JP2016507773A - 防汚性の改良された光学物品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

次の工程、即ち、・ 2つの主要面を有し且つその面の少なくとも1つ上に−OH官能基を有する基材を提供する工程と、・ 基材の表面上に材料の堆積物を生じる条件下の真空チャンバー内で、−OH官能基を有する基材の1つの面を、M1、M2、M3と称される少なくとも3つの個別の材料及び任意選択で材料M4に、この順序で逐次暴露する工程と、を含む光学物品の製造方法。・ M1は、置換シランのSi原子に直接結合された少なくとも1個の官能基X1であって、Si−X1基が前記基材のOH基との共有結合を形成可能であり、X1が、好ましくは、ケイ素原子に直接結合された加水分解性基(例えば−NH2基)又はOH基である、官能基X1と、少なくとも1個のフッ素含有基と、を含む置換シランであり、・ M2は、置換シランのケイ素原子に直接結合された少なくとも1個の官能基X2であって、Si−X2基が前記基材の−OH基との共有結合及び/又はM1との共有結合を形成可能であり、X2が、好ましくは、加水分解性基(例えば−NH2基)又はOH基である、官能基X2と、少なくとも1個の疎水基若しくは疎油基、又は少なくとも1個の親水基と、を含む900g/mol以下の数平均分子量の置換シランであり、・ M1は、M2よりも大きい重量平均分子量を有し、M1とM2との重量平均分子量の差は、600g/mol以上、好ましくは900g/mol以上であり、・ M3は、金属フッ化物であり、・ 任意選択のM4は、非フッ素化金属酸化物又は非フッ素化金属水酸化物である。

Description

本発明は、満足すべき縁取り能を呈する防汚性の改良された光学物品、例えば、眼鏡レンズの製造方法に関する。また、本方法により得られる光学物品、特に、レンズに関する。
本発明は、より特定的には、疎水及び/又は疎油表面コーティング等の防汚トップコートを最外層として含む光学物品の製造に関する。
本発明に係る方法は、2つの主要面を有する基材を提供することと、基材の表面上に材料の堆積物を生じる条件下のチャンバー内で基材の1つの面をいくつかの個別の材料に逐次暴露することと、を含む。それらの材料の第1は、ケイ素に直接結合された加水分解性基(例えば、−NH2基)又はOH基を少なくとも1個含み且つフッ素含有基を少なくとも1個含む高分子量シランから選択され、それらの材料の第2は、ケイ素に直接結合された加水分解性基(例えば、−NH2基)又はOH基を少なくとも1個含み且つ疎水基及び/又は疎油基を少なくとも1個含む低分子量シランから選択される。
眼鏡レンズは、前記レンズの凸及び凹光学表面の両方のジオメトリーを決定する一連の成形及び/又は表面仕上げ/平滑化操作並びにそれに続く適切な表面処理から得られる。
眼鏡レンズの最終仕上げ工程は、所要の寸法に従って造形し、配置される眼鏡フレーム内にレンズを嵌入させるように、レンズの縁又は外周を機械加工する縁取り操作である。
縁取りは、以上に定義された機械加工工程を行うダイヤモンド砥石車を含む研削機により従来方式で行われる。
そのような操作時、レンズは、軸方向に作用するブロッキング部材によりに保持される。
砥石車に対するレンズの相対運動は、所望の形状を提供するように、一般的にはディジタル方式で、モニターされる。
明らかなように、そのような移動時、レンズを堅固に保持することが絶対に必要である。この目的のために、縁取り操作前、レンズブロッキング工程が行われる。即ち、保持手段又はチャックがレンズの凸表面上に位置決めされる。
チャックとレンズの凸表面との間に、保持パッド、好ましくは両面接着剤が配置される。
そのように装着されたレンズは、以上に挙げた軸方向ブロッキング部材の1つに位置決めされ、次いで、一般的にはエラストマーで作製された当接体を利用して、第2の軸方向ブロッキング部材がレンズの凹表面をクランプする。
機械加工工程時、レンズ上に接線トルク応力が発生するので、レンズ保持手段が十分に効率的でなければ、チャックに対してレンズの回転を生じる恐れがある。
レンズの良好な保持は、主に、保持パッド/レンズの凸表面の境界での良好な接着に依存する。
満足すべき方法で機械加工又は研削を行えるようにするために、レンズ上での接着剤層の一時使用が推奨される。然しながら、たとえ一時的ではあっても、そのような接着促進層は、下に位置する層の性質の変化を引き起こす可能性がある。
仕上げレンズに追加の又は改良された光学的又は機械的性質を付与するいくつかのコーティングで、眼鏡レンズやレンズブランク等のレンズ基材の少なくとも1つの主要表面を被覆することが、当技術分野で慣例になっている。これらのコーティングは、通常、機能コーティングと称される。
例えば、レンズ基材の表面から始めて、逐次、耐衝撃コーティング(耐衝撃プライマー)、耐摩耗及び/又は耐引掻きコーティング(ハードコート)、並びに反射防止コーティングで、典型的には有機ガラス材料で作製されたレンズ基材の少なくとも1つの主要表面を被覆することが、慣例になっている。
また、最新世代の眼鏡レンズは、ほとんどの場合、強い汚れ傾向、例えば、脂肪堆積物に対する強い汚れ傾向を低減するために、一般的には、反射防止コーティング上、特に、無機材料で作製された反射防止コーティング上に堆積された防汚材料の外層を含む。そのような防汚トップコートは、一般的には、脂肪汚れの付着を防止してその除去がより容易になるようにレンズの表面エネルギーを低減する疎水及び/又は疎油コーティングである。疎水トップコートは、仕上げ光学物品の最外側コーティングを構成する。
そのようなトップコートは、当技術分野で公知であり、通常、フルオロシラン又はフルオロシラザン、即ち、フッ素含有基を有するシリコーン又はシラザンである。トップコートの標準的な材料は、ダイキン工業株式会社により商品化されたペルフルオロポリエーテル部分を含むフッ素系樹脂OPTOOL DSX(商標)、信越化学工業株式会社製のKY130(商標)、同様に信越化学工業株式会社により商品化されたKP801M(商標)、及びダイキン工業株式会社により商品化されたAES4(商標)である。これらのコーティングにより、レンズに少なくとも100°の水との接触角が付与される。
最も性能のよいトップコート、例えば、Optool DSX(商標)、AES4(商標)、又はKY130(商標)、特に、Optool DSX(商標)及びAES4(商標)は、それらの表面エネルギーを大幅に減少させる効力を有する。結果として、それによりパッド/凸表面の境界での接着が変化して、特にポリカーボネートレンズでは、縁取り操作が困難になり、その縁取りにより、他の材料と比較してはるかに大きな応力が発生する。
レンズ表面の滑性が高いと、レンズの中心が固定されたレンズチャックからレンズの中心が実質的に変位して、レンズの光学軸及び水平/垂直軸がその真の中心から変位する恐れがある。この現象は、恐らく、視力矯正効果を変化させたり且つ/又はレンズを所望のフレームに挿入できなくしたりするであろう。従って、縁取り操作がうまく行われなかった結果として、レンズの純然たる損失を生じる。
これらの問題を解決するために、レンズの最外層上に一時フィルムを堆積することが有利であることを見いだした。
有効な解決策は、少なくとも15mJ/m2の表面エネルギーを付与する一時コーティング、特定的には、MgF2一時層、例えば、仏国特許第2824821号明細書に本出願人により開示されたものをレンズの最外層上に堆積することである。この解決策は、防汚トップコートの堆積プロセスのいかんにかかわらず、適用可能である。然しながら、一時MgF2層で被覆された外層を有するレンズは、そのような一時層の堆積後48時間に渡り縁取りを行えないこともある。
本出願人名義の仏国特許第2856056号明細書では、そのような方法が更に改良された。この明細書には、少なくとも1種の非フッ素化金属酸化物及び/又は少なくとも1種の非フッ素化金属水酸化物の層が上に堆積又は形成された前記MgF2一時層で被覆された眼鏡レンズが記載されている。レンズ上に種々の層を堆積した後、追加の層により縁取り操作を非常に迅速に行うことが可能になる。
MgF2及びMgOのそのような層は、一時的なものであり、通常、レンズを機械加工した後、例えば、払拭又は濯ぎにより除去されて、使用できる状態になる。
