JP2016507423A - モータバイク用サスペンションスプリングのプリロードを調節する装置及び方法 - Google Patents

モータバイク用サスペンションスプリングのプリロードを調節する装置及び方法 Download PDF

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Abstract

関連付けられるモータサイクルのフレームの部分であって、フォークが少なくとも1つのヒンジピンに対してヒンジ接続されたモータサイクルのフレームの部分と、フレームとフォークとの間に位置付けられ、少なくとも1つのスプリング及び少なくとも1つのダンパを備えて、フレームに対するフォークの少なくとも1つのヒンジピン周りの相対回転を許容するようになっているダンパユニットとを備えるモータサイクル用サスペンションにおいて、フレームに対するフォークのシフトに応じてダンパユニットにかかる荷重を測定する荷重センサと、その荷重センサに動作可能に接続された制御ユニットとを備えると共に、ダンパユニットの調整手段を備え、このダンパユニットの調整手段が、スプリングのプリローディング調整手段及びダンパユニットのダンピング調整手段を備え、プリローディング調整手段が、レストの状態でスプリングに加えられるプリロードを修正するのに適しており、ダンパ調整手段が、スプリングにより誘発される振動のダンピング容量を修正し、制御ユニットが、ダンパユニットの調整手段に動作可能に接続されて、調整手段の設定を、荷重センサから受信した荷重信号に応じて変化させることにより、スプリングのプリローディング及びダンパのダンピングを、ダンパユニットに効果的にかかる荷重に適応させるようになっており、スプリングの目標プリローディング値及びダンパのダンピング値が、ダンパユニットにかかる荷重に応じて制御ユニット内に記憶されることを特徴とするサスペンション。

Description

本発明は、プリローディング及びダンピングの自動調整機構を有するモータサイクル用サスペンション、並びに、それに関連して、モータサイクル用サスペンションの自動調整方法に関する。
知られているように、モータサイクル用サスペンションは、振動ダンパとして働く油圧部と、そのサスペンションによって動作可能に互いに接続された部品、すなわちフレームの部分及び車輪(概して後輪)を弾性的に連結する機械部とからなる。
モータサイクルのセクタでは、リヤサスペンションにおけるスプリングのプリローディング及びダンパ部品の両方を調整することが非常に重要である。これは、乗員が単独で乗る場合もあれば全荷重で乗る場合もあるツーリング車両において特に重要である。乗員のみに対応する最小荷重と、例えば運転者及び同乗者に加えて1つ以上のサドルバッグに対応する全荷重との間の差は極めて大きく、最小荷重から最大荷重への移行時においてリヤサスペンションにかかる静的荷重は実際に倍になる。
従って、モータ式車両の動的性能及び乗り心地性の両方を最適化するために、モータ式車両のリヤサスペンションの機能パラメータを、ダンピング及びプリローディングの両方の点に関して調整する可能性を提供する必要があることは明らかである。逆に、中間的な較正を選択せざるをえない場合もあり、これは、技術プロジェクトパラメータ(technical project parameter)から逸脱した条件下において、最適性能を提供できず乗り心地性が低下することが考えられる。
前述の問題を解決するために、現在では先行技術において幾つかの解決手段が使用されている。
例えば、幾つかの先行技術の解決手段において、メカニカルサスペンションに対するプリローディングの調整は、手動で操作されるノブ又はリングナット及び専用の調節スパナを用いて行われる。近年、幾つかのモータサイクル製造業者は、インストルメントパネル上のメニューを用いて様々なレベル(通常3〜4)にプリローディングを調整することを可能とする電動式システムも導入している。インストルメントパネルは、情報をコントロールパネルへ送り、そのコントロールパネルは、電動モータからなるアクチュエータにコマンドを出す。そして、アクチュエータは、メカニカルデバイスを作動させるチャンバ内のオイルを圧縮し、それによりスプリングを圧縮させる。このようにして、サスペンションにおけるスプリングのプリローディングを異なる設定レベルに変更することができる。あるいは、モータを、プリローディングデバイスに直接外嵌させ、ギヤ及びウォームを用いてそのプリローディングデバイスに連結させることもある。
