JP2016224019A - ナトリウム漏れのない原子力発電システム - Google Patents

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Abstract

【課題】原子力発電システムにおける冷却系ナトリウムの漏洩問題の解決。
【解決手段】2次冷却系ナトリウム液高温配管(吐出管)と低温配管(還流管)の電位差をなくす電触防止法の適用、一体型熱交換蒸気発生器の適用。その他2次冷却系構成要素の改良等によるナトリウム漏れ防止策の適用。
【効果】2次冷却系配管に発生する迷走電流に起因する放電腐食や溶融金属腐食が防止抑制される。
【選択図】図1

Description

本発明は原子力発電用原子炉の付帯構造にかかわり、特に冷却材として液体ナトリウムを用いる高速増殖炉型原子力発電所の構造改善を提案するものである。
高速増殖炉が実用化に至らないのは、冷却材であるナトリウム漏れが原因とされている。
高速増殖炉型原子力発電の構造については、下記の特許文献に詳しいが、図3に示す模式図では、Aは原子炉、Bは熱交換器、Cは1次冷却系ナトリウム液循環ポンプ、Dは高温ナトリウム液吐出管、Eは蒸気発生器、F,Hはナトリウム液還流管、Gはポンプ、Iは蒸気配管、Jは格納容器である。
日本の「もんじゅ」のナトリウム漏れは、2次冷却系の図3のX部で起こった。
これには構造体の破壊力学的要因のほかに、ナトリウムの配管材腐食についても検討され、ナトリウム中の酸素濃度を20ppm以下にすると、配管材の腐食が減少すると報告されている。
その他ナトリウムが活性元素であるため、比較的非活性で、腐食発生の少ない鉛―ビスマス系の提案もある。
特願2002―257967号公報
▲1▼動力炉・核燃料開発事業団発行 高速増殖炉(FBR)の技術的見通し―ナトリウム技術―(資料 第6−3号) ▲2▼此村守ほか7名著 2001年9月 独立行政法人日本原子力研究開発機構発行 サイクル機構技報 No.12別冊 第19〜54ページ 「各種冷却材を有する高速増殖炉に関するプラント設計評価(1)(2)」
発明が解決しようとする課題
ナトリウム冷却糸については、広く研究されてきたが未だ漏洩事故を確実に解消できるとは言い難い。 本発明はナトリウム液漏れをなくすため、さらに原子力発電システムの安全性を高めるための技術を提供する事を目的としている。
課題を解決するための手段
本発明者らは、高速増殖炉2次冷却系ナトリウム液漏れ事故では、酸素との反応および生成する酸化ナトリウム(NaO)と他の酸化物との下記に示す高温解離反応、および高温ナトリウム液配管と冷却後の低温ナトリウム液配管部での熱電対の形成に基ずく熱起電力に注目した。そして漏洩部での放電現象が大きな原因になっていると結論ずけた。ここでナトリウム液は良電体であり、熱交換器出口と蒸気発生器入口間の配管および蒸気発生器出口から熱交換器に戻る配管系は熱電対を形成している。そのために図3のX部には短絡電流が集中するとみる。したがってこの近傍では放電腐食の発生が推論できる。その解決法としては、高温側配管の高電位と低温配管側の低電位を電気的に中和させることが望ましい。
図1は本発明が適用される機構を模式的に示したもので、1は2次冷却用熱交換器、2は1次冷却系Naを循環させるポンプ、3は2次冷却系のNaを循環させる配管、4は蒸気発生器と復水器、5は循環用電磁ポンプ、6は高温吐出管側の2か所のアース配線、7はNa還流管側のアース電流計とアース配線、8は逆位相電圧を付加する直流電源と制御機器、9は必要により取り付ける絶縁用セラミックス碍子管、10は格納容器である。
ここで課題の解決法として、第一に熱接点側高電位点になる熱交換器出口部近傍をアースする。図1の6部である。図は蒸気発生器側にもつけた場合である。蒸気発生器入口部近傍もアースすればより効果的とみられるためである。6と7間の破線で示した配線もアース効果を上げるために用いてもよい。7は低温側配管の冷接点部近傍をアースするもので、これにより,両者の電位差は解消できる。
しかしアース電流の程度、アース抵抗のために、これだけでは十分でない場合もありうる。又アース電流を流し続けることによる熱交換器内配管、内部構造その他機器への影響が懸念される。そのため高温側配管と低温側配管との間に逆位相電圧を付加して、中和する方法がある。図1で8の電源を使用する方法である。この方法の長所は、配管系に流れる電流を少なくできる点にある。したがってこれらを選択使用するのが良いと考える。運転温度が低く2次配管系の温度が低い場合には、アースだけで十分であるが、高温運転時には、上記熱起電力、解離電圧も高くなるためである。又付加する電流波形は脈流でもよいと考える。
