本発明の目的は、上に述べた課題を大幅に軽減する又は克服する、レーザビームを用いた毛髪切断用デバイスを提供することである。
本発明によれば、使用中、使用者の皮膚の表面に押し付けられるように配置された皮膚接触面と、切断領域へと延出する毛髪を切断するために前記皮膚接触面に平行し且つ前記皮膚接触面から間隔を空けて配置された切断領域間に切断用レーザビームを案内するように構成された光学系と、デバイスの使用時、切断用レーザビームと使用者の皮膚の表面との間に所定の距離を維持するために前記切断用レーザビームと前記皮膚接触面との間の距離が変化されるように配置されたレーザ位置決め機構と、を含む毛髪切断用デバイスが提供される。
従って、均一な切断高さが維持され得ると共に、皮膚高さの変化は切断用レーザビームを移動することにより吸収され得る。このようにして、切断高さ又は皮膚炎症の点におけるデバイスの性能を低下することなく皮膚ドーム形成及び皮膚輪郭などの他の皮膚高さ変化が吸収され得る。切断用レーザビームが切断領域内の皮膚の高さの変化に応じて移動するため、皮膚の所定の距離内に入らず、過度の炎症を引き起こさないことから皮膚炎症が低減される。
更に、レーザ位置決め機構は薄板の必要を排除する。切断用レーザビームはドーム形成及び他の効果に起因する皮膚高さの変化に追従するために移動することができることから、皮膚が剃られる又はトリミングされる間に皮膚を平坦に保持することへの要求はない。薄板の除去により切断用レーザビームと使用者の皮膚との間に配置される構成要素がないため、最小達成可能切断高さが低下する。あるいは、本発明の皮膚高さ追従特徴は、従来の薄板に伴う課題の多くを克服するより大きなアパーチャを有するより薄く軽量の薄板を可能にしてもよい。
レーザ位置決め機構は光学系に取り付けられた皮膚表面追従部を含んでもよく、皮膚表面追従部はデバイスの使用時、切断用レーザビームと前記皮膚接触面との間の距離を変化するために皮膚表面追従部が光学系と共に皮膚接触面に対して移動するように、皮膚表面追従部が切断用レーザビーム下の皮膚の表面に接触するように配置されている。
皮膚表面追従部は皮膚に接触し、切断領域内の皮膚の表面の変化に直接応答して切断用レーザビームを移動する。従って、正確な皮膚表面追従の閉じた受動システム(closed, passive system)が具現化され得る。
デバイスの使用時、皮膚表面追従部は、切断領域内の切断用レーザビームの近傍において使用者の皮膚の表面に接触するように構成されてもよい。
従って、レーザ位置決め機構により追従される皮膚の高さはその時点で剃られている又はトリミングされている皮膚であり、結果として最も正確な切断高さとなる。
レーザ位置決め機構は、デバイス内に可動的に取り付けられたフレームを含んでもよく、前記フレームは、前記皮膚表面追従部と、切断領域間に入射レーザビームを反射するように配置された第1の反射要素を含む前記光学系と、を含む。
可動フレームに光学系及び皮膚表面追従部を取り付けることによって、皮膚表面追従から生じる動きがフレーム及び光学系に付与され、従って、切断用レーザビームもまた移動され、切断用レーザビームと皮膚接触面との間の距離を変化する。フレームは光学部品の取り付けのための安定性及び剛性のある足場を提供する。この足場は、動作中、切断領域内の切断用レーザビームの位置を維持するために正確なアライメントを維持する必要がある。
デバイスは、デバイスの使用時、皮膚表面追従部が使用者の皮膚に接触したままになるように使用者の皮膚の表面に向かう方向に前記可動フレームを付勢するためのばね要素を更に含んでもよい。
従って、切断領域内の皮膚の高さの変化が可動フレーム、故に、切断用レーザビームにより追従されるように皮膚表面追従部及びばねは互いに対して作用する。切断領域内の皮膚高さが増加している場合、皮膚表面追従部は可動フレームを皮膚から離れる方に押し、ばね要素に押し付ける。その一方で、切断領域内の皮膚高さが減少している場合、ばねは可動フレームを皮膚に向かって付勢するため、皮膚表面追従部が皮膚の表面に接触したままになり、切断用レーザビームと皮膚との間の予め設定された距離が維持される。
一実施形態においては、皮膚表面追従部はアパーチャを含んでもよく、切断用レーザビームは切断領域にわたり、アパーチャを通過する。
従って、皮膚表面追従部は最も正確な皮膚表面追従を提供するために切断用レーザビームに可能な限り接近して配置され得る。これにより、予め設定された最小切断高さが一層低減されることを可能にする。
別の実施形態においては、皮膚表面追従部は凹部を含み、切断用レーザビームは凹部内において切断領域間にわたる。
従って、皮膚表面追従部のどの部分も切断用レーザビームと使用者の皮膚の表面との間に配置されず、皮膚表面追従部の近傍における毛髪切断は妨げられない。
皮膚表面追従部は第1の反射要素を形成する先端側面(distal face)を含んでもよい。
従って、追加の皮膚接触構成要素の必要がなくてもよい。更に、反射要素は切断領域の側部に配置されるため、切断用レーザビームと切断される毛髪との間の相互作用を妨げない。
レーザ位置決め機構は、使用時、切断領域内の皮膚の表面を検知するように配置された電子センサと、デバイスの使用時、切断用レーザビームと使用者の皮膚の表面との間に一定の距離を維持するために前記レーザ位置決め機構を移動するように構成されたアクチュエータと、を含んでもよい。
