本発明は、漏出を阻止するために加圧下にあるホースを遮蔽することにより、また液体の漏出、試験液および洗浄液を閉じ込めることにより、人的および環境的に改善された安全性を提供するシステムと方法に向けられる。本発明は、ホースの周りに緩く巻き付けることができ、長手方向縁部を締結して保護筒状チューブを形成し、および/または1以上の付加的なブランケットに端部同士で結合して所望の全長まで保護チューブを延長する保護ブランケットである。
ブランケットは長手方向縁部の締結システムと端部締結システムを有する。縁部および/またはブランケットの端部は補強されてもよく、および/またはブランケットの本体の厚さに対して膨らみ、または厚くてもよい。チューブを形成するために縁部を結合し、また長いチューブを形成するために端部を結合することは、両者とも、好ましくは多少重合することによって行われる。ブランケットは、全長にわたって補強され、あるいは少なくとも主要部分において、1以上の布あるいはシートタイプの補強材で補強されてもよい。各ブランケットの一端はポケットを含み、他端はポケットの中に嵌入するように適合される。
本発明は、所定長さのブランケット材料をホースの周囲に緩やかに巻き付け、長手方向縁部を重合させ、巻かれたブランケットを固く固定し、ホースを加圧することを含むホースの圧力試験方法にも向けられる。巻き付けられたブランケットは、ホースの外径の約2倍あるいは少なくとも2倍の内径を有する。この方法は、2以上のブランケットの端部同士を結合することを含んでもよい。この方法は、ホースの周りを端部同士で結合された2以上のブランケット材料を巻き付けることを含んでもよい。
上述の内容は、後述する本発明の詳細な説明がよりよく理解されるために、本発明の特徴と技術的な利点をむしろ広く記載した。本発明の付加的な特徴と利点は後述され、本発明の特許請求の範囲の主題を構成する。開示された概念と特定の実施形態は本発明と同じ目的を実行するために修正し、または他の構成を設計するための基礎として容易に利用され得ることは、当業者によって理解されるべきである。また、このような均等な構造は添付された特許請求の範囲に記載された発明の範囲から逸脱しないことも当業者によって理解されるべきである。本発明の特徴であると信じられる新規な特徴は、その組織と動作方法について、さらなる目的と利点とともに、添付した図面に関連して検討されると、次の記載からよく理解される。しかし、各図面は説明と記述の目的として提供され、本発明の制限として意図されないことが明確に理解される。
本発明はホースアセンブリの再証明すなわち再確認を目的とした環境下において、高圧かつ長尺で大直径のホースの証明試験に有用な保護ブランケットを提供する。現在、石油掘削装置あるいは類似装置に使用されるホースは、業務を再開する前に検査される。この作業を実施する周辺においてオペレータあるいは装置を保護するために囲いがない場合、また証明検査中にホースの損傷が発生した場合、オペレータは高圧の試験液体あるいは放出された破片の危険にさらされる。
図1は本発明の液体閉じ込めブランケットの第1実施形態を示す。図1において、液体閉じ込めブランケット10は長手方向に部分的に巻かれた長方形シート状である。ブランケット10は2つの長手方向縁部12aおよび12bと、2つの終端縁部すなわち端部14aおよび14bを有する。ブランケット10はチューブ状あるいは円筒状のホースあるいは他のチューブ状物体の周りを巻くために適合され、1つの縁部12aは他の縁部12bに重合するように適合され、これは重合距離17の重合部16を形成する。ブランケット10は長手方向縁部の締結システム18を有する。この縁部締結システムは、バックル、フック、ループおよびアイズ、結び目、チェーンおよびロックあるいは他の締結機構あるいはシステムから成ってもよい。縁部締結システム18は図示されるように、雄バックル部21および雌バックル部22を有する多数のバックルを備える。図2は平面形状の閉じ込めブランケット10を示す。端部14および縁部12の少なくとも1つは補強されてもよい。ブランケットの全ての周囲の縁部14および12は補強されてもよい。
図3は束縛ブランケット10の縁部12を含む部分断面図を示す。この縁部はコード32によって補強される。コード32は、金属ワイヤ、カーボン、ガラスあるいは他の無機物のファイバ、自然または合成有機ファイバあるいはフィラメント、またはこれらの複合あるいはハイブリットにより形成された、マルチあるいはモノフィラメントのストランド、ヤーン、ワイヤ、ロープあるいはケーブルのような、いかなるタイプの適切な補強材料あるいは構造であってもよい。ブランケット10は(プラスティックまたはエラストマ、および熱可塑性または熱硬化性の)不透過性高分子材料から成り、またシート状補強材34を含む本体36を有する。本体34は例えば、PVC(ポリ塩化ビニル)、ポリウレタン、ポリオレフィン、ゴムなどでもよい。補強材は、織布、不織布、編布などの適切な繊維補強材であってもよい。ひとつの実施形態において、布は正方形の織布であり、またポリアミドおよび/またはアラミドのファイバを有してもよい。アラミドのファイバは、例えばパラアラミドファイバ、メタアラミドファイバ、およびアラミド共重合体ファイバを含む。補強材は本体36よりも厚い縁部12となる。1以上の縁部が補強材32を有してもよい。好ましくは2つの長手方向の縁部が補強され、本体より厚い。
