JP2016222015A - ウェビング巻取装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動手段が作動された際に作用する荷重に対する強度保持構造を簡単にできるウェビング巻取装置を得る。
【解決手段】本ウェビング巻取装置10では、ベースカートリッジ94が、MGG98にて発生されたガスの圧力、このガスの圧力によって移動されるピストン104からの荷重、及びMGG98からガスが噴出された際のMGG98に作用される反力を受ける。このため、上記の圧力、荷重、及び反力に対する強度保持を単純にできる。
【選択図】図6

Description

本発明は、フォースリミッタ部材を備えたウェビング巻取装置に関する。
ガスジェネレータ等の駆動手段の駆動力によってピストン等の移動部材を移動させ、これによって、スプールの引出方向への回転に伴いフォースリミッタ部材が変形される状態と、スプールの引出方向への回転に伴うフォースリミッタ部材の変形が抑制される状態とを切替可能なウェビング巻取装置がある(一例として、下記特許文献1を参照)。
このようなウェビング巻取装置では、フォースリミッタ部材を支持する支持部材によって移動部材が移動可能に支持されるが、支持部材において移動部材を移動可能に保持する部分が、シート等の支持部材とは別の閉止部材によって移動部材の移動方向に対する直交方向側から閉止されている。駆動手段が作動されると、閉止部材を支持部材から離間させるように閉止部材に荷重が作用するため、支持部材と閉止部材との間に高い結合強度が必要になり、強度保持構造が複雑になる。
特開2013−1313号公報
本発明は、上記事実を考慮して、駆動手段が作動された際に作用する荷重に対する強度保持構造を簡単にできるウェビング巻取装置を得ることが目的である。
請求項1に記載のウェビング巻取装置は、ウェビングが引出されることによって引出方向へ回転するスプールと、前記スプールの引出方向への回転に伴い作動可能とされ、作動状態で変形されることによって前記スプールの回転力の一部が吸収されるフォースリミッタ部材と、前記フォースリミッタ部材を支持する支持部材と、移動されることによって、前記フォースリミッタ部材の変形量が変更される移動部材と、前記移動部材に対して前記移動部材の移動方向に沿った直線上に配置され、前記移動部材側へ出力された駆動力によって前記移動部材を移動させる駆動手段と、前記駆動手段を保持すると共に、前記移動部材を移動可能に保持し、前記駆動手段から出力された駆動力を前記移動部材へ伝える単一の保持部材と、を備えている。
請求項1に記載のウェビング巻取装置によれば、単一の保持部材によって駆動手段が保持されると共に、移動部材が移動可能に保持され、更に、駆動手段から出力された駆動力が移動部材へ伝えられる。このため、単一の保持部材によって駆動手段が作動された際の荷重を支持でき、強度保持構造を簡単にできる。
また、駆動手段は、移動部材に対して移動部材の移動方向に沿った直線上に配置され、駆動手段は、移動部材側へ駆動力を出力する。このため、駆動手段から出力された駆動力を効率よく移動部材に作用させることができると共に、保持部材への駆動手段から出力された駆動力の影響を小さくできる。
請求項2に記載のウェビング巻取装置は、請求項1に記載のウェビング巻取装置において、前記保持部材は、前記移動部材の移動終点で前記移動部材の移動を阻止する。
請求項2に記載のウェビング巻取装置によれば、駆動手段の駆動力による移動部材の移動が保持部材によって阻止される。このため、駆動手段の駆動力の反力のみならず、移動部材の移動が阻止された際に作用する荷重も保持部材が受ける。これによって、強度保持構造を更に簡単にできる。
請求項3に記載のウェビング巻取装置は、請求項2に記載のウェビング巻取装置において、前記保持部材は、前記移動部材の移動阻止状態で前記移動部材が直接当接される。
請求項3に記載のウェビング巻取装置によれば、保持部材は、移動部材の移動阻止状態で移動部材が直接当接されるため、移動部材の移動ストロークの精度を高くできる。
請求項4に記載のウェビング巻取装置は、請求項3に記載のウェビング巻取装置において、前記移動部材は、軸方向が移動方向に沿った柱状に形成され、移動阻止状態で移動方向側端部が前記保持部材に当接される。
請求項4に記載のウェビング巻取装置によれば、移動部材の移動阻止状態で移動部材の移動方向側端部が保持部材に当接される。ここで、移動部材は、軸方向が移動方向に沿った柱状に形成されるため、移動部材が保持部材に当接された際に移動部材が保持部材から受ける荷重に対して移動部材は高い強度を得ることができる。
請求項5に記載のウェビング巻取装置は、請求項1から請求項4の何れか1項に記載のウェビング巻取装置において、フォースリミッタ部材を変形可能に設けられると共に、変位されることによってフォースリミッタ部材の変形量を変更する変形量変更部材と、変形量変更部材の変位を阻止すると共に、移動部材の移動方向側端部に押圧されて移動されることによって、変形量変更部材の変位の阻止を解除する変位阻止部材と、を備えている。
請求項5に記載のウェビング巻取装置によれば、駆動手段から出力された駆動力によって移動部材が移動されると、変位阻止部材が移動部材に押圧されて移動される。このようにして変位阻止部材が移動されることによって、変位阻止部材による変形量変更部材の変位の阻止が解除され、フォースリミッタ部材の変形量が変更される。ここで、変位阻止部材は、変位阻止部材が移動部材の移動方向側端部に押圧されることによって移動される。このため、移動部材において変位阻止部材を押圧する部位を単純な形状にでき、ひいては、移動部材そのものの形状を単純化できる。
請求項6に記載のウェビング巻取装置は、請求項5に記載のウェビング巻取装置において、前記変位阻止部材は、前記移動部材が移動終点に到達した状態で、前記移動部材から離間している。
請求項6に記載のウェビング巻取装置によれば、変位阻止部材は、移動部材が移動終点に到達した状態で、移動部材から離間しているため、移動部材が移動終点に到達した状態で、移動部材から変位阻止部材への荷重の伝達を遮断又は抑制できる。
以上、説明したように、本発明に係るウェビング巻取装置では、駆動手段が作動された際に作用する荷重に対する強度保持構造を簡単にできる。
