JP2016217421A - 減速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハウジング内で互いに噛合する第1,第2歯車を含む減速機構と、前記噛合により第1歯車の側面に押し出されたグリスをウォームホイールの外周歯部側に誘導するグリス誘導手段とを備えた減速機において、前記グリスを第1歯車の外周歯部の歯幅方向中間部に効率よく誘導補給可能として、その外周歯部の歯面端近傍にグリスが偏って補給されるのを回避する。【解決手段】グリス誘導手段Gは、ウォームホイールW1の回転に伴いホイール一側面W1s上のグリスgを掻き取って伝い上がらせる掻取面Fkと、その掻取面に連設される上下方向の奥面Fvとを備え、奥面Fvは、掻取面Fkによるグリス掻取り作用に伴い、掻取面Fkの上端部から上方に延びる第1奥面部Fv1と、その第1奥面部Fv1からホイール外周歯部W1gの歯幅方向中間部の直上位置まで延びる第2奥面部Fv2とを有する。【選択図】 図6

Description

本発明は、減速機、特にハウジングと、そのハウジングに回転自在に収容、支持されて互いに噛合する第1,第2歯車を少なくとも含む減速機構と、その減速機構を潤滑するためのグリスとを備えた減速機に関する。
上記減速機においては、ウォームホイール(第1歯車)の外周歯部に塗布されたグリスが、そのウォームホイールとウォーム(第2歯車)との噛合によりウォームホイール側面に押し出されてしまい、その噛合部に対する潤滑性が早期に低下する虞れがある。
そこで、そのウォームホイールの外周歯部へグリスを補給するために、上記噛合によりウォームホイール側面に押し出されたグリスをウォームホイールの回転に応じて同ホイールの外周歯部側に誘導するグリス誘導手段を設けたものが知られている(特許文献1を参照)。
特開2005−69476号公報
ところが上記グリス誘導手段は、ウォームホイールの外周部側面との対向間隔を周方向一方側に徐々に狭める第1の区間部分と、同対向間隔を最小とした第2の区間部分とをホイール周方向に並べて備えた包囲部材を用いるものである。そして、この包囲部材は、ウォームホイール側面に押し出されたグリスを、ウォームホイールの回転に伴い第1の区間部分とホイール側面間で徐々に絞り、その絞り効果が最大(即ち前記対向間隔が最小)となる第2の区間部分においてグリスを、ホイールの外周歯部の歯幅方向外端(歯面端)から歯溝内に歯幅方向に沿って直接押し込むように誘導している。
そして、このようなグリス誘導手法では、ウォームホイールの外周歯部のうち、歯幅方向外端(歯面端)に近い部位にしかグリスを補給することができず、折角補給されたグリスの大部分が、ウォームホイールとウォームとの噛合により直ぐにホイール側面側に押し出されてしまうことから、グリスの補給効果が十分には期待できなかった。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもので、従来の上記減速機の問題を簡単な構造で解決可能な減速機を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は、ハウジングと、そのハウジングに回転自在に収容、支持されて互いに噛合する第1,第2歯車を少なくとも含む減速機構と、その減速機構を潤滑するためのグリスと、第1歯車の側面に付着したグリスを第1歯車の一方向への回転に応じて第1歯車の外周歯部に誘導するグリス誘導手段とを備えた減速機において、前記グリス誘導手段は、第1歯車の一側面に隣接するよう前記ハウジングに設けられて、第1歯車の前記一方向への回転に伴い該一側面上のグリスを掻き取って伝い上がらせる掻取面と、その掻取面の上端部に連設される上下方向の奥面とを備えており、前記奥面は、前記掻取面の上端部から上方に延びる第1奥面部と、その第1奥面部から少なくとも第1歯車の外周歯部の歯幅方向中間部の直上位置まで延びる第2奥面部とを有していて、前記掻取面によるグリス掻取り作用に伴い第1奥面部を伝い上がったグリスの少なくとも一部が、第2奥面部側に伝い流れ更にその第2奥面部の下端縁より第1歯車の外周歯部の歯幅方向中間部に落下可能であることを第1の特徴とする。
尚、本発明において、「第1歯車の外周歯部の歯幅方向中間部」とは、その外周歯部の歯幅方向一端及び他端から内方に等距離にある歯幅方向中央部にのみ限定されるものではなく、例えば、その外周歯部の歯幅方向一端及び他端から各々内方側に離間した中間部分であって該中央部から歯幅方向一方側にオフセットした中間部分も含まれる。
また本発明は、前記第1の特徴に加えて、前記掻取面及び前記第1奥面部の、前記第1歯車とは反対側の側端に連設されて、掻取面によるグリス掻取り作用に伴い掻取面及び第1奥面部を順次伝い上がるグリスが第1歯車側とは反対側に流出するのを阻止する横面を備えることを第2の特徴とする。
