JP2016503111A - 電気絶縁性を有する伝熱流体 - Google Patents
電気絶縁性を有する伝熱流体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2016503111A JP2016503111A JP2015551146A JP2015551146A JP2016503111A JP 2016503111 A JP2016503111 A JP 2016503111A JP 2015551146 A JP2015551146 A JP 2015551146A JP 2015551146 A JP2015551146 A JP 2015551146A JP 2016503111 A JP2016503111 A JP 2016503111A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- liquid composition
- group
- mixture
- composition according
- formula
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F220/00—Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical or a salt, anhydride ester, amide, imide or nitrile thereof
- C08F220/02—Monocarboxylic acids having less than ten carbon atoms; Derivatives thereof
- C08F220/10—Esters
- C08F220/12—Esters of monohydric alcohols or phenols
- C08F220/16—Esters of monohydric alcohols or phenols of phenols or of alcohols containing two or more carbon atoms
- C08F220/18—Esters of monohydric alcohols or phenols of phenols or of alcohols containing two or more carbon atoms with acrylic or methacrylic acids
- C08F220/1812—C12-(meth)acrylate, e.g. lauryl (meth)acrylate
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F220/00—Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical or a salt, anhydride ester, amide, imide or nitrile thereof
- C08F220/02—Monocarboxylic acids having less than ten carbon atoms; Derivatives thereof
- C08F220/10—Esters
- C08F220/12—Esters of monohydric alcohols or phenols
- C08F220/16—Esters of monohydric alcohols or phenols of phenols or of alcohols containing two or more carbon atoms
- C08F220/18—Esters of monohydric alcohols or phenols of phenols or of alcohols containing two or more carbon atoms with acrylic or methacrylic acids
- C08F220/1818—C13or longer chain (meth)acrylate, e.g. stearyl (meth)acrylate
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C09—DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- C09K—MATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
- C09K5/00—Heat-transfer, heat-exchange or heat-storage materials, e.g. refrigerants; Materials for the production of heat or cold by chemical reactions other than by combustion
- C09K5/08—Materials not undergoing a change of physical state when used
- C09K5/10—Liquid materials
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Combustion & Propulsion (AREA)
- Thermal Sciences (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Lubricants (AREA)
Abstract
本発明は、伝熱流体としての液体組成物の使用に関し、当該液体組成物が、少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマー又はエチレン性不飽和モノマーの混合物から誘導されるポリマーを含むことを特徴とする。好ましくは、前記液体組成物は、電装品用の伝熱流体として使用される。
Description
本発明は、安全上の理由で非導電流体が必要とされる電池システム又は他の適用における伝熱流体としての、エチレン性不飽和モノマーのポリマーを含む液体組成物の使用に関する。
近年、エネルギー不足や環境問題は技術進歩に大きな影響を与えている。環境意識の向上は、特に、自動車産業において、いわゆるグリーンテクノロジーに対する関心の増大をもたらしている。再生可能エネルギー源による燃料方式の低公害車、例えば、純電気自動車(EVs)、ハイブリッド電気自動車(HEVs)及び燃料電池自動車の需要が次第により顕著になり、今後20年の間に増大すると予想されている。そのような自動車のエネルギーは、高い比エネルギー密度を有する電池に供給かつ貯蔵される。様々な電池がEVsやHEVsに利用可能であり、例えば、鉛蓄電池、亜鉛/ハロゲン電池、金属/空気電池、ナトリウム−β(sodium-beta)電池、ニッケル金属水素化物(Ni−MH)電池及びリチウムイオン(Liイオン)電池が挙げられる。
電気自動車の性能を向上させるためには、高い電流放電を有する大規模な電池が要求される。サイズ及び電力出力に依って、これら大規模な電池は、高い電流レベルでの急速な充電及び放電サイクル中に大きな熱量を生じる。それ故、電池の故障の回避や電池の長寿命化のために、電池は、冷却や放熱により熱的に管理させる必要がある。
更に、電池の性能は温度依存性である。型に応じて、電池は特定の温度範囲内でのみ最適に機能する。したがって、適切な熱管理により、電池の性能を最適にすることが可能となる。
