本発明の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。図1〜図3を参照して、パチンコ機1の概略構造を説明する。パチンコ機1は、正面視で上下方向に長い矩形状の枠体である外枠5を有する。外枠5の内側には、本体枠(図示外)がその左端縁を軸として前方から片開き自在に取り付けられている。本体枠の前面側には、正面視略正方形の板状である遊技盤2が取り付けられている。本体枠に取り付けられた遊技盤2は、パチンコ機1の上部に配置される。
本体枠の前方には、ガラス板7を嵌め込んだ前面枠6が、その左端縁を軸として前方から片開き自在に取り付けられている。ガラス板7は、前面枠6の上部に設けられており、前面枠6が本体枠に対して閉じられた状態で遊技盤2の前側に配置される。前面枠6の上端近傍の左右両側には、スピーカ48が夫々設けられている。前面枠6の下部には、貯留皿8及び下部ユニット9が設けられている。貯留皿8は、正面視でガラス板7の直下に設けられ、前面枠6に形成された排出口8Aから排出された遊技球を貯留する。貯留皿8に貯留された遊技球は、後述の遊技球発射装置37(図8参照)に供給される。下部ユニット9は、貯留皿8の前側及び下側に設けられているが、詳細は後述する。
遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。遊技者は、遊技盤2の前側から、ガラス板7を介して遊技領域4を目視可能である。ガイドレール3は遊技領域4の左側に形成されている。遊技領域4の略中央には、各種演出を実行するセンター飾り30が設けられている。遊技球発射装置37によって発射された遊技球は、ガイドレール3によって遊技領域4へ導かれ、遊技領域4内を流下する。遊技球の発射強度に応じて、遊技球がセンター飾り30の左側又は右側を流下する。以下の説明では、遊技球がセンター飾り30の左側を流下するように遊技球を打ち出すことを、左打ちと称する。遊技球がセンター飾り30の右側を流下するように遊技球を打ち出すことを、右打ちと称する。
センター飾り30は、表示画面28、可動役物34、ワープ通路31、クルーン33、第四図柄作動口12、第四普通電動役物19を主に備える。表示画面28は、センター飾り30の略中央に配置されている。表示画面28は、LCDによって構成され、様々な映像を表示する。可動役物34は、表示画面28の上方に設けられ、機械的な動作で各種演出を行う。ワープ通路31は、表示画面28の左方に設けられ、センター飾り30の左側を流下する遊技球の一部をクルーン33へ案内する。クルーン33は、表示画面28の下方に設けられた、上側に開口する皿状の遊技部材である。第四図柄作動口12は、クルーン33の内側に設けられ、ワープ通路31を介してクルーン33に案内された遊技球の一部が入賞できる。第四普通電動役物19は、表示画面28の右方に設けられ、その開閉部材が開放された場合に遊技球が入賞できる。
センター飾り30の略中央下方には、第一図柄作動ゲート11が設けられる。第一図柄作動ゲート11の右斜め上方には、第四図柄作動ゲート13が設けられる。第四図柄作動ゲート13の右斜め上方には、第一普通電動役物16が設けられる。第一普通電動役物16の左斜め下方には、第二普通電動役物17が設けられる。第二普通電動役物17の左斜め下方には、第三普通電動役物18が設けられる。第一普通電動役物16、第二普通電動役物17、及び第三普通電動役物18は、第四普通電動役物19と同様に開閉部材を備えており、各々の開閉部材が開放された場合にのみ遊技球が入賞可能である。
さらに遊技盤2には、各種の電飾ランプ、入賞口、風車、及び遊技くぎ等が設けられる。遊技盤2の右下部には、第一普通当たり判定の結果、第二普通当たり判定の結果、第三普通当たり判定の結果、第四普通当たり判定の結果、各判定における保留球数等を表示する図柄表示部24が設けられている。
本実施形態のパチンコ機1の遊技例を説明する。まず遊技者は、左打ちで遊技を開始する。第一図柄作動ゲート11を遊技球が通過すると、第一普通当たり判定が行われる。第一普通当たり判定において当たりと判定されると、第一普通電動役物16が開放される第一普通当たり遊技が実行される。遊技者は、第一普通電動役物16に遊技球を入賞させるため、以降の遊技を右打ちによって進行する。第一普通電動役物16への遊技球の入賞に応じて、賞球が払い出される。
一方、第四図柄作動口12へ遊技球が入賞すると、第四普通当たり判定が行われる。第四普通当たり判定において当たりと判定されると、第四普通電動役物19が開放される第四普通当たり遊技が実行される。遊技者は、第四普通電動役物19に遊技球を入賞させるため、以降の遊技を右打ちによって進行する。第四普通電動役物19への遊技球の入賞に応じて、賞球が払い出される。
第一普通電動役物16又は第四普通電動役物19へ遊技球が入賞すると、第二普通当たり判定が行われる。第二普通当たり判定において当たりと判定されると、第二普通電動役物17が開放される第二普通当たり遊技が実行される。第二普通電動役物17への遊技球の入賞に応じて、賞球が払い出される。第二普通電動役物17へ遊技球が入賞すると、第三普通当たり判定が行われる。第三普通当たり判定において当たりと判定されると、第三普通電動役物18が開放される第三普通当たり遊技が実行される。第三普通電動役物18への遊技球の入賞に応じて、賞球が払い出される。
このように遊技者は、大当たり遊技中は右打ちによって遊技を進行する。右打ちされた遊技球は、第四図柄作動ゲート13を通過できる。第四図柄作動ゲート13を遊技球が通過した場合、第四図柄作動口12へ遊技球が入賞した場合と同様に、第四普通当たり判定が行われる。この第四普通当たり判定によって第四普通当たりと判定されれば、上記のように大当たり遊技が連続して実行される。
図4〜図6を参照して、下部ユニット9を説明する。図4〜図6では、下部ユニット9の内部構造を仮想線で示す。下部ユニット9は、前面枠6の下部で左右対称に設けられた、遊技者が各種操作を行うための機構である。下部ユニット9は、ユニット本体91、操作ボタン92、上発射停止ボタン93、右ハンドル110及び左ハンドル120を含むハンドル機構100、右手置き台210、左手置き台220等を有する。
ユニット本体91は、遊技盤2(図2参照)よりも前面側に突出するように貯留皿8の前側に設けられた、左右対称な中空箱状である。ユニット本体91は、前面枠6の左右方向中央部に設けられ、貯留皿8の若干上側から前面枠6の下端部の若干上方まで上下方向に延びる。ユニット本体91の左右方向長さは、前面枠6の左右方向長さの略1/3程度である。ユニット本体91は、僅かに前側を向くように傾斜した平面である上面91Aと、若干前方に膨らむように上下方向に延びる湾曲面である前面91Bと、左右方向に対向する略垂直な平面である右面91C及び左面91Dを有する。