以上が請求項1であるが、NaO生成による解離電圧の発生の点でも好結果をもたらすと考えられる。すなわちナトリウム中の酸素濃度が高く20ppmを越えてくると、次の反応が起こりやすくなると考えられるからである。ここで配管材料はSUS304ステンレス鋼で、鋼管内面にはCrで代表される酸化被膜がある。したがって、
Figure 2016224019
の解離反応が起こりうると考えねばならない。すなわち高温側ではナトリウムは正の電荷を持ちうるし、高温であるほど大きいのである。
これは当然熱起電力に加算される。そのため電気的に格納容器出口で短絡状態にある現状の構造では、放電現象が起こりえよう。(図1の9部分)
又図1の9のように、碍子類を介して短絡電流を制御する等の配慮も有効であろう。
請求項2は、熱交換器の構造上の改良を提供する。
原子炉炉心より循環する1次冷却系ナトリウム液を隔離するために図2の下部容器11に導き、次にその上の中間容器にある1次冷却系液以外の溶融材料浴14に熱交換させ、次いでこの材料浴から上部容器の水に熱交換して、水蒸気を発生させるものであって、ナトリウム系の1次冷却液と循環水系統が隔離されるような中間熱交換蒸気発生器を構成した原子力発電システムである。
図2の実施例では、1次冷却材がナトリウムで、11は原子炉から来る1次冷却系ナトリウム液浴、12は原子炉炉心より来る1次冷却用配管、13はナトリウム液を循環させるポンプおよび配管であって、浴室中心部に放出されるナトリウム液は、矢印のように、上部の2次冷却用溶融金属浴又は溶融塩浴等の渦巻き状フィン14部にそって回転し、周側の出口より13のポンプに至る。この間に14部の溶融金属浴又は溶融塩浴等に熱交換が行われる。そして蒸気発生器15の水蒸気タンク側では中心部に噴出された水が上部の渦巻き状フィン部を回って外周部に至り、この間に水蒸気化され、容器15内に高圧水蒸気を充満させる。
16はタービン向け配管であり、17は蒸気タービンと復水器および還水用ポンプである。18は復水用配管であり、19は溶融材料浴の脱気、圧力調整用弁である。また20は後述の電気防食用付加電極、21は溶融金属または溶融塩浴の循環用ポンプであって、この方式により、1次ナトリウム液から水蒸気に一気に熱交換を行わせることができる。
かつナトリウム液浴室と水蒸気室は隣接せず、ナトリウム液の漏洩によるナトリウム燃焼反応と水による水素ガス発生も、後述の浴11の外部に設ける珪酸ソーダ系封孔バリアーである珪酸ソーダ充填用二重殻容器22および3層配管12、13と相まって防止できる。
又フィン部を外殻容器に固定すれば、耐震性も良好で、プール型のように1次冷却系との間の隔壁も必要ない、又半地下式にできるので安全である、
又高温運転時万一1次ナトリウム漏れが起こっても直ちに復流水を止め、蒸気発生室15をN等の不活性ガス冷却換気に切り替える事も出来る。
すなわち構造的には、2次冷却系においてナトリウム液冷却材を使用しない事と、2次冷却容器室をコンパクトにする事により,先の放電腐食を防止せんとするものである。
請求項3は溶融金属浴の成分構成等にかんする。図2の重畳型熱交換器構造その他の中間熱交換器構造において、1次冷却系より熱を収受する材料浴が、アルカリ金属以外の溶融金属の場合に、材料浴基本成分を、Bi、Pb、Sn、Cdの2種以上を含む共晶成分系とし、その他にIn、Ga、Al、Mg、Zn、Sb、Se、Te、Ge、Tl、Ag、Cuの少なくとも1種を含む易溶性合金とするものである。
又冷却機器の構造体は鋼鉄製又はNi基合金製である場合に、溶融金属による構造体の腐食を防止するために、必要により、構造体内面を酸化物化成処理で処理し、Cr、Al等の熱的に安定かつ緻密な酸化皮膜を形成させるか、又は炭化物、窒化物等の耐熱、耐食性皮膜を形成させるか、あるいはMo、W、Nb、Ta、V、Ti、Zr、Cr、Hf等の単体金属、またはこれら金属の合金の高融点金属よりなる皮膜を、めっき法、表面拡散浸透法等の方法により形成させる。そしてさらに裸使用,防食皮膜形成の何れの場合にも、供用時には熱交換用冷却容器を負極とし、溶融金属浴を正極とする通電防食を行なう事により、易溶性溶融金属による冷却容器内の腐食を防止する事を特徴とするものである。
ここでいう通電防食とは、発明者の先願である特願2015−98600号の方法である。また本先願は上記各種防食皮膜の形成にも活用出来るものでもある。
図2の適用例では正極は20の位置に取り付け、負極は容器外壁に取り付けているが、電流配分を考えて、複数個つけてもよい。
