JP2016503190A - ハードコーティングされた偏光板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、ハードコーティングされた偏光板の製造方法に関し、より詳細には、(a)セルロース系樹脂フィルムの一面に、離型フィルムを接合する段階と;(b)上記離型フィルムが接合されたセルロース系樹脂フィルムをケン化する段階と;(c)上記セルロース系樹脂フィルムから離型フィルムを剥離する段階と;(d)上記ケン化されたセルロース系樹脂フィルムの表面に偏光子を接合する段階と;(e)上記セルロース系樹脂フィルムの離型フィルム剥離面にハードコーティング層形成用組成物を塗布し、塗布層を形成する段階と;(f)上記塗布層を硬化させてハードコーティング層を形成する段階とを含む。
Description
本発明は、ハードコーティングされた偏光板の製造方法に関する。
液晶表示装置(Liquid crystal display device、LCD)には、偏光子のような高価の光学フィルムが積層されており、偏光子は、液晶セルとの組み立て、接合工程、または運搬、流通過程で損傷されるかまたは汚染されることがある。
偏光子の微細な損傷と欠陥は、液晶表示装置の不良を惹起させるので、これを防止するために偏光子の表面に偏光子保護フィルムを積層して使用される。また、偏光子保護フィルムの硬度を向上させるために、保護フィルムの一面にハードコーティング層を形成して使用する。
ハードコーティング層が形成された偏光板を製造するための方法として、韓国登録特許第1,036,735号は、偏光子保護フィルムの一面にハードコーティング層形成用組成物を塗布して塗布層を形成した後、塗布層を光硬化する方法が開示されている。これは、ハードコーティング層を形成させるために当業界で通常的に利用している方法であって、このように製造された偏光子保護フィルムは、ケン化処理後に偏光子に接合して使用する。
一方、上記通常の製造方法を利用する場合、ハードコーティングフィルムの端部が巻き上がるカール(curl)現象が起きる。特に、硬度向上のために、ハードコーティング層の厚さを厚く形成する場合、カール現象は深くなる。これは、硬化段階で硬化収縮及び熱湿収縮が増加するからであるが、カールが発生すれば、保護フィルムと偏光子との接合が難しくなって、ひどい場合、クラックが発生する問題点がある。
また、偏光子との接着力を向上させるために、保護フィルムの表面にケン化処理を行う過程でハードコーティング層の表面までケン化される問題点がある。このようなハードコーティング層の損傷は、ハードコーティング層の接触角を落とし、耐擦傷性を落として、偏光板の品質を低下させる要因になる。
本発明の目的はハードコーティング層がケン化処理溶液によって損傷されず、ハードコーティング層の耐擦傷性及び硬度に優れていて、偏光子と偏光子保護フィルムとの接着力が向上したハードコーティングされた偏光板の製造方法を提供することにある。
本発明の目的を達成するために、(a)セルロース系樹脂フィルムの一面に、離型フィルムを接合する段階と;(b)上記離型フィルムが接合されたセルロース系樹脂フィルムをケン化する段階と;(c)上記セルロース系樹脂フィルムから離型フィルムを剥離する段階と;(d)上記ケン化されたセルロース系樹脂フィルム表面に偏光子を接合する段階と;(e)上記セルロース系樹脂フィルムの離型フィルム剥離面にハードコーティング層形成用組成物を塗布し、塗布層を形成する段階と;(f)上記塗布層を硬化させて、ハードコーティング層を形成する段階と;を含むことを特徴とするハードコーティングされた偏光板の製造方法を提供する。
上記(c)段階と(d)段階の手順を替えて、(d)段階後に(c)段階を実施することができる。
上記ハードコーティング層形成用組成物は、光硬化性透光性樹脂及び開始剤を含むことができるし、溶剤、抗酸化剤、UV吸収剤、光安定剤、レーベリング剤、界面活性剤、防汚剤よりなる群から選択される少なくとも1種をさらに含むことができる。
上記ハードコーティング層形成用組成物は、体積収縮率が5〜40%であることができる。
上記塗布層の厚さは、10〜30μmであることができる。
上記ハードコーティングされた偏光板の表面硬度は、4H以上であることができる。
本発明による防眩性ハードコーティングフィルムの製造方法は、保護フィルム上にハードコーティング層の形成時に保護フィルムにカールが発生しなくて、偏光子との接合が容易であり、接合力に優れ、偏光子と接合のために偏光子保護フィルム表面をケン化処理するとき、ハードコーティング層の表面に損傷が生じないため、耐擦傷性及び表面硬度に優れたハードコーティングされた偏光板を提供するという長所がある。
