JP7195008B2 - グリカン分析のための酵素 - Google Patents

グリカン分析のための酵素 Download PDF

Info

Publication number
JP7195008B2
JP7195008B2 JP2019565188A JP2019565188A JP7195008B2 JP 7195008 B2 JP7195008 B2 JP 7195008B2 JP 2019565188 A JP2019565188 A JP 2019565188A JP 2019565188 A JP2019565188 A JP 2019565188A JP 7195008 B2 JP7195008 B2 JP 7195008B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sialidase
seq
amino acid
composition
glycoprotein
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019565188A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020522242A5 (ja
JP2020522242A (ja
Inventor
レオ、フレドリク
ルード、ロルフ
ビョーク、ステファン
メジャレ、マリン
オルソン、フレドリク
Original Assignee
ジェノビス エービー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from GBGB1708471.6A external-priority patent/GB201708471D0/en
Priority claimed from GBGB1708476.5A external-priority patent/GB201708476D0/en
Priority claimed from GBGB1806655.5A external-priority patent/GB201806655D0/en
Application filed by ジェノビス エービー filed Critical ジェノビス エービー
Publication of JP2020522242A publication Critical patent/JP2020522242A/ja
Publication of JP2020522242A5 publication Critical patent/JP2020522242A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7195008B2 publication Critical patent/JP7195008B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/14Hydrolases (3)
    • C12N9/24Hydrolases (3) acting on glycosyl compounds (3.2)
    • C12N9/2402Hydrolases (3) acting on glycosyl compounds (3.2) hydrolysing O- and S- glycosyl compounds (3.2.1)
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/14Hydrolases (3)
    • C12N9/48Hydrolases (3) acting on peptide bonds (3.4)
    • C12N9/50Proteinases, e.g. Endopeptidases (3.4.21-3.4.25)
    • C12N9/52Proteinases, e.g. Endopeptidases (3.4.21-3.4.25) derived from bacteria or Archaea
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/68Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving proteins, peptides or amino acids
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/84Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving inorganic compounds or pH
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12YENZYMES
    • C12Y304/00Hydrolases acting on peptide bonds, i.e. peptidases (3.4)
    • C12Y304/24Metalloendopeptidases (3.4.24)
    • C12Y304/24057O-Sialoglycoprotein endopeptidase (3.4.24.57), i.e. glycoprotease
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2333/00Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature
    • G01N2333/90Enzymes; Proenzymes
    • G01N2333/914Hydrolases (3)
    • G01N2333/924Hydrolases (3) acting on glycosyl compounds (3.2)
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2333/00Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature
    • G01N2333/90Enzymes; Proenzymes
    • G01N2333/914Hydrolases (3)
    • G01N2333/948Hydrolases (3) acting on peptide bonds (3.4)
    • G01N2333/95Proteinases, i.e. endopeptidases (3.4.21-3.4.99)
    • G01N2333/952Proteinases, i.e. endopeptidases (3.4.21-3.4.99) derived from bacteria