本発明の一実施の形態に係るウェビング巻取装置の主要部を示す分解斜視図である。 スプール及びロックベースを、その中心軸線に沿って切った断面図である。 (A)は、ベースカートリッジ及びその近傍部分を拡大した斜視図であり、(B)は、(A)から切替えパウルを除いた斜視図である。 (A)は、ピストンの押圧部がベースカートリッジのピストンストッパ部へ当接された状態を示す図3(A)に対応した斜視図で、(B)は、(A)から切替えパウルを除いた斜視図である。 図4(A)の5−5線に沿って切ったベースカートリッジの断面図である。 駆動装置、SFLレバー、及び切替パウルの初期状態を示す車幅方向外側からの側面図である。 SFLレバーが係合解除方向へ回動された状態を示す図6に対応した断面図である。
次に、本発明の一実施の形態を図1から図7に基づいて説明する。なお、各図において矢印FRは本ウェビング巻取装置10が適用された車両前側を示し、矢印OUTは車幅方向外側を示し、矢印UPは車両上側を示す。
<本実施の形態の構成>
図1に示されるように、ウェビング巻取装置10は、フレーム12を備えている。フレーム12は、本ウェビング巻取装置10が適用される車両のリヤシートの車両後側で車体(何れも図示省略)に固定されている。フレーム12は、一対の脚板14、16を備えており、これらの脚板14、16は、車幅方向に互いに対向されている。フレーム12の脚板14と脚板16との間には、スプール18が設けられている。スプール18は、略円筒形状に形成されている。スプール18の中心軸線方向は、車幅方向に沿っており、スプール18は、中心軸線周りに回転可能とされている。スプール18には、長尺帯状のウェビング20の長手方向基端部が係止され、ウェビング20は、スプール18の外周部に巻取られている。
ウェビング20は、スプール18から車両前側へ引出されている。スプール18から引出されたウェビング20は、リヤシートにおける乗員の着座位置の車幅方向外側で、リヤシートのシートバックの車両上側を通ってシートバックに沿って車両下側へ延び、リヤシートのシートバックとシートクッション(何れも図示省略)の間を通っている。リヤシートのシートクッションの車両下側には、アンカプレート(図示省略)が設けられている。アンカプレートは、車両の床部等の車体に固定されており、アンカプレートには、ウェビング20の長手方向先端部が係止されている。
また、本ウェビング巻取装置10が適用された車両用のシートベルト装置は、タングとバックル装置(何れも図示省略)とを備えている。タングは、リヤシートのシートバックの車両前側においてウェビング20に設けられており、タングは、ウェビング20に沿って移動可能とされている。これに対して、バックル装置は、リヤシートの着座位置の車幅方向内側に設けられている。リヤシートに着座した乗員の身体にウェビング20が掛回された状態で、タングがバックル装置に係合されることによって、乗員の身体にウェビング20が装着される。
一方、フレーム12の車幅方向内側には、渦巻きばね等のスプール付勢手段が設けられており、スプール18は、スプール付勢手段に直接又は間接的に連結され、スプール18は、スプール付勢手段によってウェビング20を巻取る際の回転方向である巻取方向(図1等の矢印A方向)へ付勢されている。また、フレーム12の車幅方向内側には、プリテンショナ(図示省略)が設けられている。プリテンショナは、車両衝突時等の車両緊急時に作動され、プリテンショナが作動されることによって、スプール18が巻取方向へ回転され、これによって、ウェビング20が、その長手方向基端側からスプール18に巻取られる。
また、図1及び図2に示されるように、スプール18の内側には、回転力吸収部材としてのトーションバー22が設けられている。トーションバー22は、回転力吸収部としての軸部24を備えている。軸部24は、車幅方向に長い棒状とされており、図2に示されるように、軸部24の車幅方向内側端部にはスプール側連結部26が形成されている。スプール側連結部26は、スプール18の内側でスプール18に対する相対回転が阻止された状態でスプール18に連結されている。
一方、図1及び図2に示されるように、スプール18の車幅方向外側には、ロック手段としてのロック機構28を構成するロック回転体としてのロックベース30が設けられている。図2に示されるように、ロックベース30に対応してトーションバー22の軸部24の車幅方向外側端部には、ロックベース側連結部32が形成されている。ロックベース側連結部32は、ロックベース30に対する相対回転が阻止された状態でロックベース30に連結されている。
また、ロックベース30は、図1に示されるフレーム12の脚板16に形成されたラチェット孔34の内側に配置されている。さらに、図1及び図2に示されるように、ロックベース30には、ロック部材としてのロックパウル36が設けられている。ロックパウル36には、フレーム12の脚板16のラチェット孔34のラチェット歯に噛合可能なラチェット歯が形成されており、ロックパウル36がラチェット孔34のラチェット歯へ接近移動されると、ロックパウル36のラチェット歯がラチェット孔34のラチェット歯に噛合う。これによって、ロックベース30の巻取方向とは反対の引出方向(図1等の矢印B方向)への回転が阻止される。
図2に示されるように、ロックベース30の車幅方向外側には、センサ機構38を構成する追従回転体としてのVギヤ40が設けられている。Vギヤ40は、ロックベース30に追従して回転可能であり、更に、Vギヤ40の引出方向への回転が阻止された状態で、ロックベース30は、Vギヤ40に対して引出方向へ回転可能とされている。ロックベース30のロックパウル36は、Vギヤ40に係合されており、ロックパウル36は、ロックベース30のVギヤ40に対する引出方向へ相対回転に連動して、フレーム12の脚板16のラチェット孔34のラチェット歯へ接近移動される。
また、センサ機構38は、車両衝突時等の車両緊急時における車両の加速度によって作動される「VSIR機構」及びVギヤ40の引出方向への回転加速度が一定の大きさを越えた場合に作動される「WSIR機構」等によって構成されており、センサ機構38が作動されることによって、Vギヤ40の引出方向への回転が阻止される。