本発明のハードコーティングされた偏光板の製造方法は、(a)セルロース系樹脂フィルムの一面に、離型フィルムを接合する段階と;(b)上記離型フィルムが接合されたセルロース系樹脂フィルムをケン化する段階と;(c)上記セルロース系樹脂フィルムから離型フィルムを剥離する段階と;(d)上記ケン化されたセルロース系樹脂フィルムの表面に偏光子を接合する段階と;(e)上記セルロース系樹脂フィルムの離型フィルム剥離面にハードコーティング層形成用組成物を塗布し、塗布層を形成する段階と;(f)上記塗布層を硬化させてハードコーティング層を形成する段階とを含む。
以下、本発明をさらに詳細に説明するが、これは、本発明の説明のためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。
まず、(a)セルロース系樹脂フィルムの一面に、離型フィルムを接合する。
セルロース系樹脂は、セルロースと脂肪酸エステルよりなるものであって、具体的な例としては、セルローストリアセテート樹脂、セルロースジアセテート樹脂、セルローストリプロピオネート樹脂、セルロースジプロピオネート樹脂などが挙げられ、これらのうち透明性、接合性に優れたセルローストリアセテート(トリアセチルセルロース)樹脂が好ましい。
セルロース系樹脂は、セルロースと脂肪酸エステルよりなるものであって、具体的な例としては、セルローストリアセテート樹脂、セルロースジアセテート樹脂、セルローストリプロピオネート樹脂、セルロースジプロピオネート樹脂などが挙げられ、これらのうち透明性、接合性に優れたセルローストリアセテート(トリアセチルセルロース)樹脂が好ましい。
セルロース系樹脂フィルムの厚さは、30〜100μmであることができ、より好ましくは、40〜80μmであることができる。
離型フィルムは、当該業界で通常的に使用されるフィルムなら、その種類が特に制限されない。
具体的な例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体などのポリオレフィン系フィルム;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系フィルム;ポリアクリレート系フィルム;ポリスチレン系フィルム;ナイロン6、部分芳香族ポリアミドなどのポリアミド系フィルム;ポリ塩化ビニルフィルム;ポリ塩化ビニリデンフィルム;またはポリカーボネートフィルムなどを使用することができる。また、これらは、シリコン系、フッ素系、シリカ粉末などのような離型剤に適切に離型処理して使用することができる。
次に、(b)離型フィルムが接合されたセルロース系樹脂フィルムをケン化する。
ケン化は、セルロース系樹脂フィルムと偏光子との接着性を高めるためのものであって、本発明は、上記のように、セルロース系樹脂フィルムの一面に離型フィルムが接合された状態でケン化が進行されるので、セルロース系樹脂フィルムの他の一面だけをケン化させることができる。また、ケン化時にセルロース系フィルムにハードコーティング層が形成されていないため、従来の方法とは異なって、ハードコーティング層がケン化処理溶液によって損傷されるおそれがない。
ケン化は、セルロース系樹脂フィルムと偏光子との接着性を高めるためのものであって、本発明は、上記のように、セルロース系樹脂フィルムの一面に離型フィルムが接合された状態でケン化が進行されるので、セルロース系樹脂フィルムの他の一面だけをケン化させることができる。また、ケン化時にセルロース系フィルムにハードコーティング層が形成されていないため、従来の方法とは異なって、ハードコーティング層がケン化処理溶液によって損傷されるおそれがない。
次に、(c)上記セルロース系樹脂フィルムから離型フィルムを剥離する。
離型フィルムは、ケン化段階でセルロース系樹脂フィルムの一面を保護するために使用されたものであって、ケン化段階後に離型フィルムを剥離して除去する。離型フィルムを付着する目的を考慮するとき、(c)段階と(d)段階の手順を替えて、(d)段階後に(c)段階を実施しても構わない。
離型フィルムは、ケン化段階でセルロース系樹脂フィルムの一面を保護するために使用されたものであって、ケン化段階後に離型フィルムを剥離して除去する。離型フィルムを付着する目的を考慮するとき、(c)段階と(d)段階の手順を替えて、(d)段階後に(c)段階を実施しても構わない。
次に、(d)上記ケン化されたセルロース系樹脂フィルム表面に偏光子を接合する。
従来、セルロース系樹脂フィルムの表面にハードコーティング層を形成した後、偏光子を接合した場合、ハードコーティング層形成用組成物の硬化時に硬化収縮によってフィルムにカールが発生する問題があり、接合に容易ではなかった。しかし、本発明の場合、ハードコーティング層の形成前に、偏光子とセルロース系樹脂フィルムを接着するので、接着に困難がない。
