JP2016508111A - 水素吸蔵材料 - Google Patents
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Abstract
水素吸蔵材料は、アンモニアボランおよびポリ(エチレンオキシド)を含み、前記ポリ(エチレンオキシド)は、1MDa以上9MDa以下の重量平均分子量を有する。【選択図】図1
Description
本発明は、水素吸蔵材料、該水素吸蔵材料から水素を放出する方法、該水素吸蔵材料を製造する方法、ならびに、アンモニアボランから水素が放出される際に該水素吸蔵材料の発泡および/または膨張を抑制するための、水素吸蔵材料中におけるポリ(エチレンオキシド)の使用に関する。
移動用途における燃料としての水素の使用は、使用時の温室効ガスの排出がゼロである燃料電池を使用する、高い水素エネルギー密度および電気エネルギーへの効率的な転換に起因して、多くの利点を保持する。燃料としての水素の採用についての主な障壁は、依然として貯蔵が難しいことであり、高圧ガス貯蔵を用いると、燃料システムに対して〜5質量%の水素容量を達成するのみである。貯蔵問題に対して潜在的な解決策は、固相の化学水素化物を使用することである。一般にこれらの材料は、前記材料の加熱時に放出される、10質量%より多い水素を含むことができる。しかしながら、これらの材料の多くにとって、水素放出は不可逆的である。このため、水素放出が制御されてもよいように、水素放出の一部のみが一度に生じるように、これらの材料が配置されなければならない。これは例えば:
1.ガスが放出され、かつ「空の」ペレットが廃棄容器へと移動する場合、所定時間内に、バッチ中のペレットまたはビーズとしての材料を、熱い電池へと移動すること、または
2.前記静電材料の位置を固定すること(ただし、断熱材によって分離されている)
によって達成されてもよい。各部はそれぞれ、個々の加熱要素を用いて水素を放出する。潜在的な水素吸蔵材料のひとつは、150℃の加熱時に約12.5質量%の水素を放出することができるアンモニアボラン(NH3BH3)である。固相水素貯蔵化合物としてアンモニアボランを採用する場合の主な障壁は、その融点が、約100℃での最初の水素放出と一致することである。このことは、アンモニアボランの発泡を引き起こし、その構造的な完全性を破壊する。このため、適切な発泡抑制剤または添加剤なしで、例えば約100〜250℃の温度で固相にてアンモニアボランを加熱すると、アンモニアボランが水素を放出するため、アンモニアボランの体積の劇的な変化を引き起こす。液体アンモニアボランが材料中に存在し、これが蝋状の泡を生じさせる場合、このことはまた、材料の膨張を引き起こすことがあり、そして、場合によって200%超または500%超の体積増加が生じることがある。
1.ガスが放出され、かつ「空の」ペレットが廃棄容器へと移動する場合、所定時間内に、バッチ中のペレットまたはビーズとしての材料を、熱い電池へと移動すること、または
2.前記静電材料の位置を固定すること(ただし、断熱材によって分離されている)
によって達成されてもよい。各部はそれぞれ、個々の加熱要素を用いて水素を放出する。潜在的な水素吸蔵材料のひとつは、150℃の加熱時に約12.5質量%の水素を放出することができるアンモニアボラン(NH3BH3)である。固相水素貯蔵化合物としてアンモニアボランを採用する場合の主な障壁は、その融点が、約100℃での最初の水素放出と一致することである。このことは、アンモニアボランの発泡を引き起こし、その構造的な完全性を破壊する。このため、適切な発泡抑制剤または添加剤なしで、例えば約100〜250℃の温度で固相にてアンモニアボランを加熱すると、アンモニアボランが水素を放出するため、アンモニアボランの体積の劇的な変化を引き起こす。液体アンモニアボランが材料中に存在し、これが蝋状の泡を生じさせる場合、このことはまた、材料の膨張を引き起こすことがあり、そして、場合によって200%超または500%超の体積増加が生じることがある。
そのうえ、より低い水素放出温度において、純度が高いアンモニアボランは、水素が放出される前に潜伏期間を生じさせる。例えば、85℃において、純度が高いアンモニアボランは、相当量の水素ガスを放出し始めるまでに90分を要することがある。
このため、水素吸蔵材料におけるアンモニアボランの使用は、以下の1またはそれ以上の事項に起因する問題を有する場合がある。
(1)水素放出に要求される相対的に高い反応温度、
(2)遅い水素放出速度、
(3)膨張、および/または
(4)発泡。
(1)水素放出に要求される相対的に高い反応温度、
(2)遅い水素放出速度、
(3)膨張、および/または
(4)発泡。
中国特許公開第CN102030313号公報は、アンモニアボランと、無水フタル酸、ポリエチレンオキシド、デキストロース、マンニトールまたはヘキサアセチックエステルである有機物とを含む化合物について記載しているようである。この文献は、使用されるポリエチレンオキシドの分子量について言及していない。そのうえ、ポリエチレンオキシドの使用によって、熱分解時の水素吸蔵材料の発泡および/または膨張を抑制することについては、中国特許公開第CN102030313号公報には開示がない。
本発明の目的は、従来の水素吸蔵材料の問題を克服する又は該問題に取り組むことであり、または、少なくとも商業的に有用な代替物を提供することである。本発明の代替的なおよび/または付加的な目的は、既知の水素吸蔵材料と比較して、より安価に製造でき、および/またはより効果的な水素吸蔵材料を提供することである。本発明の代替的なおよび/または付加的な目的は、水素が放出される前に、低い温度(例えば85℃より低い温度)にて、より短い潜伏期間を示す水素吸蔵材料を提供することである。本発明の代替的なおよび/または付加的な目的は、加熱時において発泡および/または膨張が抑制される水素吸蔵材料を提供することである。
第1の態様によれば、アンモニアボランおよびポリ(エチレンオキシド)を含み、前記ポリ(エチレンオキシド)が、1MDa以上でかつ9MDa以下の重量平均分子量を有する水素吸蔵材料が提供される。前記水素吸蔵材料は、アンモニアボランおよびポリ(エチレンオキシド)から構成されていてもよい。
ここで、本発明をさらに説明する。以下の記載において、本発明の異なる態様をより詳細に定義する。反対のことが明確に示唆される以外は、定義される各態様は、他の態様と組み合わせてもよい。特に、好ましいかまたは有利であると示唆されるいずれの特徴は、好ましいかまたは有利であると示唆される他の特徴と組み合わせてもよい。
