JP2020521460A - O−糖タンパク質のためのプロテアーゼ及び結合ポリペプチド - Google Patents

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Abstract

本発明は、新規エンドプロテーゼ、結合活性は有するが、加水分解活性が欠けているか又は低下しているその突然変異体、及びO−結合型糖タンパク質を研究及び単離する方法における使用に関する。【選択図】図1

Description

本発明は、新規エンドプロテーゼ、結合活性は有するが、加水分解活性が欠けているか又は低下しているその突然変異体、及びO結合型糖タンパク質を研究及び単離する方法における使用に関する。
最近、特にO結合型グリカンに関して、生物学的機能に対するグリコシル化の影響が大きな注目を集めている。しかし、これら重要なタンパク質修飾に対する関心は継続しているものの、グリカン及び糖タンパク質を効率的に研究するためのツールが不足している。
ネイティブタンパク質からのO結合型グリカンの除去及びグリカンのシーケンシングの両方にとって非常に有用な幾つかのエキソ−及びエンド−グリコシダーゼが開発されている。これら両アプローチは、糖タンパク質の不均一性を低減するために個々に使用することができるので、質量分析におけるタンパク質及びその断片化ペプチドの分析が容易になる。加水分解によって影響を受ける機能の下流分析によって、グリカンの生物学的効果の分析をより効率的に行うこともできる。しかし、このようなツールは、例えば、O結合型糖タンパク質の同定、グリコシル化の部位の決定、及びO結合型糖ペプチドの精製を容易にするには効率的ではない。
O−グリカンに結合し、そして、グリカンに近接するR−N−結合を主に加水分解する最初のO−糖タンパク質特異的エンドプロテーゼは、1991/1992年に報告された(Abdullah et al.,J Bacteriol 173,5597−5603(1991);Abdullah et al.,Infect Immun 60,56−62(1992)。しかし、この酵素は、シアル酸を含むO−グリカン(O結合型グリカンの大部分であるが、全てではない)にのみ特異的であり、そして、特定のアミノ酸要求性を有し、その結果、加水分解レベルが概して低くなるので、医療及びバイオテクノロジーにおける有用性が限られている。O結合型糖タンパク質を研究するためのより優れたツールが必要とされている。
本発明者らは、本明細書ではLSと称される、アッカーマンシア・ムシニフィラ(Akkermansia muciniphila)由来の新規ポリペプチドを同定、精製、及び特性評価した。このポリペプチドは、特定のアミノ酸配列に対する特異性又は制約を全く示さずに、O結合型グリカンのN末端側でありかつ接近しているアミノ酸結合を特異的に切断/加水分解するエンドプロテーゼとして作用する。
また、本発明者らは、LSの配列を改変し、O結合型グリカンに結合することができるが、糖タンパク質を加水分解する能力が欠けているか又は低下している突然変異体を同定した。これら突然変異体は、遊離のO−グリカン、O−糖ペプチド、及び/又はO−糖タンパク質の選択的除去、濃縮、又は精製に使用することができる。
従って、本発明の第1の態様では、O−グリコシル化タンパク質に特異的なエンドプロテーゼ活性を有するポリペプチドであって、
(a)配列番号1のアミノ酸配列;
(b)該配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列;又は
(c)該配列番号1の配列の断片若しくは該配列番号1のアミノ酸配列と85%同一であるアミノ酸配列の断片であるアミノ酸配列
を含むポリペプチドが提供される。
また、本発明は、O−糖タンパク質を加水分解する方法であって、該タンパク質を含むサンプルを本発明のポリペプチドと接触させることを含み、任意で、加水分解生成物を検出又は分析することを更に含む方法を提供する。
更に、タンパク質のグリコシル化状態を評価する方法であって、該タンパク質を含むサンプルを本発明のポリペプチドと接触させることと、生成された生成物を検出及び/又は分析することとを含み、任意で、切断生成物の有無を使用して該サンプル中のO−糖タンパク質の有無を判定する、並びに/又は該分析を実施してO−グリカン鎖の種類及び/若しくはそのO−糖タンパク質への結合位置を同定する方法が提供される。
本発明の第2の態様では、O−グリカン、O−糖ペプチド、及び/又はO−糖タンパク質に結合することができ、O−グリコシル化タンパク質に特異的なエンドプロテーゼ活性が欠けているか又は低下しているポリペプチドであって、
(a)配列番号5のアミノ酸配列;
(b)配列番号5若しくは配列番号20のアミノ酸配列と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列;あるいは
(c)該配列番号5若しくは配列番号20の配列の断片、又は該配列番号5若しくは配列番号20のアミノ酸配列と85%同一であるアミノ酸配列の断片であるアミノ酸配列
を含むポリペプチドが提供される。
また、本発明は、O−グリカン、O−糖ペプチド、及び/又はO−糖タンパク質に結合させる方法であって、該O−グリカン、O−糖ペプチド、及び/又はO−糖タンパク質を含むサンプルを本発明のポリペプチドと接触させることと、任意で、O−グリカン、O−糖ペプチド、若しくはO−糖タンパク質が結合しているかどうかを判定すること、並びに/又は得られた混合物から該O−グリカン及び任意の結合している糖タンパク質、該O−糖ペプチド、若しくは該O−糖タンパク質を分離することとを含む方法を提供する。
更に、タンパク質のグリコシル化状態を評価する方法であって、該タンパク質を含むサンプルを本発明のポリペプチドと接触させることと、該タンパク質が該ポリペプチドに結合しているかどうかを判定することとを含む方法が提供される。
また、サンプル中のO−糖ペプチド及び/又はO−糖タンパク質を検出する方法であって、
(a)該サンプルを本発明のポリペプチドと接触させて、該本発明のポリペプチドとO結合型糖ペプチド及び/又はO−糖タンパク質との間で複合体(O結合型糖ペプチド/タンパク質−ポリペプチド複合体)を形成させることと;
(b)任意で、接触させたサンプルから該ポリペプチドを分離することと;
(c)分離されたポリペプチドがO−結合型の糖タンパク質又は糖ペプチドに結合しているかどうかを判定して、該サンプル中のO−結合型の糖ペプチド又は糖タンパク質の有無を判定することと
を含む方法も提供される。
LSの発現及び精製。pET21(a)+ベクターにおいてC末端Hisタグとの融合タンパク質としてLSを発現させた。BL21(DE3)Starに形質転換した後、4つの個々のクローンを発現させ、均質になるまでHis GravityFlowカラムで精製した。精製されたサンプル中のタンパク質の総量及びSDS−PAGEに基づく純度に基づいて、4つの試験したクローン全てが等しく良好に発現していた。 LSは、O−グリカンを含有するタンパク質に対して特異的に作用する−図は、SDS−PAGEによって分析した生成物を示す。LSをIgG又はIgAと共にインキュベートした結果、IgAは特異的に分解されたが、IgG(ハーセプチン/トラスツズマブ)に対する活性はみられなかった。全てのインキュベートをPBS中37℃で一晩行った。シアリダーゼ(Am0707)の添加は、これら条件中のLSの活性にとって必須ではなかった。 最適な酵素条件。LSは、広いpH範囲で活性があり(A)、NaClに対する耐容性が良好である(B)が、EDTAに対する感受性が高く(C、D)、Zn2+によって部分的に阻害される(D)。全ての実験(pHアッセイを除く)をPBS中37℃で一晩行った。最適pHを決定するために、20mM Tris−HCl(pH6.8〜8.8)又は50mM酢酸(pH5.6)中で酵素をインキュベートした。 最適な酵素条件。LSは、広いpH範囲で活性があり(A)、NaClに対する耐容性が良好である(B)が、EDTAに対する感受性が高く(C、D)、Zn2+によって部分的に阻害される(D)。全ての実験(pHアッセイを除く)をPBS中37℃で一晩行った。最適pHを決定するために、20mM Tris−HCl(pH6.8〜8.8)又は50mM酢酸(pH5.6)中で酵素をインキュベートした。 最適な酵素条件。LSは、広いpH範囲で活性があり(A)、NaClに対する耐容性が良好である(B)が、EDTAに対する感受性が高く(C、D)、Zn2+によって部分的に阻害される(D)。全ての実験(pHアッセイを除く)をPBS中37℃で一晩行った。最適pHを決定するために、20mM Tris−HCl(pH6.8〜8.8)又は50mM酢酸(pH5.6)中で酵素をインキュベートした。 最適な酵素条件。LSは、広いpH範囲で活性があり(A)、NaClに対する耐容性が良好である(B)が、EDTAに対する感受性が高く(C、D)、Zn2+によって部分的に阻害される(D)。全ての実験(pHアッセイを除く)をPBS中37℃で一晩行った。最適pHを決定するために、20mM Tris−HCl(pH6.8〜8.8)又は50mM酢酸(pH5.6)中で酵素をインキュベートした。 LSの活性は、グリカン組成によって調節される。(A)30分間LSで加水分解する前に特定のグリカンを逐次除去した結果、シアリル化されたタンパク質では活性が非常に低くなり、アシアリル化された(asialylated)タンパク質では活性が高くなり、ガラクトースが除去されたサンプルでは活性がなくなった。(S)シアリダーゼ、(SG)シアリダーゼ及びガラクトシダーゼ、(LS)LS。 LSの活性は、グリカン組成によって調節される。(B)完全にグリコシル化された(Enbrel)又はシアリダーゼ処理された(Enbrel(S))糖タンパク質を長時間インキュベート(一晩)した結果、両サンプルが完全に加水分解された。Enbrelは、本明細書ではエタネルセプトと称される場合もある。 LSの活性は、グリカン組成によって調節される。(C)エタネルセプトのTNFα結合部(TNFαR)をシアリダーゼ(「シアリダーゼ」)、O−グリコシダーゼ/シアリダーゼ(「O−glyc」)、又はPNGaseF(「N−glyc」)で前処理して、それぞれ、シアル酸、O−グリカン、及びN−グリカンを除去した。LSをサンプルに添加し、分析前にインキュベートを一晩継続した。LSは、O−グリコシダーゼで処理されたものを除く全てのサンプルで活性を有していた。 LSがO−グリカンのN末端の糖タンパク質を加水分解することを示す検索結果。LSで断片に加水分解され、続いて、O−グリコシダーゼ処理で脱グリコシル化されたエタネルセプトを、質量スペクトル分析(LC/MS及びMS/MS)に供した。m/z値及びMS/MSデータに基づいて、同定されたペプチド(白色の斜線付きボックス)をエタネルセプトの配列に当てはめ、y’及びb’のイオンを小さな灰色のボックスでマークした。白色の斜線付きボックス(例えば、ペプチド)は全て、O−グリカンが結合しているT又はSでまさに始まっている。すぐ前のアミノ酸は異なり(P、S、H、T、G)、加水分解には影響を与えないと思われる。(A)S/Tペプチダーゼで生成されたペプチドを特異的に検索する、バイアスドアプローチを使用した分析。 LSがO−グリカンのN末端の糖タンパク質を加水分解することを示す検索結果。LSで断片に加水分解され、続いて、O−グリコシダーゼ処理で脱グリコシル化されたエタネルセプトを、質量スペクトル分析(LC/MS及びMS/MS)に供した。m/z値及びMS/MSデータに基づいて、同定されたペプチド(白色の斜線付きボックス)をエタネルセプトの配列に当てはめ、y’及びb’のイオンを小さな灰色のボックスでマークした。白色の斜線付きボックス(例えば、ペプチド)は全て、O−グリカンが結合しているT又はSでまさに始まっている。すぐ前のアミノ酸は異なり(P、S、H、T、G)、加水分解には影響を与えないと思われる。(B)アンバイアスドアプローチを使用した分析。 不活化されたLSは、O結合型糖タンパク質に特異的に結合する。メタロプロテアーゼ活性部位に変異導入して、基質の親和性又は相互作用には影響を与えずに触媒能を除去した。具体的には、EをAに交換することによってこれを行い、それによって、クローン「LSmut」(LSE206Aとも称される)を作製した。(A)LSはシアリダーゼの存在下でEnbrelを加水分解することができたが、不活化されたLsmutは、試験した条件下でEnbrelを加水分解することができなかった。活性の喪失をSDS−PAGEで確認した。 不活化されたLSは、O結合型糖タンパク質に特異的に結合する。メタロプロテアーゼ活性部位に変異導入して、基質の親和性又は相互作用には影響を与えずに触媒能を除去した。具体的には、EをAに交換することによってこれを行い、それによって、クローン「LSmut」(LSE206Aとも称される)を作製した。(B)加水分解活性が失われたにもかかわらず、Lsmutは依然としてO−糖タンパク質に結合することができた。LSE206Aが固定化されたスピンカラムで特異的結合が確認され、このことから、O結合型糖タンパク質に対する特異的親和性が立証された。セファロースにLsmutを固定化することによって、IgAをアフィニティー精製することができた。O−グリカンを欠いているハーセプチン(トラスツズマブ)及びO−グリコシダーゼ処理されたIgAはカラムに結合せず、素通り画分(FT)において検出することができた。Neur=ノイラミニダーゼ/シアリダーゼ0707。 α2−3結合したシアル酸は、LSの効率を制限する。糖タンパク質基質としてEnbrelを使用して、LSを多様なシアリダーゼのセットと共に30分間〜20時間同時にインキュベートしたところ、α2−3特異的シアルジアーゼ(sialdiase)1757の存在下では又はミックス(0707+1757)を用いるとより効率が高くなることが明らかになったが、広域スペクトルシアリダーゼ0707は、一見したところLSの完全活性に必須ではなく、このことはα2−6(及びα2−8)結合がLS活性に関係ないことを示唆している。 LS活性の概略図。LSは、O結合型GalNAcに結合している末端ガラクトースに優先的に結合し、その結果、グリカンが結合しているセリン又はスレオニンのN末端が加水分解される。シアル酸の存在はLSの効率を低下させるが、阻害はしない。N結合型グリカンに対しては活性がみられなかった。 LS、N−グリカンを除去するためのPNGaseF、シアル酸を除去するためのシアリダーゼの様々な組み合わせ、及びO−グリカンを除去するためのO−グリコシダーゼでエリスロポエチン(erythropoeitin)を切断する実験の結果。反応生成物をSDS−PAGE、RPLC、及びESI質量分析によって分析した。(A)SDS−PAGE分析の結果:レーン1=PNGaseF及びシアリダーゼで処理したEPO;レーン2=PNGaseF及びシアリダーゼ+LSで処理したEPO;レーン3=PNGaseF+LSで処理したEPO;レーン4=LSの前にPNGaseF、シアリダーゼ、O−グリコシダーゼで処理したEPO;レーン5=酵素対照。バンドX=未切断EPO;バンドY=LSによって切断されたEPOのN末端断片;バンドZ=LSによって切断されたEPOのC末端断片。レーン2及び3は、シアル酸が除去された場合及びシアル酸がインタクトな場合にLSがEPOを切断することを示す。レーン2〜3は、N−グリカンがPNGaseFで除去された場合もLSがEPOを切断することを示す。レーン4は、O−グリカンが除去された場合はLSがEPOを切断しないことを示す。 LS、N−グリカンを除去するためのPNGaseF、シアル酸を除去するためのシアリダーゼの様々な組み合わせ、及びO−グリカンを除去するためのO−グリコシダーゼでエリスロポエチン(erythropoeitin)を切断する実験の結果。反応生成物をSDS−PAGE、RPLC、及びESI質量分析によって分析した。(B)UVクロマトグラムは、PNGaseF及びシアリダーゼ+LSで処理したEPOについてのRPLC分離の結果を示す。図示の通り、2つの主なピークが同定された。ピーク1は、LSによって消化されたEPOのC末端断片であり;ピーク2は、LSによって消化されたEPOのN末端断片である。 LS、N−グリカンを除去するためのPNGaseF、シアル酸を除去するためのシアリダーゼの様々な組み合わせ、及びO−グリカンを除去するためのO−グリコシダーゼでエリスロポエチン(erythropoeitin)を切断する実験の結果。反応生成物をSDS−PAGE、RPLC、及びESI質量分析によって分析した。(C、D)は、質量スペクトル分析の結果を示す。図Cは、O−グリカンが(この時点でN末端の)セリンにまだ結合しているEPOのC末端断片の質量を示す(四角=GlcNAc、円=ガラクトース)。質量の差は、MS機器におけるイオン化エネルギーによって引き起こされた可能性がある、サンプルの幾つかの部分におけるO−グリカンの分解(末端ガラクトースの喪失)の差に起因する。 LS、N−グリカンを除去するためのPNGaseF、シアル酸を除去するためのシアリダーゼの様々な組み合わせ、及びO−グリカンを除去するためのO−グリコシダーゼでエリスロポエチン(erythropoeitin)を切断する実験の結果。反応生成物をSDS−PAGE、RPLC、及びESI質量分析によって分析した。(C、D)は、質量スペクトル分析の結果を示す。図Dは、グリカンを欠いているEPOのN末端断片+グリカンがまだ結合している未消化EPOを示す。 LSE206Aは多少の活性を保持しているが、LSH205A/E206A(LSHE206AAと称される場合もある)は完全に不活性であることを示す実験の結果。野生型LS酵素と比べて、エタネルセプトのTNFα結合部(TNFaR2;本明細書ではTNFaRと称される場合もある)及びエタネルセプト自体(エタネルセプト)を含む、アシアリル化O−グリコシル化基質に対するLS突然変異体LSE206A(A)及びLSH205A/E206A(B)の活性を評価した。様々な濃度のLS突然変異体を基質1μgに添加し(1:1〜15:1、酵素:基質)、PBS中37℃で一晩インキュベートした後、SDS−PAGEで分析した。 A)レーン1:アシアリル化基質のみ;レーン2:LSのみ、レーン3:LSE206A0.5μg、レーン4:LSE206A5μg、レーン5:TNFaR2+LS(1:1比)、レーン6:TNFaR2+LSE206A(1:1比)。 B)レーン1:アシアリル化基質のみ;レーン2:LSH205A/E206A+エタネルセプト(15:1比)、レーン3:LSH205A/E206A+エタネルセプト(5:1比)、レーン4:LSH205A/E206A+エタネルセプト(1:1比)、レーン5:LS+エタネルセプト(1:1比)、レーン6:LSH205A/E206A LSE206Aは多少の活性を保持しているが、LSH205A/E206A(LSHE206AAと称される場合もある)は完全に不活性であることを示す実験の結果。野生型LS酵素と比べて、エタネルセプトのTNFα結合部(TNFaR2;本明細書ではTNFaRと称される場合もある)及びエタネルセプト自体(エタネルセプト)を含む、アシアリル化O−グリコシル化基質に対するLS突然変異体LSE206A(A)及びLSH205A/E206A(B)の活性を評価した。様々な濃度のLS突然変異体を基質1μgに添加し(1:1〜15:1、酵素:基質)、PBS中37℃で一晩インキュベートした後、SDS−PAGEで分析した。 A)レーン1:アシアリル化基質のみ;レーン2:LSのみ、レーン3:LSE206A0.5μg、レーン4:LSE206A5μg、レーン5:TNFaR2+LS(1:1比)、レーン6:TNFaR2+LSE206A(1:1比)。 B)レーン1:アシアリル化基質のみ;レーン2:LSH205A/E206A+エタネルセプト(15:1比)、レーン3:LSH205A/E206A+エタネルセプト(5:1比)、レーン4:LSH205A/E206A+エタネルセプト(1:1比)、レーン5:LS+エタネルセプト(1:1比)、レーン6:LSH205A/E206A 樹脂に固定化されたLSH205A/E206AがO−グリカン含有タンパク質に特異的に結合することを示す実験の結果。図は、いずれの場合も出発/ローディング材料、素通り画分(FT)、及び溶出液(E)についてのSDS−PAGE分析を示す。(A)サンプルは、図示の通り、ネイティブ又はシアリダーゼ混合物+/−O−グリコシダーゼで前処理した、BSA(ウシ血清アルブミン)、エタネルセプト、IgA、及びIgGを含んでいた。 樹脂に固定化されたLSH205A/E206AがO−グリカン含有タンパク質に特異的に結合することを示す実験の結果。図は、いずれの場合も出発/ローディング材料、素通り画分(FT)、及び溶出液(E)についてのSDS−PAGE分析を示す。