本発明は、治療領域の治療のために活性種を備えるガスプラズマを環境大気圧において形成する装置であって、装置は、治療領域の治療のためにガスプラズマを形成する少なくとも1つのプラズマセルであって、ソースからガスを受け取る入口およびセルで生成された活性種を放出する出口と、入口から出口まで搬送されるガスの流路の周りに封入された誘電体基板と、活性種を形成するように流路に沿ってガスを付勢するために誘電体基板の上または中に形成された電極と、誘電体基板を活性種との反応から保護するために誘電体基板の内部表面に形成された誘電体で出来た保護被覆とを備える、少なくとも1つのプラズマセルを備え、装置は、誘電体基板と誘電体基板の上または中に形成された電極とを備える接地電極であって、少なくとも1つのプラズマセルを実質的に取り囲み、少なくとも1つのプラズマセルに少なくとも部分的に重なる接地電極を、さらに備える装置を提供する。
少なくとも1つのプラズマセルおよび接地電極によって作り出された電界の作用は、非熱的プラズマを供給するために必要な電力を低減するのに役立つので、本発明の装置は有利である。
少なくとも1つのプラズマセルおよび/または接地電極の、誘電体基板は、ポリイミドで作られている。ポリイミドは、それらが軽量で、柔軟で、熱および化学物質に耐性があり、高い絶縁耐力を有し、プリントされた電気部品のために基板の役割を果たすことが可能であるという利点がある。
好ましくは、保護被覆は、一般に活性種と反応的でない、ポリ四フッ化エチレン、フッ化エチレンプロピレンまたはシリコーンゴムの1つから選択された材料で作られている。保護被覆は、セルで生成された活性種と一般に反応的でない材料で作られることが出来る。
1つの好ましい実施形態において、少なくとも1つのプラズマセルの電極、および/または接地電極は、それぞれの誘電体基板に導電材料をパターニングすることによって形成される。電極は、好ましくはプリントされることが出来、または、それぞれの誘電体基板に転写された繊維性マトリックスで形成されることが出来る。
好ましくは、少なくとも1つのプラズマセルの誘電体基板は、柔軟であり、流路を画定するように形づくられる。好ましい実施形態において、少なくとも1つのプラズマセルの誘電体基板は、流路を囲む柔軟な管によって形成される。
保護シースは、好ましくは、電極を保護するように、少なくとも1つのプラズマセルの誘電体基板および電極の周りに形成される。
1つの好ましい実施形態において、装置は複数のプラズマセルを有するプラズマ・セル・アレイを備える。
もう1つの実施態様において、本発明は、先行する請求項のいずれかで主張されるような装置のためのプラズマセルに関連している。
本発明による装置は、ポリイミドで出来た誘電体基板に電極を形成することと、セル入口からセル出口までガスの流路を形成するように誘電体基板を構成することと、基板を活性種との反応から保護するために誘電体基板の内部表面に保護的な誘電体被覆を形成することとによって、作られることが出来る。
電極は誘電体基板上にパターン形成されることが出来る。
パターン形成される電極は、プリントによって誘電体基板上に被着させられる、または誘電体基板に転写された繊維性マトリックスで形成されることが出来る。
誘電体基板は柔軟であり、基板上の電極の形成の後に基板は入口と出口との間に流路を囲むように形づくられる。
誘電体基板は装置内の型の形状に合うように形づくられることが出来る。
保護被覆は、セルで生成された活性種と一般に反応的でない材料で作られることが出来る。
方法は、誘電体基板およびパターン形成された電極の周りに誘電体で出来た保護シースを形成することを備えることが出来る。
本発明がより明確に理解されるために、単なる例として与えられる本発明のいくつかの実施形態が、添付の図面を参照して以下により詳細に説明されるであろう。
図1を参照すると、歯などの人または動物体の一部とすることが出来る治療領域の治療のためにプラズマの流れを提供する装置10が示される。装置は、治療領域の治療のために、ノズル14を通って放出される活性種を備えるガスプラズマを環境大気圧において形成するプラズマセル12を備える。圧力は厳密な環境大気圧を維持するように制御される必要はないが、著しい正圧または負圧は図1の実施例では一般に回避されるべきである。