検出部の電子センサと併せて、アクチュエータは、動的制御系を用いて、切断領域内の皮膚高さの変化に応じて切断用レーザビームの位置を正確に調整することができる。更に、デバイスがアクチュエータを含む場合、皮膚の表面と切断用レーザビームとの間の距離は任意の値に設定され得る。従って、デバイスはトリミング機能に使用され得る。トリミング機能では、残される毛髪の長さの均一性を得るため、及び皮膚炎症を回避するために切断高さ(切断用レーザビームと皮膚の表面との間の距離)が制御されてもよい。
レーザ位置決め機構は、デバイス内に可動的に取り付けられ、且つ光学系が取り付けられたフレームを含んでもよく、アクチュエータは、デバイスの使用時、切断用レーザビームと使用者の皮膚の表面との間に一定の距離を維持するために前記フレームを移動するように構成されている。
フレームは光学系をアクチュエータに結合し、これにより、アクチュエータが切断用レーザビームを移動し、故に、切断用レーザビームと皮膚接触面との間の距離を変化することを可能にする。電子センサは、また、可動フレームに取り付けられても、別法として、デバイスに取り付けられてもよい。フレームは、光学部品取り付けのための安定性及び剛性のある足場を提供する。この足場は、動作中、切断領域内の切断用レーザビームの位置を維持するために正確なアライメントを維持する必要がある。
光学系は、前記切断領域間に入射レーザビームを反射するように構成された少なくとも第1の反射要素を含んでもよく、レーザ位置決め機構は、デバイスの前記切断用レーザビームと前記皮膚接触面との間の距離を調整するために前記光学系の構成要素を移動するように構成されたアクチュエータを含む。
光学系の構成要素の動きは切断領域内の切断用レーザビームの位置の簡単且つ正確な調整を提供する。構成要素の反射角度又は位置を変化すると、デバイス内の大きな構成要素のアセンブリを移動する必要なしに切断用レーザビームの切断高さを制御することができる。アクチュエータは小型、シンプル且つ軽量となり得る。
アクチュエータは入射レーザビームの経路又は切断領域内の切断用レーザビームの経路のいずれかに沿って前記第1の反射要素を移動するように構成されてもよい。
第1の反射要素は反射角度を有するため、この要素を切断レーザビーム経路又は入射レーザビーム経路のいずれかに沿って移動すると、入射レーザビームが反射される箇所が変化し、それによって、切断領域内の反射される切断用レーザビームの経路が変化する。
光学系は、レーザビームが前記第1の反射要素に入射されるようにレーザビームを反射する更なる反射要素を含んでもよく、前記アクチュエータは、前記第1の反射要素に入射される入射レーザビームの経路を調整し、これによって、切断用レーザビームと皮膚接触面との間の距離を調整するために、前記更なる反射要素を移動するように構成されている。
更なる反射要素の動きは反射される切断用レーザビームの経路を変化し、それによって切断用レーザビームと皮膚接触面との間の距離を変化する。比較的軽量の反射要素の小さく且つシンプルな動きのみしか必要とされず、これは、この実施形態には小型且つ軽量のアクチュエータのみしか必要とされないことを意味する。
光学系は、平行軸に回転自在に取り付けられた2つの反射要素を更に含んでもよく、前記2つの反射要素は前記第1の反射要素上にレーザビームを反射するように構成されており、前記アクチュエータは第1の反射要素に入射される入射レーザビームの経路を調整するために前記2つの反射要素を回転するように構成されている。
上に定義した反照検流計装置の使用は第1の反射要素に入射される入射レーザビームの経路が簡単且つ正確に制御されることを可能にする。
本発明のこれら及び他の態様は以下に記載される実施形態を参照すると明らかになると共に解明されよう。
ここで添付の図面を参照し、単に例として本発明の実施形態が記載される。
本発明のデバイスの全般的特徴を示す図1a及び図1bに示されるように、デバイス1は、開口部4を有する皮膚接触面3を含む本体2を含む。図1bに示されるように、使用中、本体2の皮膚接触面3は使用者の皮膚6に対して配置され、毛髪7が本体の開口部4内及び本体内に画定される切断領域5内へと突出する。本体2の開口部4内において、デバイス1は、切断用レーザビーム8が本体2の皮膚接触面3及び開口部4に平行し、且つ本体2の皮膚接触面3及び開口部4から間隔を空けて配置されるように切断領域5間に切断用レーザビーム8を誘導する光学系を含む。このように、本体2の皮膚接触面3が使用者の皮膚6に対して配置されると、切断用レーザビーム8は使用者の皮膚6の表面に実質的に平行し且つ使用者の皮膚6の表面から間隔を空けて配置され、切断領域5間にわたり実質的に均一な切断高さを提供する。図1bに距離H1として示される皮膚6の表面と切断領域5内の切断用レーザビーム8との間の距離は、切断領域5内の皮膚6が滑らか且つ平坦であり、いかなるドーム形成(doming)もない場合の切断高さである。
前に説明したように、図1a及び図1bに示されるものなどのデバイス1が使用者の皮膚6に対して配置されると、使用者により加えられた圧力及び皮膚6全体におけるデバイス1の動きが皮膚6の変形であるドーム形成を引き起こす。図1a及び図1bのデバイスの側面図である図2に示されるように、デバイス1が矢印9の方向に皮膚6を移動する場合、皮膚6は切断領域5内にドーム形成し、切断領域5内における皮膚6の高さH2を変化させる。図1bに示されるような非ドーム形成切断高さH1は皮膚接触面3と切断用レーザビーム8との間の距離である。しかしながら、皮膚6が切断領域5内にドーム形成することから、この測定値は有効切断高さを正確に反映するものではなく、毛髪が切断される箇所に左右される。図2に示されるような有効切断高さH3は、切断用レーザビーム8が皮膚6に最も近い点における皮膚6の表面と切断用レーザビーム8との間の距離であり、この距離はドーム形成により変化する。ドーム形成の量はデバイスの皮膚接触面3及び開口部4の形状及び構成並びに使用中に加えられる圧力に左右される。更に、デバイスが皮膚6を移動される速度及び方向もまた皮膚ドーム形成のサイズ及び形状に影響する。更に、ドーム形成は個々の使用者の皮膚のタイプ及び剃られる体の部位に応じて変化する。従って、皮膚ドーム形成の量を予測すること及び毛髪切断用デバイスの適切な固定切断高さを設定することは非常に困難である。
