JP2016217798A - 核変換装置および原子炉 - Google Patents
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Abstract
【課題】長半減期の放射性核分裂生成物の核変換効率を増大させる。
【解決手段】実施形態によれば、核変換装置100は、中性子照射を受ける位置に配されて、冷却媒体を内包する核変換集合体110と、核変換集合体110の上方にあって、冷却媒体の熱を除去する冷却部140と、内側管と外側管とを有し冷却媒体が循環可能に核変換集合体110と冷却部140とを接続する連結管130とを有する。核変換集合体110は、上端は外側管の下端に接続し下部が閉止された集合体容器と、集合体容器内に収納され、上端は内側管の下端に接続し、下端の下方にてその径方向内側の空間と径方向外側の空間が連通する内筒と、核変換照射部材と核変換照射部材を内包する被覆管とを有し、内筒と集合体容器との間の環状部に配された複数の核変換要素とを有する。
【選択図】図1
【解決手段】実施形態によれば、核変換装置100は、中性子照射を受ける位置に配されて、冷却媒体を内包する核変換集合体110と、核変換集合体110の上方にあって、冷却媒体の熱を除去する冷却部140と、内側管と外側管とを有し冷却媒体が循環可能に核変換集合体110と冷却部140とを接続する連結管130とを有する。核変換集合体110は、上端は外側管の下端に接続し下部が閉止された集合体容器と、集合体容器内に収納され、上端は内側管の下端に接続し、下端の下方にてその径方向内側の空間と径方向外側の空間が連通する内筒と、核変換照射部材と核変換照射部材を内包する被覆管とを有し、内筒と集合体容器との間の環状部に配された複数の核変換要素とを有する。
【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、核変換装置およびこれを有する原子炉に関する。
原子力施設から発生する廃棄物のうち、放射性のヨウ素129(以下、I−129と表記する)や放射性のテクネチウム99(以下、Tc−99と表記する)に代表される長半減期の放射性核分裂生成物の処分方法として、ガラス固化による固定化をして地層処分することが検討されている。
しかし、I−129やTc−99の半減期はそれぞれ1570万年、21万年であるために、ガラス固化により固定化する上でも課題がある。このため、処分後の安全性を高めるためには、処分深度を深くする必要があり、施設の経済的負担は大きくなると考えられる。
このため、長半減期の放射性核分裂生成物について、核種そのものを中性子捕獲反応によって、半減期の短い核種に核変換させることにより、その放射能を低減する方法が検討されている。
たとえば、I−129は中性子捕獲反応によりI−130に変換された後、半減期12.36時間のβ崩壊により安定核種であるキセノン130(Xe−130)になる。同様にTc−99は中性子捕獲反応によりTc−100に変換された後、半減期15.8秒のβ崩壊により安定核種であるルテニウム100(Ru−100)になる。
長半減期の放射性核分裂生成物を中性子により核変換させるために、核変換用の照射材としてたとえば核変換用集合体に封じ込め、高速炉などの原子炉の炉心中に設置する。この際、核変換用の照射材の周囲を液体ナトリウムが通過するため、核変換用の照射材の温度は、少なくとも液体ナトリウム温度と同等またはそれ以上の温度となる。核変換用の照射材に含まれる中性子減速材に衝突した中性子は、複数回の散乱ののちに、核変換用の照射材の温度と平衡状態の中性子エネルギー分布を有することとなる。
核変換のためには、中性子を吸収する必要があるが、一般的に、中性子の吸収断面積は、低いエネルギー領域では中性子のエネルギーの平方根に反比例する。このため、核変換効率の増大のためには、中性子のエネルギーを極力低くすることが望ましい。
そこで本発明の実施形態は、上述した課題を解決するためになされたもので、長半減期の放射性核分裂生成物の核変換効率を増大させることを目的とする。
上述の目的を達成するため、本実施形態は、中性子照射を受ける位置に配されて、冷却媒体を内包する核変換集合体と、前記核変換集合体の上方にあって、前記冷却媒体の熱を除去する冷却部と、内側管と外側管とを有し、前記冷却媒体が循環可能に前記核変換集合体と前記冷却部とを接続する連結管と、を備える核変換装置であって、前記核変換集合体は、上端は前記外側管の下端に接続し下部が閉止された上下に延びる集合体容器と、前記集合体容器内に収納され、上端は前記内側管の下端に接続し、下端の下方にてその径方向内側の空間と径方向外側の空間が連通する内筒と、核変換照射部材と前記核変換照射部材を内包し長手方向に延びる被覆管とを有し、前記内筒と前記集合体容器との間の環状部に配された複数の核変換要素と、を有することを特徴とする。