本体の材料は補強布の中を貫通してもよい。ブランケット本体の厚さは、図3に示すように補強布より実質的に厚いか、あるいは補強布の厚みと同じくらい、あるいはその間のどれでもよい。ブランケット内の補強材は、アプリケーションに必要な性能に従って、一層構造または類似あるいは異なる材料の多層構造であってもよい。ブランケットは、異なる材料の層を含む、1層あるいは多層の布、ワイヤストランドあるいはメッシュの補強材を有してもよい。布は、本体の材料への接着の向上のために必要であるならば、接着剤により処理してもよい。織物補強材は、パラアラミド、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、液晶ポリマ(LCP)、ナイロン、ポリエステル等、または混合のような、高性能ポリマ材料である。さらに、ホースが破裂するエネルギーを抑制するために、超高圧ホースを試験するための用いられるブランケットに、より強化された補強材が用いられる。このように、ブランケットのサイズ、厚み、強度等が、特定のホーステストあるいは保護アプリケーションに適合するように選択される。
特定の実施形態の例として、海洋石油掘削作業において用いられる臨界状態のホースの試験時に、液体を閉じ込めるために適切なブランケットを検討する。これらのホースは内径が名目上3から6インチで、200フィート以上までの長さである。ブランケットを用いてテストされたホースアセンブリは、一般的に2組から成り、また自由長のホースである。ブランケットは、ホースの自由長より長ければ、ホースアセンブリ全体と全く同じ長さである必要はない。ブランケットは、それぞれの状況に実用的であることに従って、異なる長さおよび幅でもよい。ブランケットの幅はホースあるいはパイプの周りを緩く包むように裁断される。単一のブランケットが短いホース(10フィート未満)に用いられ、例えば約8フィート×4フィートでもよく、また複数層の高性能の布を有してもよい。したがってブランケットは、4フィートの方向に巻かれ、8フィートの長さのホースを包んで、ホースの周りを被覆する。ブランケットの長手方向縁部は、ホースの損傷時に解放するのを防止するために、バックル、ジッパ、フック、フック・ループ型ファスナなどでホースの周囲を保護されてもよい。長手方向縁部の重要な重合せは、液体の閉じ込めのための合理的な液密カバーを形成するために望ましい。ひとつの実施形態によると、緩く巻かれたブランケットは、ホース外径の約2倍あるいは少なくとも2倍の内径を有してもよい。このような比率はホースの全壊による液量の急増を吸収するために有利である。好ましくは、バックルがブランケットの付加的な補強のために、コイル状に巻かれたブランケットの円筒を完全に覆うストラップに固定される。ストラップはブランケットに、縫い付けられ、あるいは永久的に固着されてもよい。バックルの位置およびブランケットに対するストラップの固着は、ブランケットがコイル状に巻かれるときに、縁部の重ね合わせの適切な程度を要求するように適合される。同様に、バックルの位置およびブランケットに対するストラップの固着は、ブランケットがコイル状に巻かれるときに、過剰な重ね合わせを防ぎ、それによりホースに対する過剰な締め付けを防止するように適合される。ブランケットがホースを窮屈に巻いたとすると、液体を収容あるいは閉じ込めるためのスペースが不十分になる。そこで図1の実施形態は、縁部から距離17の所に配置され、雄バックル部21に固定するときに距離17だけ重合させる雌バックル部22を示す。このバックル機構は、ホースが大きすぎて必要な重ね合わせができないときに、ブランケットが締め付けられることを防止する。十分な重ね合わせ距離17は、ブランケットが用いられるホースの直径くらいの大きさ、あるいは巻かれたブランケットの筒の内径の半分くらいである。重ね合わせが最小しかないか、わずか、あるいは存在しない場合、高圧の漏れが閉じ込めブランケットから容易に抜け出て、周辺の人を危険にさらすことになる。
