JP2016216837A - ポリアミド56繊維布帛 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、乾熱処理後もモノマー量が少なく、黄色度が低く、かつ高吸放湿性に優れた、吸湿発熱性能を有するポリアミド56繊維を用いてなる布帛を提供する。【解決手段】本発明のポリアミド56繊維を用いてなる布帛は、黄色度(YI値)が0以上10以下であり、かつ吸湿率差ΔMRが3%以上であるポリアミド56繊維が70質量%以上含有されてなる布帛であり、高次加工工程中にアルカリ剤を0.5g/L以上5.0g/L以下用いることにより、130℃以上195℃以下の温度の乾熱処理後の布帛中のモノマー量が1.00質量%以下になるポリアミド56繊維布帛である。【選択図】 なし
Description
本発明では、ポリアミド56繊維からなる布帛を、精練時に特殊な方法で処理することにより、製品でのモノマー量を低減させ、黄変を抑制し、高吸湿で白度が求められる衣料用途にも用いることのできるポリアミド56繊維布帛に関するものである。
従来から、ポリアミド56繊維は、バイオマス資源を利用した1,5−ジアミノペンタン単位を含んでなるため、環境に配慮した繊維製品を製造することができ、ポリアミド6繊維に近い糸物性を有することから、産業資材用途を中心に展開され検討がなされている。また、ポリアミド56繊維は、良好な吸湿性能を有することから衣料用途への検討もなされている。
例えば、優れた強度、耐薬品性および耐熱性を有するポリアミド56繊維の特性を損なうことのない衣料用ポリアミド56繊維の製造方法が提案されている(特許文献1参照。)。具体的に、口金から吐出されたポリアミド56繊維を冷却風で冷却固化させた後、紡糸用油剤を付着させ、延伸した後、巻き取る、直接紡糸延伸法によるポリアミド56繊維の製造方法である。
また、ポリアミドに特定のポリビニルピロリドンを添加することにより、黄色度が低く、吸湿性に優れたポリアミド繊維を用いたインナーウェアが提案されている(特許文献2参照。)。
しかしながら、上記の特許文献1で提案のポリアミド56繊維の製造方法により得られるインナーウェアは、優れた強度、耐薬品性および耐熱性を有するとされているが、ポリアミド56繊維に含有されている1,5−ジアミノペンタンは、ポリアミド66繊維に用いられるヘキサメチレンジアミンに比べて、熱エネルギーにより環化しやすく、1,5−ジアミノペンタン単位中に存在する不純物が布帛加工工程における乾熱処理時の熱エネルギーにより黄変原因物質と成りやすく、耐黄変性は満足できていなかった。
また、特許文献2の提案では、特定のポリビニルピロリドンを用いることにより黄色度の原因となるピロリドンの発生を抑え、未染色状態の編地の黄色度を抑えて、吸湿性に優れたインナーウェアを得ることを目的としているが、ポリビニルピロリドンを添加したポリアミド繊維に限られた効果であり、ポリアミド56繊維に発現する乾熱黄変性を満たすものではなかった。
そこで、本発明者らはポリアミド56繊維の乾熱処理時の黄変原因について検討を
実施した結果、ポリアミド56繊維布帛の乾熱処理時にモノマー量が増加し、黄変に影響を及ぼすことを見出し、モノマー量を低減させるべく精練工程における特殊処理によってモノマー量の増加を抑制する処方を確立した。
実施した結果、ポリアミド56繊維布帛の乾熱処理時にモノマー量が増加し、黄変に影響を及ぼすことを見出し、モノマー量を低減させるべく精練工程における特殊処理によってモノマー量の増加を抑制する処方を確立した。
本発明の目的は、前記の課題を解決せんとするものであって、乾熱処理工程で布帛黄色度の増加を抑制することであり、布帛精練工程で高濃度アルカリ剤による精練を行うことにより乾熱処理後も高吸湿で優れた白度を有するポリアミド56繊維布帛を提供することにある。
本発明のポリアミド56繊維布帛は、黄色度(YI値)が0以上10以下であり、かつ吸湿率差(ΔMR)が3%以上であるポリアミド56繊維が70質量%以上含有されてなるポリアミド56繊維布帛である。
本発明のポリアミド56繊維布帛の好ましい態様によれば、前記のポリアミド56繊維はポリビニルピロリドンを3質量%以上15質量%以下の割合で含有し、また、乾熱処理後の吸湿率差ΔMRは4%以上である。
本発明のポリアミド56繊維布帛の好ましい態様によれば、前記の布帛は、130℃以上195℃以下の温度の乾熱処理を0.5分以上3分以下で施されてなる布帛である。
本発明のポリアミド56繊維布帛の好ましい態様によれば、温度が32.0℃で湿度が50%RHの環境条件から、温度が33.0℃で湿度が80%RHの環境条件に変えた場合の7分後の布帛の表面温度は、34℃以上である。
本発明のポリアミド56繊維布帛の好ましい態様によれば、ジブチルヒドロキシトルエン(以下、BHTということがある。)処理およびバニリン処理による黄色度(ΔYI)は、0以上10以下である。
本発明のポリアミド56繊維布帛の好ましい態様によれば、前記の布帛中のモノマー量は1質量%以下である。
