフェニルアミニルおよび4’,4’’−アルキル置換トリフェニルアミニルが挙げられ得;アルキル置換チオフェニルとしては、2−アルキルチオフェニル、3−アルキルチオフェニルおよび4−アルキルチオフェニル、N−ジアルキル−4−フェニル、N−ジフェニル−4−フェニル、ならびにN−ジアルコキシフェニル−4−フェニルが挙げられ得る。狭帯域モノマーは、ポリマーの主鎖に一体化され得る(例えば、ポリマーに重合させる)、および/またはポリマーの主鎖、末端もしくは側鎖に、R
2A、R
2B、R
3A、R
3B、R
4A、R
4B、R
5A、R
5Bもしくはこれらの組合せとの少なくとも1つの結合によって共有結合され得る)。
一部の実施形態では、本発明の発色団ポリマードットは、式(VIII):
(式中、R
1A、R
1B、R
2A、R
2B、R
3A、R
3B、R
4AおよびR
4Bは各々、独立して、限定されないが、水素(H)、重水素(D)、ハロゲン、直鎖または分枝鎖アルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキレン、アルコキシ、アリール、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、エーテルおよびその誘導体、エステルおよびその誘導体、アルキルケトン、アルキルエステル、アリールエステル、アルキニル、アルキルアミン、フルオロアルキル、フルオロアリール、ならびにポリアルカレン(例えば、メトキシエトキシエトキシ、エトキシエトキシおよび−(OCH
2CH
2)
nOH、n=1〜50)、フェニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フェニル、ピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピリジル、ビピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ビピリジル トリピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換トリピリジル、フリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フリル、チエニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換チエニル、ピロリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピロリル、ピラゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピラゾリル、オキサゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換オキサゾリル、チアゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換チアゾリル、イミダゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換イミダゾリル、ピラジニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピラジニル、ベンゾオキサジゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ベンゾオキサジゾリル、ベンゾチアジゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ベンゾチアジゾリル、フルオレニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フルオレニル、トリフェニルアミニル置換フルオレニル、ジフェニルアミニル置換フルオレニル、アルキル置換カルバゾリル、アルキル置換トリフェニルアミニルおよびアルキル置換チオフェニルからなる群より選択される)の構造を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含むものであり得る。例示的な実施形態として、アルキル置換フェニルとしては、2−アルキルフェニル、3−アルキルフェニル、4−アルキルフェニル、2,4−ジアルキルフェニル、3,5−ジアルキルフェニル、3,4−ジアルキルフェニルが挙げられ得;アルキル置換フルオレニルとしては、9,9−ジアルキル置換フルオレニル、7−アルキル−9,9−ジアルキル置換フルオレニル、6−アルキル−9,9−ジアルキル置換フルオレニル、7−トリフェニルアミニル−9,9−ジアルキル置換フルオレニルおよび7−ジフェニルアミニル−9,9−ジアルキル置換フルオレニルが挙げられ得;アルキル置換カルバゾリルとしては、N−アルキル置換カルバゾリル、6−アルキル置換カルバゾリルおよび7−アルキル置換カルバゾリルが挙げられ得;アルキル置換トリフェニルアミニルとしては、4’−アルキル置換トリフェニルアミニル、3’−アルキル置換トリフェニルアミニル、3’,4’−ジアルキル置換トリフェニルアミニルおよび4’,4’’−アルキル置換トリフェニルアミニルが挙げられ得;アルキル置換チオフェニルとしては、2−アルキルチオフェニル、3−アルキルチオフェニルおよび4−アルキルチオフェニル、N−ジアルキル−4−フェニル、N−ジフェニル−4−フェニル、ならびにN−ジアルコキシフェニル−4−フェニルが挙げられ得る。また、式中、R
5A、R
5B、R
6AおよびR
6Bは各々、独立して、限定されないが、水素(H)、重水素(D)、ハロゲン、直鎖または分枝鎖アルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキレン、アルコキシ、アリール、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、エーテルおよびその誘導体、エステルおよびその誘導体、アルキルケトン、アルキルエステル、アリールエステル、アルキニル、アルキルアミン、フルオロアルキル、フルオロアリール、ならびにポリアルカレン(例えば、メトキシエトキシエトキシ、エトキシエトキシおよび−(OCH
2CH
2)
nOH、n=1〜50)、フェニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フェニル、ピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピリジル、ビピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ビピリジル トリピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換トリピリジル、フリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フリル、チエニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換チエニル、ピロリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピロリル、ピラゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピラゾリル、オキサゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換オキサゾリル、チアゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換チアゾリル、イミダゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換イミダゾリル、ピラジニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピラジニル、ベンゾオキサジゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ベンゾオキサジゾリル、ベンゾチアジゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ベンゾチアジゾリル、フルオレニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フルオレニル、トリフェニルアミニル置換フルオレニル、ジフェニルアミニル置換フルオレニル、アルキル置換カルバゾリル、アルキル置換トリフェニルアミニルおよびアルキル置換チオフェニルからなる群より選択される。例示的な実施形態として、アルキル置換フェニルとしては、2−アルキルフェニル、3−アルキルフェニル、4−アルキルフェニル、2,4−ジアルキルフェニル、3,5−ジアルキルフェニル、3,4−ジアルキルフェニルが挙げられ得;アルキル置換フルオレニルとしては、9,9−ジアルキル置換フルオレニル、7−アルキル−9,9−ジアルキル置換フルオレニル、6−アルキル−9,9−ジアルキル置換フルオレニル、7−トリフェニルアミニル−9,9−ジアルキル置換フルオレニルおよび7−ジフェニルアミニル−9,9−ジアルキル置換フルオレニルが挙げられ得;アルキル置換カルバゾリルとしては、N−アルキル置換カルバゾリル、6−アルキル置換カルバゾリルおよび7−アルキル置換カルバゾリルが挙げられ得;アルキル置換トリフェニルアミニルとしては、4’−アルキル置換トリフェニルアミニル、3’−アルキル置換トリフェニルアミニル、3’,4’−ジアルキル置換トリフェニルアミニルおよび4’,4’’−アルキル置換トリフェニルアミニルが挙げられ得;アルキル置換チオフェニルとしては、2−アルキルチオフェニル、3−アルキルチオフェニルおよび4−アルキルチオフェニル、N−ジアルキル−4−フェニル、N−ジフェニル−4−フェニル、ならびにN−ジアルコキシフェニル−4−フェニルが挙げられ得る。狭帯域モノマーは、ポリマーの主鎖に一体化され得る(例えば、ポリマーに共重合させる)、および/またはポリマーの主鎖、末端もしくは側鎖に、R
1A、R
1B、R
2A、R
2B、R
3A、R
3B、R
4A、R
4B、R
5A、R
5B、R
6A、R
6Bもしくはこれらの組合せとの少なくとも1つの結合によって共有結合され得る)。
一部の実施形態では、本発明の発色団ポリマードットは、式(IX):
の構造を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含むものであり得、
式中、Xは、式(X)、(XI)、(XII)もしくは(XIII)のいずれか1つの構造またはその誘導体:
を有するものであり、
式中、式(X)、(XI)、(XII)および(XIII)のR
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、R
12、R
13、R
14およびR
15は各々、独立して、水素(H)、重水素(D)、ハロゲン、直鎖または分枝鎖アルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキレン、アルコキシ、アリール、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、エーテルおよびその誘導体、エステルおよびその誘導体、アルキルケトン、アルキルエステル、アリールエステル、アルキニル、アルキルアミン、フルオロアルキル、フルオロアリール、ならびにポリアルカレン(例えば、メトキシエトキシエトキシ、エトキシエトキシおよび−(OCH
2CH
2)
