JP2016509250A - 疎水二重層と一時金属フッ化物層とを含む縁取り可能な眼用レンズ - Google Patents

疎水二重層と一時金属フッ化物層とを含む縁取り可能な眼用レンズ Download PDF

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Abstract

本発明は、2000g/mol以上の数平均モル質量を有するフルオロシランから選択される成分Aを含む組成物を堆積させることにより得られる6〜16nmの厚さの第1の疎水層と、900g/mol以下の数平均モル質量を有するフルオロシランから選択される成分Bを含む組成物を堆積させることにより得られる3〜20nmの厚さの第2の疎水層と、金属フッ化物を含む22〜50nmの厚さの層と、をレンズの主表面の少なくとも1つ上に逐次堆積させることにより得られる、前側主表面と後側主表面とを含む縁取り可能な眼用レンズに関する。

Description

本発明は、防汚コーティングと防汚コーティング上に予め堆積された一時トップコートとを含む眼鏡用の眼用レンズに関する。この一時トップコートにより、このレンズは、縁取りしたり、除去後、従来の一時トップコートを含む眼用レンズから得られた眼用レンズと比較して改良された防汚性を有する眼用レンズを生成したりするのに適したものとなる。
レンズは、前記レンズの2つの(凸及び凹)表面のジオメトリーを画成する一連の成形及び/又は表面仕上げ/研磨操作並びにその後の適切な表面処理から得られる。
配置されることが意図された眼鏡フレームに適したものとするのに必要な寸法がレンズに与えられるようにレンズの縁面又は外周を機械加工することである縁取り操作は、眼用レンズ上で行われる仕上げ工程の最後である。
縁取りは、一般的には、以上に規定されるような機械加工を行うダイヤモンド砥石及び/又は切断ヘッドを含むミルにより行われる。
この操作時、レンズは、軸方向に作用するブロッキング部材により保持される。
砥石に対するレンズの相対運動は、所望の形状を生成するように一般的にはディジタル方式で制御される。
明らかなように、この運動時、レンズをしっかりと保持することが必要不可欠である。
これを行うために、縁取り操作前にレンズがブロックされる。即ち、保持手段又はブロックがレンズの凸表面上に位置決めされる。
ブロッキングパッド、場合により、例えば両面感圧接着剤(PSA)を含む自己接着パッドは、ブロックとレンズの凸表面及び/又は凹表面(好ましくは凸表面)との間に配置され、後者の場合については、本出願の残りの部分でより詳細に説明する。
こうして備えられたレンズは、上述の軸方向ブロッキング部材の1つ上に位置決めされ、次いで、第2の軸方向ブロッキング部材により、一般的にはエラストマーで作製されたストップを介してレンズの凹面上でチャックされる。機械加工時、接線トルクがレンズに加わるため、レンズを保持する系であれば、場合により、レンズがブロックに対して回転を起こす。
レンズが適正に保持されるかは、主に、保持パッドとレンズの凸表面との間の界面に良好な結合が存在するかに依存する。
「疎水及び/又は疎油コーティング」としても参照される防汚コーティングは、当技術分野で周知である。それは、一般的には、フルオロシラン又はフルオロシラザン、即ち、フッ素原子を含有するシラン又はシラザンから作製される。
最高性能の防汚コーティングは、低表面エネルギー、典型的には14mJ/m2以下、好ましくは12mJ/m2以下の表面エネルギーを有する。
この低表面エネルギーの結果、レンズは、縁取り工程時、オフアクシスにスリップする恐れがある。
この技術的問題は、公知である。
それに対処するために、防汚コーティングの性質を保持しつつ縁取り時のスリップ防止を可能にする一時コーティング(又は一時トップコート)を堆積することが提案されてきた。
そのような技術は、欧州特許第1392613号明細書、国際公開第2004/110946号パンフレット、及び国際公開第2008/053020号パンフレット等の多くの特許の主題になっている。
トップコートが除去された後、疎水層の性質は、たとえ全体的に良好に保存されていたとしても、時には一時層の堆積前の層のものよりも悪くなる恐れがある。特定的には、接触角は、一時層の堆積前の疎水層のものと比較して数度小さくなる恐れがある。
