JP2016225097A - 導通遮断装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導通遮断装置Cは、長尺板状の被切断部22を有する導電体20、消弧室32、ガス発生器59、及び刃部62を有する切断部材60を備える。導通遮断装置Cでは、ガス発生器59で発生されたガスにより切断部材60が消弧室32に向けて移動させられて、被切断部22が刃部62によって消弧室32で切断される。この切断により、被切断部22には、互いに離間した状態の一対の切断端が生じ、電気回路を構成する機器間の導通が遮断される。刃部62の外壁面であって、同刃部62による被切断部22の切断後に両切断端の一方が接近する箇所と他方が接近する箇所との間の領域には嵌合部70が設けられる。消弧室32の内壁面には、嵌合部70の少なくとも一部が接触させられた状態で嵌合される被嵌合部45が設けられる。
【選択図】図1
Description
図2は、導通遮断装置Cが適用される電気回路11を示している。電気回路11は、これを構成する機器として蓄電池12及び電気機器13を備えている。この電気回路11では、蓄電池12からの電力供給によって電気機器13が作動させられる。電気機器13は、蓄電池12から入力される電力を昇圧したうえで出力するコンバータ14と、同コンバータ14から入力される直流電力をモータ駆動に適した交流電力に変換して出力するインバータ15と、インバータ15から出力される交流電力によって駆動されるモータ16とによって構成されている。
導電体20は、蓄電池12及びコンバータ14の間を導通させる導通経路を構成するものであり、バスバーとも呼ばれる。導電体20は、電気伝導率の高い金属材料によって形成されている。こうした金属材料としては、銅が代表的であるが、その他の材料、例えば真鍮、アルミニウム等が用いられてもよい。導電体20の両端部は、外部接続部20a,20bを構成している。これらの外部接続部20a,20bは、蓄電池12及びコンバータ14に接続される箇所である。すなわち、各外部接続部20a,20bには、貫通孔21があけられている。そして、上記貫通孔21を利用してねじ等によって、外部接続部20a,20bのうちの一方が、蓄電池12に導通する端子に接続されるとともに、他方が、コンバータ14に導通する端子に接続される。このようにして、導電体20が外部接続部20a,20bにおいて、電気回路11の上記端子にそれぞれ接続されることにより、蓄電池12及びコンバータ14の間が導電体20を通じて導通される。
ケース30は、電気絶縁性を有し、かつ強度の高い材料、例えば樹脂材料によって形成されており、その内部には、上記導電体20を配置するための配置部31が形成されている。導電体20は、外部接続部20a,20bをケース30の外部に露出させた状態で、上記配置部31に配設されている。ケース30内において、被切断部22の厚み方向の一方(図1では上方)には消弧室32が形成されている。ケース30内において、上記厚み方向であって、被切断部22を挟んで消弧室32の反対側(図1の下側)には可動室41が形成されている。
ガス発生器59は、導通遮断装置Cの駆動源として用いられている。ガス発生器59は、被切断部22の厚み方向であって、同被切断部22を挟んで消弧室32の反対側において、自身の一部を可動室41に露出させた状態でケース30内に配設されている。ガス発生器59は電子制御ユニット18に接続されており、同電子制御ユニット18からの作動信号の入力に伴って内蔵の火薬を着火及び燃焼させてガスを発生させる。
切断部材60は、被切断部22の厚み方向に沿って延びる略円柱状の本体部61と、本体部61から消弧室32側へ突出し、かつ上記切断エッジ部34と協働して被切断部22を切断する刃部62とを備えている。切断部材60は、可動室41内であって被切断部22とガス発生器59との間に配設されている。本体部61の外壁面の複数箇所には、被切断部22の厚み方向に沿って延びるガイド突部63が設けられている。本体部61は、ガイド突部63において、可動室41のガイド溝42に対し、被切断部22の厚み方向へ移動可能に係合されている。