本発明のさらなる態様において、本明細書で記載される水素吸蔵材料内に吸蔵された水素を放出する工程が提供され、該方法は、該材料を加熱して、アンモニアボランから水素を放出する工程を含む。
本発明のさらなる態様において、本明細書で記載される水素吸蔵材料の製造方法が提供され、該方法は、溶媒中にアンモニアボランおよびポリ(エチレンオキシド)を溶解させる工程、ならびに、前記溶液を固化することおよび/または溶媒を除去することで、該水素吸蔵材料を形成する工程を含む。
本発明のさらなる態様において、アンモニアボランを含む水素吸蔵材料においてポリ(エチレンオキシド)を使用して、前記アンモニアボランから水素が放出される際に、該水素吸蔵材料の発泡および/または膨張を抑制することが提供される。
本発明者らは驚くべきことに、水素放出の間および水素放出の後で、構造的な完全性を実質的に維持できる材料であり;および/または水素放出の間および水素放出の後で、発泡が抑制され;および/または水素放出の間および水素放出の後で、膨張が抑制され、および/または前記材料の潜伏期間を抑制すること、好ましくはゼロに抑制することができる、アンモニアボランおよびポリ(エチレンオキシド)を含む水素吸蔵材料を提供することを見出した。
「発泡(forming)」という用語は、ガスが放出される際に、水素吸蔵材料中に存在するガスによって泡が発生するメカニズムおよび/または工程をいう。「泡(foam)」という用語は、液体媒体の内側における気泡の形成の結果として、材料に形成される、泡を有する材料(frothy)をいう。
「膨張(swelling)」という用語は、前記材料の寸法を拡大または変化させるか、または初期の痕跡(footprint)または境界を超える、固体または粘性がある液体内にガスが捕捉された場合に生じる体積変化をいう。拡大の程度または寸法変化は典型的には、両方の速度ならびに、前記材料に導入されるガスの量および該材料から放出されるガスの量によって決定される。
本発明の一実施形態によれば、前記水素吸蔵材料は、アンモニアボランおよびポリ(エチレンオキシド)からなる混合物、好ましくは密な混合物または均質な混合物を含む。
しかしながら、好ましくは、前記水素吸蔵材料は、分散された、好ましくは溶解された、あるいはその中で実質的に溶解された、アンモニアボランおよびポリ(エチレンオキシド)を含む固化された溶液から形成される。
より好ましくはさらに、前記水素吸蔵材料は固体状溶液の形態である。本明細書において、固体状溶液という用語には、アンモニアボランおよびポリ(エチレンオキシド)を溶媒中に溶解させ、該溶媒を除去して固体を形成することによって形成される固体材料が含まれる。
好ましくは、前記水素吸蔵材料は、アンモニアボランおよびポリ(エチレンオキシド)を含む単一の相を有する。本発明者らは、アンモニアボラン(AB)およびポリ(エチレンオキシド)(PEO)を含む種々の水素吸蔵材料を調製し、かつ、示差走査熱量測定法(実験の詳細は後述する)を用いるAB−PEO相ダイアグラムを提供する。有利には、本発明者らは、前記材料の総重量に対して、70重量%以下のポリ(エチレンオキシド)と、好ましくは25〜70重量%のアンモニアボランとを含むかまたは構成される材料が、単一の融解曲線のみが観察され(適切な加熱体制とともに)、この範囲を超えると単一の相のみが存在することが示唆されることを見出した。そのうえ、有利には、そのような材料が加熱される場合、アンモニアボランから水素を放出し、発泡および/または膨張が観察されないかまたは実質的に観察されない。そのうえ、有利には、アンモニアボランのみが使用される場合と比較して、アンモニアボランの融点(100℃)を下回る温度での潜伏期間が短くなる。
前記水素吸蔵材料は、前記材料の総重量に対して95重量%以下、90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下のアンモニアボランを含んでいてもよい。好ましくは、前記水素吸蔵材料は、前記材料の総重量に対して70重量%以下、または70重量%未満のアンモニアボランを含む。前記水素吸蔵材料は、前記材料の総重量に対して65重量%以下、60重量%以下、または50重量%以下のアンモニアボランを含んでいてもよい。本発明者らは、アンモニアボランが増加すると、前記材料に存在する水素の量が増加するけれども、アンモニアボランが、前記材料の総重量に対して70重量%を超える量存在する場合、発泡および/または膨張がより生じやすくなることを見出した。有利には、アンモニアボランが前記材料の総重量に対して70重量%以下に低減された材料では、発泡および/または膨張が観察されない。
好ましくは、前記水素吸蔵材料は、前記材料の総重量に対して20重量%以上のアンモニアボランを含む。より好ましくは、前記水素吸蔵材料は、前記材料の総重量に対して25重量%以上、30重量%以上、35重量%以上、40重量%以上、50重量%以上のアンモニアボランを含む。好ましくは、前記材料における水素重量の割合が当然に高くなるように、アンモニアボランの重量割合は、前記材料の総重量に対して20重量%を超えるように維持される。前記材料が、材料の単位重量あたり、できるだけ効率的な水素吸蔵材料であることを確保するためには、水素重量はできるだけ高いほうが有利である。しかしながら、この要求は、水素放出時のアンモニアボランの特性におけるポリ(エチレンオキシド)の効果に関連する利点との平衡を図る必要がある。
より好ましくは、前記材料は、前記材料の総重量に対して25質量%〜70質量%、または30質量%〜65質量%、または35質量%〜60質量%のアンモニアボランを含む。前記材料が単一の固体の相を有する場合、これらの範囲は特に好ましい。
好ましくは、前記水素吸蔵材料は、前記材料の総重量に対して30質量%以上のポリ(エチレンオキシド)を含む。より好ましくは、前記水素吸蔵材料は、前記材料の総重量に対して35質量%以上または40質量%以上のポリ(エチレンオキシド)を含む。
前記水素吸蔵材料は、前記材料の総重量に対して20質量%〜95質量%のアンモニアボランと、前記材料の総重量に対して5質量%〜80質量%のポリ(エチレンオキシド)を含んでいるかまたは構成されていてもよい。前記水素吸蔵材料は、前記材料の総重量に対して20質量%〜70質量%のアンモニアボランと、前記材料の総重量に対して30質量%〜80質量%のポリ(エチレンオキシド)を含んでいるかまたは構成されていてもよい。前記水素吸蔵材料は、前記材料の総重量に対して30質量%〜68質量%のアンモニアボランと、前記材料の総重量に対して32質量%〜70質量%のポリ(エチレンオキシド)を含んでいるかまたは構成されていてもよい。前記水素吸蔵材料は、前記材料の総重量に対して35質量%〜65質量%のアンモニアボランと、前記材料の総重量に対して65質量%〜35質量%のポリ(エチレンオキシド)を含んでいるかまたは構成されていてもよい。