この課題を克服するため、当該デバイスは、切断領域5内における皮膚6の高さH2の変化に応じて、切断領域5内の切断用レーザビーム8の長手方向に垂直な方向に、本体2の開口部4及び皮膚接触面3に向かう方又は本体2の開口部4及び皮膚接触面3から離れる方に切断用レーザビーム8の位置を移動するように構成されている。つまり、デバイスは、使用中の切断領域5内の皮膚高さH2の変化に応じて一定の有効切断高さH3を維持するように構成されている。
同様に図2に示されるが、皮膚接触面3に、本体2の皮膚接触面3の前縁全体に延在し、且つデバイス1が皮膚表面を矢印9の方向に移動される際、皮膚6に滑らかに接触するように機能する伸張器10が設けられてもよい。伸張器10は切断領域5内の皮膚6を伸ばして皮膚表面のあらゆる皺又はひだを平らにし、皮膚表面の毛髪が切断領域5内において直立するようにするが、これは切断用レーザビーム8による毛髪の切断において好ましい。本体2の皮膚接触面3は、また、本体2の皮膚接触面3の後縁全体に延在する後側低摩擦部分11を含んでもよく、後側低摩擦部分11は、また、皮膚表面を平坦に維持し且つあらゆる皺又はひだを伸ばすことを補助する。デバイスが矢印9の方向及びその反対方向の両方に移動される際に動作することを可能にするため、前側伸張器10及び後側低摩擦部分10は2つの実質的に同一の伸張器と入れ替えられてもよいことは理解されよう。伸張器10、11はそれらが炎症を引き起こすことなく皮膚表面を滑らかに移動するように滑らかな丸みのある表面を含んでもよい。伸張器10、11は、デバイス1が皮膚6上において移動される際に毛髪を取り扱うための櫛(不図示)を含んでもよい。
切断領域5内の皮膚高さH2の変化に応じた切断用レーザビーム8の動きは、剃毛の品質及び有効性のため、ドーム形成が引き起こす負の効果を低減し且つ排除してもよい。特に、デバイスは、切断用レーザビーム8と皮膚6との間の過度の相互作用を回避しつつも皮膚高さH2の変化に追従し、それによって所望の有効切断高さH3を維持するように切断用レーザビーム8を移動させることができる。切断領域5内の切断用レーザビーム8の切断高さは皮膚6の高さH2に接近して追従することができるため、有効切断高さH3、切断毛髪長さの均一性及び皮膚炎症の観点における切断性能が大きく向上し、薄板はもはや必要ない場合がある。
切断領域5内の皮膚高さH2の変化に応じて切断用レーザビーム8を移動すると、切断領域5内の皮膚6の輪郭にかかわらずデバイスが剃毛性能を維持することが可能となることは理解されよう。前に説明したように皮膚輪郭の変化の主因はドーム形成であるが、他の要因もまた皮膚輪郭に影響し、本発明によって提供される切断用レーザビーム8の動きもまたこれら他の変化を引き起こす。図2を参照して記載されるように、1つ又は複数の伸張器10及び/又は低摩擦部品11が提供されてもよく、それらはより小さな皮膚特徴を平らにするように機能し、レーザビームの動きは皮膚のドーム形成及び輪郭に起因するより大きな皮膚高さ変化を相殺するように機能する。
図1bに示されるデバイスの光学系は、デバイス1の切断端部内に配置された構成要素のみを含む。デバイスが含んでもよい他の構成要素(不図示)は、ダイオードなどのレーザ発生部及びコリメーティングレンズ又はフィルタなどの他の光学部品を含んでもよい。電池又は外部電力ケーブルへの接続などの、デバイスの動作に必要な他の構成要素もまた本体2内に配置されてもよい。更に、デバイスの本体2は、また、ハンドル並びにデバイスを動作するのに必要な任意のスイッチ、ボタン又は他の制御部及びディスプレイを含んでもよい。本明細書中に記載される任意の反射要素は鏡又はプリズム又は任意の他の光学的反射面を含んでもよい。
図1bに示されるように、光学系は、概して、開口部4及び切断領域5の片側に配置され、切断用レーザビーム8がデバイス1の皮膚接触面3及び開口部4に実質的に平行し、且つデバイス1の皮膚接触面3及び開口部4から間隔を空けて配置された経路をとるようにデバイス1端部にある開口部4間、切断領域5間において入射レーザビーム13を反射するように構成された第1の反射要素12を含む。切断領域5の、第1の反射要素12の逆側に、「使用済み」レーザビーム15が放散され、使用者の一部又はデバイスの別の部分と相互作用することができないように、切断領域5から離れる方、エネルギー放散部(不図示)に向かう方に切断用レーザビーム8を反射するための第2の反射要素14が配置される。図1bに示される例では、第1の反射要素12に入射する入射レーザビーム13は本体2の皮膚接触面3に垂直であり、第1の反射要素12はレーザビームをそれが本体2の皮膚接触面3に平行するように90度にわたって反射する。同様に、第2の反射要素14は90度にわたって、且つ切断領域5から垂直に離れてデバイス1の本体2に向かう方に切断用レーザビーム8を反射するように構成されている。しかしながら、第1及び第2の反射要素12、14はレーザビーム発生部及びエネルギー放散部(不図示)などの光学系の他の部品の位置及び配向に応じて異なるように配向しても、異なる反射角度を有してもよいことは理解されよう。更に、第1及び第2の反射要素12、14は切断領域5の側に配置されなくてもよいことは理解されよう。その代わりにそれらは光学系の他の構成要素の位置、配向及び構成に応じて切断領域5内のどこにでも配置されてよい。しかしながら、皮膚接触面3と切断用レーザビーム8との間の距離が切断領域5間にわたり一定であるように切断領域5内の切断用レーザビーム8は本体2の皮膚接触面3及び開口部4に平行なままとすべきである。