しかしながら、そのような先行技術の解決手段には幾つかの欠点がある。
実際、プリローディングの調整は、自動ではなく、その代わり使用者によって所定のレベルにリセットする必要があり、この所定のレベルは、モータサイクルに対して必ずしも最適な設定とは限らない。また、モータサイクルの荷重状態を変更すると、使用者はその度に、サスペンションの設定を前述のリングナット又はノブを使用して手動で変更する、あるいは、設定を例えばインストルメントパネル上に設置されたコマンドを用いて半自動的に修正することを思い出す必要がある。
いずれの場合も、先行技術の解決手段は、それにかかる荷重が変化したときにリヤサスペンションのプリローディング及びダンピングの調整を連続的且つ自動的に行なうことを可能にはしない。
従って、先行技術に関して上述したそれらの欠点及び制限を解決する必要性が求められる。
そのような要求は、請求項1に記載のリヤサスペンションによって、また、請求項10に記載のリヤサスペンションの調整方法によって満たされる。
本発明の更なる特徴及び利点は、その好ましい非限定の実施例に関して提供される以下の説明から、より明確に理解可能となろう。
本発明に係るモータサイクル用サスペンションの調整・制御システムの全体概略図である。 図1における細部IIをある角度から見た図を示す。 同様に図1における細部IIを別の角度から見た図を示す。 図2aにおける細部IIIの拡大図を示す。 図2bにおける細部IIIの拡大図を示す。 図1における細部IVの拡大図を示す。 図4における細部Vの拡大断面図を示す。
以下に説明する実施例において共通の要素又は要素の部分は、同一の参照符号を用いて示される。
前述の図面を参照し、参照符号4は、全体に亘り、モータサイクル10に適用される、本発明に係るモータサイクル用サスペンション8の全体概略図を示す。
本発明の目的のために、モータサイクルという用語は、広い意味において考慮されるべきであり、少なくとも2つの車輪、つまり前輪及び後輪を有するあらゆるモータサイクルを含むことを明記する。従って、このような定義は、3つの車輪、例えば前車軸に2つの対になった操舵輪と後車軸に1つの駆動輪とを有するモータサイクルや、前車軸に単一の操舵輪と後車軸に2つの駆動輪とを備えるモータサイクルをも包含する。
好ましくは、モータサイクル用サスペンション8という用語は、サスペンションを意味すると理解され、このサスペンションは、例えば、1つ以上の車輪を有する車軸又はフォーク12、例えばリヤフォークと、このサスペンションに動作可能に接続されたフレーム16との間に設置されるリヤサスペンションである。
本発明がフロントフォークにも適用でき、そのような場合、モータサイクル用サスペンション8が、1つ以上の車輪を有する1つ以上の前車軸と、このサスペンションに動作可能に接続されたフレームとの間に設置されるものであることを明記する。
説明を続けるにあたり、リヤフォーク、すなわちモータ式車両の後車軸を参照するが、本発明がフロントフォーク又は前車軸にも区別なく適用可能であることは理解されたい。
フォーク12及びフレームの両方は、任意の形状や寸法を有するものとすることができ、例えば、トレリス型やボックス型、ダイカスト等とすることができる。
フレーム16は、一体的なものでも複数の部品からなる物でもよく、概して、フォーク12と接合されるフレーム16の部分が、乗員及び/又は同乗者用のサドルを支持する。モータサイクル10におけるフレーム16のこの部分に、フォーク12が少なくとも1つのヒンジピン20に対してヒンジ接続されている。フォーク12とフレーム16とは、直接ヒンジ接続によって直接接続されていてもよいし、リンク機構及び/又は中間サブフレームを介装させることによって接続されてもよい。
サスペンション8は、フレーム16とフォーク12との間に位置付けられたダンパユニット24を更に備える。ダンパユニット24は、少なくとも1つのスプリング28と少なくとも1つのダンパ32とを備えることによって、フォーク12がフレーム16に対して相対的に少なくとも1つのヒンジピン20周りに回転できるようになっている。