一方、図1に示されるように、本ウェビング巻取装置10は、セレクタブルフォースリミッタ機構50を備えている。なお、以下、「セレクタブルフォースリミッタ」を「SFL」と省略して記載する。SFL機構50は、ベース部材としてのSFLハウジング52を備えている。SFLハウジング52の車幅方向外側には、カバー部材としてのSFLシート54が設けられている。SFLハウジング52及びSFLシート54は、板状に形成されており、SFLハウジング52の厚さ方向及びSFLシート54の厚さ方向は、車幅方向に沿っている。SFLハウジング52及びSFLシート54は、フレーム12の脚板14と脚板16との間における脚板16側に設けられており、SFLハウジング52及びSFLシート54は、ねじ等の締結手段によってフレーム12の脚板16に固定されている。
SFLハウジング52には、ベースリング収容部56が形成されている。ベースリング収容部56は、SFLハウジング52において車幅方向外側面で開口された孔部とされ、ベースリング収容部56の内側には、SFL回転体としてのベースリング58が設けられている。ベースリング58は、外側面の断面形状が円形のリング状に形成されており、ベースリング58は、スプール18に対する同軸上に設けられている。ベースリング58の車幅方向内側端部は、SFLハウジング52に形成されたハウジング側軸受孔60に回転自在に支持されており、ベースリング58の車幅方向外側端部は、SFLシート54に形成されたシート側軸受孔62に回転自在に支持されている。
ベースリング58の内側には、スプール18の車幅方向外側端部に形成されたパウル収容部64が配置されている。パウル収容部64には、SFL連結部材としてのSFLパウル66が設けられている。図2に示されるように、SFLパウル66にはシェアピン68が形成されており、シェアピン68は、ロック機構28のロックベース30に形成されたガイド孔70に入っている。スプール18がロックベース30に対して引出方向へ相対回転されると、SFLパウル66のシェアピン68がロックベース30のガイド孔70に案内され、これによって、SFLパウル66がベースリング58に接近する方向へ移動される。
ベースリング58の内側面にはラチェット歯が形成されており、SFLパウル66にはベースリング58のラチェット歯に噛合可能なラチェット歯が形成されている。SFLパウル66がベースリング58に接近されることによって、SFLパウル66のラチェット歯がベースリング58のラチェット歯に噛合うと、ベースリング58がスプール18と共に引出方向へ回転され、更に、SFLパウル66のシェアピン68が破断される。
一方、ベースリング58には、エネルギー吸収長尺部材としてエネルギー吸収部材を構成するワイヤ72が設けられている。図1及び図6に示されるように、ワイヤ72は、長尺の金属線材によって螺旋形状に形成されている。ワイヤ72の長手方向先端側は、ワイヤ72の長手方向基端側に対して引出方向側へ向いており、更に、ワイヤ72の長手方向先端側は、ワイヤ72の長手方向基端側に対して車幅方向内側へ変位されている。この螺旋形状のワイヤ72は、ベースリング58の径方向外側に設けられる。
また、ワイヤ72は、ワイヤ72の弾性力で、SFLハウジング52のベースリング収容部56の内側面に圧接され、これによって、ワイヤ72は初期状態でSFLハウジング52に保持されている。さらに、ワイヤ72の長手方向先端部は、ワイヤ72の長手方向先端部よりも長手方向基端側の螺旋状部分の径方向外側又は径方向内側を通って車幅方向外側へ変位されて、ベースリング58に形成されたワイヤ係止部(図示省略)に係止されている。これによって、ワイヤ72は、ベースリング58と共に回転される。
また、SFLハウジング52のベースリング収容部56内におけるベースリング58の車両後側にはピース挿入孔74が形成されており、ピース挿入孔74には車幅方向外側からピース76が挿入されている。ピース挿入孔74に挿入されたピース76は、車幅方向外側部分がピース挿入孔74よりも車幅方向外側へ突出されている。ピース76の車両後側には、ワイヤ72の長手方向先端側の第1巻目部分が通っており、ワイヤ72の長手方向先端側の第1巻目部分よりも長手方向基端側は、ピース76の車両前側を通っている。
さらに、ピース76の車両後側面における車両上下方向中間部には凹部78が形成されている。ワイヤ72の長手方向先端側における第1巻目部分には、ピース76の凹部78に倣って曲げられた曲部80が形成されており、ワイヤ72の曲部80は、ピース76の凹部78内に入っている。
また、SFLハウジング52には、変形量変更部材としてのSFLレバー82が設けられている。SFLレバー82の車幅方向両側面には一対のレバー支持軸84(図1及び図6では、車幅方向外側のレバー支持軸84のみを図示している)が形成されている。SFLレバー82の車幅方向内側のレバー支持軸84(図示省略)は、SFLハウジング52に形成されたハウジング側軸受孔86に挿入されており、SFLレバー82の車幅方向外側のレバー支持軸84は、SFLシート54に形成されたシート側軸受孔88に挿入されている。これによって、SFLレバー82は、レバー支持軸84周りに回動可能とされている。
さらに、SFLレバー82にはレバー係合部90が形成されている。図6に示されるSFLレバー82の初期状態でレバー係合部90は、ワイヤ72の曲部80に対してピース76の凹部78とは反対側から当接されている。このため、この状態で、ワイヤ72がベースリング58と共に引出方向へ回転されると、ワイヤ72の曲部80よりも長手方向基端側は、ピース76における凹部78の両側部分と、SFLレバー82のレバー係合部90とによって波状にしごかれて変形される。
一方、図1及び図6に示されるように、SFLハウジング52には、駆動装置92が設けられている。駆動装置92は、保持部材としてのベースカートリッジ94を備えている。ベースカートリッジ94は、例えば、亜鉛ダイカストによる一体成形によって形成されており、ベースカートリッジ94は、連結ピン等によってSFLハウジング52又はSFLシート54に連結されて保持されている。
