JP2016223940A - センサ素子、物理センサ、及びセンサ素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】可動電極の成膜により可動部に対して膜応力が作用する場合であっても、外力を正確に測定することができるセンサ素子等を提供する。【解決手段】ベース80に対する間隔Dを変更可能な状態でベース80に配置される可動部10と、ベース80に形成されるベース電極83と、可動部10の表面10a及び裏面10bの一方に形成されかつベース電極83と対向する可動電極13と、可動部10の表面10a及び裏面10bの他方に形成されるダミー電極15とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、センサ素子、物理センサ、及びセンサ素子の製造方法に関する。
加速度、圧力、重力などの外力を検出する外力検出装置として、底部に固定電極が形成された容器と、容器内部に片持ち支持されかつ可動部分の表面に可動電極が設けられた水晶片(可動部)とを有するものが知られている(特許文献1参照)。可動電極は、水晶片の表面又は裏面の一方の面に形成されている。このような可動電極は、例えば金属膜の構成であり、水晶片の表面に例えばスパッタリングや真空蒸着により成膜され形成される。 水晶片を励振させた状態の外力検出装置に対して外力が作用すると、水晶片が撓んで可動電極の位置変化が生じ、固定電極と可動電極との間の静電容量が変化する。上記した外力検出装置では、このような外力に起因する静電容量の変化を周波数の変化として検出している。
特開2012−168161号公報
しかしながら、水晶片の表面または裏面の一方に可動電極となる金属膜が成膜されると、金属膜の収縮等により水晶片に対して膜応力が作用する。これにより、水晶片は、平板状から湾曲した形状に変形した状態となる。このように水晶片が湾曲した状態では、先端部分が表面側へ撓む場合と裏面側へ撓む場合とで撓み易さが異なってしまい、水晶片の撓む方向により可動部に作用する外力と可動部の撓み量との関係に差異が生じるという問題が生じる。一方、膜応力の発生を抑えるような金属膜の成膜方法を適用することも考えられるが、その成膜方法に制限されるといった課題が残ることになる。
以上のような事情に鑑み、本発明では、可動電極の成膜により可動部に対して膜応力が作用する場合であっても、外力を正確に測定することが可能なセンサ素子、物理センサ、及びセンサ素子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るセンサ素子は、ベースに対する間隔を変更可能な状態でベースに配置される可動部と、ベースに形成されるベース電極と、可動部の表面及び裏面の一方に形成されかつベース電極と対向する可動電極と、可動部の表面及び裏面の他方に形成されるダミー電極と、を備える。
また、ダミー電極は、可動電極と膜応力が同一であってもよい。また、ダミー電極は、可動部を挟んで可動電極と対称に形成されてもよい。また、ダミー電極は、可動電極と同一の金属材料が用いられてもよい。また、可動電極及びダミー電極は、可動部に形成される下地層と、下地層に積層される導電層と、を有してもよい。また、可動部を内部に収容する収容部を備えてもよい。
また、本発明に係る物理センサは、上記したセンサ素子と、センサ素子の可動電極に電気的に接続される圧電振動子と、圧電振動子を所定の周波数で振動させる発振回路と、を備える。
また、本発明に係るセンサ素子の製造方法は、ベースに対する間隔を変更可能な状態でベースに配置される可動部と、ベースに形成されるベース電極と、可動部の表面及び裏面の一方に形成されかつベース電極と対向する可動電極と、可動部の表面及び裏面の他方に形成されるダミー電極と、を備えるセンサ素子の製造方法であって、可動部に可動電極を形成する可動電極形成工程と、可動部にダミー電極を形成するダミー電極形成工程と、を有し、可動電極形成工程及びダミー電極形成工程は、同時に行われる。
本発明によれば、可動部に可動電極が成膜され、表面及び裏面の一方から可動電極による膜応力が作用しても、表面及び裏面の他方からダミー電極の膜応力が作用するので、可動部に対して膜応力がバランスよく作用し、可動部の塑性変形や、可動部の撓み量が撓む方向によって異なることが抑制される。従って、外力を精度よく測定することができる。
第1実施形態に係るセンサ素子の一例を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線に沿った断面図である。 図1のセンサ素子の要部を示し、(a)は平面図、(b)は底面図である。 図1のセンサ素子の要部を示す断面図である。 図1のセンサ素子の要部を示す平面図である。 図1のセンサ素子を示し、図1(a)のB−B線に沿った断面図である。 (a)はリッドウェハを示す平面図、(b)は第1スペーサウェハを示す平面図である。 (c)は可動ウェハを示す平面図、(d)は第2スペーサウェハを示す平面図である。 (e)はベースウェハを示す平面図である。 可動ウェハの製造工程の一例を示す図である。 第2実施形態に係る物理センサの一例を示す概略構成図である。 図10の物理センサの回路構成を示すブロック図である。 第3実施形態に係るセンサ素子の一例を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。また、以下の実施形態を説明するため、図面においては一部分を大きくまたは強調して記載するなど適宜縮尺を変更して表現している。また、図面においてハッチングした部分は、特に説明する場合を除き、金属膜を表している。図10及び図11を除き、各図においては、XYZ座標系を用いて図中の方向を説明する。このXYZ座標系においては、センサ素子100,300の表面に平行な平面をXZ平面とする。このXZ平面においてセンサ素子100等の長手方向をX方向と表記し、X方向に直交する方向をZ方向と表記する。XZ平面に直交する方向(センサ素子100等の厚さ方向)はY方向と表記する。X方向、Y方向、及びZ方向のそれぞれは、図中の矢印の方向が+方向であり、矢印の方向とは反対の方向が−方向であるものとして説明する。