プラズマセル12は、ソース18からガスを受け取る入口16と、セルで生成された活性種を放出する出口20とを備える。誘電体基板22は入口から出口まで搬送されるガスの流路24の周りに封入される。電極26は誘電体基板の外面上に形成され、活性種を形成するように流路に沿ったガスを付勢するために電気コネクタ30によって電力源28に接続される。電極26は、誘電体基板22に埋め込まれる、または基板の間に挟まれることが出来る。電力源は、例えば100MHzで2.5kVの実効値のように、セル内のガスを付勢するために適切に高い電圧および周波数で電極を駆動するように設計されるが、基板を通り抜けて導電性経路が形成されることを回避するために、電圧は誘電体基板の絶縁耐力を超えてはならない。電源は同様に、パターン形成された電極構成の経路を溶かして必然的にショートさせる原因となる電極構成を過負荷にしないように構成されるべきである。筐体29は装置の構成要素を収納する。
プラズマセルを通って取り出された、拡大された第2節で説明した構成が図2に示される。本実施例の電極26は、らせん状の形をとり、ほぼ円筒状の誘導体基板22の外面に転写される。電極は、プラズマセルでほぼ一様な電界を作り出すように規則的なパターンを有する。保護ライニング32は、セル12で生成された活性種の誘電体基板22との反応を抑えるために誘電体基板の内側表面に位置している。このような反応はもし許されるならば、誘電体基板の質を低下させ、その電気絶縁性または絶縁耐力を低減し、セルで電極とガスとの間の電気伝導をもたらすであろう。このような伝導は、プラズマを加熱し、電力を消耗させ、好ましくない活性種を作り出すことが出来る、アーク発生につながるかもしれない。保護シース34は電極および誘電体基板を取り囲み、内部のセル構成要素を物理的な損傷から保護する。本実施例のシース34は、高電圧への暴露からプラズマセルの外部領域を守る誘電体で作られている。プラズマセルの外部領域は通常空気を含み、高電圧は、シースによって保護されなければ、空気中の酸素を付勢することによってオゾンを作り出すであろう。
保護ライニング32によって提供される保護は、保護ライニング32が存在しない場合よりも、誘導体基板22のための材料の選択肢が多いことを意味する。後者の場合、基板22は、その必要とされる電気的特性に加えて、セルで生成される活性種と反応的でないことが必要とされるであろう。活性種は、それからプラズマが生成されアルゴンまたは窒素とすることが出来る、原料ガスに依存する。従って、基板22は、適切な電気的特性を有するが一般に活性種と反応的なポリイミドで作られていてもよい。保護ライニング32は、一般に活性種と反応的でない、ポリ四フッ化エチレン、フッ化エチレンプロピレンまたはシリコーンゴムなどの材料で作られていることが出来る。セルの複合構造は、必要とされる電気的特性を有するが使用の間に著しく質が低下しないであろう構成を提供する。
誘電体基板22は任意の適切な誘電体媒質で作られていることが出来、5mmより少ない、好ましくは2mmより少ない、およびより好ましくは1mmより少ない厚さを有し、好ましくは薄い。セルで放電ガスを横切って生成される電界は増加する厚さによって低減されるから、薄い基板は、低減された電力消費量でより高い強度の電界が生成されることを可能にする。しかしながら、多くの誘電体媒質は、チャンバで大気プラズマを生成するのに十分高い電界に暴露されたとき壊れることに抵抗するために薄いとき特に不十分な強度を有することは注意されたい。従って、選択された誘電体基板22の絶縁耐力は、電極からセル内のガスへの著しい電気伝導に抵抗するのに十分であるべきである。以下により詳細に説明されるように、誘電体材料は、良好な電気的特性を有し、多くの異なった形状のどの1つにでも構成されることが出来ることを意味する可撓性材料である、ポリイミドとすることが出来る。
ポリイミドはイミド単量体の重合体である。ポリイミドは軽量で、柔軟で、熱および化学物質に耐性があり、高い絶縁耐力を有し、プリントされた電気部品のために基板の役割を果たすことが可能である。本発明における使用のために適切なポリイミドおよびそれらの準備は、例えば、米国特許第3179634号で説明される。ポリイミドを準備するよく知られた処理手順は、対応するポリ(アミド)酸をもたらすように、N、N−ジメチルアセトアミド(DMAc)またはN−メチルピロリドン(NMP)などの双極性非プロトン性溶媒中で環境条件において二無水物およびジアミンを反応させることを伴う、2段階のポリ(アミド酸)プロセスである。この酸はそれから最終的なポリイミドに環化される。このようなポリイミドは商業的に、特に商標KAPTONの下で売られている。KAPTON製品で最も広範囲にわたって使用されるポリイミドは、単量体ピロメリット酸二無水物および4、4’−オキシジアニリンを利用すると思われている。
