JP2016216300A - 接合材及びその利用 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱膨張係数の異なる部材間(例えばセラミック部材と金属部材との間)の接合部を高温環境下(例えば300〜750℃)でも気密に維持することのできる接合材を提供する。【解決手段】本発明により、3層以上のガラス層を積層してなる接合材10が提供される。ガラス層の積層方向では、一方の端部のガラス層(熱膨張係数小ガラス層)12から他方の端部のガラス層(熱膨張係数大ガラス層)16に向かって熱膨張係数が段階的に増大している。また、隣り合うガラス層の間(12−14間及び14−16間)の熱膨張係数の差は、いずれも2ppm/K以下である。また、3層以上のガラス層12,14,16のガラス粘度(測定温度750℃)は、いずれも7.2Pa・s以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、接合材に関する。詳しくは、熱膨張係数の大きく異なる部材間の接合(例えばアルミナ部材とステンレス部材の接合)に用いられる接合材に関する。
従来、家電用部品、車載用部品、半導体装置、環境装置等で使用される部材には、ステンレス鋼や特殊合金等の金属材料が多用されてきた。近年、これらの金属材料に替えて、耐熱性や化学的安定性の優れたセラミック材料(例えばアルミナ(Al))を用いることが検討されている。ただし、セラミック材料は脆性材料であり、かつ難加工性材料でもある。このため、セラミック材料のみでは複雑な形状や大型形状の部材を作成することが困難である。そこで、セラミック部材を金属部材と接合して一体化させ、かかる部材を構築することがなされている。
ところで、セラミック部材と金属部材とは、一般に熱膨張係数が大きく異なる。このような部材間の接合には、従来、エポキシ樹脂等の樹脂系接着剤(特許文献1参照)や、金属ろう材(特許文献2,3参照)、ハンダ合金と低融点ガラスの混合物(特許文献3参照)を使用する方法、熱応力緩和のための中間層を配設する方法(非特許文献1)、アルミナメタライズ加工、焼きばめ法等が用いられてきた。
特開昭60−27664号公報 特開平4−164837号公報 国際公開2013/005312号公報
K. Suganuma, Journal of the Society of Materials Science, Japan, 1995, Vol. 44(498), pp. 375-381
しかしながら、例えば樹脂系接着剤や低融点ガラスは耐熱性に問題があり、高温環境(例えば300℃以上)で使用される部材では採用できない問題がある。また、例えば金属ろう材を使用する方法やアルミナメタライズ加工、焼きばめ法では、適用可能な形状が限られる。さらに、金属ろう材は、材料そのものが高価で、特殊な用途にしか使用できない。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、熱膨張係数の異なる部材間(例えばセラミック部材と金属部材との間)の接合部を高温環境下(例えば300〜750℃)においても気密に維持することが可能な接合材を提供することにある。関連する他の目的は、かかる接合材を用いてなる接合部を備えた接合体を提供することにある。
本発明により、熱膨張係数の異なる(例えば、熱膨張係数が4ppm/K以上異なる)部材間の接合に用いられる接合材が開示される。かかる接合材は、3層以上のガラス層を積層して構成される。ガラス層の積層方向では、一方の端部のガラス層から他方の端部のガラス層に向かって熱膨張係数が段階的に増大している。隣り合うガラス層間の熱膨張係数の差は、いずれも2ppm/K以下である。上記3層以上のガラス層のガラス粘度(測定温度750℃)は、いずれも7.2Pa・s以上である。
隣接するガラス層の熱膨張係数を段階的に異ならせることで、上記積層方向に対して熱膨張係数の勾配をつけることができる。これにより、被接合部材間の熱膨張の差から生ずる残留応力を、接合材(接合部)によって緩和することができる。また、各ガラス層のガラス粘度を所定値以上とすることで、接合部に高い耐熱性や優れた形状安定性を付与することができる。その結果、ここに開示される接合材によれば、高温環境下においても接合部を気密に維持することができる。
本明細書において「熱膨張係数」とは、一般的な熱機械分析装置(Thermomechanical Analysis:TMA)を用いて30℃から500℃までの温度領域で測定した平均膨張係数(平均線膨張係数)をいい、試料の初期長さに対する試料長さの変化量を温度差で割った値(熱膨張率)を指すものとする。単位はK−1である。熱膨張係数の測定は、JIS R 3102(1995)に準じて行うことができる。
本明細書において「ガラス粘度」とは、一般的な平行平板粘度計を用いて750℃で測定した値を指すものとする。単位はPa・sである。ガラス粘度の測定は、ASTM C 338−93に準じて行うことができる。