また、本実施形態に係る原子炉は、中性子を吸収して核分裂する核分裂性物質を内包し、鉛直方向に延びて互いに格子状に配列する燃料集合体と、前記核分裂により発生する中性子を吸収し、前記核分裂を制御する制御棒集合体と、前記燃料集合体を含む炉心および前記炉心を冷却する原子炉冷却材を内包する原子炉容器と、中性子照射を受ける位置に配されて冷却媒体を内包する核変換集合体と、前記核変換集合体の上方にあって前記冷却媒体の熱を除去する冷却部と、内側管と外側管とを有して前記冷却媒体が循環可能に前記核変換集合体と前記冷却部とを接続する連結管と、を具備し、前記中性子により長寿命核種を核変換する核変換装置と、を備え、前記核変換集合体は、上端は前記外側管の下端に接続し下部が閉止された上下に延びる集合体容器と、前記集合体容器内に収納され、上端は前記内側管の下端に接続し、下端の下方にてその径方向内側の空間と径方向外側の空間が連通する内筒と、核変換照射部材と前記核変換照射部材を内包し長手方向に延びる被覆管とを有し、前記内筒と前記集合体容器との間の環状部に配された複数の核変換要素と、を有することを特徴とする。
本発明の実施形態によれば、長半減期の放射性核分裂生成物の核変換効率を増大させることができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る中性子スペクトル制御型核変換装置およびこれを用いた原子炉について説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には、共通の符号を付して、重複説明は省略する。なお、以下、核変換要素、核変換集合体および原子炉施設の機器は、設置された状態で上下関係を表現している。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る核変換装置を含む原子炉の構成を示す立断面図である。以下、原子炉の例として、高速炉の場合を例にとって説明する。炉心燃料集合体16(図2)および制御棒集合体20を有する炉心3は、炉心支持板4により支持されている。炉心支持板4の下方には、炉内構造物5が配置されている。一方、炉心3の上方には、炉心上部機構7が配置されている。炉心上部機構7は、制御棒駆動機構15などを有する。
図1は、第1の実施形態に係る核変換装置を含む原子炉の構成を示す立断面図である。以下、原子炉の例として、高速炉の場合を例にとって説明する。炉心燃料集合体16(図2)および制御棒集合体20を有する炉心3は、炉心支持板4により支持されている。炉心支持板4の下方には、炉内構造物5が配置されている。一方、炉心3の上方には、炉心上部機構7が配置されている。炉心上部機構7は、制御棒駆動機構15などを有する。
炉心3、炉内構造物5は、原子炉容器2内に収納されている。原子炉容器2は、原子炉冷却材である液体ナトリウムを収納しており、上部が開放されている。原子炉容器2の上部には遮へいプラグ11が設けられており、原子炉容器2と遮へいプラグ11とで密閉空間が形成されている。
原子炉容器2に液体ナトリウムを供給する入口配管8が、原子炉容器2の外部から原子炉容器2の上部側面を貫通し、貫通した入口配管8は、原子炉容器2内を下降して、原子炉容器2の下部プレナム10aに到達している。また、原子炉容器2から液体ナトリウムを排出させる出口配管9が、上部プレナム10bから原子炉容器2内を鉛直上方に延びて、原子炉容器2の上部側面を貫通し、原子炉容器2の外部で熱交換するために、原子炉容器2の外部に延びている。
原子炉1には、核変換装置100が設けられている。核変換装置100は、炉心3に設置されている核変換集合体110、遮へいプラグ11上に設けられた冷却部140、および核変換集合体110と冷却部140とを接続する連結管130を有する。連結管130は、同軸の内側管(図示せず)と外側管とを有する二重管である。
核変換集合体110内には、冷却媒体が収納されている。冷却媒体は、核変換集合体110、冷却部140、および連結管130によって形成される密閉空間内に収納されている。
冷却部140は、熱交換器(図示せず)を有し、冷却媒体を冷却する。冷却媒体は、冷却部140で冷却されて、連結管130を経由して核変換集合体110に至り、その後、連結管130を経由して再度冷却部140へと、循環する。熱交換器の2次側は、冷却回路(図示せず)であり、最終のヒートシンクは、空気冷却器、あるいは、冷却塔を用いることができる。なお、冷却部140は、熱交換器による方式に限定されない。たとえば、核変換装置100の、核変換集合体110、冷却部140、および連結管130が、循環する冷却媒体を用いたヒートパイプとして働く方式によることでもよい。