操作ボタン92は、遊技者が演出に関する操作を行うためのボタンであり、上面91Aの中央部に設けられている。上発射停止ボタン93は、遊技球の発射を停止するためのボタンであり、前面91Bの中央部に設けられている。上発射停止ボタン93の内部には、発射停止スイッチ93Aが設けられている。発射停止スイッチ93Aは、上発射停止ボタン93が後方へ押し込まれているか否かを検出するための電子部品である。発射停止スイッチ93Aは、図示しないレバー部とスイッチ部とを備えている。上発射停止ボタン93が遊技者の手等によって後方へ押し込まれると、レバー部はスイッチ部を押圧する。発射停止スイッチ93Aは、例えば遊技者が上発射停止ボタン93を後方へ押し込んでいる場合、上発射停止ボタン93が押し込まれていることを示す検知信号を、後述の発射制御基板44(図8参照)に出力する。なお、図5では、ハンドル機構100を明示するため、発射停止スイッチ93Aの図示を省略している。
右ハンドル110は、遊技者が右手で操作するための遊技球の発射ハンドルであり、右面91Cの右側に設けられている。左ハンドル120は、遊技者が左手で操作するための遊技球の発射ハンドルであり、左面91Dの左側に設けられている。右ハンドル110及び左ハンドル120は、左右対称の同一部材である。右ハンドル110及び左ハンドル120の何れも、ユニット本体91において、上発射停止ボタン93よりも下方に設けられている。
貯留皿8は、ユニット本体91よりも左右方向に延びている。貯留皿8の右下部には、湾曲面98Aが設けられている。湾曲面98Aは、正面視で若干上方へ円弧状に凹むように湾曲している。湾曲面98Aの後端部から下方に延びる湾曲面98Bは、側面視で若干後方へ円弧状に凹むように湾曲している。右ハンドル110の後部は、湾曲面98Aの下方に配置される。右ハンドル110の略全体は、湾曲面98Bの前方に配置される。
右ハンドル110の下方には、右手置き台210が設けられている。右手置き台210は、支持部211及び手置き部212を備える。支持部211は、湾曲面98Bの下端部左側の直下において、前面枠6の前面から前方に突出して設けられている。支持部211の前端部は、前方に向かって斜め下方に傾斜して形成されている。手置き部212は、支持部211の前端部に連結され、湾曲面98Bの下端側から前側下方に突出して延びる板状に形成されている。手置き部212は、右ハンドル110の回動方向に沿うように、側面視で若干下方へ円弧状に凹むように湾曲している。手置き部212は、右ハンドル110の前端部と略同じ前後方向位置まで、前面枠6から前方に延びる。手置き部212は、右ハンドル110を把持する右手を下方から支持する。右ハンドル110の略全体は、右手置き台210の左部上方に配置される。
これにより、右ハンドル110は、湾曲面98A,98B及び右手置き台210によって上下両側且つ前側から覆われる。右ハンドル110の略全体は、前方及び右方に露出する。右ハンドル110と、湾曲面98A,98B及び右手置き210台の手置き部212との間には、少なくとも遊技者の指を挿入可能な大きさ(例えば、5cm以上)の隙間が設けられている。即ち、右ハンドル110の周囲には、少なくとも遊技者の指を挿入可能な隙間が形成されている。これにより、遊技者は、右手置き台210の手置き部212に右手を置いた状態で、右ハンドル110を把持して操作を行うことができるので、操作性が安定し、且つ長時間の操作に伴う右手の疲れを軽減できる。
そして、上記の通り、手置き部212は、右ハンドル110の回動方向に沿うように湾曲しているので、手置き部212の上面と右ハンドル110との隙間を略同一にできる。これにより、遊技者は、手置き部212の上面のうちどこの位置に右手を置いても、右ハンドル110までの距離が略同一になるので、自分の持ち易い位置で右ハンドル110を簡単に操作できる。よって、右ハンドル110の操作性が向上する。また、右手置き台210では、手置き部212の下面の左端部のうち上側の部分に対して、支持部211の傾斜する前端部が下方から支えるように連結しているので、手置き部212は、右手の荷重に十分に耐えることができる。さらに、手置き部212には、右手の荷重しかかからないので、過重負荷による損傷を防止できる。
他方、パチンコ機1の左右方向中心部を挟んで、湾曲面98A,98B及び右手置き台210と左右対称に、湾曲面99A,99B及び左手置き台220が夫々設けられる。左手置き台220は、右手置き台210と同様に、支持部221及び手置き部222を備える。支持部221は、湾曲面99Bの下端部右側の直下において、前面枠6の前面から前方に突出して設けられている。支持部221の前端部は、前方に向かって斜め下方に傾斜して形成されている。手置き部222は、支持部221の前端部に連結され、湾曲面99Bの下端側から前側下方に突出して延びる板状に形成されている。手置き部222は、左ハンドル120の回動方向に沿うように、側面視で若干下方へ円弧状に凹むように湾曲している。手置き部222は、左ハンドル120の前端部と略同じ前後方向位置まで、前面枠6から前方に延びる。手置き部222は、左ハンドル120を把持する左手を下方から支持する。左ハンドル120の略全体は、左手置き台220の右部上方に配置される。
これにより、左ハンドル120は、湾曲面99A,99B及び左手置き台220によって上下両側且つ前側から覆われる。左ハンドル120の略全体は、前方及び左方に露出する。左ハンドル120と、湾曲面99A,99B及び左手置き220台の手置き部222との間にも、右ハンドル110と同様に、少なくとも遊技者の指を挿入可能な隙間が形成されている。これにより、遊技者は、左手置き台220の手置き部222に左手を置いた状態で、左ハンドル120を把持して操作を行うことができるので、操作性が安定し、且つ長時間の操作に伴う左手の疲れを軽減できる。
そして、上記の通り、手置き部222も、左ハンドル120の回動方向に沿うように湾曲しているので、手置き部222の上面と左ハンドル120との隙間を略同一にできる。これにより、遊技者は、手置き部222の上面のうちどこの位置に左手を置いても、左ハンドル120までの距離が略同一になるので、自分の持ち易い位置で左ハンドル120を操作できる。よって、左ハンドル120の操作性が向上する。また、図示しないが、手置き部222の下面の右端部のうち上側の部分に対して、支持部221の傾斜する前端部が下方から支えるように連結しているので、手置き部222は、左手の荷重に十分に耐えることができる。さらに、手置き部222には、左手の荷重しかかからないので、過重負荷による損傷を防止できる。
また、右手置き台210において、手置き部212の下面の略中央部には、右側振動モータ85が固定されている。右側振動モータ85は、手置き部212を小刻みに振動させる為の部品である。他方、左手置き台220においても、手置き部222の下面の略中央部には、左側振動モータ86が固定されている。左側振動モータ86は、手置き部222を小刻みに振動させる為の部品である。後述するように、右側振動モータ85及び左側振動モータ86は、後述するサブ制御基板58に接続されている。サブ制御基板58は、後述する主基板41から送信されるコマンドに従って、右側振動モータ85及び左側振動モータ86を駆動させる。サブ制御基板58は、例えば、大当たり等の遊技状態に応じて、右側振動モータ85及び左側振動モータ86の両方、又は片方を振動させることで、手置き部212,222を介して右手及び左手に直観的な刺激を与えることができるので、遊技者の遊技意欲を更に向上できる。