更に、耐久性(コーティングが繰返し払拭の作用下でその疎水性をどれくらい長く維持するか)が影響を受ける恐れもある。
防汚コーティングと防汚コーティング上に予め堆積された一時トップコートとを含む眼鏡用の眼用レンズを提供することは、本発明の目的の1つである。この一時トップコートにより、このレンズは、縁取りしたり、除去後、疎水層と金属フッ化物トップコート等の従来のトップコートとを含む眼用レンズと比較して改良された防汚性を有する眼用レンズを生成したりするのに適したものとなる。
当然ながら、この改良は、トップコートの他の性質、即ち、縁取りしたり、特に単純レンズクリーニングクロスを利用して乾式払拭により及び/又は適切な溶媒(アルコール)の存在下で容易に除去したりするのに適した眼用レンズを作製する能力に悪影響を及ぼすことなく、達成されなければならない。本発明によれば、一時金属フッ化物トップコートの堆積前に2つの特定の疎水層を逐次堆積させることにより、且つこれらの疎水層及び一時トップコートの精密に画成された厚さを用いることにより、疎水層の接触角及び耐久性は、トップコートが除去された後、従来の疎水層及びトップコートを用いた先行技術の疎水レンズと比較して実質的に改良される。
従って、本発明は、レンズの主面の少なくとも1つ上、好ましくは前側主面上に、
− 少なくとも1個のシラノール基又はシラノール基前駆体を含有する2000g/mol以上、好ましくは2000〜10000g/molの数平均モル質量のフッ素化化合物、好ましくは過フッ素化化合物、更により好ましくは過フッ素化ポリエーテルから選択される第1の成分Aを含む組成物を堆積させることにより得られる6〜16nmの物理的厚さの少なくとも1つの第1の疎水層と、
− 少なくとも1個のシラノール基又はその前駆体を含有する900g/mol以下の数平均モル質量のフッ素化化合物、好ましくは過フッ素化化合物から選択される第2の成分Bを含む組成物を堆積させることにより得られる3〜20nmの物理的厚さの少なくとも1つの第2の疎水層と、
− 金属フッ化物を含む22〜50nmの物理的厚さの少なくとも1つの一時層と、
− 任意選択で、メタロイド又は金属の水酸化物又は酸化物を含む一時層と、
をこの順に逐次堆積させることにより得られる、前側主面と後側主面とを含む縁取りに適した眼用レンズからなる。
本出願では、一時コーティングとは、眼用レンズの縁取り後に除去/抜出されることが意図されたコーティングのことである。
基材の「後面」(一般的には凹後面)とは、物品が使用される時、着用者の眼に最も近い面であると理解される。反対に、基材の「前面」(一般的には凸前面)とは、物品が使用される時、着用者の眼から最も遠い面であると理解される。
本発明者らは、第1の疎水層及び金属フッ化物層の物理的厚さが防汚層の最終性能に最も影響を及ぼすパラメーターであることを観測した。
それにも拘らず、第2の疎水層に対して、3〜10nm、より良好には5〜8nmの厚さが特に推奨される。
単独又は組合せに拘らず、本発明に係る眼用レンズの好ましい特徴は、以下の通りであるが、これらに限定されるものではない。
− 第1の疎水層の好ましい物理的厚さは、6〜15nmであり、且つ金属フッ化物を含む層の物理的厚さは、24〜40nmであり、
− 第1の疎水層の物理的厚さは、8〜12nmであり、且つ金属フッ化物を含む層の物理的厚さは、25〜38nmであり、
− 第1の疎水層の物理的厚さは、6〜15nmであり、且つ金属フッ化物を含む前記層の物理的厚さは、24〜40nmであり、
− 第1の疎水層の物理的厚さは、8〜12nm、より良好には8〜11nmであり、第2の疎水層の物理的厚さは、5〜8nmであり、且つ金属フッ化物を含む層の物理的厚さは、25〜38nm、より良好には28〜33nmであり、
− 第1及び第2の疎水層の全厚さは、13nm以上であり、
− 第1及び第2の疎水層の全厚さは、金属フッ化物を含む層の厚さが40nm以上である場合、15nm以上であり、及び
− 酸化マグネシウム層が金属フッ化物層上に堆積される。
化合物A及びBは、第1及び第2の層に疎水性を付与するように選択される。
疎水性を有すると記された層(即ち疎水層)は、水との静的接触角が90°以上である表面を有する層であると理解される。