ベースカートリッジ94は、マイクロガスジェネレータ取付部96を備えている。なお、以下、「マイクロガスジェネレータ」を「MGG」と省略して記載する。MGG取付部96は、全体的に円筒形状に形成されており、MGG取付部96の中心軸線方向は車両上下方向とされている。MGG取付部96の内側には、駆動手段としてのMGG98が設けられている。図6に示されるように、MGG取付部96の内側には、MGG位置決め部99が形成されており、MGG位置決め部99は、MGG98の車両下側からMGG98に当接される。これによって、MGG取付部96内におけるMGG98の車両下側への移動が阻止されている。また、MGG取付部96の車両上側端部は、かしめられており、これによって、MGG98の車両上側への移動が阻止されている。
MGG98の車両上側部分には、コネクタ(図示省略)が接続されており、MGG98は、コネクタを介して制御手段としてのECU(図示省略)に接続されており、例えば、ECUから出力された起動信号がLowレベルからHighレベルに切替わると、MGG98が作動され、これによって、MGG98の車両下側端部からガスが噴出される。
ECUは、例えば、リヤシートのシートクッション等に設けられた荷重センサ、又は、本ウェビング巻取装置10のスプール18から引出されたウェビング20の長さを検出するウェビング引出長さ検出センサ等の体格検出手段に電気的に接続されており、ECUでは、体格検出手段から出力される体格検出信号に基づいて、リヤシートの着座位置に着座した乗員の体格が標準以上であるか否かが判定される。
一方、図6に示されるように、ベースカートリッジ94におけるMGG取付部96の車両下側には、シリンダ部100が形成されている。シリンダ部100には車両上下方向に貫通されたシリンダ孔102が形成されている。シリンダ孔102を、その貫通方向に対して直交する方向に切った断面形状は、円形とされている。シリンダ孔102は、MGG取付部96の内側に繋がっており、MGG98から噴出されたガスは、シリンダ孔102内に供給される。
ベースカートリッジ94のシリンダ部100のシリンダ孔102内には、移動部材としてのピストン104が設けられている。ピストン104は、MGG98に対してMGG98の車両下側で直線的に対向配置されている。ピストン104は、ピストン本体105を備えている。ピストン本体105を車両上下方向に見た形状は、円形とされており、ピストン本体105の最大外径部分の外径寸法は、シリンダ部100のシリンダ孔102の内径寸法よりも僅かに小さく設定され、ピストン本体105は、シリンダ部100のシリンダ孔102内で車両上下方向に移動可能とされている。
また、ピストン本体105にはリング状の封止部材106が取付けられている。封止部材106は、ゴム材程度の弾性を有する合成樹脂材によって形成されており、ピストン本体105とシリンダ部100のシリンダ孔102の内側面との間を封止している。ピストン本体105の車両下側面には押圧部110が形成されている。押圧部110は、円柱形状に形成されており、押圧部110の中心軸線は、ピストン本体105の中心軸線に対する同軸上に設定され、ピストン104全体が柱形状に形成されている。
また、ベースカートリッジ94のシリンダ部100の車両下側端部にはフランジ部108が形成されており、フランジ部108には円孔109がピストン104のピストン本体105に対する同軸上に形成されている。円孔109の直径寸法は、ピストン104の押圧部110の直径寸法よりも大きく、ピストン104のピストン本体105の直径寸法よりも小さくされている。ピストン104の押圧部110は、シリンダ部100のフランジ部108の円孔109を貫通されて、ベースカートリッジ94のシリンダ部100の車両下側へ突出されている。
さらに、ベースカートリッジ94のシリンダ部100の車両下側端部からは、延出部112が車両下側へ延出されている。延出部112は、板状に形成されており、延出部112は、幅方向中間部の屈曲部112Aにて略直角に屈曲されている。屈曲部112Aは、ベースカートリッジ94のシリンダ部100の車両下側で且つ車幅方向外側の端部の車両下側に設定されている。延出部112における屈曲部112Aよりも幅方向一側は後板部112Bとされている。
後板部112Bは、厚さ方向が車両前後方向に沿っており、ベースカートリッジ94のシリンダ部100の車両下側端部における車両後端部に沿って設けられている。これに対して、延出部112における屈曲部112Aよりも幅方向他側は外板部112Cとされている。後板部112Bは、厚さ方向が車幅方向に沿っており、ベースカートリッジ94のシリンダ部100の車両下側端部における車幅方向外側端部に沿って設けられている。
延出部112にはピストンストッパ部114が形成されている。ピストンストッパ部114は、ベースカートリッジ94のシリンダ部100の車両下側端部よりも更に車両下側に形成されていると共に、延出部112の後板部112Bの車両前側で且つ延出部112の外板部112Cの車幅方向内側に形成されている。
図1、図3、及び図4に示されるように、ピストンストッパ部114は、略矩形のブロック状に形成されている。ピストンストッパ部114の車両上側面は、ピストン104の押圧部110の車両下側端部における車幅方向中央よりも車幅方向外側部分と対向されている(図5参照)。押圧部110の車両下側端部は、ピストンストッパ部114の車両上側面に当接可能とされており、ピストン104の押圧部110の車両下側端部がピストンストッパ部114の車両上側面に当接された状態で、ピストン104のピストン本体105がベースカートリッジ94のシリンダ部100のフランジ部108よりも車両上側に位置するようにピストン104の押圧部110の中心軸線方向長さ等が設定されている。これによって、車両下側へ移動されたピストン104からの荷重は、ピストンストッパ部114に入力され、シリンダ部100のフランジ部108には入力されないようになっている。
さらに、図3(A)及び図4(A)に示されるように、ベースカートリッジ94のピストンストッパ部114の車幅方向内側には、変位阻止部材としての切替パウル116が設けられている。切替パウル116は、基部118を備えている。基部118は、略円板状とされ、基部118の厚さ方向は、車幅方向に沿っている。切替パウル116の基部118の車幅方向外側面にはパウル支持軸120が形成されている。パウル支持軸120は、基部118の車幅方向外側面の中央に形成されており、ピストンストッパ部114に形成されたパウル軸受孔122(図3(B)及び図4(B)参照)に挿入されている。これによって、切替パウル116は、パウル支持軸120周りに回動可能にベースカートリッジ94のピストンストッパ部114に支持されている。