一実施例によれば、スプリング28及びダンパ32は、互いに同軸上に、そして好ましくは互いに平行に位置付けられる。
スプリング28は一般にコイルスプリングであり、スプリング28のピッチは固定されていても可変であってもよい。例えば金属又は高分子材料で作られるメカニカルスプリングをエアスプリングで置換してもよい。
ダンパ32は、典型的に油圧型のものであり、油圧油の少なくとも1つのインナースルーバルブ(inner through valve)を提供して、スプリング28により誘発される振動を減衰するようになっている。
本発明に係るサスペンション8は、フォーク12のフレーム16に対するシフトに応じてダンパユニット24にかかる荷重を測定するための荷重センサ36を備える。
好ましくは、荷重センサ36は回転センサであり、この回転センサが、フォーク12と、その回転センサが取り付けられたフレーム16の部分との間の相対回転の角度を測定し、この回転が、ダンパユニットにかかる荷重に相関付けられる。
実際には、ダンパユニット24にかかる荷重に応じて、スプリング28が圧縮且つ/又は伸長して、フレーム16とフォーク12との間の相対回転を可能とする。既知の設計パラメータであるスプリングの剛性、及び、レスト位置と比較したその圧縮/伸長を知ることによって、それにかかる有効荷重を計算することが可能である。
好ましくは、荷重センサ36は、センサ本体40と、このセンサ本体40に対してヒンジ接続されたジョイントアーム44とを備える。センサ本体40及びジョイントアーム44は、フレーム16とフォーク12との相対移動に追従して互いに対して回転できるように、フレーム16とフォーク12とにそれぞれ、又はその逆の対応関係で、拘束されている。
ジョイントアーム44は、直接的に、又は、例えばロッド等の例えばレバー46を介装させることによって、フォーク12又はフレーム16に動的に接続させることができる。
また、サスペンション8は、荷重センサ36に動作可能に接続された制御ユニット48と、ダンパユニット24の調整手段52とを備える。調整手段52は、特に、スプリング28のプリローディング調整手段56及びダンパユニット32のダンピング調整手段60の両方を備える。
特に、プリローディング調整手段56は、レスト状態にあるスプリング28に加えられるプリロードを修正するのに適しており、その結果、プリローディング調整手段56は、プリローディングによるスプリング28のレスト長を修正するのに適している。このように、スプリング28は、そのプリロードを超える荷重が加えられたときのみ、プリロード状態よりも更に圧縮される。更に言い換えれば、スプリング28は、そのプリロードよりも低い荷重が加えられた場合には常に剛体のように挙動する。従って、スプリング28に働くプリロードを変更することによって、ダンパユニットに働く荷重に応じて、路面の粗さを吸収する(filter)かどうかの能力を修正することが可能となる。
一実施例によれば、スプリング28のプリローディング調整手段56は、被加圧流体を圧縮するモータを備えるアクチュエータ64と、その被加圧流体を送達するためのコネクションチューブ68と、コネクションチューブ68に流体接続されて被加圧流体により作動するようになっている、ダンパユニット24のスプリング28の圧縮装置72とを備える。
被加圧流体が、気体、例えば空気と、液体、例えばオイルとの両方を含んでもよいことを明記する。
更なる実施例によれば、スプリング28のプリローディング調整手段56は、直接接続及び/又は動的伝達ベルトを介してスプリング28の圧縮装置72を作動させる電動モータを備えるアクチュエータ64を備える。
ダンパ調整手段60は、スプリング28により誘発される振動を減衰するダンパ32の容量を修正する。
ダンパ32は、通常、油圧型のダンパであり、ピストン80又は閉塞具(obturator)によって分離された液体用の少なくとも2つのコンテインメントチャンバ76,78を備える。ピストン80又は閉塞具は、チャンバ76,78間の液体用の貫通路82を調整する。このような貫通路82の変化によって、スプリング28により誘発される振動を減衰するダンパ32の容量を大幅に修正する
このような変化は、圧縮の挙動と伸長の挙動とに対してそれぞれ異なるように較正されてもよく、例えば、異なる圧縮バルブ83及び伸長バルブ84を設けて、サスペンションの有効伸長又は圧縮に応じた異なるダンピングを有するようにしてもよい。