<第1実施形態>
第1実施形態について、図1〜図5を用いて説明する。図1は、センサ素子100の一例を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線に沿った断面図である。図2は、センサ素子100の要部を示し、(a)は平面図、(b)は底面図である。図3は、センサ素子100の要部を示す断面図である。図4は、センサ素子100の要部を示す平面図である。図5は、センサ素子100を示し、図1(a)のB−B線に沿った断面図である。なお、図1(a)では、リッド40及び第1スペーサ50を透過して表している。また、図5では、金属膜及び断面をハッチングで表している。
センサ素子100は、外力を検出する測定装置などに用いられる素子である。図1に示すように、センサ素子100は、可動部10と収容部20とを有しており、可動部10が収容部20に収容された構成となっている。収容部20は、可動部10を可動可能に収容するキャビティー(収容空間)30を備えている。センサ素子100は、例えば、図1(b)に示すように、リッド40、第1スペーサ50、可動片60、第2スペーサ70、及びベース80を有し、−Y方向にこの順で積層された構造となっている。キャビティー30は、気密封止されてもよく、この場合、真空あるいは不活性ガス雰囲気としてもよい。
リッド40は、Y方向から見てX方向に長辺及びZ方向に短辺を有する略矩形、かつY方向を厚さ方向とする板状に形成されている。また、リッド40の+X側及び−X側の側面のそれぞれのZ方向の中央部分には、内側に向けて円弧状に切り欠いた同一形状の切欠き部(キャスタレーション)41が形成されている。リッド40の裏面(−Y側の面)には、キャビティー30を形成する中央部40cと、中央部40cを囲む領域に設けられた接合面40bとが形成されている。リッド40は、後述する第1スペーサ50の+Y側に配置されている。接合面40bは、例えば不図示の接合材を介して、第1スペーサ50の表面(+Y側の面)に接合されている。
リッド40を含めて、後述する第1スペーサ50、可動片60、第2スペーサ70、及びベース80には、水晶の単結晶から切り出された水晶材が用いられる。水晶は、比較的高い弾性係数を有するので、各部材の剛性が確保されている。また、可動片60としては、Zカットの水晶材が用いられる。Zカットの水晶材は、ATカットなどの他のカットの水晶材と比較して異方性の影響が少ないため、可動片60は、ウエットエッチングなどの手法により所望の形状及び寸法に形成される。なお、上記した各部材は、水晶材に限定されず、例えばシリコンや樹脂などであってもよい。また、可動片60としては、ATカットやBTカットなどのZカット以外のカットのものが採用されてもよい。
リッド40の表面(+Y側の面)40aには、外部電極43,44が形成されている。外部電極43,44は、例えば、図1(b)に示すように、X方向に並んで一対が形成されている。−X側の外部電極43は、例えば後述する圧電振動子90の励振電極93(図10参照)と電気的に接続される電極である。一方、+X側の外部電極44は、外部との電気的接続のないダミーの電極である。リッド40の切欠き部41の表面には、キャスタレーション電極45,46が形成されている。キャスタレーション電極45,46は、外部電極43,44と一体で形成されている。上記した外部電極43,44及びキャスタレーション電極45,46は、例えば後述する可動電極13と同一構成の金属膜である。
第1スペーサ50は、キャビティー30内において後述する可動部10の+Y方向への可動範囲を確保するために設けられている。第1スペーサ50は、Y方向に貫通する貫通部52を有している。貫通部52は、キャビティー30を形成する部分である。第1スペーサ50は、Y方向から見て、リッド40の接合面40bと重なるように形成されており、X方向に長辺、Z方向に短辺を有する略矩形の枠状に形成されている。また、第1スペーサ50の+X側及び−X側の側面のそれぞれのZ方向の中央部分には、内側に向けて円弧状に切り欠いた同一形状の切欠き部51が形成されている。第1スペーサ50の切欠き部51の表面には、キャスタレーション電極55,56が形成されている。切欠き部51とキャスタレーション電極55,56とは、それぞれリッド40の切欠き部41とキャスタレーション電極45,46とY方向に重なるように配置されている。
第1スペーサ50は、リッド40の−Y側かつ後述する可動片60の+Y側に配置されている。第1スペーサ50の表面(+Y側の面)50aは、例えば不図示の接合材を介して、リッド40の接合面40bと接合されている。これにより、リッド40のキャスタレーション電極45,46と第1スペーサ50のキャスタレーション電極55,56とが電気的に接続されている。また、第1スペーサ50の裏面(−Y側の面)50bは、例えば不図示の接合材を介して、後述する枠部11の表面(+Y側の面)11aと接合されている。これにより、−X側のキャスタレーション電極55と後述する引出電極14とが電気的に接続されている。このようなキャスタレーション電極55,56は、例えば後述する可動電極13と同一構成の金属膜である。
図2に示すように、可動片60は、可動部10と可動部10を囲んだ枠部11とを有している。可動部10は枠部11に支持されており、可動部10と枠部11との間には、支持部分を除いて、Y方向に貫通する貫通部12が形成されている。