また本発明は、前記第1又は第2の特徴に加えて、第1歯車が、水平軸線回りに回転するウォームホイールであると共に、第2歯車が、前記ウォームホイールの外周歯部にそのホイール上部で噛合するウォームであり、前記掻取面は、第2歯車の回転軸線と直交する投影面で見て、その回転軸線を含む鉛直面の一方側であって第2歯車の外周歯部が上から下へ回転する側に配置されると共に、第1歯車の回転軸線と直交する投影面で見て、第1歯車の外周歯部が第2歯車との噛合部において回転移動する方向で、該噛合部よりも前方側に配置されることを第3の特徴とする。
また本発明は、前記第3の特徴に加えて、第2歯車の軸方向一端面より同軸に一体に延出する軸部が、前記奥面を回転自在に貫通していることを第4の特徴とする。
また本発明は、前記第1〜第4の何れかの特徴に加えて、前記掻取面は、第1歯車の回転軸線と直交する投影面で見て、該回転軸線を通る水平線よりも上方の交差部で第1歯車の外周歯部と交差する上向きの非鉛直面であり、且つその交差部を通る第1歯車の接線に対して、その掻取面の、前記交差部より径方向外方側部分が内方側部分よりも第1歯車の回転方向前側となるように該掻取面が傾斜していることを第5の特徴とする。
以上のように本発明によれば、減速機のグリス誘導手段が、第1歯車の一側面に隣接するようハウジングに設けられて、第1歯車の回転に伴い該一側面上のグリスを掻き取って伝い上がらせる掻取面と、その掻取面の上端部に連設される上下方向の奥面と、それら掻取面及び奥面の、第1歯車とは反対側の側端に連設されて、とを備え、奥面は、掻取面の上端部から上方に延びる第1奥面部と、その第1奥面部から少なくとも第1歯車の外周歯部の歯幅方向中間部の直上位置まで延びる第2奥面部とを有するので、第1,第2歯車相互の噛合により第1歯車の側面に押し出されて付着したグリスは、第1歯車の回転に伴い掻取面が掻取り作用を発揮することで、その掻取面及び奥面の第1奥面部を順次伝い上がることとなり、その伝い上がるグリスの少なくとも一部が、重力の作用で上方への流れを抑制されることで第2奥面部側に向きを変えて伝い流れ、更に重力の作用で第2奥面部を伝い下って、遂には第2奥面部の下端縁より第1歯車の外周歯部の歯幅方向中間部に落下する。従って、前記噛合により第1歯車の側面側に押し出されたグリスを、第1歯車の外周歯部の歯幅方向中間部に効率よく誘導補給することができて、その外周歯部の歯幅方向外端(歯面端)近傍にグリスが偏って補給されるのを効果的に回避可能となるから、その補給グリスを両歯車の噛合部に対する潤滑に歯幅方向広範囲に亘って有効活用できる。
また特に本発明の第2の特徴によれば、掻取面によるグリス掻取り作用に伴い掻取面及び第1奥面部を順次伝い上がるグリスが第1歯車側とは反対側に流出するのを阻止する横面を更に備えるので、掻取面及び奥面の第1奥面部を順次伝い上がるグリスの、第1歯車側とは反対側への流れが、上記横面により効果的に抑制され、従って、より多くのグリスを第2奥面部側に向かわせることができて、第1歯車の外周歯部の歯幅方向中間部に対しより効率よく供給可能となる。
また特に本発明の第3の特徴によれば、掻取面は、ウォーム(第2歯車)の回転軸線と直交する投影面で見て、その回転軸線を含む鉛直面の一方側であってウォームの外周歯部が上から下へ回転する側に配置されるので、ウォームホイールの両側面のうち特にウォームの外周歯部が上から下へ回転する側(即ちグリスがより多く押し出されて付着する側)の側面に隣接する掻取面によって、グリスを効果的に掻取ることができ、従って、グリスをホイール外周歯部の歯幅方向中間部に対してより効率よく誘導補給できる。その上、掻取面は、ウォームホイール(第1歯車)の回転軸線と直交する投影面で見て、同ホイールの外周歯部がウォームとの噛合部において回転移動する方向で、該噛合部よりも前方側に配置されるので、ウォーム、従ってウォームホイールを逆転した場合には、その逆転直後において、奥面下端からの落下グリスをウォームホイールのウォームとの噛合部に迅速に戻すことができ、その噛合部を逆転当初より効果的に潤滑可能となる。
また特に本発明の第4の特徴によれば、ウォーム(第2歯車)の軸方向一端面より同軸に一体に延出する軸部が、前記奥面を回転自在に貫通しているので、その奥面を伝い下ってきたグリスがウォームの軸部に接触すると、その軸部の回転に連れ回るようにしてグリスが、ウォームの回転軸線を含む鉛直面に向かう側(即ちウォームホイールの外周歯部の歯幅方向中間部に向かう側)に誘導され、これにより、その外周歯部の歯幅方向中間部に対しより効率よく誘導補給することができる。
また特に本発明の第5の特徴によれば、前記掻取面は、第1歯車の回転軸線と直交する投影面で見て、該回転軸線を通る水平線よりも上方の交差部で第1歯車の外周歯部と交差する上向きの非鉛直面であり、且つその交差部を通る第1歯車の接線に対して、その掻取面の、前記交差部より径方向外方側部分が内方側部分よりも第1歯車の回転方向前側となるように、該掻取面が傾斜しているので、その掻取面が第1歯車の回転に伴い掻取ったグリスを、途中で落下させることなく掻取面及び奥面の第1奥面部に順次スムーズに伝い上らせることができ、そのグリスを、第1奥面部から第2奥面部を経てホイールの外周歯部の歯幅方向中間部に対しより効率よく誘導補給することができる。