図2は、核変換装置を含む炉心の断面を示す、図1のII−II矢視水平断面図である。炉心3は、核分裂性物質を多く含む炉心燃料集合体16、中性子吸収により核分裂性物質に変換される核分裂性親物質を多く含む径ブランケット燃料集合体19、中性子吸収物質を多く含み核分裂反応を制御する制御棒集合体20、および核変換集合体110を有する。
炉心燃料集合体16としては、内側炉心燃料集合体17およびその径方向外側に配された外側炉心燃料集合体18がある。また、径ブランケット燃料集合体19は、外側炉心燃料集合体18の径方向外側に配されている。また、核変換集合体110は、径ブランケット燃料集合体19が装荷されている領域に配されている。
ここで、内側炉心燃料集合体17は六角形で表示し、外側炉心燃料集合体18は六角形の中に丸、径ブランケット燃料集合体19は六角形の中に二重丸、制御棒集合体20は六角形の中にC、核変換集合体110は六角形の中にTを加えて表示している。
図3は、核変換集合体の構成を示す横断面図である。また、図4は、核変換集合体の構成を示す図3のIV−IV矢視水平断面図である。核変換集合体110は、集合体容器111、内筒112、および複数の核変換要素200を有する。
内筒112は上下端部が開放された円筒である。ただし、円筒に限定されない。角筒、あるいは六角形の筒状でもよい。集合体容器111は、内筒112の軸と同軸で上下に延びている。集合体容器111の下部は径が縮小し、炉心支持板4(図1)に形成された挿入孔に挿入し、核変換集合体110自身を支持するための支持部113が形成されている。支持部113は、単に炉心支持板4と機械的に取合うためのものであり、流路を構成しないので、燃料集合体のような流入孔は形成されていない。集合体容器111は、上端のみ開放されている。
内筒112は、集合体容器111との間に環状の流路を形成する。内筒112の上端は、連結管130の内側管の下端に接続されており、集合体容器111の上端は、連結管130の外側管に接続されている。なお、外側管には、集合体容器111との接続部の上方にレデューサが設けられ、配管の外形が変化することでもよい。
内筒112の内側の空間と環状部とは、下部プレナム114で接続されている。環状部には、複数の核変換要素200が配されている。環状部の核変換要素200の上部は、上部プレナム115を形成する。
核変換要素200は、支持板116により支持される。支持板116は、多孔板であり、集合体容器111と内筒112に結合し、核変換要素200を支持するとともに、下部プレナム114から環状部への冷却媒体の流入孔を形成している。なお、支持板116に代えて、支持棒などの鋼製部材を用いてもよい。
冷却部140で冷却された冷却媒体は、連結管130の内側管を下降し、核変換集合体110の内筒112内に流入する。冷却媒体は、内筒112から下部プレナム114に流出した後に、環状部を上昇し、複数の核変換要素200を冷却しながら上昇する。環状部から上部プレナム115に流出した冷却媒体は、連結管130の内側管と外側管との環状部に流入し、冷却部140まで上昇する。
図5は、第1の実施形態に係る核変換要素の構成を示す立断面図である。核変換要素200は、図5に示すように、核変換照射部材201が、筒状の被覆管205内に収納されている。被覆管205の下端は下部端栓207に、上端は上部端栓208で閉止され、密閉空間が形成されている。密閉空間内の核変換照射部材201の上部は、上部プレナム206を形成している。
核変換照射部材201は、中性子減速材と核変換ターゲットを有する。核変換ターゲットと中性子減速材は混合され焼結されたペレット形状であり、上下方向に積層されている。核変換照射部材201は、ボンド材204に浸漬されている。ボンド材204は、たとえば、金属ナトリウムである。核変換ターゲットおよび中性子減速材は、冷却媒体により冷却され、核変換照射部材201と被覆管205の間を埋めるボンド材204の熱伝導効果により、冷却媒体の温度近くの温度まで冷却される。
図6は、核変換集合体内の中性子スペクトルの例を示すグラフである。たとえば、冷却媒体に液体ヘリウムや液体水素を用いた場合には、核変換照射部材201は、約20Kまで冷却される。破線で示す曲線Bは、室温の場合の核変換集合体110の内部の中性子スペクトルの評価例である。実線で示す曲線Aは、20Kの場合の核変換集合体110の内部の中性子スペクトルの評価例である。
