JP2016505262A - 固体基材上での核酸安定化のための配合物 - Google Patents

固体基材上での核酸安定化のための配合物 Download PDF

Info

Publication number
JP2016505262A
JP2016505262A JP2015549377A JP2015549377A JP2016505262A JP 2016505262 A JP2016505262 A JP 2016505262A JP 2015549377 A JP2015549377 A JP 2015549377A JP 2015549377 A JP2015549377 A JP 2015549377A JP 2016505262 A JP2016505262 A JP 2016505262A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solid matrix
dry solid
thiocyanate
nucleic acid
rna
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015549377A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016505262A5 (ja
JP6544860B2 (ja
Inventor
ベイルズ,ブライアン・クリストファー
クヴァム,エリック・リーミング
デイヴィス,ジェイソン・ルイス
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
General Electric Co
Original Assignee
General Electric Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from US13/721,948 external-priority patent/US9040675B2/en
Application filed by General Electric Co filed Critical General Electric Co
Publication of JP2016505262A publication Critical patent/JP2016505262A/ja
Publication of JP2016505262A5 publication Critical patent/JP2016505262A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6544860B2 publication Critical patent/JP6544860B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/10Processes for the isolation, preparation or purification of DNA or RNA
    • C12N15/1003Extracting or separating nucleic acids from biological samples, e.g. pure separation or isolation methods; Conditions, buffers or apparatuses therefor
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/10Processes for the isolation, preparation or purification of DNA or RNA
    • C12N15/1003Extracting or separating nucleic acids from biological samples, e.g. pure separation or isolation methods; Conditions, buffers or apparatuses therefor
    • C12N15/1017Extracting or separating nucleic acids from biological samples, e.g. pure separation or isolation methods; Conditions, buffers or apparatuses therefor by filtration, e.g. using filters, frits, membranes

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)

Abstract

本開示は、一般に、長期間、周囲条件下で乾燥形態の核酸、特にRNAを抽出、安定化及び保存するための乾燥固体乾燥固体マトリックスに関する。乾燥固体マトリックスに保存した核酸を収集及び回収する方法も記載する。【選択図】図1