然しながら、MgF2及び任意選択のMgOの一時上層を疎水及び/又は疎油コーティング上に堆積した場合、トップコートとも称されるそのような疎水及び/又は疎油コーティングは、一時層を除去した後、MgF2及び任意選択のMgOの一時コーティングの堆積に付されなかったトップコートと比較して、性能劣化を呈することが認められた。
特定的には、レンズトップコート層の疎水性及び/又は疎油性は、MgF2及び任意選択のMgOのコーティングを除去した後、同一トップコート層を含む元のレンズの性質と比較して、有意な劣化が認められた。
解決策は、トップコート層の厚さを増加させることに依拠し得る。然しながら、トップコート材料が高分子量の複雑な分子であるので、この解決策は、きわめてコストがかかる。
米国特許出願公開第20090257022号明細書には、多層反射防止フィルムに接触した状態で提供される撥水・撥油層が記載されている。撥水・撥油層は、2種の異なるフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を原料として使用することにより作製される。
第1及び第2のフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物は、それぞれ、好ましくは1000〜10000の平均分子量を有する。
典型的には、AES4(商標)及びKY130(商標)(又はKY164)が、蒸発により逐次堆積されるか、又はフッ素化溶媒中に混合一体化されて浸漬被覆によりレンズの表面に堆積される。
得られるレンズは、長期間に渡り十分な撥水・撥油性を保持し得ると共に、ケイ素接着剤テープ又は保護フィルムを用いた縁取りプロセスに十分な縁加工性を有し得る。
米国特許出願公開第2010/0053547号明細書には、主要表面上に防汚コーティングを有し且つそれに適用された一時層を有する光学物品が記載されている。
防汚コーティングは、一方の末端のみがシラノール基又はその前駆体を含む55〜80重量%の過フッ素化化合物、典型的には、Optool DSX(商標)と、鎖の両方の末端が少なくとも1個のシラノール基又はシラノール前駆体を含む線状過フッ素化化合物から選択される45〜20重量%の成分、典型的には、KY130(商標)と、を含む重合性組成物の硬化の結果である。
一時層は、MgF2層及びその上に堆積されたMgO層である。
実際には、2/3のOptool DSX(商標)と1/3のKY130(商標)との混合物を蒸発により基材上に堆積させ、そしてMgF2層及びそれ続いてMgO層をその上に堆積させる。
MgF2/MgO層を除去した後、防汚コーティングは、Optool DSX(商標)単独又はKY130(商標)単独のいずれかで形成されたコーティングよりも大きい水接触角を呈する。
個別のフッ素含有シラン材料の重畳は、先行技術から公知である。
国際公開第2007/071700号パンフレットには、有機材料の一時層を提供することにより物品の縁取りを改良する方法が開示されている。少なくとも1個のフッ素含有基を有するシランを含むトップコート層を堆積させ、次いで、低分子量のフッ素化化合物の一時層を堆積させる。
米国特許出願公開第2007/0172622号明細書には、20個超の炭素原子を有するフッ素含有基を少なくとも1個有するシランの層と、その上に適用された20個以下の炭素原子を有するフッ素含有基を少なくとも1個有するシランを含む透明な除去可能保護層と、を含む特別な層構造を有する眼鏡ガラスが開示されている。第2の層により、ガラスの表面エネルギーが一時的に15mJ/m2未満の値に調整される。
米国特許第7,449,233号明細書には、第1の接触角を有する第1の疎水層と、第2の接触角を有する第2の疎水層と、を含む基材が開示されている。第1の疎水層は、第2の疎水層と基材との間に存在し、第1の接触角は、第2の接触角よりも大きい。第1の疎水層は、ペルフルオロポリエーテルケイ素化合物に基づく。第2の疎水層は、ペルフルオロポリエーテルケイ素化合物に基づき得る。第2の疎水層は、一時的なものであり、コーティング付き基材の取扱いが終了した後又はコーティング付き基材の少なくとも一部の処理が終了した後、水若しくはアルコールを用いて又は単純に基材を払拭して、容易に除去可能であり、その後、結合層又は第1の疎水層が、基材上に結合された状態で残る。
本発明に係る方法では、金属フッ化物と任意選択で非フッ素化金属酸化物又は非フッ素化金属水酸化物とに基づく除去可能層を適用する前に、第2のシラン材料の堆積が行われる。実際には、第2のシラン堆積物により第1のシラン堆積物を含む光学物品の性質が永久的に改変されるので、MgF2/(任意選択MgO)一時層が除去された時、第1の堆積物の性質は、このMgF2/(任意選択MgO)層の一時適用により劣化しなかったという点で、3つの最近の明細書の教示とは異なる。
次の用語、即ち、「comprise(〜を含む)」(並びにcompriseの任意の形態、例えば、「comprises」及び「comprising」)、have(〜を有する)(並びにhaveの任意の形態、例えば、「has」及び「having」)、「contain(〜を含有する)」(並びにcontainの任意の形態、例えば、「contains」及び「containing」)、更には「include(〜を含む)」(並びにincludeの任意の形態、例えば、「includes」及び「including」)は、オープンエンドの連結動詞である。結果として、1つ以上の工程又は要素を「comprises(含む)」、「has(有する)」、「contain(含有する)」、又は「includes(含む)」方法又は方法の工程は、それらの1つ以上の工程又は要素を有するが、それらの1つ以上の工程又は要素のみに限定されるものではない(たとえこの後者の場合が本発明の実現形態に好ましいとしても)。
本発明に係る方法で使用される光学物品は、好ましくは、眼鏡レンズ基材である。「基材」という用語は、種々の性質の1つ以上のコーティングを含むか又は裸であるかに依存して、処理又は未処理のいずれかの有機又は無機のガラス基材を意味する。本明細書では、「レンズ」という用語は、逐次処理、即ち、被覆又は堆積、縁取り等の適用により得られる製品を意味する。
本発明の目的は、性質の改良された光学物品の製造方法を提供することであった。
より特定的には、本発明の目的は、機械加工及び/又は研削に付される適応性を有する光学物品、特に高表面エネルギー、好ましくは15mJ/m2以上の表面エネルギーを提供する一時層を含む物品の製造方法を提供することであった。
特定的には、本発明の目的は、疎水及び/又は疎油トップコートを含む光学物品の製造方法を提供すること、並びに光学物品を機械加工及び/又は研削し且つ一時層を除去した後、満足すべき優れた疎水性及び/又は疎油性を得ることであった。
そのような目的は、以下に開示される方法により達成された。
本発明の第1の対象は、以下の工程、即ち、
2つの主要面を有し且つその面の少なくとも1つ上に−OH官能基を有する基材を提供することと、
基材の表面上に材料の堆積物を生じる条件下の真空チャンバー内で、−OH官能基を有する基材の1つの面を、M1、M2、M3と称される少なくとも3つの個別の材料及び任意選択で材料M4に、この順序で逐次暴露することと、
を含む光学物品の製造方法である。但し、
M1は、
置換シランのSi原子に直接結合された少なくとも1個の官能基X1であって、Si−X1基が基材の−OH基との共有結合及び/又はM2との共有結合を形成可能である、官能基X1と、
少なくとも1個のフッ素含有基と、
を含む置換シランであり、
M2は、
置換シランのケイ素原子に直接結合された少なくとも1個の官能基X2であって、Si−X2基が基材の−OH基との共有結合及び/又はM1との共有結合を形成可能である、少なくとも1個の官能基X2と、
少なくとも1個の疎水基若しくは疎油基、又は少なくとも1個の親水基と、
を含む900g/mol以下の数平均分子量を有する置換シランであり、
M1は、M2よりも大きい重量平均分子量を有し、M1とM2との重量平均分子量の差は、600g/mol以上、好ましくは900g/mol以上であり、
M3は、金属フッ化物であり、
任意選択で、他の材料M4は、M3材料上に堆積可能であり、それは、欧州特許第1467955号明細書に開示されるような有機材料又は無機材料であり、好ましくは、他の材料は、MgO等の非フッ素化金属酸化物又は非フッ素化金属水酸化物である。
本発明によれば、光学デバイスの製造方法は、少なくとも3つの表面コーティングの逐次適用を含む。「基材の表面上へのそれらの材料の堆積」という用語は、各材料が、事前の堆積工程から得られた基材の最外側コーティング上に堆積されることを意味する。
