JP2016217373A - 車両用動力伝達装置 - Google Patents

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【課題】組付け性を低下させることなく、遊星歯車機構内の歯打ち音の発生を抑制する。
【解決手段】リングギヤプレート24の嵌合孔24bと嵌合孔24bに嵌合される固定ピン38との間に設けられたOリング40は、リングギヤ22rが回転方向の力を受けることに伴ってリングギヤプレート24にも回転方向の力が作用すると、嵌合孔24bと固定ピン38との間で圧縮力を受ける。従って、Oリング40が圧縮変形することによりエンジン14の回転変動エネルギーの吸収が可能となる。Oリング40の圧縮変形によるエネルギー吸収では、極論すれば摺動抵抗が必要ない為、摺動抵抗によるエネルギー吸収とは異なり、吸収するエネルギー量を増やす為に緊迫力を上げる必要がない(すなわち組付けの際に大きな圧入荷重が必要ない)。よって、組付け性を低下させることなく、遊星歯車機構22内の歯打ち音の発生を抑制することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、エンジンからの動力が伝達される回転軸と、複数の固定ピンを介してケースに固定されたリングギヤプレートと、リングギヤプレートに連結されたリングギヤを有する遊星歯車機構とを備えた車両用動力伝達装置に関するものである。
共通の軸心回りに、エンジンからの動力が伝達される回転軸と、周方向に沿って形成された複数の嵌合孔に各々嵌合される複数の固定ピンを介して回転不能のケースに固定されたリングギヤプレートと、電動機のロータ軸に連結されたサンギヤと前記回転軸に連結されたキャリヤと前記リングギヤプレートに連結されたリングギヤとを有する遊星歯車機構とを備えた車両用動力伝達装置が良く知られている。例えば、特許文献1に記載された車両用駆動装置がそれである。上述したような車両用動力伝達装置では、電動機が遊転していると(例えば電動機トルクが値零[Nm]を含む略零付近となって電動機がフローティング状態であると)、遊星歯車機構内のギヤ歯やスプライン歯等の噛み合わせ部分において相互に押し付け合う力が比較的弱い状態となる場合がある。このような場合に、エンジンの回転変動による振動が回転軸を介して遊星歯車機構内のバックラッシ(例えば噛み合わせ部分に設けた隙間)に伝達されると、その噛み合わせ部分では歯面同士が相互に衝突と離間を繰り返して互いに打ち合い、遊星歯車機構においてバックラッシのガタ打ち音(歯打ち音)が発生することがある。このような歯打ち音の対策として、隙間(ガタ)がある部材間において相対する各部材と各々接するように各部材の相対面(例えば相対する外周面と内周面)回りに弾性部材(例えばOリング)を配置し、ガタ分動くことに伴う摺動抵抗によりエンジンの回転変動エネルギーを吸収することが考えられる。
国際公開第2011/122385号
ところで、弾性部材の緊迫力による摺動抵抗をエンジンの回転変動エネルギーの吸収に活用する場合、その吸収するエネルギーを所望の量とするには、緊迫力を上げる必要がある。そうすると、弾性部材を潰しながら各部材を組み付ける際に大きな力(例えば圧入荷重)が必要となり、組付け性が低下するおそれがある。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、組付け性を低下させることなく、遊星歯車機構内の歯打ち音の発生を抑制することができる車両用動力伝達装置を提供することにある。
第1の発明の要旨とするところは、(a) 共通の軸心回りに、エンジンからの動力が伝達される回転軸と、周方向に沿って形成された複数の嵌合孔に各々嵌合される複数の固定ピンを介して回転不能のケースに固定されたリングギヤプレートと、電動機のロータ軸に連結されたサンギヤと前記回転軸に連結されたキャリヤと前記リングギヤプレートに連結されたリングギヤとを有する遊星歯車機構とを備えた車両用動力伝達装置であって、(b) 前記嵌合孔と前記固定ピンとの間に設けられた弾性部材を備えていることにある。
