JP2016500268A - トウモロコシにおける特定の遺伝子座に対する精密な遺伝子標的化 - Google Patents

トウモロコシにおける特定の遺伝子座に対する精密な遺伝子標的化 Download PDF

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Abstract

本発明は、ジンクフィンガーヌクレアーゼの使用による、トウモロコシゲノム中の特定の遺伝子座、E32への外因性DNAの安定な組込みのための方法を特許請求する。本発明の方法により形質転換されたトウモロコシ植物および植物の部分が特許請求される。本発明は、トウモロコシにおける除草剤抵抗性、除草剤耐性、昆虫抵抗性、昆虫耐性、疾患抵抗性、疾患耐性、ストレス耐性、およびストレス抵抗性などの所望の形質を作出するのに有用である。天然の農学的表現型がかき乱されないため、E32遺伝子座は外来遺伝子を挿入するための優れた部位である。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2012年12月13日に出願された米国仮特許出願第61/736856号および2013年5月7日に出願された米国仮特許出願第61/820231号の優先権を主張する。前記出願のそれぞれの全体の内容は、この参照によりその全体が本明細書に組込まれる。
技術分野
本開示は、ジンクフィンガーヌクレアーゼの使用によりトウモロコシゲノムの1つの特定の遺伝子座への外来ポリヌクレオチドの標的化された安定な組込みに関する。
電子的に提出された配列表の参照
配列表の正式なコピーは、2013年11月26日に作成され、23.7キロバイトのサイズを有し、本明細書と同時に出願される、ファイル名「74381_ST25.txt」を有するASCII形式の配列表としてEFS−Webを介して電子的に提出される。このASCII形式の文書に含まれる配列表は、本明細書の一部であり、その全体が参照により本明細書に組込まれる。
トウモロコシイベントDAS−59132のゲノム遺伝子座は、米国特許第8,273,535号、METHODS FOR DETECTION OF CORN EVENT DAS−59132に記載されている。B73トウモロコシゲノムの第8染色体に組込まれたトランスジーン発現カセットは、完全長Tストランド挿入物としてHi−IIトウモロコシ生殖質の領域を誘導した(D. D. Songstad, W. L. Petersen, C. L. Armstrong, American Journal of Botany, Vol. 79, pp. 761-764, 1992)。さらに、トランスジェニック遺伝子座の周囲のゲノムDNAは、天然B73配列と比較して大きい欠失を含まず、単一の小さい反復エレメントを除いて反復エレメントを一般に含まなかった。広範囲の実地調査により、イベントの存在は、イベントを担持する植物の正常な生長および発生に有害に作用しないことが示された。さらに、イベントを担持するトウモロコシ系列は、非形質転換アイソライン(isoline)と農業生産力において同等な農学的および育種的特徴を保持していた。従って、トウモロコシイベントDAS−59132が組込まれたゲノム遺伝子座は、他のトランスジェニック構築物の標的化された組込みのためのトウモロコシにおける優れた内因性ゲノム遺伝子座であり、以後、E32またはイベント32遺伝子座と呼ばれる。
植物の標的化されたゲノム改変は、応用および基礎研究の両方の長年にわたる見つけにくい目標であった。部位特異的ヌクレアーゼによりゲノムDNAを標的化し、切断する方法および組成物が、この目標を達成するために開発されている。部位特異的ヌクレアーゼとしては、限定されるものではないが、(ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、メガヌクレアーゼ、TALENSおよびcrRNA/tracr RNAが操作されたCRISPR/Cas、Burgess; et al; Nature Reviews Genetics 14, 80-81 (February 2013)を参照されたい)が挙げられる。ZFNによるゲノム遺伝子座の部位特異的切断を用いて、例えば、標的化された突然変異誘発を誘導する、細胞DNA配列の標的化された欠失を誘導する、および所定のゲノム遺伝子座内の外因性ドナーDNAポリヌクレオチドの標的化された組換えを容易にすることができる。例えば、米国特許公開第20030232410号、第20050208489号、第20050026157号、第20050064474号、および第20060188987号、ならびに国際特許公開第WO2007/014275号(これらの開示はあらゆる目的でその全体が参照により組込まれる)を参照されたい。米国特許公開第20080182332号は、植物ゲノムの標的化された改変のための非標準ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)の使用を記載し、米国特許公開第20090205083号は植物EPSPゲノム遺伝子座のZFN媒介性標的化改変を記載している。さらに、Moehle et al. (2007) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 104(9): 3055-3060は、特定のゲノム遺伝子座での標的化された遺伝子付加のための設計されたZFNの使用を記載している。標的化の現在の方法は典型的には、少なくとも1つのトランスジーンおよび特定のゲノム遺伝子座に結合し、切断するように設計された部位特異的ヌクレアーゼを含有するドナーDNAポリヌクレオチドを用いる植物組織の同時形質転換を含む。これにより、ドナーDNAポリヌクレオチドは、特定のゲノム遺伝子座での標的化された遺伝子付加をもたらす切断されたゲノム遺伝子座内に安定に挿入される。
今回特許請求される発明は、E32遺伝子座を有するトウモロコシ細胞のゲノム中に、1つまたは複数の機能的外因性核酸配列を組込むための方法である。この方法は、表1Bに示される群から選択される標的部位に結合するジンクフィンガー結合ドメインを含む1つまたは複数のジンクフィンガーヌクレアーゼを用いてE32遺伝子座において二本鎖切断を行うことを含む。これにより、トウモロコシ細胞のゲノム中のE32遺伝子座内に、1つまたは複数の外因性配列を含む機能的ポリヌクレオチドの組込みが得られる。この方法は場合により、1つまたは複数の外因性配列によりコードおよび制御される遺伝子産物を発現させることを含む。
E32遺伝子座に結合するように設計されたZFNの関係を記載する図である。6つのZFN(E32 ZFN1〜6)が酵母アッセイから同定され、4つのZFNを植物における評価のために進行させた。 pDAB105906のプラスミドマップである。 pDAB111809のプラスミドマップである。 pDAB100655のプラスミドマップであり、限定されるものではないが、PATを含む他の望ましいコード配列をAAD−1領域に置換することができる典型的なドナー構築物を表す。 破壊されたゲノム遺伝子座を示す矢印と共にE32遺伝子座のZFN遺伝子座破壊グラフである。 pDAB108688(対照ベクター)のプラスミドマップである。 pDAB108690(標的化ベクター)のプラスミドマップである。 ZFN破壊qPCRのためのプライマーおよびプローブ位置を示す図である。 ZFN破壊アッセイグラフ(上の括弧は非破壊イベントを示し、下の括弧は破壊イベントを示す)である。 pDAB104179のプラスミドマップである。 ZFN破壊qPCRのためのプライマーおよびプローブ位置を示す図である。 ZFN破壊アッセイグラフ(上の括弧は非破壊イベント陰性を示し、下の括弧は破壊イベントを示す)である。 イン/アウトPCRのためのプライマー位置を示す図である。 プローブ作成のための酵素切断部位およびプライマーの位置を示すサザン分析戦略である。 pDAB107855のプラスミドマップである。
トウモロコシイベントDAS−59132を形質転換するために用いられる完全長DNA分子(PHI17662A)、ゲノムフランキング配列の3’末端、およびPHI17662A/3’トウモロコシゲノム連結は、米国特許第8,273,535号の開示に記載されている。E32遺伝子座は配列番号1により記載され、外因性遺伝子挿入のためのジンクフィンガータンパク質結合ドメインを設計するためのゲノム標的配列を同定するために用いられたトウモロコシイベントDAS−59132のゲノムフランキング領域に関する。これらの標的部位としては、限定されるものではないが、表1Bに記載のものが挙げられる。本発明の一実施形態である外因性遺伝子を挿入するための非常に望ましい位置としてE32遺伝子座を同定した後、E32遺伝子座内の他の標的部位を同定および使用することは、十分当業者が理解できる範囲内にある。
配列番号1は、以下の配列として提供される;
本開示は、ZFNおよび遺伝子ドナー構築物を用いたトウモロコシE32遺伝子座への標的化された組込みのための方法および組成物にさらに関する。本明細書に開示される方法の実施、ならびに組成物の調製および使用は、別途指摘しない限り、当業界の技術の範囲内にある分子生物学、生化学、クロマチン構造および分析、コンピュータ化学、細胞培養、組換えDNAならびに関連分野における従来の技術を用いる。これらの技術は、文献中で完全に説明されている。例えば、Sambrook et al. MOLECULAR CLONING: A LABORATORY MANUAL, Second edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989 and Third edition, 2001; Ausubel et al., CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY, John Wiley & Sons, New York, 1987およびその定期的アップデート; METHODS IN ENZYMOLOGYシリーズ, Academic Press, San Diego; Wolfe, CHROMATIN STRUCTURE AND FUNCTION, Third edition, Academic Press, San Diego, 1998; METHODS IN ENZYMOLOGY, Vol. 304,「Chromatin」(P. M. Wassarman and A. P. Wolffe, eds.), Academic Press, San Diego, 1999; ならびにMETHODS IN MOLECULAR BIOLOGY, Vol. 119, 「Chromatin Protocols」(P. B. Becker, ed.)Humana Press, Totowa, 1999を参照されたい。
用語「ポリペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」は、アミノ酸残基のポリマーを指すように互換的に用いられる。この用語はまた、1つまたは複数のアミノ酸が、対応する天然に存在するアミノ酸の化学的類似体または改変誘導体であるアミノ酸ポリマーにも適用される。
「結合」とは、大分子間(例えば、タンパク質と核酸との間)の配列特異的な非共有的相互作用を指す。相互作用が全体として配列特異的である限り、結合相互作用の全ての構成要素が配列特異的である(例えば、DNA骨格中のリン酸残基と接触する)必要はない。そのような相互作用は一般に、10−6Mまたはそれ以下の解離定数(Kd)を特徴とする。「親和性」とは、結合の強度を指す:結合親和性の増加は、結合定数(Kd)の低下と相関する。
「結合タンパク質」は、別の分子に非共有的に結合することができるタンパク質である。結合タンパク質は、例えば、DNA分子(DNA結合タンパク質)、RNA分子(RNA結合タンパク質)および/またはタンパク質分子(タンパク質結合タンパク質)に結合することができる。タンパク質結合タンパク質の場合、それは自分自身に結合する(ホモ二量体、ホモ三量体などを形成する)ことができる、および/またはそれは異なるタンパク質の1つもしくは複数の分子に結合することができる。結合タンパク質は、1より多い型の結合活性を有してもよい。例えば、ジンクフィンガータンパク質は、DNA結合、RNA結合およびタンパク質結合活性を有する。
「ジンクフィンガーDNA結合タンパク質」(または結合ドメイン)は、構造が亜鉛イオンの配位により安定化される結合ドメイン内のアミノ酸配列の領域である、1つまたは複数のジンクフィンガーにより配列特異的様式でDNAに結合する、タンパク質、またはより大きいタンパク質内のドメインである。ジンクフィンガーDNA結合タンパク質という用語は、ジンクフィンガータンパク質またはZFPと省略されることが多い。
ジンクフィンガー結合ドメインを「操作」して、所定のヌクレオチド配列に結合させることができる。ジンクフィンガータンパク質を操作するための方法の非限定例は、設計および選択である。設計されたジンクフィンガータンパク質は、設計/組成が主に合理的基準に基づく自然には存在しないタンパク質である。設計のための合理的基準としては、存在するZFP設計および結合データの情報を保存するデータベース中の情報をプロセッシングするための置換規則およびコンピュータアルゴリズムの適用が挙げられる。例えば、米国特許第6,140,081号、第6,453,242号、第6,534,261号、および第6,794,136号を参照されたい。また、WO98/53058;WO98/53059;WO98/53060;WO02/016536およびWO03/016496も参照されたい。
