JP2016507731A - マイクロメカニカルz軸ジャイロスコープ - Google Patents
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Abstract
角度z軸動作を測定するマイクロメカニカルセンサ装置はプルーフマス(2.1,2.2)を有する2つの振動構造体(2.1,2.2,7.1,7.2)を含む。懸架構造体(3.1,4.1,4.2,5.1,6.1,…,6.4)は駆動モード方向(x軸)と感知モード方向(y軸)での基板平面に平行な運動のために基板(1)上方の可動懸架位置で構造体(2.1,2.2,7.1,7.2)を維持する。結合支持構造体(4.1,4.2)は結合構造体(5.1,5.2,6.1,…,6.4)を係留構造体(3.1,3.2)に連結し、構造体(5.1,5.2)の旋回運動を可能にする。この運動は基板平面に垂直な回転軸線を有する。構造体(2.1,2.2,7.1,7.2)は感知モードバネ(8.1,8.4)でマス(2.1,2.2)に結合されるシャトルマス(7.1,7.2)を備え、バネ(8.1,8.4)は構造体(2.1,2.2,7.1,7.2)の振動を活性化するために方向(x)よりも方向(y)に柔軟である。マス(2.1,2.2)のための感知電極構造体(10.1,10.2)は基板平面に平行な感知モード運動を検出する。構造体(4.1,4.2)は方向(x)の構造体(5.1,5.2,6.1,…,6.4)の並進運動も可能にする。
Description
本発明は、角度z軸動作を測定するためのマイクロメカニカルセンサ装置に関し、マイクロメカニカルセンサ装置は、
a)基板平面を画定する基板と、
b)各々が少なくとも1つのプルーフマスを有する少なくとも2つの振動構造体と、
c)基板平面に平行な駆動モード方向(x軸)および感知モード方向(y軸)での運動のために、基板の上方で2つの振動構造体を懸架するための懸架構造体と、
d)2つの振動構造体を連結する少なくとも1つの結合構造体と、
e)結合構造体を少なくとも1つの係留構造体に連結し、結合構造体の回転旋回運動を可能にする少なくとも1つの結合支持構造体であって、回転旋回運動が基板平面に垂直な回転軸線を有する、少なくとも1つの結合支持構造体とを備え、
f)振動構造体の各々が、感知モードバネによって、少なくとも1つのプルーフマスに結合される少なくとも1つのシャトルマスを備え、感知モードバネは、各々の振動構造体の振動運動を活性化するために、駆動モード方向(x)においてよりも感知モード方向においてより柔軟であり、
マイクロメカニカルセンサ装置はさらに
g)基板平面に平行な駆動モード運動を活性化するための、各々のシャトルマスのための少なくとも1つの駆動電極構造体と、
h)基板平面に平行な感知モード運動を検出するための、各々のプルーフマスのための少なくとも1つの感知電極構造体とを備える。
a)基板平面を画定する基板と、
b)各々が少なくとも1つのプルーフマスを有する少なくとも2つの振動構造体と、
c)基板平面に平行な駆動モード方向(x軸)および感知モード方向(y軸)での運動のために、基板の上方で2つの振動構造体を懸架するための懸架構造体と、
d)2つの振動構造体を連結する少なくとも1つの結合構造体と、
e)結合構造体を少なくとも1つの係留構造体に連結し、結合構造体の回転旋回運動を可能にする少なくとも1つの結合支持構造体であって、回転旋回運動が基板平面に垂直な回転軸線を有する、少なくとも1つの結合支持構造体とを備え、
f)振動構造体の各々が、感知モードバネによって、少なくとも1つのプルーフマスに結合される少なくとも1つのシャトルマスを備え、感知モードバネは、各々の振動構造体の振動運動を活性化するために、駆動モード方向(x)においてよりも感知モード方向においてより柔軟であり、
マイクロメカニカルセンサ装置はさらに
g)基板平面に平行な駆動モード運動を活性化するための、各々のシャトルマスのための少なくとも1つの駆動電極構造体と、
h)基板平面に平行な感知モード運動を検出するための、各々のプルーフマスのための少なくとも1つの感知電極構造体とを備える。
z軸回転を検出するためのマイクロメカニカルセンサ装置は、当技術において良く知られており、ナビゲーション、車両スキッド制御、プラットフォーム安定化など、多くの商業用途および軍事用途で用いられている。
振動速度ジャイロスコープのいくつかの基本原理が、米国特許第6,230,563号(Integrated Micro Instruments)の背景技術の節に記載されている。それらの原理に基づいて、米国特許第6,230,563号は、基板に係留された懸架システムに搭載された2つのプルーフマスを用いる回転速度センサを開示している。懸架装置は、コンプライアンスの2つの主要モードを有しており、そのうちの1つは振動するように駆動される。基板に垂直な軸線周りの基板の回転と組み合わされた駆動振動は、コンプライアンスの他方のモードである感知モードに沿ったコリオリの加速をもたらす。感知モードは、コリオリの加速に応答しつつ、並進加速への応答を抑制するように設計されている。これは、2つのプルーフマスを連結する1つまたは複数の堅い梃子を用いて行われている。梃子は、コリオリの加速に応答してプルーフマスを反対方向に運動させることができる。米国特許第6,230,563号で提案された装置は、センサの実装における不完全性による直交誤差と呼ばれるエラーを取り消すための手段を備えている。直交誤差取消は、駆動モード位置と同調した望ましくない感知軸線の動作を取り消すために、静電力を利用する。
米国特許出願公開第2010/0139399号(Northrop Grumman LITEF)および米国特許出願公開第2010/0116050号(LITEF)は、設計平面(x-y)において基板に対して運動する2つの構造体を備える回転速度センサを開示している。2つの移動構造体は、設計平面(x-y)上における第1の方向(x)での移動構造体の逆位相偏位を伴う第1の振動モードを励起モードとして有するように結合構造体を形成するために、自由浮遊梁によって結合されている。結合構造体は、第1の振動モードが励起されるときにコリオリの加速によって励起される、回転速度センサの感知軸線(z)の周りの回転における検出モードとして、第2の振動モードを有している。構造体は、2つの可動構造体(2つの振動フレーム)がz軸周りの回転のために連結される中心係留部を有する。周辺には、振動フレームを安定化するための追加の係留部がある。
米国特許出願公開第2010/313657号(University of California)は、2つまたは4つの分断された振動尖叉を備えた振動速度z軸ジャイロスコープを開示している。梃子を使った駆動モード機構が、所定の駆動周波数において、尖叉の逆位相駆動モード動作を構造的に強いるために、尖叉同士の間で結合されている。梃子を使った駆動モード機構は、所定の駆動周波数より低い尖叉の逆位相駆動モード動作の疑似周波数モードを排除するように、かつ、尖叉の駆動モード動作および感知モード動作を同期させるようにも意図されている。感知モード機構は、基板エネルギー消散を最小限にし、感知モードQ値および速度感受性を高めるために、線形結合されて動的に平衡された尖叉の逆位相感知モード動作を提供するように配置および構成された尖叉同士の間に、結合されている。
米国特許第6,718,825(B1)号(Honeywell)、米国特許第6,837,108号(Honeywell)、米国特許第7,036,373号(Honeywell)は、x軸並進およびz軸回転を可能にする撓み部によって懸架される横梁(または、梃子)によって結合される2つのプルーフマスを有する振動z軸ジャイロスコープを開示している。しかしながら、懸架部は横梁のy軸並進を許容していない。入力軸線は基板平面に平行である。米国特許第6,837,108(B1)号の図1では、入力軸線であるz軸が基板平面に平行でありつつ、y軸が基板平面に垂直であるように(つまり、図面の平面に直交するように)示される。マスは、平面外の運動(つまり、基板平面に垂直な運動)によって応答している。
先行技術の逆位相プルーフマス構造体は、比較的複雑である。例えば、米国特許出願公開第2010/313657号の著しい数のマスと、マス同士の間の結合要素とがあるという事実には、システムが多くの振動モードを有するという効果がある。モードを出力モードへと交差結合することが最小となるような方法でシステム全体を設計することは、非常に困難である。
コンパクトな構造を有し、摂動モードまたは妨害モードに対して制御するのがより容易である、角度z軸動作を測定するためのマイクロメカニカルセンサ装置を提供することが、本発明の目的である。
本発明の解決策は、請求項1の特徴によって明記されている。本発明によれば、マイクロメカニカルセンサ装置は、可動部品のための基体を提供する基板(例えば、シリコンウェーハのチップ、SOI=絶縁膜上のシリコン(silicon on insulator)のチップ)を有する。基板は、基板平面、つまり、基板の表面に平行な幾何学的平面を定める。
各々が少なくとも1つのプルーフマスを有する少なくとも2つの振動構造体がある。振動構造体の各々は、マス、梁、フレーム、さらにまたは、撓み部およびバネなど、単一の要素またはいくつかの要素から成り得る。さらに、基板の上方に2つの振動構造体を懸架するための懸架構造体がある。懸架構造体の形状は、振動構造体が、基板平面に平行な駆動モード方向(x軸)および感知モード方向(y軸)で運動できるようになっている(実際、駆動モード方向および感知モード方向は互いに直交する)。
本発明の少なくとも1つの結合構造体は、少なくとも2つの振動構造体を連結する。本発明の背景においては、結合構造体は、2つの振動構造体の振動運動が弾性的に結合されるように何らかの機械的な柔軟性を有するマイクロマシン化された構造である。結合支持構造体は、結合構造体を係留構造体に連結しており、結合構造体の回転旋回運動を可能にしている。回転軸線は、基板平面に垂直である。
振動構造体の各々は、駆動モード方向(x)においてよりも感知モード方向(y)においてより柔軟である感知モードバネによって、少なくとも1つのプルーフマスに結合される少なくとも1つのシャトルマスを備える。シャトルマスの各々は、駆動電極によって活性化される。シャトルマスの振動は、関連する振動構造体の振動運動を活性化する。
本発明によれば、少なくとも2つの振動構造体は、逆位相で振動するように意図される。そのため、少なくとも1つの結合構造体は、逆位相振動のために2つの振動構造体を連結している。つまり、結合構造体は、逆位相運動が本質的に支援されるようになっており、振動構造体の同位相運動が異なる周波数に移される特定の機械的設計を、有している。米国特許出願公開第2010/313657号の先行技術の結合とは対照的に、本発明は、駆動モード梃子および感知モード梃子を用いていない。本発明は、感知モードシャトルマスと、感知モードシャトルマスのためのあらゆるバネとを必要としない。本発明によれば、振動構造体同士の間の領域にシャトルマスもない。それにもかかわらず、左感知シャトルと右感知シャトルとの間の結合なしで、基板に係留される感知シャトルマスを使用することは、可能である。感知シャトルの主要な機能は、プルーフマスを感知検出手段から分断することである。感知シャトルは、駆動シャトルと同様の方法で実装できるが、基板に連結されるシャトルの感知バネにより90°だけ回転され得る。このような感知シャトルの目的は、感知検出手段を駆動動作から分断することである。しかしながら、先行技術とは対照的に、本発明が、2つの振動構造体の結合のために、このような感知シャトルを使用しないことに留意することは重要である。
