JP2016501877A - クロストリジウム・ディフィシルに対する抗体 - Google Patents

クロストリジウム・ディフィシルに対する抗体 Download PDF

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Abstract

対象でのクロストリジウム・ディフィシル感染症の処置または予防のための組成物および方法を提供する。本組成物はクロストリジウム・ディフィシルB毒素に対する抗体を含む。本方法は、クロストリジウム・ディフィシル細菌感染症の再発を低減または排除または予防するのに有効な量で対象に抗体を投与することを提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、クロストリジウム・ディフィシルB毒素に対するモノクローナル抗体に関する。本発明は、脊椎動物の対象における細菌クロストリジウム・ディフィシルによる感染症の診断、処置または予防用の組成物および方法にさらに関する。感染症由来の再発を低減、排除、または予防するために抗体を脊椎動物の対象に有効量で投与する方法が提供される。
クロストリジウム・ディフィシル(C. difficile)は一般的な院内病原体であり、世界中の入院患者の罹患率および死亡数の主要な原因である(Kelly et al., New Eng. J. Med., 330:257−62, 1994)。多様な抗生剤の使用の増加および著しく病原性のあるC. difficile株の発生により、免疫療法がこの細菌に関連する疾患および死亡を低減するためにうまく適し得ると考えられるようになった。C. difficileは、従来より抗生剤の選択肢がほとんどなく、疾患の再発を頻繁に引き起こす(事例のうち25%)。医療行為を行っていても、C. difficileにより、1年あたり米国のみで20,000人の命が失われており、500,000件前後の感染症が引き起こされていることが確認されている。近年では、B1/NAP1/027株などの高いレベルの毒素を産生する、より病原性のあるC. difficile株が登場し、これらはまた、メトロニダゾールに対する感受性が低い。C. difficileが発生した場合、疾患の拡大を促進する胞子の持続性のため、病棟および部分的な病院の閉鎖が必要とされる。高齢者人口の増加および人口動態の変化に伴い、C. difficileは、21世紀における大きな問題となっている。C. difficile疾患の範囲は、無症状の保因〜軽度の下痢〜劇症の偽膜性大腸炎の範囲にある。
C. difficileは二形性のライフサイクルを有し、それにより感染性でありかつ強靭な胞子の形態、および代謝的に活性な毒素産生増殖型細胞として存在する。C. difficile関連疾患(CDAD)は、増殖型細胞により引き起こされ、より具体的には2つの毒素、エンテロトキシンのA毒素および細胞毒のB毒素の作用により引き起こされると考えられている。今日まで、C. difficileに関するワクチンおよび免疫療法は、毒素(AおよびB)、AおよびBのトキソイド、AおよびBの組み換えフラグメント、および増殖型細胞表面層タンパク質(SLPA)に焦点が当てられている。
B毒素(TcdB、〜269kDa)は、C. difficileの病原性遺伝子座位(PaLoc)にコードされる約2366残基の単一ポリペプチド毒素であり、この遺伝子座位は毒素発現の2つのレギュレータ(TcdCおよびTcdR)、推定ホリン(TcdE)、およびA毒素(TcdA)の遺伝子をも含んでいる。TcdBは、細胞の細胞質ゾル内の低分子GTPアーゼの細胞移入およびグリコシル化に寄与する少なくとも4つの機能的ドメインを有する。TcdBのグリコシルトランスフェラーゼドメインは毒素の最初の543残基に含まれており、かつ生物学的に活性なドメインであり、保存されているDXDモチーフ(Asp286/Asp288)およびTrpl02をも含み、Mn2+およびUDPグルコースと複合体を形成する。残基544〜955のシステインプロテアーゼドメインは、自己タンパク質分解活性および酵素的ドメインのサイトゾルへの送達に必要である。システインプロテアーゼドメインおよびC末端結合ドメインの間に送達ドメインが示唆されており、これは膜を介する毒素の転位および標的細胞のサイトゾルへのグリコシルトランスフェラーゼの送達に関与している。最後に、TcdBの第4の機能的ドメインが毒素のカルボキシ末端領域内(1851〜2366)に配置されており、標的細胞上のレセプターと相互作用すると予測される。しかしながら、ヒトの正確な毒素レセプターは同定されていない。結合の後、毒素は、クラスリンおよびダイナミン依存型の経路を介して取り込まれて酸性エンドソーム区画へ達し、そこから毒素はサイトゾル内に転位される。おそらくサイトゾル中で、システインプロテアーゼドメインがInsP6の結合により活性化され、グリコシルトランスフェラーゼドメインの自己切断および放出をもたらし、これが次いでRhoタンパク質(RhoA、−B、および−C)、RacおよびCdc42を標的とする。これらの小さな制御タンパク質のグリコシル化により、細胞内の重要なシグナリング経路が破壊され、アクチンの縮合および結果として細胞の円形化(rounding)、膜の小疱形成、および最終的なアポトーシスおよび標的細胞の死をもたらす。TcdAおよびTcdBはいずれも幅広い範囲の細胞種に対し活性を有するが、TcdBはTcdAよりも高い酵素活性率を示し、いくつかの細胞種では細胞変性効果の速度を速める。細胞の種類に応じて、TcdBは、異なる試験でTcdAよりも4倍〜200倍の範囲のより高い細胞傷害性を有した。
CDADの再発予防を含む、C. difficile関連感染症の効果的な処置および予防のための未だに対処されていない要望が存在する。本発明は、これらのおよび他の要望を満たすための、B毒素に対するマウス抗体およびヒト化抗体を提供する。
本発明は、1つの実施形態で、重鎖可変領域および軽可変領域を含む、単離型モノクローナル抗体、またはその抗原結合部であって、重鎖可変領域が、配列番号110、111、および112に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、3つの相補性決定領域(CDR)CDR1、CDR2およびCDR3を含み、かつ軽鎖可変領域が、配列番号102、103および104に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、3つのCDR、CDR1、CDR2およびCDR3を含む、単離型モノクローナル抗体、またはその抗原結合部を含む。
別の実施形態では、本発明は、重鎖可変領域および軽可変領域を含む、単離型モノクローナル抗体、またはその抗原結合部であって、重鎖可変領域が、配列番号126、127および128に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、3つの相補性決定領域(CDR)CDR1、CDR2およびCDR3を含み、かつ軽鎖可変領域が、配列番号118、119および120に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、3つのCDR、CDR1、CDR2およびCDR3を含む、単離型モノクローナル抗体、またはその抗原結合部を含む。
第3の実施形態では、本発明は、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む、単離型モノクローナル抗体またはその抗原結合部であって、重鎖可変領域が、配列番号142、143および144に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、3つの相補性決定領域(CDR)CDR1、CDR2およびCDR3を含み、かつ軽鎖可変領域が、配列番号134、135および136に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、3つのCDR、CDR1、CDR2およびCDR3を含む、単離型モノクローナル抗体、またはその抗原結合部を含む。
第4の実施形態では、本発明は、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む、重単離型モノクローナル抗体またはその抗原結合部であって、重鎖可変領域が、配列番号206、207および208に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、3つの相補性決定領域(CDR)CDR1、CDR2およびCDR3を含み、かつ軽鎖可変領域が、配列番号198、199および200に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、3つのCDR、CDR1、CDR2およびCDR3を含む、単離型モノクローナル抗体、またはその抗原結合部を含む。
第5の実施形態では、本発明は、重鎖可変領域および軽鎖領域を含む、単離型モノクローナル抗体またはその抗原結合部であって、重鎖可変領域が、配列番号222、223および224に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、3つの相補性決定領域(CDR)CDR1、CDR2およびCDR3を含み、かつ軽鎖可変配列が、配列番号214、215および216に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、3つのCDR、CDR1、CDR2およびCDR3を含む、単離型モノクローナル抗体、またはその抗原結合部を含む。
第6の実施形態では、本発明は、重鎖領域および軽鎖領域を含む、単離型モノクローナル抗体またはその抗原結合部であって、重鎖可変領域が、配列番号238、239および240に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、3つの相補性決定領域(CDR)CDR1、CDR2およびCDR3を含み、かつ軽鎖可変領域が、配列番号230、231および232に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、3つのCDR、CDR1、CDR2およびCDR3を含む、単離型モノクローナル抗体、またはその抗原結合部を含む。
第7の実施形態では、本発明は、重鎖可変領域および軽鎖領域を含む、単離型モノクローナル抗体、またはその抗原結合部であって、重鎖可変領域が、配列番号238、239および240に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、3つの相補性決定領域(CDR)CDR1、CDR2およびCDR3を含み、かつ軽鎖可変領域が、配列番号230、231および232に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、3つのCDR、CDR1、CDR2およびCDR3を含む、単離型モノクローナル抗体、またはその抗原結合部を含む。
第8の実施形態では、本発明は、重鎖可変領域および軽鎖領域を含む、単離型モノクローナル抗体、またはその抗原結合部であって、重鎖可変領域が配列番号710と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域が配列番号708と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列を含む、単離型モノクローナル抗体、またはその抗原結合部を含む。
第9の実施形態では、本発明は、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む、単離型モノクローナル抗体、またはその抗原結合部であって、重鎖可変領域が、配列番号76、77および78に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、3つの相補性決定領域(CDR)CDR1、CDR2およびCDR3を含み、かつ軽鎖可変領域が、配列番号68、69および70に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、3つのCDR、CDR1、CDR2およびCDR3を含む、単離型モノクローナル抗体、またはその抗原結合部を含む。この実施形態では、重鎖可変領域が配列番号75に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域が配列番号67に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列を含む。
第10の実施形態では、本発明は、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む、単離型モノクローナル抗体、またはその抗原結合部であって、重鎖可変領域が、配列番号44、45および46に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、3つの相補性決定領域(CDR)CDR1、CDR2およびCDR3を含み、かつ軽鎖可変領域が、配列番号36、37および38に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、3つのCDR、CDR1、CDR2およびCDR3を含む、単離型モノクローナル抗体、またはその抗原結合部を含む。この実施形態では、重鎖可変領域が配列番号43に示されるアミノ酸配列と、約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域が配列番号35に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列を含む。
第11の実施形態では、C. difficile B毒素に結合する単離型モノクローナル抗体またはその抗原結合部は、配列番号109、125、141、157、173、189、205、221および237に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含み、かつ、配列番号101、117、133、149、165、181、197、213および229に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む。
第12の実施形態では、C. difficile B毒素に結合する単離型モノクローナル抗体またはその抗原結合部は、配列番号389、405、421、437、453、469、485、501、517、533、549、565、571、587、603、619、635、651および709に示される核酸配列と約80%〜約100%相同である核酸配列を含む重鎖可変領域を含み、かつ、軽鎖可変領域が配列番号381、397、413、429、445、461、477、493、509、525、541、557、563、579、595、611、627、643および707に示される核酸配列と約80%〜約100%相同である核酸配列を含む。
本発明はまた、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む、単離型モノクローナル抗体、またはその抗原結合部であって、重鎖可変領域が、配列番号76、77および78に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、3つの相補性決定領域(CDR)CDR1、CDR2およびCDR3を含み、かつ軽鎖可変領域が、配列番号68、69および70に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、3つのCDR、CDR1、CDR2およびCDR3を含む、単離型モノクローナル抗体、またはその抗原結合部を提供する。
本発明は、クロストリジウム・ディフィシル(C. difficile)B毒素に結合する単離型モノクローナル抗体、またはその抗原結合部であって、
(1)重鎖可変領域であって、重鎖可変領域が、配列番号76、77および78に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、3つのCDR、CDR1、CDR2およびCDR3を含む、重鎖可変領域、
(2)軽鎖可変領域であって、軽鎖可変領域が、配列番号68、69および70に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、3つのCDR、CDR1、CDR2およびCDR3を含む、軽鎖可変領域、
(3)重鎖可変領域であって、重鎖可変領域が配列番号75に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域が配列番号67に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列を含む、重鎖可変領域、
(4)重鎖可変領域および軽鎖可変領域であって、重鎖可変領域が、配列番号44、45および46に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、3つの相補性決定領域(CDR)CDR1、CDR2およびCDR3を含み、かつ軽鎖可変領域が、配列番号36、37および38に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、3つのCDR、CDR1、CDR2およびCDR3を含む、重鎖可変領域および軽鎖可変領域、
(5)重鎖可変領域であって、重鎖可変領域が、配列番号44、45および46に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、3つのCDR、CDR1、CDR2およびCDR3を含む、重鎖可変領域、
(6)軽鎖可変領域であって、軽鎖可変領域が、配列番号36、37および38に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、3つのCDR、CDR1、CDR2およびCDR3を含む、軽鎖可変領域、
(7)重鎖可変領域であって、重鎖が配列番号43に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域が配列番号35に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列を含む、重鎖可変領域、
(8)重鎖可変領域および軽鎖可変領域であって、重鎖可変領域が、(i)配列番号110、111および112;(ii)配列番号126、127および128;もしくは(iii)配列番号142、143および144に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、3つの相補性決定領域(CDR)CDR1、CDR2およびCDR3を含み、かつ軽鎖可変領域が、(i)配列番号102、103および104;(ii)配列番号118、119および120;もしくは(iii)配列番号134、135および136に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同するアミノ酸配列をそれぞれ有する、3つのCDR、CDR1、CDR2、およびCDR3を含む、重鎖可変領域および軽鎖可変領域、
(9)重鎖可変領域であって、重鎖可変領域が、(i)配列番号110、111および112;(ii)配列番号126、127および128;もしくは(iii)配列番号142、143および144に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、3つのCDR、CDR1、CDR2、およびCDR3を含む、重鎖可変領域、
(10)軽鎖可変領域であって、軽鎖可変領域が、(i)配列番号102、103および104;(ii)配列番号118、119および120;もしくは(iii)配列番号134、135および136に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、3つのCDR、CDR1、CDR2およびCDR3を含む、軽鎖可変領域、
(11)重鎖可変領域であって、重鎖が配列番号109、125もしくは141に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域が配列番号101、117もしくは133に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列を含む、重鎖可変領域、
(12)重鎖可変領域および軽鎖可変領域であって、重鎖可変領域が、(i)配列番号206、207および208;(ii)配列番号222、223および224;もしくは(iii)配列番号238、239および240に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%未満相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、3つの相補性決定領域(CDR)CDR1、CDR2およびCDR3を含み、かつ軽鎖可変領域が、(i)配列番号198、199および200;(ii)配列番号214、215および216;もしくは(iii)配列番号230、231および232に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、3つのCDR、CDR1、CDR2およびCDR3を含む、重鎖可変領域および軽鎖可変領域、
(13)重鎖可変領域であって、重鎖可変領域が、(i)配列番号206、207および208;(ii)配列番号222、223および224;もしくは(iii)配列番号238、239および240に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、3つのCDR、CDR1、CDR2およびCDR3を含む、重鎖可変領域、
(14)軽鎖可変領域であって、軽鎖可変領域が、(i)配列番号198、199および200;(ii)配列番号214、215および216;もしくは(iii)配列番号230、231および232に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、3つのCDR、CDR1、CDR2およびCDR3を含む、軽鎖可変領域、
(15)重鎖可変領域であって、重鎖が配列番号205、221もしくは237に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%の相同であるアミノ酸配列を有し、かつ軽鎖可変領域が、配列番号197、213もしくは229に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列を含む、重鎖可変領域、
(16)重鎖可変領域および軽鎖可変領域であって、重鎖可変領域が、(i)配列番号486、487および488;(ii)配列番号502、503および504;もしくは(iii)配列番号518、519および520に示される核酸配列と約80〜約100%相同である核酸によりそれぞれコードされる、3つの相補性決定領域(CDR)CDR1、CDR2およびCDR3を含み、かつ軽鎖可変領域が、(i)配列番号478、479および480;(ii)配列番号494、495および496;もしくは(iii)配列番号510、511および512に示される核酸配列と約80%〜約100%相同である核酸によりそれぞれコードされる、3つのCDR、CDR1、CDR2およびCDR3を含む、重鎖可変領域および軽鎖可変領域、
(17)重鎖可変領域であって、重鎖可変領域が、(i)配列番号486、487および488;(ii)配列番号502、503および504;もしくは(iii)配列番号518、519および520に示される核酸配列と約80%〜約100%相同である核酸によりそれぞれコードされる、3つのCDR、CDR1、CDR2およびCDR3を含む、重鎖可変領域、
(18)軽鎖可変領域であって、軽鎖可変領域が、(i)配列番号478、479および480;(ii)配列番号494、495および496;もしくは(iii)配列番号510、511および512に示される核酸配列と約80%〜約100%相同である核酸配列によりそれぞれコードされる、3つのCDR、CDR1、CDR2およびCDR3を含む、軽鎖可変領域、
(19)重鎖可変領域および軽鎖可変領域であって、重鎖可変領域が、(i)配列番号390、391および392;(ii)配列番号406、407および408;もしくは(iii)配列番号422、423および424に示される核酸配列と約80%〜約100%相同である核酸によりそれぞれコードされる、相補性決定領域(CDR)CDR1、CDR2およびCDR3を含み、かつ軽鎖可変領域が、(i)配列番号382、383および384;(ii)配列番号398、399および400;もしくは(iii)配列番号414、415および416に示される核酸配列と約80%〜約100%相同である核酸配列によりそれぞれコードされる、3つのCDR、CDR1、CDR2およびCDR3を含む、重鎖可変領域および軽鎖可変領域、
(20)重鎖可変領域であって、重鎖可変領域が、(i)配列番号390、391および392;(ii)配列番号406、407および408;もしくは(iii)配列番号422、423および424に示される核酸配列と約80%〜約100%相同である核酸配列によりそれぞれコードされる、3つのCDR、CDR1、CDR2およびCDR3を含む、重鎖可変領域、
(21)軽鎖可変領域であって、(i)配列番号382、383および384;(ii)配列番号398、399および400;もしくは(iii)配列番号414、415および416に示される核酸配列と約80%〜約100%相同である核酸配列によりそれぞれコードされる、3つのCDR、CDR1、CDR2およびCDR3を含む、軽鎖可変領域、
(22)重鎖可変領域および軽鎖可変領域であって、重鎖可変領域が、(i)配列番号620、621および622;(ii)配列番号636、637および638;もしくは(iii)配列番号652、653および654に示される核酸配列と約80%〜約100%相同である核酸配列によりそれぞれコードされる、相補性決定領域(CDR)CDR1、CDR2およびCDR3を含み、かつ軽鎖可変領域が、(i)配列番号612、613および614;(ii)配列番号628、629および630;もしくは(iii)配列番号644、645および646に示される核酸配列と約80%〜約100%相同である核酸配列によりそれぞれコードされる、3つのCDR、CDR1、CDR2およびCDR3を含む、重鎖可変領域および軽鎖可変領域、
(23)重鎖可変領域であって、重鎖可変領域が、(i)配列番号620、621および622;(ii)配列番号636、637および638;もしくは(iii)配列番号652、653および654に示される核酸配列と約80%〜約100%相同である核酸配列によりそれぞれコードされる、3つのCDR、CDR1、CDR2およびCDR3を含む、重鎖可変領域、
(24)軽鎖可変領域であって、軽鎖可変領域が、(i)配列番号612、613および614;(ii)配列番号628、629および630;もしくは(iii)配列番号644、645および646に示される核酸配列と約80%〜約100%相同である核酸配列によりそれぞれコードされる、3つのCDR、CDR1、CDR2およびCDR3を含む、軽鎖可変領域、
(25)重鎖可変領域および軽鎖可変領域であって、重鎖可変領域が、(i)配列番号534、535および536;(ii)配列番号550、551および552;もしくは(iii)配列番号556、567および568に示される核酸配列と約80%〜約100%相同である核酸配列によりそれぞれコードされる、3つの相補性決定領域(CDR)CDR1、CDR2およびCDR3を含み、かつ軽鎖可変領域が、(i)配列番号526、527および528;(ii)配列番号542、543および544;もしくは(iii)配列番号558、559および560に示される核酸配列と約80%〜約100%相同である核酸配列によりそれぞれコードされる、3つのCDR、CDR1、CDR2およびCDR3を含む、重鎖可変領域および軽鎖可変領域、
(26)重鎖可変領域であって、重鎖可変領域が、(i)配列番号534、535および536;(ii)配列番号550、551および552;もしくは(iii)配列番号566、567および568に示される核酸配列と約80%〜約100%相同である核酸配列によりそれぞれコードされる、3つのCDR、CDR1、CDR2およびCDR3を含む、重鎖可変領域、
(27)軽鎖可変領域であって、軽鎖可変領域が、(i)配列番号526、527および528;(ii)配列番号542、543および544;もしくは(iii)配列番号558、559および560に示される核酸配列と約80%〜約100%相同である核酸配列によりそれぞれコードされる、3つのCDR、CDR1、CDR2およびCDR3を含む、軽鎖可変領域、
(28)配列番号485、501および517に示される核酸配列と約80%〜約100%相同である核酸配列によりコードされる重鎖可変領域であって、軽鎖可変領域が配列番号477、493および509に示される核酸配列と約80%〜約100%相同である核酸配列によりコードされる、重鎖可変領域、
(29)重鎖可変領域であって、配列番号389、405もしくは421に示される核酸配列と約80%〜約100%相同である核酸配列によりコードされ、かつ軽鎖可変領域が配列番号381、397もしくは413に示される核酸配列と約80%〜約100%相同である核酸配列によりコードされる、重鎖可変領域、