好ましくは、前記水素吸蔵材料は、アンモニアボラン:ポリ(エチレンオキシド)が約70:30〜30:70の範囲、または65:35〜40:60の範囲、または60:40〜40:60の範囲の重量比を有する。好ましくは、前記水素吸蔵材料は、アンモニアボラン:ポリ(エチレンオキシド)が約70:30〜50:50、または65:35〜55:45の範囲の重量比を有する。
本明細書において使用される、ポリ(エチレンオキシド)という用語は、繰り返し単位−CH2−CH2−O−を有し、重量平均分子量が20,000g/molより大きいポリマーをいう。好ましくは、前記ポリ(エチレンオキシド)は、1MDa(メガダルトン、1,000,000Da)以上、好ましくは1.5MDa以上、およびより好ましくは2MDa以上の重量平均分子量を有するため、1MDa以上、好ましくは1.5MDa以上または2MDa以上の重量平均分子量を有するポリ(エチレンオキシド)を使用することが好ましく、上述したこれらの重量平均分子量の通り、本発明者らは、前記ポリ(エチレンオキシド)は、特により高い温度において、低分子量のポリ(エチレンオキシド)が使用される場合と比較して、構造的な剛性が高められることを見出した。本発明者らはまた、低い分子量のポリ(エチレンオキシド)は融解時において、より高い分子量のポリ(エチレンオキシド)と比較して粘性が小さいため、低分子量のポリ(エチレンオキシド)(例えば900,000Da以下の分子量を有するもの等)を含む材料を加熱する際に、発泡および/または膨張がより多く観察されることを見出した。
ポリ(エチレンオキシド)の適切な重量平均分子量の例には、約3MDa、4MDa、5MDa、6MDa、7MDaが含まれる。好ましくは、前記ポリ(エチレンオキシド)は、9MDa以下、好ましくは8MDa以下の重量平均分子量を有する。
本発明における使用に適したポリ(エチレンオキシド)は市販されている。ポリ(エチレンオキシド)の分子量が高いほど、前記材料の粘度が高い。より高い機械的強度を有する材料を提供するためには、より高い分子量のポリ(エチレンオキシド)を使用することが有利であるかもしれない。しかしながら、ポリマーを溶媒に溶解して、前記材料を形成することが求められる本発明の実施形態では、該材料を溶媒に溶解させることができるように、少量の高い分子量のポリマーのみを使用することが必要である場合もある。異なる分子量を有する1種またはそれ以上のポリ(エチレンオキシド)の混合物が、本発明で使用されてもよい。
好ましくは、ポリ(エチレンオキシド)の重量平均分子量は9MDa以下であり、または8MDa以下であるのは、これらの分子量を超えると、前記ポリ(エチレンオキシド)は粘度がだんだん増加するからである。特に溶液製造法では、このことが生産物の形成をより難しくさせる。
適切な重量平均分子量の範囲の例として、ポリ(エチレンオキシド)は1MDa〜3MDa、1MDa〜4MDa、1MDa〜5MDa、1MDa〜6MDa、1MDa〜7MDa、または1MDa〜8MDa;または1.5MDa〜2MDa、1.5Ma〜3MDa、1.5Ma〜4MDa、1.5Ma〜5MDa、1.5Ma〜6MDa、1.5Ma〜7MDa、または1.5Ma〜8MDa;あるいは、3MDa〜4MDa、3MDa〜5MDa、3MDa〜6MDa、3MDa〜7MDa、または3MDa〜8MDaを含む。特に、水素吸蔵材料を形成する凍結乾燥法では、ポリ(エチレンオキシド)の重量平均分子量は好ましくは1MDa〜5MDaである。他の方法については、高い分子量がより好ましい場合がある。
前記ポリ(エチレンオキシド)は鎖状または分岐状であってもよい。前記ポリ(エチレンオキシド)は、前記CH2−CH2−O−繰り返し単位において、炭素原子の1つまたは両方が官能基で修飾されていてもよい。前記ポリ(エチレンオキシド)が実質的にその特性を維持するよう、該ポリ(エチレンオキシド)は、CH2−CH2−O−繰り返し単位のうちの少数(例えば10%未満、好ましくは5%未満、より好ましくは2%未満)において、該CH2−CH2−O−繰り返し単位の炭素原子の1つまたは両方が官能基で修飾されていてもよい。十分に高い分子量のポリ(エチレンオキシド)では、その特性は、末端の官能基に大きく依存するため、いずれかの末端基が用いられてもよい。
前記ポリ(エチレンオキシド)ポリマーは、共重合体の一部を形成してもよい。
好ましくは前記ポリ(エチレンオキシド)ポリマーは、−CH2−CH2−O−からなる繰り返し単位のみを含む。好ましくは前記ポリ(エチレンオキシド)は以下の式を有する:
前記水素吸蔵材料は存在するポリマーの総量に対して、10質量%未満または5質量%未満のポリ(エチレンオキシド)以外の1またはそれ以上の他のポリマーを含んでいてもよい。好ましくは前記水素吸蔵材料は、ポリ(エチレンオキシド)以外のいずれのポリマーを含まない。
本明細書において「重量平均分子量」という用語は以下の通り計算されたものである:
有利には、本明細書において前記水素吸蔵材料は、凍結乾燥された材料の形態であってもよい。
本明細書において前記水素吸蔵材料は粉末状の形態または特定の形態であってもよい。あるいは、前記水素吸蔵材料は、その用途が要求する所望の大きさまたは形状の固体に製造されていてもよい。
前記水素吸蔵材料は、種々の形状に成形してもよく、限定されないが、例えば、ウエハ、ディスク、テープ、ペレット、モノリス、ボタン、または、好ましくは砕けていないかまたは当初の形状を損なわないその他の構造化された固体の形態が挙げられる。これらの形状は、容易に移送できおよび/または容易に移動可能/携帯可能および/またはリサイクル可能であるため、有利である。この一方で、好ましくは、水素吸蔵材料はファイバーまたはフィルムの形態ではないのは、このような形態は移送、移動、および/またはリサイクルが容易ではないからである。本明細書において前記水素吸蔵材料は、プレス、ペレット化、鋳造、打錠、押出成形、またはこれらのうち2つまたはそれ以上によって、固体の予め規定された形状へと成形されてもよい。
水素放出までの前記材料の潜伏期間は、質量分光分析と組み合わせた熱重量分析等の技術によって測定してもよく、そこで、前記材料は85℃等の規定された温度に加熱されて、質量損失および水素放出が時間の関数として測定される。発泡および膨張は、材料が加熱される際に該材料を観察することにより測定してもよい。適切な一つの方法は、120℃等の温度に維持された油浴中で懸濁させた試験管に前記材料を添加する工程、ならびに、水素放出が起きるために十分加熱する(通常5分間)前後における泡の高さ(もしあれば)およびペレットの体積変化を測定する工程を含む。