いくつかの商業的なポリイミド製品は他の合成樹脂材料との積層物である。このような積層物は、米国特許第3616177号および米国特許出願公開第2005/0013988A1号で開示されている。後者の文献は、特にポリイミドコア層および高温フッ素重合体結合層を備える誘電体基板に関連している。
ポリイミドを、その曲げ強さを強化するために黒鉛またはグラスファイバと、そしてその熱伝導率を強化するために金属と、混ぜ合わせることは同様に知られている。電気のコロナ放電に耐性があるポリイミドの等級を提供することがさらに知られている。例えば、このような製品は、KAPTON CRおよびKAPTON FCRとして商業的に利用可能である。ポリイミドのコロナ放電に耐性がある形態は、例えば、米国特許第3389111号から知られている。その明細書で開示された組成物は、ある一定の有機金属化合物、特に、その化合物の中で金属が炭素を通って分子の有機的な部分に結合される、元素の周期表のグループIVbおよびVbから選択された元素または鉄の芳香族、脂肪族または芳香脂肪族化合物を含む。
別の適切なポリイミドは、カネカテキサス株式会社によって作られたAF型芳香族ポリイミドであるAPICALポリイミドフィルムである。このポリイミドは選択された特定のフィルムに依存して118〜197kV/mmの範囲の絶縁耐力を有する。
電極26は、銅から作られ、蒸着またはエッチングのような、プリント回路基板の製造で使用される技術によって誘電体基板22にプリントされることが出来る。しかしながら、プリント回路基板では、高い電界は一般に望ましくないのに対して、電極パターンはプラズマセルで高い電界を生成するように構成される。さらにプリント回路基板では、配線は基板の片側で形成され、ビアを相互に接続することによって、基板の反対側に位置している構成要素間で電気信号を搬送するために主に使用される導電体としての役割を果たす。本発明において、電極パターンは信号を搬送せず、例えば1kVの(またはもっとずっと大きい)、高い電位での使用のために設計される。
保護シース34は、電極パターンおよび基板と装置内の環境条件との間に物的障壁を構成し、同様に、セルをほぼ円筒状または他の望ましい形状に維持する構造的な支持を提供する。従って、保護シース34はポリエーテルブロックアミドなどの熱可塑性物質で作られることが出来る。保護シース34は同様に好ましくは電極とプラズマセルの外側との間に電気的絶縁を提供する誘電体である。代わりに、誘電体層が誘電体基板22および電極26を覆ってもよく、1つまたは複数の他の層が誘電体層22を覆ってもよい。
1つまたは複数の接着性の層、1つまたは複数のさらなる電極パターン、または1つまたは複数の誘電体層などの、さらなる層が、積層プラズマセルに供給されてもよい。
図3を参照すると、そのまたはそれぞれの電極が蒸着またはエッチングなどのプリントによって誘電体基板に転写されたプラズマセル40がより詳細に示されている。同様の符号は、上述の特徴を示すために使用され、簡潔にするため再び説明されない。セル40は、共にプリント回路基板の製造で知られるプリント技術によって誘電体基板46にプリントされた、第1の電極42および第2の電極44を備える。第2の誘電体層48はパターン形成された電極を覆い、セルを保護し電気的に絶縁する。ガス導管49はガスのソースからプラズマセルまでガスを搬送する。保護ライニング32は図の簡潔さのために図3では示されない。
好ましいプラズマセル製造方法において、電極42、44は、本実施例ではセルの出口20を形成する先細りの前部を伴う円筒である、望ましい形状にプリント後に基板が形成されることが出来るように柔軟なポリイミドなどのほぼ平面な誘電体基板にプリントされる。ほぼ長方形の平面基板は円筒に形成され、そして次に、基板を円筒形状で確保するために基板の長手方向の端はつなぎ合わされ固定される。この点について、平面基板への電極のプリントは、円筒状基板にプリントするより容易で安価に達成され、平面基板へのプリントには標準的なプリント回路基板製造設備が即応出来る。けれどももちろん、本発明は、円筒状基板上にプリントするかまたは他の方法でパターニングすることを妨げない。