図6に示すように、室温から20Kまで冷却することにより、中性子平均エネルギーは約2ケタ低下する。
図7は、核変換用ターゲット物質の例の中性子捕獲断面積のスペクトルを示すグラフである。ヨウ素129(I−129)の中性子捕獲断面積の中性子エネルギーへの依存性を示す特性曲線である。破線で示す共鳴領域Rより低いエネルギー領域では、曲線Aで示すように、右下がりの特性である。
具体的には、1/v特性(vは速度)といわれるように、横軸の中性子エネルギー(速度の2乗に比例)が102倍となると断面積がほぼ1/10となる。すなわち、中性子エネルギーの1/2乗にほぼ比例する。なお、この特性は、I−129に限らず、他の長寿命核分裂生成核種についても一般的である。
したがって、図7のように、中性子エネルギーが約2桁低下すると、中性子捕獲断面積は、約1桁大きくなる。すなわち、中性子の捕獲反応率は約10倍となる。このように、冷却時温度を冷却部により制御することで中性子スペクトルは変化するため、初期の核変換率を達成することができる。
[第2の実施形態]
図8は、第2の実施形態に係る核変換要素の構成を示す水平断面図である。本実施形態は、第1の実施形態の変形である。本実施形態における核変換要素200aにおいては、核変換照射部材201は、核変換ターゲット202と中性子減速材203とに分離されている。すなわち、径方向の中心に円柱状に核変換ターゲット202が配され、核変換ターゲット202の径方向外側に中性子減速材203が、核変換ターゲット202を囲むように配されている。
図8は、第2の実施形態に係る核変換要素の構成を示す水平断面図である。本実施形態は、第1の実施形態の変形である。本実施形態における核変換要素200aにおいては、核変換照射部材201は、核変換ターゲット202と中性子減速材203とに分離されている。すなわち、径方向の中心に円柱状に核変換ターゲット202が配され、核変換ターゲット202の径方向外側に中性子減速材203が、核変換ターゲット202を囲むように配されている。
以上のように構成された本実施形態においては、中性子減速材203が、核変換ターゲット202より被覆管205外の冷却媒体に近いため、より冷却媒体の温度に近づけることができ、核変換率向上を図ることができる。
[第3の実施形態]
図9は、第3の実施形態に係る核変換集合体の構成を示す立断面図である。本実施形態は、第1の実施形態の変形である。本第3の実施形態に係る核変換集合体110aの集合体容器111は、外側容器111aおよび内側容器111bを有する。内側容器111bは、上端が開放された容器状であり、冷却媒体を内蔵する。外側容器111aは、外側の原子炉冷却材に接する。
図9は、第3の実施形態に係る核変換集合体の構成を示す立断面図である。本実施形態は、第1の実施形態の変形である。本第3の実施形態に係る核変換集合体110aの集合体容器111は、外側容器111aおよび内側容器111bを有する。内側容器111bは、上端が開放された容器状であり、冷却媒体を内蔵する。外側容器111aは、外側の原子炉冷却材に接する。
内側容器111bと外側容器111aとは直接接触せず、熱伝導率の低いスペーサ111dを介して相互に位置決めされている。スペーサ111dは、軸方向に2か所以上設けられる。また、それぞれの軸方向位置において、周方向に3か所以上、設けられる。
連結管130は、図示しないが、二重管の外側管が、さらに二重胴(図示せず)となっており、二重胴のそれぞれは互い直接接触せず、熱伝導率の低い材質のスペーサ(図示せず)によって相互に間隙が確保されている。
連結管130の二重胴はそれぞれ、集合体容器111の内側容器111bと外側容器111aとに接続している。集合体容器110aの内側容器111bと外側容器111aは、連結管130の二重胴のそれぞれと相俟って、密閉された空間である真空部111cを形成する。
以上のように構成された本実施形態においては、外側容器111aの外部の原子炉冷却材から、内側容器111bの内部に配されている核変換要素200aへの熱移動のうち、熱伝導については熱伝導率の低い材質のスペーサ111dを介することになり制限される。また、真空であるため、対流による熱移動はない。したがって、輻射のみによる熱移動となる。内側容器111bと外側容器111aの真空部111cに面する面に、たとえば、放射率の低いアルミニウムなどのコーティングを施すことにより、輻射量も抑制することができる。
以上のように、実施形態においては、冷却媒体の核変換集合体110aおよび連結管130での温度上昇が抑えられ、低温状態が維持される。この結果、核変換要素200内の減速材の温度が低温に維持され、核変換効率を高い値に維持することができる。