ここに開示される接合材の好適な一態様では、上記3層以上のガラス層がいずれもリューサイト結晶を含む。これにより、各ガラス層の高温耐久性がさらに向上する。したがって、高温環境下においても積層ガラスの構造がより良く維持され、本発明の効果をより高いレベルで発揮することができる。
ここに開示される接合材の好適な一態様では、上記3層以上のガラス層がいずれも酸化物換算のモル比で、LiO:1〜3mol%;KO:5〜20mol%;SiO:60〜90mol%;Al:2〜8mol%;MgO、CaO及びSrOのうちの少なくとも1種:1〜8mol%;ZnO:0〜10mol%;の成分を含んでいる。
各ガラス層がこのような成分を含むことで、耐熱性、耐久性、化学的安定性、耐熱衝撃性のうち少なくとも1つを向上させることができる。したがって、本発明の効果をより高いレベルで発揮することができる。
ここに開示される接合材の好適な一態様では、上記一方の端部のガラス層がZnOを含む。これにより、ガラス層の熱膨張係数を調整して、被接合部材との接合性を高めることができる。
ここに開示される接合材の好適な一態様では、上記一方の端部のガラス層の熱膨張係数が7ppm/K以上9.3ppm/K以下である。これにより、例えば熱膨張係数が7〜8ppm/K程度のセラミック部材との熱膨張係数の整合性を向上することができる。そして、一層信頼性や耐久性(高温耐久性)の高い接合部を実現することができる。
ここに開示される接合材の好適な一態様では、上記他方の端部のガラス層の熱膨張係数が9.5ppm/K以上14ppm/K以下である。これにより、例えば熱膨張係数が10〜13ppm/K程度の金属部材との熱膨張係数の整合性を向上することができる。そして、一層信頼性や耐久性(高温耐久性)の高い接合部を実現することができる。
ここに開示される接合材の好適な一態様では、上記熱膨張係数の異なる部材間を800℃以上1000℃以下で接合することが可能である。これにより、例えば従来の接合方法に比べて生産性や作業性が向上し、低コスト化を実現することができる。
ここに開示される接合材は、例えばセラミック部材と金属部材との接合に好適に用いることができる。したがって、本発明の他の側面として、セラミック部材と、金属部材と、両部材間を接合する接合部と、を備えた接合体が提供される。この接合体において、上記セラミック部材と、上記接合材を構成する上記一方の端部のガラス層と、の熱膨張係数の差は2ppm/K以下である。また、上記金属部材と、上記接合材を構成する上記他方の端部のガラス層と、の熱膨張係数の差は2ppm/K以下である。これにより、例えば300℃以上の高温環境下においても、セラミック部材と金属部材との接合部が気密状態に維持される。
ここに開示される接合体の好適な一態様では、上記セラミック部材は、熱膨張係数が7ppm/K以上8ppm/K以下のセラミック材料によって構成されている。このようなセラミック部材の一例として、アルミナ系セラミックスが挙げられる。
また、ここに開示される接合体の他の好適な一態様では、上記金属部材は、熱膨張係数が10ppm/K以上13ppm/K以下の金属材料によって構成されている。このような金属部材の一例として、フェライト系ステンレス鋼が挙げられる。
本発明の一形態に係る接合材(積層ガラス)を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る接合体を模式的に示す断面図である。 本発明の他の一実施形態に係る接合体を模式的に示す斜視図である。 ガラス粘度曲線のチャートである。
以下、適宜図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態を説明する。なお、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略または簡略化することがある。各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は必ずしも実際の寸法関係を反映するものではない。また、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
ここに開示される接合材(ガラス接合材)は、熱膨張係数の異なる2つ以上の部材間、例えば、セラミック部材同士、金属部材同士、あるいはセラミック部材と金属部材との間を接合するために用いられる。この接合材は複数のガラス層が積層された積層構造(積層ガラス)である。積層構造を構成するガラス層は3層以上であり、例えば4層以上、5層以上であり得る。ガラス層の数の上限は、例えば各ガラス層の厚み等によっても異なり得るが、作業効率や生産性、形状設計の自由度等を考慮すると、典型的には20層以下、例えば10層以下であるとよい。
ここに開示される接合材は、ガラス層の積層方向において、熱膨張係数が段階的に(典型的には階段状に)異なっている。換言すれば、上記積層方向において、一方の端部のガラス層から他方の端部のガラス層に向かって熱膨張係数が段階的に増大している。
かかる構成によれば、相対的に熱膨張係数が最も小さなガラス層(熱膨張係数小ガラス層)から、相対的に熱膨張係数が最も大きなガラス層(熱膨張係数大ガラス層)へと、熱膨張係数を徐々に変化(増大)させることができる。これにより、熱膨張係数の小さな部材と熱膨張係数の大きな部材との熱膨張係数の整合をとることができる。その結果、被接合部材間の熱膨張の差から生ずる残留応力を好適に緩和することができる。