本発明に係る減速機の第1実施形態を電動モータによるシート開閉駆動に用いたダンプカーの一例を示すものであって、(A)は、ダンプカーの全体側面図、(B)はダンプカーの後面図(図1(A)のB−B矢視図)である 図1の2部の拡大斜視図 図2の3−3線断面図 図3の4−4線断面図 図3の5−5線断面図 図3の6矢視部拡大図とその一部を更に拡大した部分拡大図及び部分拡大断面図 図6の7−7線断面図 前記減速機のハウジングの単体図であって、(A)は平断面図(図7対応図)、(B)は、図8(A)のB−B線断面図、(C)は、図8(A)のC−C線断面図である ウォームホイールW1に対する掻取面Fkの種々の設定例を簡略的に示す説明図 本発明に係る減速機の第2実施形態の要部断面図を示すものであって、(A)は、図7対応断面図、(B)は、図6中の部分拡大断面図の対応図 前記第2実施形態の減速機ハウジングの単体図(図8対応図) 本発明に係る減速機の第3実施形態を示すウォームホイール単体の要部断面図
本発明の実施形態を、添付図面に例示した本発明の実施例に基づいて以下に具体的に説明する。
先ず、図1〜図9を参照して本発明の第1実施形態を説明する。図1〜,2において、ダンプカーの車体フレーム1には荷箱2が傾動可能に軸支されており、この荷箱2と車体フレーム1間には、荷箱2を後方へ強制的に傾動させる周知の駆動機構(図示せず)が介装される。また荷箱2の左,右側板3,3の各上縁部には、荷箱2の開放上面の左右両外側部をそれぞれ被覆し得る左右一対のシートSがそれぞれ取付けられる。このシートSは、布等のシート素材4と、このシート素材4を所定の長方形状に保形する方形枠状のシート枠5とより構成され、そのシート枠5の、前後方向に延びる基端軸部5aは、左,右側板3,3の各上縁部に間隔をおいて設けた複数の軸受部6に回動自在に支承される。
前記基端軸部5aには、荷箱2の前端部に取付けた電動モータMの出力軸Mjが減速機7を介して連動連結される。従ってこのモータMを一方向(例えば正転方向)へ回転駆動すると、シートSを、前記軸受部6より垂下して側板3の外面に沿って延びる開き位置Aから、前記軸受部6より水平外向きに延びる中間水平位置Bと、前記軸受部6より鉛直に起立する中間起立位置Cを経て、前記軸受部6より水平内向きに延びる閉じ位置Dまで強制的に閉成揺動させることができ、また同モータMを他方向(例えば逆転方向)へ回転駆動すると、上記の逆の経路でシートSを強制的に開放揺動させることができる。
而して、シートSは、減速機7を介して電動モータMで開閉駆動されるものであるが、これを特に閉じ位置Dに保持しておけばダンプカーの走行時に荷箱2内の積載土砂等が落下するのを効果的に防止でき、また開き位置Aに保持しておけば、荷箱2内に土砂等を積み込む際にシートSが作業の邪魔になるのを回避できる。
次に図3〜図7を併せて参照して、減速機7の構造を具体的に説明する。減速機7は、金属製のハウジングHと、そのハウジングHに収容された減速機構Rとを備える。そのハウジングHは、一側端及び他側端を一部開放したボックス状のハウジング本体Hmと、そのハウジング本体Hmの両開放端をそれぞれ塞ぐようにしてハウジング本体Hmに着脱可能に締結されるカバーHc,Hc′とで構成されており、ハウジング本体Hmには、電動モータMのモータ本体が着脱可能に結合される。
減速機構Rは、電動モータMの出力軸Mjに連なり一次減速を行うウォームギヤ機構Rwと、そのウォームギヤ機構Rwの出力側(後述するウォームホイールW1)に連なり二次減速を行う複数の平歯車よりなる歯車列Rgとで構成される。その歯車列Rgの出力歯車10と一体的に回転する回転軸11は、ハウジングH外に延出しており、その延出端部がシート枠5の前記基端軸部5aに連動連結される。
ウォームギヤ機構Rwは、水平軸線L1回りに回転可能としてハウジングHに収容支持される第1歯車としてのウォームホイールW1と、そのウォームホイールW1の上方に在って同じく水平軸線L2回りに回転可能としてハウジングHに収容支持される第2歯車としてのウォームW2とから構成される。そのウォームWの、螺旋溝状をなす外周歯部W2gは、ウォームホイールW1の外周歯部W1gに対してそのホイールW1の上部で噛合している。而して、ウォームホイールW1は、これの回転軸線L1が水平に延びる配置であることから、鉛直姿勢で配置される。
またウォームW2の軸方向一端面及び他端面には、その両端面から同軸に延出する軸部W2j,W2j′が一体に形成されており、その両軸部W2j,W2j′は、ハウジング本体Hmの内壁、特に天井壁に一体に垂設されてウォームWの軸方向に間隔をおいて並ぶ第1,第2支持壁部Hb,Hb′に軸受b,b′を介して嵌合、支持される。そして、ウォームW2の一方の軸部W2j′が電動モータMの出力軸Mjに同一軸線上でジョイントJを介して連動連結される。
