JP2016226149A - ケーブルまたは絶縁電線の製造方法 - Google Patents

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Yoshiaki Nakamura
孔亮 中村
明成 中山
Akinari Nakayama
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Abstract

【課題】ケーブルまたは絶縁電線の長さ方向中間部の絶縁被覆を、刃物を用いずに除去することができるケーブルまたは絶縁電線の製造方法を提供する。【解決手段】ケーブルまたは絶縁電線の製造方法は、導体と、導体を覆い未架橋の樹脂またはゴムで形成された絶縁被覆と、を有する絶縁被覆導体構造を準備する工程と、絶縁被覆の長さ方向中間部に画定された所定領域を、電子線遮蔽材で覆う工程と、絶縁被覆に電子線を照射して、絶縁被覆の前記電子線遮蔽材の外側に配置された部分を架橋させるとともに、電子線遮蔽材で覆われている部分を未架橋のままとする工程と、電子線遮蔽材を、絶縁被覆から取り外す工程と、絶縁被覆に溶剤を供給して、絶縁被覆の電子線遮蔽材で覆われていた部分を溶解させて除去するとともに、電子線遮蔽材の外側に配置されていた部分を残す工程と、を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、ケーブルまたは絶縁電線の製造方法に関する。
ケーブルや絶縁電線を機器と接続する際、外側の絶縁被覆を除去する加工が行われる。このような加工は、一般的に、カッターやワイヤーストリッパー等の刃物を用いて行われている(例えば特許文献1参照)。
昨今は、機器の複雑化や小型化等の背景から、ケーブルや絶縁電線の長さ方向の末端部ではなく中間部に機器を接続したいという要求がある。しかし、ケーブルや絶縁電線の長さ方向中間部の絶縁被覆を、刃物を用いて除去する加工は、内側の部分、つまり絶縁体や導体を傷つけやすく難しい。また、絶縁体や導体を傷つけてしまった場合、末端部の場合は、不良となった末端を除去することでやり直すことができるが、中間部の場合は、やり直すことができない。
特開2008−160911号公報
本発明の一目的は、ケーブルまたは絶縁電線の長さ方向中間部の絶縁被覆を、刃物を用いずに除去することができるケーブルまたは絶縁電線の製造方法を提供することである。
本発明の一観点によれば、
導体と、前記導体を覆い未架橋の樹脂またはゴムで形成された絶縁被覆と、を有する絶縁被覆導体構造を準備する工程と、
前記絶縁被覆の長さ方向中間部に画定された所定領域を、電子線遮蔽材で覆う工程と、
前記絶縁被覆に電子線を照射して、前記絶縁被覆の前記電子線遮蔽材の外側に配置された部分を架橋させるとともに、前記電子線遮蔽材で覆われている部分を未架橋のままとする工程と、
前記電子線遮蔽材を、前記絶縁被覆から取り外す工程と、
前記絶縁被覆に溶剤を供給して、前記絶縁被覆の前記電子線遮蔽材で覆われていた部分を溶解させて除去するとともに、前記電子線遮蔽材の外側に配置されていた部分を残す工程と、
を有するケーブルまたは絶縁電線の製造方法
が提供される。
絶縁被覆の長さ方向中間部を、つまり、ケーブルまたは絶縁電線の長さ方向中間部の絶縁被覆を、溶剤により、刃物を用いずに除去することができる。このため、絶縁被覆より内側の部分を刃物で傷つけることがない。
図1(a)は、本発明の第1実施形態に係るケーブルの構造例を示す概略断面図であり、図1(b)は、本発明の第2実施形態に係る絶縁電線の構造例を示す概略断面図である。 図2(a)〜図2(d)は、それぞれ、第1実施形態に係るケーブル(または第2実施形態に係る絶縁電線)の概略側面図である。 図3(a)、図3(b)は、それぞれ、第1実施形態に係るケーブルの概略側面図であり、図3(c)は、第2実施形態に係る絶縁電線の概略側面図である。
本発明の第1実施形態によるケーブルの加工方法および製造方法について説明する。第1実施形態では、ケーブルの長さ方向中間部、つまりシースの長さ方向中間部に、機器との接続のための機器接続部として用いられるシース除去部を形成する加工方法について説明する。第1実施形態によるケーブルの加工方法は、ケーブルの製造方法の一部として行われるため、ケーブルの製造方法と捉えることもできる。