基材とは、本発明との関連では、減圧、高温、照射、及びパワーから選択される条件下で材料の堆積に付すのに適した2つの主要面を含む材料を意味する。基材は、多孔表面及び非多孔表面を有する材料を含む。それは、ガラス、セラミック、磁器、繊維ガラス、金属等の材料、ポリカーボネート等の熱硬化性物質や熱可塑性物質を含む有機材料、並びにセラミックタイルを含む。本発明に係る方法で基材として使用可能な他の有機材料としては、ポリスチレン及びその混合ポリマー、ポリオレフィン、特定的には、ポリエチレン及びポリプロピレン、ポリアクリル化合物、ポリビニル化合物、例えば、ポリビニルクロリド及びポリビニルアセテート、ポリエステル及びゴム、更にはビスコースで作製されるフィラメント、並びにセルロースエーテル、セルロースエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、例えば、ポリグリコールテレフタレート、及びポリアクリロニトリルが挙げられる。
本発明は、より特定的には、ガラス、特に、レンズ、例えば、眼鏡ガラス又はアイウェアレンズの製造方法に関する。基材は、好ましくは、反射防止光学層を含む透明材料である。然しながら、それはまた、顕微鏡スライド、装飾ガラス片、プラスチックシート、ミラーガラス、セラミックタイル又は大理石タイル、ドア用及び窓用ガラス、スクリーン(テレビ、コンピューター)、ミラー、プリズム、時計ガラス、光学デバイスのレンズ、例えば、双眼鏡レンズ、顕微鏡レンズ、望遠鏡レンズ、カメラレンズ、ビデオレンズの製造用途にも好適である。
本発明に係る方法で好ましく使用されるレンズ又は眼鏡ガラスの好ましい基材は、例えば、ポリチオウレタン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート、ポリアクリレート、若しくはポリジエチレングリコールビスアリルカーボネートで形成される処理若しくは未処理の合成ガラス、又は処理若しくは未処理の無機ガラスであり得る。
そのような基材は、通常、硬質層及び/又は従来の反射防止層を含み、且つ多層構造を含む。そのような硬質層及び反射防止層は、通常、未処理眼鏡ガラスの表面に直接適用されるか、又は基材上にすでに形成されたプライマー耐衝撃層上に適用される。
この場合、M1材料の少なくとも1つの層であるトップコートとしても知られる疎水性及び疎油性のコーティングはまた、有利には、裸の基材の表面に直接適用されるのではなく、眼鏡ガラスに適用された硬質層又は反射防止層に適用される。そのような単層又は多層の硬質層コーティング及び反射防止コーティングは、当業者に周知であり、適切な材料及びそれらの材料の層厚さを好適には選択することは、先行技術分野で周知である。反射防止コーティングは、例えば、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等の金属酸化物、及びそれらの組合せを含み得る。反射防止コーティングの厚さは、通常、約0.1nm〜約1,000nmである。
本発明に係る方法に付される基材は、その表面に−OH基を含む。
OH基が基材の表面に天然で存在しない場合、コロナ処理やプラズマ処理等の当業者に公知の適切な処理により生成可能である。
本発明に係る方法は、材料の堆積物を生じる条件下のチャンバー内又は密閉環境内で基材を特定の材料に逐次暴露することを含む。
層の形成を伴う条件は、減圧、高温、照射、及びパワーの少なくとも1つを含む。
加えられた減圧、高温、照射、及び/又はパワーは、材料の気化又は昇華を引き起こしてチャンバー雰囲気内に導入し、基材表面上で後続の自己集合及び/又は自己重合を引き起こす。有利には、堆積は、基材上に均一に行われる。
好ましくは、減圧及び/又は高温が利用される。更により好ましくは、高温が利用される。
材料の層を形成するために本発明に係る方法で使用可能な技術の一般的な例としては、気相堆積が挙げられる。
好ましい方法は、物理気相堆積、好ましくは真空下での蒸発である。
材料M3及び任意選択で材料M4の堆積は、一時的であり、縁取り操作時の保持手段への接着が改良されたコーティング付き基材を提供すると考えられる。そのような接着の改良は、好ましくは15mJ/m2以上のM3又はM3/M4層の表面エネルギーからもたらされる。
縁取りを行った後、M3又はM3/M4一時層は、先行技術の教示に従って除去され、M1及びM2材料の堆積から生じるトップコートは、光学物品の最終最上層である。
特定の理論に関連付けられるわけではいが、本発明に係る方法は、有利には、M1分子及び/又は基材表面へのM2分子の部分的固着を可能にし得る。
固着とは、共有結合がM1材料とM2材料の一部分との間及び恐らく基材とM2材料の一部分との間に形成されることを意味する。
本発明者らは、本発明に係る光学物品の疎水性及び/又は疎油性を、M2材料の堆積工程が省略されたという点のみが異なる先行技術の方法から得られたものと比較した。驚くべきことに、本発明に係る方法から得られた物品は、先行技術の方法から得られた物品と比較して、優れた疎水性及び/又は疎油性を有することが観測された。本発明に係る方法により得られた物品のそのような性質は、M3又はM3/M4処理に付されなかったトップコートのものに匹敵する。
本発明に係る方法は、材料の堆積物を生じる条件下のチャンバー内で基材の1つの面をシランM1に暴露することを含む。
置換シランとは、基材の−OH基との共有結合を形成可能なケイ素原子に結合された少なくとも1個の官能基を含むSi原子を含む分子を意味する。
本発明によれば、M1は、好ましくは、ケイ素原子に直接結合された少なくとも1個の加水分解性基(例えば、NH2基)又はOH基を含む置換シランである。
好適な加水分解性基は、当業者に周知である。ケイ素原子に結合されたX1及びX2加水分解性基の例は、ハロゲン原子、例えば、塩素、−NH−アルキル基、ジアルキルアミノ基、好ましくは、C1〜C22N−アルキル基、例えば、−N(CH32若しくはN(C252、アルコキシ基、好ましくは、C1〜C22アルコキシ基、例えば、−OCH3若しくはOC25、アシルオキシ基、好ましくは、C1〜C22アシルオキシ基、例えば、−OCOCH3若しくはOCOC25、又はイソシアネート基、好ましくは、−O−N=C(C1〜C22アルキル)2、例えば、−O−N=C(CH32である。好ましくは、加水分解性基は、アルコキシ基、特に、−OCH3又はOC25から選択される基である。他の好ましい変形形態によれば、少なくとも1個の−OH基又は少なくとも1個の−NH2基を有するシランを使用することも可能である。
有利には、M1は、少なくとも1個の置換シリル基−Si(R)3(式中、Rは、加水分解性基又はOH基又はNH2基を表す)を含む。
好ましくは、M1は、少なくとも1個の置換シリル基−Si(R)3(式中、Rは、−OCH3、−OC25、−OH、及びNH2から選択される基を表す)を含む。
少なくとも1個の加水分解性基又はヒドロキシルを有するケイ素原子に基づくそのような置換シランM1は、本発明に係る方法で使用した場合、シランM1のケイ素原子と、レンズ若しくは眼鏡ガラスの表面又はレンズ若しくは眼鏡ガラスの硬質層若しくは反射防止層の表面と、の間に、それらの表面上のヒドロキシル基を介して、耐久性のある化学結合を生成する。
M1は、置換シランであり、ケイ素原子に直接結合された少なくとも1個の加水分解性基(例えば、−NH2基)又はOH基を含む。それは、加水分解性基(例えば、−NH2基)又は−OH基が直接結合された1、2、3、4、5個、又はそれ以上のケイ素原子を含み得る。好ましくは、M1は、少なくとも1個の加水分解性基又はOH基が結合された1又は2個のケイ素原子を含む。
本発明によれば、M1は、少なくとも1個のフッ素含有基を含む置換シランである。
フッ素含有基は、2価のフルオロアルキル基、フルオロアルケニル基、ポリ(フルオロアルキルエーテル)基、アルキル基、アルケニル基の集合から生じる。この集合はまた、エーテル架橋(−O−)及びアミノ架橋(NH−、−N=)を含み得る。M1が1個の置換シリル基のみを含む場合、集合を構成する基の少なくとも1つは1価であり、且つ基の少なくとも1つはケイ素原子に結合される。