このようにすれば、リングギヤプレートの嵌合孔とその嵌合孔に嵌合される固定ピンとの間に設けられた弾性部材は、リングギヤが回転方向の力を受けることに伴ってリングギヤに連結されたリングギヤプレートにも回転方向の力が作用すると、嵌合孔と固定ピンとの間で圧縮力を受ける。従って、弾性部材が圧縮されて弾性変形(圧縮変形)することによりエンジンの回転変動エネルギーの吸収が可能となる。弾性部材の圧縮変形によるエネルギーの吸収では、極論すれば摺動抵抗が必要ない為、摺動抵抗によるエネルギーの吸収とは異なり、吸収するエネルギー量を増やす為に緊迫力を上げる必要がない(すなわち組付けの際に大きな圧入荷重が必要ない)。よって、組付け性を低下させることなく、遊星歯車機構内の歯打ち音の発生を抑制することができる。
ここで、好適には、前記第1の発明に記載の車両用動力伝達装置において、前記弾性部材は、各々の固定ピンでは前記回転軸の軸心方向における位置が所定距離隔てられた二つの位置に設けられていることにある。このようにすれば、遊星歯車機構のピニオンギヤとリングギヤとの噛み合いによりリングギヤに発生したモーメントによってガタ打ち音(例えばリングギヤプレートと固定ピンとの間でガタ打ち音)が発生する可能性があることに対して、各々の固定ピンでは回転軸の軸心方向における位置が所定距離隔てられた二つの位置に弾性部材が設けられることで、固定ピンに対するリングギヤプレートの傾き(つまり上記モーメントによるリングギヤの傾き)を抑制することができるので、上記ガタ打ち音の発生を抑制することができる。
また、好適には、前記第1の発明に記載の車両用動力伝達装置において、前記弾性部材は、周方向において隣接する固定ピン同士では前記回転軸の軸心方向における位置が相互に所定距離ずれた位置に設けられていることにある。このようにすれば、遊星歯車機構のピニオンギヤとリングギヤとの噛み合いによりリングギヤに発生したモーメントによってガタ打ち音(例えばリングギヤプレートと固定ピンとの間でガタ打ち音)が発生する可能性があることに対して、周方向において隣接する固定ピン同士では回転軸の軸心方向における位置が相互に所定距離ずれた位置に弾性部材が設けられることで、固定ピンに対するリングギヤプレートの傾き(つまり上記モーメントによるリングギヤの傾き)を抑制することができるので、上記ガタ打ち音の発生を抑制することができる。
本発明が適用される車両用動力伝達装置の概略構成を説明する断面図である。 固定ピンが嵌合された状態でのリングギヤプレートを軸心方向においてOリングが設けられた位置で視た断面図である。 Oリングが設けられた状態での固定ピンを軸心と直交する方向から視た外観図であって、リングギヤプレートに嵌合される部分の一部を断面図で表した図である。 Oリングが設けられた状態での固定ピンを軸心と直交する方向から視た外観図であって、図3とは別の実施例である。 固定ピンが嵌合された状態でのリングギヤプレートを軸心方向においてOリングが設けられた位置で視た断面図であって、図2とは別の実施例である。 Oリングが設けられた状態での固定ピンを軸心と直交する方向から視た外観図であって、図4とは別の実施例である。 歯打ち音の対策として例示した本実施例に対する比較例である。
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される、車両10に備えられた車両用動力伝達装置12(以下、動力伝達装置12という)の概略構成を説明する断面図である。図1において、車両10は、動力伝達装置12と、主駆動力源としてのエンジン14と、駆動輪16と、副駆動力源としての電動機MGとを備えている。動力伝達装置12は、エンジン14と駆動輪16との間の動力伝達経路に設けられており、車体に取り付けられる非回転部材である回転不能のケース18内に収容されている。