フレキシブル電子回路、またはいわゆるフレックス回路は他の技術分野で知られていて、例えばカメラや携帯電話で使用される。このような分野で、電子部品は、ポリイミド、PEEKまたは透明な導電性のポリエステルフィルムなどの柔軟な合成樹脂基板上に取り付けられる。さらに、フレックス回路はポリエステル上にスクリーン印刷された銀回路とすることが出来る。これらのフレキシブルプリント回路(FPC)は通常フォトリソグラフィによって作られる。フレキシブル箔回路を作る代替の方法は、ポリエチレンテレフタレートの2つの層の間に非常に薄い(例えば0.07mm)銅ストリップを積層することである。通常厚さ0.05mmのこれらのポリエチレンテレフタレート層は、熱硬化性の接着剤で被覆され、積層プロセス中に活性化されるであろう。これらの技術は本発明のプラズマセルの生産に使用することが出来る。しかしながら、周知のフレキシブル回路基板は低周波数で低電位をもたらすように設計されるのに対し、本発明のプラズマセルの電極構成は高電圧(例えば、1〜3kV)および高周波数(例えば、100kHzを超える)をもたらすように設計されることは、注意されたい。
誘電体基板の柔軟性はそれが装置内の型に合うように形づくられることが出来ることを意味する。型は例えば石英管、またはノズルアタッチメントの一部であってもよい。この基板の柔軟性は、より効率的な空間の使用につながり、装置のサイズの減少、またはもし好まれるなら電力源のような装置内の他の構成要素のサイズの許容可能な増加に貢献する、装置内でのプラズマセル配置に対するより多くの適用範囲を可能にする。
図3に示された実施例において、2つの電極が示され電気コネクタ52、54によって電力源に接続されている。コネクタおよび電極パターンは、セルの他の構成要素が取り除かれた図3dで最も明確に見られることが出来る。パターンはセルでの活性種の生成を強化するように構成され、コイル、ジグザグまたは曲線状のトラックなどの任意の適切な形状から成ることが出来る。パターンをプリントすることは、著しい出費なしで、かつトラック間でショートする危険なしで、複雑で適切なパターンが作り出されることを可能にする。好ましくは、セル内でガスにほぼ一様な電界が適用されるように、パターンは可能な限りセルの表面の多くを覆う。急な角または尖った先端のような領域は比較的高い数の電荷キャリアを引きつけることが出来、それは同様に不均一な電界を作り出すことが出来ることは理解されるであろうから、パターンは急な角または尖った先端なしで形成されることが出来る。
ほぼ円筒状のプラズマセル40は3〜10mmの外径および0.5〜2mmの出口ノズル直径を有することが出来る。誘電体基板層46、48は厚さ0.1〜1mmとすることが出来る。電極束は幅および厚さにおいておよそ0.01mm〜0.1mmとすることが出来る。保護層は厚さおよそ1mmとすることが出来る。
ほぼ円筒状のプラズマセルが図3に示される一方、他の形状、例えば曲がりくねった経路を通ってガスを搬送するセルが柔軟な構成要素から作られることが出来る。このような構成はセル内でのガスの滞留時間を増やしプラズマ形成を促進する。より平たい形状を有するもう1つのプラズマセルが図4に示される。
図4を参照すると、誘電体基板66にプリントされた電極62、64を備えるプラズマセル60が示されている。図4における同様の符号は、上述の特徴を示すために使用され、簡潔にするため再び説明されない。電極が誘電体材料の中に埋め込まれるように、第2の誘電体層68は電極パターンを覆う。本実施例において、誘電体基板66はほぼ平面形状に形成される。この点に関して、基板は、流路に沿って入口16と出口20の間に広がる第1次元D1および一般に第1次元に横向きの第2次元D2において、一般に第1および第2次元に直角の第3次元D3におけるより、実質的に大きい広がりを有する。図示されるように、第1次元は一般にチャンバを通って広がり、第2次元はチャンバを横切って広がり、第3次元はチャンバの厚さにおいて広がる。