また第1,第2支持壁部Hb,Hb′の各下端には、後述する掻取面Fkを形成するための第1,第2傾斜リブ13,13′が一体に連設される。そして、これら傾斜リブ13,13′は、下方に向かってウォームホイールWの中心側に傾斜している。
更に減速機7は、それのハウジングH内において、減速機構Rを潤滑するためのグリスgと、ウォームホイールW1の一側面W1sに付着したグリスgをウォームホイールW1の一方向への回転(図示例では正転)に応じてウォームホイールW1の外周歯部W1gに誘導する第1グリス誘導手段Gと、ウォームホイールW1の他側面W1s′に付着したグリスgをウォームホイールW1の他方向への回転(図示例では逆転)に応じてウォームホイールW1の外周歯部W1gに誘導する第2グリス誘導手段G′とを備える。
尚、グリスgは、ハウジングH底部のグリス溜まりTに、ウォームホイールW1の下端よりも高い所定レベルLgまで貯溜されるが、周知のように粘性があって流動性が比較的小さい。このため、ウォームホイールW1の回転初期には貯溜グリスがウォームホイールW1の外周歯部W1に十分に付着しても、その回転が持続すると、貯溜グリスの上面にウォームホイールW1の外周部に対応した轍のような掻取り跡が生じて直ぐには戻らないため、その貯溜グリスによるウォームホイールW1の外周歯部W1gへのグリス補給効果が低下する虞れがある。この観点からも、前記第1,第2グリス誘導手段G,G′を設けてグリス補給を図る技術的意義がある。
第1グリス誘導手段Gは、ウォームホイールW1の一側面W1sに隣接するようハウジングHに設けられて、ウォームホイールW1の前記一方向への回転(即ち正転)に伴い該一側面W1s上のグリスを掻き取って伝い上がらせる掻取面Fkと、その掻取面Fkの上端部に連設される上下方向の奥面Fvと、それら掻取面Fk及び奥面Fvの、ウォームホイールW1とは反対側の側端に連設される横面Fsとを備えている。その横面Fsは、後述するように掻取面Fkによるグリス掻取り作用に伴い掻取面Fk及び奥面Fvを順次伝い上がるグリスがウォームホイールW1側とは反対側に流出するのを阻止するように機能する。
一方、第2グリス誘導手段G′も基本的に第1グリス誘導手段Gと同様の構造であるが、第2グリス誘導手段G′の各構成要素の配置構成は、第1グリス誘導手段Gの各構成要素の配置構成とは平面視で、ウォームホイールWの中心に関して概ね点対称の位置関係にある。
即ち、第2グリス誘導手段G′は、ウォームホイールW1の他側面W1s′に隣接するようハウジングHに設けられて、ウォームホイールW1の前記他方向への回転(即ち逆転)に伴い該他側面W1s′上のグリスを掻き取って伝い上がらせる掻取面Fkと、その掻取面Fkの上端部に連設される上下方向の奥面Fvと、それら掻取面Fk及び奥面Fvの、ウォームホイールW1とは反対側の側端に連設される横面Fsとを備えており、横面Fsの機能は、第1グリス誘導手段Gの横面Fsの機能と同様である。
第1グリス誘導手段Gにおいて、掻取面Fkは、ハウジング本体Hmの内壁、特に第1支持壁部Hb下端より斜め下方に延びる第1傾斜リブ13の上向き傾斜面に形成され、また奥面Fvは、ハウジング本体Hmの内壁、特に第1支持壁部Hbの鉛直の内側面に形成され、また横面Fsは、ハウジング本体Hmの、ウォームホイールWを挟んで一方側の側壁Hmsの内面に形成される。
一方、第2グリス誘導手段G′において、掻取面Fkは、第2支持壁部Hb′下端より斜め下方に延びる第2傾斜リブ13′の上向き傾斜面に形成され、また奥面Fvは、第2支持壁部Hb′の鉛直の内側面に形成され、また横面Fsは、ハウジング本体Hmの、ウォームホイールWを挟んで他方側の側壁Hms′の内面に形成される。
各グリス誘導手段G,G′において、奥面Fvは、掻取面Fkの上端部から上方に延びる第1奥面部Fv1と、その第1奥面部Fv1から少なくともウォームホイールW1の外周歯部W1gの歯幅方向中間部の直上位置まで延びる第2奥面部Fv2とを有する。そして、後述するようにウォームホイールW1の回転時に掻取面Fkで掻取られて第1奥面部Fv1を伝い上がったグリスが第2奥面部Fv2側に伝い流れ、更にその第2奥面部Fv2の下端縁eより、その直下に存するウォームホイールW1の外周歯部W1gの歯幅方向中間部に落下可能となっている。
而して、奥面Fvは、ウォームホイールW1の回転軸線L1と直交する投影面で見て、その回転軸線L1を通る水平線Lhよりも上方に在り、また、その第2奥面部Fv2が、ウォームホイールW1の上側に位置しており且つウォームW2の軸方向でウォームホイールW1の幅内(即ちウォームホイールW1の一端と他端とを通る鉛直線で挟まれた範囲内)に配置される。しかも第2奥面部Fv2は、本実施形態ではウォームホイールW1の外周歯部W1gの歯幅方向中間部のみならず、歯幅方向全部をその歯幅方向に横切るように歯幅方向に長く延びている。
また第2奥面部Fv2には、ウォームW2の軸部W2j,W2j′がそれぞれ貫通しており、その貫通部を囲繞するよう第2奥面部Fv2に形成される円形凹所16には、ウォームW2の対応する軸部W2j,W2j′を回転自在に支持させる軸受b,b′がそれぞれ嵌装される。