可動部10は、Y方向から見てX方向を長辺かつZ方向を短辺とする矩形状であってY方向を厚さ方向とする略板状に形成されている。可動部10の厚さは、可動部10に外力が加わった際に、可動部分が撓んで弾性変形し、かつ所望の変形量が得られる厚さに設定される。可動部10の厚さは、枠部11の厚さよりも薄く形成されており、例えば30μm以下に設定される。なお、可動部10の厚さは、枠部11に比べて薄く形成されることに限定されず、枠部11と同一あるいは厚く形成されてもよい。可動部10の−X側の端部は、枠部11と一体となっている。また、可動部10の+X側の端部は、自由端となっている。このように可動部10は、枠部11に片持ち支持された状態となっている。そのため、可動部10は撓む方向(例えばY方向)に弾性変形が容易となっており、可動部10が弾性変形することにより、可動部10とベース80との間隔D(図1(b)及び図5参照)の変更が可能となっている。なお、可動部10は、上記した形状に限定されず、外力を受けた際に撓んで間隔Dが変更可能に形成されればよく、例えば円形状や棒状などであってもよい。また、可動部10は、ベース80との間隔Dの変更が可能な状態で配置されていればよく、枠部11に片持ち支持される構成に限定されない。
図2(a)に示すように、可動部10の表面(+Y側の面)10aには、可動電極13が形成されている。可動電極13は、可動部10の+X側の先端付近の矩形状の領域に形成されている。可動電極13は、図1(b)及び図5に示すように、後述するベース電極83と対向するように配置されており、例えばY方向から見てベース電極83と重なる領域に形成されている。
図3に示すように、可動電極13は、導電性の金属膜であり、可動部10の表面10aに、下地層13a、中間層13b、導電層13cの順で積層された3層構造となっている。これらの各層を構成する金属については、下地層13aにはクロム(Cr)、中間層13bにはニッケルタングステン(NiW)合金、導電層13cには金(Au)が採用される。この構成では、下地層13aは、可動部10と可動電極13との密着性を高める機能を有する。また、中間層13bは、導電層13cの金属の拡散を防止する拡散防止膜としての機能を有する。また、導電層13cは、可動電極13の導電性を確保する機能を有する。
なお、可動電極13を構成する導電性の金属膜は、上記した構成に限定されず、例えば、下地層13aに導電層13cが積層された2層構造としてもよく、導電層13cのみの1層構造あるいは4層以上の構成としてもよい。また、下地層13aあるいは中間層13bを構成する金属としては、クロムやニッケルタングステン合金に代えて、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、あるいはニッケルクロム(NiCr)や、ニッケルチタン(NiTi)などが採用されてもよい。また、導電層13cを構成する金属としては、金に代えて、銀(Ag)や銅(Cu)などが採用されてもよい。また、可動電極13は、金属膜の構成に限定されず、導電性材料がモールド形成された構成などであってもよい。上記した可動電極13に関する変形事項については、後述する引出電極14、ダミー電極15、及びダミー引出電極16についても同様に適用が可能である。
可動電極13は、真空蒸着やスパッタ蒸着などにより可動部10の表面10aに導電性の金属膜が成膜された後に、フォトリソグラフィー法及びエッチングにより所定領域に形成される。なお、可動電極13の形成は、上記手法に限定されず、例えばメタルマスクを介した真空蒸着あるいはスパッタ蒸着や、金属ペーストや導電性フィラーを用いてスクリーン印刷などの印刷手法により形成された下地となる層の表面にめっきを施して形成されてもよい。なお、後述する引出電極14、ダミー電極15、及びダミー引出電極16についても、上記した可動電極13の形成手法と同様の手法により形成される。
図2(a)に示すように、可動片60の表面(+Y側の面)60aには、引出電極14が形成されている。引出電極14は、可動電極13から−X方向に引き出されて可動片60の−X側の端部まで形成されている。引出電極14は、可動電極13から−X方向に延びる帯状の領域及び枠部11の−X側の端部に沿ってZ方向に延びる帯状の領域に形成されている。このような引出電極14は、可動電極13と同一構成の金属膜の構成であり、可動電極13と一体で形成されている。これにより、可動電極13は、引出電極14及び−X側のキャスタレーション電極45,55を介して、−X側の外部電極43と電気的に接続されている。
図2(b)に示すように、可動部10の裏面(−Y側の面)10bには、ダミー電極15が形成されている。ダミー電極15は、可動部10の先端側(+X側)の矩形の領域に形成され、可動部10を挟んで可動電極13と対称に形成されている。ダミー電極15は、可動電極13と同一の金属材料から形成されており、かつ可動電極13と同一の金属膜の構成となっている。また、ダミー電極15は、可動電極13と膜応力が同一となるように形成されている。ダミー電極15は、外部との電気的な接続はない。
また、可動片60の可動部10の裏面10bには、ダミー引出電極16が形成されている。ダミー引出電極16は、ダミー電極15から−X方向に引き出されて可動部10の−X側の端部まで形成されている。ダミー引出電極16は、ダミー電極15から−X方向に延びる帯状の領域に形成されている。このようなダミー引出電極16は、ダミー電極15と同一構成の金属膜であり、ダミー電極15と一体で形成されている。また、ダミー引出電極16は、引出電極14のうち可動部10に形成された部分の電極と、可動部10を挟んで対称に形成されている。また、ダミー引出電極16は、引出電極14と同一構成の導電性の金属膜の構成であり、引出電極14のうち可動部10に形成された部分の電極と膜応力が同一となるように形成されている。このようなダミー引出電極16は、ダミー電極15と同様に、外部との電気的な接続はない。