[第4の実施形態]
図10は、第4の実施形態に係る核変換集合体の構成を示す水平断面図である。本実施形態は、第1の実施形態の変形である。本実施形態に係る核変換集合体310は、環状部に配されたターゲット要素311および中性子減速材要素312を有する。図10では、ターゲット要素311を、tを付して表示している。また、中性子減速材要素312は、tを付していない要素である。ターゲット要素311の周囲には、中性子減速材要素312が配されており、ターゲット要素311に移行する中性子が中性子減速材要素312を通過して減速されるように構成されている。
図10は、第4の実施形態に係る核変換集合体の構成を示す水平断面図である。本実施形態は、第1の実施形態の変形である。本実施形態に係る核変換集合体310は、環状部に配されたターゲット要素311および中性子減速材要素312を有する。図10では、ターゲット要素311を、tを付して表示している。また、中性子減速材要素312は、tを付していない要素である。ターゲット要素311の周囲には、中性子減速材要素312が配されており、ターゲット要素311に移行する中性子が中性子減速材要素312を通過して減速されるように構成されている。
図11は、ターゲット要素の構成を示す水平断面図である。被覆管205の内部に、核変換ターゲット202が収納されている。また、被覆管205と核変換ターゲット202の間には、ボンド材204が充填されている。
図12は、中性子減速材要素の構成を示す水平断面図である。被覆管205の内部に、中性子減速材203が収納されている。また、被覆管205と中性子減速材203の間には、ボンド材204が充填されている。
以上のように構成された本実施形態では、中性子減速材とターゲット材の配分および相互の配置を調整できる。このため、炉心内の中性子スペクトルに応じて配分あるいは配置を変化させることも可能である。
[その他の実施形態]
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。たとえば、実施形態では、核変換集合体を、原子炉容器内のブランケット領域に配した場合を例にとって示したが、これに限定されない。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。たとえば、実施形態では、核変換集合体を、原子炉容器内のブランケット領域に配した場合を例にとって示したが、これに限定されない。
たとえば、原子炉容器の外側であって原子炉容器の側部に配してもよい。この場合、核変換集合体の周囲の中性子束レベルは、原子炉容器内より下がるものの、核変換集合体が原子炉冷却材に浸漬されておらず周囲温度が原子炉容器内より低い。このため、冷却媒体の低温状態をさらに確実に維持することが可能となる。あるいは、中性子源は、臨界炉でなくともよい。たとえば、未臨界炉を用いて中性子照射を行うことでもよい。なお、これらの場合、炉心を収納する容器を原子炉容器と総称することとする。
また、実施形態では、中性子の供給源として高速炉を用いる場合を例にとって説明したが、高速炉に限定されない。たとえば、中性子の供給源は軽水炉でもよい。この場合、中性子束レベルは高速炉より低下するが、原子炉冷却材の温度が低いことから、冷却媒体の低温状態の維持の上では有利である。また、炉心での中性子のエネルギースペクトルが熱中性子側にシフトしており、減速材が中性子エネルギーを低減させる上では有利である。
また、各実施形態の特徴を組み合わせてもよい。たとえば、第3の実施形態の真空部を有する特徴と、第2の実施形態、あるいは第4の実施形態の核変換ターゲットと中性子減速材との関係を組み合わせてもよい。
さらに、これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…原子炉、2…原子炉容器、3…炉心、4…炉心支持板、5…炉内構造物、7…炉心上部機構、8…入口配管、9…出口配管、10a…下部プレナム、10b…上部プレナム、11…遮へいプラグ、15…制御棒駆動機構、16…炉心燃料集合体、17…内側炉心燃料集合体、18…外側炉心燃料集合体、19…ブランケット燃料集合体、20…制御棒集合体、100…核変換装置、110、110a…核変換集合体、111…集合体容器、111a…外側容器、111b…内側容器、111c…真空部、111d…スペーサ、112…内筒、113…支持部、114…下部プレナム、115…上部プレナム、116…支持板、130…連結管、140…冷却部、200、200a…核変換要素、201…核変換照射部材、202…核変換ターゲット、203…中性子減速材、204…ボンド材、205…被覆管、206…上部プレナム、207…下部端栓、208…上部端栓、310…核変換集合体、311…ターゲット要素、312…中性子減速材要素