Description

本発明は、糖タンパク質を研究するのに有用な酵素及びその組み合わせ、並びに対応する使用方法に関する。
タンパク質のグリコシル化は、シグナル伝達、輸送、タンパク質分解活性からの保護、接着、炎症反応、微生物のコロニー形成等を含む、ヒトにおける多くの生理学的機能において中心的役割を果たす。タンパク質に結合しているグリカン鎖の大部分は、O結合型であろうとN結合型であろうと、末端シアル酸で修飾される。最も外側のグリカン又は糖タンパク質である場合、その有無は、例えば免疫グロブリンにおける炎症潜在力を含む下流の効果にとって重要であることが多い。タンパク質におけるシアル酸は、所与のタンパク質における有無及び個々の構造的変化の両方の観点で異質である。また、これらは、一般的に負に荷電しており、このことが、質量スペクトル分析を複雑にしている。これによって、糖タンパク質の研究が困難になると共に、糖タンパク質のバッチが相同な物質で機能することを確認する製造業者の能力が低下する。これらの問題を克服するために、グリカンの複雑さが低減するようにCHO細胞を遺伝的に改変する試みが行われているが、これは機能に影響を及ぼす可能性がある。化学的アプローチも使用されているが、これは、タンパク質にダメージを与えることが多い。糖タンパク質からシアル酸を除去するための別のアプローチが必要とされている。更に、シアル酸が除去されたら、残りのグリカン鎖、特にO結合型であるものについて研究するためのより多くのツールが必要とされている。
本発明は、
(a)配列番号2のアミノ酸配列を含むか若しくはからなるポリペプチド;
(b)該配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含むか若しくはからなるポリペプチド;又は
(c)該配列番号2の配列の断片若しくは該配列番号2のアミノ酸配列と85%同一であるアミノ酸の断片であるアミノ酸配列を含むか若しくはからなるポリペプチド;
から独立して選択される第1のシアリダーゼを含む組成物であって、
任意で、該第1のシアリダーゼが、N末端における追加のメチオニン及び/又はC末端におけるヒスチジンタグを含み、該タグが、リンカーによってC末端に連結され得る組成物を提供する。
また、本発明は、
(d)配列番号5のアミノ酸配列を含むか若しくはからなるポリペプチド;
(e)該配列番号5のアミノ酸配列と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含むか若しくはからなるポリペプチド;又は
(f)該配列番号5の配列の断片若しくは該配列番号5のアミノ酸配列と85%同一であるアミノ酸の断片であるアミノ酸配列を含むか若しくはからなるポリペプチド;
から独立して選択される第2のシアリダーゼを更に含む、上に定義された組成物であって、
任意で、該第2のシアリダーゼが、N末端における追加のメチオニン及び/又はC末端におけるヒスチジンタグを含み、該タグが、リンカーによってC末端に連結され得る組成物を提供する。
組成物は、任意で高度に精製又は単離された形態で存在する、グリコシダーゼ及び/又はプロテアーゼを更に含んでいてもよい。
また、本発明は、糖タンパク質を改変する方法であって、
糖タンパク質を含有するサンプルを上に定義されたと接触させることを含み、任意で、得られた生成物を分析する方法を提供する。
アッカーマンシア(Akkermansia)シアリダーゼの発現及び精製。本明細書ではAm0707及びAm1757と表される4つのシアリダーゼ全てが良好に発現し、高い均質性を有するように精製することができた。値(mg/mL)は、His精製後に得られた濃度を示す。 様々なシアル酸結合に対するシアリダーゼ活性。2つのシアリダーゼ生成物(Am1757及びミックス(Am1757及びAm0707))を3つの異なる基質(指定された3種のシアル酸結合を表す)と共に30分間インキュベートし、その後、遊離シアル酸の量を測定した。 Am0707及びAm1757にとって最適な条件を決定した。イオン、NaCl、及びpHを含む、2-3シアリルラクトース基質を使用してシアリダーゼの酵素活性に影響を与える条件について調べ、15分間インキュベートした後に遊離シアル酸を定量した。 糖タンパク質の併用シアリダーゼ処理は、単一のシアリダーゼを使用するよりも効率的である。シアリダーゼをフェチュイン0.5μgと共に60分間インキュベートした後、SDS-PAGEを使用して分離した。Smixは、Am0707及びAm1757を両方含有し、一方、ウェルシュ菌(C. perfringens)シアリダーゼをベンチマーク比較として使用した。製造業者の指示書に従ってインキュベートしたベンチマーク生成物を除いて、全ての反応を20mM Tris-HCl pH6.8中37℃で行った。 GVS_Smixは、現行の市販されているシアリダーゼよりも優れている。New England Biolabs製の幾つかの既存の市販シアリダーゼ(各セットにおける最初の3つのカラム)を、AM1757+Am0707混合物(GVS_Smix)、並びに個々にAM1757及びAm0707の酵素のそれぞれと一緒に試験した。それぞれを特定のシアリダーゼ基質(指定された3種のシアル酸結合を表す)と共に37℃で30分間インキュベートした後、分析した。FU(蛍光単位)は、遊離したシアル酸の量を表す。 GVS_Smixは、フェチュインを完全にアシアリル化することができる。SDS-PAGE及びSNAブロッティングは、Smix(AM1757+Am0707混合物)及び2つのNew England Biolabs製品(NEB A及びNEB O)が、フェチュインにおける2-3及び2-6のシアル酸結合を完全にアシアリル化できることを示す。2つの2-3特異的酵素Am1757及びNew England Biolabs NEB Sは、フェチュインを完全にアシアリル化することはできなかった。 GVS_Smix(AM1757+Am0707混合物;バーの最初のセット)は、3つの試験した市販製品(バーの最後の3セット)全てと同等か又はそれ以上のレベルで、ネイティブタンパク質からシアル酸を放出させた。Am1757酵素のみについても示す(バーの2番目のセット)。タンパク質をそのそれぞれのバッファ中でシアリダーゼと混合し、15分間インキュベートした後、シアル酸発色バッファを添加した。全てのインキュベートを、それぞれのバッファ(GVS_Smixについては、これは20mM Tris-HCl pH6.8であった)中37℃で行った。 O-グリコシダーゼの組み換え発現。(A)S.オラリス(S. oralis)及びビフィズス菌(B. bifidum)由来のO-グリコシダーゼを発現させ、アフィニティ精製し、SDS-PAGEで分離した。(B)4℃で0~6日間保存したS.オラリスO-グリコシダーゼの安定性アッセイ。 O-グリコシダーゼは、コア1、2、及び3のタイプのpNPで標識されたO-グリカンを加水分解することができる。様々な濃度のS.オラリス(S.o)及びビフィズス菌(B.b)由来のO-グリコシダーゼを(A)コア1、(B)コア2、及び(C)コア3のO-グリカンと共にインキュベートし、pNPの放出を、吸光度AT405nmの変化として測定した。 O-グリコシダーゼは、コア1、2、及び3のタイプのpNPで標識されたO-グリカンを加水分解することができる。様々な濃度のS.オラリス(S.o)及びビフィズス菌(B.b)由来のO-グリコシダーゼを(A)コア1、(B)コア2、及び(C)コア3のO-グリカンと共にインキュベートし、pNPの放出を、吸光度AT405nmの変化として測定した。 O-グリコシダーゼは、コア1、2、及び3のタイプのpNPで標識されたO-グリカンを加水分解することができる。様々な濃度のS.オラリス(S.o)及びビフィズス菌(B.b)由来のO-グリコシダーゼを(A)コア1、(B)コア2、及び(C)コア3のO-グリカンと共にインキュベートし、pNPの放出を、吸光度AT405nmの変化として測定した。 S.オラリスのグリコシダーゼは、MgClが補給された塩基性pHにおいてより高い活性を有する。O-グリコシダーゼを、様々なpH(A)で、様々なイオン(B)及び様々な濃度のMgCl(C)と共にインキュベートして、最適バッファを決定した。 O-グリコシダーゼ活性は、時間及び用量依存性である。TNFαR(1μg)を、対照としてGVS_Smixシアリダーゼ混合物のみと共に(TNFαR(Smix)と表示されたレーン)、又は図示されている様々な量のS.オラリス(So)由来のO-グリコシダーゼと組み合わせてGVS_Smixシアリダーゼ混合物と共に(「+5μg So等」)インキュベートした。表示されている添加したO-グリコシダーゼの量は、ナノドロップから得られた値に依拠している。しかし、断片化が原因で、実際の添加した完全長タンパク質の量は、記載の値の約10~20%に近い。これらサンプルを、2mM CaClを補給したが、MgClは含まない20mM Tris-HCl pH8.0中でインキュベートした。 O-グリコシダーゼは、調べたネイティブ糖タンパク質全てに対して作用することができる。様々なネイティブタンパク質(P)を、シアリダーゼのGVS_Smix混合物(Smix)、並びにS.オラリス(So-glyk)及びビフィズス菌(Bb-glyk)由来のO-グリコシダーゼと共にインキュベートした。一晩インキュベートし、その後、生成物をSDS-PAGEで分析した。 S.オラリスのO-グリコシダーゼは、ネイティブ糖タンパク質に対する作用については市販製品に優る。ネイティブTNFαRを、対照としてGVS_Smixシアリダーゼ混合物のみと共に(TNFαR(Smix)と表示されたレーン)、又は図示されている様々な量のS.オラリス(So)由来のO-グリコシダーゼと組み合わせてGVS_Smixシアリダーゼ混合物と共に(「+So(0.5μg)」等)、又は製造業者によってそれと共に供給されたシアリダーゼと組み合わせて図示されている量の市販のO-グリコシダーゼ(NEB)と共に(「+NEB(3μL)」等)インキュベートした。全ての酵素を、そのそれぞれのバッファ中で1時間又は16時間、TNFαRと共にインキュベートした。最高用量のS.オラリスのグリコシダーゼ(「So(0.5μg)」)は、モル濃度において市販のO-グリコシダーゼ(NEB)0.3μLとほぼ等しい。NEBで処理されたサンプルにおける低分子量の明確なバンド(ゲルの最上部)は、添付のシアリダーゼである。 グリカン組成は活性に影響を与える。基質をシアリダーゼ(S)及び/又はガラクトシダーゼ(G)と共にインキュベートした後、O-グリコシダーゼ(So)を添加し;最適なバッファ(20mM Tris-HCl pH8.0)中37℃で一晩インキュベートした。 最終生成物は競合的である。O-グリコシダーゼの酵素:基質1:40比、並びにシアリダーゼ混合物中Am1757+Am0707について1:40+1:40の酵素基質比を使用して(3つの酵素は全て20mM Tris-HCl pH6.8中)(Smix/O-glykと表示されたレーン)、S.オラリスのO-グリコシダーゼの活性を、市販のO-グリコシダーゼ+シアリダーゼの組み合わせ(NEB(O-glykキット)と表示されたレーン)と比較した。S.オラリスのO-グリコシダーゼ+シアリダーゼミックス(「+GVS」)によるTNFαRからのO-グリカンの除去を、ConA(N結合型グリカン)及びジャカリン(O結合型グリカン)、対照としての未処理TNFαRを使用して、レクチンブロッティングで検証した。 O-グリコシダーゼ+シアリダーゼのバンドル(Smix/O-glyk)は、多種多様な糖タンパク質に対して活性である。20mM Tris-HCl pH6.8中その最終濃度で添加された酵素及び製剤(1:40)を、37℃で4時間、糖タンパク質と共にインキュベートし、次いで、SDS-PAGEで分離した。 特定のシアル酸結合がO-グリコシダーゼ活性に影響を与える。20mM Tris-HCl pH6.8中その最終濃度で添加された酵素(Am1757、Am0707、又はSmix)及び製剤(1:40)を、37℃で15分間~4時間、TNFαRと共にインキュベートし、次いで、SDS-PAGEで分離した。 S.オラリスのO-グリコシダーゼは、強力なシアリダーゼに少なくとも部分的に起因して優れている。S.オラリスのO-グリコシダーゼ(GVS O-glyk)又は市販のO-グリコシダーゼ(NEB O-glyk)を、GVS_Smixシアリダーゼ混合物(GVSシアリダーゼ)又は市販のシアリダーゼ(NEB A、NEB S、NEB O)と共にインキュベートした。適切なバッファを使用し(例えば、GVSについては20mM Tris-HCl pH6.8)、各セットの酵素をEnbrel(エタネルセプト)と共に37℃で4時間インキュベートした後、SDS-PAGEで生成物を分離した。 2-3結合型シアル酸は、O-糖タンパク質特異的エンドプロテアーゼ活性(LS)の効率を制限する。糖タンパク質基質としてEnbrelを使用して、LSを多様なシアリダーゼのセットと共に30分間~20時間同時にインキュベートしたところ、2-3特異的シアルジアーゼ(sialdiase)1757の存在下では又はミックス(0707+1757)を用いるとより効率が高くなることが明らかになったが、広域スペクトルシアリダーゼ0707は、一見したところLSの完全活性に必須ではないので、このことは、2-6(及び2-8)結合がLS活性に関係がないことを示唆している。
配列の簡単な説明
配列番号1、2、及び3は、それぞれ、アッカーマンシア・ムシニフィラ(Akkermansia muciniphila)から単離されたシアリダーゼのアミノ酸配列である。配列番号1は、N末端にシグナルモチーフを含む野生型配列である。配列番号2は、シグナルモチーフが除去された野生型配列である。配列番号3は、追加のN末端メチオニン及びC末端リンカー+Hisタグを含むことを除いて配列番号2と同一である。配列番号2の配列を含む任意の配列(配列番号1~3のそれぞれを含む)を本明細書ではAm0707と称する場合もある。
配列番号4、5、及び6は、それぞれ、アッカーマンシア・ムシニフィラから単離された別のシアリダーゼのアミノ酸配列である。配列番号4は、N末端にシグナルモチーフを含む野生型配列である。配列番号5は、シグナルモチーフが除去された野生型配列である。配列番号6は、追加のN末端メチオニン及びC末端リンカー+Hisタグを含むことを除いて配列番号5と同一である。配列番号5の配列を含む任意の配列(配列番号4~6のそれぞれを含む)を本明細書ではAm1757と称する場合もある。
配列番号8、9、及び10は、それぞれ、S.オラリスから単離されたシアリダーゼのアミノ酸配列である。配列番号7は、N末端にシグナルモチーフ、そして、C末端にLPXTG壁アンカーモチーフを含む野生型配列である。配列番号8は、シグナルモチーフが除去された野生型配列である。配列番号9は、シグナルモチーフ及び壁アンカーモチーフが除去された野生型配列である。配列番号10は、追加のN末端メチオニン及びC末端リンカー+Hisタグを含むことを除いて配列番号9と同一である。配列番号9の配列を含む任意の配列(配列番号7~10のそれぞれを含む)を本明細書では「O-glyk」又は「So」と称する場合もある。
配列番号11は、O-糖タンパク質特異的エンドプロテアーゼのアミノ酸配列である。
配列番号12は、O-糖タンパク質特異的エンドプロテアーゼ活性を有する例示的なポリペプチドのアミノ酸配列である。配列番号11と比べて、これは、追加のN末端メチオニン及びC末端リンカー+His6タグを含む。この配列からなるポリペプチドを本明細書ではLSと称する場合もある。
配列番号13は、配列番号10のアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードしている例示的な核酸配列である。
発明の詳細な説明
開示される生成物及び方法の様々な用途は、当技術分野における具体的なニーズに応じて調整できることを理解されたい。また、本明細書で使用される用語は、本発明の特定の実施形態を説明することのみを目的とし、限定を意図するものではないことも理解されたい。上記であろうと下記であろうと、本明細書に引用される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用するとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、特に明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。従って、例えば、「ポリペプチド(a polypeptide)」に対する言及は、「複数のポリペプチド(polypeptides)」等を含む。
本明細書は、特に、シアリダーゼ、O-グリコシダーゼ、及びO-糖タンパク質特異的エンドプロテアーゼであるポリペプチドに関連する。従って、ポリペプチドという用語の一般的使用をこれら種類の酵素のそれぞれに適用することができる。
一般的なポリペプチドの特徴
「ポリペプチド」は、本明細書では、2つ以上のサブユニットアミノ酸、アミノ酸アナログ、又は他のペプチドミメティックの化合物を指すために、その最も広い意味で使用される。従って、用語「ポリペプチド」は、短いペプチド配列を含み、より長いポリペプチド及びタンパク質も含む。用語「タンパク質」、「ペプチド」、及び「ポリペプチド」は、互換的に使用することができる。本明細書で使用するとき、用語「アミノ酸」とは、D型又はL型の光学異性体の両方を含む、天然及び/又は非天然、すなわち、合成のアミノ酸、並びにアミノ酸アナログ、及びペプチドミメティックを指す。
ポリペプチドは、組み換え法又は合成法を含む好適な方法によって生成され得る。例えば、ポリペプチドは、Fmoc固相化学、Boc固相化学、又は液相ペプチド合成等の、当技術分野において公知の標準的な方法を使用して直接合成することができる。あるいは、ポリペプチドは、細胞、典型的には細菌細胞を、該ポリペプチドをコードしている核酸分子又はベクターで形質転換することによって生成することもできる。細菌宿主細胞における発現によるポリペプチドの生成については、以下に記載し、実施例に例示する。本発明は、本発明のポリペプチドをコードしている核酸分子及びベクターを提供する。また、本発明は、このような核酸又はベクターを含む宿主細胞を提供する。本明細書に開示されるポリペプチドをコードしている例示的なポリヌクレオチド分子を配列番号13として提供する。この配列は、3’末端にN末端メチオニン(ATG)のコドンを、そして、5’末端の終止コドン(TAA)の前にGSGLEリンカー及び6×Hisタグのコドンを含むが、これらは任意で除外されてもよい。追加のメチオニン及びタグを任意で含めることについては、以下により詳細に論じる。
用語「核酸分子」及び「ポリヌクレオチド」は、本明細書では互換的に使用され、デオキシリボヌクレオチド若しくはリボヌクレオチド又はこれらのアナログのいずれかである、任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態を指す。ポリヌクレオチドの非限定的な例は、遺伝子、遺伝子断片、メッセンジャーRNA(mRNA)、cDNA、組み換えポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、任意の配列の単離されたDNA、任意の配列の単離されたRNA、核酸プローブ、及びプライマーを含む。本発明のポリヌクレオチドは、本発明のポリペプチドをコードしており、単離又は実質的に単離された形態で提供され得る。実質的に単離されたとは、任意の周囲媒体からポリペプチドが完全にではないがかなりの割合単離され得ることを意味する。ポリヌクレオチドは、その意図する用途に干渉しない担体又は希釈剤と混合されてもよく、それでもなお実質的に単離されたとみなされ得る。選択されたポリペプチドを「コードしている」核酸配列は、例えば発現ベクターにおいて適切な調節配列の制御下におかれたとき、インビボでポリペプチドに転写(DNAの場合)及び翻訳(mRNAの場合)される核酸分子である。コード配列の境界は、5’(アミノ)末端における開始コドン及び3’(カルボキシ)末端における翻訳終止コドンによって決定される。本発明の目的のために、このような核酸配列は、ウイルス由来のcDNA、原核生物又は真核生物のmRNA、ウイルス又は原核生物のDNA又はRNA由来のゲノム配列、及び更には合成DNA配列を含んでいてよいが、これらに限定されない。転写終結配列は、コード配列の3’側に位置していてよい。
ポリヌクレオチドは、一例としてSambrook et al(1989,Molecular Cloning-a laboratory manual;Cold Spring Harbor Press)に記載されている通り、当技術分野において周知の方法に従って合成することができる。本発明の核酸分子は、挿入された配列に動作可能に連結され、それによって、インビボで本発明のポリペプチドを発現することができる制御配列を含む発現カセットの形態で提供され得る。次に、これら発現カセットは、典型的には、ベクター(例えば、プラスミド又は組み換えウイルスベクター)内に提供される。このような発現カセットを宿主被験体に直接投与してもよい。あるいは、本発明のポリヌクレオチドを含むベクターを宿主被験体に投与してもよい。好ましくは、遺伝子ベクターを使用してポリヌクレオチドを調製及び/又は投与する。好適なベクターは、十分な量の遺伝情報を保有し、本発明のポリペプチドを発現することができる任意のベクターであってよい。