図1及び図6に示されるように、切替パウル116の基部118に対応して、SFLハウジング52にはハウジング側軸受部124が形成されている。ハウジング側軸受部124は、切替パウル116の基部118の外側面に当接される湾曲面を有しており、ハウジング側軸受部124の湾曲面が切替パウル116の基部118の外側面の一部に当接される。したがって、切替パウル116は、SFLハウジング52のハウジング側軸受部124によってもパウル支持軸120周りに回動可能に支持される。
図6に示されるように、切替パウル116の基部118には、レバーストッパ片126が形成されている。レバーストッパ片126は、切替パウル116の基部118の径方向外側へ延出されている。SFLレバー82及び切替パウル116の初期状態では、切替パウル116のレバーストッパ片126の先端部が、SFLレバー82のレバー当接部128に当接されている。これによって、SFLレバー82及び切替パウル116の初期状態では、SFLレバー82のレバー係合部90がワイヤ72の曲部80から離れる際の係合解除方向(図6等の矢印C方向)へのSFLレバー82の回動が阻止されている。
また、切替パウル116の基部118には、荷重受け片130が形成されている。荷重受け片130は、切替パウル116の基部118の径方向外側で、しかも、切替パウル116の基部118からのレバーストッパ片126の延出方向に対する直角方向に延出されている。荷重受け片130の先端側は、ピストン104の押圧部110の車両下側端部における車幅方向中央よりも車幅方向内側部分と対向されており(図5参照)、ピストン104が車両下側へ移動されると、切替パウル116の荷重受け片130がピストン104の押圧部110の車両下側端部によって車両下側へ押圧される。
これによって、切替パウル116は、パウル支持軸120周りの一方である阻止解除方向(図6等の矢印D方向)へ回動される。このように、切替パウル116が阻止解除方向へ回動されることによって、切替パウル116のレバーストッパ片126の先端部と、SFLレバー82のレバー当接部128との当接が解除され、SFLレバー82は、係合解除方向(図6等の矢印C方向)へ回動でき、SFLレバー82のレバー係合部90がワイヤ72の曲部80から離れることができる。
ここで、ピストン104の押圧部110の車両下側端部がピストンストッパ部114の車両上側面に当接された状態で、切替パウル116の荷重受け片130は、僅かに車両下側へ回動できるように構成されており、ピストン104の押圧部110の車両下側端部がピストンストッパ部114の車両上側面に当接された状態では、ピストン104の押圧部110の車両下側端部から切替パウル116の荷重受け片130への荷重の入力が阻止又は抑制されている。
また、ピストン104の押圧部110の車両下側端部がピストンストッパ部114の車両上側面に当接されるまで切替パウル116の荷重受け片130がピストン104の押圧部110の車両下側端部に押圧された状態では、切替パウル116のレバーストッパ片126が、ピストン104の押圧部110の車両前側で押圧部110に沿うように配置される。この状態で、切替パウル116のレバーストッパ片126は、ベースカートリッジ94のシリンダ部100の車両前側面よりも車両後側に配置される。
さらに、図6に示されるように、初期状態の切替パウル116の荷重受け片130の車両下側には、切替シェアピン132が設けられている。切替シェアピン132は、SFLハウジング52から突出形成されており、切替シェアピン132が車両下側から切替パウル116の荷重受け片130に当接されることによって、初期状態の切替パウル116の阻止解除方向(図6等の矢印D方向)への回動が阻止されている。したがって、この切替シェアピン132が切替パウル116の荷重受け片130から受ける荷重により破断されると、切替パウル116は、阻止解除方向へ回動できる。
<本実施の形態の作用、効果>
本ウェビング巻取装置10では、車両のリヤシートに着座した乗員によってスプール18から引出されたウェビング20が、乗員の身体に掛回された状態で、ウェビング20に設けられたタングが、バックル装置に係合されることにより、乗員の身体へのウェビング20の装着状態になる。
車両衝突時等の車両緊急時には、センサ機構38の「VSIR機構」及び「WSIR機構」の少なくとも一方が作動され、これによって、Vギヤ40の引出方向への回転が阻止される。この状態で、車両前側へ慣性移動する乗員の身体にウェビング20が引張られ、これによって、ロック機構28のロックベース30が、スプール18と共に引出方向へ回転されると、ロックベース30がVギヤ40に対して引出方向(図1等の矢印B方向)へ相対回転される。
これによって、ロックベース30のロックパウル36が、フレーム12の脚板16のラチェット孔34のラチェット歯へ接近移動される。これによって、ロックベース30のロックパウル36のラチェット歯が、フレーム12の脚板16のラチェット孔34のラチェット歯に噛合うと、ロックベース30の引出方向への回転が阻止され、スプール18の引出方向への回転が阻止される。これによって、ウェビング20のスプール18からの引出しが阻止され、乗員の身体の車両前側への移動をウェビング20によって制限できる。
また、フレーム12の車幅方向内側に設けられたプリテンショナが作動されると、スプール18が巻取方向へ回転される。これによって、ウェビング20がスプール18に巻取られ、乗員の身体がウェビング20によってそれまでよりも強く拘束される。
さらに、ロック機構28によるスプール18の引出方向への回転阻止状態で、ウェビング20からスプール18に付与される引出方向への回転力が、トーションバー22の軸部24を、その中心軸線周りに捻り変形させるために必要な回転荷重よりも大きくなると、トーションバー22のスプール側連結部26がロックベース側連結部32に対して引出方向へ相対回転され、これによって、トーションバー22の軸部24が捻り変形される。これによって、スプール18が引出方向(図1等の矢印B方向)へ回転され、ウェビング20がスプール18から引出される。このスプール18からのウェビング20の引出し長さ分だけ、乗員の身体は車両前側へ慣性移動できる。