本発明のポリアミド56繊維布帛の好ましい態様によれば、前記のポリアミド56繊維布帛によりインナーを形成することができる。
本発明のポリアミド56繊維布帛の製造方法は、ポリアミド56繊維からなる布帛を形成後、アルカリ剤を0.5g/L以上5.0g/L以下の割合で含有する処理液で処理した後、130℃以上195℃以下の温度の乾熱処理を、0.5分以上3分以下で施こす布帛の製造方法である。
本発明のポリアミド56繊維布帛の製造方法の好ましい態様においては、前記のアルカリ剤とともに界面活性剤を用いることである。
本発明によれば、高次加工工程の精練にてアルカリ剤を用いた精練を行うことによりポリアミド56繊維からなる布帛の乾熱処理時のモノマー量の増加を抑制し、高吸湿性、低黄色度、耐薬品性および吸湿発熱性を有するポリアミド56繊維布帛が得られる。
本発明のポリアミド56繊維布帛は、黄色度(YI値)が0以上10以下であり、かつ吸湿率差ΔMRが3%以上であるポリアミド56繊維が70質量%以上含有されてなるポリアミド56繊維布帛である。
本発明は、ポリアミド56繊維布帛に精練工程において、アルカリ剤を用いた精練を施し、乾熱処理後のモノマー量の増加を抑制し低減させることにより、高吸湿で低黄色度の優れた白度を有するポリアミド56繊維布帛ができることを究明して、発明されたものである。
精練工程は、高次加工の準備工程のひとつであり、産業資材や衣料製品問わず、紡糸時の油剤や糊剤等の染色や仕上げ工程に支障を与える要因や、製品仕上がりを害す要因を取り除く目的で行われる。糸条には数々の種類が存在し、その糸条を構成する天然繊維、ポリエステル繊維およびポリアミド繊維など、繊維の種類が異なれば精練条件も変わるが、精練剤は一般的には大きく変わらない。精練剤としては、一般的に炭酸ナトリウムと界面活性剤が用いられ、布帛にアクリル糊剤が付着している場合は、水酸化ナトリウムを用いて糊剤を脱落させる。
本発明においては、精練剤としてアルカリ剤を0.5g/L以上5.0g/L以下の割合で含有する処理液を用いる。アルカリ剤の割合が0.5g/L未満では濃度が低く、分解末端の保護、黄変原因物質である不純物の除去および失活が十分になされない。また、アルカリ剤の割合が5.0g/Lよりも高くなると、所望の効果は得られるが、アルカリ剤の影響を受けて布帛がダメージを受けることになる。アルカリ剤の好ましい使用量は、1.0g/L以上3.0g/L以下である。アルカリ剤は単独使用で効果を得ることができるが、複数のアルカリ剤を併用して使用することができ、海面活性剤と併用することでより優れた効果を得ることができる。
アルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウム等を挙げることができる。中でも、水酸化ナトリウムと水酸化カリウムが特に好ましく用いられる。
ポリアミド56繊維に用いられる1,5−ジアミノンペンタンは、ポリアミド66繊維に用いられるヘキサメチレンジアミンに比べて、熱エネルギーにより環化しやすく、環化することによりピペリジン誘導体が生まれる。ピペリジン誘導体は、アミノ末端からも生成され、着色原因物質のひとつと考えられる。
精練剤として、アルカリ剤を用いることにより、乾熱処理時のモノマー量が抑制され低減され、そして黄色度が抑制された要因としては、ポリアミド56繊維を構成する酸性基であるカルボキシル基を持つアジピン酸末端がアルカリ剤により保護され、乾熱処理によるカルボキシル基の環化反応が抑制され、アミノ末端基の増加を抑制でき黄色度抑制に繋がったと推測される。また、ポリアミド56繊維に用いられる1,5−ジアミノペンタン中の不純物の除去と失活が起こったことも、黄色度抑制の要因のひとつであると推測される。
1,5−ジアミノペンタン中の不純物としては、酢酸アミド、α−アミノ−εカプロラクタム、オルチニン、リジン、2,3,4,5−テトラヒドロピリジンおよび2−ピペリドン等が挙げられる。
精練温度については、ポリアミド繊維を用いた布帛であることから、高温精練ではシワの問題が懸念されるため、60℃以上80℃以下の温度に設定することが好ましい。
また、精練時間については、本発明の効果を損なわない程度に設定することが好ましく、15分以上30分以下が好ましい範囲である。
さらに本発明では、乾熱処理後の布帛におけるモノマー量が1質量%以下であることが好ましい。布帛の乾熱黄変は、モノマー量に依存すると考えられ、モノマー量が1質量%よりも高くなると乾熱処理によりモノマー量が増加し、布帛が黄変する。乾熱処理後の布帛におけるモノマー量は、より好ましくは0.9質量%以下である。
ここで、モノマーとはポリアミド56繊維中に含まれる水(沸騰水)で溶ける成分(水溶性分)を指す。
本発明のポリアミド56繊維を用いてなる布帛は、乾熱処理後の黄色度(YI値)が0以上10以下の範囲であることが必要である。黄色度(YI値)が10よりも高くなると、布帛の色相に影響を与えるからである。好ましい黄色度(YI値)は、0以上8以下である。黄色度(YI値)は、精練処理条件により黄変原因物質を除去して制御することができる。