動力伝達装置12は、共通の軸心C回りに、エンジン14からの動力が伝達される回転軸としての中間軸20と、電動機MGに連結された遊星歯車機構22と、ケース18に固定されたリングギヤプレート24と、中間軸20及び遊星歯車機構22に連結された、駆動輪16側へ動力を伝達する出力軸26とを備えている。このように構成された動力伝達装置12では、エンジン14の動力や電動機MGの動力が出力軸28へ伝達され、その出力軸28から、プロペラシャフト、ディファレンシャルギヤ、車軸等を順次介して駆動輪16へ伝達される。又、動力伝達装置12は、FR(フロントエンジン・リヤドライブ)型車両に好適に用いられる。
動力伝達装置12は、更に、エンジン14に直接に或いは不図示のダンパーなどを介して間接に連結された不図示の入力軸、及びその入力軸に連結された不図示の変速部を備えている。この変速部は、エンジン14から入力軸を介して伝達された動力を差動用電動機及び変速部出力部材へ分配する動力分配機構としての差動機構(例えば遊星歯車機構)を有して、差動用電動機の運転状態が制御されることにより変速比を制御する、公知の電気式差動部(電気式無段変速機)である。この動力伝達装置12においては、エンジン14と上記変速部とは直結され、又、上記変速部出力部材と中間軸20とは直結されている。この直結はトルクコンバータやフルードカップリング等の流体式伝動装置を介することなく連結されているということであり、例えば上記ダンパーなどを介する連結はこの直結に含まれる。
ケース18は、遊星歯車機構22等を収容するギヤ室28と、電動機MGを収容するモータ室30とを形成している。ケース18は、主にギヤ室28を形成する筒状の第1ケース18a、ギヤ室28とモータ室30とを仕切る隔壁18b1を含んで構成される筒状の第2ケース18b等を備え、第1ケース18aと第2ケース18bとが互いに接続されている。
第1ケース18aは、ギヤ室28内にて、第1ベアリング32を介して出力軸26を相対回転可能に支持する。第2ケース18bは、第2ベアリング34を介して電動機MGのロータ軸36を相対回転可能に隔壁18b1で支持する。尚、電動機MGのロータ軸36は、電動機MGに対して第2ベアリング34とは反対側に配設された不図示のベアリングに回転可能に支持されていると共に、不図示の針状ころ軸受けを介して相対回転可能に中間軸20に支持されている。
遊星歯車機構22は、サンギヤ22s、ピニオンギヤ22p、そのピニオンギヤ22pを自転及び公転可能に支持するキャリヤ22ca、ピニオンギヤ22pを介してサンギヤ22sと噛み合うリングギヤ22rを有する公知のシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。サンギヤ22sは、スプライン嵌合により電動機MGのロータ軸36と連結されている。キャリヤ22caは、出力軸26と一体的に形成されており、出力軸26と連結されている。リングギヤ22rは、内周面に形成されたスプライン歯22r1によりピニオンギヤ22pと噛み合うと共に、リングギヤプレート24の外周面に形成されたスプライン歯24aとスプライン歯22r1とが嵌合されることでリングギヤプレート24と連結されている。従って、リングギヤ22rは、リングギヤプレート24を介してケース18(特には第2ケース18bの隔壁18b1)に固定されている。このように構成された遊星歯車機構22は、電動機MGの回転を減速して出力軸26へ伝達する減速機構(すなわちリダクションギヤ)として機能する。尚、出力軸26はスプライン嵌合により中間軸20と連結されているので、キャリヤ22caは中間軸20と連結されている。
動力伝達装置12は、更に、ケース18(特には第2ケース18bの隔壁18b1)に形成された固定孔18b2に圧入された複数の固定ピン38を備えている。リングギヤプレート24に形成された複数の嵌合孔24bに固定ピン38が各々嵌め入れられることで、リングギヤプレート24は固定ピン38を介してケース18(特には隔壁18b1)に固定される。隔壁18b1に圧入された固定ピン38にリングギヤプレート24を組み付ける為には、固定ピン38と嵌合孔24bとの間には相応のガタが必要であり、固定ピン38はリングギヤプレート24に対して遊び嵌合(ルーズ嵌合)される。
