JP2016222891A - 低温解離型ブロックポリイソシアネート組成物及びこれを含有する塗料組成物 - Google Patents

低温解離型ブロックポリイソシアネート組成物及びこれを含有する塗料組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】低温でブロック剤が解離し、且つ、解離後の硬化・反応性が良好なブロックポリイソシアネート組成物及びこれを含有する塗料組成物の提供。【解決手段】3級アミノアルコール(a)と、ポリイソシアネート(b)と、ブロック剤(c)とを反応させて得られるブロックポリイソシアネートと、解離触媒として4級アンモニウム塩(d)を含有する低温解離型ブロックポリイソシアネート組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、低温でブロック剤が解離するブロックポリイソシアネート組成物及びこれを含有する塗料組成物に関する。
ブロックポリイソシアネートは、イソシアネート基末端前駆体の遊離イソシアネートをイソシアネート基と反応しうる活性水素基を有するブロック剤と反応させることにより封止し、イソシアネート活性を常温では不活性としたものであり、これを加熱するとブロック剤が解離してイソシアネート基が再生されるという性質を持つ。
ブロックポリイソシアネートは自動車や航空機、建築材料や家電製品に用いられるプレコートメタルなど、焼付け塗料に広く使用されている。ブロックポリイソシアネートに用いられている汎用的なブロック剤としては、アルコール系、フェノール系、ラクタム系、オキシム系などが知られている。ブロックポリイソシアネートの解離温度は、ポリイソシアネートの種類、ブロック剤の種類、反応相手の種類、触媒の種類・量などによって変わるが、一般的には120〜250℃程度である。
近年では、焼付け塗装時におけるコスト削減や二酸化炭素排出量削減を目的に、また、プラスチック部材への塗装が可能となるよう、従来よりも低温でブロック剤が解離し、且つ、短時間で硬化するブロックポリイソシアネートが求められている。これら問題点を改善する手法としては、ブロック剤として、活性メチレン系を用いるもの(特許文献1参照)、ピラゾール系を用いるもの(特許文献2参照)、などが提案されている。また、低温でブロック剤が解離し、短時間で硬化する触媒として、特定の4級アンモニウム塩を用いるものが提案されている(特許文献3参照)。
しかしながら、特許文献1にある活性メチレン系ブロック剤は低温で結晶化し、その改善策として、アセト酢酸エステルとの併用で低温での貯蔵安定性向上を謳っているが、汎用的なブロック剤であるメチルエチルケトオキシムの貯蔵安定性には及んでいない。そして、水分混入で加水分解するなど難がある。特許文献2にあるピラゾール系ブロック剤は130℃程度の焼付け温度が必要であり、プラスチック部材へ塗装するには更なる解離温度の低下が必要である。また、特許文献3にある4級アンモニウム塩触媒では、解離温度の低下は10〜20℃程度で不十分である。
特開平8−170048号公報 特表2003−532769号公報 特開平8−225630号公報
本発明は以上のような事情に基いてなされたものであり、その目的は、低温でブロック剤が解離し、且つ、解離後の硬化・反応性が良好なブロックポリイソシアネート組成物及びこれを含有する塗料組成物を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、解離開始温度が高いブロック剤を用いた場合でも、前記ブロック剤で遊離イソシアネート基を封止する前に、ブロックポリイソシアネートの原料であるポリイソシアネートを特定のアミン成分で変性し、さらにブロック剤解離触媒に特定の4級アンモニウム塩成分を用いることで得られたブロックポリイソシアネート組成物、及び、これを含有する塗料組成物が、前記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の[1]〜[7]に示されるものである。
[1]下記一般式(1)で示される3級アミノアルコール(a)と、ポリイソシアネート(b)と、ブロック剤(c)とを反応させて得られるブロックポリイソシアネートと、解離触媒として4級アンモニウム塩(d)を含有することを特徴とする低温解離型ブロックポリイソシアネート組成物。
Figure 2016222891
[式中、R,Rは炭素数1〜8の脂肪族炭化水素であり、同一でも異なってもよい。Rは水酸基を末端に持つ炭素数2〜8の脂肪族炭化水素で、エーテル結合を含有してもよい]
[2]ポリイソシアネート(b)が、脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記[1]に記載の低温解離型ブロックポリイソシアネート組成物。
[3]ブロック剤(c)が,アルコール系、フェノール系、ラクタム系、オキシム系からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記[1]又は[2]のいずれかに記載の低温解離型ブロックポリイソシアネート組成物。