Description

本開示は、一般に、乾燥固体基材及び乾燥形態の生体試料から、核酸、特にRNAを周囲抽出、安定化及び保存するために乾燥固体基材を使用する方法に関する。乾燥固体基材から核酸を抽出、収集、保存及び回収する方法も記載する。
RNAは、化学物質の自己加水分解及び酵素媒介分解の双方の結果として、安定化するのが最も困難な生体分子のうちの1つである。従って、生体試料に由来するRNAの抽出及び保存は、RNAの抽出及び回収に使用する緩衝液、pH、温度、特に、丈夫なリボヌクレアーゼ(RNアーゼ)の遍在性などの多くの環境因子の影響を受けやすいが、これらに限定されない。その結果、精製及び未精製の双方の状態のRNAは、加水分解及び酵素的分解を防ぎ、かつRNA試料の完全性を保存するために、通常−80℃での保存を必要とする。−80℃での試料の保冷又は冷凍に関するコスト及び空間要求を避けるため、周囲条件下でRNAを抽出、収集及び保存する能力が経済的に望まれている。
液体状で周囲条件下でRNAを保存するための現在の方法論は、例えば、界面活性剤、カオトロピック化合物、還元剤、遷移金属、有機溶媒、キレート剤、プロテアーゼ、RNアーゼペプチド阻害剤及び抗RNアーゼ抗体を使用したRNアーゼの非活性化に注目してきた。トランスエステル化及び自己加水分解を防ぐために、RNAを化学的に修飾するというさらなる試みが行われている。しかし、最も入手しやすいRNA保存物は、室温で数日間又は数週間、液体状のRNAしか保存できない。乾燥形態のRNAの収集及び保存を成功させる現在の技術では、通常、RNAが、保存される前に、生体物質(例えば、血液、血清、組織、唾液などなどの生体試料)からまず「予備精製」され濃縮されることが必要となる。
乾燥形態のRNAを保存する現在の技術はさらに乾燥設備を必要とする。従って、これらの方法は、著しい試料の加工なしでは試料(例えば、生体試料)からRNAを直接収集できない。
従って、1つの工程で試料(例えば、生体試料)からのRNAの抽出、安定化及び保管/保存をまとめて行える組成物及び方法が望まれており、当該技術分野で必要とされている。このような組成物及び方法により、周囲条件下でのRNAの長期保存が可能になり、インタクトなRNAがさらなる分析のために回収できるようになる。
米国特許第2012/0052572号明細書
本明細書において下記で定義する生体試料のような試料から核酸を抽出及び保存するための固体マトリックスであって、タンパク質変性剤、還元剤、緩衝液及び必要に応じてラジカル捕捉剤又はRNアーゼ阻害剤を含有する組成物が乾燥形態の固体マトリックスに存在する、固体マトリックスが記載されている。一実施形態では、本願の乾燥固体マトリックスにより、周囲条件下で乾燥形態の核酸(例えば、RNA、DNA)を含む生体試料の長期保存が可能となる。本発明のさらなる態様では、試料から核酸(例えば、RNA、DNA)を周囲抽出及び保存するための乾燥固体マトリックスには、チオシアン酸塩、還元剤、緩衝液及び必要に応じて乾燥形態の固体マトリックスに存在するラジカル捕捉剤又はRNアーゼ阻害剤が含まれる。別の実施形態では、試料から核酸(例えば、RNA、DNA)を抽出及び保存するための乾燥固体マトリックスには、1種以上の金属チオシアン酸塩(1種以上の金属チオシアン酸塩は、チオシアン酸グアニジン(GuSCN)ではない)、還元剤、緩衝液及び必要に応じてラジカル捕捉剤又はRNアーゼ阻害剤が含まれる。
乾燥固体マトリックスに周囲状態で保存した核酸(例えば、RNA、DNA)は、収集した核酸試料のさらなる分析に適したインタクトな形態の固体マトリックスから核酸を解放する工程を行ってもよい。生体試料から核酸を抽出及び保存するために本発明の固体マトリックスを使用する方法も提供される。
化学的に修飾した多孔質膜のこれら及び他の特徴、態様及び利点は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読むことでより一層理解され、図面全体にわたり、同じ符号は同じ部分を表す。
異なる組成物の固体マトリックスに培養細胞をスポットした後、電気溶出によりセルロースから回収した核酸の代表的な電気泳動図を表す。高分子量ゲノムDNA及び28s/18s rRNAバンドを示す。Image Jを用いてDNA及びRNAをさらに定量化する。パネルAにおいて各ゲルレーンの上から下に垂線を引き、Plot Profile機能を用いて線の距離(cm)の関数としてピクセル強度(濃淡値任意単位)をプロットした。ゲノムDNA及び28s/18s rRNAに対応するピークをボックス内に示す。その他の実験の詳細については下記の実施例の項に記載する。 表示した各組成物の28s rRNA及び18s rRNAについての濃淡値任意単位として示すゲルピクセル強度を表す。セルロース試料は、分析前にデシケーターキャビネット内に室温で10日間保管した。18s rRNAに対する28s rRNAの比率をグラフの各棒の上に記載する。その他の実験の詳細については下記の実施例の項に記載する。 表示した各組成物の28s rRNA及び18s rRNAについてのゲルピクセル強度を表す。セルロース基材は、分析前にデシケーターキャビネット内に室温で13日間保管した。各実験条件の18s rRNAに対する28s rRNAの比率をグラフの各棒の上に表示する。その他の実験の詳細については下記の実施例の項に記載する。 表示した各組成物の28s rRNA及び18s rRNAについてのゲルピクセル強度を表す。セルロース試料は、分析前にデシケーターキャビネット内に室温で10日間保管した。各実験条件の18s rRNAに対する28s rRNAの比率をグラフの各棒の上に表示する。その他の実験の詳細については下記の実施例の項に記載する。 表示した各組成物の28s rRNA及び18s rRNAのバンドについてのゲルピクセル強度を表す。セルロース試料は、分析前にデシケーターキャビネット内に室温で30日間保管した。各実験条件の18s rRNAに対する28s rRNAの比率をグラフの各棒の上に表示する。その他の実験の詳細については下記の実施例の項に記載する。 記載した各条件で、RNA 6000 Pico LabChipを用いてAgilent2100バイオアナライザで求めた、セルロース基材上の乾燥血斑から測定したRNA Integrity Number(RIN)を表す。その他の実験の詳細については下記の実施例の項に記載する。 日光によるセルロース基材の損傷からのmRNAの保護を証明する。グラフの各棒は、図で示した組成物を含むUV処理試料とUV未処理試料の間のqRT−PCRサイクル閾値の差異を表す。その他の実験の詳細については下記の実施例の項に記載する。 4週間にわたる異なる温度で異なる緩衝液の存在下でのセルロースベース紙に対するTCEPの活性を表す。その他の詳細については実施例の項に記載する。 化学的含浸セルロース基材にスポットした培養ヒト細胞のRNA Integrity Number(RIN)を表す。試料は、Agilent2100バイオアナライザでのRNA分析前の少なくとも1週間は周囲温度で保存した。その他の実験の詳細については下記の実施例の項に記載する。 化学的含浸セルロース基材上の乾燥血斑のRNA Integrity Number(RIN)を表す。乾燥血斑は、Agilent2100バイオアナライザでのRNA分析前の19日間、周囲温度で保存した。その他の実験の詳細については下記の実施例の項に記載する。
試料(例えば、生体試料)から核酸(例えば、RNA、DNA又はその組み合わせ)を周囲抽出及び保存するための乾燥固体マトリックスであって、タンパク質変性剤、還元剤、緩衝液及び必要に応じてラジカル捕捉剤又はRNアーゼ阻害剤を含む組成物が乾燥状態の固体マトリックスに導入される、乾燥固体マトリックスが本明細書に記載されている。本明細書に記載のさらなる実施形態では、周囲条件下で核酸(例えば、RNA、DNA又はその組み合わせ)を抽出及び乾燥保存するための固体基材には、1種以上のチオシアン酸塩(1種以上のチオシアン酸塩は、チオシアン酸グアニジン(GuSCN)ではない)、還元剤、緩衝液及び乾燥形態の固体マトリックスに必要に応じて存在するラジカル捕捉剤又はRNアーゼ阻害剤が含まれる。上記の組成物の「組み込み」には、下記の「浸漬」法が含まれるが、これに限定されない。当業者であれば、乾燥固体マトリックスへの組成物の組み込みを行うために多くのそのような方法が存在することを理解するであろう。乾燥固体マトリックスに組成物に導入した後、任意の適切な方法に従って固体マトリックスを乾燥する。
