JP2016504920A - 脱グリコシル化ステップを介したタンパク質の改善された精製 - Google Patents

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Abstract

本願発明は、脱グリコシル化ステップの使用による目的のポリペプチドを精製するための方法に関する。

Description

本願発明は、脱グリコシル化ステップを使用して目的のポリペプチドを精製する方法に関する。
多くの場合、タンパク質精製プロトコールは、1つ以上のクロマトグラフィーステップを含む。クロマトグラフィーの手順の例は、タンパク質を含む溶液を、さまざまな材料で充填されたカラムを通して流すことである。さまざまなタンパク質が、カラム材料と異なって相互作用し、そしてカラムを通過するのに必要な時間、又はカラムからタンパク質を溶出するために必要な条件によって分離され得る。
クロマトグラフィーは、混合物の分離のための一連の実験技術の総称である。混合物は、流動相と呼ばれる流体中に溶解され、そして、それを固定相と呼ばれる他の物質を保持する構造体を通して運ぶ。混合物のさまざまな成分は、異なる速度で移動し、それによってそれらは分離する。分離は、移動相及び固定相の間の示差分配(differential partitioning)に基づく。化合物の分配係数における微妙な差が、固定相での保持の差異をもたらし、そして分離を変化させる。多くの異なるクロマトグラフ法が存在する。
疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)は、疎水性領域を含むリガンド(例えば、ベンジル基)に基づく。リガンドの疎水性部分は、タンパク質の疎水性領域を引き付け、そしてタンパク質の疎水性領域が大きいほど、リガンドと特定のタンパク質との間の引力が強い。
イオン交換クロマトグラフィーは、化合物を、それらのイオン電荷の性質及び程度に応じて分離する。使用されるカラムは、電荷の種類及び強度に応じて選択される。陰イオン交換樹脂は、正電荷を有し(例えば、アミン)、負電荷を持つ化合物を保持し、そして分離するために使用される一方で、陽イオン交換樹脂は、負電荷を有し(例えば、カルボキシレート基)、そして正電荷を持つ分子を分離するために使用される。
当該技術分野で知られるように、ミックスモードクロマトグラフィー(MMC)、又はマルチモードクロマトグラフィーは、分析物の分離を達成するために、固定相と分析物の間の相互作用の2つ以上の形態を使用するクロマトグラフ法を意味する。従来のシングルモードクロマトグラフィーと異なることは、MMCにおける二次的な相互作用が、弱すぎず、従って、それらがまた、溶質の保持に貢献することである。
MMCリガンドの例は、例えば、ベンジルアミンであってもよく、ここでベンジル基は、疎水性部分と考えられ、そしてアミン基は、正電荷部分(すなわち、例えば、陰イオン交換のための)と考えられる。
タンパク質のグリコシル化は、真核生物において、一般的な翻訳後修飾である。グリコシル化は、N‐結合型(Asnに結合)又はO‐結合型(Ser又はThrに結合)のいずれかであり得る。酵素に対するグリコシル化の影響は、多くのその特性、例えば、溶解性、疎水性等に影響を及ぼし、そして反対、いわゆる脱グリコシル化もまた、タンパク質の特性に影響を及ぼし得る。
当該技術分野で知られるように、用語「グリコシダーゼ(glycosidase)」(また、グリコシドヒドロラーゼとも呼ばれる)は、グリコシド結合(linkage)/結合(bond)の加水分解を触媒する酵素を意味し、グリコシダーゼは、本明細書中では、また、グリコシル化酵素と呼ばれてもよい。
凝乳酵素、例えば、キモシン及びペプシンによる乳の酵素的凝固は、チーズの製造において最も重要なプロセスの1つである。酵素的乳凝固は、2段階プロセス:第一段階では、タンパク質分解酵素、キモシン又はペプシンが、κ‐カゼインを攻撃し、カゼインミセル構造の準安定状態をもたらし、第二段階では、乳がその後凝固し、そして凝塊を形成する。
キモシン(EC3.4.23.4)及びペプシン(EC3.4.23.1)は、哺乳類の胃の凝乳酵素であり、ペプチダーゼの広いクラスに属するアスパラギン酸プロテアーゼである。
国際公開第01/58924A2(Upfront Chromatography A/S,Denmark)は、凝乳酵素、例えば、キモシンのクロマトグラフ精製のためのミックスモードリガンドベンジルアミンの使用を記載している。
国際公開第01/58924A2は、本明細書中に記載された、目的のタンパク質が精製プロセスにおいてリガンドに吸着され/結合される前の、その脱グリコシル化に関する重要な関連性について全く記載していない。
本発明が解決しようとする課題は、目的のポリペプチドを精製するための新規方法を提供することであり、ここで本方法は、目的のポリペプチドの増加量(分子数)を得ることができる。
本明細書中で論じられそして理論に限定されることなく、本明細書中の関連のある重要な技術的教示は、本発明者等が、目的の糖タンパク質の適切な脱グリコシル化によって、疎水性部分及び/又は正電荷を持つ部分を含むリガンドに対するより良い/より高い結合能力を得ることができることを突き止めたことである。
このような脱グリコシル化ステップは、実施するために当業者にとってルーチンステップであるので、当業者は、本明細書中の関連のある目的のポリペプチド/タンパク質の脱グリコシル化を得るために、多数の様々なグリコシダーゼ酵素を知っており、そして試料に適切なものを加える方法を知っている。
さらに、当業者は、多数の様々な本明細書中の関連のあるリガンドを知っている(例えば、総説:Yangら、Journal of Chromatography A,1218(2011)8813‐8825を参照)。
当業者は、多数の本明細書中の関連のある精製/分離技術を知っており、そしてそれらは、リガンドに対する目的のタンパク質の吸着/結合、例えば、カラムクロマトグラフィー、拡張ベッド吸着(EBA)、イオン交換クロマトグラフィー等に基づく。
本明細書中の実施例では、2つの構造的に異なる酵素(リゾムコール ミエヘイ(Rhizomucor miehei)由来のムコールペプシン及びラクダキモシン)がベンジルアミンリガンド(すなわち、疎水性部分(ベンジル)及び正電荷を持つ部分(アミン)の両方を含むと考えられ得るリガンド)に対する顕著に優れた結合能力を与えたことが理解できる。
本明細書中の実施例では、上記正に改善した結合能力がまた、疎水性部分のみを含むと考え得るリガンド(本願明細書中の実施例3を参照)及び正電荷を持つ部分のみを含むと考え得るリガンド(本願明細書中の実施例4を参照)に対しても示されることが理解できる。
理論に限定されることなく、例えば、リガンドの疎水性部分に対するより高い結合は、親水性のグリカンの喪失の結果として、リガンドに対する増加した親和性によって説明することができるであろう。
理論に限定されることなく、例えば、リガンドの正電荷を有する部分に対する高い結合は、グリカンの喪失の結果として、タンパク質表面の電荷の局所的な曝露の変化によって説明することができるであろう。
従って、本発明の第一態様は、目的のそのようなポリペプチドを含む水性媒体から目的のポリペプチドを精製する方法に関し、ここで前記方法は、以下のステップ:
(i):グリコシル化形態での目的のポリペプチドを含む多数の成分からなる水性試料を得て;
(ii):グリコシダーゼ及び/又は化学処理(例えば、過ヨード酸塩での処理)をステップ(i)の試料に加え、目的のポリペプチドを脱グリコシル化し、水性ロード媒体を得て;
(iii):ステップ(ii)のロード媒体を、疎水性部分及び/又は正電荷部分を含むリガンドを含む固体基材を含む固相に適用し、リガンドに対する目的のポリペプチドの吸着を得て;
(iv):固相から目的のポリペプチドを溶出し、目的のポリペプチドを回収し、そしてそれによって精製された目的のポリペプチドを得る
ことを含み、ここで、ステップ(iv)で得られた精製された目的のポリペプチドの量(分子数)が、ステップ(ii)を含まない、目的のポリペプチドを精製するための同じように実施された比較方法と比較して、少なくとも5%増加される、方法である。グリコシダーゼを添加する、第一態様のステップ(ii)があることが好ましい。
ステップ(ii)でのグリコシダーゼの添加に起因して、ステップ(iv)で得られる精製された目的のポリペプチドの量(分子数)が少なくとも5%増加する場合、当業者にとって、試験するための同じように実施された比較例を作ることはルーチンワークである。
第一態様の方法及び比較方法は、簡単に実施することができ、ここで比較方法において、ステップ(ii)のグリコシダーゼの添加が使用されないこと以外は、すべて完全に同じである。
結果が、同じように実施された比較方法(すなわち、ステップ(ii)なし)と比較して、少なくとも5%増加した、ステップ(iv)で得られた精製された目的のポリペプチドの量(分子数)を得ることである場合、ステップ(iv)において得られる精製された目的のポリペプチドの量(分子数)が、ステップ(ii)を含まない、目的のペプチドを精製するための方法を含む同じように実施された比較方法と比較して、少なくとも5%増加される状態を有する。
好ましくは、ステップ(iv)で得られる目的のポリペプチドの量(分子数)が、ステップ(ii)を含まない、目的のポリペプチドを精製するための同じように実施された比較方法と比較して、少なくとも10%増加する。
より好ましくは、ステップ(iv)で得られる目的のポリペプチドの量(分子数)が、ステップ(ii)を含まない、目的のポリペプチドを精製するための同じように実施された比較方法と比較して、少なくとも25%増加する。
さらにより好ましくは、ステップ(iv)で得られる目的のポリペプチドの量(分子数)が、ステップ(ii)を含まない、目的のポリペプチドを精製するための同じように実施された比較方法と比較して、少なくとも50%増加する。
当該技術分野において知られるように、分子数のための適切な単位は、モルと称される単位である。
当業者に理解されるように、ステップ(iv)の精製された目的のポリペプチドを含む組成物は、さまざまなグリコシル化プロフィールを有する、すなわち、それ自体、新規組成物と考えられる。
従って、本発明の第二態様は、精製された目的のポリペプチドを含む組成物に関し、ここで、組成物は、本明細書中で記載されたような、第一態様及びその実施態様の方法によって得られる。
理論に限定されることなく、凝乳酵素のすべての商業的に関連する製品は、生産/発現(例えば、組み換え産生)の間、目的の凝乳酵素をグリコシル化する、真核生物の産生宿主細胞を使用して製造されるか、又は関連する動物の胃(例えば、ウシの胃)から抽出され、言い換えると、凝乳酵素のすべての商業的に関連する製品は、グリコシル化酵素である。
商業的に関連する製品の例は、例えば、欧州特許第0805866B1(Harboeら、Chr.Hansen A/S,Denmark)に記載されたような、リゾムコール ミエヘイ(Rhizomucor miehei)由来のムコールペプシンであり、ここで、商業的に関連する製品であるHannilase(登録商標)(Chr.Hansen A/S,Denmark)は、真核生物の産生宿主細胞としてリゾムコール ミエヘイ(Rhizomucor miehei)を使用して製造される。
他の例は、例えば、国際公開第02/36752A2(Chr.Hansen)に記載されたような、カメールス ドロメダリウス(Camelius dromedarius)のキモシンであり、ここで、商業的に関連する製品であるCHY‐MAX(登録商標)M(Chr.Hansen A/S)は、真核生物の産生宿主細胞としてアスペルギルス ニガー(Aspergillus niger)を使用して製造される。
上で論じられそして理論に限定されることなく、本明細書中の関連のある重要な技術的教示は、本発明者等が、目的の糖タンパク質の適切な脱グリコシル化によって、疎水性部分及び/又は正電荷を持つ部分を含むリガンドに対するより良い/より高い結合能力を得ることができることを突き止めたことである。
従って、本明細書中に記載の技術的教示に基づいて、当業者は、目的の商業的に関連する凝乳酵素を精製するために、本明細書に記載されたような第一態様の方法の代替方法を通常見出すことができ、ここで、本方法は、本質的に、凝乳酵素の顕著なグリコシル化を与えない、産生宿主細胞を使用すると考えられる。この目的の顕著にグリコシル化されていない凝乳酵素は、それを、本発明の第一態様及びその実施態様に関する、本明細書に記載したような関連するリガンドに適用することによって精製されてもよい。
従って、本発明の分離態様は、目的のそのような凝乳酵素を含む水性媒体から、目的の凝乳酵素を精製するための方法に関し、本方法は、以下のステップ:
(I):産生宿主細胞において目的の凝乳酵素を産生し、ここで産生宿主細胞は、凝乳酵素の顕著なグリコシル化を与えず、本質的にグリコシル化形態ではない目的の凝乳酵素の少なくとも10g(乾燥重量)(例えば、好ましくは、少なくとも100g又は少なくとも1kgの乾燥重量)を含む多数の成分からなる水性試料を得、そしてこれにより、水性ロード媒体を得て;
(II):ステップ(I)のロード媒体を、疎水性部分及び/又は正電荷を持つ部分を含むリガンドを含む固体基材を含む固相に適用し、リガンドに対する目的のポリペプチドの吸着を得て;そして
(III):固相から目的の凝乳酵素を溶出し、目的の凝乳酵素を回収し、そしてそれによって精製された目的の凝乳酵素を得る
ことを含む。
本文脈において当業者に理解されるように、本明細書中のステップ(I)の適切な産生宿主細胞の関連する例は、例えば、原核細胞の産生宿主細胞(例えば、バチルス(Bacillus)の大腸菌(E.coli)等)であってもよい。
当該技術分野で知られるように、いくつかの真核細胞の産生宿主細胞もまた、目的のタンパク質(本明細書中の目的の凝乳酵素)の顕著なグリコシル化を与えないことによって特徴付けられてもよい。この本明細書中の適切な関連する例は、遺伝子組み換え細胞であり、ここで、グリコシル化に必須の遺伝子が不活性化(例えば、欠失又は変異)されている。
本文脈において当業者に理解されるように、第一態様の方法の適切な本明細書の関連する実施態様はまた、直前に記載された分離態様の方法のための実施態様を実施してもよく、例えば、好ましいリガンドは、例えば、ベンジルアミンでもよく、及び/又は、好ましい目的の凝乳酵素は、例えば、リゾムコール ミエヘイ(Rhizomucor miehei)由来のムコールペプシン;又はキモシンでもよく、ここで、キモシンのポリペプチド配列は、配列番号1(ラクダキモシン)の成熟ポリペプチドと少なくとも90%の同一性を有し、そしてそれは、配列番号1の59位のアミノ酸から381位のアミノ酸である。
定義
本明細書中の関連する用語のすべての定義は、本明細書中の関連する技術の文脈に関して、当業者によって理解されるであろうものに従う。
用語「酵素(enzyme)」は、酵素活性を有する酵素、すなわち、活性酵素を意味する。例えば、酵素が凝乳酵素(例えば、キモシン)である場合、活性は、国際凝乳単位(IMCU)で表される凝乳活性(C)を決定されてもよい。これは、標準方法(ISO11815 IDF157,2007)によって決定され、これは、κ‐カゼインのPhe105‐Met106結合又は隣接する結合を切断することによって、乳を凝集する活性を記載する。
用語「グリカン(glycan)」は、ポリサッカライド(多糖)又はオリゴサッカライド(オリゴ糖)を意味する。グリカンは、モノサッカライド残基のホモ又はヘテロポリマーであり得、そして直鎖又は分岐であり得る。グリカンは、また、糖複合体(glycoconjugate)、例えば、糖タンパク質、糖脂質、又はプロテオグリカンの炭水化物部分を意味するために使用されてもよい。
用語「グリコシダーゼ(glycosidase)」(いわゆる、グリコシド分解酵素)は、グリコシド結合(linkage)/結合(bond)の加水分解を触媒する酵素を意味し、グリコシド結合(bond)は、炭水化物(糖)分子と他の基(他の炭水化物であってもなくてもよい)とを結合する共有結合の一種である。部分的に又は完全にN‐結合型グリカンを脱グリコシド化したグリコシダーゼは、本明細書中では、N‐結合型グリコシダーゼと呼ばれてもよい。同様に、部分的に又は完全にO‐結合型グリカンを脱グリコシル化するグリコシダーゼは、本明細書中では、O‐結合型グリコシダーゼと呼ばれてもよい。
用語「N‐結合型グリコシダーゼ(N‐linked glycosidase)」は、当該技術分野において明確定義された用語であり、そして当業者は、目的の特定のグリコシダーゼが、N‐結合型グリコシダーゼかどうかを知っている。
同様に、用語「O‐結合型グリコシダーゼ(O‐linked glycosidase)」は、当該技術分野において明確定義された用語であり、そして当業者は、目的の特定のグリコシダーゼが、O‐結合型グリコシダーゼかどうかを知っている。グリコシダーゼはまた、本明細書中では、脱グリコシル化酵素と呼ばれてもよい。
用語「グリコシル化(glycosylation)」は、グリカンを、タンパク質、脂質、又は他の有機分子に付ける酵素的プロセスである。
用語「N‐結合型グリカン(N‐linked glycan)」は、通常、アスパラギン又はアスパラギン側鎖の窒素に付くグリカンを意味する。
用語「O‐結合型グリカン(O‐Linked glycan)」は、通常、セリン、スレオニン、チロシン、ヒドロキシリシン、又はヒドロキシプロリン側鎖のヒドロキシ酸素に付くグリカンを意味する。
用語「ポリペプチド(polypeptide)」は、ペプチド結合によって一緒に結合されたアミノ酸の単一の線状ポリマー鎖を意味する。
用語「グリコシル化形態でのポリペプチド(polypeptide in a glycosylated form)」は、ポリペプチド側鎖に共有的に付いたオリゴサッカライド鎖(グリカン)を含むポリペプチドである。炭水化物は、翻訳時又は翻訳後修飾において、ポリペプチドに付く。
用語「タンパク質(protein)」は、1つ以上のアミノ酸鎖からなる相対的に大きな生体分子に関する。
用語「グリコシル化形態でのタンパク質(protein in a glycosylated form)」は、タンパク質側鎖に共有的に付いたオリゴサッカライド鎖(グリカン)を含むタンパク質である。炭水化物は、翻訳時又は翻訳後修飾において、ポリペプチドに付く。これは、本明細書中では、代替的に、「糖タンパク質(glycoprotein)」と呼ばれてもよい。
用語「配列同一性(Sequence Identity)」は、2つのアミノ酸配列間又は2つのヌクレオチド配列間の関連に関する。本発明の目的のために、2つのアミノ酸配列の間の配列同一性の程度は、当該技術分野に従って決定され、そして好ましくは、EMBOSSパッケージ(EMBOSS:The European Molecular Biology Open Software Suite,Riceら,2000,Trends Genet.16:276‐277)、好ましくは、version3.0.0又は以降のNeedleプログラムにより実行されるような、Needleman‐Wunschアルゴリズム(Needleman及びWunsch,1970,J.Mol.Biol.48:443‐453)を使用して決定される。使用される任意のパラメーターは、10のギャップ開始(open)ペナルティ、0.5のギャップ伸長(extension)ペナルティ、及びEBLOSUM62(BLOSUM62のEMBOSS version)置換行列(substitution matrix)である。「最長同一性(longest identity)」と表示されたNeedleの出力値(‐nobriefオプションを使用して得られる)を、パーセント同一性として使用する。これは、以下の式に従って算出される。
(同一残基×100)/(アライメント長−アライメント中のギャップ総数)
本発明の目的のために、2つのデオキシリボヌクレオチド配列間の配列同一性の程度は、当該技術分野に従って決定され、そして好ましくは、EMBOSSパッケージ(EMBOSS:The European Molecular Biology Open Software Suite,Riceら,2000,Trends Genet.16:276‐277)、好ましくは、version3.0.0又は以降のNeedleプログラムにより実行されるような、Needleman‐Wunschアルゴリズム(Needleman及びWunsch,1970,J.Mol.Biol.48:443‐453)を使用して決定される。使用される任意のパラメーターは、10のギャップ開始(open)ペナルティ、0.5のギャップ伸長(extension)ペナルティ、及びEDNAFULL(NCBI NUC4.4のEMBOSS version)置換行列(substitution matrix)である。「最長同一性(longest identity)」と表示されたNeedleの出力値(‐nobriefオプションを使用して得られる)を、パーセント同一性として使用する。これは、以下の式に従って算出される。
(同一デオキシリボヌクレオチド×100)/(アライメント長−アライメント中のギャップ総数)
本願発明の実施態様を、例示の目的のみで、以下に記載する。
目的のポリペプチド
理論に限定されることなく、第一態様の方法は、原則として目的の任意のポリペプチドに関して関連がある可能性があると考えられる。
目的のポリペプチドは、目的のタンパク質であることが好ましい場合がある。目的のタンパク質は、目的の酵素であってもよく、例えば、リパーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、β‐ガラクトシダーゼ又はペルオキシダーゼである。
当該技術分野で知られるように、凝乳酵素、例えば、キモシン及びペプシンによる乳の酵素的凝固は、チーズの製造において最も重要なプロセスの1つである。酵素的乳凝固は、2段階プロセス:第一段階では、タンパク質分解酵素、キモシン又はペプシンが、κ‐カゼインを攻撃し、カゼインミセル構造の準安定状態をもたらし、第二段階では、乳がその後凝固し、そして凝塊を形成する。
キモシン(EC3.4.23.4)及びペプシン(EC3.4.23.1)は、哺乳類の胃の凝乳酵素であり、ペプチダーゼの広いクラスに属するアスパラギン酸プロテアーゼである。
凝乳酵素の他の例は、ムコールペプシン(EC3.4.23.23)である。本明細書中の実施例において、第一態様の方法が、2つの異なるキモシン(1つは、リゾムコール ミエヘイ(Rhizomucor miehei)由来のムコールペプシンであり、そしてもう1つが、カメールス ドロメダリウス(Camelius dromedarius)由来のキモシンである)の精製を改善するために使用されてもよいことが示されている。好ましい実施態様では、目的の酵素は、目的のアスパラギン酸プロテアーゼである。
好ましい実施態様では、目的の酵素は目的の凝乳酵素であり、好ましくは、キモシン(EC3.4.23.4)、ペプシン(EC.3.4.23.1)及びムコールペプシン(EC3.4.23.23)からなる群から選択される凝乳酵素である。
好ましい実施態様では、目的の酵素は、例えば、欧州特許第0805866B1(Harboeら、Chr.Hansen A/S,Denmark)に記載されたようなリゾムコール ミエヘイ(Rhizomucor miehei)由来のムコールペプシンである。
欧州特許第0805866B1の段落[0021]に記載されるように、本明細書中において、リゾムコール ミエヘイ(Rhizomucor miehei)由来の関連するムコールペプシンは、その活性形態において、361のアミノ酸残基を含み、そして約38701のグリコシル部分を除く計算された分子量を有する。
欧州特許第0805866B1の段落[0013]で説明したように、本明細書中では、リゾムコール ミエヘイ(Rhizomucor miehei)由来の関連するムコールペプシンは、Chr.Hansen A/Sによって、Hannilase(登録商標)として商業的に販売されている。
本明細書中では、目的の関連する酵素は、例えば、国際公開第02/36752A2(Chr.Hansen)に記載されたような、カメールス ドロメダリウス(Camelius dromedarius)キモシンである。それは、本明細書中では、代替的に、ラクダキモシンと呼ばれてもよく、そして公知のアミノ酸配列は、本明細書中の配列番号1で示される。
従って、好ましい実施態様では、目的の酵素はキモシンであり、ここで、キモシンのポリペプチド配列は、配列番号1(ラクダキモシン)の成熟ポリペプチド、そしてそれは、配列番号1の59位のアミノ酸から381位のアミノ酸であり、と少なくとも90%(好ましくは、少なくとも95%、より好ましくは、少なくとも99%)の配列同一性を有する配列を含む。
好ましくは、目的の酵素はキモシンであり、ここで、キモシンのポリペプチド配列は、配列番号1(ラクダキモシン)の成熟ポリペプチドを含み、そしてそれは、配列番号1の59位のアミノ酸から381位のアミノ酸である。
第一態様のステップ(i)‐グリコシル化形態での目的のポリペプチドを有する試料の取得
第一態様のステップ(i)は、グリコシル化形態での目的のポリペプチドを含む多数の成分からなる水性試料を得ることに関する。
試料は、目的のポリペプチドの大部分がグリコシル化形態である試料であってもよい。しかしながら、それは、代替的に、例えば、目的のポリペプチドの50%未満がグリコシル化形態である試料であってもよい。当業者にとって、そのような試料を得ることはルーチンワークである。