「切断」とは、DNA分子の共有骨格の破壊を指す。限定されるものではないが、ホスホジエステル結合の酵素的または化学的加水分解などの様々な方法により、切断を開始させることができる。一本鎖切断と二本鎖切断の両方が可能であり、二本鎖切断は2つの異なる一本鎖切断事象の結果として生じてもよい。DNA切断は、平滑末端または付着末端のいずれかの生成をもたらし得る。ある特定の実施形態においては、融合ポリペプチドが、標的化された二本鎖DNA切断のために用いられる。「切断ドメイン」は、DNA切断のための触媒活性を有する1つまたは複数のポリペプチド配列を含む。切断ドメインを単一ポリペプチド鎖中に含有させるか、または切断活性が2つ(またはそれ以上)のポリペプチドの会合の結果生じてもよい。
「標的部位」または「標的配列」は、結合のための十分な条件が存在するという条件で、結合分子が結合する核酸の一部を規定する核酸配列である。
「外因性」分子は、細胞中に通常存在しない分子であるが、1つまたは複数の遺伝学的、生化学的またはその他の方法により細胞中に導入することができる。「細胞中での通常の存在」は、細胞の特定の発生段階および環境条件に関して決定される。かくして、例えば、熱ショックにより誘導される分子は、非熱ショック細胞に関して外因性分子である。外因性分子は、例えば、任意のポリペプチドまたはその断片のコード配列、正常に機能しない内因性分子の機能する型または正常に機能する内因性分子の正常に機能しない型を含んでもよい。さらに、外因性分子は、別の種に由来するコード配列を含んでもよい。
核酸は、DNAおよびRNAを含み、一本鎖または二本鎖であってもよく;線状、分枝状または環状であってもよく;任意の長さのものであってもよい。核酸は、二重鎖を形成することができる核酸、ならびに三重鎖を形成する核酸を含む。例えば、米国特許第5,176,996号および第5,422,251号を参照されたい。タンパク質としては、限定されるものではないが、DNA結合タンパク質、転写因子、クロマチン再構築因子、メチル化DNA結合タンパク質、ポリメラーゼ、メチラーゼ、デメチラーゼ、アセチラーゼ、デアセチラーゼ、キナーゼ、ホスファターゼ、インテグラーゼ、リコンビナーゼ、リガーゼ、トポイソメラーゼ、ジャイレースおよびヘリカーゼが挙げられる。
「外因性核酸の産物」は、ポリヌクレオチドおよびポリペプチド産物の両方、例えば、転写産物(RNAなどのポリヌクレオチド)および翻訳産物(ポリペプチド)ならびに遺伝子発現の産物および遺伝子産物を含む。
「融合」分子は、2つ以上のサブユニット分子が、例えば、共有的に連結された分子である。サブユニット分子は、同じ化学型の分子であってもよく、または異なる化学型の分子であってもよい。第1の型の融合分子の例としては、限定されるものではないが、融合タンパク質(例えば、ZFP DNA結合ドメインと切断ドメインとの融合物)および融合核酸(例えば、上記の融合タンパク質をコードする核酸)が挙げられる。第2の型の融合分子の例としては、限定されるものではないが、三重鎖形成核酸とポリペプチドとの融合物、および副溝結合剤と核酸との融合物が挙げられる。
細胞中での融合タンパク質の発現は、融合タンパク質の細胞への送達の結果起こるか、または融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドの細胞への送達によるものであってよく、ここでポリヌクレオチドは転写され、転写物は翻訳され、融合タンパク質を生成する。トランススプライシング、ポリペプチド切断およびポリペプチドライゲーションを、タンパク質の細胞中での発現に関与させることもできる。細胞へのポリヌクレオチドおよびポリペプチドの送達のための方法は、本開示の他の場所に提示される。
本開示の目的のために、「遺伝子」は、遺伝子産物をコードするDNA領域(以下を参照)、ならびに遺伝子産物の生成を調節する全てのDNA領域を含み、そのような調節配列がコード配列および/または転写配列に隣接するかどうかには関係がない。従って、遺伝子としては、必ずしも限定されるものではないが、プロモーター配列、ターミネーター、リボソーム結合部位および内部リボソーム進入部位などの翻訳調節配列、エンハンサー、サイレンサー、インスレーター、境界エレメント、複製起点、マトリックス結合部位ならびに遺伝子座制御領域が挙げられる。
「遺伝子発現」とは、遺伝子中に含有される情報の、遺伝子産物への変換を指す。遺伝子産物は、遺伝子の直接的な転写産物(例えば、mRNA、tRNA、rRNA、アンチセンスRNA、干渉RNA、リボザイム、構造RNAもしくは任意の他の型のRNA)またはmRNAの翻訳により生成されるタンパク質であってもよい。遺伝子産物はまた、キャッピング、ポリアデニル化、メチル化、および編集などのプロセスにより改変されるRNA、ならびに例えば、メチル化、アセチル化、リン酸化、ユビキチン化、ADP−リボシル化、ミリスチル化(myristilation)、およびグリコシル化により改変されるタンパク質も含む。
開示される方法および組成物は、切断ドメインと、DNA結合ドメインが、E32遺伝子座中の配列に結合することによって、切断ドメインの活性をその配列の近くに指向させ、従って、E32遺伝子座中の二本鎖の破壊を誘導するDNA結合ドメイン(ZFP)とを含む融合タンパク質を含む。本開示の他の場所に記載されるように、ジンクフィンガードメインを操作して、実質的に任意の所望の配列に結合させることができる。従って、1つまたは複数のDNA結合ドメインを操作して、E32遺伝子座中の1つまたは複数の配列に結合させることができる。細胞中でのDNA結合ドメインと切断ドメインとを含む融合タンパク質の発現は、標的部位での、またはその近くでの切断に影響する。
ジンクフィンガードメインによる結合のためのE32遺伝子座中の標的部位の選択を、例えば、選択された配列に結合するZFPを設計するための方法も開示する米国特許第6,453,242号に開示された方法に従って達成することができる。ヌクレオチド配列の単純な視覚的検査を標的部位の選択のために用いることもできることが、当業者には明らかである。従って、標的部位選択のための任意の手段を、本明細書に記載の方法において用いることができる。
ZFP DNA結合ドメインについて、標的部位は一般に、複数の隣接する標的サブ部位から構成される。標的サブ部位とは、個々のジンクフィンガーにより結合される、隣接するクアドルプレットと1ヌクレオチド重複してもよい、通常はヌクレオチドトリプレットまたはヌクレオチドクアドルプレットの配列を指す。例えば、WO02/077227を参照されたい。ジンクフィンガータンパク質が大部分の接触部を作る鎖は、標的鎖「一次認識鎖」または「一次接触鎖」と指定され、いくつかのジンクフィンガータンパク質は、標的鎖中の3塩基トリプレットおよび非標的鎖上の第4の塩基に結合する。標的部位は一般に、少なくとも9ヌクレオチドの長さを有し、従って、少なくとも3つのジンクフィンガーを含むジンクフィンガー結合ドメインにより結合される。しかしながら、例えば、4フィンガー結合ドメインの12ヌクレオチド標的部位への結合、5フィンガー結合ドメインの15ヌクレオチド標的部位への結合または6フィンガー結合ドメインの18ヌクレオチド標的部位への結合も可能である。明らかであるように、より大きい結合ドメイン(例えば、7、8、9フィンガー以上)の、より長い標的部位への結合も、本発明に合致する。
標的部位は複数の3ヌクレオチドである必要はない。交差鎖相互作用が生じる場合(例えば、米国特許第6,453,242号およびWO02/077227を参照されたい)、多フィンガー結合ドメインの1つまたは複数の個々のジンクフィンガーは、重複するクアドルプレットサブ部位に結合することができる。結果として、3フィンガータンパク質は、10ヌクレオチド配列に結合することができ、ここで10番目のヌクレオチドは末端フィンガーにより結合されるクアドルプレットの一部であり、4フィンガータンパク質は13ヌクレオチド配列に結合することができ、ここで、13番目のヌクレオチドは末端フィンガーにより結合されるクアドルプレットの一部である、などである。
多フィンガー結合ドメイン中の個々のジンクフィンガー間のアミノ酸リンカー配列の長さおよび性質もまた、標的配列への結合に影響する。例えば、多フィンガー結合ドメイン中の隣接するジンクフィンガー間のいわゆる「非標準リンカー」、「長いリンカー」または「構造化リンカー」の存在は、これらのフィンガーを直接隣接しないサブ部位に結合させることができる。そのようなリンカーの非限定例は、例えば、米国特許第6,479,626号およびWO01/53480に記載されている。従って、ジンクフィンガー結合ドメインのための標的部位中の1つまたは複数のサブ部位は、1、2、3、4、5ヌクレオチド以上、互いに離れていてもよい。ただ1つ例を挙げれば、4フィンガー結合ドメインは、配列中に、2つの連続する3ヌクレオチドサブ部位、介在ヌクレオチド、および2つの連続するトリプレットサブ部位を含む13ヌクレオチドの標的部位に結合することができる。
標的部位間の距離は、互いに最も近い配列の端部から測定された場合に2つの標的部位間に介在するヌクレオチドまたはヌクレオチド対の数を指す。切断が標的部位を隔てる2つのジンクフィンガードメイン/切断半ドメイン融合分子の結合に依存するある特定の実施形態においては、2つの標的部位は反対のDNA鎖上にあってもよい。他の実施形態においては、両方の標的部位が同じDNA鎖上にある。
E32遺伝子座への標的化された組込みのために、1つまたは複数のZFPを操作して、所定の切断部位で、またはその近くで標的部位に結合させ、操作されたDNA結合ドメインと切断ドメインとを含む融合タンパク質を細胞中で発現させる。融合タンパク質のジンクフィンガー部分の標的部位への結合時に、DNAは、好ましくは切断ドメインにより標的部位の近くで二本鎖破壊により切断される。
イベント32遺伝子座中の二本鎖破壊の存在は、相同組換えによるか、または非相同性指向的修復機構による外因性配列の組込みを容易にする。かくして、イベント32遺伝子座中に挿入される外因性配列を含むポリヌクレオチドは、相同組換えを容易にするE32との1つまたは複数の相同領域を含む。
本明細書に記載の融合分子に加えて、選択されるゲノム配列の標的化された置き換えはまた、ドナー配列の導入も含む。ドナー配列を、融合タンパク質の発現の前に、それと同時に、またはその後に細胞中に導入することができる。ドナーポリヌクレオチドは、それと、それが相同性を担持するE32ゲノム配列との間の相同組換えを支援するE32に対する十分な相同性を含有する。ドナーとゲノム配列との間の、約25、50、100、200、500、750、1,000、1,500、2,000ヌクレオチド以上の配列相同性、または10〜2,000の間またはそれ以上の任意の整数値のヌクレオチドが、相同組換えを支援する。ある特定の実施形態においては、相同性アームは1,000塩基対未満の長さである。他の実施形態においては、相同性アームは、750塩基対未満の長さである。
ドナー配列は、10〜50,000塩基対の長さまたはその間もしくはそれより長い任意の整数値のヌクレオチドの範囲にあってもよい。ドナー配列は典型的にはそれが置き換えるゲノム配列と同一ではないことが容易に明らかである。さらに、ドナー配列は、置き換えられる領域と相同ではない配列を含有するベクター分子を含んでもよい。一般に、ドナー配列の相同領域は、組換えが望ましいゲノム配列に対する少なくとも50%の配列同一性を有する。ある特定の実施形態においては、60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、または99.9%の配列同一性が存在する。ドナーポリヌクレオチドの長さに応じて、1%〜100%の間の配列同一性の任意の値が存在してもよい。
ドナー分子は、細胞クロマチンと相同ないくつかの不連続領域を含有してもよい。例えば、対象の領域中に通常は存在しない配列の標的化された挿入のために、前記配列はドナー核酸分子中に存在し、対象の領域中の遺伝子配列と相同な領域に隣接していてもよい。
また、ドナー分子を、後の使用のためのリザーバとして働くようにE32遺伝子座中に挿入することもできる。例えば、対象の突然変異を含有するドナー分子を、E32遺伝子座中に挿入することができる。次に、対象の突然変異を含有するE32遺伝子座中の内因性遺伝子座とドナー分子の両方を切断する対象の遺伝子に特異的なZFNを導入することができる。次いで、ゲノム中の得られる二本鎖破壊は、E32遺伝子座から遊離されるドナー分子のための組込み部位になることができる。このように、前記方法はZFNをコードする核酸と、これらのドナー配列の両方の同時的取込みに依拠しないため、対象の任意の領域でのドナー配列の標的化された組込みの効率を大きく増加させることができる。
また、ドナー分子を、その後の挿入のための標的部位として働くようにE32遺伝子座中に挿入することもできる。例えば、さらなるZFN設計のための認識部位を含有するDNA配列から構成されるドナー分子を、遺伝子座中に挿入することができる。次いで、さらなるZFN設計を作成し、元のドナー分子が切断され、修復または相同組換えにより改変されるように細胞中で発現させることができる。このように、ドナー分子の反復的組込みがE32遺伝子座で起こってもよい。
本明細書に記載のように、任意の外因性配列をE32遺伝子座中に導入することができる。例示的な外因性配列としては、限定されるものではないが、任意のポリペプチドコード配列(例えば、cDNA)、プロモーター、エンハンサーおよび他の調節配列、例えば、干渉RNA配列、shRNA発現カセット、エピトープタグ、マーカー遺伝子、切断酵素認識部位および様々な型の発現構築物が挙げられる。そのような配列は、標準的な分子生物学技術(クローニング、合成など)を用いて容易に取得することができる、および/または商業的に入手可能である。