各グリス誘導手段G,G′において、掻取面Fkは、ウォームホイールW1の回転軸線L1と直交する投影面で見て、該回転軸線L1を通る水平線Lhよりも上方の交差部XでウォームホイールW1の外周歯部W1gと交差する上向きの非鉛直面であり、且つその交差部Xを通るウォームホイールW1の外周円の接線Ltに対して、その掻取面Fkの、前記交差部Xより径方向外方側部分Fkoが内方側部分FkiよりもウォームホイールW1の回転方向前側(例えばウォームホイールW1の正転時には図6で左側、また逆転時には図6で右側)となるように、該掻取面Fkが傾斜している。
また、この掻取面Fkは、ウォームW2の回転軸線L2と直交する投影面で見て、その回転軸線L2を含む鉛直面の一方側であってウォームW2の外周歯部W2gが上から下へ回転する側(例えばウォームホイールW1の正転時には図5で左側、また逆転時には図5で右側)に配置されると共に、ウォームホイールW1の回転軸線L1と直交する投影面で見て、ウォームホイールW1の外周歯部W1gがウォームW2との噛合部Iにおいて回転移動する方向で、該噛合部Iよりも前方側(例えばウォームホイールW1の正転時には図3で左側、また逆転時には図3で右側)に配置される。
次に本実施形態の作用を説明する。電動モータMの出力軸Mjに連なる減速機構Rは、そのモータ出力を減速してシート枠5に伝達してシートSを開閉駆動するものであるが、その減速に際しては、先ずウォームギヤ機構Rwで一次減速を行い、更にそのウォームギヤ機構Rwの出力側、即ちウォームホイールWに連なる歯車列Rgで二次減速を行うものである。
而して、電動モータMを正転作動させると、これに連動して一次減速を行うウォームギヤ機構RwにおけるウォームW2及びウォームホイールW1も正転状態(図6,7で白抜き矢印参照)となる。この場合に、ウォームホイールW1の外周歯部W1gにはハウジングH底部のグリス溜まりTのグリスgが付着し、更にその付着グリスの一部が、ウォームホイールW1とウォームW2との噛合に伴いウォームW2の外周歯部W2にも付着する。そして、そのウォームW2の外周歯部W2に付着したグリスは、これがウォームW2と共に一周回転してウォームホイールW1とウォームW2との噛合部Iに戻ってきたときに、噛合部Iの狭小な歯面間隙には進入しにくいことから、噛合部IによりウォームホイールW1の一側面W1s(即ちウォームW2の外周歯部W2gが噛合部Iに向かって上から下へ回転する側の側面)に押し出されてしまう。
このようにウォームホイールW1とウォームW2との噛合により、ウォームW2の外周歯部W2に付着したグリスは、図6矢印a1に示すようにウォームホイールW1の前記一側面W1sに押し出され易いことから、そのままでは、ウォームホイールW1とウォームW2との噛合部Iを潤滑すべきグリスが早期に不足してしまう虞れがある。
しかしながら本実施形態の減速機構Rでは、前記噛合によりウォームホイールW1の一側面W1s側に押し出されて該側面W1sに付着し同ホイールW1と共に回転しようとするグリスに対して、該側面W1sに対し内側縁が近接した掻取面Fkが、掻取り作用を継続的に発揮する。これにより、次々に掻取られて掻取面Fk上に溜まるグリスが、新たに掻取られたグリスにより下から押し上げられて掻取面Fk上を伝い上がっていき(図6矢印a2参照)、そこから更に奥面Fvの第1奥面部Fv1を同様に伝い上がっていく。
かくして、掻取面Fkで掻取られたグリスが、掻取面Fk及び奥面Fvの第1奥面部Fv1を順次伝い上がることとなるが、その際にグリスは、横面FsでウォームホイールW1側への流れを抑制され且つ重力の作用で上方への流れを抑制されることで、図6矢印a3に示すように第2奥面部Fv2側に徐々に向きを変えて(即ちウォームホイールW1側に横向きに)伝い流れるようになる。このとき、奥面Fvにおいて、特に掻取面FkのウォームホイールW1側の端部上方よりもウォームホイールW1側(第2奥面部Fv2)にグリスが流れると、その下方には掻取面Fkが存在しないため、第2奥面部Fv2に達したグリスは、掻取グリスによる押し上げ作用は受けなくなることから、重力の作用で第2奥面部Fv2を斜め下方に伝い下るようになる。この場合、その第2奥面部Fv2を伝い下るグリスの一部は、更に第2奥面部Fv2の円形凹所16に進入して軸受b,b′を潤滑した後、更に下側の第2奥面部Fv2を伝い下る。このようにして、第2奥面部Fv2を伝い下ったグリスは、図6矢印a4に示すように、遂には第2奥面部Fv2の下端縁eよりウォームホイールW1の外周歯部W1gの歯幅方向中間部に落下する。
