JP2016220412A - 界磁用コアおよび界磁の製造方法 - Google Patents

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清隆 西嶋
Kiyotaka Nishijima
清隆 西嶋
山際 昭雄
Akio Yamagiwa
昭雄 山際
健太 河野
Kenta Kono
健太 河野
平野 正樹
Masaki Hirano
正樹 平野
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Abstract

【課題】塑性変形の発生を抑制できる界磁用コアを提供する。【解決手段】界磁用コア1は所定の回転軸Pを囲む外周面1aを備える。界磁用コア1には複数の磁石挿入孔21と第一空隙部22a,22bと第二空隙部23aとが設けられる。複数の磁石挿入孔21は回転軸Pと外周面1aとの間において、回転軸Pについての周方向に沿って並んで設けられる。一対の第一空隙部22a,22bは一つの磁石挿入孔21の周方向における両端部にそれぞれ連通し、両端部と外周面1aとの間に設けられる。第二空隙部23aは第一空隙部22aに連通し、第一空隙部22bへと向かって延在する。第二空隙部23aは第一空隙部22b側に膨らむ曲線状の端面233aを有し、回転軸Pについての径方向における第二空隙部23aの幅は、端面233a以外の第二空隙部23aと端面233aとの境界B1において最大値W13をとる。【選択図】図2

Description

本発明は、界磁用コアおよび界磁の製造方法に関する。
特許文献1は回転子の製造方法を記載している。この回転子は回転子コアと磁石とを備えている。回転子コアには磁石挿入孔が形成され、この磁石挿入孔に磁石が挿入される。この磁石は固定子に対して磁束を供給する。つまりこの回転子コアは界磁用のコアと見ることができる。
特許文献1では、次のようにして回転子を製造している。まず、回転子コアを回転させることより、回転子コアを弾性変形させて磁石挿入孔を広げる。そしてこの状態で磁石挿入孔に磁石を挿入する。その後、回転を終了する。回転が終了すると、回転子コアが弾性復帰して磁石挿入孔が狭くなる。これにより回転子コアが磁石に密着する。よって、磁石挿入孔を広げずに磁石を挿入する場合に必要であった磁石挿入孔のマージンよりも、磁石と回転子コアとの間の隙間は小さい。隙間が小さいと磁気抵抗が小さいので、磁石から固定子へと供給する磁束の量を向上することができる。
また、本願に関連する特許文献として特許文献2,3を掲示する。
特開2004−336927号公報 特開2004−357418号公報 特開2013−132124号公報
特許文献1で示された構成において磁石挿入孔を広げると、回転子コアには応力が発生する。この応力が回転子コアの一部に集中し、当該一部における応力が回転子コアの材料の降伏点を超えると、当該一部が塑性変形する。このような塑性変形は回転子コアにとって好ましくない。
そこで本願は、塑性変形の発生を抑制できる界磁用コアを提供することを目的とする。
界磁用コアの第1の態様は、回転軸(P)を囲む外周面(1a)を備え、前記回転軸と前記外周面との間において、前記回転軸についての周方向に沿って並んで設けられる複数の磁石挿入孔(21)と、一つの前記複数の磁石挿入孔の前記周方向における両端部にそれぞれ連通し、前記両端部と前記外周面との間に設けられる一対の第一空隙部(22a,22b)と、前記一対の第一空隙部の一方に連通し、前記一対の第一空隙部の他方へと向かって延在する第二空隙部(23a,23b)とが設けられ、前記第二空隙部(23a,23b)は前記他方側に膨らむ曲線状の端面を有し、前記回転軸についての径方向における前記第二空隙部の幅は、前記端面以外の前記第二空隙部と前記端面との境界(B1)において最大値(W13)をとる。
界磁用コアの第2の態様は、第1の態様にかかる界磁用コアであって、前記第二空隙部(23a,23b)の前記幅は前記一対の第一空隙部(22a,22b)の前記一方から前記他方へと向かうにしたがって狭くなり、続けて増大して前記境界において前記最大値をとる。
界磁用コアの第3の態様は、第1または第2の態様にかかる界磁用コアであって、前記第二空隙部(23a,23b)は、前記端面(233a)を含む湾曲空隙部(231a)と、前記一対の第一空隙部(22a,22b)の前記一方と前記湾曲空隙部とを連通する連通空隙部(232a)とを有し、前記湾曲空隙部の幅は、前記連通空隙部から前記境界へと向かうにしたがって増大し、前記湾曲空隙部は円弧に沿う形状を有する。
界磁用コアの第4の態様は、第1から第3のいずれか一つの態様にかかる界磁用コアであって、前記一対の第一空隙部(22a,22b)は前記複数の磁石挿入孔(21)の各々に設けられ、一つの前記複数の磁石挿入孔に連通する前記一対の第一空隙部の一方に対して、前記周方向において隣り合って設けられ、前記外周面側において開口するスリット(24)が更に設けられる。
界磁用コアの第5の態様は、第4の態様にかかる界磁用コアであって、前記スリット(24)は、前記複数の磁石挿入孔(21)のうち隣り合う二者の間において、一つのみ設けられる。