可能な実施例によれば、ダンパ調整手段60は、適宜チャンバ76,78間の液体の貫通路82を変化させることが可能な閉塞具を備える。一実施例によれば、ダンパ32は、連続的且つ動的な形態で液体用の貫通路を拡大・縮小することが可能な電動ピストン80を備える。このような調整は、例えば、この電動ピストン80に動作可能に接続された制御ユニット48によって、分配される流量を修正することによって行われる。
制御ユニット48は、ダンパユニット24の調整手段52に動作可能に接続されて、調整手段52の設定を、荷重センサ36、例えば回転センサから受信した荷重信号に応じて変化させることにより、スプリング28のプリローディング及びダンパ32のダンピングを、ダンパユニット24に効果的にかかる荷重に適応させるようになっていると好適である。
好ましくは、スプリング28の目標プリローディング値及びダンパ32のダンピング値が、ダンパユニット24に効果的にかかる荷重に応じて制御ユニット48内に記憶される。
好ましくは、調整手段52により行われる調整は同時に行われる。すなわち、ダンパユニット24にかかる荷重が分かっている又は推定されると、スプリング28のプリローディング及びダンパ32のダンピングの両方が同時に調整される。実際には、ダンピングパラメータ及びプリローディングパラメータは互いに対して独立しておらず、例えば、プリロードに対してダンピングが過剰だと、スプリングがそれ自身迅速に伸長又は圧縮するのを妨げられる一方、プリロードに対してスプリングのダンピングが低下していると、実施時、スプリングの振動に対する効果的な減衰が妨げられる。
一実施例によれば、制御ユニット48によって作動される調整手段は、プリローディング調整手段56及びダンピング調整手段60を同時に制御する。
調整手段52は、好ましくは、乗車位置にいる使用者によって操作可能である。例えば、モータサイクル10は、インストルメントパネル96を有し、そのインストルメントパネル96に、ダンパグループ24の調整手段52を操作するためのコマンド、及び/又は、その調整手段52の機能状況を表示するためのディスプレイ100が設けられる。
ここで、本発明に係るモータサイクル用リヤサスペンションの機能そして調整を説明する。
まず初めに、本発明に係るモータサイクル用サスペンショングループを設ける必要がある。つまり、
フレームに対するフォークのシフトに応じてダンパユニットにかかる荷重を判定する荷重センサと、
その荷重センサに動作可能に接続された制御ユニットと、
ダンパユニットの調整手段と
を有し、
ダンパユニットの調整手段が、スプリングのプリローディング調整手段及びダンパのダンピング調整手段を備え、プリローディング調整手段が、レスト状態にあるスプリングに加えられるプリロードを修正するのに適しており、ダンパ調整手段が、スプリングにより誘発される振動のダンピング容量を修正するようになっている、
サスペンションを設ける。
そして、制御ユニットを、ダンパユニットの調整手段に動作可能に接続し、調整手段の設定を、回転センサから受信した荷重信号に応じて変化させることにより、スプリングのプリローディング及びダンパのダンピングの両方を、ダンパユニットに効果的にかかる荷重に適応させるようになっている。
このような調整工程によって、調整のパラメータ(すなわち、プリローディング及びダンピング)が、制御ユニットにより記憶された所定値に基づき設定される。
好ましくは、お分かりのように、調整手段により行われる調整は同時に行われる。すなわち、ダンパユニットにかかる荷重が分かっている又は推定されると、制御手段が、スプリングのプリローディング及びダンパのダンピングの両方を同時に調整する。
好ましくは、ダンパユニットにかかる荷重の推定は、回転センサである荷重センサを用いて行われる。この回転センサが、フォークと、その回転センサが取り付けられたフレームの部分との間の相対回転の角度を測定し、サスペンションにかかる重量が、フォークとフレームのその部分との間の相対回転に基づき計算される。実際には、測定された回転と、フォークのフレームに対するヒンジ接続形状に基づき、ダンパユニットの線形圧縮又は伸長、そしてその結果それにかかる荷重を計算することが可能である。