nOH、n=1〜50)、フェニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フェニル、ピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピリジル、ビピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ビピリジル トリピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換トリピリジル、フリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フリル、チエニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換チエニル、ピロリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピロリル、ピラゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピラゾリル、オキサゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換オキサゾリル、チアゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換チアゾリル、イミダゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換イミダゾリル、ピラジニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピラジニル、ベンゾオキサジゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ベンゾオキサジゾリル、ベンゾチアジゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ベンゾチアジゾリル、フルオレニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フルオレニル、トリフェニルアミニル置換フルオレニル、ジフェニルアミニル置換フルオレニル、アルキル置換カルバゾリル、アルキル置換トリフェニルアミニルおよびアルキル置換チオフェニルからなる群より選択される。例示的な実施形態として、アルキル置換フェニルとしては、2−アルキルフェニル、3−アルキルフェニル、4−アルキルフェニル、2,4−ジアルキルフェニル、3,5−ジアルキルフェニル、3,4−ジアルキルフェニルが挙げられ得;アルキル置換フルオレニルとしては、9,9−ジアルキル置換フルオレニル、7−アルキル−9,9−ジアルキル置換フルオレニル、6−アルキル−9,9−ジアルキル置換フルオレニル、7−トリフェニルアミニル−9,9−ジアルキル置換フルオレニルおよび7−ジフェニルアミニル−9,9−ジアルキル置換フルオレニルが挙げられ得;アルキル置換カルバゾリルとしては、N−アルキル置換カルバゾリル、6−アルキル置換カルバゾリルおよび7−アルキル置換カルバゾリルが挙げられ得;アルキル置換トリフェニルアミニルとしては、4’−アルキル置換トリフェニルアミニル、3’−アルキル置換トリフェニルアミニル、3’,4’−ジアルキル置換トリフェニルアミニルおよび4’,4’’−アルキル置換トリフェニルアミニルが挙げられ得;アルキル置換チオフェニルとしては、2−アルキルチオフェニル、3−アルキルチオフェニルおよび4−アルキルチオフェニル、N−ジアルキル−4−フェニル、N−ジフェニル−4−フェニル、ならびにN−ジアルコキシフェニル−4−フェニルが挙げられ得る。Xがナフタレンおよびその誘導体を表す場合、狭帯域モノマーは、主鎖に一体化され得る(例えば、ポリマーに重合させる)、および/またはポリマーのポリマーの主鎖、末端もしくは側鎖に、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、R
12もしくはこれらの組合せとの少なくとも1つの結合によって共有結合され得る)。Xがアントラセンおよびその誘導体を表す場合、狭帯域モノマーは、ポリマーの主鎖に一体化され得る、および/またはポリマーの主鎖、末端もしくは側鎖に、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、R
12、R
13、R
14、R
15もしくはこれらの組合せとの少なくとも1つの結合によって共有結合され得る。
多種多様なポリマードット、例えば、本明細書に記載した実施例ならびに例えばWO2011/057295およびWO2013/101902(これらは各々、引用によりその全体が、特に、本明細書に記載した具体的なPドット組成物およびそのそれぞれの作製方法に関して本明細書に組み込まれる)に開示された他のものが使用され得る。例えばWO2011/057295に示されているように、ポリマードットのポリマーは、物理的にブレンドしたもの、または化学結合(もしくは化学架橋)したものであり得る。例えば、物理的にブレンドしたポリマードットは、ポリマードットにブレンドされて非共有結合性相互作用によって一体に保持されたポリマーを含むものであり得る。化学結合したポリマードットは、互いに共有結合させたポリマーをポリマードット中に含むものであり得る。化学結合型ポリマーは、ポリマードットの形成前に互いに共有結合させ得る。例えば、ポリマードットは、直接官能化したもの、および/または低密度官能化を有するものを含むものであり得る。
官能化ポリマードット
種々の態様において、本開示により「官能化」ポリマードットの使用、特に、Pドットの表面を修飾するための手段としての使用を提供する。本明細書で用いる場合、Pドットに関連する用語「官能化(された)」は、Pドットが1つ以上の官能基に連結(例えば、共有結合)されていることをいう。本明細書で用いる場合、用語「官能基」は、例えば任意の安定な物理的または化学的会合によって発色団ポリマーに結合され、それによりPドットの表面を改質し得る、例えば、該表面をコンジュゲーション(例えば、バイオコンジュゲーション)に利用可能にし得る任意の化学単位をいう。官能基は、発色団ポリマーの主鎖、側鎖、または末端単位の1つに共有結合され得る。官能基は、限定されないが、以下:アルデヒド、アルケン、アルキル、アルキン、歪みアルキン、アミノ、アジド、カルボニル、カルボキシル、シアノ、シクロオクチン、ジエノ、エステル、スクシンイミジルエステル、ハロアルキル、ヒドロキシル、イミド、ケトン、マレイミド、メルカプト、ホスフェート、ホスフィン、スルフェート、スルホネート、その置換型誘導体もしくはこれらの組合せの任意のものであり得る。一般に、バイオコンジュゲーションに適した任意の他の官能基が使用され得る。かかる官能基は当業者には、例えば、Bioconjugate Techniques(Academic Press,New York,1996またはそれ以降の版)(これは、引用によりその全体があらゆる目的のために本明細書に組み込まれる)において知得され得よう。
一部の態様では、本開示の官能基は、アルデヒド、アルケン、アルキル、アルキン、歪みアルキン、アミノ、アジド、カルボニル、カルボキシル、シアノ、シクロオクチン、ジエノ、エステル、スクシンイミジルエステル、ハロアルキル、ヒドロキシル、イミド、ケトン、マレイミド、メルカプト、ホスフェート、ホスフィン、スルフェート、スルホネート、その置換型誘導体もしくはこれらの組合せから選択される。
一部の態様では、官能化されたPドットの使用のための方法、システム、組成物およびキットを提供する。本開示によれば、Pドットは、さらなる修飾、例えばバイオコンジュゲーション、または後続のタンパク質もしくはペプチドの検出における使用に適したものにする任意の様式で官能化され得る。例えば、官能基は、発色団ポリマーの主鎖、側鎖、または末端単位の1つに連結(例えば、共有結合)され得る。一部の態様では、一価のポリマードットは、例えば、単一の線状ポリマー分子の2つの末端単位のうちの一方に官能基を1つだけ含む単一のポリマー分子を含むものであり得る。二価のポリマードットは、例えば、単一の線状ポリマー分子の2つの末端単位の各々に2つの官能基を含む単一のポリマー分子を含むものであり得る。三価のポリマードットは、例えば、3つの枝を有する分枝ポリマーの3つの末端単位にのみ官能基が結合している3つの官能基を含む単一のポリマー分子を含むものであり得る。同様に、例えば、4つの枝を有する、5つの枝を有する、6つの枝の末端単位に結合している官能基を有する分枝ポリマー、およびそれより多くの分枝数を有する分枝ポリマーが他の多価ポリマードットの調製に使用され得る。
一部の態様では、末端単位に少なくとも1つの官能基を有する単一のポリマー分子を含むポリマードットの使用により利点がもたらされ得る。例えば、発色団ポリマーの末端単位への1つだけの官能基の結合はポリマー合成時に充分に制御され得る。例えば、官能基を含む化学単位は、ポリマー合成において重合開始剤ならびに鎖成長触媒としての機能を果たし得、このようにして、各ポリマー分子の末端に官能基が1つだけ含まれる。また、線状発色団ポリマーの2つの末端単位だけへの官能基の結合もポリマー合成時に充分に制御され得る。例えば、官能基を含む化学単位は、ポリマー合成時にポリマーの鎖成長を終結させるためのキャッピング剤として使用され得、それにより、各線状ポリマー分子が2つの末端単位に2つだけ官能基を含むものになる。同様に、多価ポリマードットに対する官能基の結合もポリマー合成時に充分に制御され得、例えば、官能基は、3つの枝を有する分枝ポリマーの3つの末端単位のみに付加され得る。
種々の態様において、ポリマードットは、該ポリマードットに結合した官能基を含むものである。一部の特定の態様では、官能基は、疎水性官能基、親水性官能基またはこれらの組合せから選択される。一部の態様では、官能基はバイオコンジュゲーションに適したものである。
一部の特定の態様では、官能基は、アルデヒド、アルケン、アルキル、アルキン、歪みアルキン、アミノ、アジド、カルボニル、カルボキシル、シアノ、シクロオクチン、ジエノ、エステル、スクシンイミジルエステル、ハロアルキル、ヒドロキシル、イミド、ケトン、マレイミド、メルカプト、ホスフェート、ホスフィン、スルフェート、スルホネートまたはこれらの組合せから選択される。
種々の態様において、生体分子はタンパク質である。さらなる態様では、生体分子は抗体またはアビジンである。
高分子電解質コートポリマードット
本開示により、例えば、ウェスタンブロット解析を行なうことによりタンパク質を検出して測定するためにPドットを使用するための方法、組成物、キットおよびシステムを提供する。一部の態様では、高分子電解質コーティングを有するポリマードットが使用され得る。好都合には、高分子電解質コーティングは、例えば、高いイオン強度を有するか、二価の金属イオンを含んでいるか、または両方である溶液中でのポリマードットのコロイド安定性を改善し得るものである。高分子電解質コーティングなしの一部のポリマードットと比べて改善されたコロイド安定性により、例えば、ポリマードットをアッセイにおいてその機能性を失うことなく使用することが可能になり得る。一部の特定の態様では、高分子電解質コーティングの組成構成は、溶液中、例えば、高イオン強度の溶液中でのポリマードットの凝集が低減または解消されるようにあつらえられ得る。また、特定の条件下では、溶液中のイオン(例えば、二価イオン)がポリマードットの表面上の基にキレート化し、それにより凝集特性に影響を及ぼし得る。一部の態様では、高分子電解質コーティングは、溶液中でのポリマードットの凝集を低減または解消するために使用される。
さらなる態様では、ポリマードットは高分子電解質コーティングに囲まれている。またさらなる態様では、高分子電解質コーティングは、ポリ(スチレンスルホネート)、ポリホスフェート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリレート−コ−マレエート、ポリアクリルアミド、キトサン、多糖、ポリリシン、ポリヒスチジンおよびポリペプチドからなる群より選択される高分子電解質を含むものである。
一部の特定の態様では、高分子電解質コーティングが高分子電解質ポリマーを含むものであり、該高分子電解質ポリマーの各反復単位が、カルボキシル、スルホネート、ホスフェート、アミノ、ヒドロキシルおよびメルカプトからなる群より選択される荷電基を含むものである。
高分子電解質コーティングは約2〜4ナノメートルの範囲の層厚を有するものであり得、それにより、ポリマードットと高分子電解質コーティングを含むナノ粒子の直径に約4〜8ナノメートルが加えられる。
コーティング中の高分子電解質はポリマードットの表面上にさまざまな様式で形成され得る。例えば、1つの型の高分子電解質が使用される場合、高分子電解質ポリマー分子は一緒に物理的にブレンドされ、コーティングが形成され得る。2つ以上の型の高分子電解質が使用される場合、高分子電解質ポリマー分子は一緒に物理的にブレンドされ、コーティングが形成され得るか、または一部の態様では、異なる高分子電解質の領域(またはラフト(raft))がナノ粒子の表面上に形成され得る。一部の態様では、高分子電解質は化学架橋され得る。例えば、コーティング中の高分子電解質の一部または全部が、一般的に当該技術分野でよく知られた任意の架橋反応を用いて化学架橋され得る。また、高分子電解質を、ポリマードットを形成している縮合ポリマー(1種類または複数種)を用いて化学架橋してもよい。一部の態様では、コーティングは1層より多くの高分子電解質層を含むものであり得る。例えば、コーティングは2つの高分子電解質層、3つの高分子電解質層、またはそれ以上の高分子電解質層を含むものであり得る。層内の高分子電解質は同じ型の高分子電解質を含むものであっても、異なる型の高分子電解質を含むものであってもよい。
本明細書において言及する場合、「高分子電解質」には、例えば、反復単位が電荷を有する電解質基を有するポリマーが包含され得る。一部の態様では、高分子電解質は、すべての反復単位がポリマーに沿って電解質基を有するポリマーを含むものであり得る。一部の特定の態様では、ポリマーの一部の反復単位が電解質基を有する。例えば、本発明の高分子電解質は、ポリマーの反復単位の少なくとも99%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、5%または1%が電解質基を有するポリマーを含むものであり得る。一部の態様では、本発明の高分子電解質は、ポリマーの反復単位の少なくとも99%、95%、90%、85%または80%が電解質基を有するポリマーを含むものであり得る。
一部の態様では、高分子電解質は少なくとも1つの型の電解質基を含むものであり得る。例えば、高分子電解質は1つだけの型の電解質基、または2つ以上の型の電解質基を含むものであり得る。本明細書に記載の種々の電解質基が、さまざまな異なる型の高分子電解質に含められ得る。本発明における高分子電解質の例としては、限定されないが、ポリ(スチレンスルホネート)、ポリホスフェート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリレート−コ−マレエート、ポリアクリルアミド、キトサン、多糖、ポリリシン、ポリヒスチジンおよびポリペプチドが挙げられ得る。本明細書に記載の電解質基は、ポリマー主鎖に含めてもよく、ポリマー主鎖に結合している側鎖に含めてもよく、および/またはポリマーの側鎖に結合している基に含めてもよい。