従って、本発明は、このようなポリヌクレオチド配列を含む発現ベクターを含む。このような発現ベクターは、分子生物学の技術分野においてルーチン的に構築され、例えば、本発明のペプチドを発現させるために、プラスミドDNA、並びに適切なイニシエータ、プロモータ、エンハンサ、及び他のエレメント、例えば、必要になる場合がありかつ正確な配向で配置されたポリアデニル化シグナルの使用を伴っていてよい。他の好適なベクターは、当業者には明らかであろう。これに関する更なる例として、Sambrookらを参照する。
また、本発明は、本発明のポリペプチドを発現するように改変された細胞を含む。このような細胞は、典型的には、原核細胞、例えば大腸菌(E. coli)等の細菌細胞を含む。このような細胞は、本発明のポリペプチドを生成するための常法を使用して培養してよい。
ポリペプチドの生成、単離、又は精製を支援するために、該ポリペプチドを誘導体化又は改変してもよい。例えば、本発明のポリペプチドが細菌宿主細胞における組み換え発現によって生成される場合、ポリペプチドの配列は、発現を改善するためにN末端に追加のメチオニン(M)残基を含んでいてよい。別の例として、分離手段に直接かつ特異的に結合することができるリガンドを付加することによって、本発明のポリペプチドを誘導体化又は改変してもよい。あるいは、結合対の一方のメンバーを付加することによってポリペプチドを誘導体化又は改変してもよく、分離手段は、結合対の他方のメンバーを付加することによって誘導体化又は改変された試薬を含む。任意の好適な結合対を使用してよい。本発明において使用するためのポリペプチドが結合対の一方のメンバーの付加によって誘導体化又は改変される好ましい実施形態では、ポリペプチドは、好ましくは、ヒスチジンでタグ付けされるか又はビオチンでタグ付けされる。典型的には、ヒスチジン又はビオチンのタグのアミノ酸コード配列は遺伝子レベルで含まれ、ポリペプチドは大腸菌において組み換え的に発現する。ヒスチジン又はビオチンのタグは、典型的には、ポリペプチドのいずれかの末端、好ましくはC末端に存在する。該タグは、ポリペプチドに直接連結されてもよく、任意の好適なリンカー配列、例えば、3個、4個、若しくは5個のアミノ酸によって間接的に連結されてもよい。リンカーは、典型的には、主に、グリシン及びセリンの残基からなっていてよい。ヒスチジンタグは、典型的には6個のヒスチジン残基からなるが、典型的には最大7アミノ酸、最大8アミノ酸、最大9アミノ酸、最大10アミノ酸、又は最大20アミノ酸だけこれよりも長くてもよく、例えば5アミノ酸、4アミノ酸、3アミノ酸、2アミノ酸、又は1アミノ酸だけこれよりも短くてもよい。
ポリペプチドは、実質的に単離又は精製された形態で提供されてもよい。すなわち、ポリペプチドが発現した細胞からの細胞抽出物中に存在する他の成分の大部分から単離されている。実質的に精製されたとは、ポリペプチドが、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、又は好ましくは少なくとも90%均質になるまで精製されたと理解される。純度レベルは、任意の好適な手段によって評価することができるが、典型的には、サンプルのSDS-PAGE分析に続いてクマシーブルー検出を含む。ポリペプチドは、該ポリペプチドの意図する目的に干渉しない担体、希釈剤、又は保存剤と混合されてもよく、それでもなお実質的に単離又は精製されたとみなされ得る。ポリペプチドが追加の活性成分、例えば別のポリペプチドと共に組成物で提供される場合、各該ポリペプチドは、それぞれの意図する目的に適切な比で混合される前に、高レベルの均質性になるまで個々に精製される。例えば、2つのポリペプチドは、1:1比で組み合わせられる前に、少なくとも90%均質になるまでそれぞれ精製され得る。
ポリペプチド(又はその混合物)は、使用前に水溶液で再構成するのに好適な、凍結乾燥された形態で提供されてもよい。凍結乾燥組成物は改善された安定性を有するので、ポリペプチドをより長く貯蔵することが可能になる。凍結乾燥された形態のポリペプチド(又はその混合物)を調製する方法であって、好適なバッファ、例えば、Tris緩衝生理食塩水(TBS)中で該ポリペプチド(又は混合物)をフリーズドライすることを含む方法が、本明細書に提供される。ポリペプチドは、典型的には、フリーズドライ前に実質的に精製される。得られる凍結乾燥された形態のポリペプチド(又は混合物)も提供される。ポリペプチド(又は混合物)の溶液を調製する方法であって、凍結乾燥された形態の該ポリペプチド(又は混合物)を提供することと、好適な担体又は希釈剤、例えば水で再構成することとを含む方法も提供される。
ポリペプチドは、当技術分野において公知の方法を使用して、例えば、Datta S et al.,Enzyme immobilization:an overview on techniques and support materials,3 Biotech,3(1):1-9(2013)に記載の通り固定化することができる。例えば、ポリペプチドは、吸着、共有結合、親和性固定化、又は封入によって固定化してよい。支持体として使用することができる材料は、例えば、アガロース、コラーゲン、ゼラチン、セルロース、ペクチン、セファロース等の天然支持体、セラミック、シリカ、ガラス、活性炭、若しくは炭等の無機材料、又は合成ポリマーを含むが、これらに限定されない。例えば、ポリペプチドをセファロース上に固定してもよい。
シアリダーゼ
機能的特徴
グリカン鎖を改変するために化学的及び遺伝的アプローチを使用することに加えて、幾つかの酵素(グリコシダーゼ)は、シアル酸を他のグリカンに結合させる結合に対して作用することができる。シアリダーゼ又はノイラミニダーゼと呼ばれるこれら酵素は、特定の種類のシアル酸結合に対して高度の特異性を示す。ヒト糖タンパク質内には一般的に3つの異なる結合タイプがみられるが、アルファ(2-3)結合が主要な形態であり、続いて、アルファ(2-6)及びアルファ(2-8)である。本明細書では、簡略化するために、これら結合タイプを2-3、2-6、及び2-8の結合と称する場合もある。2-3結合は、シアル酸六炭糖の位置番号2における炭素原子が、酸素原子を介して、結合するグリカンの六炭糖の3位における炭素に結合することを意味する。対応して、2-6結合又は2-8結合は、それぞれ、結合するグリカンの六炭糖の6位又は8位に結合することを意味する。
大部分の公知のシアリダーゼは、2-3結合に特異的である(それを非常に高い活性で切断する)か、又はより広い範囲の結合、典型的には2-3、2-6、及び2-8の結合の全てを切断することができる。これら異なる種類のシアリダーゼを、それぞれ、狭域スペクトル又は広域スペクトルと称する場合もある。広域スペクトルシアリダーゼは、典型的には、2-3結合に対して高い活性を示し、2-6結合に対しては活性が低下し、そして、2-8結合に対する活性は非常に低い。2-8結合を効率的に切断する酵素は、当該分野において比較的稀である(更に言えば知られていない)。
シアリダーゼの酵素活性は、実施例に記載するもの等の任意の好適な方法によって評価することができる。好適な方法は、公知のシアリダーゼ又はシアリダーゼと思われるものを、全体では2-3、2-6、及び2-8型の結合を含む1つ以上の低分子等の標準的なシアリダーゼ基質と共にインキュベートすることを含んでいてよい。このような低分子は、2-3’-シアリルラクトース、2-6’-シアリルラクトース、及びコロミン酸(2-8’)を含む。このような分子に対するシアリダーゼ活性によって遊離シアル酸が生じ、これは、常法によって定量することができる。あるいは、基質として糖タンパク質を使用してシアリダーゼ活性を評価することもできる。任意の得られる切断生成物は、SDS-PAGE又はレクチンブロット等の常法を使用して検出及び定量することができる。
構造的特徴
本発明者らは、共生腸内細菌アッカーマンシア・ムシニフィラから幾つかのシアリダーゼを同定し、特性評価した。本明細書ではAm0707と称されるシアリダーゼのうちの1つは、予想外なことに、2-8結合に対して高い活性を有するが、2-3及び2-6の結合も切断することができる。従って、広域スペクトルシアリダーゼであるとみなすことができる。本明細書ではAm1757と称される別のシアリダーゼは、2-3結合に対してのみ高い活性を有する。従って、狭域スペクトルシアリダーゼであるとみなすことができる。
第1のシアリダーゼ(Am0707)の完全野生型一次構造(アミノ酸配列)を配列番号1に示す。シグナルモチーフを除去した配列を配列番号2に示す。第1のシアリダーゼは、配列番号2の配列を含んでいてもよく、から本質的になっていてもよく、からなっていてもよく、典型的には、400アミノ酸以下である。
第2のシアリダーゼ(Am1757)の完全野生型一次構造(アミノ酸配列)を配列番号4に示す。シグナルモチーフを除去した配列を配列番号5に示す。第2のシアリダーゼは、配列番号5の配列を含んでいてもよく、から本質的になっていてもよく、からなっていてもよく、典型的には、600アミノ酸以下である。
あるいは、該第1及び/又は該第2のシアリダーゼは、それぞれ独立して、酵素活性が保持されている限り、そのそれぞれの変異体によって置換されてもよい。該シアリダーゼの変異体は、それぞれ、配列番号2又は5の配列のアミノ酸配列と少なくとも50%同一である、該アミノ酸配列の変異体を含んでいてもよく、から本質的になっていてもよく、からなっていてもよい。変異体配列は、該アミノ酸配列と少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であってよい。同一性レベルは、好ましくは、少なくとも85%以上である。ある配列に対する同一性は、該配列の少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも350、少なくとも400、若しくは少なくとも500、若しくはそれ以上の連続するアミノ酸の領域にわたって測定してもよく、より好ましくは該配列の完全長にわたって測定してもよい。変異体は、典型的には、参照配列よりも50アミノ酸以下長いか又は短い長さであり、好ましくは、参照配列とほぼ(又は正確に)同じ長さである。
アミノ酸の同一性は、任意の好適なアルゴリズムを使用して計算することができる。例えば、Altschul S.F.(1993)J Mol Evol 36:290-300;Altschul,S,F et al(1990)J Mol Biol 215:403-10に記載の通り、PILEUP及びBLASTのアルゴリズムを使用して、同一性を計算するか又は配列を並べることができる(典型的には、そのデフォルト設定で)等価な又は対応する配列を同定する等)。BLAST解析を実施するためのソフトウェアは、National Center for Biotechnology Information(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)を通して公的に入手可能である。このアルゴリズムは、まず、データベース配列における同じ長さのワードとアラインメントしたときに幾つかの正の値の閾値スコアTに一致するか又は満たす、クエリー配列における長さWの短いワードを同定することによって、高スコア配列対(HSP)を同定することを含む。Tは、近傍ワードスコア閾値(neighbourhood word score threshold)と称される(Altschul et al、上記)。これら初期近傍ワードヒットは、それを含有するHSPを見つけるための検索を始めるためのシードとして作用する。累積アラインメントスコアが増加し得る限り、ワードヒットを各配列に沿って両方向に拡張する。各方向におけるワードヒットの拡張は、累積アラインメントスコアがその最大達成値から量Xだけ減少したとき;1つ以上の負のスコアの残基アラインメントの累積に起因して累積スコアがゼロ以下になったとき;又はいずれかの配列の末端に達したときに停止する。BLASTアルゴリズムパラメータW、T、及びXが、アラインメントの感度及び速度を決定する。BLASTプログラムは、デフォルトとして、ワード長(W)11、BLOSUM62スコアリングマトリクス(Henikoff and Henikoff(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915-10919を参照されたい)アラインメント(B)50、期待値(E)10、M=5、N=4、及び両鎖の比較を使用する。
BLASTアルゴリズムは、2つの配列間の類似性の統計的解析を実施する;例えば、Karlin and Altschul(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5873-5787を参照されたい。BLASTアルゴリズムによって提供される類似性の1つの尺度は最小和確率(the smallest sum probability)(P(N))であり、これは、2つのポリヌクレオチド又はアミノ酸の配列間の一致が偶然生じる確率の指標を提供する。例えば、第1の配列の第2の配列に対する比較における最小和確率が約1未満、好ましくは約0.1未満、より好ましくは約0.01未満、最も好ましくは約0.001未満である場合、ある配列が別の配列と類似しているとみなされる。あるいは、UWGCGパッケージは、同一性を計算するために使用することができる(例えば、そのデフォルト設定で使用される)BESTFITプログラムを提供する(Devereux et al(1984)Nucleic Acids Research 12,387-395)。
シアリダーゼの配列は、それぞれの配列番号の配列と比べて改変、例えば、アミノ酸の付加、欠失、又は置換が行われた、該配列番号の変異体を含んでいてよい。特に指定しない限り、改変は、好ましくは、保存的アミノ酸置換である。保存的置換は、アミノ酸を類似の化学的構造、類似の化学的特性、又は類似の側鎖体積の他のアミノ酸に置き換える。導入されるアミノ酸は、置き換えられるアミノ酸と類似の極性、親水性、疎水性、塩基性、酸性、中性、又は電荷を有していてよい。あるいは、保存的置換は、既存の芳香族又は脂肪族のアミノ酸の代わりに、芳香族又は脂肪族の別のアミノ酸を導入してもよい。保存的アミノ酸変化は当技術分野において周知であり、以下の表A1に定義する20種の主なアミノ酸の特性に従って選択してよい。アミノ酸が類似の極性を有する場合、これは、表A2中のアミノ酸側鎖のヒドロパシースケールを参照することによって決定することができる。本発明のシアリダーゼの配列は、10個以下、20個以下、30個以下、40個以下、50個以下、又は60個以下の保存的置換が行われたそれぞれの配列番号の変異体を含んでいてよい。
Figure 0007195008000001
Figure 0007195008000002
あるいは、シアリダーゼは、上記の通り、それぞれの配列番号又はその変異体のより短い断片によって置換されてもよい。断片は、酵素活性を保持している、切断された形態の該配列番号であると説明することができる。このような断片は、対応する配列番号よりも短く、典型的には、少なくとも100アミノ酸長、少なくとも150アミノ酸長、少なくとも200アミノ酸長、少なくとも250アミノ酸長、少なくとも300アミノ酸長、少なくとも350アミノ酸長、少なくとも400アミノ酸長、少なくとも450アミノ酸長、又は少なくとも500アミノ酸長である。
本明細書に記載される任意のシアリダーゼは、任意で、N末端における追加のメチオニン及び/又はC末端におけるヒスチジン若しくは他のタグを含んでいてもよい。このような追加の配列は、発現及び/又は精製に役立ち得る。ヒスチジンタグは、好ましくは、6個のヒスチジン残基からなる。ヒスチジンタグは、好ましくは、典型的にはアミノ酸の短い配列、例えば3~5個のアミノ酸であるリンカーによってC末端に連結される。リンカーは、典型的には、主にグリシン及びセリンの残基からなり、好ましくは、配列GSGを含んでいてよい。例えば、GSG及びGSGLEが好適なリンカーである。
従って、まとめると、第1のシアリダーゼは、
(a)配列番号2のアミノ酸配列を含むか若しくはからなるポリペプチド;
(b)該配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含むか若しくはからなるポリペプチド;又は
(c)該配列番号2の配列の断片若しくは該配列番号2のアミノ酸配列と85%同一であるアミノ酸の断片であるアミノ酸配列を含むか若しくはからなるポリペプチド;
であり、第2のシアリダーゼは、
(d)配列番号5のアミノ酸配列を含むか若しくはからなるポリペプチド;
(e)該配列番号5のアミノ酸配列と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含むか若しくはからなるポリペプチド;又は
(f)該配列番号5の配列の断片若しくは該配列番号5のアミノ酸配列と85%同一であるアミノ酸の断片であるアミノ酸配列を含むか若しくはからなるポリペプチド;
であり、
任意で、該第1及び/又は該第2のシアリダーゼは、N末端における追加のメチオニン及び/又はC末端におけるヒスチジンタグを含み、該タグは、リンカーによってC末端に連結され得る。
例示的な第1のシアリダーゼは、配列番号3のアミノ酸配列からなるポリペプチドである。例示的な第2のシアリダーゼは、配列番号6のアミノ酸配列からなるポリペプチドである。
シアリダーゼ組成物
シアリダーゼ組成物は、好ましくは実質的に単離又は精製された形態の、少なくとも1つのシアリダーゼを含む。上記ポリペプチドに関する一般的な記載のように、これは、典型的には、シアリダーゼが発現した細胞からの細胞抽出物中に存在する他の成分の大部分から単離されていることを意味する。実質的に精製されたとは、シアリダーゼが、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、又は好ましくは少なくとも90%均質になるまで精製されたと理解される。純度レベルは、任意の好適な手段によって評価することができるが、典型的には、サンプルのSDS-PAGE分析に続いてクマシーブルー検出を含む。シアリダーゼは、該シアリダーゼの意図する目的に干渉しない担体、希釈剤、又は保存剤と混合されてもよく、それでもなお実質的に単離又は精製されたとみなされ得る。シアリダーゼ組成物は、追加の活性成分、例えば、別のシアリダーゼ又は別の酵素を含んでいてもよく、この場合、各該成分は、それぞれの意図する目的に適切な比で混合される前に、高レベルの均質性になるまで個々に精製される。本発明の好ましいシアリダーゼ組成物では、該組成物は、少なくとも90%均質になるまでそれぞれ精製され、互いに対して1:1比で存在する、第1のシアリダーゼ及び第2のシアリダーゼを含む。このような組成物は、追加の活性成分、例えば、シアリダーゼではない別の酵素を含んでいてもよい。他の酵素は、プロテアーゼ及び/又はグリコシダーゼであってよい。プロテアーゼは、好ましくは、O-糖タンパク質特異的エンドプロテアーゼである。グリコシダーゼは、好ましくは、O-グリコシダーゼである。両方の種類の酵素については、以下でより詳細に論じる。
シアリダーゼ組成物がシアリダーゼではない活性成分を含む場合、他の酵素に対する合計シアリダーゼ含量(例えば、第1+第2のシアリダーゼ)の好ましい比は1:1である。例えば、組成物が2000ユニットの別の酵素を含む場合、該組成物は2000ユニットのシアリダーゼも含み、2つのシアリダーゼが存在する場合、該2000ユニットは、1000ユニットの第1のシアリダーゼ及び1000ユニットの第2のシアリダーゼを含む。
シアリダーゼ組成物は(一般にポリペプチドと同様に)、使用前に水溶液で再構成するのに好適な、凍結乾燥された形態で提供されてもよい。凍結乾燥組成物は改善された安定性を有するので、シアリダーゼ(複数可)をより長く貯蔵することが可能になる。凍結乾燥された形態のシアリダーゼ組成物を調製する方法であって、好適なバッファ、例えば、Tris緩衝生理食塩水(TBS)中で1つ以上のシアリダーゼをフリーズドライすることを含む方法が、本明細書に提供される。バッファは、好ましくは、典型的には300mM以下、250mM以下、200mM以下、又は150mM以下の低濃度のNaClを含む。NaCl濃度は、好ましくは、約150mM、例えば125mM~175mMである。シアリダーゼは、典型的には、フリーズドライ前に実質的に精製される。得られる凍結乾燥された形態の組成物も提供される。溶液であるシアリダーゼ組成物を調製する方法であって、凍結乾燥された形態の該組成物を提供することと、好適な担体又は希釈剤、例えば水で再構成することとを含む方法も提供される。