(B)サンプルは、シアリダーゼ混合物で前処理した、O−グリコシル化タンパク質(TNFαR及びApoE)、N−グリコシル化タンパク質(アフリベルセプト、AGP(アルファ−1−酸糖タンパク質)、IgG Fc(IgGのFcドメイン)、及び非グリコシル化タンパク質(BSA)のミックスを含んでいた。 樹脂に固定化されたLSH205A/E206AがO−グリカン含有タンパク質に特異的に結合することを示す実験の結果。図は、いずれの場合も出発/ローディング材料、素通り画分(FT)、及び溶出液(E)についてのSDS−PAGE分析を示す。(C)サンプルは、シアリダーゼ混合物で前処理した、N−グリコシル化タンパク質(セツキシマブ、アフリベルセプト、AGP)及び非グリコシル化タンパク質(BSA、炭酸脱水素酵素)のミックスを含んでいた。 固定化されたLSH205A/E206Aが、O−糖タンパク質の結合について濃度依存的能力を有することを示す実験の結果。アシアリル化エタネルセプト(50〜250μg;PBS100μL中)を、様々な固定化状態のLSH205A/E206A(5〜15mg/mL)を含むPBSで平衡化したLSH205A/E206A樹脂50μLに添加した。回転させながら(with end-over-end rotation)、室温で2時間、タンパク質を樹脂に結合させた。樹脂をPBS(350μL)で3回洗浄し、次いで、8M尿素を添加して溶出した(50μL、5分間インキュベート;2回繰り返す)。結合における尿素及び塩酸グアニジン(GHCl)の効果を調べるために、アシアリル化エタネルセプト50μgと共に結合バッファ中にそれを含めたが、それ以外は同様に取り扱った。(A)全てのサンプルをSDS−PAGEで分離し、GelDoc EZ及びソフトウェアImageLabを使用して濃度測定を通してバンド強度を求めた。記載されている百分率は、対照と比べたバンド強度を示す。 固定化されたLSH205A/E206Aが、O−糖タンパク質の結合について濃度依存的能力を有することを示す実験の結果。アシアリル化エタネルセプト(50〜250μg;PBS100μL中)を、様々な固定化状態のLSH205A/E206A(5〜15mg/mL)を含むPBSで平衡化したLSH205A/E206A樹脂50μLに添加した。回転させながら(with end-over-end rotation)、室温で2時間、タンパク質を樹脂に結合させた。樹脂をPBS(350μL)で3回洗浄し、次いで、8M尿素を添加して溶出した(50μL、5分間インキュベート;2回繰り返す)。結合における尿素及び塩酸グアニジン(GHCl)の効果を調べるために、アシアリル化エタネルセプト50μgと共に結合バッファ中にそれを含めたが、それ以外は同様に取り扱った。(B)バンド強度によって求めたタンパク質結合能を、固定化されたLSH205A/E206Aの量に対してプロットした。 LSH205A/E206Aが樹脂1mLあたりエタネルセプト約3mgをアフィニティー精製することができることを示す実験の結果。アシアリル化エタネルセプト(10〜200μg;PBS中100μL)をPBSで平衡化したLSH205A/E206A樹脂50μLに添加した。回転させながら、室温で2時間、タンパク質を樹脂に結合させた。樹脂をPBS(350μL)で3回洗浄し、次いで、8M尿素を添加して溶出した(50μL、5分間インキュベート;2回繰り返す)。全てのサンプルをSDS−PAGEで分離し、GelDoc EZ及びソフトウェアImageLabを使用して濃度測定を通してバンド強度を求めた。記載されている百分率は、対照と比べたバンド強度を示す。 LSH205A/E206A−基質相互作用が高イオン強度及びバッファの体積/種類の差に対して非感受性であり、広いpH範囲にわたって機能することを示す実験の結果。(A)アシアリル化エタネルセプト、50μg;図示した通りの濃度のNaClを添加したPBS中100μL(B)アシアリル化エタネルセプト、50μg;図示の通りPBS中100〜300μL;(C)図示した通りの様々なpHの様々なバッファ中アシアリル化エタネルセプト(50μg)及びBSA(50μg)のサンプルからの素通り画分;(D)Cのサンプルからの溶出液。 LSH205A/E206A−基質相互作用が高イオン強度及びバッファの体積/種類の差に対して非感受性であり、広いpH範囲にわたって機能することを示す実験の結果。(A)アシアリル化エタネルセプト、50μg;図示した通りの濃度のNaClを添加したPBS中100μL(B)アシアリル化エタネルセプト、50μg;図示の通りPBS中100〜300μL;(C)図示した通りの様々なpHの様々なバッファ中アシアリル化エタネルセプト(50μg)及びBSA(50μg)のサンプルからの素通り画分;(D)Cのサンプルからの溶出液。 LSH205A/E206A−基質相互作用が高イオン強度及びバッファの体積/種類の差に対して非感受性であり、広いpH範囲にわたって機能することを示す実験の結果。(A)アシアリル化エタネルセプト、50μg;図示した通りの濃度のNaClを添加したPBS中100μL(B)アシアリル化エタネルセプト、50μg;図示の通りPBS中100〜300μL;(C)図示した通りの様々なpHの様々なバッファ中アシアリル化エタネルセプト(50μg)及びBSA(50μg)のサンプルからの素通り画分;(D)Cのサンプルからの溶出液。 LSH205A/E206A−基質相互作用が高イオン強度及びバッファの体積/種類の差に対して非感受性であり、広いpH範囲にわたって機能することを示す実験の結果。(A)アシアリル化エタネルセプト、50μg;図示した通りの濃度のNaClを添加したPBS中100μL(B)アシアリル化エタネルセプト、50μg;図示の通りPBS中100〜300μL;(C)図示した通りの様々なpHの様々なバッファ中アシアリル化エタネルセプト(50μg)及びBSA(50μg)のサンプルからの素通り画分;(D)Cのサンプルからの溶出液。 変性又は洗浄剤(detergents)の添加が、LSH205A/E206Aに結合しているO−糖タンパク質を溶出することを示す実験の結果。アシアリル化エタネルセプト(50μg;PBS中100μL)をPBSで平衡化したLSH205A/E206A樹脂50μLに添加した。回転させながら、室温で2時間、タンパク質を樹脂に結合させた。樹脂をPBS(350μL)で3回洗浄し、次いで、(A)1〜8M尿素又は(B)1.25〜10%SDSを添加して溶出した(50μL、5分間インキュベート;2回繰り返す)。全てのサンプルを、分析のためにSDS−PAGEで分離した。 変性又は洗浄剤(detergents)の添加が、LSH205A/E206Aに結合しているO−糖タンパク質を溶出することを示す実験の結果。アシアリル化エタネルセプト(50μg;PBS中100μL)をPBSで平衡化したLSH205A/E206A樹脂50μLに添加した。回転させながら、室温で2時間、タンパク質を樹脂に結合させた。樹脂をPBS(350μL)で3回洗浄し、次いで、(A)1〜8M尿素又は(B)1.25〜10%SDSを添加して溶出した(50μL、5分間インキュベート;2回繰り返す)。全てのサンプルを、分析のためにSDS−PAGEで分離した。 LSを用いた、LSH205A/E206Aに結合しているO−糖タンパク質の酵素溶出を示す実験の結果。アシアリル化されたアバタセプト(10μg、PBS中100μL)及びエタネルセプト(50μg;PBS中100μL)をPBSで平衡化したLSH205A/E206A樹脂50μLに添加した。回転させながら、室温で2時間、タンパク質を樹脂に結合させた。樹脂を結合バッファ(350μL)で3回洗浄した後、総体積100μLのPBS中50ユニットのLSを添加した。振盪しながら(450rpm)、37℃で更に6〜24時間サンプルをインキュベートした。LSによって放出されたO−糖タンパク質/糖ペプチドを遠心分離(1000g、1分間)を通して回収した後、最後に8M尿素を添加してカラムを溶出した(50μL、5分間インキュベート;2回繰り返す)。全てのサンプルを、分析のためにSDS−PAGEで分離した。 LSで溶出したエタネルセプトの質量スペクトル分析(LC/MS及びMS/MS)の結果。同定されたペプチド(図16B.1)は、エタネルセプトのLS消化において生成されたもの(図16B.2)と一致していた。m/z値及びMS/MSデータに基づいて、同定されたペプチド(白色ボックス)をエタネルセプトの配列に当てはめ、y’及びb’のイオンを小さな灰色のボックスでマークした。白色ボックス(例えば、ペプチド)は全て、O−グリカンが結合しているT又はSでまさに始まっている。 LSで溶出したエタネルセプトの質量スペクトル分析(LC/MS及びMS/MS)の結果。同定されたペプチド(図16B.1)は、エタネルセプトのLS消化において生成されたもの(図16B.2)と一致していた。m/z値及びMS/MSデータに基づいて、同定されたペプチド(白色ボックス)をエタネルセプトの配列に当てはめ、y’及びb’のイオンを小さな灰色のボックスでマークした。白色ボックス(例えば、ペプチド)は全て、O−グリカンが結合しているT又はSでまさに始まっている。 O−グリコシル化血清タンパク質のアフィニティー精製及び濃縮を示す結果。(A)アシアリル化血清(20μL;PBS中100μL)をPBSで平衡化したLSH205A/E206A樹脂50μLに添加した。回転させながら、室温で2時間、タンパク質を樹脂に結合させた。樹脂を結合バッファ(350μL)で3回洗浄し、次いで、8M尿素を添加して溶出した。 O−グリコシル化血清タンパク質のアフィニティー精製及び濃縮を示す結果。(B)相互作用に対するグリカンの影響を調べるために、サンプルをシアリダーゼ混合物+/−O−グリコシダーゼで前処理した。下流の精製は上記の通り実施した。 O−グリコシル化血清タンパク質のアフィニティー精製及び濃縮を示す結果。(C)血清(40μL)をPBS(100μL以下)及びシアリダーゼ混合物(50〜500ユニット)と混合し、PBSで平衡化したカラムに添加し、回転させながら室温で2時間インキュベートし、その後、上記の通りサンプルを洗浄及び溶出した。全てのサンプルを、分析のためにSDS−PAGEで分離した。 ヒト血清からのO−糖タンパク質の濃縮を示す結果。PBSで100μLに2.5倍希釈されたヒト血清を、スピンカラム内のPBSで平衡化したLSH205A/E206A樹脂50μLに適用した。シアリダーゼ混合物50〜500ユニットを添加し、室温で2時間樹脂上においてコインキュベートした。素通り画分を収集し、樹脂をPBSで5〜10回洗浄した。結合しているタンパク質を8M尿素で溶出し、続いて、5mM DTTを添加して変性及び還元し、37℃で60分間インキュベートした。還元されたシステインを、暗所において室温で30分間、15mMヨードアセトアミドでアルキル化した。サンプルを、Spin Desalting Columnにおいて50mM Tris pH8.0にバッファ交換した。トリプシン(2.5μg)を溶液に添加し、37℃で一晩消化した。ペプチドを分離し、45℃及び流速0.2mL/分で、MQ中0.1%FA:95%ACN中0.1%FA勾配で、C18カラムにおいてRP−LC MS/MSを使用して分析した。検出は、ESI−Q−TOFで行った。データをmgfフォーマットのファイルに変換し、Swiss Protデータベースに対して検索を行った。(A)タンパク質に由来する同定されたペプチドにO−グリコシル化タンパク質又は非O−グリコシル化とアノテーションを付けた。>6のペプチドが一致し、MASCOTスコアが>200であるタンパク質のみが含まれていた。 ヒト血清からのO−糖タンパク質の濃縮を示す結果。PBSで100μLに2.5倍希釈されたヒト血清を、スピンカラム内のPBSで平衡化したLSH205A/E206A樹脂50μLに適用した。シアリダーゼ混合物50〜500ユニットを添加し、室温で2時間樹脂上においてコインキュベートした。素通り画分を収集し、樹脂をPBSで5〜10回洗浄した。結合しているタンパク質を8M尿素で溶出し、続いて、5mM DTTを添加して変性及び還元し、37℃で60分間インキュベートした。還元されたシステインを、暗所において室温で30分間、15mMヨードアセトアミドでアルキル化した。サンプルを、Spin Desalting Columnにおいて50mM Tris pH8.0にバッファ交換した。トリプシン(2.5μg)を溶液に添加し、37℃で一晩消化した。ペプチドを分離し、45℃及び流速0.2mL/分で、MQ中0.1%FA:95%ACN中0.1%FA勾配で、C18カラムにおいてRP−LC MS/MSを使用して分析した。検出は、ESI−Q−TOFで行った。データをmgfフォーマットのファイルに変換し、Swiss Protデータベースに対して検索を行った。(B)様々な洗浄工程の結果、同定されたペプチドが変化し、更に、O−グリコシル化タンパク質の非O−グリコシル化タンパク質に対する比が変化した。 ヒト血清からのO−糖タンパク質の濃縮を示す結果。PBSで100μLに2.5倍希釈されたヒト血清を、スピンカラム内のPBSで平衡化したLSH205A/E206A樹脂50μLに適用した。シアリダーゼ混合物50〜500ユニットを添加し、室温で2時間樹脂上においてコインキュベートした。素通り画分を収集し、樹脂をPBSで5〜10回洗浄した。結合しているタンパク質を8M尿素で溶出し、続いて、5mM DTTを添加して変性及び還元し、37℃で60分間インキュベートした。還元されたシステインを、暗所において室温で30分間、15mMヨードアセトアミドでアルキル化した。サンプルを、Spin Desalting Columnにおいて50mM Tris pH8.0にバッファ交換した。トリプシン(2.5μg)を溶液に添加し、37℃で一晩消化した。ペプチドを分離し、45℃及び流速0.2mL/分で、MQ中0.1%FA:95%ACN中0.1%FA勾配で、C18カラムにおいてRP−LC MS/MSを使用して分析した。検出は、ESI−Q−TOFで行った。データをmgfフォーマットのファイルに変換し、Swiss Protデータベースに対して検索を行った。(C)Sia=シアリダーゼ処理;Sia Pre=シアリダーゼ前処理。 固定化された二重突然変異体はより短いO−糖ペプチドにも結合することを示す実験の結果。Aは、O−グリコシル化ペプチド(グリコドロソシン(glycodrosocin)(GD))と幾つかの+非グリコシル化ペプチド(H2686、H4062 H8390及びインスリン酸化ベータ鎖(IOB)との調製されたミックスに対する結合のLC/MS分析の代表的な結果を示す。 固定化された二重突然変異体はより短いO−糖ペプチドにも結合することを示す実験の結果。Bは、トリプシン消化によって1つのO−グリコシル化ペプチドが生成されることを示すIgAの概略図を示す。 固定化された二重突然変異体はより短いO−糖ペプチドにも結合することを示す実験の結果。Cは、IgAのトリプシン消化物に対する結合のLC/MS分析の代表的な結果を示す。 固定化された二重突然変異体が、他の市販されているO−糖タンパク質結合マトリクスに優ることを示す実験の結果。Aは、図示の通り様々な固定化されたレクチン又はLS二重突然変異体と共にインキュベートした後の、素通り画分(FT)又は溶出液(E)中におけるエタネルセプト又はアシアリル化エタネルセプト(エタネルセプト(S))の存在を比較する、代表的なSDS−PAGEゲルを示す。 固定化された二重突然変異体が、他の市販されているO−糖タンパク質結合マトリクスに優ることを示す実験の結果。Bは、直接ロードされた基質1.5μgのポジティブコントロールと比べた、ゲルの濃度測定分析を示す。
配列の簡単な説明
配列番号1は、O−糖タンパク質特異的エンドプロテーゼ活性を有するポリペプチドのアミノ酸配列である。
配列番号2は、O−糖タンパク質特異的エンドプロテーゼ活性を有する本発明の例示的なポリペプチドのアミノ酸配列である。配列番号1と比べて、これは、追加のN末端メチオニン及びC末端リンカー+Hisタグを含む。この配列からなるポリペプチドは、本明細書ではLSと称される場合もある。
配列番号3は、配列番号2の配列を有するポリペプチドをコードしているヌクレオチド配列である。
配列番号4は、O−糖タンパク質特異的エンドプロテーゼ活性を有する、アッカーマンシア・ムシニフィラから単離されたポリペプチドの野生型アミノ酸配列である。配列番号1と比べて、これは、N末端にシグナルモチーフを含む。
配列番号5は、O−グリカンに結合することができるが、O−糖タンパク質特異的エンドプロテーゼ活性が欠けているか又は低下しているポリペプチドのアミノ酸配列である。
配列番号6は、O−グリカンに結合することができるが、O−糖タンパク質特異的エンドプロテーゼ活性が欠けているか又は低下している、本発明の例示的なポリペプチドのアミノ酸配列である。配列番号5と比べて、これは、追加のN末端メチオニン及びC末端リンカー+Hisタグを含む。この配列からなるポリペプチドは、本明細書ではLSE206Aと称される場合もある。
配列番号7は、配列番号6の配列を有するポリペプチドをコードしているヌクレオチド配列である。
配列番号8は、O−糖タンパク質特異的エンドプロテーゼ活性を有する本発明の例示的なポリペプチドのメタロプロテアーゼドメインモチーフである。
配列番号9は、アッカーマンシア・ムシニフィラから単離されたシアリダーゼAm1757の野生型アミノ酸配列である。これは、N末端にシグナルモチーフを含む。
配列番号10は、配列番号9と比べて、N末端におけるシグナルモチーフが欠けているシアリダーゼAm1757の野生型アミノ酸配列である。
配列番号11は、例示的なシアリダーゼAm1757のアミノ酸配列である。配列番号10と比べて、これは、追加のN末端メチオニン及びC末端リンカー+Hisタグを含む。
配列番号12は、アッカーマンシア・ムシニフィラから単離されたシアリダーゼAm0707の野生型アミノ酸配列である。これは、N末端にシグナルモチーフを含む。
配列番号13は、配列番号12と比べて、N末端におけるシグナルモチーフが欠けているシアリダーゼAm0707の野生型アミノ酸配列である。
配列番号14は、例示的なシアリダーゼAm0707のアミノ酸配列である。配列番号13と比べて、これは、追加のN末端メチオニン及びC末端リンカー+Hisタグを含む。
配列番号15は、ストレプトコッカス・オラリス(S. oralis)から単離されたO−グリコシダーゼのアミノ酸配列である。
配列番号16及び17は、プライマー配列である。
配列番号18は、EPOのアミノ酸配列を示す。
配列番号20は、O−グリカンに結合することができるが、O−糖タンパク質特異的エンドプロテーゼ活性が欠けているか又は低下しているポリペプチドのアミノ酸配列である。
配列番号21は、O−グリカンに結合することができるが、O−糖タンパク質特異的エンドプロテーゼ活性が欠けているか又は低下している、本発明の例示的なポリペプチドのアミノ酸配列である。配列番号20と比べて、これは、追加のN末端メチオニン及びC末端リンカー+Hisタグを含む。この配列からなるポリペプチドは、本明細書ではLSHE206AA又はLSH205A/E206Aと称される場合もある。
配列番号22は、配列番号21の配列を有するポリペプチドをコードしているヌクレオチド配列である。
配列番号23、24、及び25は、O−グリカンに結合することができるが、O−糖タンパク質特異的エンドプロテーゼ活性が欠けているか又は低下している、本発明のポリペプチドにそれぞれ由来する、破壊されたメタロプロテアーゼドメインモチーフの配列である。
配列番号26、27、及び28は、O−糖タンパク質特異的エンドプロテーゼ活性をそれぞれ有するポリペプチドのアミノ酸配列である。
配列番号29、30、及び31は、O−糖タンパク質特異的エンドプロテーゼ活性を有する例示的なポリペプチドのアミノ酸配列である。それぞれ配列番号26、27、及び28と比べて、配列番号29、30、及び31は、それぞれが追加のN末端メチオニン及びC末端リンカー+Hisタグを含む。
配列番号32、33、及び34は、それぞれ緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)PAO1、バクテロイデス・テタイオタオミクロン(Bacteroides thetaiotaomicron)VPI−5482、及びウェルシュ菌(Clostridium perfringens)から単離された、O−糖タンパク質特異的エンドプロテーゼ活性を有するポリペプチドの野生型アミノ酸配列である。それぞれ配列番号26、27、及び28と比べて、それぞれがN末端にシグナルモチーフを含む。
配列番号35、36、及び37は、それぞれO−グリカンに結合することができるが、O−糖タンパク質特異的エンドプロテーゼ活性が欠けているか又は低下しているポリペプチドのアミノ酸配列である。