平面セルの利点は3つある。第1に、ガスは、第1次元でチャンバを通過するときに比較的長い期間電界に暴露される。第2に、第1次元におけるそれぞれの単位長に対して、第2次元における比較的大きな幅のために比較的大量のガスが電界に暴露される。第3に、チャンバの比較的小さい厚さは、まだ妥当なガスの流れにチャンバを与える一方、チャンバを通過するすべてのガスの最大距離が、そのまたはそれぞれの電極からほんの短い距離であることを保証する。プラズマチャンバの内部の表面積はガスの体積と比較して大きく、従ってガスから離れて熱を輸送することに貢献することは同様に注意されたい。図1に示された実施例において、チャンバの幅はおよそ10mmであり、長さはおよそ50mmである。チャンバの高さは好ましくは5mm未満であり、より好ましくはおよそ2mm未満である。
本実施例では、電極は、ほぼ「S」型の形状で基板66のそれぞれの平面状の面に転写される。電極は、セルにおいてガスチャンバを通るのではなく縁の周りに生成された電界のクロスオーバを低減するために、それぞれの平面状の面の縁から間隔を置かれ、それぞれの平面状の面の一部のみを覆う。
電極パターンは連続的には出来ないが、代わりに、互いに間隔を空けられることが出来る、セクション、または離散的なパターンで提供されることが出来る。電極は好ましくはセルの特定の特性、例えばセルを通るガスの流量、セルで生成される活性種の半減期および必要とされる治療のタイプに依存して構成される。
本発明の別の実施形態が図5に示される。この場合ポリイミドから形成された、ほぼ管状、または円筒状の誘電体基板82を備えるプラズマセル80が示される。ポリ四フッ化エチレンで作られることが出来る保護層84は、使用中に基板の劣化を抑えるために誘電体基板の内部表面を覆う。電極86は誘電体基板上にパターン形成される。電極は本実施例では鋼編組である繊維性マトリックスで出来ている。電極パターンはこの図では繊維の格子であるが、任意の適切なパターンが形成されてもよいことは理解されるであろう。単純な実験は、電圧および周波数を変えることを伴って、どのパターンがうまく機能しプラズマセルで良好な電界を確立するか明らかにするであろう。電極パターンは、最初に鋼、銅または他の導電材料を誘電体基板に転写し、次に所望のパターンを作り出すように材料を除去するためにレーザを使用することによって形成されることが出来る。代わりに、繊維性マトリックスは押出し法の間に基板に転写されてもよい。保護シース88は電極パターンおよび誘電体基板を覆う。シースは力学的支持と電気的絶縁を提供する。ポリイミドはシースを形成するために使用されることが出来る。
Microlumen(登録商標)は、管がカテーテルとして使用される医学の分野での使用のためであるが、適切な管状構造を作る。ポリイミド層に転写される鋼編組は管に構造的な弾力性を提供し、電気を搬送するように設計されない。身体に挿入されるとき終わることを可能にするようにポリイミド基板は可撓性材料を提供する。このような管のサイズは身体の管の内側に適合するように必ず小さく(およそ1〜3mm)、このようなサイズは上に詳細に説明された理由のためプラズマセルとして使用するのに適することは理解されるであろう。
例として図2を参照すると、本明細書で説明されたプラズマセルは、誘電体基板22上に電極26をパターニングし、セル入口16からセル出口20までガスの流路を形成するように、例えば円筒に、誘電体基板22を構成し、活性種の誘電体基板との反応を抑えるために誘電体基板の内部表面に保護ライニング32を形成することにより製造されることが出来る。必要に応じてステップの順序は選択されることが出来る。
図3および図4に示された実施例において、パターン形成された電極はプリント回路基板の製造で知られるプリント技術によって誘電体基板に被着させられる。例えば、サブトラクティブ法において、銅の層は基板全体にわたって接着されることが出来、(「空白のプリント回路基板」を作り)次に一時的なマスクを適用した後に不要な銅を除去し(例えばエッチングにより)、所望の銅トレースのみを残すことが出来る。代わりに、アディティブ法において、導電性の配線経路は、普通は多数の電気めっき工程の複雑なプロセスによって、空の基板(または銅の非常に薄い層を有する基板)にトレースを被着させることにより作られる。