ここに開示される接合材(積層ガラス)では、隣接する2つのガラス層間の熱膨張係数の差が2ppm/K以下である。本発明者の検討によれば、ガラス層間の熱膨張係数の差を2ppm/K以下に抑えることで、接合部に負荷される応力を好適に緩和することができる。その結果、接合材としての一体性を高めることができる。したがって、例えば高温環境下で長期間使用する場合であっても、接合部(ガラス層間)に剥離やクラック等の不具合が生じることを高度に抑制することができる。一好適例では、ガラス層間の熱膨張係数の差が1.9ppm/K以下であるとよい。これにより、本発明の効果がより良く発揮される。
熱膨張係数の差の下限値は、例えば被接合部材間の熱膨張係数の差等によっても異なり得るため特に限定されないが、概ね0.1ppm/K以上、例えば0.2ppm/K以上、0.5ppm/K以上であるとよい。熱膨張係数の差を所定値以上とすることで、積層するガラス層の数を少なく抑えることができる。このことは、作業性や生産性、コスト等の観点から好ましい。
各ガラス層の具体的な熱膨張係数の値は、例えば被接合部材の熱膨張係数(絶対値)等によっても異なり得るため、特に限定されない。典型的には、各ガラス層の熱膨張係数が、例えば凡そ5ppm/K以上であって、例えば凡そ23ppm/K以下である。
好適な一態様では、一方の端部のガラス層(熱膨張係数小ガラス層)の熱膨張係数が、セラミック部材の熱膨張係数と同程度かそれより若干低い。一好適例では、熱膨張係数小ガラス層の熱膨張係数が7ppm/K以上9.3ppm/K以下、例えば7.2ppm/K以上8.3ppm/K以下である。かかる態様によれば、例えばアルミナ系のセラミック部材との接合性(密着性)がより高められる。
また、他の好適な一態様では、他方の端部のガラス層(熱膨張係数大ガラス層)の熱膨張係数が、金属部材の熱膨張係数と同程度かそれより若干低い。これにより、ガラス層には接合に有利な圧縮応力が加わり得る。その結果、被接合部材の熱膨張係数の差に由来する残留応力の影響を受けても、気密性の高い接合部を好適に実現することができる。一好適例では、熱膨張係数大ガラス層の熱膨張係数が9.5ppm/K以上14ppm/K以下、例えば9.7ppm/K以上13.9ppm/K以下である。かかる態様によれば、例えば金属部材として汎用なステンレス鋼との接合性(密着性)がより高められる。
ここに開示される接合材(積層ガラス)では、上記3層以上のガラス層のガラス粘度がいずれも7.2Pa・s以上である。本発明者の検討によれば、ガラス粘度を所定値以上とすることで、高温環境下(例えば300〜750℃)にあっても、積層ガラスの構造が安定的に維持される。つまり、隣接するガラス層同士の一体化(典型的には高温環境下の融合)が抑制されて、接合部の熱膨張係数の勾配を安定的に維持することができる。また、接合部を気密状態に維持することができる。したがって、優れた高温耐久性を実現することができる。
ガラス粘度の上限値は、例えば接合体の曝され得る温度等にも依るため特に限定されないが、概ね10Pa・s以下、典型的には9Pa・s以下、例えば8.5Pa・s以下であるとよい。これにより、ガラスに適度な流動性を与えて、好適な接合を実現することができる。このことは、作業性(易加工性)、生産性、コスト等の観点から好ましい。
好適な一態様では、一方の端部のガラス層(熱膨張係数小ガラス層)のガラス粘度が、概ね7Pa・s以上10Pa・s以下、例えば7.7Pa・s以上8.1Pa・s以下である。
また、他の好適な一態様では、他方の端部のガラス層(熱膨張係数大ガラス層)のガラス粘度が、上記熱膨張係数小ガラス層のガラス粘度よりも低い。典型的には、概ね5Pa・s以上8Pa・s以下、例えば7.2Pa・s以上7.5Pa・s以下である。
これにより、被接合部材との密着性がより高められ、上述した効果(熱膨張係数の勾配の維持、接合部の気密性の維持および高温耐久性の向上のうち、少なくとも1つ)がより良く発揮される。
好適な一態様では、各ガラス層がいずれもガラスマトリックス(ガラス組成物)中に結晶相を含む。換言すれば、各ガラス層が、いずれも部分結晶化ガラスで構成されているとよい。ガラスマトリックス中に析出する結晶相は、例えば後述するガラス組成によるため特に限定されない。一例として、リューサイト結晶(KAlSiあるいは4SiO・Al・KO)、コランダム結晶(Al)、クリストバライト結晶(SiO)、ガーナイト結晶(ZnO・Al)等が挙げられる。これにより、非晶質のガラスに比べて相対的にガラス粘度を高めることができ、例えば7.2Pa・s以上のガラス粘度により良く調整することができる。その結果、耐熱性や耐久性、形状安定性を向上することができる。
なかでも、ガラスマトリックス中にはリューサイト結晶を含むことが好ましい。例えばリューサイト結晶とコランダム結晶とをいずれも含んでもよい。これにより、本発明の効果をより高いレベルで発揮することができる。さらに、かかる態様によれば、被接合部材(例えばセラミック部材や酸化被膜付きの金属部材)との濡れ性をも向上することができ、強固な接合性を実現することができる。