従って、前記噛合によりウォームホイールW1の一側面W1s側に押し出されたグリスを、ウォームホイールW1の外周歯部W1gの歯幅方向中間部に効率よく誘導補給できるから、前記した従来装置のようにウォームホイールW1の外周歯部W1gの歯幅方向外端(歯面端)近傍にグリスが偏って補給されるのを効果的に回避可能となって、その補給グリスを前記噛合部Iに対する潤滑に広範囲に亘り有効活用可能となる。この場合、特に掻取面Fkは、ウォームW2の回転軸線L2と直交する投影面で見て、その回転軸線L2を含む鉛直面Lvの一方側であってウォームW2の外周歯部W2gが上から下へ回転する側(即ち噛合部Iからグリスがより多く押し出されて付着する側)の側面W1sに隣接配置されるため、グリスをより効果的に掻取ることができて、その掻取グリスをホイール外周歯部W1gの歯幅方向中間部に対してより効率よく誘導補給可能となる。
しかも、この掻取面Fkは、ウォームホイールW1の回転軸線L1と直交する投影面で見て、同ホイールW1の外周歯部W1gがウォームW2との噛合部Iにおいて回転移動する方向で、該噛合部Iよりも前方側(例えばウォームホイールW1の正転時には図3で左側)に配置される。そのため、電動モータMの逆転に伴いウォームW2、従ってウォームホイールW1を逆転させた場合には、その逆転直後において、奥面Fvの第2奥面部Fv2下端からの落下グリスをウォームホイールW1のウォームW2との噛合部Iに迅速に戻すことができ、その噛合部Iを逆転当初より効果的に潤滑可能となる。
更に本実施形態では、ウォームW2の軸方向一端面より同軸に一体に延出する軸部W2jが、前記奥面Fv特に第2奥面部Fv2を回転自在に貫通しているので、その第2奥面部Fv2を伝い下ってきた(本実施形態では更に第2奥面部Fv2の円形凹所16に入り込んできた)グリスがウォームW2の軸部W2jの外周面に接触すると、その軸部W2jに引擦られて軸部W2jと連れ回ろうとするグリスが、ウォームW2の回転軸線L2を含む鉛直面Lvに向かう側(即ちホイール外周歯部W1gの歯幅方向中間部に向かう側)に効果的に誘導され、その外周歯部W1gの歯幅方向中間部に対しより効率よく誘導補給可能となる。
ところで前記掻取面Fkは、ウォームホイールW1の回転軸線L1と直交する投影面で見て、該回転軸線L1を通る水平線Lhよりも上方の交差部XでウォームホイールW1の外周歯部W1gと交差する上向きの非鉛直面とされるが、この条件に加えて、ウォームホイールW1の回転に伴い掻取面Fk上にグリスを載せて確実に伝い上がらせるための追加条件として、本実施形態では、前記交差部Xを通るウォームホイールW1の外周接線Ltに対して、その掻取面Fkの、交差部Xより径方向外方側部分Fkoが内方側部分FkiよりもウォームホイールW1の回転方向前側となるように、掻取面Fkを傾斜(図6,図9を参照)させている。そして、このような掻取面Fkの設定条件によれば、掻取面FkがウォームホイールW1の回転に伴い掻取ったグリスを、途中で落下させたり停滞させたりすることなく掻取面Fk及び奥面Fvの第1奥面部Fv1に順次スムーズに且つ確実に伝い上らせることが可能となる。
尚、本実施形態では、図9にも簡略的に示すように前記交差部Xを、ウォームW2の軸線L2に沿う方向で、前記噛合部IよりもウォームホイールW1の回転方向前側(即ちウォームホイールW1の正転時には図3,6,9で左側)に位置させたものを示したが、その交差部Xを、その反対側、即ちウォームW2の軸線L2に沿う方向で、前記噛合部IよりもウォームホイールW1の回転方向後側(即ちウォームホイールW1の正転時には図3,6,図9で右側)に位置させた上で、前記設定条件と同様の条件で設定するようにしてもよく、その設定例を、図9において簡略的に示す。
この場合、交差部Xが前記水平線Lhに比較的近い低位置に在って、上向き傾斜面である掻取面Fkが特にウォームホイールW1の回転方向前方側を向いてしまう配置(即ち交差部Xを通る鉛直線に対する傾斜方向が、本実施形態の設定例とは逆方向、即ち図9で右上がり傾斜となる配置)の場合には、その掻取面Fkが仮に短くて前記水平線Lhの上側にしか存在しなければ、その掻取面FkでウォームホイールW1の一側面W1s外周部のグリスを掻取ることが実質的に困難となる。そこで、そのような配置の場合には、図9に例示したように、掻取面Fkの下端を前記水平線Lhよりも下方に十分長く(即ちウォームホイールW1の一側面W1s下半部の外周部近くまで)延長させる。そのような延長部Fkiaの特設によれば、下方に十分長い掻取面Fkで、前記実施形態の掻取面Fkと同様に、ウォームホイールW1の一側面W1s外周部のグリスを掻取り且つその掻取面Fk上端に連なる奥面Fvまでスムーズに伝い上らせることが可能となる。
次に図10及び図11を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。