(30)重鎖可変領域であって、配列番号619、635もしくは651に示される核酸配列と約80%〜約100%相同である核酸配列によりコードされ、かつ軽鎖可変領域が配列番号611、627もしくは643に示される核酸配列と約80%〜約100%相同である核酸配列によりコードされる、重鎖可変領域、
(31)重鎖可変領域であって、配列番号533、549もしくは565に示される核酸配列と約80%〜約100%相同である核酸配列によりコードされ、かつ軽鎖可変領域が配列番号525、541もしくは557に示される核酸配列と約80%〜約100%相同である核酸配列によりコードされる、重鎖可変領域、
(32)重鎖可変領域であって、重鎖可変領域が配列番号11、27、43、59、75もしくは93に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列を含む、重鎖可変領域、
(33)軽鎖可変領域であって、軽鎖可変領域が配列番号3、19、35、51、67もしくは85に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列を含む、軽鎖可変領域、
(34)重鎖可変領域であって、重鎖可変領域が配列番号109、125、141、157、173、189、205、221、237もしくは710に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列を含む、重鎖可変領域、
(35)軽鎖可変領域であって、軽鎖可変領域が配列番号101、117、133、149、165、181、197、213、229もしくは708に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列を含む、軽鎖可変領域、
(36)重鎖可変領域であって、重鎖可変領域が配列番号253、269、285、301、317、341、357もしくは373に示される核酸配列と約80%〜約100%相同である核酸配列によりコードされる、重鎖可変領域、
(37)軽鎖可変領域であって、軽鎖可変領域が配列番号245、261、277、293、309、325、333、349もしくは365に示される核酸配列と約80%〜約100%相同である核酸配列によりコードされる、軽鎖可変領域、
(38)重鎖可変領域であって、重鎖可変領域が配列番号389、405、421、437、453、469、485、501、517、533、549、565、571、587、603、619、635もしくは651に示される核酸配列と約80%〜約100%相同である核酸配列によりコードされる、重鎖可変領域、
(39)軽鎖可変領域であって、軽鎖可変領域が配列番号381、397、413、429、445、461、477、493、509、525、541、557、579、595、611、627、643もしくは714に示される核酸配列と約80%〜約100%相同である核酸配列によりコードされる、軽鎖可変領域、もしくは
(40)配列番号75および67に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ含む、重鎖可変領域および軽鎖可変領域
を含む、単離型モノクローナル抗体、またはその抗原結合部を提供する。
単離型モノクローナル抗体またはその抗原結合部はC. difficileB毒素に結合し、かつ約1×10−8M未満の解離定数(K)を有していてもよい。
単離型モノクローナル抗体または抗原結合部は、ヒト化されているかまたはキメラであってもよく、たとえば、マウス−ヒトであってもよく、かつ(a)全免疫グロブリン分子、(b)scFv、(c)Fabフラグメント、(d)F(ab')2、または(e)ジスルフィド結合型Fvであってもよく、かつ少なくとも1つの定常ドメイン、たとえば、(a)IgG定常ドメイン、(b)IgM定常ドメイン、(c)IgD定常ドメイン、(d)IgE定常ドメイン、または(e)IgA定常ドメインを含んでもよい。本発明の抗体または抗原結合部は翻訳後修飾のために、融合パートナーまたは組み込みドメインにインフレームで融合して、in vitroでの安定性を促進して製剤化/有効期間に影響を与えてもよく(たとえば被包、アシル化)、またはin vivoでの安定性を促進してPK/PDに影響を与えてもよい(たとえば、ペグ化、シアル酸付加(sialyation)、グリコシル化)。融合パートナーは、治療的または診断的適用のためのリガンドとして作用してもよい。抗体または抗原結合部は、結合価(多価)を介して結合活性が増大するよう改変されてもよく、または、他の抗原に対する抗体もしくは抗原結合部(たとえば、TcdA、TcdB、二成分の毒素)との融合により、もしくは会合により特異性が補完されてもよい。
単離型モノクローナル抗体または抗原結合部は、(i)C. difficileB毒素のフラグメント4;および/または(ii)C. difficileB毒素のフラグメント1に結合してもよい。
本発明は、単離型モノクローナル抗体、または抗原結合部であって、抗体、またはその抗原結合部が、(1)配列番号43および35に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ含む重鎖可変領域および軽鎖可変領域;(2)(i)配列番号109および101;(ii)配列番号125および117;(iii)配列番号141および133に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ含む重鎖可変領域および軽鎖可変領域;(3)(i)配列番号205および197;(ii)配列番号221および213;または(iii)配列番号237および229に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ含む重鎖可変領域および軽鎖可変領域;(4)(i)配列番号389および381;(ii)配列番号405および397;(iii)配列番号421および413;または(iv)配列番号709および707に示される核酸配列と約80%〜約100%相同である核酸配列をそれぞれ含む重鎖可変領域および軽鎖可変領域;もしくは、(5)(i)配列番号485および477;(ii)配列番号501および493;もしくは(iii)配列番号517および509に示される核酸配列と約80%〜約100%相同である核酸配列によりそれぞれコードされる重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む抗体により認識されるC. difficileB毒素と同一のまたは抗原的に類似するエピトープに結合する、単離型モノクローナル抗体または抗原結合部を提供する。
本発明は、CAN33G1、CAN46G4、CAN46G13、CAN46G13a、CAN46G19もしくはCAN46G24と命名されたハイブリドーマにより産生される単離型モノクローナル抗体、またはCAN33G1、CAN46G4、CAN46G13、CAN46G13a、CAN46G19もしくはCAN46G24と命名されたハイブリドーマを提供する。
本発明は、単離型モノクローナル抗体、またはその抗原結合部を提供し、in vivoでのB毒素の実験の際に、哺乳類を約75ngまたは約75ng超のC. difficileB毒素に曝露する約24時間前に、抗体、またはその抗原結合部が約8mg/kg体重〜約13mg/kg体重の範囲の用量で哺乳類に投与される場合、哺乳類の生存率が、毒素Bへの曝露後約4時間以内に約80%超である。致死量または致死濃度は、毒素の毒性に依存する。したがって毒素を中和するために必要な抗体の量は変動してもよい。
本発明は、単離型モノクローナル抗体、またはその抗原結合部であって、抗体、またはその抗原結合部が約25μg/ml〜約100μg/mlの範囲の濃度で、in vitroの中和アッセイにて約5ng/mlのC. difficileB毒素の約40%超を中和する。毒素の毒性は、細胞株間で変動するため、それが単離された株に依存する。したがって、毒素を中和するために必要な抗体の濃度は、毒素の供給源に依存する。
本発明に使用し得る細胞としては、限定するものではないが、細菌細胞、真核細胞、または哺乳類細胞が挙げられる。たとえば、細胞はCOS−1、COS−7、HEK293、BHK21、CHO、CHOK1SV、Per.C6、BSC−1、Hep G2、SP2/0、HeLa、骨髄腫細胞またはリンパ腫細胞であってよい。
本発明は、
(1)CAN46G13−1−8(ハイブリドーマはATCC特許寄託指定(Patent Deposit Designation)PTA-13257を有するアメリカンタイプカルチャーコレクションに寄託されている。PTA−13257の寄託物は2012年8月23日に作製された。本明細書に使用されるように、CAN46G13aは、ハイブリドーマクローンCAN46G13−1−8または対応するクローンにより産生されたモノクローナル抗体を指す)、
(2)CAN46G4−1−2(ハイブリドーマはATCC特許寄託指定PTA− 13258を有するアメリカンタイプカルチャーコレクションに寄託されている。PTA−13258の寄託物は2012年8月23日に作製された。本明細書に使用されるように、CAN46G4は、クローンCAN46G4−1−2または対応するクローンにより産生されるモノクローナル抗体を指す)、
(3)CAN46G19−3−2(ハイブリドーマはATCC特許寄託指定PTA−13259を有するアメリカンタイプカルチャーコレクションに寄託されている。PTA−13259の寄託物は2012年8月23日に作製された。本明細書で使用されるように、CAN46G19は、クローンCAN46G19−3−2または対応するクローンにより産生されるモノクローナル抗体を指す)、
(4)CAN46G13−1−5(ハイブリドーマはATCC特許寄託指定PTA−13260を有するアメリカンタイプカルチャーコレクションに寄託されている。PTA−13260は2012年8月23日に作製された。本明細書に使用されるように、CAN46G13およびCAN46G24は、クローンCAN46G13−1−5または対応するクローンにより産生されるモノクローナル抗体を指す。CAN46G13およびCAN46G24により産生されるモノクローナル抗体の配列は同一である)
と命名されたハイブリドーマにより産生される抗体を提供する。
本発明は、単離型モノクローナル抗体またはその抗原結合部、および少なくとも一つの薬学的に許容可能なキャリアーを含む、組成物を提供する。この組成物は、本発明の抗体またはその抗原結合部の有効量を対象に投与することを含む、C. difflcile関連疾患を予防または処置する方法として使用されてもよい。抗体またはその抗原結合部は、静脈内に、皮下に、筋肉内に、または経皮的に投与されてもよい。本発明の方法は、異なる抗体またはそのフラグメント(たとえばC. difficileA毒素を結合する抗体またはその抗原結合部)、抗寄生虫薬(たとえばニタゾキサニド(nitrazoxanide))、抗生剤(たとえばバンコマイシン、メトロニダゾール、メトロニダゾール、リファキシミン、もしくはフィダキソマイシン)、プロバイオティクス(サッカロマイセス・ブラウディ、ビフィズス菌、もしくは乳酸桿菌を備える組成物)、または糞便移植片(fecal transplant)などの第2の薬剤、または複数の薬剤(たとえば、第3、第4、第5および第6の薬剤)を対象に投与するステップをさらに含んでもよい。本発明の方法は、異なる抗体またはそのフラグメント(たとえば、C.difficileB毒素の異なるフラグメントを結合する抗体またはその抗原結合部)などの1つ以上の追加的な薬剤を対象に投与するステップをさらに含んでもよい。
全B毒素(TcdB)、B毒素のフラグメント4(TcdB F4)、およびB毒素のフラグメント1(TcdB F1)に対するCAN33およびCAN46モノクローナル抗体(mAb)の特異的な結合を示すELISAである。対照抗体hPA−41、マウス抗B毒素ポリクローナル(マウスpAB)、および抗B毒素(CAN20G2)と共に、TcdA(A毒素)陰性対照を示す。 マウスCAN33およびCAN46mAbが異なるエピトープと結合し、かつB毒素に関するmAb MDX−1388 (Medarex)と競合しないことを示す競合ELISAである。 マウスCAN33およびCAN46mAbが異なるエピトープと結合し、かつB毒素に関するmAb hPA−41(Progenics Pharmaceuticals, Inc.)と競合しないことを示す競合ELISAである。 精製したマウスCAN46G4およびCAN46G19 mAbのウェスタン免疫ブロットを示す。 精製したマウスCAN46G13およびCAN46G13a mAbのウェスタン免疫ブロットを示す。 精製したマウスCAN46G24 mAbのウェスタン免疫ブロットを示す。 マウスCAN46G4、CAN46G13aおよびCAN46G24に関するエピトープビニンググラフ(epitope binning graph)である。 xCelligenceプラットフォームを使用したHT−29細胞でのTcdBの4−PL毒素の滴定曲線を示す。 マウスの生存に関するC. difficileB毒素の効果およびB毒素試験に対するマウスCAN33およびマウスCAN46mAbの有効性を示す棒グラフである。 RNA由来の可変(varibable)(V)鎖遺伝子増幅に使用されるプライマーを示す。 マウスCAN46およびCAN33G1の部分的クローン由来のVHおよびVLの両方の配列を含む、マウスCAN46G4、CAN46G13a、CAN46G19、CAN46G24、CAN46G13、およびCAN33G1に関する可変(V)遺伝子シークエンシングを示す。 ヒト化CDR移植CAN46 mAbのアミノ酸可変V領域配列を示す。 ヒト化huCAN46G mAbのアミノ酸可変V領域配列を示す。 再表面化した、ヒト化rehuCAN46G mAbのアミノ酸可変V領域配列を示す。 棒グラフとして示される250pg/mlでのHEK293F細胞中で発現させたPer.C6構築物の精製済みヒト化CAN46G4バリアントのin vitro中和データを表す棒グラフを示す。 棒グラフとして示される250pg/mlでのHEK293F細胞中で発現させたPer.C6構築物の精製済みヒト化CAN46G19バリアントのin vitro中和データを表す棒グラフを示す。 マウスの生存に関するC. difficileB毒素の効果およびB毒素試験に対するヒト化CAN46G13a mAb(Per.C6ベース構築物を発現するHEK293F細胞から精製)の効果を示すカプラン・マイヤープロットである。 マウスの生存に関するC. difficileB毒素の効果およびB毒素試験に対するヒト化CAN46 mAb(Per.C6−ベース構築物を発現するHEK293F細胞から精製)の効果を示すカプラン・マイヤープロットである。 B毒素試験前(試験の12時間前)および後(試験の72時後)のヒト化CAN46mAbを注射したマウスからの総ヒトIgGのELISAの結果を示す表である。 ヒト化CAN46G24 mAbのIn vitroB毒素中和を示す折れ線グラフである。 ヒト化CAN46G13a mAbのin vitroB毒素中和を示す折れ線グラフである。 ヒト化CAN46G19 mAbのin vitroB毒素中和を示す折れ線グラフである。 ヒト化huCAN46G mAbのin vitroB毒素中和を能力示す折れ線グラフである。 ヒト化CAN46G mAbのin vitroB毒素中和能力を示す折れ線グラフである。 ヒト化CAN46G4、CAN46G13a、およびCAN46G19 Ted B mAbの親和性解析を示す表である。 CHOベース構築物を発現するCHOK1SV細胞から精製したヒト化CAN46G mAbのIn vitroB毒素中和を示す折れ線グラフである。 様々なC. difficile臨床単離物に対するヒト化CAN46mAbのEC50を示す複数の棒グラフを含む。 B1 C. difficile胞子での感染に対するヒトCDA1/MDX1388およびヒト化HeCAN20G2/HuCAN46G24mAbの用量のハムスターの生存に関する防御効果を示すカプラン・マイヤープロットである。 C. difficile B1胞子での感染後のハムスターの体重におけるベースラインからの変化を示す。 C. difficile B1胞子での感染後のハムスターにおける毒素特異的ヒトCDA1/MDX1388 mAbおよびヒト化HeCAN20G2/HuCAN46G24 mAbのレベルを示す。 異なるC.difficile株由来の部分精製した毒素に対するPer.C6ベース構築物を発現するHEK293F細胞から精製した異なるmAbの、直接的なELISAにより測定したin vitroでの免疫反応性応答を示す表である。 B1およびNAP1株(BI−1、BI−6、およびBI−17)についての異なる実験を通して行われた独立アッセイから決定された、異なる抗体の組み合わせの%中和を示す。 サンドイッチELISAによる、異なるC. difficile非NAP 1およびNAP1株から捕捉した毒素に対するヒト化CAN46mAbの結合の特徴を示すグラフを含む。 ELISAによる、異なるC. difficile非NAP1株から捕捉した毒素に対するヒト化CAN46の免疫反応性を示すグラフである。 ELISAによる、異なるNAP1 C. difficile株から捕捉したB毒素に対するヒト化CAN46G mAbの免疫反応性を示すグラフである。 CHO構築物を発現するCHOKS1V細胞から精製したヒト化CAN46 mAbのウェスタン免疫ブロットを示す。 Per.C6ベース構築物を発現するHEK293細胞から精製したヒト化CAN46 mAbのウェスタン免疫ブロットを示す。 CHOベース構築物を発現するCHOK1SV細胞から精製したTedBヒト化mAb CAN46G24およびCAN46G13aの親和性解析を示す表である。 B毒素およびA毒素に対するヒト化CAN46 mAbの結合特異性を示す棒グラフである。
本発明は、クロストリジウム・ディフィシル(C. difficile)細菌感染症または細菌保因の診断、予防または処置のための組成物および方法を提供する。本組成物は、マウスモノクローナル抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体(マウス/ヒト)、または上記のいずれかの抗原結合部を含む、C. difficileのB毒素を認識する抗体(または抗原結合部)を含む。これらの抗体(またはその抗原結合部)は、in vitro、in vivoでB毒素を中和でき、かつ/または哺乳類細胞へのB毒素の結合を阻害できる。したがって、本発明の抗体または抗原結合部は、C. difficile関連疾患(CDAD)を予防または処置するための受動免疫の方法またはプロトコルに使用できる。
1つの実施形態では、本発明の抗体または抗原結合部は、以下の効果:対象におけるC. difficile媒介型大腸炎、抗生剤関連大腸炎、偽膜性大腸炎(PMC)もしくは他の腸疾患からの保護、または上記疾患の処置;対象における下痢からの保護もしくは下痢の処置;および/またはC. difficile媒介疾患の再発の処置もしくは阻害のうちの1つ以上の効果を提供する。哺乳類に投与された場合、本発明の抗体または抗原結合部は、抗体またはその抗原結合部を投与してない哺乳類には致死的である量で投与されたB毒素に対し哺乳類を保護してもよい。
本発明の抗体または抗原結合部は、ハイブリドーマCAN46G4、CAN46G13、CAN46G13a、CAN46G19、CAN46G24およびCAN33G1により産生されるマウス抗体ならびに本明細書に記載される同一のハイブリドーマ由来のヒト化抗体を含む。
本発明はまた、ハイブリドーマCAN46G4、CAN46G13、CAN46G13a、CAN46G19、CAN46G24またはCAN33G1により産生される抗体の抗原結合部を含む、抗体または抗原結合部を含む。本明細書に使用されるように、CAN46G4、CAN46G13、CAN46G13a、CAN46G19、CAN46G24およびCAN33G1は、ハイブリドーマクローンまたは対応するハイブリドーマクローンにより作製されるモノクローナル抗体を指す。
抗体または抗原結合部は、B毒素のフラグメント1内のエピトープ:(i)、たとえば、B毒素のアミノ酸残基1〜592の間のエピトープに特異的に結合でき(CAN46G13a);またはB毒素のフラグメント4内のエピトープ、たとえば、B毒素のアミノ酸残基1777〜2366の間のエピトープに特異的に結合できる(CAN46G4、CAN46G13、CAN46G19、CAN46G24またはCAN33G1)(Babcock, G.J. et al., Infection and Immunity, 74: 6339−6347 (2006))。
他の実施形態では、抗体または抗原結合部は、B毒素のフラグメント2(アミノ酸残基593〜1183)またはフラグメント3(アミノ酸残基1184〜1776)内のエピトープと特異的に結合する。特定の実施形態では、抗体または抗原結合部は、B毒素のアミノ酸残基1〜600、400〜600、415〜540、1〜100、100〜200、200〜300、300〜400、400〜500、500〜600、600〜700、700〜800、900〜1000、1100〜1200、1200〜1300、1300〜1400、1400〜1500、1500〜1600、1600〜1700、1800〜1900、1900〜2000、2000〜2100、2100〜2200もしくは2200〜2366、またはそれらの任意の間隔、一部もしくは範囲の中のエピトープと特異的に結合する。
本発明の抗体、または抗原結合部は、限定するものではないが、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ポリクローナル抗体、組み換え抗体、および上記の抗原結合部を含む。抗体の抗原結合部は、C. difficileの毒素(たとえばB毒素)に特異的に結合する抗体の一部を含んでもよく、かつ抗体分子の重鎖または軽鎖のみを含んでもよい。
CDRおよび可変領域
本発明の抗体または抗原結合部のCDRは、たとえばマウス(ハツカネズミ)などの非ヒト原料またはヒト原料(ホモサピエンス)由来であってよい。本発明の抗体または抗原結合部のフレームワークは、ヒト、ヒト化、非ヒト(たとえば、ヒトでの抗原性を低下させるために改変したマウスのフレームワーク)、または合成フレームワーク(たとえばコンセンサス配列)であってよい。
1つの実施形態では、本発明の抗体、または抗原結合部は、少なくとも1つの重鎖可変領域および/または少なくとも1つの軽鎖可変領域を含む。重鎖可変領域(または軽鎖可変領域)は、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4の順でアミノ末端からカルボキシ末端へ配置される3つのCDRおよび4つのフレームワーク領域(FR)を含む(Kabat, E. A., et al. Sequences of Proteins of Immunological Interest, Fifth Edition, U.S. Department of Health and Human Services, NIH Publication No. 91−3242, 1991. Chothia, C. et al., J. Mol. Biol. 196:901−917, 1987)。
本発明の抗体または抗原結合部は、約10−7M未満、約10−8M未満、約10−9M未満、約10−10M未満、約10−11M未満、または約10−12M未満の解離定数(K)でB毒素へ特異的に結合できる。
クローンCAN46G4、CAN46G13、CAN46G13a、CAN46G19、CAN46G24またはCAN33G1により産生される抗体の重鎖可変領域および軽鎖可変領域と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、約70%〜約100%、約80%〜約100%、約90%〜約100%、約95%〜約100%、約95%〜約100%、約70%、約75%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%または約100%相同である重鎖可変領域および軽鎖可変領域を備える抗体もまたB毒素に結合でき、本発明に包有される。
関連する実施形態では、抗B毒素抗体または抗原結合部は、たとえば、CAN46G4、CAN46G13、CAN46G13a、CAN46G19、CAN46G24またはCAN33G1の可変重鎖および/または可変軽鎖のCDRを含む。これらのクローン由来の重鎖可変領域のCDR、およびこれらのクローン由来の軽鎖可変領域のCDRを表1に示す。
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表1では、アミノ酸配列についてCDRは下線が引かれており、ヌクレオチド配列についてCDRはIMGTによりナンバリングされている(H:重鎖、K:κ鎖)。CDR領域は、カバット、IMGT、Honnegger、およびChothiaを使用して同定でき、したがって変動し得る。
本明細書に使用されるように、「〜と相同である」は、定義した配列、アミノ酸またはヌクレオチドと、「少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、約70%〜約100%、約80%〜約100%、約90%〜約100%、約95%〜約100%、約70%、約75%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%または約100%相同である」ことを意味する。範囲が、たとえば約80%〜約100%と特定されている場合、ここで使用される相同性という用語は、特定した範囲の相同性を指す。
抗体または抗原結合部は、(1)クローンCAN33G1(配列番号:93)、CAN46G4(配列番号:11)、CAN46G13(配列番号:27)、CAN46G13a(配列番号:43)、CAN46G19(配列番号:59)、またはCAN46G24(配列番号:75)により産生される抗体の重鎖可変領域アミノ酸配列と相同であるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域と;および/または、(2)クローンCAN33G1(配列番号:85)、CAN46G4(配列番号:3)、CAN46G13(配列番号:19)、CAN46G13a(配列番号:35)、CAN46G19(配列番号:51)、またはCAN46G24(配列番号:67)により産生される抗体の軽鎖可変領域アミノ酸配列と相同であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含んでよい。抗体または抗原結合部は、先行する段落に列挙される重鎖可変領域(1)および軽鎖可変領域(2)に示されるアミノ酸配列の任意の組み合わせを含んでよい。
抗体または抗原結合部は、これらのクローンCAN46G4、CAN46G13、CAN46G13a、CAN46G19、CAN46G24またはCAN33G1に由来するヒト化抗体を含むが限定されない、クローンにより産生される抗体によって結合されるエピトープと、アミノ酸または核酸配列レベルで重複する、抗原的に類似している、または相同であるエピトープと特異的に結合でき、かつB毒素への結合についてクローンCAN46G4、CAN46G13、CAN46G13a、CAN46G19、CAN46G24またはCAN33G1により産生される抗体と競合できる。
1つの実施形態では、本発明の抗体または抗原結合部は、(1)クローンCAN33G1(配列番号:94、95および/もしくは96)、CAN46G4(配列番号:12、13および/もしくは14)、CAN46G13(配列番号:28、29および/もしくは30)、CAN46G13a(配列番号:44、45および/もしくは46)、CAN46G19(配列番号:60、61および/もしくは62)、もしくはCAN46G24(配列番号:76、77および/もしくは78)により産生される抗体の1、2、3もしくはそれを超えるCDRと相同である、1、2、3もしくはそれを超える相補性決定領域(CDR)を含む重鎖可変領域;または、(2)クローンCAN33G1(配列番号:86、87および/もしくは88)、CAN46G4(配列番号:4、5および/もしくは6)、CAN46G13(配列番号:20、21および/もしくは22)、CAN46G13a(配列番号:36、37および/もしくは38)、CAN46G19(配列番号:52、53および/もしくは54)、もしくはCAN46G24(配列番号:68、69および/もしくは70)により産生される抗体の1、2、3、もしくはそれを超えるCDRと相同である1、2、3またはそれを超えるCDRを含む軽鎖可変領域を含む。抗体または抗原結合部は、先行する段落に列挙される重鎖可変領域(1)および軽鎖可変領域(2)に示されるアミノ酸配列の任意の組み合わせを含んでよい。
