図1を参照するに、インテリジェント核医学ワークフロースケジューラシステム1の一実施形態が模式的に示されている。システム1は、典型的には指示する側の医療従事者によって指示される核医学スキャン手順に関して患者をスケジューリングするインテリジェントスケジューラ2を含んでいる。インテリジェントスケジューラは、複数の患者をスケジューリングし、各患者を、指示された核医学スキャン装置4を用いた核医学スキャン手順に関して、似通ったスキャン手順を用いた以前の患者から取り出された(マイニングされた)データに基づいて、そして患者投与量を最小化する時間ウィンドウ内でスケジューリングする。最適化の期間は、一日、一日の一部、幾日を含み得る。インテリジェントスケジューラは、指示側の医療従事者と音声通信する医療従事者によって操作されることができ、あるいは例えばウェブサイトなどのネットワークインタフェースを介して直接的に操作されることができる。
以前の患者から取り出されたデータのリポジトリ3が、例えばデータベースなどの構造化されたフォーマットで、以前の患者のスキャン手順からのデータを含んでいる。データは、索引付けられることができ、あるいは要約されることができる。リポジトリ3は、以前の患者に投与された放射性医薬品と、投与された放射性医薬品の単位用量とを含み得る。リポジトリは、放射性医薬品又は撮像プロトコルによって標的とされる1つ以上の関心領域を含み得る。リポジトリは、例えば性別、年齢、体重、疾患など、以前の患者特性を含み得る。リポジトリは、スキャンプロトコル、画像品質の指標、放射性医薬品の投与とスキャンの時点との間の待ち時間を含み得る。リポジトリは、スキャン所要時間、時刻、スキャン装置の種類、及び/又は例えば装置オプションなどのスキャン装置の特徴を含み得る。例えば、装置の種類は、PET、そのPETが飛行時間(TOF)を含むかどうか、及びその他の撮像タイプ情報を含むことができる。他の一例において、PET装置の装置オプションは、例えば最低テーブル高さ、ボア開口などの、患者のローディングやアンローディングに影響を及ぼし得る動作条件を含むことができる。リポジトリは、スキャン装置を動作させている現場の稼働時間、経験年数、認証などを含み得る。リポジトリは、核医学の成功事例を目立たせる付加的な情報、並びに、プロトコル、画像、放射性医薬品、報告文献などに基づいて特定のスキャン手順に割り当てられたフラグ及び/又は重みを含み得る。リポジトリは、以前の患者の個々のスキャン手順の発生、又は、データを要約する例えば平均、最小値、最大値、標準偏差などの統計情報を含み得る。例えば、リポジトリは、腫瘍に関わるスキャン手順を持つ以前の患者の性別及び患者体重範囲によってグループ分けされた、放射性医薬品ごとの以前の患者のスキャン時間の平均を含み得る。このグループ分けは、腫瘍を有すると診断されたものと、腫瘍を有しないものとを含み得る。平均スキャン時間は、例えば平均、最小及び/又は最大の投与量並びにこれらに類するものなどの、その他の取り出しデータと関連付けられ得る。
各患者が、例えば三日間のタイムウィンドウ(時間帯)内で、到着日時に関してスケジュールされる。検査の前およそ1か月に、具体的な日時がインテリジェントスケジューラによって設定される。到着日時は、スキャン装置4の利用可能性と、患者スループットに関して最適化され、また最小化される患者線量に関して最適化され、そして患者特性に基づくスキャン手順にかかる時間とに基づく。スキャン装置4は、陽電子放出型断層撮影(PET)スキャナ、単光子放出型コンピュータ断層撮影(SPECT)スキャナ、及びこれらに類するものを含みことができる。例えば、患者は、PETスキャナが9:30に20分のスキャン手順に利用可能な日の8:45amに到着するようスケジュールされる。8:45amと9:30との間の時間は、患者に放射性医薬品を注入し、スキャン手順前の摂取のために患者が静かなエリアで待機する時間を含む。例えば患者がスキャンテーブル又は患者サポート(支持体)6の上で横になっていられる時間の制限などの患者特性を、スケジューリング制約に含めることができる。例えば、患者が楽には20分しかじっと横になっていられないが、スキャン手順は典型的に30分のスキャン時間を必要とすることがある。スケジューラは、20分のスキャン時間をスケジュールするとともに、放射性医薬品の高めの投与量要求を指し示すことができる。