切断領域内の皮膚高さの変化に応じてレーザビームの切断高さを移動するように全てが構成されている本発明の実施形態が、以下、図3a乃至図5cを参照して記載される。
図3a及び図3bは、図1及び図2を参照して前に記載された、端部開口部4と、デバイスの使用時、皮膚6と接触するように構成された実質的に平坦な皮膚接触面3と、を含む本体2を含む毛髪切断用デバイス1の実施形態を示す。更に、皮膚接触面3には、図2を参照して記載したように皮膚6の特徴が滑らかになるよう切断領域5内の皮膚6を引っ張るための前縁伸張器10及び後縁伸張器11が設けられてもよい。
図3aに示されるように、デバイス1には、また、デバイス1が本体2の皮膚接触面3に向かう方及び本体2の皮膚接触面3から離れる方へと矢印17の方向に移動することができるように本体2内に可動的に取り付けられたフレーム16が提供される。光学系の構成要素もまたフレーム16に取り付けられている。この例では、前に説明したように、入射レーザビーム13を切断領域5間にわたり反射して切断用レーザビーム8を発生させるための第1及び第2の反射要素12、14がフレーム16に配置されている。本体2の皮膚接触面3に向かう方及び本体2の皮膚接触面3から離れる方へのフレーム16の動きは有効切断高さH3を所望のように変化する。
矢印17の方向における切断用レーザビーム8の所望の動きを実現するため、フレーム16は本体2内に伸縮自在に取り付けられてもよく、この取り付けには、リニアスライドベアリング、レール又はフレーム16が本体2に対して摺動することを可能にする別の連結を含んでもよい。この場合、フレーム16は第1の反射要素12に入射する入射レーザビーム13に平行する方向17に移動することができるように取り付けられる。従って、この動きは切断領域5内の切断用レーザビーム8の長手方向に垂直なため、フレーム16の動きは光学系の配置構成に影響を及ぼさず、そのため、入射レーザビーム13は尚切断領域5間にわたり反射され、デバイス1の皮膚接触面3に平行な切断用レーザビーム8を形成する。
図3a及び図3bに示される例では、フレーム16は本体2の開口部4の面及び皮膚接触面3に垂直な経路17を画定する直線レールに沿って移動するように構成されている。つまり、フレーム16は第1の反射要素12に入射する入射レーザビーム13の経路に沿って移動する。しかしながら、この動きは、一方で、皮膚接触面3に対し非垂直角度であってもよいことは理解されよう。
フレーム16が切断領域5内における皮膚6の高さH2の変化に応じて移動することを可能にするため、フレーム16は、また、使用中、デバイス1が使用者の皮膚6に接触するようフレーム16からデバイス1の開口部4に向かって延出するように構成された少なくとも1つの皮膚表面追従部(18)を含む。更に、デバイス1には、本体2と可動フレーム16との間において、本体2から離れて開口部4へと向かう方に、従って、使用中、使用者の皮膚6へと向かう方にフレーム16を付勢するように機能する少なくとも1つのばね要素19が設けられる。このようにして、皮膚表面追従部18は皮膚表面に接触したままになり、切断領域5内の皮膚高さH2が変化すると、皮膚表面追従部18は皮膚6との接触によって押し上げられるかばね要素19によって押し下げられるかのいずれかとなり、フレームは、また、その変化に応じて移動する。従って、切断用レーザビーム8の有効切断高さH3はほぼ一定値に維持される。有効切断高さH3が可能な限り一定にとどまることを確実とするため、皮膚表面追従部18は切断用レーザビーム8と整列されるようにフレーム16上に配置されている。このようにして、追従される皮膚高さH2がその時点の剃られる皮膚の高さであるように皮膚表面追従部18は切断用レーザビーム8と一直線に並ぶ点において皮膚6に接触し、ドーム形成に起因する皮膚高さH2の変化の影響が克服される。
図3b乃至図3eは、図3aを参照して記載したデバイスの皮膚表面追従部18の異なる実施形態を示す。
図3bに示される例では、皮膚表面追従部18は、切断領域5内を使用者の皮膚6に向かう方に延出し、且つ皮膚6上における皮膚表面追従部18の動きが滑らかであり且つ過度の炎症を引き起こさないことを確実とする丸みのある先端部21を有するアーム部材20を含む。皮膚表面追従部18のこの実施形態においては、アーム部材20に、切断用レーザビーム8が切断領域5間にわたり移動する際に通過するアパーチャ22が設けられる。アパーチャ22は皮膚6に接触するアーム部材20の先端部21の近傍に配置され、アパーチャ22は切断用レーザビーム8が遮断されないようにアーム部材20を貫通する。