今日において、空気ベースと流体ベースの両方の冷却システムが使用されている(Rao and Wang, Renewable Sustainable Energy Reviews 15(2011),4554-4571)。しかしながら、空気ベースのファン冷却による熱管理システムは、その構造簡易性にもかかわらず、効果が乏しいことが判明している。液体ベースの熱管理システムは、高い熱伝導容量を提供するため、現在ではより一般的なものである。
様々なタイプの液体が、液体ベースの熱管理システムのために研究されてきた。US4,007,315(Varta Batterie AG, 1977)には、電解質中に浸漬された冷却要素を利用した多重セル型電池の冷却システムが開示されている。US3,834,945(Elta Corp., 1973)には、水冷式の産業用電池が示されている。
水は、容易に入手可能でかつ高い熱容量を有するため、冷却流体として長く知られておりかつ一般的なものであった。作動温度の範囲を広げるため、水とエチレングリコール又はプロピレングリコールとの混合物も報告されている(Salem and Urciuoli,「Power Module Cooling for Future Electric Vehicle Applications」, Proceedings of the 25th US Army Science Conference 2006)。
しかしながら、電池の安全性は、EVs適用に関して欠かせない問題であり、かつ水ベースの溶液は導電性であるため、非導電性(電気絶縁性)の熱媒液を使用することは最も重要である。
電池の熱管理のための非導電性の液体の使用は既に報告されている。WO2010/076451 A1(Renault,2008)には、空気調和システムにおいても使用されている冷媒流体を使用することによるEVs又はHEVs中の電池を冷却する装置が記載されている。WO2011/113851 A1(Shell International Research,2010)には、ハイブリッド車の運動エネルギー回生システム(Kinetic Energy Recovery System)における電池のための冷却流体及び/又は電気絶縁性流体として、潤滑剤の使用が示されている。特に、WO2011/113851 A1には、冷却流体として、市販されているサーマルオイルと比較して高い比熱容量を有するポリアルファオレフィン(PAO)ベースの合成潤滑剤を使用することが開示されている。
電気絶縁性の液体は、変圧器油、重電機器におけるサーマルオイル、静電式電池、コンピューターサーバー、ワイヤー及びケーブル用の冷却液体を含む他の電気器具における熱管理のための流体として使用されていてもよいが、これらに限定されるものではない。例えば、いくつかの先行技術文献には、コンピューター用冷却装置中でのそのような液体の使用が記載されている(例えば、US4,644,443、US6,708,515、US7,284,389参照)。
したがって、本発明は、特に電装品用の、冷却流体として使用するための電気絶縁性液体を提供することを目的とする。電気絶縁性液体は、高い比熱容量を有するべきであり、特に、高電力の電池のための熱管理システムにおける使用に適しているべきである。更に、電気絶縁性液体は、環境に対して非有毒又は非有害であるべきである。
本発明では、驚くべきことに、エチレン性不飽和モノマーのポリマーを含む液体組成物は、電池及び他の電装品用の非導電性の熱管理流体として使用できることが見出された。
したがって、本発明は、伝熱流体としての液体組成物の使用に関するものであって、液体組成物は、少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマー又はエチレン性不飽和モノマーの混合物から誘導されるポリマーを含むことを特徴とする。好ましくは、液体組成物は電装品における伝熱流体として使用される。
本発明による液体組成物は、好ましくは電装品、例えば、電池、電動機、変圧器、電力変換装置、電解コンデンサ、流体伝送路、流体パワーケーブル及びコンピューター等の電装品用の伝熱流体として使用され得る。
本発明の液体組成物は、高い比熱容量、すなわち、ASTM E 1269に従い、40℃で測定して、少なくとも1.80kJ/kg/K、より好ましくは少なくとも1.9kJ/kg/Kの比熱容量を有する。更に好ましくは、本発明の液体組成物は、ASTM E 1269に従い、20℃〜100℃の温度の間、特に40℃、60℃及び100℃で測定して、少なくとも1.80kJ/kg/K、より好ましくは1.9kJ/kg/Kの比熱容量を有する。
本発明において使用されるポリマーは、低い密度、好ましくは、ASTM D 445に従い、100℃で測定して100mm2/s未満、より好ましくは25mm2/s未満、最も好ましくは15mm2/s未満の動粘度を有する。
好ましい態様において、エチレン性不飽和モノマーは、式(I)
[式中、
R1及びR2は、独立して、水素原子又は式−COOR5の基を表し、
R3は、水素原子又はメチル基を表し、
R4は、C1〜C30アルキル基、C2〜C30アルケニル基、C2〜C30アルキニル基又はC3〜C30シクロアルキル基を表し、かつ
R5は、水素原子、C1〜C30アルキル基、C2〜C30アルケニル基又はC2〜C30アルキニル基を表す]で示される化合物である。
R1及びR2は、独立して、水素原子又は式−COOR5の基を表し、
R3は、水素原子又はメチル基を表し、
R4は、C1〜C30アルキル基、C2〜C30アルケニル基、C2〜C30アルキニル基又はC3〜C30シクロアルキル基を表し、かつ
R5は、水素原子、C1〜C30アルキル基、C2〜C30アルケニル基又はC2〜C30アルキニル基を表す]で示される化合物である。
特に好ましい態様において、R1及びR2は、水素原子を表し、R3は、水素原子又はメチル基を表し、かつR4は、C1〜C30アルキル基、好ましくはC6〜C18アルキル基、更に好ましくはC10〜C15アルキル基を表す。
本発明の文脈上、これらの好ましい化合物は、「Cn(メタ)アクリル酸エステル」又は「Cn(メタ)アクリレート」とも称され、R1及びR2は水素原子を表し、R3は、水素原子又はメチル基を表し、かつR4はCnアルキル基を表す式(I)で示される化合物を指す。
本発明の文脈上、「(メタ)アクリル」の用語は、アクリル又はメタアクリルのいずれか、又はアクリルとメタアクリルの混合物を指す。それに応じて、「(メタ)アクリレート」の用語は、アクリレート又はメタアクリレートのいずれか、又はアクリレートとメタアクリレートの混合物を指す。
R4が、直鎖のアルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を表す場合、ポリマー組成物の粘度が更に減少され得ることが判明した。したがって、R4は、直鎖のアルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を表すことが特に好ましい。