本発明の装置は、基板平面に平行な駆動モード運動を活性化するための、各々のシャトルマスのための少なくとも1つの駆動電極構造体を有する。駆動電極構造体は、同位相x方向運動を活性化するように配向および設計される。駆動電極構造体は、互いにかみ合うフィンガー電極構造体を備え得る。
マイクロメカニカル装置は、基板平面に平行な感知モード運動を検出するための、各々のプルーフマスのための少なくとも1つの感知電極構造体を有する。感知電極構造体は、同位相y方向運動を検出するように配向および設計される。感知電極構造体は、互いにかみ合うフィンガー電極構造体を備え得る。
本発明は、シャトルマスを介した感知モード結合を提供する。結合構造体は、駆動モード(x軸)バネによって、各々の振動構造体のシャトルマスのうちの少なくとも1つに連結される梃子式要素を備え得る。駆動モードバネは、感知モード方向(y軸)では実質的に硬い。梃子式要素は、その端が係留位置に対して逆位相で旋回できるように、振動構造体同士の間に位置付けられる係留部によって懸架され得る。
本発明によれば、結合支持構造体は、駆動モード方向(x)において結合構造体の並進運動も可能にするように設計される。そのため、結合構造体は、基板平面に垂直であって、典型的には結合構造体の中心に位置付けられる軸線周りに回転できるような方法で、係留部に取り付けられる。これは、2つの振動構造体の逆位相感知モード結合をもたらす。同時に、結合構造体は、駆動モード方向に運動できる。これは、通常の駆動モード周波数より低い周波数について、2つの振動構造体の同位相の駆動モード結合をもたらす。
結合支持構造体が駆動モード方向の並進運動を可能にするための駆動モード方向柔軟性を有することは、本発明の特定の態様である。
感知電極構造体の各々は、基板に取り付けられる第1の電極要素と、プルーフマスに取り付けられる第2の電極要素とを備え、2つの要素は、z軸回転(つまり、基板平面に直交する軸線周りの回転)に応じて電気信号を生成するために配置される。
本発明の枠組みでは、「構造体」は、装置の機械加工されたマイクロメカニカル部品(つまり、三次元要素)であるように意図されている。
利点:
本発明の設計は、感知モードシャトルマスをまったく必要としないため、米国特許出願公開第2010/313657(A1)号に示された設計とは異なっている。また、米国特許出願公開第2010/313657(A1)号とは対照的に、本発明の構造体は、同じ構造要素において、感知モード周波数の制御と駆動モード周波数の制御と(各々、同位相および逆位相)を組み合わせている。そのため、本発明は、使用される基板領域に対して、必要とする要素がより少なく、より経済的である。本発明は感知モードシャトルマスを必要としないため、装置全体において可動マスがより少なく、そのため、システム全体の振動モードがより少ない。その結果、出力振動が、システムの望ましくない摂動モードまたは制御不能の摂動モードによって妨害される可能性が低い。
本発明の設計は、感知モードシャトルマスをまったく必要としないため、米国特許出願公開第2010/313657(A1)号に示された設計とは異なっている。また、米国特許出願公開第2010/313657(A1)号とは対照的に、本発明の構造体は、同じ構造要素において、感知モード周波数の制御と駆動モード周波数の制御と(各々、同位相および逆位相)を組み合わせている。そのため、本発明は、使用される基板領域に対して、必要とする要素がより少なく、より経済的である。本発明は感知モードシャトルマスを必要としないため、装置全体において可動マスがより少なく、そのため、システム全体の振動モードがより少ない。その結果、出力振動が、システムの望ましくない摂動モードまたは制御不能の摂動モードによって妨害される可能性が低い。
米国特許出願公開第2010/0139399号(Northrop Grumman LITEF)から知られている結合構造体とは対照的に、本発明の結合構造体は、係留部に連結されるため、駆動モード方向においてと同じように感知モード方向において自由に移動可能とはなっていない。
結合支持構造体が、同位相駆動モード周波数を逆位相駆動モード周波数から分離すると共に、同位相感知モード周波数を逆位相感知モード周波数から分離するように設計されることは、本発明のセンサ装置の特定の態様である。同位相周波数と逆位相周波数との分離は、駆動モードについての逆位相振動を選択的に活性化することと、逆位相感知モード振動を選択的に検出することとを可能にする。また、望ましくないモードでのエネルギーが低減される。
マイクロメカニカルセンサ装置の結合支持構造体が、駆動モード方向のそのバネ定数より実質的に大きいバネ定数を感知モード方向で有することは、本発明のさらなる特定の態様である。そのため、結合構造体は、振動構造体の同位相感知モード運動における係留部のような何らかの方法で機能する。感知モード方向のバネ定数は、好ましくは、駆動モード方向のバネ定数の少なくとも2倍(最も好ましくは少なくとも10倍)である。
離れた連結位置:
本発明の特定の実施形態は、結合支持構造体が、結合構造体への少なくとも2つの連結領域を有し、連結領域同士がある距離だけ互いから分離され、結合支持構造体は、前記距離が同位相感知モード周波数と逆位相感知モード周波数との間の周波数差に寄与するように設計されることを特徴とする。連結領域は、結合構造体(例えば、大きい梁状の要素)から結合支持構造体(例えば、細い撓み部の端)までの移行において定められる。連結領域は、典型的には、点状であり、つまり、駆動モード方向における結合支持構造体全体の寸法と比較して小さくなっている。
本発明の特定の実施形態は、結合支持構造体が、結合構造体への少なくとも2つの連結領域を有し、連結領域同士がある距離だけ互いから分離され、結合支持構造体は、前記距離が同位相感知モード周波数と逆位相感知モード周波数との間の周波数差に寄与するように設計されることを特徴とする。連結領域は、結合構造体(例えば、大きい梁状の要素)から結合支持構造体(例えば、細い撓み部の端)までの移行において定められる。連結領域は、典型的には、点状であり、つまり、駆動モード方向における結合支持構造体全体の寸法と比較して小さくなっている。
提案した構造体は、連結領域の距離の増加(または減少)が、基板平面に直交する軸線周りでの結合構造体のより小さい(より大きい)回転柔軟性をもたらすという利点を有している。別の言い方をすれば、連結領域が互いに近いとき、前記直交する軸線周りの結合構造体の回転振動は、連結領域が互いから遠くに離れているときより容易に活性化する。
周波数分離のための幾何学的パラメータ
結合支持構造体が、結合支持構造体の駆動モード方向柔軟性を増加させる場合、小さくした同位相駆動モード周波数を作り出す(逆もまた同様)ように設計されることは、本発明の好ましい実施形態の特定の態様である。つまり、同位相駆動モード周波数と逆位相駆動モード周波数との間の差が、構造体の幾何学的寸法を変更することによって容易に変えることができるという利点を、結合支持構造体は有している。そのため、幾何学的設計は、前記周波数分離を定めるような方法で行われる。
結合支持構造体が、結合支持構造体の駆動モード方向柔軟性を増加させる場合、小さくした同位相駆動モード周波数を作り出す(逆もまた同様)ように設計されることは、本発明の好ましい実施形態の特定の態様である。つまり、同位相駆動モード周波数と逆位相駆動モード周波数との間の差が、構造体の幾何学的寸法を変更することによって容易に変えることができるという利点を、結合支持構造体は有している。そのため、幾何学的設計は、前記周波数分離を定めるような方法で行われる。
結合構造体の振幅
本発明の特定の実施形態によれば、結合支持構造体は、駆動モード方向における並進運動に、望ましくない同位相駆動振動モードにおけるプルーフマスのx軸並進運動の少なくとも10%である振幅を有することを可能にさせる幾何学的設計を有する。そのため、駆動モード方向の並進運動は、結合構造体の全体運動の単なる疑似副作用ではない。しかしながら、これは、装置が作動中であるときに本発明の結合構造体が常に大きい並進振幅を実現することを意味してはいない。むしろ、大きい並進振幅は、センサ信号における妨害外部加速を排除することを可能にする。
本発明の特定の実施形態によれば、結合支持構造体は、駆動モード方向における並進運動に、望ましくない同位相駆動振動モードにおけるプルーフマスのx軸並進運動の少なくとも10%である振幅を有することを可能にさせる幾何学的設計を有する。そのため、駆動モード方向の並進運動は、結合構造体の全体運動の単なる疑似副作用ではない。しかしながら、これは、装置が作動中であるときに本発明の結合構造体が常に大きい並進振幅を実現することを意味してはいない。むしろ、大きい並進振幅は、センサ信号における妨害外部加速を排除することを可能にする。
結合支持構造体
本発明の好ましい実施形態によれば、結合支持構造体は、互いからある距離だけ離れて並べて配置される少なくとも2つの柔軟要素から成る。これは、基板平面に直交する軸線周りの結合構造体の回転柔軟性が、装置を立案していく過程において設定および調節できるという利点を有している。互いに対称であって、好ましくは同一である2つの柔軟要素を用いることは、最も好ましい実施形態の特徴である。しかしながら、3つ以上の柔軟要素を用いることも可能である。
本発明の好ましい実施形態によれば、結合支持構造体は、互いからある距離だけ離れて並べて配置される少なくとも2つの柔軟要素から成る。これは、基板平面に直交する軸線周りの結合構造体の回転柔軟性が、装置を立案していく過程において設定および調節できるという利点を有している。互いに対称であって、好ましくは同一である2つの柔軟要素を用いることは、最も好ましい実施形態の特徴である。しかしながら、3つ以上の柔軟要素を用いることも可能である。
本発明の特定の特徴によれば、少なくとも2つの要素は真っ直ぐな梁である。梁は、その長さと幅との割合に依存する、駆動モード方向における柔軟性(つまり、バネ定数)を有している(センサのマイクロメカニカル要素の厚さは、通常は変更されない寸法である)。代替で、要素は、駆動モード方向において高い柔軟性(「柔らかい」)を有し、感知モード方向において低い柔軟性(「硬い」)を有する折り返しバネであってもよい。