[4]4級アンモニウム塩(d)が、トリメチルモノ−n−オクチルアンモニウム炭酸水素塩、トリメチルモノ−n−オクチルアンモニウムモノメチル炭酸塩、及びトリメチルモノ−n−オクチルアンモニウム炭酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の4級アンモニウム塩であることを特徴とする前記[1]乃至[3]のいずれかに記載の低温解離型ブロックポリイソシアネート組成物。
[5]ポリイソシアネート(b)が、ヘキサメチレンジイソシアネートから誘導されたイソシアヌレート変性ポリイソシアネートであることを特徴とする前記[1]乃至[4]のいずれかに記載の低温解離型ブロックポリイソシアネート組成物。
[6]ブロック剤(c)が、メチルエチルケトオキシムであることを特徴とする前記[1]乃至[5]のいずれかに記載の低温解離型ブロックポリイソシアネート組成物。
[7]前記[1]乃至[6]のいずれかに記載の低温解離型ブロックポリイソシアネート組成物を含有する塗料。
本発明により、解離温度が高い汎用的なブロック剤を用いたブロックポリイソシアネートでも、低温でブロック剤が解離し、且つ、解離後の硬化・反応性が良好なブロックポリイソシアネート組成物及びこれを含有する塗料組成物を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の低温解離型ブロックポリイソシアネート及びこれを含有する塗料組成物は、前記一般式(1)で示される3級アミノアルコール(a)と、ポリイソシアネート(b)と、ブロック剤(c)とを反応させて得られるブロックポリイソシアネートと、解離触媒として4級アンモニウム塩(d)を含有することを特徴とする。
本発明で用いる3級アミノアルコール(a)としては、前記一般式(1)中のR、Rの炭素数が1〜8、好ましくは1〜4の脂肪族炭化水素であり、同一でも異なっても良く、さらにRは、水酸基を末端に持つ炭素数が2〜8、好ましくは2〜6の脂肪族炭化水素で、エーテル結合を含有してもよいものである。具体的には、例えば2−(ジメチルアミノ)エタノール、2−(ジエチルアミノ)エタノール、2−(ジプロピルアミノ)エタノール、2−(ジイソプロピルアミノ)エタノール、2−(ジブチルアミノ)エタノール、2−(ジイソブチルアミノ)エタノール、2−(ジペンチルアミノ)エタノール、2−(ジヘキシルアミノ)エタノール、2−(ジオクチルアミノ)エタノール、6−(ジメチルアミノ)−1−ヘキサノール、8−(ジメチルアミノ)−1−オクタノール、2−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]エタノール、2−[2−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]エトキシ]エタノール等が挙げられる。これらの中でも6−(ジメチルアミノ)−1−ヘキサノールが好ましい。
本発明で用いるポリイソシアネート(b)としては、脂肪族系ポリイソシアネート、脂環族系ポリイソシアネート、及びそれらを組み合わせたポリイソシアネートが好ましく使用できる。さらに好ましくはヘキサメチレンジイソシアネートから誘導されたイソシアヌレート変性ポリイソシアネートが使用できる。また、性能を損なわない範囲で、芳香族系ポリイソシアネート、芳香脂肪族系ポリイソシアネートを併用することもできる。
脂肪族系ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、2−メチル−ペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチル−ペンタン−1,5−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリオキシエチレンジイソシアネート等を挙げることができる。
脂環族系ポリイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシレンジイソシアネート等を挙げることができる。
芳香族系ポリイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジフェニルプロパン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシジフェニル−4,4’−ジイソシアネート等を挙げることができる。
芳香脂肪族系ポリイソシアネートとしては、1,3−又は1,4−キシレンジイソシアネート、1,3−又は1,4−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼン、ω,ω’−ジイソシアナト−1,4−ジエチルベンゼン等を挙げることができる。
また、これらのポリイソシアネートのアロファネート変性体、ウレア変性体、ビウレット変性体、ウレトジオン変性体、イソシアヌレート変性体を併用してもよい。