ZFNを発現させるために、典型的には、融合タンパク質をコードする配列を、転写を指令するプロモーターを含有する発現ベクター中にサブクローニングする。好適な細菌および真核生物プロモーターは当業界で周知であり、例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning, A Laboratory Manual (2nd ed. 1989; 3.sup.rd ed., 2001);Kriegler, Gene Transfer and Expression: A Laboratory Manual (1990);およびCurrent Protocols in Molecular Biology (Ausubel et al., 上掲)に記載されている。ZFNを発現させるための細菌発現系は、例えば、大腸菌(E. coli)、バチルス種(Bacillus sp.)およびサルモネラ菌(Salmonella)において利用可能である(Palva et al., Gene 22:229-235 (1983))。そのような発現系のためのキットは、商業的に入手可能である。哺乳動物細胞、酵母、および昆虫細胞のための真核生物発現系は当業者には周知であり、これも商業的に入手可能である。
遺伝子材料を細胞中に輸送するために用いられる特定の発現ベクターを、例えば、植物、動物、細菌、真菌、原生動物などにおける発現の融合タンパク質の意図される使用に関して選択する(以下に記載の発現ベクターを参照されたい)。標準的な細菌および動物発現ベクターは当業界で公知であり、例えば、米国特許公開第20050064474A1号ならびに国際特許公開WO05/084190、WO05/014791およびWO03/080809に詳細に記載されている。
標準的なトランスフェクション方法を用いて、大量のタンパク質を発現する細菌、哺乳動物、酵母または昆虫細胞系を生成した後、標準的な技術を用いて精製することができる(例えば、Colley et al., J. Biol. Chem. 264:17619-17622 (1989);Guide to Protein Purification, in Methods in Enzymology, vol. 182 (Deutscher, ed., 1990)を参照されたい)。真核および原核細胞の形質転換は、標準的な技術に従って実施される(例えば、Morrison, J. Bact. 132:349-351 (1977);Clark-Curtiss & Curtiss, Methods in Enzymology 101:347-362 (Wu et al., eds., 1983)を参照されたい)。
そのような宿主細胞中に外来ヌクレオチド配列を導入するための任意の周知の手順を用いることができる。これらのものは、リン酸カルシウムトランスフェクション、ポリブレン、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、超音波法(例えば、ソノポレーション)、リポソーム、マイクロインジェクション、ネイキッドDNA、プラスミドベクター、ウイルスベクター、エピソームおよび組込みベクターの両方、ならびにクローニングされたゲノムDNA、cDNA、合成DNAまたは他の外来遺伝子材料を宿主細胞に導入するための任意の他の周知の方法の使用を含む(例えば、Sambrook et al., 上掲を参照されたい)。用いられる特定の遺伝子操作手順は、選択されたタンパク質を発現することができる宿主細胞中に少なくとも1つの遺伝子を上手く導入することができることが唯一必要である。
上記のように、様々な従来の技術により、所望の植物種のゲノム中にDNA構築物を導入することができる。そのような技術の概説については、例えば、Weissbach & Weissbach Methods for Plant Molecular Biology (1988, Academic Press, N.Y.) Section VIII, pp. 421-463;およびGrierson & Corey, Plant Molecular Biology (1988, 2d Ed.), Blackie, London, Ch. 7-9を参照されたい。
植物細胞プロトプラストのエレクトロポレーションおよびマイクロインジェクションなどの技術を用いて植物細胞のゲノムDNA中にDNA構築物を直接導入するか、またはDNA粒子ボンバードメント(例えば、Klein et al. (1987) Nature 327:70-73を参照されたい)などのビオリスティック方法を用いて植物組織にDNA構築物を直接導入することができる。あるいは、DNA構築物を、ナノ粒子形質転換(例えば、その全体が参照により本明細書に組込まれる米国特許公開第20090104700号を参照されたい)により植物細胞中に導入することができる。あるいは、DNA構築物を、好適なT−DNA境界/隣接領域と組み合わせ、従来のアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)宿主ベクター中に導入することができる。バイナリーベクターのディスアーミング(disarming)および使用などの、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)媒介性形質転換技術が、科学文献によく記載されている。例えば、Horsch et al. (1984) Science 233:496-498、およびFraley et al. (1983) Proc. Nat'l. Acad. Sci. USA 80:4803を参照されたい。
さらに、遺伝子導入を、非アグロバクテリウム(Agrobacterium)細菌またはリゾビウム種(Rhizobium sp.)NGR234、シノリゾビウム・メリロチ(Sinorhizoboium meliloti)、メソリゾビウム・ロチ(Mesorhizobium loti)、ジャガイモXウイルス、カリフラワーモザイクウイルスおよびキャッサバ葉脈モザイクウイルスおよび/またはタバコモザイクウイルスなどのウイルスを用いて達成することができる。例えば、Chung et al. (2006) Trends Plant Sci. 11(1):1-4を参照されたい。
アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)宿主のビルレンス機能は、細胞をバイナリーT DNAベクター(Bevan (1984) Nuc. Acid Res. 12:8711-8721)または同時培養手順(Horsch et al. (1985) Science 227:1229-1231)を用いて細菌により感染させた場合、構築物および隣接マーカーを含有するT鎖の、植物細胞DNA中への挿入を指令する。一般に、アグロバクテリウム(Agrobacterium)形質転換系を用いて、双子葉植物を操作する(Bevan et al. (1982) Ann. Rev. Genet. 16:357-384;Rogers et al. (1986) Methods Enzymol. 118:627-641)。また、アグロバクテリウム(Agrobacterium)形質転換系を用いて、単子葉植物および植物細胞にDNAを形質転換、ならびに導入することもできる。米国特許第5,591,616号;Hernalsteen et al. (1984) EMBO J. 3:3039-3041;Hooykass-Van Slogteren et al. (1984) Nature 311:763-764;Grimsley et al. (1987) Nature 325:1677-179;Boulton et al. (1989) Plant Mol. Biol. 12:31-40;およびGould et al. (1991) Plant Physiol. 95:426-434を参照されたい。
代替的な遺伝子導入および形質転換方法としては、限定されるものではないが、ネイキッドDNAのカルシウム、ポリエチレングリコール(PEG)またはエレクトロポレーション媒介性取込みによるプロトプラスト形質転換(Paszkowski et al. (1984) EMBO J. 3:2717-2722、Potrykus et al. (1985) Molec. Gen. Genet. 199:169-177;Fromm et al. (1985) Proc. Nat. Acad. Sci. USA 82:5824-5828;およびShimamoto (1989) Nature 338:274-276を参照されたい)ならびに植物組織のエレクトロポレーション(D'Halluin et al. (1992) Plant Cell 4:1495-1505)が挙げられる。植物細胞形質転換のためのさらなる方法としては、マイクロインジェクション、シリコンカーバイド媒介性DNA取込み(Kaeppler et al. (1990) Plant Cell Reporter 9:415-418)、および微粒子銃(Klein et al. (1988) Proc. Nat. Acad. Sci. USA 85:4305-4309;およびGordon-Kamm et al. (1990) Plant Cell 2:603-618を参照されたい)が挙げられる。
開示される方法および組成物を用いて、E32遺伝子座などの所定の位置に外因性配列を挿入することができる。トウモロコシゲノム中での導入されたトランスジーンの発現はその組込み部位に決定的に依存するため、これは有用である。従って、除草剤耐性、昆虫抵抗性、栄養素、抗生物質または治療分子をコードする遺伝子を、標的化された組換えによって挿入することができる。
上記の形質転換技術のいずれかにより生成された形質転換された植物細胞を培養して、形質転換された遺伝子型およびかくして、所望の表現型を有する全植物を再生することができる。そのような再生技術は、組織培養増殖培地中でのある特定の植物ホルモンの操作に依拠し、典型的には、所望のヌクレオチド配列と一緒に導入された殺生物剤および/または除草剤マーカーに依拠する。培養されたプロトプラストからの植物再生は、Evans, et al., 「Protoplasts Isolation and Culture」, Handbook of Plant Cell Culture, pp. 124-176, Macmillian Publishing Company, New York, 1983;およびBinding, Regeneration of Plants, Plant Protoplasts, pp. 21-73, CRC Press, Boca Raton, 1985に記載されている。また、再生体を、植物カルス、外植片、器官、花粉、胚またはその一部から取得することもできる。そのような再生技術は、Klee et al. (1987) Ann. Rev. of Plant Phys. 38:467-486に一般に記載されている。
当業者であれば、外因性配列をトランスジェニック植物中に安定に組込み、作動可能であることを確認した後、それを性的交配により他の植物中に導入することができることを理解されよう。いくつかの標準的な育種技術のいずれかを、交配しようとする種に応じて用いることができる。
形質転換するDNA上に存在するマーカー遺伝子によりコードされる形質について、操作された植物材料を選択またはスクリーニングすることにより、形質転換されたトウモロコシ細胞、カルス、組織または植物を同定および単離することができる。例えば、形質転換する遺伝子構築物が抵抗性を付与する阻害量の抗生物質または除草剤を含有する培地上で、操作された植物材料を増殖させることにより、選択を実施することができる。さらに、組換え核酸構築物上に存在してもよい任意の可視的マーカー遺伝子(例えば、ベータ−グルクロニダーゼ、ルシフェラーゼ、BまたはC1遺伝子)の活性についてスクリーニングすることにより、形質転換された細胞を同定することもできる。そのような選択およびスクリーニング方法は、当業者には周知である。
また、物理学的および生化学的方法を用いて、挿入された遺伝子構築物を含有する植物または植物細胞形質転換体を同定することもできる。これらの方法としては、限定されるものではないが、1)組換えDNA挿入物の構造を検出および決定するためのサザン分析またはPCR増幅;2)遺伝子構築物のRNA転写物を検出および検査するためのノーザンブロット、S1 RNase保護、プライマー伸長または逆転写酵素−PCR増幅;3)酵素またはリボザイム活性を検出するための酵素アッセイ(そのような遺伝子産物が遺伝子構築物によりコードされる場合);4)タンパク質ゲル電気泳動、ウェスタンブロット技術、免疫沈降、または酵素結合免疫アッセイ(ELISA)(遺伝子構築物産物がタンパク質である場合)が挙げられる。また、in situハイブリダイゼーション、酵素染色、および免疫染色などのさらなる技術を用いて、特定の植物器官および組織における組換え構築物の存在または発現を検出することもできる。これらのアッセイの全部を行うための方法は、当業者には周知である。