真っ直ぐな梁は、好ましくは、感知モード方向において、互いに並行に配向される。しかしながら、梁を斜めの様態(V字形)に配置することも可能である。感知モード方向に対する傾斜は対称となる。傾斜の角度は、例えば5°であり得るが、好ましくは15°以下であり得る。実際、結合構造体の並進運動は、結合支持体が2つの傾斜した(斜めの)梁を備える場合、厳密には駆動モード方向とはならない。
要素の距離:
少なくとも2つの要素のうちの2つが、範囲0.5≦d1/L1≦1.5(L1=要素の長さ)において互いから距離d1だけ離れていることは、実施形態の特定の特徴である。このような距離は、基板平面に直交する軸線周りの結合構造体の回転運動に十分な抵抗を提供する。好ましくは、2つの要素の相互距離は、要素の長さとおおよそ同じである。
少なくとも2つの要素のうちの2つが、範囲0.5≦d1/L1≦1.5(L1=要素の長さ)において互いから距離d1だけ離れていることは、実施形態の特定の特徴である。このような距離は、基板平面に直交する軸線周りの結合構造体の回転運動に十分な抵抗を提供する。好ましくは、2つの要素の相互距離は、要素の長さとおおよそ同じである。
結合構造体:
好ましい実施形態は、結合構造体が、駆動モード方向(x)に延びる梁(または梃子)と、梁をシャトルマスに連結する少なくとも2つの駆動モードバネとを備えることを特徴とする。駆動モードバネの主要な特徴は、駆動モードバネが感知モード方向においてよりも駆動モード方向においてより柔軟であることである。典型的には、感知モード方向における駆動モードバネのバネ定数は、駆動モード方向における前記バネのバネ定数の2倍を超える(好ましくは、10倍を超える)。つまり、駆動モードバネは、感知モード方向において比較的硬い。
好ましい実施形態は、結合構造体が、駆動モード方向(x)に延びる梁(または梃子)と、梁をシャトルマスに連結する少なくとも2つの駆動モードバネとを備えることを特徴とする。駆動モードバネの主要な特徴は、駆動モードバネが感知モード方向においてよりも駆動モード方向においてより柔軟であることである。典型的には、感知モード方向における駆動モードバネのバネ定数は、駆動モード方向における前記バネのバネ定数の2倍を超える(好ましくは、10倍を超える)。つまり、駆動モードバネは、感知モード方向において比較的硬い。
結合構造体の梁は、基板平面(x-y平面)に平行な平面で矩形形状を有する簡素で真っ直ぐな要素であり得る。梁の幾何学的寸法は、梁がx-y平面で比較的硬いように(つまり、梁がx方向またはy方向で撓められないように)なっている。
梁の代わりにフレーム状の構造体を用いることも可能である。代替で、梁は、矩形でない形状を有してもよい。例えば、梁の幅(つまり、y方向の寸法)は、梁端において先細りとされ得る。
大まかに言って、本発明の結合構造体は、駆動モード方向(x軸)に延びる2つの硬い梁を備えることができ、前記梁は、y方向に関して、振動構造体の両端に配置される。
特別なマイクロメカニカルセンサ装置は、メカニカル結合構造体が2つの駆動モードバネによって各々の駆動マスと連結されることを特徴とする。駆動モードバネは、バネ定数Fxより実質的に大きいバネ定数Fyを有する。駆動モードバネは、折り返し梁の形状を有してもよく、また、例えば、互いに並行な感知モード方向(y軸)に延び、一端において、短い中間要素によって駆動モード方向(x軸)で互いに連結される2つの真っ直ぐな撓み要素から成ってもよい。真っ直ぐな撓み部同士の相互距離は、駆動モード方向のバネの必要な振幅に依存して、非常に小さくてもよい(例えば、撓み部の幅の範囲、または、その幅の2倍の範囲)。
駆動モードバネは、蛇行するような構造体を形成するために、短い中間要素によって連結される3つ以上の平行な撓み要素を有してもよい。他の設計も可能である。撓み要素が互いに並行なことは、強制ではない。駆動モードバネは、駆動モード方向において弾性バネのように機能し、感知モード方向において硬い要素のように機能するように設計される。駆動モードバネは、駆動モード方向の運動の伝達を抑制することができ(なぜなら、駆動モードバネがこの方向において比較的柔らかいためである)、感知モード方向の運動を伝達することができる(なぜなら、駆動モードバネがこの方向において比較的硬いためである)。
本発明は、2つの駆動モードバネに限定されていない。単一の駆動モードバネ、または、3つ以上のこのようなバネを用いることも可能である。
感知モードバネと駆動モードバネとが、感知モード周波数と駆動モード周波数との間の周波数差を作り出すように設計されることは、好ましい実施形態の特徴である。駆動モード周波数は、駆動モードバネの駆動モードバネ定数と、プルーフマスおよび対応するシャトルマスの合計とによって定められる。一方、感知モード周波数は、感知モードバネの感知モードバネ定数と、プルーフマスとによって定められる。大まかに言って、駆動モードバネのバネ定数と感知モードバネのバネ定数とは異なる。
しかしながら、整合モードにおいて装置を作動するために、特定の電子手段を用いて、駆動モード周波数と感知モード周波数との間の差を無効にすることも可能である。整合モードは、閉ループ運転にとって好ましい。
係留部:
本発明の装置は、好ましくは、2つだけの係留部、つまり、懸架支持構造体が取り付けられる2つの係留部を有する。代替で、懸架支持体は、3つ以上の係留部、例えば、懸架支持構造体の柔軟要素の各々のための別々の係留部を有してもよい。装置の可動構造体のより優れたz軸安定性のために、例えば、振動構造体がx-yバネを介して連結される係留部といった、追加の係留部を設けることは有用であり得る。しかしながら、追加の係留部は、可動構造体に温度依存性応力を導入する可能性がある。
本発明の装置は、好ましくは、2つだけの係留部、つまり、懸架支持構造体が取り付けられる2つの係留部を有する。代替で、懸架支持体は、3つ以上の係留部、例えば、懸架支持構造体の柔軟要素の各々のための別々の係留部を有してもよい。装置の可動構造体のより優れたz軸安定性のために、例えば、振動構造体がx-yバネを介して連結される係留部といった、追加の係留部を設けることは有用であり得る。しかしながら、追加の係留部は、可動構造体に温度依存性応力を導入する可能性がある。
懸架構造体用の係留部は、駆動モード方向(x軸)に関して、結合構造体とシャトルマスとの間にある領域に配置されてもよい。代替で、その係留部は、結合構造体によって包囲される領域の外側にあってもよい。
駆動システム:
駆動システムの詳細は次のとおりであり得る。各々のシャトルマスのための駆動電極構造体がある。駆動電極構造体は、基板に取り付けられる第1の電極と、シャトルマスに取り付けられる第2の電極とを備える。2つの電極は、シャトルマスを駆動モード方向(x軸)で振動させるための静電気手段を形成している。
駆動システムの詳細は次のとおりであり得る。各々のシャトルマスのための駆動電極構造体がある。駆動電極構造体は、基板に取り付けられる第1の電極と、シャトルマスに取り付けられる第2の電極とを備える。2つの電極は、シャトルマスを駆動モード方向(x軸)で振動させるための静電気手段を形成している。
駆動電極構造体は、好ましくは、感知モード方向において、シャトルマスと結合構造体との間の領域に配置され、駆動モード方向において、シャトルマスを結合構造体に連結する駆動モードバネ同士の間の領域に配置される。駆動シャトルは、好ましくは、できるだけ小さいマスを有する。例えば、シャトルマスは、プルーフマスの少なくとも10分の1である。シャトルマスは、x-y平面において梁状の矩形形状を有し得る。しかしながら、シャトルマスはフレームの形状を有してもよい。さらに、駆動電極は、シャトルマスに対して横方向に(駆動モード方向に)、または、シャトルマスフレームの内部に配置されてもよい。
別の特別なマイクロメカニカルセンサ装置は、シャトルマスが、プルーフマスの感知モード方向(y軸)における端側に配置され、各々の場合で感知モードバネによってプルーフマスに結合されることを特徴とする。感知モードバネは、駆動モードバネと同様の形状および構造を有してもよく、主な違いは、バネ構造が駆動モード方向の代わりに感知モードで配向されることである。感知モードバネおよび駆動モードバネは、異なる動的挙動(例えば、異なる共振周波数)を必要とし得るため、大まかに言って、形状および寸法が明確に異なる。好ましくは、感知モードバネは、折り返し梁の形状を有する。感知モードバネは、2つの比較的長い真っ直ぐな梁部分と、U字形を提供するために長い梁部分同士を連結する1つの比較的短い梁部分とから成り得る。
特別なマイクロメカニカルセンサ装置は、駆動モードバネの駆動モードバネ定数と、感知モードバネの感知モードバネ定数とが、駆動信号周波数fdが感知信号周波数fsと異なるように異なることを特徴とする。両方の信号周波数fd、fsは、数キロヘルツ(例えば、4kHz)の範囲にあり得る。周波数同士の間の差は、信号周波数(例えば、fs-fd=40-400Hz)の1%〜10%の範囲にあり得る。
特別のマイクロメカニカルセンサ装置は、駆動信号を生成するための駆動電極構造体に連結された駆動電子駆動回路によって、かつ、異なる振動システムの駆動マスの逆位相運動を制御するための駆動回路に一体化された自動ゲイン制御によって、特徴付けられる。
感知電極:
本発明の特定の実施形態によれば、感知電極構造体の各々は、基板に取り付けられる第1の電極要素と、プルーフマスに取り付けられる第2の電極要素とを備える。前記2つの電極要素は、マイクロメカニカルセンサ装置のz軸回転に応答して電気信号を生成するように配置される(本発明の枠組みでは、z軸は基板平面に直交している)。
本発明の特定の実施形態によれば、感知電極構造体の各々は、基板に取り付けられる第1の電極要素と、プルーフマスに取り付けられる第2の電極要素とを備える。前記2つの電極要素は、マイクロメカニカルセンサ装置のz軸回転に応答して電気信号を生成するように配置される(本発明の枠組みでは、z軸は基板平面に直交している)。
感知電極は、y軸に対して対称ではない。しかしながら、感知電極は、静止位置ではx軸に対して対称である。
好ましくは、各々のプルーフマスに対して少なくとも2つの感知電極構造体があり、前記2つの感知電極構造体は、差動検出のための信号を提供するように設計される。
第1の感知電極構造体は、プルーフマスが正の感知モード方向に運動しているとき、正の感知信号または増加する感知信号を生成し、プルーフマスが負の感知モード方向に運動しているとき、負の感知信号または減少する感知信号を生成するように設計され得る。したがって、第2の電極構造体は、反対方向で作動するように、つまり、プルーフマスが正の感知モード方向に運動しているとき、負の感知信号または減少する感知信号を生成し、プルーフマスが負の感知モード方向に運動しているとき、正の感知信号または増加する感知信号を生成するように設計される。
用いられ得る他の検出スキームがある。例えば、追加の感知電極が、感知閉ループ検出スキームが実現されるように感知振動を相殺するために、使用され得る。ある条件では、差動検出なしで機能することも可能である。