また、本発明のポリアミド56繊維を用いてなる布帛では、乾熱処理後の吸湿率差(ΔMR)が3%以上となる必要がある。乾熱処理後の吸湿率差(ΔMR)が3%未満では、通常のポリアミド6繊維布帛やポリアミド66繊維布帛と同等の吸放湿性にとどまるため、着用時の快適性を得ることが困難になる。ポリアミド繊維布帛に関しては、乾熱処理を施すことにより吸湿率差(ΔMR)が低下することが確認されている。この現象は、ポリアミド56繊維布帛だけでなく、ポリアミド6繊維布帛やポリアミド66繊維布帛においても同様の現象が確認されており、この吸湿率差(ΔMR)の低下は最終製品の快適性に影響を及ぼす。
ポリアミド繊維布帛で吸湿率差(ΔMR)の低下が起こった原因は、ポリアミドの熱分解によるアミド結合量の減少と推察され、ポリアミド56繊維布帛に関しては、アミド結合量の減少と合わせて1,5−ジアミノペンタンが乾熱処理により環化し黄色度が増加することで水分子と相互作用する部分が減少し、ΔMRの低下幅が大きくなるため、黄色度の増加を抑制することにより吸湿率差(ΔMR)の低下幅を最小限に抑えることが可能となる。吸湿率差(ΔMR)の好ましい範囲は3%以上5%以下である。
さらに本発明では、ポリアミド56繊維布帛を形成するにあたり、布帛にポリアミド56繊維が70質量%以上含まれていることが必要である。ポリアミド56繊維が70質量%未満では、所望の吸湿効果を得ることができなくなる。
本発明のポリアミド56繊維布帛には、30質量%未満の範囲で、ポリアミド56繊維以外の繊維を混用または併用させることができる。ポリアミド56繊維と混用または併用される繊維としては、ポリエステル繊維等の合成繊維や天然繊維を挙げることができる。混用または併用形態としては、引き揃えや混繊等の手法を用いることが可能である。
本発明のポリアミド56繊維布帛を構成するポリアミド56繊維は、ポリビニルピロリドンを3質量%以上15質量%以下添加することが好ましい。ポリビニルピロリドンを添加しなくとも十分な吸湿効果を得ることができるが、着用時の快適性を高めるためにポリビニルピロリドンを添加することが好ましい態様である。ポリビニルピロリドンの添加量が3質量%よりも低くなると吸湿性の向上効果が低下し、添加しない場合の吸湿性能と差がなくなってしまう。また、ポリビニルピロリドンの添加量が15質量%よりも高くなると、安定して製糸できなくなる傾向を示す。ポリビニルピロリドンの添加量のより好ましい範囲は、4質量%以上8質量%以下である。
さらに、ポリビニルピロリドンを用いた場合、乾熱処理後のポリアミド56繊維布帛の吸湿率差(ΔMR)は、4.0%以上であることが好ましい。吸湿率差(ΔMR)が4.0%以上となることにより、綿布帛の吸湿率に近い吸放湿性を有することになり、着用時の快適性がより向上する。
本発明のポリアミド56繊維布帛には、130℃以上195℃以下の温度で0.5分以上3分以下の乾熱処理を施すことができる。乾熱処理温度が130℃未満では、布帛のセット性が悪く、シワや品質低下の原因となることがある。また、乾熱処理の温度が195℃よりも高くなると、通常のセット時間では乾熱黄変し黄色度が高くなるため、淡染や白度を求められる衣料品に用いることが困難となる。より好ましい乾熱処理温度は、150℃以上190℃以下である。
ポリアミド56繊維単独使用による布帛では高温のセットは行われないが、ポリウレタン繊維との混用品では190℃の温度の乾熱処理を行う必要があるため、高温での耐黄変性が求められる。
乾熱処理時間は、好ましくは0.5分以上3分以下である。乾熱処理時間が0.5分よりも短くなると、布帛のセット性が低下し、シワなどの品質問題を起こす可能性がある。また、乾熱処理時間3分よりも長くなると黄色度が上昇し、淡染や白度を求められる衣料品に用いることが困難となり、風合い硬化の問題にもつながる。より好ましい乾熱処理時間は、1分以上3分以下である。
本発明のポリアミド56繊維布帛は、温度が32.0℃で湿度が50%RHの環境条件から、温度が33.0℃で湿度が80%RHに環境条件を変えた場合の7分後の布帛表面温度が34℃以上であることが好ましい。
上記の環境条件の温度設定値は、身体表面付近の温度を設定しており、湿度設定値は人が衣服をまとった際の湿度上昇を設定している。衣服内快適性に関する文献によれば、人は衣服内温度の上昇が0.5℃以上あれば温度差を感じることができ、1.0℃以上あれば衣服内が暖かくなったことを感じとることができるとされている。また、保温維持時間が長くなれば、暖かさを感じる時間も長くなる。ポリアミド56繊維布帛は乾熱処理後も吸湿量が高いため、吸湿発熱効果と保温維持効果を有する。
また、本発明のポリアミド56繊維布帛は、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)処理およびバニリン処理による黄色度(ΔYI値)が、0以上10以下であることが好ましい。黄色度(ΔYI値)が10より高くなると布帛の色相に影響を与える場合がある。黄色度(ΔYI値)のより好ましい範囲は、8以下である。