このような多重ブランケットは、1つのブランケットよりも長い(すなわち本例では8フィートより長い)ホースを被覆するために、端部同士が結合されてもよい。図4および5は、1つの可能な端部同士の締結システムを示す。図4において、ブランケット40は一端に形成されたポケット42と、他端においてテーパー状のタブとして成形された挿入部44とを有する。図5に示すように、第2ブランケット40bのタブ44bは第1ブランケット40aのポケット42aに挿入されてもよい。さらに、図5はブランケットを端部同士で固定する3つのバックル48を含む端部締結システムを示す。多重ブランケットはこのようにして取付けられ、例えば200フィートのホースあるいはそれ以上のホースを被覆するのに十分である。ポケットやバックルに加えて、バックル、ジッパ、フック、フック・ループ型締め具などのような他の端部締結システムが利用できる。重ね合わせは、多重閉じ込めブランケットの合理的な液密長さを形成するために望ましい。そして、試験ホースの漏れあるいは破裂による液体は、安全な収集および/または処置のために一端または他端に向けられる。この例において、漏出を防ぐために、2フィートまでの長さで、1/2フィートあるいは1フィートの重ね合わせが望ましい。この例のブランケットは、最大30,000psiの圧力においてホース破裂あるいは漏れから液体を保持できることが期待される。試験ホースの周囲と試験液の温度は175°F程度に達し、この温度抵抗に適合した材料は入手可能である。
図4におけるブランケット40はコードによって補強された2つの長い縁部を有して示され、ブランケット本体より厚く成形されていることに注意すべきである。これと他の変形例あるいは選択は本発明の範囲内であると考えられる。上述した実施形態は結合したブランケット本体を有し、これは、積層構造でもよいが、単一の結合した構造であってもよい。積層構造の中に複数の層がある場合、これらは互いに強固に取付られ、接着され、好ましくは本体の材料あるいは接着剤またはその両方によって貫通される。次に示される実施形態は、ブランケット内に、緩く、取付けられていない、中間層を有する。
図8は本発明ブランケット80aおよび80bの第2実施形態を示し、これらは、緩く重ねられた多層のシート材料を有するブランケット80aの部分的に破断した断面を示し、これらは、液体に対して不透過性を有する外側および内側カバー層と内部の補強布層とを有する。図8において、2つの不透過性の層、すなわち外側カバー層82および内側カバー層84と、その間に挟まれた多数の透過性の布86とがある。バックル88は、補強帯87に取付けられ、これらはコイル状に巻かれたブランケットを完全に取り巻いて、ブランケットの輪の強度を増加させる。同様なバックル89がブランケットの端部同士を接続するために用いられる。透過性の層86は、不透過性の層を透過してしまった液体を閉じ込めるために役立つ。縁部コード補強材32は各ブランケットの2つの長辺の縁部にある。帯87は外側層82のみに締結される。換言すると、帯は布層86を外側層82あるいは内側層84に固定するようには縫いつけられない。このように内側の布層86は、全ての層が結合されるブランケットの縁部すなわち周辺部の周りを除いて、カバー層に固定されない。ブランケット80は図4および図5に示されるように端部同士の結合のためにポケットを有してもよい。
図8の実施形態において、内側および外側層82および84は、第1実施形態として上述したように、すなわち不透過性材料と布の補強により構成されてもよい。一方、内側布層86は好ましくは、低度から中程度の引張強さを有するナイロンのような、高い伸び率の透過性の繊維材料である。内側布層86は好ましくは、5%より大きい引張伸びすなわち少なくとも6%の伸びと、10%以上あるいは15%以上の破断伸びを有する繊維材料である。このような伸び率の大きい繊維の例は、中程度の引張強さのポリエステルおよび中程度あるいは高い引張強さのナイロンを有する。好ましい繊維は中程度の引張強さのナイロンである。布層86は好ましくは、アラミド繊維のような高モジュラスで、低い伸び率の繊維でないことである。布層86は好ましくは、ガラスのような脆弱あるいはもろい繊維材料でないことである。布層86は織布、不織布あるいは編布でもよい。布層86は中程度の引張強さのナイロン6−6繊維の織布でもよく、これらの繊維は繊維を加工しない、長いフィラメントでもよい。高い伸び率の繊維は10%から30%あるいは15%から25%の範囲の破断伸びによって特徴づけられる。
本発明のいずれかの実施形態によって成形されたブランケットは比較的軽量に保護することを示し、これはホースの試験作業あるいはブランケットの取付け時に柔軟性と操作性を与える。多重のブランケットが合理的な長さのホースを収容するために取付けられる。ブランケットはまた、図4におけるカラーストライプ46の形態で示された、縦方向のホース位置指標を設けられてもよい。ストライプ46は図4では赤で示されるが、いかなる適切な色あるいはパターンを用いてもよい。位置指標は、ブランケットあるいはホースとブランケットの整列および使用を容易にする。
図6および7は本発明のブランケットの2つの使用法を示す。