別の実施形態では、抗体または抗原結合部は、(i)クローンcdrCAN46G13a(配列番号:110、111および/もしくは112)、huCAN46G13a(配列番号:126、127および/もしくは128)、rehuCAN46G13a(配列番号:142、143および/もしくは144)、cdrCAN46G19(配列番号:158、159および/もしくは160)、huCAN46G19(配列番号:174、175および/もしくは176)、rehuCAN46G19(配列番号:190、191および/もしくは192)、cdrCAN46G24(配列番号:206、207および/もしくは208)、huCAN46G24(配列番号:222、223および/もしくは224)もしくはrehuCAN46G24(配列番号:238、239および/もしくは240)により産生される抗体の1、2、3もしくはそれを超えるCDRと相同である1、2、3もしくはそれを超える相補性決定領域(CDR)を含む抗体もしくは抗原結合部の重鎖可変領域;または(ii)クローンcdrCAN46G13a(配列番号:102、103および/もしくは104)、huCAN46G13a(配列番号:118、119および/もしくは120)、rehuCAN46G13a(配列番号:134、135および/もしくは136)、cdrCAN46G19(配列番号:150、151および/もしくは152)、huCAN46G19(配列番号:166、167および/もしくは168)、rehuCAN46G19(配列番号:182、183および/もしくは184)、cdrCAN46G24(配列番号:198、199および/もしくは200)、huCAN46G24(配列番号:214、215および/もしくは216)もしくはrehuCAN46G24(配列番号:230、231、および/もしくは232)により産生される抗体の軽鎖可変領域の1、2、3もしくはそれを超えるCDRと相同である1、2、3もしくはそれを超えるCDRを含む抗体もしくは抗原結合部の軽鎖可変領域を含んでよい。抗体または抗原結合部は、先行する段落に列挙される重鎖可変領域および軽鎖可変領域のCDRに示されるアミノ酸配列の任意の組み合わせを含んでよい。
第3の実施形態では、抗体または抗原結合部は、(i)クローンdrCAN46G13a(配列番号:110、111および/もしくは112)、huCAN46G13a(配列番号:126、127および/もしくは128)、rehuCAN46G13a(配列番号:142、143および/もしくは144)、cdrCAN46G19(配列番号:158、159および/もしくは160)、huCAN46G19(配列番号:174、175および/もしくは176)、rehuCAN46G19(配列番号:190、191、および/もしくは192)、cdrCAN46G24(配列番号:206、207および/もしくは208)、huCAN46G24(配列番号:222、223および/もしくは224)もしくはrehuCAN46G24(配列番号:238、239および/もしくは240)により産生される抗体の1、2、3もしくはそれを超えるCDRと相同である1、2、3もしくはそれを超える相補性決定領域(CDR)を含む抗体もしくは抗原結合部の重鎖可変領域;または(ii)クローンcdrCAN46G13a(配列番号:102、103および/もしくは104)、huCAN46G13a(配列番号:118、119および/もしくは120)、rehuCAN46G13a(配列番号:134、135および/もしくは136)、cdrCAN46G19(配列番号:150、151および/もしくは152)、huCAN46G19(配列番号:166、167および/もしくは168)、rehuCAN46G19(配列番号:182、183および/もしくは184)、cdrCAN46G24(配列番号:198、199および/もしくは200)、huCAN46G24(配列番号:214、215および/もしくは216)もしくはrehuCAN46G24(配列番号:230、231および/もしくは232)により産生される抗体の軽鎖可変領域の1、2、3もしくはそれを超えるCDRと相同である1、2、3もしくはそれを超えるCDRを含む抗体もしくは抗原結合部の軽鎖可変領域を含む。
特定の実施形態では、抗体または抗原結合部は、クローンcdrCAN46G13a(配列番号:101および109、それぞれ軽鎖可変領域−重鎖可変領域)、huCAN46G13a(配列番号:117および125、それぞれ軽鎖可変領域−重鎖可変領域)、rehuCAN46G13a(配列番号:133および141、それぞれ軽鎖可変領域−重鎖可変領域)、キメラCAN46G13a(配列番号:708および710、それぞれ軽鎖可変領域−重鎖可変領域)、cdrCAN46G19(配列番号:149および157、それぞれ軽鎖可変領域−重鎖可変領域)、huCAN46G19(配列番号:165および173、それぞれ軽鎖可変領域−重鎖可変領域、軽鎖可変領域−重鎖可変領域)、rehuCAN46G19(それぞれ配列番号:181および189)、cdrCAN46G24(それぞれ配列番号:197および205)、huCAN46G24(配列番号:213および221、それぞれ軽鎖可変領域−重鎖可変領域)またはrehuCAN46G24(配列番号:229および237、それぞれ軽鎖可変領域−重鎖可変領域)により産生される抗体の軽鎖可変領域および重鎖可変領域と相同である軽鎖可変領域および重鎖可変領域を含む。
抗体または抗原結合部は、(i)配列番号101、117、133、708、149、165もしくは181、197、213もしくは229に示される軽鎖可変領域と相同である軽鎖可変領域;または(ii)配列番号109、125、141、710、157、173、189、205、221もしくは237に示される重鎖可変領域と相同である重鎖可変領域を含んでよい。特定の実施形態では、抗体または抗原結合部は、重鎖可変領域(i)および軽鎖可変領域(ii)の両方を含む。
抗体または抗原結合部は、(i)配列番号667、683、699、389、405、421、533、549、565、709、437、453、469、571、587、603、485、501、517、619、635、もしくは651に示される核酸配列と相同である核酸配列によりコードされる重鎖可変領域;(ii)配列番号659、675、691、381、397、413、525、541、557、707、429、445、461、557、579、595、477、493、509、611、627、もしくは643に示される核酸配列と相同である核酸配列によりコードされる軽鎖可変領域;ならびに/または、(iii)配列番号667、683、699、389、405、421、533、549、565、709、437、453、469、571、587、603、485、501、517、619、635、もしくは651に示される核酸配列と相同である核酸配列によりコードされる重鎖可変領域、および配列番号659、675、691、381、397、413、525、541、557、707、429、445、461、557、579、595、477、493、509、611、627、もしくは643に示される核酸配列と相同である核酸配列によりコードされる軽鎖可変領域の両方を含んでよい。
抗体または抗原結合部は、(i)cdrCAN46G4(配列番号:668、669および/もしくは670)、huCAN46G4(配列番号:684、685および/もしくは686)、rehuCAN46G4(配列番号:700、701および/もしくは702)、cdrCAN46G13a(配列番号:(a)390、391および/もしくは392、もしくは(b)534、535および/もしくは536)、huCAN46G13a(配列番号:(a)406、407および/もしくは408、もしくは(b)550、551および/もしくは552)、rehuCAN46G13a(配列番号:(a)422、423および/もしくは424、もしくは(b)566、567および/もしくは568)、cdrCAN46G19(配列番号:(a)438、439および440、もしくは(b)572、573および/もしくは574)、huCAN46G19(配列番号:(a)454、455および/もしくは456、もしくは(b)588、589および/もしくは590)、rehuCAN46G19(配列番号:(a)470、471および/もしくは472、もしくは(b)604、605および/もしくは606)、cdrCAN46G24(配列番号:(a)486、487および/もしくは488、もしくは(b)620、621および/もしくは622)、huCAN46G24(配列番号:(a)502、503および/もしくは504、もしくは(b)636、637および/もしくは638)もしくはrehuCAN46G24(配列番号:(a)518、519および/もしくは520、もしくは(b)652、653および/もしくは654に示される重鎖可変領域のcdr;または、(ii)cdrCAN46G4(配列番号:660、661および/もしくは662)、huCAN46G4(配列番号:676、677および/もしくは678)、rehuCAN46G4(配列番号:692、693および/もしくは694)、cdrCAN46G13a(配列番号:(a)382、383、および/もしくは384、もしくは(b)526、527および/もしくは528)、huCAN46G13a(配列番号:(a)398、399および/もしくは400、もしくは(b)542、543および/もしくは544)、rehuCAN46G13a(配列番号:(a)414、415および/もしくは416、もしくは(b)558、559および/もしくは560)、cdrCAN46G19(配列番号:(a)430、431および/もしくは432、もしくは(b)715、716および/もしくは717)、huCAN46G19(配列番号:(a)446、447および/もしくは448、もしくは(b)580、581および582)、rehuCAN46G19(配列番号:(a)462、463および/もしくは464、もしくは(b)596、597および/もしくは598)、cdrCAN46G24(配列番号:(a)478、479および/もしくは480、もしくは(b)612、613および/もしくは614)、huCAN46G24(配列番号:(a)494、495および/もしくは496もしくは(b)628、629および/もしくは630)もしくはrehuCAN46G24(配列番号:(a)510、511、および512、もしくは(b)644、645および/もしくは646)に示される軽鎖可変領域のcdrの核酸配列によりコードされる、1、2、3またはそれを超えるCDRと相同である核酸配列によりコードされる、1、2、3またはそれを超える相補性決定領域(CDR)を含んでよい。
特定の実施形態では、抗体または抗原結合部は、重鎖可変領域(i)および軽鎖可変領域(ii)の両方を含む。具体的には、抗体もしくは抗原結合部は、(i)cdrCAN46G4(配列番号:668、669および/もしくは670)、huCAN46G4(配列番号:684、685および/もしくは686)、rehuCAN46G4(配列番号:700、701および/もしくは702)、cdrCAN46G13a(配列番号:(a)390、391および/もしくは392、もしくは(b)534、535および/もしくは536)、huCAN46G13a(配列番号:(a)406、407および/もしくは408、もしくは(b)550、551および/もしくは552)、rehuCAN46G13a(配列番号:(a)422、423および/もしくは424、もしくは(b)566、567および/もしくは568)、cdrCAN46G19(配列番号:(a)438、439、および440、もしくは(b)572、573および/もしくは574)、huCAN46G19(配列番号:(a)454、455および/もしくは456、もしくは(b)588、589および/もしくは590)、rehuCAN46G19(配列番号:(a)470、471および/もしくは472、もしくは(b)604、605および/もしくは606)、cdrCAN46G24(配列番号:(a)486、487および/もしくは488、もしくは(b)620、621および/もしくは622)、huCAN46G24(配列番号:(a)502、503および/もしくは504、もしくは(b)636、637および/もしくは638)もしくはrehuCAN46G24(配列番号:(a)518、519および/もしくは520、もしくは(b)652、653および/もしくは654)に示される重鎖可変領域のcdr;ならびに、(ii)cdrCAN46G4(配列番号:660、661および/もしくは662)、huCAN46G4(配列番号:676、677および/もしくは678)、rehuCAN46G4(配列番号:692、693および/もしくは694)、cdrCAN46G13a(配列番号:(a)382、383、および/もしくは384、もしくは(b)526、527および/もしくは528)、huCAN46G13a(配列番号:(a)398、399および/もしくは400、もしくは(b)542、543および/もしくは544)、rehuCAN46G13a(配列番号:(a)414、415および/もしくは416、もしくは(b)558、559および/もしくは560)、cdrCAN46G19(配列番号:(a)430、431および/もしくは432、もしくは(b)715、716および/もしくは717)、huCAN46G19(配列番号:(a)446、447および/もしくは448、もしくは(b)580、581および582)、rehuCAN46G19(配列番号:(a)462、463および/もしくは464、もしくは(b)596、597および/もしくは598)、cdrCAN46G24(配列番号:(a)478、479および/もしくは480、もしくは(b)612、613および/もしくは614)、huCAN46G24(配列番号:(a)494、495および/もしくは496もしくは(b)628、629および/もしくは630)もしくはrehuCAN46G24(配列番号:(a)510、511および512、もしくは(b)644、645および/もしくは646)に示される軽鎖可変領域のcdrの核酸配列によりコードされる、1、2、3またはそれを超えるCDRと相同である核酸配列によりコードされる、1、2、3またはそれを超える相補性決定領域(CDR)を含んでよい。抗体または抗原結合部は、先行する段落に示される重鎖可変領域および軽鎖可変領域の核酸配列によりコードされるCDRの1、2、3またはそれを超える任意の組み合わせを含んでよい。
抗体または抗原結合部は、(i)cdrCAN46G4(配列番号:668、669および670)、huCAN46G4(配列番号:684、685および686)、rehuCAN46G4(配列番号:700、701および702)、cdrCAN46G13a(配列番号:(a)390、391および392;もしくは(b)534、535および536)、huCAN46G13a(配列番号:(a)406、407および408、もしくは(b)550、551および552)、rehuCAN46G13a(配列番号:(a)422、423および424、もしくは(b)566、567および568)、cdrCAN46G19(配列番号:(a)438、439および440、もしくは(b)572、573および574)、huCAN46G19(配列番号:(a)454、455および456、もしくは(b)588、589および590)、rehuCAN46G19(配列番号:(a)470、471および472、もしくは(b)604、605および606)、cdrCAN46G24(配列番号:(a)486、487および488、もしくは(b)620、621および622)、huCAN46G24(配列番号:(a)502、503および504、もしくは(b)636、637および638)もしくはrehuCAN46G24(配列番号:(a)518、519および520、もしくは(b)652、653および654)に示される核酸配列と相同である核酸配列によりコードされる3つのCDRを含む重鎖可変領域;または、(ii)cdrCAN46G4(配列番号:660、661および662)、huCAN46G4(配列番号:676、677および678)、rehuCAN46G4(配列番号:692、693および694)、cdrCAN46G13a(配列番号:(a)382、383および384、もしくは(b)526、527および528)、huCAN46G13a(配列番号:(a)398、399および400、もしくは(b)542、543および544)、rehuCAN46G13a(配列番号:(a)414、415および416、もしくは(b)558、559および560)、cdrCAN46G19(配列番号:(a)430、431および432、もしくは(b)715、716および717)、huCAN46G19(配列番号:(a)446、447および448、もしくは(b)580、581および582)、rehuCAN46G19(配列番号:(a)462、463および464、もしくは(b)596、597および598)、cdrCAN46G24(配列番号:(a)478、479および480、もしくは(b)612、613および614)、huCAN46G24(配列番号:(a)494、495および496、もしくは(b)628、629および630)もしくはrehuCAN46G24(配列番号:(a)510、511および512、もしくは(b)644、645および646)に示される核酸配列と相同である核酸配列によりコードされる3つのCDRを含む軽鎖可変領域を含んでよい。
特定の実施形態では、抗体または抗原結合部は、重鎖可変領域(i)および軽鎖可変領域(ii)の両方を含む。具体的には、重鎖可変領域および軽鎖可変領域は、(i)cdrCAN46G4(配列番号:668、669、および670)、huCAN46G4(配列番号:684、685、および686)、rehuCAN46G4(配列番号:700、701および702)、cdrCAN46G13a(配列番号:(a)390、391および392;もしくは(b)534、535および536)、huCAN46G13a(配列番号:(a)406、407および408、もしくは(b)550、551および552)、rehuCAN46G13a(配列番号:(a)422、423および424、もしくは(b)566、567および568)、cdrCAN46G19(配列番号:(a)438、439および440、もしくは(b)572、573および574)、huCAN46G19(配列番号:(a)454、455および456、もしくは(b)588、589および590)、rehuCAN46G19(配列番号:(a)470、471および472、もしくは(b)604、605、および606)、cdrCAN46G24(配列番号:(a)486、487および488、もしくは(b)620、621および622)、huCAN46G24(配列番号:(a)502、503および504、もしくは(b)636、637および638)もしくはrehuCAN46G24(配列番号:(a)518、519および520、もしくは(b)652、653および654)に示される核酸配列と相同である核酸配列によりコードされる3つのCDRを含む重鎖可変領域;または、(ii)cdrCAN46G4(配列番号:660、661および662)、huCAN46G4(配列番号:676、677および678)、rehuCAN46G4(配列番号:692、693および694)、cdrCAN46G13a(配列番号:(a)382、383、および384、もしくは(b)526、527および528)、huCAN46G13a(配列番号:(a)398、399および400、もしくは(b)542、543および544)、rehuCAN46G13a(配列番号:(a)414、415および416、もしくは(b)558、559および560)、cdrCAN46G19(配列番号:(a)430、431および432、もしくは(b)715、716および717)、huCAN46G19(配列番号:(a)446、447および448、もしくは(b)580、581および582)、rehuCAN46G19(配列番号:(a)462、463および464、もしくは(b)596、597および598)、cdrCAN46G24(配列番号:(a)478、479および480、もしくは(b)612、613および614)、huCAN46G24(配列番号:(a)494、495および496、もしくは(b)628、629および630)もしくはrehuCAN46G24(配列番号:(a)510、511および512、もしくは(b)644、645および646)に示される核酸配列と相同である核酸配列によりコードされる3つのCDRを含む軽鎖可変領域に示される核酸配列と相同である核酸配列によりコードされる3つのCDRを含む。抗体または抗原結合部は、先行する段落に示される重鎖可変領域および軽鎖可変領域の核酸配列によりコードされるCDRSの1、2、3またはそれを超える任意の組み合わせを含んでよい。
1つの実施形態では、抗体または抗原結合部は、cdrCAN46G4(配列番号:659および667、それぞれ軽鎖可変および重鎖可変領域)、huCAN46G4(配列番号:675および683、それぞれ軽鎖可変および重鎖可変領域)、rehuCAN46G4(691および699、それぞれ軽鎖可変および重鎖可変領域)、cdrCAN46G13a(それぞれ配列番号:(a)381および389、または(b)525および533)、huCAN46G13a(配列番号:(a)397および405、または(b)541および549、それぞれ軽鎖可変および重鎖可変領域)、rehuCAN46G13a(配列番号:(a)413および421、または(b)557および565、それぞれ軽鎖可変および重鎖可変領域)、cdrCAN46G19(配列番号:(a)429および437、または(b)714および571、それぞれ軽鎖可変および重鎖可変領域)、huCAN46G19(配列番号:(a)445および453、または(b)579および587、それぞれ軽鎖可変および重鎖可変領域)、rehuCAN46G19(配列番号:(a)461および469、または(b)595および603、それぞれ軽鎖可変および重鎖可変領域)、cdrCAN46G24(配列番号:(a)477および485、または(b)611および619、それぞれ軽鎖可変および重鎖可変領域)、huCAN46G24(配列番号:(a)493および501、または(b)627および635、それぞれ軽鎖可変および重鎖可変領域)またはrehuCAN46G24(配列番号:(a)509および517、または(b)643および651、それぞれ軽鎖可変および重鎖可変領域)に示される核酸配列と相同である核酸配列によりコードされる軽鎖可変領域および重鎖可変領域を含む。抗体または抗原結合部は、先行する段落に列挙される重鎖可変領域(1)および軽鎖可変領域(2)に示される核酸配列の任意の組み合わせを含んでよい。
別の実施形態では、抗体または抗原結合部は、CAN46G4(配列番号:659、675、または691)、CAN46G13a(配列番号:381、397、413、525、541、557、または707)、CAN46G19(配列番号:429、445、461、714、579、または595)、またはCAN46G24(配列番号:477、493、509、611、627、または643)に示される核酸配列と相同である核酸配列によりコードされる軽鎖可変領域を含む。
抗体または抗原結合部は、CAN46G4(配列番号:667、683、または699)、CAN46G13a(配列番号:389、405、421、533、549、565、または709)、CAN46G19(配列番号:437、453、469、571、587、または603)、またはCAN46G24(配列番号:485、501、517、619、635、または651)に示される核酸配列と相同である核酸配列によりコードされる重鎖可変領域を含む。
ヒト化抗体
本発明のヒト化抗体は非ヒト種由来の抗体であり、非抗原結合領域(および/または抗原結合領域)のアミノ酸配列が、抗体がより密接にヒト抗体に類似し、かつ同等の特異性および親和性をなお保持するように変更されている。
ヒト化抗体は、抗原結合に直接関与しない可変領域の配列をヒト可変領域由来の等価配列と交換することにより作製できる。これらの方法は、重鎖または軽鎖の少なくとも1つからの可変領域のすべてまたは一部をコードする核酸配列の単離、操作、および発現を含む。このような核酸の供給源は当業者によく知られており、たとえば、B毒素に対する抗体を産生するハイブリドーマから入手してもよい。ヒト化抗体またはフラグメントをコードする組み換えDNAは、その後適切な発現ベクター内にクローン化できる。
抗体の軽鎖可変領域または重鎖可変領域は、相補決定領域(CDR)と呼ばれる3つの高頻度可変性領域により中断されるフレームワーク領域からなる。1つの実施形態では、ヒト化抗体は、非ヒト種由来の1、2またはすべてのCDR、およびヒト免疫グロブリン分子由来のフレームワーク領域を有する非ヒト種由来の抗体分子である。
本発明のヒト化抗体は、当業者によく知られている方法により産生できる。たとえば、非ヒト(たとえばマウス)抗体を入手して、可変領域をシークエンシングし、CDRおよびフレームワークの残基の位置を決定できる(Kabat, E. A., et al. (1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, Fifth Edition, U.S. Department of Health and Human Services, NIH Publication No. 91− 3242. Chothia, C. et al. (1987) J. Mol. Biol., 196:901−917)。軽鎖可変領域および重鎖可変領域は、任意に、対応する定常領域に連結できる。CDR移植型抗体は、CDR移植またはCDR置換により産生できる。免疫グロブリン鎖の1、2、またはすべてのCDRを置換することができる。たとえば、特定の抗体のすべてのCDRが非ヒト動物(たとえば表1に示されるCDRなどのマウス)の少なくとも一部に由来してもよく、またはいくつかのCDRのみが置換されてもよい。所定の抗原(たとえばC. difficileのB毒素)に対する抗体の結合に必要とされるCDRを保存することのみが必要である(Morrison, S. L., 1985, Science, 229:1202−1207. Oi et al., 1986, BioTechniques, 4:214. U.S. Patent Nos. 5,585,089; 5,225,539; 5,693,761 and 5,693,762. EP 519596. Jones etal., 1986, Nature, 321:552− 525. Verhoeyan et al., 1988, Science, 239:1534. Beidler et al., 1988, J. Immunol., 141:4053−4060)。
本発明にはまた、限定するものではないが、ヒト、ウサギ、ヒツジ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヤギ、ブタ、サル、類人猿、ゴリラ、チンパンジー、アヒル、ガチョウ、ニワトリ、両生類、爬虫類および他の動物を含む、少なくとも1つの異なる種由来の配列に置換された他の領域を備える、本明細書に開示されるような1、2、またはすべてのCDRを含む抗体または抗原結合部が包有される。
キメラ抗体
キメラ抗体は、異なる部分が異なる動物種に由来する分子である。たとえば抗体は、マウスのmAb由来の可変領域およびヒトの免疫グロブリン定常領域を含んでもよい。キメラ抗体は組み換えDNA技術により産生できる(Morrison, et al., Proc Natl Acad Sci, 81:6851−6855 (1984))。たとえば、マウス(または他の種)のモノクローナル抗体分子をコードする遺伝子を制限酵素で切断してマウスのFcをコードする領域を除去し、ヒトのFc定常領域をコードする遺伝子の同等部分と置換する。キメラ抗体はまた、マウスのV領域をコードするDNAを、ヒトの定常領域をコードするDNAに連結できる組み換えDNA技術により作製できる(Better et al., Science, 1988, 240:1041−1043. Liu et al. PNAS, 1987 84:3439−3443. Liu et al., J. Immunol., 1987, 139:3521−3526. Sun et al. PNAS, 1987, 84:214−218. Nishimura et al., Cane. Res., 1987, 47:999−1005. Wood et al. Nature, 1985, 314:446−449. Shaw et al., J. Natl. Cancer Inst., 1988, 80:1553−1559.国際特許公開公報第1987002671号および第86/01533号、.欧州特許出願公開公報第184, 187号、第171,496号、第125,023号、および第173,494号、米国特許第4,816,567号)。
抗体の種類
抗体は完全長であってよく、または、限定するものではないが、Fab、F(ab')2、Fab’、F(ab)’、Fv、単一鎖Fv(scFv)、二価scFv(bi−scFv)、三価scFv(tri−scFv)、Fd、dAbフラグメント(たとえばWard et al., Nature, 341:544−546(1989))、単離CDR、二重特性抗体、三重特異性抗体、四重特異性抗体、線形抗体、単一鎖抗体分子、および抗体フラグメントから形成される多特異性抗体を含む、抗原結合部を有する抗体のフラグメント(または複数のフラグメント)を含んでよい。組み換え方法または合成リンカーを使って抗体フラグメントを結合することによって生産された単一鎖抗体分子も本発明に含まれている。Bird et al. Science, 1988, 242:243−426. Huston et al., Proc.Natl. Acad. Sci USA, 1988, 85:5879−5883.