図3cは、皮膚表面追従部18の異なる実施形態を示す。特に、この実施形態の皮膚表面追従部18は、切断用レーザビーム8が通過する凹部24を有するアーム部材23を含む。使用中、アーム部材23のどの部分も切断用レーザビーム8と皮膚6との間に配置されないように凹部24は皮膚表面追従部の先端部25まで延在する。使用中、アーム部材23の先端部25にある凹部24の2つの縁端は皮膚6に接触する一方で、切断用レーザビーム8が凹部24を通じてそれら縁端間に延出することを可能にするため、切断用レーザビーム8は遮断されない。このようにして、毛髪は皮膚表面追従部18の近傍において切断用レーザビーム8から遮断されない一方で、デバイスが皮膚6上を矢印9の方向に移動される際のアーム部材23の皮膚追従機能が維持される。
図3dは、図3aを参照して記載した皮膚表面追従部18の別の実施形態を示す。この実施形態においては、皮膚表面追従部18は、可動フレーム16から、切断用レーザビーム8の片側の皮膚6に向かう方のみに延在するアーム部材26を含む。このアーム部材26は切断用レーザビーム8の前側又は後側にあってもよい。この配置構成は皮膚表面追従部18の近傍の切断用レーザビーム8周囲により広いスペースを提供し、皮膚表面追従部18周囲の切断用レーザビーム8によって毛髪がより容易に切断されることを可能にする。皮膚表面追従部18のアーム部材26は、図3cを参照して記載した実施形態のものと類似する凹部24を含む。しかしながら、この実施形態の凹部24はより大きく、且つ皮膚接触部材27のみが片側のみにおいて切断用レーザビーム8を越えて延びるように延在する。その皮膚接触部材27は皮膚6に接触する丸みがあり且つ滑らかな先端部28を有してもよい。
図3eは、第1及び第2の反射要素12、14が皮膚表面追従部18としても機能する別の実施形態を示す。この場合、第1及び第2の反射要素12、14はそれぞれ、滑らかな丸みのある先端部29及び反射面30を含む。第1の反射要素12は皮膚追従表面29を含んでもよいが、第2の反射要素は含まなくてもよいことは理解されよう。従って、反射要素12、14は、切断用レーザビーム8を切断領域5間にわたり反射する機能及びフレーム16をばね19に対して押すことにより皮膚高さH2が追従されることを可能にするために皮膚6に接触する機能を満たすことができる。この構成の利点は、切断用レーザビーム8が切断領域5間に完全に露出されるため、毛髪切断が皮膚表面追従部18によって妨げられないことである。
図3a乃至図3dの実施形態は可動フレーム16の中心点から延出する単一の皮膚表面追従部18を示すが、一方で、デバイスに、複数の皮膚表面追従部が設けられてもよいことは認識されよう。特に、2つの皮膚表面追従部の使用により、皮膚とフレームとの間に、ばねに対して作用し、リニアスライド式取付具により低いねじり荷重をかけ、目詰まり及び摩耗の可能性を低減するより均一な圧力を生成する。
当業者であれば、フレーム16及び任意のスライド式取付具の正確なサイズ及び構成に基づき、フレーム16の全移動距離における均一且つ適切なばね力を実現するようにばね19を選択することができることも理解されよう。このようにして、ばね19は、使用中、フレーム16、従って、皮膚6に対して適切且つ一定な力をかけることができる。ばね19によって提供される力は、強過ぎて皮膚表面追従部18が皮膚6に過度に押し付けられ、更なる皮膚ドーム形成を引き起こすことのないよう適切な皮膚追従を確実とするのに十分なものとすべきである。ばね19にはフレーム16の動きを減衰するためのダンパ(不図示)が設けられてもよい。
図4a及び図4bは、図3a乃至図3eを参照して記載した実施形態に類似する、使用時、使用者の皮膚6に接触するための皮膚接触面3を備えた本体2と、本体2内に取り付けられた可動フレーム16と、を含む、毛髪切断用デバイス1の更なる実施形態を示す。図4aに示されるように、この実施形態の可動フレーム16は、フレーム16、従って、切断用レーザビーム8を、使用中、本体2の皮膚接触面3、従って使用者の皮膚6に向かう方及び使用者の皮膚6から離れる方に直線方向に移動するように構成されたアクチュエータ31に取り付けられている。アクチュエータ31は電子アクチュエータ、例えば、制御部(不図示)からの命令に応答してフレーム16を移動させるボイスコイルアクチュエータであってもよい。
この実施形態においては、デバイス1は、また、皮膚検知部を含む。皮膚検知部は、この場合、切断用レーザビーム8と一直線に並んだ、切断領域5内における皮膚6の高さH2を決定する電子センサ32である。この情報は、決定された皮膚高さH2に応じてフレーム16及び切断用レーザビーム8を移動するように構成されたアクチュエータ31の位置を制御する制御部に提供される。図4aに示されるように、センサ32は、図3a乃至図3dを参照して記載した実施形態の皮膚表面追従部と同様に延出して皮膚6に接触するばね入りアーム33を有する変位ポテンショメータなどの誘導性センサであってもよい。あるいは、皮膚検知部は、光学測定技術を用いており、皮膚の表面とデバイス上の基準点との間の距離を測定するために皮膚に接触する必要がないコンフォーカルレンズなどの光センサであってもよい。
皮膚検知部センサ32は図4a及び図4bに示されるように可動フレーム16に取り付けられてもよく、それによってアクチュエータ31の動作下で移動する。この場合、制御部は、適切な有効切断高さH3に等しい、センサ32により決定された固定の測定値を維持するようにアクチュエータ31を移動するように構成されている。あるいは、センサ32はデバイス1の本体2に取り付けられてもよく(この構成は不図示)、従って、フレーム16はデバイス内においてセンサ32から独立して移動する。この場合、センサ32は切断領域内の皮膚高さH2を測定するように構成され、制御部はセンサ32の測定値とアクチュエータ31の位置との間において決定された固定差を維持するように構成されている。