さらに、本発明のポリアミド56繊維布帛は、インナーとして好ましく用いることができる。本発明のポリアミド56繊維布帛は、吸湿率が高く、乾熱処理後も黄色度が抑制された白度の高い布帛であるため、インナー用途で優れた効果を得ることができる。また、本発明のポリアミド56繊維布帛は、190℃の温度による乾熱処理が可能なことから、ポリウレタン繊維との混用製品でも優れた効果を得ることができる。例えば、ポリウレタン繊維との混用製品として、パンティストッキングに好適に用いられる。他にも、スポーツウェア、ボトム、ダウン、ジャケット、ウィンドブレーカー、およびカーディガン等の衣料品全般に用いることができる。
本発明で用いられるポリアミド56繊維は、1,5−ジアミノペンタン単位とアジピン酸単位とを主たる構成単位とし、1,5−ジアミノペンタン単位がバイオマス利用であることにより、環境に配慮した繊維製品を製造することができる。
ポリアミド56繊維の紡糸方法としては、基本的にはポリアミド6やポリアミド66繊維の紡糸方法と同様の方法で紡糸される。溶融されたポリアミド56チップを、ギヤポンプを用いて計量し輸送して、紡糸口金から吐出させ、紡糸口金の真下に設けられた蒸気噴射装置と蒸気噴射装置の下流側に設けられた冷却装置を通過させて、糸条を常温(通常30℃〜35℃までの温度範囲)まで冷却固化し、給油装置によって給油し、得られた糸条を収束させ、交絡ノズルによって交絡を付与し、次いで引き取りローラーと延伸ローラーの周速度の比に従って延伸する。さらに、得られた糸条を延伸ローラーの加熱により熱セットし、ワインダー(巻取装置)で巻き取る。延伸倍率は、半延伸糸であれば0.5倍以上2.0倍以下であることが好ましく、延伸糸であれば2.0倍以上3.5倍以下であることが好ましい。ワインダー速度は、3500m/分以上4500m/分以下であることが好ましい。
本発明で用いられるポリアミド56繊維は、引っ張り強度が3.5cN/dtex以上であることが好ましい。引っ張り強度を3.5cN/dtex以上とすることにより、衣料用途全般に適応することが可能となる。引っ張り強度は、より好ましくは3.5cN/dtex以上5.5cN/dtexである。
本発明に用いられるポリアミド56繊維は、伸度が35%以上であることが好ましい。伸度が35%未満になると仮撚り、製織および製編等の高次加工工程における工程通過性に問題が起こりやすくなる。伸度は、より好まししくは40%以上65%以下である。伸度が65%を超えるようになると、紡糸後の糸条が空気中の水分を吸収し膨潤するため巻取りができなくなる。
本発明に用いられるポリアミド56繊維からなる糸条の総繊度は、ボトム、アウターおよびインナーまで幅広く用途があるため200dtex以下であることが好ましく、また、単繊維繊度は、布帛の柔らかさを考慮し、4.0dtex以下であることが好ましい。単繊維繊度は、より好ましくは2.0dtex以下である。
本発明のポリアミド56繊維を用いた布帛の形態としては、織物、編物および不織布などが挙げられ、布帛の組織については特定されない。
[布帛の黄色度(YI値)]
精練工程と乾熱処理工程を通した布帛を、分光測色計(CM−3700d、コニカミノルタセンシング株式会社製)を用いて、D65光源で、視野10°で、測定項目を黄色度(YI値ASTM E313−96D65)に設定し、布帛の黄色度を測定した。
精練工程と乾熱処理工程を通した布帛を、分光測色計(CM−3700d、コニカミノルタセンシング株式会社製)を用いて、D65光源で、視野10°で、測定項目を黄色度(YI値ASTM E313−96D65)に設定し、布帛の黄色度を測定した。
[吸湿率差(ΔMR)]
精練工程と乾熱処理後の布帛から約1gの試験片を3枚採取し、これをガラス秤量瓶に入れ、蓋を取った状態で110℃の温度に設定した乾燥機(DKN602、ヤマト科学株式会社製)で、2時間の条件で乾燥する。次いで、その秤量瓶を密封し、デシケータ中で30分間放冷した後、試験片の入った秤量瓶の総質量(W0)を測定する。次に、温度が20℃で湿度が65%RHに設定された恒温恒湿乾燥機(AGX−224、株式会社東洋製作所製)に蓋を取った状態で入れ、24時間放置する。その後、秤量瓶を密封し、恒温恒湿乾燥機から取り出し、直ちに試験片の入った秤量瓶の質量(W1)を測定する。引続き、温度が30℃で湿度が90%RHに設定された恒温恒湿機に蓋を取った状態で入れ、24時間放置後の総質量(W2)を同様に測定する。上記の各値を用いて、次の式により吸湿率差ΔMRを算出する。
・MR1=[(W1−W0)/W0]×100(%)
・MR2=[(W2−W0)/W0]×100(%)
・ΔMR=MR2−MR1。
精練工程と乾熱処理後の布帛から約1gの試験片を3枚採取し、これをガラス秤量瓶に入れ、蓋を取った状態で110℃の温度に設定した乾燥機(DKN602、ヤマト科学株式会社製)で、2時間の条件で乾燥する。次いで、その秤量瓶を密封し、デシケータ中で30分間放冷した後、試験片の入った秤量瓶の総質量(W0)を測定する。次に、温度が20℃で湿度が65%RHに設定された恒温恒湿乾燥機(AGX−224、株式会社東洋製作所製)に蓋を取った状態で入れ、24時間放置する。その後、秤量瓶を密封し、恒温恒湿乾燥機から取り出し、直ちに試験片の入った秤量瓶の質量(W1)を測定する。引続き、温度が30℃で湿度が90%RHに設定された恒温恒湿機に蓋を取った状態で入れ、24時間放置後の総質量(W2)を同様に測定する。上記の各値を用いて、次の式により吸湿率差ΔMRを算出する。