図7を参照して、ハンドル機構100の詳細構造を説明する。ハンドル機構100は、右ハンドル110、左ハンドル120、右ギア部130、左ギア部140、連動部150、発射強弱調整ボリューム160を有する。
右ギア部130は、回転軸131及び回転ギア132を有する。回転軸131は、右面91C(図5参照)を貫通する孔(図示外)を介して、ユニット本体91の内部から外部に突出する軸体である。回転軸131は、略左右方向に延びる軸線を中心として、ユニット本体91によって回転自在に支持されている。回転ギア132は、ユニット本体91の内部に配置される回転軸131の左端側に固定される。回転ギア132は、その周面に連続する歯が形成された、回転軸131と共に回転する円盤ギアである。回転ギア132は、ユニット本体91の内部における右面91Cの若干左側に配置されている。
右ハンドル110は、ユニット本体91から右側に突出する回転軸131の右端側に固定されている。即ち右ハンドル110は、回転軸131の軸線を中心として、回転軸131と共に回転自在である。なお、右ハンドル110に外力が加えられていない状態では、右ハンドル110は図示外のバネの弾性力によって、所定の回転基準位置に保持される。右ハンドル110は、右側面視で回転基準位置よりも時計回り方向側で、回転軸131の軸線を中心として回転可能である。右ハンドル110には、人体が右ハンドル110に接触しているか否かを検出する右タッチセンサ114(図8参照)が内蔵されている。
右ハンドル110は、回転軸131の右端側をユニット本体91とは反対側(すなわち、右側)から覆う端面部111と、回転軸131の右端側の外周を覆う周縁部112とを有する。端面部111は、右ハンドル110の右面をなす面部である。本実施形態の周縁部112では、凸部112A及び凹部112Bが回転軸131を中心として周方向に交互に並ぶ。
詳細には、四つの凸部112A及び四つの凹部112Bが、回転軸131を中心として周方向に90°間隔で設けられる。凸部112Aは、回転軸131の径方向外側に突出する部位である。凹部112Bは、互いに隣り合う凸部112Aの間に夫々設けられた、凸部112Aよりも回転軸131からの距離が小さい部位である。四つの凹部112Bのうち、右ハンドル110が回転基準位置にある状態で前側上方を向く凹部112Bには、右発射停止ボタン113が設けられている。
右発射停止ボタン113は、遊技球の発射を停止するためのボタンである。右発射停止ボタン113の内部には、発射停止スイッチ113Aが設けられている。発射停止スイッチ113Aは、右発射停止ボタン113が回転軸131の径方向内側に向けて押し込まれているか否かを検出するための電子部品である。発射停止スイッチ113Aは、発射停止スイッチ93Aと同様のレバー部とスイッチ部とを備えており、右発射停止ボタン113が回転軸131の径方向内側に向けて押し込まれると、レバー部はスイッチ部を押圧する。発射停止スイッチ113Aは、例えば遊技者が右発射停止ボタン113を回転軸131の径方向内側に向けて押し込んでいる場合、右発射停止ボタン113が押し込まれていることを示す検知信号を、後述の発射制御基板44(図8参照)に出力する。
これにより、パチンコ機1の正面側で遊技する遊技者は、例えば親指が上側になるように立てた右手で、右ハンドル110を右側から把持する。このとき遊技者は、右手の掌を端面部111に当接させつつ、右手の指を各凹部112Bに配置することで、右ハンドル110を確実に且つ自然な姿勢で把持できる。従って遊技者は、右手の手首を大きく曲げる必要なく、且つ右手を略垂直に立てた自然な姿勢で、右ハンドル110を回転操作できる。
また、右ハンドル110の凹部112Bに右発射停止ボタン113が設けられているので、遊技者は、右ハンドル110を把持した右手の親指等で右発射停止ボタン113を回転軸131の径方向内側に向けて押し込むことで、右発射停止ボタン113を操作できる。従って遊技者は、右ハンドル110を把持して回転操作すると同時に、右発射停止ボタン113を押圧操作できる。
左ギア部140は、右ギア部130と左右対称な同一部材であり、回転軸141及び回転ギア142を有する。回転軸141は、左面91D(図5参照)を貫通する孔(図示外)を介して、ユニット本体91の内部から外部に突出する軸体である。回転軸141は、略左右方向に延びる軸線を中心として、ユニット本体91によって回転自在に支持されている。回転ギア142は、ユニット本体91の内部に配置される回転軸141の右端側に固定される。回転ギア142は、その周面に連続する歯が形成された、回転軸141と共に回転する円盤ギアである。回転ギア142は、ユニット本体91の内部における左面91Dの若干右側に配置されている。
左ハンドル120は、ユニット本体91から左側に突出する回転軸141の左端側に固定されている。即ち左ハンドル120は、回転軸141の軸線を中心として、回転軸141と共に回転自在である。なお、左ハンドル120に外力が加えられていない状態では、左ハンドル120は図示外のバネの弾性力によって、所定の回転基準位置に保持される。左ハンドル120は、右側面視で回転基準位置よりも時計回り方向側で、回転軸141の軸線を中心として回転可能である。左ハンドル120には、人体が右ハンドル110に接触しているか否かを検出する左タッチセンサ124(図8参照)が内蔵されている。
左ハンドル120は、回転軸141の左端側をユニット本体91とは反対側(すなわち、右側)から覆う端面部121と、回転軸141の左端側の外周を覆う周縁部122とを有する。端面部121は、左ハンドル120の左面をなす面部である。本実施形態の周縁部122では、周縁部112と同様に、四つの凸部122A及び四つの凹部122Bが、回転軸141を中心として周方向に90°間隔で設けられる。四つの凹部122Bのうち、左ハンドル120が回転基準位置にある状態で前側上方を向く凹部122Bには、左発射停止ボタン123が設けられている。
左発射停止ボタン123は、遊技球の発射を停止するためのボタンである。左発射停止ボタン123の内部には、発射停止スイッチ123Aが設けられている。発射停止スイッチ123Aは、左発射停止ボタン123が回転軸141の径方向内側に向けて押し込まれているか否かを検出するための電子部品である。発射停止スイッチ123Aは、発射停止スイッチ93A,113Aと同様のレバー部とスイッチ部とを備えており、左発射停止ボタン123が回転軸141の径方向内側に向けて押し込まれると、レバー部はスイッチ部を押圧する。発射停止スイッチ123Aは、例えば遊技者が左発射停止ボタン123を回転軸141の径方向内側に向けて押し込んでいる場合、左発射停止ボタン123が押し込まれていることを示す検知信号を、後述の発射制御基板44(図8参照)に出力する。