好ましくは、前記材料の体積は、水素放出の前と水素放出の後とで比較すると、約0体積%〜約200体積%の範囲で変化し、より好ましくは約0体積%〜約100体積%、または約0体積%〜50体積%または約0体積%〜約10体積%の範囲で変化する。好ましくは、水素放出の前と水素放出の後とで比較すると、前記材料の体積は、該材料の総体積に対して50体積%未満、20体積%未満、より好ましくは10体積%未満に変化する。
前記水素吸蔵材料の体積変化を測定する一つの質的試験を以下に記載する。水素吸蔵材料の試料は例えばペレットの形態であり、110℃の油浴に順に配置される試験管または適切な容器の中に配置される。試料/ペレットの状態は、所定期間(例えば3分間)または予め決定された量のガス(好ましくは水素ガス)が放出された後で目視検査により監視される(例えば試料/ペレットから放出可能なガスの総体積に対して80体積%)。ガスが放出されるこの時間/体積の後、変化の度合いを示唆する質的格付けは、試料/ペレットに対して以下の通り与えることができる:(ペレット以外の形態で試料が使用される場合、下記表中のペレットという用語を、試料の適切な本来の形態に置き換えるだろうことは理解されるだろう。):
質的格付けが低いほど、良好である。
可能であれば、測定の終了時において、前記水素吸蔵材料(例えばペレット)の直径はノギスを用いて測定されてもよく、そして、拡大の程度が計算される。好ましくは、前記材料の発泡は最小限である。発泡はカリパスを用いて測定することができる。
本明細書において前記水素吸蔵材料は、要求に応じて水素を貯蔵および放出するのに適している。このため、水素吸蔵材料は、水素源としてまたは水素燃料源として使用することができる。
本発明の一態様では、本明細書に記載されているように、水素吸蔵材料内に貯蔵された水素を放出する方法であって、前記材料を加熱して、アンモニアボランから水素を放出する工程を含む該方法が提供される。典型的には、前記材料を約60℃〜250℃まで加熱することは、少なくともいくらかの水素をアンモニアボランから放出させるだろう。典型的には、アンモニアボラン(AB,BH3NH3)は2つのメカニズム;加熱時における水による加水分解および熱分解によって水素を放出する。本発明は、アンモニアボランの熱分解によって水素を生産することに関する。好ましくは、本明細書における水素吸蔵材料は燃料であり、および/または燃料として使用される。
一実施形態において、前記材料は、固体のポリ(エチレンオキシド)およびアンモニアボランをともに研磨または混合して、密な混合物を形成することにより製造されてもよい。
本発明の一態様によれば、粉末のアンモニアボランを粉末のポリ(エチレンオキシド)と混合する工程を含む、本明細書に記載される水素吸蔵材料の製造方法が提供される。好ましくは前記粉末は微細であり、かつ混合前に乾燥している。好ましくは前記粉末は混合されて、実質的に均質な混合物を形成する。
前記方法は、アンモニアボランおよびポリ(エチレンオキシド)を押出成形する工程をさらに含んでいてもよい。前記アンモニアボランおよびポリ(エチレンオキシド)の粉末は任意には、押出成形して前記材料を成形する前に、例えばポリ(エチレングリコール)またはグリセリン等の可塑剤と混合してもよい。
アンモニアボランの粉末は、前記混合物を押出成形する前に、ポリ(エチレンオキシド)を含む粉末と混合されてもよい。あるいは、本明細書に記載される水素吸蔵材料は、粉末のアンモニアボランおよび粉末のポリ(エチレンオキシド)を、別々の供給として押出成形機に供給する工程と、押出成形して前記水素吸蔵材料を形成する工程とを含む方法によって製造されてもよい。任意には、前記可塑剤は、前記粉末供給の一方または両方に添加されてもよい。
典型的には、前記可塑剤は、前記水素吸蔵材料の総重量に対して1〜5質量%の量にて最終的な水素吸蔵材料に存在するように添加されるだろう。
本発明の一態様によれば、アンモニアボランおよびポリ(エチレンオキシド)を溶媒に溶解させて溶液を形成する工程と、前記溶液を固化するかおよび/または溶媒を除去して水素吸蔵材料を形成する工程とを含む、本明細書に記載された水素吸蔵材料の製造方法が提供される。
アンモニアボランおよびポリ(エチレンオキシド)を溶解して溶液を形成する適切な溶媒が使用されてもよい。適切な溶媒の例には例えば、水、アセトニトリル、ジメチルホルムアミドまたはこれらの混合物が含まれる。
固体の水素吸蔵材料は、単一相電気スピニング、電気スプレイ、真空乾燥等の急速に乾燥する技術を用いて、または凍結乾燥によって、アンモニアボランおよびポリ(エチレンオキシド)を含む溶液から形成されてもよい。
好ましくは、前記方法は、ポリ(エチレン)オキシドを溶媒中に溶解および/または分散させて溶液を形成する工程と、前記溶液中にアンモニアボランを溶解および/または分散させる工程と、を含む。アンモニアボランおよびポリ(エチレン)オキシドを含む溶液は次いで処理されて、固体溶液から水素吸蔵材料および/または単一の相材料を形成する。好ましくは、前記ポリ(エチレン)オキシドおよび/または前記アンモニアボランは溶媒に溶解される。
本発明の一態様において、アンモニアボランを含む燃料中で、ポリ(エチレンオキシド)を発泡抑制添加剤および/または膨張抑制添加剤として使用して、アンモニアボランおよびポリ(エチレンオキシド)を含む水素吸蔵材料を形成することが提供される。
本発明の別の態様では、本明細書に記載される水素吸蔵材料内に貯蔵される水素を放出する方法が提供され、該方法は、前記材料を加熱して前記アンモニアボランから水素が放出される工程を含む。典型的には、前記水素吸蔵材料は60℃〜250℃、より好ましくは80℃〜170℃に加熱されるだろう。好ましくは、前記水素吸蔵材料は燃料である。好ましくは、前記方法は、前記水素吸蔵材料から放出される水素の少なくとも一部を燃料電池に移送する工程、および/または放出された前記水素の少なくとも一部を用いてエネルギー/電力を生産する工程をさらに含む。前記方法は、前記水素吸蔵材料から放出される前記水素の実質的にすべてを燃料電池に移送して、エネルギー/電力を生産する工程をさらに含んでいてもよい。この方法は、電源、エンジン中、および/または車両中で実行されてもよい。
前記水素吸蔵材料は、内燃機関のエンジンにおける二次燃料として水素ガスを供給するために使用されてもよい。前記水素は、炭素を使用しない燃焼を提供し、かつ、ディーゼル、ガソリン、液化石油ガスまたは圧縮天然ガス、あるいはこれらの混合物等の炭化水素燃料とともに使用されてもよい。より好ましくは前記水素は、一次燃料に対してエネルギー換算で1−10%の割合で使用する場合、燃焼増強剤として付加的に機能し、微粒子および有毒なガスの排出を削減するだろう。