多種多様な電解質基が本発明において使用され得る。一般的に、特定の条件下で電荷を生成する任意の基が高分子電解質に使用され得る。例えば、電解質基はアニオンまたはカチオンを含むものであり得る。一部の態様では、電解質基は1つのアニオンまたは1つのカチオンを含むものであり得る。あるいはまた、電解質基は、電解質基全体として負または正の電荷を含むものとなるように1つより多くのアニオンおよび/またはカチオンを含むものであり得る。電解質基の電荷は永久電荷であってもよく、溶液の特定のpHに従って生成する電荷であってもよい(例えば、水素が解離して荷電電解質基を形成し得る)。一部の態様では、電解質基は、水溶液に溶解させる前は塩であってもよい(例えば、対イオンで中和されている)。一部の態様では、電解質基としては、限定されないが、カルボキシル基、スルホネート基、ホスフェート基、アミノ、ヒドロキシル基、およびメルカプト基が挙げられ得る。一部の態様では、電解質基の電荷は溶液の酸性特性または塩基性特性に応じて発生し得るものである。例えば、カルボキシル基、スルホネート基、ホスフェート基、ヒドロキシル基、またはメルカプト基は、例えば、溶液のpHおよびそれぞれの電解質基のpKaに従って負電荷を有し得る、水溶液中では、ポリマーの電解質基は解離して荷電基を形成し、それにより該ポリマーが荷電状態になり、高分子電解質が形成され得る。一部の態様では、電解質基は、電解質基に永久電荷を配するために置換基で置換されていてもよい。例えば、アミノ基は、永久正電荷を有する第4級アンモニウムカチオンを含むものであり得る。電解質基に対する置換基は種々であり得、例えば、アルキル、アリール、CN、アミノ、スルフィド、アルデヒド、エステル、エーテル、酸、ヒドロキシルまたはハライドであり得る。一部の特定の態様では、電解質基の置換基は電解質に電荷をもたらすものであり得る。
本発明の一態様には、高分子電解質コーティングを設けることによりポリマードットのゼータ電位を改変することが包含される。このコーティングは、例えば、ナノ粒子の表面電荷を改変するため、および溶液中での凝集を抑制するために使用され得る。溶液に応じて、ゼータ電位は凝集が抑制されるようにあつらえられ得る。一部の態様では、ゼータ電位は、溶液中に分散された粒子が凝集に抵抗性であり得るかどうかを評価するためのパラメータである。例えば、粒子(例えば、高分子電解質でコートされたポリマードット)は、該粒子が+30mVよりプラス側または−30mVよりマイナス側のゼータ電位を有する場合に安定である(例えば、凝集に抵抗性である)。ゼータ電位の値が大きいほど、凝集に対してより大きな安定性がもたらされ得る。例えば、+/−60mVを有する粒子の分散では優れた安定性がもたらされ得る。選択される本明細書に記載の高分子電解質(1種類または複数種)に応じて、本発明には、約+30mVよりプラス側、約+40mVよりプラス側、約+50mVよりプラス側、または約+60mVより(move)プラス側であるゼータ電位を有する粒子分散体(例えば、高分子電解質コーティングを有するポリマードット)が包含される。本発明には、約−30mVよりマイナス側、約−40mVよりマイナス側、約−50mVよりマイナス側、または約−60mVより(move)マイナス側であるゼータ電位を有する粒子分散体(例えば、高分子電解質コーティングを有するポリマードット)が包含される。高分子電解質コーティングを有するポリマードットを有する粒子は、本明細書に記載の多種多様な高分子電解質のための方法を用いて調製され得る。粒子分散体のゼータ電位は、次いでさまざまな手法を用いて、例えばMalvern Zetasizerによりゼータ電位を測定するために設計された計測器を使用することなどにより測定され得る。
一部の特定の態様では、本発明には、1種類より多くの高分子電解質ポリマーを含むコーティングを有するポリマードットを含むナノ粒子が包含される。例えば、コーティングは、2種類の異なる高分子電解質、3種類の異なる高分子電解質、4種類の異なる高分子電解質、またはそれ以上の種類を任意の所望の比率で含むものであり得る。
ポリマードットのバイオコンジュゲート
種々の態様において、本開示のポリマードットは、タンパク質またはペプチドの検出を容易にするためにバイオコンジュゲートされ得る。一部の態様では、生体分子にコンジュゲートさせたPドットの使用、例えば、生体分子をPドットに直接または官能基によって間接的のいずれかで結合させるPドットの官能化などのための方法、システム、組成物およびキットを提供する。
用語「生体分子」は、合成または天然に存在するタンパク質、糖タンパク質、ペプチド、アミノ酸、代謝産物、薬物、毒素、核酸、ヌクレオチド、糖質、糖、脂質、脂肪酸などを示すために用いている。生体分子にコンジュゲートさせたPドットは、場合によっては本明細書において「バイオコンジュゲート」と称している。また、バイオコンジュゲートは、生物学的粒子、例えば、ウイルス、細菌、細胞および天然に存在するかまたは合成の小胞、例えばリポソームと会合させた官能化発色団ポリマードットを含むものであってもよい。官能化発色団ポリマードットは、1つもしくは2つの末端官能基または低密度側鎖官能基を有する発色団ポリマーから形成される1つ以上の官能基を含むものであり得る。
一部の特定の態様では、バイオコンジュゲートは一価の発色団ポリマードットと生体分子を含むものであり、この場合、生体分子はポリマードットに直接または官能基によって間接的のいずれかで結合される。また、バイオコンジュゲートは、生物学的粒子、例えば、ウイルス、細菌、細胞、および天然に存在するかまたは合成の小胞、例えばリポソームと会合させた一価の発色団ポリマードットを含むものであり得る。
本開示の一部の態様では、生体分子は一価の発色団ポリマードットの官能基に共有結合によって結合される。例えば、ポリマードットの官能基がカルボキシル基である場合、タンパク質生体分子は、カルボキシル基とタンパク質分子のアミン基との架橋によってポリマードットに直接結合され得る。
本開示の種々の態様では、Pドットのバイオコンジュゲーションを助長するために架橋剤が使用され得る。本明細書で用いる場合、用語「架橋剤」は、同様の分子または異なる分子の分子基間に該分子が一体に共有結合されるように化学結合を形成し得る化合物または部分を示すために用いている。一般的な架橋剤の例は当該技術分野で知られている。例えば、Bioconjugate Techniques(Academic Press,New York,1996またはそれ以降の版)を参照のこと。生体分子と一価の発色団ポリマードットとの間接結合は、「リンカー」分子、例えば、アビジン、ストレプトアビジン、ニュートラアビジン、ビオチンまたは同様の分子の使用によって行なわれ得る。
一部の態様では、標的に特異的に結合する生体分子にコンジュゲートさせたポリマードットを用いた標的分子(例えば、タンパク質)の解析のための方法、システム、組成物およびキットを提供する。
一部の態様では、蛍光性Pドットを、機能または他の有益性、例えば限定されないが、標的分子に対する結合親和性をもたらす1つ以上の分子にコンジュゲートさせる。
一部の態様では、標的分子は対象のタンパク質であり、Pドットにコンジュゲートさせる生体分子は、標的タンパク質に特異的に結合する一次抗体である。
他の態様では、標的分子は、対象のタンパク質に対する一次抗体に結合している前記タンパク質であり、Pドットにコンジュゲートさせる生体分子は、一次抗体に特異的に結合する二次抗体である。
他の態様では、標的分子は対象のビオチン化タンパク質であり、Pドットにコンジュゲートさせる生体分子は、ビオチン化タンパク質に特異的に結合するアビジン(例えば、ストレプトアビジン)である。
本明細書で用いる場合、用語「ビオチン」は、アビジン結合に有効なさまざまなビオチン誘導体および類似体のいずれか1種類をいう。好適なビオチン部分としては、ビオチン化ペプチド断片がアビジンおよび関連アビジンタンパク質によって単離されることを可能にする部分が挙げられる。代表的なビオチン部分としては、ビオチン誘導体、例えば、イミノビオチン、ビオシチンおよびカプロイルアミドビオチン、ならびにビオチン類似体、例えば、デスチオビオチンおよびビオチンスルホンが挙げられる。
本明細書で用いる場合、用語「アビジン」は、ビオチンに結合する免疫グロブリン以外の任意のビオチン結合タンパク質をいい、天然タンパク質、および組換えタンパク質と遺伝子操作したタンパク質との両方を包含している。この用語には、「卵白」または「鳥類」アビジンおよび「ストレプトアビジン」として知られる2種類の一般的なビオチン結合タンパク質が包含される。卵白アビジンまたは鳥類アビジンは、一般的には単にアビジンと称され、卵白の構成要素であり、ビオチンと非共有結合性複合体を形成するタンパク質である。ストレプトアビジンは、放線菌Streptomyces avidiniiから単離されるアビジンタンパク質であり、これもビオチンと非共有結合性の複合体を形成する。また、ビオチン結合タンパク質の他の細菌供給源も知られている。卵白アビジンおよびストレプトアビジンはどちらもビオチン結合部位が対でアビジン分子の対面上に配列された四量体タンパク質である。また、この用語は、アビジン誘導体、例えば、スクシニルアビジン、フェリチンアビジン、酵素アビジン、および架橋アビジンも示す。
一部の態様では、蛍光性Pドットは、Pドットの他の特性、例えば、そのサイズ、蛍光、疎水性、非特異的結合または吸着特性などを改変する1つ以上の分子にコンジュゲートされ得る。
一部の態様では、生体分子とPドットとのコンジュゲーションは、Pドットへの官能基の結合、例えば限定されないがカルボキシル基の結合を含むものであり得る。一部の態様では、カルボキシル基をN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)に、カルボジイミド、例えば、1−エチル−3−[3−ジメチルアミノプロピル]カルボジイミド塩酸塩(EDC)の存在下で反応させ、架橋のためのカルボキシレート基と特定の生体分子に存在する第1級アミン基とのアミン反応性エステルが作製され得る。
一部の態様では、カルボキシル化Pドットを生体分子、例えばタンパク質に、Pドットと生体分子を、例えば、0.1%PEG(MW3350)含有HEPESバッファー(20mM,pH=7.4)溶液中で混合することによりコンジュゲートさせる。Pドットのカルボキシル基と生体分子のアミン基間のペプチド結合の形成はEDCによって触媒され得る。しかしながら、Pドットの本質的に疎水性の性質のため、生体分子は粒子表面上に非特異的に吸着される傾向になる。一部の態様では、Pドットの表面上への生体分子の非特異的吸着を低減させるためにTriton X−100および/またはウシ血清アルブミン(BSA)が導入される。
本明細書に記載の実施例に加え、一部の態様では、生体分子とPドットとのコンジュゲーションのための他のストラテジーおよび方法、例えば、WO2011/057295およびWO2013/101902に開示されたものなどが使用され得る。生体分子とPドットとのコンジュゲーションのための他のストラテジーおよび方法は、当業者には、例えば、Bioconjugate Techniques(Academic Press,New York,1996またはそれ以降の版)において知得され得よう。
ポリマードットの安定性
また、本開示により、本発明の方法による使用のための安定なPドット集団の作製および維持に適した組成物および方法を提供する。本明細書に記載のPドットは、ウェスタンブロット解析での使用のための組成物およびキットにおける使用のために調製され得る。一部の態様では、Pドット集団は、ウェスタンブロットアッセイでの使用前に一定期間の保存が可能であるような安定な形態で調製され得る。
本明細書で用いる場合、用語「安定な」とは、発色団ポリマードットが、適切な水溶液中に長期間保存したとき凝集しない、および/または実質的にサイズが変化しない(電子顕微鏡検査、原子間力顕微鏡検査または動的光散乱による測定時)ことを示し得る。ポリマードットの凝集またはサイズの実質的な変化は、例えば、1つより多くのポリマードットを含む凝集塊の数の増加で特性評価され得る。凝集塊は、目での目視、イメージング手法、例えば、電子顕微鏡検査もしくは原子間力(atomic for)顕微鏡検査の使用、および/または動的光散乱によって示されるサイズ測定値の増大によって検出され得る。一部の態様では、凝集は、発色団ポリマードットの最初の測定値と比べて粒子直径の測定値の少なくとも約10%の増大、少なくとも約25%の増大、少なくとも約50%の増大、少なくとも約100%の増大、少なくとも約500%の増大、または少なくとも約1000%の増大で特性評価され得る。例えば、発色団ポリマードットは、1日目にメジアン径は15nmと測定され、次いで、4ヶ月後、メジアン径は30nmと測定されたとすると、それにより粒子直径の測定値の100%の増大が示される(すなわち、凝集を示す)。