本明細書に開示される方法を用いる遺伝子操作の効果を、例えば、対象の組織から単離されたRNA(例えば、mRNA)のノーザンブロットにより観察することができる。典型的には、mRNAが存在するか、またはmRNAの量が増加した場合、対応するトランスジーンが発現されていると推測することができる。遺伝子および/またはコードされるポリペプチド活性を測定する他の方法を用いることができる。用いられる基質および反応産物または副産物の増加または減少を検出する方法に応じて、異なる型の酵素アッセイを用いることができる。さらに、発現されるポリペプチドのレベルを、免疫化学的に、すなわち、電気泳動検出アッセイ(染色またはウェスタンブロッティングのいずれかと共に)などによる、当業者には周知のELISA、RIA、EIAおよび他の抗体に基づくアッセイにより測定することができる。1つの非限定例として、ELISAアッセイを用いるAAD−1(アリールオキシアルカン酸ジオキシゲナーゼ;WO2005/107437を参照されたい)およびPAT(ホスフィノトリシン−N−アセチル−トランスフェラーゼ(PAT)、EC2.3.1.183)タンパク質の検出が、その全体が参照により本明細書に組込まれる米国特許公開第20090093366号に記載されている。トランスジーンを、植物のいくつかの組織中で、もしくはいくつかの発生段階で選択的に発現させることができるか、またはトランスジーンを、実質的に全ての植物組織中で、実質的にその全生活環に沿って発現させることができる。しかしながら、任意の組合せ発現様式も適用可能である。
本開示はまた、種子がトランスジーンまたは遺伝子構築物を有する、上記のトランスジェニック植物の種子も包含する。本開示はさらに、トランスジーンまたは遺伝子構築物を有する、上記のトランスジェニック植物の子孫、クローン、細胞系または細胞を包含する。
有効量の投与は、処置しようとする植物細胞との最終的な接触部に融合タンパク質を導入するために通常用いられる任意の経路による。ZFPは、任意の好適な様式で、好ましくは、許容される担体と共に投与される。そのようなモジュレータを投与するための好適な方法が利用可能であり、当業者には周知であり、1より多い経路を用いて特定の組成物を投与することができるが、特定の経路は別の経路よりも即時の、より有効な反応を提供することができることが多い。
[実施例]
トウモロコシイベントDAS−59132のゲノム遺伝子座に結合するように設計されたジンクフィンガータンパク質の生成
トウモロコシイベントDAS−59132のゲノム遺伝子座を含むDNA配列を指向するジンクフィンガータンパク質(図1を参照されたい)を、Urnov et al. (2005) Nature 435:646-651に記載の方法に従って設計した。例示的な標的配列および認識ヘリックスを、表1A(認識ヘリックス領域設計)および表1B(標的部位)に示す。表1Bにおいて、ZFP認識ヘリックスにより接触される標的部位中のヌクレオチドは大文字で示される;非接触ヌクレオチドは小文字で示される。
E32ジンクフィンガータンパク質設計を、CCHC構造を有する少なくとも1つのフィンガーを有するタンパク質をコードするベクター中に組込んだ。米国特許公開第2008/0182332号を参照されたい。特に、各タンパク質中の最後のフィンガーは、認識ヘリックスのためのCCHC骨格を有していた。非標準ジンクフィンガーをコードする配列を、4アミノ酸ZCリンカーおよびトウモロコシ(Zea mays)由来opaque−2核局在化シグナルを介してIIS型制限酵素FokIのヌクレアーゼドメイン(Wah et al. (1998) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95:10564-10569の配列のアミノ酸384〜579)に融合させて、トウモロコシイベントDAS−59132ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)を形成させた。活性ヌクレアーゼを同定することが以前に示された出芽酵母に基づく系を用いて、切断活性について最適なジンクフィンガーを検証した。例えば、米国特許公開第20090111119号;Doyon et al. (2008) Nat Biotechnol. 26:702-708;Geurts et al. (2009) Science 325:433を参照されたい。様々な機能的ドメインのためのジンクフィンガーを、in vivoでの使用のために選択した。推定トウモロコシイベントDAS−59132ゲノムポリヌクレオチド標的部位に結合させるために設計、生成および試験されたいくつかのZFNのうち、6対のZFNが高レベルのin vivo活性を有するものとして同定され、さらなる実験のために選択された。表1Aを参照されたい。E32遺伝子座に最適に結合した選択されたZFN対を、一過的トウモロコシ形質転換アッセイにおける試験のために進行させた。
図1は、6つのZFN対のZFNポリヌクレオチド結合/標的部位と関連するE32遺伝子座のゲノム構造を示す。1番目の3つのZFN対(E32 ZFN1、E32 ZFN2、およびE32 ZFN3)は、トウモロコシイベントDAS−59132トランスジェニック挿入物の上流に結合し、2番目の3つのZFN対(E32 ZFN4、E32 ZFN5、およびE32 ZFN6)はトウモロコシイベントDAS−59132トランスジェニック挿入物の下流に結合する。4つのZFNが、in plantaでトウモロコシイベントDAS−59132ゲノムポリヌクレオチド標的部位に効率的に結合し、これを切断することができると特徴付けられた。
ジンクフィンガーヌクレアーゼ構築物およびAAD−1遺伝子ドナー構築物
6つの例示的なジンクフィンガーヌクレアーゼのZFN発現構築物を含有するプラスミドベクターを、当業界で一般的に実行される技術を用いて設計および構築した。それぞれのジンクフィンガーをコードする配列を、opaque−2核局在化シグナルをコードする配列(Maddaloni et al. (1989) Nuc. Acids Res. 17(18):7532)に融合させ、ジンクフィンガーヌクレアーゼの上流に配置した。
opaque−2核局在化シグナルおよびジンクフィンガーヌクレアーゼ融合配列を、相補的なopaque−2核局在化シグナルおよびジンクフィンガーヌクレアーゼ融合配列と対形成させた。そのようなものとして、各構築物は、トセア・アシグナ(Thosea asigna)ウイルス由来2A配列により隔てられた、2つのopaque−2核局在化シグナルおよびジンクフィンガーヌクレアーゼ融合配列を含む単一のオープンリーディングフレームからなっていた(Mattion et al. (1996) J. Virol. 70:8124-8127)。ZFNコード配列の発現を、高発現構成的トウモロコシ(Zea mays)ユビキチン1プロモーター(Christensen et al. (1992) Plant Mol. Biol. 18(4):675-89)により誘導し、トウモロコシ(Zea mays)Per5 3’ポリA非翻訳領域に隣接させた(米国特許第6,699,984号)。得られた6つのプラスミド構築物を、制限酵素消化およびDNA配列決定により確認した。図2および図3は、完成されたプラスミド構築物を図示したものである。プラスミド構築物、pDAB105906(図2)中で発現されたZFNは、野生型FokIエンドヌクレアーゼである「Fok−Mono」を含有する。プラスミド構築物、pDAB111809(図3)中で発現されたZFNは、改変型FokIエンドヌクレアーゼである「Fok1−ELD」を含有する。改変型Fok1エンドヌクレアーゼは、Doyon Y., Vo T., Mendel M., Greenberg S., Wang J., Xia D., Miller J., Urnov F., Gregory P., and Holmes M. (2010) Enhancing zinc-finger-nuclease activity with improved obligate heterodimeric architecture. Nature Methods, 8(1); 74-79に記載のような変化を含有する。
ドナー構築物を、E32遺伝子座のZFN切断されたゲノムDNA中に組込むように設計した。図4は、単一の遺伝子発現カセットからなるドナー構築物、pDAB100655を示す。この単一の遺伝子発現カセットは、トウモロコシ(Zea mays)ユビキチン1プロモーター(ZmUbi1プロモーター)、AAD−1コード配列(米国特許第7,838,733号)およびトウモロコシ(Zea mays)Per5 3’非翻訳領域(ZmPer5 3’UTR)から構成される。構築物は、AAD−1遺伝子発現カセットの下流に含まれる一対の反復トウモロコシイベントDAS−59132 ZFN6結合配列を含有する。様々な遺伝子エレメントを、高コピー数のpUCに基づくプラスミド中で集合させた。
ZFN効率を決定するためのトウモロコシHi−II培養物の一過的形質転換
ZFN遺伝子の形質転換
トウモロコシHi−II胚発生培養物を、米国特許第7,179,902号に記載のように生成し、異なるZFNの効率を評価および試験するために用いた。pDAB105901、pDAB105902、pDAB105903、pDAB105904、pDAB105905およびpDAB105906からなるプラスミドDNAを、トウモロコシカルス細胞中に一過的に形質転換し、米国特許出願第2011/0119786号に記載のようにトウモロコシゲノム内のイノシトールポリリン酸2キナーゼ遺伝子座に設計された標準試験されたZFN、pDAB7430に対して異なるZFNの切断頻度を比較した。
Hi−II培養物から、予め凍結保存された細胞系に由来する12mLのパック細胞容積(PCV)と、28mLの条件化培地とを、500mLのErlenmeyerフラスコ中、80mLのGN6液体培地(N6培地(Chu et al., (1975) Sci Sin. 18:659-668)、2.0mg/Lの2,4−D、30g/Lのスクロース、pH6.0)中で二次培養し、28℃で125rpmで振とう機上に置いた。このステップを、同じ細胞系を用いて2回繰り返し、合計36mLのPCVを3つのフラスコに分配した。24時間後、内容物を滅菌PETRI(商標)皿に注ぎ、GN6液体培地を除去した。わずかに湿ったカルスを、GN6 S/M固体培地(N6培地(Chu et al., (1975) Sci Sin. 18:659-668)、2.0mg/Lの2,4−D、30g/Lのスクロース、45.5g/Lのソルビトール、45.5g/Lのマンニトール、100mg/Lのミオイノシトール、2.5g/LのGelrite(商標)、pH6.0)を含有する濾紙上の2.5cm直径の円に転移させた。プレートを暗室中、28℃で4時間インキュベートした。
微粒子金(0.6ミクロン、BioRad、Hercules、CA)を、21mgを滅菌シリコン処理された1.7mLマイクロ遠心チューブ(Sigma−Aldrich、St.Louis、MO)中に計り取ることによりDNA沈降のために調製し、350μLの氷冷100%エタノールを添加し、1分間ボルテックスした。MINISPIN(商標)遠心チューブ(Eppendorf、Hauppauge、NY)を用いる10,000rpmで15秒間の遠心分離により、金を沈殿させた。上清を除去した後、350μLの氷冷滅菌水を添加し、ピペットを用いて上下に混合し、10,000rpmで15秒間遠心分離した。洗浄ステップをもう1回繰り返した後、金を350μLの氷冷滅菌水中に懸濁した。次いで、洗浄された金を必要となるまで−20℃で保存した。
それぞれのDNA沈降物について、50μLの水中の3mgの金を、シリコン処理された1.7mLマイクロ遠心チューブ(Sigma−Aldrich、St.Louis、MO)中にアリコートした。プラスミドDNA(プラスミドpDAB105901、pDAB105902、pDAB105903、pDAB105904、pDAB105905またはpDAB105906中の2.5μgのE32 ZFNおよびプラスミドpDAB7430中の2.5μgのIPK1 ZFN)を、0.6mLのマイクロ遠心チューブ(Fisher Scientific、Nazareth、PA)中で予め混合し、金懸濁液に添加し、5〜10回、上下に穏やかにピペッティングし、完全に混合した。次いで、20μLの冷0.1Mスペルミジンを添加し、5〜10回、上下にピペッティングすることにより穏やかに混合した。50μLの氷冷2.5M塩化カルシウムをゆっくり添加し、5〜10回、上下にピペッティングすることにより穏やかに混合した。次いで、チューブにキャップを付け、室温で10分間インキュベートした。10,000rpmで15秒間遠心分離した後、上清を注意深く除去し、60μLの氷冷100%エタノールを添加した。金DNA混合物を、5〜10回、穏やかに上下にピペッティングすることにより再懸濁した。
微粒子ボンバードメントのために、滅菌マクロキャリア(BioRad、Hercules、CA)を、ステンレススチール製ホルダー(BioRad、Hercules、CA)中に固定し、オートクレーブした。9μLの金/DNA懸濁液を、マクロキャリアの中心に均一に拡散し、アリコート間で十分混合した懸濁液を保持するために確実に上下にピペッティングした。次いで、マクロキャリアを、140x25mmのガラスPETRI(商標)皿中、8メッシュのDRIERITE(商標)(W.A Hammond Drierite Co.、Xenia、OH)のベッド上の滅菌125mm Whatman#4濾紙(GE Healthcare、Buckinghamshire、UK)の小片上に置いた。金/DNAを、約5〜10分間にわたって完全に乾燥させた。ラプチャーディスク(1,100psi、BioRad、Hercules、CA)を、イソプロピルアルコール中に数秒間浸すことにより滅菌した後、微粒子ボンバードメントデバイス(PDS−1000、BioRad、Hercules、CA)の保持キャップ中にロードした。オートクレーブした停止スクリーン(BioRad、Hercules、CA)およびロードされたマクロキャリアを、ロンチアセンブリ中に入れ、フタをねじ込み、ノズルのちょうど下でボンバードメントチャンバに入れた。標的を含有するPETRI(商標)皿のフタを取り、ノズルの6cm下でボンバードメントチャンバに入れた。真空を吸引し(−0.9bar)、デバイスに点火した。上記のステップを、ブラスト(blast)されたそれぞれの標的について繰り返した。標的を、同じブラスト培地上で24時間、28℃の温度で暗室中でインキュベートした。ブラストされた細胞を、回収GN6固体回収培地(N6培地(Chu et al., (1975) Sci Sin. 18:659-668)、2.0mg/Lの2,4−D、30g/Lのスクロース、2.5g/LのGelrite、pH6.0)に移し、暗室中、28℃でさらに48時間インキュベートした。ボンバードメントの72時間後、細胞を2mLのEPPENDORF MICROFUGE SAFE LOCK TUBES(商標)中に収穫し、VIRTIS MODEL#50L VIRTUAL XL−70 LYOPHILIZER(商標)(SP Scientific、Gardiner NY)中で48時間凍結乾燥した。