式(I)で示される化合物は、これらの直線性の程度に基づいて特徴付けされ得る。本発明の文脈上、「直線性の程度」の用語は、式(I)による(メタ)アクリル酸エステルの全質量に対する、置換基R4として直鎖のアルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を有する式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステルの量を指す。好ましくは、本発明のポリマーは、少なくとも30%、好ましくは少なくとも70%、最も好ましくは100%の直線性の程度を有する式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステルから誘導される。このことは、式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステルの全質量に対して、少なくとも30質量%、好ましくは少なくとも70質量%、最も好ましくは100質量%の式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステルが、置換基R4として直鎖のアルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を有することを意味する。
式(I)の化合物の例には、メチル−(メタ)アクリレート、エチル−(メタ)アクリレート、n−プロピル−(メタ)アクリレート、イソプロピル−(メタ)アクリレート、n−ブチル−(メタ)アクリレート、tert−ブチル−(メタ)アクリレート、ペンチル−(メタ)アクリレート、シクロペンチル−(メタ)アクリレート、2−プロピニル−(メタ)アクリレート、アリル−(メタ)アクリレート、ビニル−(メタ)アクリレート、ジメチルフマレート及びマレエートが含まれるが、これらの例に限定されるものではない。
更なる式(I)の化合物の例には、ヘキシル−(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−(メタ)アクリレート、ヘプチル−(メタ)アクリレート、2−tert−ブチルヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル−(メタ)アクリレート、3−イソプロピル−ヘプチル−(メタ)アクリレート、ノニル−(メタ)アクリレート、デシル−(メタ)アクリレート、ウンデシル−(メタ)アクリレート、5−メチルウンデシル−(メタ)アクリレート、ドデシル−(メタ)アクリレート、2−メチルドデシル−(メタ)アクリレート、トリデシル−(メタ)アクリレート、5−メチルトリデシル−(メタ)アクリレート、テトラデシル−(メタ)アクリレート、ペンタデシル−(メタ)アクリレート、オレイル−(メタ)アクリレート、3−ビニルシクロヘキシル−(メタ)アクリレート、シクロヘキシル−(メタ)アクリレート、ボルニル−(メタ)アクリレート並びに対応するフマレート及びマレエートが含まれるが、これらの例に限定されるものではない。
更なる式(I)の化合物の例には、ヘキサデシル−(メタ)アクリレート、2−メチルヘキサデシル−(メタ)アクリレート、ヘプタデシル−(メタ)アクリレート、5−イソプロピルヘプタデシル−(メタ)アクリレート、4−tert−ブチルオクタデシル−(メタ)アクリレート、5−エチルオクタデシル−(メタ)アクリレート、3−イソプロピルオクタデシル−(メタ)アクリレート、オクタデシル−(メタ)アクリレート、ノナデシル−(メタ)アクリレート、エイコシル−(メタ)アクリレート、セチルエイコシル−(メタ)アクリレート、ステアリルエイコシル−(メタ)アクリレート、ドコシル−(メタ)アクリレート、エイコシルテトラトリアコンチル−(メタ)アクリレート、2,4,5−トリ−tert−ブチル−3−ビニル−シクロヘキシル−(メタ)アクリレート、2,3,4,5−テトラ−tert−ブチルシクロヘキシル−(メタ)アクリレート並びに対応するフマレート及びマレエートが含まれるが、これらの例に限定されるものではない。
本発明の他の好ましい態様において、ポリマーは、少なくともa)エチレン性不飽和モノマー又はエチレン性不飽和モノマーの混合物と、b)1−アルケン又は1−アルケンの混合物から誘導されるコポリマーである。この種のコポリマーは、特に低い粘度を有する。
R6は、好ましくはC6〜C20アルキル基、より好ましくはC6〜C12アルキル基である。
式(II)の化合物の例には、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、1−ヘンエイコセン、1−ドコセン、1−トロコセン、1−テトラコセン、1−ペンタコセン、1−ヘキサコセン、1−ヘプタコセン、1−オクタコセン、1−ノナコセン、1−トリアコンテン、1−ヘントリアコンテン、1−ドトリアコンテンが含まれるが、これらの例に限定されるものではない。
式(II)の化合物の特に好ましい例は、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン及び1−テトラデセンである。
特に好ましい態様において、1−アルケンは、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン及びそれらの混合物からなる群から選択され、エチレン性不飽和モノマーは、C10〜C18(メタ)アクリレートであり、かつポリマーはASTM D 445に従い、100℃で25mm2/s未満の動粘度を有している。
液体組成物は、ポリマーを10〜100質量%、好ましくは50〜100質量%、最も好ましくは80〜100質量%含んでいてもよい。
本発明の液体組成物は、酸化防止剤、耐摩耗性添加剤、流動点降下剤、腐食防止剤、金属不動態化剤及び静電気放電抑制剤、消泡剤、シールフィックス及び封止適合剤、並びにこれらの混合物からなる群から選択される添加剤を更に含んでいてもよい。
好ましくは、液体組成物は、酸化防止剤を更に含んでいる。液体組成物は、酸化防止剤を0.08〜3質量%、好ましくは0.08〜1質量%、より好ましくは0.08〜0.4質量%含んでいてもよい。
酸化防止剤の例には、立体障害性フェノール若しくはアミンの酸化防止剤、例えば、ナフトール、立体障害性の1価フェノール、立体障害性の2価フェノール、立体障害性の3価フェノール、立体障害性フェノールの2核体、立体障害性フェノールの3核体、立体障害性フェノールの多核体、アルキル化若しくはスチレン化されたジフェニルアミン又はイオノール由来のヒンダードフェノールが含まれるが、これらの例に限定されるものではない。
立体障害性フェノールの酸化防止剤の例には、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、ジ−tert−ブチレートヒドロキシトルエン、メチレン−4,4’−ビス−(2,6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス−(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、1,6−ヘキサメチレン−ビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−ヒドロキシヒドロシンナマート)、(((3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル)メチル)チオ)酢酸、C10〜C14イソアルキルエステル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロケイ皮酸、C7〜C9アルキルエステル、テトラキス−(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオニルオキシメチル)メタン、チオジエチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマート)、オクタデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマート及び2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノンが含まれるが、これらの例に限定されるものではない。