一部の特定の態様では、発色団ポリマードットは、適切な水溶液中に少なくとも約1ヶ月間、好ましくは少なくとも約2ヶ月間、より好ましくは少なくとも約4ヶ月間保存された場合も安定であり得る。一部の特定の態様では、安定な発色団ナノ粒子は少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、30、36、42、48ヶ月間、またはそれ以上、凝集しない、またはサイズが実質的に変化しない。一部の態様では、本明細書において提供する官能化発色団ナノ粒子は、適切な水溶液中で少なくとも約4ヶ月間安定なままである。他の態様では、本明細書において提供する官能化発色団ナノ粒子は、適切な水溶液中で少なくとも約6ヶ月間安定なままである。また他の一態様では、本明細書において提供する官能化発色団ナノ粒子は、適切な水溶液中で少なくとも約1年間安定なままである。
一部の態様では、用語「安定な」とは、発色団ポリマードットが該ポリマードットのポリマー分子またはドーパントの解離に対して抵抗性であることを示し得る。例えば、発色団ポリマードットはいくつかのポリマー分子を含むものであり得る。該ポリマー分子はポリマードット内に留まっているが、一定期間の後、溶液中に浸出し得る。ポリマードットからのポリマー分子の浸出は、例えば、ポリマードットの光物理学的特性の低下で特性評価され得る。一部の態様では、発色団ポリマードットの安定性の低下が、ポリマードットの発光に対応する波長での経時的な発光強度の低下で特性評価され得る。一部の特定の態様では、ポリマードットの分解が、ポリマーの発光に対応する特定波長での経時的な発光強度の増大によって検出され得る。また、ポリマーの発光の測定に加え、ポリマードットを、ナノ粒子形成時に溶液中に存在する蛍光色素が組み込まれるように設計してもよい。ポリマードットが分解されるにつれて、経時的に色素が浸出して検出され得る。
発色団ポリマードットを用いた解析方法
本開示により、タンパク質およびペプチドの検出のための発色団Pドットの使用を提供する。一部の態様では、本開示は、ウェスタンブロッティングアッセイ、例えば、対象のタンパク質またはペプチドの分離および検出における使用のためのバイオコンジュゲートさせたPドットの使用に関する。
本開示の種々の態様によれば、タンパク質またはペプチドはクロマトグラフィー、濾過、キャピラリー電気泳動、析出、液抽出もしくは他の抽出方法、免疫沈降またはこれらの組合せによって分離され得る。
一部の特定の態様では、他のタンパク質検出アッセイ、例えば限定されないが、免疫染色、分光測光、酵素ベースのアッセイ(例えば、ELISA)およびこれらの組合せがPドットを用いて行なわれ得る。
本開示は、Pドットを用いたタンパク質またはペプチド被検質の検出を含む任意のアッセイと併用して使用され得る。種々の態様において、タンパク質またはペプチドは、検出前に混合物から分離され得る。本発明の方法は、免疫学的方法(例えば、ELISAアッセイ、RIAアッセイ、ELI−Spotアッセイ、フローサイトメトリーアッセイ、免疫組織化学的性質アッセイ、免疫染色、ウェスタンブロット解析、およびタンパク質チップアッセイ)、物理学的方法(例えば、一次元もしくは二次元ゲル電気泳動アッセイ、キャピラリー電気泳動アッセイ、FRETアッセイ、クロマトグラフアッセイ、もしくは色素検出アッセイ、分光測光アッセイ、析出法)またはこれらの組合せとともに使用され得る。
種々の態様において、本開示のPドットを用いた検出の前に、タンパク質またはペプチドはクロマトグラフィー法、濾過法、キャピラリー電気泳動法、ゲル電気泳動法、液抽出法、析出法または免疫沈降法によって分離され得る。さらに、クロマトグラフィー法は逆相クロマトグラフィーであってもよい。
種々の態様において、解析処理量を改善するために複数のアッセイがパラレルで行なわれ得る。
種々の態様において、本開示により、ゲルを用いてタンパク質を分離すること;分離された該タンパク質を膜に転写すること;分離された該タンパク質を有する該膜を、分離された該タンパク質の少なくとも一部に特異的な生体分子にコンジュゲートさせたポリマードットを含む溶液と接触させること;および該ポリマードットからの少なくとも1つのシグナルを検出すること(該少なくとも1つのシグナルは分離された該タンパク質に対応している)を含む、ウェスタンブロット解析を行なうための方法を提供する。
種々の態様において、本開示により、混合物からタンパク質またはペプチドを分離すること;分離された該タンパク質またはペプチドを、分離された該タンパク質またはペプチドの少なくとも一部に特異的な生体分子にコンジュゲートさせたポリマードットを含む溶液と接触させること;および該ポリマードットからの少なくとも1つのシグナルを検出すること(該少なくとも1つのシグナルは分離された該タンパク質またはペプチドに対応している)を含む、タンパク質またはペプチドを検出するための方法を提供する。
一部の態様では、本発明の方法はタンパク質またはペプチドを定量するものである。
一部の態様では、該タンパク質またはペプチドの分離は、クロマトグラフィー法、濾過法、キャピラリー電気泳動法、ゲル電気泳動法、液抽出法、析出法、免疫沈降法またはこれらの組合せを含む。
一部の態様では、ポリマードットは、半導体ポリマー、非半導体ポリマーまたはこれらの組合せから選択されるポリマーを含むものである。
一部の態様では、ポリマードットは、ポリ((メタ)アクリル酸)ベースのポリマー、ポリジエンベースのポリマー、ポリ(エチレンオキシド)ベースのポリマー、ポリイソブチレンベースのポリマー、ポリスチレンベースのポリマー、ポリシロキサンベースのポリマー、ポリ(フェロセニルジメチルシラン)ベースのポリマー、ポリ(2−ビニルナフタレン)ベースのポリマー、ポリ(ビニルピリジン)ベースのポリマー、ポリ(N−メチルビニルピリジニウムヨージド)ベースのポリマーまたはポリ(ビニルピロリドン)ベースのポリマーから選択されるポリマーを含むものである。
一部の態様では、本開示により、ウェスタンブロットアッセイと関連するタンパク質またはペプチドの検出を提供する。ウェスタンブロッティングは、タンパク質を、質量および/または長さにより典型的にはドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)を用いて分離し、次いで、例えばニトロセルロースまたはフルオロポリマー、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)で構成された膜上に転写し、標識手順を用いて可視化するタンパク質解析方法である。本開示において、Pドットによりウェスタンブロット解析を用いて50ピコグラムという少量のタンパク質の検出が得られることが示されている(例えば、実施例5参照)。
一部の態様では、本開示により、ウェスタンブロットにおいてポリマードットを用いたタンパク質の超高感度蛍光イメージングが可能である。一部の特定の態様では、明るくてコンパクトなオレンジ色発光半導体ポリマードットCN−PPVが使用される。
一部の特定の態様では、タンパク質またはペプチドはゲル電気泳動を用いて分離される。本開示のさらなる態様では、タンパク質およびペプチドはキャピラリー電気泳動を用いて分離され、この場合、タンパク質またはペプチドはキャピラリー内で分離され、標識される。該方法はキャピラリー空間内で行なわれる以外は標準的なSDS−PAGE分離で行なわれるものと同様である。
ゲル電気泳動中、タンパク質はサイズに従ってゲル中で分離される。次いで、サイズ範囲すなわち「バンド」がゲル中から膜上に転写され得る。一部の態様では、タンパク質またはペプチドは膜に、当該技術分野でエレクトロブロッティングとして知られている手法で電流を用いてタンパク質をゲルから膜上に引き出して転写される。他の態様では、毛管力を用いてタンパク質をゲルから膜上に移動させ得る。本開示の他の態様では、タンパク質をゲルから膜に転写する他の方法が使用され得る。
一部の態様では、タンパク質をニトロセルロース膜上に配置させる。他の態様では、タンパク質を、フルオロポリマー(例えば、PVDF)で構成された膜上に配置させる。任意の適当な膜が本開示に従って使用され得る。
他の態様では、ドットブロットアッセイにおけるPドットを用いた分子の超高感度蛍光イメージングのための方法を提供する。ドットブロットアッセイでは、検出対象のタンパク質またはペプチドを最初に分離しない。そうではなく、未分離の試料を直接、膜上にドットとして適用し、標識手順を用いて可視化する。本開示において、Pドットにより、ドットブロット解析を用いて2ピコグラムより少ない量のタンパク質の検出が得られることが示されている。
慣用的なウェスタンブロッティングでは1桁ピコグラムレベルの検出限界が観測されている。トランスフェリンおよびトリプシンインヒビターでは、SDS−PAGEおよびPVDF膜への転写後、50ピコグラムレベルの検出が観測されている。多くの利点の中でも、本発明には、従来の蛍光プローブを用いる慣用的な手順と比べてなんらさらなる設備または時間が必要とされない方法が包含される。
本開示の一部態様では、解析は、1種類以上の生物学的細胞、組織、体液または他の試料中に含まれた試料に対して行なわれる。他の態様では、解析は、1種類以上の生物学的細胞、組織、体液または他の試料から収集された後の試料に対して行なわれ得る。タンパク質またはペプチドは任意選択で例えばSDS−PAGEなどの方法によって分離され得、その後、該タンパク質またはペプチドは、対象のタンパク質またはペプチドに特異的なバイオコンジュゲートさせたPドットを用いて検出され得る。
タンパク質またはペプチドは組織、細胞または体液試料から、限定されないが凍結/解凍、超音波処理、高圧によるホモジネーション、濾過、透過および遠心分離が挙げられ得る方法によって収集され得る。一部の態様では、収集されたタンパク質またはペプチドには、解析前に1回以上の単離または精製工程も行なわれ得る。
一部の態様では、解析は、種々のタンパク質の不均一系ミックスを含む試料に対して行なわれ得る。他の態様では、解析は精製タンパク質に対して行なわれ得る。
一部の態様では、試料は解析前に、例えば、ゲル電気泳動または試料の分離に適した別の方法によって分離される。一部の態様では、タンパク質またはペプチドは解析前に、その質量および/または電荷に基づいて分離される。
一部の態様では、Pドットを液体中に縣濁させ、この液体を、第2の液体に縣濁させたもの、または表面上に配置したもののいずれかである試料と物理的に接触させる。一部の態様では、試料を、膜を含む表面上に配置する。
一部の態様では、Pドットを表面上に配置し、この表面を、液体中に縣濁させた試料と物理的に接触させる。一部の態様では、Pドットが配置される表面は膜を含む。
一部の態様では、免疫沈降アッセイが行なわれ、この場合、Pドットは表面上に配置され、液体中に縣濁させたタンパク質試料と物理的に接触される。この態様によれば、タンパク質試料と対応するPドット間の接触により該タンパク質が該表面に結合性Pドットによって付着することが引き起こされる。
種々の態様において、本明細書に記載のPドットは、励起源によって適正に誘導された場合、蛍光を発する。一部の特定の態様では、存在するPドットの量が測定され、続いて、所与の対象の被検質(例えば、対象のタンパク質など)の量と相関され得る。したがって、本明細書に記載の方法ではPドットの蛍光を誘導するために励起光源が使用され、次いで、この蛍光が測定され、試料濃度と相関され得る。種々の態様では、電磁放射線(例えば、赤外線、可視光または紫外線)を用いてPドットからの電磁放射を誘発し、放射されたシグナルを用いて試料中に存在する標的分子の量が評価され得る。一部の態様では、電磁放射線源にはレーザー、LED、ランプ、スペクトルフィルターまたはマルチクロイック(multichroic)ミラーが包含され得る。一部の実施形態では、励起光源は、ゲルイメージング装置、顕微鏡または他の適当な装置の一構成要素であり得る。所与のPドットの化学的および物理的特性は、他の光学特性の中でも励起波長および発光波長が微調整されるように調整され得る。
一部の態様では、Pドットの励起を誘導する電磁放射線のピーク波長は約200nm〜約300nm、約250nm〜約350nm、約300nm〜約400nm、約350nm〜約450nm、約400nm〜約500nm、約450nm〜約550nm、約500nm〜約600nm、約550nm〜約650nm、約600nm〜約700nm、約650nm〜約750nm、約700nm〜約800nm、約750nm〜約850nm、約800nm〜約900nm、約850nm〜約950nm、または約900nm〜約1000nmである。一部の場合では、例えばマルチプレックス解析では試料に1つより多くの励起スペクトルが当てられ得る。
一部の態様では、検出されるシグナルのピーク波長は約200nm〜約300nm、約250nm〜約350nm、約300nm〜約400nm、約350nm〜約450nm、約400nm〜約500nm、約450nm〜約550nm、約500nm〜約600nm、約550nm〜約650nm、約600nm〜約700nm、約650nm〜約750nm、約700nm〜約800nm、約750nm〜約850nm、約800nm〜約900nm、約850nm〜約950nm、約900nm〜約1000nm、約950nm〜約1050nm、約1000nm〜約1100nm、約1050nm〜約1150nm、約1100nm〜約1200nm、約1150nm〜約1250nm、または約1200nm〜約1300nmである。