化合物Aは、好ましくは14mJ/m2以下、より良好には12mJ/m2以下の表面エネルギーを有する第1の層を生成する化合物から選択される。
第1の疎水層は、好ましくは少なくとも40wt%、より良好には50wt%、より良好には少なくとも70wt%、最適には少なくとも80wt%の化合物Aを含む組成物を堆積させることにより得られる。
表面エネルギーは、論文:“Estimation of the surface force energy of polymers”Owens D.K.、Wendt R.G.(1969)、J.APPL−POLYM−SCI、13、1741−1747に記載のオーウェンズ・ウェント法を用いて計算される。
第1の疎水層の水との静的接触角は、好ましくは100°超、より良好には110°超、更により良好には115°超である。
成分Aは、少なくとも1個のシラノール基又はシラノール基前駆体を含む2000g/mol以上、好ましくは2000〜10,000g/mol、より良好には3000〜6000g/mol、最適には3000〜5000g/molの数平均モル質量のフッ素化化合物、好ましくは過フッ素化化合物から選択される。
一般的には、本出願では、成分A及び成分Bの両方に関して、シラノール基の前駆体基は、互いに独立して、式−Si(X)n(式中、nは、1〜3の様々な整数であり、且つ基Xは、独立して、ヒドロキシル基の前駆体基、即ち、加水分解性基を表す)で示される加水分解性基により表され得る。
好ましくは、Xは、アルコキシ基、NH2基、又は塩素原子、好ましくはエトキシ基又はメトキシ基である。
好ましくは、化合物Aの1つの鎖末端のみは、シラノール基又はシラノール基前駆体を含む。
好ましくは、成分Aは、式:
Figure 2016509250
(式中、
− RFは、1〜16個の炭素原子を含有する直線状又は分岐状のペルフルオロアルキル鎖基を表し、
− Xは、水素原子、臭素原子、又はヨウ素原子であり、
− Yは、水素原子又は1〜6個の炭素原子を含有する線状若しくは分岐状のアルキル基であり、
− Zは、フッ素原子又はトリフルオロメチル基であり、
− R1は、加水分解性基であり、
− R2は、水素原子又は不活性一価基であり、
− a、b、c、及びdは、0〜200の整数であり、
− eは、0又は1であり、
− m及びnは、0〜2の整数であり、且つ
− pは、1〜10の整数であり、
− Rf、a、b、c、e、m、n、及びpは、式(1)で示される化合物の平均モル質量が2000以上になるように選択される)
で示される化合物から選択される少なくとも1種の化合物を含む。
好ましくは、第1の疎水層は、35〜60wt%の式(1)で示される化合物、より良好には40〜55wt%の式(1)で示される化合物を含む組成物を堆積させることにより得られる。
より良好には、成分(1)は、好ましくは式:
Figure 2016509250
(式中、
− Yは、水素原子又は1〜6個の炭素原子を含有するアルキル基であり、
− R1は、加水分解性基であり、
− aは、10〜50の整数であり、
− mは、0〜2の整数であり、且つ
− pは、1〜10の整数である)
で示される化合物から選択される。
特に好ましい成分Aは、ダイキン工業株式会社製のOptool DSX(商標)又は同社製のAES4を含む。
成分Bは、少なくとも1個のシラノール基又はその前駆体を含む900以下、好ましくは300〜800、より良好には400〜600の数平均モル質量のフッ素化化合物、好ましくは過フッ素化化合物から選択される。
シリカ(SiO2)表面上に5nmの単層の形態で堆積させた場合、成分Bは、一般的には、得られる表面エネルギーが16mJ/m2以下、より良好には15mJ/m2以下、更により良好には14mJ/m2以下である層を生成する。
成分Bは、一般的には、成分Aよりも疎水性が低い。即ち、成分Aから得られた単層の水との静的接触角は、成分Bから得られた単層のものよりも小さい。
好ましくは、化合物Bの1つの鎖末端のみは、シラノール基又はシラノール基前駆体を含む。
好ましい成分Bは、式
CF3−(CF27−CH2−CH2−Si(NH23
で示されるシラザン化合物を含む。
この化合物は、Optron社からOF110(商標)という商品名で入手可能である。
他の使用可能な成分Bは、同社製の化合物OF210(商標)である。