また、ロックベース30の引出方向への回転が阻止された状態でスプール18が引出方向へ回転されると、スプール18のパウル収容部64に設けられたSFLパウル66のシェアピン68が、ロック機構28のロックベース30のガイド孔70に案内されて移動される。これによって、SFLパウル66がベースリング58に接近する方向へ移動され、SFLパウル66にはベースリング58のラチェット歯がベースリング58の内側面のラチェット歯に噛合う。これによって、ベースリング58がスプール18に連結される。
この状態で、ウェビング20からスプール18に付与される引出方向への回転力が、トーションバー22の軸部24を、その中心軸線周りに捻り変形させるために必要な回転荷重と、ワイヤ72をピース76における凹部78の両側部分と、SFLレバー82のレバー係合部90とによって波状にしごいてワイヤ72を変形させるために必要な回転荷重との和よりも大きいと、スプール18が引出方向(図1等の矢印B方向)へ更に回転される。これによって、ウェビング20がスプール18から更に引出される。このスプール18からのウェビング20の引出し長さ分だけ、乗員の身体は車両前側へ更に慣性移動できる。
また、SFLパウル66によるベースリング58とスプール18との連結状態で、ベースリング58がスプール18と共に引出方向へ回転されると、ワイヤ72の長手方向先端部がベースリング58に引張られ、ワイヤ72がベースリング58と共に引出方向へ回転される。このように、ワイヤ72が引出方向へ回転されると、ワイヤ72の曲部80よりも長手方向基端側は、ピース76の車両後側へ誘導され、更に、ピース76の凹部78とSFLレバー82のレバー係合部90との間に誘導される。これにより、ワイヤ72の曲部80よりも長手方向基端側は、ピース76における凹部78の両側部分と、SFLレバー82のレバー係合部90とによって波状にしごかれて変形され、スプール18の引出方向への回転力の一部は、このワイヤ72の変形によっても吸収される。
一方、体格検出手段から出力された体格検出信号に基づき、乗員の体格が標準未満であるとECUに判定されると、車両緊急時にECUから出力される起動信号がLowレベルからHighレベルに切替わり、これによって、MGG98が作動される。MGG98が作動されると、MGG98の車両下側端部からガスが噴出され、このガスがベースカートリッジ94のシリンダ部100のシリンダ孔102内に供給される。
これによって、シリンダ部100のシリンダ孔102内の圧力が上昇されると、シリンダ孔102内のピストン104のピストン本体105が車両下側へ移動される。これによって、切替パウル116の荷重受け片130が、ピストン104の押圧部110によって車両下側へ押圧されると、SFLハウジング52の切替シェアピン132が、切替パウル116の荷重受け片130によって破断され、更に、図4及び図7に示されるように、ピストン104の押圧部110からの荷重を受けた切替パウル116が阻止解除方向(図6等の矢印D方向)へ回動される。
これによって、図7に示されるように、切替パウル116のレバーストッパ片126の先端部と、SFLレバー82のレバー当接部128との当接が解除される。この状態で、ベースリング58がスプール18と共に引出方向へ回転されると、SFLレバー82のレバー係合部90がワイヤ72の曲部80によって引出方向へ押圧され、これによって、SFLレバー82が係合解除方向(図7等の矢印C方向)へ回動される。
このように、SFLレバー82が係合解除方向へ回動された状態では、ワイヤ72がSFLレバー82のレバー係合部90によってしごかれて変形されることはない。したがって、この状態では、SFLレバー82とピース76とによるワイヤ72の変形が抑制される。このため、ワイヤ72の変形によるスプール18の引出方向への回転力の吸収量を小さくできると共に、SFLレバー82が初期状態にある場合よりもスプール18が引出方向へ回転するために必要な回転力を小さくできる。
一方、MGG取付部96、シリンダ部100、及びピストンストッパ部114を含んで構成されたベースカートリッジ94は、一体成形によって形成されており、複数の部品を組付けることによって形成されているわけではない。このため、ベースカートリッジ94のMGG取付部96内でMGG取付部96に保持されたMGG98が作動されて、MGG98の車両下側端部からガスが噴出された際にMGG98に作用される反力は、ベースカートリッジ94のMGG取付部96によって受けられる。
また、MGG98の車両下側端部から噴出されたガスがベースカートリッジ94のシリンダ部100のシリンダ孔102内に供給されると、ガスの圧力は、ベースカートリッジ94のシリンダ部100によって受けられてピストン104を車両下側へ移動させる。
さらに、ピストン104が車両下側の移動終点に到達すると、図4(B)に示されるように、ピストン104の押圧部110の車両下側端部がベースカートリッジ94のピストンストッパ部114の車両上側面に当接される。これによって、ピストン104の移動終点よりも車両下側への移動が阻止される。ここで、ピストンストッパ部114は、ベースカートリッジ94の一部としてベースカートリッジ94に一体形成される。このため、MGG98にて発生されたガスの圧力で移動されるピストン104からの荷重は、ベースカートリッジ94によって受けられる。
以上のように、MGG98にて発生されたガスの圧力、このガスの圧力によって移動されるピストン104からの荷重、及びMGG98からガスが噴出された際のMGG98に作用される反力の何れも、ベースカートリッジ94によって受けることができる。このため、上記の圧力、荷重、及び反力に対する強度保持を単純にできる。