ここで、動力伝達装置12において、電動機MGが遊転していると、電動機MGが連結される遊星歯車機構22における相互に噛み合う各ギヤ同士の押し付け合う力が弱い為、直結されたエンジン14の回転変動(トルク変動)による振動が遊星歯車機構22内のバックラッシに伝達されることで歯打ち音が発生するおそれがある。このような歯打ち音の対策として、図7に示すように、スプライン嵌合されたリングギヤ22rとリングギヤプレート24との間において、リングギヤ22rのスプライン歯22r1とリングギヤプレート24のスプライン歯24aとの相対する一部分を各々全周に亘って欠損させ、その欠損させた部分にリングギヤ22rとリングギヤプレート24とに各々接するようにそれらの相対面回りに弾性部材としてのOリング100を配置する。リングギヤ22rとリングギヤプレート24との間ではOリング100の緊迫力で繋がっており、スプライン嵌合におけるガタ分動くことに伴う摺動抵抗によりエンジン14の回転変動エネルギーを吸収することができる。これにより歯打ち音の発生を抑制することができる。しかしながら、摺動抵抗による回転変動エネルギーの吸収は得られ難い為、所望の効果を得るには緊迫力を上げる必要がある。そうすると、Oリング100を潰しながらリングギヤ22rとリングギヤプレート24とを組み付ける際に非常に大きな圧入荷重が必要となり、組付け性が低下するおそれがある。
そこで、本実施例の動力伝達装置12では、図1に示すように、リングギヤプレート24の嵌合孔24bと嵌合孔24bに相対する固定ピン38との間において固定ピン38の外周面38a回りに環状に設けられた弾性部材としてのOリング40を備えている。
図2は、固定ピン38が嵌合された状態でのリングギヤプレート24を軸心C方向においてOリング40が設けられた位置で視た断面図である。図3は、Oリング40が設けられた状態での固定ピン38を軸心Cと直交する方向から視た外観図であって、リングギヤプレート24に嵌合される部分の一部を断面図で表した図である。図2,図3において、リングギヤプレート24の複数の嵌合孔24bは、リングギヤプレート24の円周方向に沿って略等間隔で、且つ軸心Cから径方向に略等距離で形成されている。本実施例では、嵌合孔24bは六個形成されている。固定ピン38は、嵌合孔24bと嵌合する部分の外周面38aにおいて全周に亘って形成されたOリング溝38bを有している。Oリング溝38bは、外周面38aにおいて軸心C方向における位置が略中央付近の位置に(換言すればリングギヤプレート24の軸心C方向における中心付近の位置に)形成されている。Oリング溝38bには、環状のOリング40が取り付けられる。Oリング溝38bに取り付けられた状態のOリング40では、外周部分がOリング溝38bから突出している。このOリング溝38bからの突出に関係する、Oリング40の径(内径、外径)やOリング溝38bの深さは、後述するOリング40の圧縮変形を考慮して予め実験的に或いは設計的に求められている。
このように構成された組付け後の、リングギヤプレート24、固定ピン38、及びOリング40では、リングギヤ22rが軸心C回りの回転方向の力(トルクも同意)を受けることに伴ってリングギヤプレート24が軸心C回りの回転方向のトルクを受けたときにOリング40が嵌合孔24bと固定ピン38との間で圧縮されることで、そのOリング40の弾性変形(圧縮変形)によりエンジン14のトルク変動エネルギーの吸収が可能となる。圧縮変形によるエネルギー吸収では摺動抵抗を得る必要がないので、固定ピン38にリングギヤプレート24を組み付ける際の圧入荷重を大きくする必要はない。極論すれば、Oリング40を潰しながら固定ピン38と嵌合孔24bとを嵌合する必要はなく、Oリング40と嵌合孔24bとが接触しているか接触していないかの極限(ぎりぎり)の状態であっても良い。従って、組付け性を損なうことなく、遊星歯車機構22内の歯打ち音の発生を抑制することができる。又、Oリング40の数や径により、組付け性を損なうことなく、吸収エネルギー量を任意に設定できる。できるだけ吸収エネルギー量を大きくしたいので、固定ピン38(本実施例では六個の固定ピン38)の何れにもOリング40を取り付けることが好ましい。