・MR1=[(W1−W0)/W0]×100(%)
・MR2=[(W2−W0)/W0]×100(%)
・ΔMR=MR2−MR1。
[吸湿発熱温度]
試験片を105℃の温度に調整した乾燥機(DKN602、ヤマト科学株式会社製)で2時間乾燥し、乾燥したサンプルにできるだけ空気を入れないようにしてビニール袋に入れ、密閉し常温まで冷却する。次に、温度が32.0℃で湿度が50%RHに調温・調湿された環境において、サンプルをビニール袋から取り出し調湿し、十分調湿した後、サンプルを再びビニール袋に入れて密閉し、環境条件を33.0℃の温度で、湿度を80%RHに変更しサンプルを調温する。調温されたサンプルを、ビニール袋から取り出しサーモグラフィー(H2640、日本アビオニクス株式会社製)を用いて、布帛の表面温度を測定する。そして、測定開始から7分後の布帛の表面温度を読み取る。
試験片を105℃の温度に調整した乾燥機(DKN602、ヤマト科学株式会社製)で2時間乾燥し、乾燥したサンプルにできるだけ空気を入れないようにしてビニール袋に入れ、密閉し常温まで冷却する。次に、温度が32.0℃で湿度が50%RHに調温・調湿された環境において、サンプルをビニール袋から取り出し調湿し、十分調湿した後、サンプルを再びビニール袋に入れて密閉し、環境条件を33.0℃の温度で、湿度を80%RHに変更しサンプルを調温する。調温されたサンプルを、ビニール袋から取り出しサーモグラフィー(H2640、日本アビオニクス株式会社製)を用いて、布帛の表面温度を測定する。そして、測定開始から7分後の布帛の表面温度を読み取る。
[BHT黄変(ΔYI値)]
BHT黄変については、JISL−0855(2012年度版)に従い、測定を実施した。
BHT黄変については、JISL−0855(2012年度版)に従い、測定を実施した。
[バニリン黄変(ΔYI値)]
ΔYI値は、前記記載の分光測色計を使用し、D65光源で視野10°で測定した。測定方法としては、処理前の試験片のYI0を測定する。次に、試料、高圧法ポリエチレンフィルム(50μ)バニリン含浸ろ紙(バニリンの0.5質量%メタノール溶液に30秒間浸漬し30分間風乾したもの)、およびガラス板(3mm)を用意し、試験片を上下から高圧法ポリエチレンフィルムで挟み、その上下をバニリン含浸ろ紙で挟み、さらにその上下をガラス板で挟んだ複合試験片を作製する。60±2℃の温度に調整した恒温乾燥機に、複合試験片を入れ、4.6kgの荷重を載せて4時間放置する。処理後の試験片を取り出し、その試験片のYI1を測定する。上記の各値を用いて、次の式によりΔYI値を算出する。
・ΔYI=YI1−YI0。
ΔYI値は、前記記載の分光測色計を使用し、D65光源で視野10°で測定した。測定方法としては、処理前の試験片のYI0を測定する。次に、試料、高圧法ポリエチレンフィルム(50μ)バニリン含浸ろ紙(バニリンの0.5質量%メタノール溶液に30秒間浸漬し30分間風乾したもの)、およびガラス板(3mm)を用意し、試験片を上下から高圧法ポリエチレンフィルムで挟み、その上下をバニリン含浸ろ紙で挟み、さらにその上下をガラス板で挟んだ複合試験片を作製する。60±2℃の温度に調整した恒温乾燥機に、複合試験片を入れ、4.6kgの荷重を載せて4時間放置する。処理後の試験片を取り出し、その試験片のYI1を測定する。上記の各値を用いて、次の式によりΔYI値を算出する。
・ΔYI=YI1−YI0。
[モノマー量]
筒編み地を作製し、次に示す条件で精練を行った後、1日風乾させ、乾燥後の筒編み地をテンター(花山工業株式会社製)で、190℃の温度で3分間の乾熱処理を施す。
・精練
・精練剤:
(1)界面活性剤0.5g/L
(2)界面活性剤0.5g/L炭酸ナトリウム0.5g/L
(3)界面活性剤0.5g/L炭酸ナトリウム1.0g/L
(4)界面活性剤0.5g/L水酸化ナトリウム0.5g/L
(5)界面活性剤0.5g/L水酸化ナトリウム1.0g/L
(6)水酸化ナトリウム0.5g/L
・精練温度:60℃
・精練時間:15分
・乾熱処理後のモノマー量(水溶性分量)(MO1)
乾熱処理後の試料を40℃の温度で5時間真空乾燥させた後の試料の質量をH0とする。次に、試料を沸騰水中で4時間処理し、処理後の試料を105℃の温度で2時間、常圧で乾燥させ、続いて35℃の温度で6時間真空乾燥させた。乾燥後の質量をH1とする。以上の各値を用いて、次の式で乾熱処理後のモノマー量(水溶性分量)MO1を算出する。
筒編み地を作製し、次に示す条件で精練を行った後、1日風乾させ、乾燥後の筒編み地をテンター(花山工業株式会社製)で、190℃の温度で3分間の乾熱処理を施す。
・精練
・精練剤:
(1)界面活性剤0.5g/L
(2)界面活性剤0.5g/L炭酸ナトリウム0.5g/L