特別なマイクロメカニカルセンサ装置は、感知電極構造体のうちの少なくとも1つが、プルーフマス同士の間の領域に配置されることを特徴とする。感知電極構造体は、プルーフマス同士の間の領域全体を占めてもよい。プルーフマスが矩形形状を有し、その矩形の長手軸線が感知モード方向(y軸)で配向される場合、感知電極は矩形の全長を取り得る。
代替で、プルーフマスは、開口を有してもよく、または、フレーム状の設計を有してもよく、感知電極は、プルーフマスのフレームの開口内に配置されてもよい。
感知電極がプルーフマスの縁で直接一体化されておらず、電極が、プルーフマスに堅く連結された梁またはフレームと協働していることも可能である。このような梁は、小さいプルーフマスから所望の方向に突出できるため、プルーフマスからある距離において、電極構造体に最も合った基板上の位置に、感知電極を置くことが可能になり得る。
プルーフマスの両側(駆動モード方向に対して)に配置される感知電極構造体を用いることが好ましい。特に、感知電極構造体は、プルーフマスの長手軸線に対して対称であり得る。
さらなる特別なマイクロメカニカルセンサ装置は、感知電極構造体に連結された、感知信号から駆動モード信号を排除するための復調器を備える感知電子装置によって、特徴付けられる。駆動モード信号は、自動ゲイン制御回路の入力から導き出され得る。感知電子装置は、マイクロメカニカルセンサと同じチップに、または、別のチップに一体化され得る。
本発明の具体的な実施形態によれば、振動構造体(つまり、プルーフマス、シャトルマス、および、シャトルマスをプルーフマスに連結する感知モードバネ)と懸架構造体とは、x軸およびy軸に対して対称である(現在の背景においては、プルーフマスに取り付けられる感知電極は、「振動システム」の定義内にはない。感知電極は、y軸に対称ではない)。
検出方法:
本発明は、マイクロメカニカルセンサ装置でz軸回転を検出するための方法にも関し、方法は、少なくとも
a)駆動信号を生成し、少なくとも2つのプルーフマスが駆動モード方向で振動しているように、少なくとも2つのプルーフマスのうちの1つに各々が結合される少なくとも2つのシャトルマスに、前記駆動信号を適用するステップと、
b)プルーフマスの逆位相駆動モード運動を促進するために、駆動信号を増幅して返すステップと、
c)一方のプルーフマスに取り付けられる第1の電極要素と、マイクロメカニカル装置の基板に取り付けられる第2の電極要素とを各々が有する少なくとも2つの感知電極構造体によって、感知モード方向(感知モード方向は駆動モード方向と異なる)でのプルーフマスの運動のため生成される感知モード信号を検出するステップと、
d)z軸回転速度に対応する検出信号を作り出すために、前記感知モード信号を駆動信号から復調するステップとを含む。
本発明は、マイクロメカニカルセンサ装置でz軸回転を検出するための方法にも関し、方法は、少なくとも
a)駆動信号を生成し、少なくとも2つのプルーフマスが駆動モード方向で振動しているように、少なくとも2つのプルーフマスのうちの1つに各々が結合される少なくとも2つのシャトルマスに、前記駆動信号を適用するステップと、
b)プルーフマスの逆位相駆動モード運動を促進するために、駆動信号を増幅して返すステップと、
c)一方のプルーフマスに取り付けられる第1の電極要素と、マイクロメカニカル装置の基板に取り付けられる第2の電極要素とを各々が有する少なくとも2つの感知電極構造体によって、感知モード方向(感知モード方向は駆動モード方向と異なる)でのプルーフマスの運動のため生成される感知モード信号を検出するステップと、
d)z軸回転速度に対応する検出信号を作り出すために、前記感知モード信号を駆動信号から復調するステップとを含む。
本方法は、前述した本発明のいずれかのマイクロメカニカル装置を用いて実施され得る。
他の有利な実施形態および特徴の組み合わせは、以下の詳細な説明と、請求項の全体とから明らかとなる。異なる特別な特徴が任意の所望の方法で組み合わせられ得ることが、言及される。
実施形態を説明するために用いられる図面が示される。
図では、同じ部品には同じ参照符号が与えられている。
図1は、本発明の好ましい実施形態の概略図を示している。三次元座標系が、明確さの目的のための記載で用いられている。x軸は駆動モード方向に対応しており、y軸は感知モード方向に対応しており、z軸は回転検出軸線に対応している。図面では、z軸は紙面に対して常に垂直である。当然ながら、すべての3つの軸は互いに直交している。
基板1は、当技術で知られているようなシリコンウェーハのチップであり得る。基板1の表面はいわゆる基板平面を定めており、基板平面は、図1で示される構造体の「下に」あるx-y平面に平行である。基板1は、MEMS装置(MEMS=Micro electro-mechanical system(微小電気機械システム))の基体または担持体である。
基板1に組み立てられるセンサ構造体全体は、y軸に対して、かつ、x軸に対しても、実質的に鏡面対称である。矩形の板材の形状を有する2つの同一のプルーフマス2.1、2.2がある。矩形板材の長手軸線AY1、AY2は、y軸に平行である。矩形形状の長さは、好ましくは、矩形の幅(幅はx方向で測定される)の少なくとも1.1倍である。好ましくは、矩形の長さと幅との間の割合は、2:1以下である。
プルーフマス2.1、2.2は、基板平面に平行な運動を実施するために懸架されている。図1で示す可動部品は、基板平面に平行な運動だけを実施するように設計されていることに、留意されたい。つまり、柔軟部品(バネ)は、z軸の方向では比較的硬くなっている。プルーフマス2.1、2.2の長手側において、感知モード電極10.1、・・・、10.8がある。図1に示すように、2つの静止感知モード電極10.2および10.3は、y方向に延びる共通アームを有し、フィンガー電極が共通アームの両側から+x方向および-x方向に広がっている。感知モード電極10.6および10.7についても同じである。図1の好ましい実施形態では、プルーフマス2.1、2.2の各々の長手側において、2つの感知電極10.1および10.5、10.2および10.6、10.3および10.7、10.4および10.8がある。感知電極の各々の対10.1/10.5、10.2/10.6、10.3/10.7、10.4/10.8は、電気検出信号ができるだけ大きくなるように、実質的にプルーフマス2.1、2.2の全長である。感知電極の2つの対10.2/10.6、10.3/10.7は、プルーフマス2.1、2.2の間に整列して配置されている。
プルーフマス2.1、2.2は、固定された感知電極10.1、・・・、10.8に互いにかみ合う関係で設けられているフィンガー電極を有する。そのため、各々の固定された感知電極10.1、・・・、10.8は、プルーフマス2.1、2.2の互いにかみ合う電極フィンガーと共に静電気手段を形成している。
別の言い方をすると、各々の静電気感知手段は、基板1に固定されている静止部品(つまり、多フィンガー電極部品10.1a)と、プルーフマス2.1の長手側に固定されている可動部品(つまり、多フィンガー電極部品10.1b)とを備えている。静止部品および可動部品は、互いに交互配置する多フィンガー構造体を有している。感知電極10.1、・・・、10.8の多フィンガー構造体は、x方向と平行に配向されており、また、y方向(感知モード方向)における運動を検出するように設計されている。前記多フィンガー構造10.1a、10.1bは、プルーフマス2.1、2.2の駆動モード運動を感知しないように設計されている。
プルーフマス2.1、2.2の各々は、それぞれ、4つの感知モードバネ8.1、8.2、8.5、8.6および8.3、8.4、8.7、8.8を介して基板の上方で懸架されている。各々の感知モードバネ8.1、・・・、8.8は、実質的にU字形状を有している。つまり、2つの平行な撓み部(または梁)が、駆動モード方向(x)に配向されており、一端において、短い連結部品によって互いに連結されている。U字形状の自由端である撓み部の両端は、y方向における短い連結部品を介して、一方の側においてプルーフマス2.1および2.2にそれぞれ取り付けられており、他方の側においてシャトルマス7.1、7.3および7.2、7.4にそれぞれ取り付けられている。
各々のプルーフマス2.1および2.2のための2つのシャトルマス7.1、7.3および7.2、7.4がそれぞれある。シャトルマス7.1、・・・、7.4は、すべて同一であり、矩形形状を有している。シャトルマス7.1、・・・、7.4は、プルーフマス2.1、2.2よりかなり小さい。現在の例では、シャトルマス7.1、・・・、7.4は、プルーフマス2.1の幅に相当する長さを有している。シャトルマス7.1、・・・、7.4の幅は、例えば、最大でそれらの長さの5分の1であり得る。シャトルマス7.1、・・・、7.4は、それらの長手軸線が駆動モード方向(x)と平行な状態で配向されている。図1に示すように、プルーフマス2.1、2.2をシャトルマス7.1、・・・、7.4に連結する感知モードバネ8.1、・・・、8.8は、プルーフマス2.1、2.2の各々の長手中心軸線AY1、AY2に対して鏡面対称に配置されている。駆動モードバネの連結部品は、それぞれ、プルーフマス2.1、2.2およびシャトルマス7.1、・・・、7.4の角に(または、角の近くに)固定されている。
シャトルマス7.1、・・・、7.4は、さらに、基板1の上方で駆動モードバネ6.1、・・・、6.8を介して懸架されている。前記バネは、それらの端のうちの第1の端で、感知モードバネ8.1、・・・、8.8に連結されている側の反対のシャトルマス7.1、・・・、7.4の長手側に、連結されている。駆動モードバネ6.1、・・・、6.8の第2の端は、結合梁5.1、5.2に接続されている。本発明の好ましい実施形態によれば、各々のシャトルマス7.1、・・・、7.4は、2つの駆動モードバネ6.1/6.2、6.3/6.4、6.5/6.6、6.7/6.8によってそれぞれ懸架されている。図示するように、駆動モードバネの端は、シャトルマス7.1、・・・、7.4の角に(または、角の近くに)連結されている。
図1の実施形態によれば、駆動モードバネ6.1、・・・、6.8は、蛇行している構造体(折り返し梁)を形成するために、短い接続部品によって連結されている3つの真っ直ぐな撓み部分から成るS字形状またはZ字形状を有し得る。
駆動モードバネ6.1、・・・、6.4は、シャトルマス7.1、7.2を結合梁5.1に連結している。同様の方法で、駆動モードバネ6.5、・・・、6.8は、シャトルマス7.3、7.4を第2の結合梁5.2に連結している。
2つの駆動モードバネ6.1、6.2、シャトルマス7.1、および結合梁5.1は、駆動電極9.1が位置付けられる矩形領域を定める。駆動電極9.1は、少なくとも2つの交互配置する多フィンガー構造体を備え、シャトルマス7.1をx方向に作動するように設計されている。他のシャトルマス7.2、7.3、7.4は、駆動電極9.2、9.3、9.4によって同様の方法で駆動される。