本発明の抗体または抗原結合部は、単一特異性、二重特異性または多特異性であってもよい。多特異性または二重特異性の抗体またはそのフラグメントは、1つの標的ポリペプチド(たとえばB毒素)の異なるエピトープに特異的であってもよく、または、1超の標的ポリペプチドに特異的な抗原結合ドメイン(たとえばA毒素およびB毒素に特異的な抗原結合ドメイン、C. difficileのB毒素および他の抗原に特異的な抗原結合ドメイン、またはB毒素および他の種の細菌もしくはウイルスに特異的な抗原結合ドメイン)を含んでもよい。1つの実施形態では、多特異性抗体またはその抗原結合部は、少なくとも2つの異なる可変ドメインを含み、各可変ドメインが、別々の抗原にまたは同一抗原上の異なるエピトープに対して特異的に結合できる(Tutt et al., 1991, J. Immunol. 147:60−69. Kufer et al., 2004, Trends Biotechnol. 22:238−244)。本発明の抗体は、たとえば別のペプチドまたはタンパク質などの別の機能的分子と連結でき、または共発現できる。たとえば、抗体またはそのフラグメントを別の抗体または抗体フラグメントなどの1つ以上の他の分子実体へ機能的に連結して(たとえば化学的カップリング、遺伝的融合、非共有結合などにより)第2の結合特異性を有する二重特異性または多特異性抗体を産生できる。たとえば、本発明は、免疫グロブリンの1つのアームがB毒素に特異的であり、かつ免疫グロブリンの他のアームが第2の治療上の標的に特異的であるか、またはトリプシン阻害剤などの治療的部分に結合される、二重特異性抗体を含む。
本発明には、IgG(たとえば、IgGl、IgG2、IgG3、IgG4)、IgM、IgA(IgAl、IgA2)、IgDまたはIgEを含むすべての抗体のアイソタイプが包有される。抗体または抗原結合部は、哺乳類(たとえばマウス、ヒト)の抗体または抗原結合部であってもよい。抗体の軽鎖はκ型またはλ型であってもよい。抗体または抗原結合部はまた、Nanobody(登録商標)とも呼ばれる軽鎖を欠いたラクダ類(フタコブラクダ、ヒトコブラクダ、およびラマ)の抗体に基づいてもよい。
抗体のバリエーション
抗体または抗原結合部はペプチドである。ペプチドはまた、たとえば抗原の結合などの生物学的活性を示す、ペプチドの変異体、類似体、オルソログ、相同体および誘導体を含んでもよい。ペプチドは、アミノ酸の類似体(たとえば、天然に存在しないアミノ酸、別個の生体系にのみ天然に存在するアミノ酸、哺乳類系由来の改変アミノ酸などを含む)、結合が置換されたペプチド、および当業者に知られている他の改変を1つ以上含んでもよい。
特異的なアミノ酸が置換、欠失、または添加されている抗体または抗原結合部もまた本発明の範囲内である。これらの変更は、結合活性などのペプチドの生物学的特性に対して実質的な影響を有していない。たとえば、抗体は、抗原に対する結合性を改善し、溶解度を改変し、かつ/または薬物動態/薬力学に影響を与えるために、フレーム領域においてアミノ酸置換を有していてもよい。別の例では、選択された少数の受容体(acceptor)のフレームワーク残基が、対応するドナーのアミノ酸により置換できる。ドナーのフレームワークは、成熟または生殖系列のヒト抗体フレームワーク配列またはコンセンサス配列であり得る。表現型的に無変化であるアミノ酸置換を作製する方法に関するガイドラインは、Bowie et al., Science, 247: 1306−1310 (1990). Cunningham et al., Science, 244: 1081−1085 (1989). Ausubel (ed.), Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley and Sons, Inc. (1994). T. Maniatis, E. F. Fritsch and J. Sambrook, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor laboratory, Cold Spring Harbor, N.Y. (1989). Pearson, Methods Mol. Biol. 243:307−31 (1994). Gonnet et al., Science 256:1443−45 (1992)に提供されている。
抗体、または抗原結合部は、別の機能的分子へと誘導体化または連結できる。たとえば、抗体は、別の抗体、検出可能な薬剤、細胞傷害剤、医薬品、別の分子と関連して媒介できるタンパク質またはペプチド(ストレプトアビジンコア領域またはポリヒスチジンタグなど)、アミノ酸リンカー、シグナル配列、免疫原性キャリアー、またはグルタチオン−S−トランスフェラーゼ、ヒスチジンタグ、およびブドウ球菌性タンパク質Aなどのタンパク質精製に有用なリガンドなどの、1つ以上の他の分子実体に機能的に連結できる(化学的カップリング、遺伝的融合、非共有相互作用などにより)。誘導体化タンパク質の1種は、(同種または異なる種の)2つ以上のタンパク質の架橋により産生される。適切な架橋は、適切なスペーサーにより分離される2つの別々の反応基を有するヘテロ二機能性の架橋(たとえばm−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)またはホモ二機能性の架橋(たとえばスベリン酸ジサクシンイミジル)を含む。このようなリンカーはPierce Chemical Company, Rockford, 111から入手可能である。タンパク質をそれと共に誘導体化(または標識化)できる有用な検出可能な薬剤は、蛍光化合物、多様な酵素、補欠分子族、発光物質、生物発光物質、および放射性活性物質を含む。限定するものではないが、例示的な蛍光検出可能な薬剤は、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、およびフィコエリトリンを含む。また、タンパク質または抗体は、アルカリホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、βガラクトシダーゼ、アセチルコリンエステラーゼ、グルコースオキシダーゼなどの検出可能な酵素と共に誘導体化できる。またタンパク質は、補欠分子族(たとえばストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチン)と共に誘導体化できる。
本発明のペプチドは、たとえば約30%未満、約25%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満または約1%未満のアミノ酸残基の置換または欠損を有する本明細書に開示される抗原結合部の抗体の機能的に活性な変異体であってもよいが、B毒素への結合を含むがそれに限定されない同一の免疫学的特性を本質的に保持している。
抗体、またはその抗原結合部はコドン最適化され得る。たとえば、宿主細胞の翻訳系では一般的に使用されないクローン化遺伝子内のコドンは、合成される抗体のアミノ酸を変化させることなく、宿主細胞の好ましいコドンへと、in vitro変異により変えられる。
抗体可変領域をコードする核酸
本発明はまた、C. difficileのB毒素に特異的に結合する本発明の抗体またはその抗原結合部をコードする核酸を包有する。核酸を細胞内で発現して、本発明の抗体またはその抗原結合部を産生してもよい。本発明の単離型核酸は、配列番号3、11、19、27、35、43、51、59、67、75、85または93と相同であるペプチドをコードする配列を含む。
本発明はまた、(i)配列番号3、11、19、27、35、43、51、59、67、75、85または93のアミノ酸配列と相同であるペプチドをコードする核酸;(ii)配列番号101、109、117、125、133、141、149、157、165、173、181、189、197、205、213、221、229、237、708および710のアミノ酸と相同であるペプチドをコードする核酸;または(iii)配列番号381、389、397、405、413、421、429、437、445、453、461、469、477、485、493、501、509、517、525、533、541、549、565、557、714、571、579、587、595、603、611、619、627、635、643および651のアミノ酸配列と相同であるペプチドをコードする核酸を含む、発現ベクターを包有する。
本発明の抗体またはその抗原結合部の機能的に活性な変異体をコードする核酸分子もまた、本発明に包有される。これらの核酸分子は、中程度に厳密な、非常に厳密な、または非常に高度に厳密な条件下で、本発明の抗体またはその抗原結合部のいずれかをコードする核酸とハイブリッド形成してもよい。ハイブリッド反応を実施するガイダンスは、Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, N.Y. 6.3.1−6.3.6, 1989に見出すことができ、この文献は本明細書に参照として援用される。本明細書に示される特定のハイブリッド形成条件は、以下の通りである。1)中程度に厳密なハイブリッド形成条件:約45℃での6×SSC、続いて60℃にて0.2×SSC,0.1%SDSで1回以上洗浄;2)非常に厳密なハイブリッド形成条件:約45℃での6×SSC、続いて65℃にて0.2×SSC,0.1%SDSで1回以上洗浄;および3)非常に高度に厳密なハイブリッド形成条件:65℃での0.5Mリン酸ナトリウム,7%SDS、続いて65℃にて0.2×SSC,1%SDSで1回以上洗浄。
本発明の抗体または抗原結合部をコードする核酸を、適切な発現系で発現できる発現ベクターに導入し、次いで発現した抗体またはその抗原結合部を単離または精製してもよい。任意に、本発明の抗体またはその抗原結合部をコードする核酸は、無細胞翻訳系で翻訳できる(米国特許第4,816,567号、 Queen et al., Proc Natl Acad Sci USA, 86:10029−10033 (1989))。
抗毒素抗体またはその一部は、所望の抗体の軽鎖および重鎖(またはそれらの一部)をコードするDNAで形質転換した宿主細胞により産生できる。抗体は、標準的な技術を使用してこれらの培養液上清および/または細胞から単離かつ精製できる。たとえば、宿主細胞は、抗体の軽鎖、重鎖、またはその両方をコードするDNAで形質転換されてもよい。また、組み換えDNA技術を使用して、結合のために必要でない軽鎖および重鎖、たとえば定常領域、のいずれかまたは両方をコードするDNAの一部またはすべてを除去してもよい。
本発明の核酸は、たとえば、細菌細胞(たとえばE.coli)、酵母細胞、植物細胞、昆虫細胞および哺乳類細胞などの、原核細胞および真核細胞を含む、様々な適切な細胞中で発現できる。多くの哺乳類細胞株が当業者に知られており、ATCC(American Type Culture Collection)から入手可能な不死化細胞株を含む。細胞の非限定的な例は、限定するものではないが、サルの腎臓細胞(COS、たとえばCOS−1、COS−7)、HEK293、ベビーハムスターの腎臓(BHK、たとえばBHK21)、チャイニーズハムスターの卵巣(CHO、たとえばCHOSKV1)、NS0、PerC6、BSC−1、ヒト肝細胞癌細胞(たとえばHep G2)、SP2/0、HeLa、メイディン・ダービー ウシ腎臓(MDBK)、骨髄腫細胞およびリンパ腫の細胞の親細胞、誘導体および/または改変変異体を含む、哺乳類を起源とする、または哺乳類様の特徴を有するすべての細胞株を含む。改変変異体は、たとえば、グリカンプロファイル改変および/または部位特異的組み込み部位変異体を含む。
本発明はまた、本明細書に記載される核酸を含む細胞を提供する。細胞はハイブリドーマまたはトランスフェクタントであってもよい。細胞の種類は上述されている。
本発明の抗体または抗原結合部位は様々な細胞中で発現できる。細胞の種類は上述されている。
本発明の抗体またはその抗原結合部は、無細胞翻訳系、ウイルス感染構築物またはトランスジェニック動物において発現できる。
あるいは、本発明の抗体または抗原結合部は、当業者に良く知られている固相の手法により合成できる(Solid Phase Peptide Synthesis: A Practical Approach by E. Atherton and R. C. Sheppard, published by IRL at Oxford University Press (1989). Methods in Molecular Biology, Vol. 35: Peptide Synthesis Protocols (ed. M. W.Pennington and B. M. Dunn), chapter 7. Solid Phase Peptide Synthesis, 2nd Ed., Pierce Chemical Co., Rockford, IL (1984). G. Barany and R. B. Merrifield, The Peptides: Analysis, Synthesis, Biology, editors E. Gross and J. Meienhofer, Vol. 1 and Vol. 2, Academic Press, New York, (1980), pp. 3−254. M. Bodansky, Principles of Peptide Synthesis, Springer−Verlag, Berlin (1984))。
C. difficile毒素
本発明は、C. difficileB毒素に特異的に結合する抗体またはその抗原結合部を作製する方法を提供する。たとえば、非ヒト動物を、不活性化したB毒素、トキソイドB、B毒素のフラグメント、B毒素の改変フラグメント(合成変異体)を含む組成物で免疫し、次いで、特異的抗体を動物から単離する。方法は、B毒素に対する抗体の結合性を評価することをさらに含んでもよい。
クロストリジウム・ディフィシルの様々な毒素タンパク質のいずれか、特にB毒素が、本発明の実務に使用され得る。1つの実施形態では、B毒素は細胞株VPI10463から単離される。C. difficileのA毒素およびB毒素は、複数の機能的ドメイン、フラグメントまたはドメインともよばれる、を有する高分子量タンパク質(280〜310kDa)である。両毒素のN末端ドメインは、Rho−様GTPasesを修飾するグルコシルトランスフェラーゼ活性を含む。この修飾は、毒素に侵された細胞における細胞骨格の調節不全および結腸の上皮のタイトジャンクションの破壊を引き起こす。中心のドメインは、疎水性領域およびカベオリン結合部位が存在することから膜輸送に関与していると予測されている。毒素の3分の1のC末端は、標的細胞表面上で発現する糖鎖受容体と相互作用すると考えられている反復サブユニットを含む。A毒素と糖鎖の相互作用はまた、ウサギ赤血球の血球凝集を誘導し、かつA毒素受容体結合の試験用のモデルを提供する。両毒素は、細胞傷害性であり、In vitroでの細胞傷害性アッセイで試験した場合、B毒素はA毒素よりも1000倍効力があり、かつ両毒素は、マウスに静脈内注射または腹腔内(i.p)注射した場合致死である。A毒素はまた、マウス結紮腸管ループ下痢モデル(ligated intestinal loop diarrhea model)での流体蓄積の誘導により示されるように、強力なエンテロトキシンである。たとえば、Babcock, G.J. et al., Infection and Immunity, 74: 6339−6347 (2006)およびこの文献に背景として含まれる参照文献を参照されたい。
表2は、クロストリジウム・ディフィシルB毒素のアミノ酸配列を提供する。以下に提供する配列の変異体およびフラグメントもまた、抗体を作製するための抗原として使用できる。
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表3は、表2のタンパク質をコードする核酸配列を提供する。
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抗体の調製
1つの実施形態では、本発明は、C. difficileB毒素に特異的に結合する抗体を発現するハイブリドーマを作製する方法を提供する。本方法は以下の、不活性化B毒素(たとえばトキソイドB)を含む組成物で動物を免疫するステップと、動物から脾細胞を単離するステップと、脾細胞からハイブリドーマを作製するステップと、B毒素に特異的に結合する抗体を産生するハイブリドーマを選択するステップとを含む(Kohler and Milstein, Nature, 256: 495, 1975. Harlow, E. and Lane, D. Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., 1988)。
毒素は、たとえば、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、UDP−ジアルデヒド、ペルオキシド、酸素での処置または変異(たとえば組み換え法を使用する)により不活性化できる(Relyveld et al., Methods in Enzymology, 93:24, 1983. Woodrow and Levine, eds., New Generation Vaccines, Marcel Dekker, Inc., New York, 1990. Genth et al., Inf. and Immun., 68(3): 1094−1101, 2000)。毒性が低下した変異C. difficile毒素は、組み換え法えを使用して産生できる(米国特許第5,085,862号、第5,221,618号、5,244,657号、5,332,583号、5,358,868号、および5,433,945号)。毒素またはトキソイドの完全長またはフラグメントを免疫原として使用できる。
1つの実施形態では、不活性化型B毒素を使用して、腹腔内または静脈内でマウスを免疫する。1つ以上の追加免疫を行ってもよくまたは行わなくてもよい。血漿中の抗体の力価は、たとえばELISA(enzyme−linked immunosorbent assay)またはフローサイトメトリーによりモニタリングできる。十分な力価の抗B毒素抗体を有するマウスを融合に使用する。屠殺および脾臓の除去の3日前に、抗原を用いてマウスに追加免疫を行ってもよくまたは行わなくてもよい。マウスの脾細胞を単離し、PEGを用いてマウスの骨髄腫細胞株と融合させる。結果として得られるハイブリドーマを次いで、抗原特異的抗体の産生に関してスクリーニングする。細胞をプレートに播種し、次いで、選択培地でインキュベートする。次に、個々のウェルからの上清を、ヒト抗毒素モノクローナル抗体に関してELISAによりスクリーニングする。抗体分泌ハイブリドーマを再度播種し、再びスクリーニングし、未だに抗毒素モノクローナル抗体に対して陽性である場合には、限界希釈によりサブクローニングできる。たとえば、本発明のハイブリドーマのクローンCAN46G4、CAN46G13、CAN46G13aおよびCAN46G19はサブクローニングされた。サブクローンは、たとえば、CAN46G4−1−2、CAN46G13−1−5、CAN46G13−1−8およびCAN46G19−3−2を含む。ハイブリドーマCAN46G13−1−8、CAN46G4−1−2、CAN46G13−1−5およびCAN46G19−3−2は、バージニア州マナサスのATCC(American Type Culture Collection)に寄託されている(2012年8月23日に寄託)。ハイブリドーマのそれぞれのATCC特許の寄託名は以下の、PTA−13257(CAN46G13−1−8)、PTA−13258(CAN46G4−1−2)、PTA−13259(CAN46G19−3−2)およびPTA−13260(CAN46G13−1−5)である。
1つ以上のクロストリジウム・ディフィシル毒素の抗原、特にB毒素の抗原の免疫原性を増大させるために使用し得るアジュバントは、任意の化合物またはペプチドまたはペプチドの組み合わせに対する免疫反応を増大するよう作用する化合物である。アジュバントの非限定的な例として、ミョウバン、リン酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、MF59(4.3w/v%スクアレン、0.5w/v%ポリソルベート80(Tween 80)、0.5w/v%ソルビタントリオレエート(Span 85))、CpG−含有核酸、QS21(サポニンアジュバント)、MPL(モノホスホリルリピドA)、3DMPL(3−O−脱アシル化MPL)、Aquillaからの抽出物、ISCOMS(たとえば、Sjolander et al. (1998) J. Leukocyte Biol. 64:713;国際特許公開公報第90/03184号、第96/11711号、第00/48630号、第98/36772号、第00/41720号、第06/134423号、および第07/026190号参照)、LT/CT変異体、ポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)(PLG)微小粒子、Quil A、インターロイキン、フロイントアジュバント、N−アセチル−ムラミル−L−スレオニル−D−イソグルタミン(thr−MDP)、N−アセチル−nor−ムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン(CGP 11637、nor−MDPとも呼ばれる)、N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−アラニン−2−(1´−2'−ジパルミトイル(dip− almitoyl)−sn−グリセロ−3−ヒドロキシホスホリルオキシ)−エチルアミン(CGP 19835A、MTP−PEと呼ばれる)、ならびに細菌から抽出した3つの成分モノホスホリルリピドA、トレハロースジミコール酸および細胞壁骨格((MPL+TDM+CWS)を2% スクアレン/Tween80エマルジョン中に含むRIBI、を含む。
免疫動物は、限定するものではないが、マウス、ウサギ、ラット、ハムスター、ヤギ、ウマ、サル、ヒヒおよびヒトなどの、免疫原を投与した場合回収可能な抗体を産生できる任意の動物である。宿主はトランスジェニックであってもよいが、ヒト抗体を産生する/米国特許第8,236,311号、第7,625,559号、および第5,770,429号。これらの各開示は全体が参照により本明細書に援用される(Lonberg et al., Nature 368(6474): 856−859, 1994. Lonberg, N., Handbook of Experimental Pharmacology 113:49−101, 1994. Lonberg, N. and Huszar, D., Intern. Rev. Immunol., 13: 65−93, 1995. Harding, F. and Lonberg, N., Ann. N.Y. Acad. Sci., 764:536− 546,1995)。
抗体アッセイ
宿主を免疫して抗体を産生した後に、抗体をアッセイしてそれらが目的の抗原に特異的であることを確認し、かつ他の抗原と何らかの交差反応性を示すかどうかを決定する。このようなアッセイを行う1つの方法は、米国特許公開公報第20004/0126829号に記載される血清スクリーニングアッセイである。抗毒素抗体は、様々な既知の技術により、毒素への結合について特徴付けできる。たとえばELISAでは、マイクロタイタープレートを、毒素またはトキソイド抗原を含むPBSでコートし、その後PBSで希釈したウシ血清アルブミン(BSA)などの無関係なタンパク質でブロッキングする。毒素免疫化マウス由来の血漿の希釈物を各ウェルに添加してインキュベートする。プレートを洗浄し、次いで、酵素(たとえばアルカリホスファターゼ)に結合した二次抗体とインキュベートする。洗浄した後、プレートを、酵素基質(たとえばABTS)で処理し、特異的なODで解析する。他の実施形態では、選択したモノクローナル抗体が固有のエピトープに結合するかどうかを決定するために、抗体をビオチン化して、それからビオチン化抗体をストレプトアビジン標識プローブを用いて検出できる。抗毒素抗体はウェスタンブロッティングにより毒素との反応性を試験できる。
また、中和アッセイを使用して、抗毒素抗体の活性を測定できる。たとえば、in vitro中和アッセイを使用して、抗体が培養物中の細胞に対する細胞変性作用を阻害する能力を測定できる(以下の実施例7参照)。1つの実施形態では、in vitro中和アッセイにおいて、本発明の抗体、またはその抗原結合部は、約0.01μM〜約50μM、約0.2μM〜約40μM、約0.6μM〜約30μM、約2μM〜約20μM、約4μM〜約10μM、約0.2μM〜約7μM、約0.2μM〜約10μM、約4μM〜約7μM、約5μM〜約15μM、約10μM、約0.01μg/ml〜約200μg/ml、約0.01μg/ml〜約150μg/ml、約0.01〜約100μg/ml、約0.01μg/ml〜約50μg/ml、約0.01μg/ml〜約25μg/ml、約0.01μg/ml〜約10μg/ml、約0.01μg/ml〜約5μg/ml、約0.1μg/ml〜約2μg/ml、約1μg/ml〜約2μg/ml、約0.5μg/ml〜約2μg/ml、約0.25μg/ml〜約2μg/ml、約0.1μg/ml〜約2μg/ml、約0.06μg/ml〜約2μg/ml、または約0.03μg/ml〜約2μg/mlの範囲の濃度で、約5ng/ml、約200pg/ml、約250pg/ml、または約200〜250pg/mlのC. difficileB毒素のある割合(百分率)を中和する。本発明の抗体、またはその抗原結合部により中和されるB毒素の割合(百分率)は、約20%超、約30%超、約40%超、約50%超、約60%超、約70%超、約80%超、約90%超、約95%超、または約99%超であってもよい。