それは、例えば、真核生物の産生宿主細胞における目的のタンパク質の組み換え産生によって得られてもよく、当該技術分野において知られるように、真核生物の産生宿主細胞は、組み換え産生/発現の間に目的のタンパク質をグリコシル化してもよい。
従って、例えば、真核生物の産生宿主細胞において目的のタンパク質の産生(例えば、組み換え産生)を行うことにより、ステップ(i)において必要とされるような、グリコシル化形態での目的のポリペプチド/タンパク質を含む多数の成分からなる試料を得てもよい。
当該技術分野において知られるように、例えば、目的のタンパク質のさらなる下流での精製の前に、通常、発酵培地中の産生宿主細胞及び他の所望しない物質を除去/分離し(例えば、遠心分離及び/又は濾過によって)、すなわち、多すぎる所望しない成分、例えば、産生宿主細胞を含まない目的のタンパク質を含む試料を得る。当該技術分野で知られるように、これは、時として、非精製第一濾液と呼ばれてもよく、この用語は、本明細書中で使用されてもよく、そしてそれは、本明細書中では、ステップ(i)のグリコシル化形態での目的のポリペプチドを含む多数の成分からなる関連する試料の例であってもよい。
あるいは、それは、より精製された試料であってもよく、例えば、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)などの使用によって第一精製を行ったサンプルでもよい。
例えば、目的のタンパク質の産生(例えば、組み換え産生)のための多数の適切な真核生物の産生宿主細胞は、当該技術分野において知られており、本明細書中では、関連する例は、例えば、哺乳類細胞(例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞等)又は真菌細胞(例えば、アスペルギルス(Aspergillus細胞、好ましくは、アスペルギルス ニガー(Aspergillus niger)又はアスペルギルス オリザ(Aspergillus oryzae))である。
国際公開第02/36752A2(Chr.Hansen)は、アスペルギルス(Aspergillus)細胞、(好ましくは、アスペルギルス ニガー(Aspergillus niger)を産生宿主細胞として使用する、カメールス ドロメダリウス(Camelius dromedarius)キモシンを製造するための組み換え方法を記載する。
従って、目的の酵素が凝乳酵素(例えば、キモシン(EC3.4.23.4)、ペプシン(EC3.4.23.1)及びムコールペプシン(EC3.4.23.23)からなる群から選択される)である場合、産生宿主細胞が、アスペルギルス(Aspergillus)細胞(好ましくは、アスペルギルス ニガー(Aspergillus niger))であることが望ましいであろう。
リゾムコール ミエヘイ(Rhizomucor miehei)由来のムコールペプシンは、好ましくは、産生宿主細胞としてリゾムコール ミエヘイ(Rhizomucor miehei)の使用によって産生されてもよい。
第一態様のステップ(ii)‐グリコシダーゼのステップ(ii)への添加
第一態様のステップ(ii)は、グリコシダーゼをステップ(i)のサンプルに添加し、目的のポリペプチド(例えば、タンパク質)を脱グリコシル化して、水性ロード媒体を得ることに関する。
用語「ロード媒体(load medium)」は、ステップ(ii)で得られる媒体に単に関し、そしてそれは、第一態様のステップ(iii)において使用される。
ロード媒体は、ステップ(i)の試料のグリコポリペプチドの大部分が脱グリコシル化したロード媒体であってもよい。あるいは、ロード媒体は、例えば、ステップ(i)の試料のグリコポリペプチドの50%未満が脱グリコシル化したロード媒体であってもよい。
本発明の文脈において、このステップ(ii)は、重要なステップと考えられ、そして第一態様の方法の主な目的/利点に関連しており、そしてそれは、そのように精製方法を改善することであり、それによって、増加した量の精製された目的のポリペプチド/タンパク質を得ることができる。
上で論じられそして理論に限定されることなく、本明細書中の関連のある重要な技術的教示は、本発明者等が、目的の糖タンパク質の適切な脱グリコシル化によって、疎水性部分及び/又は正電荷を持つ部分を含むリガンドに対するより良い/より高い結合能力を得ることができることを突き止めたことである。
このような本ステップは、実行するために当業者にとってルーチンステップであるので、当業者は、本明細書中の関連のある目的のポリペプチド/タンパク質の脱グリコシル化を得るために、多数の様々なグリコシダーゼ酵素を知っており、そして試料に適切なものを加える方法を知っている。
さらに、例えば、試行錯誤実験の相対的に限定された量を作ることよって、当業者は、特定の目的のポリペプチド/タンパク質に関する好ましいグリコシダーゼ酵素を確認することができ、すなわち、本発明の文脈の特性において、目的のポリペプチド/タンパク質を脱グリコシル化することができるグリコシダーゼ酵素である。
ステップ(ii)で添加された活性グリコシダーゼの適切な/最適な量を確認し、本明細書中の目的のポリペプチド/タンパク質の関連する脱グリコシル化を得ることはまた、当業者にとってルーチンワークである。
第一態様の方法の最後の段落は、ステップ(iv)で得られた目的の精製されたポリペプチドの量(分子数)が、ステップ(ii)を含まない、目的のポリペプチドを精製するための同じように実施された比較方法と比較して、少なくとも5%増加することに関する。
当業者によって理解されるように、この段落は、第一態様のステップ(ii)に対する限定を意味し、例えば、不活性又は機能しないグリコシダーゼがステップ(ii)で使用された場合、目的の精製されたポリペプチドの5%増加した量を得ることができないことを意味する。
第一態様のステップ(ii)における脱グリコシル化は、目的のポリペプチドがグリコシダーゼ酵素(例えば、Endo‐H等)をさらに発現する産生宿主細胞を提供することによって得られてもよく、それによって、目的の最初にグリコシル化されたポリペプチドが細胞内で又は続く分泌で脱グリコシル化される。
従って、本発明の実施態様は、以下:
第一態様のステップ(i)で必要とされるようなグリコシル化形態での目的のポリペプチド/タンパク質を含む多数の成分からなる試料は、真核生物の産生宿主細胞における目的のポリペプチド又はタンパク質の産生(例えば、組み換え産生)によって得られ;そして
ステップ(ii)のグリコシダーゼの添加が、目的のポリペプチド/タンパク質に加えてステップ(i)で使用される産生宿主細胞がまたグリコシダーゼ酵素(例えば、Endo‐H等)を発現することによって行われ、それによって、最初にグリコシル化された目的のポリペプチドが、細胞内で又は続く分泌で脱グリコシル化され、そしてそれによってステップ(ii)の水性ロード媒体が得られてもよい。
第一態様のステップ(ii)でのグリコシダーゼの添加が、インビトロ活性グリコシダーゼを添加することによって行われることが好ましいであろう。
上で論じたように、用語「グリコシダーゼ(glycosidase)」(グリコシド分解酵素とも呼ばれる)は、グリコシド結合(linkage)/結合(bond)の加水分解を触媒する酵素を意味し、グリコシド結合(bond)は、炭水化物(糖)分子と他の基(他の炭水化物であってもなくてもよい)とを結合する共有結合の一種である。上記の通り、グリコシダーゼはまた、本明細書中では、脱グリコシル化酵素と呼ばれてもよい。
グリコシダーゼは天然のグリコシダーゼでもよく、又は天然のグリコシダーゼのバリアント/突然変異体であってもよく、当業者に知られるように、目的の酵素(本明細書中ではグリコシダーゼ)の突然変異されたバリアントを作製し、例えば、酵素の重要な酵素活性(本明細書中ではグリコシダーゼ活性)を維持しつつ、酵素の安定性を改善することができる。
当業者は、本明細書中の関連するN‐結合型又はO‐結合型グリコシル化を含む目的のポリペプチド/タンパク質を知っている又は通常決定することができ、それによって、本発明の文脈において、N‐結合型又はO‐結合型グリコシダーゼを使用することが好ましいかどうかを、通常、決定することができる。
本明細書では、多数の、例えば、商業的に関連するタンパク質が、N‐結合型グリコシル化を含んでおり、従って、N‐結合型グリコシダーゼを使用することが好ましい。
従って、ステップ(ii)で使用されるグリコシダーゼは、N‐結合型グリコシダーゼであることが好ましいであろう。
上で論じたように、用語「N‐結合型グリコシダーゼ」は、当該技術分野において明確定義された用語であり、そして当業者は、目的の特定のグリコシダーゼが、N‐結合型グリコシダーゼかどうかを知っている。さらに、先行技術は、本明細書中の多数の異なる適切なN‐結合型グリコシダーゼを記載する。
本明細書では、適切なN‐結合型グリコシダーゼの例は、ペプチド‐N(4)‐(N‐アセチル‐β‐グルコサミニル)アスパラギンアミダーゼ(EC番号:3.5.1.52;別名:N‐グリコシダーゼ‐F又はPNGase‐F)及びエンド‐β‐N‐アセチルグルコサミニダーゼH(EC番号:3.2.1.96;別名ENDO‐H)からなる群から選択される少なくとも1つのグリコシダーゼであってもよい。
直前で記載されたN‐結合型グリコシダーゼは、本文脈において、N‐結合型グリコシダーゼ活性を有し、そしてここでは顕著なO‐結合型グリコシダーゼ活性を有しないグリコシダーゼとして記載されてもよい。従って、本明細書中では、N‐結合型グリコシダーゼが、本明細書中では、O‐結合型グリコシダーゼ活性と関連を有しない(例えば、非O‐結合型グリコシダーゼ活性)N‐結合型グリコシダーゼであることが好ましいであろう。
N‐グリコシダーゼ‐Fは、またPNGase‐Fとして知られているが、フラボバクテリウム メニンゴセプチカム(Flavobacterium mesingosepticum)由来であってもよいアスパラギンアミダーゼ(EC3.5.1.52)である。それは、糖タンパク質からN‐結合型オリゴサッカライドの完全な無傷の切断を触媒する。それは、PNGase‐Fの名称の下、New England Biolabs Inc.製の市販品として得られてもよく、又は大腸菌(Escherichia coli)などの株で組み換え的に製造されてもよい。
Endo‐β‐N‐アセチルグルコサミニダーゼH(EC3.2.1.96)は、またENDO‐Hとして知られているが、ストレプトマイセス プリカタス(streptomyces plicatus)由来であってもよい。ENDO‐Hは、N‐結合型グリコシル化の2つのN‐アセチルグルコサミン間のグリコシド結合の加水分解を触媒する。それは、ENDO‐Hの名称の下、New England Biolabs Inc.製の市販品として得られてもよい。
特に、目的の酵素が、(例えば、キモシン(EC3.4.23.4)、ペプシン(EC3.4.23.1)及びムコールペプシン(EC3.4.23.23)から選択される)凝乳酵素である場合、N‐結合型グリコシダーゼがEndo‐β‐N‐アセチルグルコサミニダーゼH(EC番号:3.2.1.96;別名ENDO‐H)であることが好ましいであろう。ステップ(ii)でのN‐結合型グリコシダーゼとしてのENDO‐Hno使用は、目的の酵素がリゾムコール ミエヘイ(Rhizomucor miehei)(上記参照)由来のムコールペプシンである場合、又は目的の酵素がラクダキモシン(例えば、カメールス ドロメダリウス(Camelius dromedarius)(上記参照)由来)である場合、特に好ましいであろう。
上で論じたように、用語「O‐結合型グリコシダーゼ」は、当該技術分野において明確定義された用語であり、そして当業者は、目的の特定のグリコシダーゼが、O‐結合型グリコシダーゼかどうかを知っている。さらに、先行技術は、多数の異なる本明細書中の適切なO‐結合型グリコシダーゼを記載する。
本明細書中の適切なO‐結合型グリコシダーゼの例は、α‐N‐アセチル‐ガラクトサミニダーゼ(EC番号:3.2.1.49;別名GalNAC);α‐ガラクトシダーゼ(EC番号:3.2.1.22);及びノイラミニダーゼ(EC番号:3.2.1.18)からなる群から選択される少なくとも1つのグリコシダーゼであってもよい。
GalNACは、α‐結合型D‐N‐アセチル‐ガラクトサミン残基の加水分解を触媒する非常に特異的なエキソグリコシダーゼである。それは、New England Biolabs Inc.製の市販品として得られてもよい。
グリコシダーゼの有効量/活性は、本明細書の当該技術に従って決定される。
当該技術によれば、N‐結合型グリコシダーゼ(例えば、PNGase‐F及びEndo‐H等)について、活性単位は、10μlの全反応量で、37℃、1時間で、10μgの変性RNase‐Bから、>95%の炭水化物を除去するのに必要とされる酵素量として定義される。