いずれかの適切な燃料電池は、水素吸蔵材料から生産される水素をエネルギー/電力へと転換するのに使用されてもよい。このような燃料電池は当業者に知られている。
本発明の一態様によれば、本明細書に記載された水素吸蔵材料を含むかまたは該材料から構成される燃料の熱分解によってエネルギー/電力を生産する方法が提供される。典型的には、前記水素吸蔵材料は、60℃〜250℃、より好ましくは80℃〜170℃に加熱されるだろう。前記方法は、前記水素吸蔵材料から放出される水素の少なくとも一部を燃料電池に移送して、エネルギー/電力を生産する工程をさらに含んでいてもよい。前記方法は、前記水素吸蔵材料から放出される水素のうち実質的にすべてを燃料電池に移送して、エネルギー/電力を生産する工程をさらに含んでいてもよい。この方法は、電源、エンジン中、および/または車両中で実行されてもよい。
典型的には、前記水素吸蔵材料はコーティングを含まない。本発明のひとつの利点は、前記材料の構造的な完全性を維持するためにコーティングが必要とされないことである。このことは、前記材料を製造するコストおよび複雑さが限定されるので有利である。このため、有利には、前記成分は、単純かつ安価に混合されまたは製造されてもよいが、さらに驚くべきことに、コーティングなしで燃料として機能するために十分に頑強である。
あるいは、前記水素吸蔵材料は、コーティングを介して前記材料から水素の放出を許容するコーティングをさらに含んでいてもよい。
好ましくは、前記水素吸蔵材料は固相の形態だろう。前記水素吸蔵材料はペレットの形態であってもよい(例えば燃料ペレット)。前記水素吸蔵材料は、複合体またはナノ複合体の形態であってもよい(例えばナノ粒子を含む複合体)。
前記水素吸蔵材料は、発電または部分的に車両の動力源として使用してもよい。
一実施形態では、
本明細書に記載される(好ましくはペレットの形態である)前記水素吸蔵材料を含む燃料チャンバーと、
前記水素吸蔵材料を加熱して水素を放出するための熱源と、
電力を生産する燃料電池と、
放出された水素の少なくとも一部を燃料電池に移送する手段と、
を含む発電機が提供される。
本明細書に記載される(好ましくはペレットの形態である)前記水素吸蔵材料を含む燃料チャンバーと、
前記水素吸蔵材料を加熱して水素を放出するための熱源と、
電力を生産する燃料電池と、
放出された水素の少なくとも一部を燃料電池に移送する手段と、
を含む発電機が提供される。
本発明の開示またはその好ましい実施形態の要素を説明する際に、「一つの(a)」「ひとつの(an)」、「その(the)」、および「前記(said)」という用語は、1またはそれ以上の要素を含むことを意図し、 「含む(comprising)」、「含有する(including)」および「有する(having)」という用語は、列記された要素以外の付加的な要素を含むかもしれないという意図があり、かつ該付加的な要素があるかもしれないことを意味する。
以降の詳細な説明は、記載および図示によって提供され、付随する特許請求の範囲の意図に限定されない。本明細書で説明される現状好ましい実施形態における多くの変形は、当業者には明らかであろうし、付随する特許請求の範囲およびその均等物の範囲内にある。
本発明のこれらの態様および他の態様を、付随する図面を参照して本欄で説明する:
図1は、2℃/分ランプ熱に対する、高い重量%のAB(アンモニアボラン)試料のDSC曲線を示す。前記図は、メトラートレード(Mettler Toledo)STAReソフトウエアを用いて生成された2℃/分ランプ熱に対する試料FD120926−01(60重量%AB)の曲線を示す。「ピーク」ツールは、右の強い発熱ピークを計算するために使用された。詳細は以下のとおりである:エクストラポル(Extrapol).ピーク100.66℃;ピーク値6.13mW 標準化された0.77Wg−1;左リミット93.09℃;右リミット108.60℃;ピーク100.92℃。
FD120926-01 CSC-2.02.10.2012 17.44.36
熱流
FD120926-01 CSC-2, 8.0000mg
熱流
FD120926-01 CSC-2, 8.0000mg
前記図において、AはPEO/AB複合体融解吸熱である。Bは水素放出である。Cは水素放出発熱である。
図2は、低い重量%のAB試料、また、2℃/分ランプ熱に対する典型的なDSC曲線を示す。前記図は、STAReソフトウエアを使用して生成される2℃/分に対する試料FD121002-04(20重量%AB)の曲線を示す。この試料では、約42℃において付加的な吸熱の谷が存在することに留意する。
FD121002-04 CSC-1, 20.10.2012 15:53:00
熱流
FD121002-04 CSC-1, CSC-1, 11.4000mg
熱流
FD121002-04 CSC-1, CSC-1, 11.4000mg
前記図では、Fは再結晶吸熱であり、GはPEO/AB融解吸熱であり、Hは発熱水素放出ピークであり、Jは発熱水素である。
図3は、加熱速度1℃/分におけるDSC結果である。前記図において、Sは再結晶ピークであり、Rは単一の相であり、Tは2相である。Xは未知の浸漬であり(1℃/分の加熱);YはPEO融解(1℃/分の加熱)であり、ZはAB融解(1℃/分の加熱)である。
図4は、加熱速度2℃/分におけるDSC結果である。前記図において、Sは再結晶ピークであり、Rは単一の相であり、Tは2相である。X’は未知の浸漬であり(2℃/分の加熱);Y’はPEO融解(2℃/分の加熱)であり、Z’はAB融解(2℃/分の加熱)である。
以下の非限定的な実施例はさらに、本発明を説明する。
[実施例1]
凍結乾燥およびその後の押出成形によってペレットを成形する、66質量%アンモニアボラン(AB)33質量%ポリエチレンオキシド(PEO)ペレットの作製
凍結乾燥およびその後の押出成形によってペレットを成形する、66質量%アンモニアボラン(AB)33質量%ポリエチレンオキシド(PEO)ペレットの作製
脱イオン水中でPEO(分子量2MDa、シグマアルドリッチ社)の3重量%溶液を作製し、完全に溶解させて粘性溶液になるまで少なくとも24時間撹拌する。PEOの質量の2倍のアンモニアボラン粉末を添加して、次いで、固形分の0.5%となるようにポリエチレングリコール(分子量200Da)を添加する。得られた前記溶液が溶解するまで−該溶液は通常白濁するが、AB粒子が確認されなくなるまで該溶液を2時間撹拌する。ABが溶液に溶解した後、前記溶液の厚さが2cm未満になるような適切な直径の蒸留ボウルに該溶液を注ぐ。次いで、完全に凍結するまで(通常、少なくとも4時間)、前記溶液を−10℃より低い温度にて冷凍庫で保存する。その後、−55℃のコンデンサに2日間真空下で凍結乾燥することによって、前記溶液から水を除去する。最終的に得られる複合体を前記蒸留ボウルから回収し、70℃で二軸式押出成形機を介して押出成形する−押出成形機内での時間は2分未満を保ち、押出成形物を、アスペクト比が約1:1の円筒状のペレットに成形するために、切削具が使用される。