従来、セルロース系樹脂フィルムの表面にハードコーティング層を形成した後、偏光子を接合した場合、ハードコーティング層形成用組成物の硬化時に硬化収縮によってフィルムにカールが発生する問題があり、接合に容易ではなかった。しかし、本発明の場合、ハードコーティング層の形成前に、偏光子とセルロース系樹脂フィルムを接着するので、接着に困難がない。
次に、(e)上記セルロース系樹脂フィルムの離型フィルムの剥離面にハードコーティング層形成用組成物を塗布し、塗布層を形成する。
上記ハードコーティング層形成用組成物は、光硬化性透光性樹脂及び開始剤を含むことができ、溶剤、抗酸化剤、UV吸収剤、光安定剤、レーベリング剤、界面活性剤、防汚剤よりなる群から選択される少なくとも1種をさらに含むことができる。
上記透光性樹脂は、光硬化型(メタ)アクリレートオリゴマー、モノマーを含むことができ、それぞれ単独でまたは二つ以上を組み合わせて使用することができる。
光硬化型(メタ)アクリレートオリゴマーは、例えば、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートなどを使用することができ、そのうちウレタン(メタ)アクリレートを使用することがより好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートは、分子内にヒドロキシ基を有する多官能(メタ)アクリレートとイソシアネート基を有する化合物を触媒の存在下で製造することができる。
分子内ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシイソプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン開環ヒドロキシアクリレート、ペンタエリスリトールトリ/テトラ(メタ)アクリレート混合物及びジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサ(メタ)アクリレート混合物よりなる群から選択される1種以上を使用することができる。
分子内にイソシアネート基を有する化合物としては、1、4−ジイソシアナトブタン、1、6−ジイソシアナトヘキサン、1、8−ジイソシアナトオクタン、1、12−ジイソシアナトドデカン、1、5−ジイソシアナト−2−メチルペンタン、トリメチル−1、6−ジイソシアナトヘキサン、1、3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、トランス−1、4−シクロヘキセンジイソシアネート、4、4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、トルエン−2、4−ジイソシアネート、トルエン−2、6−ジイソシアネート、キシレン−1、4−ジイソシアネート、テトラメチルキシレン−1、3−ジイソシアネート、1−クロロメチル−2、4−ジイソシアネート、4、4’−メチレンビス(2、6−ジメチルフェニルイソシアネート)、4、4’−オキシビス(フェニルイソシアネート)、ヘキサメチレンジイソシアネートから誘導される3官能イソシアネート、及びトリメタンプロパノール付加体トルエンジイソシアネートよりなる群から選択される1種以上を使用することができる。
モノマーは、通常的に使用するものを使用することができ、光硬化型官能基として、例えば(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基などの不飽和基を有するものを使用することができ、そのうち、(メタ)アクリロイル基を使用することがより好ましい。
(メタ)アクリロイル基を有するモノマーは、ネオペンチルグリコールアクリレート、1、6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、1、2、4−シクロヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサトリ(メタ)アクリレート、ビス(2−ハイドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、ハイドロキシエチル(メタ)アクリレート、ハイドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ハイドロキシブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソ−デキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、テトラハイドロフルフリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルネオール(メタ)アクリレートよりなる群から選択された1種以上を使用することができる。