界磁用コアの第6の態様は、第1から第5のいずれか一つの態様にかかる界磁用コアであって、前記端面と前記外周面との間の距離の最小値(W21)は、前記複数の第一空隙部と前記外周面との間の距離の最小値(W20)以上である。
界磁の製造方法は、第1から第6のいずれか一つの態様にかかる界磁用コアにおいて、前記複数の磁石挿入孔(21)を、前記回転軸(P)についての径方向に広げる第1工程と、前記第1工程の後に、前記複数の磁石挿入孔に永久磁石(3)を挿入する第2工程とを備える。
界磁用コアの第1の態様によれば、磁石挿入孔を径方向に広げるように界磁用コアに力が生じたときに、第二空隙部の幅が狭くなるように界磁用コアが弾性変形する。つまり、第二空隙部が力を吸収する。これにより、界磁用コア(特に第一空隙部と外周面との間のコア部)に生じる応力集中を緩和できる。また第二空隙部は他方側に膨らむ曲線状の端面を有するので、端面に隣接するコア部に生じる応力集中も緩和できる。よって塑性変形の発生を抑制できる。
また、第二空隙部の幅は、端面以外の第二空隙部と端面との境界において最大となる。つまり、一対の第一空隙部の一方側における第二空隙部の幅が最大値よりも狭い。これにより、当該一方側における第二空隙部の幅が最大値よりも広い場合に比して、界磁用コアの磁気抵抗を小さくすることができる。よって、応力の低減と磁気抵抗の低減とを両立できる。
界磁用コアの第2の態様によれば、上記変形によって、第二空隙部の幅は第一空隙部の一方側(極間側)において比較的大きく低減し、他方側(極中心側)において比較的小さく低減する。極間側における第二空隙部の幅を極中心側における幅よりも広くしているので、当該変形によって、第二空隙部の幅がより均一的に低減される。これにより、界磁用コアの磁気抵抗をより効果的に低減できる。
界磁用コアの第3の態様によれば、応力集中を効果的に低減しつつ、連通空隙部の湾曲空隙部側の幅を小さくすることができる。よって、磁気抵抗を低減できる。
界磁用コアの第4の態様によれば、応力集中を更に低減できる。
界磁用コアの第5の態様によれば、界磁用コアの製造の際に、加工数を低減できる。
界磁用コアの第6の態様によれば、界磁用コアのうち、湾曲空隙部と外周面との間の一部に生じる応力集中を緩和できる。
界磁の製造方法によれば、永久磁石を挿入すべく磁石挿入孔を広げても、応力集中が発生しにくい。
界磁の構成の一例を概略的に示す図である。 界磁用コアの一部の一例を概略的に示す図である。 界磁の製造方法の一例を示すフローチャートである。 磁石挿入孔を広げる様子の一例を概略的に示す図である。 界磁用コアの一部の一例を概略的に示す図である。 界磁用コアの一部の一例を概略的に示す図である。 界磁用コアの一部に生じる応力の一例を示す図である。 第二空隙部が設けられていない界磁用コアの一部に生じる応力の一例を示す図である。 湾曲空隙部の半径と、湾曲空隙部に隣接するコア部に生じる応力の最大値との関係の一例を示す図である。 湾曲空隙部の半径と、界磁用コアに生じる応力の最大値との関係の一例を示す図である。 界磁用コアの一部の一例を概略的に示す図である。 界磁用コアの一部の一例を概略的に示す図である。 界磁用コアの一部の一例を概略的に示す図である。 界磁用コアの一例を概略的に示す図である。
図1は界磁の構成の一例を概略的に示す図である。図1では、仮想的な回転軸Pに沿って見た界磁の構成の一例が示されている。図1に示すように、界磁4は界磁用コア1と複数の永久磁石3とを備えている。以下では、回転軸Pについての周方向および径方向を、それぞれ単に周方向および径方向と呼ぶ。
界磁用コア1は、回転軸Pを囲む筒状の外周面1aを備えている。この外周面1aは例えば回転軸Pを中心とした円筒形状を有しており、図1においては円で示されている。また、図1の例示では、界磁用コア1は内周面1bも備えている。この内周面1bも回転軸Pを囲む筒状の形状を有しており、例えば回転軸Pを中心とした円筒形状を有している。内周面1bによって形成される孔には、例えばシャフト(不図示)が貫通して配置されてもよい。
界磁用コア1は軟磁性材料で形成されており、例えば、絶縁物を含む圧粉磁心、または、複数の積層鋼板によって形成される。複数の積層鋼板は、例えば回転軸Pに沿う軸方向において積層される。圧粉磁心または積層鋼板を採用すれば、界磁用コア1に流れる渦電流を低減できる。
図1に示すように界磁用コア1には、内周面1bと外周面1aとの間において、磁石挿入孔21と第一空隙部22a,22bと第二空隙部23a,23bとが設けられる。
磁石挿入孔21は複数設けられており、周方向に沿って並んで設けられている。各磁石挿入孔21には永久磁石3が挿入される。図1の例示では、平板状の永久磁石3を挿入する場合の磁石挿入孔21が示されている。例えば各磁石挿入孔21は、周方向における自身の中央と回転軸Pとを結ぶ直線A1に対して垂直な方向D1に沿って、直線的に延在している。
また図1の例示では、4つの磁石挿入孔21が設けられている。つまり4極の界磁4が例示されている。ただし極数は4に限らず、適宜に設定してもよい。
一対の第一空隙部22a,22bは、各磁石挿入孔21の周方向における両端部にそれぞれ連通し、その端部と外周面1aとの間に設けられている。図1の例示では、第一空隙部22a,22bの各々は磁石挿入孔21の端部から略径方向に沿って直線的に延在している。