結合梁5.1は、駆動モード方向(x)で配向されており、プルーフマス2.1、2.2の両方の短い側にわたって延びる長さを有している。結合梁5.1は、係留部3.1に連結されている2つの梁4.1、4.2を介して基板1の上方で支持されている。梁4.1、4.2は、互いに並行であり、また、感知モード方向に平行である。梁4.1、4.2は、撓み部の幅より数倍(例えば、少なくとも10倍)大きい距離だけ互いから離れている。本実施形態では、係留部3.1、3.2は矩形形状を有し、係留部3.1、3.2の長手軸線はx軸で配向されている。梁4.1、4.2は、係留部3.1の矩形形状の端の近くで係留部に連結されている。
本実施形態では、懸架構造体の係留部3.1は、感知モード方向において結合梁5.1と感知電極10.2との間に設けられている領域に配置されている。同時に、係留部3.1は、第1のプルーフマス2.1のシャトルマス7.1の駆動モードバネ6.2と、第2のプルーフマス2.2のシャトルマス7.2の駆動モードバネ6.3との間にある。本発明の2つの振動構造体が互いに実質的に鏡面対称なため、係留構造体は、最も好ましくは、結合梁5.1、5.2につき単一の係留部3.1、3.2である。そのため、本実施形態は、ちょうど2つの係留部3.1、3.2と、次のように定められているプルーフマス2.1の懸架構造体とを有している。
・係留部3.1-結合支持梁4.1、4.2-結合梁5.1-駆動モードバネ6.1、6.2-シャトルマス7.1-感知モードバネ8.1、8.2
・係留部3.2-結合支持梁4.3、4.4-結合梁5.2-駆動モードバネ6.5、6.6-シャトルマス7.3-感知モードバネ8.5、8.6
・係留部3.1-結合支持梁4.1、4.2-結合梁5.1-駆動モードバネ6.1、6.2-シャトルマス7.1-感知モードバネ8.1、8.2
・係留部3.2-結合支持梁4.3、4.4-結合梁5.2-駆動モードバネ6.5、6.6-シャトルマス7.3-感知モードバネ8.5、8.6
第2のプルーフマス2.2は、プルーフマス2.1の懸架と対称的な方法で、同様の構造要素によって懸架されている。懸架構造体の係留部3.1は、駆動モード方向(x軸)に対してシャトルマス同士の間の領域に配置される。換言すれば、係留部3.1、3.2は、プルーフマス2.1、2.2の間の領域に置かれている感知電極10.2/10.6および10.3/10.7と(y方向において)直列である。
駆動モードバネ6.1および6.2の柔軟性と、結合梁5.1の長さと、結合支持梁4.1および4.2の柔軟性および相互距離とは、逆位相モードに対する同位相モードシフトの効果を保証するために、システムとして設計される必要がある。
図1の実施形態をまとめると、特別な実施形態は、メカニカル結合構造体が、駆動モード方向(x軸)に延びる2つの梁を備え、感知モード方向(y軸)に対して振動構造体の両端に配置されていることを特徴とする。2つの梁は、互いに直接連結されていないため、互いから独立している。梁の長さは、プルーフマス同士の横方向の距離に、駆動モード方向(x軸)のプルーフマスの1つの幅を2回加えた合計に相当し得る。梁はより短くてもよい(例えば、プルーフマス同士の横方向の距離に、駆動モード方向のプルーフマスの1つの幅を1回加えた合計)。
梁は、その長さに沿って、一定の幅と断面とを有している真っ直ぐな要素であり得る。梁は、先細りとされた端を有してもよい。梁を用いる代わりに、メカニカル結合構造体は、振動システムを取り囲むフレーム構造体を用いてもよい。二重梁構造体またはより複雑な設計を用いることも可能である。
作動:
駆動電極9.1、・・・、9.4は、x方向の振動運動を実施するために、駆動モード周波数f_drive(〜ωd)でシャトルマス7.1、・・・、7.4を活性化する。感知モードバネ8.1、・・・、8.8が駆動モード方向において(駆動モード周波数f_driveで)比較的硬いという事実のため、シャトルマス7.1、・・・、7.4の振動運動は、プルーフマス2.1、2.2に伝達される。駆動モードでは、図1の左手のシステムの振動質量体は、プルーフマス2.1と2つのシャトルマス7.1および7.3とから実質的に成っていることに、留意されたい(同じく振動システムの一部である感知モードバネ8.1、8.2、8.5、8.6の質量は、比較的小さく、この接合点において無視できる)。
駆動電極9.1、・・・、9.4は、x方向の振動運動を実施するために、駆動モード周波数f_drive(〜ωd)でシャトルマス7.1、・・・、7.4を活性化する。感知モードバネ8.1、・・・、8.8が駆動モード方向において(駆動モード周波数f_driveで)比較的硬いという事実のため、シャトルマス7.1、・・・、7.4の振動運動は、プルーフマス2.1、2.2に伝達される。駆動モードでは、図1の左手のシステムの振動質量体は、プルーフマス2.1と2つのシャトルマス7.1および7.3とから実質的に成っていることに、留意されたい(同じく振動システムの一部である感知モードバネ8.1、8.2、8.5、8.6の質量は、比較的小さく、この接合点において無視できる)。
また、(プルーフマス2.1についての)電極9.1、9.3の駆動信号は、逆位相で(反対のプルーフマス2.2についての)電極9.2、9.4の駆動信号に適用される。そのため、プルーフマス2.1、2.2は、矢印P1およびP2によって示すように、逆位相の駆動モードで振動する。
(基板平面に垂直な)z軸周りで装置が回転するとき、コリオリの効果が、y方向において感知モード周波数f_sense(〜ωs)でプルーフマス2.1、2.2を振動させる。2つのマスは、矢印P3、P4によって支持されるように、逆位相で運動する。感知モードバネ8.1、・・・、8.8が感知モード方向において比較的柔らかいため、コリオリの効果によって誘導されるy方向の運動エネルギーは、プルーフマス2.1、2.2に集められ、シャトルマス7.1、・・・、7.4には概して(何らかの実質的な量で)伝達されない。一方において、駆動モードバネ6.1、・・・、6.8によるシャトルマス7.1、・・・、7.4の懸架はy方向において比較的硬く、他方において、結合梁はその中心店回りに回転するようにある柔軟性を有しているという事実のため、感知モード周波数f_senseにおいて、2つの振動構造体の逆位相結合、つまり、一方における「プルーフマス2.1+シャトルマス7.1、7.3」と、他方における「プルーフマス2.2+シャトルマス7.2、7.4」との逆位相結合がある。
感知電極10.1、・・・、10.8は、コリオリの効果によって発生するy方向におけるプルーフマス2.1、2.2の逆位相振動を検出するために使用される。感知電極は、検出(差動測定またはシングルエンド測定を実施すること)のために使用されるだけでもよい。代替で、感知電極は、振動を検出するために、かつ、振動を相殺するために、使用されてもよい(閉感知ループ作動)。
図2は、本発明の装置が基づいている原理を示している。振動質量Mは、
M=md+ms
であり、プルーフマスms(2.1)と駆動シャトルマスmd(7.1)との合計であり、x方向のバネ定数kdと減衰係数λdとを有するバネによって懸架されている。シャトルマスとプルーフマスとは、バネ定数ksを有するバネによって結合されている。x軸およびy軸は図面の平面にあり、検出される回転速度Ωは、x-y平面に垂直である。プルーフマスはx方向およびy方向で可動であり、一方、駆動シャトルマスはx方向(駆動モード方向)で主に可動である。
M=md+ms
であり、プルーフマスms(2.1)と駆動シャトルマスmd(7.1)との合計であり、x方向のバネ定数kdと減衰係数λdとを有するバネによって懸架されている。シャトルマスとプルーフマスとは、バネ定数ksを有するバネによって結合されている。x軸およびy軸は図面の平面にあり、検出される回転速度Ωは、x-y平面に垂直である。プルーフマスはx方向およびy方向で可動であり、一方、駆動シャトルマスはx方向(駆動モード方向)で主に可動である。
マイクロメカニカルセンサ装置は、図2に描写されるような、直交する方向で作動する2つの振動子から成る。駆動システムはx方向に振動し、感知システムはy方向に振動する。駆動システムと感知システムは、逆位相で振動して、バネ定数および減衰定数によって表される2つの振動質量体から成る。
電子装置(好ましくは、集積回路)が、駆動システムの駆動周波数でx方向における安定した逆位相振動を持続するために使用される。この目的のために、2つの電子ループが必要とされ、一方は振動位相専用とされ、他方は振動振幅専用とされる。
図3は、検出原理を示している。Udは、駆動部品の駆動振動を作動するために使用される電圧である。z方向で入力角速度Ω(周波数fa)に曝されると、駆動モードのエネルギーが、コリオリの効果のため、感知モードへと伝送される。感知システムの結果生じた振動は、入力角速度Ω(周波数fa)に依存して変調される振幅を有する、駆動周波数fd(搬送周波数)における振動に相当する(光学感知閉ループ作動では、電圧Usの信号は、プルーフマスの感知モード振幅を無効にしている)。換言すれば、感知モード振動搬送波は、周波数fdと振幅変調周波数faとを有している。
電子装置は、駆動システムの持続される振動を表す駆動信号を用いて(駆動信号は、周波数fdと振幅電圧Udとを有する)、感知信号から、結果生じた感知振動の振幅を抽出するために使用される。
感知開ループ作動では、感知信号は、感知システムの結果生じた振動を表す、測定された静電容量変化に相当している。図3では、駆動電極の静電容量変化がΔCdであり、感知電極の静電容量変化がΔCsである。
感知閉ループ作動では、感知信号は、感知システムの結果生じた振動を相殺するために使用される信号に相当している。
図4は、図1の実施形態の結合支持構造体を示している。梁4.1、4.2は、幅w1と、長さL1と、相互距離d1とを有している。これらは、x方向に弾力性のある2つの平行な柔軟要素を定めている。MEMS層(つまり、すべての懸架されている要素が機械加工される層)の所定の厚さに関して、幅w1に対する長さL1の割合がx方向における梁4.1、4.2の柔軟性を定めている。幅w1は、y方向の梁の弾力性も定めている。2つの梁4.1、4.2の間の距離d1(より具体的には、梁4.1、4.2の長手方向中央軸線(点線)同士の間の距離)は、結合梁5.1の中心軸線c周りの回転柔軟性を定めている(中心軸線cは基板平面に直交している)。
幅w1は距離d1と比較して小さい。例えば、割合d1/w1は10以上であり得る。距離d1は、長さL1と好ましくは同じくらい、つまり、d1/L1≒1である。しかしながら、割合は、範囲0.5≦d1/L1≦1.5にあってもよい。幅w1が距離d1と比較して小さいため、梁4.1/4.2から結合梁5.1への移行部に形成されている接触領域17.1、17.2は、結合梁における小さい位置または点のようなものである。
図5a〜図5cは、結合支持構造体(梁4.1、4.2)によって容易にされている結合梁5.1の運動を示している。図5aは、逆位相感知モード運動を示している。結合梁5.1は、その中心軸線z1(図4参照)周りに回転(旋回)している。回転柔軟性は、2つの弾性要素(梁4.1、4.2)の距離d1によって主に制御される。ある程度までは、前記回転柔軟性は、梁4.1、4.2の幅w1によっても影響される。