in vivoアッセイもまた毒素中和の測定に使用できる。別の実施形態では、in vivoB毒素試験の実験(たとえば実施例8、およびBabcock et al., Human Monoclonal Antibodies Directed against Toxins A and B prevent Clostridium difficile−induced Mortality in Hamsters. Infection and Immunity (2006) 74(11):6339に記載の手法)において、抗体、またはその抗原結合部を哺乳類に約1mg/kg体重〜約50mg/kg体重、約2mg/kg体重〜約40mg/kg体重、約3mg/kg体重〜約30mg/kg体重、約5mg/kg体重〜約20mg/kg体重、約8mg/kg体重〜約13mg/kg体重、または約10mg/kg体重の範囲の用量で、哺乳類が約75ng超、または約75ngのC. difficile B毒素に曝露される24時間前に投与する場合、哺乳類は生存する可能性を有する。哺乳類の生存の可能性は、約7日以内または約4日以内で、約40%超、約50%超、約60%超、約70%超、約80%超、約90%超、約95%超、または約99%超であってよい。
毒素に、好ましくは高い親和性で、結合する抗体を産生するハイブリドーマをサブクローニングし、さらに特徴付けることができる。親細胞の反応性を保持している(ELISAによる)各ハイブリドーマ由来の1つのクローンは、次いで細胞バンクを作製するため、かつ抗体精製のために選択される。
抗毒素抗体を精製するため、A‐セファロース(Pharmacia、ニュージャージー州ピスカタウェイ)を用いるアフィニティークロマトグラフィーの前に、培養したハイブリドーマからの上清を濾過し、濃縮できる。
本開示の抗体、または抗原結合フラグメント、その変異体または誘導体はまた、抗原に対する結合親和性の観点から記載または特定できる。抗原に対する抗体の親和性は、いずれかの適切な方法を使用して実験的に決定できる(たとえば、Berzofsky et al., “Antibody−Antigen Interactions,”In Fundamental Immunology, Paul, W. E., Ed., Raven Press: New York, N.Y. (1984); Kuby, Janis Immunology, W. H. Freeman and Company: New York, N.Y. (1992);および本明細書に記載される方法を参照)。測定した特定の抗体‐抗原相互作用の親和性は、異なる条件下(たとえば塩濃度、pH)で測定された場合変動し得る。したがって、親和性および他の抗原結合パラメータ(たとえばK、K、K)の測定は、好ましくは、抗体および抗原の標準化溶液、ならびに標準化緩衝液を用いて行われる。
医薬品組成物
本発明はまた、本明細書に記載される抗体またはその抗原結合部、および薬学的に許容可能なキャリアーを含む組成物を提供する。本組成物は、本発明の抗体またはその抗原結合部をコードする単離型核酸、および薬学的に許容可能なキャリアーを含んでもよい。薬学的に許容可能なキャリアーは、生理学的に適合する、任意かつすべての溶媒、分散媒体、等張剤および吸収遅延剤などを含む。1つの実施形態では、本組成物は、対象においてクロストリジウム・ディフィシル細菌感染症を低減、排除、または予防するために有効である。
本発明はまた、C. difficile疾患を阻害するために有効な量で、本発明の抗体または抗原結合部を対象に投与することにより、対象においてC. difficile疾患を処置する方法を特徴とする。本組成物の投与経路は、限定するものではないが、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、経口投与、局所投与、皮下(subcutaneous)投与、皮内投与、経皮投与、真皮下投与、非経口投与、直腸投与、脊髄投与、または上皮投与が挙げられる。
本発明の組成物は、液状の溶液もしくは懸濁液、または注射前に液状ビヒクル中への溶解もしくは懸濁に適した固体形態のいずれかとして注射可能なように調製できる。本組成物はまた、固体の形態で、乳化されまたは活性成分がリポソームビヒクルまたは持続性送達に使用される他の粒子キャリアーにカプセル化されて調製できる。たとえば、本組成物は、油状エマルジョン、水中油型エマルジョン、油中水型エマルジョン、部位特異的エマルジョン、長期滞留(long−residence)エマルジョン、粘着性エマルジョン(stickyemulsion)、マイクロエマルジョン、ナノエマルジョン、リポソーム、微粒子、ミクロスフェア、ナノスフェア、ナノ粒子ならびに、エチレン酢酸ビニルコポリマーおよびHytrel(登録商標)コポリマーなどの非吸着性非浸透型ポリマー、ハイドロゲルなどの膨張可能なポリマー、またはコラーゲンおよび特定のポリ酸あるいは吸収性縫合を作製するために使用されるものなどのポリエステルなどの吸着性ポリマー、などのワクチンの徐放を可能にする多様な天然または合成ポリマーの形態であってよい。
本発明の抗体または抗原結合部は、哺乳類の対象に送達するための組成物に製剤化される。本組成物は、単独で、および/または薬学的に許容可能なビヒクルもしくは賦形剤と混合して投与する。適切なビヒクルは、例えば、水、生理食塩水、ブドウ糖、グリセロール、エタノールなど、およびそれらの組み合わせである。さらに、ビヒクルは、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤、またはアジュバントなどの少量の補助剤を含んでよい。本発明の組成物はまた、薬理剤、サイトカイン、または他の生物学的応答修飾因子などの補助的な物質を含んでよい。製剤を調製する方法は当業者に知られており、または当業者に明らかである。たとえば、Remington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Company, Easton, Pennsylvania, 21st editionを参照されたい。
組成物は、対象の年齢、体重および状態、使用する特定の組成物、ならびに投与経路に対して適切なスケジュールまたは期間にわたり単一用量処置でまたは複数回用量処置で投与できる。
1つの実施形態では、単一用量の本発明に係る組成物を投与する。他の実施形態では、複数回用量を投与する。投与の頻度は、たとえば、症状の重症度、所望の免疫保護の度合い、本組成物を予防的または治療的目的で使用するかどうかなどの、様々な要因のいずれかに応じて変動してよい。たとえば、1つの実施形態では、本発明に係る組成物を、1ヶ月あたり1回、1ヶ月あたり2回、1ヶ月あたり3回、隔週ごと(qow)、1週間に1回(qw)、1週間に2回(biw)、1週間に3回(tiw)、1週間に4回、1週間に5回、1週間に6回、1日おき(qod)、毎日(qd)、1日に2回(qid)、または1日に3回(tid)投与する。
本発明に係るポリペプチドの投与の期間、たとえば、本組成物を投与する期間は、たとえば対象の応答など様々な要因のいずれかに応じて変動してよい。たとえば、本組成物を、約10分〜約1日、約30分〜約20時間、約1時間〜約15時間、約2時間〜約10時間、約3時間〜約8時間、約4時間〜約6時間、約1日〜約1週間、約2週間〜約4週間、約1ヶ月〜約2ヶ月、約2ヶ月〜約4ヶ月、約4ヶ月〜約6ヶ月、約6ヶ月〜約8ヶ月、約8ヶ月〜約1年、約1年〜約2年、または約2年〜約4年、またはそれを超える範囲の期間にわたり投与する。
本発明の抗体またはその抗原結合部は、薬学的に許容可能なキャリアーと組み合わせることができる。薬学的に許容可能なキャリアーは、たとえば、本発明の抗体またはその抗原結合部の吸収またはクリアランスの速度を安定化、または増大または減少させるよう作用する生理学的に許容可能な化合物を含んでよい。生理学的に許容可能な化合物は、たとえば、グルコース、スクロース、もしくはデキストランなどの炭水化物、アスコルビン酸もしくはグルタチオンなどの抗酸化剤、キレート剤、低分子量タンパク質、界面活性剤、リポソームキャリアー、もしくは賦形剤もしくは他の安定剤および/または緩衝液を含んでよい。他の生理学的に許容可能な化合物は、湿潤剤、乳化剤、分散剤または保存剤を含む。たとえば、the 21st edition of Remington’s Pharmaceutical Science, Mack Publishing Company, Easton, Pa. (“Remington’s”)を参照されたい。
1つの態様では、本発明の抗体またはその抗原結合部は、たとえば、水性キャリアーなどの、薬学的に許容可能なキャリアーに溶解される。水性溶液の例は、たとえば、水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、ハンクス溶液、リンガー溶液、ブドウ糖/生理食塩水、グルコース溶液などを含む。本製剤は、緩衝剤、浸透圧調整剤、湿潤剤、界面活性剤などの、適切な生理学的条件に必要とされる薬学的に許容可能な補助物質を含んでよい。添加剤はまた、殺菌剤などの追加的な活性成分、または安定剤を含んでよい。たとえば、溶液は、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、ソルビタンモノラウレートまたはトリエタノールアミンオレエートを含んでよい。
固体製剤を本発明で使用できる。これらは、たとえば、ピル、錠剤、粉体またはカプセルとして製剤化できる。固体組成物では、従来の固体キャリアーが使用でき、それらはたとえば、マンニトール、ラクトース、スターチ、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルカム、セルロース、グルコース、スクロース、炭酸マグネシウムなどを含む。適切な薬学的賦形剤は、たとえば、スターチ、セルロース、タルク、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、コメ、コムギコ、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノールを含む。
経粘膜投与または経皮投与では、透過する障壁に対して適切な浸透剤(penetrant)を本製剤に使用できる。このような浸透剤は当業者に一般的に知られており、たとえば、経粘膜投与では胆汁塩およびフシジン酸誘導体を含む。さらに、浸透を促進するために界面活性剤を使用できる。
経粘膜投与は、経鼻スプレーを介した投与または座薬を用いる投与であってよい(Sayani, Crit. Rev. Ther. Drug Carrier Syst. 13: 85−184, 1996)。局所投与、経皮投与では、薬剤を、軟膏、クリーム、膏薬、粉体およびゲルに製剤化する。経皮送達システムはまた、たとえばパッチを含んでよい。
本発明の組成物はまた、持続型送達または徐放機構において投与できる。たとえば、ペプチドを持続的に送達できる生物分解性(biodegradeable)ミクロスフェアまたはカプセルまたは他の生物分解性ポリマー構成を本発明の製剤に含んでよい(たとえばPutney, Nat. Biotechnol.16: 153−157, 1998)参照)。
吸入では、本発明の組成物は、乾燥粉体エアロゾル、液体送達システム、エアジェットネブライザー、噴霧システムなどを含む当業者に知られている任意のシステムを使用して送達できる(Patton, Biotechniques 16: 141−143, 1998)。また本発明において、たとえば、Dura Pharmaceuticals(カリフォルニア州サンディエゴ)、Aradigm(カリフォルニア州ヘイワード)、Aerogen(カリフォルニア州サンタクララ)、Inhale Therapeutic Systems(カリフォルニア州サン・カルロス)などによるポリペプチド巨大分子の産物および吸入送達システムを使用できる。たとえば、医薬製剤は、エアロゾルまたはミストの形態で投与できる。エアロゾル投与では、本製剤は、界面活性剤および噴霧剤と共に細かく分割した形態で供給できる。別の態様では、製剤を呼吸組織に送達する装置は吸入器であり、本製剤はそこで蒸発する。他の液体送達システムは、たとえばエアジェットネブライザーを含む。
本発明の組成物または核酸、ポリペプチド、または抗体は、たとえば、動脈内、髄腔内(IT)、静脈内(IV)、非経口、胸膜腔内、局所、経口、または皮下、気管内(エアロゾルによる)もしくは経粘膜(たとえば頬側、膀胱、膣、子宮、直腸、鼻粘膜)としての局所投与により、全身的、領域的、または局所的に、当業者に知られている任意の手段により単独でまたは医薬組成物として送達できる。非経口的に投与可能な組成物を調製するための実際の方法は、当業者に良く知られており、または当業者に明らかであり、Bai, J. Neuroimmunol. 80: 65−75, 1997. Warren, J. Neurol. Sci. 152: 31−38, 1997. Tonegawa, J. Exp. Med. 186: 507−515, 1997に詳細に記載されている。
1つの態様では、本発明の核酸、ポリペプチド、または抗体を含む医薬製剤は、たとえばリポソームなどの脂質単分子膜または二分子膜に組み込まれる(米国特許第6,110,490号、第6,096,716号、第5,283,185号、および第5,279,833号)。本発明の態様はまた、本発明の核酸、ペプチドまたはポリペプチドが単分子膜または二分子膜の表面に付着している製剤を提供する。たとえば、ペプチドは、ヒドラジド−PEG−(ジステアロイルホスファチジル)エタノールアミンを含むリポソームに付着される(たとえばZalipsky, Bioconjug. Chem. 6: 705−708, 1995参照)。リポソームまたは平面脂質膜などの任意の形態の脂質膜またはたとえば赤血球などの無傷の細胞の細胞膜が使用できる。リポソーム製剤は、静脈内投与、経皮投与(たとえばVutla, J. Pharm. Sci. 85: 5−8, 1996参照)、経粘膜投与、または経口投与を含む任意の手段により投与できる。本発明はまた、本発明の核酸、ペプチドおよび/またはポリペプチドがミセルおよび/またはリポソームの中に組み込まれる医薬調製物を提供する(たとえばSuntres, J. Pharm. Pharmacol. 46: 23−28, 1994; Woodle, Pharm. Res. 9: 260−265, 1992参照)。リポソームおよびリポソーム製剤は、標準的な方法にしたがって調製でき、かつ当業者に良く知られている(Akimaru, Cytokines Mol. Ther. 1: 197−210, 1995. Alving, Immunol. Rev. 145: 5−31, 1995. Szoka, Ann. Rev. Biophys. Bioeng. 9: 467, 1980.米国特許第4,235,871号;第4,501,728号および第4,837,028号)。
1つの態様では、本組成物を、インプラントおよびマイクロカプセル化送達システムを含む、徐放製剤などの、ペプチドを身体からの急速な排出から保護するキャリアーと共に調製する。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸などの、生物分解性の生体適合ポリマーを使用できる。このような製剤を調製する方法は当業者に明らかである。リポソーム懸濁物もまた、薬学的に許容可能なキャリアーとして使用できる(米国特許第4,522,811号)。
投与の容易さおよび用量の均一性のために、非経口組成物または経口組成物を単位剤形で製剤化することが有益である。本明細書で使用される単位剤形は、処置される対象にとって均一用量として適した物理的に個別の単位を指し、各単位は、必要とされる薬学的キャリアーと関連した所望の治療上の作用を産生するよう計算された所定量の活性化合物を含む。
細胞培養アッセイおよび動物試験から得たデータを、ヒトに使用するためのさまざまな用量を定めるために使用できる。1つの実施形態では、このような化合物の用量は、毒性がほとんどないまたは全くないED50を含むさまざまな循環濃度内にある。用量は、使用する剤形および利用する投与経路に応じてこの範囲内で変動してよい。別の実施形態では、治療上有効用量がまず細胞培養アッセイから評価できる。用量は、細胞培養液中で決定されるIC50(すなわち、症状の最大阻害の半分を達成する試験化合物の濃度)を含む循環血漿濃度範囲を達成するよう、動物モデルにおいて定めることができる(Sonderstrup, Springer, Sem. Immunopathol. 25: 35−45, 2003. Nikula et al., Inhal. Toxicol. 4(12): 123−53, 2000)。
本発明の抗体または抗原結合部の治療上有効量または予防上有効量の例示的で非限定的な範囲は、約0.001〜約60mg/kg体重、約0.01〜約30mg/kg体重、約0.01〜約25mg/kg体重、約0.5〜約25mg/kg体重、約0.1〜約20mg/kg体重、約10〜約20mg/kg体重、約0.75〜約10mg/kg体重、約1〜約10mg/kg体重、約2〜約9mg/kg体重、約1〜約2mg/kg体重、約3〜約8mg/kg体重、約4〜約7mg/kg体重、約5〜約6mg/kg体重、約8〜約13mg/kg体重、約8.3〜約12.5mg/kg体重、約4〜約6mg/kg体重、約4.2〜約6.3mg/kg体重、約1.6〜約2.5mg/kg体重、約2〜約3mg/kg体重、または約10mg/kg体重である。
本組成物は、本発明の抗体またはその抗原結合部の有効量を含むように製剤化されており、その量は処置すべき動物および処置される状態に依存する。1つの実施形態では、本発明の抗体またはその抗原結合部は、約0.01mg〜約10g、約0.1mg〜約9g、約1mg〜約8g、約1g〜約7g、約5mg〜約6g、約10mg〜約5g、約20mg〜約1g、約50mg〜約800mg、約100〜約500mg、約0.01mg〜約10g、約0.05μg〜約1.5mg、約10μg〜約1mgのタンパク質、約30μg〜約500μg、約40pg〜約300pg、約0.1μg〜約200mg、約0.1μg〜約5μg、約5μg〜約10μg、約10μg〜約25μg、約25μg〜約50μg、約50μg〜約100μg、約100μg〜約500μg、約500μg〜約1mg、約1mg〜約2mgの範囲の用量で投与される。任意の特定の対象に対する特定の用量レベルは、特異的なペプチドの活性、年齢、体重、一般的な健康状態、性別、食事、投与時間、投与経路、および排泄率、薬剤の併用および治療中である特定の疾患の重症度を含む、様々な要因に依存する。
治療上の適用では、本組成物は、クロストリジウム・ディフィシル細菌感染症のリスクを有するか、また活性型の感染症を罹患している対象に、状態または疾患および/またはその合併症を少なくとも部分的に停止または予防するために十分な量で投与される。
抗体の用途
本発明の抗体または抗原結合部は、in vitroおよびin vivoでの治療上の、予防上の、かつ/または診断上の有用性を有する。たとえば、これらの抗体を培養中の細胞に、たとえばin vitroもしくはex vivoで、またはある対象に、たとえばin vivoで投与して、C. difficileおよびC. difficileに関連する疾患を処置、阻害、再発予防、かつ/または診断できる。
本抗体または抗原結合部は、培養中の細胞に、たとえば、in vitroまたはex vivoで使用できる。たとえば、細胞を、培養培地中in vitroで培養して抗毒素抗体またはそのフラグメントと接触させることができる。本方法は、in vivoプロトコル(たとえば治療上または予防上プロトコル)の一部として、対象に存在する細胞に対して実施できる。In vivo実施形態では、接触ステップは対象において行われ、かつ、抗毒素抗体またはそれらの一部を、たとえば対象の腸の中のC. difficileにより発現する毒素(たとえばB毒素)に抗体またはそれらの一部を結合させるのに有効な条件下で、対象に投与することを含む。
本抗体またはその抗原結合部は、単独で投与でき、またはたとえば第2のモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体またはその抗原結合部などの別の治療剤と組み合わせて投与できる。1つの例では、C. difficileB毒素に特異的に結合する本抗体またはその抗原結合部は、C. difficileのA毒素に特異的に結合する抗体(モノクローナルもしくはポリクローナル)またはその抗原結合部と組み合わされる。別の例では、第2の薬剤は、たとえば、バンコマイシン、バシトラシン、またはメトロニダゾールなどの抗生剤である。本抗体は、サッカロマイセス・ブラウディなどの生菌剤と組み合わせて使用できる。本抗体はまた、たとえばトキソイドワクチンなどの、C.difficileワクチンと組み合わせて投与できる。
本抗体またはその抗原結合部はまた、たとえば第2および第3のモノクローナルまたはポリクローナル抗体またはその抗原結合部などの、1つ以上の追加的な治療剤と組み合わせて投与できる。1つの例では、C. difficileB毒素に特異的に結合する抗体またはその抗原結合部は、C. difficile A毒素に特異的に結合する抗体(モノクローナルもしくはポリクローナル)またはその抗原結合部、および第1のC.difficileB毒素とは異なるC.difficileB毒素の領域に特異的に結合する別の抗体(モノクローナルもしくはポリクローナル)と組み合わされる。別の例では、第2または第3のモノクローナルまたはポリクローナル抗体またはその抗原結合部は、二成分の毒素、またはC difficile胞子に特異的である。別の例では、第2の薬剤は、たとえばバンコマイシン、バシトラシン、またはメトロニダゾールなどの抗生剤である。別の例では、第2の薬剤は、たとえばニタゾキサニド(nitrazoxanide)などの駆虫薬である。本抗体は、サッカロマイセス・ブラウディなどの生菌剤と組み合わせて使用できる。また本抗体は、たとえばトキソイドワクチンなどのC. difficileワクチンと組み合わせて投与できる。さらなる別の用途では、本抗体またはその抗原結合部は、糞便移植片と組み合わせて投与できる。
抗毒素抗体(たとえばモノクローナル抗体)はまた、アフィニティ―クロマトグラフィーまたは免疫沈降法などの標準的な技術により毒素を単離するために使用できる。さらに、抗毒素抗体は、たとえば、試料(たとえば便試料、血液試料、培養液試料、食品試料)をC. difficileの存在に関してスクリーニングして毒素を検出するために使用できる。抗毒素抗体は、たとえば、所定の処置レジメンの有効性を判定するための臨床試験手法の一部として、組織中の毒素のレベルをモニタリングするために診断的に使用できる。
ワクチン
本発明は、ワクチンおよび免疫原含有組成物をさらに包有する。ワクチンまたは免疫原含有組成物は、本発明の抗体またはその抗原結合部の1つ以上により認識され、かつ/または結合される1つ以上のエピトープを含んでもよい。1つの実施形態では、ワクチンまたは免疫原含有組成物は、CAN46G4、CAN46G13、CAN46G13a、CAN46G19、CAN46G24、CAN33G1、これらの抗体のいずれかの抗原結合部、これらの抗体のいずれかのヒト化形態、またはこれら抗体のいずれかのキメラ形態の1つ以上により認識されかつ/または結合される1つ以上のエピトープを含む。ワクチンまたは免疫原含有組成物は、エピトープを含んでもよく、またはエピトープを有するペプチドまたはタンパク質を含んでもよい。1つの実施形態では、エピトープ含有タンパク質、フラグメント、またはペプチドは、B毒素に由来する。たとえば、B毒素のエピトープ含有部、フラグメント、またはペプチドは、タンパク質切断(たとえばエンテロキナーゼ、カスパーゼなど)によりB毒素タンパク質から得られる。また、エピトープ含有部、フラグメント、またはペプチドは、化学的にまたは組み換え的に合成されてもよい。
このような毒素のエピトープ含有タンパク質、フラグメント、またはペプチドは、C. difficileに感染するか、またはC. difficile関連疾患に罹患している対象にワクチンまたは免疫原の形態で投与された場合、対象において体液性の応答、すなわち、B毒素に特異性を有する抗体を誘発し、それにより対象が毒素に対する免疫応答を構築でき、かつ対象におけるC. difficile関連疾患、感染症、またはCDADを中和、阻害、低減、軽減、治癒、もしくは処置できる。したがって、別の実施形態は、その必要のある対象におけるC. difficile感染症またはC. difficile関連疾患を、中和、阻害、低減、軽減、治癒、または処置する方法であって、上述したワクチンまたは免疫原の有効量を対象に投与することを含む方法を提供する。一実施形態では、対象は、C. difficileのB毒素への体液性応答を誘発し、それにより対象におけるC. difficile関連疾患、感染症、またはCDADを中和、阻害、低減、低減、治癒、または処置する。別の実施形態では、対象は、C. difficileのB毒素に対する細胞性免疫応答を誘発する。別の実施形態では、対象は、C. difficileのB毒素に対する体液性および細胞性免疫応答の両方を誘発する(国際特許公報第W02011130650号)。
キット
本発明はまた、抗毒素抗体またはその抗原結合部を含むキットを提供する。本キットのさらなる構成要素は、以下の、使用説明書;別の治療剤、抗体を標識もしくは治療剤と結合させるために有用な薬剤、他の試薬、または抗体を投与用に調製するための他の試薬;薬学的に許容可能なキャリアー;および対象に投与するための装置もしくは他の材料、のうちの1つ以上を含んでもよい。
様々な組み合わせの抗体を共にパッケージングできる。たとえば、キットは、B毒素に結合する抗体およびA毒素に結合する抗体(たとえばモノクローナル抗A毒素抗体またはA毒素と反応するポリクローナル抗血清)を含んでよい。抗体は共に混合されるか、またはキット内で別々にパッケージングされる。