第1のシアリダーゼが、珍しいことに、2-8結合に対して高い活性を有することが、本発明者らによって判明した。従って、本発明は、
(a)配列番号2のアミノ酸配列を含むか若しくはからなるポリペプチド;
(b)該配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含むか若しくはからなるポリペプチド;又は
(c)該配列番号2の配列の断片若しくは該配列番号2のアミノ酸配列と85%同一であるアミノ酸の断片であるアミノ酸配列を含むか若しくはからなるポリペプチド;
から独立して選択される第1のシアリダーゼを含む組成物であって、
任意で、該第1のシアリダーゼが、N末端における追加のメチオニン及び/又はC末端におけるヒスチジンタグを含み、該タグが、リンカーによってC末端に連結され得る組成物を提供する。
該組成物は、好ましくは高い効率で、2-8シアル酸結合を切断する方法において使用するためのものであってよい。このような組成物の例は、配列番号3のアミノ酸配列からなるシアリダーゼを含む。
また、第1のシアリダーゼ(Am0707)及び第2のシアリダーゼ(Am1757)の組み合わせが、珍しいことに高い効率で2-3、2-6、及び2-8の結合を加水分解し、それによって、任意の糖タンパク質のシアル酸の実質的に全て(典型的には、>90%)を効率的に除去できることが、本発明者らによって判明した。また、組み合わせは、驚くべきことに、ネイティブ(すなわち、変性していない)状態の糖タンパク質に対しても有効である。従って、本発明は、第1のシアリダーゼを含む上記組成物であって、
(d)配列番号5のアミノ酸配列を含むか若しくはからなるポリペプチド;
(e)該配列番号5のアミノ酸配列と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含むか若しくはからなるポリペプチド;又は
(f)該配列番号5の配列の断片若しくは該配列番号5のアミノ酸配列と85%同一であるアミノ酸の断片であるアミノ酸配列を含むか若しくはからなるポリペプチド;
から独立して選択される第2のシアリダーゼを更に含み、
任意で、該第2のシアリダーゼが、N末端における追加のメチオニン及び/又はC末端におけるヒスチジンタグを含み、該タグが、リンカーによってC末端に連結され得る組成物を提供する。第1及び第2のシアリダーゼは、好ましくは、互いに対して1:1比で存在していてよい。
該組成物は、好ましくは高い効率で、糖タンパク質を完全にアシアリル化するか、又は糖タンパク質におけるシアル酸結合の>90%(90%超)を切断する方法において使用するためのものであってよい。糖タンパク質は、好ましくは、ネイティブ状態である。すなわち、いかなる形態の変性条件にも曝されたことがない。
本発明のシアリダーゼ組成物の例は、好ましくは1:1比で、配列番号3のアミノ酸配列からなるシアリダーゼ及び配列番号6のアミノ酸配列からなるシアリダーゼを含む。
シアリダーゼ組成物のシアリダーゼ活性は、個々のシアリダーゼについて、上記と同じ方法を使用して評価することができる。しかし、好ましくは、基質として非変性糖タンパク質を使用して評価される。この結果を、基質を例示的なシアリダーゼ又はその混合物、例えば、配列番号3のアミノ酸配列からなるポリペプチドと配列番号6のアミノ酸配列からなるポリペプチドとの1:1混合物等と接触させたときに同じアッセイで得られた結果と比較してよい。このようなシアリダーゼ混合物1ユニットは、典型的には、SDS-PAGEによってモニタリングしたとき、37℃で2時間、37℃の20mM Tris pH6.8中でインキュベートしたときに糖タンパク質(フェチュイン)1μgのうちの≧90%からシアル酸を加水分解するのに必要な量である。これは、高効率を表すとみなされる。
O-グリコシダーゼ
また、本発明者らは、特に上記シアリダーゼ組成物と組み合わせて使用したときにO結合型グリカンを効率的に加水分解する、哺乳類の口道に存在する共生細菌ストレプトコッカス・オラリス由来のO-グリコシダーゼを同定し、特性評価した。O-グリコシダーゼは、本明細書では「O-glyk」又は「So」と称される場合もある。シグナル配列及びLPTXG細胞壁アンカーモチーフを含むO-glykの野生型配列を、配列番号7として提供する。シグナル配列を欠いているO-glykの野生型配列を、配列番号8として提供する。シグナル配列及び細胞壁アンカーモチーフのC末端部を欠いているO-glykの野生型配列を、配列番号9として提供する。N末端における追加のメチオニン及び/又はC末端におけるヒスチジン若しくは他のタグを含めるために、これら配列を任意で改変してもよい。このような追加の配列は、(例えば、大腸菌における)発現及び/又は精製に役立ち得る。ヒスチジンタグは、好ましくは、6個のヒスチジン残基からなる。ヒスチジンタグは、好ましくは、典型的にはアミノ酸の短い配列、例えば3~5個のアミノ酸であるリンカーによってC末端に連結される。リンカーは、典型的には、主にグリシン及びセリンの残基からなり、好ましくは、配列GSGを含んでいてよい。例えば、GSG及びGSGLEが好適なリンカーである。N末端に追加のメチオニン、そして、C末端にGSGLEリンカー及びHis6タグを有する例示的なO-glyk配列を、配列番号10として提供する。本開示における「O-glyk」又は「So」に対する任意の言及は、配列番号7、8、9、又は10のいずれをも意味し得るが、好ましくは、配列番号9のアミノ酸配列を含むか又はからなり、典型的には、2070アミノ酸以下であるポリペプチドを指す。最も好ましいのは、配列番号10のアミノ酸配列からなるポリペプチドである。
また、本発明者らは、上記シアリダーゼ組成物の作用が他のO-グリコシダーゼの活性も増強することを見出した。従って、本発明は、また、糖タンパク質を改変する方法であって、糖タンパク質のサンプルを、上記シアリダーゼ組成物及びO-グリコシダーゼの両方と接触させることを含む方法を提供する。また、本発明は、任意でO-グリコシダーゼも含む、上記シアリダーゼ組成物を提供する。該方法及び該組成物では、該O-グリコシダーゼは、配列番号9のアミノ酸配列を含んでいてもよく、からなっていてもよく、又は任意の他のO-グリコシダーゼ、例えば、大便連鎖球菌(Enterococcus faecalis)等の腸内細菌から得られる酵素であってもよい。大便連鎖球菌由来の好ましいO-グリコシダーゼは、UniprotエントリーB5UB72バージョン22のアミノ酸配列を有するポリペプチドである。他の好適なO-グリコシダーゼは、国際公開第2009129086号に記載されているもの、特に、国際公開第2009129086号の7ページに記載され、図5に示されている通りのEngEF、EngPA、及び切断型EngAAを含む。
本明細書における開示のいずれかでは、酵素活性が保持されている限り、配列番号9の配列を含むO-グリコシダーゼをその変異体によって置換してもよい。O-グリコシダーゼの変異体は、配列番号9の配列のアミノ酸配列の変異体を含んでいてもよく、から本質的になっていてもよく、からなっていてもよい。該配列番号の変異体は、保持されるべき関連する酵素活性がO-グリカンに対する加水分解活性であることを除いて、シアリダーゼに関して上に記載した通り定義され得る。
あるいは、O-グリコシダーゼは、上記の通り、配列番号9又はその変異体のより短い断片によって置換されてもよい。断片は、酵素活性を保持している、切断された形態の該配列番号であると説明することができる。このような断片は、配列番号3よりも短く、典型的には、少なくとも300アミノ酸長、少なくとも400アミノ酸長、少なくとも500アミノ酸長、少なくとも600アミノ酸長、少なくとも800アミノ酸長、少なくとも1000アミノ酸長、少なくとも1200アミノ酸長、少なくとも1300アミノ酸長、少なくとも1400アミノ酸長、又は少なくとも1500アミノ酸長である。
本明細書に記載される任意のO-グリコシダーゼは、任意で、N末端における追加のメチオニン及び/又はC末端におけるヒスチジン若しくは他のタグを含んでいてもよい。このような追加の配列は、発現及び/又は精製に役立ち得る。ヒスチジンタグは、好ましくは、6個のヒスチジン残基からなる。ヒスチジンタグは、好ましくは、典型的にはアミノ酸の短い配列、例えば3~5個のアミノ酸であるリンカーによってC末端に連結される。リンカーは、典型的には、主にグリシン及びセリンの残基からなり、好ましくは、配列GSGを含んでいてよい。例えば、GSG及びGSGLEが好適なリンカーである。この種の例示的なO-グリコシダーゼは、配列番号10のアミノ酸配列からなる。
O-グリコシダーゼの酵素活性は、実施例に記載するもの等の任意の好適な方法によって評価することができる。好適な方法は、公知のO-グリコシダーゼ又はO-グリコシダーゼと思われるものを、全体ではO-グリカンコア領域を含む1つ以上の低分子等の標準的な基質と共にインキュベートすることを含んでいてよい。このような低分子は、4-メチルウンベリフェロン(4MU)基質及びpNP基質を含み、pNPの放出が活性を示す。あるいは、活性は、基質として糖タンパク質を使用して評価することもできる。任意の得られる切断生成物は、SDS-PAGE又はレクチンブロット等の常法を使用して検出及び定量することができる。糖タンパク質を基質として使用する場合、上記のシアリダーゼ組成物による前処理(又は同時処理)が必要になる場合がある。この結果を、基質を例示的なO-グリコシダーゼ、例えば、配列番号10のアミノ酸配列からなるポリペプチドと接触させたときに同じアッセイで得られた結果と比較してよい。配列番号10のポリペプチド1ユニットは、SDS-PAGEによってモニタリングしたとき、37℃で2時間、20mM Tris緩衝液pH6.8中のシアリダーゼ混合物1ユニットと組み合わせてTNFαR1μgの>90%からO-グリカンを除去するのに必要な量として定義される(好ましいシアリダーゼ混合物については、上記の通りである)。試験ポリペプチドは、好ましくは、同量存在するときに類似の活性レベルを達成する。例示的なアッセイについては実施例にも記載する。
上記O-グリコシダーゼを含む組成物は、溶液中で、又は溶解して再構成するための凍結乾燥された形態で提供されてもよい。O-グリコシダーゼは、Tris緩衝生理食塩水pH7.6中で凍結乾燥してよい。
O-グリカン特異的エンドプロテアーゼ
また、本発明者らは、上記シアリダーゼ組成物の作用が、O-グリカン特異的エンドプロテアーゼ、特に、典型的には375アミノ酸以下であり、好ましくは配列番号12のアミノ酸配列からなるポリペプチドである配列番号11のアミノ酸配列を含むO-グリカン特異的エンドプロテアーゼの活性を増強することも見出した。
従って、本発明は、また、糖タンパク質を改変する方法であって、糖タンパク質のサンプルを、上記シアリダーゼ組成物及びO-グリカン特異的エンドプロテアーゼの両方と接触させることを含む方法を提供する。また、本発明は、任意でO-グリカン特異的エンドプロテアーゼも含む、上記シアリダーゼ組成物を提供する。該方法及び該組成物では、該O-グリカン特異的エンドプロテアーゼは、配列番号12のものであってよい。
本明細書における開示のいずれかでは、酵素活性が保持されている限り、配列番号11の配列のO-グリカン特異的エンドプロテアーゼをその変異体によって置換してもよい。エンドプロテーゼの変異体は、配列番号11の配列のアミノ酸配列の変異体を含んでいてもよく、から本質的になっていてもよく、からなっていてもよい。該配列番号の変異体は、保持されるべき関連する酵素活性がO-糖タンパク質に対する加水分解活性であることを除いて、シアリダーゼに関して上に記載した通り定義され得る。
あるいは、エンドプロテーゼは、上記の通り、配列番号3又はその変異体のより短い断片によって置換されてもよい。断片は、酵素活性を保持している、切断された形態の該配列番号であると説明することができる。このような断片は、配列番号11よりも短く、典型的には、少なくとも100アミノ酸長、少なくとも150アミノ酸長、少なくとも200アミノ酸長、少なくとも250アミノ酸長、少なくとも300アミノ酸長、少なくとも350アミノ酸長、少なくとも400アミノ酸長、少なくとも450アミノ酸長、又は少なくとも500アミノ酸長である。
本明細書に記載される任意のエンドプロテアーゼは、任意で、N末端における追加のメチオニン及び/又はC末端におけるヒスチジン若しくは他のタグを含んでいてもよい。このような追加の配列は、発現及び/又は精製に役立ち得る。ヒスチジンタグは、好ましくは、6個のヒスチジン残基からなる。ヒスチジンタグは、好ましくは、典型的にはアミノ酸の短い配列、例えば3~5個のアミノ酸であるリンカーによってC末端に連結される。リンカーは、典型的には、主にグリシン及びセリンの残基からなり、好ましくは、配列GSGを含んでいてよい。例えば、GSG及びGSGLEが好適なリンカーである。この種の例示的なエンドプロテアーゼは、配列番号12のアミノ酸配列からなる。
エンドプロテアーゼの酵素活性は、任意の好適なアッセイによって評価することができる。例えば、標準的なO-糖タンパク質基質、例えばIgA分子を、試験ポリペプチドと共にインキュベートしてよい。次いで、出発物質及び反応生成物をSDS-PAGE及び/又は質量分析によって分析して、切断生成物(もし存在すれば)の存在を判定してよく、必要に応じて、該生成物を更に特性評価してもよい。O-グリコシル化されていない糖タンパク質基質、例えばIgG1分子をネガティブコントロールとして使用してよい。この結果を、基質を例示的なポリペプチド、例えば、配列番号12のアミノ酸配列からなるポリペプチドと接触させたときに同じアッセイで得られた結果と比較してよい。
上記O-グリカン特異的エンドプロテアーゼを含む組成物は、溶液中で、又は溶解して再構成するための凍結乾燥された形態で提供されてもよい。O-グリカン特異的エンドプロテアーゼは、Tris緩衝生理食塩水pH7.6中で凍結乾燥してよい。
使用方法
本発明は、本発明の組成物中の酵素が、存在する任意の基質に対して作用するのに好適な条件下で、サンプルを該組成物と共にインキュベートする任意の方法を提供する。該方法は、任意で、得られた生成物の分析を含んでいてもよい。該分析は、SDS-PAGE、HPLC、レクチンブロッティング、ELISA、又は質量分析を含む任意の好適な手段によって、生成物を分離及び/又は検出及び/又は単離することを含んでいてよい。
好適な条件は、少なくとも20分間、少なくとも30分間、少なくとも40分間、少なくとも50分間、少なくとも60分間、少なくとも70分間、少なくとも80分間、少なくとも90分間、又は少なくとも120分間、少なくとも3時間、少なくとも5時間、少なくとも10時間、少なくとも12時間、又は少なくとも一晩、本発明の組成物と共にインキュベートすることを含む。インキュベートは、好ましくは室温で、より好ましくは約20℃、約25℃、約30℃、約35℃、約40℃、又は約45℃、最も好ましくは約37℃で行われる。方法は、任意の好適なpH下で実施してよい。好適なpH値は、例えば、約3.0、約3.5、約4、約4.5、約5、約5.5、約6、約6.5、約7、約7.5、約8、約8.5、約9、又は約9.5のpHを含む。好ましいpHは、5.6~6.8の範囲内である。方法は、任意の好適なバッファ、例えば、トリス緩衝生理食塩水(TBS)又はリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中で実施してよい。バッファは、好ましくは、典型的には300mM以下、250mM以下、200mM以下、又は150mM以下の低濃度のNaClを含む。NaCl濃度は、好ましくは、約150mM、例えば125mM~175mMである。
サンプルのタンパク質含量に対する本発明の組成物中の酵素の近似比は、1:1、2:1、4:1、6:1、10:1、15:1、20:1、1:2、1:4、又は1:6、1:10、1:15、1:20、1:40、1:50、又は1:100であってよい。
以下は、本発明の特に好ましい方法である。
糖タンパク質を改変する方法であって、該糖タンパク質を含有するサンプルを本発明の組成物と接触させることと、任意で、得られた生成物を分析することとを含む方法。該分析は、SDS-PAGE、HPLC、レクチンブロッティング、ELISA、又は質量分析を含む任意の好適な方法によって、生成物を分離及び/又は検出及び/又は単離することを含んでいてよい。
特定の実施形態では、方法は、シアリダーゼのみを含む本発明の組成物とサンプルを接触させることと、任意で、生成物を分離し、次いで、該生成物をプロテアーゼ及び/又はグリコシダーゼ等の別の酵素と接触させることとを含んでいてよい。この方法は、他の酵素を添加する前にシアル酸を除去するためのサンプルの「前処理」と説明することができる。この実施形態の変形では、他の酵素を、別々ではあるがシアリダーゼ組成物と同時にサンプルに添加してよく、「同時処理」と説明することができる。別の変形では、他の酵素はシアリダーゼ組成物中に存在する。他の酵素は、好ましくは、例えば本明細書に記載されるO-グリカン特異的エンドプロテアーゼ又はO-グリコシダーゼである。
以下の実施例は、本発明を説明する。
実施例1-シアリダーゼ
材料及び方法
シアリダーゼの発現及び精製
アッカーマンシア・ムシニフィラで同定された遺伝子(Am0705、Am0707、Am1757、Am2058)を、ベクターpET21a(+)において大腸菌で良好に発現するようにコドン最適化した。ベクターをBL21(DE3)Star細胞に形質転換した。大腸菌を200rpmで37℃のLB中においてルーチン的に培養した。プラスミドの存在下で、100μg/mLアンピシリンを添加した。一晩インキュベートした後、培養物を新鮮LB(amp)で1:20希釈し、OD620が約0.7~0.8になるまで成長させ、その後、1mM IPTGを添加することによって組み換えタンパク質発現を誘導し、5時間発現を継続させた後、細胞を収集し、凍結させた。凍結細胞を解凍し、His結合バッファ(20mM NaP pH7.4、500mM NaCl、20mMイミダゾール)に溶解させ(resolved)、細胞内タンパク質を放出させるために超音波処理した。遠心分離によって細胞残屑を除去した。滅菌濾過した上清をニッケルカラムでアフィニティ精製し、PD-25カラムにおいて20mM Tris-HCl pH8.0に再緩衝した。Nanodropを使用してタンパク質の濃度を決定し、SDS-PAGEを通して純度を推定した。
低分子を使用する活性評価
2-3’-シアリルラクトース、2-6’-シアリルラクトース、及びコロミン酸(2-8’;Sigma-Aldrich)を基質として使用して、酵素の加水分解特異性を判定した。酵素(0.05μg)を20mM Tris-HCl pH6.8中基質(25μM)と混合し、37℃で30分間インキュベートし、その後、製造業者の指示書(Sialic Acid Quantification Kit、Abcam)に従って混合物中の遊離シアル酸を定量した。
タンパク質基質を使用する活性評価
TNFαR、EPO、Enbrel、及びフェチュイン(0.5μg)を様々な濃度の試験したシアリダーゼ(1:40)又は市販のシアリダーゼ(NEB製、製造業者に従う)と共に混合し、30分間インキュベートし、その後、タンパク質を4~20%Novex勾配SDS-PAGEで分離及び/又はSNAレクチンブロットで分析した。
レクチンブロット
分離されたタンパク質を、Trans-Blot Turbo Transfer System(BioRad)を使用してPVDFメンブレンに転写した。メンブレンをレクチンバッファでブロッキングし、続いて、一次結合剤(SNA-ビオチン)及び二次結合剤(HRP-ストレプトアビジン;VectorLabs)と共にインキュベートし、その間に洗浄工程を行った。West Pico SuperSignal(ThermoFisher)キットによって化学発光させ、ChemiDoc(BioRad)で検出した。
最適な酵素条件
NaCl(0~1.5M)及びイオン(2mM CaCl、2mM ZnCl、5mM EDTA)の影響について調べるために、シアリダーゼを、20mM Tris-HCl pH8.0中2-3’シアリルラクトース(25μM)と共にインキュベートした。最適pHについては、シアリダーゼを酢酸バッファ(4.6及び5.6)及びTris-HClバッファ(6.8、7.4、8.0、及び8.8)中でインキュベートした。全てのサンプルを室温で15分間インキュベートし、その後、製造業者の指示書に従って、混合物をシアル酸定量キット(Abcam)に1:1添加した。全ての値を、各群内の最高活性に関して相対活性として表した。
定評のあるバイオテクノロジー企業製の公知のシアリダーゼとの比較
アッカーマンシア・ムシニフィラのシアリダーゼ、シアリダーゼ混合物、及び定評のあるブランドから購入したシアリダーゼ(NEB P0743S、P0720S、及びP0722S)を、製造業者の指示書に従って、シアル酸定量バッファ(1:1比)と共に、それぞれの最適なバッファ中で2-3’及び2-6’のシアリルラクトース、並びにコロミン酸と共に20分間インキュベートした。
結果