図5bは、理論的に可能な同位相感知モード運動を示している。結合梁5.1はy軸に平行に運動する。この運動は、y方向における梁4.1、4.2の柔軟性が図5aに示す回転柔軟性と比較して小さいため、(図5aの逆位相運動の周波数と比較して)より高い周波数にさせられる。そのため、逆位相感知振動周波数は、同位相感知振動周波数と比較して小さくされる。
図5cは、x方向への並進運動を示している。係留部3.1に直交して第1の端で取り付けられ、第2の端で結合梁5.1に取り付けられている真っ直ぐな梁4.1、4.2は、並進運動の間、結合梁5.1の平行な配向を支持している。
図6a〜図6dは、結合支持構造体の様々な実施形態を示している。図6aによれば、弾性要素18.1、18.2は、対称の軸線(点線)に対して、例えば5°〜15°といった角度で配置され得る。
図6bは、折り返し梁構造体19.1、19.2を有する撓み部を示している。折り返し梁構造体のためのさらなる例は、図1に示された駆動モードバネ6.1である。このバネは3つの平行な部分を有しており、それら3つの部分は、それらに直交して配向された短い継ぎ部分によって相互連結されている。このようなバネ設計は、感知モード方向(y)におけるバネ定数の制御において、さらなる自由をもたらす。
図6cは、3つの柔軟要素、特に、3つの梁20.1、20.2、20.3を備えた結合支持構造体を示している。周波数の調和は、外側の梁20.1、20.3を設計することによって主に起こり得る。
図6dは、4つの柔軟要素21.1、・・・、21.4を備えた結合支持構造体を示している。要素は、対21.1/21.2および21.3/21.4で配置され得る。一対の柔軟要素の距離は、対21.1/21.2および21.3/21.4の内側要素21.2、21.3の互いへの距離よりずっと小さくし得る。
図7a〜図7cは、図1の結合構造体および結合支持構造体の変形を示している。図1で用いられた参照符号は、同じ番号の要素の大まかな機能が同じであるが、詳細な幾何学的設計が異なり得ることを示すために、「a」、「b」、および「c」によって変更されている。図7aは、図1の大まかな構造体を示している。シャトルマス7.1a、7.2aは、各々、2つの駆動モードバネ6.1a、6.2aおよび6.3a、6.4aを介して、横結合梁5.1aに連結されている。結合梁5.1aは、2つの駆動モードバネ4.1a、4.2aを介して係留部3.1aに連結されている。要素3.1a〜7.1aが、図1に示す具体的な幾何学的形状と異なる設計を有し得ることに、留意されたい。現在の背景においては、要素の特徴と、それらの互いに対する幾何学的な構成とにのみ、関係性がある。
図7aでは、要素3.1a、4.1a、4.2aは、要素6.1a、・・・、6.4a、7.1a、7.2aと同じ結合梁5.1aの側にある。
図7bの実施形態は、結合梁5.1aが、第2の結合支持構造体によって、つまり、第2の係留部3.1bに連結されている2つの駆動モードバネ4.1b、4.2bによって支持されている点において、図7aにあるものと異なっている。第2の結合支持構造体は、結合梁5.1aの長手軸線に対して鏡面対称で配置されている。この実施形態に関して、駆動モードバネ4.1a/4.1b、4.2a/4.2bに対して折り返し梁バネを用いることは有利であり得る。
図7bの実施形態に対する代替は、係留部3.1bおよび駆動モードバネ4.1b、4.2bだけを用い、要素3.1a、4.1a、4.2aを除外するものであってもよい。つまり、結合支持構造体が、シャトルマス7.1a、7.2aおよびそれらの駆動モードバネ6.1a、・・・、6.4aとは反対の結合梁5.1aの側にある。
図7cは、結合支持構造体が結合梁5.1c内に配置されている実施形態を示している。結合梁5.1cは、中心に、駆動モードバネ4.1c、4.2cおよび係留部3.1cを収容するのに十分な大きさの開口22を有している。
図8a、図8bは、図1の設計に基づいた、空間を節約する設計を示している。2つの横結合梁23.1、23.2は、それらの端に向かって先細りとなっている。懸架された構造体の2つの係留部24.1、24.2は、結合梁、内側駆動モードバネ、および中心感知電極によって画定された四角い自由領域に配置されている。構造体全体の各々の角に4つの駆動電極システム25.1、・・・、25.4があり、つまり、各々のシャトルマスに対して1つの駆動電極システム25.1、・・・、25.4がある。これらの電極構造体は、結合梁、シャトルマス、外側駆動モードバネ、および内側駆動モードバネによって画定された矩形領域に置かれている。4つの駆動電極システム25.1、・・・、25.4は、x軸およびy軸に対して鏡面対称に配置および設計されている。
図8bは、駆動電極システム25.1をより詳細に示している。システムは、8つの固定電極D1.1、D2.1、D1.2、D2.2、A1.1、A2.1、A1.2、A2.2を備えている。固定電極の各々は可動電極Mと協働する。可動電極は、シャトルマスにおいて実装される。固定電極(例えばD1.1)と、協働する可動電極(例えばM)とから成る対は、可変コンデンサの機能を有する静電気手段を定めている。これは、図8bの好ましい実施形態では、電極システム25.1が8つの静電気手段を有していることを意味する。
図8cは、静電気手段の小さい抜粋を示しており、固定電極D1.1および可動電極Mが、好ましい実施形態に従ってどのように協働するかを示している。固定電極D1.1は、y方向に延びる電極アーム30と、多数の電極フィンガー32.1、32.2などとを有している。可動電極Mは、固定電極D1.1、・・・、A2.2の各々のための電極アームを有している。電極アーム31は、固定電極アーム30のように、同等の数の電極フィンガー33.1、33.2を有している。電極の電極フィンガー32.1、32.2、33.1、33.2は、x方向に延びており、長さLだけ互いに交互配置している。電極フィンガー32.1、32.2、33.1、33.2の間の交互配置領域でy方向に延びる隙間34.1、34.2、34.3は、すべて、可動構造体の基本位置においてy方向に同じ幅を有している。隙間34.1、・・・、34.3の長さは、装置の静止位置における電極フィンガー32.1、32.2、33.1、33.2の重複Lに対応している。作動中、フィンガーの重複長さLは、振動構造体の運動に依存して変化する。
本実施形態では、固定電極D(D1.1、D2.1、D1.2、D2.2)が、差動検出D1-D2によってシャトルマス位置を制御するために、使用される。一方において、固定電極D1(つまり、D1.1、D1.2)は、向かい合う可動電極(M)と共に、左側の振動構造体(2.1、7.1)が右へと運動しており、右側の振動構造体(2.2、7.2)が左へと運動しているときに増加していくコンデンサを形成している。他方において、固定電極D2(つまり、D2.1、D2.2)は、向かい合う可動電極(M)と共に、左側の振動構造体(2.1、7.1)が右へと運動しており、右側の振動構造体(2.2、7.2)が左へと運動しているときに低下していくコンデンサを形成している。
固定電極A(A1.1、A2.1、A2.1、A2.2)は、シャトルマスを駆動し、駆動方向における感知バネの硬さのため、結果としてプルーフマスを駆動するために使用される(差動作動)。固定電極A1(つまり、A1.1、A1.2)に加えられる電圧は、左側の振動構造体(2.1、7.1)を右(+x方向)へと運動させ、右側の振動構造体(2.2、7.2)を左(-x方向)へと運動させる静電力を発生させる。固定電極A2(つまり、A2.1、A2.2)に加えられる電圧は、左側の振動構造体を左へと運動させ、右側の振動構造体を右へと運動させる静電力を発生させる。
図9aおよび図9bは、駆動電子装置の好ましい実施形態を示している。4つの駆動電極システム25.1、・・・、25.4(図8a〜図8cに示す幾何学的設計を有し得る)は、図9aに示されるように電気的に接触しており、次のように電子装置に接続されている。
電極D1およびD2の静電容量は、静電容量から電圧への変換器C2Vによってアナログ電圧へと変換され、次に、ADC変換器26によってデジタル値へと変換される。ADC変換器26の出力は駆動制御部27へと入力される。駆動制御部27の出力はDAC変換器28.1へと向かわされ、DAC変換器28.1は、固定電極A1、A2のための2つの逆位相駆動信号を発生させる。可動電極Mには、信号発生器29によって発生するアナログ励起電圧信号が供給される。励起電圧は、静電気手段の静電容量を測定するのに適した周波数を有している。図9bの可変静電容量35.1、・・・、35.4の各々は、4つの駆動電極システム25.1、・・・、25.4に設けられており、図9aに示すように互いに電気的に並列な1つまたはいくつかの機能的に並列な静電気手段を象徴している。
図9a、図9bで示す電子回路は、駆動振動を振幅制御および位相制御と共に持続するための駆動ループを設計する方法を示している。
図10は、感知電極システムの閉ループ作動のための幾何学的設計を含んでいる実施形態を示している。静電気手段は、すべて、複数の交互配置の電極フィンガー(互いにかみ合う電極)を有している。交互配置の電極フィンガーの重複する長さは、すべてのフィンガーについて同じであり、(可動マスの静止位置において)電極フィンガーの長さの50%超であり得る。電極フィンガー同士の間の隙間は、すべてのフィンガーについて同じとは限らない。代替の方法では、大きい隙間および小さい隙間がある。これは、電極フィンガー40.1、・・・、40.3によって図示されている。電極フィンガー40.2と40.1との間の隙間は、電極フィンガー40.2と40.3との間の隙間より実質的に大きい。
可動電極Mがプルーフマスによって定められている。固定感知電極のための4つの異なる機能A1、D1、D2、A2がある。
固定感知電極D(つまり、ROW1、・・・、ROW4のD1およびD2)が、差動検出D1-D2によってプルーフマス位置を検出するために使用されている。
感知電極システムの幾何学的設計(つまり、小さい隙間および大きい隙間の位置、すなわち、互いにかみ合う電極の互いへの相対位置)は、固定電極D1が向かい合う可動電極Mと共にコンデンサを形成し、その静電容量が、左側のプルーフマスが下へと(-y方向)運動しており、右側のプルーフマスが上へと(+y方向)運動しているときに増加していくようになっている。
同時に、幾何学的設計は、左側のプルーフマスが-y方向で移動しており、右側のプルーフマスが+y方向で移動しているときに減少していくコンデンサを、向かい合う可動電極Mと共に固定電極D2が形成するようになっている。
固定電極Aが、逆位相プルーフマス動作を相殺するために使用される(差動作動)。固定電極A1に加えられる電圧は、左側のプルーフマスを-y方向に運動させ、右側のプルーフマスを+y方向に運動させる静電力を発生させる。固定電極A2に加えられる電圧は、左側のプルーフマスを+y方向に運動させ、右側のプルーフマスを-y方向に運動させる静電力を発生させる。