インテリジェントスケジューラは更に、指示された手順、患者特性、到着時間、及びスキャン手順のスケジュール時刻に基づいて、時間と単位放射性医薬品用量の量とをスケジュールすることができる。例えば、体重が70kgで9:30のスキャン時刻に合わせて8:45に到着する患者は、例えば10mCiのガリウム68などの放射線医薬品の注入を9:00amにスケジュールされる。この放射性医薬品は、20mCiのガリウム68として、8:00amにスキャン現場に届けられ得る。放射性医薬品の量は、注入の時刻とその後のスキャン現場での患者スループットとに関して最適化されるが、例えば患者の質量などの患者特性を含み、また、例えば患者がスキャン装置4の患者サポート6上ですごしていられる最大時間及びこれに類するものなどの、その他のスケジューリング制約を含むことができる。インテリジェントスケジューラは、非稼働時間及びスタッフの休憩に、利用可能でないとしてマークを付ける。インテリジェントスケジューラは、さもなければ使用されない時間を充たすように患者のスキャン時間を延長し、それに従って投与放射性医薬品の量を減らすことによって、スケジュールを最適化することができる。例えば、患者スキャン時間が休憩前に5分の隙間を残すことになる場合、そのスキャン時間を5分だけ延長することができ、放射性医薬品の投与量がそれに対応して削減される。
インテリジェントスケジューラ2は、放射性医薬品の時間及び投与量、患者ローディング/アンローディング要件、及び指示された手順に基づいて、指示されたスキャン手順の時刻及び時間をスケジュールする。所与のスキャン開始時間を用いて、スキャン手順の時間は、放射性医薬品の時間及び投与量から決定され得る。理想的には、満足のいく画像を作り出すと予想される最も低い投与量が選定される。しかし、利用可能なスキャン時間が過度に限られている場合、その利用可能なスキャン時間に合致するように、投与量を患者の安全性限界内で増加させることができる。患者ローディング要件は、患者をテーブル上に乗せる時間を含む。例えば、歩行可能な患者は、5分以内で、患者テーブル上に乗せられてスキャンが開始することができる。9:30amに開始すべき20分のスキャン時間は、実際には、5分の患者ローディングを伴って9:35に開始することになり、5分のアンローディングを伴って10:00に終了する。スキャン装置のスケジューリングに利用可能な次の期間は、次の患者の注入を前もって適時にしておいて、10:00となる。スケジュールされる各スキャン手順は、ローディング時間及びアンローディング時間を含む。ローディング及びアンローディングの時間は、患者要件に基づき、患者の可動性の指標を含むことができる。患者の可動性の指標は、患者の年齢、患者の体重、患者の身長−質量比、歩く能力若しくは歩行状態、及び患者に意識があるかを含み得る。患者特性、及び患者の可動性の指標は、指示する側の医療従事者から受け取ることができ、あるいは、例えば病院情報システム(HIS)8及びこれに類するものなどの患者記録システムから得ることができる。
インテリジェントスケジューラは、特定の日又はその日の部分にスケジュールされた患者群に対応した、放射性医薬品の単位用量の放射性薬局発注リストを生成することができる。例えば、午前の配達用に1つのリストが生成され、午後の配達用に第2のリストが生成され得る。リストに含められる各投与量は、スケジュールされた或る一人の患者に対応するとともに、スケジュールされた注入時刻に基づく。発注リストは、スケジュールされた注入時刻に基づくことができ、あるいはスケジュールされた配達時刻と注入時刻までの半減期崩壊とに基づき得る。