熱い油浴中にペレットを含む小さな試験管を浸漬させることによって、最終的に得られるペレットを120℃に加熱することによって、前記発泡/膨張試験が行われた。この場合、発泡は確認されなかったが、ペレットの寸法が変化し、平均で5%の体積減少がみられた。前記ペレットは、実験中は固体のままであり、一旦冷却すると無傷で試験管から除去することができる。前記試料について、水素放出のための試験は、熱重量分析および質量分光分析の組み合わせによって行われた。放出ピークが6.7分に観察されるアンモニアボランのみの場合と比較して、水素放出ピークは4.6分に観察される。
[実施例2]
アセトニトリルからの真空乾燥による、66質量%アンモニアボラン(AB)−33質量%ポリエチレンオキシド(PEO)複合体の作製
アセトニトリルからの真空乾燥による、66質量%アンモニアボラン(AB)−33質量%ポリエチレンオキシド(PEO)複合体の作製
250mlのシュレンク(Schlenk)管に1gのPEO粉末(分子量2MDa)を充填し、30gのアセトニトリルおよび前記混合物を、粘性溶液が形成されるまで、40℃で少なくとも24時間攪拌する。2gのアンモニアボラン(AB)粉末を室温でこの溶液に添加して、AB粉末が目視で確認されなくなるまで少なくとも2時間攪拌する。シュレンク管を密封し、ゆっくりと真空状態にして(約10−3mbar)、液体窒素を用いた真空ポンプが冷却トラップを冷却する前に回収されるアセトニトリル溶媒を除去する。すべての液体が一旦除去されると、複合体固体は少なくとも4時間真空下で保持される。得られた固体は次いで、ナイフミルを用いて粉末(power)へと粉砕される。最終的に得られる粉末は、実施例1に記載されるように、ペレットへと押出成形される。
熱重量分析および質量分光分析との組み合わせによって、水素放出のための試験が試料について行われた。水素放出ピークが6.7分に観察されるアンモニアボランのみの場合と比較して、水素放出ピークが4.6分に観察される。
[実施例3]
粉末混合およびプレスによる、アンモニアボラン−ポリエチレンオキシド(PEO)複合体の作製
粉末混合およびプレスによる、アンモニアボラン−ポリエチレンオキシド(PEO)複合体の作製
密封された容器内で20秒間振とうすることにより、アンモニアボラン粉末をポリエチレンオキシド(8MDa)と混合する。得られた混合物は、めのう乳鉢およびすり鉢中で3分間すりこがれる。1mPaを超える圧力を用いてこの混合物の一部をプレスして、直径5mmのペレットにする。これにより、砕けにくいペレットが形成される。試料の範囲は、10重量%のABと90重量%のABとの間に濃度が調整される。
120℃で油浴中の試験管内でペレットを加熱することは、2分以内に目視で確認できるガス放出および5分後に15%未満の体積膨張へと導く。
発泡試験は、70重量%のABの濃度未満では発泡がほとんど確認されなかった点で、凍結乾燥された材料にみられたものとかなり類似する結果を示す。しかしながら、前記結果は、完全に混合された場合の不一致に起因して、より低い濃度の材料のいくつかでは、凍結乾燥された材料よりもよりも不一致であった。
[実施例4]
アセトニトリル由来のアンモニアボラン(AB)−ポリエチレンオキシド(PEO)複合体の電気スピニング
アセトニトリル由来のアンモニアボラン(AB)−ポリエチレンオキシド(PEO)複合体の電気スピニング
まず、適温(〜40℃)で2日間攪拌させることで、アセトニトリル(ACN)中にPEO(分子量2MDa)を3重量%にて溶解させることによって、電気スピニングのための溶液が作製される。使用する30分前に、添加されるPEOの質量の2倍のABを添加する。このことによって、ABを溶解させるために十分な時間が与えられ、一方で、ガス放出を最小限に抑える。1ノズルあたり0.5ml/時間の流速で、10個のノズルを同時に用いて前記電気スピニングが行われる。コレクターまでの先端の距離は30cmであり、かつ、安定したテイラー(Taylor)コーンのスピニングを生成するためには、インジェクターとコレクターとの間の電界を12−15kVの間で変化させた。
熱重量分析および発泡試験は、これらの材料が、凍結乾燥された材料と類似する特性を有することを示す。
[実施例5]
適切な質量のPEOおよび脱イオン水をガラス製瓶中で混合し、少なくとも24時間攪拌することにより、PEO(2MDa)溶液を作製した。次いで、所望のAB:PEO比にするのに適切な質量のアンモニアボラン(AB)粉末を添加し、溶解するまで該溶液を〜2時間攪拌した。すべての試料において、マイナル インターミディエーツ(Minal Intermediates)由来のABを使用した。ABが溶解した後、前記溶液の厚さが2cm未満になるのに適切な直径の蒸留ボウルへと該溶液を注入した。次いで、完全に凍結するまで(通常、少なくとも4時間)、前記溶液を冷凍庫に置いた。次いで、−55℃のコンデンサの温度にて2日間凍結乾燥することで、前記溶液から水を除去した。前記試料に乾燥していない領域が残っている場合、乾燥するまでさらなる日数の間、凍結乾燥が続けられた。
適切な質量のPEOおよび脱イオン水をガラス製瓶中で混合し、少なくとも24時間攪拌することにより、PEO(2MDa)溶液を作製した。次いで、所望のAB:PEO比にするのに適切な質量のアンモニアボラン(AB)粉末を添加し、溶解するまで該溶液を〜2時間攪拌した。すべての試料において、マイナル インターミディエーツ(Minal Intermediates)由来のABを使用した。ABが溶解した後、前記溶液の厚さが2cm未満になるのに適切な直径の蒸留ボウルへと該溶液を注入した。次いで、完全に凍結するまで(通常、少なくとも4時間)、前記溶液を冷凍庫に置いた。次いで、−55℃のコンデンサの温度にて2日間凍結乾燥することで、前記溶液から水を除去した。前記試料に乾燥していない領域が残っている場合、乾燥するまでさらなる日数の間、凍結乾燥が続けられた。
以下の試料が調製された:
表1:初期の粗い相ダイアグラムを生成するために分析されたAB−PEO試料
すべての複合体試料は2MのPEO溶液を用いて作製され、凍結乾燥された。100%AB試料が2個のランのみを有する以外は、すべての試料は3個の分離したDSCランの対象となった。相ダイアグラムにプロットされた値は、1試料あたりのランの相変化の平均温度であった。