配列番号38、39、及び40は、それぞれがO−グリカンに結合することができるが、O−糖タンパク質特異的エンドプロテーゼ活性が欠けているか又は低下している、本発明の例示的なポリペプチドのアミノ酸配列である。それぞれ配列番号35、36、及び37と比べて、配列番号38、39、及び40は、それぞれが追加のN末端メチオニン及びC末端リンカー+Hisタグを含む。
配列番号41〜43は、O−糖タンパク質特異的エンドプロテーゼの代表的なメタロプロテアーゼモチーフのアミノ酸配列である。
配列番号44〜46は、O−グリカンに結合することができるが、O−糖タンパク質特異的エンドプロテーゼ活性が欠けているか又は低下している、ポリペプチドの代表的な破壊されたメタロプロテアーゼモチーフのアミノ酸配列である。
配列番号47は、グリコドロソシンペプチドのアミノ酸配列である。T残基にO−グリコシル化部位が存在する。
配列番号48〜50は、O−グリコシル化されていないペプチドのアミノ酸配列である。
開示される生成物及び方法の様々な用途は、当技術分野における具体的なニーズに応じて調整できることを理解されたい。また、本明細書で使用される用語は、本発明の特定の実施形態を説明することのみを目的とし、限定を意図するものではないことも理解されたい。上記であろうと下記であろうと、本明細書に引用される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用するとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、特に明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。従って、例えば、「ポリペプチド(a polypeptide)」に対する言及は、「複数のポリペプチド(polypeptides)」等を含む。
一般的なポリペプチドの特徴
「ポリペプチド」は、本明細書では、2つ以上のサブユニットアミノ酸、アミノ酸アナログ、又は他のペプチドミメティックの化合物を指すために、その最も広い意味で使用される。従って、用語「ポリペプチド」は、短いペプチド配列を含み、より長いポリペプチド及びタンパク質も含む。用語「タンパク質」、「ペプチド」、及び「ポリペプチド」は、互換的に使用することができる。本明細書で使用するとき、用語「アミノ酸」とは、D型又はL型の光学異性体の両方を含む、天然及び/又は非天然、すなわち、合成のアミノ酸、並びにアミノ酸アナログ、及びペプチドミメティックを指す。
ポリペプチドは、組み換え法又は合成法を含む好適な方法によって生成され得る。例えば、ポリペプチドは、Fmoc固相化学、Boc固相化学、又は液相ペプチド合成等の、当技術分野において公知の標準的な方法を使用して直接合成することができる。あるいは、ポリペプチドは、細胞、典型的には細菌細胞を、該ポリペプチドをコードしている核酸分子又はベクターで形質転換することによって生成することもできる。細菌宿主細胞における発現によるポリペプチドの生成については、以下に記載し、実施例に例示する。本発明は、本発明のポリペプチドをコードしている核酸分子及びベクターを提供する。また、本発明は、このような核酸又はベクターを含む宿主細胞を提供する。本明細書に開示されるポリペプチドをコードしている例示的なポリヌクレオチド分子を配列番号3及び7として提供する。これら配列はそれぞれ、5’末端にN末端メチオニン(ATG)のコドンを、そして、3’末端の終止コドン(TAA)の前にGly−Ser−Glyリンカー及び6×Hisタグのコドンを含むが、これらは任意で除外されてもよい。追加のメチオニン及びタグを任意で含めることについては、以下により詳細に論じる。
用語「核酸分子」及び「ポリヌクレオチド」は、本明細書では互換的に使用され、デオキシリボヌクレオチド若しくはリボヌクレオチド又はこれらのアナログのいずれかである、任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態を指す。ポリヌクレオチドの非限定的な例は、遺伝子、遺伝子断片、メッセンジャーRNA(mRNA)、cDNA、組み換えポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、任意の配列の単離されたDNA、任意の配列の単離されたRNA、核酸プローブ、及びプライマーを含む。本発明のポリヌクレオチドは、本発明のポリペプチドをコードしており、単離又は実質的に単離された形態で提供され得る。実質的に単離されたとは、任意の周囲媒体からポリペプチドが完全にではないがかなりの割合単離され得ることを意味する。ポリヌクレオチドは、その意図する用途に干渉しない担体又は希釈剤と混合されてもよく、それでもなお実質的に単離されたとみなされ得る。選択されたポリペプチドを「コードしている」核酸配列は、例えば発現ベクターにおいて適切な調節配列の制御下におかれたとき、インビボでポリペプチドに転写(DNAの場合)及び翻訳(mRNAの場合)される核酸分子である。コード配列の境界は、5’(アミノ)末端における開始コドン及び3’(カルボキシ)末端における翻訳終止コドンによって決定される。本発明の目的のために、このような核酸配列は、ウイルス由来のcDNA、原核生物又は真核生物のmRNA、ウイルス又は原核生物のDNA又はRNA由来のゲノム配列、及び更には合成DNA配列を含んでいてよいが、これらに限定されない。転写終結配列は、コード配列の3’側に位置していてよい。
ポリヌクレオチドは、一例としてSambrook et al(1989,Molecular Cloning−a laboratory manual;Cold Spring Harbor Press)に記載されている通り、当技術分野において周知の方法に従って合成することができる。本発明の核酸分子は、挿入された配列に動作可能に連結され、それによって、インビボ(例えば、原核生物又は真核生物の発現系)で本発明のポリペプチドを発現することができる制御配列を含む発現カセットの形態で提供され得る。次に、これら発現カセットは、典型的には、ベクター(例えば、プラスミド又は組み換えウイルスベクター)内に提供される。このような発現カセットを宿主被験体に直接投与してもよい。あるいは、本発明のポリヌクレオチドを含むベクターを宿主被験体に投与してもよい。好ましくは、遺伝子ベクターを使用してポリヌクレオチドを調製及び/又は投与する。好適なベクターは、十分な量の遺伝情報を保有し、本発明のポリペプチドを発現することができる任意のベクターであってよい。
従って、本発明は、このようなポリヌクレオチド配列を含む発現ベクターを含む。このような発現ベクターは、分子生物学の技術分野においてルーチン的に構築され、例えば、本発明のペプチドを発現させるために、プラスミドDNA、並びに適切なイニシエータ、プロモータ、エンハンサ、及び他のエレメント、例えば、必要になる場合がありかつ正確な配向で配置されたポリアデニル化シグナルの使用を伴っていてよい。他の好適なベクターは、当業者には明らかであろう。これに関する更なる例として、Sambrookらを参照する。
また、本発明は、本発明のポリペプチドを発現するように改変された細胞を含む。このような細胞は、典型的には、原核細胞、例えば大腸菌(E. coli)等の細菌細胞を含む。このような細胞は、本発明のポリペプチドを生成するための常法を使用して培養してよい。
ポリペプチドの生成、単離、又は精製を支援するために、該ポリペプチドを誘導体化又は改変してもよい。例えば、本発明のポリペプチドが細菌宿主細胞における組み換え発現によって生成される場合、ポリペプチドの配列は、発現を改善するためにN末端に追加のメチオニン(M)残基を含んでいてよい。別の例として、分離手段に直接かつ特異的に結合することができるリガンドを付加することによって、本発明のポリペプチドを誘導体化又は改変してもよい。あるいは、結合対の一方のメンバーを付加することによってポリペプチドを誘導体化又は改変してもよく、分離手段は、結合対の他方のメンバーを付加することによって誘導体化又は改変された試薬を含む。任意の好適な結合対を使用してよい。本発明において使用するためのポリペプチドが結合対の一方のメンバーの付加によって誘導体化又は改変される好ましい実施形態では、ポリペプチドは、好ましくは、ヒスチジンでタグ付けされるか又はビオチンでタグ付けされる。典型的には、ヒスチジン又はビオチンのタグのアミノ酸コード配列は遺伝子レベルで含まれ、ポリペプチドは大腸菌において組み換え的に発現する。ヒスチジン又はビオチンのタグは、典型的には、ポリペプチドのいずれかの末端、好ましくはC末端に存在する。該タグは、ポリペプチドに直接連結されてもよく、任意の好適なリンカー配列、例えば、3個、4個、若しくは5個のグリシン残基又はグリシン残基とセリン残基との混合物によって間接的に連結されてもよい。ヒスチジンタグは、典型的には6個のヒスチジン残基からなるが、これよりも長くてもよく、典型的には最大7アミノ酸、最大8アミノ酸、最大9アミノ酸、最大10アミノ酸、又は最大20アミノ酸までであり、又はこれよりも短くてもよく、例えば5アミノ酸、4アミノ酸、3アミノ酸、2アミノ酸、又は1アミノ酸である。
ポリペプチドは、実質的に単離又は精製された形態で提供されてもよい。すなわち、ポリペプチドが発現した細胞からの細胞抽出物中に存在する他の成分の大部分から単離されている。実質的に精製されたとは、ポリペプチドが、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、又は好ましくは少なくとも90%均質になるまで精製されたと理解される。純度レベルは、任意の好適な手段によって評価することができるが、典型的には、サンプルのSDS−PAGE分析に続いてクマシーブルー検出を含む。ポリペプチドは、該ポリペプチドの意図する目的に干渉しない担体、希釈剤、又は保存剤と混合されてもよく、それでもなお実質的に単離又は精製されたとみなされ得る。ポリペプチドが追加の活性成分、例えば別のポリペプチドと共に組成物で提供される場合、各該ポリペプチドは、それぞれの意図する目的に適切な比で混合される前に、高レベルの均質性になるまで個々に精製される。例えば、2つのポリペプチドは、1:1比で組み合わせられる前に、少なくとも90%均質になるまでそれぞれ精製され得る。
ポリペプチド(又はその混合物)は、使用前に水溶液で再構成するのに好適な、凍結乾燥された形態で提供されてもよい。凍結乾燥組成物は改善された安定性を有するので、ポリペプチドをより長く貯蔵することが可能になる。凍結乾燥された形態のポリペプチド(又はその混合物)を調製する方法であって、好適なバッファ、例えば、Tris緩衝生理食塩水(TBS)中で該ポリペプチド(又は混合物)をフリーズドライすることを含む方法が、本明細書に提供される。ポリペプチドは、典型的には、フリーズドライ前に実質的に精製される。得られる凍結乾燥された形態のポリペプチド(又は混合物)も提供される。ポリペプチド(又は混合物)の溶液を調製する方法であって、凍結乾燥された形態の該ポリペプチド(又は混合物)を提供することと、好適な担体又は希釈剤、例えば水で再構成することとを含む方法も提供される。
ポリペプチドは、当技術分野において公知の方法を使用して、例えば、Datta S et al.,Enzyme immobilization:an overview on techniques and support materials,3 Biotech,3(1):1−9(2013)に記載の通り固定化することができる。例えば、ポリペプチドは、吸着、共有結合、親和性固定化、又は封入によって固定化してよい。支持体として使用することができる材料は、例えば、アガロース、コラーゲン、ゼラチン、セルロース、ペクチン、セファロース等の天然支持体、セラミック、シリカ、ガラス、活性炭、若しくは炭等の無機材料、又は合成ポリマーを含むが、これらに限定されない。例えば、任意で樹脂として提供されるセファロース又はアガロース上にポリペプチドを固定してもよい。
エンドプロテーゼ活性を有するポリペプチド
エンドプロテーゼ活性を有するポリペプチドの機能的特徴
一実施形態では、本発明は、O−グリコシル化タンパク質に特異的なエンドプロテーゼ活性を有するポリペプチドに関する。言い換えれば、ポリペプチドは、任意のO−糖タンパク質特異的エンドプロテーゼ活性を有する。ポリペプチドは、O結合型糖タンパク質、好ましくは、任意のヒトO結合型糖タンパク質を切断する。O結合型糖タンパク質の例は、完全長抗体、Fc断片及びFc融合タンパク質、特にIgA、IgD、及びIgG3のアイソタイプのものを含む、免疫グロブリンの全て又は一部を含むか又はからなる任意のタンパク質を含む。O結合型糖タンパク質の別の例は、IgG1のFc部分に連結しているヒトTNFα受容体2のリガンド結合ドメインと多数のO−グリコシル化部位との融合タンパク質であるエタネルセプトである。O結合型糖タンパク質の他の例は、エリスロポエチン(EPO)、TNFα受容体、フェチュイン、及びプラスミノーゲンを含む。
基質である糖タンパク質の加水分解(すなわち、切断)は、典型的には、O−グリコシル化セリン又はスレオニンのN末端側かつ近接しているペプチド結合において高い特異性で生じ、そして、O−グリカン依存性である。本発明のポリペプチドは、好ましくは、基質である糖タンパク質における全てのO−グリコシル化部位に近接しているこのようなペプチド結合を切断することができる。反応は、好ましくは、任意のアミノ酸に特異性又は制約を示さず、具体的には、任意の特定のアミノ酸(複数可)がO−グリコシル化セリン又はスレオニンのN末端側に存在することを必要としない。標準的な質量分析パラメータを使用して評価したとき、切断部位は、一般的には、各O−グリコシル化残基のすぐN末端側のペプチド結合であると観察される。
所与のポリペプチドのエンドプロテーゼ活性及び特異性は、好適なアッセイを用いて決定することができる。例えば、標準的なO−糖タンパク質基質、例えばIgA分子又はエリスロポエチン(EPO)を、試験ポリペプチドと共にインキュベートしてよい。次いで、出発物質及び反応生成物をSDS−PAGE及び/又は質量分析によって分析して、切断生成物(もし存在すれば)の存在を判定してよく、必要に応じて、該生成物を更に特性評価してもよい。O−グリコシル化されていない糖タンパク質基質、例えばIgG1分子をネガティブコントロールとして使用してよい。この結果を、基質を本発明の例示的なポリペプチド、例えば、配列番号2のアミノ酸配列からなるポリペプチドと接触させたときに同じアッセイで得られた結果と比較してよい。配列番号2のポリペプチド1ユニットは、SDS−PAGEによってモニタリングしたとき、37℃で一晩、20mM Tris緩衝液pH6.8中のシアリダーゼ混合物1ユニットと組み合わせてエリスロポエチン(EPO)1μgの>90%を消化するのに必要な量として定義される(好ましいシアリダーゼ混合物については、以下で更に記載する)。試験ポリペプチドは、好ましくは、同量存在するときに類似の活性レベルを達成する。例示的なアッセイについては実施例にも記載する。
エンドプロテーゼ活性を有するポリペプチドの構造的特徴
この章は、この実施形態に係るポリペプチドの構造的特徴について記載し、これは、上の章に概説された機能的特徴に加えて適用される。
ポリペプチドは、典型的には、少なくとも150アミノ酸長、少なくとも200アミノ酸長、少なくとも250アミノ酸長、少なくとも275アミノ酸長、少なくとも280アミノ酸長、少なくとも290アミノ酸長、少なくとも300アミノ酸長、少なくとも310アミノ酸長、少なくとも320アミノ酸長、少なくとも330アミノ酸長、少なくとも340アミノ酸長、少なくとも350アミノ酸長、又は少なくとも360アミノ酸長である。ポリペプチドは、典型的には、400アミノ酸長以下、395アミノ酸長以下、390アミノ酸長以下、385アミノ酸長以下、380アミノ酸長以下、375アミノ酸長以下、370アミノ酸長以下、又は365アミノ酸長以下である。上記下限のいずれかを上記上限のいずれかと組み合わせて、ポリペプチドの長さについての範囲を提供できることが理解されるであろう。例えば、ポリペプチドは、150〜400アミノ酸長、又は280〜380アミノ酸長であってよい。ポリペプチドは、好ましくは、340〜380アミノ酸長、最も好ましくは、360〜375アミノ酸長である。
ポリペプチドの一次構造(アミノ酸配列)は、アッカーマンシア・ムシニフィラのAmuc1119遺伝子によってコードされているポリペプチドの一次構造に基づいている。このポリペプチドの完全配列を配列番号4に示し、これは、1〜24位にシグナルモチーフを含む。シグナルモチーフを除去した配列を配列番号1に示す。
本発明のポリペプチドは、配列番号1の配列を含んでいてもよく、から本質的になっていてもよく、からなっていてもよい。
あるいは、本発明のポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも50%同一である、配列番号1のアミノ酸配列の変異体を含んでいてもよく、から本質的になっていてもよく、からなっていてもよい。変異体配列は、配列番号1の配列と少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であってよい。同一性レベルは、好ましくは、少なくとも85%以上である。配列番号1の配列に対する同一性は、配列番号1に示す配列の少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、若しくは少なくとも350、若しくはそれ以上の連続するアミノ酸の領域にわたって測定してもよく、より好ましくは配列番号1の完全長にわたって測定してもよい。変異体は、典型的には、参照配列よりも50アミノ酸以下長いか又は短い長さであり、好ましくは、参照配列とほぼ(又は正確に)同じ長さである。
アミノ酸の同一性は、任意の好適なアルゴリズムを使用して計算することができる。例えば、Altschul S.F.(1993)J Mol Evol 36:290−300;Altschul,S,F et al(1990)J Mol Biol 215:403−10に記載の通り、PILEUP及びBLASTのアルゴリズムを使用して、同一性を計算するか又は配列を並べることができる(典型的には、そのデフォルト設定で)等価な又は対応する配列を同定する等)。BLAST解析を実施するためのソフトウェアは、National Center for Biotechnology Information(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)を通して公的に入手可能である。このアルゴリズムは、まず、データベース配列における同じ長さのワードとアラインメントしたときに幾つかの正の値の閾値スコアTに一致するか又は満たす、クエリー配列における長さWの短いワードを同定することによって、高スコア配列対(HSP)を同定することを含む。Tは、近傍ワードスコア閾値(neighbourhood word score threshold)と称される(Altschul et al、上記)。これら初期近傍ワードヒットは、それを含有するHSPを見つけるための検索を始めるためのシードとして作用する。累積アラインメントスコアが増加し得る限り、ワードヒットを各配列に沿って両方向に拡張する。各方向におけるワードヒットの拡張は、累積アラインメントスコアがその最大達成値から量Xだけ減少したとき;1つ以上の負のスコアの残基アラインメントの累積に起因して累積スコアがゼロ以下になったとき;又はいずれかの配列の末端に達したときに停止する。BLASTアルゴリズムパラメータW、T、及びXが、アラインメントの感度及び速度を決定する。BLASTプログラムは、デフォルトとして、ワード長(W)11、BLOSUM62スコアリングマトリクス(Henikoff and Henikoff(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915−10919を参照されたい)アラインメント(B)50、期待値(E)10、M=5、N=4、及び両鎖の比較を使用する。
BLASTアルゴリズムは、2つの配列間の類似性の統計的解析を実施する;例えば、Karlin and Altschul(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5873−5787を参照されたい。BLASTアルゴリズムによって提供される類似性の1つの尺度は最小和確率(the smallest sum probability)(P(N))であり、これは、2つのポリヌクレオチド又はアミノ酸の配列間の一致が偶然生じる確率の指標を提供する。例えば、第1の配列の第2の配列に対する比較における最小和確率が約1未満、好ましくは約0.1未満、より好ましくは約0.01未満、最も好ましくは約0.001未満である場合、ある配列が別の配列と類似しているとみなされる。あるいは、UWGCGパッケージは、同一性を計算するために使用することができる(例えば、そのデフォルト設定で使用される)BESTFITプログラムを提供する(Devereux et al(1984)Nucleic Acids Research 12,387−395)。