システム1は、受け取った各注文単位用量の放射性医薬品を時間及び各用量に対応する患者とともに追跡する追跡ユニット10を含んでいる。追跡ユニットは、受領時の時刻及び強さを記録するとともに、放射性医薬品の半減期のテーブルルックアップを用いて、その日の間の任意の時点(スケジュールされた注入時刻、又は、遅れがある場合の予測される注入時刻若しくは撮像時刻を含む)での強さを決定することができる。
システム1は、その日にスケジュールされた残りの患者の各々に単位用量を投与すべき時刻と、スキャン手順の時刻及び時間とを予測する予測ユニット12を含んでいる。この予測は、追跡システム10からの情報と、到着、遅れ、取消、及びデイリースケジュール(日課)中に医療従事者によって入力される緊急事態、についての情報とに基づく。スキャン手順の時刻及び時間は、患者をスキャン装置4内にローディングする時刻及び時間、並びに患者をスキャン装置4からアンローディングする時刻及び時間を含む。インテリジェントスケジューラ2を参照して述べたように、予測ユニット12は、患者特性及びローディング/アンローディング要件を用いて、予測されるスケジュールの時刻及び時間を決定する。
予測ユニットは、代替的に、スケジュール日に先立ち、及び活動が残っているスケジュール日の間に、“what−if”(もし〜だったらどうなるか)シナリオを用いてデイリースケジュールを計画(プランニング)するために使用され得る。“what−if”シナリオは、医療従事者がスケジュール内での少なくとも1つの潜在的な変化(例えば、取消、緊急追加、用量を投与する際の遅れ、用量投与後且つローディング前のいっそう長い待機、ローディングにおける遅れ、スキャンにおける遅れ、アンローディングにおける遅れなど)を特定することを含み、予測ユニットは、その他の患者及びスケジュール全体に対する影響に基づいて、残りの期間についてのスケジュールを予測する。“what−if”シナリオは、スケジュールを実際に変更するのではないが、医療従事者が少なくとも1つの入力装置を用いることによるコマンドを用いて、提案する変更を予測に対して表明することができる。この“what−if”シナリオ予測は、スケジュールへの潜在的な変化の影響を医療従事者が評価することを可能にすることによって、スキャンスループットに対する漸進的な改善をもたらすことができる。医療従事者は、ワークステーション14を介して、例えば進行中のアクティビティ、スタッフの休憩、又は固定的なスケジュールされた予約などの確かな制約を特定することができる。予測ユニットは、スケジュールへの何らかの変更又は提案された変更の影響を決定し、その結果を表示装置16上に表示する。
ワークステーション14は、少なくとも1つの電子的なプロセッサ又は処理装置18と、表示装置16と、少なくとも1つの入力装置20とを含んでいる。ワークステーション14は、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、タブレット、モバイルコンピューティング装置、スマートフォン、及びこれらに類するものをし得る。入力装置20は、キーボード、マウス、マイクロフォン、及びこれらに類するものとし得る。ワークステーションは、ネットワーク22へと、またスキャン装置4へと接続されることができ、あるいは分離されることができる。生成された放射性医薬品の発注リストは、ネットワークを介して放射性薬局24に伝送されることができる。例えば、ポータブルドキュメントフォーマットが生成され、デジタル署名を有する電子メールの添付ファイルとして、放射性薬局に送信され得る。発注書又はその他の関連情報が添付ファイルに含められ得る。他の例では、生成された発注情報は、実際に放射性薬局に発注する例えば内部発注管理サーバなどの内部コンピューティング装置に伝送あるいはアップロードされ得る。放射性医薬品の受領が、ワークステーション14を介して追跡ユニットに入力され、あるいは内部受領システムから送信され得る。追跡システムによって受信されて記録される情報は、具体的な放射性医薬品及び配達の時点での線量を含む。