まず、図1(a)を参照して、第1実施形態によるケーブルの加工方法および製造方法の対象となるケーブルの概略的な構造について説明する。図1(a)は、ケーブル100の構造例を示す概略断面図である。
ケーブル100は、絶縁電線10とシース20とを有する。絶縁電線10の本数は、1本であっても複数本であってもよい。ケーブル100が複数本の絶縁電線10を有する場合、複数本の絶縁電線10は、平行に束ねられていても、撚り合わされていてもよい。
絶縁電線10は、導体11と絶縁体12とを有する。導体11の材料や構造等としては、特に制限なく、公知のものを適宜選択して用いることができる。例えば、銅線等の金属線を複数本撚り合わせた撚り線を用いることができる。
絶縁体12は、導体11を覆う絶縁被覆として構成されている。絶縁体12は、詳細は後述するように、シース20の材料を未架橋の状態で溶解させる溶剤に対して、耐性が高く、溶解されて除去されることがない材料で形成されていることが好ましい。なお、絶縁体12は、少なくともその表層が溶剤に対する耐性の高い材料で形成されていればよく、絶縁体12の表層よりも内側の材料や構造等として、公知の絶縁被覆に用いられているものを適宜選択して用いてもよい。例えば、溶剤に対する耐性の高い材料で形成された表層と、他の公知の材料で形成された内層との積層構造で絶縁体12を形成してもよい。
シース20は、絶縁電線10を覆う絶縁被覆、つまり、絶縁体12を覆う絶縁被覆として構成されている。シース20は、詳細は後述するように、未架橋の状態では溶剤に対する耐性が低く、溶解されて除去される材料であるとともに、架橋された状態では同溶剤に対する耐性が高く、溶解されて除去されることがない材料で形成されていることが好ましい。なお、溶剤に対しこのような耐性を持つ材料を複数種類用いて、積層構造でシース20を形成してもよい。
次に、シース20を形成するのに好ましい材料、および、絶縁体12を形成するのに好ましい材料について、例示的により詳しく説明する。
シース20の材料としては、上述のように、未架橋の状態では溶剤に対する耐性が低く、溶解されて除去される材料であるとともに、架橋された状態では同溶剤に対する耐性が高く、溶解されて除去されることがない材料が好ましい。シース20の材料としては、樹脂またはゴムが用いられ、好ましくは例えば、フッ素樹脂またはフッ素ゴムを用いることができる。フッ素樹脂としては、例えば、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)を用いることができる。
PVdFを未架橋の状態では溶解させ、架橋された状態では溶解させないような溶剤としては、例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、またはジメチルスルホキシド(DMSO)を用いることができる(これらの溶剤のうちの少なくとも1つを用いることができる)。フッ素ゴムを未架橋の状態では溶解させ、架橋された状態では溶解させないような溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン(THF)を用いることができる。
絶縁体12の材料としては、上述のように、シース20の材料を未架橋の状態で溶解させる溶剤に対して、耐性が高く、溶解されて除去されることがない材料が好ましい。絶縁体12の材料としては、樹脂またはゴムが用いられ、シース20について上述した例示の材料および溶剤に対して、好ましくは例えば、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシビニルエーテルコポリマー(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(FEP)、または架橋フッ素ゴムを用いることができる(これらの材料のうちの少なくとも1つを用いることができる)。
図2(a)〜図2(d)、図3(a)、図3(b)をさらに参照して、第1実施形態によるケーブルの加工方法および製造方法について説明する。図2(a)〜図2(d)、図3(a)、図3(b)は、それぞれ、ケーブル100の概略側面図である。