前記第1実施形態では、グリス誘導手段G,G′が、ウォームホイールW1の一側面W1sに隣接配置されてウォームホイールW1の回転に伴い該一側面W1s上のグリスを掻き取って伝い上がらせる掻取面Fkと、その掻取面Fkの上端部に連設される上下方向の奥面Fvとに加えて、それら掻取面Fk及び奥面Fvの、ウォームホイールW1とは反対側の外側端に連設されて掻取面Fk及び奥面Fvを順次伝い上がるグリスがウォームホイールW1側とは反対側に流出するのを阻止する横面Fsを備えており、且つ第1,第2奥面Fv1,Fv2が何れも、ウォームW2の回転軸線L2と直交する略鉛直面であるものを例示した。これに対し、第2実施形態のグリス誘導手段G,G′では、掻取面Fk及び奥面Fvの外側端をハウジング本体Hmの両側壁Hms,Hms′内面より離間させていて、その両側壁Hms,Hms′内面を横面Fsとしては機能させていない(即ち横面Fsを有していない)が、奥面Fvのうち特に第1奥面部Fv1が、ウォームW2の回転軸線L2と直交する鉛直面に対し、掻取面Fk及び第1奥面部Fv1を順次伝い上がるグリスを第2奥面部Fv2側に誘導し得る方向に傾斜している。即ち、その第1奥面部Fv1は、前記鉛直面に対し平面視(図10(A)及び図11(A)を参照)で見て、ウォームW2の回転軸線L2に沿う方向でウォームW2の外周歯部W2gから離れる方向に向かって該回転軸線L2に近づく側に傾斜した傾斜面に形成される。
この第2実施形態のグリス誘導手段G,G′では、横面Fsを有しないために、掻取面Fkのグリス掻取作用により掻取面Fk及び第1奥面部Fv1を順次伝い上がるグリスが、ウォームホイールW1側とは反対側に流出するのを確実には阻止できず、そのグリスの一部は、掻取面Fk及び奥面Fvの外側端より落下してしまう可能性はあるが、そのグリスの大部分は、上記の如く傾斜した第1奥面部Fv1の誘導案内作用により第2奥面部Fv2側に向きを変えながら誘導可能である。従って、前記第1実施形態のグリス誘導手段G,G′と基本的には略同様の作用効果を達成することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はそれら実施形態に限定されることなく、本発明の範囲内で種々の実施形態が可能である。
例えば、前記実施形態では、ダンプカーにおけるシートSの開閉駆動に用いられる減速機7に適用したものを示したが、本発明の減速機は、実施形態の用途に限定されず、種々の用途に利用可能である。例えば、ダンプカー以外の種々の作業車両に搭載される減速機にも実施可能であり、また車両以外の設置場所や種々の機械装置に設置される減速機としても実施可能である。
また前記実施形態では、第1,第2グリス誘導手段G,G′における掻取面Fkを、ウォームホイールW1の回転軸線L1と直交する投影面で見て、同ホイールW1の外周歯部W1gがウォームW2との噛合部Iにおいて回転移動する方向で、該噛合部Iよりも前方側(例えばウォームホイールW1の正転時には図3で左側、また逆転時には図3で右側)にのみ配置したものを例示したが、本発明では、この配置に加えて、又は代えて、図9の他の設定例にも例示した如く噛合部Iよりも後方側(例えばウォームホイールW1の正転時には図3で右側、また逆転時には図3で左側)に掻取面Fkを配置してもよい。
また前記実施形態では、第1歯車としてウォームホイールW1を、第2歯車としてウォームW2を例示したが、本発明の第1,第2歯車は、前記実施形態に限定されず、例えば第1,第2歯車を何れも平歯車で構成してもよい。
また前記実施形態では、ウォームホイールW1の一側面W1sに付着したグリスをウォームホイールW1の一方向への回転(例えば正転)に応じてウォームホイールW1の外周歯部W1gに誘導する第1グリス誘導手段Gと、ウォームホイールW1の他側面W1s′に付着したグリスをウォームホイールW1の他方向への回転(例えば逆転)に応じてウォームホイールW1の外周歯部W1gに誘導する第2グリス誘導手段G′とを両方備えたものを示したが、本発明では、その一方のグリス誘導手段を省略してもよい。
また前記実施形態では、ウォームホイールW1の正転方向を、ウォームホイールW1の回転軸線L1と直交する投影面(図3)で見て反時計方向に設定したが、本発明ではその反対方向(即ち前記投影面でみて時計方向)を正転方向としてもよい。この場合、第1,第2グリス誘導手段G,G′の配置は、前記投影面(図3)で見て左右逆となる。
また前記実施形態では、各グリス誘導手段G,G′の奥面Fv及び横面Fsを鉛直面としたものを例示したが、それら奥面Fv及び横面Fsは、必ずしも鉛直面とする必要はなく、例えば鉛直に近い急峻な斜面であってもよい。
また前記実施形態では、掻取面Fk、奥面Fv及び横面Fsの相互間がアール面で滑らかに接続されるものを示したが、本発明では、その各面間を相互に屈曲させるように交差させてもよい。
また前記第1,第2実施形態では、第1歯車としてのウォームホイールW1の回転軸線L1を水平としてウォームホイールW1を鉛直姿勢に配置したものを例示したが、本発明では、例えば図12の第3実施形態に示すように、ウォームホイールW1の回転軸線L1を水平面に対し多少傾斜させるようにしてウォームホイールW1を前記鉛直姿勢より傾かせる配置としてもよい。この場合、ウォームホイールW1の外周歯部W1の「歯幅方向中間部の直上位置」とは、ウォームW2の回転軸線L2と直交する投影面(図12)で見て、ウォームホイールW1の外周歯部W1の歯幅方向両側端からそれぞれ鉛直上向きに延ばした2本の仮想線Le,Le′で挟まれた範囲内で且つその仮想線Le,Le′よりも歯幅方向内側の領域(即ち前記範囲の端よりも内方側であって、端を含まない領域)を意味するものである。