予測ユニット12及びインテリジェントスケジューラ2は、ローカルリポジトリ3にロードされた取り出しデータを用いて、スケジュール及び予測を最適化する。ローカルリポジトリは、例えばスキャン装置4のログファイル30、病院情報システム8、画像保管通信システム(PACS)及び/又は放射線医学情報システム(RIS)32などの、データソースから取り出されたデータを含む。スケジュールマイニングユニット34が、データを抽出し、変換し、そしてローカルリポジトリ3にロードする。情報は、許容可能な画像を生み出した先行スキャンの、患者の体重、時間、投与量、イベントの継続時間などを提供するスキャン装置のログファイルから抽出され得る。情報はまた、PACS/RIS32内にある以前の核医学手順からの画像のDICOMヘッダ情報から抽出され得る。情報は更に、HIS8又はその他の患者記録ソース(源)内にある患者固有情報で補完され得る。
スケジュールマイニングユニット34によって提供される変換は、データの選択及び/又はグループ分けと、スケジューリング及び/又は予測に使用可能な統計を構築することとを含む。情報は、放射性医薬品、放射性医薬品の投薬量、関心領域、スキャンプロトコル、スキャン所要時間、スキャン及び/又は投薬の時刻、及びこれらに類するものによって選択あるいはグループ分けされ得る。例えば、平均スキャン時間でのスキャンが、ガリウム68を用いて腫瘍の全身スキャンを受ける患者のために構築され得る。同じ患者集団のローディング及びアンローディングに関して別々の平均が提供され得る。新たな患者の手順をスケジューリングするとき、医療従事者は、その新患者に最良の時及び時間を決定するために、ローカルリポジトリからインテリジェントスケジューラ及び/又は予測ユニットによって提供される情報をレビューすることができる。他の例では、システムが、安全因子である例えば平均時間+n*標準偏差など、利用可能な情報及びパラメータに基づいて、提案するスケジュールを提示し得る。提案されたスケジュールは、医療従事者によってレビュー及び/又は修正され得る。
インテリジェントスケジューラ2、スケジュールマイニングユニット34、及び/又はローカルリポジトリ3の機能は、クラウドベースのインテリジェントスケジューラ36、共有スケジュールマイニングユニット38、及び/又は共有リポジトリ40を伴うクラウドベースのコンピューティングへと拡張されることができる。クラウドベースのインテリジェントスケジューラ36は、ウェブベースのサービスとして動作する。クラウドベースのインテリジェントスケジューラは、医療従事者によって入力されるデータを用いた、且つ/或いはローカルリポジトリ3に代えて共有リポジトリ40のデータに基づいた、インテリジェントスケジューラ2の機能を含む。共有スケジュールマイニングユニット38は、例えば、似た医療問題に関する似通った患者の撮像セッションに関して、複数のスキャン装置及び/又は現場42からデータを取り出すことができる。取り出されたデータは、スキャン装置の種類、スキャン装置オプション、稼働時間、成功事例、及びこれらに類するものによる選択及び/又は順序付けを含めることによって更に変換され得る。例えば、新しいスキャナをまさに組み入れようとしている組織は、クラウドベースのインテリジェントスケジューラ36を用いてスケジューリング及び予測を行うことができる。組織がローカルなログファイル30を訓練するとき、PACS/RIS32がローカルな訓練のためにマイニングされ得る。組織は、例えば現場1といったローカルな現場でのスケジュール及び予測を好むことがあり得る。より多くの経験のある組織は、ローカルでのスケジュール及び予測を好むものの、新しい手順及び/又は放射性医薬品について、スキャン時間、投薬時間、ローディング時間、及びアンローディング時間の望ましいスケジューリングのための推奨に関して、クラウドベースのインテリジェントスケジューラを介して共有リポジトリ40を調べることも好むことがある。インテリジェントスケジューラ及びクラウドベースのインテリジェントスケジューラは、現場に漸進的な改善の機会を提供する。