上記開始剤は、当該技術分野で使用されるものを制限なしに使用することができ、具体的に、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]2−モルホリンプロパノン−1、ジフェニルケトンベンジルジメチルケタル、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−オン、4−ヒドロキシシクロフェニルケトン、ジメトキシ−2−フェニルアテトフェノン、アントラキノン、フルオレン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロアセトフェノン、4、4−ジメトキシアセトフェノン、4、4−ジアミノ−ベンゾフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及びベンゾフェノンよりなる群から選択された少なくとも一つを使用することができる
開始剤は、ハードコーティング層形成用組成物全体100重量部に対して0.1〜10重量部であることが好ましい。開始剤の含量が0.1重量部未満の場合、硬化速度が遅くなることがあり、10重量部を超過する場合、防眩性ハードコーティング層の過硬化によりクラックが発生することがある。
溶剤は、本技術分野においてコーティング層形成用組成物の溶剤として知られたものなら制限されずに使用することができ、具体的に、アルコール系(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブなど)、ケトン系(メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、シクロヘキサノンなど)、ヘキサン系(ヘキサン、ヘプタン、オクタンなど)、ベンゼン系(ベンゼン、トルエン、キシレンなど)よりなる群から選択された少なくとも一つを使用することができる。
溶剤は、防眩性ハードコーティング層形成用組成物全体100重量部に対して10〜95重量部が含まれることができる。上記溶剤が上記基準で10重量部未満なら、粘度が高くて、作業性が劣ることがあり、95重量部を超過する場合には、乾燥過程で時間が多くかかり、経済性が劣ることがある。
上記ハードコーティング層形成用組成物の塗布方法は、特に制限されず、ダイコーター、エアナイフ、リバースロール、ブレード、キャスティング及びグラビアなどを利用することができる。
塗布後、必要に応じて乾燥段階を行うことができ、乾燥方法としては、自然乾燥、エア乾燥、加熱乾燥などの方法を利用することができ、一般的に加熱乾燥が好ましく利用される。例えば、20〜80℃で1〜10分間加熱乾燥することができる。
塗布層の厚さは、通常、500μm以下であることができ、好ましくは、1〜300μm、より好ましくは、10〜30μmであることができる。塗布層の厚さが10μm未満の場合、硬度が充分に高くないことがあり、30μm超過の場合、ハードコーティング層形成用組成物の塗布層が硬化しながらカールが発生することができる。このようなカールの発生は、偏光子と既に接着した後に発生するので、偏光子との接着に問題にならないが、偏光板の品質を低下させる要因になることができる。
本発明のハードコーティングされた偏光板の構造は、特に制限されず、偏光子の片面には、上記ハードコーティングされた保護フィルムが積層され、他の片面には、必要な光学特性を満足させることができる様々な種類の光学層が積層されることができる。
例えば、偏光子の片面には、上記保護フィルムが積層され、偏光子の他の片面または通常の保護フィルム上にハードコーティング層以外に反射防止層、粘着防止層、拡散防止層、眩しさ防止層などの表面処理層が積層されることができる。また、偏光子の少なくとも片面または保護フィルム上に視野角を補償する配向液晶層または他の機能性膜が積層されることができる。また、状況によって、偏光子の両面にすべて積層されることができる。
以下、本発明を下記の実施例及び比較例によって具体的に説明する。下記の実施例は、本発明の具体的な一部の例示に過ぎず、本発明の保護範囲を限定するかまたは制限しようとするものではない。
実施例1
(a)厚さが80μmであるトリアセチルセルロース(TAC)フィルムの一面にシリコン離型フィルム(リンテック、商品名PET3811)を接合させ、(b)離型フィルムが積層されたトリアセチルセルロース(TAC)フィルムを5N濃度のKOH水溶液に30秒間浸漬し、離型フィルムが接合されない面にケン化を実施した後、80度オーブンで2分間乾燥し、水分を除去した。(c)離型フィルムをトリアセチルセルロース(TAC)フィルムから剥離した後、(d)ケン化されたトリアセチルセルロースフィルムの他の一面に変性ポリビニルアルコール系接着剤を使用してPVA偏光子を接合した。