全てのアッカーマンシア・ムシニフィラのシアリダーゼは、良好に発現し、Hisカラムで精製することができる
アッカーマンシアとアノテーションが付けられたシアリダーゼAm0705、Am0707、Am1758、及びAm2058を大腸菌で組み換え的に発現させ、Hisカラムで高純度になるまで精製した(図1)。タンパク質は良好に発現し、そのレベルは、大腸菌培養物1Lあたり70~150mgの精製された酵素の間でばらついていた。更に、シアリダーゼはTrisバッファに高度に可溶性であり、それほど沈殿することなく>3mg/mLに濃縮することができた。
シアリダーゼのうちの3つだけが、様々なタンパク質基質に対する活性を示す
様々なO及びN結合型糖タンパク質に対する精製されたシアリダーゼの初期スクリーニング中、Am0705を除く全てのシアリダーゼが強力な活性を示した(データは割愛する)。Am2058の活性は一定していなかったことから、Am0707及びAm0707/1757の混合物(ミックス、1:1)の特性評価を継続した。
シアリダーゼは異なる特異性を有する
幾つかのシアリダーゼは結合特異性を示し、特定のシアル酸結合(例えば、2-3、2-6、及び/又は2-8)を加水分解する限られた能力を有していた。4つのアッカーマンシア・ムシニフィラのシアリダーゼが様々な結合に作用する能力について調べるために、1種の結合しか存在しない特定の基質(2-3’-シアリルラクトース、2-6’-シアリルラクトース、及びコロミン酸)と共に該シアリダーゼをインキュベートし、遊離シアル酸を定量した(図2)。Am1757は、2-3結合に対して高い特異的活性を有していたが、Am0707は、全ての試験した結合に対してより広いが低い活性を有していた。Am0707とAm1757との組み合わせ(ミックス)からは、より優れた広域スペクトル生成物が得られた(図2)。
シアリダーゼは、NaCl感受性であり、二価カチオンに依存する
シアリダーゼ活性を最適化するために必要な条件について更に調べるために、イオン、pH、及びNaClに対するシアリダーゼの依存性について調べた。2つのシアリダーゼは同様に挙動し、EDTA及びZn2+に対して高い感受性を有していたが、Ca2+に依存していた。酵素は、中性~塩基性のpHにおいてより高い活性を有し、NaClの存在下でその活性の多くを失った(図3)。
シアリダーゼの混合物は、加水分解の全体的な効率を増大させる
特性評価されたシアリダーゼは相補的活性を有しており、Am1757は高い2-3結合加水分解活性を有し、Am0707は2-6、8結合にも作用したので、2つの酵素の比を変化させることによって、ネイティブ糖タンパク質における全てのシアル酸結合に対して2つの酵素の混合物が高い効率を示し得るかどうかについて調べた。1:40 Am0707と共に1:40 Am1757を含有する混合物は、フェチュインにおける全てのシアル酸を急速に(<15分間)加水分解した(図4)。
低分子基質に対するシアリダーゼのベンチマーキング
シアリダーゼ混合物(GVS_Smix)の効率を単一の酵素及びブランド競合製品と比較するために、本発明の酵素をNew England Biolabs(NEB)製の3つの市販シアリダーゼと比較した。これらは、アルスロバクター・ウレアファシェンス(Arthrobacter ureafaciens)由来の広域スペクトルシアリダーゼ(NEB A、アルスロバクター・ウレアファシェンス由来の酵素α2-3,6,8,9ノイラミニダーゼA、カタログ番号P0722S;2-3、2-6、2-8、及び2-9の結合を切断)、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)由来の狭域スペクトルシアリダーゼ(NEB S、肺炎連鎖球菌由来の酵素α2-3ノイラミニダーゼS、カタログ番号P0743S;2-3結合のみを切断)、及びウェルシュ菌(Clostridium perfringens)由来の汎用シアリダーゼ(NEB O、ウェルシュ菌由来の酵素α2-3,6,8ノイラミニダーゼO、カタログ番号P0720S、2-3、2-6、2-8の結合を切断)であった。製造業者によって示唆されている通り酵素を添加し、37℃で30分間基質と共にインキュベートした(図5)。
SDS-PAGEによって判定したとき、様々なサンプル中のシアリダーゼの量は、NEBよりもGVS_Smixにおいてより低く、ノイラミニダーゼAは恐らく例外である。ノイラミニダーゼSは、糖タンパク質におけるシアル酸結合を全て加水分解する限られた能力を示したが、ノイラミニダーゼA及びノイラミニダーゼOは、フェチュインに存在する全てのシアル酸を加水分解した(図6)。同様に、合成低分子基質に対する活性について観察したとき、Smixは糖タンパク質における全てのシアル酸結合を加水分解して、完全なアシアリル化の指標である狭いタンパク質バンドが生成された。2-6結合も2-8結合も加水分解することができない、Am1757処理されたサンプルは、Smixで処理されたサンプルよりも高分子量として移動した。シアル酸を標識したSNAブロッティングで加水分解が確認され、このことは、全ての広域スペクトルシアリダーゼはフェチュインに存在する全てのシアル酸を効率的に除去するが、2-3特異的酵素(例えば、ノイラミニダーゼS及びAm1757)はわずかなシアル酸しか除去しないことを示唆している(図6)。
Smixは、ネイティブタンパク質からシアル酸を効率的に放出させることができる
Smixは、NEB製品と同等又はそれ以上の効率で小さな半合成基質に対して作用することができたが(図5)、様々なシアル酸結合を有するネイティブタンパク質に対する活性についても調べることは避けられなかった。2-3及び2-6結合型のシアル酸を両方有しているので、モデルタンパク質としてフェチュインを選択した。SNAブロッティングを使用して、選択した濃度のSmixが、NEB A及びOと同様にフェチュインから全てのシアル酸を完全に除去できることが明らかになった(図6)。2つの2-3特異的酵素Am1757及びNEB Sは、予想通り、フェチュインを完全にアシアリル化することはできなかった。
3つのNEBシアリダーゼと比べてSmix及びAm1757がネイティブタンパク質からシアル酸を放出させる能力をより定量的に判定するために、様々な糖タンパク質基質(TNFαR、IgA、プラスミノーゲン、及びアバタセプト[Orencia])を各シアリダーゼと共に15+15分間インキュベートし、放出されたシアル酸を定量した。特定の基質はその他の基質よりも加水分解がより困難であることが証明されているが、GVS_Smixは全ての場合においてNEB製品と少なくとも同等であり(図7)、全ての基質に対して高い活性を示した点で最も一貫性が高いことが立証された。Am1757及び各NEB製品の個々の酵素は、1つの又は別の個々の基質に対してより高い活性を有していたが、GVS_Smixのみが一貫して全ての基質に対して高い活性を示したので、このことからグリカン分析にとって非常に魅力的なツールとなった。
実施例2-O-グリコシダーゼ
材料及び方法
エンド-O-グリコシダーゼの発現及び精製
ストレプトコッカス・オラリスのエンド-N-アセチル-ガラクトサミニダーゼを、ベクターpET21a(+)において大腸菌で良好に発現するようにコドン最適化した。ベクターをBL21(DE3)Star細胞に形質転換した。大腸菌を200rpmで37℃のLB中においてルーチン的に培養した。プラスミドの存在下で、100μg/mLアンピシリンを添加した。一晩インキュベートした後、培養物を新鮮LB(amp)で1:20希釈し、OD620が約0.7~0.8になるまで成長させ、その後、1mM IPTGを添加することによって組み換えタンパク質発現を誘導し、5時間発現を継続させた後、細胞を収集し、凍結させた。凍結細胞を解凍し、His結合バッファ(20mM NaP pH7.4、500mM NaCl、20mMイミダゾール)に溶解させ(resolved)、細胞内タンパク質を放出させるために超音波処理した。遠心分離によって細胞残屑を除去した。滅菌濾過した上清をニッケルカラムでアフィニティ精製し、PD-25カラムにおいてPBSに再緩衝した。Nanodropを使用してタンパク質の濃度を決定し、SDS-PAGEを通して純度を推定した。タンパク質の配列を配列番号3として提供する。
低分子を使用する活性評価
O-グリカンコア領域の4-メチルウンベリフェロン(4MU)基質及びpNP基質を基質として使用して、酵素の加水分解活性を判定した。酵素(1μg)を基質(2mM)と混合し、37℃で15~120分間インキュベートし、その時間中、蛍光及び吸光度(405nm)をそれぞれ記録した。
タンパク質基質を使用する活性評価
TNFαR、EPO、Enbrel、フェチュイン、IgA、Orencia、及びプラスミノーゲン(0.5μg)を、Smix(1:40+1:40)又はAm1757(1:40)の存在の有り無しで、0~24時間O-グリコシダーゼ(1:40)と混合した。タンパク質を4~20%Novex勾配SDS-PAGEで分離した。
最適な酵素条件
NaCl(0~1.5M)及びイオン(2mM CaCl、2mM ZnCl、5mM EDTA)依存性について調べるために、酵素をそれぞれの基質(4MU又はpNP)と共にインキュベートした。最適pHについては、酵素を酢酸バッファ(50mM pH4.6及び5.6)及びTris-HClバッファ(20mM pH6.8、7.4、8.0、及び8.8)中でインキュベートした。全てのサンプルを37℃で15分間インキュベートした。全ての値を、各群内の最高活性に関して相対活性として表した。
市販酵素との比較
同定された酵素、及び定評のあるブランドから市販されている酵素(大便連鎖球菌由来のNEB O-グリコシダーゼ、カタログ番号P0733S、バンドル番号E0540Sとしても)をそれぞれの基質及び最適化されたバッファと共にインキュベートし、ネイティブ条件下で様々な糖タンパク質と共に0~24時間インキュベートした後、SDS-PAGEで分離した。
結果
ストレプトコッカス・オラリスのエンド-α-N-アセチル-ガラクトサミニダーゼの発現/精製
発見フェーズ(discovery phase)中、いずれも高分子量の細菌タンパク質(>200kDa)であるS.オラリス及びビフィズス菌(Bifidobacterium bifidum)由来の2つの異なるエンド-α-N-アセチル-ガラクトサミニダーゼについて検討した。ビフィズス菌グリコシダーゼは高度に不安定であったか、又は発現及びアフィニティ精製後に高度の断片化部分が少なくとも生じた。S.オラリスについても特定の断片化が可視化され得たが、はるかにより少なかった(図8A)。更に、この酵素は、更に分解することが全くなく、4℃で最長1週間安定であった(図8B)。しかし、発現レベル(約5~10mg/L)はかなり低い。更なる分析によって、断片化が超音波処理に起因することが示唆された。
O-グリコシダーゼは、合成pNP標識コア1~3のO-グリコシダーゼに対して作用することができる
2つのO-グリコシダーゼの分析を続けたところ、コア1グリカンに対する著しい選択性が明らかになり、コア2及び3に対する活性ははるかに低かった(図9)。重要なことに、S.オラリス由来のグリコシダーゼは、ビフィズス菌由来の対応する遺伝子よりも著しく高い活性を示したので、主にS.オラリスのO-グリコシダーゼに重点的に取り組むことに決めた。
MgClの添加は、S.オラリスのO-グリコシダーゼの活性を著しく増大させる
O-グリコシダーゼについての最適条件を決定するために、様々なpH及びイオン下で、様々な条件において酵素をpNPコア1基質と共にインキュベートした(図10)。O-グリコシダーゼは、中性~わずかに塩基性のpHで高い活性を示し、Zn2+の存在によって完全に阻害されたが、8mM以下のMgClの存在下で増大した活性を有していた(図10C)。
S.オラリスのO-グリコシダーゼは、ネイティブ糖タンパク質からグリカンを加水分解することができる
全てのO-グリカンの加水分解を媒介するのに必要な反応速度及び用量について調べるために、実施例1で特性評価したシアリダーゼ混合物(Am1757:Am0707の1:1ミックス)又はシアリダーゼ混合物のみと組み合わせて、様々な量のO-グリコシダーゼと共にネイティブTNFαRを1~12時間インキュベートした。図11に示す通り、比較的低濃度の酵素(例えば、約0.1μg、1:10)でさえも、1時間以内に基質を加水分解することができた。インキュベート時間を12時間まで延長した結果、高濃度のシアリダーゼでは、1:50の比で酵素が基質を完全に加水分解する能力が得られた。幾つかの態様では、酵素は「無か全か(nothing or all)」酵素であるので、半分加水分解された糖タンパク質はほとんど生じず、加水分解されていないか又は完全に加水分解されたタンパク質が生じることに留意するのが重要である。
S.オラリスのO-グリコシダーゼは、様々なネイティブ糖タンパク質に対して作用することができる。
O-グリコシダーゼがTNFαRに対してのみ作用するのか、幾つかのネイティブな糖タンパク質に作用することができるのかを更に調べるために、7つの異なる糖タンパク質を加水分解酵素の組み合わせと共にインキュベートした(図12)。S.オラリスのO-グリコシダーゼ及びビフィズス菌酵素(シアリダーゼと組み合わせて)は、一晩インキュベートした後にネイティブタンパク質を全て加水分解することができたが、プラスミノーゲンに対する活性は、タンパク質の分子量が高いことから評価が困難であった。しかし、末端シアル酸が活性を阻害したため、両酵素はシアリダーゼの存在に強く依存していた。
S.オラリスのO-グリコシダーゼは、ネイティブ糖タンパク質の加水分解においてNEB製品のポートフォリオよりも優れている。
既存の市販製品に対するS.オラリスのグリコシダーゼの活性を比較するために、1時間又は16時間、様々な量のグリコシダーゼを使用してそのTNFαRを加水分解する能力を比較した。約1:5の酵素:基質比を使用すると、S.オラリスのグリコシダーゼは1時間でその基質を完全に加水分解することができた。1:1酵素:基質比でさえも、NEB O-グリコシダーゼは全てのO結合型グリカンを加水分解することができず、幾つかの容易にアクセス可能なグリカンに対してしか作用しなかった。更にインキュベート(例えば、16時間)することによって、S.オラリスのグリコシダーゼの最大効果を依然として維持しながら、1:50酵素:基質比が可能になった。しかし、NEB O-グリコシダーゼは、生成物を完全に脱グリコシル化することができず、このことは、変性がその機能にとって重要であることを示すが、S.オラリスのO-グリコシダーゼ生成物は、ネイティブタンパク質に対しても高い活性を有する(図13)。S.オラリスのO-グリコシダーゼはネイティブタンパク質に対して作用することができるだけでなく、変性したタンパク質からグリカンを加水分解することもできる(データは割愛する)。
グリカン組成は、O-グリコシダーゼの活性に影響を与える
O-グリコシダーゼ活性にとっての特定のグリカンの必要性について更に研究するために、TNFαRを様々な酵素と共にプレインキュベートして個々のグリカンを除去した後、O-グリコシダーゼを添加した。ガラクトースの存在と同様に、末端シアル酸の除去が活性にとって重要であったが、このことは、O-グリコシダーゼが単一の(末端)GalNAcsを除去できないことを示す(図14)。
O-グリコシダーゼは、ネイティブタンパク質からのO-グリカンの除去において非常に効率的である
O-glyk+Smixの複合組成物の最終濃度を決定したら(1:40)、競合するブランド製品(NEB)との比較を繰り返した。NEB製品を使用するとTNFαRにおいて若干の加水分解を検出することはできるが、加水分解が完全ではなく、12時間後でさえも完全ではないことは明らかである。これとは対照的に、O-glyk+Smixの複合組成物では、4時間以内に糖タンパク質が完全に加水分解され、これは、レクチンブロットによって裏付けられた(図15)。
同様に、Enbrelは同一のパターンを示し、O-glyk+Smixの複合組成物はそれを完全に加水分解することができたが、NEB製品はできなかった。しかし、フェチュイン(feutin)については、両製品が一見すると等しく効率的であった(図16)。
2-3及び2-6結合型シアル酸は、いずれもO-グリコシダーゼの活性を阻害する
O-グリコシダーゼ活性についての2-3又は2-6結合型シアル酸の相互作用を評価するために、2-3特異的又は広域スペクトルのシアリダーゼ(例えば、それぞれAm1757及びSmix)の両方と共にO-グリコシダーゼをインキュベートした。予備データは、Am1757及びAm0707が糖タンパク質から等量のシアル酸を放出できることを示唆しているが、Am1757(又はSmix)で糖タンパク質を処理した結果、基質(TNFαR)がより速く加水分解された。しかし、完全に加水分解するためには、広域スペクトルシアリダーゼで糖タンパク質を処理すること、また、2-6(又は2-8)シアル酸を除去することが重要であった(図17)。
GVS O-グリコシダーゼバンドルのネイティブ活性は、非常に効率的なシアリダーゼ活性に起因する
O-glyk+Smixの複合組成物における個々の成分の影響を判定するために、O-glyk及びNEBを4つの異なるシアリダーゼ製品(GVS_Smix、NEB A、NEB S、及びNEB O)と共にインキュベートした。O-glyk+Smixの複合組成物は、Enbrelから全てのO-グリカンを効率的に加水分解した(図18)が、シアリダーゼをNEB製品のいずれかに変更した結果、O-glykの活性が著しく低下し、NEBシアリダーゼAが最も強力であった。しかし、NEB O-グリコシダーゼバンドル(NEBシアリダーゼOとNEB O-グリコシダーゼ)は、EnbrelもTNFαRも加水分解することができなかった(図15、16)が、NEBシアリダーゼOの代わりにGVS_Smixを使用することによって、糖タンパク質の完全な加水分解が観察され、このことは、O-glyk+Smixの複合組成物の効率が、糖タンパク質における2-3及び2-6の結合を全て加水分解するシアリダーゼの能力に少なくとも部分的に依存することを示唆している。
実施例3-O-糖タンパク質特異的エンドプロテアーゼ
配列番号12からなるポリペプチドのエンドプロテーゼ活性は特定のシアル酸結合に少なくとも部分的に依存しているので、最大効果を得るためには2-3及び2-6結合型のシアル酸を両方除去する必要があることが、本発明者らによって最近判明した。エンドプロテアーゼ活性に対する特定のシアル酸結合の個々の役割を決定するために、エンドプロテアーゼと組み合わせて様々なシアリダーゼと共にエタネルセプトを30分間~20時間インキュベートした。エンドプロテアーゼ活性を増強するには、2-3結合を除去すれば十分であると思われた(図19)。使用したシアリダーゼは、(1)Am0707=配列番号3のポリペプチド;(2)Am1757=配列番号6のポリペプチド;ミックス=(1)と(2)との1:1の組み合わせ。
配列
配列番号1-シアリダーゼ、Am0707-野生型(下線はシグナル配列)
MTWLLCGRGKWNKVKRMMNSVFKCLMSAVCAVALPAFGQEEKTGFPTDRAVTVFSAGEGNPYASIRIPALLSIGKGQLLAFAEGRYKNTDQGENDIIMSVSKNGGKTWSRPRAIAKAHGATFNNPCPVYDAKTRTVTVVFQRYPAGVKERQPNIPDGWDDEKCIRNFMIQSRNGGSSWTKPQEITKTTKRPSGVDIMASGPNAGTQLKSGAHKGRLVIPMNEGPFGKWVISCIYSDDGGKSWKLGQPTANMKGMVNETSIAETDNGGVVMVARHWGAGNCRRIAWSQDGGETWGQVEDAPELFCDSTQNSLMTYSLSDQPAYGGKSRILFSGPSAGRRIKGQVAMSYDNGKTWPVKKLLGEGGFAYSSLAMVEPGIVGVLYEENQEHIKKLKFVPITMEWLTDGEDTGLAPGKKAPVLK
配列番号2-シアリダーゼ、Am0707-シグナル無しの野生型
QEEKTGFPTDRAVTVFSAGEGNPYASIRIPALLSIGKGQLLAFAEGRYKNTDQGENDIIMSVSKNGGKTWSRPRAIAKAHGATFNNPCPVYDAKTRTVTVVFQRYPAGVKERQPNIPDGWDDEKCIRNFMIQSRNGGSSWTKPQEITKTTKRPSGVDIMASGPNAGTQLKSGAHKGRLVIPMNEGPFGKWVISCIYSDDGGKSWKLGQPTANMKGMVNETSIAETDNGGVVMVARHWGAGNCRRIAWSQDGGETWGQVEDAPELFCDSTQNSLMTYSLSDQPAYGGKSRILFSGPSAGRRIKGQVAMSYDNGKTWPVKKLLGEGGFAYSSLAMVEPGIVGVLYEENQEHIKKLKFVPITMEWLTDGEDTGLAPGKKAPVLK
配列番号3-シアリダーゼ、Am0707-追加のN末端メチオニン及びC末端リンカー+His6タグを有する(太字及び下線)