GalNAC(O‐結合型グリコシダーゼ)について、10μlの全反応量で、37℃、1時間で、1nmolの(GalNAca1‐3)(Fuca1‐2)Gala1‐4Glc‐7‐アミノ‐4‐メチル‐クマリン(AMC)から、>95%の末端α‐D‐N‐アセチル‐ガラクトサミンを切断するのに必要とされる酵素量として定義される。
多数の本明細書中の関連するグリコシダーゼ酵素は、例えば、New England Biolabs社から市販され、参照は、本明細書中の関連するグリコシダーゼ活性単位の特定の標準定義に関するさらなる詳細のために、New England Biolabsの製品カタログにもある(例えば、オンライン上のウェブページで入手可能)。
グリコシダーゼをステップ(i)の試料に添加することに関するステップ(ii)に関して、サンプル中、0.001グリコシダーゼ活性単位/μgポリペプチド/タンパク質からサンプル中、1000グリコシダーゼ活性単位/μgポリペプチド/タンパク質の添加が、本明細書中のステップ(ii)における目的のポリペプチド又はタンパク質の関連する脱グリコシル化を得るために十分であると本明細書では考えられる。
特定の目的に適切である場合、より多くのグリコシダーゼ、例えば、サンプル中、20000グリコシダーゼ活性単位/μgポリペプチド/タンパク質までを添加してもよい。上で論じたように、当該技術に従って、有効量/活性のグリコシダーゼが、本明細書中において、決定される。
第一態様のステップ(iii)‐ロード材料のリガンドへの適用
第一態様のステップ(iii)は、ステップ(ii)のロード媒体を疎水性部分及び/又は正電荷を持つ部分を含むリガンドを含む固体基材を含む固相上に適用し、リガンドに対する目的のポリペプチドの吸着を得ることに関する。
好ましくは、ステップ(iii)の固体基材は、疎水性部分を含むリガンドを含む固体基材である。
用語「固体基材(solid base material)」は、固体骨格材料へのリガンドの共有結合を可能にする反応性官能性を有する固体骨格材料を意味する。この用語はまた、本明細書中では、固体支持材料と呼ばれてもよい。
当該技術において知られるように、骨格材料は、無機、例えば、シリカ等、又は有機であってもよい。本明細書中で使用される有機骨格材料は、例えば、セルロース及びその誘導体、アガロース、デキストラン、ポリマー、例えば、ポリアクリレート、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、コポリマーが挙げられる。また、ターポリマー及び高重合体は、少なくともモノマーの1つが、結果として生じるポリマーにおいて反応性官能性を有する場合、使用することができる。
当該技術において知られるように、固体基材の例は、いわゆる樹脂であってもよく、当該技術において知られるように、この用語は、イオン交換クロマトグラフィー(IEC)に関して使用されてもよい。
当該技術において知られるように、固体基材は、好ましくは粒子であってもよく、例えば、固体基材は、750μm未満の粒径を有する粒子又は100μ未満の粒径を有する粒子を含んでもよい。
リガンド基の共有結合を可能にする個体支持材料の反応性官能性は、当該技術分野において周知であり、そして、例えば、ヒドロキシル、カルボキシル、チオール及びアミノが挙げられる。
本明細書中で使用されるように、用語「リガンド(ligand)」は、本明細書中で定義されるような疎水性部分及び/又は正電荷を持つ部分からなる基/部分、及び固体基材にリガンドを共有的に付着するためのスペーサーアームを意味する。スペーサーアームは、固体基材に選択された基/部分を共有的に付着することができる任意の基又は置換基であり得る。そのようなスペーサーアームは、当該技術分野に周知であり、そして、例えば、アルキレン基、芳香族基、アルキル芳香族基、アミド基、アミノ基、ウレア基、カルバメート基が挙げられる。
目的のポリペプチドを含む水性ロード媒体は、目的のポリペプチドのリガンドへの結合/吸着を可能にする条件下、本明細書中で記載されたように、リガンドと接触させる。当業者は、条件を調節する方法(例えば、pHを、4〜8の範囲を含む、3〜10の範囲に調節し、及び/又は流速を調節する方法)知っており、目的のリガンドに対する目的のポリペプチド/タンパク質の適切な吸着を得ることができる。
このようなステップ(iii)を実施することは当業者にとってルーチンステップであるので、当業者は、多数のさまざまな本明細書中の関連するリガンドを知っている(例えば、総説:Yangら、Journal of Chromatography A,1218(2011)8813‐8825)。
さらに、当業者は、多数の本明細書中の関連する精製/分離技術を知っており、本明細書中の関連するリガンドを含む固体基材を含む固相上に目的のポリペプチド/タンパク質を含む本明細書中の関連する媒体を適用する。
従って、本明細書中に記載されたような第一態様の方法又はその実施態様は、例えば、ステップ(iii)及びステップ(iv)が、クロマトグラフィー、カラムクロマトグラフィー、ベッド吸着、拡張ベッド吸着(EBA)、バッチ吸着、膜吸着及びイオン交換クロマトグラフィー(IEC)からなる群から選択される少なくとも1つの精製技術の使用により実施される方法であってもよい。
本明細書中に記載されたような第一態様の方法又はその実施態様は、ステップ(iii)及びステップ(iv)が拡張ベッド吸着(EBA)精製技術の使用により実施される方法である。
これらのすべての精製技術は、当業者に周知であり、従って、特定の目的のポリペプチド/タンパク質に関して、ステップ(iii)及び(iv)を適切に実施することは、当業者にとってルーチンワークである。
言い換えると、適切な溶媒、緩衝液等を特定し、ステップ(iii)におけるリガンドに対する目的のポリペプチドの適切な吸着及びステップ(iv)における目的のポリペプチドの適切な溶出を得ることは、当業者にとって、ルーチンワークである。従って、本明細書中でこれらのステップの多くの詳細を記載する必要はないと考えられる。
当該技術分野において知られるように、用語「クロマトグラフィー(chromatography)」は、分離の物理的方法に関し、分離される成分は、2つの相で分けられ、2相のうちの1つは、固定(固定相)と呼ばれ、もう一方(移動相)は、一定方向に移動する。
当該技術分野において知られるように、用語「カラムクロマトグラフィー(column chromatography)」は、固定ベッドがチューブ中にある分離技術に関する。固体固定相の粒子又は液体固定相で覆われた担体は、チューブの全内部容積を満たしてもよく(充填カラム)、又はチューブ(開管カラム)の中央部分に、移動相のための開放的で無制限の経路を残して、チューブの内壁上に又はこの壁に沿って濃縮してもよい。
当該技術分野において知られるように、用語「拡張ベッド吸着(expanded bed adsorption)(EBA)」は、粘性及び粒子液体の処理を可能にする分取クロマトグラフ技術に関する。
EBAにおいて、タンパク質結合の原理は、旧知のカラムクロマトグラフィーと同じであり、そして一般的なイオン交換、疎水性相互作用及びアフィニティークロマトグラフィーリガンドが使用することができる。旧知のカラムクロマトグラフィーは、充填ベッドによって作られた固相を使用し、EBAは、流動状態における粒子を使用する。EBA樹脂は、さまざまな大きさ及び密度の粒子を含み、その結果として粒径の勾配を生じ、拡張されそしてベッドがその拡張された状態である場合、局所ループを形成する。粒子、例えば、全細胞又は細胞残屑は、そしてそれは、充填ベッドカラムを詰まらせるかもしれないが、容易に流動ベッドを通過する。従って、EBAは、粗培養液又は破砕細胞のスラリーに使用することができ、それにより、最初の除去ステップ、そしてそれは充填ベッドを使用する場合必要であるかもしれないが、例えば、遠心分離及び濾過を回避することができる。
用語「ベッド吸着(bed adsorption)」、「バッチ吸着(batch adsorption)」及び「膜吸着(membrane adsorption)」は、すべて周知であり、そして本文脈において、当業者に明らかである。
当該技術分野において知られるように、リガンドの疎水性部分は、例えば、脂肪族基又は芳香族基であってもよい。脂肪族基は、例えば、さまざまな長さを有するアルキル基、例えば、C2〜C40アルキル基又はC4〜C30アルキル基;さまざまな長さを有するアルケニル基、例えば、C2〜C40アルケニル基又はC4〜C30アルケニル基等;さまざまな長さを有するアルキニル基、例えば、C2〜C40アルキニル基又はC4〜C40アルキニル基であってもよい。
芳香族基は、例えば、フェニル基又はベンジル基であってもよい。好ましい実施態様では、リガンドの疎水性部分は、ベンジル基又はフェニル基である。
当該技術分野において知られるように、リガンドの正電荷を持つ部分は、例えば、アミノ基又は例えば、第四級アンモニウム基であってもよい。
当該技術分野において知られるように、陰イオン交換樹脂は正電荷を有し、そして負電荷を持つ化合物を保持及び分離するために使用される。従って、本明細書中の第一態様の方法のステップ(iii)の正電荷を持つ部分を含むリガンドを含む樹脂を含む固相は、陰イオン交換樹脂であってもよい。従って、リガンドの正電荷を持つ部分は、例えば、陰イオン交換のためのアミノ基又は陰イオン交換のための第四級アンモニウム基であってもよい。好ましい実施態様では、リガンドは、疎水性部分及び正電荷を持つ部分を含むリガンドである。好ましくは、疎水性部分はベンジル基、そして正電荷を持部分はアミノ基、すなわち、リガンドはベンジルアミンである。
当該技術分野において知られるように、ミックスモードクロマトグラフィー(MMC)は、複数の相互作用様式が固定相及びフィードにおける溶質間で起こるクロマトグラフ法の一種である。MMCは、新規概念ではない。例えば、疎水性相互作用は、イオン交換クロマトグラフィー(IEC)及びアフィニティークロマトグラフィー(AFC)で観察される。静電効果は、しばしば、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で存在する。MMCは、第二の相互作用が弱すぎず、そして2つの相互作用が溶質の保持に両方とも貢献するはずであるので(用語「溶質(solute)」はクロマトグラフィーにおける試料成分、例えば、本明細書中のステップ(ii)のロード媒体の成分等を意味する)、シングルモードクロマトグラフィーとは明らかに異なる。さらなるMMCに関する情報について、参照は、例えば、総説:Yangら、Journal of Chromatography A,1218(2011)8813‐8825(タイトル「Mixed‐mode Chromatography and its applications to biopolymers」)にある。
従って、リガンドが疎水性部分及び正電荷を持つ部分を含む場合、本明細書中で記載されたような方法は、好ましくは、ステップ(iii)及びステップ(iv)がミックスモードクロマトグラフィー技術の使用によって実施される方法である。
第一態様のステップ(iv)‐ロード材料のリガンドへの適用
第一態様のステップ(iv)は、固相から目的のポリペプチドを溶出し、目的のポリペプチドを回収し、そしてそれにより、精製された目的のポリペプチドを得ることに関する。
上で論じたように、特定の目的のポリペプチド/タンパク質及び特定の適切な使用されるリガンドに関して、ステップ(iii)及び(iv)を適切に行うことは、当業者にとってルーチンワークである。
言い換えると、適切な溶媒、緩衝液等を特定し、ステップ(iii)におけるリガンドに対する目的のポリペプチドの適切な吸着及びステップ(iv)における目的のポリペプチドの適切な溶出を得ることは、当業者にとってルーチンワークである。従って、本明細書中でステップ(iv)の多くの詳細を記載する必要はないと考えられる。
ステップ(iv)の精製された目的のポリペプチドは、精製されたポリペプチドの大部分がグリコシル化形態でない組成物であってもよい。あるいは、ステップ(iv)の目的の精製されたポリペプチドは、例えば、50%未満の精製されたポリペプチドがグリコシル化形態でない組成物であってもよい。
本発明の分けられた態様‐ラクダキモシン等の脱グリコシル化
以下の実施例で論じるように、ラクダキモシンの脱グリコシル化(好ましくは、Endo‐Hを使用することによる)は、約10〜15%まで、凝乳活性を改善することができる。
従って、本発明の分けられた態様は、少なくとも1g(乾燥重量)のキモシンを含む組成物に関し、ここでキモシンのポリペプチド配列は、配列番号1(ラクダキモシン)の成熟ポリペプチドと少なくとも95%の配列同一性を有し、そしてそれは、配列番号1の59位のアミノ酸から381位のアミノ酸であり、ここで組成物中のキモシン分子の少なくとも85%(w/w)が、配列番号1のAsn349位でグリコシル化されていない配列を含む。