図4a及び図4bは、切断用レーザビーム8の近傍のデバイス1の開口部4に向かって延出するばね入りアーム33を備えた、1つの、中心に配置されたセンサ32を示す。しかしながら、デバイス1は、その代わりに、切断用レーザビーム8の両側に切断領域5間にわたり配置される複数のセンサを含んでもよいことは理解されよう。更に、デバイスは、デバイス内におけるフレーム16の位置を制御する1つ又は複数のアクチュエータを含んでもよい。例えば、図4aは、1つの、中心に配置されたアクチュエータ31を示すが、これは同期的に機能する2つの間隔を空けて配置されたアクチュエータと入れ替えられてもよい。
この実施形態において使用されるアクチュエータのタイプによっては、フレーム16内の切断用レーザビーム8が本体2の皮膚接触面3に平行なままになるようフレーム16がアクチュエータ31の影響下で移動するように、可動フレーム16は本体2内のリニアスライドガイド又はレールに取り付けられてもよい。この動きは本体2の皮膚接触面3に垂直な方向であっても、角度を成してもよい。
あるいは、不図示の一実施形態においては、レーザビームが端部開口部、従って、使用者の皮膚から離れるように又は近付くように回転自在に取り付けられた切断ヘッドフレームにレーザ発生部が取り付けられてもよい。レーザビーム発生部が回転可能なフレームにも取り付けられているため、レーザビーム発生部と第1の反射要素の相対的な配置構成は回転によって影響されず、レーザビームは尚デバイスの皮膚接触面に平行するように切断領域間に反射される。この場合、フレームが回転し、切断領域内における皮膚の高さの変化に応じてレーザビームを移動するように、図3a乃至図3eを参照して記載したものに類似する皮膚表面追従部及びばね要素配置構成が回転可能なフレームに取り付けられてもよい。あるいは、回転可能なフレームの重量を低減するため、センサをアクチュエータと併用し、センサによって検出された切断領域内における皮膚の高さの変化に応じてフレームを回転してもよい。
本発明の更なる実施形態が図5a乃至図5cに示される。これら実施形態は、また、使用中、使用者の皮膚6に対して押し付けられる皮膚接触面3及び開口部4を有する本体2を含む。しかしながら、これら実施形態は図3a乃至図4bを参照して記載した可動フレームを含まない。その代わりに、以下に説明されるように、切断用レーザビーム8は光学系の構成要素を移動するように構成されたアクチュエータ35によって移動される。図5a乃至図5cに示される実施形態のそれぞれは、切断領域5内の皮膚6の高さを決定するためのセンサ34の形態の皮膚検知部を有する。この皮膚検知部センサは、図4a及び図4bを参照して記載されるように、延出して皮膚に接触し、それによってその高さを決定するばね入りアームを備えた変位センサを含んでもよい。あるいは、図5a及び図5bに示されるように、皮膚検知部センサ34は、皮膚表面とデバイス2上の基準点との間の距離を皮膚6に接触せずに測定することができるコンフォーカルレンズなどの光センサを含んでもよい。
皮膚検知部センサ34によって決定された、切断領域5内の皮膚6の測定された高さに応じて切断用レーザビーム8を移動するため、デバイス1は、光学系の構成要素を移動することによって切断用レーザビーム8を移動するための制御部及びアクチュエータ35を含む。
図5aに示される実施形態は、切断領域5内の皮膚6の高さを決定するための皮膚検知部35、この例ではコンフォーカル光センサを含む。デバイス1は、また、上述のように、切断領域5の両側に配置された、まず90度にわたり切断領域5間に、その後更に90度にわたりエネルギー放散部(不図示)に向かう方に入射レーザビーム13を反射するための第1及び第2の反射要素12、14を含む。この実施形態は、また、第3の反射要素36と、第1の反射要素12に入射する入射レーザビーム13の経路を変えるために第3の反射要素36をデバイス1の本体2に対して移動するように構成されたアクチュエータ35と、を含む。例えば、図5aに示されるように、切断用レーザビーム8に平行な方向にレーザビーム38を放出するためにレーザ発生部37が配置され、第3の反射要素36はそのレーザビーム38を90度にわたり第1の反射要素12に向かう方に反射するように配置されている。第3の反射要素36は、アクチュエータ35の影響下で、発生部37によって放出されるレーザビーム38の経路に沿ってレーザ発生部37に向かう方又はレーザ発生部37から離れる方のいずれかにおいて移動するように構成されている。このようにして、第1の反射要素12に入射する入射レーザビーム13の経路は矢印39の方向に移動され、第1の反射要素12上の反射点が変化し、それによって、切断用レーザビーム8と本体2の皮膚接触面3との間の距離を調整する。従って、皮膚接触面3と切断用レーザビーム8との間の距離は、検出された、切断領域5内の皮膚6の高さに応じてアクチュエータ35を介し制御部によって制御され得る。このようにして、有効切断高さH3(図1b)は決定された、切断領域5内の皮膚高さH2(図1b)に応じて調整され得る。