各ガラス層を構成するガラスマトリックス(ガラス組成物)は特に限定されず、接合体の用途等に応じて任意に決定することができる。
各ガラス層を構成する成分は、典型的には4成分以上、例えば5成分以上10成分以下であるとよい。ガラスマトリックスが4成分以上の多成分系で構成されることで、物理的安定性が向上する。また、作業性やコストの観点からは、ガラスマトリックスが10成分以下で構成されることが好ましい。
好適な一態様では、一方の端部のガラス層(熱膨張係数小ガラス層)が、熱膨張係数を低下させる成分を含む。そのような成分の一例として、ケイ素成分や亜鉛成分が挙げられる。
また、他の好適な一態様では、他方の端部のガラス層(熱膨張係数大ガラス層)が、熱膨張係数を高める成分を含む。そのような成分の一例として、アルカリ金属成分(例えば、リチウム成分やカリウム成分)、カルシウム成分、アルミニウム成分等が挙げられる。
一好適例では、各ガラス層が、リチウム成分と、カリウム成分と、ケイ素成分と、アルミニウム成分と、Ba以外の広義のアルカリ土類金属成分と、を全て含んでいる。各ガラス層にこの5成分を含むことで、積層ガラスとしての一体性や物理的安定性が高められる。かかる観点からは、特に、各ガラス層のガラスマトリックス全体に占める上記5成分の総和が、酸化物換算のモル比で凡そ90mol%以上(例えば95mol%以上)であるとよい。
リチウム成分(典型的には、酸化リチウム(LiO))は、ガラスの熱膨張係数を高めたり、ガラスに流動性を与えて軟化点を下げたりする成分である。また、ガラスマトリックス中の結晶(例えばリューサイト結晶)の析出を促進する成分でもある。ガラスマトリックス全体に占めるリチウム成分の割合は特に限定されないが、酸化物換算のモル比で、凡そ1mol%以上(例えば1.3mol%以上)であって、3mol%以下(例えば2.6mol%以下)であるとよい。これにより、ガラス接合材の熱膨張係数を比較的高い値に維持することができる。さらに、上記割合とすることで、ガラスの安定性を高めることができ、耐酸化性、耐還元性、耐薬品性のうちの少なくとも1つを向上させることができる。
カリウム成分(典型的には、酸化カリウム(KO))は、ガラスの熱膨張係数を高めたり、ガラスに流動性を与えて軟化点を下げたりする成分である。また、リューサイト結晶を構成する成分でもある。ガラスマトリックス全体に占めるカリウム成分の割合は特に限定されないが、酸化物換算のモル比で、凡そ5mol%以上(好ましくは8mol%以上、例えば9.1mol%以上)であって、20mol%以下(好ましくは19mol%以下、例えば18.2mol%以下)であるとよい。これにより、ガラス接合材の熱膨張係数を比較的高い値に維持することができる。また、好適な量のリューサイト結晶をガラスマトリックス中に析出させるために有効である。
ケイ素成分(典型的には、酸化ケイ素(SiO))は、ガラスの骨格を構成する成分である。また、リューサイト結晶やクリストバライト結晶を構成する成分でもある。各ガラス層のガラスマトリックスに占めるケイ素成分の割合は特に限定されないが、酸化物換算のモル比で、凡そ60mol%以上(好ましくは65mol%以上、例えば67.5mol%以上)であって、90mol%以下(好ましくは85mol%以下、例えば80mol%以下)であるとよい。これにより、ガラスの軟化点が高くなりすぎることを防ぎ、比較的低い温度で被接合部材間を接合することができる。また、ガラスマトリックス中に好適な量の結晶を析出させるために有効である。さらには、ガラスの安定性を高めることができ、耐水性、耐薬品性、耐熱衝撃性のうちの少なくとも1つを向上させることができる。
アルミニウム成分(典型的には、酸化アルミニウム(Al))は、ガラス溶融時の流動性を制御し、付着安定性に関与する成分である。また、リューサイト結晶やコランダム結晶、ガーナイト結晶を構成する成分でもある。各ガラス層のガラスマトリックスに占めるアルミニウム成分の割合は特に限定されないが、酸化物換算のモル比で、凡そ2mol%以上(好ましくは3mol%以上、例えば5.1mol%以上)であって、8mol%以下(好ましくは7mol%以下、例えば6.9mol%以下)であるとよい。これにより、被接合部材を安定的に接合することができる。また、ガラスマトリックス中に好適な量の結晶を析出させるために有効である。さらには、ガラスの耐薬品性を向上させることができる。
Ba以外の広義のアルカリ土類金属成分(典型的には、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO))は、ガラスマトリックスの熱的安定性を向上する(熱膨張係数を調整する)成分である。また、ガラスの熱膨張係数を高める成分でもある。各ガラス層のガラスマトリックスに占める広義のアルカリ土類金属成分の割合は特に限定されないが、酸化物換算のモル比で、凡そ1mol%以上(好ましくは2mol%以上、例えば2.6mol%以上)であって、8mol%以下(好ましくは6mol%以下、例えば5.2mol%以下)であるとよい。