好ましくは、組成物中の少なくとも90%(w/w)のキモシンが、配列番号1のAsn349位でグリコシル化されておらず、より好ましくは、組成物中の少なくとも95%(w/w)のキモシンが、配列番号1のAsn349位でグリコシル化されておらず、そしてさらにより好ましくは、組成物中の少なくとも98%(w/w)のキモシンが、配列番号1のAsn349位でグリコシル化されていない。
さらに、本発明の分けられた態様は、少なくとも1g(乾燥重量)のキモシンを含む組成物に関し、ここで、キモシンのポリペプチド配列は、配列番号1(ラクダキモシン)の成熟ポリペプチドと少なくとも95%の配列同一性を有し、そしてそれは、配列番号1の59位のアミノ酸から381位のアミノ酸であり、ここで組成物中のキモシン分子の少なくとも85%(w/w)が、38.5KDa未満の質量スペクトルピークを有する配列を有する。
好ましくは、組成物中の少なくとも90%(w/w)のキモシンが、38.5KDa未満の質量スペクトルピークを有し、より好ましくは、組成物中の少なくとも98%(w/w)のキモシンが、38.5KDa未満の質量スペクトルピークを有する。
さらに、本発明の分けられた態様は、少なくとも1g(乾燥重量)脱グリコシル化活性キモシンを含む組成物を得るための方法に関し、ここでキモシンのポリペプチド配列は、配列番号1(ラクダキモシン)の成熟ポリペプチドと、少なくとも95%の配列同一性を有し、そしてそれは、配列番号1の59位のアミノ酸から381位のアミノ酸である配列を含み、ここで本方法は、以下のステップ:
(A):活性N‐結合型グリコシダーゼをグリコシダーゼ形態で少なくとも1g(乾燥重量)のキモシンを含む多数の成分からなる試料に添加し、
(B):ステップ(A)の脱グリコシル化試料を得て(例えば、精製により)、少なくとも1g(乾燥重量)の脱グリコシル化活性キモシンを含む組成物を得て、そして
ここで、ステップ(B)で得られた脱グリコシル化活性キモシンの活性(IMCU/mg)が、ステップ(A)を含まない、同じように実施されたキモシンを得るための比較方法と比較して少なくとも5%増加する
ことを含む。
好ましくは、ステップ(A)のグリコシダーゼは、ペプチド‐N(4)‐(N‐アセチル‐β‐グルコサミニル)アスパラギンアミダーゼ(EC番号:3.5.1.52;別名:N‐グリコシダーゼ‐F又はPNGase‐F)又はEndo‐β‐N‐アセチルグルコサミニダーゼH(EC番号:3.2.1.96;別名ENDO‐H)である。
より好ましくは、ステップ(A)のグリコシダーゼは、Endo‐β‐N‐アセチルグルコサミニダーゼH(EC番号:3.2.1.96;別名ENDO‐H)である。
少なくとも1g(乾燥重量)のステップ(A)のグリコシル化形態でのキモシンを含む多数の成分からなる試料を得ることは当業者にとってルーチンワークである。
それは、真核生物の産生宿主細胞、例えば、真菌細胞(例えば、アスペルギルス(Aspergillus)細胞、好ましくは、アスペルギルス ニガー(Aspergillus niger又はアスペルギルス オリザ(Aspergillus oryzae等)における、例えば、目的のタンパク質の産生(例えば、組み換え産生)によって得られてもよい。
当業者に理解されるように、ステップ(B)の得られた脱グリコシル化活性キモシンを含む組成物は、異なるグリコシル化プロフィールを有し、すなわち、それは、新規組成物と考えられる。
従って、さらに、本発明の分けられた態様は、脱グリコシル化活性キモシンを含む組成物に関し、ここで組成物は、少なくとも1g(乾燥重量)の上記分けられた態様及び本明細書中で記載されたようなその実施態様の脱グリコシル化活性キモシンを含む組成物を得るための方法によって得られる。
直前のすべての分けられた態様及びその実施態様について、好ましくは、キモシンは、配列番号1(ラクダキモシン)の成熟ポリペプチドを含み、そしてそれは、配列番号1の59位のアミノ酸から381位のアミノ酸である。
直前のこれらの分けられた態様に関して、下記の先行技術は、関連してもよい。
アスパラギン酸プロテアーゼ間において、リゾムコール ミエヘイ(Rhizomucor miehei)由来のムコールペプシンの脱グリコシル化は、約25%まで、凝乳活性を改善し得ることを示してきた(欧州特許第0805866B1/米国特許出願公開第612714A;Harboeら、Chr.HansenA/S,Denmark)。
THERMOLASE(登録商標)は、市販(Chr.HansenA/S;Denmark)の凝乳酵素であり、真菌の選択された株、クリ胴枯病(Cryphonectria parasitica)の発酵によって産生される。CHY‐MAX(登録商標)は、市販(Chr.HansenA/S,Denmark)のウシ由来の凝乳酵素である。
本発明の発明者等の公開されていない結果は、THERMOLASE(登録商標)又はCHY‐MAX(登録商標)の脱グリコシル化が、顕著に改善された凝乳酵素活性を生じないことを示し、すなわち当業者によって期待されるように、すべての酵素が、脱グルコシル化後、改善された活性を得るわけではない。
国際公開第02/36752A2(Chr.HansenA/s,Denmark)は、いわゆる、非ウシキモシン(例えば、ヒツジ、ヤギ、ラクダ、スイギュウ又はラマ等)の組み換え産生を記載している。13ページには、そのような非ウシキモシンが脱グルコシル化されてもよいことが一般的な用語で記載されている。しかしながら、国際公開第02/36752A2は、いわゆる、非ウシキモシン(例えば、ラクダキモシン)の脱グリコシル化に関する本明細書中における関連する実験データを提供しない。
本明細書の態様/実施態様‐クレーム形式での表示
本明細書中に記載の発明の態様及び実施された実施態様は、いわゆるクレーム形式で、表示され/記載されてもよく、これを以下に記載する。
1.目的のポリペプチドを含む水性媒体から目的のポリペプチドを精製するための方法であって、ここで前記方法が以下のステップ:
(i)グルコシル化形態での目的のポリペプチドを含む多数の成分からなる水性試料を得て、
(ii)ステップ(i)の前記試料にグリコシダーゼ及び/又は化学処理(例えば、過ヨード酸塩)を添加し、目的のポリペプチドを脱グリコシル化して、水性ロード媒体を得て、
(iii)ステップ(ii)のロード媒体を、疎水性部分及び/又は正電荷を持つ部分を含むリガンドを含む固体基材を含む固相に適用し、前記リガンドに対する目的のポリペプチドの吸着を得て、
(iv)前記固相から目的のポリペプチドを溶出し、目的のポリペプチドを回収して、それにより精製された目的のポリペプチドを得る
ことを含み、ここで、ステップ(iv)で得られた精製された目的のポリペプチドの量(分子数)が、ステップ(ii)を含まない、目的のポリペプチドを精製するための同じように実施された比較方法と比較して、少なくとも5%増加する、方法。
2.ステップ(ii)においてグリコシダーゼが添加される、請求項1に記載の方法。
3.請求項1のステップ(ii)におけるグリコシダーゼの添加が、インビトロで活性なグリコシダーゼを添加することによって行われる、請求項1に記載の方法。
4.前記ステップ(iv)において得られた目的のポリペプチドの量(分子数)が、ステップ(ii)を含まない、目的のポリペプチドを精製するための同じように実施された比較方法と比較して、少なくとも50%増加する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
5.前記目的のポリペプチドが目的のタンパク質である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
6.前記タンパク質が目的の酵素である、請求項5に記載の方法。
7.前記目的の酵素が目的の凝乳酵素である、請求項6に記載の方法。
8.目的の凝乳酵素が、キモシン(EC3.4.23.4)、ペプシン(EC3.4.23.1)及びムコールペプシン(EC3.4.23.23)からなる群から選択される凝乳酵素である、請求項6に記載の方法。
9.目的の凝乳酵素が、以下の:
リゾムコール ミエヘイ(Rhizomucor miehei)由来のムコールペプシン、又は
キモシン
であり、ここで前記キモシンのポリペプチド配列が、配列番号1(ラクダキモシン)の成熟ポリペプチドと少なくとも90%の配列同一性を有し、そして前記配列が、配列番号1の59位のアミノ酸から381位のアミノ酸である、請求項8に記載の方法。
10.前記目的の凝乳酵素がキモシンであり、ここで前記キモシンのポリペプチド配列が、配列番号1(ラクダキモシン)の成熟ポリペプチドと少なくとも99%の配列同一性を有し、そして前記配列が、配列番号1の59位のアミノ酸から381位のアミノ酸である、請求項9に記載の方法。
11.請求項1のステップ(i)において必要とされるグリコシル化形態での目的のポリペプチド/タンパク質を含む多数の成分からなる試料が、真核生物の産生宿主細胞における目的のポリペプチド又はタンパク質の産生(例えば、組み換え産生)によって得られる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
12.前記真核生物の産生宿主細胞が、アスペルギルス(Aspergillus)細胞、好ましくはアスペルギルス ニガー(Aspergillus niger)又はアスペルギルス オリザ(Aspergillus oryzae)である、請求項11に記載の方法。
13.前記目的のタンパク質が目的の凝乳酵素であり、そして目的の凝乳酵素が、以下の:
リゾムコール ミエヘイ(Rhizomucor miehei)由来のムコールペプシンであり、そして前記真核生物の産生宿主細胞がリゾムコール ミエヘイ(Rhizomucor miehei)であるか、又は
キモシンであり、ここで前記キモシンのポリペプチド配列が、配列番号1(ラクダキモシン)の成熟ポリペプチドと少なくとも90%の配列同一性を有し、そして前記配列が、配列番号1の59位のアミノ酸から381位のアミノ酸であり、そして前記真核生物の産生宿主細胞が、アスペルギルス(Aspergillus)細胞、好ましくはアスペルギルス ニガー(Aspergillus niger)又はアスペルギルス オリザ(Aspergillus oryzae)である、請求項11に記載の方法。
14.ステップ(ii)で使用される前記グリコシダーゼが、N‐結合型グリコシダーゼである、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
15.前記N‐結合型グリコシダーゼが、ペプチド‐N(4)‐(N‐アセチル‐β‐グルコサミニル)アスパラギンアミダーゼ(EC番号:3.5.1.52;別名:N‐グリコシダーゼ‐F又はPNGase‐F)及びEndo‐β‐N‐アセチルグルコサミニダーゼH(EC番号:3.2.1.96;別名:ENDO‐H)からなる群から選択される少なくとも1つのグリコシダーゼである、請求項14に記載の方法。
16.前記N‐結合型グリコシダーゼが、Endo‐β‐N‐アセチルグルコサミニダーゼH(EC番号:3.2.1.96;別名:ENDO‐H)であり、そして前記目的のタンパク質が目的の凝乳酵素であり、そして前記目的の凝乳酵素が、以下の:
リゾムコール ミエヘイ(Rhizomucor miehei)由来のムコールペプシン、又は
キモシン
であり、ここで前記キモシンのポリペプチド配列が、配列番号1(ラクダキモシン)の成熟ポリペプチドと少なくとも90%の配列同一性を有し、そして前記配列が、配列番号1の59位のアミノ酸から381位のアミノ酸である、請求項15に記載の方法。
17.前記固体基材が750μm未満の粒径を有する粒子を含み、そしてここで前記固体基材が以下の材料:シリカ、セルロース、アガロース、デキストラン、ポリアクリレート、ポリスチレン、ポリアクリルアミド又はポリメタクリレートの少なくとも1つから作られる、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
18.ステップ(iii)及びステップ(iv)が、クロマトグラフィー、カラムクロマトグラフィー、ベッド吸着、拡張ベッド吸着(EBA)、バッチ吸着、膜吸着及びイオン交換クロマトグラフィー(IEC)からなる群から選択される少なくとも1つの精製技術の使用により実施される、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
19.ステップ(iii)及びステップ(iv)が、拡張ベッド吸着(EBA)精製技術の使用により実施される、請求項18に記載の方法。
20.前記リガンドが疎水性部分を含み、そしてここで前記リガンドの疎水性部分が脂肪族基又は芳香族基である、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