枠部11の裏面(−Y側の面)11bには、枠部ダミー電極17が形成されている。枠部ダミー電極17は、X方向に延びる帯状の領域に形成されている。枠部ダミー電極17は、例えば、図3に示すようにダミー引出電極16と同一構成の金属膜であり、ダミー引出電極16同時に形成される。枠部ダミー電極17は、ダミー引出電極16と同様に、外部との電気的接続はない。
なお、可動電極13、引出電極14、ダミー電極15、ダミー引出電極16、及び枠部ダミー電極17については、上記した構成に限定されない。例えば、これらの電極の一部または全部は、異なる材料から形成されてもよく、金属膜の構成が異なってもよい。また、これらの電極は、四角以外の多角形状、円形状、長円形状、又は楕円形状などの形状であってもよい。また、可動電極13とダミー電極15とは、可動部10を挟んで非対称に形成されてもよい。また、可動電極13は、引出電極14と一体ではなく別個に形成されてもよく、ダミー電極15は、ダミー引出電極16と一体ではなく別個に形成されてもよい。また、引出電極14、ダミー引出電極16、及び枠部ダミー電極17の一部または全部は設けられなくてもよい。なお、これらの電極の変形例の関する事項は、後述する第3実施形態の引出電極314及び枠部ダミー電極317についても同様に適用される。
また、ダミー電極15は、可動電極13と異なる金属材料から形成されもよく、可動電極13と異なる金属膜の構成としてもよい。この場合、ダミー電極15の構成としては、例えば、金に比べて安価かつ硬質なクロム膜の1層構造としてもよく、可動電極13と膜応力が同一となるようにクロム膜の構成を調整するようにしてもよい。また、ダミー電極15は、可動電極13と膜応力が異なって形成されてもよい。また、可動部10の表面10a及び裏面10bにおいて可動電極13及びダミー電極15が形成される位置についても、可動部10の先端部分に限定されず、ベース電極83に対向する任意の位置に形成可能である。
図1(b)に示すように、可動片60は、第1スペーサ50の−Y側かつ後述する第2スペーサ70の+Y側に配置されている。可動片60の枠部11の裏面11bは、例えば不図示の接合材を介して、第2スペーサ70の表面(+Y側の面)70aと接合されている。
第2スペーサ70は、キャビティー30内において可動部10の−Y方向への可動範囲を確保するために設けられている。第2スペーサ70は、Y方向に貫通する貫通部72を有している。貫通部72は、キャビティー30を形成する部分である。第2スペーサ70は、Y方向から見て、例えば後述するベース80の接合面40aと重なるように形成されており、X方向に長辺、Z方向に短辺を有する矩形の枠状に形成されている。
第2スペーサ70は、可動片60の枠部11の−Y側かつ後述するベース80の+Y側に配置されている。第2スペーサ70の裏面(−Y側の面)70bは、例えば不図示の接合材を介して、後述するベース80の接合面80dと接合されている。
図1(b)及び図4に示すように、ベース80は、Y方向から見てX方向に長辺及びZ方向を短辺とする矩形状かつY方向を厚さ方向とする板状に形成されている。ベース80の表面(+Y側の面)80aには、キャビティー30を形成する中央部80cと、中央部80cを囲む領域に設けられた接合面80dとが形成されている。ベース80は、第2スペーサ70の−Y側に配置されている。
ベース80は、表面(+Y側の面)80aと裏面(−Y側の面)80bとをY方向に貫通する貫通孔81を有している。貫通孔81は、例えばベース80の表面側から裏面側にかけて口径が徐々に大きくなる略円錐台形状を有し、貫通孔81の内部には後述する貫通電極82が形成されている。
ベース80の表面(+Y側の面)80aの中央部80cには、ベース電極83と引回電極84とが形成されている。ベース電極83は、可動電極13と対向する位置に設けられている。ベース電極83は、例えば、図1(b)及び図5に示すように可動電極13と同一の形状及び大きさに形成されている。引回電極84は、ベース電極83の+X側の端部の中央部分から+X方向に引き出され、貫通孔81を含む領域に形成されている。このようなベース電極83及び引回電極84は、例えば可動電極13と同一構成の金属膜であり一体で形成されている。
ベース80の裏面80bには、X方向に並んで配置された2つの矩形状の外部電極85,86が形成されている。+X側の外部電極86は、貫通孔81を含む領域に形成されている。この外部電極86は、基板等への実装の際に実装端子として用いられる。一方、−X側の外部電極85は、外部との電気的接続のないダミーの電極である。
貫通孔81には、貫通電極82が形成されている。この貫通電極82を介して、引回電極84と外部電極86とが電気的に接続される。これにより、ベース電極83と外部電極86とが、引回電極84及び貫通電極82を介して電気的に接続されている。貫通電極82は、例えば貫通孔81を銅(Cu)メッキ等により充填して形成される。
以上、第1実施形態について説明したが、センサ素子100は、上記した構成に限定されない。例えば、可動電極13は可動部10の表面10aに代えて裏面10bに形成されてもよい。この場合、ダミー電極15は、可動部10の裏面10bに代えて表面10aに形成される。また、第1及び第2スペーサ50,70の一方又は双方は、設けられなくてもよい。また、センサ素子100は、可動片60の+Y側及び−Y側の一方又は双方にスペーサ部材を複数有する構成としてもよい。また、リッド40及びベース80の一方又は双方には、キャビティー30を形成する凹部が設けられてもよい。また、可動電極13からベース80の裏面80bに電極を引き回して、可動電極13とベース80の−X側の外部電極85とが電気的に接続された構成としてもよい。また、ベース電極83と外部電極86との電気的な接続は、貫通電極82に代えてキャスタレーション電極を介する構成としてもよい。また、センサ素子100は、可動部10が収容部20に収容される構成に代えて、可動部10が外部に露出した構成としてもよく、収容部20を有さない構成としてもよい。また、可動部10は、圧電材料から形成され、表面10a及び裏面10bに可動部10を挟んで一対の励振電極が設けられてもよく、可動部10を所定の周波数で励振させるようにしてもよい。