これにより、パチンコ機1の正面側で遊技する遊技者は、親指が上側になるように立てた左手で、左ハンドル120を左側から把持する。このとき遊技者は、左手の掌を端面部121に当接させつつ、左手の指を各凹部122Bに配置することで、左ハンドル120を確実に且つ自然な姿勢で把持できる。従って遊技者は、左手の手首を大きく曲げる必要なく、且つ左手を略垂直に立てた自然な姿勢で、左ハンドル120を回転操作できる。
また、左ハンドル120の凹部122Bに左発射停止ボタン123が設けられているので、遊技者は、左ハンドル120を把持した左手の親指等で左発射停止ボタン123を回転軸141の径方向内側に向けて押し込むことで、左発射停止ボタン123を操作できる。従って遊技者は、左ハンドル120を把持して回転操作すると同時に、左発射停止ボタン123を押圧操作できる。
連動部150は、ユニット本体91の内部に配置されており、回転軸151及び連動ギア152,153,154を有する。回転軸151は、略左右方向に延びる軸線を中心として、ユニット本体91の内部で回転自在に支持される軸体である。連動ギア152は、回転軸151の右端側に固定される。連動ギア152は、回転軸151の左端側に固定される。連動ギア154は、回転軸151の左右方向略中央部に固定される。連動ギア152,153,154は夫々、各々の周面に連続する歯が形成された、回転軸151と共に回転する円盤ギアである。連動ギア152,153は、連動ギア154を挟んで左右対称な同一部材である。連動ギア154は、連動ギア152,153よりも小径である。
連動ギア152は、回転ギア132に対して後側上方から噛み合う。連動ギア153は、回転ギア142に対して後側上方から噛み合う。かかる構造により、ユニット本体91内における連動部150の前側には、回転ギア132,142の間で上下方向に延びる空きスペース170(図4参照)が形成される。これにより、例えば空きスペース170に他の機構又は部品を設けることができ、下部ユニット9の設計自由度を高めることができる。本実施形態では、発射停止スイッチ93A(図4参照)に接続する基板及び配線等の部品(図示外)が、空きスペース170に配置されている。
発射強弱調整ボリューム160は、発射ハンドル(本実施形態では、右ハンドル110及び左ハンドル120)の回転角度を検出するための電子部品である。発射強弱調整ボリューム160は、ユニット本体91の内部に配置されており、ボリュームギア161を有する。ボリュームギア161は、略左右方向に延びる軸を中心に回転可能な円盤ギアであり、連動ギア154に対して後側上方から噛み合う。なお、右ハンドル110及び左ハンドル120が各回転基準位置にある場合、ボリュームギア161は検出基準位置にある。
上記の構造により、右ハンドル110の回転操作に伴って、回転軸131を介して回転ギア132も右ハンドル110と同一方向に回転する。回転ギア132を介して、連動ギア152は右ハンドル110とは反対方向に回転する。回転軸151を介して、連動ギア153,154も右ハンドル110とは反対方向に回転する。連動ギア154を介して、ボリュームギア161が右ハンドル110と同一方向に回転する。このとき発射強弱調整ボリューム160は、ボリュームギア161の検出基準位置からの回転量を検出する。一方、連動ギア153を介して、回転ギア142は右ハンドル110と同一方向に回転する。回転軸141を介して、左ハンドル120も右ハンドル110と同一方向に回転する。このとき左ハンドル120は、右ハンドル110と同一の回転量だけ回転する。従って左ハンドル120は、右ハンドル110の回転操作と同期して、右ハンドル110と左右対称に回転する。
同様に、左ハンドル120の回転操作に伴って、回転軸141を介して回転ギア142も左ハンドル120と同一方向に回転する。回転ギア142を介して、連動ギア153は左ハンドル120とは反対方向に回転する。回転軸151を介して、連動ギア152,154も左ハンドル120とは反対方向に回転する。連動ギア154を介して、ボリュームギア161が左ハンドル120と同一方向に回転する。このとき発射強弱調整ボリューム160は、ボリュームギア161の検出基準位置からの回転量を検出する。一方、連動ギア152を介して、回転ギア132は左ハンドル120と同一方向に回転する。回転軸131を介して、右ハンドル110も左ハンドル120と同一方向に回転する。このとき右ハンドル110は、左ハンドル120と同一の回転量だけ回転する。従って右ハンドル110は、左ハンドル120の回転操作と同期して、左ハンドル120と左右対称に回転する。
図8を参照して、パチンコ機1の電気的構成を説明する。パチンコ機1の制御部40は、主基板41、サブ制御基板58、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、払出制御基板45、中継基板47、発射制御基板44、及び電源基板42を主に備える。
主基板41は、パチンコ機1の主制御を司る。主基板41の主基板CPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、データを一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム等を記憶したROM53とが設けられている。主基板CPUユニット50には、割込信号発生回路57が接続されている。主基板41は、割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎にプログラムを実行する。主基板41は、I/Oインタフェイス54を介してサブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47、及び出力ポート55に接続されている。出力ポート55は、図示しない遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する。
サブ制御基板58は、CPU581、RAM582、及びROM583を備え、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、操作ボタン92、スピーカ48、右側振動モータ85、及び左側振動モータ86に接続している。サブ制御基板58は、主基板41から送信されるコマンドに従って、演出等の総合的な制御を行う。ランプドライバ基板46は、可動役物34の動作等を制御する。演出制御基板43は、CPU431、CGROM432等を備え、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って表示画面28の表示を制御する。払出制御基板45は、CPU45a等を備える。払出制御基板45は、主基板41から送信されるコマンドに応じて賞球払出装置49の動作を制御し、所定数の遊技球を賞球として払い出させる。