2価フルオロアルキル基とは、水素原子の代わりに少なくとも1個のフッ素原子を含む線状、分岐状、又は環状のアルカンジイル基を意味する。好ましくは、フルオロアルキル基は、水素原子の代わりに、50%以上、更により好ましくは70%以上、更により好ましくは90%以上のフッ素原子を含む。好ましい変形形態によれば、2価フルオロアルキル基は、過フッ素化アルキル基である。例えば、フッ素含有基は、−CHF−、−CHF−CHF−、−CH2−CH(CF22−、−CF2−CH(CF22−、−CF2−、−CF2−CF2−、−CF2−CF2−CF2−、−CF2−CF(CF22−、−(CHF)n−、−(CF2n−(式中、n=1、2、3、4、…)等の単位基を含む。
2価フルオロアルケニル基とは、水素原子の代わりに少なくとも1個のフッ素原子を含む線状、分岐状、又は環状のアルケンジイル基を意味する。好ましくは、フルオロアルケニル基は、水素原子の代わりに、50%以上、更により好ましくは70%以上、更により好ましくは90%以上のフッ素原子を含む。好ましい変形形態によれば、2価フルオロアルキル基は、過フッ素化アルケニル基である。
ポリ(フルオロアルキルエーテル)基とは、アルコキシ単位及びフルオロアルコキシ単位の重合から生じる基を意味する。好ましくは、フルオロアルコキシ単位の縮合から生じる。そのような基の例は、−(CHF−CHF−O−)n−、−(CH2−CF2−O−)n−、−(CF2−CF2−O−)n−、−(CF2−CF2−CF2−O−)n−、−(CF2−CH(CF3)−O−)n−(式中、n=1、2,3、4、…)、及び任意の類似化合物であり得る。そのような基はまた、ポリアルコキシ単位、例えば、−(CH2−CH2−O−)m−、−(CH2−CH2−CH2−O−)m−、−(CH2−CH(CH32−O−)m−単位(式中、m=1、2,3、4…)、又は類似単位を有し得る。好ましくは、ポリ(フルオロアルキルエーテル)基は、水素原子の代わりに、50%以上、更により好ましくは70%以上、更により好ましくは90%以上のフッ素原子を含む。
好ましい変形形態によれば、2価ポリ(フルオロアルキルエーテル)基は、ポリ(過フッ素化アルキルエーテル)基である。
アルキル基及びアルケニル基は、線状、分岐状、又は環状であり得る。
好ましくは、M1のフッ素含有基の鎖長は、M1の数平均分子量が2000g/mol以上、好ましくは3000g/mol以上、より好ましくは3000g/mol〜6000g/molになるようなものである。
有利には、それは、4000g/mol以上、より良好には4000g/mol〜5000g/molである。
好ましくは、それは、1.105g/mol以下、より好ましく1.104g/mol以下である。
好ましくは、M1のフッ素含有基は、フッ素原子がM1の全分子量の少なくとも50重量%、更により好ましくはM1の全分子量の少なくとも60重量%を占めるようなものである。
一実施形態では、M1の製造方法は、1分子あたりさまざまな数の置換シリル基とさまざまな性質及び鎖長のフッ素含有基とを有する分子の混合物になるようなものである。シラン官能基の鎖長、フッ素含有率、分子量、及び数の評価は、平均値であると理解しなければならない。
有利には、M1は、3000g/mol〜6000g/mol、更により有利には4000g/mol〜5000g/molの数平均分子量の分子の混合物である。
本発明に係る方法は、M1への事前の暴露から生じた基材の面を材料の堆積物を生じる条件下のチャンバー内で第2の置換シランM2に暴露することを更に含む。
本発明によれば、M2は、ケイ素原子に結合された少なくとも1個の加水分解性基(例えば、−NH2基)又は少なくとも1個のOH基と、少なくとも1個の疎水基又は疎油基と、を含む900g/mol以下の数平均分子量の置換シランである。
M2を構成するシラン基は、M1材料の構築に使用可能な以上に記載のものと同一の基から選択される。
好ましくは、M2は、少なくとも1個の置換シリル基−Si(R)3(式中、Rは、加水分解性基、例えば、−NH2基又はOH基を表す)を含む。
好ましくは、M2は、少なくとも1個の置換シリル基−Si(R)3(式中、Rは、−OCH3、−OC25、−OH、及びNH2から選択される基を表す)を含む。
有利には、M2は、唯一の置換シリル基−Si(R)3(式中、Rは、加水分解性基又はOH基又はNH2基を表す)を含む。
M2分子の他の部分である疎水基又は疎油基又はヒドロキシ基は、2価のフルオロアルキル基、フルオロアルケニル基、ポリ(フルオロアルキルエーテル)基、アルキル基、アルケニル基の集合から生じるものと定義可能である。
この集合はまた、エーテル架橋(−O−)及びアミノ架橋(NH−、−N=)を含み得る。M2が1個の置換シリル基のみを含む場合、集合を構成する基の少なくとも1つは1価であり、且つ基の少なくとも1つはケイ素原子に結合される。
M2の数平均分子量は、900g/mol以下、好ましくは800g/mol以下、更により好ましくは700g/mol以下、有利には600g/mol未満である。
化合物M1及びM2の例は、文献から公知であり、それらの製造方法も同様である。
そのような化合物は、従来技術で、例えば、米国特許第4410563号明細書、欧州特許第0203730号明細書、欧州特許第749021号明細書、欧州特許第844265号明細書及び欧州特許第933377号明細書、米国特許第6,183,872号明細書、国際公開第2006/107083号パンフレットで、広く開示されている。
フルオロシランの中では、次式:
Figure 2016507773
(式中、RFは、ペルフルオロアルキル基を表し、Zは、フッ素原子又はトリフルオロメチル基を表し、a、b、c、d、及びeは、それぞれ独立して、0又は1以上の整数を表し、但し、a+b+c+d+eは、1以上であり、且つ以上の式に現れる下付き文字a、b、c、d、及びeにより括弧でくくられた繰返し単位の順序は、示されたものに限定されるものではなく、Yは、水素原子又は1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基を表し、Xは、水素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を表し、R1は、ヒドロキシル基、−NH2基、又は加水分解性置換基を表し、R2は、水素原子又は1価炭化水素基を表し、lは、0、1、又は2を表し、mは、1、2、又は3を表し、且つn’’は、1以上、好ましくは2以上の整数を表す)
で示される化合物が挙げられ得る。そのような種類の化合物は、化合物M1として特に好ましい。
他の好ましい化合物は、米国特許第6,277,485号明細書に開示されるものである。この明細書に開示されるフッ素化シランは、次式:
Figure 2016507773
(式中、RFは、1価又は2価のポリフルオロポリエーテル基であり、R1は、任意選択で1個以上のヘテロ原子又は官能基を含有し、且つ任意選択で、ハロゲン化物原子で置換され、且つ好ましくは2〜16個の炭素原子を含有する、2価のアルキレン基、アリーレン基、又はそれらの組合せであり、R2は、低級アルキル基(即ち、C1〜C4アルキル基)であり、Yは、ハロゲン化物原子、低級アルコキシ基(即ち、C1〜C4アルコキシ基、好ましくは、メトキシ基又はエトキシ基)、又は低級アシルオキシ基(即ち、−OC(O)R3(ここで、R3は、C1〜C4アルキル基である))であり、xは、0又は1であり、且つyは、1(RFは1価である)又は2(RFは2価である)である)
に対応する。好適な化合物は、典型的には、少なくとも約1000g/molの分子量(数平均)を有する。好ましくは、Yは、低級アルコキシ基であり、且つRFは、ペルフルオロポリエーテル基である。
他の好ましい化合物は、防汚コーティングの形成に好適なシランのフッ素化化合物、特に、式:
Figure 2016507773
(式中、R’Fは、直鎖状2価ペルフルオロポリエーテル基であり、R’は、C1〜C4のアルキル基又はフェニル基であり、X’は、加水分解性基であり、a’は、0〜2の整数であり、b’は、1〜5の整数であり、且つm’及びn’は、2又は3に等しい整数である)[0025]
により与えられる化合物を記載する特開2005−187936号公報に開示されている。以上の式(2)により与えられるフルオロシラン化合物は、KY−130(商標)という名称で信越化学工業株式会社により市販されている。
式(2)により与えられるフルオロシラン化合物及びその調製方法はまた、欧州特許第1300433号明細書に記載されている。疎水及び/又は疎油表面コーティングを形成するための他の好ましい組成物は、一般式(A)及び/又は一般式(B)及び(C):
F−(CF2q−(OC36m−(OC24n−(OCF2o−(CH2p−X(CH2r−Si(X’)3-a(R1)a (A)