図5aを参照して記載した実施形態の第3の反射要素36を移動するように構成されたアクチュエータ35はボイスコイルアクチュエータであっても、任意の他の種類の適切な制御可能なアクチュエータであってもよい。第3の反射要素36はそれが移動する経路を制御するためにスライドレール又はガイドに取り付けられてもよく、あるいは、アクチュエータ35は組込み式ガイドを有してもよい。また、反射要素12、14、36それぞれがレーザビームを90度にわたり反射するように構成されている、図5aに示される配置構成は光学部品の配向及び反射要素の反射角度を本発明から逸脱することなく変えることによって変更されてもよいことは理解されよう。
図5aの実施形態は、第3の反射要素12を切断用レーザビーム8に平行な経路に沿って移動するように構成されたアクチュエータ35を示す。しかしながら、本発明の別の実施形態はレーザビーム発生部を切断用レーザビームに平行な経路に沿って移動し、それにより、レーザビーム発生部が第1の反射要素12に向かって直接レーザビームを放出するように構成されたアクチュエータを提供するものであることは理解されよう。このようにして、切断領域5内の切断用レーザビーム8の高さは調整される。
図5bに示される別の実施形態においては、第1の反射要素12に入射する入射レーザビーム13の位置を制御するため、従って、切断領域5内の切断用レーザビーム8の高さを制御するために反照検流計装置が使用される。図5bに示される例では、反照検流計装置は、2つの鏡39、40の回転位置を変えることによって入射レーザビーム13の方向が制御可能となるように、少なくとも1つのアクチュエータ35により平行軸を中心に独立的に回転可能な2つの鏡39、40を含む。レーザ発生部37からのレーザビーム41は第1の回転可能な鏡39に入射する。第1の回転可能な鏡39はレーザビームを第2の回転鏡40に向かって反射し、更に入射レーザビーム13を第1の反射要素12に向かって反射し、その後、切断領域5へと反射する。このようにして、センサ34によって決定された、検出された切断領域5内の皮膚6の高さの変化に応じて鏡39、40の回転位置を制御することによって、第1の反射要素12に入射する入射レーザビーム13はその長手方向の軸線に垂直な方向に沿って矢印42の方向に移動可能であり、それによって切断領域5内の切断用レーザビーム8の高さを制御する。
切断領域5内の切断用レーザビーム8の位置を制御するため、反照検流計装置の代わりに他のオプトメカトロニクス機構が使用されてもよいことは理解されよう。
図5cに示される別の実施形態においては、切断領域5の片側に配置された第1の反射要素12がアクチュエータ35に取り付けられている。アクチュエータ35は入射レーザビーム13の経路に沿って本体2の皮膚接触面3に向かう方に又は本体2の皮膚接触面3から離れる方に第1の反射要素12を移動するように構成されている。このようにして、切断領域5内の切断用レーザビーム8は有効切断高さH3を制御するように移動される。
図5a及び図5bを参照して記載した実施形態と同様に、デバイスは切断領域5内の皮膚6の高さを決定するための、センサ34の形態の皮膚検知部を含み、このセンサ34は前に記載したセンサのいずれかと同じであってもよい。アクチュエータ35は、入射角が変化されないようにレーザ発生部37からの入射レーザビーム13と同じ経路に沿って直線方向に第1の反射要素12を移動するように構成されたボイスコイル型アクチュエータであってもよい。第1の反射要素12は、入射レーザビーム13を切断領域5間にわたり本体2の皮膚接触面3に平行するように直角に反射するように構成されている。このようにして、第1の反射要素12が入射レーザビーム13の経路に沿って移動されると、反射された切断領域5内の切断用レーザビーム8は切断領域5内の切断用レーザビーム8の高さを変えるために移動され、それによって有効切断高さH3を調整する。第2の反射要素14は別個のアクチュエータに取り付けられても第1の反射要素12のアクチュエータ35に、双方が同期的に移動するように連結されてもよい。あるいは、図5cに示すように、第2の反射要素12は固定されてもよく、この場合、第2の反射要素12は、第1の反射要素12の任意の位置及び切断領域5内の切断用レーザビーム8の高さにおいて切断領域5からの切断用レーザビーム8が第2の反射要素14に入射することを確実にするために十分に遠くまで延在すべきである。例えば、図5cに示されるように、第1の反射要素12は、第1の反射要素12を入射レーザビーム13の経路に沿って移動するアクチュエータ35に取り付けられており、第2の反射要素14は、固定されており且つより大きく、第1の反射要素12の末端の位置においてさえも切断領域5からの切断用レーザビーム8が第2の反射要素14に尚入射するように第1の反射要素12よりも遠くまで延出する。
図5cの実施形態は、入射レーザビーム13に平行且つ切断用レーザビーム8に垂直な経路に沿って第1の反射要素12を移動するように構成されたアクチュエータ35を示す。しかしながら、本発明の別の実施形態は切断用レーザビーム8に平行な経路に沿って切断領域5へと第1の反射要素12を移動するアクチュエータを備えた第1の反射要素12を提供するものであることは理解されよう。このようにして、切断領域5内の切断用レーザビーム8の高さは調整される。
図3a乃至図5cを参照して記載した実施形態は、それぞれ切断領域5内の切断用レーザビーム8の切断高さが、検出された切断領域5内の皮膚6の高さに応じて調整されることを可能にする。図3a乃至図3eを参照して記載した実施形態では、皮膚高さH2の変化に応答するため皮膚6とばね入りフレーム16との間に受動誘導システム(passive system of direct)を用いている。対照的に、図4a乃至図5cを参照して記載した実施形態は、皮膚高さH2の変化を電子的に測定する閉ループ制御系を形成するための皮膚検知部センサ32、34、制御部及びアクチュエータ31、35を含み、アクチュエータはそれに従い応答する。本発明のこれらの実施形態は、デバイスが皮膚の輪郭上を移動される際及び切断領域内において皮膚がドーム形成する場合に毛髪切断用デバイスが皮膚炎症のリスクなしに近接し且つ均一な有効切断高さH3を維持することを可能にする。