なかでもカルシウム成分(CaO)は、ガラスマトリックスの硬度を上げて接合部の耐摩耗性を向上させることができる成分である。このため、殊に機械的耐久性が要求される用途においては、各ガラス層にカルシウム成分を含むことが好ましい。各ガラス層のガラスマトリックスに占めるカルシウム成分の割合は特に限定されないが、酸化物換算のモル比で、凡そ1〜8mol%(例えば2〜6mol%)であるとよい。
各ガラス層を構成するガラス層は、上記5成分に加えて、接合体の使用用途等に応じて任意の添加成分を含み得る。これにより、高温耐久性以外の諸特性にも優れた接合部を実現することができる。そのような添加成分としては、例えば、亜鉛(Zn)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、鉄(Fe)、銅(Cu)、スズ(Sn)、リン(P)、ランタン(La)、セリウム(Ce)等が挙げられる。
好適な一態様では、上記一方の端部のガラス層が亜鉛成分(典型的にはZnO)を含む。これにより、ガラス層の熱膨張係数をより良く調整して、被接合部材との接合性を高めることができる。また、ガラス層の熱的安定性を向上させる効果が高い成分でもある。さらには、熱衝撃性が高く水に侵され難い等、化学的安定性や耐久性を向上させる効果もある。したがって、本発明の効果をさらに高いレベルで発揮することができる。
好適な一態様では、上記3層以上のガラス層が、いずれも、酸化物換算のモル比で以下の成分:
LiO 1〜3mol%(例えば1.3〜2.6mol%);
O 5〜20mol%(好ましくは8〜20mol%、例えば9.1〜18.2mol%);
SiO 60〜90mol%(好ましくは65〜85mol%、例えば67.5〜80mol%);
Al 2〜8mol%(好ましくは3〜7mol%、例えば5.1〜6.9mol%);
MgO、CaO及びSrOのうちの少なくとも1種 1〜8mol%(好ましくは2〜6mol%、例えば2.6〜5.2mol%);
ZnO 0〜10mol%(例えば9.1mol%以下);
を含んでいる。
このような組成とすることで、各ガラス層のガラス粘度を7.2Pa・s以上により良く調整することができる。また、各ガラス層の主要構成成分(種類)を同じくすることで、ガラス層間の濡れ性がより良く調整され、積層ガラスの構造安定性を向上することができる。さらに、ガラス層間の界面で熱膨張係数の差が大きくなることを抑制して、ガラス層間でクラックや剥離等の不具合が生じることを高度に防止することができる。したがって、本願発明の効果を更に高いレベルで発揮することができる。
好適な一態様では、全てのガラス層が、ホウ素(B)成分及びナトリウム(Na)成分を含まない(不可避的な不純物として混入することは許容され得る)。これにより、一層安定して、優れた耐熱性や耐久性(長期高温耐久性)を実現することができる。
他の好適な一態様では、全てのガラス層が、ヒ素(As)成分及び鉛(Pb)成分を含まない(不可避的な不純物として混入することは許容され得る)。これにより、作業性や安全性が向上し、さらには環境負荷を低減することができる。
図1は、ここに開示される接合材(積層ガラス)の好適な一態様を模式的に示す断面図である。図1に示す態様において、接合材10は、熱膨張係数の異なる3つのガラス層、すなわちX層(熱膨張係数小ガラス層)12、Y層14、及びZ層(熱膨張係数大ガラス層)16から構成される3層構造である。接合材10の熱膨張係数は、ガラス層の積層方向で、第一の面10aから第二の面10bに向かって段階的に増大している。換言すれば、3つのガラス層の熱膨張係数(ppm/K)は、X層12<Y層14<Z層16、の関係にある。そして、X層12とY層14の間の熱膨張係数の差(すなわち、(Y層14の熱膨張係数)−(X層12の熱膨張係数))、及び、Y層14とZ層16の間の熱膨張係数の差(すなわち、(Z層16の熱膨張係数)−(Y層14の熱膨張係数))が、いずれも0ppm/Kよりも大きく2ppm/K以下である。
各ガラス層において、積層方向に直交する方向(換言すれば、接合材10の第一の面10aから第二の面10bに向かう垂直方向)の長さ(厚み)は同じであってもよく、異なっていてもよい。図1に示す態様では、3層(X層12、Y層14、Z層16)の厚みが概ね同等である。
また、各ガラス層の具体的な厚みも特に限定されないが、典型的には数μm〜1cm、例えば1μm〜2mm程度であるとよい。厚みを所定値以上とすることで、高温耐久性や信頼性に一層優れた接合部を実現することができる。また、厚みを所定値以下とすることで、ハンドリング性を向上することができる。
なお、図1に示す接合材10は3層のガラス層から構成されているが、これに限定されず、例えば被接合部材間の熱膨張係数の差等に応じて、積層する層の数を任意に決定することができる。
このような接合材(積層ガラス)は、例えば以下のように作製することができる。