このため、SFLハウジング52やSFLシート54とベースカートリッジ94との連結強度を低く設定でき、その結果、SFLハウジング52やSFLシート54とベースカートリッジ94とを別体で構成できる。これによって、SFLハウジング52やSFLシート54を合成樹脂材等、ベースカートリッジ94を形成する金属材料よりも機械的強度が低い材料で形成することができ、SFLハウジング52やSFLシート54、ひいては、ウェビング巻取装置10の軽量化が可能になると共に、コストを低減できる。
また、ピストン104は、MGG98に対してMGG98の車両下側で直線的に対向配置されている。このため、MGG98から車両下側へ噴出されたガスの圧力を効率ピストン104の車両下側への移動に寄与させることができる。しかも、ベースカートリッジ94のシリンダ部100のシリンダ孔102の内側面は、MGG98からのガスの噴出方向に対して直交されているため、ベースカートリッジ94のシリンダ部100へのガスの圧力の影響を小さくできる。
さらに、金属製のベースカートリッジ94のシリンダ部100の車両下側では、ベースカートリッジ94のピストンストッパ部114がシリンダ部100に対向されている。このため、シリンダ部100の車両下側端部からガスが漏れても、このガスを、金属製のベースカートリッジ94のピストンストッパ部114で受けることができる。このため、シリンダ部100の車両下側端部から漏れたガスに対する耐久性(耐火性)をベースカートリッジ94に担わせることができ、この意味でも、コストを低減できる。
また、このように、ピストン104の押圧部110の車両下側端部がベースカートリッジ94のピストンストッパ部114の車両上側面に当接されることによって、ピストン104の車両下側への移動が阻止される。このため、ベースカートリッジ94とは別の部材にピストン104が当接されてピストン104の車両下側への移動が阻止される構成に比べてピストン104の移動ストローク(移動距離)の精度を高くできる。
しかも、ベースカートリッジ94のピストンストッパ部114の車両上側面は、ピストン104の押圧部110の車両下側端部に対し、他の部材を介さずに直接当接される。このため、ピストン104の移動が阻止された際に、ピストン104の押圧部110に捻れ等が生じにくい。しかも、これによっても、ピストン104の移動ストローク(移動距離)の精度を高くできる。
さらに、ピストン104においてベースカートリッジ94のピストンストッパ部114へ当接される部位は、ピストン104の押圧部110の車両下側端部とされ、ピストン104において切替パウル116の荷重受け片130を押圧する部位もピストン104の押圧部110の車両下側端部とされる。このため、ピストン104の押圧部110の車両下側端部は、単純な平面でよい。これによって、ピストン104の押圧部110の形状を、円柱形状のような単純な形状にでき、コストを低減できる。
しかも、ピストン104の押圧部110が円柱形状とされ、押圧部110の中心軸線方向側端部である押圧部110の車両下側端部がベースカートリッジ94のピストンストッパ部114の車両上側面に当接される構成である。このため、ピストン104の移動がベースカートリッジ94のピストンストッパ部114に阻止された際に、ピストン104がピストンストッパ部114から受ける荷重の向きは、ピストン104の中心軸線方向に沿う。このため、ピストン104の機械的強度が低くても、ピストンストッパ部114から受ける荷重に耐えることができる。これによって、ピストン104の小型化、軽量化が可能になる。
これによって、MGG98から噴出されるガスの圧力(すなわち、MGG98の出力)を小さくでき、MGG98の小型化、軽量化が可能になり、ひいては、ウェビング巻取装置10の小型化、軽量化が可能になる。
しかも、押圧部110を含めてピストン104の全体形状を略円柱形状にできるため、ベースカートリッジ94のシリンダ部100のシリンダ孔102内へピストン104を配置する際に、ピストン104の中心軸線周りの何れの回転位置であっても、ピストン104をベースカートリッジ94のシリンダ部100のシリンダ孔102内に配置できる。これによって、駆動装置92の組付けが容易になる。
さらに、切替パウル116の荷重受け片130は、ピストン104の車両下側への移動がベースカートリッジ94のピストンストッパ部114によって阻止された状態で、ピストン104の押圧部110の車両下側端部とベースカートリッジ94のピストンストッパ部114とに挟まれることがない。しかも、切替パウル116は、ピストン104の移動がベースカートリッジ94のピストンストッパ部114に阻止された状態で、僅かに阻止解除方向へ回動されて、ピストン104の押圧部110の車両下側端部から離間される(図7参照)。
このため、ピストン104の車両下側への移動がベースカートリッジ94のピストンストッパ部114によって阻止された際に、ピストン104の押圧部110から切替パウル116の荷重受け片130へ荷重の伝達を遮断又は抑制できる。これによって、切替パウル116の荷重受け片130の機械的強度を低く設定でき、切替パウル116を小型化、軽量化できる。しかも、このように、切替パウル116の小型化、軽量化が可能になることによって、MGG98の出力を小さくすることができ、MGG98の小型化も可能になる。
さらに、ピストン104の押圧部110の車両下側端部がベースカートリッジ94のピストンストッパ部114の車両上側面に当接されて、ピストン104の移動が阻止された状態で、ピストン104のピストン本体105は、ベースカートリッジ94のシリンダ部100のフランジ部108に当接されない。このため、ピストン104のピストン本体105は、ベースカートリッジ94のシリンダ部100のフランジ部108から荷重を受けない。したがって、ピストン104の移動が終了した状態で、ピストン104のピストン本体105及びピストン本体105に設けられた封止部材106による封止性能を維持できる。
一方で、切替パウル116の荷重受け片130がピストン104の押圧部110に押圧されると、切替パウル116のレバーストッパ片126は、延出部112の後板部112Bの車両前側で且つ延出部112の外板部112Cの車幅方向内側へ回動される。これによって、ピストン104の移動が終了されると、切替パウル116の荷重受け片130は、ピストン104の押圧部110の車両前側で押圧部110に沿うように配置され、しかも、この状態では、切替パウル116のレバーストッパ片126の大部分が、ベースカートリッジ94のシリンダ部100の車両前側面よりも車両後側に配置される。