本発明の組成物により、周囲保存条件下で試料からの核酸の長期乾燥保存が可能となる。この知見は、周囲条件下で不安定であることが広く知られているRNAに関して特に重要である。本明細書で使用される用語「固体マトリックス」には、セルロースベースの物、セルロース、酢酸セルロース、ガラス繊維又はそれらのあらゆる組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。本願の固体マトリックスは多孔質でもよい。特定の実施形態では、固体マトリックスは、903、31−ETF、FTA(商標)又はFTA(商標)EluteなどのWhatman(商標)製の多孔質セルロース紙である。膜、紙、セルロース紙、固体マトリックス及び基材という用語は、本開示全体にわたり交換可能に使用され得る。当業者であれば、これらが当該技術分野で使用され、同じ種類の組成物を意味することを直ぐに認識するであろう。
用語「抽出」は、試料、より詳細には生体試料から核酸を分離及び単離する任意の方法を意味する。RNA及びDNAなどの核酸は、例えば、空気中の蒸発性試料の細胞溶解の間又は試料と接触すると細胞溶解及び核酸の解放が生じる化学的修飾固体マトリックス(例えば、FTA(商標)Eluteセルロース紙)中の化合物の存在により解放可能である。当業者であれば、核酸を安定化及び保存するために固体マトリックスに核酸を捕捉できるように、試料(例えば、未精製の生体試料)から核酸、特にRNAを抽出する任意の方法が本開示の組成物及び方法に使用され得ることを理解するであろう。試料からの核酸を抽出する方法の上記の実施例は、例示目的のみに提供される。用語「保存(storage)」又は「保存(preservation)」は、さらなる分析に適した形態の抽出核酸の維持に関して本明細書に交換可能に使用され得る。
核酸、特にRNAの分野の当業者は、従来から、(1)mRNAターゲットの定量RT−PCR増幅、(2)Agilent2100バイオアナライザでのRNA Integrity Number(RIN)分析及び(3)全細胞RNAの大半を占める28s:18sリボソームRNA(rRNA)の比率に基づき、RNAの安定性及び品質を評価してきた。高品質の細胞RNAは、一般に、1より大きい28s:18s rRNA比率と10に近いRINスコアを示す。実際、所望のRINスコアは一般に5より大きい。さらに、高品質の細胞RNAは、低存在率のmRNAと大きな(例えば、1kB超)mRNAの双方の効率的な増幅を支持する。便宜上、rRNAシグナル強度及び28s:18s rRNA比率は、ゲル電気泳動によって高いRNA保存性を有する試料を迅速にスクリーニングし特定するために使用することが多い。
本明細書で定義するように、「生体試料」には、ヒトなどの任意の生物から得られた血液、血清、組織、鼻の粘液及び唾液が含まれるが、これらに限定されない。生体試料は、自己診断検査(例えば、血糖モニタリング)を受ける個体により又は訓練を受けた医療専門家により、例えば、針を用いて血液を吸引するか、患者の皮膚の病変などの特定の部位を傷つけるか綿棒で擦過(swab)するかなどの様々な技術によって得ることができる。種々の生体試料を収集する方法が当該技術分野においてよく知られている。用語「試料」には、上記で定義される生体試料だけでなく、例えば、組織培養細胞及び精製核酸も含まれる。
タンパク質変性剤、還元剤及び緩衝液を含む組成物は、本開示の乾燥固体マトリックスに存在する。組成物は、1種以上の上記各成分を含んでもよい。組成物は、必要に応じてさらに、紫外線(UV)阻害剤、ラジカル捕捉剤、RNアーゼ阻害剤、キレート剤又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。当業者であれば、多くのタンパク質変性剤が当該技術分野において知られており、本明細書に記載した組成物及び方法で使用するために経験的に選択され得ることを理解するであろう。特定のタンパク質変性剤に限定することなく、タンパク質変性剤の例として、チオシアン酸グアニジン、塩酸グアニジン、アルギニン、硫酸ドデシルナトリウム(SDS)、尿素又はそれらの任意の組み合わせが挙げられる。タンパク質変性剤の例の式を以下に示す:
式中、Rはそれぞれ独立して、水素、ヘテロ原子含有基又は炭化水素基からなる群から選択されるメンバーであり得る。
ヘテロ原子含有基は、窒素、酸素、硫黄、リン、シリコン及びホウ素から選択されるメンバーを含む基である。反応性官能基を用いてグアニジン含有化合物を結合することが目的である。ヘテロ原子を保有する典型的な反応性基として、エポキシ、アクリラート、マレイミド、ハロゲン化アシル、ハロゲン化アルキル、アジド、シアン酸エステル、イソシアナート、ハロゲン化アリール、アルデヒド、アミン、オキシム、チオール、アルコール、酸、アジリジン、アゾ、イソチオシアナート、無水物、混合無水物、ラクトン、スルトン及びケトンが挙げられる。
炭化水素基は炭素と水素の双方を含有する基であるが、親水性を高めるためにヘテロ原子を含有してもよい。反応性官能基を用いてグアニジン含有化合物を結合することが目的である。炭化水素を保有する典型的な反応性基として、アリル、スチリル、ビニル及びアルキンが挙げられる。ヘテロ原子含有炭化水素基として、2−オキシスチリル、3−オキシスチリル又は4−オキシスチリル、アミノアリル、オキシアリル、オキシビニル、アミノビニルが挙げられる。
Xは、1個以上の形式負電荷を含む基である、アニオンである。メンバーは、塩化物イオン、チオシアン酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、臭化物イオン、亜塩素酸イオン、塩素酸イオン、チオ硫酸イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、酢酸イオン、蟻酸イオン、リン酸水素イオン、二水素リン酸イオンからなる群から選択される。1種以上のアニオンを併用してもよく、形式電荷のレベル(二価、一価、三価)が異なるアニオンを組み合わせて使用してもよいと考えられる。アニオンの分子量は10〜100,000まで様々であり得る。
用語「還元剤」は、別の化学種に電子を供給する化学種を意味する。さらに、様々な還元剤が当該技術分野において知られており、下記及び特許請求の範囲に例示のリストは、本開示の組成物及び方法に使用できる還元剤を限定するものではない。還元剤の例として、ジチオトレイトール(DTT)、2−メルカプトエタノール(2−ME)及びトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)、並びにこれらの関連した塩(例えば、TCEP塩酸塩)が挙げられる。さらに、これら又は他の還元剤を併用して本発明を実施してもよい。特定の実施形態では、還元剤はTCEPである。特定の実施形態では、TCEPは、その塩酸塩であるTCEP−HClとして添加できる。
本明細書に使用される「緩衝液」として、例えば、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−プロパン−1,3−ジオール(Tris)緩衝液、2−(N−モルフォリノ)エタンスルホン酸(MES)緩衝液、3−(N−モルフォリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)緩衝液、クエン酸緩衝液、4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)緩衝液及びリン酸緩衝液が挙げられる。可能な緩衝液の本リストは単に例示目的である。当業者であれば、本明細書に開示の組成物及び方法で使用するために選択された緩衝液のpHが適切であることを認識するであろう。緩衝液のpHは通常3〜8の範囲である。