一過的に形質転換されたトウモロコシの次世代配列決定(NGS)分析
一過的に形質転換されたトウモロコシカルス組織を分析して、ジンクフィンガーヌクレアーゼタンパク質の切断効率を決定した。
試料調製
ZFN構築物ならびに2つの対照ベクター、pDAB100664およびpDAB100665で一過的に形質転換されたトウモロコシカルス組織を、2mLのEPPENDORF(商標)チューブ中に収集し、48h凍結乾燥した。製造業者の仕様書に従ってQIAGEN PLANT DNA EXTRACTION KIT(商標)(Valencia、CA)を用いて、凍結乾燥組織からゲノムDNA(gDNA)を抽出した。単離されたgDNAを200μLの水に再懸濁し、NANODROP(登録商標)分光光度計(Invitrogen、Carlsbad、CA)を用いて濃度を決定した。試料を0.8%アガロースE−ゲル(Invitrogen)上で泳動することにより、DNAの完全性を評価した。gDNA試料をPCR増幅のために正規化(25ng/μL)し、ILLUMINA(商標)配列決定(San Diego、CA)により分析することができるアンプリコンを作成した。
それぞれの試験されるZFN切断部位に広がるゲノム領域と対照試料の増幅のためのPCRプライマーを、Integrated DNA Technologies(Coralville、IA)から購入した。このプライマーのための最適な増幅条件を、23.5μLの反応液中の0.2μMの適切なプライマー、ACCUPRIME PFX SUPERMIX(商標)(1.1X、Invitrogen)および100ngの鋳型ゲノムDNAを用いる温度勾配PCRにより同定した。サイクリングパラメータは、95℃での初期変性(5分)、次いで、変性(95℃、15sec)、アニーリング(55〜72℃、30sec)、伸長(68℃、1分)の35サイクル、および最後の伸長(72℃、7分)であった。増幅産物を、3.5%TAEアガロースゲル上で分析した。最適なアニーリング温度を同定した後、各セットのPCRプライマーを検証し、ILLUMINA(商標)配列決定アンプリコンを作成するために、分取PCR反応を実行した。
分取PCRのために、8つの個々の小規模PCR反応を、上記の条件を用いて各鋳型について実施し、得られたPCR産物を一緒にプールし、製造業者の推奨に従ってQIAGEN MINELUTE GEL EXTRACTION/PURIFICATION KIT(商標)を用いて3.5%アガロースゲル上でゲル精製した。ゲル精製されたアンプリコンの濃度を、NANODROP(商標)により決定し、ILLUMINA(商標)配列決定試料を、標的化されたZFNおよび対応する野生型対照から約100ngのPCRアンプリコンをプールすることにより調製した。PCRアンプリコン作成のために用いられたプライマーを、以下の表2に示す。
ILLUMINA(商標)配列決定および分析
ZFNを、トランスジェニックトウモロコシイベントDAS−59132のゲノム遺伝子座内の特定のDNA配列を認識し、これに結合し、これを改変するように設計した。6つのZFNがゲノム遺伝子座を切断する効率をアッセイして、どのZFNが最も効率的に切断したかを決定した。ILLUMINA(商標)配列決定を、Cofactor Genomics(St.Louis、MO)で実施し、配列分析スクリプトを用いて配列を分析した。低品質の配列をフィルタリング除去し、残存する配列をユニークなDNA配列識別子に従って解析した。次いで、ユニークなDNA配列識別子を参照配列と整列させ、挿入/欠失(インデル)についてスコア化した。切断活性のレベルを決定するために、ZFN切断部位の周囲の領域を、インデルの結果生じた配列バリアントの存在についてスコア化した。この試験におけるそれぞれのZFNの切断活性を、インデル/1M高品質配列を有する配列の数として、またはインデルを含む高品質配列のパーセンテージとして算出した。切断効率のレベルを、米国特許公開第2011/0119786号に記載のようにIPP2−K遺伝子を指向するZFNの活性を用いて切断活性のZFNレベルを正規化することにより決定した。
25716および25717ジンクフィンガー結合ドメインを含有するE32 ZFN6は、最も高い効率でトランスジェニックトウモロコシイベントDAS−59132のゲノム遺伝子座を切断した。このZFNは、対照IPPK2ジンクフィンガーヌクレアーゼの効率の3.8倍機能した。E32 ZFN6の高レベルの切断活性を考慮して、非相同末端連結によるゲノム遺伝子座へのドナーDNA断片の組込みにおける使用のために、このZFNを選択した。
E32遺伝子座を標的とするNHEJを証明するためのトウモロコシプロトプラスト中でのE32 ZFNの一過的発現
トウモロコシイベントDAS−59132の内因性ゲノム遺伝子座を標的化し、トウモロコシにおけるドナー標的化パラメータを最適化するために、遺伝子標的化のための迅速な試験システムを確立した。トウモロコシイベントDAS−59132においてゲノム内で二本鎖破壊を作成し、非相同末端連結(NHEJ)または相同性依存的修復(HDR)のいずれかにより修復した。
プロトプラスト単離
トウモロコシHi−II胚発生懸濁培養物を、3.5日のサブ培養スケジュールで維持した。滅菌6%(w/v)セルロースの10mL溶液および滅菌0.6%(w/v)ペクトリアーゼ酵素溶液の10mL溶液を、50mLの円錐チューブ中にピペットで取った。次に、4mLのパック細胞容積(PCV)のHi−II懸濁細胞を、消化溶液を含有する50mLのチューブに添加し、Parafilm(登録商標)で包んだ。チューブを、室温で約16〜18h、プラットフォームロッカー上に置いた。次に、細胞および酵素溶液を、50mLの円錐チューブ中に入れた100μMのセルストレーナーによりゆっくりと濾過した。次いで、ストレーナーを介して10mLのW5培地をピペッティングすることにより、100μMのセルストレーナーを用いて細胞をすすいだ。細胞および酵素溶液を、70μMのセルストレーナーによりゆっくりと濾過した。この濾過ステップの後、別の濾過ステップを行い、細胞および酵素溶液を、50mLの円錐チューブに入れた40μMのセルストレーナーによりゆっくりと濾過した。10mLのピペットチップを用いて、40μMのセルストレーナーを10mLのW5培地ですすぎ、40mLの最終容量を得て、チューブを反転させた。非常にゆっくりと、8mLのスクロースクッション溶液を、プロトプラスト/酵素溶液の底部に添加した。スイングアームバケットローター付き遠心分離機を用いて、チューブを1,500rpmで15分間スピンした。プロトプラスト細胞を、5mLの狭口径ピペットチップを用いて除去した。プロトプラストバンドとして観察されたこれらの細胞(7〜8mL)を、非常にゆっくりと取り出し、滅菌50mLの円錐チューブに入れた。次に、25mLのW5培地を用いて、チューブを洗浄した。W5洗浄培地をプロトプラストに添加し、チューブをゆっくりと反転させ、1,500rpmで10分間遠心分離した。上清を除去し、チューブをゆっくり反転させながら10mLのMMG溶液を添加して、プロトプラストペレットを再懸濁した。プロトプラストの密度を、血球計を用いて決定した。4PCVは、約3000万個のプロトプラストをもたらす。
プロトプラスト形質転換
プロトプラスト細胞を、MMG溶液を用いて1mLあたり160万個のプロトプラストに希釈した。チューブをゆっくりと反転させることにより、プロトプラストを穏やかに再懸濁した。次に、300μLのプロトプラスト(約500kのプロトプラスト)を滅菌2mLチューブに添加し、チューブを反転させてプロトプラスト細胞を均一に分配した。TEバッファー中の40〜80μgの濃度のプラスミドDNAを、プロトプラストに添加した。実験条件は表4に記載される。チューブをゆっくりと回転させて、プロトプラストと共にDNAを懸濁し、チューブを室温で5〜10分間インキュベートした。次に、300μLのPEG溶液をプロトプラスト/DNA溶液に添加した。一度、全てのPEG溶液が添加されたら、チューブを穏やかに反転させることにより、PEG溶液をプロトプラスト溶液と混合した。チューブを定期的に反転させながら、カクテルを室温で15〜20分間インキュベートした。インキュベーション後、1mLのW5溶液をゆっくりとチューブに添加し、チューブを穏やかに反転させた。最後に、溶液を1,000rpmで15分間遠心分離した。上清を注意深く除去して、細胞ペレットをかき乱さないようにした。1ミリリットルの洗浄/インキュベーション溶液を添加した。チューブを穏やかに反転させて、細胞ペレットを再懸濁した。チューブをアルミホイルで覆い、光への露出を排除し、側面を上にしてラックに載せ、一晩インキュベートした。分子分析のために形質転換の24時間後に細胞を収穫した。
NGSを用いる標的化の配列検証
トウモロコシプロトプラストにおけるZFN切断活性を、実施例3に記載の次世代配列決定法を用いて決定した。配列決定されたPCR増幅断片を、インデルの結果生じる配列バリアントの存在についてスコア化した。それぞれのE32 ZFN6処理に由来するインデルの相対頻度は、アンプリコン中の約1.5%のDNA分子でトランスジェニックトウモロコシイベントDAS−59132のゲノム遺伝子座を切断した。
イン−アウトPCRを用いる標的化の証明
NHEJによるHi−IIトウモロコシトランスジェニック細胞懸濁液中でのトランスジェニックトウモロコシイベントDAS−59132のゲノム遺伝子座へのAAD−1遺伝子含有ドナーカセットの標的化を、イン−アウトPCR反応により確認した。イン−アウトPCR反応は、AAD−1遺伝子ドナーと、トランスジェニックトウモロコシイベントDAS−59132のゲノム遺伝子座との連結を含有する断片を増幅させた。得られたアンプリコンを第2のPCR反応にかけ、第1のアンプリコンの内部に結合するようにプライマーを設計した。2つの独立したPCR反応の組合せは、偽陽性であってよいバックグラウンド増幅の除去をもたらした。
プロトプラスト形質転換実験のイン−アウトPCRの結果により、トランスジェニックトウモロコシイベントDAS−59132のゲノム遺伝子座を、1:10μgの比のDNAで5.3kb AAD−1遺伝子プラスミドドナーとE32−ZFN6ジンクフィンガーヌクレアーゼで再現可能に標的化することができることが示された。NHEJ法による標的化を、両方の向きでのAAD−1遺伝子ドナーカセットの挿入により証明した。イン−アウトPCRアンプリコンの配列により、3例のドナーDNAの完全な組込みが示された。
トウモロコシHi−II培養物におけるNHEJによる標的化された組込みのためのZFNおよびドナーのWHISKERS(商標)媒介性安定的形質転換
トランスジェニックイベントを、トウモロコシイベントDAS−59132の内因性ゲノム遺伝子座に標的化した。実施例1に記載の構築物は、ドナー配列(pDAB100655)およびイベント32 ZFN6(E32 ZFN6;pDAB105906)を含む。
予め凍結保存されたHi−II細胞系に由来する12mLのパック細胞容積(PCV)と、28mLの条件化培地とからなるトウモロコシカルス細胞を、500mLのErlenmeyerフラスコ中、80mLのGN6液体培地(N6培地(Chu et al., (1975) Sci Sin. 18:659-668)、2.0mg/Lの2,4−D、30g/Lのスクロース、pH5.8)中で二次培養し、28℃で125rpmの振とう機上に置いた。このステップを、同じ細胞系を用いて2回繰り返し、合計36mLのPCVを3つのフラスコに分配した。24時間後、GN6液体培地を除去し、72mLのGN6S/M浸透培地(N6培地、2.0mg/Lの2,4−D、30g/Lのスクロース、45.5g/Lのソルビトール、45.5g/Lのマンニトール、100mg/Lのミオイノシトール、pH6.0)と置き換えた。フラスコを中程度に撹拌(125rpm)しながら、28℃で30〜35分間、暗室中でインキュベートした。インキュベーション期間に、シリコンカーバイドWHISKERS(商標)(Advanced Composite Materials、LLC、Greer、SC)の50mg/mL懸濁液を、8.1mLのGN6 S/M液体培地を405mgの滅菌シリコンカーバイドWHISKERS(商標)に添加することにより調製した。
GN6 S/M浸透培地中でのインキュベーション後、各フラスコの内容物を、250mLの遠心分離ボトル中にプールした。フラスコ中の全細胞が底部に沈殿した後、およそ14mLを超える内容量のGN6 S/M液体を抜き取り、将来の使用のために滅菌1Lフラスコ中に収集した。WHISKERS(商標)の予め湿らせた懸濁液をボルテックス上で60秒間、最大速度で混合した後、遠心分離ボトルに添加した。