上述のように、本実施例によれば、リングギヤプレート24の嵌合孔24bと嵌合孔24bに嵌合される固定ピン38との間に設けられたOリング40は、リングギヤ22rが回転方向の力を受けることに伴ってリングギヤ22rに連結されたリングギヤプレート24にも回転方向の力が作用すると、嵌合孔24bと固定ピン38との間で圧縮力を受ける。従って、Oリング40が圧縮変形することによりエンジン14の回転変動エネルギーの吸収が可能となる。Oリング40の圧縮変形によるエネルギー吸収では、極論すれば摺動抵抗が必要ない為、摺動抵抗によるエネルギー吸収とは異なり、吸収するエネルギー量を増やす為に緊迫力を上げる必要がない(すなわち組付けの際に大きな圧入荷重が必要ない)。よって、組付け性を低下させることなく、遊星歯車機構22内の歯打ち音の発生を抑制することができる。
次に、本発明の他の実施例を説明する。尚、以下の説明において実施例相互に共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
ピニオンギヤ22pとリングギヤ22rとの噛み合いによりリングギヤ22rに発生したモーメントによってガタ打ち音(例えばリングギヤプレート24と固定ピン38との間でガタ打ち音)が発生する可能性がある。前述した実施例1のようにOリング40がリングギヤプレート24の軸心C方向における中心位置付近に取り付けられていると、上記モーメントによるリングギヤ22rの傾きを抑制し難く、上記ガタ打ち音が発生し易くなってしまう。そこで、本実施例では、Oリング40は、リングギヤプレート24の円周方向において隣接する固定ピン50,52同士では軸心C方向における位置が相互に所定距離ずれた位置に設けられている。
図4は、Oリング40が設けられた状態での固定ピン50,52を軸心Cと直交する方向から視た外観図であって、図3とは別の実施例である。図5は、固定ピン50,52が嵌合された状態でのリングギヤプレート24を軸心C方向においてOリング40が設けられた位置で視た断面図であって、図2とは別の実施例である。図4において、(a)は固定ピン50の外観図を示しており、又、(b)は固定ピン52の外観図を示している。図4(a)において、固定ピン50は、嵌合孔24bと嵌合する部分の外周面50aにおいて全周に亘って形成された、Oリング40が取り付けられるOリング溝50bを有している。Oリング溝50bは、外周面50aにおいて軸心C方向における位置が略中央付近に対して一方の端側の位置に(すなわち中央位置から図面に向かって右側にずれた位置に)形成されている。図4(b)において、固定ピン52は、嵌合孔24bと嵌合する部分の外周面52aにおいて全周に亘って形成された、Oリング40が取り付けられるOリング溝52bを有している。Oリング溝52bは、外周面52aにおいて軸心C方向における位置が略中央付近に対してOリング溝50bとは反対の他方の端側の位置に(すなわち中央位置から図面に向かって左側にずれた位置に)形成されている。図5において、固定ピン50と固定ピン52とは、リングギヤプレート24の円周方向において交互に配置される。本実施例のように嵌合孔24bが六個形成されている場合には、固定ピン50と固定ピン52とは、三箇所ずつ対角に配置される。このように構成された組付け後の固定ピン50と固定ピン52とでは、Oリング40は軸心C方向における位置が相互に所定距離ずれた位置に設けられる。この所定距離は、例えばリングギヤ22rのモーメントによる傾きを抑制できるように予め実験的に或いは設計的に求められている。
上述のように、本実施例によれば、周方向において隣接する固定ピン50,52同士では軸心C方向における位置が相互に所定距離ずれた位置にOリング40が設けられることで、固定ピン50,52に対するリングギヤプレート24の傾き(つまりリングギヤ22rのモーメントによる傾き)を抑制することができるので、リングギヤ22rのモーメントによるガタ打ち音の発生を抑制することができる。