一部の態様では、アッセイは、500ピコグラム未満、400ピコグラム未満、300ピコグラム未満、200ピコグラム未満、100ピコグラム未満、50ピコグラム未満、40ピコグラム未満、30ピコグラム未満、20ピコグラム未満、10ピコグラム未満、5ピコグラム未満、4ピコグラム未満、3ピコグラム未満、2ピコグラム未満、または1ピコグラム未満の標的分子(例えば、タンパク質)が検出されるのに充分高感度である。
検出感度および光安定性の改善などの多くの利点の中でも、本発明には、従来の蛍光プローブを用いる慣用的な手順と比べてなんらさらなる設備または時間が必要とされない方法が包含される。
本明細書に記載のポリマードットを用いるウェスタンブロット解析は既存の方法と比べて、一部においてPドットの卓越した発光特性および特異性に由来する大きな利点を有する。コンジュゲート型Pドットの使用により、既存の方法と比べて卓越した発光特性、例えば、蛍光ベースの検出法のための高い明度がもたらされる。一部の態様では、コンジュゲート型Pドットの使用により、対象の標的分子、例えばSDS−PAGEによって分離したタンパク質またはペプチドなどに対する卓越した特異性がもたらされる。
本明細書で用いる場合、「特異性」は、コンジュゲート型Pドットがその標的に対して、該ドットが物理的に接触している他の成分に対してよりも大きな結合親和性を有することをいう。コンジュゲート型Pドットは、コンジュゲート型Pドットとその標的の平衡定数が、コンジュゲート型Pドットと該ドットが物理的に接触しているその他の成分の平衡定数の平均より大きい場合、標的に特異的である。特異性が大きいほど他の成分と比べて標的に対する結合親和性が大きいことを示し、これにより標的のアッセイにおける検出感度の改善がもたらされる。好都合には、本発明の方法では、本開示の標的分子、例えばタンパク質またはペプチドなどに対して非常に高い特異性が示される。
本開示の一部の態様では、コンジュゲート化したポリマードットの非特異的吸着および/または結合特性を改変するためにブロッキング剤が使用される。一部の態様では、ブロッキング剤はポリマードットと表面上または膜上への吸着に関して競合し、それによりPドットの非特異的吸着の発生が低減される。一部の態様では、ブロッキング剤はポリマードットと1種類以上の妨害タンパク質の結合に関して競合する。ブロッキング剤と表面、膜およびタンパク質との相互作用により、コンジュゲート化したポリマードットの吸着または結合に利用可能な表面、膜およびタンパク質の量が低減される。ブロッキング剤により、標的タンパク質に結合していないポリマードットからの発光量(すなわち、ノイズ)が低減されるが、標的タンパク質に結合しているポリマードットからの発光量(すなわち、シグナル)に対する影響は最小限であるため、ウェスタンブロットまたは他のタンパク質解析の信号対ノイズ比が改善される。
一部の態様では、ブロッキング剤はアルブミン、例えばウシ血清アルブミン(BSA)を含むものであり得る。一部の態様では、ブロッキング剤は乳ベースの生成物、例えば脱脂粉乳を含むものであり得る。一部の態様では、ブロッキング剤はカゼインベースの生成物、例えばI−Block(Life Technologies)を含むものであり得る。一部の態様では、ブロッキング剤にさらに、デタージェント、例えばTriton Xが含められ得る。
一部の態様では、コンジュゲート型Pドットの使用では、該Pドットによる表面への、例えば、試料が配置された膜への非特異的吸着レベルが比較的低いため検出感度が改善される。一部の特定の態様では、非特異的吸着はブロッキング剤を使用することにより最小限になり、ブロッキング剤は、Pドットを用いた標的タンパク質またはペプチドの正確な検出を妨害し得る非特異的結合をブロックする任意の薬剤である。例えば、ブロッキング剤は、好都合には、Pドットおよび/または生体分子が物理的に接触し得る表面上へのPドットおよび/または生体分子の非特異的吸着をブロックするものである。
一部の態様では、分離はゲルの使用を含むものであり、ここで、ゲルはポリアクリルアミド、アガロース、デンプンまたはこれらの組合せを含む。一部の態様では、分離はSDS−PAGE分離を含む。一部の特定の態様では、該方法で膜が使用され、膜はニトロセルロース膜またはフルオロポリマー膜を含む。さらなる態様では、フルオロポリマーがPVDFである。
一部の特定の態様では、検出は、ピコグラム量の分離された該タンパク質の検出を含む。さらなる態様では、検出は、2ピコグラム未満の分離された該タンパク質の検出を含む。一部の特定の態様では、該方法は、さらに、電磁放射線源を用いてポリマードットを励起させることを含む。一部の態様では、電磁放射線源はレーザー、ランプ、LEDまたはこれらの組合せを含む。さらなる態様では、ポリマードットを励起させる前に、電磁放射線をスペクトルフィルター、マルチクロイックミラーまたはこれらの組合せに通す。
一部の態様では、試料を励起させる電磁放射線のピーク波長が約200nm〜約300nm、約250nm〜約350nm、約300nm〜約400nm、約350nm〜約450nm、約400nm〜約500nm、約450nm〜約550nm、約500nm〜約600nm、約550nm〜約650nm、約600nm〜約700nm、約650nm〜約750nm、約700nm〜約800nm、約750nm〜約850nm、約800nm〜約900nm、約850nm〜約950nm、または約900nm〜約1000nmである。一部の態様では、電磁放射線の2つ以上のピーク波長で試料を励起させる。
発色団ポリマードットを用いた解析のための組成物およびキット
本開示の一部の態様では、ポリマードットを用いた解析のためのキットを提供する。また、種々の態様では、本明細書において提供する組成物は各々、キットにおける使用のために構成され得る。一部の態様では、組成物またはキットは、アッセイを行なうための生体分子にコンジュゲートさせたPドットを含むものである。一部の態様では、キットによりエンドユーザーに、慣用的な実験室設備および手順を用いてより高感度のアッセイを行なうための方法および試薬が提供される。
この試験キットは任意選択で、標準および/または対照としての使用のための物質を備え得る。
種々の態様において、本開示により、標的タンパク質またはペプチドの絶対濃度もしくは相対濃度を測定するため、または有無を調べるためのキットを提供する。一部の態様では、本発明のキットは被検体由来の試料を解析するために使用され得る。一部の態様では、キットは、例えば、ゲル電気泳動、キャピラリー電気泳動、クロマトグラフィー、濾過、析出、液抽出法もしくは他の抽出法、免疫沈降またはこれらの組合せなどの分離方法と併用して使用され得る。
さらなる一実施形態では、本開示のキットは任意選択で、本開示に従ってタンパク質またはペプチドを分離および/または検出するための使用説明書を備え得る。また、使用説明書には、どのようにしてキットを使用するか、どのようにして試料を調製するか、使用対象試料の種類、どのようにして解析し、結果を解釈するかの使用説明書も包含され得る。
種々の態様において、本開示により、ウェスタンブロット解析のためのコンジュゲート化したポリマードットを含む組成物およびキットを提供する。さらなる態様では、該組成物およびキットはブロッキング剤を備えている。
一部の態様では、組成物またはキットは、アッセイの特性を改変する薬剤を備えている。
一部の態様では、組成物またはキットは、試料中に存在し得る標的分子以外の成分とのPドットおよび/または生体分子の非特異的結合をブロックするブロッキング剤を備えている。
一部の特定の態様では、本開示の組成物およびキットは、コンジュゲート化したポリマードットまたはコンジュゲート化していないポリマードットの非特異的吸着特性を改変し得るブロッキング剤を有する。さらなる態様では、ブロッキング剤はポリマードットと表面上または膜上への吸着に関して競合するか、またはブロッキング剤はポリマードットと1種類以上の生体分子の結合に関して競合する。
一部の態様では、組成物またはキットはウシ血清アルブミン(BSA)を含むものである。
一部の特定の態様では、本開示の組成物およびキットは、半導体ポリマー、非半導体ポリマーまたはそのブレンドから選択されるポリマーを含むポリマードットを含むものである。
一部の態様では、組成物およびキット内のポリマードットは、30nm未満、25nm未満、20nm未満、15nm未満、10nm未満または5nm未満の限界寸法を有する。
一部の態様では、組成物またはキットは、中間の官能化工程、例えばカルボキシル化を受けたPドットを含むものである。
一部の特定の態様では、本開示のキットにさらに、ポリマードットを生体分子にコンジュゲートさせるための試薬を備える。
一部の態様では、組成物またはキットは、機能または他の有益性、例えば標的分子に対する結合親和性をもたらす1種類以上の生体分子にコンジュゲートさせたPドットを含むものである。
一部の態様では、本開示の組成物およびキットは、ポリマードットにコンジュゲートさせたコンジュゲーション生体分子を有する。該コンジュゲーション生体分子はタンパク質または他の適当な生体分子であり得る。さらなる態様では、生体分子は抗体またはアビジンであり得る。
一部の態様では、組成物またはキットは、標的タンパク質に特異的に結合する一次抗体にコンジュゲートさせたPドットを含むものである。一部の態様では、キットは、標的一次抗体に特異的に結合する二次抗体にコンジュゲートさせたPドットを含むものである。一部の態様では、キットは、ビオチンおよび/またはビオチン化標的に特異的に結合するアビジンにコンジュゲートさせたPドットを含むものである。一部の態様では、キットは、Pドットの他の特性、例えば、そのサイズ、蛍光、疎水性、非特異的結合または吸着特性などを改変する1つ以上の分子にコンジュゲートさせたPドットを含むものである。
一部の態様では、組成物またはキットは、エンドユーザーがアッセイの実施における使用のためにPドットをタンパク質またはペプチドにコンジュゲートさせるように構成された試薬を備えている。一部の態様では、キットは、Pドット(例えば、CN−PPVまたは本明細書およびWO2013/101902に記載のBODIPY誘導体)、生体分子(例えば、ストレプトアビジン)、PEGおよび/またはEDLを含むものである。他の態様では、キットは、他のPドット、生体分子、およびエンドユーザーがアッセイの実施における使用のためにPドットを生体分子にコンジュゲートさせるように構成された試薬を含むものである。
種々の態様において、本開示により、ウェスタンブロット解析のためのコンジュゲート化したポリマードットを含む組成物を提供する。他の態様では、本開示により、ウェスタンブロット解析のためのコンジュゲート化したポリマードットおよび少なくとも1種類のブロッキング剤を含むキットを提供する。他の態様では、本開示により、ポリマードット、コンジュゲーション生体分子およびブロッキング剤を含む、ウェスタンブロット解析を行なうためのキットを提供する。
他の態様では、本開示により、タンパク質またはペプチドの解析を行なうためのキットであって、ポリマードット、コンジュゲーション生体分子およびブロッキング剤を含むキットを提供する。一部の態様では、ポリマードットは半導体ポリマー、非半導体ポリマーまたはこれらの組合せから選択されるポリマーを含むものである。さらなる態様では、ポリマードットはBODIPY誘導体を含むものである。なおさらなる態様では、BODIPY誘導体は、式(I):
(式中、R
1、R
2A、R
2B、R
3A、R
4AおよびR
4Bは各々、独立して、水素、アルキル、アラルキル、アリールおよびアルコキシ−アリールから選択される)の構造を有し、ここで、BODIPY誘導体は発色団ポリマーに、R
1、R
2A、R
2B、R
3A、R
4AおよびR
4Bもしくはこれらの組合せとの結合によって一体化される。一部の特定の態様では、ポリマードットはCN−PPVからなるポリマーを含むものである。
一部の態様では、ポリマードットは、ポリ((メタ)アクリル酸)ベースのポリマー、ポリジエンベースのポリマー、ポリ(エチレンオキシド)ベースのポリマー、ポリイソブチレンベースのポリマー、ポリスチレンベースのポリマー、ポリシロキサンベースのポリマー、ポリ(フェロセニルジメチルシラン)ベースのポリマー、ポリ(2−ビニルナフタレン)ベースのポリマー、ポリ(ビニルピリジン)ベースのポリマー、ポリ(N−メチルビニルピリジニウムヨージド)ベースのポリマーまたはポリ(ビニルピロリドン)ベースのポリマーから選択されるポリマーを含むものである。