上述するように、固体マトリックスに存在する組成物は必要に応じてUV保護剤又はラジカル捕捉剤を含んでもよい。本発明のある態様では、UV保護剤又はラジカル捕捉剤は、核酸を抽出及び保存するための乾燥固体マトリックスに導入された組成物に必要とされる。特定のUV保護剤に限定することなく、保護剤の例として、例えば、ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)、ヒドロキノン(HQ)、トルヒドロキノン(THQ)及びアスコルビン酸又はビタミンCが挙げられる。ある態様では、ラジカル捕捉剤はMEHQ又はTHQである。用語「UV保護剤」又は「ラジカル捕捉剤」は、さらなる分析のために未修飾状態の抽出核酸の保持に関して交換可能に本明細書に使用され得る。固体マトリックス中の組成物はまた、バナジルリボヌクレオシド錯体(VRC)又は市販のRNアーゼ阻害剤(例えば、SUPERase−In(商標))のいずれかのようなRNアーゼ阻害剤を含んでもよい。他のRNアーゼ阻害剤の例は、Kumar et al.(2003)Biochemical and Biophysical Research Communications 300:81−86に記載されており、その開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす。
本明細書に記載の組成物を用いる方法がさらに提供される。一実施形態では、核酸(例えば、RNA、DNA又はその組み合わせ)を抽出し、保存する方法は、a)1種以上のタンパク質変性剤、1種以上の還元剤、生物学的緩衝液及び必要に応じてラジカル捕捉剤又はRNアーゼ阻害剤を含む組成物が、乾燥形態の固体マトリックスに導入された固体マトリックスを提供する工程、b)固体マトリックスに試料(例えば、生体試料)を適用し、核酸を抽出する工程、c)固体マトリックスを乾燥する工程及びd)周囲条件下で乾燥状態の固体マトリックスで核酸を保存する工程を含む。方法のある態様では、固体マトリックスは、市販の903、31−ETF又はFTA Elute(商標)などの多孔質のセルロースベース紙である。本方法の性能により、周囲温度下で、乾燥形態(例えば、固体マトリックス上)の核酸、特にRNA(保存するには不安定な生体分子であることが広く知られている)の保存が可能となる。この方法で利用する試料として、ヒトなどの任意の生物から得られた血液、血清、組織、鼻の粘液及び唾液が挙げられるが、これらに限定されない。
上述の方法は、必要に応じて、さらなる分析のために固体マトリックスから核酸を回収する工程を含んでもよい。例えば、核酸は、上記で定義したような、水溶液、緩衝溶液又は有機溶液で固体マトリックス(例えば、セルロース紙)を再水和することにより回収できる。あるいは、核酸は、電気溶出によって固体マトリックスから回収できる。当業者であれば、固体マトリックスから核酸を回収できる任意の方法を用いて開示の方法を実施し得ることを理解するであろう。
本発明のさらなる態様では、試料から核酸を抽出し、保存する方法は、a)1種以上の金属チオシアン酸塩(1種以上のチオシアン酸塩は、チオシアン酸グアニジン(GuSCN)ではない)、1種以上の還元剤、緩衝液及び必要に応じてラジカル捕捉剤又はRNアーゼ阻害剤を含む組成物を固体マトリックスに導入し、固体マトリックスを乾燥する、乾燥固体マトリックスを提供する工程、b)固体マトリックスに試料(例えば、生体試料)を適用し、核酸を抽出する工程、c)固体マトリックスを乾燥する工程及びd)周囲条件下で乾燥状態の固体マトリックスで核酸を保存する工程を含む。本発明の別の実施形態は、a)1種以上のチオシアン酸塩、1種以上の還元剤、緩衝液及び必要に応じてラジカル捕捉剤又はRNアーゼ阻害剤を含む組成物(組成物はチオシアン酸グアニジン(GuSCN)を含有しない)を固体マトリックスに導入し、固体マトリックスを乾燥する、乾燥固体マトリックスを提供する工程、b)固体マトリックスに試料(例えば、生体試料)を適用し、核酸を抽出する工程、c)固体マトリックスを乾燥する工程及びd)周囲条件下で乾燥状態の固体マトリックスで核酸を保存する工程を含む、試料から核酸を抽出し、保存する方法である。ある態様では、金属チオシアン酸塩は、第1族又は第2族の金属カチオンを含み、金属チオシアン酸塩として、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸マグネシウム、チオシアン酸カルシウム、チオシアン酸バリウム及びチオシアン酸亜鉛が挙げられるが、これらに限定されない。
方法のある態様では、固体マトリックスは、市販の903、31−ETF又はFTA Elute(商標)などの多孔質のセルロースベース紙である。本方法の性能により、周囲温度下で、乾燥形態(例えば、固体マトリックス上)の核酸、特にRNA(保存するには不安定な生体分子であることが広く知られている)の保存が可能となる。この方法で利用する試料として、ヒトなどの任意の生物から得られた血液、血清、組織、鼻の粘液及び唾液が挙げられるが、これらに限定されない。
用語「核酸」は、あらゆる形態のRNA(例えば、mRNA、miRNA、rRNA、tRNA、piRNA、ncRNA)、DNA(例えば、ゲノムDNA、mtDNA)、並びに組換RNA分子及び組換DNA分子又はヌクレオチドアナログを用いて生成されたDNA若しくはRNAのアナログを意味する。核酸分子は一本鎖であっても二本鎖であってもよい。鎖にはコード鎖又は非コード鎖があり得る。天然のRNA分子又はDNA分子の核酸のフラグメントは、本発明に包含され、開示の組成物及び方法を用いて回収され得る。「フラグメント」は、核酸(例えば、RNA又はDNA)の一部を意味する。
下記の実施例は、例示として提供するものであり、限定を目的としていない。
実施例1:一般的なRNA分析
培養したヒトリンパ球細胞株(すなわち、Jurkat細胞)を、全細胞RNA源として利用した。細胞は、表示の試薬を含浸させた7mmのセルロースディスク上で乾燥し、デシケーターキャビネットに室温で10日間保存し、標準プロトコールに従って細胞核酸を電気溶出した。簡潔に言えば、2mg/mLのプロテイナーゼKを含むヌクレアーゼフリー水(15μL)でディスクを再水和して余分なタンパク質を除去し、約30分間乾燥した。パンチ片を、1%Trisホウ酸−EDTA(TBE)アガロースゲルの各ウェルに入れ、ホルムアミド(Ambion)を含む1×Gel Loading Buffer IIに懸濁させた。細胞核酸を110ボルトで1〜2時間電気泳動にかけ、RNA及びDNAをSYBR Gold(Invitrogen)で後染色し、Typhoon Imager(GE Healthcare)を用いて検出した。セルロースからの電気溶出中及びその後の細胞RNAの完全性を保存するために、全て装置及び表面をRNAZap(Ambion)で処理した。RNA 6000 Nano Ladder(Agilent Technologies)及び筋肉由来の精製ヒト全RNA(Origene)などの内標準をアガロースゲルに含有させて、RNアーゼの混入を観察し、コントロールrRNAバンドを特定する。
電気泳動図は、ImageJソフトウェアを用いてデジタルで定量化した。簡潔に言えば、各ゲルレーンの上から下に垂線を引き、Plot Profile機能を用いて線の距離(cm)の関数としてピクセル強度(濃淡値任意単位)をプロットした。ゲノムDNA及び28s/18s rRNAに対応するピークを特定し、28s:18s rRNAの比率の計算に用いた。
図1は、電気溶出を用いてセルロースから回収した核酸の代表的な電気泳動図を表す。高分子量ゲノムDNA及び28s/18s rRNAバンドを示す。