第1及び第2の疎水層は、ディップ塗布、スピン塗布、スプレー塗布、蒸発などの任意の周知の技術により形成され得る。好ましくは、疎水層は、真空蒸発により形成される。好ましくは、一時層もまた、真空蒸発により形成される。
これらの堆積操作では、成分A及びBは、そのまま使用され得るか、適切な溶媒で希釈され得るか、更には繊維状又は多孔性の材料中に組み込まれ得る。
成分A及びBの希釈に好適な溶媒の中では、フルオロ修飾脂肪族炭化水素(例えば、ペルフルオロヘプタン及びペルフルオロオクタン)、フルオロ修飾芳香族炭化水素(例えば、キシレンヘキサフルオリド及びベンゼントリフルオリド)、フルオロ修飾エーテル(例えば、メチルペルフルオロブチルエーテル及びペルフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)、フルオロ修飾アルキルアミン(例えば、ペルフルオロトリブチルアミン及びペルフルオロトリペンチルアミン)、炭化水素(例えば、石油ベンゼン、ミネラルスピリット、トルエン、及びキシレン)、並びにケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、及びメチルイソブチルケトン)が挙げられ得る。
一時層は、金属フッ化物又は金属フッ化物の混合物を含む層である。
金属フッ化物の例としては、フッ化マグネシウムMgF2、フッ化ランタンLaF3、フッ化アルミニウムAlF3、又はフッ化セリウムCeF3が挙げられ得る。好ましくはフッ化マグネシウムが使用されるであろう。
上述したように、金属フッ化物の第1の層の厚さは、22〜50nm、より良好には24〜40nm、更により良好には25〜38nmの範囲である。
任意選択の金属酸化物及び/又は金属水酸化物の層は、本発明に係るレンズ上に堆積され得る。
MgO層は、
− 1〜3nmの粒子サイズを有するMgO顆粒(参照:CERAC製のM−1131)、
− 3〜6nmの粒子サイズを有するMgO顆粒(参照:UMICORE製のM−2013)、及び
− MgO粒子(参照:UMICOREにより販売されている0481263)、
の蒸発から生成され得る。
ALDRICH製のMg(OH)2が堆積され得る。
金属酸化物及び/又はメタロイド水酸化物若しくは金属水酸化物の層は、一般的には厚さが薄く、一般的には10nm未満、好ましくは1〜5nmの厚さである。
本発明の好ましい一実施形態では、眼用レンズは、基材の主表面と本発明に係る層との間に挟置された反射防止コーティングを含み、第1の疎水層は、反射防止コーティングの外表面上に直接堆積される。この場合も、好ましくは、反射防止コーティングの外表面は、酸化ケイ素層、好ましくはSiO2層又はSiO2含有層の外表面である。
他の好ましい実施形態では、光学物品は、反射防止コーティングの下に耐摩耗及び/又は耐引掻きコーティング、並びに任意選択で耐摩耗及び/又は耐引掻きコーティングと基材との間に耐衝撃プライマーコーティングを含む。本出願では、「光透明基材」という表現は、この基材が裸であるか、防汚コーティング以外の1つ以上の従来の機能コーティングで被覆されているかに拘らず、眼光学の分野で従来から使用されている任意の基材を包含する。コーティング又は層の外表面が参照される場合に意味するのは、基材の主表面から最も離れたコーティング又は層の表面である。一般的には、本発明に係る光学物品の基材は、任意の基材であり得るが、好ましくは、例えば熱可塑性又は熱硬化性の有機ガラスで作製された基材である。
基材に好適な熱可塑性物質に関しては、(メタ)アクリル(コ)ポリマー、特にポリメチルメタクリレート(PMMA)、チオ(メタ)アクリル(コ)ポリマー、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリカーボネート(PC)、ポリウレタン(PU)、ポリチオウレタン、ポリオール(アリルカーボネート)(コ)ポリマー、熱可塑性エチレン/ビニルアセテートコポリマー、ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエピスルフィド、ポリエポキシド、ポリカーボネート/ポリエステルコポリマー、環状オレフィンコポリマー、例えばエチレン/ノルボルネン又はエチレン/シクロペンタジエンコポリマー、及びそれらのブレンドが挙げられ得る。