請求項4は原子力発電構造が、タンク型、ループ型等の構造方式に関係なく、冷却系の少なくとも一部に熱媒体溶融塩を使用する場合の溶融塩浴の成分に関する。溶融塩浴の成分系は、弗化物系がよく、LiF−SnF系、NaF―SnF系又はKF−SnF系とこれらの混合系がよい。
NaF−SnF系 には4つの共晶点があり、もっとも共晶温度の低いのは、18mol%NaF、82mol%SnF(共晶温度191℃)である。これは最もSnF側に位置しており、SnFの低融点215℃の効果を利用している。
KF、NaF、LiFの融点は、それぞれ860℃、993℃,848℃であるから、これらの効果はそれほど大きくはない。これらは塩浴の安定剤の効果を発揮しているといえる。ただLiFは最も融点が低いので、共晶温度も低くなると考えられる。またNaF−NaBF系には、低温共晶点の存在が認められているので、NaBF等のアルカリ金属テトラフルオロ硼酸塩の添加も低融点化に有効とみなされる。
よって成分系としては、溶融塩量に対して18mol%NaF、82mol%SnFを基本とし、LiF、KFへの置換型、およびこれらの複合型のLiF−NaF−KF−SnF系又はこれら系へのLiBF、NaBF、KBF等のアルカリ金属テトラフルオロ硼酸塩の添加等を選定する。当然のことながら、少量の不可避不純物の存在はありうる。
なおSnFは酸化により4価になりやすく、SnFになった場合には塩浴がコロイド化するので、請求項3と同様に浴を正極、容器を負極とする通電の効果を利用する。この場合にはSnの電解精錬回路として還元的に作用する。
又通電に代えて、浴中のSnFのSnF化防止用として浴全量の50mol%以下のSn、Zn、Al、Mg、その他浴成分に還元性に働く金属の1種以上を含む低融点金属単体又はその合金を添加し、塩浴を複合化する事も効果がある。その場合溶融塩相と金属相との運転温度域での密度差を少なくし、かつSnF生成防止効果を発現するように、低融点金属相成分組成を調整する。
さらにこれらSn、Zn、Al、Mg、その他の浴成分還元性金属の単体又は合金の皮膜を予め容器内面に形成しておくことも、SnF生成防止の効果がある。
又溶融金属腐食防止の点から、請求項3の陰極防食的通電防食を行えば、これら金属による腐食を心配しないですみ、かつSnF生成防止の極性と同じであるから好都合である。
よってこれらSnF成分系の使用、還元性金属の添加、通電防食の適用の3法を複合し適用する場合も、本発明の範囲である。なお1次冷却系に溶融塩を使う溶融塩型原子力発電の場合の冷却材として、本成分冷却材を使用する場合、金属成分による塩浴成分安定化を図る場合、成分安定化のために通電防食を適用する場合も本発明に含むものである。
請求項5は1次冷却系が主にナトリウムである場合、ナトリウム浴槽からのナトリウム漏洩を、主に珪酸ソーダ(水ガラス、NaO・nSiO・mHO、n、mはモル数)により、固化,封孔せんとするものであり、NaO・2SiO−SiO系珪酸ソーダを用いる。
この場合ナトリウム液が漏洩すると、NaOになり、珪酸ソーダ中のNaOが増加するため、界面の融点が急上昇し(1100℃程度まで)、固化状態となりガラス化が進むのである。
NaO・2SiO−SiO系共晶温度は、HOなしの時ほぼ780℃で、SiO73mol%にある。もちろん珪酸ソーダは当初のモル比(SiO/NaO)、結晶水の量によって凝固状態は変化するので、どの水分量の水ガラスを使うか選定の必要はあるが、上記共晶成分のものを使えば、過熱運転でのNaの漏洩防止効果は十分にある。
又ナトリウム漏洩時には、結晶水との反応で水素ガスの発生も考えられるが、結晶水不安定部分の適切排除とHの拡散、除去に配慮すれば十分である。
この場合封孔材としてはNaO−SiO系を用いたがKO−SiO系、LiO−SiO系の場合にも可能性はある。したがってK、Li等のアルカリ金属およびアルカリ土類金属の酸化物を含む珪酸塩系水ガラスを使用する場合も本発明に含むものである。なお加熱は運転操業時の加熱で行うことができる。
又1次冷却系ナトリウム液配管についても、配管を2重殻構造とし内部に同様の固化封孔材を充填する3層構造とすることにより、同様の目的を達成する事ができる。図2の12、13に施工例を示している。
請求項6はアルカリ金属イオン液が収容される化学容器等に関する。化学容器、2次電池等でも原子力発電の熱交換系同様にアルカリ金属液の漏洩問題があり、この対策として請求項5の方法が有効である。したがってこれら化学容器、2次電池等のアルカリ金属漏洩対策として、請求項5の方法を適用する。ただ加熱脱水処理が難しい場合には、高粘性液又は粉末状の珪酸ソーダ類の使用、2重殻構造にして内部に高粘性材を充填するか、さらに揮発性の水溶性有機溶剤類を添加した珪酸ソーダ液類の使用によるゲル化、ポルトランドセメント類の配合による硬化、吸水剤の適用硬化、CO注入硬化法の適用、減圧乾燥脱水等で低温脱水を可能化する事ができる。