図1は、さらに、Image Jを用いたDNA及びRNAの定量化を提供する。パネルAにおいて各レーンの上から下に垂線を引き、Plot Profile機能を用いて線の距離(cm)の関数としてピクセル強度(濃淡値任意単位)をプロットした。ゲノムDNA及び28s/18s rRNAに対応するピークは「ボックスで囲む」。
実施例2:RNAの抽出及び保存に好適な条件の経験的判定
本実施例の主な目的は、セルロース紙でのRNAの保存に対する各単一要素の効果及び試験要素(例えば、キレート剤、緩衝液、pH、タンパク質変性剤、還元剤及びペプチドRNアーゼ阻害剤)の組み合わせの効果を評価することであった。本実施例のさらなる態様は、タンパク質変性剤の効果を高める可能性のある還元剤(DTT)の存在を評価することであった。
また、Jurkat細胞は、全細胞RNA源として利用し、セルロース紙試料に細胞を直接適用し、風乾し、典型的なエンドユーザアプリケーションを模倣した。全細胞RNAは、実施例1で上述したプロトコールに従い、1%のアガロースゲルへの電気溶出により回収し、既知の基準に基づいて、28s:18s rRNAの量を分析した。図2のグラフの各棒の下に列挙した成分を含む試料を、分析前にデシケーターキャビネット内に室温で10日間保管した。
実施例2の結果を図2に示す。各棒の上の数字は18s rRNAに対する28s rRNAの比率に対応する。1より大きい28s:18s比率は一般にインタクトなRNAを示す。例えば、RNアーゼを不活性化する還元剤(DTT)又はSUPERase−Inを含まない試料又はアルカリ性pHを有する試料など、いくつかの組成物はrRNAを安定化できなかった。GITC、DTT及び中性緩衝液を含む試料は、他のあらゆる供試試薬の組み合わせより優れた性能を示した。
実施例3:RNAの抽出及び保存に好適な条件の継続的経験的判定
RNAを保存するための重要な成分を実施例2で特定した後、実施例3は、RNA保存能力に対するDTT及びSDSの単一の効果又は組み合わせの効果及び実施例2で好適なRNA安定性を示したGITC/DTTの組み合わせの性能に対するラジカル捕捉剤及びキレート剤の効果を研究するよう設計した。
Jurkat細胞をセルロース紙試料に直接適用し、風乾し、典型的なエンドユーザアプリケーションを模倣した。全細胞RNAは、実施例1で上述したプロトコールに従い、1%のアガロースゲルへの電気溶出により回収し、既知の基準に基づいて、28s:18s rRNAの量を分析した。
セルロース試料は、分析前にデシケーターキャビネット内に室温で13日間保管した。各棒の上の数字は18s rRNAに対する28s rRNAの比率に対応する。1より大きい28s:18s比率は一般にインタクトなRNAを示す。実施例3の結果を図3に示す。GITC/DTTの組み合わせは一般にSDS/DTT組み合わせより良好なRNA安定性を示した。キレート剤(EDTA)とのいずれかの組み合わせを添加すると、RNAの品質が比較的低くなった。
実施例4:RNAの抽出及び保存に好適な条件の継続的経験的判定
RNAを保存するための他の重要な成分を実施例3で特定した後、実施例4は、安定性に優れ、臭いの少ない代替の還元剤(TCEP)がDTTの代わりに使用できるかどうかを調べるよう設計した。本実施例に導入した別の要素は、低分子のRNアーゼ阻害剤であるバナジルリボヌクレオシド錯体(VRC)であった。これらの代用を、rRNAを安定化する能力について比較し、評価した。
Jurkat細胞をセルロース紙試料に直接適用し、風乾し、典型的なエンドユーザアプリケーションを模倣した。全細胞RNAは、実施例1で上述したプロトコールに従い、1%のアガロースゲルへの電気溶出により回収し、既知の基準に基づいて、28s:18s rRNAの量を分析した。セルロース試料は、分析前にデシケーターキャビネット内に室温で10日間保管した。各棒の上の数字は18s rRNAに対する28s rRNAの比率に対応する。1より大きい28s:18s比率は一般にインタクトなRNAを示す。実施例4の結果を図4に示す。TCEPとDTTは、複数の基材組成物中でRNAを安定化するために交換可能に使用できる。
実施例5:セルロースでRNAを保存するための選択組成物の長期性能
実施例5は、選択組成物を室温で30日間保存した後の選択組成物の長期性能を評価するよう設計した。Jurkat細胞をセルロース紙試料に直接適用し、風乾し、典型的なエンドユーザアプリケーションを模倣した。全細胞RNAは、実施例1で上述したプロトコールに従い、1%のアガロースゲルへの電気溶出により回収し、既知の基準に基づいて、28s:18s rRNAの量を分析した。セルロース試料は、分析前にデシケーターキャビネット内に室温で30日間保管した。各棒の上の数字は18s rRNAに対する28s rRNAの比率に対応する。1より大きい28s:18s比率は一般にインタクトなRNAを示す。実施例5の結果を図5に示す。
実施例6:乾燥血斑中のRNAの安定性の分析
実施例6は、様々な緩衝液条件で新鮮な全血により選択RNA安定化紙組成物(GITC/TCEP/MEHQ)の性能を評価するように設計した。約50μLのラット全血を被験体の尾静脈から採取し、表示の緩衝液成分で調製したFTA紙又はRNA安定化紙にスポットした。カードを乾燥し、周囲温度であるが、調整した湿度(相対湿度約20%)で5〜22日間保存した。RNAは、7mmの中央パンチ片から溶解緩衝液に抽出し、当該技術分野において公知のプロトコールに従い、シリカ膜スピンカラムを通して精製した。精製及び溶出の後、RNA 6000 Pico LabChipを用いて、Agilent2100バイオアナライザでRNA Integrity Number(RIN)を測定した。従来、RT−PCR又はマイクロアレイの応用などの下流の定量分析には、RIN>5が好適であるが、RIN>6が最も好適である。実施例6の結果を図6に示す。全ての試験緩衝液組成物のうちこの選択紙組成物(GITC/TCEP/MEHQ)からの全体的なRNAの品質がFTA紙の性能を超えていた。
実施例7:RNA安定性に対するUV保護の影響
実施例7は、選択乾燥マトリックス(GITC/TCEP/Tris)に存在するUV阻害剤及びラジカル捕捉剤によるmRNA保護を調べるよう設計した。DNAフリー全Jurkat RNA(1μg)を、表示の成分を含有するRNA安定化紙に二反復でスポットした。各カードを分割し、半分を35℃で20時間暗所で保存し、残りは、日光の全エネルギースペクトル(全エネルギー21.7kJ/m2)を再現するためのQ−SUN Xe−1Xenon試験機で20時間(35℃、0.3W/cm2、340nm)処理した。各試料から1.2mmのパンチ片を採取し、逆転写酵素反応に直接供し、cDNAライブラリーを作製した。その後、cDNAライブラリーは、qPCRにより、HPRT1及びクラスリンmRNAに特異的なプライマーに対するプローブとした。UVに暴露した試料のサイクル閾値(CT)を、暗所で保存した未処理のメイトペアのCTから差し引いた。実施例7の結果を図7に示す。ビタミンCは、図ではアスコルビン酸の同義語として使用する。
実施例8:周囲条件下の紙での還元剤の安定性
Whatman(商標)製の31ETFセルロースベース紙を、Tris緩衝液(pH7.4)中のGITCの存在下で、高濃度のTCEP又はDTTに浸した。セルロースベース紙は、湿度を調節せずに室温で保存した。5日目、19日目及び105日目、5,5’−ジチオ−ビス(2−ニトロ安息香酸)(「DTNB」)を各紙試料に置いた。活性還元剤の存在下で、黄色への急な変色が確認された。周囲条件下で保存してから105日目までは、あらゆる濃度のTCEP溶液でコーティングされたセルロース紙はまだ活性があり、白から黄色まで紙の色の明らかな変化によって示されるようにDTNBを還元できた。DTTに浸した紙試料はDTNBを還元でなかったため、紙の色は白のままであった。これらの図は白黒では意味を成さないため、本明細書に含まれていないが、検査官の要請で提供可能である。DTNBの還元に関する化学反応は、Cline et al.(2004)Biochemistry 43:15195−15203に提供されている。
実施例9:還元剤の劣化の定性分析