本発明のポリペプチドの配列は、配列番号1の配列と比べて改変、例えば、アミノ酸の付加、欠失、又は置換が行われた配列番号1のアミノ酸配列の変異体を含んでいてよい。特に指定しない限り、改変は、好ましくは、保存的アミノ酸置換である。保存的置換は、アミノ酸を類似の化学的構造、類似の化学的特性、又は類似の側鎖体積の他のアミノ酸に置き換える。導入されるアミノ酸は、置き換えられるアミノ酸と類似の極性、親水性、疎水性、塩基性、酸性、中性、又は電荷を有していてよい。あるいは、保存的置換は、既存の芳香族又は脂肪族のアミノ酸の代わりに、芳香族又は脂肪族の別のアミノ酸を導入してもよい。保存的アミノ酸変化は当技術分野において周知であり、以下の表A1に定義する20種の主なアミノ酸の特性に従って選択してよい。アミノ酸が類似の極性を有する場合、これは、表A2中のアミノ酸側鎖のヒドロパシースケールを参照することによって決定することができる。本発明のポリペプチドの配列は、10個以下、20個以下、30個以下、40個以下、50個以下、又は60個以下の保存的置換が行われた配列番号1のアミノ酸配列の変異体を含んでいてよい。
本発明のポリペプチドのアミノ酸配列は、上記の通り配列番号1のアミノ酸配列の変異体を含んでいてよい。しかし、配列番号1のアミノ酸配列における特定の残基は、好ましくは、該変異体配列内に保持される。例えば、該変異体配列は、典型的には、エンドプロテーゼ活性に必要であることが知られている特定の残基を保持する。従って、配列番号1の182位(配列番号4の206位に対応)のグルタミン酸は、好ましくは、本発明のポリペプチドのアミノ酸配列において保持される。この残基は、活性部位における電子移動に必要であると考えられる。従って、本発明のポリペプチドは、典型的には、配列番号1の182位に対応する該変異体配列における位置にグルタミン酸(E)を有する、配列番号1のアミノ酸配列の変異体を含む。同様に、配列番号1の181位(配列番号4の205位に対応)のヒスチジンは、好ましくは、本発明のポリペプチドのアミノ酸配列において保持される。この残基は、亜鉛イオン補助因子への結合に必要であると考えられる。
該グルタミン酸及び該ヒスチジンの残基はいずれも、典型的には、モチーフHEbbH(式中、bは、電荷を有しないアミノ酸、例えば、アミノ酸A、C、F、G、I、L、M、N、P、Q、S、T、V、又はWである)を有するメタロプロテアーゼドメイン内に含まれる。このようなドメインの好ましい例は、配列HELGH(配列番号41)を有し、これは配列番号1の181位〜185位(配列番号4における205〜209位)に対応する。従って、本発明のポリペプチドは、典型的には、配列番号1の181〜185位に対応する位置にモチーフHEbbH(例えば、HEIGH(配列番号42)又はHELGH、好ましくはHELGH)を含む、配列番号1のアミノ酸配列の変異体を含む。本発明のポリペプチドは、典型的には、メタロプロテアーゼドメインのC末端側に位置するO−グリカン特異的結合ドメインを含む。
モチーフHEbbHは、モチーフabxHEbbHbc(式中、aは、アミノ酸V、T、又はGであり、bは、電荷を有しないアミノ酸、例えばアミノ酸A、C、F、G、I、L、M、N、P、Q、S、T、V、又はWであり、xは、任意のアミノ酸であり、cは、疎水性アミノ酸、例えばA、C、F、I、L、M、P、V、W、又はYである)を有するより大きなメタロプロテアーゼドメイン内に含まれる場合もある。このようなドメインの好ましい例は、配列GMAHELGHGL(配列番号8)を有し、これは配列番号1の178位〜187位(配列番号4における202〜211位)に対応する。他の例は、GVAHELGHNF(配列番号43)を含む。従って、本発明のポリペプチドは、好ましくは、配列番号1の178〜187位に対応する位置にモチーフabxHEbbHbc(例えば、GMAHELGHGL又はGVAHELGHNF、好ましくはGMAHELGHGL)を含む、配列番号1のアミノ酸配列の変異体を含む。本発明のポリペプチドは、典型的には、メタロプロテアーゼドメインのC末端側に位置するO−グリカン特異的結合ドメインを含む。
あるいは、本発明のポリペプチドは、上記の通り配列番号1又はその変異体のより短い断片を含んでいてもよく、から本質的になっていてもよく、からなっていてもよい。断片は、O−糖タンパク質特異的エンドプロテーゼ活性を保持している、切断された形態の配列番号1として説明することができる。このような断片は配列番号1よりも短く、典型的には、少なくとも100アミノ酸長、少なくとも150アミノ酸長、又は少なくとも200アミノ酸長である。断片は、典型的には、配列番号1の182位に対応する位置におけるグルタミン酸残基(E)及び配列番号1の181位に対応する位置におけるヒスチジン残基(H)を含む、配列番号1の178〜187位に対応する位置におけるメタロプロテアーゼドメインと、該メタロプロテアーゼドメインのC末端側に位置するO−グリカン結合ドメインとを含む。
配列番号1若しくはその変異体又はこれらのいずれかの断片を含む本発明の任意のポリペプチドは、任意で、N末端における追加のメチオニン及び/又はC末端におけるヒスチジン若しくは他のタグを含んでいてもよい。このような追加の配列は、発現及び/又は精製に役立ち得る。ヒスチジンタグは、好ましくは、6個のヒスチジン残基からなる。ヒスチジンタグは、好ましくは、典型的にはアミノ酸の短い配列、例えば3〜5個のアミノ酸であるリンカーによってC末端に連結される。リンカーは、典型的には、主にグリシン及びセリンの残基からなり、好ましくは、配列GSGを含んでいてよい。例えば、GSG及びGSGLEが好適なリンカーである。
従って、まとめると、本発明のポリペプチドは、O−糖タンパク質特異的エンドプロテーゼ活性を有するポリペプチドであって、
(a)配列番号1のアミノ酸配列;
(b)該配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列;又は
(c)該配列番号1の配列の断片若しくは該配列番号1のアミノ酸配列と85%同一であるアミノ酸の断片であるアミノ酸配列
を含み、
任意で、N末端における追加のメチオニン及び/又はC末端におけるヒスチジンタグを含み、該タグが、リンカーによってC末端に連結され得るポリペプチドである。
本発明の例示的なポリペプチドの配列を配列番号2として提供する。ポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸配列を含んでいてもよく、からなっていてもよい。このポリペプチドをコードしている例示的なポリヌクレオチド配列を配列番号3に示す。
O−糖タンパク質特異的エンドプロテーゼ活性を有する別のポリペプチドが、緑膿菌PAO1、バクテロイデス・テタイオタオミクロンVPI−5482、及びウェルシュ菌において同定されている(Noach et al;PNAS 2017,pE679−688及び補助付録、具体的にはMaterials and Methods for Cloning,Protein Expression and Purificationに記載されている3つのペプチダーゼを参照されたい)。これらポリペプチドの完全長配列を配列番号32、33、及び34として提供する。これら配列はそれぞれ、上記の通りモチーフHEbbHを有するメタロプロテアーゼドメインを含む。ウェルシュ菌配列は、上記の通りモチーフabxHEbbHbcを有するより長いメタロプロテアーゼドメインも含む。これら配列はそれぞれ、存在する場合のある任意のシグナル配列若しくはプロ酵素配列を除去するため、並びに/あるいはN末端に追加のメチオニン及び/又はC末端にヒスチジン若しくは他のタグを含めるために、任意で改変されてもよい。このような追加の配列は、(例えば、大腸菌における)発現及び/又は精製に役立ち得る。シグナル及び他の未成熟配列が除去された対応する配列を配列番号26、27、及び28として提供する。(N末端に追加のメチオニンを、そして、C末端にヒスチジンタグを含めることによって)大腸菌における発現及びその後の精製に対して最適化されたこれら配列のバージョンを配列番号29、30、及び31として提供する。O−糖タンパク質特異的エンドプロテーゼ活性を有する本発明のポリペプチドを使用するための本明細書に記載される方法では、任意で、本発明のポリペプチドをこれらポリペプチドのうちの1つで置換してもよい。従って、このような方法で使用するための好ましいポリペプチドは、配列番号26〜31のいずれか1つを含む、から本質的になる、又はからなる。
ポリペプチドのエンドプロテーゼ活性を使用する方法
また、本発明は、O−糖タンパク質を加水分解する方法であって、該タンパク質のサンプルを、O−糖タンパク質特異的エンドプロテーゼ活性を有する本発明のポリペプチドと接触させることを含み、任意で、加水分解生成物を検出することを更に含む方法を提供する。
また、本発明は、タンパク質のグリコシル化状態を評価する方法であって、該のサンプルを、O−糖タンパク質特異的エンドプロテーゼ活性を有する本発明のポリペプチドと接触させることと、生成された生成物を分析することとを含む方法を含んでいてもよい。切断生成物の存在は、該サンプル中のタンパク質がO−グリコシル化されていたことを示し、従って、該方法は、O−糖タンパク質を検出するために使用することもできる。任意で、グリカン鎖及びそのタンパク質への結合位置を同定するために切断生成物を更に分析してもよい。
このような方法では、ポリペプチドがサンプル中の任意のタンパク質と相互作用するのに、そして、加水分解及び/又は切断の反応(エンドプロテーゼ活性)が生じるのに好適な条件下で、サンプルを本発明のポリペプチドと接触させる。好適な条件は、少なくとも20分間、少なくとも30分間、少なくとも40分間、少なくとも50分間、少なくとも60分間、少なくとも70分間、少なくとも80分間、少なくとも90分間、又は少なくとも120分間、少なくとも3時間、少なくとも5時間、少なくとも10時間、又は少なくとも一晩、本発明のポリペプチドと共にインキュベートすることを含む。インキュベートは、好ましくは室温で、より好ましくは約20℃、約25℃、約30℃、約35℃、約40℃、又は約45℃、最も好ましくは約37℃で行われる。上記方法は、任意の好適なpH下で実施してよい。好適なpH値は、例えば、約3.0、約3.5、約4、約4.5、約5、約5.5、約6、約6.5、約7、約7.5、約8、約8.5、約9、又は約9.5のpHを含む。本発明のポリペプチドの活性に好ましいpHは、5.6〜6.8の範囲内である。方法は、任意の好適なバッファ、例えば、トリス緩衝生理食塩水(TBS)又はリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中で実施してよい。サンプルのタンパク質含量に対する本発明のポリペプチドの近似比(酵素:基質)は、1:1、2:1、4:1、6:1、10:1、15:1、20:1、1:2、1:4、又は1:6、1:10、1:15、1:20、1:40、1:100、1:200、又は1:400であってよい。好ましい比は、1:20である。反応時間をより短くする必要がある場合又はO−糖タンパク質が重度にシアリル化されている場合、酵素の基質に対する比率がより高い方が有益であり得る。あるいは、以下により詳細に論じる通り、シアル酸含量を低下させるために、前もって又は同時にシアリダーゼインキュベート工程を使用してもよい。基質は、典型的には、0.1mg/mL〜10mg/mL、好ましくは約0.1〜2mg/mLの濃度で存在する。
生成された生成物の検出又は分析は、例えば、質量分析、HPLC、アフィニティークロマトグラフィー、ゲル電気泳動、SDS−PAGE、ELISA、レクチンブロッティング、分光分析、キャピラリー電気泳動、及びタンパク質を分析するための他の標準的な検査技術等であるがこれらに限定されない、任意の好適な分析方法によって評価してよい。
上記方法のいずれかにおけるサンプルは、患者、好ましくはヒト患者から採取されたサンプルであってよい。得られた結果は、診断目的のために、例えば、O結合型グリコシル化を伴うがんの存在を検出するために使用することができる。このような使用は、患者サンプルから得られた結果を、健常対照から得られたサンプルを使用して得られた結果と比較することを含んでいてよい。
本発明の任意の方法では、ポリペプチドを、プロテアーゼ又はグリコシダーゼ等の別の酵素と組み合わせて使用してもよい。追加のプロテアーゼ又はグリコシダーゼは、典型的には、基質タンパク質を更に消化するので、本発明のポリペプチドの活性を増強することができる及び/又は生成物をより容易に若しくはより詳細に分析することが可能になる。
例えば、本発明者らは、シアル酸を除去するために基質タンパク質のO−グリカンを最初に改変した場合、本発明のポリペプチドが改善されたエンドプロテーゼ活性を示すことを見出した。従って、本発明の好ましい方法では、シアル酸を除去するためにサンプルを剤と接触させる。該剤は、好ましくは、シアリダーゼ酵素又はこのような酵素の混合物であってよく、これらは、TBS又はPBS等の好適なバッファ中に存在していてよい。バッファは、好ましくは、典型的には300mM以下、250mM以下、200mM以下、又は150mM以下の低濃度のNaClを含む。NaCl濃度は、好ましくは、約150mM、例えば125mM〜175mMである。シアリダーゼ(又はノイラミニダーゼ)は、糖タンパク質における複合糖質からの末端シアル酸の切断を触媒し、高度の特異性を示す。これら酵素は、O−糖タンパク質内に一般的にみられる3つの異なるシアル酸結合、すなわち、α2−3、α2−6、及びα2−8の結合を標的とする。記載の方法で使用するのに好適なシアリダーゼは、α2−3、α2−6、及びα2−8の結合を全て標的とする広域スペクトルシアリダーゼに加えて、典型的には1種の結合しか標的としない狭域スペクトルシアリダーゼも含む。α2−3結合がヒト糖タンパク質において最も一般的であるので、狭域スペクトルシアリダーゼを使用する場合、この結合を標的とすることが好ましい。好適なシアリダーゼは、ウイルス又は哺乳類のシアリダーゼを含んでいてもよいが、好ましくは、ウェルシュ菌、アルスロバクター・ウレアファシェンス(Arthrobacter ureafaciens)、肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)、コレラ菌(Vibrio cholera)、及びアッカーマンシア・ムシニフィラの株を含むがこれらに限定されない細菌から単離されたシアリダーゼである。
好ましい狭域スペクトルシアリダーゼは、アッカーマンシア・ムシニフィラから単離されたAm1757である。Am1757は、α2−3結合に対して特異的活性を有する。Am1757の野生型配列を、シグナル配列を含む配列番号9として提供する。シグナル配列を欠いているAm1757の野生型配列を、配列番号10として提供する。N末端における追加のメチオニン及び/又はC末端におけるヒスチジン若しくは他のタグを含めるために、これら配列を任意で改変してもよい。このような追加の配列は、(例えば、大腸菌における)発現及び/又は精製に役立ち得る。ヒスチジンタグは、好ましくは、6個のヒスチジン残基からなる。ヒスチジンタグは、好ましくは、典型的にはアミノ酸の短い配列、例えば3〜5個のアミノ酸であるリンカーによってC末端に連結される。リンカーは、典型的には、主にグリシン及びセリンの残基からなり、好ましくは、配列GSGを含んでいてよい。例えば、GSG及びGSGLEが好適なリンカーである。N末端に追加のメチオニン、そして、C末端にGSGLEリンカー及びHisタグを有する例示的なAm1757配列を、配列番号11として提供する。本開示におけるAm1757に対する任意の言及は、配列番号9、10、又は11のいずれをも意味し得るが、好ましくは、配列番号10のアミノ酸配列を含むか又はからなるポリペプチドを指す。最も好ましいのは、配列番号11のアミノ酸配列からなるポリペプチドである。
好ましい広域スペクトルシアリダーゼは、アッカーマンシア・ムシニフィラから単離されたAm0707である。Am0707は、α2−3、α2−6、及びα2−8の結合に対する活性を有する。Am0707の野生型配列を、シグナル配列を含む配列番号12として提供する。シグナル配列を欠いているAm0707の野生型配列を、配列番号13として提供する。N末端における追加のメチオニン及び/又はC末端におけるヒスチジン若しくは他のタグを含めるために、これら配列を任意で改変してもよい。このような追加の配列は、発現及び/又は精製に役立ち得る。ヒスチジンタグは、好ましくは、6個のヒスチジン残基からなる。ヒスチジンタグは、好ましくは、典型的にはアミノ酸の短い配列、例えば3〜5個のアミノ酸であるリンカーによってC末端に連結される。リンカーは、典型的には、主にグリシン及びセリンの残基からなり、好ましくは、配列GSGを含んでいてよい。例えば、GSG及びGSGLEが好適なリンカーである。N末端に追加のメチオニン、そして、C末端にGSGLEリンカー及びHisタグを有する例示的なAm0707配列を、配列番号14として提供する。本開示におけるAm0707に対する任意の言及は、配列番号12、13、又は14のいずれをも意味し得るが、好ましくは、配列番号13のアミノ酸配列を含むか又はからなるポリペプチドを指す。最も好ましいのは、配列番号14のアミノ酸配列からなるポリペプチドである。
全てのシアル酸結合を加水分解することができる好ましいシアリダーゼ混合物は、アッカーマンシア・ムシニフィラから単離されたAm1757及びAm0707を含む。Am1757とAm0707との混合物は、典型的には、1:1比である。特に好ましい混合物は、配列番号11のアミノ酸配列からなるポリペプチドと、配列番号14のアミノ酸配列からなるポリペプチドとを含んでいてよい。
本発明の方法は、好ましくは、シアリダーゼの活性に好適な条件下で、本発明のポリペプチドの前に又は同時に、Am1757と共に又はAm1757とAm0707との混合物と共にサンプルをインキュベートすることを含んでいてよい。また、本発明は、本発明のポリペプチドと、Am1757又はAm1757とAm0707との混合物とを含む組成物(凍結乾燥された又は溶液の形態)を提供する。このような組成物は、好ましくは、pH約7.6であってよいトリス緩衝生理食塩水中で凍結乾燥され得る。このような組成物では、Am1757及びAm0707は、好ましくは、互いに対して1:1比で存在し、総シアリダーゼ含量(Am1757+Am0707)も、本発明のポリペプチドに対して1:1比で存在する。例えば、組成物が2000ユニットの本発明のポリペプチドを含む場合、該組成物は2000ユニットのシアリダーゼも含み、該2000ユニットのシアリダーゼは、1000ユニットのAm1757及び1000ユニットのAm0707を含む。シアリダーゼ混合物1ユニットは、典型的には、SDS−PAGEによってモニタリングしたとき、37℃で2時間、37℃の20mM Tris pH6.8中でインキュベートしたときに糖タンパク質(フェチュイン)1μgの≧90%からシアル酸を加水分解するのに必要な量である。本発明のポリペプチド1ユニットは、典型的には、SDS−PAGEによってモニタリングしたとき、37℃で一晩、シアリダーゼ混合物1ユニットと共に20mM Tris緩衝液pH6.8中でインキュベートしたときにエリスロポエチン(EPO)1μgの>90%を消化するのに必要な量である。
また、本発明は、異なる酵素を併用するための指示書と共に、Am1757又はAm1757とAm0707との混合物とは別個の容器内に本発明のポリペプチドを含むキットを提供する。
別の例として、本明細書に記載される方法のいずれかでは、標的タンパク質からN−グリカンを除去するために、サンプルを本発明のポリペプチドと接触させる前に、同時に、又は後に、該サンプルをN−グリコシダーゼと共にインキュベートしてもよい。例示的なN−グリコシダーゼは、PNGaseFである。サンプルが免疫グロブリンを含むときに使用することができる他のN−グリコシダーゼは、EndoS(国際公開第2008071418号の配列番号1を参照されたい)又はEndoS2(EndoS49と称される場合もある、国際公開第2013037824号の配列番号1を参照されたい)である。これら酵素はそれぞれ、IgG1のAsn−297からN結合型糖タンパク質を除去する。特定の実施形態では、本発明のポリペプチドに加えて、N−グリコシダーゼ及びシアリダーゼ(又はこれらの混合物)とサンプルを接触させてもよい。このような方法では、N−グリコシダーゼ及び本発明のポリペプチドを同時に添加する前に、シアリダーゼ(又は混合物)をまず適用してよい。このような方法は、例えばRPLCを使用して生成物を分離し、続いて、例えば質量分析を使用して様々な画分を分析することによって典型的には達成される、その後のO−グリコシル化部位の評価に特に好適である。