図2(a)を参照する。まず、必要な本数の絶縁電線10を準備する。絶縁電線10の絶縁体12の材料である樹脂またはゴムとしては、上述のようなものを用いることができる。なお、絶縁体12の形成材料には、後述の溶剤50に対する耐性を変えない範囲で、必要に応じて各種の添加剤を添加してもよい。
そして、絶縁電線10の周囲に、未架橋の樹脂またはゴムを、例えば押出により成形して、シース20を形成する。シース20の形成材料である樹脂やゴムとしては、上述のようなものを用いることができる。なお、シース20の形成材料には、後述の溶剤50に対する耐性を変えない範囲で、必要に応じて各種の添加剤を添加してもよい。
このようにして、導体11と、(絶縁体12を介して)導体11を覆い未架橋の樹脂またはゴムで形成された絶縁被覆として設けられたシース20と、を有する絶縁被覆導体構造として、ケーブル100が準備される。
図2(b)を参照する。次に、シース20の長さ方向中間部に画定され、シース除去部とすべき所定領域を、電子線遮蔽材30で覆う。電子線遮蔽材30としては、例えばアルミテープ等の金属テープを用いることができる。
図2(c)を参照する。次に、シース20に電子線40を照射して、シース20の電子線遮蔽材30の外側(末端側)に配置された部分20Aを架橋させるとともに、電子線遮蔽材30で覆われている部分20Bを未架橋のままとする。
図2(d)を参照する。次に、電子線遮蔽材30をシース20から取り外す。
図3(a)を参照する。次に、シース20に溶剤50を供給して、シース20の電子線遮蔽材30で覆われていた部分、つまり未架橋の部分20Bを溶解させて除去するとともに、電子線遮蔽材30の外側に配置されていた部分、つまり架橋された部分20Aを残す。溶剤50としては、上述のようなものを用いることができる。
シース20の電子線遮蔽材30で覆われていた部分20Bが除去されることで、絶縁電線10が、つまり絶縁体12が露出する。
このようにして、シース20の長さ方向中間部にシース除去部60を有するケーブル100が製造される。シース除去部60は、シース20を架橋する工程を利用して形成される。
図3(b)を参照する。その後、シース除去部60に露出した絶縁電線10において、機器200との接続に必要な部分の導体11を露出させるように絶縁体12を除去して、導体11に機器200を接続する。このようにして、ケーブル100の機器接続構造が形成される。
以上説明したように、第1実施形態によれば、ケーブル100の長さ方向中間部においてシース20を除去して、シース除去部60を形成することができる。シース20においてシース除去部60とする部分は未架橋のままとし、シース除去部60の外側の部分は架橋して、未架橋部分を選択的に溶解させる溶剤50を用いることで、シース除去部60を、溶剤50により形成することができる。シース除去部60におけるシース20の除去には、溶剤50を用い、刃物を使用しないため、シース20より内側の部分、つまり絶縁体12を刃物で傷つけることがない。
絶縁体12の少なくとも表層部を形成する材料として、シース20の材料とした未架橋の樹脂またはゴムと比べて、溶剤50に対する耐性の高い材料が選択されていることにより、シース除去部60に露出した絶縁体12が、溶剤50で溶解されて除去されることが抑制されている。
第1実施形態の方法で製造されたケーブル100は、シース除去部60の外側に残されたシース20や、シース除去部60に露出した絶縁体12が、溶剤50や熱等に対して高い耐性を持つものとなっている。このため、ケーブル100は、耐薬品性や耐熱性等の耐性が高いものとなっている。また、第1実施形態によるシース除去部60の形成方法は、耐薬品性や耐熱性等の耐性が高いシース20を有するケーブル100に対してシース除去部60を設けるための有効な方法といえる。シース20の全体を架橋させた後に、溶剤や熱で部分的にシース20を除去しようとしても、耐薬品性や耐熱性等の耐性が高いため除去しにくいからである。
次に、第2実施形態による絶縁電線の加工方法および製造方法について説明する。第2実施形態では、絶縁電線の長さ方向中間部、つまり絶縁体の長さ方向中間部に、機器との接続のための機器接続部として用いられる絶縁体除去部を形成する加工方法について説明する。第2実施形態による絶縁電線の加工方法は、絶縁電線の製造方法の一部として行われるため、絶縁電線の製造方法と捉えることもできる。