(a)厚さが80μmであるトリアセチルセルロース(TAC)フィルムの一面にシリコン離型フィルム(リンテック、商品名PET3811)を接合させ、(b)離型フィルムが積層されたトリアセチルセルロース(TAC)フィルムを5N濃度のKOH水溶液に30秒間浸漬し、離型フィルムが接合されない面にケン化を実施した後、80度オーブンで2分間乾燥し、水分を除去した。(c)離型フィルムをトリアセチルセルロース(TAC)フィルムから剥離した後、(d)ケン化されたトリアセチルセルロースフィルムの他の一面に変性ポリビニルアルコール系接着剤を使用してPVA偏光子を接合した。
(e)ウレタンアクリレート(ミウォン商社、MU9500製品)10重量部、ペンタエリスリトールトリアクリレート(ミウォン商社、M340製品)10重量部、ナノシリカゾル(触媒化成社、V8802(12nm、固形分40%))50重量部、メチルエチルケトン(大井化金社)20重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル(大井化金社)7重量部、光開始剤(シバ社、I−184製品)2.5重量部、レーベリング剤(BYKケミ社、BYK3570製品)0.5重量部を含むハードコーティング層形成用組成物をPP材質のフィルターを利用して濾過した後、上記トリアセチルセルロース(TAC)フィルムの他の一面に10μm厚さで塗布し、これを70℃で2分間乾燥した。
次に、(f)離型フィルムが接合された塗布層を積算光量が500mJ/cm2となるようにUVを照射して硬化させ、ハードコーティングされた偏光板を形成した。
実施例2
実施例1において、塗布層の厚さが20μmであることを除いて、実施例1と同一の方法にハードコーティングされた偏光板を製造した。
実施例1において、塗布層の厚さが20μmであることを除いて、実施例1と同一の方法にハードコーティングされた偏光板を製造した。
実施例3
実施例1において、塗布層の厚さが30μmであることを除いて、実施例1と同一の方法にハードコーティングされた偏光板を製造した。
実施例1において、塗布層の厚さが30μmであることを除いて、実施例1と同一の方法にハードコーティングされた偏光板を製造した。
実施例4
実施例1において、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムの厚さが40μmであることを除いて、実施例1と同一の方法にハードコーティングされた偏光板を製造した。
実施例1において、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムの厚さが40μmであることを除いて、実施例1と同一の方法にハードコーティングされた偏光板を製造した。
実施例5
実施例1において、(c)段階と(d)段階の手順を替えて、(d)段階後に(c)段階を実施すること以外には、実施例1と同一の方法でハードコーティングされた偏光板を製造した。
実施例1において、(c)段階と(d)段階の手順を替えて、(d)段階後に(c)段階を実施すること以外には、実施例1と同一の方法でハードコーティングされた偏光板を製造した。
比較例1
実施例2において、(a)段階及び(c)段階を実施しないこと(離型フィルムが塗布層に接合されない状態でケン化段階を実施)以外には、実施例2と同一の方法でハードコーティングされた偏光板を製造した。
実施例2において、(a)段階及び(c)段階を実施しないこと(離型フィルムが塗布層に接合されない状態でケン化段階を実施)以外には、実施例2と同一の方法でハードコーティングされた偏光板を製造した。
比較例2
実施例2において、(g)段階を(f)段階の次に実施(ハードコーティング層の形成後に偏光子付着段階実施)すること以外には、実施例2と同一の方法でハードコーティングされた偏光板を製造した。
実施例2において、(g)段階を(f)段階の次に実施(ハードコーティング層の形成後に偏光子付着段階実施)すること以外には、実施例2と同一の方法でハードコーティングされた偏光板を製造した。
実験例
上記実施例及び比較例で製造した防眩性ハードコーティングフィルムの物性を下記のような方法で測定し、その結果を表1に示した。測定法及び評価方法は、次の通りである。
上記実施例及び比較例で製造した防眩性ハードコーティングフィルムの物性を下記のような方法で測定し、その結果を表1に示した。測定法及び評価方法は、次の通りである。
(1)鉛筆硬度評価
JIS K5600に基づいて、Pencil Hardness Tester(鉛筆硬度器、SUKBO科学)を利用して測定した。荷重500g、45゜角度で鉛筆を固定させた後、表面を鉛筆硬度別に掻いて、目視で掻かれるか否かを判断した。