「(コ)ポリマー」という用語は、コポリマー又はポリマーを意味するものと理解される。「(メタ)アクリレート」という用語は、アクリレート又はメタクリレートを意味するものと理解される。
本発明に係る好ましい基材に関しては、アルキルメタクリレート、特にC1〜C4アルキルメタクリレート、例えばメチルメタクリレート及びエチルメタクリレート、ポリエトキシル化芳香族メタクリレート、例えばポリエトキシル化ビスフェノールジメタクリレート、アリル誘導体、例えば線状又は分岐状の脂肪族又は芳香族のポリオールアリルカーボネート、チオメタクリレート、エピスルフィド、並びにポリチオール/ポリイソシアネート前駆体混合物(ポリチオウレタンを得るため)を重合することにより得られる基材が挙げられ得る。
「ポリカーボネート(PC)」という用語は、本発明との関連では、ホモポリカーボネート及びコポリカーボネート及び配列コポリカーボネートの何れをも意味すると理解される。ポリカーボネートは、例えば、LEXAN(登録商標)という商品名でGENERAL ELECTRIC COMPANYから、PANLITE(登録商標)という商品名で帝人株式会社から、BAYBLEND(登録商標)という商品名でBAYERから、MAKROLON(登録商標)という商品名でMOBAY CHEMICAL Corp.から、及びCALIBRE(登録商標)という商品名でDOW CHEMICAL Co.から市販されている。
眼用レンズを縁取りした後、一時トップコート並びに任意選択のメタロイド又は金属の水酸化物及び/又は酸化物の一時層は、任意の適切な手段により、例えば、液体媒体中で及び/又は機械的作用により、好ましくは、単純レンズクリーニングクロスを利用して乾式払拭することにより及び/又は適切な溶媒(アルコール)の存在下で、除去され得る。
本発明はまた、金属フッ化物層と、存在する場合には、メタロイド又は金属の水酸化物及び/又は酸化物を含む層と、を除去した後に得られる眼用レンズに関する。このレンズは、好ましくは、117°以上の水との静的接触角を有する。
以下の実施例は、本発明を例示するものであり、これらに限定されるものではない。実施例では、特に指定がない限り、パーセント及び割合はすべて、重量基準で表される。厚さ、特に疎水層の厚さは、物理的厚さである。
Balzers社製のBAK760真空堆積機で堆積を行った。前記機械は、イオン銃、電子銃、及び抵抗加熱式熱蒸発器を備えている。
眼用レンズは、−2.00ディオプターの度数及び2.1mmの中心厚さを有するOrma(登録商標)レンズであった。
各眼用レンズは、欧州特許第614957号明細書の実施例3に記載されるような耐摩耗コーティングと、ZrO2/SiO2/ZrO2/ITO(酸化インジウムスズ)/SiO2多層反射防止コーティングと、を含んでいた。
以下に記載の一般的手順では、Optool DSX(商標)(供給業者:ダイキン工業株式会社)の層を反射防止コーティングの最終シリカ層上に直接堆積させ、次いで、OF210(商標)(供給業者:Optron)の層を堆積させ、次いで、二次真空(<10-3mbar)下でMgF2及びMgOの層を堆積させた。
1.第1の疎水層(DSX(商標)コート)の堆積
銅ボート中に配置されたDSX(商標)を抵抗加熱により蒸発させた。0.33nm/s未満の堆積速度で堆積を行った。
2.第2の疎水層(OF210(商標))の堆積
電子銃を用いた蒸発により、この層を堆積させた。
Optronにより供給されたOF210(商標)で含浸されたスチールウールを含有する銅ボートを使用した。OF210(商標)ボートを坩堝のキャビティー内に配置した。このボート上にSatis社から入手した有孔カバーを配置した。電子束により加熱されたカバー自体により、熱伝導を介して銅ボートを加熱した。こうして形成された「オーブン」内の温度をOF210が蒸発するまで上昇させた。
堆積速度は、0.2nm/s未満であった。
3.MgF2層及びMgO層の堆積:
これらの材料を電子銃により蒸発させた。
3.1−MgF2層の堆積:
蒸発材料は、MERCKにより販売されている1〜2.5nmの粒子サイズの式MgF2で示される化合物であった。MgF2に関しては、堆積速度を約0.75nm/sに調整した。
3.2−次いでMgOを蒸発によりMgF2層上に直接堆積させた。