種々の態様において、ポリマードットは、ポリ(アクリル酸−b−アクリルアミド)、ポリ(アクリル酸−b−メタクリル酸メチル)、ポリ(アクリル酸−b−N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(n−ブチルアクリレート−b−アクリル酸)、ポリ(アクリル酸ナトリウム−b−メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸−b−メタクリル酸ネオペンチル)、ポリ(メタクリル酸メチル−b−アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸メチル−b−メタクリル酸)、ポリ(メタクリル酸メチル−b−N,N−ジメチルアクリルアミド)、ポリ(メタクリル酸メチル−b−アクリル酸ナトリウム)、ポリ(メタクリル酸メチル−b−メタクリル酸ナトリウム)、ポリ(メタクリル酸ネオペンチル−b−メタクリル酸)、ポリ(メタクリル酸t−ブチル−b−エチレンオキシド)、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸−b−アクリル酸)、ポリ(ブタジエン(1,2付加)−b−エチレンオキシド)、ポリ(ブタジエン(1,2付加)−b−メチルアクリル酸、ポリ(ブタジエン(1,4付加)−b−アクリル酸)、ポリ(ブタジエン(1,4付加)−b−エチレンオキシド、ポリ(ブタジエン(1,4付加)−b−アクリル酸ナトリウム)、ポリ(ブタジエン(1,4付加)−b−N−メチル 4−ビニルピリジニウムヨージド)、ポリ(イソプレン−b−エチレンオキシド)、ポリ(イソプレン−b−エチレンオキシド)およびポリ(イソプレン−b−N−メチル2−ビニルピリジニウムヨージド)、ポリ(エチレンオキシド−b−アクリル酸)、ポリ(エチレンオキシド−b−アクリルアミド)、ポリ(エチレンオキシド−b−ブチレンオキシド)、ポリ(エチレンオキシド−b−c−カプロラクトン)、ポリ(エチレンオキシド−b−ラクチド)、ポリ(エチレンオキシド−b−ラクチド)、ポリ(エチレンオキシド−b−メタクリル酸)、ポリ(エチレンオキシド−b−アクリル酸メチル)、ポリ(エチレンオキシド−b−N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(エチレンオキシド−b−メタクリル酸メチル)、ポリ(エチレンオキシド−b−メタクリル酸ニトロベンジル)、ポリ(エチレンオキシド−b−N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(エチレンオキシド−b−プロピレンオキシド)、ポリ(エチレンオキシド−b−アクリル酸t−ブチル)、ポリ(エチレンオキシド−b−メタクリル酸t−ブチル)、ポリ(エチレンオキシド−b−メタクリル酸テトラヒドロフルフリル)、ポリ(エチレンオキシド−b−2−エチルオキサゾリン)、ポリ(エチレンオキシド−b−メタクリル酸2−ヒドロキシエチル)、ポリ(エチレンオキシド−b−2−メチルオキサゾリン)、ポリ(イソブチレン−b−アクリル酸)、ポリ(イソブチレン−b−エチレンオキシド)、ポリ(イソブチレン−b−メタクリル酸)、ポリ(スチレン−b−アクリルアミド)、ポリ(スチレン−b−アクリル酸)、ポリ(スチレン−b−アクリル酸セシウム)、ポリ(スチレン−b−エチレンオキシド)、ブロック接合部で切断可能なポリ(スチレン−b−エチレンオキシド)酸、ポリ(スチレン−b−メタクリル酸)、ポリ(4−スチレンスルホン酸−b−エチレンオキシド)、ポリ(スチレンスルホン酸−b−メチルブチレン)、ポリ(スチレン−b−N,N−ジメチルアクリルアミド)、ポリ(スチレン−b−N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(スチレン−b−N−メチル2−ビニルピリジニウムヨージド)、ポリ(スチレン−b−N−メチル−4−ビニルピリジニウムヨージド)、ポリ(スチレン−b−プロピルアクリル酸)、ポリ(スチレン−b−アクリル酸ナトリウム)ポリ(スチレン−b−メタクリル酸ナトリウム)、ポリp−クロロメチルスチレン−b−アクリルアミド)、ポリ(スチレン−コ−p−クロロメチルスチレン−b−アクリルアミド)、ポリ(スチレン−コ−p−クロロメチルスチレン−b−アクリル酸)、ポリ(スチレン−b−メチルブチレン−コ−イソプレンスルホン酸)、ポリ(ジメチルシロキサン−b−アクリル酸)、ポリ(ジメチルシロキサン−b−エチレンオキシド)、ポリ(ジメチルシロキサン−b−メタクリル酸)、ポリ(フェロセニルジメチルシラン−b−エチレンオキシド)、ポリ(2−ビニルナフタレン−b−アクリル酸)、ポリ(2−ビニルピリジン−b−エチレンオキシド)、ポリ(2−ビニルピリジン−b−メチルアクリル酸)、ポリ(N−メチル2−ビニルピリジニウムヨージド−b−エチレンオキシド)、ポリ(N−メチル 4−ビニルピリジニウムヨージド−b−メタクリル酸メチル)、ポリ(4−ビニルピリジン−b−エチレンオキシド)、ポリ(ビニルピロリドン−b−D/L−ラクチド)、PDHF、PFO、PFPV、PFBT、PFTBT、MEH−PPV、CN−PPV、PPEもしくはこれらの組合せから選択されるポリマーを含むものである。
一部の態様では、ポリマードットは高分子電解質コーティングに囲まれている。一部の態様では、高分子電解質コーティングは、ポリ(スチレンスルホネート)、ポリホスフェート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリレート−コ−マレエート、ポリアクリルアミド、キトサン、多糖、ポリリシン、ポリヒスチジンおよびポリペプチドからなる群より選択される高分子電解質を含むものである。さらなる態様では、高分子電解質コーティングが高分子電解質ポリマーを含むものであり、該高分子電解質ポリマーの各反復単位が、カルボキシル、スルホネート、ホスフェート、アミノ、ヒドロキシルおよびメルカプトからなる群より選択される荷電基を含むものである。
一部の態様では、ポリマードットは、該ポリマードットに結合した官能基を含むものである。一部の特定の態様では、官能基は、疎水性官能基、親水性官能基またはこれらの組合せから選択される。種々の態様において、官能基がバイオコンジュゲーションに適したものである。一部の態様では、官能基は、アルデヒド、アルケン、アルキル、アルキン、歪みアルキン、アミノ、アジド、カルボニル、カルボキシル、シアノ、シクロオクチン、ジエノ、エステル、スクシンイミジルエステル、ハロアルキル、ヒドロキシル、イミド、ケトン、マレイミド、メルカプト、ホスフェート、ホスフィン、スルフェート、スルホネートまたはこれらの組合せから選択される。一部の態様では、コンジュゲーション生体分子をポリマードットにコンジュゲートさせる。さらなる態様では、生体分子はタンパク質である。なおさらなる態様では、生体分子は抗体またはアビジンである。
一部の態様では、ブロッキング剤はコンジュゲート化したポリマードットの非特異的吸着特性を改変するものである、またはブロッキング剤がポリマードットの非特異的吸着特性を改変するものである。さらなる態様では、ブロッキング剤はポリマードットと表面上または膜上への吸着に関して競合する。またさらなる態様では、ブロッキング剤はポリマードットと1種類以上の生体分子の結合に関して競合する。
一部の態様では、キットはさらに、ポリマードットを生体分子にコンジュゲートさせるための試薬を備えている。
一部の特定の態様では、キットは、ニトロセルロース膜またはフルオロポリマー膜から選択される膜を備えている。さらなる態様では、フルオロポリマーがPVDFである。
一部の態様では、キットはさらにPEG、EDLもしくはこれらの組合せを備えている。
発色団ポリマードットを用いた解析のためのシステム
本開示の一部の態様では、ポリマードットを用いたウェスタンブロット解析を行なうためのシステムを提供する。種々の態様において、システムは、アッセイを行なうための生体分子にコンジュゲートさせたPドット、ゲル、分離プラットフォーム、電磁放射線源、検出器、および実行可能命令が格納されたメモリデバイスを備えたコンピュータ(該命令は、プロセッサによって実行される場合、該プロセッサに:該検出器を動作させて画像を取得すること、該画像を格納すること、および該画像を解析して、対象の標的タンパク質またはペプチドを検出する、および/またはその濃度が測定することをさせる)を備えたものであり得る。一部の態様では、分離プラットフォームはゲル電気泳動またはキャピラリー電気泳動を備えている。一部の態様では、システムはさらに膜を備えている。一部の態様では、Pドットが発するシグナルの強度が、タンパク質もしくはペプチドの検出および/またはタンパク質もしくはペプチドの濃度の計算に使用される。
一部の態様では、該システムにより、タンパク質試料をタンパク質の質量または電気泳動によって分離可能な他の特性に従って分離するためのゲルおよび電気泳動プラットフォームを提供する。ゲルとしては、ポリアクリルアミド、ニトロセルロース、デンプンもしくはこれらの組合せで構成されたゲルが挙げられ得る。ゲルとしては、さらに、SDS、尿素、β−メルカプトエタノール、ジチオスレイトール、DMSO、グリオキサール、水酸化メチル水銀もしくはこれらの組合せで構成されたゲルが挙げられ得る。電気泳動プラットフォームにはゲル、およびこのゲルが浸漬されたバッファー溶液が保持される。電気泳動プラットフォームは非導電性プラスチックなどの絶縁材で構成され得る。電気泳動プラットフォームは、タンパク質をゲルマトリックス中で移動させ、タンパク質の質量または他の分離可能な特性に従ってタンパク質を分離させるために使用され得る起電力を発生させるための電流源を含むもの、または該電流源に接続されるように構成されたものであり得る。
本明細書においてさらに記載するように、タンパク質を検出するためのPドットが発するシグナルは、任意の適当な様式によって発生させ、解析され得る。一部の態様では、該システムにより、タンパク質試料と、標的タンパク質に結合する生体分子にコンジュゲートさせたPドットとを配置する膜を提供する。膜としては、ニトロセルロースまたはフルオロポリマー、例えばPVDFで構成された膜が挙げられ得る。
一部の態様では、該システムにより、標的タンパク質に結合しているPドットに対する励起源としての機能を果たすように構成された電磁放射線源を提供する。一部の態様では、電磁放射線源としてはレーザーが挙げられる。一部の態様では、レーザーが発するピーク波長は約200nm〜約300nm、約250nm〜約350nm、約300nm〜約400nm、約350nm〜約450nm、約400nm〜約500nm、約450nm〜約550nm、約500nm〜約600nm、約550nm〜約650nm、約600nm〜約700nm、約650nm〜約750nm、約700nm〜約800nm、約750nm〜約850nm、約800nm〜約900nm、約850nm〜約950nm、または約900nm〜約1000nmである。一部の態様では、相違するピーク波長を有する2種類以上のレーザーが使用され得る。
一部の態様では、電磁放射線源としては発光ダイオード(LED)が挙げられる。LEDは半導体光源である。LEDのアノードリード線が、少なくともLEDの順電圧降下の分、カソードリード線よりもよりプラスである電圧を有する場合、電流が流れる。電子はデバイス内で正孔と再結合することができ、光子の形態のエネルギーを放出する。光の色(光子のエネルギーに対応している)は半導体のエネルギーバンドギャップによって決定される。一部の態様では、LEDが発するピーク波長は約200nm〜約300nm、約250nm〜約350nm、約300nm〜約400nm、約350nm〜約450nm、約400nm〜約500nm、約450nm〜約550nm、約500nm〜約600nm、約550nm〜約650nm、約600nm〜約700nm、約650nm〜約750nm、約700nm〜約800nm、約750nm〜約850nm、約800nm〜約900nm、約850nm〜約950nm、または約900nm〜約1000nmである。一部の態様では、相違するピーク波長を有する2種類以上のLEDが使用され得る。
一部の態様では、電磁放射線源としては、ランプ、例えば、水銀ランプ、ハロゲンランプ、金属ハライドランプ、または他の適当なランプが挙げられる。一部の態様では、ランプから放射される光は、光フィルタリング装置によってスペクトルフィルタリングされる。一部の態様では、光フィルタリング装置は、フィルター、例えば、特定の範囲内に含まれる波長の光だけ、Pドットを含む試料に向かって通過することを許容するバンドパスフィルターを含むものである。一部の態様では、光フィルタリング装置は、特定の範囲内に含まれる波長の光だけ、Pドットを含む試料に向かって指向されることが許容されるように光を相違するスペクトル成分に分けることができるマルチクロイックミラーを含むものである。
一部の態様では、光フィルタリング装置を通過する最長波長は300nm未満、400nm未満、500nm未満、600nm未満、700nm未満、800nm未満、900nm未満または1000nm未満である。
一部の態様では、光フィルタリング装置を通過する最短波長は200nmより大きい、300nmより大きい、400nmより大きい、500nmより大きい、600nmより大きい、700nmより大きい、800nmより大きい、または900nmより大きい。
本開示のシステムは、さらに、Pドットが発するシグナルが解析されるように構成された検出器およびコンピュータを含むものである。検出器としては、シグナル強度、信号対ノイズ比および/または対象の他の特性を解析するための検出器が挙げられ得る。本明細書に記載の方法は、一般的に、光学的情報、例えば画像が検出および解析され得る任意の既知のシステムと適合性である。
一部の態様では、該システムにより、標的タンパク質に結合しているPドットが発する1つ以上のシグナルを検出する検出器を提供する。一部の態様では、検出器はゲルイメージング装置、例えば、GE Typhoon FLA 9000 Gel Imaging Scanner(GE Healthcare,Piscataway,NJ)である。一部の態様では、検出器は、顕微鏡、例えば落射蛍光顕微鏡を含むものである。一部の態様では、検出器は、デジタルチップ上でシグナルを画像に積分し得るカメラ、例えば電荷結合素子(CCD)カメラを含むものである。