(3)界面活性剤0.5g/L炭酸ナトリウム1.0g/L
(4)界面活性剤0.5g/L水酸化ナトリウム0.5g/L
(5)界面活性剤0.5g/L水酸化ナトリウム1.0g/L
(6)水酸化ナトリウム0.5g/L
・精練温度:60℃
・精練時間:15分
・乾熱処理後のモノマー量(水溶性分量)(MO1)
乾熱処理後の試料を40℃の温度で5時間真空乾燥させた後の試料の質量をH0とする。次に、試料を沸騰水中で4時間処理し、処理後の試料を105℃の温度で2時間、常圧で乾燥させ、続いて35℃の温度で6時間真空乾燥させた。乾燥後の質量をH1とする。以上の各値を用いて、次の式で乾熱処理後のモノマー量(水溶性分量)MO1を算出する。
・MO1=[(H0−H1)/H0]×100(%)。
[実施例1]
ワインダー速度が4000m/分で、延伸倍率が2.6倍で紡糸した単繊維の断面形状が丸であるポリアミド56繊維延伸糸(総繊度44dtex−34フィラメント)を用いて筒編み地を作製した。得られた筒編み地を、界面活性剤0.5g/Lと、水酸化ナトリウム1.0g/Lを溶かした浴中で、60℃の温度で15分間の条件で精練処理を施し、十分乾燥させた後、190℃の温度で3分間の条件で乾熱処理を施した。乾熱処理後の筒編み地の吸湿率差(ΔMR)、黄色度(YI)、吸湿発熱、BHT、およびバニリン黄変を測定したところ、表1に示すように優れた吸湿特性、低い黄色度および高い吸湿発熱性を有する布帛が得られた。
ワインダー速度が4000m/分で、延伸倍率が2.6倍で紡糸した単繊維の断面形状が丸であるポリアミド56繊維延伸糸(総繊度44dtex−34フィラメント)を用いて筒編み地を作製した。得られた筒編み地を、界面活性剤0.5g/Lと、水酸化ナトリウム1.0g/Lを溶かした浴中で、60℃の温度で15分間の条件で精練処理を施し、十分乾燥させた後、190℃の温度で3分間の条件で乾熱処理を施した。乾熱処理後の筒編み地の吸湿率差(ΔMR)、黄色度(YI)、吸湿発熱、BHT、およびバニリン黄変を測定したところ、表1に示すように優れた吸湿特性、低い黄色度および高い吸湿発熱性を有する布帛が得られた。
[実施例2]
延伸倍率を2.7倍とし、ポリビニルピロリドンを5質量%含有させたこと以外は、実施例1と同様にして得られたポリアミド56繊維延伸糸(総繊度44dtex−34フィラメント)を用いて筒編み地を作製した。得られた筒編み地を、界面活性剤0.5g/Lと、水酸化ナトリウム0.5g/Lを溶かした浴中で、実施例1と同様の処理を施した。得られた布帛は、表1に示すように、非常に優れた吸湿性特性を有し、低い黄色度および高い吸湿発熱性を有する布帛が得られた。
延伸倍率を2.7倍とし、ポリビニルピロリドンを5質量%含有させたこと以外は、実施例1と同様にして得られたポリアミド56繊維延伸糸(総繊度44dtex−34フィラメント)を用いて筒編み地を作製した。得られた筒編み地を、界面活性剤0.5g/Lと、水酸化ナトリウム0.5g/Lを溶かした浴中で、実施例1と同様の処理を施した。得られた布帛は、表1に示すように、非常に優れた吸湿性特性を有し、低い黄色度および高い吸湿発熱性を有する布帛が得られた。
[実施例3]
延伸倍率を2.7倍としたこと以外は、実施例1と同様にして得られたポリアミド56繊維延伸糸(総繊度56dtex−24フィラメント)を布帛質量比率70%で用い、ポリウレタン繊維(東レ(株)製、繊度22dtex−品種番号127C)を布帛質量比率30%で用いて、28G(ゲージ)ベア天竺編物を作製した。得られたベア天竺編物を、界面活性剤0.5g/Lと、水酸化ナトリウム0.5g/Lを溶かした浴中で、60℃の温度で15分間の条件で精練処理を施し、十分乾燥させた後、195℃の温度で3分間の条件で乾熱処理を施した。乾熱処理後の編物の吸湿率差(ΔMR)、黄色度(YI)、吸湿発熱、BHTおよびバニリン黄変を測定したところ、表1に示すように優れた吸湿特性、低い黄色度および高い吸湿発熱性を有する布帛が得られた。
延伸倍率を2.7倍としたこと以外は、実施例1と同様にして得られたポリアミド56繊維延伸糸(総繊度56dtex−24フィラメント)を布帛質量比率70%で用い、ポリウレタン繊維(東レ(株)製、繊度22dtex−品種番号127C)を布帛質量比率30%で用いて、28G(ゲージ)ベア天竺編物を作製した。得られたベア天竺編物を、界面活性剤0.5g/Lと、水酸化ナトリウム0.5g/Lを溶かした浴中で、60℃の温度で15分間の条件で精練処理を施し、十分乾燥させた後、195℃の温度で3分間の条件で乾熱処理を施した。乾熱処理後の編物の吸湿率差(ΔMR)、黄色度(YI)、吸湿発熱、BHTおよびバニリン黄変を測定したところ、表1に示すように優れた吸湿特性、低い黄色度および高い吸湿発熱性を有する布帛が得られた。
[実施例4]