インテリジェントスケジューラ2及び様々なユニット10、12、26、34、36、38は、例えばワークステーション14の電子プロセッサ又は電子処理装置18などの電子データ処理装置によって、あるいはネットワーク22によりワークステーション14と動作的に接続されるネットワークベースのサーバコンピュータによって、などで好ましく具現化される。ユーザインタフェースユニット26が、ワークステーション14によって好ましく具現化される。また、開示のスケジューリング、予測及びデータマイニングの技術は、電子データ処理装置によって読み取り可能であり且つスケジューリング、予測及びマイニングの技術を実行するように電子データ処理装置によって実行可能な命令(例えば、ソフトウェア)を格納する、非一時的な記憶媒体を用いて好ましく実装される。
図2は、似た問題を有する似通った患者の投与量、時間、プロトコルなどに関して取り出されたデータを用いるインテリジェント核医学ワークフロースケジューリング方法の一実施形態をフローチャートに描いている。ステップ44にて、インテリジェントスケジューラ2が、スキャン装置の利用可能性と、指示された手順及び患者特性の制約とに基づいて、三日間のタイムウィンドウ内で核医学スキャン手順をスケジュールする。患者特性の制約は、例えば可動性の指標などの、患者のローディング及びアンローディングのための時間を決定する情報、並びに、患者がスキャン手順のための横になっていられる時間制限を含み得るスキャン手順の時間を含む。このスケジューリングステップは、各患者が日時をスケジューリングされるとき、決定ステップ46に基づいて繰り返される。インテリジェントスケジューラ2は、患者サポート6上に患者を乗せることを含むスキャン手順の開始時間、指示されたスキャン手順に関して決定される放射性医薬品の単位用量の量の時間、何らかの現場特有の手順若しくはカスタマイズ化、及び指示されたスキャン手順の所要時間に基づいて、到着日時をスケジュールする。放射性医薬品の単位用量は、例えば体重などの患者特性及び指示された手順に基づいて決定される。スキャン手順のスケジュール時間は、患者のローディング及びアンローディングの期間を含む。患者のローディング及びアンローディングの期間は、可動性の指標を含む患者特性に基づく。このスケジューリングは、例えば稼働時間及びスタッフの休憩などの制約を含むことで、スケジュールされる各患者の期間ブロックを、スタッフ配置開始時間、スタッフの休憩、交代勤務終了時間などの間の時間に最良に適合(フィット)させる。取消を行うことができ、その時間期間は空きとしてマークを付けられる。空けられたタイムウィンドウ内に追加が適合し得る場合、空きタイムウィンドウに追加を行うことができる。
ステップ48にて、スケジュールされた一人の患者又は複数の患者に通知が送られる。通知は、各々のスキャン手順がスケジュールされるときに個別に送られることができ、あるいはグループとしてまとめて送られる。通知は、例えば電子メールなどを介して電子的に送信されてもよいし、郵便サービスを介して紙で送られてもよい。
ステップ50にて、例えばスケジュールされたスキャン手順の約一か月前に、スケジュールされた日が固定され得る。その他の日はスケジュールされ続けることができる。固定することは、その固定日にスケジュールされた患者用の放射性医薬品を発注する直前に行われることができ、発注した単位用量の放射性医薬品の放射性薬局からの納期に基づく。この固定は、スケジュール最適化が完了してスケジュールされた患者に通知が送られる例えば日(デイ)といった期間を含み得る。
ステップ52にて、発注すべき単位用量がインテリジェントスケジューラ2によって生成される。これは、例えばスキャン装置の現場といった特定の場所への期待配達日時を含む。単位用量は、その日にスケジュールされた患者群に対応するとともに、指示されたスキャン手順及び患者特性に基づく。例えば、患者Aに対応する具体的な用量は、患者質量を含むとともに、期待される配達時間、用量の投与の予定時間、並びにスキャン手順の開始時間及び所要時間に基づいた、用量調整を含むことができる。スキャン手順の所要時間は、例えばどれだけ長く患者がスキャン装置4の患者サポート6上で横になっていられるかについての限界など、患者特性によって制限され得る。配達される用量は、早くにスケジュールされている患者に対して低くされることができ、あるいは患者質量に基づいて低くされることができる。配達される用量は、遅くにスケジュールされている患者又は大きい患者(例えば、より重い質量)に対して高くされることができる。