Figure 0007195008000003
配列番号4-シアリダーゼ、Am1757-野生型(下線はシグナル配列)
MKNLLFALLTGSFCCCYAQQKAAPVPEPEVVATPPADAGRGLIRVDSREIRHYSGTRKEPDYLVSRDNGKTWEMKAAPAGYPPNYGGIPKESPAIVRNPLTREFIRVQPIGGFVFLSRGGLDGKWLAVTNDGKLEEDWKDPEKRKNLKKLGGIMRTPVFVNKGRRVIVPFHNMGGGTKFHISDDGGLTWHVSRNGVTSPRHEARPPHQGVRWFNNAVEATVLEMKDGTLWALARTSQDQAWQAFSKDYGETWSKPEPSRFFGTLTMNTLGRLDDGTIVSLWTNTMALPENATAGNGTWEDVFTNRDSHHIAMSGDEGKTWYGFREIILDEHRNHPGYATLDGPEDRGKHQSEMVQLDKNRILISLGQHKNHRRLVIVDRRWVGAKTRATQTGKDLDSQWTIHTYIPQKKGHCSYNRKPSAELVQDPSGGTKKVLQIKRLDDPELVNEKSNVDYRNGGATWNFPNGTTGLVKFRFRVVDGEQADDSGLQVSLTDRLFNACDSTTKDYALFTFPIRLKPAPHLLLGMKKVPFTPGAWHEISLLWQGGQAVVSLDGKKAGTLKMANKSPNGASYIHFISTGSQPDAGILLDTVNARVK
配列番号5-シアリダーゼ、Am1757-シグナル無しの野生型
QQKAAPVPEPEVVATPPADAGRGLIRVDSREIRHYSGTRKEPDYLVSRDNGKTWEMKAAPAGYPPNYGGIPKESPAIVRNPLTREFIRVQPIGGFVFLSRGGLDGKWLAVTNDGKLEEDWKDPEKRKNLKKLGGIMRTPVFVNKGRRVIVPFHNMGGGTKFHISDDGGLTWHVSRNGVTSPRHEARPPHQGVRWFNNAVEATVLEMKDGTLWALARTSQDQAWQAFSKDYGETWSKPEPSRFFGTLTMNTLGRLDDGTIVSLWTNTMALPENATAGNGTWEDVFTNRDSHHIAMSGDEGKTWYGFREIILDEHRNHPGYATLDGPEDRGKHQSEMVQLDKNRILISLGQHKNHRRLVIVDRRWVGAKTRATQTGKDLDSQWTIHTYIPQKKGHCSYNRKPSAELVQDPSGGTKKVLQIKRLDDPELVNEKSNVDYRNGGATWNFPNGTTGLVKFRFRVVDGEQADDSGLQVSLTDRLFNACDSTTKDYALFTFPIRLKPAPHLLLGMKKVPFTPGAWHEISLLWQGGQAVVSLDGKKAGTLKMANKSPNGASYIHFISTGSQPDAGILLDTVNARVK
配列番号6-シアリダーゼ、Am1757-追加のN末端メチオニン及びC末端リンカー+His6タグを有する(太字及び下線)