アミンの酸化防止剤の例には、芳香族アミンの酸化防止剤、例えば、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチル−ペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチル−ペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチル−ヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ(ナフチル−2)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、4−(p−トルエン−スルホアミド)ジフェニルアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アチルジフェニルアミン、4−イソプロポキシ−ジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチル化されたジフェニルアミン、例えば、p、p’−ジ−tert−オクチルジフェニルアミン、4−n−ブチルアミノフェノール、4−ブチルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ジ(4−メトキシフェニル)アミン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ジメチル−アミノメチルフェノール、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ジ−(フェニルアミノ)エタン、1,2−ジ[(2−メチルフェニル)アミノ]エタン、1,3−ジ−(フェニルアミノ)プロパン、(o−トルイル)ビグアニド、ジ[4−(1’,3’−ジメチルブチル)フェニル]アミン、tert−オクチル化されたN−フェニル−1−ナフチルアミン、モノアルキル化及びジアルキル化されたtert−ブチル/tert−オクチルジフェニルアミンの混合物、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン、フェノチアジン、N−tert−オクチル化されたフェノチアジン、3,7−ジ−tert−オクチルフェノチアジンが含まれるが、これらの例に限定されるものではない。
液体組成物は、100質量ppm未満、好ましくは60質量ppm未満、最も好ましくは50質量ppm未満の水を含むべきである。
本発明のポリマーは、以下の工程:
a) 成分A)としてのエチレン性不飽和モノマー又はエチレン性不飽和モノマーの混合物を含む反応混合物を製造し;
b) 前記反応混合物にCo(II)錯体を添加し;
c) ラジカル開始剤を添加し;かつ
d) 前記反応混合物を反応させて、ポリマー組成物を得る
を含む方法によって製造できる。
a) 成分A)としてのエチレン性不飽和モノマー又はエチレン性不飽和モノマーの混合物を含む反応混合物を製造し;
b) 前記反応混合物にCo(II)錯体を添加し;
c) ラジカル開始剤を添加し;かつ
d) 前記反応混合物を反応させて、ポリマー組成物を得る
を含む方法によって製造できる。
反応混合物は、任意に、成分B)として1−アルケン又は1−アルケンの混合物を更に含んでいてもよい。この場合、工程a)において製造される反応混合物は、好ましくは、成分A)及びB)の全質量に対して少なくとも50質量%の成分A)を含む。また、工程a)において製造される反応混合物は、好ましくは、成分A)及びB)の全質量に対して少なくとも10質量%の成分Bを含む。最も好ましくは、工程a)において製造される反応混合物は、成分A)及びB)の全質量に対して50〜90質量%の成分A)と、10〜50質量%の成分B)を含む。
反応混合物が1−アルケンも含む場合、前記方法は、任意に、工程d)の後、残留1−アルケンを蒸留除去する追加の工程を更に含む。
好ましくは、成分A)は、
成分A1)として、式(III)
[式中、
R7及びR8は、独立して、水素原子又は式−COOR11の基を表し、
R9は、水素原子又はメチル基を表し、
R10は、C1〜C5アルキル基、C2〜C5アルケニル基、C2〜C5アルキニル基又はC3〜C5シクロアルキル基を表し、かつ
R11は、水素原子、C1〜C5アルキル基、C2〜C5アルケニル基又はC2〜C5アルキニル基を表す]で示される化合物又は式(III)で示される化合物の混合物と;
成分A2)として、式(IV)
[式中、
R12及びR13は、独立して、水素原子又は式−COOR16の基を表し、
R14は、水素原子又はメチル基を表し、
R15は、C6〜C15アルキル基、C6〜C15アルケニル基、C6〜C15アルキニル基又はC6〜C15シクロアルキル基を表し、かつ
R16は、水素原子、C6〜C15アルキル基、C6〜C15アルケニル基又はC6〜C15アルキニル基を表す]で示される化合物又は式(IV)で示される化合物の混合物と;
成分A3)として、式(V)
[式中、
R17及びR18は、独立して、水素原子又は式−COOR21の基を表し、
R19は、水素原子又はメチル基を表し、
R20は、C16〜C30アルキル基、C16〜C30アルケニル基、C16〜C30アルキニル基又はC16〜C30シクロアルキル基を表し、かつ
R21は、水素原子、C16〜C30アルキル基、C16〜C30アルケニル基又はC16〜C30アルキニル基を表す]で示される化合物又は式(V)で示される化合物の混合物
を含んだ混合物である。
成分A1)として、式(III)
R7及びR8は、独立して、水素原子又は式−COOR11の基を表し、
R9は、水素原子又はメチル基を表し、
R10は、C1〜C5アルキル基、C2〜C5アルケニル基、C2〜C5アルキニル基又はC3〜C5シクロアルキル基を表し、かつ
R11は、水素原子、C1〜C5アルキル基、C2〜C5アルケニル基又はC2〜C5アルキニル基を表す]で示される化合物又は式(III)で示される化合物の混合物と;
成分A2)として、式(IV)
R12及びR13は、独立して、水素原子又は式−COOR16の基を表し、
R14は、水素原子又はメチル基を表し、
R15は、C6〜C15アルキル基、C6〜C15アルケニル基、C6〜C15アルキニル基又はC6〜C15シクロアルキル基を表し、かつ
R16は、水素原子、C6〜C15アルキル基、C6〜C15アルケニル基又はC6〜C15アルキニル基を表す]で示される化合物又は式(IV)で示される化合物の混合物と;
成分A3)として、式(V)
R17及びR18は、独立して、水素原子又は式−COOR21の基を表し、
R19は、水素原子又はメチル基を表し、
R20は、C16〜C30アルキル基、C16〜C30アルケニル基、C16〜C30アルキニル基又はC16〜C30シクロアルキル基を表し、かつ
R21は、水素原子、C16〜C30アルキル基、C16〜C30アルケニル基又はC16〜C30アルキニル基を表す]で示される化合物又は式(V)で示される化合物の混合物
を含んだ混合物である。
好ましくは、成分A)は、
成分A)の全質量に対して0〜15質量%の成分A1)と、
成分A)の全質量に対して50〜100質量%の成分A2)と、
成分A)の全質量に対して0〜50質量%の成分A3)
を含み、成分A)の全質量に対して成分A1)〜A3)の量が100質量%になるまで添加する。