ステップ54にて、受領した単位用量が追跡ユニット10によって記録される。単位用量は、グループとして照合されて受領されることができ、且つ/或いは個別に記録され得る。医療従事者がユーザインタフェースユニット26を介して情報を入力することができ、あるいは薬局受領システム並びに例えばバーコードリーダやこれに類するものなどの入力装置から情報が受信され得る。不足/使用不能の単位用量及び受領の遅れが、追跡ユニットによって記録され得る。
ステップ56にて、放射性医薬品が投与され、投与時刻が記録される。インテリジェントスケジューラ2が、スケジュールされた投与時刻を提供する。スケジュールされた投与時刻からの計画又は実際の差に基づいて、遅れを計算することができる。放射性医薬品の投与は、到着時間の遅れに基づいて遅らせることができる。必要に応じて、予測ユニット12により、実際の患者到着時間を追跡することができる。追跡ユニットは、患者特性並びに指示されたスキャン手順の時刻及び時間に基づいて、投与の時点での患者に対する用量を確認することができる。
ステップ58にて、スケジュールされたローディング期間中に、患者が患者支持テーブル上に乗せられる。ローディングの時間が、例えば時間の積極的確認などでユーザインタフェースユニット26を介して記録され、あるいはログファイル30から取り出され得る。スケジュールの残りの部分について遅れを予測することができる。
ステップ60にて、指示されたスキャン手順が、スキャン装置を用いて実行される。実際の時間及び放射性医薬品の用量の関数として、スキャン時間を調整することができる。予測ユニットによって受け取られる延長されたスキャン時間が使用されてもよい。医療従事者による初期的な画像レビューに基づく延長スキャン時間は、遅れを必要とし得るが、後のスケジュール患者に影響を及ぼし得る。画像再構成は、スケジューリングにおける制約とならないよう、データが受信されたときに、分散・並列処理を用いて開始され得る。画像が、ワークステーション14のディスプレイ上又は別個のディスプレイ上に表示され得る。
ステップ62にて、患者がスキャン装置からアンローディングされる。システムが、終わりに当たり、例えば、入力されるかログファイルから取り出されるかする実際の時間をロードあるいは受信することなどによる、終了時間の積極的確認を要求し得る。
決定ステップ64にて、ローディング、スキャン及びアンローディングのプロセスが、各患者に対して繰り返され得る。ローディング、スキャン及びアンローディングを含むスキャナ使用の各フェーズの計画制度の改善された指標に基づいて、スキャン装置スループットを最適化することができる。ステップ66にて、収集後(ポストアクイジション)の再構成及び分析が実行される。収集後の再構成は、スキャン装置の使用を分散・回避し、スキャン手順からの記録データを使用する。
予測することは、放射性医薬品を投与すること56、患者を患者サポート上にローディングすること58、指示された核医学スキャン手順及び延長に従って患者をスキャンすること60、及び患者を患者サポートからアンローディングすること62を含む後続の各患者に対するステップ群67からのスケジュールを修正することを含む。予測することは、潜在的な変化が後又は下流のスケジュール患者への影響に関して評価される“what−if”シナリオを含むことができる。例えば取消又は緊急患者を追加することなど、“what−if”シナリオで評価される変化が、スケジュールに対して表明され得る。
図3は、インテリジェント核医学ワークフロースケジューラシステム1の例示的なスケジュールを図式的に示している。インテリジェントスケジューラ2は、各日(Day)のスキャン手順をスケジュールする。このスケジュール例は、Nという単一の日について分解されている。このスケジュールは、スキャン装置4のスループットに関係するアクティビティ68と、放射性医薬品の投薬(Admin dose)に関係するアクティビティ70と、患者到着アクティビティ72とを含んでいる。スケジューリングにおける従属関係を例示するために、患者(Patient)3のスケジューリングを更に詳細に説明する。