すなわち先ず、各ガラス層の構成成分を含有する酸化物、炭酸塩、硝酸塩、複合酸化物等を含む工業製品、試薬、または各種の鉱物原料を用意し、所望の組成となるよう混合する。原料粉末の調製は、例えばボールミル等の混合機に上記原料を投入して、混合することによって行うことができる。次に、得られたガラス原料粉末を高温(典型的には1200〜1500℃)条件下で加熱・溶融して、冷却または急冷することでガラス化させる。好適な一態様では、次に、得られたガラスを適度に粉砕し、分級して、所定の平均粒径(典型的には0.1〜50μm程度、例えば0.2〜1μm程度。)のガラスカレットまたはガラスパウダーの形態に調製する。次に、得られたガラス(粉砕後のガラスカレットまたはガラスパウダー)を圧縮成形した後、再度、高温条件下(典型的には800〜1200℃)で熱処理する。これを上記と同様に粉砕、分級、圧縮成形して、ペレット状または板状に加工する。このようにして1つのガラス層を作製する。
上記の一連の作業を繰り返して、少なくとも3つのガラス層を作製する。そして、得られたガラス層の熱膨張係数を測定して、熱膨張係数の順に積層する。この積層体を、例えば50〜150MPa程度の圧力でプレス処理して一体化させ、焼成する。これにより、ここに開示される接合材(積層ガラス)を得ることができる。
ここに開示される接合材(積層ガラス)は、従来知られている接合材とは異なり、ガラス層の積層方向において、一方の端部のガラス層(積層ガラスの一の端面)から他方の端部のガラス層(積層ガラスの他の一の端面)に向かって、段階的に熱膨張係数が高くなっている。このような性質を利用して、熱膨張係数の大きく異なる部材間の接合、例えばセラミック部材と金属部材との接合に好適に用いることができる。
換言すれば、本発明により、熱膨張係数の異なる2つ以上の部材と、当該部材間を接合する接合部とを備える接合体が提供される。一好適例では、セラミック部材と、金属部材と、両部材間を接合する接合部と、を備える接合体が提供される。この接合体では、上記セラミック部材と、上記接合材を構成する上記一方の端部のガラス層の熱膨張係数の差が2ppm/K以下(典型的には1.5ppm/K以下、例えば1.2ppm/K以下)である。また、上記金属部材と、上記接合材を構成する上記他方の端部のガラス層の熱膨張係数の差は2ppm/K以下(例えば1〜2ppm/K)である。
被接合部材の形状は特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、板状、円柱状、円筒状、棒状、直方体状、階段状等の形状を考慮し得る。接合部の形状も特に限定されず、被接合部材の形状等に応じて適宜決定することができる。
セラミック部材(被接合部材)の好適例としては、アルミナ、ステアタイト、フォルステライト、チタニア、イットリア、クロミア、ジルコニア、部分安定化ジルコニア等のセラミック材料からなる部材が挙げられる。これらはいずれか1種のセラミック材料の単体であっても良いし、上記に例示した2種以上のセラミック材料が複合化されたセラミック複合材料(例えば、アルミナジルコニア、ムライト等)であっても良い。なかでも、ファインセラミック材料が好ましい。例えば、機械的、熱的、電気的、磁気的、化学的に様々な優れた特性を有するアルミナが好ましい。アルミナの純度は概ね95%以上、好ましくは96〜100%であるとよい。
これらセラミック部材の熱膨張係数は、おおよその目安として、7ppm/K以上8ppm/K以下、例えば7.1ppm/K以上7.7ppm/K以下であり得る。
金属部材(被接合部材)の好適例としては、ステンレス鋼、アルミニウム、クロム、鉄、ニッケル、銅、銀、マンガン、及びこれらの合金等の金属材料からなる部材が挙げられる。具体的には、フェライト系やオーステナイト系のステンレス鋼、純アルミニウム、アルミニウム合金(ジュラルミン、アルミニウム青銅等)、銀、銀合金(洋銀等)、銅、銅合金(リン青銅等)等であり得る。
好適な一態様では、金属部材が、その表面に酸化被膜(例えば酸化クロム被膜やアルミナ被膜)を備える。これにより、加熱焼成時に、ガラスマトリックス中のアルカリ金属元素(例えばLiやK)と、金属部材の酸化被膜との間で元素の交換が生じて、化学的に強固な結合が実現される。したがって、接合材と金属部材の間の接合性や気密性を高めることができる。酸化被膜を備えた金属部材の具体例としては、SUS403、SUS405、SUS410、SUS430、SUS430LX、SUS430J1L、SUS434、SUS436L、SUS443J1、SUS444、SUS409、SUS409L等の酸化クロムの酸化被膜を有するフェライト系ステンレス;NCA−1やアルマイト処理を施したステンレス等のアルミナ被膜を有するステンレス;が挙げられる。
これら金属部材の熱膨張係数は、おおよその目安として、10ppm/K以上13ppm/K以下、例えば10.4ppm/K以上12.5ppm/K以下であり得る。