また、車両が実質的に静止状態のときのサスペンションの機能性と、車両が移動しているときのサスペンションの機能性とを区別することが重要である。
実際には、本発明に係るモータサイクル用サスペンションを調整する方法は、 車両が機能していると共に静止又は最大閾値以下の速度で走行しており、ダンパユニットのスプリングの圧縮が閾値未満であり且つダンパの圧縮値が閾値未満である静的車両状態を識別する工程と、
制御ユニットを用いて静的車両状態を確認し、そしてスプリングのプリローディング調整手段及びダンパのダンピング調整手段を、モータサイクルが静止状態にあるときに識別されたサスペンションにかかる荷重に応じて作動させる工程と
を含む。具体的には、調整手段のパラメータを、制御ユニットにより記憶された静的車両状態用所定値に基づき設定する。
その結果、コントロールパネルが静的車両状態を識別すると、制御ユニットは、調整手段の静止調整、つまり、静的車両状態用の所定値に応じてプリローディングパラメータ及びダンピングのパラメータを修正する。
一実施例によれば、スプリングのプリローディング及びダンパのダンピングの調整プロセスを周期的且つ自動的に繰り返し行うことによって、ダンパユニットにかかる荷重が変化する度にそれらの調整を変化させる。この調整は、制御ユニットが、モータサイクルが静的車両状態にあることを検出したときに繰り返される。
なお、各検証サイクルは所定時間続き、そのような期間又は時間間隔で、制御ユニットは、車両の速度データ、スプリングの圧縮、及び、ダンパの圧縮速度を取得し、車両状態の確認のための検証を行う。静的車両状態が時間間隔全体に亘って確認された場合、制御ユニットは、続けて、スプリングのプリローディング調整手段及びダンパのダンピング調整手段を、モータサイクルが静止状態にあるときに識別されたサスペンションにかかる荷重に応じて作動させる。
制御ユニットは、移動車両状態を識別することもできる。
具体的には、調整方法は、
車両が機能していると共に最小閾値以上の速度で移動走行しており、ダンパユニットのスプリングの圧縮が平均値±許容値と等しく且つダンパユニットの圧縮が平均値±閾値と等しい動車両状態を識別する工程と、
制御ユニットを用いて移動車両状態を確認し、そしてスプリングのプリローディング調整手段及びダンパのダンピング調整手段を、サスペンションにかかる荷重に応じて作動させる工程と
を含み、調整手段のパラメータは、制御ユニットにより記憶された、移動車両状態用の所定値に基づき設定される。
その結果、コントロールパネルが移動車両状態を識別すると、制御ユニットは、調整手段の動的調整を行う、すなわち、移動車両状態に効果的な所定値に応じてプリローディングパラメータ及びダンピングパラメータを修正する。
好ましくは、スプリングのプリローディング及びダンパのダンピングの調整プロセスを周期的且つ自動的に繰り返し行うことによって、ダンパユニットにかかる荷重が変化する度にそれらの調整を変化させる。この調整は、制御ユニットが、モータサイクルが移動車両状態にあることを検出したときに繰り返される。
なお、各検証サイクルは所定時間続き、そのような期間又は時間間隔で、制御ユニットは、車両の速度データ、スプリングの圧縮、及び、ダンパの圧縮速度を取得し、車両状態を確認するための検証を行う。移動車両状態が時間間隔全体に亘って確認された場合、制御ユニットは、続けて、スプリングのプリローディング調整手段及びダンパのダンピング調整手段を、モータサイクルが移動状態にあるときに識別されたサスペンションにかかる荷重に応じて作動させる。
言い換えれば、車両の状態がどうであれ、制御ユニットは、車両の機能状態の検証を周期的に行い、車両が静止状態にあるか移動状態にあるかを識別した後、有効プリローディングパラメータ及びダンピングパラメータが、その静止状態又は運動状態に応じてユニットにより記憶されたものと同じであることを検証する。そのような値間に相違がある場合、制御ユニットは、必要な調整を行う。
これまでの説明からも分かるように、本発明に係るサスペンションは、提示した先行技術の欠点を克服することを可能とする。
具体的には、本サスペンションは、制御ユニットが様々な車両パラメータを読み取ることによって、ダンパユニットにかかる有効荷重に基づきプリローディング及びダンピングのレベルを自動的に調整するという、自動調整機能を実現することを可能とする。