31−ETFセルロース紙試料は、異なる濃度の還元剤TCEP又はDTTと共に、Tris緩衝液(pH7.4)中のGITCを含有していた。紙試料を、次の異なる条件下で保存した:1)21℃、相対湿度10%;2)21℃、相対湿度80%;及び3)41℃、相対湿度10%。
0日目、1日目、6日目及び25日目、各条件下のセルロース紙の試料(10mg)をDTNB溶液に入れ、軽く振り、カラー画像を撮影した。1日目、各環境条件下のTCEP試料は全て、DTNB溶液の色を黄色に変えることができ、還元剤としてまだ機能することを示した。一方、DTTは、21℃かつ相対湿度10%でさえ、DTNBの存在下で試料を黄色にできなかった。25日目、21℃かつ相対湿度10%で保存したTCEP紙は機能的な還元活性を示し続けた。しかしながら、湿度又は温度のいずれかが増加すると、還元剤としてのTCEPの活性が著しく減少するため、温度及び湿度の双方が還元剤としてのTCEP機能の関連因子であることが分かった。
実施例10:セルロースベース紙に対するTCEP活性の定性分析
異なる緩衝液(Tris、pH7.4;MES、pH6.2;及びMOPS、pH7.0)中のGITC及びMEHQをさらに含むTCEP組成物及び緩衝液を含まないコントロール試料を調製した。その後、セルロースベース紙をそれぞれ別の上記溶液でコーティングし、エアブローによりオーブン内で50℃で迅速に乾燥し、湿度を低く維持するためにアルミホイル袋に乾燥剤で密閉し、その後、4℃、室温又は41℃で保存した。
図に示した週(0週、1週及び4週)に、DTNB比色アッセイを用いてTCEP活性を分析し、アッセイでは、3.6mmの紙パンチ片それぞれにDTNBを加え、30分間撹拌し、その後、412nmで液体の吸収度を測定した。
全ての試料は4℃で安定しており、1か月で活性が約100%であった。室温で1か月後、TCEP活性は、利用した緩衝液によってばらつきが生じた(例えば、MOPS(100%)>緩衝液なし(90%)>MES(86%)>Tris(81%))。41℃で1か月後、さらにTCEP活性のばらつきが確認された(例えば、MOPS(67%)>MES(63%)>Tris(48%)>緩衝液なし(39%))。全体として、セルロースに対するTCEPの還元力は、試験環境条件下においてMOPS緩衝液の存在下で最も高かった。
実施例11:丈夫な基材の調製、周囲温度で乾燥保存及びRNA抽出及び分析の条件
培養ヒトリンパ球細胞株、より詳細には、Jurkat細胞株を利用し、全細胞RNAの試料を得た。下記の表に示す試薬を所定濃度で含浸させた7mmのセルロースディスクに細胞をスポットした。下記試薬を含有するディスクは、表1に列挙した量の試薬を含有する浸漬溶液のペトリ皿にWhatman(商標)31−ETF紙を置くことにより、複数(in2中約4枚)のセルロース紙(Whatman(商標)31−ETF紙)を飽和させる「浸漬」プロトコールによって調製した。浸漬溶液は、浸漬溶液においてこれらの各試薬が所望の濃度となるように、表示のチオシアン酸塩(例えば、NaSCN、KSCN、NH4SCN、Ca(SCN)2、Mg(SCN)2、Ba(SCN)2、Co(SCN)2、Zn(SCN)2又はNaClO4)MOPS、TCEP−HCl及びMEHQ又はTHQに脱イオン水を加えることにより調製した。浸漬溶液をボルテックスで撹拌して固体試薬を完全に溶解し、各最終浸漬溶液のpHを当該技術分野において公知の方法に従って測定した。
セルロース紙を飽和させてから、余分な溶液をニップローラーで取り除き、N2気流下で紙を50℃で乾燥した。Jurkat細胞(例えば、全細胞RNA源)を、表1に記載の試薬の組み合わせを含む乾燥紙基材に適用した。上記表の試薬と共に、Jurkat細胞由来の全細胞RNAを含むセルロース基材を乾燥し、相対湿度(RH)を約20%に維持したデシケーターキャビネット内で、室温で7〜17日間保管した。
細胞RNAを各セルロース試料から抽出し、標準プロトコールに従って測定した。簡潔に言えば、セルロース試料を4mg/mLのプロテイナーゼK(15μL)で再水和し、細胞RNAをセルロースマトリックスから溶解緩衝液に抽出し、当該技術分野において公知のプロトコールに従い、シリカ膜スピンカラムで精製した。精製及びヌクレアーゼフリー水への溶出後、RNA 6000 Pico LabChipを用いて、Agilent2100バイオアナライザでRNA Integrity Number(RIN)を測定した。従来、RT−PCR又はマイクロアレイの応用などの下流の定量分析には、RIN>5が好適であると考えられ、RIN>6が最も好適であると考えられる。
実施例11の結果を図9に示す。周囲温度で細胞RNAを抽出し安定させるには、NaSCNが直接GuSCNの代わりに使用できることが確認された。GuSCNの場合とは異なり、本現象は、セルロース紙(pH4又はpH7)に含浸させるために使用する最終溶液のpHとは無関係である。GuSCNは中性のpHで弱塩基として働くグアニジンカチオンを含むため、GuSCNがpH7でRNAのアルカリ加水分解を誘発し得ることが想定される。高いRNA安定性は、金属カチオン又はアンモニウムカチオンを含む関連チオシアン酸塩にも確認されたが、核酸を抽出するために一般的に使用される過塩素酸塩では確認されなかった。これらの関連無機塩のうち、第1族又は第2族の金属カチオン(例えば、Na+、K+、Mg2+、Ca2+、Ba2+)とのチオシアン酸塩は、RNAの安定化に最も有効であることが分かった(RIN>5)。当業者であれば、金属カチオン、特に二価カチオンが、RNアーゼ酵素及び触媒RNA(例えば、リボザイム)の刺激補助因子であることを理解するであろう。従って、Mg2+又はCa2+系のチオシアン酸塩のRNA保存への応用性は、当業者でさえ予想しなかったであろう。
実施例12:乾燥血斑のRNA安定性の分析
実施例12は、全血由来の全細胞RNAを安定化するために3種の異なる無機塩の性能を評価するように設計した。約50μLのラット全血を被験体の尾静脈から採取し、乾燥形態で還元剤(例えば、TCEP)、緩衝液(例えば、Tris)及び酸化防止剤(例えば、THQ)と組み合わせて等モル濃度で表示の塩を含む化学的処理紙にスポットした。化学的に処理した乾燥セルロース紙を本質的に実施例11に上述するように調製した。化学的に含浸したセルロース紙の血斑を乾燥し、相対湿度約20%の調整湿度かつ周囲温度で19日間保存した。7mmの中央パンチ片から溶解緩衝液にRNAを抽出し、当該技術分野において公知のプロトコールに従い、シリカ膜スピンカラムを通して精製した。精製及び溶出の後、RNA 6000 Pico LabChipを用いて、Agilent2100バイオアナライザで、各試料のRNA Integrity Number(RIN)を測定した。また、RT−PCR又はマイクロアレイの応用などの下流の定量分析には、RIN>5が好適であると考えられ、RIN>6が最も好適であると考えられる。
実施例12の結果を図10に示す。実施例11におけるセルロース紙基材に含浸させた表示のチオシアン酸塩は、周囲温度でラット血液からのRNAを抽出し安定させるのに本質的に同等の効果を示した。これらの結果に基づいて、当業者であれば、開示の方法の実施にはいずれの関連チオシアン酸塩も使用できることを理解するであろう。
全ての刊行物、特許公報及び特許は、各個別の刊行物又は特許が具体的かつ個別に参照により導入されることが示されるのと同様に、本明細書に参照により導入される。単数形で記載したものであっても、文脈から明らかにそうでないことが示されていなければ、複数のものを含むものとする。明細書及び特許請求の範囲を通じて、本明細書に使用される概略を表す言葉(approximating language)は、関連する基本的な機能を変えることなく許容範囲内で変化できる任意の量的表現を修飾するために適用され得る。従って、「約」などの用語により修飾される値は、特定の厳密な値に限定されるものではない。場合によっては、概略を表す言葉は、値を測定する機器の精度に相当することがある。必要に応じて範囲が与えられ、それらの範囲は間の部分範囲を含む。