成分A)の全質量に対して0〜15質量%の成分A1)と、
成分A)の全質量に対して50〜100質量%の成分A2)と、
成分A)の全質量に対して0〜50質量%の成分A3)
を含み、成分A)の全質量に対して成分A1)〜A3)の量が100質量%になるまで添加する。
Co(II)錯体の添加により、極めて低粘度のポリマー組成物を製造することが可能である。低粘度の達成のために、Co(II)錯体の形態で反応混合物に添加されるCo(II)の量は、好ましくは、成分A)の全質量に対して少なくとも30質量ppmであるか、又は、成分B)が存在する場合、成分A)及びB)の全質量に対して、より好ましくは少なくとも50質量ppmであり、最も好ましくは50〜100質量ppmの範囲である。
各R22は、独立して、フェニル基又はC1〜C12アルキル基を表すか、又は2つのR22が隣接する炭素原子と一緒になってC5〜C8アルキレン基を表し;
各R23は、独立して、水素原子又はC1〜C12アルキル基を表し;
各R24は、独立して、ヒドロキシル基又はアミノ基を表し;
各R25は、独立して、水素原子、C1〜C12アルキル基、フェニル基、ヒドロキシフェニル基又はC1〜C4アルコキシフェニル基を表し;かつ
各nは、整数2又は3を表す]に示されるリガンドの少なくとも1つを含む錯体が含まれる。
特に好ましい態様において、Co(II)錯体は、Co(II)と式(XI)のリガンドを含む。より好ましくは、Co(II)錯体は、5,10,15,20−テトラフェニルポルフィンCo(II)である。
本発明の方法において使用されるラジカル開始剤は、ラジカル重合反応に使用するのに適したあらゆるラジカル開始剤であってもよい。そのようなラジカル開始剤は、当該技術分野において周知である。アゾ化合物は、特に好ましいラジカル開始剤である。
反応混合物に添加されるラジカル開始剤の全量は、成分A)の全質量に対して少なくとも0.05質量%であるか、又は、成分B)が存在する場合、成分A)及びB)の全質量に対して、好ましくは0.1〜3.5質量%の範囲である。驚くべきことに、開始剤の量の変化に伴い、異なる粘度及び異なる流動点のポリマー組成物が製造され得ることが見出された。特に低い粘度を達成するために、反応混合物に添加される開始剤の全量は、成分A)の全質量に対して、又は、成分B)が存在する場合、成分A)及びB)の全質量に対して、好ましくは0.1〜1.75質量%である。
ラジカル開始剤が、長時間の重合中にすぐに消耗されないことを確実にするため、ラジカル開始剤を、段階的に反応混合物に添加してもよい。例えば、ラジカル開始剤の初回用量を反応混合物に添加し、重合反応を開始させ、引き続き、ある程度の時間において反応を進行させ、その後、追加量の開始剤を添加する等である。しかしながら、全工程において添加される全量は、上述のラジカル開始剤の好ましい全量を超えるべきではない。ラジカル開始剤の異なる用量を追加する時間間隔は、10分〜5時間、好ましくは30〜120分の範囲であってもよい。
適切なラジカル開始剤の例には、アゾ化合物、例えば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)及び1,1−アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル;ペルオキシ化合物、例えば、メチル−エチル−ケトンペルオキシド、アセチルアセトンペルオキシド、ジラウリルペルオキシド、tert−ブチルペル−2−エチルヘキサネオエート、ケトンペルオキシド、tert−ブチルペルオクトエート、メチルイソブチルケトンペルオキシド、シクロヘキサンペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルオキベンゾエート、tert−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン、tert−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチル−ペルオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、ジクミルペルオキシド、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、クミルヒドロペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド及びビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカルボネート;並びに上述した化合物の混合物が含まれる。
反応混合物は、工程d)において、標準大気圧下、減圧下又は高圧下で反応させることができる。反応温度は、−20℃〜200℃、好ましくは50℃〜150℃、より好ましくは80℃〜130℃の範囲にすることができる。
好ましい態様において、工程c)におけるラジカル開始剤の添加及び工程d)における反応は、ラジカル開始剤の分解を防止するため、不活性ガス雰囲気下で実施する。好ましくは、窒素ガスが不活性ガスとして使用される。
反応は、工程d)において、12時間まで、好ましくは6時間まで、より好ましくは10分〜6時間まで進行させることができる。
実施例
以下の実施例において、PAO 8とは、ASTM D445に従い、100℃で8mm2/sの動粘度を有するポリアルファオレフィンである。PAO 40とは、ASTM D445に従い、100℃で40mm2/sの動粘度を有するポリアルファオレフィンである。
以下の実施例において、PAO 8とは、ASTM D445に従い、100℃で8mm2/sの動粘度を有するポリアルファオレフィンである。PAO 40とは、ASTM D445に従い、100℃で40mm2/sの動粘度を有するポリアルファオレフィンである。
イソデシルメタクリレート(IDMA)は、98.7質量%のC10メタクリレートと、0.8質量%のC12メタクリレートと、0.5質量%のC14メタクリレートからなる混合物である。IDMAの直線性の程度は、0%である。
LIAL(登録商標)125アルコール(LIMA)からのメタクリレートは、24.3質量%のC12メタクリレートと、29.4質量%のC13メタクリレートと、28.4質量%のC14メタクリレートと、17.9質量%のC15メタクリレートからなる混合物である。LIMAの直線性の程度は、40%である。
ラウリルメタクリレート(LMA)は、72.2質量%のC12メタクリレートと、27.8質量%のC14メタクリレートからなる混合物である。LMAの直線性の程度は、100%である。
ステアリルメタクリレート(SMA)は、29.3質量%のC16メタクリレートと、69.8質量%のC18メタクリレートと、0.8質量%のC20メタクリレートからなる混合物である。SMAの直線性の程度は、100%である。
実施例1
2Lの釜中に、365.7gのSMAと、297.8gのIDMAを含むモノマー混合物を、279gの1−デセンで希釈した。この混合物に対し、テトラヒドロフラン中5,10,15,20−テトラフェニルポルフィンCo(II)が1質量%である溶液を90g添加した。この混合物を脱気し、120℃で加熱した。この温度で、4.4gの2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)ブタンを、30分毎に計6回導入した。発熱反応により、反応温度は140℃に上昇した。最後の開始剤の導入後、混合物を更に1時間攪拌した。その後、Tonsil(5%)を反応混合物に加えた。Tonsilの添加に伴い、茶濁に着色された生成物をK250のザイツ型濾過器を介して濾過し、ひき続き、150℃で回転真空蒸発を行うことにより、残留している1−デセンを除去した。濾過工程は、生成物の濁りがなくなる(清澄なオレンジ色になる)まで2度繰り返した。