中継基板47には、第一普通電動役物開閉ソレノイド61、第二普通電動役物開閉ソレノイド62、第三普通電動役物開閉ソレノイド63、第四普通電動役物開閉ソレノイド64、第一図柄作動ゲートスイッチ65、第四図柄作動ゲートスイッチ66、第四図柄作動口スイッチ67、第一普通電動役物スイッチ68、第二普通電動役物スイッチ69、第三普通電動役物スイッチ70、及び第四普通電動役物スイッチ71が接続されている。
第一普通電動役物開閉ソレノイド61は、第一普通当たり遊技中に第一普通電動役物16の開閉部材を開閉する。第二普通電動役物開閉ソレノイド62は、第二普通当たり遊技中に第二普通電動役物17の開閉部材を開閉する。第三普通電動役物開閉ソレノイド63は、第三普通当たり遊技中に第三普通電動役物18の開閉部材を開閉する。第四普通電動役物開閉ソレノイド64は、第四普通当たり遊技中に第四普通電動役物19の開閉部材を開閉する。
第一図柄作動ゲートスイッチ65は、第一図柄作動ゲート11を通過した遊技球を検出する。第四図柄作動ゲートスイッチ66は、第四図柄作動ゲート13を通過した遊技球を検出する。第四図柄作動口スイッチ67は、第四図柄作動口12へ入賞した遊技球を検出する。第一普通電動役物スイッチ68、第一普通電動役物16へ入賞した遊技球を検出する。第二普通電動役物スイッチ69は、第二普通電動役物17へ入賞した遊技球を検出する。第三普通電動役物スイッチ70は、第三普通電動役物18へ入賞した遊技球を検出する。第四普通電動役物スイッチ71は、第四普通電動役物19へ入賞した遊技球を検出する。
電源基板42は、主基板41及び発射制御基板44に接続されており、各基板に直流の安定化した電力を供給する。発射制御基板44には、先述の右タッチセンサ114、左タッチセンサ124、発射強弱調整ボリューム160、発射停止スイッチ93A,113A,123A、及び遊技球発射装置37が接続されている。遊技球発射装置37は、発射制御基板44の制御によって、一定間隔(本実施形態では、0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域4へ発射する。
詳細には、右タッチセンサ114は、例えば遊技者が右ハンドル110を把持している場合、人体の接触を検知したことを示す検知信号を発射制御基板44に出力する。同様に左タッチセンサ124は、例えば遊技者が左ハンドル120を把持している場合、人体の接触を検知したことを示す検知信号を発射制御基板44に出力する。発射強弱調整ボリューム160は、ボリュームギア161の検出基準位置からの回転量(回転角度)を検出して、発射制御基板44に出力する。検出されたボリュームギア161の回転角度は、右ハンドル110及び左ハンドル120の各回転基準位置からの回転角度と同義である。
発射制御基板44は、右タッチセンサ114及び左タッチセンサ124の少なくとも一つから検知信号が入力されている場合、発射強弱調整ボリューム160から入力された回転角度に応じた発射強度で、遊技球発射装置37から遊技球を遊技領域4に向けて発射させる。一方、発射制御基板44は、発射停止スイッチ93A,113A,123Aの少なくとも一つから検知信号が入力された場合、右タッチセンサ114及び左タッチセンサ124からの検知信号の入力、また、発射強弱調整ボリュームからの回転角度の入力に関わらず、遊技球発射装置37による遊技球の打ち出しを中止させる。
以上説明した本実施形態によれば、遊技者は右ハンドル110及び左ハンドル120の何れか一つを操作して、遊技領域4に遊技球を打ち出すことができる。遊技者は、右ハンドル110及び左ハンドル120の何れかを操作する場合でも、右側面視で時計回り方向に右ハンドル110又は左ハンドル120を回転させて遊技球を打ち出す。即ち、右ハンドル110及び左ハンドル120は、遊技球の発射実行又は発射停止を行うための回転方向(及び、遊技球の発射強度を調整する方向)が共通である。従って、遊技者は右ハンドル110及び左ハンドル120を共通の動作で操作できるため、遊技者に混乱をもたらすことがない。
遊技者は片手で右ハンドル110及び左ハンドル120の何れか一つを操作して遊技しているときに、残りの手で各種操作(例えば、各種ボタンの押下、貯留皿8への球補充等)を実行できるため、遊技を中断することなく各種操作を実行できる。また、例えば遊技者は、右ハンドル110を右手で操作して遊技している途中で、左ハンドル120を左手で把持しつつ、右ハンドル110から右手を離す。このように右ハンドル110及び左ハンドル120を持ち替えた場合、右ハンドル110及び左ハンドル120の回転角度は変化しない。つまり、遊技者は遊技球の発射状態及び発射強度を維持しつつ、右ハンドル110及び左ハンドル120を持ち替えることができる。
なお遊技者は、右ハンドル110を右手で把持し、且つ左ハンドル120を左手で把持して、右ハンドル110及び左ハンドル120を同時に回転操作してもよい。この場合、遊技者は、右ハンドル110及び左ハンドル120を互いに同一の方向及び回転量で回転操作する。このように右ハンドル110及び左ハンドル120を両手で操作した場合、右ハンドル110及び左ハンドル120の何れかを片手で回転操作する場合と比べて、ハンドル操作の負荷が両手に分散されるため、遊技者の操作負担が更に軽減される。また、遊技者が両手でハンドル操作を行って遊技球を打ち出すという、従来にない興趣の遊技を実現できる。
更に、遊技者が右ハンドル110及び左ハンドル120を同時に操作している途中で片方の手をハンドルから離しても、先述のように遊技球の発射状態及び発射強度を維持しつつ、遊技を継続できる。また、遊技者は右ハンドル110及び左ハンドル120を交互に微量ずつ回転させることで、従来よりも高精度に遊技球の発射状態及び発射強度を調整できる。
このように、遊技者は、両手又は片手を用いて、多様なハンドル操作を行うことができる。また、パチンコ機1は、上発射停止ボタン93、右発射停止ボタン113、左発射停止ボタン123の複数の発射停止ボタンを備えることで、多様なハンドル操作に加えて、多様な発射停止ボタン操作を遊技者に提供できる。
例えば、遊技者は、右ハンドル110を右手で把持して回転操作しながら、左ハンドル120に左手を添えて左発射停止ボタン123を押圧操作できる。同様に、遊技者は、左ハンドル120を左手で把持して回転操作しながら、右ハンドル110に右手を添えて右発射停止ボタン113を押圧操作できる。また、例えば、遊技者は、片手で右ハンドル110及び左ハンドル120の何れか一つを回転操作しつつ、残りの手をハンドルから離し、離した側の手で上発射停止ボタン93を押圧操作できる。遊技者の手の大きさ、握力等は、遊技者により様々である。遊技者の手が比較的小さい場合、また遊技者の握力が比較的弱い場合等には、遊技者は、右手で右ハンドル110の回転操作と右発射停止ボタン113の押圧操作とを同時に行い難いことがある。また、同様に、遊技者は、左手で左ハンドル120の回転操作と左発射停止ボタン123の押圧操作とを同時に行い難いことがある。このような場合であっても、パチンコ機1は、複数の発射停止ボタンのうちから遊技者のハンドル操作に応じて操作しやすいものを、遊技者に任意に選択させることができる。従って、パチンコ機1は、従来よりも発射停止ボタンの操作性を向上できる。