図6は、例えばホースの洗浄のために、ホースの下に敷いて開かれた本発明のブランケットの第1の使用法を示す。本発明のいずれの実施形態の縁部補強も、ブランケットが平らに広げられたときに、ブランケットの補強された周囲の縁部がブランケットの本体に対して厚く、膨らむこととなる。膨らんだ縁部の結果、平らに広げられたときに、ブランケットは限られた量の水あるいは試験液を保持する。膨らんだ縁部はしたがって、洗浄液の流出を収集あるいは囲い込んでいる間に、ホースが洗浄されることを許容し、すぐ近くの汚染を防ぐ。これをスロープで行うと、洗浄液がブランケットの一端、あるいは一連のブランケットの端部に導かれ、そこに液体が安全に収集される。図6において、2つのブランケット10は端部同士で結合され、試験ホース52の下に敷かれる。膨らんだ縁部とともにブランケットの自然な湾曲は、洗浄液あるいは他の排出液をブランケットの端部へ導くことを助ける。開放された平らな位置において、所定数のブランケットが、所定の長さのホースあるいはパイプを洗浄するための必要に応じて、端部同士において結合される。
図7は、端部同士が接続されて、長いホース52の周りに巻き付けられて緩やかに固定された多数のブランケット10を組み込んだホース試験システムを示す。ホース52は一端において高圧ポンプ54によって充満されるとともに加圧され、他端において閉塞される。他端は、消費される試験液が他端に配置された収集リザーバ56に流出するように、第1端部より低く配置されてもよい。同様に、漏れや破裂などによりブランケットの内側に収集する液体は、ラインの端部に流れて収集リザーバ56内に流入することができる。本発明のいずれの実施形態が、このような試験システムに利用されてもよい。巻かれて、チューブ状である所定数のブランケットが、所定の長さの試験ホースあるいはパイプを遮蔽および/または取り囲むための必要に応じて、端部同士で結合される。
2012年10月4日に出願された出願番号61/709,983で、先発明者がキム・ヘンダスンであり、ゲイツコーポレイションに譲渡された、発明の名称が“移送可能なホース試験コンテナ、システムおよび方法”である係属中の仮出願は、全体を参照することにより本明細書中に援用される。その出願書類に記載された移送可能な試験システムは、液体収集装置、リザーバなどを含む液体閉じ込めサブシステムを有してもよい。収集装置は、ホース試験スタンド、ブランケット(可撓性チャンネル)、ドレイン等を有してもよい。スタンドは、本明細書に記載されたIMR試験モジュールの1つに配置された液体収集装置および収集リザーバへの液体の流出を容易にするために高さおよび/または形状を変更および/または調整可能でもよい。本発明の実施形態は、仮出願の液体閉じ込めサブシステムのブランケットとして適切に用いられる。ブランケットは、試験されるホースの下において、平面あるいは僅かに湾曲し凹んでオープンチャンネルを形成し、可能であればホーススタンドに結合されるとき、洗浄液を収集し、そして試験モジュールに収容されたリザーバの1つに外部の洗浄液を排出することを容易にする。包まれた形状のブランケットは、ホース試験時に液体の漏れあるいは急増を封じ込め、そして試験モジュールに含まれるリザーバの1つに漏れた試験液あるいは水を排出することを容易にする。
本発明の実施形態によれば、ホースの周りに所定長さのブランケットを巻き付け、その長手方向の縁部を重合させ、巻き付けられたブランケットを固く固定し、ホースに圧力をかけることを含む、ホースを圧力試験する方法が規定される。巻き付けられたブランケットは、ホースの外径の少なくとも2倍くらいの内径を有してもよい。この方法は2以上のブランケットの端部同士を結合することを含んでもよい。この方法は、ホースの周りで端部同士が結合される、2以上の所定長さのブランケットを含んでもよい。本発明方法における、これら及び他の特徴は、図6および7に示され、仮出願第61/709,983号明細書に記載されている。
本発明およびその利点が詳細に記載されたが、添付された特許請求の範囲によって定義された本発明の範囲から逸脱することなく、種々の変更、置換および修正が可能であることを理解すべきである。さらに、本発明の範囲は、この明細書に記載された工程、機械、製造物、物質、手段、方法およびステップに限定されることを意図しない。当業者が本発明の開示から容易に理解するように、ここに記載された対応する実施形態と実質的に同じ機能を果たすとともに実質的に同じ結果を達成する、現存するまたは将来開発される、工程、機械、製造物、物質、手段、方法またはステップが本発明に従って利用される。したがって、添付された特許請求の範囲は、そのような工程、機械、製造物、物質、手段、方法またはステップを、その範囲内に含むことを意図する。ここに開示された発明は、ここに特に開示されない要素を含むことなく適切に実施される。