一部の態様では、該システムにより、実行可能命令が格納されたメモリデバイスを備えたコンピュータを提供する。一部の態様では、該命令は、プロセッサによって実行される場合、該プロセッサに:該検出器を動作させて画像を取得すること、該画像を格納すること、および該画像を解析することをさせ、対象の標的タンパク質が検出される、および/またはその濃度が測定される。
プロセッサの例としては、限定されないが、検出器で取得された情報が格納されるパーソナルコンピューティングデバイス、および該情報を有するパーソナルコンピューティングデバイスで実行されるソフトウェアが挙げられる。他の態様では、情報プロセッサまたはそのコンポーネントは、検出器に、例えば、カメラで取得した光学的情報を永久または一時的のいずれかで格納するカメラに埋め込まれたチップに埋め込まれていてもよい。他の態様では、情報プロセッサおよび検出器は、アッセイにおいてPドットが発するシグナル、例えば光学シグナルを取得するとともに格納する完全に一体化されたデバイスの一構成要素であってもよい。
一部の態様では、該システムにより、シグナルを取得し、保存し、解析するためのコンピュータ可読記憶媒体を提供する。コンピュータ可読記憶媒体には命令が格納されており、該命令は、コンピュータの1つ以上のプロセッサによって実行される場合、コンピュータに:該検出器を動作させて画像を取得すること、該画像を格納すること、および該画像を解析して、対象の標的タンパク質を検出する、および/またはその濃度を測定することをさせる。
また別の態様では、Pドットが発するシグナルを解析してタンパク質を検出するため、および/またはタンパク質の濃度を計算するためのシステムを提供する。該システムは、1つ以上のプロセッサ、および該1つ以上のプロセッサによって実行可能な命令を含むメモリデバイスを含むものである。命令が1つ以上のプロセッサによって実行されると、該システムでは少なくともユーザー入力が受信されてシグナルが解析される。該システムは、本開示の方法の態様が行なわれるように、例えば、シグナルの強度が測定されてタンパク質標的の濃度が求められるように構成されたものであり得る。また、該システムによりユーザーにデータを提供する。ユーザーに提供されるデータとしては、1種類以上のタンパク質の濃度が挙げられ得る。
一部の態様では、本明細書に記載の方法を行なうためにコンピュータが使用され得る。種々の態様において、コンピュータは、上記に例示して説明したシステムまたは方法のいずれかを実行するために使用され得る。一部の態様では、コンピュータは、いくつかの周辺サブシステムとバスサブシステムを介して通信するプロセッサを含むものであり得る。このような周辺サブシステムとしては、メモリサブシステムおよびファイルストレージサブシステムを含むストレージサブシステム、ユーザーインターフェイス入力デバイス、ユーザーインターフェイス出力デバイス、ならびにネットワークインターフェイスサブシステムが挙げられ得る。
一部の態様では、バスサブシステムにより、コンピュータの種々のコンポーネントおよびサブシステムが予定通りに互いに通信すること可能にするための機構が提供される。バスサブシステムは、単一のバスを含むものであっても多数のバスを含むものであってもよい。
一部の態様では、ネットワークインターフェイスサブシステムにより、他のコンピュータおよびネットワークとのインターフェイスが提供される。ネットワークインターフェイスサブシステムは、コンピュータの他のシステムとのデータ受信およびデータ送信のためのインターフェイスとしての機能を果たし得る。例えば、ネットワークインターフェイスサブシステムにより、コンピュータをインターネットに接続し、インターネットを用いて容易に通信することが可能となり得る。
一部の態様では、コンピュータは、ユーザーインターフェイス入力デバイス、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、例えば、マウス、トラックボール、タッチパッド、またはグラフィックスタブレット、スキャナー、バーコードスキャナー、ディスプレイに組み込まれたタッチスクリーン、音声入力デバイス、例えば、音声認識システム、マイク、ならびに他の型の入力デバイスを含むものである。一般に、用語「入力デバイス」の使用は、コンピュータに情報を入力するための考えられ得るあらゆる型のデバイスおよび機構を包含していることを意図する。
一部の態様では、コンピュータは、ユーザーインターフェイス出力デバイス、例えば、ディスプレイサブシステム、プリンタ、ファックス装置、または非表示型ディスプレイ、例えば、音声出力デバイスなどを含むものである。ディスプレイサブシステムは、ブラウン管(CRT)、フラットパネルデバイス、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、または投影デバイスであり得る。一般に、用語「出力デバイス」の使用は、コンピュータから情報を出力するための考えられ得るあらゆる型のデバイスおよび機構を包含していることを意図する。
一部の態様では、コンピュータは、Basicプログラミングおよび構築データを格納するためのコンピュータ可読記憶媒体を提供するストレージサブシステムを含むものである。一部の態様では、ストレージサブシステムに、プロセッサによって実行されると本明細書に記載の方法およびシステムの機能性をもたらすソフトウェア(プログラム、コードモジュール、命令)が格納される。このようなソフトウェアのモジュールまたは命令は1つ以上のプロセッサによって実行され得る。また、ストレージサブシステムにより、本発明に従って使用されるデータを格納するためのリポジトリが提供され得る。ストレージサブシステムとしては、メモリサブシステムおよびファイル/ディスクストレージサブシステムが挙げられ得る。
一部の態様では、コンピュータはメモリサブシステムを含むものであり、メモリサブシステムはいくつかのメモリ、例えば、命令およびプログラム実行中のデータを格納するためのメインランダムアクセスメモリ(RAM)、ならびに固定長(fixed)命令が格納されるリードオンリーメモリ(ROM)を含むものであり得る。ファイルストレージサブシステムは、プログラムおよびデータファイルの非一時的永続的(不揮発性)格納を提供するものであり、ハードディスクドライブ、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ(関連リムーバブルメディアを伴う)、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD−ROM)ドライブ、光学ドライブ、リムーバブルメディアカートリッジ、および他の同様のストレージメディアが挙げられ得る。
コンピュータは、種々の型のもの、例えば、パーソナルコンピュータ、ポータブルコンピュータ、ワークステーション、ネットワークコンピュータ、メインフレーム、キオスク、サーバーまたは任意の他のデータ処理システムであり得る。コンピュータおよびネットワークの絶えず変化しているという性質のため、本明細書に含めたコンピュータの説明は、コンピュータの実施形態の実例を示すことを目的とした具体的な一例にすぎないことを意図する。本明細書に記載のシステムよりも多いまたは少ないコンポーネントを有する多くの他の構成も考えられ得る。
種々の態様において、本開示により、生体分子にコンジュゲートさせたポリマードット;タンパク質またはペプチド分離プラットフォーム;電磁放射線源;検出器;および実行可能命令が格納されたメモリデバイスを備えたコンピュータ(該命令は、プロセッサによって実行される場合、該プロセッサに:該検出器を動作させて画像を取得すること、該画像を格納すること、および該画像を解析することをさせる)を備えた、タンパク質またはペプチドをアッセイするためのシステムを提供する。
一部の態様では、タンパク質またはペプチド分離プラットフォームはゲル分離プラットフォームまたはキャピラリー電気泳動分離プラットフォームを含む。
種々の態様において、本開示により、生体分子にコンジュゲートさせたポリマードット;ゲル;電気泳動プラットフォーム;電磁放射線源;検出器;および実行可能命令が格納されたメモリデバイスを備えたコンピュータ(該命令は、プロセッサによって実行される場合、該プロセッサに:該検出器を動作させて画像を取得すること、該画像を格納すること、および該画像を解析することをさせる)を備えた、ウェスタンブロット解析を行なうためのシステムを提供する。
一部の特定の態様では、ゲルはポリアクリルアミドゲルを含む。さらなる態様では、膜はニトロセルロースまたはフルオロポリマーを含むものである。またさらなる態様では、フルオロポリマーがPVDFである。
一部の態様では、システムの電磁放射線源はレーザー、ランプ、LEDまたはこれらの組合せを含む。他の態様では、システムは、さらに、スペクトルフィルター、マルチクロイックミラーもしくはこれらの組合せを含むものである。さらなる態様では、検出器はゲルイメージング装置を備えている。またさらなる態様では、検出器は顕微鏡を備えている。なおさらなる態様では、検出器はカメラを備えている。
本明細書において言及した刊行物、特許および特許出願はすべて、引用により、個々の各刊行物、特許または特許出願が、あたかも具体的に個々に引用により組み込まれて示されているのと同程度に、本明細書に組み込まれる。
本発明の任意の装置、デバイス、システムおよびその構成要素の具体的な寸法は意図される用途に応じて容易に変更され得、これは、当業者には本明細書における開示に鑑みると自明であろう。さらに、本明細書に記載の実施例および実施形態は例示の目的のためのものにすぎないこと、ならびにこれらに鑑みて種々の修正および変更が当業者に示唆され得、本出願の精神および範囲ならびに添付の特許請求の範囲の範囲に包含されることは理解されよう。本明細書に記載の実施形態の数多くの異なる組合せが考えられ得、かかる組合せは本発明の一部であるとみなす。また、本明細書に記載の任意の1つの実施形態に関して論考した特長はすべて、本明細書における他の実施形態における使用のために容易に適合させることができよう。異なる実施形態における同様の特長に対する異なる用語または参照番号の使用は、必ずしも、明示したものとの違いを示すものではない。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲の参照によってのみ説明されることを意図し、本明細書に開示した実施形態に限定されない。
特に指定のない限り、本明細書に記載の方法およびプロセスは任意の順序で行なわれ得る。例えば、工程(a)、(b)および(c)を記載した方法は、まず工程(a)、続いて工程(b)、次いで工程(c)で行なわれ得る。あるいは、該方法を、例えば、まず工程(b)の後、工程(c)、次いで工程(a)などの異なる順序で行なってもよい。さらに、これらの工程は、具体的な指定のない限り、同時に行っても別々に行ってもよい。
本明細書において本開示の好ましい態様を示し、説明したが、本開示は、記載した本開示の具体的な態様に限定されず、具体的な態様の変形が行なわれ得るが、なお添付の特許請求の範囲の範囲に含まれることは理解されよう。また、専門用語の使用は本開示の具体的な態様を説明する目的のためであり、限定を意図するものではないことも理解されよう。実際、本開示の範囲は添付の特許請求の範囲によって確立される。本明細書および添付の特許請求の範囲において、単数形「a」、「an」および「the」は、本文中にそうでないことを明記していない限り、複数の指示対象物を包含している。
値の範囲を示している場合、該範囲の上限と下限の間の各値(本文中にそうでないことを明記していない限り下限の単位の10分の1まで)および記載の範囲内の任意の他の記載の値または間の値が本明細書に示した開示内容に包含されていることは理解されよう。このようなより小さい範囲の上限および下限は、独立して該より小さい範囲に含まれ得、また本発明の範囲にも含まれ、記載の範囲では特異的に除外されている限界値(あれば)の対象となる。記載の範囲が限界値の一方または両方を含む場合、含まれた限界値のいずれかまたは両方を除外した範囲もまた本明細書に示した開示内容に包含される。
例示的態様
実施例1
蛍光性ポリマードットベースのレポーターの特性
この実施例では、新しいオレンジ色発光ポリ[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−(1−シアノビニレン−1,4−フェニレン)](CN−PPV)ポリマー(Ye,F.ら,Chem.Comm.,2012,48,1778)で作製したPドット−ストレプトアビジンコンジュゲートを使用し、ビオチン−コンジュゲート抗体で標識したタンパク質を可視化した。低ピコグラム検出感度が得られた。タンパク質に結合しているPドットからの蛍光シグナルは、ブロッティング手順の2週間後であっても連続画像において同じままであった。
CN−PPV Pドットを調製するため、CN−PPV(ADS Dyes Inc.製)およびポリ(スチレン−コ−無水マレイン酸)(PSMA,Sigma−Aldrich製)を各々、テトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、1mg/mLのストック溶液(1000ppm)を作製した。これらのストック溶液を、125μLのCN−PPVストック溶液および25μLのストックPSMA溶液を5mLアリコートのTHFに入れることにより希釈した。この混合物を超音波処理し、浴型超音波装置内で速やかに10mLの水に注入した。その後、加熱しながら低速窒素流下でTHFを除去した。このナノ析出手順により、Pドットの形成がもたらされた。10mLのPドット溶液を、加熱しながら窒素流下でさらに濃縮し、50ppmの濃度の5mLの最終Pドット溶液を得た。さらなる使用の前に、このPドット溶液を0.2μm酢酸セルロースフィルターに通し、溶液中の大きな凝集塊(あれば)を除去した。