上記したセンサ素子100に対して外力が作用すると、可動部10が撓み、主として可動部10の+X方向の先端部分がY方向に弾性変形し、可動部10とベース80との間隔D(図1(b)、図5参照)が変化する。これにより、可動電極13とベース電極83との間隔が変化するので、可動部10とベース電極83との静電容量が変化する。そのため、外力を静電容量の変化分として検出することができる。
以上説明したセンサ素子100によれば、所定の厚さに薄く形成された可動部10の表面10aに可動電極13及び引出電極14が成膜されることにより可動部10に対して表面10a側から膜応力が作用するが、ダミー電極15及びダミー引出電極16が可動部10の裏面10bに成膜されることにより、可動部10に対して裏面10b側からも膜応力が作用することとなるので、可動部10に対して作用する膜応力のバランスが確保される。そのため、可動電極13及び引出電極14の形成に起因する可動部10の塑性変形や、可動部10が撓んで先端部分が+Y側に弾性変形する場合と−Y側に弾性変形する場合とで撓み量が異なることが抑制されるので、外力を精度よく測定することができる。また、ダミー電極15及びダミー引出電極16は、可動電極13及び可動部10の表面10aに形成された引出電極14と、同一の金属膜の構成であり、かつ可動部10を挟んで対称に形成され、さらに膜応力が同一に設定されているので、可動部10に対して作用する膜応力のバランスをより一層確保することができる。さらに、可動部10は、収容部20の内部に収容され外部から保護されているので、可動部10の破損を防止するとともに可動部10の動作の信頼性を確保することができる。
次に、センサ素子100の製造方法の一例について図面を用いて説明する。
まず、リッド40を多面取りするリッドウェハLW、第1スペーサ50を多面取りする第1スペーサウェハSW1、可動片60を多面取りする可動ウェハKW、第2スペーサ70を多面取りする第2スペーサウェハSW2、及びベース80を多面取りするベースウェハBWがそれぞれ用意される。これらのウェハは、水晶の単結晶から所定のカットにより所定の厚さで切り出される。その後、各ウェハは、それぞれ研磨等により所望の厚さに調整され、表面が洗浄される。その後の加工の工程については、以下、ウェハごとに説明する。
まず、リッドウェハLWを加工する工程について、図6(a)を用いて説明する。図6(a)は、リッドウェハLWを示す平面図である。上記のとおり用意されたリッドウェハLWの表面(+Y側の面)LWa及び裏面(−Y側の面)には、貫通穴41aの領域が開口されたレジストパターン(不図示)が形成される。貫通穴41aは、リッド40の切欠き部41(図1(b)参照)を形成する。このようなレジストパターンは、リッドウェハLWの表面LWa及び裏面にレジストが塗布された後、マスクパターンを露光して現像するといったフォトリソグラフィ法により形成される。次いで、リッドウェハLWの表面LWa及び裏面はエッチングされる。このようなフォトリソグラフィ法及びエッチングの工程により、レジストパターンで被覆されていない部分がエッチングされ、図6(a)に示すようにリッドウェハLWをY方向に貫通する貫通穴41aが形成される。続いて、メタルマスクを用いたスパッタリングや真空蒸着等により導電性の金属膜が成膜されることにより、リッドウェハLWの表面LWaの所定の領域に外部電極43,44が形成されるとともに、貫通穴41aにキャスタレーション電極45,46が形成される。以上の工程により図6(a)に示すリッドウェハLWが用意される。
次に、第1スペーサウェハSW1を加工する工程について、図6(b)を用いて説明する。図6(b)は、第1スペーサウェハSW1を示す平面図である。用意された第1スペーサウェハSW1には、フォトリソグラフィ法及びエッチングの工程により、貫通穴51a及び貫通部52が同時に形成される。この貫通穴51aは、第1スペーサ50の切欠き部51を形成する。貫通穴51aの口径は、上記したリッドウェハLWの貫通穴41aと同一に設定される。次いで、メタルマスクを用いたスパッタリングや真空蒸着等により導電性の金属膜が成膜されることにより、貫通穴51aにキャスタレーション電極55,56が形成される。以上の工程により、図6(b)に示す第1スペーサウェハSW1が用意される。
また、可動ウェハKWを加工する工程について、図7(c)及び図9を用いて説明する。図7(c)は可動ウェハKWを示す平面図である。図9は、可動ウェハKWの製造工程の一例を示す図である。図9は、可動ウェハKWに形成される可動部10の一つについて、時系列に並べて示しており、図9(a)〜(d)の各図は、図1(a)のA−A線に沿った断面に相当する図である。
まず、図9(a)に示すように、用意された可動ウェハKWの表面(+Y側の面)KWa及び裏面(−Y側の面)KWbには、フォトリソグラフィ法及びエッチングの工程によりレジストパターンR1が形成される。レジストパターンR1は、可動ウェハKWの表面KWaの貫通部52が形成される領域S1並びに裏面KWbの貫通部52及び可動部10が形成される領域S2が開口されている。なお、レジストパターンR1と可動ウェハKWとの間に、金属膜によるマスクパターンが形成されてもよい。
次いで、可動ウェハKWがエッチングされる。これにより、図9(b)に示すように、レジストパターンR1で被覆されていない部分がエッチングされることにより、可動部10及び貫通部12が形成される。その際、外力により可動部10が撓んだ場合に所望の変形量が得られるように、可動部10の厚さが適宜調整される。その後、レジストパターンR1を構成するレジスト膜が除去される。