まず、図1(b)を参照して、第2実施形態による絶縁電線の加工方法および製造方法の対象となる絶縁電線の概略的な構造について説明する。図1(b)は、絶縁電線10の構造例を示す概略断面図である。なお、説明の煩雑さを避けるため、第2実施形態において、第1実施形態と対応する部材や構造について、同様な参照符号を用いて説明を行う。
絶縁電線10は、導体11と絶縁体12とを有する。導体11の材料や構造等としては、絶縁体12の材料を未架橋の状態で溶解させる溶剤に対して耐性が高く溶解されて除去されることがないものであれば、特に制限なく、公知のものを適宜選択して用いることができる。例えば、銅線等の金属線を複数本撚り合わせた撚り線を用いることができる。
絶縁体12は、導体11を覆う絶縁被覆として構成されている。第2実施形態による絶縁体12は、未架橋の状態では溶剤に対する耐性が低く、溶解されて除去される材料であるとともに、架橋された状態では同溶剤に対する耐性が高く、溶解されて除去されることがない材料で形成されていることが好ましい。なお、溶剤に対しこのような耐性を持つ材料を複数種類用いて、積層構造で絶縁体12を形成してもよい。
第2実施形態による絶縁体12を形成するのに好ましい材料としては、例えば、第1実施形態によるシース20を形成するのに好ましい材料として上述した材料と同様なものを用いることができる。第2実施形態による絶縁体12の未架橋部分を選択的に溶解させる溶剤としては、例えば、第1実施形態によるシース20の未架橋部分を選択的に溶解させる溶剤として上述した溶剤と同様なものを用いることができる。
図2(a)〜図2(d)、および図3(c)をさらに参照して、第2実施形態による絶縁電線の加工方法および製造方法について説明する。図2(a)〜図2(d)、図3(c)は、それぞれ、絶縁電線10の概略側面図である。
なお、第1実施形態で参照した図2(a)〜図2(d)の各部ついて、以下のように読み替えて、第2実施形態で参照する。第1実施形態の説明におけるケーブル100、シース20、シース20の部分20A、20Bを、第2実施形態の説明ではそれぞれ、絶縁電線10、絶縁体12、絶縁体12の部分12A、12Bと読み替える。
図2(a)を参照する。まず、導体11を準備する。そして、導体11の周囲に、未架橋の樹脂またはゴムを、例えば押出により成形して、絶縁体12を形成する。絶縁体12の形成材料である樹脂やゴムとしては、上述のようなものを用いることができる。なお、絶縁体12の形成材料には、後述の溶剤50に対する耐性を変えない範囲で、必要に応じて各種の添加剤を添加してもよい。
このようにして、導体11と、導体11を覆い未架橋の樹脂またはゴムで形成された絶縁被覆として設けられた絶縁体12と、を有する絶縁被覆導体構造として、絶縁電線10が準備される。
図2(b)を参照する。次に、絶縁体12の長さ方向中間部に画定され、絶縁体除去部とすべき所定領域を、電子線遮蔽材30で覆う。電子線遮蔽材30としては、例えばアルミテープ等の金属テープを用いることができる。
図2(c)を参照する。次に、絶縁体12に電子線40を照射して、絶縁体12の電子線遮蔽材30の外側(末端側)に配置された部分12Aを架橋させるとともに、電子線遮蔽材30で覆われている部分12Bを未架橋のままとする。
図2(d)を参照する。次に、電子線遮蔽材30を絶縁体12から取り外す。
図3(c)を参照する。次に、絶縁体12に溶剤50を供給して、絶縁体12の電子線遮蔽材30で覆われていた部分、つまり未架橋の部分12Bを溶解させて除去するとともに、電子線遮蔽材30の外側に配置されていた部分、つまり架橋された部分12Aを残す。溶剤50としては、上述のようなものを用いることができる。
絶縁体12の電子線遮蔽材30で覆われていた部分12Bが除去されることで、導体11が露出する。
このようにして、絶縁体12の長さ方向中間部に絶縁体除去部70を有する絶縁電線10が製造される。絶縁体除去部70は、絶縁体12を架橋する工程を利用して形成される。