切断用レーザビームの位置を制御するためのアクチュエータを含む図4a乃至図5cを参照して記載した実施形態のいずれも、皮膚高さH2の変化への応答よりもむしろ又は皮膚高さH2の変化への応答と共に、デバイスの切断高さを変化してデバイスの機能を変更するために用いられてもよいことは理解されよう。例えば、毛髪を剃ることよりもむしろトリミング機能のために用いられてもよい。制御部は、毛髪トリミング用の設定を含んでもよく、この場合、アクチュエータはレーザビームを皮膚表面から更に遠くへと移動し、トリミングに好適なより高い有効切断高さH3を提供する。この場合、本発明は切断毛髪長さに対し均一性の向上をもたらすが、これは毛髪トリミングデバイスにとって有利である。
記載した全ての実施形態は切断領域内におけるレーザビームの切断高さが皮膚に接触する本体の皮膚接触面及び開口部に対し変化されることを可能にする。このようにして、シェーバーは薄板の必要なしに均一且つ安全な有効切断高さを維持する一方で皮膚の輪郭及びドーム形成に追従することができる。これは、デバイスが皮膚を移動される際に皮膚炎症又は乏しい切断効果のリスクなしに皮膚が自然に変形し、且つドーム形成することができることを意味する。切断ビームの動きは、切断領域内の皮膚を押さえて平坦にする薄板の機能が必要とされないことを意味する。切断領域の開端部は毛髪が切断領域に自由に入ることを可能にし、且つ切断領域周囲における屑の蓄積を低減することから好ましい。
しかしながら、切断領域内における皮膚高さの変化に応答した切断ビームの動きは薄板の使用を排除しないことは理解されよう。逆に、調節機構はより大きなアパーチャを有するより薄く且つより軽量の薄板の使用を可能にしてもよく、これによって明白なレーザと皮膚の相互作用又は切断効果の低減のリスクなしに薄板を使用する欠点の多くを克服する。おそらくは切断領域の開口部の一部のみに延在する、大きなアパーチャを有する薄く軽量の薄板はドーム形成を低減し、且つ切断用レーザビームに必要とされる動きの量を低減するが、幾らかの動きは常に有利である。
更に、切断高さ調整において完全な従来の薄板を用いてもよく、トリミング機能(残る毛髪長さを均一にするため切断高さが増加される)と剃毛機能(深剃り)との間においてデバイスの切断高さを変化するための高さ調節機構が使用される。この場合、任意のセンサが、レーザビームと皮膚表面との間よりもむしろレーザビームと薄板との間の距離を測定するように構成されるべきである。
図1a乃至図5cを参照して記載される実施形態においては、第2の反射要素は、レーザビームを切断領域から、レーザビームを放散し任意の更なる損傷がレーザビームにより引き起こされることを防止するエネルギー放散部に向かって反射するように構成されている。しかしながら、第2の反射要素は、その代わりに、切断領域内の第1のレーザビームに平行し、且つ切断領域内の第1のレーザビームから間隔を空けて配置され、それによってマルチビーム切断動作を形成するレーザビームを切断領域へと反射するように構成されてもよいことは理解されよう。これは複数回繰り返されてもよい。この場合、全ての反射要素は図3a乃至図5cに示される実施形態を参照して記載したものと同様に移動することが必要とされてもよい。次の反射要素は、レーザビームが切断領域を数回通過した後、レーザビームをエネルギー放散部に向かって反射してもよい。
記載した本発明の実施形態のそれぞれはレーザビームがデバイスの皮膚接触面と平行なままであるようにレーザビームを移動するが、可動フレーム、アクチュエータ及び/又は光学系が、レーザビームがデバイスの皮膚接触面に平行なままにならないようにレーザビームを移動するように構成されてもよいことは理解されよう。例えば、フレームは切断領域内における皮膚の高さの変化に応じて回転及び摺動することができてもよい。あるいは、光学系には、切断領域に配置された、レーザビームの高さ及び角度を変化するための複数の皮膚高さセンサに応答して動作するオプトメカトロニクスシステムが設けられてもよい。
用語「含む(comprising)」は他の要素又はステップを排除せず、不定冠詞「a」又は「an」は複数を排除しないことは理解されよう。相互に異なる従属請求項に特定の施策が列挙されているという単なる事実はこれら施策の組み合わせが有利に使用され得ないことを示すものではない。特許請求の範囲の任意の参照符号は特許請求の範囲の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
本出願において特許請求の範囲は特定の特徴の組み合わせに関して作成されたが、本発明の開示の範囲は任意の請求項において現在請求される発明と同じ発明に関係するか否かに関わらず、及び親発明と同じ技術的課題の一部又は全部を軽減するか否かに関わらず、明示的若しくは暗示的のいずれかにおいて本明細書中に開示される任意の新規な特徴若しくは特徴の任意の新規な組み合わせ又はその任意の一般化も含むことは理解すべきである。本出願人はこれによって本願又は本願から派生する任意の更なる出願の特許出願時にそのような特徴及び/又は特徴の組み合わせに関して新たな特許請求の範囲が作成され得ることを通知する。