ナトリウム冷却系を持つ原子力発電構造における1次2次冷却系ナトリウムの漏洩を防ぐことが可能となり、実用化に貢献する。又安全な原子力発電システムの実用化ができる。
本発明の電気防食適用例を示す機構図。 熱交換機構と蒸気発生機構を一体とした構造の熱交換蒸気発生器の一体化構造本発明図。螺旋状矢印は液の流れを示す。 ループ型高速増殖炉型原子力発電の構造を示す模式図
1 2次冷却用熱交換器
2 1次冷却系Naを循環させるポンプ
3 2次冷却系Naを循環させる配管
4 蒸気発生器、復水器
5、G 循環用電磁ポンプ
6 高温吐出管のアース配線、2個所の場合
7 還流管のアース配線と電流計
8 逆位相電圧を付加する直流電源および制御機器
9 絶縁用セラミックス碍子管
10、J 格納容器
11 原子炉炉心からの1次冷却系ナトリウム液浴
12 原子炉炉心からのナトリウム用配管、珪酸ソーダ充填2重管
13 原子炉炉心へのナトリウム還流用ポンプ、珪酸ソーダ充填2重管
14 溶融金属又は溶融塩浴又はその混合浴
15、E 蒸気発生器
16 水蒸気配管
17 タービン、復水器および還流用ポンプ
18 復水配管
19 脱気、圧力調整弁
20 中間熱交換器溶融材料浴の電気防食電極取り付け部、+極は
浴中取り付け炭素系電極、−極は浴壁取り付け、電極は複数個設置可能
21 2次冷却浴循環用ポンプ
22 珪酸ソーダ充填用2重殻容器
23 耐熱耐荷型基礎
A 原子炉
B 熱交換器
C 1次冷却系ナトリウム循環用ポンプ
D 2次冷却系高温ナトリウム吐出管
F,H 低温ナトリウム還流管
I 蒸気配管
本発明者らは、高速増殖炉2次冷却系ナトリウム液漏れ事故では、酸素との反応および生成する酸化ナトリウム(NaO)と他の酸化物との下記に示す高温解離反応、および高温ナトリウム液配管と冷却後の低温ナトリウム液配管部での熱電対の形成に基ずく熱起電力に注目した.そして漏洩部での放電現象が大きな原因になっていると結論ずけた。ここでナトリウム液は電導体であり、熱交換器出口と蒸気発生器入口間の配管および蒸気発生器出口から熱交換器に戻る配管系は熱電対を形成している。そのために図3のX部には短絡電流が集中するとみる。したがってこの近傍では放電腐食の発生が推論できる。その解決法としては、高温側配管の高電位と低温配管側の低電位を電気的に中和させることが望ましい。なお熱電対の熱接点部は熱交換器内配管の出口、すなわち吐出管取付部から蒸気発生器への入り口部までの配管とみられ、高温ナトリウムが流れる範囲で、この間は温度低下が起こらないように保温すべき個所であるからである。又冷接点側は蒸気発生器からの配管の出口、すなわち還流管の取り付け部から熱交換器への入り口部までと見るのが妥当である。この間ではナトリウムの温度も低く、電位も安定して低い。したがって、アースあるいは逆位相電圧を付加する個所は高電位側、低電位側とも各々上記の間にある。
ここで課題の解決法として、第一に熱接点側高電位点になる熱交換器出口部近傍をアースする。図1の6部である。図は蒸気発生器側にもつけた場合である。蒸気発生器入口部近傍もアースすればより効果的とみられるためである。6と7間の破線で示した配線もアース効果を上げるために用いてもよい。7は低温側配管の冷接点部近傍をアースするもので、これにより,両者の電位差は解消できる。注意すべき点は、熱交換器側の6のアース位置である。この個所は最も高電位点のアースであるから、吐出管取付部から隣接する配管架台までとされ、この間で1か所は行うことが望ましい。迷走電流を誘発しかねないからである。これにより高電位電流は、吐出間取付部→アース→低温側アース部のモニター電流計→還流管取付部と流れ、2次ナトリウム循環系の電位差は中和される(図1のスイッチ状態)。配管へのアース結線は溶接、バンド冶具接続で行うが、配管周方向位置により電流密度が変動しないように均等接続に注意する。又2次配管系の内部機器の電位管理も注意が必要であるが、電磁ポンプ等設置位置の配管と同電位になるように設置するのがよい。流量、流速計等も低温配管内に設置した方がよく、場合により個別にアースする。