X・・・・交差部
Fk・・・掻取面
Fki・・掻取面の、前記交差部Xより径方向内方側部分
Fko・・掻取面の、前記交差部Xより径方向外方側部分
Fs・・・横面
Fv・・・奥面
Fv1・・第1奥面部
Fv2・・第2奥面部
e・・・・第2奥面部の下端縁
G,G′・・・・グリス誘導手段としての第1,第2グリス誘導手段
g・・・・グリス
H・・・・ハウジング
I・・・・噛合部
W2j・・軸部
L1・・・第1歯車の回転軸線としてのウォームホイールの回転軸線(水平軸線)
L2・・・第2歯車の回転軸線としてのウォームの回転軸線
Lh・・・水平線
Lt・・・接線
R・・・・減速機構
W1・・・第1歯車としてのウォームホイール
W1g・・第1歯車の外周歯部としてのウォームホイールの外周歯部
W1s・・第1歯車の一側面としてのウォームホイールの一側面
W2・・・第2歯車としてのウォーム
W2g・・第2歯車の外周歯部としてのウォームの外周歯部

Claims (5)

  1. ハウジング(H)と、そのハウジング(H)に回転自在に収容、支持されて互いに噛合する第1,第2歯車(W1,W2)を少なくとも含む減速機構(R)と、その減速機構(R)を潤滑するためのグリス(g)と、第1歯車(W1)の側面に付着したグリス(g)を第1歯車(W1)の一方向への回転に応じて第1歯車(W1)の外周歯部(W1g)に誘導するグリス誘導手段(G,G′)とを備えた減速機において、
    前記グリス誘導手段(G,G′)は、第1歯車(W1)の一側面(W1s,W1s′)に隣接するよう前記ハウジング(H)に設けられて、第1歯車(W1)の前記一方向への回転に伴い該一側面(W1s,W1s′)上のグリス(g)を掻き取って伝い上がらせる掻取面(Fk)と、その掻取面(Fk)の上端部に連設される上下方向の奥面(Fv)とを備えており、
    前記奥面(Fv)は、前記掻取面(Fk)の上端部から上方に延びる第1奥面部(Fv1)と、その第1奥面部(Fv1)から少なくとも第1歯車(W1)の外周歯部(W1g)の歯幅方向中間部の直上位置まで延びる第2奥面部(Fv2)とを有していて、前記掻取面(Fk)によるグリス掻取り作用に伴い第1奥面部(Fv1)を伝い上がったグリス(g)の少なくとも一部が、第2奥面部(Fv2)側に伝い流れ更にその第2奥面部(Fv2)の下端縁(e)より第1歯車(W1)の外周歯部(W1g)の歯幅方向中間部に落下可能であることを特徴とする減速機。
  2. 前記掻取面(Fk)及び前記第1奥面部(Fv1)の、前記第1歯車(W1)とは反対側の側端に連設されて、掻取面(Fk)によるグリス掻取り作用に伴い掻取面(Fk)及び第1奥面部(Fv1)を順次伝い上がるグリス(g)が第1歯車(W1)側とは反対側に流出するのを阻止する横面(Fs)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の減速機。
  3. 第1歯車(W1)が、水平軸線(L1)回りに回転するウォームホイールであると共に、第2歯車(W2)が、前記ウォームホイールの外周歯部(W1g)にそのホイール(W1)上部で噛合するウォームであり、前記掻取面(Fk)は、第2歯車(W2)の回転軸線(L2)と直交する投影面で見て、その回転軸線(L2)を含む鉛直面の一方側であって第2歯車(W2)の外周歯部(W2g)が上から下へ回転する側に配置されると共に、第1歯車(W1)の回転軸線(L1)と直交する投影面で見て、第1歯車(W1)の外周歯部(W1g)が第2歯車(W2)との噛合部(I)において回転移動する方向で、該噛合部(I)よりも前方側に配置されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の減速機。
  4. 第2歯車(W2)の軸方向一端面より同軸に一体に延出する軸部(W2j)が、前記奥面(Fv)を回転自在に貫通していることを特徴とする、請求項3に記載の減速機。
  5. 前記掻取面(Fk)は、第1歯車(W1)の回転軸線(L1)と直交する投影面で見て、該回転軸線(L1)を通る水平線(Lh)よりも上方の交差部(X)で第1歯車(W1)の外周歯部(W1g)と交差する上向きの非鉛直面であり、且つその交差部(X)を通る第1歯車(W1)の接線(Lt)に対して、その掻取面(Fk)の、前記交差部(X)より径方向外方側部分(Fko)が内方側部分(Fki)よりも第1歯車(W1)の回転方向前側となるように該掻取面(Fk)が傾斜していることを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載の減速機。
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