Claims (32)

  1. 試料から核酸を抽出及び保存するための乾燥固体マトリックスであって、チオシアン酸グアニジン(GuSCN)以外の1種以上のチオシアン酸塩、還元剤及び緩衝液を含む組成物を乾燥固体マトリックスに導入し、次いでマトリックスを乾燥させた、乾燥固体マトリックス。
  2. 1種以上のチオシアン酸塩が金属チオシアン酸塩である、請求項1記載の乾燥固体マトリックス。
  3. 金属チオシアン酸塩が第1族又は第2族の金属カチオンを含む、請求項2記載の乾燥固体マトリックス。
  4. 第1族又は第2族の金属カチオンが、Na+、K+、Li+、Mg2+、Ca2+及びBa2+からなる群から選択される、請求項3記載の乾燥固体マトリックス。
  5. 試料が生体試料である、請求項1記載の乾燥固体マトリックス。
  6. 固体マトリックスに存在する組成物が、UV阻害剤、ラジカル捕捉剤、キレート剤又はそれらの組合せをさらに含む、請求項1記載の乾燥固体マトリックス。
  7. 乾燥固体マトリックスに導入された組成物がさらにRNアーゼ阻害剤を含む、請求項1記載の乾燥固体マトリックス。
  8. 乾燥固体マトリックスにより、周囲条件下で乾燥形態の核酸の長期保存が可能となる、請求項1記載の乾燥固体マトリックス。
  9. 核酸が、RNA、DNA又はその組み合わせである、請求項8記載の乾燥固体マトリックス。
  10. 核酸がRNAである、請求項9記載の乾燥固体マトリックス。
  11. 固体マトリックスが、セルロース、酢酸セルロース、ガラス繊維又はそれらの組合せを含む多孔質マトリックスである、請求項1記載の乾燥固体マトリックス。
  12. 多孔質マトリックスがセルロース紙である、請求項11記載の乾燥固体マトリックス。
  13. チオシアン酸塩が、金属カチオンから構成され、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸リチウム、チオシアン酸マグネシウム、チオシアン酸カルシウム、チオシアン酸バリウム、チオシアン酸亜鉛及びその組み合わせからなる群から選択される、請求項1記載の乾燥固体マトリックス。
  14. 還元剤が、ジチオトレイトール(DTT)、2−メルカプトエタノール(2−ME)、トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)及びその組み合わせからなる群から選択される、請求項1記載の乾燥固体マトリックス。
  15. 緩衝液が、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−プロパン−1,3−ジオール(Tris)、2−(N−モルフォリノ)エタンスルホン酸(MES)、3−(N−モルフォリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)、4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)、クエン酸緩衝液及びリン酸緩衝液からなる群から選択される、請求項1記載の乾燥固体マトリックス。
  16. pH域が3〜8である、請求項15記載の乾燥固体マトリックス。
  17. UV保護剤又はラジカル捕捉剤が、ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)、ヒドロキノン(HQ)、トルヒドロキノン(THQ)及びアスコルビン酸からなる群から選択される、請求項6記載の乾燥固体マトリックス。
  18. RNアーゼ阻害剤が、バナジルリボヌクレオシド錯体(VRC)、ヌクレオチドアナログ又は市販のRNアーゼ阻害剤である、請求項7記載の乾燥固体マトリックス。
  19. 固体マトリックスが多孔質セルロースベースマトリックスであり、
    a)金属チオシアン酸塩が第1族又は第2族の金属カチオンで構成され、
    b)還元剤がTCEPであり、
    c)緩衝液がMOPSである、
    請求項2記載の乾燥固体マトリックス。
  20. ラジカル捕捉剤をさらに含む、請求項18記載の固体マトリックスであって、ラジカル捕捉剤がMEHQ又はTHQを含む、固体マトリックス。
  21. 試料から核酸を抽出し、保存する方法であって、
    a)組成物をチオシアン酸グアニジン以外のチオシアン酸塩、還元剤及び緩衝液を含む乾燥固体マトリックスに導入し、試料から核酸を抽出及び保存するための乾燥固体マトリックスを供給すること、
    b)乾燥固体マトリックスに組成物に導入した後に固体マトリックスを乾燥すること、
    c)核酸を収集するために乾燥固体マトリックスに試料を適用すること、
    d)核酸を含む固体マトリックスを乾燥すること、及び
    e)周囲条件下で乾燥状態の固体マトリックスで核酸を保存すること
    を含む、方法。
  22. チオシアン酸塩が金属カチオンを含む、請求項21記載の方法。
  23. 金属カチオンが第1族又は第2族の金属カチオンである、請求項22記載の方法。
  24. 金属カチオンが、Na+、K+、Li+、Mg2+、Ca2+及びBa2+からなる群から選択される、請求項23記載の方法。
  25. 固体マトリックスから核酸を回収することをさらに含む、請求項21記載の方法。
  26. 試料が生体試料である、請求項21記載の方法。
  27. 生体試料が、血液、血清、組織、唾液、鼻の粘液又は細胞である、請求項26記載の方法。
  28. 試料が、精製核酸試料又は組織培養細胞調製物である、請求項21記載の方法。
  29. 試料からの核酸の精製は、核酸を抽出及び保存するための乾燥固体マトリックスに試料を適用する前に不必要である、請求項21記載の方法。
  30. 方法により、周囲条件下で乾燥形態のRNAの長期保存が可能となる、請求項21記載の方法。
  31. 水溶液、緩衝液又は有機溶液でマトリックスを再水和することにより、乾燥固体マトリックスから核酸を回収し、核酸をさらなる分析に供する、請求項25記載の方法。
  32. 電気溶出により乾燥固体マトリックスから核酸を回収する、請求項25記載の方法。
JP2015549377A 2012-12-20 2013-10-21 固体基材上での核酸安定化のための配合物 Active JP6544860B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US13/721,948 US9040675B2 (en) 2012-04-30 2012-12-20 Formulations for nucleic acid stabilization on solid substrates
US13/721,948 2012-12-20
PCT/US2013/065821 WO2014099121A1 (en) 2012-12-20 2013-10-21 Formulations for nucleic acid stabilization on solid substrates