電子銃を用いて2nmの厚さのMgO層をMgF2層上に直接真空蒸発させた(UMICORE製のMgOペレット(参照0481263)から)。
Optool DSX(商標)、OF210(商標)、及びMgF2の厚さを変化させて(MgOの厚さを2nmで一定に維持する)、以上に記載されるような一般的プロセスを用いてレンズを作製した。
本発明に係るものとは異なる厚さを有する比較例に対応するレンズもまた、作製し、先行技術の例として、第2の疎水層無し(OF210(商標)無し)のレンズを作製した。
次いで、これらのレンズをデブロッキング試験、トップコート除去試験、及び接触角測定試験に付した。
得られた結果はすべて、表2にまとめて列挙されている。
堆積層の厚さの測定
蒸発デバイス中にプログラムされた厚さの値は、実際に堆積されたものとは異なっていた。従って、疎水単層、金属フッ化物単層、及びメタロイド又は金属の水酸化物又は酸化物の単層に必要とされる物理的厚さを堆積すべく適用する必要のある蒸発条件を決定した。エリプソメーターを用いて厚さを測定した。
Woollam VB−400 VASE分光エリプソメーターを用いる技術
この技術は、疎水層に関して説明されるが、薄い厚さ、好ましくは25〜30nm以下、より良好には(<約10〜15nm)の厚さの任意の層に適用される。イオンプレクリーニング(IPC)処理(60秒間1A−100V)が施されたシリコンディスク上に疎水単層を堆積させた。シリコンディスク上に堆積された厚さを測定した。疎水層の屈折率は、約1.36であった。層は、2nmの天然SiO2酸化物上に堆積されたと仮定された。また、波長λに対する層の屈折率にコーシーモデル:n=a+b/λ+c/λ2を使用した。典型的には、疎水フッ素化層では、a=1.36、b=0.003、及びc=0。この方法は、次いで、300〜800nmの75°入射でΨ及びΔを測定して、tan(Ψ)及びcos(Δ)を用いて理論シミュレーションとサンプルの実際の測定との間で良好な当てはめ(曲線の最良の重なり)が得られるように値(入射角及び層の厚さ)を計算により調整することであった。調整時に得られた角度の値が75°近傍(75°±0.5°)であった場合、厚さ測定を確認した。
この方法を用いて他の層、特にMgO層の厚さを測定するために、aの値を対象の材料に対応する値(当技術分野で公知)に置き換えなければならない。
より厚い層、特にMgF2層に関しては、Woolam VB−400 VASEエリプソメーターを用いて従来の厚さ測定を行った(3つの入射角:65°、70°、及び75°で測定)。
コーシーパラメーター及び厚さを変化させることにより調整を行った。計算の出発点は、a(材料に依存する)、b=0.003、及びc=0、並びに厚さの評価値であった(典型的にはMgF2ではa=1.38)。
デブロッキング(又は縁取り)試験
この試験では、眼用レンズが縁取り試験に首尾よく合格する能力をスコア付けすることが可能である。
試験の説明:
1)パッドをブロックの中心に配置して、3M(両面接着剤)接着パッド(直径24mmの3M/Essilorパッド、参照GAM200)をミリングブロック(直径24mmのブロック、参照GAM202)に接着結合させ、
2)接着剤に触れないように注意しながら、保護フィルムをパッドから除去し、
3)ブロック+パッドアセンブリを試験レンズの凸表面の中心に接着結合させ、そして
4)レンズをフリップした。パッドの外周上に連続接着のリングが得られなければならない。このリングの存在により、レンズへのパッドの効果的結合を保証した。
次いで、一定数の作用を適用した。
Figure 2016509250
作用は、漸進的であり、且つ常にこの順に行われなければならない。
種々の作用を行い、且つもしあれば「0.25ポイント」の引き算を行った後、最終スコアが得られる。
参照として、縁取りを容易にするためのトップコートを含む市販のCrizal(登録商標)Alize(登録商標)Essilorレンズでは、以上の試験で5/5のスコアが得られる。
スコアが得られたら、結果をグループ化して以下のように再分類する。
5:+++
4〜5未満:++
3〜4未満:+
2〜3未満:−
2未満:X(不合格)
トップコートの除去の容易性の試験:
1(非常に困難)〜5(容易)のスコア。