前述の実施例2では、隣接する固定ピン50,52同士でOリング40の取付位置を変えることでリングギヤ22rのモーメントによるガタ打ち音の発生を抑制した。これに替えて、一つの固定ピン60において固定ピン50,52の各々と同様の取付位置となる二箇所にOリング40を取り付けても良い。すなわち、本実施例では、Oリング40は、各々の固定ピン60では軸心C方向における位置が所定距離隔てられた二つの位置に設けられている。
図6は、Oリング40が設けられた状態での固定ピン60を軸心Cと直交する方向から視た外観図であって、図4とは別の実施例である。図6において、固定ピン60は、嵌合孔24bと嵌合する部分の外周面60aにおいて全周に亘って形成された、Oリング40が取り付けられるOリング溝60b1,60b2を有している。Oリング溝60b1,60b2は、外周面60aにおいて軸心C方向における位置が相互に所定距離ずれた位置に形成されている。すなわち、Oリング溝60b1,60b2は、外周面60aにおいて軸心C方向における位置が中央位置を挟んで両方の端側の二つの位置に(すなわち中央位置から図面に向かって右側と左側とにずれた二つの位置に)形成されている。例えば、Oリング溝60b1は前述の実施例2におけるOリング溝50bと同様の位置に形成され、又、Oリング溝60b2は前述の実施例2におけるOリング溝52bと同様の位置に形成されている。固定ピン60には、前述の実施例1における固定ピン38と同様に、何れにもOリング40を取り付けることが好ましい。
上述のように、本実施例によれば、各々の固定ピン60では軸心C方向における位置が所定距離隔てられた二つの位置にOリング40が設けられることで、固定ピン60に対するリングギヤプレート24の傾き(つまりリングギヤ22rのモーメントによる傾き)を抑制することができるので、リングギヤ22rのモーメントによるガタ打ち音の発生を抑制することができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例2では、前述の実施例1における固定ピン38(Oリング40付き)に替えて、少なくとも一組の固定ピン50,52(Oリング40付き)が備えられる態様であっても良い。又、前述の実施例3では、前述の実施例1における固定ピン38(Oリング40付き)に替えて、少なくとも一つの固定ピン60(Oリング40付き)が備えられる態様であっても良い。
また、前述の実施例では、遊星歯車機構22は、シングルピニオン型の遊星歯車装置であったが、これに限らない。例えば、遊星歯車機構22は、ダブルピニオン型の遊星歯車装置であっても良い。
また、前述の実施例では、FR方式の車両に好適に用いられる動力伝達装置12を用いて発明を説明したが、本発明は、例えばFF方式など他の方式の車両に用いられる動力伝達装置においても適宜適用することができる。
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
12:車両用動力伝達装置
14:エンジン
18:ケース
20:中間軸(回転軸)
22:遊星歯車機構
22s:サンギヤ
22ca:キャリヤ
22r:リングギヤ
24:リングギヤプレート
24b:嵌合孔
36:ロータ軸
38:固定ピン
40:Oリング(弾性部材)
C:軸心
MG:電動機

Claims (1)

  1. 共通の軸心回りに、エンジンからの動力が伝達される回転軸と、周方向に沿って形成された複数の嵌合孔に各々嵌合される複数の固定ピンを介して回転不能のケースに固定されたリングギヤプレートと、電動機のロータ軸に連結されたサンギヤと前記回転軸に連結されたキャリヤと前記リングギヤプレートに連結されたリングギヤとを有する遊星歯車機構とを備えた車両用動力伝達装置であって、
    前記嵌合孔と前記固定ピンとの間に設けられた弾性部材を備えていることを特徴とする車両用動力伝達装置。
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