Figure 0007195008000004
配列番号7-S.オラリス野生型由来のO-グリコシダーゼ(下線はシグナル配列;太字下線はLPXTG細胞壁アンカーモチーフのC末端エレメント)

Figure 0007195008000005
配列番号8-シグナル配列が除去されたS.オラリス野生型由来のO-グリコシダーゼ(太字下線はLPXTG細胞壁アンカーモチーフのC末端エレメント)

Figure 0007195008000006
配列番号9-シグナル配列及びLPXTG細胞壁アンカーモチーフのC末端エレメントが両方除去されたS.オラリス野生型由来のO-グリコシダーゼ
DQARVGSTDNLPSELADLDKKASDEGHDFDKEAAAQNPGSAETTEGPQTEEELLAQEKEKSEKPSNLPKELEDKLEKAEDNGREVDKDQLAQDTGKLVPEDVAKTTNGELNYGATVKIKTPSGEGSGIVVAKDLVLTVSHNFIKDSQEGNIRKVVDNDQGDGDIYSISYPGLPDVKFSKKDIIHWDREGYLKGFKNDLALVRLRTVLENTPVEVTKKPVVKKIGDKLHVFGYPEGKLNPIVNTTVDFAEPYGEGVQGIGYQGGKPGASGGGIFDTEGKLVGVHQNGVVGKRSGGILFSPAQLKWIQDHMQGISSVKPADLEEKEKPAEEKPKEDKPAAAKPETPKAVTPEWQTVANKEQQGTVTIREEKGVRYNQLSSTAQNDNDGKPALFEKQGLTVDANGNATVDLTFKDDSEKGKSRFGVFLKFKDTKNNVFVGYDQGGWFWEYKTPGNSTWYKGNRVAAPEPGSVNRLSITLKSDGQLNASNNDVNLFDTVTLPGAVNENLKNEKKILLKAGTYSNDRTVVSVKTDNQEGVKADDTPAQKETGPAVDDSKVTYDTIQSKVLKAVIDQAFPRVKEYTLNGHTLPGQVQQFNQVFINNHRITPEVTYKKINETTAEYLMKLRDDAHLINAEMTVRLQVVDNQLHFDVTKIVNHNQVTPGQKIDDERKLLSTISFLGNALVSVSSDQAGAKFDGATMSNNTHVSGDDHIDVTNPMKDLAKGYMYGFVSTDKLAAGVWSNSQNSYGGGSNDWTRLTAYKETVGNANYVGIHSSEWQWEKAYKGIVFPEYTKELPSAKVVITEDANADNKVDWQDGAIAYRSIMNNPQGWEKVKDITAYRIAMNFGSQAQNPFLMTLDGIKKINLHTDGLGQGVLLKGYGSEGHDSGHLNYADIGKRIGGVEDFKTLIEKAKKYGAHLGIHVNASETYPESKYFNENILRKNPDGSYSYGWNWLDQGINIDAAYDLAHGRLARWEDLKKKLGEGLDFIYVDVWGNGQSGDNGAWATHVLAKEINKQGWRFAIEWGHGGEYDSTFQHWAADLTYGGYTNKGINSAITRFIRNHQKDSWVGDYRSYGGAANYPLLGGYSMKDFEGWQGRSDYNGYVTNLFAHDVMTKYFQHFTVSKWENGTPVTMTDNGSTYKWTPEMKVELVDAAGNKVVVTRKSNDVNSPQYRERTVTLNGRVIQDGSAYLTPWNWDANGKKLPTEKEKMYYFNTQAGATTWTLPSDWANSKVYLYKLTDQGKTEEQELTVTDGKITLDLLANQPYVLYRSKQTNPEMSWSEGMHIYDQGFNSGTLKHWTISGDASKAEIVKSQGANEMLRIQGNKSKVSLTQKLTGLKPNTKYAVYVGVDNRSNAKASITVNTGEKEVTTYTNKSLALNYIKAYAHNNRRENATVDDTSYFQNMYAFFTTGSDVSNVTLTLSREAGDEATYFDEIRTFENNSSMYGDKHDTGQGTFKQDFENVAQGIFPFVVGGVEGVEDNRTHLSEKHDPYTQRGWNGKKVDDVIEGNWSLKTNGLVSRRNLVYQTIPQNFRFEAGKTYRVTFEYEAGSDNTYAFVVGKGEFQSGRRGTQASNLEMHELPNTWTDSKKAKKVTFLVTGAETGDTWVGIYSTGNASNTRGDAGGNANFRGYNDFMMDNLQIEEITLTGKMLTENALKNYLPTVAMTNYTKESMDALKEAVFNLSQADDDISVEEARAEIAKIEALKNALVQKKTALVAEDFESLDAPAQPGEGLENAFDGNVSSLWHTSWNGGDVGKPATMVLKEPTEITGLRYVPRASDSNGNLRDVKLVVTDESGKEHTFNVTDWPNNNKPKDIDFGKTIKAKKIVLTGTKTYGDGGDKYQSAAELIFTRPQVAETPLDLSGYEAALAKAQKLTDKDNQEEVASVQASMKYATDNHLLTERMVAYFADYLNQLKDSATKPDAPTSSKGEEQPPVLDVPEFKGGVNATEAAVHEVPEFKGGVNAVQALVHELPEYKGGANAVLAAANEVPEYKGGANAVEALVNEKPAYTGVLATAGDQAAPTVEKPEYPLTPSPVADTKTPGAKDEEKLPA
配列番号10-追加のN末端Met、C末端GSGLE-His6tag(太字下線)を有し、シグナル配列及びLPXTG細胞壁アンカーモチーフのC末端エレメントが除去された、S.オラリス由来のO-グリコシダーゼ

Figure 0007195008000007
配列番号11-O-糖タンパク質特異的エンドプロテアーゼ
EVTVPDALKDRIALKKTARQLNIVYFLGSDTEPVPDYERRLSELLLYLQQFYGKEMQRHGYGARSFGLDIKSPGRVNIIEYKAKNPAAHYPYENGGGWKAAQELDEFFKAHPDRKKSQHTLIIMPTWNDEKNGPDNPGGVPFYGMGRNCFALDYPAFDIKHLGQKTREGRLLTKWYGGMAHELGHGLNLPHNHQTASDGKKYGTALMGSGNYTFGTSPTFLTPASCALLDACEVFSVTPSQQFYEGKPEVEVGDVAISFKGDQILVSGNYKSPQTVKALNVYIQDPPYAVNQDYDAVSFSRRLGKKSGKFSMKIDKKELEGLNNNEFRISLMFILANGLHMQKHFTFHWDALQDYRDGSKS
配列番号12-O-糖タンパク質特異的エンドプロテアーゼ(LS)
MEVTVPDALKDRIALKKTARQLNIVYFLGSDTEPVPDYERRLSELLLYLQQFYGKEMQRHGYGARSFGLDIKSPGRVNIIEYKAKNPAAHYPYENGGGWKAAQELDEFFKAHPDRKKSQHTLIIMPTWNDEKNGPDNPGGVPFYGMGRNCFALDYPAFDIKHLGQKTREGRLLTKWYGGMAHELGHGLNLPHNHQTASDGKKYGTALMGSGNYTFGTSPTFLTPASCALLDACEVFSVTPSQQFYEGKPEVEVGDVAISFKGDQILVSGNYKSPQTVKALNVYIQDPPYAVNQDYDAVSFSRRLGKKSGKFSMKIDKKELEGLNNNEFRISLMFILANGLHMQKHFTFHWDALQDYRDGSKSGSGHHHHHH
配列番号13-配列番号10をコード
ATGGACCAAGCGCGTGTGGGTAGCACCGATAACCTGCCGAGCGAGCTGGCGGATCTGGACAAGAAAGCGAGCGACGAAGGCCACGATTTTGACAAAGAGGCGGCGGCGCAGAACCCGGGTAGCGCGGAAACCACCGAAGGTCCGCAGACCGAGGAAGAGCTGCTGGCGCAAGAAAAAGAGAAGAGCGAGAAGCCGAGCAACCTGCCGAAAGAACTGGAGGATAAACTGGAAAAGGCGGAGGACAACGGTCGTGAAGTGGATAAAGACCAGCTGGCGCAAGACACCGGCAAGCTGGTGCCGGAGGATGTTGCGAAAACCACCAACGGTGAACTGAACTACGGCGCGACCGTTAAAATTAAGACCCCGAGCGGCGAGGGTAGCGGTATTGTGGTTGCGAAGGACCTGGTGCTGACCGTTAGCCACAACTTCATTAAGGATAGCCAGGAAGGTAATATCCGTAAAGTGGTTGATAACGACCAAGGCGATGGTGACATCTACAGCATTAGCTATCCGGGCCTGCCGGACGTTAAGTTCAGCAAGAAAGATATCATCCACTGGGACCGTGAGGGTTACCTGAAAGGCTTCAAGAACGATCTGGCGCTGGTGCGTCTGCGTACCGTTCTGGAAAACACCCCGGTTGAGGTGACCAAGAAACCGGTGGTTAAGAAAATTGGTGACAAGCTGCACGTGTTTGGTTATCCGGAGGGCAAACTGAACCCGATCGTGAACACCACCGTTGATTTCGCGGAACCGTACGGCGAGGGTGTTCAGGGCATTGGTTATCAAGGTGGCAAACCGGGCGCGAGCGGTGGCGGTATCTTTGACACCGAAGGCAAGCTGGTTGGCGTGCACCAGAACGGTGTGGTTGGCAAACGTAGCGGCGGTATTCTGTTCAGCCCGGCGCAACTGAAGTGGATTCAGGACCACATGCAAGGTATCAGCAGCGTGAAACCGGCGGATCTGGAAGAGAAAGAGAAGCCGGCGGAAGAGAAACCGAAGGAAGACAAGCCGGCGGCGGCGAAGCCGGAAACCCCGAAAGCGGTTACCCCGGAGTGGCAAACCGTGGCGAACAAGGAACAGCAAGGTACCGTTACCATCCGTGAAGAGAAAGGCGTGCGTTACAACCAGCTGAGCAGCACCGCGCAAAACGATAACGACGGCAAGCCGGCGCTGTTTGAGAAACAGGGTCTGACCGTTGACGCGAACGGCAACGCGACCGTGGATCTGACCTTCAAGGACGATAGCGAAAAAGGCAAGAGCCGTTTCGGCGTTTTTCTGAAATTCAAGGACACCAAAAACAACGTTTTTGTGGGTTACGATCAAGGCGGTTGGTTCTGGGAGTATAAGACCCCGGGTAACAGCACCTGGTACAAGGGTAACCGTGTGGCGGCGCCGGAACCGGGTAGCGTGAACCGTCTGAGCATTACCCTGAAAAGCGACGGCCAGCTGAACGCGAGCAACAACGATGTGAACCTGTTCGACACCGTTACCCTGCCGGGTGCGGTGAACGAAAACCTGAAGAACGAGAAGAAAATCCTGCTGAAAGCGGGCACCTACAGCAACGACCGTACCGTGGTTAGCGTTAAGACCGATAACCAGGAAGGTGTGAAAGCGGACGATACCCCGGCGCAAAAGGAAACCGGTCCGGCGGTGGACGATAGCAAGGTTACCTACGACACCATTCAGAGCAAAGTGCTGAAGGCGGTTATCGATCAAGCGTTTCCGCGTGTGAAAGAGTATACCCTGAACGGTCACACCCTGCCGGGTCAGGTTCAGCAATTTAACCAAGTGTTCATTAACAACCACCGTATCACCCCGGAAGTGACCTATAAGAAAATTAACGAAACCACCGCGGAGTACCTGATGAAGCTGCGTGACGATGCGCACCTGATCAACGCGGAAATGACCGTGCGTCTGCAGGTGGTTGATAACCAACTGCACTTCGACGTGACCAAAATTGTTAACCACAACCAGGTTACCCCGGGTCAAAAGATTGACGATGAGCGTAAACTGCTGAGCACCATCAGCTTTCTGGGCAACGCGCTGGTTAGCGTGAGCAGCGATCAAGCGGGTGCGAAGTTTGATGGTGCGACCATGAGCAACAACACCCACGTTAGCGGTGACGATCACATCGATGTGACCAACCCGATGAAAGACCTGGCGAAGGGTTACATGTATGGCTTTGTTAGCACCGACAAGCTGGCGGCGGGTGTGTGGAGCAACAGCCAAAACAGCTACGGCGGTGGCAGCAACGATTGGACCCGTCTGACCGCGTATAAAGAAACCGTTGGTAACGCGAACTACGTGGGCATTCACAGCAGCGAATGGCAGTGGGAGAAAGCGTACAAGGGTATCGTGTTCCCGGAATATACCAAGGAGCTGCCGAGCGCGAAAGTGGTTATCACCGAGGATGCGAACGCGGACAACAAAGTGGATTGGCAGGACGGTGCGATTGCGTACCGTAGCATCATGAACAACCCGCAAGGCTGGGAAAAAGTTAAGGACATTACCGCGTATCGTATCGCGATGAACTTTGGTAGCCAGGCGCAAAACCCGTTCCTGATGACCCTGGACGGCATCAAGAAAATTAACCTGCACACCGATGGCCTGGGTCAGGGCGTTCTGCTGAAGGGTTATGGTAGCGAGGGTCATGACAGCGGTCACCTGAACTACGCGGATATCGGTAAACGTATTGGTGGCGTGGAAGACTTTAAGACCCTGATTGAGAAAGCGAAGAAATACGGTGCGCACCTGGGCATCCACGTTAACGCGAGCGAAACCTACCCGGAGAGCAAGTATTTCAACGAAAACATTCTGCGTAAAAACCCGGACGGTAGCTACAGCTATGGCTGGAACTGGCTGGATCAGGGTATCAACATTGATGCGGCGTACGACCTGGCGCATGGCCGTCTGGCGCGTTGGGAGGACCTGAAGAAAAAGCTGGGTGAAGGCCTGGATTTTATCTATGTTGACGTGTGGGGTAACGGTCAGAGCGGTGATAACGGTGCGTGGGCGACCCATGTGCTGGCGAAAGAGATTAACAAGCAAGGTTGGCGTTTTGCGATCGAATGGGGCCACGGTGGCGAGTACGACAGCACCTTCCAGCACTGGGCGGCGGATCTGACCTACGGTGGCTATACCAACAAGGGTATCAACAGCGCGATTACCCGTTTCATCCGTAACCACCAGAAAGATAGCTGGGTTGGCGACTACCGTAGCTATGGTGGCGCGGCGAACTACCCGCTGCTGGGTGGCTATAGCATGAAGGACTTTGAGGGTTGGCAAGGCCGTAGCGATTACAACGGTTATGTTACCAACCTGTTCGCGCACGACGTGATGACCAAGTACTTTCAGCACTTCACCGTTAGCAAATGGGAAAACGGTACCCCGGTGACCATGACCGATAACGGCAGCACCTATAAGTGGACCCCGGAAATGAAAGTGGAGCTGGTTGACGCGGCGGGTAACAAGGTGGTTGTGACCCGTAAAAGCAACGATGTGAACAGCCCGCAGTACCGTGAGCGTACCGTTACCCTGAACGGTCGTGTGATCCAAGACGGCAGCGCGTATCTGACCCCGTGGAACTGGGATGCGAACGGTAAAAAGCTGCCGACCGAAAAAGAGAAGATGTACTATTTTAACACCCAAGCGGGTGCGACCACCTGGACCCTGCCGAGCGACTGGGCGAACAGCAAGGTTTACCTGTATAAACTGACCGATCAGGGCAAGACCGAGGAGCAAGAACTGACCGTGACCGATGGCAAAATTACCCTGGACCTGCTGGCGAACCAGCCGTACGTTCTGTATCGTAGCAAGCAAACCAACCCGGAAATGAGCTGGAGCGAGGGTATGCACATCTACGACCAAGGTTTCAACAGCGGCACCCTGAAACACTGGACCATTAGCGGCGATGCGAGCAAGGCGGAGATCGTGAAAAGCCAGGGTGCGAACGAAATGCTGCGTATCCAAGGCAACAAAAGCAAGGTTAGCCTGACCCAGAAGCTGACCGGTCTGAAACCGAACACCAAGTACGCGGTTTATGTGGGCGTTGACAACCGTAGCAACGCGAAAGCGAGCATTACCGTTAACACCGGTGAAAAAGAGGTGACCACCTACACCAACAAGAGCCTGGCGCTGAACTACATCAAAGCGTATGCGCACAACAACCGTCGTGAGAACGCGACCGTGGACGATACCAGCTACTTCCAGAACATGTATGCGTTCTTTACCACCGGTAGCGACGTGAGCAACGTTACCCTGACCCTGAGCCGTGAAGCGGGCGATGAGGCGACCTATTTTGACGAAATTCGTACCTTCGAGAACAACAGCAGCATGTACGGTGATAAGCACGACACCGGTCAGGGCACCTTTAAACAAGATTTCGAAAACGTTGCGCAAGGTATCTTCCCGTTTGTTGTGGGTGGCGTGGAAGGCGTTGAGGACAACCGTACCCACCTGAGCGAGAAGCACGATCCGTACACCCAGCGTGGTTGGAACGGCAAAAAGGTGGACGATGTTATTGAGGGTAACTGGAGCCTGAAAACCAACGGCCTGGTTAGCCGTCGTAACCTGGTGTACCAGACCATCCCGCAAAACTTCCGTTTTGAGGCGGGCAAGACCTACCGTGTGACCTTTGAATATGAGGCGGGCAGCGACAACACCTATGCGTTTGTTGTGGGTAAAGGCGAATTCCAGAGCGGTCGTCGTGGCACCCAAGCGAGCAACCTGGAAATGCACGAGCTGCCGAACACCTGGACCGATAGCAAAAAGGCGAAAAAGGTGACCTTCCTGGTTACCGGTGCGGAAACCGGTGACACCTGGGTGGGTATCTACAGCACCGGCAACGCGAGCAACACCCGTGGTGATGCGGGTGGCAACGCGAACTTTCGTGGCTATAACGATTTCATGATGGACAACCTGCAAATCGAAGAGATTACCCTGACCGGCAAGATGCTGACCGAAAACGCGCTGAAAAACTATCTGCCGACCGTTGCGATGACCAACTACACCAAGGAAAGCATGGACGCGCTGAAAGAGGCGGTTTTCAACCTGAGCCAGGCGGACGATGACATCAGCGTGGAAGAGGCGCGTGCGGAAATCGCGAAGATTGAGGCGCTGAAAAACGCGCTGGTTCAGAAAAAGACCGCGCTGGTTGCGGAAGATTTTGAGAGCCTGGATGCGCCGGCGCAACCGGGTGAAGGCCTGGAGAACGCGTTCGACGGTAACGTTAGCAGCCTGTGGCACACCAGCTGGAACGGTGGCGATGTTGGCAAGCCGGCGACCATGGTGCTGAAAGAACCGACCGAGATCACCGGTCTGCGTTATGTGCCGCGTGCGAGCGATAGCAACGGCAACCTGCGTGACGTTAAGCTGGTTGTGACCGATGAAAGCGGTAAAGAGCACACCTTTAACGTGACCGACTGGCCGAACAACAACAAACCGAAGGATATTGACTTCGGCAAAACCATTAAGGCGAAAAAGATCGTTCTGACCGGTACCAAGACCTACGGCGATGGTGGCGACAAATATCAGAGCGCGGCGGAGCTGATCTTTACCCGTCCGCAAGTGGCGGAAACCCCGCTGGATCTGAGCGGTTACGAAGCGGCGCTGGCGAAAGCGCAGAAGCTGACCGATAAGGACAACCAGGAAGAGGTGGCGAGCGTTCAAGCGAGCATGAAATATGCGACCGACAACCACCTGCTGACCGAACGTATGGTTGCGTACTTCGCGGATTATCTGAACCAACTGAAGGATAGCGCGACCAAACCGGATGCGCCGACCAGCAGCAAGGGTGAAGAACAGCCGCCGGTGCTGGATGTTCCGGAGTTTAAAGGTGGCGTGAACGCGACCGAGGCGGCGGTGCACGAAGTTCCGGAGTTCAAGGGTGGCGTGAACGCGGTTCAGGCGCTGGTTCACGAACTGCCGGAGTATAAAGGTGGCGCGAACGCGGTTCTGGCGGCGGCGAACGAAGTGCCGGAGTACAAGGGTGGCGCGAACGCGGTGGAAGCGCTGGTTAACGAGAAACCGGCGTATACCGGTGTTCTGGCGACCGCGGGCGACCAGGCGGCGCCGACCGTGGAAAAACCGGAGTACCCGCTGACCCCGAGCCCGGTTGCGGACACCAAAACCCCGGGTGCGAAAGATGAAGAGAAGCTGCCGGCGGGTAGCGGCCTCGAGCACCACCACCACCACCACTGA

