JP2016220744A - 飲食物収納用の筐体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この筺体3は、内部配設された棚4に、飲食物Aを冷蔵,加熱,又は保存のために、収納する。そして筺体3は、奥行Bの長さと上下棚間ピッチCの狭さとから、腕Dが棚4に引っ掛かり妨げられて、そのままでは、手先Eを棚4間の奥まで差し込み困難である。そこで、この筺体3は、少なくとも前側に切欠9が形成された棚4を有しており、この切欠9は、手先Eが棚4間の奥まで届くことを可能にする、形状と寸法に設定されている。例えば、筺体3は前面にドア5を備えており、切欠9は、棚4の前側中央部に形成されており、棚4は、略凹形状をなしている。
【選択図】図1
Description
図4は、飲食物収納用の筺体1の従来例を示す。同図にも示したように、例えば、学校や各種施設での給食サービス用に、この種の筺体1が使用されている。
そして、筺体1の上下に内部配設された棚2に、飲食物Aが、冷蔵,加熱,又は保存のために収納されるようになっている。図中、5はドア、6は車輪である。
《第1の問題点》
第1に、奥行Bの長さと上下棚間ピッチCの狭さとから、腕Dが棚2に引っ掛かり妨げられて、そのままでは、手先Eを棚2間の奥まで差し込むことが困難である、という問題があった。
すなわち、図4の(2)図に示したように、奥行Bが長く上下棚間ピッチCが狭い筺体1の場合、腕Dが、棚2と棚2の間で引っ掛かり、棚2の奥つまり筺体1の奥まで手先Eが届かない、手先Eが途中までしか届かない、という指摘があった。
第2に、もって組立,出し入れ,清掃等の作業を行う際、非常に不便である、という問題が指摘されていた。
すなわち、筺体1内に棚2を内部配設する組立時において、手先Eが奥まで届かない為に、組立が容易でなく作業性が悪かった。
又、使用に際し、棚2上に収納された飲食物Aの出し入れが容易でなかった。特に、奥に収納された飲食物Aに手先Eが届きにくく、その出し入れ作業性が悪かった。
更に、使用後に筺体1内を洗浄等により清掃する際も、手先Eが奥まで届かないので、清掃が容易でなく、この面からも作業性が悪いと共に、筺体1内の衛生状態維持にも不安があった。
第3に、これらの問題を解消すべく、筺体1を大型化することも考えられたが、次の(イ),(ロ),(ハ),(ニ)の弊害発生が、指摘されていた。
すなわち、棚2間の引っ掛かり解消するため、つまり上下の棚間ピッチCを広げるべく、筺体1を大型化すると、まず、(イ)使い勝手つまり収納効率が悪くなる。筺体1の背が高くなり、高位の棚2に収納された飲食物Aについて、出し入れが容易でなく出し入れしにくくなる。
(ロ)筺体1を大型化すると、重量が重くなると共に、背が高く重心が高くなるので倒れ易くなる等、運搬作業性や運搬効率が悪くなる。
(ハ)筺体1を大型化すると、その分だけ、冷蔵や加熱しにくくなり、エネルギーコストの増大や不十分な温度による衛生状態の悪化が問題となる。
(ニ)筺体1を大型化すると、その分、製作コストが嵩む。
本発明の飲食物収納用の筐体は、このような実情に鑑み、上記従来技術の課題を解決すべくなされたものである。
そして本発明は、第1に、手先が棚の奥まで届き、第2に、もって組立,出し入れ,清掃等が容易化され、第3に、しかもこれらが大型化を伴わず実現される、飲食物収納用の筐体を提案することを目的とする。
このような課題を解決する本発明の技術的手段は、特許請求の範囲に記載したように、次のとおりである。
請求項1については、次のとおり。
請求項1の飲食物収納用の筐体は、上下に内部配設された棚に、飲食物を、冷蔵,加熱,又は保存のために収納する。
そして該筐体は、奥行の長さと上下棚間ピッチの狭さとから、腕が該棚に引っ掛かり妨げられて、そのままでは、手先を該棚間の奥まで差し込み困難である。
もって該筐体は、少なくとも前側に切欠が形成された該棚を有している。そして該切欠は、手先が該棚間の奥まで届くことを可能にするに足る、形状と寸法に設定されていること、を特徴とする。
請求項2の飲食物収納用の筐体では、請求項1において、該筐体は、前面にドアを備えており、該切欠は、該棚の前側中央部に形成されており、もって該棚は、略凹状をなしていること、を特徴とする。
請求項3については、次のとおり。
請求項3の飲食物収納用の筐体では、請求項1において、該筺体は、前後面にドアを備えており、該切欠は、該棚の前側中央部および後側中央部に形成されていること、を特徴とする。