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2016505262A true JP2016505262A (ja) 2016-02-25
JP2016505262A5 JP2016505262A5 (ja) 2019-02-14
JP6544860B2 JP6544860B2 (ja) 2019-07-17

Family

ID=50978990

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015549377A Active JP6544860B2 (ja) 2012-12-20 2013-10-21 固体基材上での核酸安定化のための配合物

Country Status (4)

Country Link
EP (1) EP2935583B1 (ja)
JP (1) JP6544860B2 (ja)
ES (1) ES2692726T3 (ja)
WO (1) WO2014099121A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB201515355D0 (en) * 2015-08-28 2015-10-14 Ge Healthcare Ltd A method and kit for analyte detection
EP4035762B1 (en) 2015-09-09 2023-11-01 Drawbridge Health, Inc. Devices for sample collection, stabilization and preservation
WO2018081161A1 (en) 2016-10-24 2018-05-03 Biomatrica, Inc. Stabilization of nucleic acids on paper
SG10201911879UA (en) 2017-01-10 2020-01-30 Drawbridge Health Inc Devices, systems, and methods for sample collection
CN112662663B (zh) * 2021-01-27 2022-11-08 苏州赛普生物科技有限公司 一种适于常温运输的rna提取试剂盒及提取方法
CN115074356A (zh) * 2022-08-18 2022-09-20 中国农业科学院哈尔滨兽医研究所(中国动物卫生与流行病学中心哈尔滨分中心) 一种新冠病毒核酸提取促进剂及其应用

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1484111A1 (en) * 1995-06-07 2004-12-08 Whatman PLC Dry solid medium for storage and analysis of genetic material
JP2005137295A (ja) * 2003-11-07 2005-06-02 Hitachi High-Technologies Corp Rna抽出方法、および生体材料の分析方法
JP2005296013A (ja) * 2004-04-07 2005-10-27 F Hoffmann La Roche Ag 試料中の生体分子の安定化
JP2009261405A (ja) * 2003-01-29 2009-11-12 F Hoffmann La Roche Ag 重亜硫酸塩処理の改良された方法
WO2012018638A2 (en) * 2010-07-26 2012-02-09 Biomatrica, Inc. Compositions for stabilizing dna, rna and proteins in blood and other biological samples during shipping and storage at ambient temperatures
JP2012524074A (ja) * 2009-04-17 2012-10-11 コルビー ファーマシューティカル カンパニー 酸化的ストレスモジュレーター(osm)を含む薬学的に活性な組成物、新規化学物質、組成物および用途

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5496562A (en) * 1988-10-05 1996-03-05 Flinders Technologies Pty Ltd Solid medium and method for DNA storage
US5939259A (en) * 1997-04-09 1999-08-17 Schleicher & Schuell, Inc. Methods and devices for collecting and storing clinical samples for genetic analysis
BR0206488A (pt) * 2001-11-15 2008-08-05 Whatman Inc dispositivo, método e kit para armazenamento e análise de uma porção contendo ácido nucleico em uma amostra biológica
WO2004005553A1 (en) * 2002-07-10 2004-01-15 Massachusetts Institute Of Technology Apparatus and method for isolating a nucleic acid from a sample
GB0505909D0 (en) * 2005-03-23 2005-04-27 Univ Leeds Formulations
US8222397B2 (en) * 2009-08-28 2012-07-17 Promega Corporation Methods of optimal purification of nucleic acids and kit for use in performing such methods
EP2388312A1 (en) * 2010-05-17 2011-11-23 Curetis AG Universally applicable lysis buffer and processing methods for the lysis of bodily samples

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1484111A1 (en) * 1995-06-07 2004-12-08 Whatman PLC Dry solid medium for storage and analysis of genetic material
JP2009261405A (ja) * 2003-01-29 2009-11-12 F Hoffmann La Roche Ag 重亜硫酸塩処理の改良された方法
JP2005137295A (ja) * 2003-11-07 2005-06-02 Hitachi High-Technologies Corp Rna抽出方法、および生体材料の分析方法
JP2005296013A (ja) * 2004-04-07 2005-10-27 F Hoffmann La Roche Ag 試料中の生体分子の安定化
JP2012524074A (ja) * 2009-04-17 2012-10-11 コルビー ファーマシューティカル カンパニー 酸化的ストレスモジュレーター(osm)を含む薬学的に活性な組成物、新規化学物質、組成物および用途
WO2012018638A2 (en) * 2010-07-26 2012-02-09 Biomatrica, Inc. Compositions for stabilizing dna, rna and proteins in blood and other biological samples during shipping and storage at ambient temperatures

Also Published As

Publication number Publication date
EP2935583A1 (en) 2015-10-28
EP2935583A4 (en) 2016-07-27
ES2692726T3 (es) 2018-12-04
JP6544860B2 (ja) 2019-07-17
EP2935583B1 (en) 2018-09-12
WO2014099121A1 (en) 2014-06-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6847365B2 (ja) 核酸の抽出及び貯蔵のための方法及び組成物
US9040675B2 (en) Formulations for nucleic acid stabilization on solid substrates
JP6544860B2 (ja) 固体基材上での核酸安定化のための配合物
US9040679B2 (en) Methods and compositions for extraction and storage of nucleic acids
KR102214211B1 (ko) 핵산의 추출 및 저장을 위한 방법 및 조성물
CN103370412B (zh) 核糖核酸稳定性增强剂
CN108350435B (zh) Rna病毒的收集装置和方法
CN103173432B (zh) 分离核酸的方法及装置
US9719082B2 (en) Substrates and associated methods for elution of nucleic acids
Ozkan et al. Comparative evaluation of RNAlater solution and snap frozen methods for gene expression studies in different tissues
US10501736B2 (en) Solid matrix for the storage of biological samples

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161014

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170912

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20171212

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180626

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20180926

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20181122

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181221

A524 Written submission of copy of amendment under article 19 pct

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A524

Effective date: 20181221

TRDD Decision of grant or rejection written
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20190515

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190521

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190617

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6544860

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250