別の例として、本明細書に記載される方法のいずれかでは、標的タンパク質を更に消化するために、サンプルを本発明のポリペプチドと接触させる前に、同時に、又は後に、該サンプルをプロテアーゼと共にインキュベートしてもよい。好適な一般的なプロテアーゼは、トリプシン、キモトリプシン、Lys−C、Asp−N、Glu−C、Arg−C、若しくは類似のエンドプロテーゼ、又はジンジバリス菌(Porphyromonas gingivalis)のArg−ジンジパイン(RgpB)を含む。
サンプルが免疫グロブリンを含む場合、SpeB(国際公開第2015040125号における配列を参照されたい)、化膿レンサ球菌(S. pyogenes)の免疫グロブリンG分解酵素(IdeS−国際公開第2015040125号における配列を参照されたい)、腺疫菌(S. equi)亜種ズーエピデミカスの免疫グロブリンG分解酵素(IdeZ)、ジンジバリス菌のLys−ジンジパイン(Kgp)、及びストレプトコッカス・アガラクチア(S. agalactiae)の免疫グロブリンG分解酵素(IgdEアガラクチア−国際出願第PCT/EP2017/052463号の配列番号3を参照されたい)等の免疫グロブリンプロテアーゼを使用してよい。本発明の方法におけるこれらプロテアーゼの任意の組み合わせの使用は、例えば質量分析(ミドルダウンアプローチ)を使用して、モノクローナル抗体及びそのサブユニットにおけるO−グリコシル化部位の決定を支援することができる。
別の例として、本明細書に記載される方法のいずれかでは、サンプルを本発明のポリペプチドと接触させた後に、該サンプルをO−グリコシダーゼと共にインキュベートしてもよい。例えば、生成される生成物の分析を単純化するために、任意の好適な方法によって更に分析する前に、O−グリカンを除去するために該生成物をO−グリコシダーゼによる消化に供する。好適なO−グリコシダーゼは、大便連鎖球菌(Enterococcus faecalis)、ストレプトコッカス・オラリス(Streptococcus oralis)、又はビフィズス菌(Bifidobacterium bifidum)、好ましくは、大便連鎖球菌又はストレプトコッカス・オラリス、最も好ましくは、ストレプトコッカス・オラリスの株から得ることができる。ストレプトコッカス・オラリス由来の例示的なO−グリコシダーゼの配列を、配列番号15として提供する。
O結合型糖タンパク質に結合するが、エンドプロテーゼ活性が欠けているか又は低下しているポリペプチド
エンドプロテーゼ活性が欠けているポリペプチドの機能的特徴
一実施形態では、本発明は、O−グリカンに結合する能力を保持しながら、エンドプロテーゼ活性が欠けているか又は低下しているポリペプチドに関する。言い換えれば、ポリペプチドは、該グリカンが結合している糖タンパク質をそれほど加水分解しないO−グリカン特異的結合剤として説明することができる。
O−糖タンパク質エンドプロテーゼ活性は、任意の好適な方法を使用して決定してよいが、典型的には、このような活性を有する本発明のポリペプチドについて上に記載したのと同じアッセイを使用してよい。試験ポリペプチドにおける活性が欠けていることは、O−糖タンパク質基質と共にインキュベートした後に切断生成物が存在しないことによって示される。配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチドによる同じ基質の切断を、ポジティブコントロールとして使用してよい。試験ポリペプチドにおける活性の低下は、同じ対照と比較することによって決定することができる。本発明のポリペプチドは、典型的には、配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチドの活性と比べて低下しているO−糖タンパク質エンドプロテーゼ活性を有する。本発明のポリペプチドは、典型的には、配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチドの活性と比べて、95%未満、90%未満、85%未満、80%未満、75%未満、70%未満、65%未満、60%未満、55%未満、50%未満、45%未満、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、又は5%未満であるO−糖タンパク質エンドプロテーゼ活性を有する。
O−グリカン又はO−糖タンパク質に結合するポリペプチドの能力も、任意の好適な方法によって評価してよい。1つのこのような方法は、例えばスピンカラムにおけるセファロースに試験ポリペプチドを固定化し、続いて、O−糖タンパク質及び/又はO−グリカンを含有するサンプルと共にインキュベートすることを含む。試験ポリペプチドがO−グリカン及び/又はO−糖タンパク質結合能を有する場合、O−糖タンパク質及び/又はO−グリカンは、カラムに結合した状態で又は続いて得られる溶出液中で検出可能である。好ましくは、ポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチドによって加水分解可能な全てのO−糖タンパク質に結合することができる。
この種の例示的なアッセイについて実施例に記載する。
エンドプロテーゼ活性が欠けているポリペプチドの構造的特徴
この章は、この実施形態に係るポリペプチドの構造的特徴について記載し、これは、上の章に概説された機能的特徴に加えて適用される。本発明のこの実施形態に係るポリペプチドは、該活性が低下するか又はなくなるように1つ以上のアミノ酸の付加、欠失、又は置換によってアミノ酸配列が改変されていることを除いて、エンドプロテーゼ活性を有するポリペプチドに関連して上に記載したのと同じ構造的特徴を有し得る。典型的には、本発明のこの実施形態に係るポリペプチドは、HEbbH又はabxHEbbHbcのインタクトなメタロプロテアーゼモチーフを含まない。該モチーフは、付加、欠失、又は置換によって破壊され得るが、好ましくは、少なくとも1つのアミノ酸置換によって破壊される。好ましくは、置換は、該モチーフにおけるグルタミン酸(E)残基の別のアミノ酸による置換、及び/又は短い方のモチーフの1番目の位置に対応する位置(長い方のモチーフの4番目の位置)におけるヒスチジン(H)残基の置換、及び/又は短い方のモチーフの5番目の位置に対応する位置(長い方のモチーフの8番目の位置)におけるヒスチジン(H)残基の置換を含む。好ましくは、3つの上記置換のいずれか又は両方又は全てが非保存的である。E残基の置換は、電子移動を減少させるか又はなくすはずである。H残基のいずれかの置換は、亜鉛イオン補助因子の結合を減少させるか又はなくすはずである。従って、E残基は、好ましくは、非極性又は非荷電のアミノ酸、例えば、A、C、F、G、I、L、M、N、P、Q、S、T、V、又はW等で置換されるが、最も好ましくは、アラニン(A)又はグリシン(G)で置換される。H残基は、それぞれ個々に、任意の非Hアミノ酸で置換されてもよいが、同様に非極性アミノ酸、例えばA及びGが好ましい。
従って、本発明のポリペプチドは、好ましくは、配列番号1の182位に対応する位置におけるグルタミン酸の置換、及び/又は配列番号1の181位に対応するヒスチジン残基の別のアミノ酸による置換、及び/又は配列番号1の185位に対応するヒスチジン残基の別のアミノ酸による置換によってHEbbH又はabxHEbbHbcのメタロプロテアーゼモチーフが破壊されている、配列番号1の配列を含んでいてもよく、から本質的になっていてもよく、からなっていてもよい。言い換えれば、ポリペプチドは、メタロプロテアーゼモチーフHEbbHを含まず、好ましくは、
(a)1番目の位置におけるHが、別のアミノ酸、好ましくはA若しくはGで置換される;及び/又は
(b)2番目の位置におけるEが、非荷電アミノ酸、任意でA、C、F、G、I、L、M、N、P、Q、S、T、V、若しくはW、好ましくはでA若しくはGで置換される;及び/又は
(c)5番目の位置におけるHが、別のアミノ酸、好ましくはA若しくはGで置換されるように破壊されたバージョンの該モチーフを含み、
該モチーフにおけるbが、非荷電アミノ酸、任意でA、C、F、G、I、L、M、N、P、Q、S、T、V、又はWである
と説明することができる。
従って、該ポリペプチドは、
(a)xが、好ましくは、Hを除く任意のアミノ酸であり、好ましくはA若しくはGである;及び/又は
(b)bが、非荷電アミノ酸、任意でA、C、F、G、I、L、M、N、P、Q、S、T、V、若しくはW、好ましくはA若しくはGである
モチーフxbbbxを含み;
任意で、該モチーフが、配列番号1の181〜185位に対応する位置において該ポリペプチド中に存在すると説明することができる。
従って、該ポリペプチドは、例えば以下の配列のうちの任意の1つを有する、破壊されたメタロプロテアーゼモチーフを含む:HALGH(配列番号44)、AELGH(配列番号45)、又は最も好ましくはAALGH(配列番号46)。配列番号1に対してこの種の特定の変化を含む配列を、配列番号5及び配列番号20に示す。従って、言い換えれば、本発明のこの実施形態のポリペプチドは、配列番号5又は配列番号20のアミノ酸配列を含んでいてもよく、から本質的になっていてもよく、からなっていてもよい。
あるいは、該ポリペプチドは、
(a)aが、アミノ酸V、T、又はGであり;
(b)bが、非荷電アミノ酸、任意でA、C、F、G、I、L、M、N、P、Q、S、T、V、又はW、好ましくはA又はGであり;
(c)xが、モチーフの4番目の位置及び/又は8番目の位置におけるアミノ酸が、好ましくはHではなく、好ましくはA又はGであることを除いて、任意のアミノ酸であり;かつ
(d)cが、疎水性アミノ酸、任意でA、C、F、I、L、M、P、V、W、又はYである
モチーフabxxbbbxbcを含み;
任意で、該モチーフが、配列番号1の178〜187位に対応する位置において該ポリペプチド中に存在する
と説明することができる。
従って、該ポリペプチドは、例えば以下の配列のうちの任意の1つを有する、破壊されたメタロプロテアーゼモチーフを含む:GMAHALGHGL(配列番号23)、GMAAELGHGL(配列番号24)、又は最も好ましくはGMAAALGHGL(配列番号25)。配列番号1に対してこの種の特定の変化を含む配列を、配列番号5及び配列番号20に示す。従って、言い換えれば、本発明のこの実施形態のポリペプチドは、配列番号5又は配列番号20のアミノ酸配列を含んでいてもよく、から本質的になっていてもよく、からなっていてもよい。
あるいは、本発明のポリペプチドは、配列番号5のアミノ酸配列と少なくとも50%同一であるが、ただし、配列番号1の182位に対応する位置にグルタミン酸残基が導入されておらず、及び/又は配列番号1の181位に対応する位置にヒスチジン残基が導入されておらず、及び/又は配列番号1の185位に対応する位置にヒスチジン残基が導入されていない、配列番号5又は配列番号20のアミノ酸配列の変異体を含んでいてもよく、から本質的になっていてもよく、からなっていてもよい。
変異体配列は、配列番号5の配列と少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であってよい。同一性レベルは、好ましくは、少なくとも85%以上である。配列番号5又は配列番号20の配列に対する同一性は、配列番号5若しくは配列番号20に示す配列の少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、若しくは少なくとも350、若しくはそれ以上の連続するアミノ酸の領域にわたって測定してもよく、より好ましくは配列番号5若しくは配列番号20の完全長にわたって測定してもよい。本発明のポリペプチドの配列は、10個以下、20個以下、30個以下、40個以下、50個以下、又は60個以下の保存的置換が行われている、配列番号5又は配列番号20のアミノ酸配列の変異体を含んでいてよい。配列同一性の決定、並びに保存的及び非保存的置換の説明は、エンドプロテーゼ活性を有するポリペプチドに関する章に提供されており、ここでも等しく適用される。
あるいは、本発明のポリペプチドは、上記の通り配列番号5若しくは配列番号20のより短い断片又はその変異体を含んでいてもよく、から本質的になっていてもよく、からなっていてもよい。断片は、O−糖タンパク質結合活性を保持している、切断された形態の配列番号5又は配列番号20として説明することができる。このような断片は、配列番号1よりも短く、典型的には、少なくとも100アミノ酸長、少なくとも150アミノ酸長、又は少なくとも200アミノ酸長である。
配列番号5若しくは配列番号20、又はこれらの変異体、あるいはこれらのいずれかの断片を含む本発明の任意のポリペプチドは、任意で、N末端における追加のメチオニン及び/又はC末端におけるヒスチジン若しくは他のタグを含んでいてもよい。このような追加の配列は、発現及び/又は精製に役立ち得る。ヒスチジンタグは、好ましくは、6個のヒスチジン残基からなる。ヒスチジンタグは、好ましくは、典型的にはアミノ酸の短い配列、例えば3〜5個のアミノ酸であるリンカーによってC末端に連結される。リンカーは、典型的には、主にグリシン及びセリンの残基からなり、好ましくは、配列GSGを含んでいてよい。例えば、GSG及びGSGLEが好適なリンカーである。
従って、まとめると、本発明のポリペプチドは、O−糖タンパク質結合活性を有するが、O−糖タンパク質特異的エンドプロテーゼ活性が欠けているか又は低下しているポリペプチドであって、
(a)配列番号5又は配列番号20のアミノ酸配列;
(b)該配列番号5又は配列番号20のアミノ酸配列と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列;
(c)該配列番号5若しくは配列番号20の配列の断片、又は該配列番号5若しくは配列番号20のアミノ酸と85%同一であるアミノ酸の断片であるアミノ酸配列
を含み、
任意で、N末端における追加のメチオニン及び/又はC末端におけるヒスチジンタグを含み、該タグが、リンカーによってC末端に連結され得るポリペプチドである。
本発明の例示的なポリペプチドの配列を、配列番号6として提供する。ポリペプチドは、配列番号6のアミノ酸配列を含んでいてもよく、からなっていてもよい。このポリペプチドをコードしている例示的なポリヌクレオチド配列を、配列番号7に示す。本発明の別の例示的なポリペプチドの配列を、配列番号21として提供する。ポリペプチドは、配列番号21のアミノ酸配列を含んでいてもよく、からなっていてもよい。このポリペプチドをコードしている例示的なポリヌクレオチド配列を、配列番号22に示す。
該ポリペプチドは、好ましくは、任意で樹脂として提供される、アガロース又はセファロース等に固定化された状態で提供される。
O−糖タンパク質結合活性を有するが、O−糖タンパク質特異的エンドプロテーゼ活性が欠けているか又は低下している本発明の更なるポリペプチドは、メタロプロテアーゼドメインモチーフHEbbH又はabxHEbbHbcを含むO−糖タンパク質特異的エンドプロテーゼ活性を有する任意の他のポリペプチドにおけるこのようなモチーフを破壊することによって生成され得る。エンドプロテーゼ活性が欠けているか又は低下している本発明のポリペプチドを使用するための本明細書に記載される方法では、本発明のポリペプチドに対する言及は、このようなポリペプチドを含む。該モチーフの破壊は、好ましくは、
(a)1番目の位置におけるHが、別のアミノ酸、好ましくはA若しくはGで置換される;及び/又は
(b)2番目の位置におけるEが、非荷電アミノ酸、任意でA、C、F、G、I、L、M、N、P、Q、S、T、V、若しくはW、好ましくはA若しくはGで置換される;及び/又は
(c)5番目の位置におけるHが、別のアミノ酸、好ましくはA若しくはGで置換されるように、上記の通り達成され、
該モチーフにおけるbは、非荷電アミノ酸、任意でA、C、F、G、I、L、M、N、P、Q、S、T、V、又はWである。
従って、該ポリペプチドは、
(a)xが、好ましくは、Hを除く任意のアミノ酸であり、好ましくはA若しくはGである;及び/又は
(b)bが、非荷電アミノ酸、任意でA、C、F、G、I、L、M、N、P、Q、S、T、V、若しくはW、好ましくはA若しくはGである
モチーフxbbbxを含むと説明することができる。
O−糖タンパク質特異的エンドプロテーゼ活性を有し、この方法で破壊され得る他のポリペプチドは、緑膿菌PAO1、バクテロイデス・テタイオタオミクロンVPI−5482、及びウェルシュ菌において同定されていると上に記載されている(Noach et al;PNAS 2017,pE679−688及び補助付録、具体的には、Materials and Methods for Cloning,Protein Expression and Purificationに記載されている3つのペプチダーゼを参照されたい)。これらポリペプチドの完全長配列を、配列番号32、33、及び34として提供する。対応する成熟配列(例えば、シグナル及び他の配列が除去された)を、配列番号26、27、及び28として提供する。(N末端に追加のメチオニンを、そして、C末端にヒスチジンタグを含めることによって)大腸菌における発現及びその後の精製に対して最適化されたこれら配列のバージョンを、配列番号29、30、及び31として提供する。従って、配列番号26〜34はそれぞれ、本発明の更なるポリペプチドを生成するために、上記モチーフxbbbxを生成するために破壊され得るモチーフHEbbHを有するメタロプロテアーゼドメインを含む。HEbbHモチーフがこのように破壊されている配列番号26、27、及び28のバージョンを、配列番号35、36、及び37として提供する。(N末端に追加のメチオニンを、そして、C末端にヒスチジンタグを含めることによって)大腸菌における発現及びその後の精製に対して最適化されたこれら配列のバージョンを、配列番号38、39、及び40として提供する。O−糖タンパク質特異的エンドプロテーゼ活性が欠けているか又は低下している本発明のポリペプチドは、配列番号35、36、37、38、39、又は40のいずれか1つを含んでいてもよく、から本質的になっていてもよく、からなっていてもよい。
エンドプロテーゼが欠けているか又は低下しているLS変異体を使用する方法
また、本発明は、O−グリカンに結合させる方法であって、該O−グリカンを含むサンプルを、O−グリカンに結合することができ、かつO−グリコシル化タンパク質に特異的なエンドプロテーゼ活性が欠けているか又は低下している本発明のポリペプチドと接触させることを含む方法を提供する。方法は、任意で、O−グリカンが結合しているかどうかを判定すること、及び/又は得られた混合物からO−グリカン及び任意の結合している糖タンパク質を分離することを更に含む。
また、本発明は、タンパク質のグリコシル化状態を評価する方法であって、該のサンプルを、O−グリカンに結合することができ、かつO−グリコシル化タンパク質に特異的なエンドプロテーゼ活性が欠けているか又は低下している本発明のポリペプチドと接触させることと、該タンパク質が該ポリペプチドに結合しているかどうかを判定することとを含む方法も含み得る。
また、本発明は、サンプル中のO結合型糖タンパク質を検出する方法であって、O−グリカンに結合することができ、かつO−グリコシル化タンパク質に特異的なエンドプロテーゼ活性が欠けているか又は低下している本発明のポリペプチドと該サンプルとを接触させて、O結合型糖タンパク質−ポリペプチド複合体を形成させることを含む方法も含み得る。方法は、任意で、接触させたサンプルから該ポリペプチドを分離することと、分離したポリペプチドがO結合型糖タンパク質に結合しているかどうかを判定して、該サンプル中のO結合型糖タンパク質の有無を判定することをそれによって判定することができることとを含んでいてよい。また、方法は、O−グリカン又はO結合型糖タンパク質を含有するサンプルからO−グリカン又はO結合型糖タンパク質を単離するために使用することもできる。