このようにして、使用者は、モータサイクルに加わる荷重に応じた予防調整を何ら行う必要がなく、例えば同乗者の乗降やサドルバッグの追加/除去による荷重の大幅な変化が制御ユニットによって自動的に認識され、その制御ユニットが全ての必要な設定を行って路面の保持及び乗り心地に関して最適性能を維持するようになっているという確信をもてる。
当業者であれば、以下の特許請求の範囲により規定される本発明の保護の範囲内を維持しながら、偶発的な要件や特定の要件を満たすために、上述のサスペンション及び調整方法に数多くの修正や変更を行えるであろう。

Claims (19)

  1. 関連付けられるモータサイクルのフレーム(16)の部分であって、フォーク(12)が少なくとも1つのヒンジピン(20)に対してヒンジ接続されたモータサイクルのフレーム(16)の部分と、
    前記フレーム(16)と前記フォーク(12)との間に位置づけられ、少なくとも1つのスプリング(28)及び少なくとも1つのダンパ(32)を備えて、前記フレーム(16)に対する前記フォーク(12)の前記少なくとも1つのヒンジピン(20)周りの相対回転を許容するようになっているダンパユニット(24)と
    を備えるモータサイクル用サスペンション(8)において、
    前記フレーム(16)に対する前記フォーク(12)のシフトに応じて前記ダンパユニット(24)にかかる荷重を測定する荷重センサ(36)と、
    前記荷重センサ(36)に動作可能に接続された制御ユニット(48)と
    を備えると共に、
    前記ダンパユニット(24)の調整手段(52)を備え、前記ダンパユニット(24)の前記調整手段(52)が、前記スプリング(28)のプリローディング調整手段(56)及び前記ダンパ(32)のダンピング調整手段(60)を備え、前記プリローディング調整手段(56)が、レストの状態で前記スプリング(28)に加えられるプリローディングを修正するのに適しており、前記ダンパ調整手段(60)が、前記スプリング(28)により誘発される振動のダンピング容量を修正し、
    前記制御ユニット(48)が、前記ダンパユニット(24)の前記調整手段(52)に動作可能に接続されて、前記調整手段(52)の設定を、前記荷重センサ(36)から受信した荷重信号に応じて変化させることにより、前記スプリング(28)のプリローディング及び前記ダンパ(32)のダンピングを、前記ダンパユニット(24)に効果的にかかる荷重に適応させるようになっており、
    前記スプリング(28)の目標プリローディング値及び前記ダンパ(32)のダンピング値が、前記ダンパユニット(24)に効果的にかかる荷重に応じて前記制御ユニット(48)内に記憶されることを特徴とするサスペンション(8)。
  2. 前記荷重センサ(36)が回転センサであり、前記回転センサが、前記フォーク(12)と、前記回転センサが取り付けられた前記フレーム(16)の前記部分との間の相対回転の角度を検出し、前記回転が、前記ダンパユニット(24)にかかる荷重に相関付けられている、請求項1に記載のサスペンション(8)。
  3. 前記回転センサ(36)が、センサ本体(40)と、前記センサ本体(40)に対してヒンジ接続されたジョイントアーム(44)とを備え、前記センサ本体(40)及び前記ジョイントアーム(44)が、前記フレーム(16)と前記フォーク(12)との相対移動に追従して互いに対して回転できるように、前記フレーム(16)と前記フォーク(12)とにそれぞれ、又はその逆の対応関係で、拘束されている、請求項2に記載のサスペンション(8)。
  4. 前記スプリング(28)の前記プリローディング調整手段(56)が、被加圧流体を圧縮する小型モータを備えるアクチュエータ(64)と、前記被加圧流体を送達するためのコネクションチューブ(68)と、前記コネクションチューブ(68)に流体接続されて前記被加圧流体により作動するようになっている、前記ダンパユニット(24)の前記スプリング(28)の圧縮装置(72)とを備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載のサスペンション(8)。
  5. 前記スプリング(28)の前記プリローディング調整手段(56)が、直接接続及び/又は動的伝達ベルトを介して前記スプリング(28)の圧縮装置(72)を作動させる小型電動モータを備えるアクチュエータ(64)を備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載のサスペンション(8)。