また第一空隙部22a,22bは外周面1a側(つまり径方向外側)において閉じている。言い換えれば、第一空隙部22a,22bの各々と外周面1aとの間には、界磁用コア1の一部としてのコア部(以下、ブリッジコア部13とも呼ぶ)が介在している。
第二空隙部23aは、一対の第一空隙部22a,22bの一方(第一空隙部22a)に連通しつつ、周方向において一対の第一空隙部22a,22bの他方(第一空隙部22b)へ向かって延在している。第二空隙部23bは、この他方(第一空隙部22b)に連通しつつ、周方向において一方(第一空隙部22a)へ向かって延在している。
図1の例示では、一対の第一空隙部22a,22bおよび一対の第二空隙部23a,23bの一組は、磁石挿入孔21の各々に対応して設けられている。言い換えれば、一対の第一空隙部22a,22bおよび一対の第二空隙部23a,23bの一組は界磁4の磁極ごとに設けられている。
以下では、磁極の中心たる極中心(これは永久磁石3の周方向における中心に相当する)と、磁極同士の間の領域である極間(これは周方向において隣り合う2つの永久磁石3の間に相当する)とを導入して、説明を行う。例えば第二空隙部23a,23bは、それぞれ第一空隙部22a,22bから、自身が属する磁極の極中心(以下、対応極中心とも呼ぶ)へ向かって延在している、とも説明できる。
図2は、図1の界磁用コア1のうち、互いに連通する第一空隙部22aおよび第二空隙部23aの近傍を拡大して示している。図1および図2に示すように、第二空隙部23aは、対応極中心側に端面233aを有しており、この端面233aは対応極中心側に膨らむ曲線状の形状を有している。
第二空隙部23aの径方向に沿う幅は、端面233a以外の第二空隙部23aと端面233aとの境界B1において最大値W13をとる。換言すれば第二空隙部23aの径方向に沿う幅が最大値W13をとる位置よりも、第二空隙部23b側に位置する部分の第二空隙部23aが、第二空隙部23aの端面233aを呈し、第二空隙部23aにおいて径方向の幅が最大値W13を採る位置が境界B1である、と見ることができる。図2の例示では、端面233aは円弧に沿った形状を有しており、ここでは半円状の部分(境界B1よりも極中心側の部分)と把握できる。図2の例示では、最大値W13は端面233aにおける直径に相当している。
また図2の例示では、第二空隙部23aは湾曲空隙部231aと連通空隙部232aとを有している。連通空隙部232aは第一空隙部22aに連通し、第一空隙部22aから対応極中心へと向かって延在している。図2の例示では、連通空隙部232aは略等幅で延在している。
湾曲空隙部231aは、連通空隙部232aの対応極中心側において連通空隙部232aと連通しており、第二空隙部23aの先端部分を形成する。かかる構造において、連通空隙部232aは第一空隙部22aと湾曲空隙部231aとを連通している、とも説明できる。
端面233aは湾曲空隙部231aに含まれている。図2の例示では、湾曲空隙部231aの幅は、連通空隙部232aから対応極中心へと向かうにしたがって増大し、境界B1において最大値W13をとる。湾曲空隙部231aは全体として円弧(直径が最大値W13である円弧)に沿う形状を有している。言い換えれば、湾曲空隙部231aは、連通空隙部232aにおいて開口する円に沿う形状を有している。
第一空隙部22bは第一空隙部22aと同様の形状を有する(図1も参照)ので、ここでは繰り返しの説明を避ける。
以上のように、界磁用コア1の形状は、磁石挿入孔21、第一空隙部22a,22bおよび第二空隙部23a,23bを用いて説明される。しかるに、界磁用コア1を、孔および空隙のみならず、コア部も用いて次にように説明することもできる。即ち、図1を参照して、界磁用コア1は複数の極中心コア部11と複数の極間コア部12と複数のブリッジコア部13と内周側コア部14とを備えている。
各極中心コア部11は磁石挿入孔21と径方向において隣接しており、磁石挿入孔21よりも外周側に位置している。各極間コア部12は、極間において隣り合う第一空隙部22a,22bの間に位置している。言い換えれば、極間コア部12は周方向において当該第一空隙部22a,22bの各々を介して、極中心コア部11と対向する。図1の例示では、極間コア部12は例えば径方向に沿って延在している。
各ブリッジコア部13は、周方向において隣り合う極間コア部12と極中心コア部11とを、外周側において連結する。
内周側コア部14は磁石挿入孔21に対して内周側に位置し、径方向において全ての磁石挿入孔21と隣接している。また、内周側コア部14は全ての極間コア部12と内周側において連結している。よって、内周側コア部14は極間コア部12とブリッジコア部13とを介して極中心コア部11に連結することになる。
かかる界磁用コア1の磁石挿入孔21に永久磁石3を挿入することで界磁4が組み立てられる。そして、この界磁4に対して外周側から電機子(不図示)を配置することで、回転電機を組み立てることができる。界磁4および電機子は例えば、それぞれ回転子および固定子として機能する。