回路基板の大部分は使用中平らなままである。しかしながら、プラズマセルを製造する好ましい方法において、誘電体基板は、その上に電極がパターン形成される薄膜可撓性誘電体材料で出来ている。基板はそれで、入口と出口との間で流路を囲むように、例えば円筒として、または出口と入口との間の直線経路に従わない形態に、形づくられることが出来る。代わりに、回路は水晶または他の誘電体材料の管に挿入されることが出来、そこでは管の形状に従うであろう。このようにして、プラズマセルは、比較的高価でない平面基板上への導電性経路のプリントによって製造され、そして次に必要とされる形状に形成されることが出来る。保護ライニングは平面基板の1つの表面に形成され、一方電極パターンは反対の表面にプリントされる。
図5を参照すると、パターン形成された電極は、管状基板の押出しの間にまたはその製造の後に誘電体基板に転写される繊維性マトリックスで形成される。基板のために選択される素材は柔軟性があるので、プラズマセルは後で任意の所望の形状に形成されることが出来る。
本実施形態において、基板の誘電体材料の選択は、好ましくはその熱伝導率を考慮すべきであり、この点に関して、熱がセル内のガスから離れて伝えられることが出来るように、ポリイミドはおよそ0.5W/m.Kの比較的良好な熱伝導率を有する。プラズマチャンバから放出されるガス混合物の温度は好ましくは60度(セ氏)未満であり、より好ましくは40度(セ氏)未満である。
電極は、誘電体基板上にほぼ一様にパターン形成されることが出来、または他の領域とは異なった導電性経路の集中を有する1つの領域を作り出すようにパターン形成されることが出来る。例えば、治療領域に近づくにつれてより多くのエネルギーがガスに供給されるように、セルの入口の方へと比較してセルの出口の方へより強い電界を作り出すことが望ましいかもしれない。代わりに、電極パターンは、流路に沿って互いに間隔を開けられた直列の複数の離散的なパターンから成ってもよい。
本明細書に説明されたプラズマセルを有する実施形態の装置はコンパクトな形態に適し、好ましい構成において、装置は、例えば電気歯ブラシが手で持って操作されることが出来るように、手で持って操作されるように構成される。ハンドヘルドの装置は、使用中に扱いにくくないように十分に小さく軽くなくてはならず、口の中の特定の歯のような治療領域への生成された活性種の適用に対して比較的正確に指導されるかもしれない。この点に関して、装置は1kg未満の質量、200mm未満の長さおよび50mmの幅を有するように構成されることが出来る。
さらなる装置が図6に示される。本明細書に説明されるように、プラズマセルは比較的小さく(例えば、長さ50mm×幅5mm)することが出来、複数のプラズマセルを備えるプラズマ・セル・アレイ88は、それ自身手で持って操作されるのに適した1つの装置で提供される。図6において、装置90は、そのそれぞれが、付勢されるべきガスをセルの中に受け取るためにガスのソース18と、およびプラズマがセルから治療領域に届けられるようにノズル14(またはそれぞれのノズル)と、流体連通している、3つのプラズマセル92、94、96を備える。ガスダクト98はガスソースから伸び、ガスをそれぞれのセルに届けるために三叉になる。さらにダクト100はセル出口から伸び、活性種をノズルに届けるために合流する。それぞれのセルの電極は導電体102によって電力源28に接続される。
図示されたようなプラズマ・セル・アレイは、図1に示された装置の1つのプラズマセルよりもより多くの量の活性種を治療領域に届けることが出来る。しかしながら、単により大きいプラズマセルを含む装置と異なり、プラズマ・セル・アレイの設備は、ガスがセルの電極により近く近接し、従って、生成された電界とより容易に相互作用することを可能にする。より大きいセルにおいては、ガスと電極との間の最大距離が増大させられ、従って、ガスに同等のエネルギーを届けるために電極でより大きな電位が作られなければならないであろう。
本実施例では、プラズマ・セル・アレイは3つのプラズマセルを備えるが、任意の数のセルが含まれてもよい。さらに、3つのプラズマセルは並列関係に配置されているが、1つまたは複数のセルは直列に提供されてもよい。しかしながら、直列関係は、直列の第1で生成されたプラズマが治療領域への適用のために存続しているように、活性種の半減期が十分長い場合に限り、適切であることが出来る。
図7は代替の構成を有するさらなる装置100を示す。図1の装置10に類似の方法で、装置100は、ノズル114を通して(ノズル出口120によって)放出されるようにガスプラズマを形成するプラズマセル112を構成する。プラズマセル112は、ソース118からガスを受け取る入口116と、ノズル出口120の上流(使用時)に配置されたプラズマチャンバ121にセルで生成された活性種を放出する出口119とを備える。