使用説明書は、たとえば、CDADの症状を伴う患者における目安となる用量および/または投与モードを含む、治療上の適用のための説明書を含んでよい。他の説明書は、標識または治療剤への抗体の結合に関する説明、またはたとえば反応しない結合成分からの、結合した抗体の精製に関する説明を含んでもよい。本キットは、たとえば、毒素を検出する、C. difficileの存在に関して試料(たとえば便の試料において)をスクリーニングするための、診断上の用途のためであってもよい。本キットは、たとえば、所定の処置レジメンの有効性を判定するための臨床試験手法の一部として、組織での毒素のレベルをモニタリングするために診断上使用できる。
本キットは、抗毒素抗体またはそのフラグメントをコードする少なくとも1つの核酸、および核酸の発現に関する説明書を含んでもよく、または含まなくてもよい。本キットの他の可能な構成要素として、発現ベクターおよび細胞が含まれる。
本発明の抗体または抗原結合部、組成物および方法は、たとえば、ヒト、マウス、ラット、モルモット、ハムスター、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、サル、類人猿、ゴリラ、チンパンジー、ウサギ、アヒル、ガチョウ、ニワトリ、両生類、爬虫類および他の動物を含む哺乳類および非哺乳類などのすべての脊椎動物に使用できる。
本発明を実行する特定の態様である以下の実施例は、例示的な目的でのみ提示しており、いかなる意味でも本発明の範囲を限定するよう意図するものではない。
実施例
実施例1:ハイブリドーマ融合
モノクローナル抗体を作製する方法および試薬は良く知られており、かつ免疫プロトコルならびに脾細胞を単離かつ融合する技術を包有する。従来のハイブリドーマ融合は、標準的な体細胞ハイブリダイゼーション技術を使用して実施した(Kohler and Milstein, Nature, 256: 495, 1975)。一般的には、Harlow, E and Lane, D. Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y. 1988.を参照。一般に、マウスを、不活性化毒素、またはトキソイド、毒素のフラグメント、または全毒素を用いて免疫する。マウスの最初の抗原での免疫は完全フロイントアジュバント(CFA)または他のアジュバントを用いて行い、次いで、抗原および不完全フロイントアジュバント(IFA)を用いて隔週で追加免疫(合計で4回まで)を行った。内側伏在静脈から試験のための採血を行い、血清を試験して抗B毒素抗体の力価を確認した。IgGの力価が十分な場合、1度に1匹または2匹のマウスを使用して融合を実施した。融合の3日前に、マウスに、トキソイドB/B毒素の組み合わせを含むPBSを最終的に腹腔内(IP)投与した。
融合の当日、マウスを屠殺して脾臓を取り出す。脾細胞を、シリンジおよび針を使用して脾臓から洗い落とし、骨髄腫細胞との融合のために50mlのチューブに収集する。骨髄腫細胞は融合パートナーとして使用される不死腫瘍細胞であり、サルベージ経路を阻害する毒性ヌクレオチド類似体、8−アザグアニン(8−aza)の存在下で増殖される。8−azaの存在下で増殖される細胞は、ヒポキサンチン−グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT)遺伝子における欠損変異をもつことによってのみ生き残る。B細胞を、ポリエチレングルコール1500を使用して骨髄腫細胞と融合させる。融合した細胞を、薬物選択を含む半固体アガロースに混合し、ペトリ皿にプレーティングする。ヒポキサンチン、アミノプテリン、およびチミジンを含むHAT培地を、薬剤選択に使用する。アミノプテリンは、HGPRTを欠損している骨髄腫株の生存/細胞増殖に必ず必要とされるヌクレオチド代謝の新生経路を阻害する薬物であり、かつ通常24〜48時間以内に選択を可能とする。
実施例2:ハイブリドーマのスクリーニング
次のステップは、増殖するハイブリドーマのスクリーニングである。その中で細胞が3Dマトリックス中での細胞集合として増殖する、市販の半固体アガロースを使用した。これは、手作業によるクラスターの採取(目視検査による)を容易にし、かつこれらのクローンのクラスターを適切な培地を含む96ウェルプレート中に移すことを容易にする。細胞を3〜7日間増殖させ、次いでスクリーニングのために上清を除去し、新鮮な培地に交換した。ELISA(または他の試験)で陽性結合を示したハイブリドーマは、体積を増大させるより大きな組織培養容器に移すことにより増殖を続けた。mAbは、使われた上清を用い、マウスmAb用の適切な市販のアイソタイピングキットを使用してアイソタイプを決定した。クローンを選択の次のステージへ進める決定は、ELISAおよび細胞の生存を使用した天然のB毒素に対しての反応性に基づいており、通常少なくとも1/8または1/16以上の段階希釈および反応性ならびにIgG分類に基づき;したがって、クローンの数は選択手順を通して減少した。さらなる特徴付けに供したマウスmAbはCAN33G1、CAN46G4、CAN46G13、CAN46G13a、CAN46G19およびCAN46G24であった。
実施例3:マウスモノクローナル抗体のELISAアッセイ
ELISAを使用して、全B毒素ならびに組み換えB毒素フラグメント1および4に対するmAbの結合性を試験し、かつ全A毒素に対する交差反応性があるかどうかを決定した。mAbクローンを、精製した抗トキソイドBマウスpAb(ポリクローナルAb)と比較した。ELISAプレートを、コーティングが等モル量であるように100ngのB毒素フラグメント1、フラグメント4、または400ngの全B毒素でコーティングした。ウェルを5%のスキムミルクでブロッキングし、次いで、段階希釈したCAN46シリーズのmAb(0.1μg/ml〜1μg/ml)でプローブし、市販のヤギ抗マウスIgG−HRP抗体を用いて結合を検出した。陰性対照および陽性対照の実験も行った。ポリクローナルトキソイドB抗体(pAb)を陽性対照として用い、これは免疫化マウスに由来する。マウス抗A毒素mAb CAN20G2はA毒素に特異的であり、陰性対照として使用した。二次抗体の対照は、マウスの二次抗体に関するものである。プレートを基質とのインキュベーションの15分後に405nmで読み取った。各抗体の滴定曲線のデータを図1に示す。
結果:図1に示すようにCAN46シリーズのmAbは、CAN33G1での低い結合を除き、全B毒素およびB毒素フラグメントにマウスpAbと同様のレベルで結合する。CAN46G4、CAN46G19およびCAN46G24は、マウスpAbと同様のレベルでB毒素フラグメント4に結合する。CAN46G13aはマウスpAbと同様のレベルでB毒素フラグメント1に結合する。A毒素に対する交差反応性を示すCAN46 mAbはなかった
実施例4:マウスモノクローナル抗体の競合ELISAアッセイ
ELISAを実施して、CAN33またはCAN46mAbが、B毒素への結合についてMDX 1388(Medarex、米国特許公開公報第2005/0287150号)またはhPA−41(Progenies Pharmaceuticals, Inc., International Patent Publication No. WO 2011/130650; Marozsan et al., Protection Against Clostridium difficile Infection With Broadly Neutralizing Antitoxin Monoclonal Antibodies, J. Infect. Dis. 2012 Sep;206(5):706−13)と競合するかどうかを試験した。ELISAプレートを400ngの全B毒素でコーティングした。ウェルを5%のスキムミルクでブロッキングし、次いで以下のようにmAb混合物でプローブした:マウスCAN33およびCAN46mAbを1μg/mlで調製し、2倍で段階希釈した。およそ1.0のODのベースラインを提供するために、対照として使用したMDX1388抗B毒素mAbは1/1,650,000の希釈で調製し、希釈は自家製の以前のデータに基づき、CAN33およびCAN46mAbと1:1で混合した。同様に、hPA−41を1/335,000に希釈し、上記のように段階希釈したCAN33およびCAN46mAbと1:1で混合した。CAN33およびCAN46mAbについての結合は、市販のヤギ抗マウスIgG-HRP抗体を用いて検出した。MDX1388およびhPA−41についての結合は、市販のヤギ抗ヒトIgG-HRP抗体を用いて検出した。陰性対照および陽性対照実験も行った。MDX1388またはhPA−41のいずれかと1:1で混合した過剰のB毒素を陽性対照として用いた。MDX1388およびhPA−41はまた、競合mAbを用いない陰性対照とするため単にリン酸緩衝食塩水で希釈した。基質とのインキュベートの15分後に、プレートを405nmで読み取った。
結果:図2および3に示すように、CAN33およびCAN46mAbは、全B毒素への結合についてMDX−13−88およびhPA−41と競合しない。すべてのmAbは、競合mAbを含まない陰性対照のものと同様の結合パターンを示す。MDX−1388またはhPA−41のいずれかとの競合を示したmAbがないことは、それらが全B毒素上の異なるエピトープと結合することを示唆する。
実施例5:マウスモノクローナル抗体のウェスタンブロット
C. difficileタンパク質の組み合わせ:組み換えB毒素フラグメント1(82kda)、組み換えB毒素フラグメント4(85kDa)、全B毒素(280kDa)、および市販のBSAを、4〜12%勾配SDS−PAGEゲルで200ボルトにて1.5時間泳動させた。次いでゲルをニトロセルロース膜に、45ボルトで1時間15分で転写した。膜を、1×TBST中2.5%のスキムミルクで、4℃一晩ブロッキングした。次の日に、mAb(1°Ab)を1×TBST中2.5%のスキムミルクに、抗体に応じて2μg/ml〜5μg/mlの範囲の濃度で希釈し、これを使用して、転写した産物を含む膜を、振盪機上で、室温(RT)で2時間プローブした。次いで膜を1×TBSTで洗浄して結合していない1°Abを除去し、振盪機上で、1:4000〜1:5000に希釈した抗マウスIgG−HRP(2°Ab)を用いて、振盪機上で、1.5時間室温でプローブした。
結果:図4、5、および6に示すように、CAN46G4、CAN46G13、CAN46G19およびCAN46G24は、組み換えB毒素フラグメント4および全B毒素への結合を示した。CAN46G13aは、組み換えB毒素フラグメント1および全B毒素への結合を示した。これらはすべて陰性対照(BSA)に対する交差反応性を示さなかった。
実施例6:マウスモノクローナル抗体の親和性解析
Biolayer interferometryを使用して、全B毒素および抗B毒素抗体の間の相互作用を測定した。Octet QKe instrument(ForteBio)は、ストレプトアビジン(SA)バイオセンサを備えていた。40μg/mlのビオチン化抗体をSAセンサに結合させ、B毒素を50nM〜0.78nMに段階希釈して、抗体コートしたピン上で反応させ、その後PBS‐トリトンで解離ステップを行った。結果を、ForteBioデータ解析ソフトウェアを使用して解析し、抗体と抗原との間の結合強度を表すために使用される尺度である解離定数(K)、そこで抗体抗原複合体が形成されるon速度Kon(1/Ms)、およびそこで抗体抗原複合体が解離するoff速度kdis(1/S)を決定した。表4は、精製したマウスCAN33およびCAN46mAbの親和性(抗体と抗原との間のkdis/konの平衡解離定数(K)の比率は親和性と逆に相関しており、これによりKが低いほど親和性が高くなる)を示す。
Figure 2016501877
実施例7:マウスモノクローナル抗体のエピトープ結合
Octet QKeは、バイオレイヤー干渉法を介して生体分子の相互作用を検出する使い捨てのファイバ光学センサを使用する、標識フリーのリアルタイムバイオセンサである。以前に特徴付けたMDX1388mAbに対してエピトープ結合アッセイを実施して、本発明のB毒素mAbがMDX1388と類似または異なるエピトープを共有しているかどうかを試験した。次に、アッセイを使用して、B毒素mAb間で共有される単一または可能な複数のエピトープビンを確認した。従来のサンドイッチ法を使用し、センサへのmAbのカップリング、抗原の結合、および別のmABへの結合を含める。第2のmAbは、そのエピトープが固定化されたmAbのエピトープと重複していない場合にのみ捕捉したAgを結合できる。たとえば、ビオチン化CAN46G24抗体をストレプトアビジン(SA)バイオセンサと結合する。次いで、結合抗体を、遊離B毒素および遊離CAN46G24とインキュベートする。CAN46G24‐B毒素複合体を、再び遊離抗体とインキュベートする。波長での大きなnmのシフトは分析物の結合を示し、CAN46G24および遊離抗体が異なるエピトープを有することを示唆する。1 SAバイオセンサに対するビオチン化CAN46G24;2 CAN46G24と複合体を形成する遊離全B毒素;3 ビオチン化AN46G24−B毒素複合体と会合している遊離CAN46G24;4会合試料曲線;5解離ステップ。
結果:図7では、MDX1388およびCAN46G13aの試料の両方でのnmのシフトは、露出した、かつ別々のエピトープに対する結合を示す。CAN46G4およびCAN46G24試料でnmのシフトがないことは、CAN46G19に対する共通のエピトープまたは空間的に関連するエピトープを示唆する。
実施例8:xCELLigence(商標)プラットフォームを使用したHT−29細胞(ヒト結腸カルシノーマ上皮細胞)でのクロストリジウム・ディフィシルB毒素中和アッセイ
細胞株
HT−29細胞はヒト結腸カルシノーマ上皮細胞株である。これらの細胞は、それらがTcdBの感染に関連するin vitroモデルを代表することから、選択された。
xCELLigence(商標)プラットフォーム
xCELLigence(商標)は、リアルタイムで細胞の特徴をの変化を評価する電子インピーダンス細胞検知測定に基づくリアルタイムの標識フリー細胞解析(RTCA)である。細胞増殖および細胞傷害性は、細胞指標(CI)と呼ばれる無次元パラメータの増加または減少をモニタリングすることにより検出できる。接着細胞をカスタム96ウェルプレート内で培養する場合、細胞増殖の特徴は、各ウェルの中に埋め込まれている金電極により測定される電気インピーダンスの変化により、リアルタイムでモニタリングできる。
CI測定は、4つのパラメータ:1)細胞数、2)細胞寸法および形態、3)細胞生存率、および4)細胞接着に基づく。これらのパラメータのいずれか1つが増加することによりCIが増大する。逆に、これらのパラメータのいずれか1つの減少によりCIが減少する。
手法
HT−29細胞を、T−75のフラスコからトリプシン処理し、8000細胞/ウェルでRoche96−well E− plate(登録商標)に添加し、37℃で4時間インキュベートした。4時間のインキュベーションの最中に、試料の希釈を、96ウェルのU底プレートで調製した。次いで試料に、適切に希釈したTcdB(0.5〜50ng/mLの範囲、毒素のロットに応じて希釈)で覆った。次いでプレートを37℃で約60分インキュベートした。最初の細胞インキュベーションが完了した後に、毒素/試料調製物で細胞を覆い、次いで37℃で最低72時間インキュベーションした。インピーダンス測定を、インキュベーション期間にわたり30分ごとに行った。このデータを、xCELLigence(商標)RTCAソフトウェアを使用してリアルタイプでプロットする。最適な時点を表す単一の時点(毒素の細胞傷害性または中和のいずれかに関する)を選択した。この単一の時点からのデータを使用して、解析用の4−パラメータロジスティック(4−PL)曲線を作成した。試料の効力が決定される場合、試料の曲線は、「基準の」試料に対して制約される。曲線の制約は、上部/下部の漸近線、および曲線の勾配を制約するために使用する。このことにより各曲線が、曲線のIC50に基づきx軸に沿って水平にシフトすることが可能となる。効力決定のため、標準のIC50値を試料のIC50値で除算する。
xCELLigenceを用いたTcdB細胞病原性検出の初期評価
HT−29細胞に対するB毒素の細胞病原性を、xCELLigence(商標)プラットフォームの適合性を決定するためにまず評価した。図8は、2倍希釈でのTcdBの用量応答曲線を示し、HT−29細胞に対するTcdB細胞の濃度増加は、細胞指数の減少により示唆されるように細胞病原性をもたらすことを示している。TcdBの濃度減少に伴う細胞指数の増加は、細胞病原性の適切な検出を示す。5ng/mlのTcdB濃度は、およそ最大の細胞病原効果を示しており、これが毒素中和を評価するための適切な濃度と示唆している。
細胞付着段階−xCelligence(商標)法
この段階は、以下のステップを含んだ。(1)ソースフラスコ内で細胞をトリプシン処理した。(2)2mlのトリプシンをフラスコに添加し細胞を洗浄して培地の残りを除去し、次いで吸引した。(3)3mlのトリプシンを添加し、37℃で約8分インキュベートした。(4)6mlのアッセイ培地をフラスコに添加した。(4)懸濁した細胞を、800rpmで7分間遠心した。(5)上清を吸引し、6mlのアッセイ培地で細胞を再懸濁した。(6)細胞を計数し、8000細胞/ウェルでプレーティングするために必要な細胞の容量を計算した。(7)96ウェルEプレートの全てのウェルに100μlのアッセイ培地を添加した。(8)xCelligenceでバックグラウンドの読み取りを行った。(10)1.0×10細胞/mlの懸濁液50μlを、最終的に8000細胞/ウェルの播種密度となるようこれらのウェルに添加した。(11)(15)細胞が均一に定着するように、20〜30分間室温でプレートをインキュベートした。(16)5%のCOの充填を伴う37℃のインキュベーターに4〜5時間プレートを置いた。
B毒素の調製:(1)原液(409.6μg/ml)を5ng/mlに希釈することによりB毒素のオーバーレイを調製した(2)原液を80ng/mlに希釈することにより滴定用のB毒素を調製した。(3)原液の希釈は表5に示す通りに実施した。
Figure 2016501877
試料の調製:効力を試験するために、すべてのモノクローナル抗体を表6に示すように適切な濃度に調製した。
Figure 2016501877
希釈プレートの調製−xCelligence
U底の96ウェルプレートを使用して以下を実施した。(1)112.5μlのアッセイ培地をウェルB2〜H11、およびE12〜H12に添加した。(2)225μlの培地をウェルA12〜D12に添加した。(3)100μlのアッセイ培地をウェルB1〜H1に添加した。(4)150μlの試料を、下の表7に示すように対応するウェルに添加した。(5)列Aから37.5μlを移して列Bに添加し、混合して列Hまで反復することにより、各試料を4倍段階希釈した。(6)列Aから列Bに50μlを移し、混合し、次いで列Hまで段階希釈を続けることにより、毒素滴定ウェルを3倍段階希釈した。(7)試料および毒素対照(TC)に、112.5μlのB毒素を添加した。(8)毒素滴定ウェルに、100μlのアッセイ培地を添加した。(9)プレートを、均一になるまでプレート振盪機上で振盪した。(10)5%のCOと37℃で60〜90分インキュベートした。
表7はxCelligence希釈プレートのレイアウトを示す。
Figure 2016501877
細胞プレートへの試料の添加:(1)インキュベートの完了後、細胞および希釈プレートをインキュベーターから取り出した。(2)(3)希釈プレートから50μlの試料を、細胞プレートの適切なウェルに移した。(4)5%のCO充填下37℃で72時間インキュベートした。
データ解析:(1)72時間の時点でのプレートのデータを、Softmax Pro (v.5.4)ソフトウェアを使用してそれぞれ個々の試料について4‐パラメータ(4−PL)ロジスティック曲線に合わせた。(2)標準および試料の曲線を制約し(上部/下部漸近線、および勾配)、標準のIC50値を試料のIC50で除算し、効力評価を決定した(適用可能な場合)。
この実施例の手順を、mAbに関しても実施した。
結果
マウスCAN46mAbはMDX−1388と同様のEC50値を示し、ここでCAN46G24は、in vitroでより高いレベルの中和を示す。
表8は各mAbのEC50データをまとめており、CAN46G24およびCAN46G13が、MDX1388と比較した場合最も中和するクローンであることを示している。
Figure 2016501877
EC50値は、TcdB毒素の用量の50%を中和する抗体の濃度である。
実施例9:HT−29細胞を用いたin vitro中和アッセイにおけるクロストリジウム・ディフィシルB毒素
HT−29の細胞を用いたin vitro中和アッセイでは、表9の%中和の範囲は、マウス抗体由来のデータからまとめられている。使用したB毒素の濃度は5μg/mlであった。
Figure 2016501877
実施例10:マウスのin vivoでの毒素試験
マウスのin vivo毒素試験は、いくつかの改変を伴い従来の公開に基づいた(Babcock et al., Human Monoclonal Antibodies Directed against Toxins A and B prevent C. difficile−induced Mortality in Hamsters, Infection and Immunity (2006))。20〜30gの体重のBalb/cマウスに、250μgのmAbまたは対照を0日目に与え、休息をとらせた。24時間後に、マウスに致死量のTcdB(75ng)を与えた。この用量は、未保護の状態の動物の90〜100%を24時間以内に死に至らしめる。マウスを4日間、異常性ならびに局所性および全身性の疾患に関して観察した。すべての観察を記録し、%生存を各処置グループについて決定した。
結果:
図9に示されるように、試験結果は、CAN46 mAbがマウスをB毒素から保護することを示す。すべてのCan46 mAb、CAN46G4、CAN46G13、CAN46G13a、CAN46G19およびCAN46G24は、致死量のB毒素投与からの保護において、0.25mg/マウスの用量で有効であり、B毒素投与後4日の生存は100%であった。CAN33G1は0.25mg/マウスの用量でマウスを保護できず、B毒素投与後4日の生存は0%であった。
実施例11:V遺伝子のシークエンシング
RNeasyミニキットを使用して、CAN46G親ハイブリドーマクローン細胞株のそれぞれからRNAを単離した。RNAからのV遺伝子の増幅を、Qiagen OneStep RT−PCRキットを使用して実施した。いくつかのプライマーセットの組み合わせを以下のように使用した。ハイブリドーマからの免疫グロブリン可変領域遺伝子配列を確認するために、1連の可変領域遺伝子(V遺伝子)サブグループ特異的オリゴヌクレオチドプライマーを使用する。これらは、5’mVK−Lead−l、3’KappaConstRT、5’mVH−Lead−2、5’mVH−Lead−2A、および3’mIGl−2C RTを含んでよい。既知でかつ内在性の異常なκ軽鎖V遺伝子のmRNA(P3X63骨髄腫で見出された)(Yuan, X. et al., J. Immunol. Methods, 294: 199−207 (2004))からのコンタミネーションの可能性を除外するために、5’mVK−Lead−lA、5’mVK−Lead−lA、5’mVK−Lead−3、5’mVK−Lead−3A、5’mVH−IGHVl−Lead、5’mVH−Lead−l、5’mVH−Lead−3、5’mVH−Lead−4、および5’mVH−Lead−5を含み得る、非サブグループ特異的プライマーセットを使用するRT−PCRも実施した。図10では、プライマーおよびそれらの配列の一覧が表されている。プライマー中の縮重塩基の記号は、縮重ヌクレオチド配列パターンを表すIUPAC(International union of pure and applied chemistry)コードである。
PCR増幅反応の結果を、解析アガロースゲル上のPCR産物を調べることにより決定し、約300〜500bpの視覚化されたバンドを、クローニング用にゲル単離した。抽出したDNAを、TOPO TAクローニングマニュアルにおける低融点アガロース法を使用して、pCR2.1−TOPOベクター内に直接TAクローニングした。各CAN46Gクローン反応物を、M13順方向およびM13逆方向プライマーを使用して、両方向でシークエンスした。配列データを、DNAStar Lasergeneソフトウェアを使用して解析した。図11は、IMGT/V−Quest参照ディレクトリセットおよびNCBI免疫グロブリンBlastサーチと比較した、得られた再配置V遺伝子配列を示す。図は、マウスの親クローンCAN46G4、CAN46G13a、CAN46G19、CAN46G24、CAN46G13およびCAN33G1のVH配列およびVL配列の両方に関する結果を含む。CAN46G24およびCAN46G13の解析により、マウス親クローンのVH配列及びVL配列に関して同一の配列が明らかとなった。
実施例12: CAN46Gのヒト化
各CAN46G mAbの3つのヒト化IgG/kバージョンを作製した。ヒト化バージョンでは、ヒ化生殖系列の対立遺伝子との最大同一性アライメントを使用して(NCBIウェブサイト)、受容体(acceptor)フレームワークの同定を支援した。重鎖および軽鎖に対応する6つのすべてのCDRを挿入した。他の残基は、表面露出またはフォールディングもしくは鎖間の接触への関与によりそれぞれ変化させたか、または維持された。これは、総フレームワークよりむしろCDRのマッチングが受容体フレームワークとしての生殖系列配列の使用のバリエーションに使用されている、「超ヒト化(superhumanization)」手法に類似している。Tan et al., J. Immunol.2002, 169:1119−1125の場合では、著者らはCDR配列を使用して、カバト分類システムに基づくいわゆるCDRの古典的な分類と一致させようと試みた。しかしながら、特定のCDRは生殖系列にコードされており、かつ特定の古典的なコンフォメーションは特定のフレームワークにおいて見出される傾向があるため、受容体フレームワークを選択する「超ヒト化」方法は、異なる候補受容体フレームワークの選択を必ずしももたらさない。それは経験的であり、複数のmAb特異性についてはまだ試験されていない。これは、同定のためのフレームワークの直接アライメントがCDRを本質的に含み、比較の際にもCDRを含むことが原因の一部である。