図3は、界磁4の製造方法の一例を示すフローチャートである。まず、ステップS1にて、永久磁石3が挿入される前に磁石挿入孔21を径方向に広げる。
これは、例えば図4に示す治具51,52を用いて実行される。図4は、磁石挿入孔21を通る位置での、直線A1および回転軸Pに平行な断面における、界磁用コア1の一例を示している。治具51は、当該断面において、回転軸Pの一方側(例えば紙面上方)へ向かうにしたがって薄くなる先細りの形状を有している。治具52は当該断面において、回転軸Pの他方側(例えば紙面下方)に向かうにしたがって薄くなる先細りの形状を有している。治具51は回転軸Pの回転軸Pの他方側(紙面下方)から一方側(紙面上方)へ向かって磁石挿入孔21に挿入され、治具52は治具51の挿入方向とは反対の方向から磁石挿入孔21に挿入される。
また、かかる挿入に伴って、治具51,52が径方向において接触するとともに、その接触面とは反対側の面で極中心コア部11および内周側コア部14に当接する。この状態から更に治具51,52を挿入すると、治具51,52の一組の、磁石挿入孔21における径方向の幅が広がり、これに伴って界磁用コア1が弾性変形して、磁石挿入孔21が径方向に広がる。
治具51,52は例えば永久磁石3が挿入される予定の部分を避けて挿入される。例えば、磁石挿入孔21のうち、永久磁石3よりも周方向の両端側において、治具51,52が挿入される。このように磁石挿入孔21の両端部分の幅を、治具51,52を用いて広げることで、磁石挿入孔21の中央付近(永久磁石3が挿入される予定の部分)の幅も広げることができる。
なお必ずしも治具51,52を用いて磁石挿入孔21を広げる必要はない。例えば特許文献1のように、界磁用コア1を回転軸Pの周りで回転させることにより、極中心コア部11に働く遠心力を利用して磁石挿入孔21を広げても構わない。
次にステップS2にて、永久磁石3を磁石挿入孔21へと挿入する。磁石挿入孔21が広がった状態で永久磁石3が挿入されるので、挿入が容易である。次に、ステップS3において、界磁用コア1への外力を取り除く。例えば治具51,52を磁石挿入孔21から抜き取り、あるいは、界磁用コア1の回転を終了する。これにより、界磁用コア1は元の形状に戻る方向に変形し、磁石挿入孔21が径方向において狭まる。
永久磁石3の幅は、弾性変形前の磁石挿入孔21の幅と等しいか、これよりも若干広くてもよい。これにより、永久磁石3と界磁用コア1とが径方向において密着する。よって永久磁石3と界磁用コア1との間の隙間を低減できる。これによれば、磁石挿入孔21を広げずに永久磁石3を挿入する場合に必要であった磁石挿入孔21のマージンよりも、永久磁石3と界磁用コア1との間の隙間は小さくなる。この隙間は磁気抵抗として機能するところ、その磁気抵抗を低減することができる。よって、永久磁石3から電機子へと供給される磁束の量を向上することができる。
また永久磁石3と界磁用コア1とが径方向において密着することで、永久磁石3を固定することもできる。特に、永久磁石3の幅を弾性変形前の磁石挿入孔21の幅よりも若干広くすれば、界磁用コア1が永久磁石3を径方向に押さえ込むので、さらに強固に永久磁石3を固定することができる。
このような製造方法は、磁力が小さい永久磁石3を採用する場合に特に有効となる。なぜなら、磁力が小さい永久磁石3では、上記隙間による磁気抵抗が相対的に大きく作用するからである。例えば、フェライト磁石は比較的に磁力が弱い磁石である。
また例えば永久磁石3をボンド磁石で形成すると、このボンド磁石は、磁力に寄与しない樹脂(バインダ)を含むことから、永久磁石3の磁力は小さくなる。なお、このボンド磁石は、磁石挿入孔21を用いた射出成形によって製造されるのではなく、界磁用コア1とは別の金型を用いて製造されることがある。例えば大型の界磁4を作成する場合には、磁石挿入孔21を用いた射出成形が困難となり得るので、別途にボンド磁石が製造される。このような場合には、ボンド磁石と界磁用コア1との間の隙間を低減できるように、ボンド磁石を磁石挿入孔21に挿入することが特に望まれるのである。
ボンド磁石と界磁用コア1との間の隙間を低減しながら、ボンド磁石を挿入する方法としては、上記製造方法とは別に、圧入または焼嵌めが考えられる。しかるに、ボンド磁石の強度はさほど高くないので、ボンド磁石は圧入には適していない。またボンド磁石の耐熱はさほど高くないので、ボンド磁石は焼嵌めにも適していない。よって、外力を作用させて磁石挿入孔21を広げる上述の製造方法が、ボンド磁石を採用する場合に特に有効となるのである。
しかるに、外力により磁石挿入孔21を広げる場合には、界磁用コア1に生じる応力に注意が必要である。図5では、外力により磁石挿入孔21を広げたときの、各部に生じる力をブロック矢印で示している。なお図5は、界磁用コア1のうち極間の近傍を拡大して示している。
図5に示すように、磁石挿入孔21を広げるべく、極中心コア部11には、外周面1aに向かう方向に力F1が印加される。これに伴って、極中心コア部11のうち連通空隙部232aよりも内周側のコア部111にも、外周側に向かう力F2が印加される。また、力F1は外周面1aを広げるように作用するので、ブリッジコア部13には極中心側に向かう力F3が作用することとなる。つまり、ブリッジコア部13には引っ張り応力が生じる。