両方のプルーフマスの上方(+x軸)および下方(-x軸)の部品は、x軸に対して対称である。これは図10から明らかであり、電極A1およびA2のフィンガー(および隙間)の幾何学的設計が、x軸に対して対称である。同様の鏡面対称は、電極D1およびD2についても有効である。
図11a、図11bは、(閉ループ作動における)感知静電気手段のための電子回路であって、強制フィードバックがプルーフマス動作を無効にする感知ループを備えた電子回路を示している。
4つの感知電極システムROW1、・・・、ROW4(図10に示す幾何学的設計を有し得る)と可動電極Mとは、図11a、図11bに示されるように電気的に接触しており、次のように電子装置に接続されている。
電極D1およびD2の静電容量は、静電容量から電圧への変換器C2Vによってアナログ電圧へと変換され、次に、ADC変換器41によってデジタル値へと変換される。ADC変換器41の出力は感知制御部42へと入力される。駆動制御部42の出力はDAC変換器43へと向かわされ、DAC変換器43は、固定電極A1、A2のための2つの補償信号を発生させる。可動電極Mには、信号発生器44によって発生するアナログ励起電圧信号が供給される。励起電圧は、静電気手段の静電容量を測定するのに適した周波数を有している。図11bの可変静電容量46.1、・・・、46.4の各々は、感知電極システムに設けられており、図11aに示すように互いに電気的に並列な1つまたはいくつかの機能的に並列な静電気手段を象徴している。
図11a、図11bに示された電子回路は、コリオリの力によって誘導される感知モード振動を補償するための感知ループを設計する方法を示している。そのため、補償がないときに生じる振幅が、制御された静電補償力によって事実上無効とされるため、プルーフマスは、y方向において最小の振幅しか有していない。
図12は、開ループ作動のための感知静電気手段の代替の実施形態を示している。図11a、図11bの実施形態とは対照的に、開ループシステムは、感知モード方向におけるプルーフマスの実質的な振幅を有していない。
可動電極Mがプルーフマスによって定められている。固定感知電極のための2つの異なる機能D1、D2がある。そのため、電極の設計は、より簡単になっているが、図10の閉ループ感知システムのものとなおも同様である。つまり、互いにかみ合うフィンガー電極同士の間の隙間は、すべて同じとは限らないが、(図10の「D1-ROW1」に示すように)代わりに大きくおよび小さくなっている
感知電極システムの幾何学的設計(つまり、小さい隙間および大きい隙間の位置、すなわち、互いにかみ合う電極の互いへの相対位置)は、固定電極D1が向かい合う可動電極Mと共にコンデンサを形成し、その静電容量が、左手のプルーフマス(-x軸)が下へと(-y方向)運動しており、右手のプルーフマス(+x軸)が上へと(+y方向)運動しているときに増加していくようになっている。
同時に、幾何学的設計は、左手のプルーフマスが-y方向で移動しており、右手のプルーフマスが+y方向で移動しているときに減少していくコンデンサを、向かい合う可動電極Mと共に固定電極D2が形成するようになっている。静電気手段は、x軸に関して対称である。
固定電極Dが、差動検出D1-D2によってプルーフマス位置を検出するために使用されている。
図13a、図13bは、(開ループ作動における)感知静電気手段のための電子回路であって、プルーフマスの位置を検出する検出スキームを備えた電子回路を示している。
4つの感知電極システムROW1、・・・、ROW4(図12に示す幾何学的設計を有し得る)と可動電極Mとは、図13a、図13bに示されるように電気的に接触しており、次のように電子装置に接続されている。
電極D1およびD2の静電容量は、静電容量から電圧への変換器C2Vによってアナログ電圧へと変換され、次に、ADC変換器46によってデジタル値へと変換される。差動検出信号DSは、処理回路(図14に示す)へと入力される。可動電極Mには、信号発生器47によって発生し、静電気手段の静電容量を検出するのに適した周波数を有する励起電圧信号が供給される。図13bの可変静電容量49.1、49.2の各々は、感知電極システムに設けられており、図13a(および図12)に示すように互いに電気的に並列な1つまたはいくつかの機能的に並列な静電気手段を象徴している。
図14は、信号処理ステップを概略的に表している。閉ループ感知システム(図11a、図11bで説明されているような)を用いるとき、感知制御回路42の感知制御信号出力SC(図11b)と駆動制御部27の駆動制御信号DC(図9b)とが、復調器DEMODへと供給される。DEMODの出力信号は、検出される回転速度Ωに比例している信号である。DEMODの信号はフィルタに供給され、次に信号処理装置PROCへと供給される。信号処理装置の出力は、(例えば、自動車における)任意の所望のデジタルシステム制御用の入力信号として用いられ得る。
(図13に示すような)感知開ループシステムは、ADC変換器46の出力信号(DS)と、図14の復調器DEMODのための駆動制御信号DC(図9b)とを用いてもよい。
手短に言えば、本発明は、z軸回転速度検出のためのマイクロメカニカルジャイロスコープのためのコンパクトな設計を提案することに、留意されたい。逆位相駆動モードと逆位相感知モードとの間の周波数分離を調節することが、比較的容易である。
1 基板
2.1 プルーフマス
2.2 プルーフマス
3.1 係留部
3.1a 係留部
3.1b 第2の係留部
3.2 係留部
4.1 梁
4.1a 駆動モードバネ
4.1b 駆動モードバネ
4.2 梁
4.2a 駆動モードバネ
4.2b 駆動モードバネ
5.1 結合梁
5.1a 横結合梁
5.1c 結合梁
5.2 結合梁
6.1 駆動モードバネ
6.1a 駆動モードバネ
6.2 駆動モードバネ
6.2a 駆動モードバネ
6.3 駆動モードバネ
6.3a 駆動モードバネ
6.4 駆動モードバネ
6.4a 駆動モードバネ
6.5 駆動モードバネ
6.6 駆動モードバネ
6.7 駆動モードバネ
6.8 駆動モードバネ
7.1 シャトルマス
7.1a シャトルマス
7.2 シャトルマス
7.2a シャトルマス
7.3 シャトルマス
7.4 シャトルマス
8.1 感知モードバネ
8.2 感知モードバネ
8.3 感知モードバネ
8.4 感知モードバネ
8.5 感知モードバネ
8.6 感知モードバネ
8.7 感知モードバネ
8.8 感知モードバネ
9.1 駆動電極
9.2 駆動電極
9.3 駆動電極
9.4 駆動電極
10.1 感知モード電極
10.1a 多フィンガー電極部品
10.1b 多フィンガー電極部品
10.2 感知モード電極
10.3 感知モード電極
10.4 感知モード電極
10.5 感知モード電極
10.6 感知モード電極
10.7 感知モード電極
10.8 感知モード電極
17.1 接触領域
17.2 接触領域
18.1 弾性要素
18.2 弾性要素
19.1 折り返し梁構造体
19.2 折り返し梁構造体
20.1 梁
20.2 梁
20.3 梁
21.1 柔軟要素
21.2 柔軟要素
21.3 柔軟要素
21.4 柔軟要素
22 開口
23.1 横結合梁
23.2 横結合梁
24.1 係留部
24.2 係留部
25.1 駆動電極システム
25.2 駆動電極システム
25.3 駆動電極システム
25.4 駆動電極システム
26 ADC変換器
27 駆動制御部
28.1 DAC変換器
30 電極アーム
31 電極アーム
32.1 電極フィンガー
32.2 電極フィンガー
33.1 電極フィンガー
33.2 電極フィンガー
35.1 可変静電容量
35.2 可変静電容量
35.3 可変静電容量
35.4 可変静電容量
40.1 電極フィンガー
40.2 電極フィンガー
40.3 電極フィンガー
41 ADC変換器
42 感知制御部、感知制御回路
43 DAC変換器
44 信号発生器
46 ADC変換器
46.1 可変静電容量
46.2 可変静電容量
46.3 可変静電容量
46.4 可変静電容量
47 信号発生器
49.1 可変静電容量
49.2 可変静電容量
A 固定電極
A1 固定電極
A1.1 固定電極
A1.2 固定電極
A2 固定電極
A2.1 固定電極
A2.2 固定電極
AY1 長手中心軸線
AY2 長手中心軸線
c 中心軸線
C2V 変換器
d1 相互距離
D1 固定感知電極
D1.1 固定電極
D1.2 固定電極
D2 固定感知電極
D2.1 固定電極
D2.2 固定電極
DC 駆動制御信号
DEMOD 復調器
DS 差動検出信号
fd 周波数
fa 振幅変調周波数
M 可動電極
ms プルーフマス
md 駆動シャトルマス
kd バネ定数
ks バネ定数
L1 長さ
PROC 信号処理装置
ROW1 感知電極システム
ROW2 感知電極システム
ROW3 感知電極システム
ROW4 感知電極システム
SC 感知制御信号出力
Ud 電圧
Us 電圧
w1 幅
z1 中心軸線
ΔCd 駆動電極の静電容量変化
ΔCs 感知電極の静電容量変化
λd 減衰係数
Ω 回転速度、入力角速度
2.1 プルーフマス
2.2 プルーフマス
3.1 係留部
3.1a 係留部
3.1b 第2の係留部
3.2 係留部
4.1 梁
4.1a 駆動モードバネ
4.1b 駆動モードバネ
4.2 梁
4.2a 駆動モードバネ
4.2b 駆動モードバネ
5.1 結合梁
5.1a 横結合梁
5.1c 結合梁
5.2 結合梁
6.1 駆動モードバネ
6.1a 駆動モードバネ
6.2 駆動モードバネ
6.2a 駆動モードバネ
6.3 駆動モードバネ
6.3a 駆動モードバネ
6.4 駆動モードバネ
6.4a 駆動モードバネ
6.5 駆動モードバネ
6.6 駆動モードバネ
6.7 駆動モードバネ
6.8 駆動モードバネ
7.1 シャトルマス
7.1a シャトルマス
7.2 シャトルマス
7.2a シャトルマス
7.3 シャトルマス
7.4 シャトルマス
8.1 感知モードバネ
8.2 感知モードバネ
8.3 感知モードバネ
8.4 感知モードバネ
8.5 感知モードバネ
8.6 感知モードバネ
8.7 感知モードバネ
8.8 感知モードバネ
9.1 駆動電極
9.2 駆動電極
9.3 駆動電極
9.4 駆動電極
10.1 感知モード電極
10.1a 多フィンガー電極部品
10.1b 多フィンガー電極部品
10.2 感知モード電極
10.3 感知モード電極
10.4 感知モード電極
10.5 感知モード電極
10.6 感知モード電極
10.7 感知モード電極
10.8 感知モード電極
17.1 接触領域
17.2 接触領域
18.1 弾性要素
18.2 弾性要素
19.1 折り返し梁構造体
19.2 折り返し梁構造体
20.1 梁
20.2 梁
20.3 梁
21.1 柔軟要素
21.2 柔軟要素
21.3 柔軟要素
21.4 柔軟要素
22 開口
23.1 横結合梁
23.2 横結合梁
24.1 係留部
24.2 係留部
25.1 駆動電極システム
25.2 駆動電極システム
25.3 駆動電極システム
25.4 駆動電極システム
26 ADC変換器
27 駆動制御部
28.1 DAC変換器