2Lの釜中に、365.7gのSMAと、297.8gのIDMAを含むモノマー混合物を、279gの1−デセンで希釈した。この混合物に対し、テトラヒドロフラン中5,10,15,20−テトラフェニルポルフィンCo(II)が1質量%である溶液を90g添加した。この混合物を脱気し、120℃で加熱した。この温度で、4.4gの2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)ブタンを、30分毎に計6回導入した。発熱反応により、反応温度は140℃に上昇した。最後の開始剤の導入後、混合物を更に1時間攪拌した。その後、Tonsil(5%)を反応混合物に加えた。Tonsilの添加に伴い、茶濁に着色された生成物をK250のザイツ型濾過器を介して濾過し、ひき続き、150℃で回転真空蒸発を行うことにより、残留している1−デセンを除去した。濾過工程は、生成物の濁りがなくなる(清澄なオレンジ色になる)まで2度繰り返した。
生成物中の1−デセンの残留濃度は、HPLCで測定した結果、0.02%であった。ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって検出したポリマーの数平均分子量(Mn)は、1300g/molであった。多分散度は、1.35であった。ASTM D445に従った100℃での動粘度は、12.1mm2/sであった。
実施例2(比較例)
ASTM D445に従って100℃で12mm2/sである目標動粘度を達成するため、実施例2は、71%のPAO 8と、29%のPAO 40とを調合することによって製造した。ASTM D445に従った100℃での動粘度の実測値は、12.3mm2/sであった。
ASTM D445に従って100℃で12mm2/sである目標動粘度を達成するため、実施例2は、71%のPAO 8と、29%のPAO 40とを調合することによって製造した。ASTM D445に従った100℃での動粘度の実測値は、12.3mm2/sであった。
実施例3
実施例3は、モノマーとして、672.1gのLMAと、288.1gの1−デセンを使用した以外は、実施例1と同様に製造した。
実施例3は、モノマーとして、672.1gのLMAと、288.1gの1−デセンを使用した以外は、実施例1と同様に製造した。
生成物中の1−デセンの残留濃度は、HPLCで測定した結果、0.32%であった。ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって検出したポリマーの数平均分子量(Mn)は、1480g/molであった。多分散度は、1.41であった。ASTM D445に従った100℃での動粘度は、12.7mm2/sであった。
実施例4(比較例)
ASTM D445に従って100℃で13mm2/sである目標動粘度を達成するため、実施例4は、68%のPAO 8と、32%のPAO 40とを調合することによって製造した。ASTM D445に従った100℃での動粘度の実測値は、12.9mm2/sであった。
ASTM D445に従って100℃で13mm2/sである目標動粘度を達成するため、実施例4は、68%のPAO 8と、32%のPAO 40とを調合することによって製造した。ASTM D445に従った100℃での動粘度の実測値は、12.9mm2/sであった。
実施例5
実施例5は、モノマーとして、372.8gのLIMAと、303.6gのIDMAと、284.4gの1−デセンを使用した以外は、実施例1と同様に製造した。
実施例5は、モノマーとして、372.8gのLIMAと、303.6gのIDMAと、284.4gの1−デセンを使用した以外は、実施例1と同様に製造した。
生成物中の1−デセンの残留濃度は、HPLCで測定した結果、0.02%であった。ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって検出したポリマーの数平均分子量(Mn)は、1250g/molであった。多分散度は、1.43であった。ASTM D445に従った100℃での動粘度は、13.8mm2/sであった。
実施例6(比較例)
ASTM D445に従って100℃で14mm2/sである目標動粘度に達成させるため、実施例6は、62%のPAO 8と、38%のPAO 40とを調合することによって製造した。ASTM D445に従った100℃での動粘度の実測値は、14.2mm2/sであった。
ASTM D445に従って100℃で14mm2/sである目標動粘度に達成させるため、実施例6は、62%のPAO 8と、38%のPAO 40とを調合することによって製造した。ASTM D445に従った100℃での動粘度の実測値は、14.2mm2/sであった。
熱容量及び導電度の測定
導電度の値は、ASTM D2624に記載されているような、オイルベース流体用のMLA900型導電度分析器を用いて測定した。熱容量は、示差走査熱量測定(DSC)分析に基づいて評価した。DSC分析は、窒素不活性下で有孔リッドを用いたアルミニウム製のパンにおいて実施した。各サンプルを、5K/分の加熱速度で0℃〜120℃まで加熱した。ASTM E1269−11における記載により、様々な温度での熱容量を定量的に評価した。
導電度の値は、ASTM D2624に記載されているような、オイルベース流体用のMLA900型導電度分析器を用いて測定した。熱容量は、示差走査熱量測定(DSC)分析に基づいて評価した。DSC分析は、窒素不活性下で有孔リッドを用いたアルミニウム製のパンにおいて実施した。各サンプルを、5K/分の加熱速度で0℃〜120℃まで加熱した。ASTM E1269−11における記載により、様々な温度での熱容量を定量的に評価した。
表1に、実施例1〜6の動粘度、熱容量及び導電度をまとめた。本発明の潤滑組成物(実施例1、3及び5)と、動粘度が同程度であるPAO−ベースの組成物(実施例2、4及び6)とを比較すると、本発明の組成物は、20℃〜100℃の温度で、動粘度が同程度であるPAO−ベースの組成物よりも高い熱容量を有することが示されている。
Claims (12)
- 伝熱流体としての液体組成物の使用であって、前記液体組成物は、少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマー又はエチレン性不飽和モノマーの混合物から誘導されるポリマーを含むことを特徴とする、前記液体組成物の使用。
- R1及びR2は、水素原子を表し、かつ
R4は、C1〜C30アルキル基を表すことを特徴とする、請求項2に記載の液体組成物の使用。 - 前記ポリマーは、少なくとも
a)エチレン性不飽和モノマー又はエチレン性不飽和モノマーの混合物、及び
b)1−アルケン又は1−アルケンの混合物
から誘導されるコポリマーであることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の液体組成物の使用。 - 前記液体組成物が、前記ポリマーを10〜100質量%含むことを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の液体組成物の使用。
- 前記液体組成物が、酸化防止剤、耐摩耗性添加剤、流動点降下剤、腐食防止剤、金属不動態化剤及び静電気放電抑制剤、消泡剤、シールフィックス及び封止適合剤、並びにこれらの混合物からなる群から選択される添加剤を更に含むことを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載の液体組成物の使用。