表2に列記された組成物を用いて、さらなる材料が調製されかつ分析された:
表2:DSC分析のために作製されたAB−PEO試料
示差走査熱量測定法
はじめに、各試料に対して3個のTGA−DSC−MSランが導入された。35℃〜200℃まで2℃/分のランプ熱が使用された。熱力学的事象の温度は、METTLER STAReソフトウエアを用いたDSC曲線におけるピークから計算された。より高い解析において繰り返し試験が実行された。この機器は、以前のランについて用いられたTGA−DSC−MS機器よりもより高い正確性を有すると考えられ、1℃/分のより遅い速度は、より高い解析を与える。
はじめに、各試料に対して3個のTGA−DSC−MSランが導入された。35℃〜200℃まで2℃/分のランプ熱が使用された。熱力学的事象の温度は、METTLER STAReソフトウエアを用いたDSC曲線におけるピークから計算された。より高い解析において繰り返し試験が実行された。この機器は、以前のランについて用いられたTGA−DSC−MS機器よりもより高い正確性を有すると考えられ、1℃/分のより遅い速度は、より高い解析を与える。
図1は、高いAB質量%の試料の典型的なDSC曲線を示し、図2は低いAB質量%の試料のDSC曲線を示し、いずれも、2℃/分のランプ熱に関する。
正の第2差異ピーク(谷)は吸熱事象を表し、負の第2差異ピーク(peak)は発熱事象を表す。前記ピークの温度の値はソフトウエアを用いて計算され(図1において詳細に上述される)、W/gにおける標準化されたピーク値も記録された。
本発明者らは、以下の点を見出した:
*放出される水素量は、存在するABの質量に依存するので、AB(アンモニアボラン)含量の減少は、水素放出ピークの高さを減少させる。
*PEO(ポリ(エチレンオキシド))含量の増加は、水素放出の開始温度を低下させる。
*AB含量の増加は、PEO豊潤相の融解温度を上昇させる。
*放出される水素量は、存在するABの質量に依存するので、AB(アンモニアボラン)含量の減少は、水素放出ピークの高さを減少させる。
*PEO(ポリ(エチレンオキシド))含量の増加は、水素放出の開始温度を低下させる。
*AB含量の増加は、PEO豊潤相の融解温度を上昇させる。
すべて吸熱である水素放出ピークの取り出しおよび吸熱を正確にプロットすることで、相ダイアグラムのより明確な可視化が可能である。表3および表4は、速いランプ熱試験(2℃/分)および遅いランプ熱試験(1℃/分)両方における吸熱を比較する。
*AB融解曲線は、70重量%ABおよびそれ以上においてのみ明確に確認される。これ以下では、水素が放出される前にABは融解するようにみえない。このことは、70重量%ABより低い組成物ではなぜ発泡が観察されないのかの説明になるだろう。
*70重量%ABより下において、高いAB相として同定することができる融解吸熱が存在しないことは、アンモニアボランおよびポリ(エチレンオキシド)は混和可能であり、固体の溶液を形成することを示唆する。
*5%ABと25%ABの間では、特別の吸熱がちょうど40℃未満に現れ、このことは、加熱速度を劇的に変化させ、ポリマー再結晶化と関連していそうである。
*AB融解曲線は、70重量%ABおよびそれ以上においてのみ明確に確認される。これ以下では、水素が放出される前にABは融解するようにみえない。このことは、70重量%ABより低い組成物ではなぜ発泡が観察されないのかの説明になるだろう。
*70重量%ABより下において、高いAB相として同定することができる融解吸熱が存在しないことは、アンモニアボランおよびポリ(エチレンオキシド)は混和可能であり、固体の溶液を形成することを示唆する。
*5%ABと25%ABの間では、特別の吸熱がちょうど40℃未満に現れ、このことは、加熱速度を劇的に変化させ、ポリマー再結晶化と関連していそうである。
[実施例6]
アンモニアボランおよびポリ(エチレンオキシド)粉末は、実質的な前処理を行わずに、二軸式押出成形機を用いて押出成形された。複合材料は、いくつかの方法によって調製された:
−アンモニアボランおよびポリ(エチレンオキシド)粉末の混合物を形成し、この混合物を押出成形する工程
−アンモニアボラン、ポリ(エチレンオキシド)、および低レベル(例えば1%)の適切な可塑剤(例えばポリ(エチレングリコール)またはグリセリン)の混合物を形成し、この混合物を押出成形する工程
−アンモニアボランおよびポリ(エチレンオキシド)粉末を別々に、適切な箇所にて押出成形設備に供給する工程
アンモニアボランおよびポリ(エチレンオキシド)粉末は、実質的な前処理を行わずに、二軸式押出成形機を用いて押出成形された。複合材料は、いくつかの方法によって調製された:
−アンモニアボランおよびポリ(エチレンオキシド)粉末の混合物を形成し、この混合物を押出成形する工程
−アンモニアボラン、ポリ(エチレンオキシド)、および低レベル(例えば1%)の適切な可塑剤(例えばポリ(エチレングリコール)またはグリセリン)の混合物を形成し、この混合物を押出成形する工程
−アンモニアボランおよびポリ(エチレンオキシド)粉末を別々に、適切な箇所にて押出成形設備に供給する工程
60−80重量%AB由来の様々な組成物が使用された。押出成形機の温度は70℃未満に維持された。70重量%未満のAB濃度では発泡がほとんど確認されなかった点で、押出成形物の発泡試験は、凍結乾燥された材料において確認されたものと大きく類似する結果を示した。
[実施例7]
以下の比較試験は、本発明の水素吸蔵材料のより優れた耐発泡性を説明する。
以下の比較試験は、本発明の水素吸蔵材料のより優れた耐発泡性を説明する。
方法論
アンモニアボラン(AB)と、ポリエチレンオキシド(PEO);ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールブロック共重合体(PEG−PPG−PEG)(ブロック;分子量14.6KDa、PEGの重量割合が82.6重量%);メチルセルロース(MC)およびポリアクリルアミド(PA;分子量5−6Mダルトン)のうち1またはそれ以上とを含む試料ペレットが調製された。調製には、まず、関連する成分を水またはテトラヒドロフランのいずれか一方に溶解させる工程と、次いで凍結乾燥または真空乾燥を用いて溶媒を除去して、粉末形態の複合体を作製する工程とが含まれる。次に、各粉末からなる2つの50mgのペレットを5mmの円筒状ダイ中でプレスして約1gcm−3の密度とし、110℃の油浴中に順に配置した。目視にて3分間ペレットの状態を監視し、最後に、上述した質的格付け基準を用いて格付けを行った。