図6は、外力により磁石挿入孔21を広げた前後の界磁用コア1の形状の一例を示しており、磁石挿入孔21が広げられた後の界磁用コア1が二点鎖線で示されている。図6では、界磁用コア1のうち、互いに連通する第一空隙部22aおよび第二空隙部23aの近傍が拡大して示されている。
磁石挿入孔21を径方向に広げると、図6に示すように、極中心側において外周面1aが外周側に広がる。以下、界磁用コア1の弾性変形を説明するに当たり、コア部112も導入する。コア部112は、極中心コア部11のうち、対応極中心側において第二空隙部23aと隣接するコア部である。界磁用コア1は力F2に起因して次のようにも変形する。即ち、界磁用コア1は、コア部111がブリッジコア部13へと近づくように、コア部112を支点として変形する。つまり第二空隙部23aの幅が狭くなるように、界磁用コア1が変形する。簡単にいえば、コア部111,112およびブリッジコア部13からなる部分は、ピンセットと同様にして変形し、コア部111とブリッジコア部13とが近づくのである。
このような変形により、第二空隙部23aはコア部111に働く力F2を吸収し、力F2をブリッジコア部13へと伝達しにくくする。よって、ブリッジコア部13に生じる応力を低減することができる。特に図6の例示では、コア部111はブリッジコア部13に当接していない。よって、コア部111はブリッジコア部13を押圧しないので、ブリッジコア部13に生じる応力を効果的に低減できる。これにより、ブリッジコア部13における変形は塑性変形に至らず、弾性変形に留まる。
ただし、コア部111は変形によってブリッジコア部13に当接してもよい。第二空隙部23aがコア部111に作用する力F2を吸収することができるので、ブリッジコア部13へと伝達される力を低減できるからである。もちろん、ブリッジコア部13における応力低減という観点では、コア部111がブリッジコア部13に当接しないことが望ましい。
図7は、磁石挿入孔21を広げたときに界磁用コア1に生じる応力を示している。図8は、比較例にかかる界磁用コアの応力を示している。比較例にかかる界磁用コアでは、第二空隙部23a,23bが設けられていない。また図7および図8では、第一空隙部22aの外周面1a側の近傍が示されている。
図7は、以下の仕様を有する第二空隙部23aを採用したときのシミュレーション結果を示している。即ち、図2も参照して、連通空隙部232aの幅は0.3[mm]であり、湾曲空隙部231aの直径は0.8[mm]であり、弾性変形による磁石挿入孔21の拡大幅は0.2[mm]である。また図1を参照して、第二空隙部23aの対応極中心側の端と、回転軸Pとを結ぶ直線A2が直線A1に対してなす角度θは30度である。
図8においては、応力が等高線901〜912で示されている。等高線901〜912はその符号の数字が小さいほど高い応力を示している。例えば等高線901は等高線902よりも高い応力を示している。図7でも等高線906〜911が示されており、同じ符号が付記された等高線は、図7と図8とにおいて等しい応力を示す。なお界磁用コア1のうち極中心側のコア部にも応力が発生するが、その大きさは等高線912よりも小さいので、このコア部については図示を省略している。
図8を参照して、比較例にかかる界磁用コアにおいては、最も高い等高線901で示される応力がブリッジコア部13に生じている。これは、比較的薄いブリッジコア部13に応力が集中するからである。
図7を参照して、第二空隙部23aが設けられた界磁用コア1においても、等高線906で示される応力がブリッジコア部13に生じている。ただし、界磁用コア1においては、等高線906で示される応力が最も高い。これは、上述のように、第二空隙部23aが力F2を吸収して、ブリッジコア部13へと伝達される力を低減するからと考えられる。
以上のように、本界磁用コア1は、比較例にかかる界磁用コアに比べて応力を低減できることが分かる。これにより、界磁用コア1に塑性変形が生じることを抑制できる。
なお、界磁用コア1はコア部112を支点にして、第二空隙部23aの幅が狭くなるように弾性変形するので、コア部112にもやや高い応力が発生する。図7に示すように、コア部112には、等高線908で示される応力が発生する。ただし、コア部112に生じる応力は、端面233aにおける第二空隙部23aの幅の最大値W13(図2参照)が大きいほど小さくなると考えられる。
この例では、湾曲空隙部231aは円形を有しているところ、その直径が最大値W13と一致する。図9は湾曲空隙部231aの半径と、コア部112に生じる応力の最大値との関係を示している。ここでは連通空隙部232aの幅を0.3[mm]とし、湾曲空隙部231aの半径を0.15[mm]から0.8[mm]まで離散的に変化させた場合の、当該応力の最大値が示されている。なお湾曲空隙部231aの半径が0.15[mm]であるときには、湾曲空隙部231aの幅の最大値W13は連通空隙部232aの幅と等しいこととなる。
図9に示すように、湾曲空隙部231aの半径が大きくなるほど、コア部112に生じる応力の最大値を低減することができる。