30 電極アーム
31 電極アーム
32.1 電極フィンガー
32.2 電極フィンガー
33.1 電極フィンガー
33.2 電極フィンガー
35.1 可変静電容量
35.2 可変静電容量
35.3 可変静電容量
35.4 可変静電容量
40.1 電極フィンガー
40.2 電極フィンガー
40.3 電極フィンガー
41 ADC変換器
42 感知制御部、感知制御回路
43 DAC変換器
44 信号発生器
46 ADC変換器
46.1 可変静電容量
46.2 可変静電容量
46.3 可変静電容量
46.4 可変静電容量
47 信号発生器
49.1 可変静電容量
49.2 可変静電容量
A 固定電極
A1 固定電極
A1.1 固定電極
A1.2 固定電極
A2 固定電極
A2.1 固定電極
A2.2 固定電極
AY1 長手中心軸線
AY2 長手中心軸線
c 中心軸線
C2V 変換器
d1 相互距離
D1 固定感知電極
D1.1 固定電極
D1.2 固定電極
D2 固定感知電極
D2.1 固定電極
D2.2 固定電極
DC 駆動制御信号
DEMOD 復調器
DS 差動検出信号
fd 周波数
fa 振幅変調周波数
M 可動電極
ms プルーフマス
md 駆動シャトルマス
kd バネ定数
ks バネ定数
L1 長さ
PROC 信号処理装置
ROW1 感知電極システム
ROW2 感知電極システム
ROW3 感知電極システム
ROW4 感知電極システム
SC 感知制御信号出力
Ud 電圧
Us 電圧
w1 幅
z1 中心軸線
ΔCd 駆動電極の静電容量変化
ΔCs 感知電極の静電容量変化
λd 減衰係数
Ω 回転速度、入力角速度
Claims (18)
- z軸角速度を測定するためのマイクロメカニカルセンサ装置であって、
a)基板平面および前記基板平面に垂直なz軸を定める基板(1)と、
b)各々が少なくとも1つのプルーフマス(2.1、2.2)を有する少なくとも2つの振動構造体(2.1、2.2、7.1、・・・、7.4)と、
c)前記基板平面に平行な駆動モード方向(x軸)および感知モード方向(y軸)での運動のために、前記基板(1)の上方で前記2つの振動構造体(2.1、2.2、7.1、・・・、7.4)を懸架するための懸架構造体(3.1、3.2、4.1、・・・、4.4、5.1、5.2、6.1、・・・、6.8)と、
d)前記2つの振動構造体(2.1、2.2、7.1、・・・、7.4)を連結する少なくとも1つの結合構造体(5.1、5.2、6.1、・・・、6.8)と、
e)前記結合構造体(5.1、5.2、6.1、・・・、6.8)を少なくとも1つの係留構造体(3.1、3.2)に連結し、前記結合構造体(5.1、5.2)の回転旋回運動を可能にする少なくとも1つの結合支持構造体(4.1、・・・、4.4)であって、前記回転旋回運動が前記基板平面に垂直な回転軸線(z1)を有する、少なくとも1つの結合支持構造体(4.1、・・・、4.4)とを備え、
f)前記振動構造体(2.1、2.2、7.1、・・・、7.4)の各々が、感知モードバネ(8.1、・・・、8.8)によって、前記少なくとも1つのプルーフマス(2.1、2.2)に結合される少なくとも1つのシャトルマス(7.1、・・・、7.4)を備え、前記感知モードバネ(8.1、・・・、8.8)は、各々の振動構造体(2.1、2.2、7.1、・・・、7.4)の振動運動を活性化するために、駆動モード方向(x)においてよりも感知モード方向においてより柔軟であり、
マイクロメカニカルセンサ装置がさらに、
g)前記基板平面に平行な駆動モード運動を活性化するための、各々のシャトルマス(2.1、2.2)のための少なくとも1つの駆動電極構造体(9.1、・・・、9.4)と、
h)前記基板平面に平行な感知モード運動を検出するための、各々のプルーフマス(2.1、2.2)のための少なくとも1つの感知電極構造体(10.1、10.2)と
を備えるマイクロメカニカルセンサ装置において、
i)前記結合支持構造体(4.1、・・・、4.4)が、駆動モード方向(x)において前記結合構造体(5.1、5.2、6.1、・・・、6.8)の並進運動も可能にするように設計されることを特徴とするマイクロメカニカルセンサ装置。 - 前記結合支持構造体(4.1、4.2)が、同位相駆動モード周波数を逆位相駆動モード周波数から分離すると共に、同位相感知モード周波数を逆位相感知モード周波数から分離するように設計されることを特徴とする、請求項1に記載のマイクロメカニカルセンサ装置。
- 前記結合支持構造体(4.1、4.2)が、駆動モード方向のバネ定数より実質的に大きいバネ定数を感知モード方向で有することを特徴とする、請求項1に記載のマイクロメカニカルセンサ装置。
- 前記結合支持構造体(4.1、4.2)が、前記結合構造体(5.1)への少なくとも2つの連結領域(17.1、17.2)を有し、前記連結領域(17.1、17.2)同士が距離(d1)だけ互いから分離され、前記結合支持構造体(4.1、4.2)は、前記距離が同位相感知モード周波数と逆位相感知モード周波数との間の周波数差に寄与するように設計されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のマイクロメカニカルセンサ装置。
- 前記結合支持構造体(4.1、4.2)が、駆動モード方向の前記並進運動を可能にするための駆動モード方向柔軟性を有することと、前記結合支持構造体(4.1、4.2)が、結合支持構造体(4.1、4.2)の前記駆動モード方向柔軟性を増加させる場合、小さくした同位相駆動モード周波数を作り出すように設計されることとを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のマイクロメカニカルセンサ装置。
- 前記結合支持構造体(4.1、4.2)が、互いからある距離だけ離れて並べて配置される少なくとも2つの柔軟要素から成ることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のマイクロメカニカルセンサ装置。
- 前記少なくとも2つの柔軟要素が真っ直ぐな梁であることを特徴とする、請求項6に記載のマイクロメカニカルセンサ装置。
- 前記少なくとも2つの要素のうちの2つが、範囲0.5≦d1/L1≦1.5(L1=要素の長さ)にある距離d1だけ互いから離れていることを特徴とする、請求項6または7に記載のマイクロメカニカルセンサ装置。
- 前記結合構造体(5.1、6.1、・・・、6.4)が、駆動モード方向(x)に延びる梁と、前記梁を前記シャトルマス(7.1、7.2)に連結する少なくとも2つの駆動モードバネ(6.1、・・・、6.4)とを備え、前記駆動モードバネ(6.1、・・・、6.4)は、感知モード方向においてよりも駆動モード方向においてより柔軟であることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のマイクロメカニカルセンサ装置。
- 前記感知モードバネ(8.1、・・・、8.4)と前記駆動モードバネ(6.1、・・・、6.4)とが、前記感知モード周波数と前記駆動モード周波数との間の周波数差を作り出すように設計されることを特徴とする、請求項9に記載のマイクロメカニカルセンサ装置。
- 前記懸架構造体(3.1、4.1、4.2、5.1、6.1、・・・、6.4)が、結合支持構造体(4.1、4.2)によって前記結合構造体(5.1、5.2、6.1、・・・、6.4)が連結される前記係留部以外の係留部を有していないことを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載のマイクロメカニカルセンサ装置。
- 各々のシャトルマス(7.1、7.2)のための駆動電極構造体(9.1、9.2)があり、前記駆動電極構造体(9.1、9.2)が、前記基板に取り付けられる第1の電極と、前記シャトルマス(7.1、7.2)に取り付けられる第2の電極とを備え、前記2つの電極が、前記駆動モードマスを駆動モード方向(x軸)で振動させるための静電気手段を形成することを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載のマイクロメカニカルセンサ装置。
- 前記駆動電極構造体(9.1、9.2)が、感知モード方向において前記シャトルマス(7.1、7.2)と前記結合構造体(5.1、5.2、6.1、・・・、6.4)との間の、駆動モード方向において前記シャトルマス(7.1、7.2)を前記結合構造体(5.1、5.2、6.1、・・・、6.4)に連結する前記駆動モードバネ(6.1、・・・、6.4)同士の間の領域に配置されることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載のマイクロメカニカルセンサ装置。
- 前記感知電極構造体の各々が、前記基板に取り付けられる第1の電極要素と、前記プルーフマス(2.1、2.2)に取り付けられる第2の電極要素とを備え、前記2つの電極要素が、前記マイクロメカニカルセンサ装置のz軸回転に応じて電気信号を生成するために配置されることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載のマイクロメカニカルセンサ装置。
- 前記感知電極構造体(10.2、10.5)のうちの少なくとも1つが、前記プルーフマス(2.1、2.2)同士の間に配置されることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載のマイクロメカニカルセンサ装置。
- 前記懸架構造体の前記係留部(3.1)が、前記駆動モード方向(x軸)に対して前記シャトルマス同士の間の領域に配置されることを特徴とする、請求項15に記載のマイクロメカニカルセンサ装置。
- 前記振動構造体(2.1、2.2、7.1、・・・、7.4)と前記懸架構造体(3.1、3.2、4.1、・・・、4.4、5.1、5.2、6.1、・・・、6.8)とが、x軸およびy軸に関して対称であることを特徴とする、請求項1から16のいずれか一項に記載のマイクロメカニカルセンサ装置。
- 請求項1に記載のマイクロメカニカルセンサ装置でz軸回転を検出するための方法であって、
a)駆動信号を生成し、少なくとも2つのプルーフマス(2.1、2.2)が駆動モード方向で振動しているように、前記少なくとも2つのプルーフマスのうちの1つに各々が結合される少なくとも2つのシャトルマスに、前記駆動信号を適用するステップと、
b)前記プルーフマス(2.1、2.2)の逆位相駆動モード運動を促進するために、前記駆動信号を増幅して返すステップと、
c)前記プルーフマスに取り付けられる第1の電極要素と、前記マイクロメカニカル装置の基板に取り付けられる第2の電極要素とを各々が有する少なくとも2つの感知電極構造体によって生成される感知モード信号を検出するステップと、
d)前記z軸回転に対応する検出信号を作り出すために、前記感知モード信号を前記駆動モード信号から復調するステップと
を含む方法。
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