インテリジェントスケジューラ2は、デイリー(日)ベースで各患者を次の空き位置にスケジュールする。日が午前と午後とに分割され、スケジュールの柔軟性の目的で別々の日として扱われる。次の空き位置を選択する際、スケジュールは、先行する各患者に関して先にスケジュールされた時間74(ローディング(Load)時間、アンローディング(Unload)時間、及びスキャン時間を含む)を統合する。ローディング及びアンローディングの時間は、例えば可動性の指標などの患者特性に基づいてスケジュールされる。このスケジュールにおいて、患者4は、例えば歩行できないなどの可動性指標に起因して、より長いローディング及びアンローディング時間を有するようにスケジュールされている。スキャン時間は、指示された手順と、手順の時点で予定される用量とに基づく。このスケジュール例において、インテリジェントスケジューラは、患者1及び2に関するローディング、スキャン及びアンローディングの時間を統合している。患者1及び2をローディング、スキャン及びアンローディングするためのスケジュール時間は、患者1及び2の各々のスケジューリングの時点で確立されるスケジュール時間に基づき得る。これらの時間は、その後且つその日の次の空き時間のスケジューリングの前に受け取られる更なる情報に基づいて修正され得る。スケジュールへの更なる変更は予測ユニット12に含まれる。
インテリジェントスケジュール2は更に、次の空き位置を選択する際、例えば休憩(Break)、食事及び稼働時間などのスタッフ制約76を含む。一実施形態において、スタッフ制約は確固たる制約である。他の実施形態において、スタッフ制約は、量りにかけられることができ、且つ/或いは例えば+x分などの変更可能なスタートを与えられ得る。例えば、休憩を5分後ろにスケジュールすることによって或る空き位置を利用することができる場合、この休憩がシフトされてスキャン手順がスケジュールされ、この休憩の後に次の空き位置がスケジュールされる。さもなければ、このスキャン手順は、次の空き位置にてこの休憩の後にスケジュールされる。
インテリジェントスケジューラ2は、最適化スキャンスループットに基づいて、スキャン手順に関する時間及び放射性医薬品の用量78をスケジュールする。用量は、特定の時点での投与と例えば患者質量などの患者特性とに合わせて修正された、スキャン時点での用量に基づく。発注用量は、スキャン現場での受領(Receive doses)のスケジュール時間80に基づく更なる補正を含み得る。インテリジェントスケジューラは更に、放射性医薬品の投与のための適切なリードタイム(準備時間)を有するように到着時間82をスケジュールする。このリードタイムは、放射性医薬品の投与に先立っての患者に対する現場固有の説明及び指示のための時間を含み得る。
インテリジェントスケジューラ2によって取消が対処される。スケジュール内のその位置が、空きとしてマークを付けられる。スケジュールへの追加が、次の空き位置にスケジュールされ、これは、ローディング及びアンローディングの期間を含めてスキャン手順をスケジュールすることを含むことができる。
図4は、インテリジェント核医学ワークフロースケジューラシステム1の例示的な予測を図式的に示している。この予測例においては、患者3が到着し、歩行することができず、予期せずして、患者サポート6上へのローディング及び患者サポートからのアンローディングに追加の時間を要している。さらに、患者5がキャンセルするとともに、緊急患者8がスケジュールに追加されている。