延伸倍率を2.7倍としたこと以外は、実施例1と同様にして得られたポリアミド56繊維延伸糸(総繊度89dtex−52フィラメント)を、2本引き揃えて混繊し、ポリアミド56繊維延伸混繊糸(総繊度178dtex−104フィラメント)を得た。このポリアミド56繊維延伸混繊糸を布帛質量比率85%で用い、ポリウレタン繊維(東レ(株)製、繊度78dtex−品種番号127C)を布帛質量比率15%で用いて、28Gベア天竺編物を作製した。得られたベア天竺編物を、水酸化ナトリウム0.5g/Lを溶かした浴中で60℃の温度で15分間の条件で精練処理を施し、十分乾燥させた後、190℃の温度で3分間の条件で乾熱処理を施した。乾熱処理後の編物の吸湿率(ΔMR)と黄色度(YI)、吸湿発熱、BHT、バニリン黄変を測定したところ、表1に示すように優れた吸湿特性、低い黄色度および高い吸湿発熱性を有する布帛が得られた。
延伸倍率を2.7倍としたこと以外は、実施例1と同様にして得られたポリアミド56繊維延伸糸(総繊度89dtex−52フィラメント)を、2本引き揃えて混繊し、ポリアミド56繊維延伸混繊糸(総繊度178dtex−104フィラメント)を得た。このポリアミド56繊維延伸混繊糸を布帛質量比率85%で用い、ポリウレタン繊維(東レ(株)製、繊度78dtex−品種番号127C)を布帛質量比率15%で用いて、28Gベア天竺編物を作製した。得られたベア天竺編物を、水酸化ナトリウム0.5g/Lを溶かした浴中で60℃の温度で15分間の条件で精練処理を施し、十分乾燥させた後、190℃の温度で3分間の条件で乾熱処理を施した。乾熱処理後の編物の吸湿率(ΔMR)と黄色度(YI)、吸湿発熱、BHT、バニリン黄変を測定したところ、表1に示すように優れた吸湿特性、低い黄色度および高い吸湿発熱性を有する布帛が得られた。
[比較例1]
実施例1と同様の製造方法、製造条件で得られたポリアミド56延伸糸(総繊度44dtex−34フィラメント)を用いて作成した筒編み地を界面活性剤0.5g/Lを溶かした浴中で、60℃の温度で15分間の条件で精練処理を施し、十分乾燥させた後、190℃の温度で3分間の条件で乾熱処理を施した。乾熱処理後の筒編み地の吸湿率(ΔMR)、黄色度(YI)、吸湿発熱、BHTおよびバニリン黄変を測定したところ、表1に示すように、吸湿特性が劣り、黄色度が高く黄味が強く、そして吸湿発熱性の劣る布帛が得られた。
実施例1と同様の製造方法、製造条件で得られたポリアミド56延伸糸(総繊度44dtex−34フィラメント)を用いて作成した筒編み地を界面活性剤0.5g/Lを溶かした浴中で、60℃の温度で15分間の条件で精練処理を施し、十分乾燥させた後、190℃の温度で3分間の条件で乾熱処理を施した。乾熱処理後の筒編み地の吸湿率(ΔMR)、黄色度(YI)、吸湿発熱、BHTおよびバニリン黄変を測定したところ、表1に示すように、吸湿特性が劣り、黄色度が高く黄味が強く、そして吸湿発熱性の劣る布帛が得られた。
[比較例2]
実施例1と同様の製造方法と製造条件で得られたポリアミド56繊維延伸糸(総繊度44dtex−34フィラメント)を用いて作成した筒編み地を、界面活性剤0.5g/Lと、炭酸ナトリウム0.5g/Lを溶かした浴中、で60℃の温度で15分間の条件で精練処理を施し、十分乾燥させた後、190℃の温度で3分間の条件で乾熱処理を施した。乾熱処理後の筒編み地の吸湿率(ΔMR)、黄色度(YI)、吸湿発熱、BHTおよびバニリン黄変を測定したところ、表1に示すように、吸湿特性が劣り、黄色度が高く黄味が強く、そして吸湿発熱性の劣る布帛が得られた。
実施例1と同様の製造方法と製造条件で得られたポリアミド56繊維延伸糸(総繊度44dtex−34フィラメント)を用いて作成した筒編み地を、界面活性剤0.5g/Lと、炭酸ナトリウム0.5g/Lを溶かした浴中、で60℃の温度で15分間の条件で精練処理を施し、十分乾燥させた後、190℃の温度で3分間の条件で乾熱処理を施した。乾熱処理後の筒編み地の吸湿率(ΔMR)、黄色度(YI)、吸湿発熱、BHTおよびバニリン黄変を測定したところ、表1に示すように、吸湿特性が劣り、黄色度が高く黄味が強く、そして吸湿発熱性の劣る布帛が得られた。
[比較例3]
実施例2と同様の製造方法と製造条件で得られたポリアミド56繊維延伸糸(総繊度44dtex−34フィラメント)を用いて作成した筒編み地を、界面活性剤0.5g/Lを溶かした浴中で、60℃の温度で15分間の条件で精練処理を施し、十分乾燥させた後、190℃の温度で3分間の条件で乾熱処理を施した。乾熱処理後の筒編み地の吸湿率(ΔMR)、黄色度(YI)、吸湿発熱、BHTおよびバニリン黄変を測定したところ、表1に示すように吸湿特性が劣り、黄色度が高く黄味が強く、そして吸湿発熱性の劣る布帛が得られた。
実施例2と同様の製造方法と製造条件で得られたポリアミド56繊維延伸糸(総繊度44dtex−34フィラメント)を用いて作成した筒編み地を、界面活性剤0.5g/Lを溶かした浴中で、60℃の温度で15分間の条件で精練処理を施し、十分乾燥させた後、190℃の温度で3分間の条件で乾熱処理を施した。乾熱処理後の筒編み地の吸湿率(ΔMR)、黄色度(YI)、吸湿発熱、BHTおよびバニリン黄変を測定したところ、表1に示すように吸湿特性が劣り、黄色度が高く黄味が強く、そして吸湿発熱性の劣る布帛が得られた。
[比較例4]