本実施例においては、159μgのpDAB100655(ドナー配列)および11μgのpDAB10506(ZFN)プラスミドDNAを、各ボトルに添加した。一度、プラスミドDNAを添加したら、ボトルを改変型RED DEVIL5400(商標)商業用ペイントミキサー(Red Devil Equipment Co.、Plymouth、MN)中にすぐに入れて、10秒間撹拌した。撹拌後、細胞、培地、WHISKERS(商標)およびプラスミドDNAのカクテルを、125mLの新鮮なGN6液体培地と共に1Lフラスコの内容物に添加し、浸透圧溶質(osmoticant)を減少させた。細胞を、125rpmに設定した振とう機上で2時間回収させた。約6mLの分散懸濁液を、ボトルあたり60のフィルターが得られるようにハウスバキュームラインに接続したガラスセルコレクターユニットを用いてWhatman#4濾紙(5.5cm)上で濾過した。フィルターをGN6固体培地(2.5g/Lのグルホシナートを含むことを除いてGN6液体培地と同じ)の60x20mmプレート上に置いた。
推定標的化イベントの同定および単離
DNA送達の1週間後、濾紙を、選択剤を含有するGN6(1H)選択培地(N6培地、2.0mg/Lの2,4−D、30g/Lのスクロース、100mg/Lのミオイノシトール、2.5g/LのGelrite、pH5.8)の60x20mmのプレートに移した。これらの選択プレートを、暗室中で1週間、28℃でインキュベートした。暗室中で1週間の選択後、各プレートに由来する細胞の1/2を、37〜38℃に保持された3.0mLのGN6アガロース培地(N6培地、2.0mg/Lの2,4−D、30g/Lのスクロース、100mg/Lのミオイノシトール、7g/LのSEAPLAQUE(登録商標)アガロース、pH5.8、121℃で10分間オートクレーブしたもの)を含有するチューブ中に擦り取ることにより、新鮮な培地上に組織を埋込んだ。
アガロース/組織混合物を、スパーテルで破壊した後、3mLのアガロース/組織混合物をGN6(1H)培地を含有する100x25mmのPETRI(商標)皿の表面上に均等に注ぎ入れた。このプロセスを各プレートの両方の半分について繰り返した。一度、全ての組織を埋込んだら、暗室条件下で最大10週間、28℃でプレートをインキュベートした。これらの選択条件下で増殖した推定形質転換単離物を、埋込んだプレートから取り出し、60x20mmのプレート中の新鮮な選択培地に移した。約2週間後に持続的増殖が明らかであった場合、イベントを、施用された除草剤(選択剤)に対して抵抗性であると見なし、次いで、細胞のアリコートを遺伝子型分析のために収穫した。本実施例では、24のイベントが6つの処理されたボトルから回収された。これらのイベントを、組込みを確認するための分子分析に進行させた。
E32遺伝子座へのNHEJ標的化の分子分析
上記のような、WHISKERS(商標)媒介性形質転換から回収された24のイベントを、いくつかの異なる分子的手段を用いて分析した。分析の結果として、E32ゲノム遺伝子座内に組込まれた1コピーのAAD−1トランスジーンを含有するイベントが同定された。24の様々なイベントは、1コピーのAAD−1トランスジーンを含有することが確認され、次いで、インデルによるまたはAAD−1カセットの挿入によるE32部位の破壊が存在するかどうかが決定された。AAD−1遺伝子および破壊されたZFN部位の存在について陽性であったイベントを、予想されるドナーおよび標的連結断片(イン−アウトPCRによる)の存在について、ならびにE33ゲノム遺伝子座内のドナーDNA領域の標的化された挿入を示したサザンブロットにおけるバンドサイズと一致する予想される分子量の断片についてさらに特性評価した。これらのアッセイにより、1コピーのAAD−1トランスジーンを含有するイベントがNHEJ機構を介してE32ゲノム遺伝子座内に組込まれたことが確認された。
DNA抽出
製造業者の推奨に従ってQIAGEN BIOSPRINT96(商標)DNA単離キットを用いて、凍結乾燥されたトウモロコシカルス組織からDNAを抽出した。予め定義されたプログラムを、自動抽出のために使用し、DNAを200μLの1:1のTEバッファー/蒸留水中で溶出した。2μLの各試料を、THERMOSCIENTIFIC NANODROP8000(商標)上で定量し、QIAGEN BIOROBOT3000TMを用いて試料を100ng/μLに正規化した。正規化されたDNAを、さらなる分析まで4℃で保存した。
コピー数評価
TAQMAN(登録商標)アッセイと同様の、加水分解プローブアッセイによるトランスジーンコピー数の決定を、LIGHTCYCLER(登録商標)480システム(Roche Applied Science、Indianapolis、IN)を用いるリアルタイムPCRにより実施した。LIGHTCYCLER(登録商標)プローブ設計ソフトウェア2.0を用いて、AAD−1および内部参照遺伝子インベルターゼのためにアッセイを設計した。増幅のために、LIGHTCYCLER(登録商標)480 Probes Master mix(Roche Applied Science、Indianapolis、IN)を、0.4μMの各プライマーおよび0.2μMの各プローブを含有する10μL容量の多重反応液中、1Xの最終濃度で調製した(表5)。2ステップの増幅反応を、蛍光を獲得しながら40秒間にわたる60℃での伸長を用いて実施した。相対定量モジュールを使用し、ΔΔCt法に基づくLIGHTCYCLER(登録商標)ソフトウェアリリース1.5を用いてリアルタイムPCRコピー数データの分析を実施した。このために、単一コピーのキャリブレーターおよび既知の2コピーのチェックに由来するgDNAの試料を、各実行に含ませた。
トウモロコシイベントDAS−59132ゲノム遺伝子座破壊アッセイ
トウモロコシイベントDAS−59132に関するゲノム遺伝子座破壊アッセイを、LIGHTCYCLER(登録商標)480システム(Roche Applied Science、Indianapolis、IN)を用いるリアルタイムPCRにより実施した。LIGHTCYCLER(登録商標)プローブ設計ソフトウェア2.0を用いて、E32 ZFN6(25716/25717)がE32遺伝子座および内部参照遺伝子インベルターゼのゲノム配列に結合し、切断する特異性をモニタリングするためのアッセイを設計した。増幅のために、LIGHTCYCLER(登録商標)480 Probes Master mix(Roche Applied Science、Indianapolis、IN)を、0.4μMの各プライマーおよび0.2μMの各プローブを含有する10μL容量の多重反応液中、1Xの最終濃度で調製した(表6)。2ステップの増幅反応を、蛍光を獲得しながら30秒間にわたる55℃での伸長を用いて実施した。破壊アッセイのための分析を、参照比に対する標的を用いて実施した(図5)。8つのイベントのうちの4つが、トウモロコシイベントDAS−59132のゲノム遺伝子座中に組込まれたAAD−1トランスジーンを含有すると同定された。イベント100655/105906[1]−001、イベント100655/105906[5]−013、イベント100655/105906[5]−015、およびイベント100655/105906[3]−018からなる以下のイベントを、トウモロコシイベントDAS−59132のゲノム遺伝子座内のAAD−1トランスジーンの組込みを確認するためのさらなる分子分析に進行させた。
イベント32遺伝子座特異的イン−アウトqPCR
NHEJによるE32のゲノム遺伝子座内へのAAD−1ドナーDNAの挿入は、2つの向きのうちの1つにおいて起こり得る。AAD−1トランスジーンの組込みおよび挿入の向きを、イン−アウトPCRアッセイを用いて確認した。イン−アウトPCRアッセイは、E32のゲノム遺伝子座に結合するように設計された「アウト」プライマー;AAD−1ドナー配列に結合するように設計された「イン」プライマーを用いる。これらのプライマーを用いる増幅反応は、標的部位に挿入されるドナー遺伝子のみを増幅する。得られるPCRアンプリコンは、挿入物の5’または3’末端のいずれかのE32標的部位およびドナーDNA配列の連結断片である。陽性および陰性対照を、アッセイに含ませた。2つの陽性対照プラスミド、pDAB100664およびpDAB100665を、2つの異なる向きのそれぞれにおけるE32のゲノム遺伝子座でのドナー挿入をシミュレートするように構築した。
イン−アウトPCRのために、DNA挿入染料SYTO−13(登録商標)をPCRミックス中で用いて、蛍光検出能力を有するサーモサイクラー上でリアルタイムに増幅を検出した。さらに、増幅産物をそのTmプロファイルについて分析することができるように、融点(Tm)分析プログラムを通常のPCRプログラムに付属させた。未知の試料と陽性対照試料のTmプロファイル間の任意の類似性は、未知の試料が陽性対照のものと同じ増幅産物を有することを示す。PCR反応を、10ngの鋳型ゲノムDNA、0.2μM dNTP、0.2μMフォワードおよびリバースプライマー、4μM SYTO−13(登録商標)ならびに0.15μLのEx Taq HSを用いて行った。反応を2ステップで完了させた:第1のステップは、94℃(2分)で1サイクルならびに98℃(12秒)、66℃(30秒)および68℃(1.3分)で35サイクルからなっていた;第2のステップは、60〜95℃、次いで、65℃(30秒)および72℃(10分)を包含するTmプログラムであった(表6)。アンプリコンを配列決定して、AAD−1遺伝子がE32のゲノム遺伝子座内に組込まれたことを確認した。
リアルタイムのイン−アウトPCRアンプリコンの結果を、ABIソフトウェアを用いて可視化した。これらの結果を、アンプリコンを1.2%TAEゲル上で泳動するゲルシフトアッセイを用いてさらに確認した。予想されるアンプリコンのサイズは、pDAB100664に記載の向きについては約1.8kbであり、pDAB100665に記載の向きについては約2kbであった。ゲルシフトアッセイの結果により、リアルタイムのイン−アウトPCRデータを確認された。
遺伝子座破壊データおよびイン−アウトPCRにより、2,4−D上での選択により回収されたいくつかのトウモロコシイベントにおいて、1コピーのAAD−1トランスジーンがNHEJを介してE32遺伝子座に組込まれたことが示唆された。
サザンブロット分析
推定的に標的化されると上記で同定されたトウモロコシカルスイベントを、サザンブロットアッセイを用いてさらにスクリーニングして、AAD−1トランスジーンがNHEJを介してE32遺伝子座に組込まれたことを確認した。サザンブロット分析実験は、トウモロコシゲノム内へのAAD−1トランスジーンの組込みおよび完全性を示すデータを生成した。
DNA抽出
ゲノムDNAを、それぞれ個々のイベントから収穫されたカルス組織から抽出した。最初に、組織試料を2mLチューブ中に収集し、2日間凍結乾燥した。組織浸軟を、KLECO TISSUE PULVERIZER(商標)およびタングステンビーズ(Kleco、Visalia、CA)を用いて実施した。組織浸軟後、ゲノムDNAを、製造業者に提言されたプロトコールに従ってDNEASY PLANT MINI KIT(商標)(Qiagen、Germantown、MD)を用いて単離した。
ゲノムDNA(gDNA)を、QUANT−IT PICO GREEN DNA ASSAY KIT(商標)(Molecular Probes、Invitrogen、Carlsbad、CA)を用いて定量した。定量されたgDNAを、サザンブロット分析のために4μgに調整した。次いで、DNA試料を、NcoI制限酵素(New England BioLabs、Ipswich、MA)を用いて37℃で一晩消化し、製造業者に提言されたプロトコールに従ってQUICK−PRECIP(商標)(Edge BioSystem、Gaithersburg、MD)を用いて精製した。DNAを1X染料中に再懸濁し、0.8%SEAKEM LE AGAROSE(商標)(Lonza、Rockland、ME)ゲル上で5時間電気泳動した。ゲルを変性させ、中和した後、ナイロン帯電膜(Millipore、Bedford、MA)に一晩移し、UV STRATA LINKER 1800(商標)(Stratagene、La Jolla、CA)を用いてDNAを膜に架橋させ、20mLのPERFECTHYB PLUS(商標)(Sigma、St.Louis、MO)を用いてブロットを予備ハイブリダイズさせた。226bpのプローブである配列番号34

を、製造業者に提言されたプロトコールに従ってPRIME−IT RMT RANDOM(商標)(Stratagene、La Jolla、CA)を用いて標識し、製造業者に提言されたプロトコールに従ってPROBE QUANT G−50 MICRO COLUMNS(商標)(GE Healthcare、Buckinghamshire、UK)を用いて精製した。約20x10cpmの標識されたプローブをブロットに添加し、一晩インキュベートした。ブロットを1回の洗浄あたり15分間で2回洗浄し、蛍光イメージスクリーン上に24時間置き、STORM860 SCANNER(商標)(Molecular Dynamics)により分析した。
サザンブロット分析からの結果により、いくつかのイベントからのDNAがNHEJを介するE32遺伝子座へのドナーDNAの組込みから予想されたサイズ(2.9および5.5kb)のNcoIバンドを有することが示された。
形質転換されたトウモロコシ組織を、ドナーDNAにより導入されるAAD−1遺伝子により付与される2,4−ジクロロフェノキシ酢酸除草剤に対する純粋種表現型抵抗性を担持する繁殖可能なトウモロコシ植物に再生させた。
トウモロコシ(Zea mays)栽培品種Hi−IIにおける相同性指向的修復によるイベント32の標的化
プラスミドベクター