F−(CF2q−(OC36m−(OC24n−(OCF2o(CH2pX(CH2r(X’)2-a(R1)aSiO(F−(CF2q−(OC36m−(OC24n−(OCF2o(CH2pX(CH2r(X’)1-a(R1)aSiO)zF−(CF2q−(OC36m−(OC24n−(OCF2o(CH2pX(CH2r(X’)2-a(R1)aSi (B)
F−(CF2q−(OC36m−(OC24n−(OCF2o−(CH2p−X(CH2r−(CH2t−Si(X’)3-a(R1)a :(C)
(式中、qは、1〜3の整数であり、m、n、及びoは、独立して、0〜200の整数であり、pは、1又は2であり、Xは、O又は2価有機基であり、rは、2〜20の整数であり、tは、1〜10の整数であり、R1は、C1〜22線状又は分岐状炭化水素基であり、aは、0〜2の整数であり、X’は、以上に定義された加水分解性基又はOH基又はNH2基であり、且つzは、aが0又は1のとき0〜10の整数である)
により表される有機シリコーン化合物を含有するものである。
化学式により以上に開示されたような化合物は、本発明に係る方法でM1材料として使用可能である。
特に好ましい材料は、X’がアルキルアミノであるときの式Cに対応する成分を含む材料、特定的には、国際公開第2011/060047号パンフレットの実施例4に記載の生成物YY(これ以降ではHDTCと記す)である。
化学式により以上に開示されたような化合物は、分子量が900g/mol以下であれば、本発明に係る方法でM2材料として使用可能である。
そのほかに、M2材料は、式:
[H−(OCH2−CH2a−(OCH2−CH2−CH2a’−(OCF2−CF2a’’−(OCF2−CF2−CF2a’’’−(OCHF−CHF)a’’’’−(OCHF−CHF−CHF)a’’’’’]wX−(CH2b−(CF2b’−Si(R)3 (D)
(式中、a、a’、a’’、a’’’、a’’’’、a’’’’’は、0〜2の整数であり、a+a’+a’’+a’’’+a’’’’+a’’’’’は、少なくとも1であり、Xは、O又はN又はNHであり、b及びb’は、0〜10の整数であり、且つb+b’は、1未満にはなりえず、Rは、以上に定義されたような加水分解性基であるか又はOH若しくはNH2であり、以上の式に現れる下付き文字a、a’、a’’、a’’’、a’’’’、a’’’’’、b、及びb’により括弧でくくられた繰返し単位の順序は、示されたものに限定されるものではなく、w=1又は2(Xの価数に依存する))
に対応するような非フッ素化又はフッ素化シランの中から選択可能である。
或いは、M2材料は、式:
F−(CF2c−(CH2d−(CF2e−(CH2f−Si(R)3 (E)
及び
H−(CH2g−(CF2h−(CH2i−(CF2j−Si(R)3 (F)
(式中、各c、d、e、f、g、h、l、jは、0〜10の整数であり、c、d、e、及びfの少なくとも1つは、0とは異なり、g、h、i、及びjの少なくとも1つは、0とは異なり、且つRは、以上に定義されたような加水分解性基であるか又はOH若しくはNH2である)
に対応するようなフッ素化シランの中から選択可能である。好ましくは、5≦c+d+e+f≦15且つ5≦g+h+i+j≦15、より好ましくは、5≦c+d+e+f≦12且つ5≦g+h+i+j≦12。
M1材料を含む組成物は、一般的には、個別のフラグメントの縮合から生じる化合物の混合物であり、以上に開示された構造に対応する分子は、組成物の残りの部分と比較して、最も重要な化合物であることが分かっている。好ましくは、M1材料を含む組成物は、少なくとも30%(乾物の重量/重量)、より好ましくは少なくとも40%、更により好ましくは少なくとも50%、最も好ましくは少なくとも60%、有利には少なくとも70%のM1材料を含む。
そのような組成物は、ケイ素原子に結合された少なくとも1個の加水分解性基(例えば、−NH2基)又はOH基を含むシラン基が欠如した化合物を更に含み得る。好ましくは、そのような化合物は、M1又はM2組成物中では、30%未満(乾物の重量/重量)、更により好ましくは25%未満、最も好ましくは20%未満、有利には15%未満に制限される。
そのような特徴は、非常に高品質の防汚コーティングの取得に寄与する。
光学物品のM1層は、防汚トップコートである。この防汚表面コーティングは、光学物品の表面エネルギーを低減する。
一般的には、疎水及び/また疎油堆積物M1は、100nm未満、好ましくは30nm未満、好ましくは1〜20nmの範囲内、より好ましくは1〜10nmの範囲内の厚さを有する。
本発明によれば、疎水及び/又は疎油堆積物M1+M2は、20nm未満、好ましくは1〜15nmの範囲内、より好ましくは1〜10nmの範囲内の厚さを有する。
厚さ値は、エリプソメトリーにより測定可能な物理的厚さ値と理解しなければならない。
M1材料の市販の組成物は、ダイキン工業株式会社により商品化された組成物OPTOOL DSX(商標)(ペルフルオロプロピレン部分を含むフッ素系樹脂)、ダイキン工業株式会社により商品化された組成物AES4、信越化学工業株式会社により商品化された組成物KY130(商標)である。OPTOOL DSX(商標)は、M1材料に最も好ましいコーティング組成物である。
M2材料の市販の組成物は、Optronにより商品化された組成物OF110(商標)(フルオロアルキルシラン)若しくはOF210(商標)、又はGelestにより商品化されたGelest1(ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン)である。
本発明に係る方法は、M2への暴露から生じた基材の面を材料の層の堆積物を生じる条件下のチャンバー内で金属フッ化物M3に暴露することを更に含む。
本発明に係る方法は、任意選択で、M3への暴露から生じた基材の面を材料の層の堆積物を生じる条件下のチャンバー内で非フッ素化金属酸化物又は非フッ素化金属水酸化物M4に暴露することを含む。
一般的には、真空機内で蒸発により、反射防止コーティング、疎水及び/又は撥油コーティング、並びに一時コーティングが適用され、これにより、2工程間でガラスの過度な取扱いを伴うことなく、すべての操作を逐次的に行うことが可能になる。
有利には、材料M1〜M4は、M1、次いでM2、次いでM3、次いで任意選択でM4の順に、基材の表面に逐次堆積される。
本発明に係る方法の各工程では、基材は、第1の材料〜第3及び任意選択で第4の材料に暴露される。
好ましくは、材料は、真空下で加熱により蒸発される。
第1〜第3及び任意選択で第4の堆積物の各材料の温度は、それらの気化及び基材上への堆積に適した温度にすべきである。
暴露の持続時間は、制御された層厚さが得られるように計算される。然しながら、各層に指標として与えられる層厚さ値は、プログラムされた暴露時間及び堆積速度に対応する値である。
基材の表面上への材料M1及びM2の堆積の後、このものは、その表面エネルギーを増加させる一時層の適用に付される。
金属フッ化物又は金属フッ化物の混合物であるM3の層の堆積は、国際公開第02/092524号パンフレットに開示されている。
フッ化物の例としては、フッ化マグネシウムMgF2、フッ化ランタンLaF3、フッ化アルミニウムAlF3、又はフッ化セリウムCeF3、又はそれらの材料の混合物が挙げられ得る。好ましくは、M3は、MgF2に基づく。
特に推奨される市販の材料は、Leybold Corporation製のPAS02である。
非フッ素化金属酸化物又は非フッ素化金属水酸化物M4の層の堆積は、国際公開第2004/110946号パンフレットに開示されている。
好ましくは、本方法は、一時保護層上への直接真空蒸発を介して少なくとも1種の非フッ素化金属酸化物及び/又は少なくとも1種の非フッ素化金属水酸化物を一時保護層上に堆積させる処理工程を含む。
好ましくは、金属酸化物は、酸化カルシウム又は酸化マグネシウム、酸化ケイ素、酸化プラセオジム、酸化セリウム、又は2種以上のそのような酸化物の混合物の中から選択される。
好ましくは、金属水酸化物は、水酸化マグネシウムである。
一時層M3/M4は、任意の従来の適切な方法により、好ましくは気相中で、適用され得る。
好ましい実施形態によれば、M4はMgOである。好ましくは、本方法は、真空蒸発を介して一時層を堆積させることを含み、形成されるM4層は、1〜5nmの範囲内の厚さを有する。
蒸発MgOは、例えば、以下のもの、即ち、