このように、ピストン104の移動終了状態で切替パウル116の大部分はベースカートリッジ94の設置範囲内に配置される。このため、ベースカートリッジ94の設置範囲の外側における阻止解除方向へ回動された切替パウル116の収容スペースを小さくでき、又は、このような収容スペースをなくすことができる。これによって、SFLハウジング52等の小型化が可能になる。
なお、本実施の形態では、ピストン104の押圧部110の車両下側端部が、ベースカートリッジ94のピストンストッパ部114に当接されることによってピストン104の移動が阻止される構成であった。しかしながら、ピストン104の押圧部110の車両上下方向中間部にベースカートリッジ94の一部に当接可能な当接部位を設定し、押圧部110の当接部位がベースカートリッジ94の一部に当接されることによってピストン104の移動が阻止される構成としてもよく、ピストン104においてベースカートリッジ94の一部に当接されてピストン104の移動が阻止される部位については特に限定されるものではない。
また、本実施の形態では、切替パウル116の荷重受け片130が、ピストン104の押圧部110に押圧されることによって切替パウル116が阻止解除方向(図6等の矢印D方向)へ回動される構成であった。この切替パウル116の阻止解除方向への回動は、車両下側へ移動されるピストン104の押圧部110に押圧され続けることによるものであってもよいし、車両下側へ移動されるピストン104の押圧部110が切替パウル116の荷重受け片130に衝突された際の衝撃で、ピストン104の移動よりも早く切替パウル116が回動される構成であってもよい。
さらに、本実施の形態では、ピストン104は、MGG98に対してMGG98の車両下側で直線的に対向配置された構成であった。しかしながら、ピストン104が、MGG98に対して車両前後方向側又は車幅方向側にずれて配置され、MGG98からピストン104へのガスの流動経路が車両前後方向側又は車幅方向側に曲がった構成であってもよい。
また、本実施の形態では、切替パウル116の荷重受け片130は、ピストン104の押圧部110の車両下側端部に押圧される構成であった。しかしながら、ピストン104の押圧部110の車両上下方向中間部に、切替パウル116の荷重受け片130に当接して押圧可能な押圧部位を設定してもよく、ピストン104において切替パウル116の荷重受け片130を押圧する部分については特に限定されるものではない。
さらに、本実施の形態では、ピストン104の移動終了状態で切替パウル116がベースカートリッジ94の設置範囲内に配置される構成であったが、ピストン104の移動終了状態で切替パウル116の一部がベースカートリッジ94の設置範囲内の外側に配置される構成であってもよい。
また、本実施の形態では、MGG98が駆動手段とされ、MGG98から噴出されたガスの圧力が駆動力とされた構成であった。しかしながら、圧縮コイルばね等のピストン付勢手段を駆動手段としてピストン付勢手段の付勢力を駆動力としてもよいし、モータを駆動手段としてモータから出力される回転力等を駆動力としてもよい。さらには、ソレノイドを駆動手段として、ソレノイドを通電させることによって生じる磁力を駆動力とし、この磁力で移動されるプランジャをピストンに代わる移動部材としてもよい。このように、駆動手段は、MGG98に限定されることなく、広く適用が可能である。
さらに、本実施の形態に係るウェビング巻取装置10は、車両のリヤシート用とされていたが、本実施の形態に係るウェビング巻取装置10を、車両の運転席用や助手席用として用いてもよく、本実施の形態に係るウェビング巻取装置10を、車両の運転席用や助手席用として用いた場合には、車両に対するウェビング巻取装置10の向きが異なることもある。
10 ウェビング巻取装置
18 スプール
20 ウェビング
72 ワイヤ(フォースリミッタ部材)
82 SFLレバー(変形量変更部材)
94 ベースカートリッジ(保持部材)
98 マイクロガスジェネレータ(駆動手段)
104 ピストン(移動部材)
116 切替パウル(変位阻止部材)

Claims (6)

  1. ウェビングが引出されることによって引出方向へ回転するスプールと、
    前記スプールの引出方向への回転に伴い作動可能とされ、作動状態で変形されることによって前記スプールの回転力の一部が吸収されるフォースリミッタ部材と、
    前記フォースリミッタ部材を支持する支持部材と、
    移動されることによって、前記フォースリミッタ部材の変形量が変更される移動部材と、
    前記移動部材に対して前記移動部材の移動方向に沿った直線上に配置され、前記移動部材側へ出力された駆動力によって前記移動部材を移動させる駆動手段と、
    前記駆動手段を保持すると共に、前記移動部材を移動可能に保持し、前記駆動手段から出力された駆動力を前記移動部材へ伝える単一の保持部材と、
    を備えるウェビング巻取装置。
  2. 前記保持部材は、前記移動部材の移動終点で前記移動部材の移動を阻止する請求項1に記載のウェビング巻取装置。
  3. 前記保持部材は、前記移動部材の移動阻止状態で前記移動部材が直接当接される請求項2に記載のウェビング巻取装置。
  4. 前記移動部材は、軸方向が移動方向に沿った柱状に形成され、移動阻止状態で移動方向側端部が前記保持部材に当接される請求項3に記載のウェビング巻取装置。
  5. 前記フォースリミッタ部材を変形可能に設けられると共に、変位されることによって前記フォースリミッタ部材の変形量を変更する変形量変更部材と、
    前記変形量変更部材の変位を阻止すると共に、前記移動部材の移動方向側端部に押圧されて移動されることによって、前記変形量変更部材の変位の阻止を解除する変位阻止部材と、
    を備える請求項1から請求項4の何れか1項に記載のウェビング巻取装置。
  6. 前記変位阻止部材は、前記移動部材が移動終点に到達した状態で、前記移動部材から離間している請求項5に記載のウェビング巻取装置。
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