JIS K5600に基づいて、Pencil Hardness Tester(鉛筆硬度器、SUKBO科学)を利用して測定した。荷重500g、45゜角度で鉛筆を固定させた後、表面を鉛筆硬度別に掻いて、目視で掻かれるか否かを判断した。
(2)耐擦傷性評価
摩擦試験機器(rubbing tester、KPD−301、KIPAE社)に鉄綿を装着した後、1kgの荷重で10回往復させて発生するスクラッチ個数を評価した。
−評価方法−
A:0〜10個
B:11〜20個
C:20個以上
摩擦試験機器(rubbing tester、KPD−301、KIPAE社)に鉄綿を装着した後、1kgの荷重で10回往復させて発生するスクラッチ個数を評価した。
−評価方法−
A:0〜10個
B:11〜20個
C:20個以上
(3)カール発生程度評価
A4サイズ(29.7×21.0cm)の正方形の形状に切断した試料を平坦なガラス板上に、フィルムの塗布された面を上方に置いて、4角のガラス板からの離れた距離を25℃、50%RHで測定し、平均値を測定値にした。
−評価方法−
非常に良好:0〜15mm
良好:15〜30mm
不良:30〜50mm
非常に不良:50mm以上
A4サイズ(29.7×21.0cm)の正方形の形状に切断した試料を平坦なガラス板上に、フィルムの塗布された面を上方に置いて、4角のガラス板からの離れた距離を25℃、50%RHで測定し、平均値を測定値にした。
−評価方法−
非常に良好:0〜15mm
良好:15〜30mm
不良:30〜50mm
非常に不良:50mm以上
(4)密着性評価
ハードコーティングされた偏光フィルムのハードコーティング面に1mm間隔で横縦それぞれ11個の線を引いて、1mm×1mmサイズの四角形100個を作った。本格子にニチバンテープを張ってから45゜方向にテープを剥離し、下記の表に[(剥離されない四角形の数)/100]の形態で記載した。この際、剥離されない四角形の数が多いほど、密着性に優れている。
ハードコーティングされた偏光フィルムのハードコーティング面に1mm間隔で横縦それぞれ11個の線を引いて、1mm×1mmサイズの四角形100個を作った。本格子にニチバンテープを張ってから45゜方向にテープを剥離し、下記の表に[(剥離されない四角形の数)/100]の形態で記載した。この際、剥離されない四角形の数が多いほど、密着性に優れている。
上記表1から明らかなように、本発明による実施例の場合、ハードコーティング層の鉛筆硬度が高くて、耐擦傷性に優れていることを確認することができた。また、ハードコーティング層形成用組成物の硬化後、少しのカールが発生するが、硬化に起因してカールが発生する前に偏光子保護フィルムと偏光子を付着するので、カールの発生による偏光板と付着の困難がなかった。
Claims (7)
- (a)セルロース系樹脂フィルムの一面に、離型フィルムを接合する段階と;
(b)前記離型フィルムが接合されたセルロース系樹脂フィルムをケン化する段階と;
(c)前記セルロース系樹脂フィルムから離型フィルムを剥離する段階と;
(d)前記ケン化されたセルロース系樹脂フィルムの表面に偏光子を接合する段階と;
(e)前記セルロース系樹脂フィルムの離型フィルム剥離面にハードコーティング層形成用組成物を塗布し、塗布層を形成する段階と;
(f)前記塗布層を硬化させてハードコーティング層を形成する段階と;
を含むことを特徴とするハードコーティングされた偏光板の製造方法。 - 前記(c)段階と(d)段階の手順を替えて、(d)段階後に(c)段階を実施することを特徴とする請求項1に記載のハードコーティングされた偏光板の製造方法。
- 前記ハードコーティング層形成用組成物は、光硬化性透光性樹脂及び開始剤を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のハードコーティングされた偏光板の製造方法。
- 前記ハードコーティング層形成用組成物は、溶剤、抗酸化剤、UV吸収剤、光安定剤、レーベリング剤、界面活性剤、防汚剤よりなる群から選択される少なくとも1種をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載のハードコーティングされた偏光板の製造方法。
- 前記ハードコーティング層形成用組成物は、体積収縮率が5〜40%であることを特徴とする請求項3に記載のハードコーティングされた偏光板の製造方法。
- 前記塗布層の厚さは、10〜30μmであることを特徴とする請求項1または2に記載のハードコーティングされた偏光板の製造方法。
- 前記ハードコーティングされた偏光板の表面硬度は、4H以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のハードコーティングされた偏光板の製造方法。
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