続いて、図9(c)に示すように、可動ウェハKWの表面KWa及び裏面KWbに、スパッタリングあるいは真空蒸着により電極膜Mが形成される。この電極膜Mの膜構成は、可動片60の可動電極13、引出電極14、ダミー電極15、ダミー引出電極16、及び枠部ダミー電極17の金属膜の膜構成と同一に設定される。さらに、電極膜Mの表面に、フォトリソグラフィ法及びエッチングの工程により、可動電極13、引出電極14、ダミー電極15、ダミー引出電極16、及び枠部ダミー電極17の形成領域が被覆されたレジストパターンR2が形成される。その後、可動ウェハKWの表面KWa及び裏面KWbは、レジストパターンR2を介して所定のエッチャントによりエッチングされる。これにより、図9(d)に示すように、レジストパターンR2で被覆されていない部分の電極膜Mがエッチングされ、電極形成部分の電極膜Mが残存する。最後に、レジストパターンR2を構成するレジスト膜が除去される。このような工程により、可動電極13が形成され(可動電極形成工程)、同時に、ダミー電極15が形成される(ダミー電極形成工程)。また、引出電極14、ダミー引出電極16、及び枠部ダミー電極17についても、可動電極13及びダミー電極15と同時に形成される。
なお、可動電極形成工程及びダミー電極形成工程は、上記した手法により行われることに限定されず、リフトオフ法や、メタルマスクを用いたスパッタリングや真空蒸着、またはメッキ等により行われてもよい。これらの手法が採用された場合であっても、ダミー引出電極16は、枠部ダミー電極17と同時に成膜されて形成されることにより、可動部10の裏面10bの−X側の端部まで確実に形成される。
以上の工程により図7(c)に示す可動ウェハKWが用意される。
また、第2スペーサウェハSW2を加工する工程について、図7(d)を用いて説明する。図7(d)は、第2スペーサウェハSW2を示す平面図である。用意された第2スペーサウェハSW2には、フォトリソグラフィ法及びエッチングの工程により、貫通部72が形成される。これにより、図7(d)に示す第2スペーサウェハSW2が用意される。
また、ベースウェハBWを加工する工程について、図8(e)を用いて説明する。図8(e)は、ベースウェハBWを示す平面図である。まず、用意されたベースウェハBWには、上記したフォトリソグラフィ法及びエッチングの工程により、貫通孔81が形成される。次いで、貫通孔81を銅(Cu)メッキ等により充填して貫通電極82が形成される(図1(b)参照)。続いて、ベースウェハBWの表面(+Y側の面)BWa及び裏面(−Y側の面)の所定の領域に、メタルマスクを用いたスパッタリングや真空蒸着等により導電性の金属膜が成膜される。これにより、ベースウェハBWの表面BWaにはベース電極83及び引回電極84が形成され、ベースウェハBWの裏面には外部電極85,86が形成される(図1(b)参照)。以上の工程により、図8(e)に示すリッドウェハLWが用意される。
続いて、上記のように加工された各ウェハLW,SW2,KW,SW2,BWは、それぞれ位置決めされた状態で、接合材を介して、+Y方向にベースウェハBW、第2スペーサウェハSW2、可動ウェハKW、第1スペーサウェハSW1、リッドウェハLWの順で重ねた構成で接合される。このような各ウェハの接合により、可動部10がキャビティー30に収容される。続いて、接合されたウェハに対して、予め設定されたスクライブラインSLに沿ってダイシングソーにより切断加工される。これにより、個々のセンサ素子100に切り分けられ、センサ素子100が完成する。
以上説明したセンサ素子100の製造方法によれば、ダミー電極15、ダミー引出電極16、及び枠部ダミー電極17は、可動電極13及び引出電極14と同時に形成されるので、ダミー電極15、ダミー引出電極16、及び枠部ダミー電極17の形成に伴う工数の増加を回避し、センサ素子100を容易に製造することができる。また、ダミー電極15とダミー引出電極16とは、それぞれ可動電極13と引出電極14の一部と、可動部10を挟んで対称に形成されるが、これらの電極の形成をフォトリソグラフィ法及びエッチングの手法を用いて行うことにより、可動部10を挟んだダミー電極15等と可動電極13等との対称形状を容易かつ確実に形成することができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について、図10を用いて説明する。以下の説明において、第1実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。図10は、物理センサ1の一例を示す概略構成図である。物理センサ1は、外力を測定するセンサである。物理センサ1は、例えば、図10に示すように、センサ素子100と、圧電振動子90と、発振回路2と、周波数検出部3とを有している。
圧電振動子90は、例えば水晶振動子であり、水晶振動片91と、励振電極92,93と、基台94と、容器95とを有している。水晶振動片91は、水晶から形成された板状部材であり、容器95の内部において片持ち支持されている。励振電極92,93は、水晶振動片91を挟んで一対が設けられており、表面あるいは裏面の所定の領域に形成されている。励振電極92は、発振回路2と電気的に接続されている。また、励振電極93は、センサ素子100の外部電極43と電気的に接続されている。励振電極92,93は、例えば導電性の金属膜である。容器95は、水晶振動片91を収容して気密封止している。基台94は、容器95の内部に設けられ、表面に水晶振動片91の端部が接合されており、水晶振動片91を片持ち支持している。容器95は、例えば後述する収容部320と同様の構成である(図12参照)。
発振回路2は、圧電振動子90を所定の周波数で発振させる回路である。発振回路2を介して励振電極92,93に所定の電圧が印加されることにより、水晶振動片91は所定の周波数で継続的に発振する。周波数検出部3は、発振回路2を介して、可動電極13又はベース電極83から出力された周波数を検出する機能を有している。周波数検出部3は、例えばパーソナルコンピュータから形成される不図示のデータ処理部に接続されている。