アンモニアボラン(AB)と、ポリエチレンオキシド(PEO);ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールブロック共重合体(PEG−PPG−PEG)(ブロック;分子量14.6KDa、PEGの重量割合が82.6重量%);メチルセルロース(MC)およびポリアクリルアミド(PA;分子量5−6Mダルトン)のうち1またはそれ以上とを含む試料ペレットが調製された。調製には、まず、関連する成分を水またはテトラヒドロフランのいずれか一方に溶解させる工程と、次いで凍結乾燥または真空乾燥を用いて溶媒を除去して、粉末形態の複合体を作製する工程とが含まれる。次に、各粉末からなる2つの50mgのペレットを5mmの円筒状ダイ中でプレスして約1gcm−3の密度とし、110℃の油浴中に順に配置した。目視にて3分間ペレットの状態を監視し、最後に、上述した質的格付け基準を用いて格付けを行った。
可能な場合、実験の終了時に、ノギスを用いて各ペレットの直径も測定され、膨張の度合いが計算された。
得られた結果を以下の表に示す(組成物の割合はすべて重量比である)。
これらの結果は、本発明の組成物が、アンモニアボランおよびブロックグリコール共重合体、アンモニアボランおよびメチルセルロース(米国特許公開第2009/0302269号に示されるように)、ならびにアンモニアボランおよびポリアクリルアミドからなる比較例の2成分組成物と比較して、発泡に対してより優れた抵抗を奏することを示す。
Claims (27)
- アンモニアボランおよびポリ(エチレンオキシド)を含み、
前記ポリ(エチレンオキシド)は、1MDa以上9MDa以下の重量平均分子量を有する、水素吸蔵材料。 - 請求項1において、
アンモニアボランおよびポリ(エチレンオキシド)を溶解した状態で含む固化溶液から形成される、水素吸蔵材料。 - 請求項1または2において、
固体溶液の形態である、水素吸蔵材料。 - 請求項1ないし3のいずれか1項において、
前記材料の総重量に対して70質量%以下のアンモニアボランを含む、水素吸蔵材料。 - 請求項1ないし4のいずれか1項において、
前記材料の総重量に対して70質量%未満、より好ましくは65質量%以下のアンモニアボランを含む、水素吸蔵材料。 - 請求項1ないし5のいずれか1項において、
前記材料の総重量に対して20質量%以上のアンモニアボランを含む、水素吸蔵材料。 - 請求項1ないし6のいずれか1項において、
前記ポリ(エチレンオキシド)は、2MDa以上の重量平均分子量を有する、水素吸蔵材料。 - 請求項1ないし7のいずれか1項において、
前記ポリ(エチレンオキシド)は、8MDa以下の重量平均分子量を有する、水素吸蔵材料。 - 請求項1ないし8のいずれか1項において、
前記材料の総重量に対して少なくとも30重量%のポリ(エチレンオキシド)を含む、水素吸蔵材料。 - 請求項1ないし9のいずれか1項において、
前記材料の総重量に対して35重量%以上のポリ(エチレンオキシド)を含む、水素吸蔵材料。 - 請求項1ないし10のいずれか1項において、
凍結乾燥された材料の形態;および/または特定の形態;および/または所望の形状または大きさの固体の形態である、水素吸蔵材料。 - 請求項1ないし11のいずれか1項において、
アンモニアボランおよびポリ(エチレンオキシド)からなる、水素吸蔵材料。 - 請求項1ないし12のいずれか1項において、
前記ポリ(エチレンオキシド)はホモポリマーである、水素吸蔵材料。 - 請求項1ないし13のいずれか1項において、
アンモニアボランおよびポリ(エチレンオキシド)の混合物、好ましくは密な該混合物、または均質な該混合物を含むか、または、
アンモニアボランおよびポリ(エチレンオキシド)の混合物、好ましくは密な該混合物、または均質な該混合物からなる、水素吸蔵材料。 - 請求項1ないし14のいずれか1項に記載の水素吸蔵材料内に吸蔵された水素を放出する方法であって、
前記方法は、前記材料を加熱して、前記アンモニアボランから水素を放出する工程を含む、方法。 - 請求項15において、
前記水素吸蔵材料は燃料であるか、または、請求項1ないし14のいずれか1項に記載の水素吸蔵材料が燃料である、方法。 - 請求項1ないし14のいずれか1項に記載の水素吸蔵材料を製造する方法であって、
前記方法は、粉末のアンモニアボランを粉末のポリ(エチレンオキシド)と混合する工程を含む、方法。 - 請求項17において、
アンモニアボランおよびポリ(エチレンオキシド)を押出成形する工程(任意には前記材料中に可塑剤を含む)をさらに含む、方法。 - 請求項18において、
前記粉末のアンモニアボランは、前記混合物を押出成形する前に、ポリ(エチレンオキシド)を含む粉末と混合する、方法。 - 請求項1ないし14のいずれか1項に記載の水素吸蔵材料を製造する方法であって、
前記方法は、
分離供給として、粉末のアンモニアボランおよび粉末のポリ(エチレンオキシド)を押出成形機に供給する工程と、
押出成形して、前記水素吸蔵材料を成形する工程と、
を含む、方法。 - 請求項1ないし14のいずれか1項に記載の水素吸蔵材料を製造する方法であって、
前記方法は、
アンモニアボランおよびポリ(エチレンオキシド)を溶媒中に溶解させて溶液を形成する工程と、
前記溶液を固化する工程および/または前記水素吸蔵材料から溶媒を除去する工程と、
を含む、方法。 - 請求項21において、
前記水素吸蔵材料は、アンモニアボランおよびポリ(エチレンオキシド)を含む溶液から、単一の相電気スピニング、同軸電気スピニング、電気スプレイ、凍結乾燥、または真空乾燥によって形成される、方法。 - 水素がアンモニアボランから放出される場合において、水素吸蔵材料の発泡および/または膨張を削減するための、アンモニアボランを含む前記水素吸蔵材料中でのポリ(エチレンオキシド)の使用。
- アンモニアボランおよびポリ(エチレンオキシド)を含む水素吸蔵材料を形成するための、アンモニアボランを含む燃料中における、発泡抑制添加剤および/または膨張抑制添加剤としてのポリ(エチレンオキシド)の使用。
- 請求項23または24に記載の使用であって、
前記水素吸蔵材料は、請求項1ないし14のいずれか1項で規定されるものである、使用。 - 請求項23ないし25のいずれか1項に記載の使用であって、
前記燃料は、電源、エンジンおよび/または車両における使用である、使用。 - 請求項1ないし14のいずれか1項に記載の水素吸蔵材料を含むかまたは該水素吸蔵材からなる燃料の熱分解によってエネルギー/電力を生産する方法。
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