請求項4については、次のとおり。
請求項4の飲食物収納用の筐体では、請求項2又は3において、該筺体や該棚の奥行寸法は、前面のみに該ドアを備えた該筐体の場合は300mm以上であり、前後面に該ドアを備えた該筐体の場合は600mm以上である。該棚の上下棚間ピッチ寸法は、50mm以上〜100mm以下であること、を特徴とする。
請求項5については、次のとおり。
請求項5の飲食物収納用の筐体では、請求項1において、該棚は、ヒーターが内部に組み込まれていること、を特徴とする。
本発明は、このような手段よりなるので、次のようになる。
(1)飲食物の提供サービスに先立ち、筐体の棚に飲食物が収納される。
(2)この筐体は、奥行が長く上下棚間ピッチが狭いので、そのままでは、腕が棚に引っ掛かり妨げられて、手先を奥まで差し込むことが困難である。
(3)そこで本発明では、少なくとも棚の前側中央部に、切欠を形成してなる。
(4)この切欠は、手先が棚の奥まで届くことを可能にする形状,寸法よりなる。肘等の腕の太い部分の逃げ場スペースを提供する切欠が、形成されている。
(5)もって、本発明の筐体によると、手先を棚の奥まで差し込めるようになる。
(6)そこで、次のようになる。まず、筐体内に棚を上下多段に配設する、製作時の組立作業が容易化する。
(7)使用に際し、棚に収納された飲食物の出し入れが、容易化する。
(8)使用後毎に行われる洗浄等による筐体内の清掃も、容易化する。
(9)しかもこれらは、筐体の大型化を伴わず実現される。切欠の採用により、小型化を維持しつつ実現される。
(10)そこで、本発明に係る飲食物収納用の筐体は、次の効果を発揮する。
第1に、手先が棚の奥まで届くようになる。
本発明の飲食物収納用の筐体は、切欠が形成された棚を有しており、もって腕が棚間に引っ掛かり妨げられることなく、手先を棚間の奥まで、筐体の奥まで差し込めるようになる。
前述したこの種従来例のように、腕が棚に引っ掛って手先が奥まで届かない事態は、解消される。
第2に、もって組立,飲食物出し入れ,清掃等が、容易化する。
本発明の飲食物収納用の筐体は、このように手先を奥まで届くように差し込むことができるので、まず、筐体内に棚を内部配設する組立作業が、容易化する。手先が奥まで届かなかった前述したこの種従来例に比し、作業性が向上し、製作コストダウンとなる。
又、棚に収納された飲食物の出し入れが、容易化する。奥の飲食物にも手先が届くので、前述したこの種従来例に比し、飲食物の出し入れ作業性が向上する。
更に、筐体内の清掃作業も容易化する。手先が奥まで届かなかった前述したこの種従来例に比し、この面からも、作業性が向上しコストダウンとなる。筐体内の衛生状態も向上する。
第3に、しかもこれらが、大型化を伴わず実現される。
本発明の飲食物収納用の筐体は、棚に切欠を形成することにより、上述した第1そして第2の効果を実現する。筐体を大型化することなく、前述したこの種従来例と同程度の大きさの小型を保ちつつ、実現する。そこで、次のようになる。
(イ)使い勝手,収納効率が維持される。すなわち大型化しないので、筐体の背が高くなることがなく、もって高位の棚に収納された飲食物の出し入れに手間取ることもなく、棚は飲食物の出し入れに適した高さに維持される。
(ロ)大型化に伴い重量が重くなったり重心が高くなったりすることもなく、運搬作業性や運搬効率が維持される。
(ハ)エネルギーコストや温度も従来通り維持される。大型化に伴い、冷蔵や加熱しにくくなるようなこともない。
(ニ)大型化に伴う製作コストの上昇もない。
このように、この種従来技術に存した課題がすべて解決される等、本発明の発揮する効果は、顕著にして大なるものがある。
《飲食物収納用の筺体1,3》
まず、筺体1,3について、図1,図4を参照して一般的に説明する。すなわち、従来例の筐体1と、本発明の筐体3とについて、共通する一般的な構成について説明する。
従来例や本発明の筺体1,3は、上下に内部配設された棚2,4に、飲食物Aを冷蔵,加熱,又は保存のために収納する。
代表例としては、学校,食堂,病院,その他の各種施設において、給食サービス,その他の飲食物Aの提供サービスを行うカートとして使用される。もってこの筺体1,3は、ドア5と車輪6を備えており、手で押して移動,搬送される。
筺体1,3は、天板,両側板,床板,そして図示例では奥板(背板)等を備えた、箱状をなしている。筺体1,3内部には棚2,4が、所定棚間ピッチCを存しつつ、上下多段に配設されている。棚2,4は、固定据付タイプが代表的であるが、出し入れ自在な差込タイプも可能である。