続いて、物理センサ1を用いた外力測定の原理について、図11を用いて説明する。図11は、物理センサ1の回路構成を示すブロック図である。図11において、L1は水晶振動子40の質量に対する直列インダクタンス、C1は直列容量、R1は直列抵抗、C0は実行並列容量、CLは発振回路2の負荷容量、Cvは可動電極13とベース電極83とにより形成される可変容量である。
国際規格IEC 60122−1によれば、水晶発振回路の一般式は、次の(1)式のように表される。
FL=Fr×(1+x)
x=(C1/2)×1/(C0+CL) ・・・(1)
ここで、FLは水晶振動子に負荷が加わったときの発振周波数であり、Frは水晶振動子そのものの共振周波数である。
物理センサ1の負荷容量は、CLにCvが加わったものであるから、(1)式のCLに代えて下記(2)式で表されるyが代入される。
y=1/(1/Cv+1/CL)・・・(2)
従って、CvがCv1のときの発振周波数をFL1、CvがCv2のときの発振周波数をFL2とすると、(3)、(4)式が成り立つ。
FL1=Fr×[1+{(C1/2)×1/(C0+y1)}] ・・・(3)
ただし、y1=1/(1/Cv1+1/CL)である。
FL2=Fr×[1+{(C1/2)×1/(C0+y2)}] ・・・(4)
ただし、y2=1/(1/Cv2+1/CL)である。
物理センサ1に外力が作用すると、可動部10が撓み、主として先端部分がY方向に弾性変形し、容量Cvとともに周波数が変化する。ここで、FL1を可動部10が撓んでいない状態で検出された周波数値とし、FL2を可動部10に外力が作用して可動部10が撓んだ状態で検出された周波数値とすると、FL1及びFL2は、それぞれ上記(3)及び(4)式で表される値となり、周波数の変化分ΔFLは、FL1−FL2となる。そこで、変化した周波数値と外力との関係を調べておくことにより、周波数の変化分ΔFLから外力を求めることができる。
続いて、物理センサ1の動作の一例について説明する。
水晶振動子90は発振回路2を用いて所定の周波数で継続的に発振する。この周波数は、例えば30MHzに設定される。物理センサ1に外力が加わると、可動部10の先端部分は、撓んだ状態となる。その際の可動電極13又はベース電極83から出力された周波数値が周波数検出部3において検出される。この検出された周波数情報は、不図示のデータ処理部に送信され、データ処理部において、可動部10が撓む前後のそれぞれにおいて取得された周波数値から周波数の変化値が算出され、この周波数の変化値と外力との関係から外力が算出される。このようにして、物理センサ1に加わった外力が測定される。
以上説明した物理センサ1の構成によれば、周波数の変化を可動電極13とベース電極83との間の静電容量の変化を周波数の変化として検出し、これにより外力を測定することができる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について、図12を用いて説明する。以下の説明において、第1実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。図12は、センサ素子300の一例を示す断面図である。センサ素子300は、図12に示すように、可動部10と、可動部10を可動可能に収容するキャビティー30を備えた収容部20とを有し、可動部10が収容部320に収容された構成となっている。
可動部10の−X側には支持部330が設けられている。支持部330は、可動部10と一体で形成され、可動部10の−X側の端部に接続された構成となっている。支持部330のZ方向の幅は、可動部10のZ方向の幅と同一に設定されている。また、支持部330の厚さ(Y方向の長さ)は、可動部10よりも厚く形成されている。支持部330は、後述するベース380の台部380eに例えば不図示の接合材を介して搭載されている。これにより、可動部10は、支持部330を介してベース380に片持ちの状態で支持される。可動部10は、外力を受けて撓むことにより可動部10の+X側の先端部分がY方向に可動可能となっており、可動部10とベース80との間隔Dが変更可能となっている。可動電極13は、ベース電極83に対向して配置されている。
可動部10の表面(+Y側の面)10a及び支持部330の表面(+Y側の面)330aには、引出電極314が形成されている。引出電極314は、上記した第1実施形態に係る引出電極14と同様の構成であり、可動電極13から−X方向に引き出され、支持部330の表面330aの−X側の端部まで引き出されている。また、支持部330の裏面(−Y側の面)330bには、上記した第1実施形態に係る枠部ダミー電極17と同様の構成の枠部ダミー電極317が形成されている。
収容部320は、カバー340と、ベース380と、シールリング390とを有している。カバー340は、例えばY方向から見て矩形状かつY方向を厚さ方向とする板状に形成されている。カバー340としては、例えばニッケル(Ni)、42アロイ(Fe−Ni)、コバール(Fe−Ni−Co)、鉄(Fe)、銅(Cu)などの金属材料が用いられるが、金属材料に代えて、セラミック、ガラス、シリコン、樹脂等が用いられてもよい。カバー340の裏面(−Y側の面)には、キャビティー30を形成する中央部340cと、中央部340cを囲む領域に形成された接合面340bとが形成されている。接合面340bは、後述するベース380の接合面380aと対向して配置され、シールリング390を介して接合面380aと接合されている。