Claims (20)

  1. 第1及び第2のシアリダーゼを含む組成物であって、
    第1のシアリダーゼが、配列番号2のアミノ酸配列を含むか、は配列番号2のアミノ酸配列からなるポリペプチドであり;及び
    第2のシアリダーゼが、配列番号5のアミノ酸配列を含むか、は配列番号5のアミノ酸配列からなるポリペプチドであり;並びに
    前記組成物が、配列番号9のアミノ酸配列を含むか、又は配列番号9のアミノ酸配列からなるO-グリコシダーゼを更に含む、組成物。
  2. 前記第1及び/又は第2のシアリダーゼが、N末端における追加のメチオニン及び/又はC末端におけるヒスチジンタグを含み、前記タグが、リンカーによってC末端に連結され得る、請求項1に記載の組成物。
  3. 糖タンパク質におけるシアル酸結合の90%超を加水分解することができる、請求項1又は請求項2に記載の組成物。
  4. 糖タンパク質がネイティブな非変性状態の糖タンパク質である、請求項3に記載の組成物。
  5. 列番号3のアミノ酸配列からなるシアリダーゼ及び配列番号6のアミノ酸配列からなるシアリダーゼを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 配列番号3のアミノ酸配列からなるシアリダーゼ及び配列番号6のアミノ酸配列からなるシアリダーゼが1:1比である、請求項5に記載の組成物。
  7. 前記第1のシアリダーゼ及び/は前記第2のシアリダーゼが、高度に精製又は単離された形態で存在する、請求項1~のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 前記組成物中の2つ以下のポリペプチドが、アッカーマンシア・ムシニフィラから得られたシアリダーゼである、請求項1~のいずれか一項に記載の組成物。
  9. -糖タンパク質特異的エンドプロテアーゼを更に含む、請求項1~のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 前記O-グリコシダーゼ及び/又はO-糖タンパク質特異的エンドプロテアーゼが高度に精製又は単離された形態で存在する、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 記O-グリコシダーゼが、配列番号10のアミノ酸配列からなる、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
  12. 前記O-糖タンパク質特異的エンドプロテアーゼが、配列番号11のアミノ酸配列を含むか、は配列番号11のアミノ酸配列からなるO-糖タンパク質特異的エンドプロテアーゼである、請求項9~11のいずれか一項に記載の組成物。
  13. 前記O-糖タンパク質特異的エンドプロテアーゼが、配列番号12のアミノ酸配列からなる、請求項12に記載の組成物。
  14. 糖タンパク質を改変する方法であって、前記糖タンパク質を含有するサンプルを請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物と接触させることを含、方法。
  15. 得られた生成物を分析する、請求項14に記載の方法。
  16. 前記得られた生成物が、分析され、前記分析が、前記生成物を分離及び/又は検出及び/又は単離することを含む、請求項14又は15に記載の方法。
  17. 前記分析が、SDS-PAGE、HPLC、レクチンブロッティング、ELISA、又は質量分析の手段により行われる、請求項16に記載の方法。
  18. 前記組成物が、請求項1~のいずれか一項に記載の組成物であり、前記方法が、前記糖タンパク質を前記組成物と接触させるのと同時に、そのに、又はその後に、前記サンプルをO-糖タンパク質特異的エンドプロテアーゼと接触させることを含む、請求項14~17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記組成物が、更にO-糖タンパク質特異的エンドプロテアーゼを含、請求項14又は15に記載の方法。
  20. 前記O-糖タンパク質特異的エンドプロテアーゼが、請求項12又は13に定義されたエンドプロテアーゼである、請求項19に記載の方法。
JP2019565188A 2017-05-26 2018-05-25 グリカン分析のための酵素 Active JP7195008B2 (ja)

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GB1708471.6 2017-05-26
GB1708476.5 2017-05-26
GBGB1708471.6A GB201708471D0 (en) 2017-05-26 2017-05-26 Polypeptide
GBGB1708476.5A GB201708476D0 (en) 2017-05-26 2017-05-26 Tools for glycan analysis
GBGB1806655.5A GB201806655D0 (en) 2018-04-24 2018-04-24 Polypeptide
GB1806655.5 2018-04-24
PCT/EP2018/063833 WO2018215657A1 (en) 2017-05-26 2018-05-25 Enzymes for glycan analysis

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2020522242A JP2020522242A (ja) 2020-07-30
JP2020522242A5 JP2020522242A5 (ja) 2021-07-26
JP7195008B2 true JP7195008B2 (ja) 2022-12-23

Family

ID=62492612

Family Applications (3)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019565188A Active JP7195008B2 (ja) 2017-05-26 2018-05-25 グリカン分析のための酵素
JP2019565178A Pending JP2020521460A (ja) 2017-05-26 2018-05-25 O−糖タンパク質のためのプロテアーゼ及び結合ポリペプチド
JP2023065981A Pending JP2023103233A (ja) 2017-05-26 2023-04-13 O-糖タンパク質のためのプロテアーゼ及び結合ポリペプチド

Family Applications After (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019565178A Pending JP2020521460A (ja) 2017-05-26 2018-05-25 O−糖タンパク質のためのプロテアーゼ及び結合ポリペプチド
JP2023065981A Pending JP2023103233A (ja) 2017-05-26 2023-04-13 O-糖タンパク質のためのプロテアーゼ及び結合ポリペプチド

Country Status (9)

Country Link
US (3) US11584922B2 (ja)
EP (2) EP3630968A1 (ja)
JP (3) JP7195008B2 (ja)
KR (2) KR102608876B1 (ja)
CN (2) CN111183220B (ja)
AU (2) AU2018272400A1 (ja)
CA (2) CA3063828A1 (ja)
IL (2) IL270950A (ja)
WO (2) WO2018215656A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11584922B2 (en) * 2017-05-26 2023-02-21 Genovis Ab Protease and binding polypeptide for O-glycoproteins
CN112795583A (zh) * 2020-11-16 2021-05-14 上海大学 重组唾液酸外切酶的制备方法、表达基因、重组表达载体及构建方法
WO2023114931A1 (en) * 2021-12-15 2023-06-22 Danisco Us Inc. Compositions and methods involving proteases specific for mannose-modified proteins

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6720165B2 (en) 2001-06-14 2004-04-13 Zyomix, Inc. Methods for making antibody fragments and compositions resulting therefrom
US7807174B2 (en) * 2002-11-22 2010-10-05 Nexbio, Inc. Class of therapeutic protein based molecules
GB0624874D0 (en) 2006-12-13 2007-01-24 Hansa Medical Ab Treatment
WO2009129086A2 (en) 2008-04-18 2009-10-22 New England Biolabs, Inc. Endoglycosidases that cleave o-linked glycans
EP2166085A1 (en) 2008-07-16 2010-03-24 Suomen Punainen Risti Veripalvelu Divalent modified cells
WO2010111690A2 (en) * 2009-03-27 2010-09-30 Life Technologies Corporation Polymerase compositions and methods
GB201115841D0 (en) 2011-09-13 2011-10-26 Genovis Ab Protein and method
GB201316744D0 (en) 2013-09-20 2013-11-06 Genovis Ab Method
WO2016003795A1 (en) 2014-07-02 2016-01-07 New England Biolabs, Inc. Universal n-glycan binding reagent
WO2017052433A1 (en) 2015-09-24 2017-03-30 Saab Ab A modular fluid actuator system
CA3013527C (en) 2016-02-04 2023-09-05 Genovis Ab New streptococcal proteases
US11584922B2 (en) * 2017-05-26 2023-02-21 Genovis Ab Protease and binding polypeptide for O-glycoproteins

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Carbohydrate Research,2015年,Vol.415,p.60-65
Journal of Visualized Experiments,2011年,Vol.58, e3749,p.1-5

Also Published As

Publication number Publication date
KR102609790B1 (ko) 2023-12-04
US11584922B2 (en) 2023-02-21
US20200172889A1 (en) 2020-06-04
EP3630968A1 (en) 2020-04-08
AU2018272984A1 (en) 2019-12-05
CN111183220B (zh) 2024-03-22
KR20200010322A (ko) 2020-01-30
CA3063815A1 (en) 2018-11-29
JP2020521460A (ja) 2020-07-27
IL270949A (en) 2020-01-30
US20230212543A1 (en) 2023-07-06
CN111183221A (zh) 2020-05-19
WO2018215657A1 (en) 2018-11-29
JP2020522242A (ja) 2020-07-30
JP2023103233A (ja) 2023-07-26
WO2018215657A9 (en) 2019-03-14
WO2018215656A9 (en) 2019-03-14
AU2018272400A1 (en) 2019-12-05
CN111183220A (zh) 2020-05-19
IL270950A (en) 2020-01-30
KR102608876B1 (ko) 2023-11-30
CN111183221B (zh) 2024-04-09
KR20200011955A (ko) 2020-02-04
WO2018215656A1 (en) 2018-11-29
EP3630967A1 (en) 2020-04-08
CA3063828A1 (en) 2018-11-29
US20200087643A1 (en) 2020-03-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102001427B1 (ko) 스트렙토코쿠스 피오게네스 유래의 엔도글리코시다아제 및 그의 이용방법
US11098298B2 (en) Method for recombinant production of horseshoe crab Factor C protein in protozoa
JP7195008B2 (ja) グリカン分析のための酵素
KR20150041790A (ko) 단백질 가수분해 처리된 폴리펩티드의 제조방법
JP4248900B2 (ja) 新規なフルクトシルアミンオキシダーゼをコードする遺伝子及びそれを用いての該フルクトシルアミンオキシダーゼの製造方法
Dahl et al. Carica papaya glutamine cyclotransferase belongs to a novel plant enzyme subfamily: cloning and characterization of the recombinant enzyme
He et al. High-level expression of human extracellular superoxide dismutase in Escherichia coli and insect cells
Takeshita et al. Determination of the complete cDNA sequence, construction of expression systems, and elucidation of fibrinolytic activity for Tapes japonica lysozyme
US20190225652A1 (en) Generation of peptides
Du et al. Secretory expression and characterization of the recombinant myofibril-bound serine proteinase of crucian carp (Carassius auratus) in Pichia pastoris
US9545431B1 (en) Isolated recombinant cDNA
Ogawa et al. The pro-form of Stereum purpureum endopolygalacturonase I is inactivated by a pro-sequence in the C-terminal region
JP2016052302A (ja) キモトリプシン様プロテアーゼ

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7426

Effective date: 20200409

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20200409

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210517

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210517

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220426

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220726

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221206

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7195008

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350