Pドットにストレプトアビジンをコンジュゲートさせるため、この5mLのPドット溶液に、100μLのPEG(水中5%w/v,MW 3350)、100μLの1M HEPESバッファー(pH7.4)、300μLのストレプトアビジン(20mM HEPESバッファー中1mg/mL)、および50μLの1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC,Sigma−Aldrich製)(水中10mg/mL)を添加した。溶液をボルテックスで混合し、さらに室温で4時間撹拌した後、100μLアリコートの1%w/vウシ血清アルブミン(BSA,Sigma−Aldrich製)(水中)を添加した。さらに20分間の撹拌工程後、スクロース(10%w/v)を添加し、溶液を遠心濾過(フィルターMWCO 100,000)によって0.5mLの容量まで濃縮した。最後に、Pドット−ストレプトアビジンコンジュゲートを、該濃縮溶液をSephacryl HR−300 ゲルカラム(これは、0.1%PEG(w/v)と20mM HEPES(pH7.4)で平衡化させる)に通すことによって精製した。Pドット−ストレプトアビジンの最終溶液は400ppmのポリマー濃度を有し、これはそのUV−可視吸収スペクトルから求めた。
図1Aは、CN−PPVポリマーの構造ならびにCN−PPV PドットおよびCN−PPV−ストレプトアビジンPドットバイオコンジュゲートの光学特性を示す。CN−PPV Pドットは、60%もの高い量子収量および10nm直径のPドットで約2.3×10−13cm2の吸収断面積を有する。その蛍光寿命は1.5nsである。ピーク発光は595nmに存在し、その青色発光類似体と比べてバックグラウンド自家蛍光が少ないことを示す。
図1Cは、CN−PPV PドットおよびCN−PPV−ストレプトアビジンPドットの代表的な透過電子顕微鏡検査(TEM)画像を示す。図1Dは、動的光散乱(DLS)で測定したサイズを示し、ストレプトアビジンとのバイオコンジュゲーション後、直径の約2nmの増大を示す。ストレプトアビジンに対するPSMAの比(モル濃度で1:20)およびPドットのサイズに基づき、10nm直径のPドット1個あたり約5〜10個のストレプトアビジン分子と推定された。比較として、Qdot 605−ストレプトアビジン(約15nmの直径を有する;量子収量=30%)を使用した。その発光はCN−PPV Pドットのものと非常に近く、その吸収断面積は約2.3×10−15cm2であり、蛍光スキャナーで使用されている励起波長である473nmで効率的に励起され得る(図1B)。
実施例2
一次抗体を検出するための蛍光性ポリマードットの使用
この実施例では、CN−PPV Pドットコンジュゲートを用いたヤギ抗マウス(GAM)IgGの検出を説明する。ドットブロットの形態のポリフッ化ビニリデン膜(PVDF,Fisher Scientific製)上に直接タンパク質を配置することにより、簡便な定量的タンパク質検出試験が可能となり、これにより、SDS−PAGEゲルから膜上へのタンパク質の転写に伴う不確実性が回避された。ドットブロットを用いてプローブ結合タンパク質の検出下限を調べた。
抗体−タンパク質結合定数に伴う不確実性をさらに最小化するため、ビオチン化ヤギ抗マウス(GAM)IgG(BioLegend製)ドットブロットを、Qdot 605−ストレプトアビジンまたはCN−PPV Pドット−ストレプトアビジンコンジュゲートのいずれかで可視化した。この比較を行うため、ビオチン化GAM IgG(TTBSバッファー(20mM Tris,500mM NaCl,pH7.4,0.05%Tween−20)中)を所望の濃度に希釈し、この溶液の2μLの液滴を乾燥PVDF膜上に置いた。ブロットを1.5時間風乾し、その後、膜をメタノール中への1分間の浸漬によって活性化させ、洗い流し、水中で絶えず振り動かして、次いでTTBSバッファー中でそれぞれ2分間洗浄した。次いで、非特異的結合を抑制するため、絶えず振り動かしながら膜を3%BSA TTBS(w/v)で室温にて1時間ブロックし、PVDF膜をTTBSで2分間洗浄した後、最後に3%BSA TTBS中1nMのCN−PPV Pドット−ストレプトアビジン溶液とともにインキュベートした。インキュベーション後、ブロットをTTBS中で6回洗浄した(5分ずつ)後、イメージングした。ドットブロットをTTBS中にてGE Typhoon FLA 9000 Gel Imaging Scanner(GE Healthcare,Piscataway,NJ)でイメージングし、このとき、473nm波長のレーザーを励起に使用し、575nmロングパスフィルターを用いて発光を集めた。この実験で使用したQdotおよびPドットの濃度はどちらも1nMとした。
図2Aは、Qdot 605−ストレプトアビジンとともにインキュベートした種々の濃度のGAM IgG−ビオチンのドットブロット画像を示す。図2Cは、GAM IgGの量の関数としてのその対応する強度を示す。強度を図2Cのy軸に示し、図2Dはバックグラウンド減算した正規化強度を示す。蛍光プローブとしてQdot 605−ストレプトアビジンでは、液滴2μLあたり下限25ピコグラムのGAM IgGが検出されたことがわかる。図2Bは、CN−PPV−ストレプトアビジンコンジュゲートとともにインキュベートした種々の濃度のGAM IgG−ビオチンのドットブロット画像を示す。その対応する強度はGAM IgGの量の関数とし、図2Dに示す。Pドット−ストレプトアビジンコンジュゲートでは、検出限界が液滴2μLあたり1.6ピコグラムまで有意に低くなったことがわかる。したがって、Pドット−ストレプトアビジンコンジュゲートの検出限界はQdot−ストレプトアビジンコンジュゲートのものより一桁高かった。GAM IgGの添加なしで対照実験を行ない、Qdot/PドットとPVDF膜間になんら明白な非特異的結合はみられないことが確認されたことに注目されたい。ポリマードットの非特異的結合は、種々の表面修飾(例えば、ポリマードットにPEGを用いて表面修飾)を用いて、および/または非特異的結合が低減され得るサイズのポリマードットを用いてあつらえられ得る。
実施例3
標的タンパク質を検出するための蛍光性ポリマードットの使用
この実施例では、蛍光標識CN−PPV Pドットコンジュゲートを用いたトランスフェリンおよびトリプシンインヒビターの検出を説明する。次に、Pドット−ストレプトアビジンコンジュゲートを用いて、その一次抗体の存在下でタンパク質を検出した。ここでは、トランスフェリンとトリプシンインヒビター(ともにInvitrogen製)およびその対応するビオチン化抗体を選択した。タンパク質をTTBSバッファー中で所望の濃度に希釈し、各溶液の2μLの液滴を乾燥PVDF膜上に置いた。ブロットを1.5時間風乾し、その他の手順は、実施例1および2の上記のドットブロット実験と同一とした。具体的には、膜を活性化させ、洗浄し、ブロックし、次いで、ビオチン化一次抗体(TTBS中1:1000の希釈度)とともに室温で1時間インキュベートした後、TTBSで5回洗浄した(5分ずつ)。次いで、タンパク質ブロットをCN−PPV−ストレプトアビジンPドット溶液(3%BSA TTBS中1nM)とともにインキュベートし、TTBS中で膜を6回洗浄した(5分ずつ)後、イメージングした。種々の濃度のトランスフェリンおよびトリプシンインヒビターを使用した。両方のタンパク質について一次抗体なしの対照実験を行ない、タンパク質とPドット−ストレプトアビジン間に非特異的結合がみられるかどうかを調べた(図3Aおよび3B)。結果は、液滴2μLあたり400ピコグラムという高いタンパク質濃度でもドットブロットからなんら蛍光は検出されなかったことを示す。
図3Cは、ビオチン化一次抗体とPドットストレプトアビジンを有するトランスフェリンドットブロットの画像を示す。図3Eは、トランスフェリン量の関数としての対応するバックグラウンド減算した正規化強度を示す。強度とトランスフェリン量の間に線形依存性がみられた(R2=0.9915)。対応する一次抗体の存在下でのトランスフェリンタンパク質では、液滴2μLあたり6.3ピコグラムの検出限界が得られた。
図3Dは、ビオチン化一次抗体とPドットストレプトアビジンを有するトリプシンインヒビターのドットブロットの画像を示す。トリプシンインヒビターの関数としてのその対応するバックグラウンド減算した正規化強度を図3Fに示した。強度とトリプシンインヒビター量の間にも線形依存性が見られた(R2=0.9889)。その対応する抗体の存在下でのトリプシンインヒビターでは、液滴2μLあたり25ピコグラムの検出限界が得られた。なんら特定の理論に限定されないが、タンパク質とその対応する抗体間または対応する抗体とPドットコンジュゲート間の結合効率の違いのため、検出限界がこれらの2つのタンパク質間で異なり得ると考えられる。また、抗体単位1つあたりのビオチン分子の数のばらつきも検出限界の違いによって引き起こされたのであろう。
実施例4
蛍光性ポリマードットベースのタンパク質検出の長期光安定性
この実施例では、CN−PPV Pドットコンジュゲートの経時的な光安定性の評価を説明する。CN−PPV Pドット−ストレプトアビジンコンジュゲートを用いた場合の感度低下のないブロット反復イメージング能を示すため、ビオチン化GAM IgGおよびトランスフェリンドットブロットを、標識工程後、6℃でTTBSバッファー中に14日間まで保存した。GAM IgGの検出限界(1.6ピコグラム)および強度とGAM IgG量間の線形性(R2=0.9819)は標識直後と同じままであったが、シグナルのばらつきはわずかに増大した(図4A)。また、トランスフェリンドットブロットでも、6℃で14日間の保存後の検出限界(6.3ピコグラム)および強度とタンパク質量間の線形性(R2=0.9946)は、標識直後と同じであることがわかった(図4B)。
実施例5
蛍光性ポリマードットを用いたウェスタンブロット解析
この実施例では、ウェスタンブロッティング用途におけるタンパク質の可視化のためのPドット−コンジュゲートの使用を説明する。全ウエスタン−ブロッティング手順を行ない、ブロットを、CN−PPV Pドット−ストレプトアビジンコンジュゲートを用いて可視化した。ここでは、タンパク質をLaemmliバッファー(20%グリセロール,2.1%SDS,0.125M Tris,pH6.8,0.73M 2−メルカプトエタノール,ブロモフェノールブルー)中で適切な所望の濃度に希釈し、次いで、溶液を95〜100℃の水浴中で5分間加熱し、室温まで冷却し、SDS−PAGEゲル(トランスフェリンでは10%アクリルアミド、トリプシンインヒビターでは15%アクリルアミド+ブロモフェノールブルーを有する8%アクリルアミドを重層)に負荷した。また、Fermentas PageRuler Prestained Protein Ladder(10〜170kDa)を参照として添加した。電気泳動は200Vで約1時間行ない(色素の先端がゲルから消えるまで)、タンパク質をゲルからPVDF膜に6℃にて100Vで1時間転写し、PVDF膜をTTBSで2回洗浄し(5分ずつ)、次いで膜をブロックし、上記の段落に記載のものと同じ様式でインキュベートした。Pドット−ストレプトアビジンコンジュゲートの濃度は1nMとした。
図5Aおよび5Bは、SDS−PAGE分離、PVDF膜への転写、ブロッキング、および対応するビオチン化抗体およびCN−PPV Pドット−ストレプトアビジンコンジュゲートとのインキュベーションの全ウェスタンブロッティング手順後のトランスフェリンおよびトリプシンインヒビターの画像を示す。図5Cおよび5Dは、それぞれ、トランスフェリンおよびトリプシンインヒビターの量の関数としてのバックグラウンド減算した正規化強度を示す。検出下限は、トランスフェリンおよびトリプシンインヒビターのどちらも50ピコグラムであった。ドットブロット(図3)と比べて増大したこの検出限界は、SDS−PAGEゲルからPVDF膜への転写の際のいくらかのタンパク質の減損を反映している。しかしながら、Pドットは、ウェスタンブロッティング手順全体と適合性であり、試料を高い検出感度で解析するために使用され得ることが示される。
従来の蛍光プローブを用いた手順と比べてなんらさらなる設備または時間を必要としない簡単な手順で、低ピコグラム量のタンパク質が検出された。Pドットの発光特性が例えば微調整され得ることを考慮すると、この方法はマルチプレックス検出に容易に拡張され得、タンパク質解析に広く応用され得る。
本明細書において本発明の好ましい実施形態を示し、説明したが、当業者には、かかる実施形態は例示として示したものにすぎないことが自明であろう。本発明から逸脱せずに数多くの変形、変更および置き換えが当業者に思い浮かばれよう。本明細書に記載の発明の実施形態の種々の択一例が本発明の実施において使用され得ることを理解されたい。以下の特許請求の範囲によって本発明の範囲が規定されること、ならびにこの特許請求の範囲の範囲に含まれる方法および構造ならびにその均等物が特許請求の範囲に包含されることを意図する。