本発明で用いるブロック剤(c)としては、メタノール、エタノール、n−ブタノール、イソブタノール、2−エチルヘキサノール、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール、ベンジルアルコール等のアルコール系、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、ブチルフェノール、2−ヒドロキシピリジン等のフェノール系、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム等のラクタム系、ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトンオキシム、メチルエチルケトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム系が挙げられる。これらの中でも入手のしやすさ及び作業性の観点から、メチルエチルケトオキシムが好ましい。
本発明におけるブロックポリイソシアネートは、例えば、前記した(a)〜(c)成分を有機溶媒に投入し、反応させることにより製造できる。ここで、反応温度は20〜200℃の通常のウレタン化反応・ブロック化反応条件に従って行う。
反応は、まず、3級アミノアルコールとポリイソシアネートによるウレタン化を行う。3級アミノアルコールの仕込量は、ポリイソシアネートに対して1〜10重量%であり、好ましくは1〜5重量%である。このウレタン化反応は、無触媒でも反応が進行するが、公知のウレタン化反応触媒を使用し、反応を促進させることもできる。ウレタン化反応の時間は、触媒の有無・添加量、溶剤の種類、固形分濃度、および温度により異なるが、通常1〜10時間である。ウレタン化反応時は、イソシアネート基に対して不活性な有機溶剤にて、任意の固形分に希釈してもよい。有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族系、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのグリコールエーテル系が挙げられる。これらの溶剤は、単独、又は2種以上を組合わせて用いることができる。
次に、上記反応にて得られたイソシアネート基末端前駆体と、ブロック剤によるブロック化反応を行う。ブロック剤の仕込量は、遊離イソシアネート基に対して1.0〜2.0倍モル量であり、好ましくは1.0〜1.5倍モル量である。ブロック剤の添加時に発熱が大きい場合は、数回に分けて添加するか、滴下添加して急激な発熱を抑制する。
本発明に用いる4級アンモニウム塩(d)としては、トリメチルモノ−n−オクチルアンモニウム炭酸水素塩、トリメチルモノ−n−オクチルアンモニウムモノメチル炭酸塩、及びトリメチルモノ−n−オクチルアンモニウム炭酸塩等が挙げられる。これらの中でもトリメチルモノ−n−オクチルアンモニウムモノメチル炭酸塩が好ましい。この4級アンモニウム塩は、必要に応じて、溶媒を含有することができる。溶媒としては、炭化水素系、アルコール系、グリコール系、グリコールエーテル系、エーテル系、酢酸エステル系、ケトン系等が挙げられる。これらの溶媒は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明に用いる4級アンモニウム塩の添加量は、ブロックイソシアネートに対して固形分として0.3〜3重量%であり、好ましくは固形分として0.6〜2重量%である。解離触媒添加量が多すぎる場合は、長期保存においてブロック剤が解離する恐れがあるため、塗料の貯蔵安定性が悪くなることがある。少なすぎる場合は、ブロック剤の解離効果が得にくくなる恐れがある。
更に必要に応じて、顔料、分散安定剤、粘度調整剤、レベリング剤、ゲル化防止剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐熱性向上剤、無機及び有機充填剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、補強材等を添加することができる。
本発明における塗料組成物は、前述のブロックポリイソシアネートを用いたものである。なお、塗料の主剤に用いられる樹脂は、活性水素基を有しているものが好ましく、具体的には、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、飽和又は不飽和ポリエステル樹脂、飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸で変性したアルキド樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、セルロース樹脂等が挙げられる。更には、光沢、肉持感、硬度、耐久性、柔軟性、乾燥性等の塗膜性能やコストを考慮すると、飽和又は不飽和ポリエステル樹脂、飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸で変性したアルキド樹脂、アクリル樹脂が好ましい。
本発明の塗料組成物におけるブロックイソシアネートと主剤の配合比率は、ブロックイソシアネートの有効イソシアネート基/主剤中の活性水素基=1/9〜9/1(モル比)であり、好ましくは2/8〜8/2(モル比)である。この範囲を外れる場合は、塗膜が硬化し難くなる。なお、ブロックイソシアネートの有効イソシアネート基とは、ブロック剤でブロックされたイソシアネート基であり、ブロック剤が解離することにより活性水素基と反応し得る有効なイソシアネート基となる。