ドア5付タイプが代表的であるが、ドア5無しの開放タイプも可能である。車輪6付タイプが代表的であるが、車輪6無しタイプも可能である。
飲食物Aの収納態様については、図3の(3)図〜(6)図のとおり。すなわち、図3の(3)図に示したように棚2,4の上に直接、又は、(4)図に示したように食器7に入れて、又は、(5)図に示したように、その食器7をバット8,ホテルパン,トレー等に載せて、それぞれ棚2,4の上に収納される。更に、(6)図に示したように、飲食物Aをバット8,ホテルパン,トレー等に直接載せて、収納される場合もある。
そして筺体1,3は、このように棚2,4上に収納される飲食物Aを、冷蔵(保冷を含む),加熱(保温を含む),又は保存(保管を含む)する。そのいずれか用又は併用して使用される。なお冷蔵手段や加熱手段が、別途搭載,付設される(図示せず)。加熱手段の一例については、後述する。
筺体1,3の一般的説明については、以上のとおり。
さて、従来例や本発明の飲食物収納用の筐体1,3にあっては、奥行Bの長さと上下棚間ピッチCの狭さとから、腕Dが棚2,4に引っ掛かり妨げられて、そのままでは、手先Eを棚2,4間の奥まで、筐体1,3の奥まで差し込み困難な場合が多々ある。
本発明は、このような筐体1,3を対象とするので、これらについて図4の(2)等により説明する。
人の手は、指先,手先Eから肘等の腕D,肩口に向けて、徐々に太くなって行く。もって、棚2,4間の奥行Bが長い空間に手を差し込もうとした場合、棚2,4間の上下棚間ピッチCが狭いと、途中で肘等の腕Dの太い部分(例えば径80mm程度)が引っ掛かり、そのままでは、上下の棚2,4間の奥つまり筐体1,3の奥まで、手先Eを差し込み届かせることができなくなる。
まず、筐体1,3や棚2,4の奥行B寸法については、次のとおり。図1,図2の(2)図,図3の(2)図,図4等のように、前面のみにドア5を備えた筐体1,3の場合は、300mm以上である。図2の(1)図,(3)図のように、前後面にドア5を備えた筐体1,3の場合は、600mm以上である。
前者について、図示例では432mmとなっている。後者について、図示例では864mmとなっている。
これに対し、棚2,4の上下棚間ピッチC寸法は、50mm以上〜100mm以下である。図示例では、75mm〜80mm程度となっている。
奥行Bおよび棚間ピッチCについては、以上のとおり。
以下、本発明の筐体3,棚4,切欠9等について、図1〜図3を参照して説明する。まず、本発明の概要について説明する。
本発明に係る飲食物収納用の筐体3は、上述した奥行Bと棚間ピッチCとの組み合わせを前提としつつ、少なくとも前側に切欠9が形成された棚4を有している。
この切欠9は、手先Eが棚4間の奥まで届くことを可能にするに足る、形状と寸法に設定されている。例えば、幅100mmで奥行150mm程度の略長方形をなしている。
このような切欠9により、肘等の腕Dの太い部分の逃げ場が生まれ、腕Dが途中で引っ掛かることなく、手先Eを上下の棚4間の奥、つまり筐体3の奥まで差し込むことが可能となる。
なお切欠9は、筐体3内のすべての棚4について形成してもよいが、例えば、一段置きにする等、切欠9が形成されていない棚4が併存しても良い。
本発明の概要については、以上のとおり。以下、このような本発明について、更に詳述する。
このような切欠9付の棚4を備えた本発明の筐体3について、各例を説明する。
図1に示した例については、次のとおり。この筐体3は、前面にドア5を備えており、切欠9は、棚4の前側中央部に形成されており、棚4は略凹状をなしている。
すなわち図示例の筐体3は、いわゆる片開きタイプよりなり、切欠9は、前面ドア5側の棚4中央部に形成されている。
これに対し、もしも前側中央部ではなく前側左右どちらか側に、切欠9を形成した場合は、左右の反対側の奥まで手先Eを差し込めるようにする為には、より深く切欠9を形成することが必要となってしまう。
図示のように、切欠9を中央部に形成すると、図1の(3)図に示したように、奥行がより浅い切欠9であっても、左右の奥まで手先Eを差し込むことが可能となる。
すなわち、この図示例の筐体3は、いわゆる両開きタイプよりなり、切欠9は、前面と背面の両ドア5側にそれぞれ形成されており、棚4は略H状をなしている。中央部形成の理由については、前述した所を参照。