しかしアース電流の程度、アース抵抗のために、これだけでは十分でない場合もありうる。又アース電流を流し続けることによる熱交換器内配管、内部構造その他機器への影響が懸念される。そのため高温側配管と低温側配管との間に逆位相電圧を付加して、中和する方法がある。図1で8の電源を使用する方法である。すなわち図1のスイッチを接続側に切り替えた場合である。電池記号で示した直流電源の正極を低温側配管に接続する。負極は可変抵抗器で示した制御機器、監視電流計を通ってアースされる。これにより高温側の配管から流れてくる電流は中和される。そして制御機器を通り低温配管へ流れる電流を許容範囲内に少なくなるように自動制御管理すれば、電位差による悪影響を除去できる。この方法の長所は、配管系に流れる電流を少なくできる点にある。したがってこれらを選択使用するのがよいと考える。運転温度が低く2次配管系の温度が低い場合には、アースだけで十分であるが、高温運転時には、上記熱起電力、解離電圧も高くなるためである。又付加する電流波形は脈流でもよい。
なおこ種現象は1次冷却系でも起こり得ることであるから本発明適用の必要がないとは言えないが、1次冷却系では還流ナトリウムの温度が高いので、電位差は小さいと考える。ただ運転温度制御管理には十分な注意が必要である。
本発明は原子力発電用原子炉の付帯構造にかかわり、特に冷却材として液体ナトリウムを用いる高速増殖炉型原子力発電所の構造改善を提案するものである。
高速増殖炉が実用化に至らないのは、冷却材であるナトリウム漏れが原因とされている。
高速増殖炉型原子力発電の構造については、下記の特許文献に詳しいが、図3に示す模式図では、Aは原子炉、Bは熱交換器、Cは1次冷却系ナトリウム液循環ポンプ、Dは高温ナトリウム液吐出管、Eは蒸気発生器、F,Hはナトリウム液還流管、Gはポンプ、Iは蒸気配管、Jは格納容器である。
日本の「もんじゅ」のナトリウム漏れは、2次冷却系の図3のX部で起こった。
これには構造体の破壊力学的要因のほかに、ナトリウムの配管材腐食についても検討され、ナトリウム中の酸素濃度を20ppm以下にすると、配管材の腐食が減少すると報告されている。
その他ナトリウムが活性元素であるため、比較的非活性で、腐食発生の少ない鉛―ビスマス系の提案もある。
特願2002−257967号公報
▲1▼動力炉・核燃料開発事業団発行 高速増殖炉(FBR)の技術的見通し―ナトリウム技術―(資料 第6−3号) ▲2▼此村守ほか7名著 2001年9月 独立行政法人日本原子力研究開発機構発行 サイクル機構技報 No.12別冊 第19〜54ページ「各種冷却材を有する高速増殖炉に関するプラント設計評価(1)(2)」
発明が解決しようとする課題
ナトリウム冷却系については、広く研究されてきたが未だ漏洩事故を確実に解消できるとは言い難い。本発明はナトリウム液漏れをなくすため、さらに原子力発電システムの安全性を高めるための技術を提供する事を目的としている。
課題を解決するための手段
本発明者らは、高速増殖炉2次冷却系ナトリウム液漏れ事故では、酸素との反応および生成する酸化ナトリウム(NaO)と他の酸化物との下記に示す高温解離反応、および高温ナトリウム液配管と冷却後の低温ナトリウム液配管部での熱電対の形成に基ずく熱起電力に注目した。そして漏洩部での放電現象が大きな原因になっていると結論ずけた。ここでナトリウム液は電導体であり、熱交換器出口と蒸気発生器入口間の配管および蒸気発生器出口から熱交換器に戻る配管系は熱電対を形成している。そのために図3のX部には短絡電流が集中するとみる。したがってこの近傍では放電腐食の発生が推論できる。その解決法としては、高温側配管の高電位と低温配管側の低電位を電気的に中和させることが望ましい。なお熱電対の熱接点部は熱交換器内配管の出口、すなわち吐出管取付部から蒸気発生器への入り口部までの配管とみられ、高温ナトリウムが流れる範囲で、この間は温度低下が起こらないように保温すべき個所であるからである。又冷接点側は蒸気発生器からの配管の出口、すなわち還流管の取り付け部から熱交換器への入り口部までと見るのが妥当である。この間ではナトリウムの温度も低く、電位も安定して低い。したがって、アースあるいは逆位相電圧を付加する個所は高電位側、低電位側とも各々上記の間にある。
図1は本発明が適用される機構を模式的に示したもので、1は2次冷却用熱交換器、2は1次冷却系Naを循環させるポンプ、3は2次冷却系のNaを循環させる配管、4は蒸気発生器と復水器、5は循環用電磁ポンプ、6は高温吐出管側の2か所のアース配線、7はNa還流管側のアース電流計とアース配線、8は逆位相電圧を付加する直流電源と制御機器、9は必要により取り付ける絶縁用セラミックス碍子管、10は格納容器である。