このような方法では、ポリペプチドがサンプル中の任意のO−グリカン又はタンパク質と相互作用するのに、そして、結合が生じるのに好適な条件下で、サンプルを本発明のポリペプチドと接触させる。好適な条件は、少なくとも20分間、少なくとも30分間、少なくとも40分間、少なくとも50分間、少なくとも60分間、少なくとも70分間、少なくとも80分間、少なくとも90分間、又は少なくとも120分間、少なくとも3時間、少なくとも5時間、少なくとも10時間、又は少なくとも一晩、典型的には混合しながら、例えば回転させて混合しながら本発明のポリペプチドと共にインキュベートすることを含む。インキュベートは、好ましくは、室温で、より好ましくは、約20℃、約25℃、約30℃、約35℃、約40℃、又は約45℃、最も好ましくは、約37℃で行われる。上記方法は、任意の好適なpH下で実施してよい。好適なpH値は、例えば、約3.0、約3.5、約4、約4.5、約5、約5.5、約6、約6.5、約7、約7.5、約8、約8.5、約9、又は約9.5のpHを含む。本発明のポリペプチドの活性に好ましいpHは、5.6〜6.8の範囲内である。方法は、任意の好適なバッファ、例えば、トリス緩衝生理食塩水(TBS)又はリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中で実施してよい。サンプルのタンパク質含量に対する本発明のポリペプチドの近似比は、1:1、2:1、4:1、6:1、10:1、15:1、20:1、1:2、1:4、又は1:6、1:10、1:15、1:20、1:40、1:100、1:200、又は1:400(重量:重量)であってよい。好ましい比は1:1(重量:重量)である。反応時間をより短くする必要がある場合又はO−糖タンパク質が重度にシアリル化されている場合、ポリペプチドの基質に対する比率がより高い方が有益であり得る。あるいは、以下により詳細に論じる通り、シアル酸含量を低下させるために、前もって又は同時にシアリダーゼインキュベート工程を使用してもよい。基質は、典型的には、約0.01mg/mL〜10mg/mL、好ましくは約0.1mg/mL〜10mg/mL、約0.01mg/mL〜2mg/mL、又は約0.1mg/mL〜2mg/mLの濃度で存在する。
O−グリカン又はO結合型糖タンパク質が結合しているかどうかを判定するためのサンプルの検出又は分析は、例えば、質量分析、HPLC、アフィニティークロマトグラフィー、ゲル電気泳動、SDS−PAGE、ELISA、レクチンブロッティング、分光分析、キャピラリー電気泳動、及びタンパク質を分析するための他の標準的な検査技術等であるがこれらに限定されない、任意の好適な分析方法によって評価してよい。例えば、ポリペプチドの分子量を分析してよい。O−グリカン又はO結合型糖タンパク質に結合している本発明のポリペプチドは、O−グリカン又はO結合型糖タンパク質に結合していないポリペプチドよりも高い分子量を有する。
結合しているO−グリカン又はO結合型糖タンパク質及び本発明のポリペプチドの分離は、任意の好適な分離手段によって実施してよい。例えば、分離手段は、磁性ナノ粒子の集団を含んでいてよい。これらは、磁場分離、好ましくは、高勾配磁場分離を使用してサンプルから分離され得る。試薬又は分離手段の例は、本発明のポリペプチドに結合することができる磁性粒子の集団である。例えば、ポリペプチドがヒスチジンタグで誘導体化されている場合、磁性粒子は、その表面上にニッケル、銅、又は亜鉛のイオンを保有しているキレート化基を含有する。あるいは、ポリペプチドがビオチンタグで誘導体化されている場合、磁性粒子は、その表面上にストレプトアビジンを含有する。
また、分離手段は、本発明のポリペプチドが固定化されている固体支持体を含んでいてもよい。固体支持体の例は、前の章に記載したものを含み、アガロース若しくはセファロースの樹脂、架橋アガロースビース、又は類似のものを含んでいてよい。支持体を、アフィニティークロマトグラフィーカラムにおいてマトリクスとして使用してもよい。あるいは、固体支持体は、本発明のポリペプチドを直接吸着することができる、好適なシリカベースの材料若しくはポリスチレン、又はマイクロタイタープレート若しくは等価物等のプラスチック容器を含んでいてもよい。
別の分離手段は、本発明のポリペプチドに特異的な抗体を含む試薬を含み、これは、当技術分野において標準的な方法によって生成され得る。この意味における抗体は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、単鎖抗体、キメラ抗体、CDR移植抗体、又はヒト化抗体を含む。抗体は、インタクトな免疫グロブリン分子、又はその断片、例えば、Fab、F(ab’)2、若しくはFvの断片であってよい。1つを超える抗体が存在する場合、抗体は、好ましくは、本発明のポリペプチドに同時に結合することができるように、異なる重複していない決定基を有する。抗体は、固体支持体に結合していてもよく、その分離又は単離を支援するために、標識されるか又は別の化学基若しくは化学分子にコンジュゲートされていてもよい。例えば、典型的な化学基は、フルオレセイン(FITC)若しくはフィコエリトリン(PE)等の蛍光標識、又はビオチン等のタグを含む。
他の好適な分離手段は、接触させたサンプルから得られたポリペプチドを好適な溶出バッファと接触させることによって、(典型的には固定化されている)ポリペプチドからタンパク質を溶出することを含む。溶出バッファの選択は、タンパク質の酸感受性に依存し得る。好ましい溶出バッファは、高モル濃度の尿素(典型的には、少なくとも5M、少なくとも6M、少なくとも7M、又は最も好ましくは、少なくとも8M)又は高濃度の洗浄剤(典型的には、少なくとも約1%、少なくとも約5%、又は少なくとも約10%)を含んでいてよい。好適な洗浄剤は、Nonidet P40、Triton X−100、Tween 20、CHAPS、デオキシコール酸ナトリウム、及びRapiGest SF界面活性剤を含むが、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)が好ましい。高モル濃度の尿素が洗浄剤よりも好ましいが、その理由は、下流の手順が洗浄剤の存在に対して感受性である可能性がより高いためである。
別の好ましい溶出バッファは、好適な濃度の、O−糖タンパク質エンドプロテーゼ活性を有する本発明のポリペプチド、例えば、配列番号1のポリペプチドを含む。このポリペプチドがO−グリカンを切断することによって、結合しているO−糖タンパク質が放出されるので、尿素又は洗浄剤ベースの溶出の必要性がなくなる。
固定化されている本発明のポリペプチドからO−糖タンパク質を溶出する好ましい方法を実施例に示す。
上記方法のいずれかにおけるサンプルは、患者、好ましくはヒト患者から採取されたサンプルであってよい。得られた結果は、診断目的のために、例えば、O結合型グリコシル化を伴うがんの存在を検出するために使用することができる。このような使用は、患者サンプルから得られた結果を、健常対照から得られたサンプルを使用して得られた結果と比較することを含んでいてよい。
本発明の任意の方法では、ポリペプチドを、プロテアーゼ又はグリコシダーゼ等の別の酵素と組み合わせて使用してもよい。追加のプロテアーゼ又はグリコシダーゼは、典型的には、基質タンパク質又はグリカンを更に消化するので、生成物をより容易又はより詳細に分析することが可能になる。
例えば、本発明のポリペプチドは、シアル酸を除去するための剤と組み合わせて使用してもよい。該剤は、好ましくは、上の章に記載した通り、シアリダーゼ酵素又はこのような酵素の混合物であってよい。また、本発明は、本発明のポリペプチドと、Am1757又はAm1757とAm0707との混合物とを含む組成物(凍結乾燥された又は溶液の形態)を提供する。また、本発明は、異なる酵素を併用するための指示書と共に、Am1757又はAm1757とAm0707との混合物とは別個の容器内に本発明のポリペプチドを含むキットを提供する。
別の例として、本明細書に記載される方法のいずれかでは、標的タンパク質からN−グリカンを除去するために、サンプルを本発明のポリペプチドと接触させる前に、同時に、又は後に、該サンプルをN−グリコシダーゼと共にインキュベートしてもよい。例示的なN−グリコシダーゼは、PNGaseFである。サンプルが免疫グロブリンを含むときに使用することができる他のN−グリコシダーゼは、EndoS(国際公開第2008071418号の配列番号1を参照されたい)又はEndoS2(EndoS49と称される場合もある、国際公開第2013037824号の配列番号1を参照されたい)である。これら酵素はそれぞれ、IgG1のAsn−297からN結合型糖タンパク質を除去する。本発明のポリペプチドに加えて、N−グリコシダーゼ及びシアリダーゼ(又はこれらの混合物)とサンプルを接触させてもよい。このような方法では、N−グリコシダーゼ及び本発明のポリペプチドを同時に添加する前に、シアリダーゼ(又は混合物)をまず適用してよい。
別の例として、本明細書に記載される方法のいずれかでは、標的タンパク質を更に消化するために、サンプルを本発明のポリペプチドと接触させる前に、同時に、又は後に、該サンプルをプロテアーゼと共にインキュベートしてもよい。好適な一般的なプロテアーゼは、トリプシン、キモトリプシン、Lys−C、Asp−N、Glu−C、Arg−C、若しくは類似のエンドプロテーゼ、又はジンジバリス菌のArg−ジンジパイン(RgpB)を含む。
サンプルが免疫グロブリンを含む場合、SpeB(国際公開第2015040125号における配列を参照されたい)、化膿レンサ球菌の免疫グロブリンG分解酵素(IdeS−国際公開第2015040125号における配列を参照されたい)、腺疫菌亜種ズーエピデミカスの免疫グロブリンG分解酵素(IdeZ)、ジンジバリス菌のLys−ジンジパイン(Kgp)、及びストレプトコッカス・アガラクチアの免疫グロブリンG分解酵素(IgdEアガラクチア−国際出願第PCT/EP2017/052463号の配列番号3を参照されたい)等の免疫グロブリンプロテアーゼを使用してよい。本発明の方法におけるこれらプロテアーゼの任意の組み合わせの使用は、例えば質量分析を使用して、基質タンパク質又はグリカンの分析を支援することができる。
別の例として、本明細書に記載される方法のいずれかでは、任意の好適な方法によって更に分析する前に、単離されたO結合型糖タンパク質をO−グリコシダーゼと共にインキュベートして、O−グリカンを除去してよい。好適なO−グリコシダーゼは、大便連鎖球菌、ストレプトコッカス・オラリス、又はビフィズス菌、好ましくは、大便連鎖球菌又はストレプトコッカス・オラリス、最も好ましくは、ストレプトコッカス・オラリスの株から得ることができる。ストレプトコッカス・オラリス由来の例示的なO−グリコシダーゼの配列を、配列番号15として提供する。
以下の実施例は、本発明を説明する。
実施例1
材料及び方法
LSの突然変異誘発
プライマーE206A_fwd 5’−ATGGCGCACGCGCTGGGCCACG−3’及び5’−GCCACCGTAC CATTTCGTC−3’(rev)を使用し、製造業者の指示書に従って(アニーリング温度68℃、3分間伸長)、Q5(NEB)を使用する部位特異的突然変異誘発を実施し;それによって、アッカーマンシア・ムシニフィラ由来のAmuc1119遺伝子におけるグルタミン酸をアラニンに変化させて、突然変異体Amuc1119E206A(LSE206A)を作製した。コンストラクトをDH5α大腸菌に形質転換し、単離し、シーケンシングを使用して確認した(GATC Biotech)。
LS及びLSE206Aの組み換え発現
アッカーマンシア・ムシニフィラATCC BAA−835由来の遺伝子Amuc1119及び突然変異体Amuc1119E206A(Amuc1119−LS;Amuc1119E206A−LSE206A)を、大腸菌における発現に対してコドン最適化し(DNA2.0)、融合タンパク質の一部としてC末端における6×Hisタグと共に発現ベクターにクローニングした。
コドン最適化された遺伝子をBL21(DE3)Star細胞に形質転換した。大腸菌を180rpmで37℃のLB中でルーチン的に培養した。プラスミドの存在下で、50μg/mLカナマイシンを添加した。一晩インキュベートした後、培養物を新鮮LB(Kana)で1:20希釈し、OD620が約0.7〜0.8になるまで成長させ、その後、1mM IPTGを添加することによって組み換えタンパク質発現を誘導し、6時間発現を継続させた後、細胞を収集し、凍結させた。凍結細胞を解凍し、His結合バッファ(20mM NaP pH7.4、500mM NaCl、20mMイミダゾール)に溶解させ(resolved)、細胞内タンパク質を放出させるために超音波処理した。遠心分離によって細胞残屑を除去した。滅菌濾過した上清をニッケルカラムでアフィニティー精製し、PD−25カラムにおいて20mM Tris−HCl pH8.0に再緩衝した。Nanodropを使用してタンパク質の濃度を決定し、SDS−PAGEを通して純度を推定した。
タンパク質基質を使用する活性評価
TNFαRを2:1比でLSと混合し、37℃で15〜60分間インキュベートし、その後、4〜20%Novex勾配SDS−PAGEでタンパク質を分離した。LS活性に対するNaCl(0〜1M)、二価カチオン、EDTA、及びpHの影響を調べ、Gel Doc EZ(BioRad)を使用した濃度測定分析を通して生成された加水分解断片の差を測定した。
活性の時間及び用量依存性
TNFαR(0.5μg)を、PBS中37℃で15又は60分間、様々な用量のLSと共にインキュベートし、その後、4〜20%Novex勾配SDS−PAGEでタンパク質を分離した。効率的なインキュベート条件に最適な用量及び時間を求めるために、生成された断片の強度(濃度測定)を使用した。
基質特異性
2:1の比(基質:酵素)で、LSを様々なN又はO結合型基質と共に37℃で一晩インキュベートした。50:1(基質:酵素)の比で、LSをEPO(0.3mg/mL)と共にインキュベートした。タンパク質を分離し、4〜20%Novex勾配SDS−PAGEゲルで分析した。
LSE206Aの固定化
LSE206Aをカップリングバッファ(0.2M NaHCO、0.5M NaCl pH8.3)に再懸濁させ、20mg/mLに濃縮した。製造業者の指示書に従って、カップリング用にNHS活性化セファロース4 Fast Flow(GE Healthcare)を調製した(例えば、HCl洗浄及びカップリングバッファで平衡化)。常に混合するためにゆっくり揺らしながら、4℃で一晩セファロースと共にインキュベートすることによって、LSE206Aを固定化した。0.1M Tris pH8.5を添加することによってセファロースをブロッキングし、0.1M Tris pH8.5/0.1M NaAc、0.5M NaCl pH5.0による洗浄を3回繰り返し、使用までEtOH中で保存した。
LSE206Aの結合親和性
PBSで平衡化した固定化されたLSE206A(例えば、約50μgのタンパク質)50μLを含むスピンカラムを、シアリダーゼミックス(Am0707:Am1757)又はシアリダーゼとストレプトコッカス・オラリスのエンド−α−N−アセチル−ガラクトサミニダーゼ(例えば、O−グリコシダーゼ)との組み合わせのいずれかで前処理した糖タンパク質10μgと共にインキュベートした。サンプルを37℃で2時間インキュベートし、その後、カラムをPBSで洗浄し(10体積;100g、30秒間)、0.1MグリシンpH3.0で溶出した。画分をSDS−PAGで分析した。
質量スペクトル分析
エタネルセプト(Enbrel(登録商標))は、臨床的に承認されている、TNFαに結合するFc融合タンパク質である。エタネルセプトは幾つかのO−グリカンを含有する。酵素の切断特異性を試験するために、エンドプロテーゼをエタネルセプトと共に37℃で一晩インキュベートした。質量スペクトル分析を単純化するために、第2ラウンドの酵素処理を行って、シアリダーゼ及びO−グリコシダーゼを使用して残りのO−グリカンを除去した(一晩、PBS中、1:40比の全ての単一酵素)。C18逆相液体クロマトグラフィによってペプチドを分離した後、生成されたペプチドをMS/MSによって分析した。
結果
LSは、推定メタロプロテアーゼである
配列及びドメインの類似性に基づいて、LSは、一般的なメタロプロテアーゼ配列abxHEbbHbc(a=V/T、b=非荷電、c=疎水性)に対する類似性を共有している、推定活性部位配列GMAHELGHGLを含有する幾つかのメタロプロテアーゼと相同性を共有している。ヒスチジンは、一般に基質結合及びZn2+親和性に関与するが、グルタミン酸は、ヒスチジンと共に電子移動、ひいては、加水分解効果を媒介する。酵素を更に特性評価することができるように、EをAに変更することによって基質に結合することはできるが、加水分解能が欠けているか又は低下しているLSE206A突然変異体を構築した。完全に不活性にするために、更なる改変(例えば、HからAへの変更)が必要になる場合もある。両コンストラクトは良好に発現し、そのHisタグに基づいて、アフィニティークロマトグラフィーを使用して容易に精製された(図1)。
LSは、O−グリカンを有する糖タンパク質を特異的に加水分解する
LSの基質特異性について調べるために、プロテアーゼを多様なタンパク質と共にインキュベートした。図2に示す通り、LSをIgA及びハーセプチン(トラスツズマブ)と共にインキュベートした。LSは、IgA等のO結合型グリカンを有するタンパク質にのみ作用することができた。一見したところ末端シアル酸の存在がLSの活性を部分的に阻害するが、シアル酸が存在しないことが加水分解にとって必須ではない(図4)。
LSは、多様な条件下でO結合型糖タンパク質に作用することができる
LSの酵素特性を評価するために、SDS−PAGEゲルの濃度測定分析を実施した。LSは、ほとんどの条件下で活性であるが、わずかに酸性のpH及び低NaCl濃度が好ましい(図3A〜3B)。Mg2+及びCa2+のイオンは、いずれもLSの加水分解活性に対して正の影響を与えたが、Zn2+の存在は活性を著しく低下させ、EDTAは活性を完全に消失させた(図3C〜D)。
O結合型ガラクトシダーゼ残基が、LSの活性にとって重要である
末端シアル酸の非存在下では増大した活性を有するが、LSの活性にとってO−グリカンにおける他の糖質の重要性は完全には理解されていなかった。LSの活性は末端シアル酸の非存在下において著しく増大するが、ガラクトースを除去するとLSの活性が完全に阻害される(図4A)。更に、シアリル化タンパク質におけるLSの活性低下は、一晩インキュベートした後の完全な加水分解によって示される通り、シアル酸の存在下で結合を加水分解する能力がないことに起因するのではない(図4B)。LSの活性はO−グリカンに完全に依存しているが、その理由は、N−グリカンの除去がLSによる加水分解に影響を与えなかったためである(図4C)。
O結合型グリカンがLSの切断部位を指定する
O−グリカンが活性にとって重要であることが示されたので、次に、LSの特異的切断部位について調べようとした。質量分析を使用して、LSがO−グリコシル化Ser/ThrとそのN末端アミノ酸との間のアミノ結合を、アミノ酸の種類にかかわらず(例えば、プロリンが加水分解を阻害するとは思われない)加水分解することを立証することができた(図5)。
O結合型グリカンの存在量が多いことからモデルタンパク質としてエタネルセプトを使用して、糖タンパク質をLSで処理し、その後、質量スペクトル分析を容易にするために、O−グリコシダーゼで続いて処理した。質量スペクトル分析から得られたm/z値をMS/MSデータと組み合わせて、エタネルセプトに当てはめた。同定されたペプチドは全てN末端のセリン又はスレオニンを有しており、これは、LSがO−グリカンのすぐN末端側を切断することと一致している(図5)。指向型探索(directed search)(パラメータにおいてS/T加水分解を定義する;図5A)及びアンバイアスドアプローチ(図5B)の両方において、分析によってペプチドが同定された。
LSの加水分解不活性変異体は、O−グリカン含有タンパク質に特異的に結合する
LSのO−グリカンに結合し、グリカンに隣接する(例えば、Ser/Thrに隣接する)アミノ酸結合を特異的に加水分解する能力を備えていることから、LSのE206A突然変異体は加水分解能が欠けているが、結合能は保持していると仮定した。このようなツールは、特に、a)O結合型糖タンパク質の同定、b)除去又は研究のためのO結合型糖ペプチドのアフィニティー精製、及びc)O−グリカンのアフィニティー精製にとって有用である。
図6Aは、突然変異体LSが検出可能な加水分解活性を全く有していなかったことを示す。LSは、シアリダーゼの存在下でエタネルセプトを加水分解することができたが、Lsmutはエタネルセプトを加水分解することができず、このことから、試験した条件下で遺伝子変化が実際にO−グリコプロテアーゼを不活化したことが確認された。
取り扱いをより容易にするために、LSE206Aをセファロースに固定化し、スピンカラムに添加した。重要なことに、LSE206Aの様々な基質への結合は、LSの加水分解活性と完全に相関していた(図6B)。LSE206A(LSmutと表示)は、O結合型糖タンパク質に対する特異的親和性を示した。セファロースにLsmutを固定化することによって、IgAをアフィニティー精製することができた。しかし、恐らく親和性が強いことに起因して、タンパク質を溶出することはできなかった。O−グリカンを欠いているハーセプチン(トラスツズマブ)及びO−グリコシダーゼ処理されたIgAは、カラムに結合せず、素通り画分(FT)において検出することができた。
完全LS活性のためには2−3シアル酸結合を除去することが重要である