以上のように最大値W13を大きくすれば、コア部112に生じる応力の最大値を低減できる。一方で、第一空隙部22a側における第二空隙部23aの幅(例えば連通空隙部232aの幅)W11(図2または図6参照)も大きくしても、界磁用コア1の応力低減にはさほど寄与しない。これは次の理由による。磁石挿入孔21を広げた状態で、コア部111がブリッジコア部13に当接しなければ、上述のようにコア部111がブリッジコア部13へと力を伝達することはない。これにより、ブリッジコア部13の応力は低減される。しかるに幅W11をさらに増大させても、コア部111がブリッジコア部13に当接しないことには変わりなく、ブリッジコア部13における応力はさほど変わらないのである。
そこで本界磁用コア1においては、連通空隙部232aの幅W11を、湾曲空隙部231aの幅の最大値W13よりも小さく設定しているのである。言い換えれば、第二空隙部23aの幅が境界B1において最大値を採るように、第二空隙部23aが形成されているのである。このように連通空隙部232aの幅W11を小さくすることにより、界磁用コア1の磁気抵抗を低減することができる。第二空隙部23aはいわゆるq軸磁束が流れる磁路に介在する。図1には、q軸磁束の一例を破線の矢印で模式的に示しており、第二空隙部23aが当該破線の矢印と交差している。よって第二空隙部23aの磁気抵抗を低減することは、q軸磁束の向上、ひいてはリラクタンストルクの向上に資する。
以上のように、本界磁用コア1においては、応力の低減という観点で、対応極中心側における第二空隙部23aの端面233aの幅の最大値W13を大きくする一方で、磁気抵抗の低減という観点で、極間側における第二空隙部23aの幅W11を小さくしている。これにより、応力の低減と磁束の向上とを両立することができる。
なお上述の例では、磁石挿入孔21を広げた状態で永久磁石3を挿入している。しかるに本実施の形態はこれに限らず、磁石挿入孔21を広げることなく、永久磁石3を挿入してもよい。この場合であっても、界磁4が回転子として機能する場合には、界磁4の回転により、磁石挿入孔21を広げる遠心力が界磁用コア1に作用する。本界磁4によれば、その回転に伴う界磁用コア1の応力を低減することができる。
また上述の例では、湾曲空隙部231aの幅は、連通空隙部232aから対応極中心へと向かうにしたがって増大し、境界B1において最大値W13をとる。そして、湾曲空隙部231aは全体として円弧(直径が最大値W13である円弧)に沿う形状を有している。つまり、境界B1よりも極間側においても、湾曲空隙部231aが円弧に沿っている。よって、湾曲空隙部231aの極間側のコア部における応力集中を効果的に低減しつつ、連通空隙部232aの対応極中心側における幅を小さくすることができる。
なお、湾曲空隙部231aは境界B1よりも極間側において必ずしも円弧に沿う必要はなく、例えば比例的に幅が変化してもよい。
なお上述の例では、一対の第二空隙部23a,23bの両方が設けられているものの、いずれか一方のみであってもよい。これにより、その第二空隙部と隣接するブリッジコア部13の応力を低減できるからである。第二空隙部が設けられないブリッジコア部13の応力は他の公知の方法によって低減すればよい。また、第二空隙部は全ての極に対応して設けられる必要はなく、少なくともいずれか一つの極に対応して設けられればよい。
一方で、本実施の形態のように、磁極ごとに一対の第二空隙部23a,23bが設けられれば、界磁用コア1の対称性を向上できるので、回転電機の特性を向上できる。
<湾曲空隙部の幅の最大値>
図10は、湾曲空隙部231aの半径と、界磁用コア1に生じる応力の最大値との関係を示している。湾曲空隙部231aの直径が最大値W13に相当するので、図10の関係は最大値W13と応力の最大値との関係である、とも把握できる。図10に例示するように、湾曲空隙部231aの半径が0.3[mm](=連通空隙部232aの幅W11)以下の領域では、湾曲空隙部231aの半径が増大するほど、応力の最大値は低減する。一方で、湾曲空隙部231aの半径が0.3[mm]よりも大きい領域においては、湾曲空隙部231aの半径が増大しても応力の最大値はほとんど変わらない。これは、湾曲空隙部231aの半径を大きくすることで、コア部112の応力が、界磁用コア1の他のコア部における応力よりも下回ったからと考えることができる。
以上のように、湾曲空隙部231aの半径が0.3[mm]よりも大きくなっても、界磁用コア1の応力の最大値を低減することはできない。そこで、湾曲空隙部231aの幅の最大値W13は0.6[mm](=2×0.3=連通空隙部232aの幅W11の2倍)を採ってもよい。これにより、界磁用コア1に生じる応力を効果的に低減しつつ、界磁用コア1の磁気抵抗を低減することができる。
<ブリッジコア部の幅>
最大値W13が大きくなって、湾曲空隙部231aと外周面1aとの間の距離の最小値(以下「最小距離」と称す)W21(図2参照)が小さくなると、湾曲空隙部231aと外周面1aとの間のコア部にかかる応力が増大する。そこで、湾曲空隙部231aと外周面1aとの最小距離W21を、第一空隙部22aと外周面1aの間の距離の最小値W20以上に設定してもよい。これにより、湾曲空隙部231aと外周面1aとの間の部分の応力集中を抑制することができる。言い換えれば、応力の増大を回避できる。しかも、隣接する磁極同士の間の磁気抵抗はブリッジコア部13で高められるので、隣接する磁極同士の間の磁束の漏洩が最小距離W21を大きくすることによって悪化することはない。