なお、遊技仕様によっては、遊技者が発射停止ボタンの操作を頻繁に行うことがある。上発射停止ボタン93は、前面91Bの中央部に設けられているので、遊技者は、例えばハンドルから離した手を前面91Bに向けて伸ばすことで、遊技領域4を視認しながら上発射停止ボタン93を容易に操作できる。また、上発射停止ボタン93が前面91Bにおいて右ハンドル110及び左ハンドル120よりも上方にあるので、例えばホールのスタッフは、遊技者が上発射停止ボタン93を操作する手を視認しやすい。このため、上発射停止ボタン93が右ハンドル110及び左ハンドル120よりも下方にある場合に比較して、遊技者が上発射停止ボタン93を操作する行為が、「ゴト」と呼ばれる各種の不正行為と誤認されにくくなる。従って、パチンコ機1は、遊技者に快適な遊技環境を提供できる。
また、パチンコ機1は、前面枠6の前面であって、右ハンドル110及び左ハンドル120の下方に、右手置き台210及び左手置き台220を夫々備えている。右手置き台210及び左手置き台220は、右ハンドル110及び左ハンドル120を把持する右手と左手を夫々、下方から支えることができる。これにより、右ハンドル110及び左ハンドル120の操作性が安定すると共に、長時間の操作に伴う両手の疲れを軽減できる。
また、右手置き台210及び左手置き台220は、手置き部212,222を備える。手置き部212,222は右手と左手が置かれる部分であり、右ハンドル110及び左ハンドル120の夫々の回動方向に沿って湾曲している。これにより、例えば、右手置き台210の手置き部212の上面のうちどこの位置に右手を置いても、右ハンドル110までの距離が略同一になるので、自分の持ち易い位置で右ハンドル110を操作できる。なお、左手置き台220においても同様である。
また、右手置き台210及び左手置き台220において、手置き部212,222の夫々の下面には、右側振動モータ85、及び左側振動モータ86が固定されているので、例えば、遊技状態に応じて、右側振動モータ85、及び左側振動モータ86を駆動させることで、手置き部212,222を小刻みに振動させることができる。これにより、手置き部212,222を介して右手及び左手に直観的な刺激を与えることができるので、遊技意欲を更に向上できる。
また、本実施形態の右手置き台210及び左手置き台220は、前面枠6の前面に設けられているので、外枠5又は本体枠に対して回動させた場合でも、右手置き台210及び左手置き台220と、右ハンドル110及び左ハンドル120との位置関係は変わらない。さらに、前面枠6を他の外枠5又は本体枠に取り付けた場合でも、それらの位置関係は変わらないので、メンテナンス時において、右ハンドル110及び左ハンドル120、又は右手置き台210及び左手置き台220の位置を調整する必要がない。
以上説明したように、パチンコ機1の下部に設けられたユニット本体91において、その内部から外部に突出する回転軸131が、パチンコ機1の前後方向及び上下方向と交差する方向に延びる軸線を中心に回転自在に支持される。右ハンドル110は、ユニット本体91の外部に突出する回転軸131の一端側に設けられ、且つ回転軸131の軸線を中心に回転自在である。遊技者が右ハンドル110を回転操作するのに応じて、遊技球が遊技領域4に向けて発射される。これによれば、パチンコ機1の前面側で遊技する遊技者は、手首を大きく曲げる必要なく、右ハンドル110を回転操作できる。従って、遊技者の操作負担を抑制しつつ、遊技球を発射して遊技を行うことができる。左ハンドル120についても、右ハンドル110と同様である。
パチンコ機1の前面側で遊技する遊技者は、掌を端面部111に当接させつつ指で周縁部112を把持する。従って遊技者は、手を略垂直に立てた自然な姿勢で右ハンドル110を回転操作できるため、遊技者の操作負担を更に抑制できる。左ハンドル120についても、右ハンドル110と同様である。
回転軸131は、パチンコ機1の左右方向と略平行に延びる軸線を中心として、ユニット本体91によって回転自在に支持されている。そのため遊技者は、パチンコ機1の前面側から手首を大きく曲げることなく右ハンドル110を把持して回転操作できるため、遊技者の操作負担を更に抑制できる。左ハンドル120についても、右ハンドル110と同様である。
右ハンドル110を把持する遊技者の手が右手置き台210によって支持されるため、遊技者の操作負担を更に抑制できる。同様に、左ハンドル120を把持する遊技者の手が左手置き台220によって支持されるため、遊技者の操作負担を更に抑制できる。
また、パチンコ機1の下部に設けられたユニット本体91の左右両側に、右側に延びる第一軸線を中心に回転な右ハンドル110と、左側に延びる第二軸線を中心に回転な左ハンドル120とが設けられる。右ハンドル110が回転操作された場合、回転ギア132が連動ギア152を介して連動部150を回転させることで、連動ギア153を介して回転ギア142が回転ギア132と同一方向に回転する。回転ギア132の回転に伴って、左ハンドル120が右ハンドル110と同期して略左右対称に回転する。左ハンドル120が回転操作された場合、回転ギア142が連動ギア153を介して連動部150を回転させることで、連動ギア152を介して回転ギア132が回転ギア142と同一方向に回転する。回転ギア142の回転に伴って、右ハンドル110が左ハンドル120と同期して略左右対称に回転する。連動部150の回転に応じて、遊技球が遊技領域4に向けて発射される。従って遊技者は、手首を大きく曲げる必要なく、右ハンドル110及び左ハンドル120の少なくとも一つを回転操作して遊技を行うことができため、ハンドル操作の負担を抑制できる。
遊技球の発射強度を決定するための発射強弱調整ボリューム160は、右ハンドル110及び左ハンドル120から離れた位置に設けられている。従って、従来のように発射ハンドルの近傍に発射強弱調整ボリュームを設ける場合と比較して、遊技球を発射する機構の設計自由度を高めることができる。
ユニット本体91の内部には、連動部150における回転ギア132,142の間に、空きスペース170を形成できる。従って、例えば空きスペース170に各種部品を配置する等、ユニット本体91の設計自由度を高めることができる。
本発明は、以上詳述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。例えば、上記実施形態のハンドル機構100(図7参照)に代えて、図9及び図10に示すハンドル機構101を設けてもよい。以下のハンドル機構101の説明では、ハンドル機構100と異なる箇所のみを説明し、ハンドル機構100と同一構造については同一記号を付して説明を省略する。