ここで課題の解決法として、第一に熱接点側高電位点になる熱交換器出口部近傍をアースする。図1の6部である。図は蒸気発生器側にもつけた場合である。蒸気発生器入口部近傍もアースすればより効果的とみられるためである。6と7間の破線で示した配線もアース効果を上げるために用いてもよい。7は低温側配管の冷接点部近傍をアースするもので、これにより,両者の電位差は解消できる。注意すべき点は、熱交換器側の6のアース位置である。この個所は最も高電位点のアースであるから、吐出管取付部から隣接する配管架台までとされ、この間で1か所は行うことが望ましい。迷走電流を誘発しかねないからである。これにより高電位電流は、吐出間取付部→アース→低温側アース部のモニター電流計→還流管取付部と流れ、2次ナトリウム循環系の電位差は中和される(図1のスイッチ状態)。配管へのアース結線は溶接、バンド冶具接続で行うが、配管周方向位置により電流密度が変動しないように均等接続に注意する。又2次配管系の内部機器の電位管理も注意が必要であるが、電磁ポンプ等設置位置の配管と同電位になるように設置するのがよい。流量、流速計等も低温配管内に設置した方がよく、場合により個別にアースする。
しかしアース電流の程度、アース抵抗のために、これだけでは十分でない場合もありうる。又アース電流を流し続けることによる熱交換器内配管、内部構造その他機器への影響が懸念される。そのため高温側配管と低温側配管との間に逆位相電圧を付加して、中和する方法がある。図1で8の電源を使用する方法である。すなわち図1のスイッチを接続側に切り替えた場合である。電池記号で示した直流電源の正極を低温側配管に接続する。負極は可変抵抗器で示した制御機器、監視電流計を通ってアースされる。これにより高温側の配管から流れてくる電流は中和される。そして制御機器を通り低温配管へ流れる電流を許容範囲内に少なくなるように制御管理すれば、電位差による悪影響を除去できる。この方法の長所は、配管系に流れる電流を少なくできる点にある。したがってこれらを選択使用するのがよいと考える。運転温度が低く2次配管系の温度が低い場合には、アースだけで十分であるが、高温運転時には、上記熱起電力、解離電圧も高くなるためである。又付加する電流波形は脈流でもよい。
なおこの現象は1次冷却系でも起こり得ることであるから本発明適用の必要がないとは言えないが、1次冷却系では還流ナトリウムの温度が高いので、電位差は小さいと考える。ただ運転温度制御管理には十分な注意が必要である。
以上が請求項1であるが、NaO生成による解離電圧の発生の点でも好結果をもたらすと考えられる。すなわちナトリウム中の酸素濃度が高く20ppmを越えてくると、次の反応が起こりやすくなると考えられるからである。ここで配管材料はSUS304ステンレス鋼で、鋼管内面にはCrで代表される酸化皮膜がある。したがって、
Figure 2016224019
の解離反応が起こりうると考えねばならない。すなわち高温側ではナトリウムは正の電荷を持ちうるし、高温であるほど大きいのである。
これは当然熱起電力に加算される。そのため電気的に格納容器出口で短絡状態にある現状の構造では、放電現象が起こりえよう。(図1の9部分)
又図1の9のように、碍子類を介して短絡電流を制御する等の配慮も有効であろう。
更には、熱交換器の構造上の改良も有効である。
図2の例では、原子炉炉心より循環する1次冷却系ナトリウム液を隔離するために、下部容器11に導き、次にその上の中間容器にある1次冷却系液以外の溶融材料浴14に熱交換させ、次いでこの材料浴から上部容器の水に熱交換して、水蒸気を発生させるものであって、ナトリウム系の1次冷却液と循環水系統が隔離されるような中間熱交換蒸気発生器を構成した原子力発電システムである。
図2の実施例では、1次冷却材がナトリウムで、11は原子炉から来る1次冷却系ナトリウム液浴、12は原子炉炉心より来る1次冷却用配管、13はナトリウム液を循環させるポンプおよび配管であって、浴室中心部に放出されるナトリウム液は、矢印のように、上部の2次冷却用溶融金属浴又は溶融塩浴等の渦巻き状フィン14部にそって回転し、周側の出口より13のポンプに至る。この間に14部の溶融金属浴又は溶融塩浴等に熱交換が行われる。そして蒸気発生器15の水蒸気タンク側では中心部に噴出された水が上部の渦巻き状フィン部を回って外周部に至り、この間に水蒸気化され、容器15内に高圧水蒸気を充満させる。
16はタービン向け配管であり、17は蒸気タービンと復水器および還水用ポンプである。18は復水用配管であり、19は溶融材料浴の脱気、圧力調整用弁である。また20は後述の電気防食用付加電極、21は溶融金属または溶融塩浴の循環用ポンプであって、この方式により、1次ナトリウム液から水蒸気に一気に熱交換を行わせることができる。
かつナトリウム液浴室と水蒸気室は隣接せず、ナトリウム液の漏洩によるナトリウム燃焼反応と水による水素ガス発生も、浴11の外部に設ける珪酸ソーダ系封孔バリアーである珪酸ソーダ充填用二重殻容器22および3層配管12、13と相まって防止できる。