その後、絶縁体除去部70に露出した導体11に機器を接続する。このようにして、絶縁電線10の機器接続構造が形成される。
以上説明したように、第2実施形態によれば、絶縁電線10の長さ方向中間部において絶縁体12を除去して、絶縁体除去部70を形成することができる。絶縁体12において絶縁体除去部70とする部分は未架橋のままとし、絶縁体除去部70の外側の部分は架橋して、未架橋部分を選択的に溶解させる溶剤50を用いることで、絶縁体除去部70を、溶剤50により形成することができる。絶縁体除去部70における絶縁体12の除去には、溶剤50を用い、刃物を使用しないため、絶縁体12より内側の部分、つまり導体11を刃物で傷つけることがない。
第2実施形態の方法で製造された絶縁電線10は、絶縁体除去部70の外側に残された絶縁体12が、溶剤50や熱等に対して高い耐性を持つものとなっている。このため、絶縁電線10は、耐薬品性や耐熱性等の耐性が高いものとなっている。また、第2実施形態による絶縁体除去部70の形成方法は、耐薬品性や耐熱性等の耐性が高い絶縁体12を有する絶縁電線10に対して絶縁体除去部70を設けるための有効な方法といえる。絶縁体12の全体を架橋させた後に、溶剤や熱で部分的に絶縁体12を除去しようとしても、耐薬品性や耐熱性等の耐性が高いため除去しにくいからである。
なお、上述の第1および第2実施形態では、ケーブルや絶縁電線の長さ方向中間部に、機器との接続のための機器接続部としてシース除去部や絶縁体除去部(絶縁被覆除去部)を形成する例について説明したが、機器接続部とする以外に何らかの目的で、ケーブルの長さ方向中間部にシース除去部を形成する場合や絶縁電線の長さ方向中間部に絶縁体除去部を形成する場合について、上述の第1実施形態や第2実施形態で説明した方法を適用してもよい。
以上、実施形態に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
以下、本発明の好ましい形態について付記する。
(付記1)
導体と、前記導体を覆い未架橋の樹脂またはゴムで形成された絶縁被覆と、を有する絶縁被覆導体構造を準備する工程と、
前記絶縁被覆の長さ方向中間部に画定された所定領域を、電子線遮蔽材で覆う工程と、
前記絶縁被覆に電子線を照射して、前記絶縁被覆の前記電子線遮蔽材の外側に配置された部分を架橋させるとともに、前記電子線遮蔽材で覆われている部分を未架橋のままとする工程と、
前記電子線遮蔽材を、前記絶縁被覆から取り外す工程と、
前記絶縁被覆に溶剤を供給して、前記絶縁被覆の前記電子線遮蔽材で覆われていた部分を溶解させて除去する(絶縁被覆除去部を形成する)とともに、前記電子線遮蔽材の外側に配置されていた部分を残す工程と、
を有するケーブルまたは絶縁電線の製造方法。
(付記2)
前記樹脂またはゴムとしては、フッ素樹脂またはフッ素ゴムが用いられる付記1に記載のケーブルまたは絶縁電線の製造方法。
(付記3)
前記樹脂またはゴムとしては、ポリビニリデンフルオライドが用いられ、前記溶剤としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、またはジメチルスルホキシドが用いられる付記1または2に記載のケーブルまたは絶縁電線の製造方法。
(付記4)
前記樹脂またはゴムとしては、フッ素ゴムが用いられ、前記溶剤としては、テトラヒドロフランが用いられる付記1または2に記載のケーブルまたは絶縁電線の製造方法。
(付記5)
前記電子線遮蔽材は、金属テープである付記1〜4のいずれか1つに記載のケーブルまたは絶縁電線の製造方法。
(付記6)
ケーブルの製造方法であって、
前記絶縁被覆導体構造は、
絶縁電線と、
前記絶縁電線を覆うシースと、
を有し、
前記絶縁電線は、前記導体と、前記導体を覆う絶縁体とを有し、
前記シースは、前記絶縁被覆であり、
前記絶縁被覆の前記電子線遮蔽材で覆われていた部分を溶解させて除去する工程では、前記絶縁体が露出し、
前記絶縁体の少なくとも表層を形成する材料として、前記未架橋の樹脂またはゴムと比べて、前記溶剤に対する耐性の高い材料が選択されている付記1〜5のいずれか1つに記載のケーブルまたは絶縁電線の製造方法。
(付記7)