図9及び図10に示すように、ハンドル機構101は、図7に示す右ギア部130、左ギア部140、及び連動部150に代えて、連結部180を備える。連結部180は、連結軸181及び連動ギア182を有する。連結軸181は、略左右方向に延びる軸線を中心として、ユニット本体91の内部で回転自在に支持される軸体である。連結軸181の左右両端側は、右面91C及び左面91Dを夫々貫通する孔(図示外)を介して、ユニット本体91の内部から外部に突出する。
右ハンドル110は、ユニット本体91から右側に突出する連結軸181の右端側に固定されている。左ハンドル120は、ユニット本体91から左側に突出する連結軸181の左端側に固定されている。連動ギア182は、連結軸181の左右方向略中央部に固定される。連動ギア182は、その周面に連続する歯が形成された、連結軸181と共に回転する円盤ギアである。発射強弱調整ボリューム160のボリュームギア161は、連動ギア154に対して後側上方から噛み合う。
上記の構造により、右ハンドル110の回転操作に伴って、連結軸181を介して左ハンドル120及び連動ギア182も、右ハンドル110と同一方向に同一回転量だけ回転する。連動ギア182を介して、ボリュームギア161が右ハンドル110と反対方向に回転する。同様に、左ハンドル120の回転操作に伴って、連結軸181を介して右ハンドル110及び連動ギア182も、左ハンドル120と同一方向に同一回転量だけ回転する。連動ギア182を介して、ボリュームギア161が左ハンドル120と反対方向に回転する。発射強弱調整ボリューム160は、ボリュームギア161の検出基準位置からの回転量(回転角度)を検出する。発射制御基板44(図8参照)は、上記実施形態と同様に、検出された回転角度に応じて遊技球の発射を制御する。
従って、変形例のハンドル機構101によれば、より簡易な構造で右ハンドル110及び左ハンドル120を連動して回転させることができ、且つ上記実施形態のハンドル機構100と同様の作用効果を奏する。また、ハンドル機構101で例示したように、発射強弱調整ボリューム160の設置個所は変更可能である。従って、例えばハンドル機構100(図7参照)において、ボリュームギア161が連動ギア152,153の何れかに噛み合うことで、発射強弱調整ボリューム160が右ハンドル110及び左ハンドル120の回転角度を検出してもよい。この場合、ハンドル機構100に連動ギア154を設ける必要がない。
上記実施形態及び変形例では、右ハンドル110及び左ハンドル120は何れも、パチンコ機1の左右方向と略平行に延びる軸線を中心として回転操作可能である。これに限定されず、右ハンドル110及び左ハンドル120の少なくとも一つが、パチンコ機1の前後方向及び上下方向と交差する方向に延びる軸線を中心として回転操作可能であればよい。従って、右ハンドル110及び左ハンドル120の少なくとも一つが、例えば斜め前方、斜め後方、斜め上方、斜め下方等の何れかの方向に延びる軸線を中心として回転操作可能であってもよい。この場合、右ハンドル110の回転中心となる軸線と、左ハンドル120の回転中心となる軸線とは、互いに左右対称に設けられることが好適である。これにより、右ハンドル110及び左ハンドル120が左右対称に配置できるため、遊技者が違和感なく各ハンドルを操作できる。なお、パチンコ機1は、前後方向及び上下方向と交差する方向に延びる軸線を中心として回転操作な発射ハンドルを1つだけ備えてもよい。
例えば、右ハンドル110が斜め前方に延びる軸線を中心に回転操作可能である場合、前後方向に延びる軸線を中心に回転可能な従来の発射ハンドルと同様の操作感覚を損なうことなく、且つ、従来よりも手首を傾ける操作負担を抑制しつつ、右ハンドル110を用いて遊技球を発射することができる。なお、右ハンドル110及び左ハンドル120の形状は、上記実施形態及び変形例に例示した形状に限定されず、側面視で略円形状又は多角形状でもよいし、各ハンドルの回転中心となる軸線方向に延びる形状(例えば筒状又は柱状)でもよい。
上記実施形態では、右ハンドル110及び左ハンドル120の夫々に、右発射停止ボタン113及び左発射停止ボタン123の夫々が設けられている。これに限定されず、右発射停止ボタン113及び左発射停止ボタン123の少なくとも一つが、右ハンドル110又は左ハンドル120の何れかに設けられれば良い。例えば、右ハンドル110に右発射停止ボタン113が設けられる一方、左ハンドル120に左発射停止ボタン123が設けられない構成であってもよい。また、左ハンドル120に左発射停止ボタン123が設けられる一方、右ハンドル110に右発射停止ボタン113が設けられない構成であってもよい。
上記実施形態では、右発射停止ボタン113は、右ハンドル110の四つの凹部112Bのうち、回転基準位置において前側上方を向く凹部112Bに設けられているが、この凹部112Bに隣接する凹部112Bに設けられてもよい。また、別の例では、右発射停止ボタン113が、回転軸131の右端側の外周における何れかの位置において、右ハンドル110に隣接して設けられてもよい。同様に、左発射停止ボタン123は、左ハンドル120の四つの凹部122Bのうち、回転基準位置において前側上方を向く凹部122Bに隣接する凹部122Bに設けられてもよい。また、左発射停止ボタン123が、回転軸141の左端側の外周における何れかの位置において、右ハンドル110に隣接して設けられてもよい。
また、別の変形例として、上記実施形態の右ハンドル110及び左ハンドル120に代えて、図11に示すハンドル310が設けられてもよい。以下、図11を参照して、ハンドル310を備えるパチンコ機301について説明する。以下の変形例における説明では、パチンコ機1と同一構造については同一記号を付して説明を省略する。
パチンコ機301の前面枠80の前面81は、僅かに前側を向くように傾斜した平面である上面81Aと、若干前方に膨らむように上下方向に延びる湾曲面である前面81Bとを有する。操作ボタン92は、上面81Aの中央部に設けられている。上発射停止ボタン393は、前面81Bの上部において、操作ボタン92の左斜め下方に設けられている。上発射停止ボタン393には発射停止スイッチ393Aが内蔵されており、上発射停止ボタン393が後方へ押し込まれると、発射停止スイッチ393Aは検知信号を発射制御基板44に出力する。
ハンドル310は、遊技者が右手で操作するための遊技球の発射ハンドルであり、前面枠80の右下部に設けられている。ハンドル310は、図示しない回転軸を有し、回転軸の後端が、前面枠80右下部の図示しない取付孔に挿し込まれることで、前面枠80から前方に突出して設けられている。また、ハンドル310は、回転軸の前端側を前側から覆う端面部311と、回転軸の前端側の外周を取り囲む周縁部312とを有する。周縁部312は、所定の回転基準位置よりも正面視で時計回り方向側に、回転軸の軸線を中心として回転可能である。ハンドル310には、周縁部312の回転基準位置に対する回転角度を検出する図示しない発射強弱調整ボリュームが内蔵されている。また、周縁部312には、人体がハンドル310に接触しているか否かを検出する図示しないタッチセンサが内蔵されている。