エンドプロテーゼ活性が特定のシアル酸結合に依存しているので、最大の効果を得るためには2−3及び2−6結合シアル酸の両方を除去する必要があることが本発明者らによって最近判明した。LSの活性に対する特定のシアル酸結合の個々の役割を決定するために、Enbrelを、LSと組み合わせて様々なシアリダーゼと共に30分間〜20時間インキュベートした。LSによる加水分解には、2−3結合を除去すれば十分であると思われた(図7)。
LSは、エリスロポエチン(EPO)を切断する
EPOをPNGaseF、シアリダーゼ(Smix、Am0707及びAm1757を含む)、及び/又はO−グリコシダーゼで処理し、LSと共にインキュベートした。
次いで、得られた生成物をSDS−PAGE及びクマシーブルー染色、並びにRPLC及び質量分析によって分析した。SDS−PAGEの結果を図9Aに示すが、これは、シアル酸が除去されたとき及びシアル酸がインタクトなときの両方でLSがEPOを切断することを示す。更に、LSは、N−グリカンがPNGaseFで除去された場合もEPOを消化し、このことから、LS活性はN−グリカンの除去に影響を受けないことが確認された。しかし、O−グリカンがO−グリコシダーゼで除去されたときには、LSはEPOを切断せず、このことは、LSがタンパク質を切断するためにO−グリカンが必要であることを示す。10:1、5:1、及び2:1(基質:酵素)の比で等価な結果が観察された(データは割愛する)。
PNGaseF、Smix、及びLSと共にインキュベートした後のサンプル混合物を逆相液体クロマトグラフィによって分離し、酵素処理後の反応生成物を同定するためにESI質量分析によって分析した。
図9Bは、RPLCから得られたUVクロマトグラムを示す。予想通り、EPOが示唆されたO−グリカン位置を1つしか有していないと仮定すると(以下の配列番号14における予測位置を参照されたい)、クロマトグラムは、LSによる切断から生じた2つの断片に対応する2つのピークを示す。
これら断片をMSによって更に分析し(図9C及びDを参照されたい)、以下の通り同定した:
SAAPLRTITADTFRKLFRVYSNFLRGKLKLYTGEACRTGD(質量=4900.5868Da−切断点のC末端側の配列に対応、従って、N末端セリンに依然として結合しているO−グリカンを含む);及び
APPRLICDSRVLERYLLEAKEAEDITTGCAEHCSLDENITVPDTKVDFYAWKRMEVGQQAVEVWQGLALLSEAVLRGQALLVNSSQPWEPLQLHVDKAVSGLRSLTTLLRALGAQKEAISPPDAA(質量=13714.1199Da、切断点のN末端側の配列に対応)。
従って、PNGaseF、シアリダーゼミックス、及びLSの併用によって、EPOにおけるO−グリカンを有するセリンを単離し、正確に同定することが可能になった。この種の方法は、任意のO−糖タンパク質に適用可能であり、O−グリカンの結合位置を迅速に同定することを可能にする。
実施例2
序論
実施例1に記載のLSE206A突然変異体には、LSの活性部位の部位特異的突然変異(abxHEbbHbcからabxHAbbHbcへ)が組み込まれたので、酵素クレフトの電子移動能が除去されている。以下に更に説明する通り、更なるストレス試験時に、この変化によって野生型配列に比べてO−グリコプロテアーゼ活性が低下するが、完全にはなくならないことが見出された。従って、本発明者らは、酵素クレフトに更なる置換が組み込まれた別の突然変異体を開発し、特性評価した。具体的には、補助因子亜鉛イオンの配向において重要なHis残基をAlaで置換した。得られた二重突然変異体をH205A/E206A(abxHEbbHbcからabxAAbbHbcへ)と称する。
2.1 二重突然変異体の生成
(例えば、実施例1に示すような)標準的なプロトコールを使用する部位特異的突然変異誘発を使用して、アッカーマンシア・ムシニフィラのAmuc1119遺伝子に比べてヒスチジン及びグルタミン酸の両方をアラニンに変化させて、二重突然変異体Amuc1119H205A/E206A(LSH205A/E206A)を作製した。コンストラクトを大腸菌に形質転換し、実施例1の通り単離し、シーケンシングを使用して確認した。実施例1に記載の通り、大腸菌における発現を実施した。発現したタンパク質の配列を配列番号21として提供する。
2.2 二重突然変異体の特性評価
2.2.1 二重突然変異体はLSの活性を完全に不活化する
実施例1に示す通り、2時間でO−糖タンパク質を加水分解する能力がないことに鑑みて、単一突然変異体LSE206Aは不活性であることが分かった。しかし、ストレス試験では、O−グリコプロテアーゼ活性が完全にはなくならず、より高い酵素:O−糖タンパク質比及びより長いインキュベート時間では若干の活性が観察されたので低下するだけであることが見出された。
1:1(重量:重量)比のLSE206A:アシアリル化O−糖タンパク質を24時間インキュベートした結果、基質が著しく加水分解されたが、野生型LSと同程度ではなかった(図10A)。対照的に、二重突然変異体LSH205A/E206Aは、一晩インキュベートした後、酵素:O−糖タンパク質の比が15:1(重量:重量)であっても加水分解の証拠が全く得られず(図10B)、このことは、第2の突然変異の追加によって酵素が完全に不活性になったことを示唆している。
2.2.2 二重突然変異体はO−糖タンパク質に特異的に結合する
様々なタンパク質に対する結合を評価するために、固定化されたLSH205A/E206A(50μL樹脂)(実施例1と同じプロトコールを使用して調製)をPBSで平衡化し、その後、様々なタンパク質サンプル50μgを0.5mg/mLの濃度で添加し、回転させながら室温で2時間インキュベートした。遠心分離(200g、1分間)を介して素通り画分を回収し、樹脂をPBS350μLで3回洗浄した。8M尿素50μLと共に2回逐次5分間インキュベートし、続いて、遠心分離(1000g、1分間)することによって、結合しているタンパク質を溶出した。全てのサンプルを等体積でロードした。出発/ローディング物質、素通り画分、及び溶出液をSDS−PAGEによって評価した。
第1の実験では(図11Aを参照されたい)、シアリダーゼミックス(Am0707:Am1757)又はシアリダーゼミックスとストレプトコッカス・オラリスのエンド−α−N−アセチル−ガラクトサミニダーゼ(例えば、O−グリコシダーゼ)との組み合わせのいずれかでグリコシル化タンパク質又は非グリコシル化タンパク質を前処理した後、樹脂と共にインキュベートし、洗浄し、溶出した。製造業者の指示書に従ってサンプルの前処理(シアリダーゼ混合物+/−O−グリコシダーゼ)を行った。O−グリカンを有するタンパク質のみが樹脂に結合し、シアル酸の非存在下では親和性が増大した。O−グリコシダーゼによる処理後に相互作用がなくなったことによって示される通り、O−グリカンの存在が、任意の結合が生じるのに必須であった。
第2の実験では(図11Bを参照されたい)、N−グリコシル化、O−グリコシル化、及び非グリコシル化のタンパク質のミックスをLS二重突然変異体樹脂と共にインキュベートした。O−グリコシル化タンパク質(TNFαR及びApoE)のみがマトリクスに結合し、8M尿素で溶出された。N−グリコシル化(アフリベルセプト、AGP(α−1−酸糖タンパク質)、IgGのFcドメイン(IgG Fc)、及び非グリコシル化(BSA)は、LS二重突然変異体樹脂に結合せず、素通り画分中にみられた。従って、サンプルがN−、O−、及び非グリコシル化タンパク質の混合物を含有しているとき、二重突然変異体樹脂は、O−グリコシル化タンパク質のみに特異的に結合する。
第3の実験では(図11Cを参照されたい)、N−グリコシル化タンパク質と非グリコシル化タンパク質とのミックスをLS二重突然変異体樹脂と共にインキュベートした。O−糖タンパク質との競合の可能性がない場合でさえも、非特異的結合は存在しなかった(何も存在しない)。溶出液中にタンパク質はみられなかった。従って、二重突然変異体樹脂は、O−グリカンを欠いているタンパク質には結合しない。
2.2.3 能力を増強するために、二重突然変異体を様々な濃度で樹脂上に固定化することができる
より多くのO−グリコシル化タンパク質に結合するように、固定化された二重突然変異体樹脂の能力を改善する能力について調べるために、樹脂への固定化中に様々な濃度の二重突然変異体(5〜15mg/mL)を使用した。代表的なゲルを図12Aに示す。示されている%は、ポジティブコントロールに比べた結合レベルであり、ゲルの濃度測定分析によって決定した。結果を図12Bのグラフに示す。固定化中により高い濃度の二重突然変異体を使用したとき、O−糖タンパク質結合能が高くなると共に能力の用量依存的増大がみられた。15mg/mLの固定化二重突然変異体を使用して更に実験を継続した。更に、1M尿素及び1M GHClの存在下でさえも高い程度のO−糖タンパク質結合が維持されたが、後者では、結合効率が著しく低下した。
2.2.4 二重突然変異体のアフィニティー精製能は、〜3mg(糖タンパク質)/L(樹脂)である
O−糖タンパク質をアフィニティー精製する二重突然変異体樹脂の能力、及びこの能力に対するサンプル濃度の影響を具体的に調べるために、様々な量及び濃度のアシアリル化エタネルセプトを樹脂に添加した。個々のカラム(二重突然変異体樹脂50μLを含有する)は、O−糖タンパク質約150μgに結合する能力、すなわち、3mg(糖タンパク質)/L(樹脂)を有していた。図13は、代表的なゲルを示す。
2.2.5 O−糖タンパク質の二重突然変異体に対する結合は、イオン強度によってもバッファの体積/種類によってもそれほど影響を受けず、広いpH範囲にわたって機能する
樹脂の結合能に対するイオン強度、バッファの体積/種類、及びpHの効果を試験するために、多様な異なる条件下で、回転させながら室温で2時間、サンプルタンパク質を二重突然変異体樹脂に結合させた。いずれの場合も、次いで、樹脂をそのそれぞれの結合バッファ(350μL)で3回洗浄し、次いで、8M尿素を添加して溶出した(50μL、5分間インキュベート;2回繰り返す)。次いで、全てのサンプルをSDS−PAGEによって分析した。
第1の実験では(図14Aを参照)、様々なイオン強度を有するバッファにおける相互作用の安定性を調べるために、アシアリル化エタネルセプトからなるサンプルを0〜4M NaCl中で二重突然変異体樹脂と共にインキュベートし、更に、それぞれの濃度のNaClを用いて全ての洗浄工程を実施した。NaClの添加は、アシアリル化エタネルセプトの結合に対してそれほど影響を与えなかった。
第2の実験では(図14Bを参照されたい)、サンプルは、様々な異なる体積のPBS中のアシアリル化エタネルセプトからなっていた。洗浄工程は、PBSを使用した。基質体積を100〜300μLで変化させても、効率に著しい影響を与えなかった。
第3の実験では(図14C及びDを参照されたい)、サンプルは、様々なpH(pH4〜9)の様々なバッファ(100mM酢酸ナトリウム、50mMリン酸ナトリウム、及び50mM Tris)中アシアリル化エタネルセプト及びBSAからなっていた。洗浄工程には、対応するバッファを使用した。pH6〜8が最もよく機能することが見出されたが、pH4は全く機能せず、pH9は、pH8よりもわずかに効率が低かった。O−グリカンを全く含有しないBSAは、いずれの結合条件下でも樹脂に結合しなかった。
2.2.6 尿素及びSDSは、親和性結合しているO−糖タンパク質を溶出することができる
二重突然変異体とそのO−糖タンパク質基質との間の高い親和性に基づいて、本発明者らは、イオン強度に基づかない、結合しているタンパク質を樹脂から溶出するための様々な手段について調べた。尿素は、用量依存的溶出を有し、8M尿素を使用すると100%近く溶出された(図15A)。高濃度のSDS(例えば、5〜10%)も、結合しているタンパク質の大部分を溶出した(図15B)。しかし、多くの下流の用途は洗浄剤の存在に対して感受性であるので、結合しているタンパク質/ペプチドの非酵素的放出にとっては、高レベルの尿素の使用がより実用性が高い可能性がある。
2.2.7 野生型LSを使用して、二重突然変異体に結合しているO−糖タンパク質を溶出することができる
本発明者らは、二重突然変異体に結合しているタンパク質にLSを添加した結果、それが放出され得るので、尿素の添加は溶出に必須ではないと推測した。アバタセプト及びエタネルセプトはいずれも6時間でLSによって加水分解され、二重突然変異体樹脂から溶出され得たが、24時間後にはわずかにより完全に溶出された(図16A)。その後の尿素の添加によって、アフィニティーマトリクスに結合した状態のままのO−糖タンパク質が非常にわずかであることが示され、このことは、LS溶出ストラテジが非常に効率的であったことを立証する。
LSで溶出したエタネルセプトを質量スペクトル分析(LC/MS及びMS/MS)にも供した。同定されたペプチド(図16B.1)は、エタネルセプトのLS消化において生成されたもの(図16B.2)と一致していた。この実験から得られた追加のMSデータを以下の表に示す。
2.2.8 二重突然変異体を使用して、複合サンプルからO−糖タンパク質をアフィニティー精製することができる
単純化された系だけでなく、複合培地でも、この系がO−グリコシル化されたタンパク質のための汎用アフィニティーマトリクスとして機能し得ることの概念実証として、本発明者らは、ヒト血清からO−糖タンパク質を精製する二重突然変異体の能力について調べた。ヒト血清は、主に非グリコシル化(BSA)及びN−グリコシル化(IgG)されたタンパク質からなり、全血清プロテオームのうちのほんのわずかしかO−グリコシル化されていない。
シアリダーゼで処理された血清20μL(タンパク質約1.2mg)を固定化された二重突然変異体樹脂カラム50μLに適用することによって、幾つかの選択されたタンパク質を溶出しながら、非グリコシル化及びN−グリコシル化されたタンパク質のほとんど全てを除去することができた(図17A)。シアリダーゼ及びO−グリコシダーゼの前処理の有り無しでより多量の血清(例えば、タンパク質2.5mg)を添加することによって、相互作用がO−グリカンと末端シアル酸の除去とに依存することが立証された(図17B)。更に、シアリダーゼによる前処理によって、シアリダーゼ処理されていないサンプルと比べて、結合しているO−糖タンパク質の量が著しく増加すると結論付けられた。アフィニティー精製されたO−糖タンパク質の量を改善するには、シアリダーゼミックス(Am0707:Am1757)50Uの添加で十分であった(図17C)。
質量分析における分析によって、アフィニティー精製された血清タンパク質の大部分にO−グリコシル化タンパク質とアノテーションを付けることができる(図18Aを参照されたい、以下の表中、名称を太字のイタリック体で記載する)。非O−糖タンパク質ペプチドに関連する同定されたO−糖タンパク質ペプチドの数は、同定されたペプチドの総数の観点で(図18B)及びO−糖タンパク質ペプチド対非O−糖タンパク質ペプチドの比(図18C)に対して、洗浄工程における様々なストリンジェンシーによって影響を受け得た。従って、親和性樹脂は、O−糖タンパク質を特異的かつ選択的にアフィニティー精製及び濃縮するその能力において非常に効率的であることは明らかである。この実験から得られた追加のMSデータを以下の表に示す。
2.2.9 固定化された二重突然変異体はより短いO−糖タンパク質にも結合する
LS二重突然変異体がO−糖タンパク質に対しても特異的であることを立証するために、一連の実験を実施した。第1の実験では、O−グリコシル化ペプチド(スレオニンにコア1O−グリカンを含むグリコドロソシン(GD)=GKPRPYSPRPTSHPRPIRV(配列番号47))及び幾つかの非グリコシル化ペプチド(H2686、H4062、H8390、及びインスリン酸化ベータ鎖(IOB))のミックスをLS二重突然変異体樹脂と共にインキュベートした。(H2686=YIYGSFK(配列番号48)、H4062=KKLVFFA(配列番号49)、H8390=FLPLILGKLVKGLL(配列番号50))。
回転させながら室温で2時間、固定化された二重突然変異体樹脂50μLにペプチドミックスを結合させた。樹脂を結合バッファ(300μL)で5回洗浄し、次いで、8M尿素を添加して溶出した。ロード、素通り画分、及び溶出液中のペプチドをLC/MSで分析した。RP−LC C18カラム(Advance BioPeptide Map 2.1×100 2.7μm、Agilent製)で分離を実施し、ESI−Q−TOF Bruker Impact IIで検出した。結果を図19Aに示す。O−GalNAcGalを含有するミックス中の唯一のペプチドであるグリコドロソシンは、主に溶出画分でみられ、非グリコシル化ペプチドは素通り画分画分でみられた。
第2の実験では、LS二重突然変異体がトリプシンによるタンパク質消化物(例えば、異なる種類のペプチド混合物)からO−グリコシル化ペプチドを濃縮できるかどうかを調べた。
消化の標的としてIgAを選択した。IgAにおけるトリプシン部位及び報告されているO−グリコシル化部位に基づいて、トリプシン消化の結果、IgAの89〜126位に対応するO−グリコシル化ペプチドが1つだけ得られるはずである(図19Bの概略図を参照)。
トリプシン消化物を作製するために、尿素が6Mに、そして、DTTが5mMになるようにIgAと混合し、続いて、37℃で1時間インキュベートした。IAMを15mMになるように添加し、続いて、暗所において室温で30分間インキュベートした。次いで、サンプルを、Zeba spin 7000 Kカラムにおいて50mM Tris、pH8.0にバッファ交換した。次いで、1:20でトリプシンを添加し、続いて、37℃で一晩インキュベートした。1mg/mgトリプシン阻害剤を添加し、続いて、室温で20分間インキュベートした。得られたトリプシン消化物にシアリダーゼミックス及びNaClを添加した。回転させながら、室温で2時間、ミックスを樹脂に結合させた。樹脂をPBSバッファ(300μL)で10回洗浄し、次いで、8M尿素を添加して溶出した(50μL、2分間;2回繰り返す)。
ロード、素通り画分、及び溶出液のペプチドを分離し、MQ中0.1%FA:95%ACN中0.1%FA勾配、45℃、及び流速0.2mL/分で、C18カラム(Advance BioPeptide Plus 2.1×150mm 2.7μm、Agilent Technologies製)においてRP−LC MSMSを使用して分析した。検出は、ESI−Q−TOF Bruker Impact II機器で行った。結果を図19Cに示す。O−グリコシル化ペプチド89〜126は溶出液で著しく濃縮され、特異的O−糖ペプチド89〜126はインタクトな質量で同定された。
2.2.10 固定化された二重突然変異体は、他のO−糖タンパク質結合マトリクスに優る
本発明者らは、他の市販されているO−糖タンパク質結合マトリクス、具体的には、レクチンピーナッツ凝集素(PNA)及びナヨクサフジ(Vicia villosa)レクチン(VVA)と比べて、O−糖タンパク質をアフィニティー精製する二重突然変異体の能力を評価した。エタネルセプト及びアシアリル化エタネルセプトをモデル基質として使用した。
PBS(PNA及びLS二重突然変異体)又はレクチン結合バッファ(VVA)中基質50μgを、体積50μLの、それぞれのバッファ中で予め平衡化された様々な固定化されたレクチン又はLS二重突然変異体樹脂(合計100μL)に添加した。(レクチン結合バッファは、20mM Tris−HCl pH7.4、150mM NaCl、各1mM MgCl2、CaCl2、ZnCl2、及びMnCl2である)。回転させながら室温で2時間、基質を樹脂と相互作用させた。結合していないタンパク質を、それぞれPBS又はレクチン結合バッファで洗い流した(100g、1分間;3回)。遠心分離(1000g、1分間)によって樹脂を乾燥させた。8M尿素(PNA及びLS二重突然変異体樹脂用)又は製造業者に従ったVVA溶出バッファ(VVA樹脂用)(50μL、1000gで1分間遠心分離する前に5分間処理;2回)を添加して、結合しているタンパク質を溶出し、素通り画分(FT)及び溶出液(E)の両方をSDS−PAGEで分析した。基質1.5μgをポジティブコントロールとして各ゲル(例えば、3μL)に添加し、濃度測定分析を実施して、効率100%であると思われるロードされた基質1.5μgに比べて樹脂の効率を評価した。エタネルセプト及びアシアリル化エタネルセプト(エタネルセプトS)の代表的なゲルを図20Aに示す。濃度測定分析の結果を図20Bに示す。LSH205A/E206A二重突然変異体は、アシアリル化基質の精製の効率について、最良の性能の市販レクチンと少なくとも同等に機能する。
配列
配列番号1
配列番号2
配列番号3
配列番号4