前記絶縁体の少なくとも表層を形成する材料としては、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー、ポリエーテルエーテルケトン、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシビニルエーテルコポリマー、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、または架橋フッ素ゴムが用いられる付記6に記載のケーブルまたは絶縁電線の製造方法。
(付記8)
絶縁電線の製造方法であって、
前記絶縁被覆導体構造は、
前記導体と、前記導体を覆う絶縁体とを有し、
前記絶縁体は、前記絶縁被覆であり、
前記絶縁被覆の前記電子線遮蔽材で覆われていた部分を溶解させて除去する工程では、前記導体が露出する付記1〜5のいずれか1つに記載のケーブルまたは絶縁電線の製造方法。
(付記9)
付記6に記載のケーブルまたは絶縁電線の製造方法により製造されたケーブルの、露出した前記絶縁体に対して、機器との接続に必要な部分の前記導体を露出させるように前記絶縁体を除去して、前記導体に前記機器を接続する工程、
を有するケーブルの機器接続構造の製造方法。
(付記10)
付記8に記載のケーブルまたは絶縁電線の製造方法により製造された絶縁電線の、露出した前記導体に機器を接続する工程、
を有する絶縁電線の機器接続構造の製造方法。
10 絶縁電線
11 導体
12 絶縁体
20 シース
30 電子線遮蔽材
40 電子線
50 溶剤
60 シース除去部
70 絶縁体除去部
100 ケーブル

Claims (3)

  1. 導体と、前記導体を覆い未架橋の樹脂またはゴムで形成された絶縁被覆と、を有する絶縁被覆導体構造を準備する工程と、
    前記絶縁被覆の長さ方向中間部に画定された所定領域を、電子線遮蔽材で覆う工程と、
    前記絶縁被覆に電子線を照射して、前記絶縁被覆の前記電子線遮蔽材の外側に配置された部分を架橋させるとともに、前記電子線遮蔽材で覆われている部分を未架橋のままとする工程と、
    前記電子線遮蔽材を、前記絶縁被覆から取り外す工程と、
    前記絶縁被覆に溶剤を供給して、前記絶縁被覆の前記電子線遮蔽材で覆われていた部分を溶解させて除去するとともに、前記電子線遮蔽材の外側に配置されていた部分を残す工程と、
    を有するケーブルまたは絶縁電線の製造方法。
  2. ケーブルの製造方法であって、
    前記絶縁被覆導体構造は、
    絶縁電線と、
    前記絶縁電線を覆うシースと、
    を有し、
    前記絶縁電線は、前記導体と、前記導体を覆う絶縁体とを有し、
    前記シースは、前記絶縁被覆であり、
    前記絶縁被覆の前記電子線遮蔽材で覆われていた部分を溶解させて除去する工程では、前記絶縁体が露出し、
    前記絶縁体の少なくとも表層を形成する材料として、前記未架橋の樹脂またはゴムと比べて、前記溶剤に対する耐性の高い材料が選択されている請求項1に記載のケーブルまたは絶縁電線の製造方法。
  3. 絶縁電線の製造方法であって、
    前記絶縁被覆導体構造は、
    前記導体と、前記導体を覆う絶縁体とを有し、
    前記絶縁体は、前記絶縁被覆であり、
    前記絶縁被覆の前記電子線遮蔽材で覆われていた部分を溶解させて除去する工程では、前記導体が露出する請求項1に記載のケーブルまたは絶縁電線の製造方法。
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CN113568103A (zh) * 2021-08-09 2021-10-29 武汉锐科光纤激光技术股份有限公司 剥除光纤涂覆层的方法及光纤

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CN113568103A (zh) * 2021-08-09 2021-10-29 武汉锐科光纤激光技术股份有限公司 剥除光纤涂覆层的方法及光纤
CN113568103B (zh) * 2021-08-09 2022-09-13 武汉锐科光纤激光技术股份有限公司 剥除光纤涂覆层的方法及光纤

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