cdrCAN46G CDR移植のみ(図12)
VHおよびVkに関して最も一致したヒト生殖系列の対立遺伝子を、CDRを移植する受容体フレームワークとして使用した。他の変更は受容体フレームワークに対して行わなかった。
huCAN46およびrehuCAN46「ヒト改変」(図13および14)
このヒト化バージョンを、CD5に対するマウスのmAbをヒト化するためにStudnickaらにより使用された「ヒト改変」戦略(Studnicka et al, Human−engineered monoclonal antibodies retain full specific binding activity by preserving non−CDR complementarity−modulating residues, Protein Eng. 1994 Jun;7(6):805−14)と最も類似した戦略を使用して作製した。基本的に、CAN46G mAbのVおよびVと最も近いヒト生殖系列対立遺伝子を個々に同定し、受容体フレームワークとして使用するための設計を行った。rehuCAN46 mAbは、CDRを破壊することなく、採用したヒトフレームワークに対応する表面露出アミノ酸上で行われた置換により、さらに再度表面化した。
実施例13:ヒト化モノクローナル抗体のELISAアッセイ
ELISAを使用して、全B毒素およびA毒素に対するmAbの結合を試験し、それらが全A毒素に対して交差反応性を有するかどうかを決定した。ELISAプレートを、コーティングが等モルであるように、400ngの全B毒素またはA毒素で被覆した。ウェルを5%のスキムミルクでブロッキングし、次いで段階希釈したCAN46シリーズのmAb(0.1μg/ml〜1μg/ml)でプローブし、結合を市販のヤギ抗ヒトIgG‐HRP抗体を用いて検出した。陰性対照および陽性対照も試験した。プレートを、基質とのインキュベートの15分後に405nmで読み取った。各抗体の滴定データを図40に示す。
結果:図37に示すように、CHO構築物由来のCHOK1SV細胞で発現させたヒト化AN46 mAbは、それぞれのマウスmAbnの結合特徴を保持し、かつ全B毒素に結合する。ヒト化CAN46G13a mAbは、他のCangene mAbおよび対照mAbと比較してより低いレベルでB毒素に結合する。どのCAN46 mAbもA毒素に対する交差反応性を示さなかった。
実施例14:ヒト化モノクローナル抗体のウェスタンブロット
4〜12%勾配SDS−PAGEゲルで、C.difficileのタンパク質の組み合わせ:全B毒素、組み換えB毒素フラグメント1、組み換えB毒素フラグメント4、および全A毒素を200ボルト、1.0時間で泳動させた。次いでゲルをニトロセルロース膜に45ボルトで1時間転写した。膜を、1×TBST中5%のスキムミルクを用いて、室温で1時間または4℃で1晩ブロッキングした。mAb(1°Ab)を、抗体に応じて0.038μg/ml〜5μg/mlの範囲の濃度で、1×TBST中5%のスキムミルクに希釈し、振盪機上で室温で5時間または4℃で1晩、転写産物を含む膜をプローブするのに使用した。次いで膜を1×TBSTで洗浄して結合していない1°Abを除去し、振盪機上で1.5時間、室温で、1:4000〜1:5000に希釈した抗ヒトIgG−HRP(2°Ab)を用いて、プローブした。
結果:図34および35に示すように、CAN46G19およびCAN46G24のヒト化バージョンは、組み換えB毒素フラグメント4(85kDa)および全B毒素(280kDa)に対する結合を示した。ヒト化バージョンのCAN46G13aは、組み換えB毒素フラグメント1(82kDa)および全B毒素(280kDa)に対する結合を示した。試験したヒト化CAN46 mAbはいずれも、A毒素(308kDaに対する交差反応性はなかった。
実施例15:ヒト化抗体のin vitro中和アッセイ
CT.26細胞を使用したC.difficile毒素に関するin vitro中和アッセイを、C.difficileB毒素に対するヒト化mAb変異体の中和能力を試験するために実施した。CT.26細胞を、2.5〜3×10細胞/100μl/ウェルの濃度で96ウェルプレートに播種し、プレートを5%COインキュベーターで、37℃で4〜5時間インキュベートした。培地を含む2つのブランクウェル(細胞なし)も、このプレートに含まれた。
毒素および毒素/Ab原液を調製し、Roswell Park Memorial Institute(RPMI)培地を使用して、所望の濃度に希釈した。希釈した毒素対照および毒素/Ab試験混合物を、室温で1時間インキュベートした。その後、培地をウェルから除去し、培地単独(細胞対照)、毒素単独(毒素対照)、または毒素/Ab混合物のいずれかの存在下で、37℃および5%COで48時間インキュベートした。プレートを、37℃および5%COで48時間インキュベートするために戻した。
次に、各ウェルにWST−1検出試薬を添加して(ウェル中の容積は試薬10μl/100μl)37℃および5%COでさらに1時間インキュベートし、それからプレートを1分間振盪し、450nmの吸光度を読み取った。
細胞の生存率を、以下のように細胞対照に基づき判定した:
%細胞生存率=試験の平均OD/細胞対照の平均OD×100。
毒素中和を、以下の式により計算した:
%中和=(試料のOD−毒素対照のOD)/細胞対照のOD‐毒素対照のOD)×100。
結果
図15aおよび15bに示すように、huCAN46G4、rehuCAN46G4、huCAN46G19およびrehuCAN46G19は、全てのmAb濃度で最も高いレベルの保護(中和)を提供した。これらの中和レベルは、本来のマウスバージョンと同等であった。MDX1388 mAbもまた同等の中和活性を示す一方、cdrCAN46G4およびcdrCAN46G19の両方は本来のマウスバージョンまたは対照mAb MDX1388と比較した場合、活性がかなり低下するか、まったく活性を示さない。
CT.26wt細胞を用いたin vitro中和アッセイについて、表10の%中和範囲が、2つのヒト化mAb、huCAN46G4およびhuCAN46G19からのデータよりまとめられた。B毒素の濃度は200〜250pg/mlであった。
Figure 2016501877
Figure 2016501877
さらに、図19〜23は、CT−26細胞に対するB毒素投与の中和における、Per.C6ベースの構築物を発現するHEK293F細胞(図面の説明文では293Fとして表される)またはCHOベースの構築物を発現するCHOK1SV細胞(図面の説明文ではCHOとして表される)のいずれかから精製したCAN46mAbの能力を例示する。特に、CHOおよびPer.C6構築物両方におけるhuCAN46G24 mAbは、rehuCAN46G24構築物よりも優れた中和を示した(図19)。図20では、キメラCAN46G13a mAbは、CHOでのrehuCAN46G13aおよび両構築物でのhuCAN46G13aよりも優れた中和を示した。図21では、両構築物(CHOおよびHEK293F)でのhuCAN46G19 mAbは、rehuCAN46G19構築物よりも優れた中和を示した。図22では、3つのmAb、huCAN46G4、huCAN46G19およびhuCAN46G24は、同等の中和を示し、1〜2μg/mlで100%中和した。図23では、rehuCAN46G24は、B毒素の中程度の中和を示し、huCAN46G13aおよびrehuCAN46G13a mAbは、huCAN46G24と比較してB毒素の弱い中和を示した。図25では、CHOでのhuCAN46G24 mAbは、試験したCHOヒト化CAN46mAbの最も高い中和能力を示し、約0.18μg/mlで100%中和した。CHOでのrehuCAN46G19およびrehuCAN46G24は中程度の中和を示し、約0.3μg/mlで100%中和した。まとめると、これらの結果は、B毒素のドメイン1または4に対して特異性を有する本発明に記載されるヒト化モノクローナル抗体を使用して、in vitroでCT26に対するB毒素の細胞傷害性作用をCAN46 mAbが中和することを示す。
実施例16:マウスin vivo毒素試験
マウスin vivo毒素試験は、一部の改変を伴い従来の公開に基づいた(Babcock et al., Human Monoclonal Antibodies Directed against Toxins A and B prevent C. difficile−induced Mortality in Hamsters, Infection and Immunity (2006))。0日目に、250μgのmAbまたは対照を20〜30gの体重のBalb/cマウスに与え、休息させた。24時間後、マウスに致死量のTCdB(75ng)を与えた。この用量は、保護されていない段階の動物の90〜100%を24時間以内に死に至らしめる。マウスを、異常性、局所性および全身性の疾患の兆候について4日間観察した。すべての観察を記録し、各処置グループの%生存を決定した。
結果
図16〜17に示すように、試験結果は、ヒト化したバージョンのCAN46 mAb(Per.C6ベースの構築物を発現するHEK293F細胞から精製)が、マウスをB毒素投与から保護することを示す。図16は、すべてのCAN46G13aヒト化mAb、huCAN46G13a(10%)、cdrCAN46G13a(20%)、rehuCAN46G13a(30%)が、B毒素の試験から3日後に、致死量のB毒素投与からの保護において、0.25mg/マウスの用量で有効でなかったことを示す。図17は、huCAN46G4、huCAN46G19、huCAN46G24が、致死量のB毒素投与からの保護において、0.25mg/マウスの用量で有効であり、ここでB毒素投与後3日の生存は100%であった。
実施例17:総ヒトIgGELISA
総ヒトIgG ELISAを、Bethyl Laboratories製のヒトIgG ELISA定量セット(Cat No. E80−104)を使用しキットの説明に従って実施した。ELISAを、B毒素投与をされたマウスから収集した血清試料に関して実施した。血清を、毒素試験の12時間前に、mAb注射後12時間のマウスから収集し、それから試験の最後の第4日に再度収集した。第1の試料と第2の試料との間の時間は84時間であった。検出可能な循環mAbの減少の線形速度を、以下の計算によって決定した。
[(試験の12時間前の血清中のmAbの濃度)−(試験から96時間後の血清中のmAbの濃度)]/84時間
結果
図18に示すように、mAbの濃度は、huCAN46G24 mAb(75μgおよび250μg)またはrehuCAN46G19 mAb(250μg)のいずれかを注射したマウスにおいて、84時間にわたり相対的に安定していた。huCAN46G19(75μgおよび250μg)またはrehuCAN46G24(250μg)のいずれかを注射したマウスは、検出可能な循環mAbの50〜75%を喪失した。試験したすべてのmAbについて、マウスの循環mAbの濃度は、試験から4日後に12μg/ml未満には低下しなかった。試験したmAbは、Per.C6ベースの構築物を発現するHEK293F細胞から精製した。
実施例18:B毒素の親和性
ヒト化CAN46 mAb変異体およびB毒素の親和性を、バイオレイヤー干渉法を用いて試験した。原液抗体を、PBSで1mg/mlに希釈し、それから1mmolのビオチン/1mmolのAbの比率を使用して商業的に入手可能なキット(Fisher Cat No. P121329)を使用して、室温で30分間ビオチン化した。脱塩カラムを使用して、過度のまたは結合していないビオチンを除去した。Octet QKe器具は、ストレプトアビジン(SA)、抗ヒトFc(AHC)、または抗マウスFc(AMC)センサのいずれかを備えた。センサを、安定なベースラインを得るまでPBST中で予め洗浄した。40μg/mlのmAbを8つのセンサのそれぞれに結合/充填した。センサを、安定したベースラインを取得し、かつ結合していないmabが除去されるまでPBST中で再度洗浄した。センサを、B毒素の希釈系列(50nm〜0nM)と関連させ、それからPBST中で洗浄して、各mAbからの毒素の解離を評価した。結果をForteBioデータ解析ソフトウェアを使用して解析して、平衡解離定数(KD)または結合の強度、mAb:毒素複合体が形成される速度(kon)、およびmAb:毒素複合体が解離する速度(kdis)を決定した。
結果
試験した抗体を、Per.C6ベース構築物を発現したHEK293F細胞から精製した。図24に示されるように、huCAN46 mAbは、マウスの対応物と比較して、TcdBに関してより小さなKD値を有し、それゆえより高い親和性を有した。rehuCAN46 mAbは、マウスの対応物よりも小さなKD値を示したが、顕著に異なるKdis値は有さなかった。すべてのヒト化mAbバージョンは、類似したKD値、0.15〜0.42Mを示し、B毒素に対する高親和性の類似のレベルが示唆された。
CHOベースの構築物を発現するCHOK1SV細胞から精製したヒト化変異体の同様の解析を図36に示す。同様の親和定数がCAN46G13a変異体で得られ、一方でCAN46G24変異体は、ヒト化プロトコルに従いnM以下の親和定数を示した。
実施例19:xCELLigence(商標)プラットフォームを使用したVero細胞でのクロストリジウム・ディフィシル臨床単離B毒素中和アッセイ
細胞株−Vero細胞は、サルの腎臓線維芽細胞である。これらの細胞は、A毒素に対して相対的に耐性がある一方で、B毒素に対して非常に感受性があるため、選択される。
xCELLigence(商標)プラットフォーム
xCELLigence(商標)は、リアルタイムで細胞の特徴の変化を評価する電子インピーダンス細胞検知測定に基づく、リアルタイム標識フリー細胞解析(RTCA)システムである。細胞増殖および細胞傷害性を、細胞指数(CI)と呼ばれる無次元パラメータの増加または減少をモニタリングすることにより検出できる。接着細胞をカスタム96ウェルプレート内で培養する場合、細胞増殖の特徴を、各ウェルに埋め込まれた金の電極により測定される電子インピーダンスの変化によりリアルタイムでモニタリングできる。
CIの測定は、4つのパラメータ:1)細胞の数、2)細胞の寸法および形態、3)細胞の生存率、ならびに4)細胞接着に基づく。これらのパラメータのいずれか1つの増加はCIの増加をもたらす。反対に、これらのパラメータのいずれか1つの減少はCIの減少をもたらす。
C. difficile臨床単離培養上清の調製
9つの普及している臨床単離物および1つの参照株(ATCC43255)を、B毒素中和試験のため選択した。胞子の貯蔵物を、ブレインハートインフュージョン+0.1%のタウロコール酸塩(BHI−T)のプレートにストリークして、嫌気チャンバ内で、35℃で48時間培養した。単一クローンを、50mlのTY培地に移し、4日間培養した。細菌培養物を遠心し、上清を0.2μmのフィルターを介して濾過した。上清を4℃で保存し、無菌を確認するため48時間BHI−Tプレート内で培養した。培養上清を、Vero細胞の80〜90%の細胞傷害性を誘導する予め判定した濃度(表11)まで、Vero培地で希釈した。
Figure 2016501877
Vero細胞をT−75フラスコからトリプシン処理し、ロシュ96ウェルEプレート(登録商標)に7500細胞/ウェルで添加し、37℃で4時間インキュベートした。4時間のインキュベートの中に、抗TcdB mAb希釈物を、96ウェルのU底プレート上で調製した。次いで、試料を、繰り返しピペッティングすることにより適切なTcdBの希釈物(0.5〜50ng/mlの範囲、毒素ロットに応じて希釈)と混合した。次いで、プレートを37℃で60分間インキュベートした。最初の細胞インキュベーションの完了後、細胞に毒素/mAb調製物を添加し、少なくとも72時間37℃でインキュベートした。インピーダンス測定を、インキュベーション期間にわたり30分ごとに行った。このデータを、xCELLigence(商標)RTCAソフトウェアを使用してリアルタイムでプロットした。最適な時点を表す単一の時点(毒素の細胞傷害性または中和のいずれかに関する)を選択した。その単一の時点からのデータを使用して、解析のため4−パラメータのロジスティック曲線を作成した。試料の効力が決定された場合、試料曲線は、「参照」試料に対して制約される。曲線の制約を使用して、曲線の上部/下部の漸近線、および勾配を制約する。このことにより、各曲線を、曲線のIC50値に基づいてx軸に沿って水平にシフトさせることが可能である。効力を決定するため、標準物のIC50値を試料のIC50値により除算する。
細胞付着段階‐xCelligence(商標)法
この段階は、以下のステップを含んだ。(1)ソースフラスコ中で細胞をトリプシン処理した。(2)2mlのトリプシンをフラスコに添加し細胞を洗浄して培地の残りを除去し、次いで吸引した。(3)3mlのトリプシンを添加し、約8分37℃でインキュベートした。(4)6mlのアッセイ培地をフラスコに添加した。(4)懸濁した細胞を、368xgで8分間遠心した。(5)上清を吸引し、細胞を6mlのアッセイ培地で再度懸濁した。(6)細胞を計数し、7500細胞/ウェルでプレーティングするために必要な細胞の容量を計算し、(7)96ウェルEプレートの全てのウェルに100μlのアッセイ培地を添加した。(8)xCelligenceでバックグラウンドの読み取りを実施した。(10)これらのウェルに1.5×10細胞/mlの懸濁液50μlを、最終的に7500細胞/ウェル播種密度となるよう添加した。(11)細胞が均一に定着するように、20〜30分間室温でプレートをインキュベートした。(12)5%のCOの充填を備える37℃のインキュベーターにプレートを4〜5時間置いた。
B毒素の調製:(1)原液(409.6μg/ml)を200pg/mlに希釈することにより、B毒素オーバーレイを調製した。(2)原液を80ng/mlに希釈することにより、滴定用のB毒素を調製した。(3)原液の希釈は、表12に示すように実施した。
Figure 2016501877
試料の調製:効力を試験するために、すべてのモノクローナル抗体を表13に示すように適切な濃度に調製した。
Figure 2016501877
希釈プレートの調製−xCelligence
以下を、U底の96ウェルプレートを使用して実施した。(1)45μlのアッセイ培地をウェルB3〜H9、およびC10〜D11に添加した。(2)100μlの培地をウェルB10〜11に添加した。(3)以下の表14に示すように、50μlの希釈したmAb(10−6Mまたは300μg/ml)を対応するウェルB2〜H2に添加した。(4)列2から5μlを移して列3に添加し、混合して列9まで反復し、列9から5μlを廃棄することにより各試料を10倍段階希釈した。(5)45μlの希釈したB毒素(200pg/ml)をC10、11に添加し、45μlの希釈した単離培養上清(表11)をD10、11に添加した。(6)希釈した単離物1培養上清(表11)をウェルB2〜H9に添加した。(7)プレートを、均一になるまで振盪機上で振盪した。(8)5%のCOと37℃で60分間インキュベートした。表13は、xCelligenceの希釈プレートのレイアウトを示す。
Figure 2016501877
細胞プレートへの試料の添加:(1)インキュベーションが完了した後、細胞および希釈プレートをインキュベーターから取り出した。(2)希釈プレートから50μlの試料を細胞プレートの適切なウェルに移した。(3)5%のCO充填下37℃で72時間インキュベートした。
データ解析:(1)72時間の時点でのプレートのデータを、Softmax Pro (v.5.4)ソフトウェアを使用して、各個々の試料について4‐パラメータロジスティック(4‐PL)曲線に合わせた。(2)標準および試料の曲線を制約し(上部/下部の漸近線、および勾配)、かつ、標準のIC50値を、試料のIC50で除算し、効力評価を決定した(適用可能な場合)。
結果
図26は、C.difficile臨床単離物の毒性を中和するため、CHOK1SV細胞で産生したヒト化CAN46G24、CAN46G13a、およびCAN46G19変異体の能力を示す、各mAbについでのEC50データをまとめた。棒グラフは、特異的なC.difficile臨床単離物に対する各mAbのEC50を示す。単離物は、1つの参照株(ATCC43255)および3つの超毒性(hypervirulent)027株(BI−1、BI−6、およびBI−17)を含む9つの代表的な臨床単離物を含む。EC50は、各臨床単離物に対して、各mAbで異なる。一般的に、ヒト化CAN46G24およびCAN46G19 mAbは非NAPI株を中和し、対してヒト化CAN46G13a mAbはNAP1株に対してより有効であった。
実施例20:C. difficile B1胞子を用いた、ハムスターの胃腸性一次感染モデルにおけるヒト化B毒素mAbの有効性
感染する前の4日間のそれぞれの日に、高用量(50mg/kg体重)または低用量(20mg/kg体重)のいずれかで抗A毒素および抗B毒素のmAbを、ハムスターのグループに4回注射した。抗体注射の3日目に、ハムスターに、C. difficile胞子感染を高めるよう腸の細菌叢を排除するために、10mg/kg(体重)のクリンダマイシンも与えた。抗体注射の最終日と同時に、ハムスターに、140B1胞子を胃中に与え、2日ごとの体重の記録に加え、臨床徴候および生存を、22日間、1日に2回記録した。感染から22日後に、すべての生存しているハムスターを安楽死させ、収集した血清を、抗毒素抗体レベルについて、Bio−Plex(登録商標)MAGPIX(商標)複合アッセイによりアッセイした。完全な実験手法については表15を参照し、ハムスターの各グループに与えた注射については表16を参照されたい。
生存、臨床徴候および体重の生データを、Graphpad Prism 5ソフトウェアにより解析した。血清を、抗体を注射する前(3日目)にすべての動物で収集し、22日目に生存するすべてのハムスターで収集した。血清試料を、注射した毒素特異的抗体に関して、Magplexにより解析した。
Figure 2016501877
Figure 2016501877
Figure 2016501877
結果:
ハムスターを、117CFU/動物でC. difficile B1胞子に感染させ、22日間、1日に2回観察した。CHOベースの構築物を発現したCHOK1SVから精製した抗TcdAおよびTcdAB mAbを、感染の前に3、2、および1日間、50mg/kgまたは20mg/kgで1日に1回投与し、および感染の当日0日目に胞子と共に投与した。B1胞子および生存率の検証を、B1胞子の接種材料の段階希釈をブレインハートインフュージョン+0.1%タウロコール酸塩(BHI−T)アガー上に配置して48時間嫌気チャンバ内でインキュベートすることにより実施し、感染の間117CFU/ハムスターに投与されたことを確認した。図27は、ハムスターの一次感染モデルからの生存データを示す。5匹の対照ハムスター(グループA;処置なし)のうち4匹が感染から48時間以内に死亡し、第5のハムスターが胞子を投与してから96時間後に死亡したことから、感染が確立していたことが示唆される。抗体で処置した動物(グループB〜グループE)では、最終的な生存率は40%〜80%超で可変であり、対照のグループA(抗体処置なし)と顕著に異なることから、毒素特異的な抗体処置の保護的な機能が示唆される。mAbで処置したハムスターの生存率は、用量依存性および供給源依存性であることがわかった。グループB(CDA1/MDX−1388 50mg/kg)由来の7匹のハムスターのうち3匹が感染症により死亡し(1匹は感染後日数(DAI)2日に死亡し、別の2匹は13DAIに死亡した)、一方でグループC(HeCan20G2/HuCAN46G24 50mg/kg)由来の7匹のハムスターの1匹のみが、実験期間中の12日目に感染症により死亡した。低用量(20mg/kg)の処置グループでは、グループD(CDA1/MDX−1388)の8匹の動物のうち5匹が死亡し、グループE(HeCan20G2/HuCAN46G24)処置グループでは8匹のハムスターのうち4匹が死亡した。CangenemAbのHECAN20G2およびhuCAN46G24は、50mg/kgの用量で有効であり、12日後では100%が生存し、22日後では80%が生存していた。この組み合わせはまた20mg/kgの用量でも有効であり、16日後で100%が生存し、20日後で60%が生存した。したがって、等量の用量では、HeCan20G2/HuCAN46G24処置は、CDA1/MDX−1388処置と比較してより多くの生存をもたらし、その一方、同一供給源のmAbでは、より高い用量がより高い/より長い生存率と相関した。
図28Aは、感染後すべてのグループの平均体重(BW)が減少し、一次感染モデルの処理の過程中に回復することを示す。グループB(CDA1/MDX−1388 50mg/kg)のBWは、13DAIまでに本来のベースラインBWの55%に減少した。グループC(HeCan20G2/HuCAN46G24 50mg/kg)では、BWは感染後73%に減少し、8DAIまでに回復が始まり、16DAIまでにベースラインBWの87%に達し、かつ約90%で安定し続けた。20mg/kgの処置グループでは、グループD(CDA1/MDX−1388)およびグループE(HeCan20G2/HuCAN46G24)の両方のBWは、ベースラインの65%に減少し、その後回復し始めた。実験の最後では、グループDの動物のBWは、本来の体重の85%に達し、一方グループEのBWは本来のベースラインのBWの80%に達した。