又フィン部を外殻容器に固定すれば、耐震性も良好で、プール型のように1次冷却系との間の隔壁も必要ない、又半地下式にできるので安全である。
又高温運転時万一1次ナトリウム漏れが起こっても直ちに復流水を止め、蒸気発生室15をN等の不活性ガス冷却換気に切り替える事も出来る。
すなわち構造的には、2次冷却系においてナトリウム液冷却材を使用しない事と、2次冷却容器室をコンパクトにする事により,先の放電腐食を防止するものである。
請求項2は溶融金属浴の成分構成、電気的処理等にかんする。図2の重畳型熱交換器構造その他の中間熱交換器構造において、1次冷却系より熱を収受する材料浴が、アルカリ金属以外の溶融金属の場合に、材料浴基本成分を、Bi、Pb、Sn、Cdの2種以上を含む共晶成分系とし、その他にIn、Ga、Al、Mg、Zn、Sb、Se、Te、Ge、Tl、Ag、Cuの少なくとも1種を含む易溶性合金とするものである。
又冷却機器の構造体は鋼鉄製又はNi基合金製である場合に、溶融金属による構造体の腐食を防止するために、必要により、構造体内面を酸化物化成処理で処理し、Cr、Al等の熱的に安定かつ緻密な酸化皮膜を形成させるか、又は炭化物、窒化物等の耐熱、耐食性皮膜を形成させるか、あるいはMo、W、Nb、Ta、V、Ti、Zr、Cr、Hf等の単体金属、またはこれら金属の合金の高融点金属よりなる皮膜を、めっき法、表面拡散浸透法等の方法により形成させる。そしてさらに裸使用,防食皮膜形成の何れの場合にも、供用時には熱交換用冷却容器を負極とし、溶融金属浴を正極とする通電防食を行なう事により、易溶性溶融金属による冷却容器内のはんだ脆性型腐食を防止する事を特徴とするものである。
ここでいう通電防食とは、発明者の先願である特願2015−98600号の方法である。また本先願は上記各種防食皮膜の形成にも活用出来るものでもある。
図2の適用例では正極は20の位置に取り付け、負極は容器外壁に取り付けているが、電流配分を考えて、複数個つけてもよい。
ナトリウム冷却系を持つ原子力発電構造における冷却系ナトリウムの漏洩を防ぐことが可能となり、実用化に貢献する。又安全な原子力発電システムの実用化ができる。
本発明の電気防食適用例を示す機構図 熱交換機構と蒸気発生機構を一体とした構造の熱交換蒸気発生器の一体化構造図。螺旋状矢印は液の流れを示す。 ループ型高速増殖炉型原子力発電の構造を示す模式図
1 2次冷却用熱交換器
2 1次冷却系Naを循環させるポンプ
3 2次冷却系Naを循環させる配管
4 蒸気発生器、復水器
5、G 循環用電磁ポンプ
6 高温吐出管のアース配線、2個所の場合
7 還流管のアース配線と電流計
8 逆位相電圧を付加する直流電源および制御機器
9 絶縁用セラミックス碍子管
10、J 格納容器
11 原子炉炉心からの1次冷却系ナトリウム液浴
12 原子炉炉心からのナトリウム用配管、珪酸ソーダ充填2重管
13 原子炉炉心へのナトリウム還流用ポンプ、珪酸ソーダ充填2重管
14 溶融金属又は溶融塩浴又はその混合浴
15、E 蒸気発生器
16 水蒸気配管
17 タービン、復水器および還流用ポンプ
18 復水配管,先端はタンク中心の主柱管と接合
19 脱気、圧力調整弁
20 中間熱交換器溶融材料浴の電気防食電極取り付け部、+極は浴中取り付 け炭素系電極、−極は浴壁取り付け、電極は複数個設置可能
21 2次冷却浴循環用ポンプ
22 珪酸ソーダ充填用2重殻容器
23 耐熱耐荷型基礎
A 原子炉
B 熱交換器
C 1次冷却系ナトリウム循環用ポンプ
D 2次冷却系高温ナトリウム吐出管
F,H 低温ナトリウム還流管
I 蒸気配管

Claims (6)

  1. 原子炉の冷却材として、液体状のナトリウムを主要冷却材とするループ構造型原子力発電所の2次冷却系熱交換器と蒸気発生器とをつなぎ、これらの内部をナトリウム液が循環する容器および配管系において、ナトリウム液の温度差により発生するナトリウム化合物の解離電圧および熱起電力の弊害を除くために、2次冷却系が作る熱電対の熱接点部、すなわち熱交換器の高温ナトリウム吐出管の取付け部近傍と、冷接点部、すなわち蒸気発生器への還流管の取付部近傍の少なくとも2か所に、電気的にアースを設ける事により、放電処理を行うか、あるいは前記熱起電力等を中和するために、2次冷却配管系に逆位相電圧を付加して、放電現象を抑止する事により、冷却材に起因する放電腐食を防止する事を特徴とする原子力発電システム。