  6. 前記ダンパ調整手段(60)が、ピストン(80)によって分離された液体用の少なくとも2つのコンテインメントチャンバ(76,78)を備えるダンパ(32)を備え、前記ピストン(80)が、前記チャンバ(76,78)間の液体用の移送開口(82)を調整し、前記ピストン(80)が、電動で連続的且つ動的な形態で液体用の前記通過開口(82)を拡大・縮小するようになっている、請求項4又は5に記載のサスペンション(8)。
  7. 前記スプリング(28)及び前記ダンパ(32)が、互いに同軸上に位置付けられている、請求項1〜6のいずれか一項に記載のサスペンション(8)。
  8. 前記調整手段(52)により行われる調整が同時に行われる、すなわち、前記ダンパユニット(24)にかかる荷重が分かっている又は推定されると、前記制御手段が、前記スプリング(28)のプリローディング及び前記ダンパ(32)のダンピングの両方を同時に調整する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のサスペンション(8)。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のサスペンションを少なくとも1つ備えるモータサイクルであって、
    インストルメントパネル(96)を有し、前記インストルメントパネル(96)に、前記ダンパグループ(24)の前記調整手段(52)を作動させるためのコマンド、及び/又は、前記調整手段(52)の機能状態を表示するためのディスプレイ(100)が設けられた、モータサイクル。
  10. モータサイクルに適用される、請求項1〜8のいずれか一項に記載のモータサイクル用サスペンション(8)の調整方法であって、
    前記フレーム(16)に対する前記フォーク(12)のシフトに応じて前記ダンパユニット(24)にかかる荷重を判定する荷重センサ(36)、及び、前記荷重センサ(36)に動作可能に接続された制御ユニット(48)を設ける工程と、
    前記ダンパユニット(24)の調整手段(52)を設ける工程であって、前記ダンパユニット(24)の前記調整手段(52)が、前記スプリング(28)のプリローディング調整手段(56)及び前記ダンパ(32)のダンピング調整手段(60)を備え、前記プリローディング調整手段(56)が、前記スプリング(28)に加えられるプリローディングを修正するのに適しており、前記ダンパ調整手段(60)が、前記スプリング(28)により誘発される振動のダンピング容量を修正するものである工程と、
    前記制御ユニット(48)を前記ダンパユニット(24)の前記調整手段(52)に動作可能に接続する工程と、
    前記調整手段(52)の設定を、前記荷重センサ(36)から受信した荷重信号に応じて変化させることにより、前記スプリング(28)のプリローディング及び前記ダンパ(32)のダンピングの両方を、前記ダンパユニット(24)に効果的にかかる荷重に適応させる工程と
    を含み、
    前記調整手段(52)のパラメータが、前記制御ユニット(48)により記憶された所定値に基づき設定される、調整方法。
  11. 前記荷重センサ(36)が回転センサであり、前記回転センサが、前記フォーク(12)と、前記回転センサが取り付けられた前記フレーム(16)の前記部分との間の相対回転の角度を検出し、前記サスペンションにかかる重量が、前記フォーク(12)と前記フレーム(16)の前記部分との間の相対回転に基づき計算される、請求項10に記載のモータサイクル用サスペンションの調整方法。
  12. モータサイクルに適用される、請求項10又は11に記載のモータサイクル用サスペンションの調整方法であって、
    車両が機能していると共に静止又は最大閾値以下の速度で走行しており、前記ダンパユニット(24)の前記スプリング(28)の圧縮が閾値未満であり且つ前記ダンパ(32)の圧縮値が閾値未満である静的車両状態を識別する工程と、
    制御ユニット(48)を用いて前記静的車両状態を確認し、そして前記スプリング(28)の前記プリローディング調整手段(56)及び前記ダンパ(32)の前記ダンピング調整手段(60)を、静的モータサイクル状態にあるときに識別されたサスペンションにかかる荷重に応じて作動させる工程と