右発射停止ボタン313は、ハンドル310において、周縁部312の後方において周縁部312に隣接して設けられている。右発射停止ボタン313には発射停止スイッチ313Aが内蔵されており、右発射停止ボタン313が回転軸の径方向内側に向けて押し込まれると、発射停止スイッチ313Aは検知信号を発射制御基板44に出力する。
これにより、パチンコ機301の遊技者は、右手の掌を端面部311に当接させつつ、右手の指を周縁部312の外側に配置することで、ハンドル310を前側から把持し、周縁部312を回転操作できる。また、周縁部312に隣接して右発射停止ボタン313が設けられているので、遊技者は、周縁部312を回転操作する右手の親指等で右発射停止ボタン313を押し込むことで、周縁部312を回転操作すると同時に、右発射停止ボタン313を押圧操作できる。
遊技者の手の大きさ、握力等は、遊技者により様々なので、遊技者によっては、周縁部312の回転操作と、右発射停止ボタン313の押圧操作とを、右手で同時に行い難いことがある。パチンコ機301は、右発射停止ボタン313に加えて上発射停止ボタン393を備えているので、遊技者は、例えば、右手でハンドル310の周縁部312を回転操作しつつ、左手で上発射停止ボタン393を押圧操作することができる。このようにして、パチンコ機301は、複数の発射停止ボタンのうちから遊技者のハンドル操作に応じて操作しやすいものを、遊技者に任意に選択させることができる。従って、パチンコ機301は、従来よりも発射停止ボタンの操作性を向上できる。
上記実施形態では、前面枠6の前面において、右ハンドル110及び左ハンドル120の夫々の下方に、右手置き台210及び左手置き台220を設けているが、何れか一方を省略してもよい。また、右手置き台210及び左手置き台220の夫々の手置き部212,222は、右ハンドル110及び左ハンドル120の夫々の回転方向に沿って湾曲しているが、例えば、略水平に延びる板状に形成してもよい。また、右手置き台210及び左手置き台220は、支持部211,221の夫々の前端部に対し、手置き部212,222を連結する構造であるが、手置き部212,222の上端部を、湾曲面98B,99Bの下端部に直接連結する構造であってもよい。
上記実施形態の右手置き台210及び左手置き台220の手置き部212,222は平面視略矩形状に形成されているが、三角形、菱形、円形、楕円等、これ以外の形状であってもよい。また、手置き部212の右前角部、及び手置き部222の左前角部を夫々切断してテーパ状にしてもよい。この場合、手置き部212,222の夫々の前側が細くなるので、右手及び左手の手首を下方から支持しつつも、手置き部212,222の周囲がすっきりとした斬新なデザインにすることができる。
上記実施形態において、右ハンドル110及び左ハンドル120のうち片方のハンドルを省略したパチンコ機の場合、省略した方の手置き台を省略すればよい。
上記実施形態は、右ハンドル110及び左ハンドル120を備えるパチンコ機1であるが、本発明は、例えば、図11に示すように、一つのハンドル310を備える上記のパチンコ機301にも適用可能である。このパチンコ機301では、前面枠80の前面81の右下部であって、且つハンドル310の下方に、手置き台320が設けられている。手置き台320は、前面81から前方に延出する板状に形成され、ハンドル310の回転方向に沿うように、正面視で下方へ半円弧状に凹むように湾曲している。ハンドル310と、手置き台320との間には、少なくとも遊技者の指を挿入可能な隙間が形成されている。このような手置き台320においても、上記実施形態の右手置き台210及び左手置き台220と同様の作用効果を得ることができる。なお、手置き台320は湾曲形状であるが、例えば、略水平に延びる板状に形成してもよい。
上記実施形態は、右手置き台210及び左手置き台220の手置き部212,222の下面に右側振動モータ85及び左側振動モータ86を固定するが、これらは省略してもよい。また、上記実施形態では、例えば、大当たり、リーチ等の特定の遊技状態に応じて、サブ制御基板58が右側振動モータ85及び左側振動モータ86を夫々駆動させているが、右側振動モータ85及び左側振動モータ86を駆動させるタイミングはこれに限定されない。例えば、遊技開始時や遊技終了時に駆動させてもよいし、遊技者が所定のボタン(図示略)を押下することによって、右側振動モータ85及び左側振動モータ86を夫々駆動させてもよい。また、スピーカ48から出力する音や、表示画面に表示するキャラクタ等の動きに合わせて、駆動させてもよい。また、右側振動モータ85及び左側振動モータ86は、手置き部212,222の下面の略中央部に設けているが、これ以外の場所に固定してもよい。また、右側振動モータ85及び左側振動モータ86は、一個に限らず、複数個を固定してもよい。
上記実施形態は、外枠5に本体枠が回動可能に設けられ、その本体枠に、前面枠6が回動可能に設けられているが、本体枠を省略してもよく、例えば、前面枠6が外枠5に回動可能に設けられていてもよい。
なお、請求項、明細書および図面に記載される全ての要素(例えば、演出装置、図柄表示部、電動役物、入賞口等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、前記要素につけられた名称(要素名)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。従って、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「表示画面」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。更には、上記全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、何れも当業者であれば容易に考えられる事項であり、敢えて明細書等において全パターンを記載しなくても何れのパターンも想定範囲内であることは明らかであることから、特許請求の範囲等においてそれらを明確に除外している旨の記載がない限りは、それら全てについて本発明に係る権利範囲に含まれることは言うまでもない。従って、その程度の範囲内での構成上の差異を、本実施例に記載がなされていないことを理由に遊技機に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはあたらない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施例から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。