・ 1〜3mmの範囲内の粒子サイズを有するMgO顆粒(CERAC製のM−1131を参照されたい)、
・ 3〜6mmの範囲内の粒子サイズを有するMgO顆粒(UMICORE製のM−2013を参照されたい)、
・ MgOペレット(UMICORE corporationにより商品化された0481263を参照されたい)、
からの蒸発により生成可能である。
Mg(OH)2を蒸発させる場合、それは、ALDRICHから有利に入手可能である。
一般的には、MgO堆積は、MgF2堆積の後で行われる。従って、2つの個別の層が達成される。必要であれば、MgF2の一部分の蒸発に続いてMgOの蒸発を開始して、これを行うことが可能であり、その結果、濃度勾配を生じて、その組成は、純粋MgF2から表面の純粋MgOへと変化する。
最後に、以上に述べたように、特定の処理工程はまた、MgF2一時保護層を外層上に低速堆積させることであり得る。通常、そのようなタイプの堆積は、約0.5nm/sの速度で行われる。本発明によれば、真空蒸発を介する保護層の堆積は、0.5nm/s未満、好ましくは約0.1nm/sの速度で行われる。
前述したように、本発明に係る方法で処理されたレンズは、2つの主要面を含み、その1つは、一時MgF2保護層で被覆された外層を含む。
好ましい実施形態によれば、2つの主要面は、MgF2一時層で被覆された外層を含む。一般的には、種々の層が堆積される第1の面は、凹面である。
その場合、そのような面は、第2の面が処理される間、MgF2層による保護が可能である。
両方の主要面が、MgF2保護層で被覆された外層を含む場合、本発明に係る特定の処理工程は、好ましくは、各主要面上で行われる。
鉱物材料で作製されている場合、一時層M3厚さは、好ましくは50nm未満、一般的には1〜50nmの範囲内、より好ましくは5〜50nmの範囲内である。
好ましくは、基材上へのM3一時層の堆積は、真空蒸発を介して、0.5nm/s未満、好ましくは0.3nm/s以下の速度で行われる。
一般的に言えば、一時層厚さが薄すぎる場合、表面エネルギーが十分に改変されない危険性がある。一方、一時層厚さが厚すぎる場合、より特定的には本質的に鉱物層の場合、層内に機械的応力を生じる恐れがあるので、予想される性質が損なわれる可能性があることを、本発明者らは見いだした。好ましくは、より特定的にはガラス面の1つの全体に一時保護層を適用した場合、材料は、ある程度の透明度を示すので、フロントフォシメーターを用いてガラス上で従来の度数測定を行うことが可能である。例えば、本発明に従ってトリミングするのに適したガラスは、ISO8980/3規格に準拠して、好ましくは少なくとも18%、より好ましくは少なくとも40%の透過率を示す。
鉱物の性質を有する以上に挙げた材料の代替物として、国際公開第03057641号パンフレットに記載されるように、M4材料を使用する代わりに、有機材料、特に高分子材料を使用することが可能である。そのような場合、一時層が純鉱物材料で構成される場合よりもかなり厚い厚さで被覆することが可能である。その場合、所要の厚さは、5〜150ミクロンの範囲内であり得る。アルキド型樹脂が特に推奨される。
基材の表面上への材料M1〜M4の堆積の後、このものは、慣例的には少なくとも固定工程及び研削工程を含む機械加工操作に付される。そのような工程は、国際公開第2007/071700号パンフレット、仏国特許第2824821号明細書、及び仏国特許第2856056号明細書に詳細に開示されている。
M3及び任意選択でM4が堆積された光学物品の表面上に接着剤プリフォームフィルムを適用することが可能である。
プリフォームフィルムとは、前記光学物品の表面に適用される前に形成されたフィルムを意味する。
好ましくは、接着剤プリフォームフィルムは、感圧接着剤フィルムであり、より好ましくは、プリフォームフィルムは、セルローストリアセテートを含む。
本発明に係る方法に従ってトリミングするのに適したガラス、特に眼鏡レンズは、最終最上層がM1及びM2材料の適用から生じた防汚トップコートになるように、以下に説明されるように単に払拭及び/又は濯ぎを行うことにより、最終工程で一時保護層を除去しなければならないことを除いて、完全に従来型のトリミング操作に付すことが可能である。
従って、本発明はまた、
1)本発明に従ってトリミングするのに適したガラス、好ましくは眼鏡レンズを製造する工程と、
2)前記ガラスをエーコンエレメントにより保持する工程と、
3)前記ガラスをトリミングする工程と、
4)前記ガラスからエーコンエレメントを除去する工程と、
5)こうしてトリミングされたガラスを回収する工程と、
6)ガラスの疎水表面及び/又は撥油表面の性質を回復するようにM3及び任意選択でM4一時層を除去する工程と、
を含むことを特徴とする、疎水表面及び/又は撥油表面の性質を有するトリミングされたガラスの取得方法に関する。
上述したように、適正トリミング工程3)は、従来型であり、当業者に公知である。従って、十分詳細には記載しない。
一時層除去工程は、液体媒体中で又は乾式払拭により又は両方の方法の逐次適用により行われ得る。一時層除去はまた、機械的作用により、好ましくは超音波の使用により、促進され得る。一時層除去工程の終了時、ガラスは、疎水及び/又は撥油コーティングを含む初期のガラスのものと同程度の、更には準同一の光学特性及び表面特性を示す。
有機材料の一時層は、光学物品の最外層上に堆積される。例えば、光学物品の一時保護表面は、保持パッドの表面に対する親和性の増加を呈するので、縁取りに適したものとなる。
本発明に係る方法は、有利には、一時層の払拭後、14ミリジュール/m2以下、より好ましくは13mJ/m2以下、更により好ましくは12mJ/m2以下の表面エネルギーを有する最外層で被覆された光学物品をもたらす(表面エネルギーは、次の参照文献:“Estimation of the surface force energy of polymers”Owens,D.K.;Wendt R.G.J.Appl.Polym.Sci.1969,13,1741−1747に開示されるオーエンズ・ウェント法に従って計算される)。
光学物品の最外表面上に形成された一時層は、保持目的に十分な表面エネルギー、即ち、少なくとも12mJ/m2に等しい、好ましくは少なくとも15mJ/m2に等しい、より好ましくは20mJ/m2の表面エネルギーを、前記光学物品に付与することが好ましい。明らかに、2つ以上の一時層が存在する場合、前者の表面エネルギーは、一時コーティングの外層の表面エネルギーである。
実験
1− 材料及び方法:
・ レンズ:
基材上に記載順に被覆された摩耗防止コーティング及び反射防止コーティングを有する有機レンズを作製した。本出願人名義の欧州特許第614957号明細書の実施例3に対応するポリシロキサンタイプの摩耗防止コーティングを両面上に含むポリカーボネート眼鏡レンズである基材上で堆積を達成した。摩耗防止コーティング上に適用されたARスタックは、次のZrO2(27nm)/SiO2(21nm)/ZrO2(80nm)/SiO2(81nm)である。処理レンズは、直径65mmの丸形レンズであった。
・ 層の堆積:
使用した真空処理機は、電子銃、Mark2 Commonwealthタイプのイオン銃、及びジュール効果を有する蒸発源を備えたBalzer machine製のBAK760である。
処理対象のレンズを収容するように意図された円形開口を備えたカルーセル上に、凹面が蒸発源及びイオン銃に対向するように、レンズを配置する。2次真空に達するまで、真空引きを行う。次いで、以下に詳述される条件で電子銃又はジュール効果により材料の逐次蒸発を行う。
M1の堆積:
両方ともダイキン工業株式会社により商品化されたOPTOOL DSX(商標)又はAES4(商標)の層を以下の条件で堆積させる。
所与の量のOPTOOL DSX(商標)又はAES4(商標)を直径18mmの銅カプセル内に配置し、続いて、ジュール効果坩堝(タンタル坩堝)内に配置する。蒸発を介して厚さ1〜5nmの疎水・疎油コーティングを堆積させる。石英スケールを利用して、堆積厚さの設定を行う。
M2の堆積:
Optool DSX(商標)又はAES4(商標)と同一の条件で(これ以降では「ボートにより」と記す)又は電子ビーム蒸発(eビーム)により、Optronにより商品化されたOF110(商標)若しくはOF210(商標)又はGelestにより商品化されたGelest1の層を堆積させる。
一時保護層の堆積:
M3の堆積:
次いで、保護層を蒸発させる。堆積材料は、Merck corporationにより販売されている1〜2.5nmの粒子サイズを有する式MgF2の化合物である。蒸発は、電子銃を用いて行われる。物理的堆積厚さは、0.52nm/sに等しい堆積速度で20nmである。石英スケールを利用して、堆積厚さの設定を行う。続いて、エンクロージャーを再加熱し、処理チャンバーを所定の気圧に設定し直す。次いで、レンズを上下逆さまにして、凸面を処理領域に方向付ける。凹面と同じように(以上の工程の再現)、凸面をMgF2により処理する。
M4の堆積:
次いで、電子銃を用いて、一時MgF2層上への直接MgO蒸発により、レンズを特定の処理工程に付し、MgO層をMgF2保護層上に直接2nm厚さで真空蒸発させる(UMICORE corporation製のMgOチップ(参照0481263)から)。
表面調製手順:
操作順は以下の通りであった:
イソプロピルアルコール及びSelvyt布を用いて一時層を除去した。
次いで、レンズのコンディショニング(表面調製)を行った。即ち、45秒間に渡り60サイクル(1サイクル=1回前進後退)で3kgの錘を適用し、湿潤CEMOI(商標)布(水含浸)を用いて払拭した。
次いで、乾燥Cemoi(商標)布を用いてレンズを払拭し、そしてレンズをエアブローした。5分間の待機後、レンズを試験した。
・ 試験:
o 前進角、後退角、ヒステリシス、及びテーブル角の測定:
液滴が転がり落ちるまで固体表面を典型的には0°から90°まで傾けながら静滴の左右両側で接触角測定を行う傾斜プレート法に従って、前進接触角及び後退接触角及びヒステリシスを測定する。
表面を傾けると、重力により、斜面下側では接触角が増加し、一方、斜面上側では接触角が減少する。
最後の有効読み値が読み取られ、通常、前進接触角及び後退接触角を表す。
それぞれ、これらの接触角は、前進角及び後退角と呼ばれる。それらの差は、接触角ヒステリシスである。
より特定的には、試験は、プラットフォーム上に位置決めされたレンズ上に25マイクロリットルの液滴を堆積させることに依拠する。次いで、レンズがさまざまな角度で位置決めされるように、プラットフォームを一定の速度で傾ける。液滴が移動を開始した後、最初の測定を行う。
測定は、前進角(液滴の前側)、後退角(液滴の後側)、ヒステリシス(前側と後側との差)、及びプラットフォームの角度からなる。
2− 実施例:
いくつかのレンズを一連の個別の層M1、M2、M3、及びM4で処理した。参照例1は、M2層による処理を含まない。次いで、レンズを表面調製手順に付して試験した。
それらの層の組成及び厚さを6までの以下の表に与える。実施例では、厚さは、エリプソメトリーにより測定可能な真の物理的厚さである。
各表に挙げた順に材料を堆積し、最初に挙げた材料が基材上に最初に堆積されたものである。
比較例1:(参照)
Figure 2016507773
表面調製後、
平均前進角は115°であり、
平均後退角は96°であり、
平均ヒステリシスは19°であり、
中間速度でのテーブル角は15.4°であった。
実施例1:
Figure 2016507773
表面調製後、
平均前進角は120°であり、
平均後退角は109°であり、
平均ヒステリシスは11°であり、
テーブル角は7°であった。
実施例2:
Figure 2016507773
表面調製後、
平均前進角は121°であり、
平均後退角は110°であり、
平均ヒステリシスは11°であり、
テーブル角は6°であった。
実施例3:
Figure 2016507773
表面調製後、
平均前進角は119°であり、
平均後退角は112°であり、
中間速度での平均ヒステリシスは7°であり、
テーブル角は8°であった。
実施例4:
Figure 2016507773
表面調製後、
平均前進は121°であり、
平均後退角は109°であり、
平均ヒステリシスは12°であり、
テーブル角は9°であった。
実施例5:
Figure 2016507773
表面調製後、
平均前進角は121°であり、
平均後退角は111°であり、
中間平均ヒステリシスは10°であり、
テーブル角は10°であった。
実施例6:
Figure 2016507773
表面調製後、
平均前進角は121°であり、
平均後退角は104°であり、
平均ヒステリシスは17°であり、
テーブル角は15°であった。
実施例7:
Figure 2016507773
表面調製後、
平均前進角は121°であり、
平均後退角は116°であり、
平均ヒステリシスは5°であり、
テーブル角は7°であった。
実施例8:
Figure 2016507773
表面調製後、
平均前進角は122°であり、
平均後退角は114°であり、
平均は8°であり、
テーブル角は7°であった。
比較例2:(参照)
Figure 2016507773
表面調製後、
平均前進角は120°であり、
平均後退角は112°であり、
平均ヒステリシスは8°であり、
テーブル角は12°であった。
3− 考察
以上に開示された結果から、M1トップコート層と一時接着改良層M3/M4との間に、基材のOH官能基と反応可能なシラン官能基と、小サイズの疎水基と、を含む材料のM2材料を堆積させると、処理基材の疎水性及び疎油性が有意に改良されることを観測可能である。
実施例9及び10:
接着剤プリフォームフィルムを含む本発明に係るレンズの作製
ハードコート及び反射防止コーティングで被覆されたEssilor製のポリカーボネートレンズ−8.00シリンダー+2.00を以下の堆積に付した。
実施例9:DSX(商標)+OF110(商標)+MgF2/MgO+フィルム
Figure 2016507773
寸法30mm×30mmのTAC−PSA(フジタックフィルム80μm/日東電工CS−9261(アクリルPSA))フィルムをレンズの中央に配置した。被覆及びフィルム適用の1週間後、レンズの最初の縁取りを行った。手順は、シリンダーが90°に配置されるようにレンズをマーキングすることからなる。レンズを24mmパッド及びブロッカーでブロッキングし、Triumph砥石車エッジャーを用いて特定形状に縁取りを行った(Charmont)。縁取り後、ホルダー内に配置して、シリンダー軸を再度測定する。シリンダーが90±2°であれば、縁取り時のリスクは最小であると考えられる。3°超、但し、5°未満であれば、いくらかのリスクの可能性がある。5°超であれば、縁取り時に回転するリスクが高い。試験した5つのレンズでは、すべてが所望の軸の2°以内であり、89.6°の平均軸値であった。他の一連のレンズを40°の温度及び80%の湿度の環境チャンバー内に1ヶ月保持した。同じようにレンズの縁取りを行った。5つのレンズの平均は、90°であった。
実施例10:HDTC+OF110(商標)+MgF2/MgOフィルム
Figure 2016507773
寸法30mm×30mmのTAC−PSAフィルムをレンズの中央に配置した。以上の手順を用いた被覆及びフィルム適用の1週間後、レンズの最初の縁取りを行った。縁取り後、シリンダーを測定した。試験した5つのレンズでは、すべてが所望の軸の2°以内であり、89.2°の平均軸値であった。

Claims (22)

  1. 以下の工程、即ち、
    2つの主要面を有し且つその面の少なくとも1つ上に−OH官能基を有する基材を提供する工程と、
    前記基材の表面上に材料の堆積物を生じる条件下の真空チャンバー内で、−OH官能基を有する前記基材の1つの面を、M1、M2、M3と称される少なくとも3つの個別の材料及び任意選択で材料M4に、この順序で逐次暴露する工程と、
    を含む光学物品の製造方法であって、
    M1が、
    置換シランのSi原子に直接結合された少なくとも1個の官能基X1であって、Si−X1基が前記基材のOH基との共有結合を形成可能であり、X1が、好ましくは、ケイ素原子に直接結合された加水分解性基(例えば−NH2基)又はOH基である、官能基X1と、
    少なくとも1個のフッ素含有基と、
    を含む置換シランであり、
    M2が、
    置換シランのケイ素原子に直接結合された少なくとも1個の官能基X2であって、Si−X2基が前記基材の−OH基との共有結合及び/又はM1との共有結合を形成可能であり、X2が、好ましくは、加水分解性基(例えば−NH2基)又はOH基である、官能基X2と、
    少なくとも1個の疎水基若しくは疎油基、又は少なくとも1個の親水基と、
    を含む900g/mol以下の数平均分子量の置換シランであり、