プラズマセル112は図2に示されるプラズマセルと実質的に同じ構成を有する。しかしながら、プラズマセル112は本明細書で上述のプラズマセル構成のいずれかと一致する任意の構成を有することが出来ることは理解されるであろう。特に、電極26は、図2を参照して説明されたらせん状の構成以外のどんな構成であってもよく、誘電体基板22の中に埋め込まれ、または間に挟まれることが出来る。プラズマセル112の電極26は、リチウムバッテリ128によって駆動される高圧変圧器129の高圧側に接続される。このようにして、使用中に、プラズマセル112の入口116から出口119まで流路に沿って移動するガスは活性種を形成するように付勢される。
筐体150は、装置100の構成要素を収納し、装置は圧力調整器131および操作ボタン132をさらに備える。操作ボタン132はプラズマセル112へのガス供給を開くためと、高圧変圧器129を付勢するためとの両方に使用可能とすることが出来る。代わりに、個々のスイッチがこの目的で提供されてもよい。
装置100のノズル114は、プラズマセル112の保護シース36と一体であってもよい。しかしながら、図7に示された実施例において、ノズル114はプラズマセル112から分離している。プラズマセル112は、筐体150の壁に隣接したノズル114の中に固定される。
装置100は接地電極140をさらに備える。接地電極140は実質的に円筒状の形で、筐体150の壁に隣接したノズル114の外面に固定される。図7に示されるように、接地電極140はプラズマセル112と同心であって、接地電極140の最外端143は、プラズマセル112の放出端119よりノズル出口120に近くなるように、プラズマセルに重なる。同様に、接地電極140の最内端144は、プラズマセル112の入口端116よりノズル出口120に近い。この構成は、ノズル出口120の方へノズル114に沿ってプラズマを促す役割を果たす。1つの好ましい実施形態において、プラズマ形成を最適化し、電源により効率的な電力結合を提供し、最も高い電界強度の領域を変えるために、プラズマセル112の静電容量における調整を可能にするように、接地電極140はプラズマセル112に関して軸方向に滑らせられることが出来る。
図8に示されるように、接地電極140は誘電体基板142上に形成された電極141(図8)を備える。誘電体基板142は任意の適切な材料で作られてもよいが好ましくはポリイミドで作られている。電極141は代わりに、ポリイミド基板の層の間に挟まれるか、その中に埋め込まれてもよい。代わりにまたはさらに、代替の外層材料が接地電極140のために提供されてもよい。例えば、接地電極140の外面は、最も外側のポリイミド層の他に、または代わりに、ポリエーテルブロックアミド(または他の適切な材料)の保護シースを提供されてもよい。電極142は高圧変圧器129の接地側に接続される。
プラズマセル112に関連した接地電極140の図示された構成は、接地電極140が存在しなかった場合よりも装置100を効率的にする効果がある。これは(付勢されているとき)接地電極140によって作り出される電界は(付勢されているとき)プラズマセル112によって作り出される電界を遮蔽するからである。これは、セル112を出て行くプラズマの活性種の望ましいレベルを作り出すためにより少ないエネルギーが必要とされるという効果があり、それによって装置100をより効率的にする。接地電極140の効果は、電界強度を増加させ、プラズマジェットに有害に影響を与えている導電性物体の近接場効果を制御するように作用することである。接地電極140は、カプセルに入れられたプラズマセル112の基板142および基板22の誘電体価値によって接地の制御を提供し、事実上静電容量を制御する。
ノズル114から成る全体のノズル構成、プラズマセル112、および接地電極140は、装置100から取り外されることが出来る一体構造のアセンブリとすることが出来る。好ましくは、ノズルアセンブリは容易に取り外され置き換えられることが出来るように、使い捨てである。このことは、衛生上の理由で有益である。この場合、必要な電気的接続は、新しいノズルアセンブリが装備されるときに、内側の電極および外側の電極に接続するプラグによってなされる。