トップコートを有するレンズの縁面を一方の手の親指と人差し指の間に保持し、他方の手の親指で圧力を加えながら、乾燥Selwith(商標)クロスでレンズの表面を払拭した。(1回の払拭は、ワンパスに対応する)。
各パス後、レンズの反射色をネオン灯下で目視検査した。
緑色の反射は、トップコートが除去されたことを示唆した。
反射に青色が残っている間は、トップコートが依然として存在したか、又は部分的に存在した。
トップコートの除去に必要なパスの数を記録して、最初のスコアを与えた。
1:非常に困難(5パス以上)
2:4パス
3:3パス(Crizal(登録商標)Alize(登録商標)システムよりも困難)
4:2パス(Azurよりも少し困難)
5:1パス(市販のCrizal(登録商標)Alize(登録商標)レンズはこのレベルに対応する)
次いで、新しい分類を適用した(カテゴリーに従って)。
除去の容易性
5:+++
4〜5未満:++
3〜4未満:+
3未満:X(不合格)
水との静的接触角の測定
一時層(MgF2/MgO)の除去後、水との静的接触角を測定した。
処理の疎水性能の評価を目的として、フラットな又は湾曲したガラスの表面上に堆積された水ドロップレットの接触角の画像の自動取得及び解析により、測定を行った。
Windows(登録商標)PCに接続されたKruss DSA100(液滴形状解析システム)装置で測定を行った。
形成されたドロップレットの体積は、4マイクロリットルであった。
水の伝導率は、25℃で0.3μS〜1μSに含まれていた。
部屋の温度は、23±5℃に維持された。
結果は、以下の表2に示される。
Figure 2016509250
本発明に係る実施例は、デブロッキング試験で+のスコア、及び除去の容易性試験で+〜++のスコアを得ることが可能であった一方、それと同時に、一時層の除去後に測定される水との静的接触角が少なくとも117°であった。
この接触角値は、比較例5及び6でOptool DSX(商標)層を用いて得られた接触角と比較して実質的な改良を表す。
比較例3に関して、18.9nmのMgF2厚さでは、デブロッキング試験で不合格となり、且つMgF2の層の厚さを52.5nmに増加させると(比較例4)、驚くべきことに、所要の接着レベル及び所要の耐払拭性の両方が得られなくなることが、注目に値するであろう。後者の性質は、最終ユーザーに非常に重要である。
本発明の効果は、特定のOptool DSX(商標)、OF210(商標)、及びMgF2の厚さ値で得られることは明らかであろう。

Claims (18)

  1. レンズの主面の少なくとも1つ上、好ましくは前側主面上に、
    − 少なくとも1個のシラノール基又はシラノール基前駆体を含有する2000g/mol以上、好ましくは2000〜10000g/molの数平均モル質量のフッ素化化合物、好ましくは過フッ素化化合物から選択される成分Aを含む組成物を堆積させることにより得られる6〜16nmの物理的厚さの少なくとも1つの第1の疎水層と、
    − 少なくとも1個のシラノール基又はその前駆体を含有する900g/mol以下の数平均モル質量のフッ素化化合物、好ましくは過フッ素化化合物から選択される成分Bを含む組成物を堆積させることにより得られる3〜20nmの範囲の物理的厚さの少なくとも1つの第2の疎水層と、
    − 金属フッ化物、好ましくはフッ化マグネシウムを含む22〜50nmの物理的厚さの少なくとも1つの一時層と、
    − 任意選択で、メタロイド又は金属の水酸化物及び/又は酸化物を含む一時層と、
    をこの順に逐次堆積させることにより得られることを特徴とする、前記前側主面と後側主面とを含む縁取りに適した眼用レンズ。
  2. 前記第2の疎水層の物理的厚さが3〜10nmであることを特徴とする、請求項1に記載の眼用レンズ。
  3. 前記第2の疎水層の物理的厚さが5〜8nmであることを特徴とする、請求項2に記載の眼用レンズ。
  4. 前記第1の疎水層の物理的厚さが6〜15nmであり、且つ金属フッ化物を含む前記層の物理的厚さが24〜40nmであることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の眼用レンズ。