ベース380は、例えばY方向から見て矩形状に形成されている。ベース380の表面(+Y側の面)には、凹部380cと、凹部380cを囲む接合面380aとが形成されている。凹部380cは、キャビティー30の形成に用いられる。接合面380aは、シールリング390を介してカバー340と接合される部分である。ベース380には、例えば安価かつ形成容易なセラミックが用いられるが、セラミックに代えて、ガラス、シリコン、樹脂、金属等が用いられてもよい。ベース380は、凹部380cの底面380dから+Y方向に突出する台部380eを有している。台部380eは、可動部10とベース380との間隔Dを確保しかつ調節するために設けられている。なお、ベース380に台部380eを設けるか否かは任意であり、支持部330は凹部380cの底面380dに接合されてもよい。
ベース380は、凹部380cの底面380dとベース380の裏面(−Y側の面)380bとをY方向に貫通する2つの貫通孔81,381を有している。−X側の貫通孔381は、底面380dから裏面380bにかけて口径が徐々に大きくなる略円錐台形状を有し、貫通孔381の内部には貫通電極382が形成されている。
ベース380の凹部380cの底面380dには、接続パッド387、ベース電極83、及び引回電極84が形成されている。接続パッド387は、例えばベース電極83と同一の構成の金属膜である。接続パッド387は、−X側の貫通孔381を含む領域に形成されており、貫通電極382と電気的に接続されている。接続パッド387は、ボンディングワイヤ391を介して支持部330の表面(+Y側の面)330aに形成された引出電極314と電気的に接続されている。なお、接続パッド387と引出電極314との電気的な接続は、ワイヤボンディングに代えて電極を引き回して行ってもよい。
ベース380の裏面380bの−X側の領域には外部電極385が形成されている。この外部電極385は、例えば+X側の外部電極86と同一の構成の金属膜である。−X側の外部電極385は、−X側の貫通孔381を含む領域に形成されており、貫通電極382と電気的に接続されている。これにより、可動電極13は、引出電極314、ボンディングワイヤ391、接続パッド387、及び貫通電極382を介して、外部電極385と電気的に接続されている。外部電極385は、外部電極86とともに基板等への実装の際に実装端子として用いられる。
シールリング390は、環状に形成されており、ベース380及びカバー340の接合面340b,380aに接合される。これにより、収容部320の内部にキャビティー30が形成される。
上記したセンサ素子300は、例えば以下の工程により製造される。まず、表面の所定の領域に各電極が形成された可動部10及び支持部330、並びに収容部320が用意される。次いで、ベース380と、可動部10及び支持部330とが相対的に位置合わせされた状態で、ベース380の台部380eに支持部330が接合される。さらに、シールリング390を介して、ベース380にカバー340が接合される。これにより、センサ素子300が完成する。可動部10及び支持部330は、上記した第1実施形態に係る可動片60の加工工程と同様に、フォトリソグラフィ法及びエッチングの手法により、形状の成形及び電極膜の形成がされてもよい。
以上、本発明のセンサ素子及び物理センサ並びにセンサ素子の製造方法について説明したが、本発明は、上記した説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態の構成の一部は省略されてもよい。また、上記した実施形態の構成の一部と他の実施形態の構成の一部とを、置き換えてもよく組み合わせてもよい。
D…間隔
1…物理センサ
2…発振回路
10…可動部
10a…表面
10b…裏面
13…可動電極
13a…下地層
13c…導電層
15…ダミー電極
20,320…収容部
80,380…ベース
83…ベース電極
90…圧電振動子
100,300…センサ素子

Claims (8)

  1. ベースに対する間隔を変更可能な状態で前記ベースに配置される可動部と、
    前記ベースに形成されるベース電極と、
    前記可動部の表面及び裏面の一方に形成されかつ前記ベース電極と対向する可動電極と、
    前記可動部の表面及び裏面の他方に形成されるダミー電極と、を備えるセンサ素子。
  2. 前記ダミー電極は、前記可動電極と膜応力が同一である請求項1記載のセンサ素子。
  3. 前記ダミー電極は、前記可動部を挟んで前記可動電極と対称に形成される請求項1または請求項2記載のセンサ素子。
  4. 前記ダミー電極は、前記可動電極と同一の金属材料が用いられる請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のセンサ素子。
  5. 前記可動電極及び前記ダミー電極は、前記可動部に形成される下地層と、前記下地層に積層される導電層と、を有する請求項4記載のセンサ素子。
  6. 前記可動部を内部に収容する収容部を備える請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のセンサ素子。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のセンサ素子と、
    前記センサ素子の前記可動電極に電気的に接続される圧電振動子と、
    前記圧電振動子を所定の周波数で振動させる発振回路と、を備える物理センサ。
  8. ベースに対する間隔を変更可能な状態で前記ベースに配置される可動部と、前記ベースに形成されるベース電極と、前記可動部の表面及び裏面の一方に形成されかつ前記ベース電極と対向する可動電極と、前記可動部の表面及び裏面の他方に形成されるダミー電極と、を備えるセンサ素子の製造方法であって、
    前記可動部に前記可動電極を形成する可動電極形成工程と、
    前記可動部に前記ダミー電極を形成するダミー電極形成工程と、を有し、
    前記可動電極形成工程及び前記ダミー電極形成工程は、同時に行われるセンサ素子の製造方法。
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