ZFN発現構築物を含有するプラスミドベクターを、実施例2に記載のように構築した。プラスミド構築物、pDAB105906(図2)中で発現されるZFNは、野生型FokIエンドヌクレアーゼである「Fok−Mono」を含有する。プラスミド構築物、pDAB111809(図3)中で発現されるZFNは、改変型FokIエンドヌクレアーゼである「Fok1−ELD」を含有する。改変型Fok1エンドヌクレアーゼは、Doyon Y., Vo T., Mendel M., Greenberg S., Wang J., Xia D., Miller J., Urnov F., Gregory P., and Holmes M. (2010) Enhancing zinc-finger-nuclease activity with improved obligate heterodimeric architecture. Nature Methods, 8(1); 74-79に記載のような変化を含有する。
ドナー構築物、pDAB107855(図15)を設計し、DAS−59132ゲノム遺伝子座のZFN切断されたゲノムDNAに組込まれるように構築した。この単一の遺伝子発現カセットは、OsAct1プロモーター、ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ(PAT)コード配列、およびZmLip3’UTRから構成される。さらに、ドナープラスミドを、DAS−59132ゲノム遺伝子座中のZFN切断部位のいずれかの末端上の配列と相同である標的PAT遺伝子のいずれかの末端上の1kbの配列(相同性アーム)を用いて設計した。相同性アームは、トランスジーンをゲノムZFN切断部位に挿入するために用いられる相同組換え機構の基質として役立った。様々な遺伝子エレメントを、高コピー数のpUCに基づくプラスミド中で集合させた。
植物の形質転換
WHISKERS(商標)形質転換を、pDAB107855(ドナー配列)およびpDAB105906(ZFN)プラスミドDNAを用いて実施例5に記載のように行った。
Hi−IIのE32遺伝子座中へのpat遺伝子カセットの標的化された組込みを確認するための分子分析
DNA抽出
DNA抽出を、実施例5に記載のように行った。
標的化された遺伝子座破壊アッセイ
DAS−59132およびドナープラスミドを用いるHi−IIカルス細胞のWHISKERS(商標)媒介性形質転換は、標的化された、および無作為なトランスジーン挿入をもたらした。標的化されたイベント集団から無作為挿入イベントを区別するために、作成された全部で854のイベントを、遺伝子座破壊アッセイ(表7中のプライマーを用いて実施例5に記載のように行われた)を用いて最初にスクリーニングした。このアッセイは、遺伝子座内のZFN結合部位がインタクトなままであるか、またはZFN切断もしくはドナー挿入により破壊されたかどうかを決定するものであった。ゲノム遺伝子座内の破壊の指示は、ZFNが内因性DAS−59132標的遺伝子座を切断したことの初期の証拠であり、ドナーDNA分子の標的化された挿入を示す。ZFN認識部位を含有する内因性標的領域を増幅するためのプライマーを設計し、試料をqPCRにより分析されるように設定した。標的化されていないイベントを示す、インタクトな領域の増幅は、検出可能なqPCRシグナルとして測定された140塩基対のアンプリコンをもたらした。ドナー分子の標的化された組込みの成功は、検出可能なqPCRシグナルの破壊をもたらし、対照と比較して低い全体シグナルとして示される。
精密な形質転換から作成された854のイベントを、破壊アッセイを用いてスクリーニングし、参照シグナルへの標的における有意な低下に基づいて破壊とスコア化した。その結果、アッセイした854のイベントのうちの63が、標的化された遺伝子座において破壊されたシグナルを有し、その部位での標的化された遺伝子挿入またはインデルを示すことが示された。
標的化された遺伝子座のイン−アウトPCRアッセイ
挿入物の存在を、実施例5に記載のようにイン−アウトPCRを用いて、および表8中のプライマーを用いてさらに確認した。リアルタイムシステム上で同定された陽性試料を、標準的なゲルシフトアッセイを用いてさらに確認した。
破壊アッセイおよび標的化された遺伝子座のイン−アウトPCRアッセイの結果を、サザンブロッティングおよび配列決定(次世代配列決定の基準)によりさらに確認した。
本実施例では、提出された合計854の試料のうちの63のイベントが、E32遺伝子座の破壊を示した。これらのうち、8つの標的化されたイベントを、イン−アウトPCRおよびサザン分析により同定した。
形質転換されたトウモロコシ組織を、ドナーDNAの、グルホシナートおよびL−ホスフィノトリシン、除草剤に対する抵抗性の純粋種表現型を担持する繁殖可能なトウモロコシ植物に再生させた。
トウモロコシ(Zea mays)栽培品種B104におけるイベント32遺伝子座破壊のためのプラスミドベクターのアグロバクテリウム(Agrobacterium)媒介性送達
形質転換
トウモロコシ(Zea mays)栽培品種B104を、スーパーバイナリー形質転換系(米国特許第5,591,616号)を用いてバイナリー構築物pDAB108688(対照ベクター、図6)およびpDAB108690(標的化ベクター、図7)を用いて形質転換した。そのようなものとして、アグロバクテリウム(Agrobacterium)を、E32ゲノム遺伝子座へのZFNの送達のために用いた。トランスジェニックトウモロコシカルスを取得し、分子的確認アッセイにより分析して、トウモロコシ(Zea mays)栽培品種B104のE32ゲノム遺伝子座が破壊されたか否かを決定した。アッセイの結果により、アグロバクテリウム(Agrobacterium)を用いてZFNを送達し、E32ゲノム遺伝子座を切断および破壊することができることが確認された。
バイナリーベクター
バイナリー構築物、pDAB108690(標的化ベクター、図7)を、ドナー遺伝子発現カセットおよびZFN遺伝子発現カセットを含有するように設計および構築した。このドナー遺伝子発現カセットは、トウモロコシ(Zea mays)ユビキチン1遺伝子プロモーター(ZmUbi1プロモーター)、AAD−1コード配列から構成され、トウモロコシ(Zea mays)リパーゼ3’非翻訳領域(ZmLip3’UTR)により終結していた。さらに、HDRによるドナー挿入を容易にするためにE32ゲノム遺伝子座中のZFN切断部位のいずれかの末端上の配列と相同であるAAD−1遺伝子のいずれかの末端上の1kbの配列(相同性アーム)を用いてドナープラスミドを設計した。ZFN遺伝子発現カセットは、コメアクチン1遺伝子プロモーター(OsAct1プロモーター)、25716および25717 ZFNコード配列ならびにZmPer5 3’UTRから構成されていた。
さらに、第2の対照バイナリー構築物、pDAB108688(対照ベクター、図6)を、AAD−1遺伝子と同じ遺伝子発現カセットを含有するように設計および構築した。さらに、E32ゲノム遺伝子座中のZFN切断部位のいずれかの末端上の配列と相同である標的aad−1遺伝子のいずれかの末端上の1kbの配列(相同性アーム)を用いてドナープラスミドを設計した。
トウモロコシ(Zea mays)栽培品種B104形質転換
構築物をアグロバクテリウム(Agrobacterium)に移し、それを用いてトウモロコシ(Zea mays)栽培品種B104を形質転換した。用いられた形質転換手順は、米国特許公開第2013/0157369号に記載されている。形質転換の完了後、単離されたトウモロコシカルス組織を選択し、除草剤選択剤を含有する培地から取得した。表9は、実験における形質転換頻度を示す。得られたイベントを、分子分析により分析して、アグロバクテリウム(Agrobacterium)媒介性形質転換によるZFNおよびドナーの送達後にトウモロコシ(Zea mays)栽培品種B104のE32遺伝子座のZFN媒介性切断を確認した。
カルス組織からのPCRのためのゲノムDNA単離
ゲノムDNAを、実施例5に記載のように単離した。
コピー数の決定
TaqMan(登録商標)アッセイと類似する、加水分解プローブアッセイによるトランスジーン検出を、LightCycler(登録商標)480システム(Roche Applied Science)を用いるリアルタイムPCRにより実施した。アッセイを、AAD−1およびZFN破壊の検出のために設計し、内部参照アッセイ(インベルターゼ)を用いて多重化して、確実に適切な量のgDNAが各アッセイに存在するようにした。増幅のために、LightCycler(登録商標)480 Probes Master mix(商標)(Roche Applied Science、Indianapolis、IN)を、0.4μMの各プライマーおよび0.2μMの各プローブを含有する10μL容量の多重反応液中、1Xの最終濃度で調製した(表10)。2ステップの増幅反応を、60℃で40秒間(AAD1反応について)または60℃で30秒間(ZFN破壊反応について)の伸長および蛍光獲得を用いて実施した。
蛍光シグナルが、適合点アルゴリズム(Light Cycler(登録商標)ソフトウェアリリース1.5)および相対定量モジュール(ΔΔCt法に基づく)を用いてバックグラウンド閾値と交差する点であるCpスコアを用いて、リアルタイムPCRデータの分析を実施した。
ZFN破壊qPCRアッセイは、ZFN標的部位がインタクトであるか、または実験中に改変された(ドナー挿入によるか、もしくはNHEJによる)かどうかを決定するものである。このアッセイは、ZFN切断部位およびプローブハイブリダイゼーション領域の外側にアニーリングするように設計されたプライマーを含むRoche UPLプローブを用いた(図8)。イベントが両対立遺伝子で破壊される場合、標的と参照との比は、対照と比較して減少する。標的化されない対照および破壊されないイベントの分析により、標的と参照との比が0.4〜0.6の範囲にあることが示された;破壊されたイベントにより、標的と参照との比が0.2〜0.35の範囲にあることが示された(図9)。
このデータは、E32遺伝子座をアグロバクテリウム(Agrobacterium)媒介性形質転換を介するZFNの導入により切断することができることを示している。
トウモロコシ(Zea mays)栽培品種B104における相同性指向的修復によるイベント32遺伝子座の標的化
ベクター
ZFNの発現のためのプラスミドベクターは、実施例2に記載されたものである。
E32ゲノム遺伝子座のZFN切断されるゲノムDNAに組込まれるように設計されたドナー構築物、pDAB104179(図10、配列番号61)は、OsAct1プロモーター、PATコード配列およびZmLip3’UTRから構成される単一遺伝子発現カセットであった。さらに、ドナープラスミドを、ドナーDNA領域の組込みを容易にするためにE32ゲノム遺伝子座中のZFN切断部位のいずれかの末端上の配列と同一である標的PAT遺伝子のいずれかの末端上の1kbの配列(相同性アーム)を用いて設計した。
微粒子銃を用いるB104への形質転換
近交系トウモロコシ(Zea mays)栽培品種B104の穂を自家受粉させ、未熟胚が約1.8〜2.2mmの長さになった時に収穫した。皮を剥いた穂を、滅菌のために実験室に輸送した。#4のステンレススチール製外科用メスハンドル(刃なし)の端部を、それぞれの穂の遠位部分に入れた。穂を、液体界面活性剤(Liqui−Nox(登録商標)、ALCONOX、Inc.)を用いて爪ブラシでよく洗浄し、20%の市販の漂白剤(Ultra Clorox(登録商標)Germicidal Bleach、6.15%次亜塩素酸ナトリウム)中に20分間浸すことにより表面を滅菌した後、層流フードの内側で滅菌脱イオン水で3回すすいだ。未熟接合胚を、それぞれの穂から無菌的に切出し、約2.0mLの「LS−inf培地」(LS塩、N6ビタミン、68.5g/Lのスクロース、36g/LのD−グルコース、700mg/LのL−プロリンおよび1.5mg/Lの2,4−D)を含有するEppendorf(商標)チューブに入れた。チューブの内容物を「休止培地」(MS塩およびビタミン、30g/Lのスクロース、700mg/LのL−プロリン、15mg/Lの硝酸銀、500mg/LのMES、100mg/Lのカゼイン加水分解物、100mg/LのミオイノシトールならびにpH5.8に調整し、2.3g/LのGelzan(商標)で凝固させた3.3mg/Lジカンバ)のプレート上に注ぎ、過剰の液体を除去し、胚盤を上に向けて胚を置いた。プレートを50μmoles/msで3日間、連続的に光を当てながら24時間、28℃に置いた。
ボンバードメントの4時間前に、30の胚を、「オスモライシス培地」(45.5g/Lのソルビトールおよび45.5g/Lのマンニトールを添加した休止培地)のPetri皿の中心に、胚盤を上に向けて2.5cm直径のエリア内に配置した。胚を、ボンバードメントの前に28℃、50μmoles/msで4時間、この培地上でインキュベートした。
ボンバードメントのための金微粒子を調製するために、15mgの0.6ミクロンの金(Bio−Rad、Hercules、CA、USA)を、シリコン処理されたマイクロ遠心チューブに計り取り、500μLの冷エタノール(100%)を添加した。チューブを15秒間、超音波水浴中で超音波処理して、室温で30分間静置した後、3,000rpmで60秒間遠心分離した。上清を除去し、1mLの冷滅菌水を添加した。チューブを指でボルテックスし、3〜5分間沈降させた後、3,000rpmで60秒間遠心分離した。上清を除去し、水による洗浄をさらに2回繰り返した。2回目の水による洗浄の後、金を500μLの冷水中に再懸濁し、15秒間超音波処理し、10本の滅菌シリコン処理されたマイクロ遠心チューブ中に、同時に25μLにアリコートした。個々のチューブを使用まで−20℃で凍結した。