    を含み、
    前記調整手段のパラメータを、前記制御ユニット(48)により記憶された、静的車両状態用所定値に基づき設定する、調整方法。
  13. 前記スプリング(28)のプリローディング及び前記ダンパ(32)のダンピングの調整プロセスを周期的且つ自動的に繰り返し行うことによって、前記ダンパユニット(24)にかかる荷重が変化する度にそれらの調整を変化させ、前記調整は、前記制御ユニット(48)が、前記モータサイクルが前記静的車両状態にあることを検出したときに繰り返される、請求項10〜12のいずれか一項に記載の調整方法。
  14. 前記スプリング(28)のプリローディング及び前記ダンパ(32)のダンピングの調整プロセスによって、車両の速度データ、前記スプリング(28)の圧縮、及び、前記ダンパ(32)の圧縮速度の取得が、所定の持続時間を有する時間間隔又は期間で行われ、その間、前記制御ユニット(48)は、データを取得し、前記静的車両状態の確認のための試験を行い、前記静的車両状態が時間間隔全体に亘って確認された場合、前記制御ユニット(48)は、続けて、前記スプリング(28)の前記プリローディング調整手段(56)及び前記ダンパ(32)の前記ダンピング調整手段(60)を、モータサイクルが静止状態にあるときに識別された前記サスペンションにかかる荷重に応じて作動させる、請求項10〜13のいずれか一項に記載の調整方法。
  15. 車両が機能していると共に最小閾値以上の速度で移動走行しており、前記ダンパユニット(24)の前記スプリング(28)の圧縮が平均値±許容値と等しく且つ前記ダンパ(32)の圧縮速度が平均値±閾値と等しい移動車両状態を識別する工程と、
    前記制御ユニット(48)を用いて前記移動車両状態を確認し、そして前記スプリング(28)の前記プリローディング調整手段(56)及び前記ダンパ(32)の前記ダンピング調整手段(60)を、前記サスペンションにかかる荷重に応じて作動させる工程と
    を含み、
    前記調整手段(52)のパラメータが、前記制御ユニット(48)により記憶された、前記移動車両状態用の所定値に基づき設定される、請求項10〜14のいずれか一項に記載の調整方法。
  16. 前記スプリング(28)のプリローディング及び前記ダンパ(32)のダンピングの調整プロセスを周期的且つ自動的に繰り返し行うことによって、前記ダンパユニット(24)にかかる荷重が変化する度に調整を変化させ、前記調整は、前記制御ユニット(48)が、前記モータサイクルが前記移動車両状態にあることを検出したときに繰り返される、請求項15に記載の方法。
  17. 前記スプリング(28)のプリローディング及び前記ダンパ(32)のダンピングの調整プロセスによって、車両の速度データ、前記スプリングの圧縮、及び、前記ダンパの圧縮速度の取得が、所定の持続時間を有する時間間隔又は期間で行われ、その間、前記制御ユニット(48)は、データを取得し、前記移動車両状態の確認のための試験を行い、前記移動車両状態が時間間隔全体に亘って確認された場合、前記制御ユニット(48)は、続けて、前記スプリング(28)の前記プリローディング調整手段(56)及び前記ダンパ(32)の前記ダンピング調整手段(60)を、モータサイクルが移動状態にあるときに識別された前記サスペンションにかかる荷重に応じて作動させる、請求項15又は16に記載の調整方法。
  18. 前記調整手段(52)により行われる調整が同時に行われる、すなわち、前記ダンパユニット(24)にかかる荷重が分かっている又は推定されると、前記制御手段(48)が前記スプリング(28)のプリローディング及び前記ダンパ(32)のダンピングの両方を同時に調整する、請求項10〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記制御ユニット(48)により作動される前記調整手段は、前記プリローディング調整手段(56)及び前記ダンピング調整手段(60)を、別体のアクチュエータを用いて制御する、請求項10〜18のいずれか一項に記載の方法。
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