    M1が、M2よりも大きい重量平均分子量を有し、M1とM2との重量平均分子量の差が、600g/mol以上、好ましくは900g/mol以上であり、
    M3が金属フッ化物である、
    光学物品の製造方法。
  2. M4堆積物、好ましくは、非フッ素化金属酸化物又は非フッ素化金属水酸化物を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記基材が、反射防止光学層を含む透明材料である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 堆積物の形成を伴う条件が減圧及び/又は高温の少なくとも1つを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 層の形成を伴う条件が真空下での蒸発を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. X1及びX2が、独立して、ハロゲン原子、−NH−アルキル基、ジアルキルアミノ基、アルコキシ基、アシルオキシ基、イソシアネート基、−OH基、及びNH2基から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記フッ素含有基が、2価のフルオロアルキル基、フルオロアルケニル基、ポリ(フルオロアルキルエーテル)基、アルキル基、アルケニル基の集合から生じる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. M1の数平均分子量が、2000g/mol以上であるか、好ましくは3000g/mol〜6000g/molの範囲内であるか、より好ましくは4000g/mol〜5000g/molに含まれる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. M1が、次式:
    Figure 2016507773
    (式中、RFは、ペルフルオロアルキル基を表し、Zは、フッ素原子又はトリフルオロメチル基を表し、a、b、c、d、及びeは、それぞれ独立して、0又は1以上の整数を表し、但し、a+b+c+d+eは、1以上であり、且つ以上の式に現れる下付き文字a、b、c、d、及びeにより括弧でくくられた繰返し単位の順序は、示されたものに限定されるものではなく、Yは、水素原子又は1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基を表し、Xは、水素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を表し、R1は、ヒドロキシル基、NH2基、又は加水分解性置換基を表し、R2は、水素原子又は1価炭化水素基を表し、lは、0、1、又は2を表し、mは、1、2、又は3を表し、且つn’’は、1以上、好ましくは2以上の整数を表す)
    で示される化合物から選択される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. M1が、一般式(A)又は一般式(B)及び(C):
    F−(CF2q−(OC36m−(OC24n−(OCF2o−(CH2p−X(CH2r−Si(X’)3-a(R1)a (A)
    F−(CF2q−(OC36m−(OC24n−(OCF2o(CH2pX(CH2r(X’)2-a(R1)aSiO(F−(CF2q−(OC36m−(OC24n−(OCF2o(CH2pX(CH2r(X’)1-a(R1)aSiO)zF−(CF2q−(OC36m−(OC24n−(OCF2o(CH2pX(CH2r(X’)2-a(R1)aSi (B)
    F−(CF2q−(OC36m−(OC24n−(OCF2o−(CH2p−X(CH2r−(CH2t−Si(X’)3-a(R1)a :(C)
    (式中、qは、1〜3の整数であり、m、n、及びoは、独立して、0〜200の整数であり、pは、1又は2であり、Xは、O又は2価有機基であり、rは、2〜20の整数であり、tは、1〜10の整数であり、R1は、C1〜22線状又は分岐状炭化水素基であり、aは、0〜2の整数であり、X’は、加水分解性基、−OH基、又はNH2基であり、且つzは、aが0又は1のとき0〜10の整数である)
    で示される化合物から選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  11. M2の数平均分子量が800g/mol以下である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. M2が、式:
    [H−(OCH2−CH2a−(OCH2−CH2−CH2a’−(OCF2−CF2a’’−(OCF2−CF2−CF2a’’’−(OCHF−CHF)a’’’’−(OCHF−CHF−CHF)a’’’’’wX−(CH2b−(CF2b’−Si(R)3 (D)
    (式中、a、a’、a’’、a’’’、a’’’’、a’’’’’は、0〜2の整数であり、a+a’+a’’+a’’’+a’’’’+a’’’’’は、少なくとも1であり、Xは、O又はN又はNHであり、b及びb’は、0〜10の整数であり、且つb+b’は、1未満にはなりえず、Rは、以上に定義されたような加水分解性基であるか又はOH若しくはNH2であり、以上の式に現れる下付き文字a、a’、a’’、a’’’、a’’’’、a’’’’’、b、及びb’により括弧でくくられた繰返し単位の順序は、示されたものに限定されるものではなく、w=1又は2(Xの価数に依存する))
    並びに
    F−(CF2c−(CH2d−(CF2e−(CH2f−Si(R)3 (E)
    及び
    H−(CH2g−(CF2h−(CH2i−(CF2j−Si(R)3 (F)
    (式中、各c、d、e、f、g、h、l、jは、0〜10の整数であり、c、d、e、及びfの少なくとも1つは、0とは異なり、g、h、i、及びjの少なくとも1つは、0とは異なり、且つRは、以上に定義されたような加水分解性基であるか又はOH若しくはNH2である)
    に対応する非フッ素化又はフッ素化シランの中から選択される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. M1堆積物が、100nm未満、好ましくは30nm未満、より好ましくは1〜10nmの範囲内の厚さを有する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. M1+M2堆積物が20nm未満の厚さを有する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. M3及び/又はM4が堆積された光学物品の表面上に接着剤プリフォームフィルムを適用する工程を含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記プリフォームフィルムが感圧接着剤フィルムである、請求項15に記載の方法。
  17. 前記プリフォームフィルムがセルローストリアセテートを含む、請求項16に記載の方法。
  18. 以下の工程、即ち、
    1)請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法に従ってトリミングするのに適した光学物品を製造する工程と、
    2)前記光学物品をエーコンエレメントにより保持する工程と、
    3)前記光学物品をトリミングする工程と、
    4)前記光学物品から前記エーコンエレメントを除去する工程と、
    5)こうしてトリミングされた光学物品を回収する工程と、
    6)存在するならばプリフォームフィルム、M3、及び任意選択のM4層を除去する工程と、
    を含むことを特徴とする、疎水表面及び/又は撥油表面の性質を有するトリミングされた光学物品の取得方法。
  19. 請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法により取得可能な光学物品。
  20. 少なくとも15mJ/m2に等しい表面エネルギーを有する、請求項19に記載の光学物品。
  21. 請求項18に記載の方法により取得可能な光学物品。
  22. 14ミリジュール/m2以下、好ましくは12ミリジュール/m2以下の表面エネルギーを有する、請求項21に記載の光学物品。
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