21.前記脂肪族基が、以下の:
2〜C40アルキル基、
2〜C40アルケニル基、若しくは
2〜C40アルキニル基
であるか、又はここで、前記芳香族基がフェニル基若しくはベンジル基である、請求項20に記載の方法。
22.前記リガンドの疎水性部分が芳香族基であり、そして前記芳香族基がベンジル基である、請求項21に記載の方法。
23.前記リガンドが正電荷を持つ部分を含み、そしてここで前記リガンドの正電荷を持つ部分がアミノ基である、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
24.前記リガンドが疎水性部分及び正電荷を持つ部分を含む、請求項1〜23のいずれか一項に記載の方法。
25.前記リガンドがベンジルアミンである、請求項24に記載の方法。
26.ステップ(iii)及び(iv)が、ミックスモードクロマトグラフィー(MMC)精製技術の使用により実施され、ここで好ましくは、ミックス‐モードクロマトグラフィー(MMC)精製技術が、拡張ベッド吸着(EBA)技術である、請求項24又は25に記載の方法。
27.目的のタンパク質が目的の凝乳酵素である、請求項24〜26のいずれか一項に記載の方法。
28.前記目的の凝乳酵素が、キモシン(EC3.4.23.4)、ペプシン(EC3.4.23.1)及びムコールペプシン(EC3.4.23.23)からなる群から選択される凝乳酵素である、請求項27に記載の方法。
29.前記目的の凝乳酵素が、以下の:
リゾムコール ミエヘイ(Rhizomucor miehei)由来のムコールペプシン、又は
キモシン
であり、ここで前記キモシンのポリペプチド配列が、配列番号1(ラクダキモシン)の成熟ポリペプチドと少なくとも90%の配列同一性を有し、そして前記配列が、配列番号1の59位のアミノ酸から381位のアミノ酸である、請求項28に記載の方法。
30.前記リガンドがベンジルアミンである、請求項29に記載の方法。
31.精製された目的のポリペプチドを含む組成物であって、ここで前記組成物が、請求項1〜30のいずれか一項に記載の方法により得られる、組成物。
32.目的の凝乳酵素を含む水性媒体から目的の凝乳酵素を精製するための方法であって、ここで前記方法が、以下のステップ:
(I):産生宿主細胞において目的の凝乳酵素を産生し、ここで前記産生宿主細胞が、前記凝乳酵素の顕著なグリコシル化を与えず、本質的にグリコシル化形態ではない、少なくとも10g(乾燥重量)(例えば、好ましくは、少なくとも1kgの乾燥重量)の前記目的の凝乳酵素を含む多数の成分からなる水性試料を得て、そしてこれにより、水性ロード媒体を得て、
(II):ステップ(I)の前記ロード媒体を、疎水性部分及び/又は正電荷を持つ部分を含むリガンドを含む固体基材を含む固相に適用し、リガンドに対する前記目的のポリペプチドの吸着を得て;そして
(III):前記固相から前記目的の凝乳酵素を溶出し、前記目的の凝乳酵素を回収して、そしてそれによって精製された前記目的の凝乳酵素を得る
ことを含む、方法。
33.ステップ(I)の前記産生宿主細胞が、原核生物の産生宿主細胞(例えば、バチルス(Bacillus)の大腸菌(E.Coli)等)である、請求項32に記載の方法。
34.ステップ(I)の前記産生宿主細胞が、前記目的の凝乳酵素の顕著なグリコシル化を与えない真核生物の産生宿主細胞である、請求項32に記載の方法。
35.前記真核生物の産生宿主細胞が、遺伝子組み換え細胞であり、ここでグリコシル化に必須の遺伝子が不活性化(例えば、欠失又は変異)されている、請求項34に記載の方法。
36.前記リガンドが疎水性部分を含み、そしてここで前記リガンドの疎水性部分が脂肪族基又は芳香族基である、請求項32〜35のいずれか一項に記載の方法。
37.前記脂肪族基が、以下の:
2〜C40アルキル基、
2〜C40アルケニル基、若しくは
2〜C40アルキニル基
であるか、又はここで、前記芳香族基がフェニル基若しくはベンジル基である、請求項36に記載の方法。
38.前記リガンドの疎水性部分が芳香族基であり、そして前記芳香族基がベンジル基である、請求項37に記載の方法。
39.前記リガンドが正電荷を持つ部分を含み、そしてここで前記リガンドの正電荷を持つ部分がアミノ基である、請求項32〜38のいずれか一項に記載の方法。
40.前記リガンドが疎水性部分及び正電荷を持つ部分を含む、請求項32〜39のいずれか一項に記載の方法。
41.前記リガンドがベンジルアミンである、請求項40に記載の方法。
42.ステップ(iii)及びステップ(iv)が、ミックス‐モードクロマトグラフィー(MMC)精製技術の使用により実施され、ここで好ましくは、前記ミックス‐モードクロマトグラフィー(MMC)精製技術が、拡張ベッド吸着(EBA)技術である、請求項40又は41に記載の方法。
43.前記目的の凝乳酵素が、キモシン(EC3.4.23.4)、ペプシン(EC3.4.23.1)及びムコールペプシン(EC3.4.23.23)からなる群から選択される凝乳酵素である、請求項32〜42のいずれか一項に記載の方法。
44.前記目的の凝乳酵素が、以下の:
リゾムコール ミエヘイ(Rhizomucor miehei)由来のムコールペプシン、又は
キモシン
であり、ここで前記キモシンのポリペプチド配列が、配列番号1(ラクダキモシン)の成熟ポリペプチドと少なくとも90%の配列同一性を有し、そして前記配列が、配列番号1の59位のアミノ酸から381位のアミノ酸である、請求項43に記載の方法。
45.前記リガンドがベンジルアミンである、請求項44に記載の方法。
46.少なくとも1g(乾燥重量)のキモシンを含む組成物であって、ここで前記キモシンのポリペプチド配列が、配列番号1(ラクダキモシン)の成熟ポリペプチドと少なくとも95%の配列同一性を有し、そして前記配列が、配列番号1の59位のアミノ酸から381位のアミノ酸であり、ここで前記組成物中のキモシン分子の少なくとも85%(w/w)が、配列番号1のAsn349位でグリコシル化されていない、組成物。
47.前記組成物中のキモシンの少なくとも90%(w/w)が、配列番号1のAsn349位でグリコシル化されておらず、より好ましくは、前記組成物中のキモシンの少なくとも95%(w/w)が、配列番号1のAsn349位でグリコシル化されておらず、そしてさらにより好ましくは、前記組成物中のキモシンの少なくとも98%(w/w)が、配列番号1のAsn349位でグリコシル化されていない、請求項46に記載の組成物。
48.少なくとも1g(乾燥重量)のキモシンを含む組成物であって、ここで前記キモシンのポリペプチド配列が、配列番号1(ラクダキモシン)の成熟ポリペプチドと少なくとも95%の配列同一性を有し、そして前記配列が、配列番号1の59位のアミノ酸から381位のアミノ酸であり、ここで前記組成物中のキモシン分子の少なくとも85%(w/w)が、38.5KDa未満の質量スペクトルピークを有する、組成物。
49.前記組成物中のキモシンの少なくとも90%(w/w)が、38.5KDa未満の質量スペクトルピークを有し、より好ましくは、前記組成物中のキモシンの少なくとも98%(w/w)が、38.5KDa未満の質量スペクトルピークを有する、請求項48に記載の組成物。
50.少なくとも1g(乾燥重量)の脱グリコシル化活性キモシンを含む組成物を得るための方法であって、ここで前記キモシンのポリペプチド配列が、配列番号1(ラクダキモシン)の成熟ポリペプチドと少なくとも95%の配列同一性を有し、そして前記配列が配列番号1の59位のアミノ酸から381位のアミノ酸であり、ここで、前記方法が、以下のステップ:
(A)少なくとも1g(乾燥重量)のグリコシル化形態でのキモシンを含む多数の成分からなる試料に、N‐結合型グリコシダーゼを添加して、前記キモシンを脱グリコシル化し、
(B)ステップ(A)の脱グリコシル化試料を得て(例えば、精製により)、少なくとも1g(乾燥重量)の脱グリコシル化活性キモシンを含む組成物を得る
ことを含み、ここでステップ(B)において得た脱グリコシル化活性キモシンの活性(IMCU/mg)が、ステップ(A)を含まない、前記キモシンを得るための同じように実施された比較方法と比較して少なくとも5%増加する、方法。
51.ステップ(A)における前記グリコシダーゼが、ペプチド‐N(4)‐(N‐アセチル‐β‐グルコサミニル)アスパラギンアミダーゼ(EC番号:3.5.1.52;別名:N‐グリコシダーゼ‐F又はPNGase‐F)又はEndo‐β‐N‐アセチルグルコサミニダーゼH(EC番号:3.2.1.96;別名:ENDO‐H)である、請求項50に記載の方法。
52.ステップ(A)における前記グリコシダーゼが、Endo‐β‐N‐アセチルグルコサミニダーゼH(EC番号:3.2.1.96;別名:ENDO‐H)である、請求項50に記載の方法。
53.請求項50のステップ(A)において必要とされるグリコシル化形態でのキモシンを含む多数の成分からなる試料が、真核生物の産生宿主細胞における目的のポリペプチド又はタンパク質の産生(例えば、組み換え産生)によって得られる、請求項50〜52のいずれか一項に記載の方法。
54.前記真核生物の産生宿主細胞が真菌細胞(例えば、アスペルギルス(Aspergillus)細胞、好ましくはアスペルギルス ニガー(Aspergillus niger)又はアスペルギルス オリザ(Aspergillus oryzae))である、請求項53に記載の方法。
55.前記キモシンが配列番号1(ラクダキモシン)の成熟ポリペプチドを含み、そして前記成熟ポリペプチドが、配列番号1の59位のアミノ酸から381位のアミノ酸である、請求項50〜54のいずれか一項に記載の方法。
56.脱グリコシル化活性キモシンを含む組成物であって、前記組成物が、少なくとも1g(乾燥重量)の請求項50〜55のいずれか一項に記載の脱グリコシル化活性キモシンを含む組成物を得るための方法により得られる、組成物。
57.前記キモシンが、配列番号1(ラクダキモシン)の成熟ポリペプチドを含み、そして前記成熟ポリペプチドが、配列番号1の59位のアミノ酸から381位のアミノ酸である、請求項56に記載の組成物。
実施例1:脱グリコシル化ステップを介した凝乳酵素の改善された精製
材料
ステップ(i):グリコシル化形態での目的のポリペプチドを有する試料
(a):例えば、欧州特許第0805866B1(Harboeら、Chr.HansenA/S,Denmark)に記載されたような、リゾムコール ミエヘイ(Rhizomucor miehei)由来のムコールペプシン。それを、リゾムコール ミエヘイ(Rhizomucor miehei)を産生宿主細胞として使用して産生した。
(b):例えば、国際公開第02/36752A2(Chr.Hansen)に記載されたような、組み換え産生(産生宿主細胞は、アスペルギルス ニガー(Aspergillus nigerである)カメールス ドロメダリウス(Camelius dromedarius)のキモシン。それを、本明細書中では、代替的に、ラクダキモシンと呼んでもよく、そして公知のアミノ酸配列を、本明細書中において配列番号1として示す。
試料(a)及び(b)の両方は、いわゆる第一濾液であり、すなわち、さらなる下流の精製前に、例えば、遠心分離及び/又は濾過のよって、発酵媒体中の産生宿主細胞、及び他の所望しない物質を除去/分離した。
ステップ(ii):グリコシダーゼの添加
使用したグリコシダーゼは、ENDO‐Hであった。
ステップ(iii):リガンドを含む固体基材
リガンドは、アガロース固体基材粒子に共有的に結合したベンジルアミンであった。それを、本実施例中において、樹脂と呼んでもよい。本リガンドは、疎水性部位及び/又は正電荷を持つ部分を含むリガンドである。
実験:
それぞれの試料(すなわち、ムコールペプシン及びラクダキモシン)について、2つの拡張ベッド吸着(EBA)精製実験を行った。1つは、本願明細書中に記載したような第一態様の方法(すなわち、グリコシダーゼを添加するステップ(ii)あり)に従って行い、そしてもう1つは、グリコシダーゼを添加するステップ(ii)を比較実験において使用しないこと以外は、すべてを全く同じように実施した比較実験を行った。
結果:
ムコールペプシンについて、国際凝乳単位(IMCU)/ml樹脂で示された決定された凝乳活性(C)は、グリコシダーゼステップ(ii)の使用により、リガンドへの結合を約50%改善し、すなわち、グリコシダーゼステップ(ii)を使用しない比較実験と比較して、50%高い活性(IMCU/ml樹脂)であった。
本明細書中で論じられるように、欧州特許第0805866B1/米国特許出願公開第6127142A;Harboeら、Chr.HansenA/S,Denmarkは、リゾムコール ミエヘイ(Rhizomucor miehei)由来のムコールペプシンの脱グリコシル化が、約25%まで凝乳活性を改善することができることを記載する。