本発明で得られた塗料組成物の塗装方法は、特に限定されるものではなく、公知の手法から適宜選択すればよい。また、塗布量、塗膜の厚み等は、被塗装面の材質等に応じて適宜なものとすればよい。塗膜の硬化条件は、ブロック剤、主剤の種類等にもよるが、例えばメチルエチルケトオキシムを用いたブロックポリイソシアネートであれば80〜100℃、30分で十分硬化する。
本発明のブロックポリイソシアネートは、解離開始温度が高いブロック剤を用いた場合でも、ブロックポリイソシアネートの原料であるポリイソシアネートを特定のアミン成分で変性し、ブロック剤解離触媒に特定の4級アンモニウム塩成分を用いることで、ブロック剤解離温度を従来より下げることができ、且つ、解離後の硬化・反応時間を短縮することが可能となった。このブロックポリイソシアネートを用いた塗料は、硬化条件がマイルドであるため、加熱硬化時のエネルギーが少なく、環境やコスト的に有利なものとなった。また、耐熱温度の低いプラスチック部材への塗装も可能となった。
以下、本発明の実施例及び比較例について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
製造例1 〔ブロックポリイソシアネートの製造1〕
撹拌機、温度計、加熱装置、窒素シール管、冷却管を組んだ4ツ口フラスコに、コロネートHXR(東ソー社製、ヘキサメチレンジイソシアネート三量体、NCO含有量21.8重量%)を510g、カオーライザーNo.25(花王社製、6−(ジメチルアミノ)−1−ヘキサノール)を27g仕込み、フラスコ内を窒素置換して、撹拌しながら反応温度80℃に加温し、同温度で2時間反応させる。得られたイソシアネート基末端前駆体に、酢酸ブチルを250g仕込んで30分間撹拌した後、メチルエチルケトオキシム(宇部興産社製)を213g仕込む。その際、発熱が大きいため3回に分割して仕込み、80℃を超えないようにする。初期の発熱が収まった後、70℃で2時間反応させ、赤外吸収スペクトル(IR測定)にて、NCO基のピーク(2270cm−1付近)が消失したところで室温まで冷却し、トリメチルモノ−n−オクチルアンモニウムモノメチル炭酸塩溶液(東ソー社製、固形分濃度50重量%)を21.3g添加して30分間撹拌し、ブロックポリイソシアネートBI−1を得た。
製造例2 〔ブロックポリイソシアネートの製造2〕
製造例1と同様の製造装置に、コロネートHXRを518g、アミノアルコール2Mabs(日本乳化剤社製、2−(ジメチルアミノ)エタノール)を27g仕込み、フラスコ内を窒素置換して、撹拌しながら反応温度80℃に加温し、同温度で2時間反応させる。得られたイソシアネート基末端前駆体に、酢酸ブチルを250g仕込んで30分間撹拌した後、メチルエチルケトオキシムを205g仕込む。その際、発熱が大きいため3回に分割して仕込み、80℃を超えないようにする。初期の発熱が収まった後、70℃で2時間反応させ、赤外吸収スペクトルにて、NCO基のピークが消失したところで室温まで冷却し、トリメチルモノ−n−オクチルアンモニウムモノメチル炭酸塩溶液を21.3g添加して30分間撹拌し、ブロックポリイソシアネートBI−2を得た。
製造例3 〔ブロックポリイソシアネートの製造3〕
製造例1と同様の製造装置に、コロネートHXRを507g、アミノアルコール2B(日本乳化剤社製、2−(ジブチルアミノ)エタノール)を27g仕込み、フラスコ内を窒素置換して、撹拌しながら反応温度80℃に加温し、同温度で2時間反応させる。得られたイソシアネート基末端前駆体に、酢酸ブチルを250g仕込んで30分間撹拌した後、メチルエチルケトオキシムを216g仕込む。その際、発熱が大きいため3回に分割して仕込み、80℃を超えないようにする。初期の発熱が収まった後、70℃で2時間反応させ、赤外吸収スペクトルにて、NCO基のピークが消失したところで室温まで冷却し、トリメチルモノ−n−オクチルアンモニウムモノメチル炭酸塩溶液を21.3g添加して30分間撹拌し、ブロックポリイソシアネートBI−3を得た。
製造例4 〔ブロックポリイソシアネートの製造4〕
製造例1と同様の製造装置に、コロネートHXRを518g、酢酸ブチルを250g仕込んで30分間撹拌した後、メチルエチルケトオキシムを232g仕込む。その際、発熱が大きいため3回に分割して仕込み、80℃を超えないようにする。初期の発熱が収まった後、70℃で2時間反応させ、赤外吸収スペクトルにて、NCO基が消失したところで室温まで冷却し、ブロックポリイソシアネートBI−4を得た。
製造例5 〔ブロックポリイソシアネートの製造5〕
製造例4で得られたブロックポリイソシアネートBI−4を1000gに、トリメチルモノ−n−オクチルアンモニウムモノメチル炭酸塩溶液を21.3g添加して30分間撹拌し、ブロックポリイソシアネートBI−5を得た。
製造例6 〔ブロックポリイソシアネートの製造6〕