  2. 原子力発電構造における冷却系機器の腐食防止技術構成として、原子炉炉心より循環する1次冷却系液を、一体型の中間熱交換蒸気発生器の最下部に導き、最初にその上にある2次冷却系の溶融金属浴、または溶融塩浴、またはその混合浴に熱交換させ、次いでこれら溶融材料浴から、その上部の水に熱交換して、水蒸気を発生させる蒸気発生器を隣接するようにした3容器重畳型として、1次冷却系液と蒸気発生部分が隔離されるような中間熱交換蒸気発生器を構成した原子力発電システム。
  3. 原子力発電構造における冷却機器の腐食防止技術構成として、構造方式に関係なく、冷却系の少なくとも一部に熱媒体として溶融金属を用い、その溶融金属浴の基本化学成分が、Bi、Pb、Sn、Cdの2種以上を含む共晶成分系であり、他にIn、Ga、Al、Mg、Zn、Sb、Se、Te、Ge、Tl、Ag、Cuの少なくとも一種を含む易溶性合金であって、冷却系容器内面は鋼鉄製又はNi基合金製の裸使用とするか、あるいは、その容器内面に酸化物、窒化物等の耐食耐熱性セラミックス皮膜を形成させるか、又は易溶性合金に浸食されにくい高融点金属系材料皮膜を形成させるかして、さらに何れの場合にも、供用時には熱交換用冷却容器類を負極とし、溶融金属浴を正極とする陰極防食的通電防食を行う事により、容器類と内部構造体の易溶性溶融金属浴による腐食を防止する事を特徴とする原子力発電システム。
  4. 原子力発電構造における冷却系機器の腐食防止技術構成として、構造方式に関係なく、冷却系の少なくとも一部に熱媒体溶融塩を用い、その溶融塩の化学成分は、対溶融塩分mol%で弗化リチウム(LiF)、弗化ナトリウム(NaF)、弗化カリウム(KF)の1種以上5〜80%、弗化錫(SnF)10〜95%その他不可避不純物であって、その溶融塩はLiF−SnF系、NaF−SnF系、KF−SnF系、LiF−KF−SnF系、LiF−NaF−SnF系、LiF−NaF−KF−SnF系、NaF−KF−SnF系、またはこれら成分系にNaBF等のアルカリ金属テトラフルオロ硼酸塩類を添加した成分系である、融点が低い共晶成分系を用い、浴容器を負極とし、浴を正極とする浴成分組成安定化通電を行うか、通電に代えて、溶融塩浴中にSnF生成防止用に全浴量に対し50mol%以下のSn、Zn、Al、Mg、その他の浴成分に還元性に働く金属の1種以上を含む低融点金属、又は合金を添加するか、容器内機器内面に、あらかじめSn、Zn、Al、Mg、その他の浴成分還元性金属の1種以上よりなる金属皮膜を形成しておくか、またはこれらを複合して、発電システムの使用条件に応じて選定適用し、溶融塩浴成分の組成安定化を図ることを特徴とする溶融塩浴型、あるいは溶融塩・溶融金属混合浴型2次冷却系容器で熱交換を行う原子力発電システム。
  5. 原子力発電構造における冷却機器の腐食防止技術構成として、その1次冷却系熱媒体冷却材が主に液体状のナトリウムであって、この1次冷却系ナトリウム液を中間熱交換器に導き、2次冷却系熱媒体冷却材に熱交換する中間熱交換器構造において、1次冷却系のナトリウム液が容器内壁と直接接触する中間熱交換器構造である場合、容器外壁の外に酸化ナトリウム(NaO)、酸化珪素(SiO)を主成分とするアルカリ金属珪酸塩液、またはそのコロイド液、水飴状粘液又は粉末等を用い、前記容器の外周部を充填被覆保護する構造とし、その後加熱により結晶水の不安定部分を脱水する。これにより万一漏洩事故が発生しても、漏洩した1次ナトリウム液の珪酸塩液による固化反応が起こるので、リーク部が封孔されてガラス化される構造とした中間熱交換器とする。さらには、1次冷却系ナトリウム液配管を2重殻構造とし、その内管と外管の間に同様のアルカリ金属珪酸塩材を充填する3層構造とし、同じく脱水処理を行ない、1次冷却系配管にも、同様の漏洩防止効果を持たせる事を特徴とする原子力発電システム。
  6. 原子力発電構造における冷却機器の腐食防止技術構成の一環として、アルカリ金属類を含む強酸化性液類を収容する各種密閉容器、2次電池等におけるアルカリ金属類の漏洩災害を防止するために、容器等の器壁の外に、珪酸ソーダ主成分液、またはそのコロイド液、水飴状粘液または粉末等を用い、容器の外周部を充填被覆保護し、必要により2重殻構造として内部に結晶水の少ない高粘性珪酸ソーダ主成分液を充填する。
    さらに脱水を容易にするために、揮発性の水溶性有機溶剤を溶媒として添加した珪酸ソーダ液類を使用するか、ポルトランドセメント類の配合による硬化、吸水剤による硬化、CO注入硬化法の適用、減圧脱水等で低温脱水を可能化することにより、漏洩事故が発生しても、珪酸ソーダ等による固化作用により、漏洩部をガラス化封孔する事を特徴とする各種化学容器類におけるアルカリ金属類漏洩事故災害防止方法。
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