<連通空隙部の形状>
図6を参照して説明したように、界磁用コア1は連通空隙部232aの幅が狭くなるように弾性変形する。このとき、連通空隙部232aの幅は湾曲空隙部231a側(対応極中心側)よりも第一空隙部22a側(極間側)において大きく低減する。図6の例示では、弾性変形した後において、連通空隙部232aの極間側の幅W11’は対応極中心側の幅W12’よりも狭い。
かかる変形に鑑みると、弾性変形前における第二空隙部23aは、次の説明を満足する形状を有していてもよい。即ち、図11を参照して、第二空隙部23aの幅は、第一空隙部22aから対応極中心へと向かうにしたがって狭くなり、続けて増大して境界B1において最大値W13をとってもよい。図11の例示では、連通空隙部232aは対応極中心へと向かうにしたがって幅が狭くなる先細りの形状を有している。よって、連通空隙部232aの対応極中心側の幅W12は極間側の幅W11よりも狭い。
界磁用コア1が弾性変形した後の連通空隙部232aの幅W12’は、磁石挿入孔21を広げる前の幅W12と比較して、少量しか低減しない。これは上述の様に、弾性変形によってコア部111がブリッジコア部13へと近づくものの、その変形はコア部112を支点とするからである。よって幅W12を小さくしても幅W12’は零になりにくい。つまり、幅W12を小さく設定しても、コア部111がブリッジコア部13に当接しにくい。よって、コア部111がブリッジコア部13を押圧しにくく、ブリッジコア部13の応力増大を招きにくい。したがって、幅W12を小さく設定するのである。これにより、界磁用コア1の磁気抵抗を低減することができる。
一方で、界磁用コア1が弾性変形した後の連通空隙部232aの極間側における幅W11’は、磁石挿入孔21を広げる前の幅W11と比較して低減しやすい。よって幅W11を小さく設定しすぎると、弾性変形によって幅W11’が零になり得る。この場合、コア部111がブリッジコア部13に当接して、ブリッジコア部13を外周側に押圧することになる。これにより、ブリッジコア部13の応力が増大する。そこで、幅W11は比較的大きな値に設定することが望ましい。これにより、コア部111がブリッジコア部13に当接しにくく、ブリッジコア部13の応力増大を招きにくい。
図12は、弾性変形の前後における図11の界磁用コア1を概略的に示している。図12の例示では、弾性変形後の界磁用コア1の形状が二点鎖線で示されている。図12の例示では、図11の界磁用コア1が示されているので、界磁用コア1の弾性変形前において幅W11が幅W12よりも広い。これにより、弾性変形後の幅W11’,W12’をほぼ等しくできる。図12の例示では、弾性変形によって、連通空隙部232aの幅は周方向における位置によらずほぼ零となっている。つまり、弾性変形によって、第二空隙部23aの幅がより均一的に低減される。したがって、界磁用コア1の磁気抵抗をより効果的に低減できることとなる。図12の例示によれば、連通空隙部232aにおける磁気抵抗を最小化することができる。
<スリット>
図13は界磁4の構成の一例を概略的に示す図である。図13でも、界磁4のうち、互いに連通する第一空隙部22aおよび第二空隙部23aの近傍を拡大して示している。図13の例示では、界磁用コア1にスリット24が更に形成されている。スリット24は外周面1a側において開口している。図13の例示では、スリット24は、極間において互いに隣り合う第一空隙部22a,22bの間に設けられており、略径方向に沿って延在している。例えばスリット24の径方向の長さは、第一空隙部22aの径方向の長さの半値よりも長い。
さて、スリット24が設けられていない場合、図5に示すように、磁石挿入孔21を広げると、隣り合う極のブリッジコア部13には互いに遠ざかる方向に力F3が作用する。そして、隣り合う極のブリッジコア部13は極間コア部12を介して周方向で連続するので、各ブリッジコア部13には比較的に高い応力が生じることになる。
一方で、図13の例示では、外周側に開口するスリット24が極間において設けられている。かかる界磁用コア1によれば、磁石挿入孔21を広げる外力によって、スリット24が外周側において広がるように、界磁用コア1が弾性変形する。これにより、磁石挿入孔21を広げるのに要する力F1を低減することができる。ひいては、ブリッジコア部13に生じる応力を、図8に示すよりも更に低減することができる。
また図13の例示では、スリット24は極間に設けられているので、第二空隙部23aに干渉することなく設けることができる。