製造例1と同様の製造装置に、コロネートHXRを510g、カオーライザーNo.25を27g仕込み、フラスコ内を窒素置換して、撹拌しながら反応温度80℃に加温し、同温度で2時間反応させる。得られたイソシアネート基末端前駆体に、酢酸ブチルを250g仕込んで30分間撹拌した後、メチルエチルケトオキシムを213g仕込む。その際、発熱が大きいため3回に分割して仕込み、80℃を超えないようにする。初期の発熱が収まった後、70℃で2時間反応させ、赤外吸収スペクトルにて、NCO基が消失したところで室温まで冷却し、ブロックポリイソシアネートBI−6を得た。
実施例1
〔塗料の調製〕
ブロックポリイソシアネートBI−1を100g、アクリディックA−801(DIC社製、アクリルポリオール、固形分濃度50%、水酸基価50mgKOH/g)を270g、酢酸ブチルを154g混合し、塗料組成物P−1を得た。
〔評価方法〕
塗料組成物P−1について、剛体振り子型物性試験器(ISO12013−1準拠)を用いて、以下条件でブロック剤の解離開始温度と、硬化反応速度を測定した。
ブロック剤が解離してイソシアネートが再生し、主剤と反応し始めると塗膜の粘性が増加して振り子振動が減衰し、対数減衰率が大きくなる。その対数減衰率の増加開始温度を、ブロック剤解離開始温度とした。また、再生イソシアネートの反応が進んで網目構造が生成し始めると、塗膜の弾性が増加する。その弾性により振り子振動周期は短くなるので、周期減少の傾きから硬化反応速度が判断できる。本発明では、振り子周期が変化し始めて、その周期が0.1秒短くなるまでに要した時間(秒)を硬化反応速度の評価目安とした。
試験装置:RPT−3000W(エー・アンド・デイ社製)
試験条件
振り子:ナイフエッジRBE−160、フレームFRB−300
振り子制御:測定間隔10秒、吸着時間2秒、初期振動幅0.3度
温度制御:30℃(5分間)→180℃(昇温速度2.5℃/分)
試験片:鋼板(SPCC−SB)に100μm(wet)になるように塗布
実施例2〜3、比較例1〜3
表1に示す組成にて、実施例1と同様の調製方法で、塗料組成物P−2〜6を得た。
塗料組成物P−2〜6について実施例1と同様の評価方法で、ブロック剤解離開始温度と、硬化反応速度を測定した。その結果を表2に併せて示す。
Figure 2016222891
Figure 2016222891
表2に示すように、本発明のブロックポリイソシアネートを用いた塗料組成物は、4級アンモニウム塩の効果によりブロック剤解離温度が78℃まで低下し、更に、3級アミノアルコール変性により、未変性品よりも硬化反応速度が速いことが分かる。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)で示される3級アミノアルコール(a)と、ポリイソシアネート(b)と、ブロック剤(c)とを反応させて得られるブロックポリイソシアネートと、解離触媒として4級アンモニウム塩(d)を含有することを特徴とする低温解離型ブロックポリイソシアネート組成物。
    Figure 2016222891
    [式中、R,Rは炭素数1〜8脂肪族炭化水素で、同一でも異なってもよい。Rは水酸基を末端に持つ炭素数2〜8の脂肪族炭化水素で、エーテル結合を含有してもよい]
  2. ポリイソシアネート(b)が、脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の低温解離型ブロックポリイソシアネート組成物。
  3. ブロック剤(c)が、アルコール系、フェノール系、ラクタム系、オキシム系からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の低温解離型ブロックポリイソシアネート組成物。
  4. 4級アンモニウム塩(d)が、トリメチルモノ−n−オクチルアンモニウム炭酸水素塩、トリメチルモノ−n−オクチルアンモニウムモノメチル炭酸塩、及びトリメチルモノ−n−オクチルアンモニウム炭酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の4級アンモニウム塩であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の低温解離型ブロックポリイソシアネート組成物。
  5. ポリイソシアネート(b)が、ヘキサメチレンジイソシアネートから誘導されたイソシアヌレート変性ポリイソシアネートであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の低温解離型ブロックポリイソシアネート組成物。
  6. ブロック剤(c)が、メチルエチルケトオキシムであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の低温解離型ブロックポリイソシアネート組成物。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の低温解離型ブロックポリイソシアネート組成物を含有する塗料。
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