調製された金微粒子上へのDNAの沈降のために、1本のチューブの金を、ボンバードメントしようとする10のプレート毎に解凍した。チューブを15秒間、超音波水浴中で超音波処理し、指でボルテックスした後、層流フード表面上でタップし、全ての液滴を底部に集めた。20:1のドナーとジンクフィンガー構築物とのモル比を得るために、4.75μgのドナーDNA(pDAB104182)を0.25μgのジンクフィンガー(pDAB105941)と予め混合した後、上下にピペッティングしながら、金に添加した。50μLの2.5M塩化カルシウム(無水)を、上下にピペッティングしながら添加し、20μLの0.1Mスペルミジン(遊離塩基)を、上下にピペッティングしながら添加した。チューブを、2に設定されたVortex−Genie(登録商標)のためのTurbomix(商標)アタッチメント上に置き、室温で10分間振とうさせた。チューブを振とう機から取り出し、3〜5分間沈降させた後、5,000rpmで15秒間遠心分離した。上清を除去し、250μLの冷エタノール(100%)を添加し、チューブを指でボルテックスし、ペレットを取り外し、均一な懸濁液を確保した。DNA被覆微粒子を3〜5分間沈降させ、チューブを5,000rpmで15秒間再度遠心分離した。ペレットを120μLの冷エタノール(100%)中に再懸濁し、指でボルテックスして、分散を確保した。マクロキャリアをマクロキャリアホルダーに入れ、滅菌のためにオートクレーブし、10μLの調製された溶液で被覆し、ボンバードメントの前に完全に乾燥させた。
胚のボンバードメントを、停止スクリーンから6cmの距離で28インチのバキューム下、900psiで製造業者の仕様書に従ってPDS−1000(商標)(Bio−Rad)を用いて行った。各試料を1回ボンバードメントした後、28℃で一晩、50μmoles/msの24時間の光に戻した。次の日、同じ温度および光条件下で胚を新鮮な「休止培地」に7日間移した。続いて、胚を「sel−5Bi培地」(5mg/Lのビアラホスを添加した休止培地)に7日間移し、同じ培地に14日間、2回移した後、同じ温度および光条件下で「予備再生培地」(pH5.8に調整し、2.3g/LのGelzanで凝固させた、MS塩およびビタミン、30g/Lのスクロース、700mg/LのL−プロリン、15mg/Lの硝酸銀、500mg/LのMES、100mg/Lのカゼイン加水分解物、100mg/Lのミオイノシトールならびに3.3mg/Lのジカンバ、2.5mg/LのABA、1mg/LのBAP、0.5mg/LのNAAおよび5mg/Lのビアラホス)に7日間移した。次いで、組織を、28℃で14日間、90μmoles/msの光で16/8の明/暗光周期下で、「再生培地」(pH5.8に調整し、2.3g/LのGelzanで凝固させた、MS塩およびビタミン、30g/Lのスクロース、100mg/Lのミオイノシトールおよび5mg/Lのビアラホス)に移した。苗を、同じ光周期を用いて28℃で150〜200μmoles/msの光の下で、「植物強化培地」(pH5.8に調整し、2.3g/LのGelzanで凝固させた、MS塩およびビタミン、30g/Lのスクロース、500mg/LのMESおよび100mg/Lのミオイノシトール)に移した。一度、植物が少なくとも8cmまで生長したら、葉組織の2cm切片を湿った氷上に収集し、分析のために4℃の涼しい部屋に送達した。次いで、苗を土壌中に移植し、温室に移し、分子分析により分析した。
ビアラホス選択イベントの分子分析
カルス組織からのqPCRのためのゲノムDNA単離
組織試料を96穴収集プレート(Qiagen)中に収集し、48時間凍結乾燥した。組織破壊を、1つのステンレススチール製ビーズを用いてBiosprint96RLT溶解バッファー(商標)中のKleco(商標)組織粉砕器(Garcia Manufacturing、Visalia、CA)を用いて実施した。組織浸軟後、ゲノムDNAを、Biosprint96Plantキット(商標)(Qiagen)およびBiosprint96抽出ロボット(商標)を用いてハイスループット形式で単離した。次いで、ゲノムDNAを2ng/μLに希釈した。
コピー数の決定
遺伝子コピー数および破壊アッセイを、実施例7に記載のように行った。標的化されていない対照および標的化または破壊されないイベントの分析により、標的と参照との比が0.4〜0.6の範囲にあることが示された;破壊された、または標的化されたイベントにより、標的と参照との比が0.2〜0.35の範囲にあることが示された(図12)。
遺伝子座特異的イン−アウトPCR
遺伝子座特異的イン−アウトPCRを、実施例5に記載のように行った。
5’末端アンプリコンのための予想される増幅サイズは1,874bpであり、3’末端は2,089bpであった。PCRバンドを切出し、配列決定した。得られた配列データにより、アンプリコンが予想されるゲノムE32遺伝子座ドナー染色体連結配列を含有することが確認された。
サザンブロット
陽性の破壊を示したイベントからのDNAおよびイン−アウトPCRを、サザンブロットにより分析して、標的におけるインタクトなドナー挿入を確認した。DNAをNcoIで消化し、相同性アームの外側の隣接するゲノムDNAを用いてプローブ化した(図14)。1,950bpでのバンドが内因性の標的化されていない遺伝子座について予測され、4,370bpのバンドが標的化された遺伝子座について予測された。
サザンのために、ゲノムDNA(1μg〜5μg)を、125μLの最終容量中、50ユニットのNcoI(New England BioLabs)で1Xバッファー3(New England BioLabs)中で消化した。試料を37℃で一晩インキュベートした。消化したDNAを、製造業者に提唱されたプロトコールに従ってQuick Precipitation Solution(商標)(Edge Biosystems)を用いる再沈降により濃縮した。回収された消化物を、30μLの1Xローディングバッファー中に再懸濁し、65℃で30分間インキュベートした。再懸濁した試料を、1X TAE(0.8M Tris−酢酸[pH8.0]/0.04mM EDTA)中で調製された0.8%アガロースゲル上にロードし、1X TAEバッファー中で電気泳動した。ゲルを連続的に変性(0.2M NaOH/0.6M NaCl)に30分間、および中和(0.5M Tris−HCl[pH7.5]/1.5M NaCl)に30分間かけた。ゲルを通して一晩、20X SSC溶液を、処理されたImmobilon NY+(商標)(Millipore)上に受動的にウィッキング(wicking)することにより、DNA断片の転移を実施した。転移後、膜を2X SSCで簡単に洗浄し、StrataLinker 1800(商標)(Stratagene)と架橋し、80℃で1時間焼いた。
ブロットを、モデル400 Hybridization Incubator(商標)(Robbins Scientific)を用いるガラスローラーボトル中、予備ハイブリダイゼーション溶液(Perfect Hyb plus(商標)、Sigma)と共に65℃で1時間インキュベートした。プローブ調製のために、ドナー相同性領域の外側のゲノム配列を、プライマーを用いてPCR増幅し(表13)、QIAquickゲル抽出キット(商標)(Qiagen)を用いてアガロースゲルから精製した。断片を、製造業者に提唱されたプロトコールに従ってPrime−IT(登録商標)II Random Primer標識キット(商標)(Stratagene)を用いて3000Ci/mmolのα32P−dCTP(Perkin/Elmer/BLU513H)で標識した。ブロットを、1mLあたり約2x10計数/ハイブリダイゼーションバッファーの変性プローブと65℃で一晩ハイブリダイズさせた。ハイブリダイゼーション後、ブロットを65℃で0.1XSSC/0.1%SDSで40分間洗浄した。ブロットを、蛍光イメージャスクリーン(Molecular Dynamics)を用いて曝露し、Storm Imaging System(商標)(Molecular Dynamics、Storm860(商標))を用いて画像化した。
合計912のイベントを、破壊およびイン−アウトPCRによりスクリーニングし、サザン分析に基づいて16が標的化されると確認された。E32ゲノム遺伝子座内のドナー断片の標的化頻度は、1.8%であると算出された。
本開示は明確に理解するために例示および実施例によりいくらか詳細に提供されたが、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変更および改変を実行することができることが当業者には明らかである。従って、前記説明および実施例は、限定と解釈されるべきではない。

Claims (20)

  1. 1つまたは複数の外因性核酸配列を、E32遺伝子座を有するトウモロコシ細胞のゲノム中に組込む方法であって、部位特異的ヌクレアーゼを用いてE32遺伝子座中で二本鎖切断を行い、トウモロコシ細胞のゲノム中のE32遺伝子座内に、1つまたは複数の外因性配列を含むポリヌクレオチドを切断部位にライゲートすることを含む、方法。
  2. 部位特異的ヌクレアーゼが、表1Aに示される群から選択される1つまたは複数のジンクフィンガーヌクレアーゼを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 1つまたは複数の外因性配列の産物を発現させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  4. 1つまたは複数の外因性配列の産物を発現させるステップをさらに含む、請求項2に記載の方法。
  5. 1つまたは複数の外因性核酸配列が、コード配列、調節配列、またはDNA結合ドメインのための標的部位を含む、請求項1に記載の方法。
  6. 1つまたは複数の外因性核酸配列が、コード配列、調節配列、またはDNA結合ドメインのための標的部位を含む、請求項2に記載の方法。
  7. 1つまたは複数の外因性核酸配列が、コード配列、調節配列、またはDNA結合ドメインのための標的部位を含む、請求項3に記載の方法。
  8. 1つまたは複数の外因性核酸配列が、コード配列、調節配列、またはDNA結合ドメインのための標的部位を含む、請求項4に記載の方法。
  9. コード配列が、除草剤抵抗性;除草剤耐性;昆虫抵抗性;昆虫耐性;疾患抵抗性;疾患耐性;ストレス耐性;ストレス抵抗性;酸化ストレスの変化;油収量の増加;食物含量および組成の変化;物理的外見の変化;雄性不稔性;ドライダウン(drydown);立性(standability);多産;デンプンの量もしくは品質の変化;油の品質の変化;タンパク質の量もしくは品質の変化;アミノ酸組成の変化またはその組合せを付与する産物をコードする、請求項5に記載の方法。
  10. コード配列が、除草剤抵抗性;除草剤耐性;昆虫抵抗性;昆虫耐性;疾患抵抗性;疾患耐性;ストレス耐性;ストレス抵抗性;酸化ストレスの変化;油収量の増加;食物含量および組成の変化;物理的外見の変化;雄性不稔性;ドライダウン;立性;多産;デンプンの量もしくは品質の変化;油の品質の変化;タンパク質の量もしくは品質の変化;アミノ酸組成の変化またはその組合せを付与する産物をコードする、請求項6に記載の方法。
  11. コード配列が、除草剤抵抗性;除草剤耐性;昆虫抵抗性;昆虫耐性;疾患抵抗性;疾患耐性;ストレス耐性;ストレス抵抗性;酸化ストレスの変化;油収量の増加;食物含量および組成の変化;物理的外見の変化;雄性不稔性;ドライダウン;立性;多産;デンプンの量もしくは品質の変化;油の品質の変化;タンパク質の量もしくは品質の変化;アミノ酸組成の変化またはその組合せを付与する産物をコードする、請求項7に記載の方法。
  12. コード配列が、除草剤抵抗性;除草剤耐性;昆虫抵抗性;昆虫耐性;疾患抵抗性;疾患耐性;ストレス耐性;ストレス抵抗性;酸化ストレスの変化;油収量の増加;食物含量および組成の変化;物理的外見の変化;雄性不稔性;ドライダウン;立性;多産;デンプンの量もしくは品質の変化;油の品質の変化;タンパク質の量もしくは品質の変化;アミノ酸組成の変化またはその組合せを付与する産物をコードする、請求項8に記載の方法。
  13. 外因性配列がPAT遺伝子およびAAD−1遺伝子からなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
  14. 外因性配列がPAT遺伝子およびAAD−1遺伝子からなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
  15. ポリヌクレオチドがE32遺伝子座における配列と相同であるヌクレオチド配列をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  16. 相同ヌクレオチド配列が外因性配列に隣接する、請求項15に記載の方法。
  17. ポリヌクレオチドがプロモーターをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  18. 1つまたは複数の組込まれた外因性核酸配列がその後の世代において子孫に伝えられる、請求項1に記載の方法。
  19. 請求項1に記載の方法に従ってE32遺伝子座に組込まれた1つまたは複数の外因性配列を含む、トウモロコシ植物またはトウモロコシ植物の部分。
  20. 請求項1に記載の方法に従ってE32遺伝子座に組込まれた1つまたは複数の外因性配列を含むトウモロコシ種子。
JP2015547974A 2012-12-13 2013-12-13 トウモロコシにおける特定の遺伝子座に対する精密な遺伝子標的化 Pending JP2016500268A (ja)

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