上記切断部材60が用いられて被切断部22が切断されると、その切断により生じた一対の切断端23,24は、被切断部22の長さ方向及び厚み方向に離間する。一方の切断端23は、切断エッジ部34の近くに位置する。他方の切断端24は、刃部62の先端面68上であって、第1側壁面65と第2側壁面66との中間部分に位置する。
嵌合部70は、刃部62の外壁面であって、同刃部62による被切断部22の切断後に両切断端23,24の一方が接近する箇所と他方が接近する箇所との間の領域に設けられている。この条件を満たす箇所として、嵌合部70は、第1側壁面65に接近した箇所で、刃部62の周り(先端面68上、両第3側壁面67上)に設けられている。
図4、図6(a),(b)及び図7(a),(b)に示すように、被嵌合部45は、嵌合部70の少なくとも一部が接触された状態で嵌合される箇所である。この条件を満たす箇所として、被嵌合部45は、第1側壁面35に接近した箇所で、奥壁面38及び両第3側壁面37の周りに設けられている。
上被嵌合部46及び両連結被嵌合部48において、消弧室32の奥壁面38から最も遠ざかった面を内奥壁面49といい、内奥壁面49の近傍部分(内奥壁面49を含む)を奥部51というものとする。
車両10の衝突が衝突センサ17によって検知されないときには、電子制御ユニット18からガス発生器59に対し作動信号が出力されず、同ガス発生器59からガスが発生されない。図1及び図3に示すように、切断部材60は、被切断部22とガス発生器59との間に位置し、消弧室32から後退している。そのため、被切断部22は切断されず、蓄電池12及びコンバータ14の間は導電体20を介して導通された状態となる。
この点、本実施形態では、導電体20は、切断エッジ部34と、これに対し僅かな距離D1だけ離れた箇所を移動する嵌合部70及び刃部62(第1側壁面65)とによって切断される。そのため、切断エッジ部34がなく、かつ嵌合部70及び刃部62の押圧のみにより被切断部22が切断される場合に比べ、被切断部22の伸び量が少ない。従って、両切断端23,24の間隔が大きくなる。
(1)刃部62の外壁面であって、同刃部62による被切断部22の切断後に両切断端23,24の一方が接近する箇所と他方が接近する箇所との間の領域に嵌合部70を設ける。消弧室32の内壁面には、嵌合部70の少なくとも一部が接触させられた状態で嵌合される被嵌合部45を設けている(図1)。
(2)嵌合部70の上嵌合部71及び両連結嵌合部73を、刃部62のうち、切断部材60の移動方向における先端部に設ける。被嵌合部45の上被嵌合部46及び両連結被嵌合部48を、消弧室32の内壁面のうち、上嵌合部71及び両連結嵌合部73の各先端面に対向する奥壁面38に設けている(図3、図4)。
<消弧室32について>
・消弧室32の開口部33の形状が、上記実施形態とは異なる多角形状に変更されてもよい。
・図8(a)に示すように、被嵌合部45の内奥壁面49に、嵌合部70により押圧されて変形させられるリブ56が設けられてもよい。
この場合には、次の効果も期待できる。
・刃部62において、被切断部22の幅方向における片側だけに、側嵌合部72及び連結嵌合部73の組合わせが設けられてもよい。
・嵌合部70が、側嵌合部72のみによって構成されてもよい。その場合には、嵌合部70が両側嵌合部72によって構成されてもよいし、一方の側嵌合部72のみによって構成されてもよい。
・図12に示すように、嵌合部70及び被嵌合部45は、両者の凹凸関係が上記実施形態とは反対となるように形成されてもよい。この場合、刃部62の外壁面において両切断端23,24の一方が接近する箇所と他方が接近する箇所との間の領域には、切断部材60の移動方向における先端側(図12の上側)の面において開口する凹部が設けられ、この凹部によって嵌合部70が構成される。また、消弧室32の奥壁面38から刃部62側へ突出する突部が設けられ、この突部によって被嵌合部45が形成される。そして、嵌合部70の少なくとも一部が被嵌合部45に対し接触させられた状態で同被嵌合部45に嵌合される。