(下線はシグナル配列)
配列番号5
配列番号6
配列番号7
配列番号8

(メタロプロテアーゼモチーフ)
配列番号9
(下線はシグナル配列)
配列番号10
配列番号11
配列番号12

(下線はシグナル配列)
配列番号13
配列番号14
配列番号15−S.オラリス由来のO−グリコシダーゼ
配列番号16−E206A_フォワードプライマー
配列番号17−E206A_リバースプライマー
配列番号18−EPO

(注記:下線は、予測されるO−グリカンを有するセリン;C末端アルギニンは、一般的に発現中に切断される)
配列番号20
配列番号21
配列番号22
配列番号23

(破壊されたメタロプロテアーゼモチーフ)
配列番号24

(破壊されたメタロプロテアーゼモチーフ)
配列番号25

(破壊されたメタロプロテアーゼモチーフ)
配列番号26 緑膿菌PAO1(シグナル配列が除去されたネイティブ配列)

(下線はメタロプロテアーゼモチーフ)
配列番号27 バクテロイデス・テタイオタオミクロンVPI−5482(シグナル配列が除去されたネイティブ配列)

(下線はメタロプロテアーゼモチーフ)
配列番号28 ウェルシュ菌(シグナル配列が除去されたネイティブ配列)

(下線はメタロプロテアーゼモチーフ)
配列番号29 緑膿菌PAO1(N末端Met、C末端リンカー/タグ)

(下線はメタロプロテアーゼモチーフ)
配列番号30 バクテロイデス・テタイオタオミクロンVPI−5482(N末端Met、C末端リンカー/タグ)

(下線はメタロプロテアーゼモチーフ)
配列番号31 ウェルシュ菌(N末端Met、C末端リンカー/タグ)

(下線はメタロプロテアーゼモチーフ)
配列番号32 緑膿菌PAO1(シグナル配列を含む完全ネイティブ配列)

(Uniprotアクセッション:Q9I5W4.1)
(下線はメタロプロテアーゼモチーフ)
(太字、下線はシグナル配列)
配列番号33 バクテロイデス・テタイオタオミクロンVPI-5482(シグナル及び他の配列を含む完全ネイティブ配列)

(Uniprotアクセッション:Q89ZX7.1)
(下線はメタロプロテアーゼモチーフ)
(太字、下線はシグナル配列)
(太字、イタリック体は成熟タンパク質において除去される他の配列)
配列番号34 ウェルシュ菌(シグナル及び他の配列を含む完全ネイティブ配列)

(Uniprotアクセッション:A0A0H2YN38.1)
(下線はメタロプロテアーゼモチーフ)
(太字、下線はシグナル配列)
(太字、イタリック体は成熟タンパク質において除去される他の配列)
配列番号35 緑膿菌PAO1(シグナル配列が除去された二重突然変異体)

(下線は破壊されたメタロプロテアーゼモチーフ)
配列番号36 バクテロイデス・テタイオタオミクロンVPI−5482(シグナル及び他の未成熟配列が除去された二重突然変異体)

(下線は破壊されたメタロプロテアーゼモチーフ)
配列番号37 ウェルシュ菌(シグナル及び他の未成熟配列が除去された二重突然変異体)

(下線は破壊されたメタロプロテアーゼモチーフ)
配列番号38 緑膿菌PAO1(シグナル配列が除去され、N末端Met、C末端リンカー/タグを有する二重突然変異体)

(下線は破壊されたメタロプロテアーゼモチーフ)
配列番号39 バクテロイデス・テタイオタオミクロンVPI−5482(シグナル及び未成熟タンパク質由来の他の配列が除去され、N末端Met、C末端リンカー/タグを有する二重突然変異体)

(下線は破壊されたメタロプロテアーゼモチーフ)
配列番号40 ウェルシュ菌(シグナル及び未成熟タンパク質由来の他の配列が除去され、N末端Met、C末端リンカー/タグを有する二重突然変異体)

(下線は破壊されたメタロプロテアーゼモチーフ)
配列番号41

(メタロプロテアーゼモチーフ)
配列番号42

(メタロプロテアーゼモチーフ)
配列番号43

(メタロプロテアーゼモチーフ)
配列番号44

(破壊されたメタロプロテアーゼモチーフ)
配列番号45

(破壊されたメタロプロテアーゼモチーフ)
配列番号46

(破壊されたメタロプロテアーゼモチーフ)
配列番号47

(TにO−gly部位を有するグリコドロソシンペプチド)
配列番号48

(非O−グリコシル化ペプチド)
配列番号49

(非O−グリコシル化ペプチド)
配列番号50

(非O−グリコシル化ペプチド)

Claims (20)

  1. (a)配列番号1のアミノ酸配列;
    (b)前記配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列;又は
    (c)前記配列番号1の配列の断片若しくは前記配列番号1のアミノ酸配列と85%同一であるアミノ酸配列の断片であるアミノ酸配列
    を含む、O−グリコシル化タンパク質に特異的なエンドプロテーゼ活性を有するポリペプチド。
  2. 前記配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列又はその断片が、モチーフHEbbH(式中、bは、非荷電アミノ酸、任意でA、C、F、G、I、L、M、N、P、Q、S、T、V、又はWである)を含み、任意で、前記モチーフが、配列番号1の181位〜185位に対応する位置において前記ポリペプチド中に存在する、請求項1に記載のポリペプチド。
  3. 前記モチーフが、配列HEIGH又はHELGH、好ましくはHELGHを含む、請求項2に記載のポリペプチド。
  4. (a)aが、アミノ酸V、T、又はGであり;
    (b)bが、非荷電アミノ酸、任意でA、C、F、G、I、L、M、N、P、Q、S、T、V、又はWであり;
    (c)xが、任意のアミノ酸であり;
    (d)cが、疎水性アミノ酸、任意でA、C、F、I、L、M、P、V、W、又はYである、モチーフabxHEbbHbcを含み、
    任意で、前記モチーフが、配列GMAHELGHGL又はGVAHELGHNF、好ましくはGMAHELGHGLを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  5. N末端における追加のメチオニン及び/又はC末端におけるHisタグを含み、前記タグが、リンカーによって前記C末端に連結されていてよく、任意で、前記ポリペプチドが、配列番号2のアミノ酸配列を含むか又は配列番号2のアミノ酸配列からなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  6. 前記ポリペプチドが、溶液中で提供されるか、凍結乾燥されているか、又は固定化されており、任意で、前記ポリペプチドが、シアリダーゼ、好ましくはAm1757又はAm1757とAm0707との混合物と共に提供され、Am1757が、配列番号11からなるポリペプチドである及び/又はAm0707が、配列番号14からなるポリペプチドである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  7. O−糖タンパク質を加水分解する方法であって、前記タンパク質を含むサンプルを請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリペプチドと接触させることを含み、任意で、加水分解生成物を検出又は分析することを更に含む方法。
  8. タンパク質のグリコシル化状態を評価する方法であって、前記タンパク質を含むサンプルを請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリペプチドと接触させることと、生成された生成物を検出及び/又は分析することとを含み、任意で、切断生成物の有無を使用して前記サンプル中のO−糖タンパク質の有無を判定する、並びに/又は前記分析を実施してO−グリカン鎖の種類及び/若しくはそのO−糖タンパク質への結合位置を同定する、方法。
  9. 前記分析又は検出が、アフィニティークロマトグラフィー、SDS−PAGE、HPLC、又は質量分析によって実施される、請求項7又は8に記載の方法。
  10. 前記タンパク質又はサンプルを請求項1〜6に記載のポリペプチドと接触させる前に又は同時に、前記サンプルをシアリダーゼと共にインキュベートし、好ましくは、前記シアリダーゼが、Am1757又はAm1757とAm0707との混合物である、請求項7〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. Am1757が、配列番号11からなるポリペプチドである及び/又はAm0707が、配列番号14からなるポリペプチドである、請求項10に記載の方法。
  12. O−グリカン又はO−糖タンパク質に結合することができ、O−グリコシル化タンパク質に特異的なエンドプロテーゼ活性が欠けているか又は低下しているポリペプチドであって、
    (a)配列番号5若しくは配列番号20のアミノ酸配列;
    (b)前記配列番号5若しくは配列番号20のアミノ酸配列と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列;あるいは
    (c)前記配列番号5若しくは配列番号20の配列の断片、又は前記配列番号5若しくは配列番号20のアミノ酸配列と少なくとも85%同一であるアミノ酸の断片であるアミノ酸配列
    を含むポリペプチド。
  13. 前記配列番号5若しくは配列番号20のアミノ酸配列と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列又はその断片が、メタロプロテアーゼモチーフHEbbHを含まず、好ましくは、
    (a)1番目の位置におけるHが、別のアミノ酸、好ましくはA若しくはGで置換される;及び/又は
    (b)2番目の位置におけるEが、非荷電アミノ酸、任意でA、C、F、G、I、L、M、N、P、Q、S、T、V、若しくはW、好ましくはでA若しくはGで置換される;及び/又は
    (c)5番目の位置におけるHが、別のアミノ酸、好ましくはA若しくはGで置換されるように破壊されたバージョンの前記モチーフを含み、
    前記モチーフにおけるbが、非荷電アミノ酸、任意でA、C、F、G、I、L、M、N、P、Q、S、T、V、又はWである、請求項12に記載のポリペプチド。
  14. N末端における追加のメチオニン及び/又はC末端におけるHisタグを含み、前記タグが、リンカーによって前記C末端に連結されていてよく、任意で、前記ポリペプチドが、配列番号6又は21のアミノ酸配列を含むか又は配列番号6又は21のアミノ酸配列からなる、請求項12又は13に記載のポリペプチド。
  15. 前記ポリペプチドが、溶液中で提供されるか、凍結乾燥されているか、又は固定化されており、任意で、前記ポリペプチドが、シアリダーゼ、好ましくはAm1757又はAm1757とAm0707との混合物と共に提供される、請求項12〜14のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  16. O−グリカン、O−糖ペプチド、及び/又はO−糖タンパク質に結合させる方法であって、前記O−グリカン、O−糖ペプチド、及び/又はO−糖タンパク質を含むサンプルを請求項12〜15のいずれか一項に記載のポリペプチドと接触させることと、任意で、O−グリカン、O−糖ペプチド、及び/若しくはO−糖タンパク質が結合しているかどうかを判定すること、並びに/又は得られた混合物から前記O−グリカン及び任意の結合している糖タンパク質、前記O−糖ペプチド、若しくは前記O−糖タンパク質を分離することとを含み、任意で、O−グリカン若しくは結合している糖タンパク質、O−糖ペプチド、又はO−糖タンパク質を前記サンプルから単離することを目的とする方法。
  17. タンパク質のグリコシル化状態を評価する方法であって、前記タンパク質を含むサンプルを請求項12〜15のいずれか一項に記載のポリペプチドと接触させることと、前記タンパク質が前記ポリペプチドに結合しているかどうかを判定することとを含む、方法。
  18. サンプル中のO−糖ペプチド及び/又はO−糖タンパク質を検出する方法であって、
    (a)前記サンプルを請求項12〜15のいずれか一項に記載のポリペプチドと接触させて、O−糖ペプチド及び/又はO−糖タンパク質と前記ポリペプチドとの間で複合体を形成させることと;
    (b)任意で、接触させたサンプルから前記ポリペプチドを分離することと;
    (c)分離されたポリペプチドがO−結合型の糖タンパク質又は糖ペプチドに結合しているかどうかを判定して、前記サンプル中のO−結合型の糖ペプチド又は糖タンパク質の有無を判定することと
    を含む、方法。
  19. 前記判定及び/又は分離が、アフィニティークロマトグラフィー、SDS−PAGE、HPLC、レクチンブロッティング、ELISA、又は質量分析によって実施される、請求項16〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 結合している物質を、請求項12〜15のいずれか一項に記載のポリペプチドから、
    (a)高モル濃度の尿素;
    (b)高濃度の洗浄剤;又は
    (c)請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリペプチド
    を含むバッファで溶出する工程を更に含む、請求項16〜19のいずれか一項に記載の方法。
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