図2は、ここに開示される接合体の好適な一態様を模式的に示す断面図である。図2に示す接合体20は、一の被接合部材(セラミック部材)22と、他の一の被接合部材(金属部材)26と、両部材間を接合する接合部24とを備える。また、図3は、ここに開示される接合体の好適な他の一態様を模式的に示す斜視図である。図3に示す接合体30は、一の被接合部材(セラミック部材)32と、他の一の被接合部材(金属部材)36と、両部材間を接合する接合部34とを備える。被接合部材22、26、32、36は、それぞれ上述したような材料からなる部材である。図2に示す被接合部材22、26はいずれも板状(板材)であり、これら板状の被接合部材が同じく板状の接合部24で接合され一体化されている。図3に示す一の被接合部材32は棒状(セラミック製の棒)であり、また他の一の被接合部材36は円筒状(金属製のパイプ)である。そして、これら被接合部材が円筒状の接合部24で接合され一体化されている。接合部24、34は、図1に示すような接合材(ガラス積層体)からなる。
このような接合体は、例えば以下の工程:セラミック部材と金属部材とを用意すること;上記セラミック部材と上記金属部材との接合部分に、上述の接合材を付与すること;上記付与した接合材を、当該接合材が上記接合部分から流出しない温度域で焼成すること;を包含する方法で作製し得る。
具体的には、先ず、被接合部材としてのセラミック部材と金属部材とを用意する。次に、これらの部材が相互に接触・接続するよう配置し、当該接続部位に上述の接合材を配置(付与)する。このとき、相対的に熱膨張係数の大きな被接合部材(例えば金属部材)を、接合材の熱膨張係数大ガラス層の側と接触させる。また、相対的に熱膨張係数の小さな被接合部材(例えばセラミック部材)を、接合材の熱膨張係数小ガラス層の側と接触させる。そして、これらの複合体を接合材(積層ガラス)の軟化点以上の温度域(典型的には600℃以上、例えば800〜1000℃、好ましくは800〜900℃)で焼成し、一体化させる。これにより、一度の焼成で、2つの被接合部材と両部材間をつなぐ気密性の高い接合部とを備える接合体を作製することができる。
なお、一般には熱膨張係数が異なるとガラスの軟化点が変化するため、複数回の焼成が必要となる。例えば、先ずセラミック部材と接合材の一の端面とを接合し、次に焼成温度を高めて金属部材と接合材の他の一の端面とを接合することが必要になり得る。しかしながら、本発明者の検討によれば、上述したように、予めガラスに対して高温での熱処理を施すことで、熱膨張係数の異なる被接合部材間を一度の焼成で一体化することが可能となる。このことは、生産性や作業性の向上、低コストの観点から好ましいといえる。
ここに開示される接合材によれば、高温耐熱性に優れた接合部を実現することができる。したがって、ここに開示される接合体は、高温環境に曝され得る用途で好適に使用することができる。さらに、ここに開示される接合体は、好ましくは化学的安定性や長期耐久性にも優れる。したがって、このような特徴を活かして、例えば、高温環境に長期間曝され得る用途や、化学的に過酷な環境(例えば、強酸、強アルカリの雰囲気)に曝され得る用途でも安定的に使用することができる。特には、従来の樹脂系接着剤を適用することができなかった300℃以上の(例えば300〜750℃の)環境下で使用される用途において好適に用いることができる。具体的には、セラミックヒーター等の家電製品、半導体装置や液晶パネル、蓄電素子や太陽電池等の各種発電システム、及びそれらを製造するための製造装置、ゴミ焼却装置や下水処理装置、排ガス除去装置等の環境装置、車両用の排ガス処理装置、エンジン燃焼試験装置、真空系給排気機器、医療機器等の構成部材として好適に用いることができる。
以下、本発明に関する幾つかの試験例を説明するが、本発明をかかる試験例に示すものに限定することを意図したものではない。
〔ガラス粉末の作製〕
先ず、表1のa〜yに示す組成比(モル比)になるよう原料を混合し、1400〜1450℃で1時間溶融してから急冷することで、ガラス化させた。これをスタンプミルで10gあたり15分間粉砕し、355μmの目開きの篩で分級して、原料ガラス粉末を得た。次に、ガラスの結晶を成長させる目的と、高温耐久性を付与する目的で、得られた原料ガラス粉末をΦ27mm×厚さ10mm程度の円盤状に成型し、1000℃で凡そ0.5時間の熱処理を行った。これを再度スタンプミルで粉砕、分級して、ガラス粉末a〜abを得た。なお、このときの粉砕、分級の条件は上記と同じくした。
また、表1のaa、abとして市販のガラス粉末(2種類)を用意した。なお、ガラス粉末aaは、旭硝子社製の「ASF1560ガラス」、ガラス粉末abは日本電気硝子社製の「BF−0606/200」である。
そして、上記作製または用意したガラス粉末a〜abについて、以下の材料評価試験を行った。
〔熱膨張係数の評価〕
上記ガラス粉末を、プレス成形で50mm×7mm×7mmの棒状に成形し、成形体の角が丸くならない程度の温度で仮焼した。仮焼後、ダイヤモンドカッターでΦ5mm×厚さ20mm程度の円柱状に切り出して、測定用の試験片とした。この試験片を、熱機械分析装置(株式会社リガク製、TMA8310)で評価した。このとき、ガラス粉末a〜aaについては、室温(25℃)から500℃まで10℃/分の一定速度で昇温したときの30℃から500℃の間の平均線膨張量を算出した。ガラス粉末abは低融点ガラスであるため、室温(25℃)から300℃まで10℃/分の一定速度で昇温したときの30℃から300℃の間の平均線膨張量を算出した。結果を表1に示す。