- 前記液体組成物が、100質量ppm未満の水を含むことを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載の液体組成物の使用。
- 前記液体組成物が、電装品用の伝熱流体として使用されることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載の液体組成物の使用。
- 前記電装品が、電池、電動機、変圧器、電力変換装置、電解コンデンサ、流体伝送路、流体パワーケーブル及びコンピューターからなる群から選択されることを特徴とする、請求項9に記載の液体組成物の使用。
- 前記液体組成物が、ASTM E1269に従い、40℃で少なくとも1.80kJ/kg/Kの比熱容量を有することを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項に記載の液体組成物の使用。
- 前記ポリマーが、ASTM D445に従い、100℃で測定して100mm2/s未満の動粘度を有することを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項に記載の液体組成物の使用。
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US201361749088P | 2013-01-04 | 2013-01-04 | |
US61/749,088 | 2013-01-04 | ||
EP13152974.5 | 2013-01-29 | ||
EP13152974 | 2013-01-29 | ||
PCT/EP2013/075500 WO2014106556A1 (en) | 2013-01-04 | 2013-12-04 | Heat transfer-fluid with electrical insulating properties |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016503111A true JP2016503111A (ja) | 2016-02-01 |
Family
ID=47681710
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015551146A Pending JP2016503111A (ja) | 2013-01-04 | 2013-12-04 | 電気絶縁性を有する伝熱流体 |
Country Status (11)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20150322322A1 (ja) |
EP (1) | EP2941455A1 (ja) |
JP (1) | JP2016503111A (ja) |
KR (1) | KR20150104104A (ja) |
CN (1) | CN104884516A (ja) |
BR (1) | BR112015015154A2 (ja) |
CA (1) | CA2896959A1 (ja) |
MX (1) | MX2015008314A (ja) |
RU (1) | RU2015132197A (ja) |
SG (1) | SG11201504517QA (ja) |
WO (1) | WO2014106556A1 (ja) |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020160802A1 (en) | 2019-02-08 | 2020-08-13 | Evonik Operations Gmbh | Polymer-modified metal oxides, manufacturing process thereof and their use for obtaining mineral oil |
KR20220002981A (ko) | 2019-04-24 | 2022-01-07 | 에보니크 오퍼레이션즈 게엠베하 | 무기 입자를 함유하는 증진된 열 전도율의 액체 분산액 |
US11085006B2 (en) | 2019-07-12 | 2021-08-10 | Afton Chemical Corporation | Lubricants for electric and hybrid vehicle applications |
ES2934061T3 (es) | 2019-07-17 | 2023-02-16 | Evonik Operations Gmbh | Uso de composiciones de nanopartículas inorgánicas-poliméricas como fluidos de transferencia de calor en una batería u otros sistemas de equipamiento eléctrico |
US11326123B1 (en) | 2020-12-01 | 2022-05-10 | Afton Chemical Corporation | Durable lubricating fluids for electric vehicles |
US11634655B2 (en) | 2021-03-30 | 2023-04-25 | Afton Chemical Corporation | Engine oils with improved viscometric performance |
US11814599B2 (en) | 2022-03-31 | 2023-11-14 | Afton Chemical Corporation | Durable magnet wires and lubricating fluids for electric and hybrid vehicle applications |
US11912955B1 (en) | 2022-10-28 | 2024-02-27 | Afton Chemical Corporation | Lubricating compositions for reduced low temperature valve train wear |
US11939551B1 (en) | 2023-06-27 | 2024-03-26 | Afton Chemical Corporation | Lubricating fluid for an electric motor system |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20040069454A1 (en) * | 1998-11-02 | 2004-04-15 | Bonsignore Patrick V. | Composition for enhancing thermal conductivity of a heat transfer medium and method of use thereof |
WO2003060035A1 (en) * | 2001-12-20 | 2003-07-24 | Cognitek Management Systems, Inc. | Composition for enhancing thermal conductivity of a heat transfer medium and method of use thereof |