図28Bは、処置済のグループ(グループB、C、D、およびE)における、22日目に生存しているハムスターの血清中の毒素mAbの濃度を示す。感染後(22日目)のハムスターの血清試料は、8.83μg/ml〜308.72μg/mlの間の濃度の抗A毒素IgG抗体を示した。抗B毒素IgG抗体の濃度は、8.92μg/ml〜85.11μg/mlの範囲であった。
この試験からの結果は、両方の用量レベル(50mg/lgおよび20mg/kg)でのヒト化HeCan20G2/HuCAN46G24の組み合わせを用いたC. difficile B1感染済ハムスターの処置は、感染後のおよびその後の再発の疾患からハムスターを有効かつ強力に保護し、CDA1/MDX−1388で処置したハムスターと比較して長期間生存を改善したことを示す。
実施例21:C. difficile臨床単離物に対するPer.C6ベクター由来のヒト化mAbの特徴づけ
C. difficile上清の濃度
C. difficileを、ヒトでCDIを引き起こすと知られている細胞株を含む、様々な細胞株を表すのに選択した(PFGEによるNAP1)。これらの細胞株由来のC. difficile細菌を、TYブロス(200ml)中で、35℃で4日間嫌気チャンバ内で増殖させた。細菌懸濁物を遠心によりペレット化し、残存する胞子および増殖細胞を除去するために上清を濾過した(0.22μm)。上清を濃縮して(Centricon 70plus)、硫酸アンモニウムで沈殿させた。スラリーを、4℃で10〜12時間ゆっくりと撹拌することにより混合し、遠心した。結果として得られるペレットを、Tris/NaClで5回洗浄し、残存する硫酸アンモニウムを除去した。結果として得られる毒素を、上記のようにCentriconにより濃縮し、試験するまで4〜8℃で保存した(Tris/NaCl中で)。
ELISA‐B毒素決定、サンドイッチELISA
この試験の全てのC.difficile株は、CF2(A−B+)を除き、A毒素およびB毒素の両方(A+B+)を産生する。サンドイッチELISAを、臨床単離株由来の濃縮上清中のB毒素の濃度を決定するために実施した。マイクロタイタープレートを、1μg/mlの試験物質(様々なmAb)でコーティングした(4℃で16時間)。コーティング後、過度の捕捉mAbを除去し、プレートをブロッキングした(5%のミルク、37℃で1時間)。ブロッキング試薬を廃棄してプレートを洗浄した(PBSTで3回)。希釈した標準物質および濃縮物(2.5%のミルク中)をプレートに添加し、インキュベートした(37℃で1時間)。標準物質/試料を除去し、プレートを洗浄し、検出抗体(detector Ab)(B毒素に対するウサギpAb)を添加した(37℃で1時間)。検出抗体を除去し、プレートを洗浄し、コンジュゲート抗体(抗ウサギHRP)を添加した(37℃で1時間)。コンジュゲートを除去し、洗浄した後、基質(TMB)を添加して発色させた。反応を1N HSOを用いて停止させた。プレートを450nmで読み取った。SoftMaxにより解析を行った。
直接ELISA―交差反応性ELISA
さらに、臨床単離株とのヒト化CAN46mAbの交差反応性を試験するために直接ELISAを実施した。マイクロタイタープレートを、C.difficile濃縮物でコーティングした(4℃で16時間)。コーティング後、過度の濃縮物を除去し、プレートをブロッキングした(5%のミルク、37℃で1時間)。ブロッキング試薬を廃棄し、プレートを洗浄した(PBSTを用いて3回)。希釈した抗体(ウサギpAb、マウスおよびヒト化mAb、2.5%のミルク中)をプレートに添加し、インキュベートした(37℃で1時間)。抗体を除去し、プレートを洗浄した。適切なコンジュゲートを添加した(抗ウサギ、抗マウス、および抗ヒト、37℃で1時間)。コンジュゲートの除去および洗浄の後、基質(TMB)を添加し、発色させた。反応を1N HSOを用いて停止させた。プレートを450nmで読み取った。
中和アッセイ−CT26細胞
RPMI−1600培地中でCT細胞を増殖させ(10%のFBS、37℃、5% COを用いる)、3×10細胞/ウェルでプレーティングし、プレートに付着させた(〜3時間)。使用した毒素濃度/希釈物は細胞傷害性試験の間に予め決定した(%生存率)。毒素および抗体調製物を混合して(1:1)インキュベートした(室温で1時間)。細胞付着後、CT‐26細胞プレートから培地を除去し、100μlの各毒素/抗体混合物をCT‐26プレートに添加した。プレートを〜48時間インキュベートした(37℃、5%のCO)。インキュベート後、プレートを、細胞の球形化(cell rounding)を決定するために観察した。細胞の生存率に関して、10μl/ウェルのWST‐1を各ウェルに添加してさらにインキュベートした(37℃で1時間、5%のCO2)。プレートを440nmで読み取り、細胞対照と比較することにより%生存率を解析した。
結果:C. difficile株由来の濃縮した毒素をプレートにコーティングし、mAbはコーティング毒素と結合した。コーティングした毒素に対する結合を以下のように定義した:
高い結合=OD>0.800、中程度の結合=OD<0.800かつ>0.200、低い結合=OD<0.2。
図29は、全てのmAbが参照細胞株ATCC43255に対し高い結合を示したことを示す。huCAN46G13aは、試験した臨床株を通して低レベルより上の最大の結合を示した。一般的にTcdBフラグメント1に結合する抗体は、TcdBフラグメント4結合mAbと比較して、単離毒素への良好な結合を示した。これらの応答を標準化するために、ウサギのpAb(rpAb)と比較した免疫反応性を以下のように行った:
試験したmAbのOD×100/rpAbのOD。CAN46G24およびCAN46G13aに関する両方の変異体(Huおよびrehu)が、異なるC difficileB毒素に対して免疫反応性であった。サンドイッチELISAを使用して同様の解析を実施した際、異なる臨床単離物由来のB毒素は異なる程度に免疫反応性であった(図31)。図31は、huCAN46G13a mAbおよびProgenics mAbが、試験したすべてのNAPI株と同様の結合特性を示したことを示す。huCAN46G24 mAbおよびMedarex mAbは、試験したすべての株と同様の結合特性を示した。2つのELISA法の間の相関を示すために、ピアソン相関により結果を解析した。いくつかのmAbの相関および有効数字(significance value)が表17に表されている。
Figure 2016501877
r値>0は、2つのELISAの結果の間での正の関係を示す。p値≦0.05は、結果の間に統計的に有意な相関が存在することを示す。huCAN46G24、hpA41BおよびMDX−1388では、ピアソン相関は正でありかつ統計的に有意である。huCAN46G13aでは、相関は正であるが統計的に有意ではなかった。まとめると、このことは、いずれかの方法で、異なる臨床単離物にわたるTcdB:抗TcdB相互作用を相対的に決定できることを示唆している。C. difficile濃縮物はA毒素およびB毒素の両方を含むため、濃縮物が中和実験に使用される際に、A毒素mAb(HECAN20G2)が、試験されているB毒素mAbと組み合わされて、TcdAの細胞傷害活性をクエンチした。モノクローナル抗体濃度は、10μg/ml〜0.8μg/mlで試験され、各抗体濃度で%中和を計算した。応答を標準化するために、5〜0.16mg/mlのmAb濃度の間の平均%中和を計算して、試験したmAbの有効性のランクを付けるために使用した。これらは、図30において例示的に示される。HECAN20G2/huCAN46G24はB1を中和したが、NAP1株(BI−1、BI−6、BI−17)に対する保護は低減した。対照的に、HECAN20G2/huCAN46G13aは逆の傾向を示した;試験した非NAPI株(B1)に対する保護が低減したがBI−1、BI−6およびBI−17を中和した。HECAN20G2を競合物質抗B毒素の候補(hpA41またはMDX1388)と組み合わせた場合、競合物質の組み合わせのみ(ProA/ProB、MDXA/MDXB)と比較して優れた中和が観察された。
図32では、非NAP1株に対する免疫反応性が、B毒素に対するウサギポリクローナルと比較したパーセントとして提示される。試験した6つのmAbは、ATCC参照株に対する高い免疫反応性および株J9、CF2、R23に対する低い免疫反応性を示した。大部分のmAbは、B1、K14およびY2に対して弱い結合を示したが、huCAN46G13aは、B1およびY2に対する高い免疫反応性およびK14に対する中程度の免疫反応性を示した。
図33では、NAP1株に対する免疫反応性を、B毒素に対するウサギポリクローナルと比較した%として提示する。huCAN46G13a mAbおよびProgenics mAbは、試験したすべての株に対して高い免疫反応性を示した。試験した他のmAb、huCAN46G24、rehuCAN46G24、rehuCAN46G13a、およびMedarexのmAbは、試験したすべての株に対して弱い免疫反応性を示した。
まとめると、4つの試験したmAbは、試験したすべての細胞株に対し類似する結合特性を示した。C.difficile株J9由来の毒素に対する結合性は、mAbを通して最も多様であり、huCAN46G13aは最も弱い結合を示した。
実施例22:ヒト化C difficile毒素mAbの産生
ヒト化C difficile毒素mAbの産生のために、重鎖および軽鎖をコードする個々のIgG配列を、Kozak/HAVT20リーダー配列およびターミネーターを含むプロモーターの制御下のベクターに共発現させる。イントロン/エクソン配列を各可変配列の3´末端に追加し、その後ろに転写翻訳の終結を示すための2重のストップコドンを追加した。κ軽鎖では、これは1つのイントロン/エクソン(定常エクソン)を含んだ。重鎖では、これはイントロン/エクソンの4つの組(CH1、CH2、およびCH3定常エクソン)を含んだ。イントロンは、真核生物のmRNA転写処理を可能にするために配列に含まれた。発現構築物は、リポフェクタミンによる一過性のトランスフェクションに適合された哺乳類細胞株(HEK293F、CHO−S、CHOK1SV、Per.C6)での一過性の発現に使用してもよい。発現ベクターはまた、エレクトロポレーションを使用して、哺乳類細胞培養での安定した発現を可能にするために、各発現システムにとって適切な選択可能マーカを含んだ。比較解析を必要とする実験では、mAbを、CDA1(3D8 κ鎖 GenBank 寄託番号 DJ444525;重鎖 GenBank 寄託番号 CS483823)、MDX−1388(124−152 κ鎖 寄託番号 CS483846、重鎖 CS483842)をコードする公開された配列、ならびに国際特許公開公報第2011130650(A2)号からのhpA41およびhpA50配列から合成した。重鎖および軽鎖を合成し、CHO−K1SV、HEK293F、Per.C6系での発現のために、完全長IgG1ベクター中にクローン化した。IgG1 mAbを発現させ、上記に概略するように精製して、HeCAN20G2については抗TcdA活性(CDA1、TcdAフラグメント4に対して特異的)に関する陽性対照、またはCAN46G13aについてはフラグメント1(hpA41)に対して特異性を有する抗TcdB活性に関する陽性対照、またはCAN46G24、CAN46G19、およびCAN46G4についてはフラグメント4(MDX−1388)に対して特異性を有する抗TcdB活性に関する陽性対照として用いた。一過性の遺伝子導入の後に、上清をデカントし、濾過(0.22μm)し、stir−cel濃縮装置および30kDa膜を使用して濃縮した。濃縮物を、精製前に濾過した(0.22μm)。安定した遺伝子導入のために、クローンをスクリーニングし、バッチ培養法および流加培養法における評価のために単離した。上清を濃縮して濾過し、IgGをタンパク質Gカラム上で精製し、バッファーを交換して濃縮した、最終的な濃縮物のため、タンパク質含量を、BCAアッセイにより、またはヒトIgG等価物の標準曲線に対するタンパク質Aバイオセンサを備えたOctet QKe器具を用いて決定した。
結果:表18は、一過性および安定した遺伝子導入におけるhuCAN46G24およびhuCAN46G13aの代表的な発現を示す。これらの平均値から、物質を、in vitro特徴付けおよびin vivo解析を行うために供給した。
Figure 2016501877
本発明の特定の態様を記載および例示してきたが、このような態様は、本発明の例示として考慮され、かつ、添付する特許請求の範囲にしたがって構築されるため、本発明を限定するものではない。この明細書に引用されるすべての公開および特許出願公報は、特定してかつ個々に、すべての目的のため参照により援用されるものとして表される。上記の発明が、理解を明確にする目的のために、例示および実施例の方法により、いくらか詳細に記載されているが、特定の変化および改変が、添付される特許請求の範囲の趣旨または範囲から逸脱することなくなされることは、本発明の技術の観点から当業者に容易に理解されるものである。

Claims (34)

  1. 重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む単離型モノクローナル抗体、またはその抗原結合部であって、重鎖可変領域が3つの相補性決定領域(CDR)、配列番号110、111および112に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、CDR1、CDR2およびCDR3を含み、かつ軽鎖可変領域が3つのCDR、配列番号102、103、および104に示されるアミノ酸と約80%〜約100%相同であるアミノ酸をそれぞれ有する、CDR1、CDR2およびCDR3を含む、
    単離型モノクローナル抗体、またはその抗原結合部。
  2. 重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む単離型モノクローナル抗体、またはその抗原結合部であって、重鎖可変領域が3つの相補性決定領域(CDR)、配列番号126、127および128に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、CDR1、CDR2およびCDR3を含み、かつ軽鎖可変領域が3つのCDR、配列番号118、119および120に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、CDR1、CDR2およびCDR3を含む、
    単離型モノクローナル抗体、またはその抗原結合部。
  3. 重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む単離型モノクローナル抗体、またはその抗原結合部であって、重鎖可変領域が3つの相補性決定領域(CDR)、配列番号142、143および144に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、CDR1、CDR2およびCDR3を含み、かつ軽鎖可変領域が3つのCDR、配列番号134、135および136に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、CDR1、CDR2およびCDR3を含む、
    単離型モノクローナル抗体、またはその抗原結合部。
  4. 重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む単離型モノクローナル抗体、またはその抗原結合部であって、重鎖可変領域が3つの相補性決定領域(CDR)、配列番号206、207および208に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、CDR1、CDR2およびCDR3を含み、かつ軽鎖可変領域が3つのCDR、配列番号198、199および200に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、CDR1、CDR2およびCDR3を含む、
    単離型モノクローナル抗体、またはその抗原結合部。
  5. 重鎖可変領域および軽鎖領域を含む単離型モノクローナル抗体、またはその抗原結合部であって、重鎖可変領域が3つの相補性決定領域(CDR)、配列番号222、223および224に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、CDR1、CDR2およびCDR3を含み、かつ軽鎖可変領域が3つのCDR、配列番号214、215および216に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、CDR1、CDR2およびCDR3を含む、単離型モノクローナル抗体、またはその抗原結合部。
  6. 重鎖領域および軽鎖領域を含む単離型モノクローナル抗体、またはその抗原結合部であって、重鎖可変領域が3つの相補性決定領域(CDR)、配列番号238、239および240に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、CDR1、CDR2およびCDR3を含み、かつ軽鎖可変領域が3つのCDR、配列番号230、231および232に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、CDR1、CDR2およびCDR3を含む、単離型モノクローナル抗体、またはその抗原結合部。
  7. 重鎖可変領域および軽鎖領域を含む単離型モノクローナル抗体、またはその抗原結合部であって、重鎖可変領域が3つの相補性決定領域(CDR)、配列番号238、239および240に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、CDR1、CDR2およびCDR3を含み、かつ軽鎖可変領域が3つのCDR、配列番号230、231および232に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、CDR1、CDR2およびCDR3を含む、単離型モノクローナル抗体、またはその抗原結合部。
  8. 重鎖可変領域および軽鎖領域を含む単離型モノクローナル抗体、またはその抗原結合部であって、重鎖可変領域が配列番号710と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域が配列番号708と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列を含む、単離型モノクローナル抗体、またはその抗原結合部。
  9. 抗体、またはその抗原結合部がC. difficileB毒素に結合し、かつ抗体、またはその抗原結合部の解離定数(K)が約1×10−8M未満である、請求項1に記載の単離型モノクローナル抗体またはその抗原結合部。
  10. 抗体またはその抗原結合部がヒト化されているまたはキメラである、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合部。
  11. 重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む単離型モノクローナル抗体、またはその抗原結合部であって、重鎖可変領域が3つの相補性決定領域(CDR)、配列番号76、77および78に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、CDR1、CDR2およびCDR3を含み、かつ軽鎖可変領域が3つのCDR、配列番号68、69および70に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、CDR1、CDR2およびCDR3を含む、単離型モノクローナル抗体、またはその抗原結合部。
  12. 重鎖可変領域が配列番号75に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域が配列番号67に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列を含む、請求項12に記載の抗体またはその抗原結合部。
  13. 重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む単離型モノクローナル抗体、またはその抗原結合部であって、重鎖可変領域が3つの相補性決定領域(CDR)、配列番号44、45および46に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、CDR1、CDR2およびCDR3を含み、かつ軽鎖可変領域が3つのCDR、であるCDR1、CDR2、およびCDR3を含み、配列番号36、37および38にそれぞれ示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列をそれぞれ有する、CDR1、CDR2およびCDR3を含む、単離型モノクローナル抗体、またはその抗原結合部。
  14. 重鎖可変領域が配列番号43に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域が配列番号35に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列を含む、請求項13に記載の単離型モノクローナル抗体またはその抗原結合部。
  15. 抗体またはその抗原結合部が(a)免疫グロブリン分子全体;(b)scFv;(c)Fabフラグメント;(d)F(ab')2;および(e)ジスルフィド結合したFvからなる群から選択される、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合部。
  16. 抗体またはその抗原結合部が(a)IgG定常ドメイン、(b)IgA定常ドメイン、(c)IgD定常ドメイン、および(d)IgE定常ドメインからなる群から選択される少なくとも1つの定常ドメインを含む、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合部。
  17. 抗体またはその抗原結合部がC. difficile B毒素のフラグメント1に結合する、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合部。
  18. 抗体またはその抗原結合部がC. difficile B毒素のフラグメント4に結合する、請求項4に記載の抗体またはその抗原結合部。
  19. C. difficile B毒素に結合しかつ重鎖可変領域を含む単離型モノクローナル抗体またはその抗原結合部であって、重鎖可変領域が配列番号109、125、141、157、173、189、205、221および237に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域を含み、軽鎖可変領域が配列番号101、117、133、149、165、181、197、213および229に示されるアミノ酸配列と約80%〜約100%相同であるアミノ酸配列を有する、
    単離型モノクローナル抗体またはその抗原結合部。
  20. C. difficile B毒素に結合しかつ重鎖可変領域を含む単離型モノクローナル抗体またはその抗原結合部であって、重鎖可変領域が配列番号389、405、421、437、453、469、485、501、517、533、549、565、571、587、603、619、635、651および709に示される核酸配列と約80%〜約100%相同である核酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域が配列番号381、397、413、429、445、461、477、493、509、525、541、557、563、579、595、611、627、643および707に示される核酸配列と約80%〜約100%相同である核酸配列を含む、
    単離型モノクローナル抗体またはその抗原結合部。
  21. in vivoB毒素投与実験において、抗体またはその抗原結合部を哺乳類が約75ng超のC. difficile B毒素に曝露される約24時間前に約8mg/kg体重〜約13mg/kg体重の範囲の用量で哺乳類に投与した場合、哺乳類の生存の確率がB毒素への曝露後約4日以内で約80%超である、請求項1に記載の単離型モノクローナル抗体、またはその抗原結合部。
  22. 抗体、またはその抗原結合部が約25μg/ml〜約100μg/mlの範囲の濃度でin vitro中和アッセイにおいて約5ng/mlのC. difficileB毒素の約40%超を中和する、請求項1に記載の単離型モノクローナル抗体、またはその抗原結合部。
  23. 請求項24に記載の核酸を含む細胞。
  24. 細胞が細菌細胞である、請求項18に記載の細胞。
  25. 細胞が真核細胞である、請求項18に記載の細胞。
  26. 細胞が哺乳類細胞である、請求項18に記載の細胞。
  27. 細胞がCOS−1、COS−7、HEK293、BHK21、CHO、BSC−1、Hep G2、SP2/0、HeLa、Per.C6、骨髄腫細胞またはリンパ腫細胞である、請求項21に記載の細胞。
  28. 請求項1に記載の抗体またはその抗原結合部および少なくとも1つの薬学的に許容可能なキャリアーを含む組成物。
  29. 請求項1に記載の抗体またはその抗原結合部の有効量を対象に投与することを含むC. difficile関連疾患を予防または処置する方法。
  30. 抗体またはその抗原結合部が静脈内、皮下、筋肉内または経皮的に投与される、請求項28に記載の方法。
  31. 対象に第2の薬剤を投与するステップをさらに含む、請求項28に記載の方法。
  32. 第2の薬剤が抗菌剤である、請求項31に記載の方法。
  33. 抗菌剤がバンコマイシン、メトロニダゾール、またはフィダキソマイシンである、請求項32に記載の方法。
  34. 第2の薬剤がC. difficile A毒素を結合する抗体またはその抗原結合部である、請求項31に記載の方法。
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