図2の(2)図,(3)図に示した例については、次のとおり。この切欠9は,棚4の前側から奥側まで、中央部全体に形成されており、もって棚4は、筐体3内の左右両側部に分離配設される。
すなわち、この図示例の切欠9は、前述した例のように棚4中央部の前側や奥側の一部分ではなく、棚4中央部全体に形成されている。もって棚4は、左右に分離した態様となっている。
なお、図2の(2)図の筐体3は、前面ドア5の片開きタイプよりなり、図2の(3)図の筐体3は、前面および背面ドア5の両開きタイプよりなる。
すなわち、この筐体3の切欠9付の棚4には、面状,線状,その他のヒーター10が組み込まれている。そして、前述した各例の棚4は、このようなヒーター10付であってもよいが、ヒーター10付でなくてもよい。
ヒーター10付の棚4の場合は、図3の(2)図に示したように、切欠9の周縁部に断熱材11が設けられ、もって、切欠9から差し込まれる手先Eや腕Dを、ヒーター10による熱から保護するようになっている。
又、このようにヒーター10付の棚4の場合は、筐体3に上下多段に配設された後においては、なるべく筐体3から出し入れしないのが理想である。すなわち、筐体3本体側からヒーター10への配線の接触不良,接続不良発生回避のためには、洗浄等の清掃に際し、なるべく棚4は出し入れしない方が良い。
この面からも、本発明は効果的である。本発明によると、棚4を取り外し出し入れして清掃を度々行うことなく、切欠9を利用することにより、筐体3の奥まで棚4の隅々までの清掃作業が可能となる。
各例については、以上のとおり。
本発明の飲食物収納用の筐体3は、以上説明したように構成されている。そこで以下のようになる。
(1)飲食物Aの提供サービスに先立ち、筐体3の棚4上に、飲食物Aが収納される。飲食物Aの収納態様については、図3の(3)図〜(6)図を参照。
それから、棚4に収納された飲食物Aは、適宜冷蔵,加熱,又はそのまま保存される。加熱については、図3の(1)図,(2)図を参照。
肘等の腕Dの太い部分が、途中で上下の棚4に引っ掛かり、そのままでは、手先Eを棚4間の奥まで筐体3の奥まで、届かせることができない(図4のこの種従来例を参照)。
図2の(2)図,(3)図の例では、切欠9が棚4の前側から奥側まで中央部全体に形成され、棚4は、左右両側部に分離されている。
切欠9が、肘等の腕Dの太い部分の逃げ場を提供し、途中で棚4に引っ掛からないように位置せしめるスペースを提供する。
(8)更に、この筐体3によると、使用後毎に行われる洗浄等による清掃も、容易化する。手先Eを棚4の奥まで、筐体3の奥の隅々まで差し込んで、筐体3内の清掃作業を行うことができるようになる。
すなわち切欠9は、棚4を部分的に切欠いて形成されているに過ぎないので、バット8等は、切欠9上を跨ぐようにして棚4上に載せられる。
作用等については、以上のとおり。
2 棚 (従来例)
3 筐体(本発明)
4 棚 (本発明)
5 ドア
6 車輪
7 食器
8 バット
9 切欠
10 ヒーター
11 断熱材
A 飲食物
B 奥行
C 棚間ピッチ
D 腕
E 手先
Claims (5)
- 上下に内部配設された棚に、飲食物を冷蔵,加熱,又は保存のために収納する筺体であって、
奥行の長さと上下棚間ピッチの狭さとから、腕が該棚に引っ掛かり妨げられて、そのままでは、手先を該棚間の奥まで差し込み困難な該筺体において、
少なくとも前側に切欠が形成された該棚を有しており、該切欠は、手先が該棚間の奥まで届くことを可能にするに足る、形状と寸法に設定されていること、を特徴とする飲食物収納用の筺体。 - 請求項1において、該筐体は、前面にドアを備えており、該切欠は、該棚の前側中央部に形成されており、もって該棚は、略凹状をなしていること、を特徴とする飲食物収納用の筺体。
- 請求項1において、該筺体は、前後面にドアを備えており、該切欠は、該棚の前側中央部および後側中央部に形成されていること、を特徴とする飲食物収納用の筺体。
- 請求項2又は3において、該筺体や該棚の奥行寸法は、前面のみに該ドアを備えた該筐体の場合は300mm以上であり、前後面に該ドアを備えた該筐体の場合は600mm以上であり、
該棚の上下棚間ピッチ寸法は、50mm以上〜100mm以下であること、を特徴とする飲食物収納用の筺体。 - 請求項1において、該棚は、ヒーターが内部に組み込まれていること、を特徴とする飲食物収納用の筺体。
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