・上記実施形態では、切断部材60を形成する材料として、樹脂材料を用いることができるが、そのほかにも被切断部22を切断し得る程度に強度が高く、弾性変形し得る材料であって、かつ適度な電気絶縁性を有する材料であることを条件に、任意の材料を採用することができる。
Claims (8)
- 電気回路を構成する機器間に介在され、かつ一部に長尺板状の被切断部を有する導電体と、
前記被切断部の厚み方向の一方に形成された消弧室と、
前記厚み方向であって、前記被切断部を挟んで前記消弧室の反対側に配設されたガス発生器と、
前記被切断部及び前記ガス発生器の間に配設され、同ガス発生器で発生されたガスにより前記消弧室に向けて移動させられて、同被切断部を刃部により同消弧室で切断する切断部材と
を備え、前記切断により、前記被切断部には、互いに離間した状態の一対の切断端を生じさせ、前記機器間の導通を遮断するようにした導通遮断装置であって、
前記刃部の外壁面であって、同刃部による前記被切断部の切断後に両切断端の一方が接近する箇所と他方が接近する箇所との間の領域には嵌合部が設けられ、
前記消弧室の内壁面には、前記嵌合部の少なくとも一部が接触された状態で嵌合される被嵌合部が設けられている導通遮断装置。 - 前記嵌合部は、前記刃部のうち、前記切断部材の移動方向における先端部に設けられ、
前記被嵌合部は、前記消弧室の内壁面のうち前記嵌合部の先端面に対向する奥壁面に設けられている請求項1に記載の導通遮断装置。 - 前記被嵌合部は、前記消弧室の前記奥壁面において開口する凹部により構成されており、
前記嵌合部は、前記被嵌合部に挿入されることで、前記切断部材の移動方向における先端において同被嵌合部の内壁面に接触された状態で同被嵌合部に嵌合されるものであり、
前記被嵌合部の少なくとも奥部は、前記被切断部の長さ方向における寸法が、前記消弧室の前記奥壁面から遠ざかるに従い小さくなるように形成されている請求項2に記載の導通遮断装置。 - 前記被嵌合部の内壁面のうち、前記嵌合部の前記先端面に対向する内奥壁面には、同被嵌合部に挿入される同嵌合部により押圧されて変形させられるリブが設けられている請求項3に記載の導通遮断装置。
- 前記嵌合部は、前記刃部のうち、前記被切断部の幅方向に直交する側壁面に設けられ、
前記被嵌合部は、前記消弧室のうち、前記幅方向に直交する側壁面に設けられている請求項1〜4のいずれか1項に記載の導通遮断装置。 - 前記被嵌合部は、前記消弧室の前記側壁面において開口し、かつ前記切断部材の移動方向に沿って延びる凹部により構成されており、
前記嵌合部は、前記被嵌合部に挿入されることで、前記切断部材の移動方向における先端において同被嵌合部の内壁面に接触された状態で同被嵌合部に嵌合されるものであり、
前記被嵌合部のうち、前記切断部材の移動方向における少なくとも先端部は、同被嵌合部の深さが同方向における先端側ほど浅くなるように形成されている請求項5に記載の導通遮断装置。 - 前記消弧室は前記導電体に面して開口する多角形状の開口部を有し、かつ同開口部において前記被切断部の幅方向に沿って延びる一辺を切断エッジ部としており、
前記刃部は、前記消弧室内で前記切断エッジ部に接近した箇所を移動することにより、同切断エッジ部との間で前記被切断部を切断するものであり、
前記切断部材は弾性変形し得る材料により形成されており、
前記嵌合部は、前記被嵌合部に挿入される際に前記切断部材を前記切断エッジ部側へ弾性変形させることで、同被嵌合部に接触されるものである請求項3に記載の導通遮断装置。 - 前記被嵌合部の内壁面のうち、前記嵌合部の前記先端面に対向する面には、前記嵌合部により押圧されて変形させられるリブが設けられている請求項2に記載の導通遮断装置。
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