Claims (11)
- 中性子照射を受ける位置に配されて、冷却媒体を内包する核変換集合体と、
前記核変換集合体の上方にあって、前記冷却媒体の熱を除去する冷却部と、
内側管と外側管とを有し、前記冷却媒体が循環可能に前記核変換集合体と前記冷却部とを接続する連結管と、
を備える核変換装置であって、
前記核変換集合体は、
上端は前記外側管の下端に接続し下部が閉止された上下に延びる集合体容器と、
前記集合体容器内に収納され、上端は前記内側管の下端に接続し、下端の下方にてその径方向内側の空間と径方向外側の空間が連通する内筒と、
核変換照射部材と前記核変換照射部材を内包し長手方向に延びる被覆管とを有し、前記内筒と前記集合体容器との間の環状部に配された複数の核変換要素と、
を有することを特徴とする核変換装置。 - 前記集合体容器は、外側容器と内側容器とを含む二重容器であり、前記外側容器と前記内側容器とは、互いに熱伝導率の低いスペーサにより相対位置を保持することを特徴とする請求項1に記載の核変換装置。
- 前記核変換照射部材は、核変換ターゲット物質と、前記核変換ターゲット物質を囲むように配された中性子減速材を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の核変換装置。
- 前記核変換要素は、
核変換ターゲット物質を含み、減速材を含まないターゲット要素と、
減速材を含み、核変換ターゲット物質を含まない中性子減速材要素と、
を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の核変換装置。 - 前記冷却媒体は、窒素およびヘリウムの少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の核変換装置。
- 前記冷却部は、冷却媒体を冷却する熱交換器を有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の核変換装置。
- 前記核変換装置は、核変換集合体、冷却部、および連結管が、冷却媒体を用いたヒートパイプとして構成されることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の核変換装置。
- 中性子を吸収して核分裂する核分裂性物質を内包し、鉛直方向に延びて互いに格子状に配列する燃料集合体と、
前記核分裂により発生する中性子を吸収し、前記核分裂を制御する制御棒集合体と、
前記燃料集合体を含む炉心および前記炉心を冷却する原子炉冷却材を内包する原子炉容器と、
中性子照射を受ける位置に配されて冷却媒体を内包する核変換集合体と、前記核変換集合体の上方にあって前記冷却媒体の熱を除去する冷却部と、内側管と外側管とを有して前記冷却媒体が循環可能に前記核変換集合体と前記冷却部とを接続する連結管と、を具備し、前記中性子により長寿命核種を核変換する核変換装置と、
を備え、
前記核変換集合体は、
上端は前記外側管の下端に接続し下部が閉止された上下に延びる集合体容器と、
前記集合体容器内に収納され、上端は前記内側管の下端に接続し、下端の下方にてその径方向内側の空間と径方向外側の空間が連通する内筒と、
核変換照射部材と前記核変換照射部材を内包し長手方向に延びる被覆管とを有し、前記内筒と前記集合体容器との間の環状部に配された複数の核変換要素と、
を有することを特徴とする原子炉。 - 前記原子炉は、高速炉であり、
前記核変換要素は、ボンド材としてヘリウムガスまたは液体金属のいずれかを内包することを特徴とする請求項8に記載の原子炉。 - 前記核変換装置は、前記原子炉容器の外部に配され、
前記中性子照射は、前記原子炉容器の外側で行われることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の原子炉。 - 前記原子炉は、未臨界型原子炉であることを特徴とする請求項8ないし請求項10のいずれか一項に記載の原子炉。
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2015
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CN111081391A (zh) * | 2019-12-31 | 2020-04-28 | 中国核动力研究设计院 | 一种采用六棱柱包壳的热管反应堆燃料元件的堆芯结构 |
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