従って、第一態様の方法のグリコシダーゼステップ(ii)の使用は、少なくとも25%まで、精製されたムコールペプシンの量(分子数)を増加すると考えられる。
ラクダキモシンについて、国際凝乳単位(IMCU)/ml樹脂で示された決定された凝乳活性(C)は、グリコシダーゼステップ(ii)の使用により、リガンドへの結合を約80%改善し、すなわち、グリコシダーゼステップ(ii)を使用しない比較実験と比較して、80%高い活性(IMCU/ml樹脂)であった。
本明細書中で論じられるように、ラクダキモシンのEndo‐H脱グリコシル化は、約10〜15%まで、凝乳活性を改善することができる。
従って、第一態様の方法のグリコシダーゼステップ(ii)の使用は、少なくとも65%まで、精製されたラクダキモシンの量(分子数)を増加すると考えられる。
結論
上記結果は、第一態様の方法のグリコシダーゼステップ(ii)の使用が、少なくとも25%まで精製されたムコールペプシンの量(分子数)を増加すると考えられ、そして第一態様の方法のグリコシダーゼステップ(ii)の使用が、少なくとも65%まで精製されたラクダキモシンの量(分子数)を増加すると考えられる。
実施例2:ラクダキモシンの脱グリコシル化‐改善された活性
組み換え産生(産生宿主細胞は、アスペルギルス ニガー(Aspergillus niger)であり、例えば、国際公開第02/36752A2,Chr.Hansenに記載されている)カメールス ドロメダリウス(Camelius dromedarius)のキモシンを分析した。それは、本明細書中では、ラクダキモシンと呼んでもよく、そして公知のアミノ酸配列を、本明細書中において配列番号1として示す。
ラクダキモシンの配列は、2つの可能性のあるグリコシル化部位、配列番号1のAsn158及びAsn349を示唆する。ラクダキモシンの6つのバリアントを、疎水性相互作用クロマトグラフィーによって分離した。それらを、質量スペクトロメトリー、SDS‐PAGE、凝乳アッセイ、N末端シークエンシング、及び脱グリコシル化で特徴付けた。
タンパク質の質量を、リニア、陽イオンモードで操作した、Voyager Elite MALDI TOF質量スペクトロメーター(Applied Biosystems Inc.,Framingham,MA)を使用して測定した。分離したバリアントを脱塩し、そして50R1マイクロカラムで濃縮し、続いて溶出し、そして70%アセトニトリル及び0.1%トリフルオロ酢酸中の20mg/mlのシナピン酸からなるマトリックス溶液を有するステンレススチールMALDIターゲット上に堆積した。ターゲットスポットを、0.5μlのアセトン中のシナピン酸(20mg/ml)で前処理した。試料を3〜50KDaの質量範囲で分析した。データをベースライン補正し、そしてノイズを除去した。
質量スペクトロメトリー、SDS‐PAGE、及び凝乳アッセイは、バリアントのグリコシル化及び活性が、以下の通りであることを示す。
Figure 2016504920
貯蔵の間に、分解が、2つのグリコシル化部位の間で起こる。Asn158を含む断片を、すべてのバリアントについて見出した。それは、バリアント1〜4については、グリコシル化されていたが、バリアント5及び6についてのみ、非グリコシル化断片を見出した。これは、ただ1つのグリコシル化バリアント3及び4がAsn158でグリコシル化されたことを示唆する。これは、Asn349(バリアント1及び2について)のさらなるグリコシル化が、凝乳活性における観察された低下の原因であることを示す。従って、ラクダキモシンの脱グリコシル化は、その活性の増加をもたらすはずである。
ENDO‐Hでの上記表の6つのバリアントすべてを含む全試料の脱グリコシル化は、改善された凝乳活性(IMCU/mg)‐約10〜15%改善された凝乳活性(IMCU/mg)を有する組成物を与える。PNGase‐Fでの上記表の6つのバリアントすべてを含む全試料の脱グリコシル化は、ENDO‐Hと同程度は、凝乳活性を改善しなかった。
実施例3:脱グリコシル化ステップを介した凝乳酵素の改善された精製
材料:
ステップ(i):グリコシル化形態での目的のポリペプチドを有する試料
組み換え産生カメールス ドロメダリウス(Camelius dromedarius)‐上記実施例1を参照のこと。
ステップ(ii):グリコシダーゼの添加
使用したグリコシダーゼは、ENDO‐Hであった。
ステップ(iii):リガンドを含む固体基材
リガンドは、アガロース(例えば、Superose(登録商標))固体基材粒子に共有的に結合したフェニルであった。それを、本実施例において樹脂と呼ぶ。このリガンドは、疎水性部分を含むリガンドの例である。
実験:
ラクダキモシン試料について、2つの充填ベッド精製実験を行った。1つは、本願明細書中に記載したような第一態様の方法(すなわち、グリコシダーゼを添加するステップ(ii)あり)に従って行い、そしてもう1つは、グリコシダーゼを添加するステップ(ii)を比較実験において使用しないこと以外は、すべてを全く同じように実施した比較実験を行った。
結果:
ラクダキモシンについて、国際凝乳単位(IMCU)/ml樹脂で示された決定された凝乳活性(C)は、グリコシダーゼステップ(ii)の使用により、リガンドへの結合を約75%改善し(10%ブレイクスルーに基づく)、すなわち、グリコシダーゼステップ(ii)を使用しない比較実験と比較して、75%高い活性(IMCU/ml樹脂)であった。
従って、第一態様の方法のステップ(ii)の使用は、少なくとも60%まで、精製されたラクダキモシンの量(分子数)を増加したと考えらえる。
実施例4:脱グリコシル化ステップを介した凝乳酵素の改善された精製
材料:
ステップ(i):グリコシル化形態での目的のポリペプチドを有する試料
組み換え産生カメールス ドロメダリウス(Camelius dromedarius)‐上記実施例1を参照のこと。
ステップ(ii):グリコシダーゼの添加
使用したグリコシダーゼは、ENDO‐Hであった。
ステップ(iii):リガンドを含む固体基材
リガンドは、アガロース固体基材粒子に共有的に結合した第四級アミンであった。それを、本実施例において樹脂と呼ぶ。このリガンドは、正電荷を持つ部分を含むリガンドの例である。
実験:ラクダキモシン試料について、2つのバッチ吸着精製実験を行った。1つは、本願明細書中に記載したような第一態様の方法(すなわち、グリコシダーゼを添加するステップ(ii)あり)に従って行い、そしてもう1つは、グリコシダーゼを添加するステップ(ii)を比較実験において使用しないこと以外は、すべてを全く同じように実施した比較実験を行った。
結果:
ラクダキモシンについて、国際凝乳単位(IMCU)/ml樹脂で示された決定された凝乳活性(C)は、グリコシダーゼステップ(ii)の使用により、リガンドへの結合を約20%改善し(静的結合に基づく)、すなわち、グリコシダーゼステップ(ii)を使用しない比較実験と比較して、20%高い活性(IMCU/ml樹脂)であった。本明細書中で論じられるように、ラクダキモシンのEndo‐H脱グリコシル化は、約10〜15%まで、凝乳活性を改善することができる。
従って、第一態様の方法のグリコシダーゼステップ(ii)の使用は、少なくとも5%まで、精製されたラクダキモシンの量(分子数)を増加すると考えられる。
結論:
上記結果は、第一態様の方法のグリコシダーゼステップ(ii)の使用が、少なくとも5%まで、精製されたラクダキモシンの量(分子数)を増加すると考えられることを示した。
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Claims (57)

  1. 目的のポリペプチドを含む水性媒体から目的のポリペプチドを精製するための方法であって、ここで前記方法が以下のステップ:
    (i)グルコシル化形態での目的のポリペプチドを含む多数の成分からなる水性試料を得て、
    (ii)ステップ(i)の前記試料にグリコシダーゼ及び/又は化学処理(例えば、過ヨード酸塩)を添加し、目的のポリペプチドを脱グリコシル化して、水性ロード媒体を得て、
    (iii)ステップ(ii)のロード媒体を、疎水性部分及び/又は正電荷を持つ部分を含むリガンドを含む固体基材を含む固相に適用し、前記リガンドに対する目的のポリペプチドの吸着を得て、
    (iv)前記固相から目的のポリペプチドを溶出し、目的のポリペプチドを回収して、それにより精製された目的のポリペプチドを得る
    ことを含み、ここで、ステップ(iv)で得られた精製された目的のポリペプチドの量(分子数)が、ステップ(ii)を含まない、目的のポリペプチドを精製するための同じように実施された比較方法と比較して、少なくとも5%増加する、方法。
  2. ステップ(ii)においてグリコシダーゼが添加される、請求項1に記載の方法。
  3. 請求項1のステップ(ii)におけるグリコシダーゼの添加が、インビトロで活性なグリコシダーゼを添加することによって行われる、請求項1に記載の方法。
  4. 前記ステップ(iv)において得られた目的のポリペプチドの量(分子数)が、ステップ(ii)を含まない、目的のポリペプチドを精製するための同じように実施された比較方法と比較して、少なくとも50%増加する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記目的のポリペプチドが目的のタンパク質である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記タンパク質が目的の酵素である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記目的の酵素が目的の凝乳酵素である、請求項6に記載の方法。
  8. 目的の凝乳酵素が、キモシン(EC3.4.23.4)、ペプシン(EC3.4.23.1)及びムコールペプシン(EC3.4.23.23)からなる群から選択される凝乳酵素である、請求項6に記載の方法。
  9. 目的の凝乳酵素が、以下の:
    リゾムコール ミエヘイ(Rhizomucor miehei)由来のムコールペプシン、又は
    キモシン
    であり、ここで前記キモシンのポリペプチド配列が、配列番号1(ラクダキモシン)の成熟ポリペプチドと少なくとも90%の配列同一性を有し、そして前記配列が、配列番号1の59位のアミノ酸から381位のアミノ酸である、請求項8に記載の方法。
  10. 前記目的の凝乳酵素がキモシンであり、ここで前記キモシンのポリペプチド配列が、配列番号1(ラクダキモシン)の成熟ポリペプチドと少なくとも99%の配列同一性を有し、そして前記配列が、配列番号1の59位のアミノ酸から381位のアミノ酸である、請求項9に記載の方法。
  11. 請求項1のステップ(i)において必要とされるグリコシル化形態での目的のポリペプチド/タンパク質を含む多数の成分からなる試料が、真核生物の産生宿主細胞における目的のポリペプチド又はタンパク質の産生(例えば、組み換え産生)によって得られる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記真核生物の産生宿主細胞が、アスペルギルス(Aspergillus)細胞、好ましくはアスペルギルス ニガー(Aspergillus niger)又はアスペルギルス オリザ(Aspergillus oryzae)である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記目的のタンパク質が目的の凝乳酵素であり、そして目的の凝乳酵素が、以下の:
    リゾムコール ミエヘイ(Rhizomucor miehei)由来のムコールペプシンであり、そして前記真核生物の産生宿主細胞がリゾムコール ミエヘイ(Rhizomucor miehei)であるか、又は
    キモシンであり、ここで前記キモシンのポリペプチド配列が、配列番号1(ラクダキモシン)の成熟ポリペプチドと少なくとも90%の配列同一性を有し、そして前記配列が、配列番号1の59位のアミノ酸から381位のアミノ酸であり、そして前記真核生物の産生宿主細胞が、アスペルギルス(Aspergillus)細胞、好ましくはアスペルギルス ニガー(Aspergillus niger)又はアスペルギルス オリザ(Aspergillus oryzae)である、請求項11に記載の方法。
  14. ステップ(ii)で使用される前記グリコシダーゼが、N‐結合型グリコシダーゼである、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記N‐結合型グリコシダーゼが、ペプチド‐N(4)‐(N‐アセチル‐β‐グルコサミニル)アスパラギンアミダーゼ(EC番号:3.5.1.52;別名:N‐グリコシダーゼ‐F又はPNGase‐F)及びEndo‐β‐N‐アセチルグルコサミニダーゼH(EC番号:3.2.1.96;別名:ENDO‐H)からなる群から選択される少なくとも1つのグリコシダーゼである、請求項14に記載の方法。