患者3のローディング及びアンローディングによる遅れが、休憩の開示時間を後ろにシフトさせており、代わってそれが、患者4のローディングの開始時間を後ろにシフトさせている。患者4用の放射性医薬品は既に投与されており、遅れに適応するよう、予測ユニット12が患者4のスキャン時間を調整することを前もって計画している。このずれ(シフト)は、下流のスケジュール患者に続くことになるが、患者5がキャンセルしているので、遅れの影響は患者4に限られており、次の患者である患者6に関する予測状態はスケジュール通りとして予測されている。予測ユニットは、患者8が時間内に到着した場合には、空いた患者5のスロットを新たな患者8で埋める。さもなければ、患者8は、この例に示されるように緊急患者としてスケジュールされ、それにより患者7に遅れが生じる。患者6が自身の用量を投与された後及び/又はスキャンされている後に患者8が到着したらどうなるかの“what−if”を用いて、スケジュールへの影響が評価され得る。他の例では、患者5の取消に伴い、患者6に対し、患者7に影響を及ぼすことなく、単位用量を削減し、スキャン時点をより早くして、スキャン時間を増加させることができる。
緊急患者8の到着が、患者7の前でスケジュールに挿入されている。予測ユニットは、スケジュールに患者8を実際に追加するのに先立って、“what−if”シナリオを用いて予測を行って、後にスケジュールされている患者への影響を決定することができる。放射性医薬品は、種類及び用量が患者特性に好ましいものである場合、例えば患者5などの取消患者の分から取り得る。あるいは、単位用量が放射性薬局から配達されることを要することもある。患者8が、患者7の前でスケジュールに挿入される。予測ユニット12は、患者4に対する遅れと同様に患者7を遅延させることができ、あるいは、患者7への放射性医薬品の投与の繰延スタートを用いて、遅れを更に上流に移動させることができる。放射性医薬品の投与時間を変更するに当たり、予測ユニット12は、遅れる開始時間に基づいて、放射性医薬品の崩壊を計算してスキャン時間の調整を前って計画する。例えば放射性医薬品が最小限をも下回るといった、どのような解決策も可能でない予測シナリオに関しては、警告が表示装置上に表示される。
理解されるように、ここに提示した特定の例示の実施形態との関連で、特定の構造的及び/又は機能的な特徴が、規定の要素及び/又はコンポーネントに組み込まれているものとして説明されている。しかしながら、企図されることには、これらの特徴はまた、同じ又は同様の利益で、適宜にその他の要素及び/又はコンポーネントにも同様に組み込まれ得る。やはり理解されるように、これら例示の実施形態の異なる態様が、所望の用途に適した他の代替実施形態を達成するように、適宜に選択的に採用されてもよく、他の代替実施形態はそれにより、それに組み込まれた態様それぞれの利点を実現し得る。
やはり理解されるように、ここに記載された特定の要素又はコンポーネントは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって好適に実装された自身の機能を有し得る。また、理解されるように、一緒に組み込まれるものとしてここに記載された複数の特定の要素は、好適な状況下で、独立した要素であってもよいし、その他の方法で分離されてもよい。同様に、1つの特定の要素によって実行されるものとして記載された複数の特定の機能は、個々の機能を実行するように独立に動作する複数の別々の要素によって実行されてもよく、また、特定の個別の機能が分離されて、協働する複数の別々の要素によって実行されてもよい。他の例では、ここでは互いに別個であるとして図示され且つ/或いは別段に記載された一部の要素又はコンポーネントが、物理的あるいは機能的に適宜に結合されてもよい。
要するに、本明細書は、好適な実施形態を参照して説明されている。自明なことに、本明細書を読んで理解した者には変更及び改変が浮かぶであろう。意図されることには、本発明は、添付の請求項の範囲又はその均等範囲に入る限りにおいて、全てのそのような変更及び改変を含むとして解釈されるものである。つまりは、以上にて開示された機構及び機能並びにその他の機構及び機能のうちの様々なもの、又はそれらを代替するものは、数多くの他の異なるシステム又は応用へと望ましく組み合わされ得るものであり、また、後に当業者によって為され得る、これらにおける様々な現時点では予測不能あるいは予期せぬ代替、変更、変形又は改良も、同様に、以下の請求項によって包含されるものである。