実施例3と同様の製造方法と製造条件で得られたポリアミド56繊維延伸糸を実施例3と同様の混率で28G(ゲージ)ベア天竺編物を作製した。得られた編物を界面活性剤0.5g/Lを溶かした浴中で、60℃の温度で15分間の条件で精練処理を施し、十分乾燥させた後、195℃の温度で3分間の条件で乾熱処理を施した。乾熱処理後の編物の吸湿率(ΔMR)、黄色度(YI)、吸湿発熱、BHTおよびバニリン黄変を測定したところ、表1に示すように、吸湿特性が劣り、黄色度が高く黄味が強く、そして吸湿発熱性の劣る布帛が得られた。
実施例3と同様の製造方法と製造条件で得られたポリアミド56繊維延伸糸を実施例3と同様の混率で28G(ゲージ)ベア天竺編物を作製した。得られた編物を界面活性剤0.5g/Lを溶かした浴中で、60℃の温度で15分間の条件で精練処理を施し、十分乾燥させた後、195℃の温度で3分間の条件で乾熱処理を施した。乾熱処理後の編物の吸湿率(ΔMR)、黄色度(YI)、吸湿発熱、BHTおよびバニリン黄変を測定したところ、表1に示すように、吸湿特性が劣り、黄色度が高く黄味が強く、そして吸湿発熱性の劣る布帛が得られた。
[比較例5]
実施例4と同様の製造方法、製造条件で得たポリアミド56繊維延伸糸を実施例4と同様の混率で28G(ゲージ)ベア天竺編物を作製した。得られた編物を界面活性剤0.5g/L、炭酸ナトリウム1.0g/Lを溶かした浴中で、60℃の温度で15分間の条件で精練処理を施し、十分乾燥させた後、190℃の温度で3分間の条件で乾熱処理を施した。乾熱処理後の編物の吸湿率(ΔMR)、黄色度(YI)、吸湿発熱、BHTおよびバニリン黄変を測定したところ、表1に示すように、吸湿特性が劣り、黄色度が高く黄味が強く、そして吸湿発熱性の劣る布帛が得られた。
実施例4と同様の製造方法、製造条件で得たポリアミド56繊維延伸糸を実施例4と同様の混率で28G(ゲージ)ベア天竺編物を作製した。得られた編物を界面活性剤0.5g/L、炭酸ナトリウム1.0g/Lを溶かした浴中で、60℃の温度で15分間の条件で精練処理を施し、十分乾燥させた後、190℃の温度で3分間の条件で乾熱処理を施した。乾熱処理後の編物の吸湿率(ΔMR)、黄色度(YI)、吸湿発熱、BHTおよびバニリン黄変を測定したところ、表1に示すように、吸湿特性が劣り、黄色度が高く黄味が強く、そして吸湿発熱性の劣る布帛が得られた。
Claims (9)
- 黄色度(YI値)が0以上10以下であり、かつ吸湿率差ΔMRが3%以上であるポリアミド56繊維が70質量%以上含有されてなることを特徴とするポリアミド56繊維布帛。
- ポリアミド56繊維が、ポリビニルピロリドンを3質量%以上15質量%以下の割合で含有し、吸湿率差ΔMRが4%以上である請求項1記載のポリアミド56繊維布帛。
- 130℃以上195℃以下の温度の乾熱処理が0.5分以上3分以下施されてなる請求項1または2記載のポリアミド56繊維布帛。
- 温度が32.0℃で湿度が50%RHの環境条件から、温度が33.0℃で湿度が80%Rの環境条件に変えた場合の7分後の布帛の表面温度が、34℃以上となる請求項1または2記載のポリアミド56繊維布帛。
- ジブチルヒドロキシトルエン処理およびバニリン処理による黄色度(ΔYI)が、0以上10以下である請求項1〜4のいずれかに記載のポリアミド56繊維布帛。
- 布帛中のモノマー量が1質量%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリアミド56繊維布帛。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のポリアミド56繊維布帛により形成されるインナー。
- ポリアミド56繊維を用いた布帛を形成後、アルカリ剤を0.5g/L以上5.0g/L以下の割合で含有する処理液で処理した後、130℃以上195℃以下の温度の乾熱処理を、0.5分以上3分以下で施こすことを特徴とするポリアミド56繊維布帛の製造方法。
- アルカリ剤とともに界面活性剤を含有する処理液で処理する請求項8記載のポリアミド56繊維布帛の製造方法。
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JP2015099751A JP2016216837A (ja) | 2015-05-15 | 2015-05-15 | ポリアミド56繊維布帛 |
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CN106906533A (zh) * | 2017-02-24 | 2017-06-30 | 上海凯赛生物技术研发中心有限公司 | 一种聚酰胺5x纤维及其制备方法 |
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2015
- 2015-05-15 JP JP2015099751A patent/JP2016216837A/ja active Pending
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