  16. 前記N‐結合型グリコシダーゼが、Endo‐β‐N‐アセチルグルコサミニダーゼH(EC番号:3.2.1.96;別名:ENDO‐H)であり、そして前記目的のタンパク質が目的の凝乳酵素であり、そして前記目的の凝乳酵素が、以下の:
    リゾムコール ミエヘイ(Rhizomucor miehei)由来のムコールペプシン、又は
    キモシン
    であり、ここで前記キモシンのポリペプチド配列が、配列番号1(ラクダキモシン)の成熟ポリペプチドと少なくとも90%の配列同一性を有し、そして前記配列が、配列番号1の59位のアミノ酸から381位のアミノ酸である、請求項15に記載の方法。
  17. 前記固体基材が750μm未満の粒径を有する粒子を含み、そしてここで前記固体基材が以下の材料:シリカ、セルロース、アガロース、デキストラン、ポリアクリレート、ポリスチレン、ポリアクリルアミド又はポリメタクリレートの少なくとも1つから作られる、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. ステップ(iii)及びステップ(iv)が、クロマトグラフィー、カラムクロマトグラフィー、ベッド吸着、拡張ベッド吸着(EBA)、バッチ吸着、膜吸着及びイオン交換クロマトグラフィー(IEC)からなる群から選択される少なくとも1つの精製技術の使用により実施される、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. ステップ(iii)及びステップ(iv)が、拡張ベッド吸着(EBA)精製技術の使用により実施される、請求項18に記載の方法。
  20. 前記リガンドが疎水性部分を含み、そしてここで前記リガンドの疎水性部分が脂肪族基又は芳香族基である、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記脂肪族基が、以下の:
    2〜C40アルキル基、
    2〜C40アルケニル基、若しくは
    2〜C40アルキニル基
    であるか、又はここで、前記芳香族基がフェニル基若しくはベンジル基である、請求項20に記載の方法。
  22. 前記リガンドの疎水性部分が芳香族基であり、そして前記芳香族基がベンジル基である、請求項21に記載の方法。
  23. 前記リガンドが正電荷を持つ部分を含み、そしてここで前記リガンドの正電荷を持つ部分がアミノ基である、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記リガンドが疎水性部分及び正電荷を持つ部分を含む、請求項1〜23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記リガンドがベンジルアミンである、請求項24に記載の方法。
  26. ステップ(iii)及び(iv)が、ミックスモードクロマトグラフィー(MMC)精製技術の使用により実施され、ここで好ましくは、ミックス‐モードクロマトグラフィー(MMC)精製技術が、拡張ベッド吸着(EBA)技術である、請求項24又は25に記載の方法。
  27. 目的のタンパク質が目的の凝乳酵素である、請求項24〜26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記目的の凝乳酵素が、キモシン(EC3.4.23.4)、ペプシン(EC3.4.23.1)及びムコールペプシン(EC3.4.23.23)からなる群から選択される凝乳酵素である、請求項27に記載の方法。
  29. 前記目的の凝乳酵素が、以下の:
    リゾムコール ミエヘイ(Rhizomucor miehei)由来のムコールペプシン、又は
    キモシン
    であり、ここで前記キモシンのポリペプチド配列が、配列番号1(ラクダキモシン)の成熟ポリペプチドと少なくとも90%の配列同一性を有し、そして前記配列が、配列番号1の59位のアミノ酸から381位のアミノ酸である、請求項28に記載の方法。
  30. 前記リガンドがベンジルアミンである、請求項29に記載の方法。
  31. 精製された目的のポリペプチドを含む組成物であって、ここで前記組成物が、請求項1〜30のいずれか一項に記載の方法により得られる、組成物。
  32. 目的の凝乳酵素を含む水性媒体から目的の凝乳酵素を精製するための方法であって、ここで前記方法が、以下のステップ:
    (I):産生宿主細胞において目的の凝乳酵素を産生し、ここで前記産生宿主細胞が、前記凝乳酵素の顕著なグリコシル化を与えず、本質的にグリコシル化形態ではない、少なくとも10g(乾燥重量)(例えば、好ましくは、少なくとも1kgの乾燥重量)の前記目的の凝乳酵素を含む多数の成分からなる水性試料を得て、そしてこれにより、水性ロード媒体を得て、
    (II):ステップ(I)の前記ロード媒体を、疎水性部分及び/又は正電荷を持つ部分を含むリガンドを含む固体基材を含む固相に適用し、リガンドに対する前記目的のポリペプチドの吸着を得て;そして
    (III):前記固相から前記目的の凝乳酵素を溶出し、前記目的の凝乳酵素を回収して、そしてそれによって精製された前記目的の凝乳酵素を得る
    ことを含む、方法。
  33. ステップ(I)の前記産生宿主細胞が、原核生物の産生宿主細胞(例えば、バチルス(Bacillus)の大腸菌(E.Coli)等)である、請求項32に記載の方法。
  34. ステップ(I)の前記産生宿主細胞が、前記目的の凝乳酵素の顕著なグリコシル化を与えない真核生物の産生宿主細胞である、請求項32に記載の方法。
  35. 前記真核生物の産生宿主細胞が、遺伝子組み換え細胞であり、ここでグリコシル化に必須の遺伝子が不活性化(例えば、欠失又は変異)されている、請求項34に記載の方法。
  36. 前記リガンドが疎水性部分を含み、そしてここで前記リガンドの疎水性部分が脂肪族基又は芳香族基である、請求項32〜35のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記脂肪族基が、以下の:
    2〜C40アルキル基、
    2〜C40アルケニル基、若しくは
    2〜C40アルキニル基
    であるか、又はここで、前記芳香族基がフェニル基若しくはベンジル基である、請求項36に記載の方法。
  38. 前記リガンドの疎水性部分が芳香族基であり、そして前記芳香族基がベンジル基である、請求項37に記載の方法。
  39. 前記リガンドが正電荷を持つ部分を含み、そしてここで前記リガンドの正電荷を持つ部分がアミノ基である、請求項32〜38のいずれか一項に記載の方法。
  40. 前記リガンドが疎水性部分及び正電荷を持つ部分を含む、請求項32〜39のいずれか一項に記載の方法。
  41. 前記リガンドがベンジルアミンである、請求項40に記載の方法。
  42. ステップ(iii)及びステップ(iv)が、ミックス‐モードクロマトグラフィー(MMC)精製技術の使用により実施され、ここで好ましくは、前記ミックス‐モードクロマトグラフィー(MMC)精製技術が、拡張ベッド吸着(EBA)技術である、請求項40又は41に記載の方法。
  43. 前記目的の凝乳酵素が、キモシン(EC3.4.23.4)、ペプシン(EC3.4.23.1)及びムコールペプシン(EC3.4.23.23)からなる群から選択される凝乳酵素である、請求項32〜42のいずれか一項に記載の方法。
  44. 前記目的の凝乳酵素が、以下の:
    リゾムコール ミエヘイ(Rhizomucor miehei)由来のムコールペプシン、又は
    キモシン
    であり、ここで前記キモシンのポリペプチド配列が、配列番号1(ラクダキモシン)の成熟ポリペプチドと少なくとも90%の配列同一性を有し、そして前記配列が、配列番号1の59位のアミノ酸から381位のアミノ酸である、請求項43に記載の方法。
  45. 前記リガンドがベンジルアミンである、請求項44に記載の方法。
  46. 少なくとも1g(乾燥重量)のキモシンを含む組成物であって、ここで前記キモシンのポリペプチド配列が、配列番号1(ラクダキモシン)の成熟ポリペプチドと少なくとも95%の配列同一性を有し、そして前記配列が、配列番号1の59位のアミノ酸から381位のアミノ酸であり、ここで前記組成物中のキモシン分子の少なくとも85%(w/w)が、配列番号1のAsn349位でグリコシル化されていない、組成物。
  47. 前記組成物中のキモシンの少なくとも90%(w/w)が、配列番号1のAsn349位でグリコシル化されておらず、より好ましくは、前記組成物中のキモシンの少なくとも95%(w/w)が、配列番号1のAsn349位でグリコシル化されておらず、そしてさらにより好ましくは、前記組成物中のキモシンの少なくとも98%(w/w)が、配列番号1のAsn349位でグリコシル化されていない、請求項46に記載の組成物。
  48. 少なくとも1g(乾燥重量)のキモシンを含む組成物であって、ここで前記キモシンのポリペプチド配列が、配列番号1(ラクダキモシン)の成熟ポリペプチドと少なくとも95%の配列同一性を有し、そして前記配列が、配列番号1の59位のアミノ酸から381位のアミノ酸であり、ここで前記組成物中のキモシン分子の少なくとも85%(w/w)が、38.5KDa未満の質量スペクトルピークを有する、組成物。
  49. 前記組成物中のキモシンの少なくとも90%(w/w)が、38.5KDa未満の質量スペクトルピークを有し、より好ましくは、前記組成物中のキモシンの少なくとも98%(w/w)が、38.5KDa未満の質量スペクトルピークを有する、請求項48に記載の組成物。
  50. 少なくとも1g(乾燥重量)の脱グリコシル化活性キモシンを含む組成物を得るための方法であって、ここで前記キモシンのポリペプチド配列が、配列番号1(ラクダキモシン)の成熟ポリペプチドと少なくとも95%の配列同一性を有し、そして前記配列が配列番号1の59位のアミノ酸から381位のアミノ酸であり、ここで、前記方法が、以下のステップ:
    (A)少なくとも1g(乾燥重量)のグリコシル化形態でのキモシンを含む多数の成分からなる試料に、N‐結合型グリコシダーゼを添加して、前記キモシンを脱グリコシル化し、
    (B)ステップ(A)の脱グリコシル化試料を得て(例えば、精製により)、少なくとも1g(乾燥重量)の脱グリコシル化活性キモシンを含む組成物を得る
    ことを含み、ここでステップ(B)において得た脱グリコシル化活性キモシンの活性(IMCU/mg)が、ステップ(A)を含まない、前記キモシンを得るための同じように実施された比較方法と比較して少なくとも5%増加する、方法。
  51. ステップ(A)における前記グリコシダーゼが、ペプチド‐N(4)‐(N‐アセチル‐β‐グルコサミニル)アスパラギンアミダーゼ(EC番号:3.5.1.52;別名:N‐グリコシダーゼ‐F又はPNGase‐F)又はEndo‐β‐N‐アセチルグルコサミニダーゼH(EC番号:3.2.1.96;別名:ENDO‐H)である、請求項50に記載の方法。
  52. ステップ(A)における前記グリコシダーゼが、Endo‐β‐N‐アセチルグルコサミニダーゼH(EC番号:3.2.1.96;別名:ENDO‐H)である、請求項50に記載の方法。
  53. 請求項50のステップ(A)において必要とされるグリコシル化形態でのキモシンを含む多数の成分からなる試料が、真核生物の産生宿主細胞における目的のポリペプチド又はタンパク質の産生(例えば、組み換え産生)によって得られる、請求項50〜52のいずれか一項に記載の方法。
  54. 前記真核生物の産生宿主細胞が真菌細胞(例えば、アスペルギルス(Aspergillus)細胞、好ましくはアスペルギルス ニガー(Aspergillus niger)又はアスペルギルス オリザ(Aspergillus oryzae))である、請求項53に記載の方法。
  55. 前記キモシンが配列番号1(ラクダキモシン)の成熟ポリペプチドを含み、そして前記成熟ポリペプチドが、配列番号1の59位のアミノ酸から381位のアミノ酸である、請求項50〜54のいずれか一項に記載の方法。
  56. 脱グリコシル化活性キモシンを含む組成物であって、前記組成物が、少なくとも1g(乾燥重量)の請求項50〜55のいずれか一項に記載の脱グリコシル化活性キモシンを含む組成物を得るための方法により得られる、組成物。
  57. 前記キモシンが、配列番号1(ラクダキモシン)の成熟ポリペプチドを含み、そして前記成熟ポリペプチドが、配列番号1の59位のアミノ酸から381位のアミノ酸である、請求項56に記載の組成物。
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