DE10228628A1 (de) * | 2002-06-26 | 2004-01-22 | Stockhausen Gmbh & Co. Kg | Copolymerisate zur Vermeidung von Ablagerungen in wasserführenden Systemen, deren Herstellung und Verwendung |
CA2567235A1 (en) * | 2006-11-07 | 2008-05-07 | Ciba Specialty Chemicals Holding Inc. | Methacrylate copolymer pour point depressants |
US8143202B2 (en) * | 2006-11-07 | 2012-03-27 | Ciba Corp. | Methacrylate copolymer pour point depressants |
-
2013
- 2013-12-04 EP EP13814456.3A patent/EP2941455A1/en not_active Withdrawn
- 2013-12-04 CA CA2896959A patent/CA2896959A1/en not_active Abandoned
- 2013-12-04 SG SG11201504517QA patent/SG11201504517QA/en unknown
- 2013-12-04 WO PCT/EP2013/075500 patent/WO2014106556A1/en active Application Filing
- 2013-12-04 RU RU2015132197A patent/RU2015132197A/ru unknown
- 2013-12-04 KR KR1020157017631A patent/KR20150104104A/ko not_active Application Discontinuation
- 2013-12-04 MX MX2015008314A patent/MX2015008314A/es unknown
- 2013-12-04 CN CN201380062917.8A patent/CN104884516A/zh active Pending
- 2013-12-04 US US14/655,607 patent/US20150322322A1/en not_active Abandoned
- 2013-12-04 JP JP2015551146A patent/JP2016503111A/ja active Pending
- 2013-12-04 BR BR112015015154A patent/BR112015015154A2/pt not_active IP Right Cessation
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
SG11201504517QA (en) | 2015-07-30 |
KR20150104104A (ko) | 2015-09-14 |
US20150322322A1 (en) | 2015-11-12 |
EP2941455A1 (en) | 2015-11-11 |
BR112015015154A2 (pt) | 2017-07-11 |
CN104884516A (zh) | 2015-09-02 |
RU2015132197A (ru) | 2017-02-09 |
WO2014106556A1 (en) | 2014-07-10 |
MX2015008314A (es) | 2015-11-11 |
CA2896959A1 (en) | 2014-07-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2016503111A (ja) | 電気絶縁性を有する伝熱流体 | |
US20100112441A1 (en) | Binder for secondary battery electrode, secondary battery electrode, and secondary battery | |
JP2016209879A (ja) | 分散剤,分散体,分散体の粘度の調整方法,可動装置,表面処理剤,電解液,セパレータ,およびリチウムイオン二次電池 | |
KR102530712B1 (ko) | 리튬 전지 전극용의 결착제 조성물 및 그것을 이용한 전극 | |
TW201721954A (zh) | 非水電解質二次電池用正極材料 | |
TW201724626A (zh) | 非水電解質二次電池用正極材料 | |
CN111269351B (zh) | 一种二元聚合物柴油降凝剂及其制备方法和应用 | |
JP4403275B2 (ja) | 末端高分岐型高分子固体電解質 | |
CN115161097B (zh) | 一种电动汽车三合一电桥油的制备方法 | |
CN104755600A (zh) | 润滑脂组合物 | |
JP2014029835A (ja) | 二次電池電極用バインダー | |
KR101634107B1 (ko) | 알릴포스파젠계 가교제 및 이를 포함하는 semi―IPN 타입의 전고상 고분자 전해질 조성물 | |
CN108003980B (zh) | 汽油发动机润滑油组合物及其制备方法 | |
JP2005100661A (ja) | 二次電池電極用バインダー、二次電池電極用ペースト及び二次電池電極 | |
CN114127223A (zh) | 纳米粒子组合物在电池或其它电气设备系统中用作传热流体的用途 | |
EP4127115A1 (en) | Thermal management system | |
KR102132733B1 (ko) | 전고상 고분자 전해질용 다분지 에틸렌옥사이드-프로필렌옥사이드 가소제 및 이를 포함하는 전고상 고분자 전해질 조성물 | |
JPH04275397A (ja) | 圧縮型冷凍機用潤滑油及びその製造方法 | |
KR20150095413A (ko) | 이차 전지 양극 슬러리용 카본 블랙 분산액 및 이의 제조방법 | |
US20240150636A1 (en) | Dielectric Thermal Management Fluids and Methods for Using Them | |
CN118255801A (en) | Star-substituted silane, preparation method thereof and application thereof in thermal management fluid | |
RU2022101398A (ru) | Применение композиций в виде наночастиц в качестве жидких теплоносителей в аккумуляторных батареях или других системах электротехнического оборудования | |
KR20240018442A (ko) | 배터리를 보호하기 위한 냉각 조성물의 용도 | |
CN117586753A (zh) | 一种浸没式冷却液 | |
CN115340850A (zh) | 一种用于电池和充电桩的热管理流体 |