  5. 前記第1の疎水層の物理的厚さが8〜12nmであり、且つ金属フッ化物を含む前記層の物理的厚さが25〜38nmであることを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載の眼用レンズ。
  6. 前記第1の疎水層及び前記第2の疎水層の全厚さが13nm以上であることを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載の眼用レンズ。
  7. 金属フッ化物を含む前記一時層の厚さが40nm以上である場合、前記第1の疎水層及び前記第2の疎水層の全厚さが15nm以上であることを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の眼用レンズ。
  8. 前記金属フッ化物がフッ化マグネシウムであることを特徴とする、請求項1〜7の何れか一項に記載の眼用レンズ。
  9. 金属フッ化物を含む前記層上に堆積されたメタロイド又は金属の水酸化物及び/又は酸化物を含む層を更に含むことと、前記メタロイド又は金属の水酸化物及び/又は酸化物が酸化マグネシウムであることとを特徴とする、請求項1〜8の何れか一項に記載の眼用レンズ。
  10. 前記成分Aが、3000〜6000g/mol、より良好には3000〜5000g/molの数モル質量を有することを特徴とする、請求項1〜9の何れか一項に記載のレンズ。
  11. 前記成分Bが、300〜800g/mol、より良好には400〜600g/molの数モル質量を有することを特徴とする、請求項1〜10の何れか一項に記載の眼用レンズ。
  12. 前記化合物Aの1つの鎖末端のみがシラノール基又はシラノール基前駆体を含むことを特徴とする、請求項1〜11の何れか一項に記載の眼用レンズ。
  13. 前記化合物Bの1つの鎖末端のみがシラノール基又はシラノール基前駆体を含むことを特徴とする、請求項1〜12の何れか一項に記載の眼用レンズ。
  14. 前記成分Aが、式:
    Figure 2016509250
    (式中、
    − RFは、1〜16個の炭素原子を含有する直線状又は分岐状のペルフルオロアルキル鎖基を表し、
    − Xは、水素原子、臭素原子、又はヨウ素原子であり、
    − Yは、水素原子又は1〜6個の炭素原子を含有する線状若しくは分岐状のアルキル基であり、
    − Zは、フッ素原子又はトリフルオロメチル基であり、
    − R1は、加水分解性基であり、
    − R2は、水素原子又は不活性一価基であり、
    − a、b、c、及びdは、0〜200の整数であり、
    − eは、0又は1であり、
    − m及びnは、0〜2の整数であり、且つ
    − pは、1〜10の整数であり、
    − Rf、a、b、c、e、m、n、及びpは、式(1)で示される化合物の平均モル質量が2000g/mol以上になるように選択される)
    で示される化合物を含むことを特徴とする、請求項1〜13の何れか一項に記載の眼用レンズ。
  15. 前記第1の疎水層が、少なくとも40wt%、より良好には少なくとも50wt%、更により良好には少なくとも70wt%、最適には少なくとも80wt%の化合物Aを含む組成物を堆積させることにより得られることを特徴とする、請求項1〜14の何れか一項に記載の眼用レンズ。
  16. 前記第1の疎水層が、35〜60wt%の式(1)で示される化合物、より良好には40〜55wt%の式(1)で示される化合物を含む組成物を堆積させることにより得られることを特徴とする、請求項14又は15に記載の眼用レンズ。
  17. 前記2つの疎水層が蒸発により堆積されることを特徴とする、請求項1〜16の何れか一項に記載の眼用レンズ。
  18. 少なくとも以下の工程、即ち、
    1)請求項1〜17の何れか一項に記載の眼用レンズを取得することと、
    2)金属フッ化物を含む層と、存在する場合、メタロイド若しくは金属の酸化物及び/又はメタロイド若しくは金属の水酸化物を含む層と、を除去することと、
    を実行することにより取得される眼用レンズであって、
    取得した前記レンズが117°以上の水との静的接触角を有する、眼用レンズ。
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