しかも図13の例示では、スリット24は一つの極間に一つのみ設けられている。これによれば、スリット24を一つの極間において複数設ける場合に比べて、スリット24を形成するための加工数が少なくて済むことがある。この場合、製造コストを低減できる。また例えば界磁用コア1を複数の積層鋼板で形成する場合には、当該積層鋼板を打ち抜いてスリット24を形成することがある。複数のスリット24を設けるべく、スリット24の周方向における幅を狭くすると、積層鋼板の打ち抜きに使用する打ち抜き部材が損傷しやすい。スリット24を一つの極間において一つのみ設けると、複数設ける場合に比べて、スリット24の幅を広く設定できるので、打ち抜き部材の損傷を抑制できる。
なお上述の例では、第二空隙部23a,23bとスリット24とが設けられているものの、第二空隙部23a,23bが設けられずに、スリット24が設けられてもよい。スリット24だけでも、ブリッジコア部13に生じる応力を低減できるからである。またこの場合、スリット24は極間側に替えて、あるいは極間側とともに、極中心側に設けられてもよい。つまり、スリット24は、極中心側において、第一空隙部22aあるいは第一空隙部22bと隣り合って設けられてもよい。
<界磁用コアの他の例>
図14は界磁用コア1の構成の一例を概略的に示す図である。図14の例示でも、第二空隙部23aの端面233aは対応極中心側に膨らむ曲線状の形状を有している。また第二空隙部23aの幅は第一空隙部22aから端面233aに向かうにしたがって増大している。図14の例示では、第二空隙部23aの外周面1a側の面は外周面1aに沿って延在している。また第二空隙部23aの幅の、周方向の位置を変数とした増大率は、第一空隙部22aから端面233aへと向かうにしたがって増大し、続けて低減している。
このような界磁用コア1においても、第二空隙部23aの幅は、第二空隙部23aの端面233a以外の部分と端面233aとの境界B1において最大値W13をとる。したがって、この界磁用コア1においても、応力の低減と磁気抵抗の低減とを両立することができる。
また、本界磁用コア1は、その発明の範囲内において、相互に矛盾しない限り、上記の種々の実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。また上述の種々の実施の形態は、相互に矛盾しない限り、適宜に組み合せることができる。
1 界磁用コア
1a 外周面
21 磁石挿入孔
22a,22b 第一空隙部
23a,23b 第二空隙部
231a 湾曲空隙部
232a 連通空隙部
233a 端面

Claims (7)

  1. 回転軸(P)を囲む外周面(1a)を備え、
    前記回転軸と前記外周面との間において、前記回転軸についての周方向に沿って並んで設けられる複数の磁石挿入孔(21)と、
    一つの前記複数の磁石挿入孔の前記周方向における両端部にそれぞれ連通し、前記両端部と前記外周面との間に設けられる一対の第一空隙部(22a,22b)と、
    前記一対の第一空隙部の一方に連通し、前記一対の第一空隙部の他方へと向かって延在する第二空隙部(23a,23b)と
    が設けられ、
    前記第二空隙部(23a,23b)は前記他方側に膨らむ曲線状の端面を有し、前記回転軸についての径方向における前記第二空隙部の幅は、前記端面以外の前記第二空隙部と前記端面との境界(B1)において最大値(W13)をとる、界磁用コア。
  2. 前記第二空隙部(23a,23b)の前記幅は前記一対の第一空隙部(22a,22b)の前記一方から前記他方へと向かうにしたがって狭くなり、続けて増大して前記境界において前記最大値をとる、請求項1に記載の界磁用コア。
  3. 前記第二空隙部(23a,23b)は、
    前記端面(233a)を含む湾曲空隙部(231a)と、
    前記一対の第一空隙部(22a,22b)の前記一方と前記湾曲空隙部とを連通する連通空隙部(232a)と
    を有し、
    前記湾曲空隙部の幅は、前記連通空隙部から前記境界へと向かうにしたがって増大し、前記湾曲空隙部は円弧に沿う形状を有する、請求項1または請求項2に記載の界磁用コア。
  4. 前記一対の第一空隙部(22a,22b)は前記複数の磁石挿入孔(21)の各々に設けられ、
    一つの前記複数の磁石挿入孔に連通する前記一対の第一空隙部の一方に対して、前記周方向において隣り合って設けられ、前記外周面側において開口するスリット(24)が更に設けられる、請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の界磁用コア。
  5. 前記スリット(24)は、前記複数の磁石挿入孔(21)のうち隣り合う二者の間において、一つのみ設けられる、請求項4に記載の界磁用コア。
  6. 前記端面と前記外周面との間の距離の最小値(W21)は、前記複数の第一空隙部と前記外周面との間の距離の最小値(W20)以上である、請求項1から請求項5のいずれか一つに記載の界磁用コア。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一つに記載の界磁用コアにおいて、前記複数の磁石挿入孔(21)を、前記回転軸(P)についての径方向に広げる第1工程と、
    前記第1工程の後に、前記複数の磁石挿入孔に永久磁石(3)を挿入する第2工程と
    を備える、界磁の製造方法。
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