〔結晶相の評価〕
上記ガラス粉末について粉末X線回折(XRD)を行い、各ガラスマトリックス中の析出結晶種を同定した。結果を表1に示す。なお、表1中に「−」とあるのは、結晶が確認されなかったことを示している。
〔ガラス粘度の評価〕
ASTM C 338−93に準じて、平行平板粘度計を用いて上記ガラス粉末の各温度における粘度を評価した。具体的には、先ず、直径凡そ6〜8mm、厚さ凡そ3〜5mmの円盤状の測定試料(ガラス)を用意した。次に、断熱の良い炉内で、この測定試料を水平な平行平板の間に挟み、当該測定試料に対して鉛直方向から荷重を負荷した。このときに負荷した荷重と、測定試料の寸法、熱膨張係数および厚み減少速度から、ガラス粘度を算出した。
評価温度750℃におけるガラス粘度を表1に示す。また、一例として、ガラスjとガラスqの粘度曲線を図4に示す。
Figure 2016216300
〔接合性評価〕
上記ガラス粉末a〜aaを、それぞれバインダとしてのメチルセルロースと共に造粒し、550℃で脱脂した後、ガラス光沢が出始める程度の温度まで真空焼成を行った。これをΦ11mm×厚さ2mmの円盤状に加工し、評価用試料とした。ガラス粉末abは低融点ガラスであるため、プレス成形にてΦ15mm×厚さ5mmの円盤状の成形体を作製し、500℃程度で真空焼成を行った。これをΦ11mm×厚さ2mmの円盤状に加工し、評価用試料とした。
次に、ガラスa〜abのなかから選択したものを表2〜5に示す順序で積層した。これを大気中において各種温度で10分間〜2時間焼成して一体化させ、3層(図1参照)または5層構造の積層ガラスを得た。
これらの積層ガラスを、下記に示す被接合部材(金属及びセラミックス)間に配置し、酸化雰囲気において各種温度で10分間〜2時間焼成し、被接合部材間の接合(接合体の形成)を試みた。また、別途積層ガラスのみを焼成し、接合材としての評価を行った。
なお、試験に使用した金属部材及びセラミック部材の性状は以下の通りである。
(例1〜27,例30〜54)
・セラミック部材−アルミナ板;
熱膨張係数 7.1×10−6/K(30〜500℃)
純度99.5%、サイズ25mm×25mm×厚さ0.5mm
・金属部材−酸化クロム被膜を備えるフェライト系ステンレス鋼(SUS430)板;
熱膨張係数 11.1×10−6/K(30〜500℃)
サイズ25mm×25mm×厚さ2mm
(例60〜84,例90〜114)
・セラミック部材−アルミナ板(性状は上記と同様。)
・金属部材−アルミナ被膜ステンレス;
日新製鋼社製の「NCA−1」(耐高温酸化用フェライト系ステンレス鋼)を1200℃で10分間熱処理して、表面にアルミナ被膜を析出させたもの。
熱膨張係数 12×10−6/K(30〜500℃)
サイズ25mm×25mm×厚さ2mm
上記焼成後、得られた積層体を反転して落下するかしないかを確認し、接合材についてはガラス層の一体化がなされているかを、接合体については被接合部材間の機械的な接合(接合体の形成)がなされているかを評価した。そして、機械的な接合(接合材あるいは接合体となっていること)が確認できたものについては、さらに気密な接合が実現されているかを確認した。具体的には、染色液による浸透探傷試験を行い、接合材についてはガラス層間のクラックの有無を評価した。また、接合体については、被接合材と接合材の接合部分及び接合材(ガラス層間)のクラックの有無を評価した。
結果を表2〜5の「接合性」及び「クラックの有無」の欄に示す。なお、表2〜5の「接合性」において、「○」は両者が機械的に接合されたことを、「×」は接合不良(剥離)が認められたことを表している。また、「クラックの有無」において、「○」はクラックが確認されなかったことを、「×」はクラックが認められたことを表している。さらに、良好な接合性が確認できた接合体については、被接合部材間を接合可能な焼成温度の最低値と最高値を表2〜5に示している。
〔耐熱性評価〕
接合性が確認でき、かつクラックが認められなかった例(接合体)については、さらに耐熱性評価を行った。具体的には、接合体を大気中において各種温度で100時間熱処理した後、上記と同様に接合性とクラックの有無を確認した。そして、100時間の熱処理後も接合性が確認でき、かつクラックが認められなかったときの熱処理温度の最高値を「耐熱温度」とした。結果を表2〜5に示す。
Figure 2016216300
Figure 2016216300
Figure 2016216300
Figure 2016216300
表2,4に示すように、例1〜12,例60〜69、及び、例30〜40,例90〜100の接合体に用いた接合材では、当該接合材を構成するガラス層間に剥離やクラック等が認められず、積層ガラスとして良好に一体化がなされていた。
一方、表2〜4に示すように、隣接するガラス層間の熱膨張係数の差が2ppm/Kを超える接合材、ガラス粘度が7.2Pa・s未満のガラス層を含む接合材(すなわち、例13〜27,例70〜84、及び、例41〜54,例101〜114の接合体に用いた接合材)では、ガラス層間に剥離やクラック等の不具合が確認された。この理由としては、(1)隣接するガラス層間の熱膨張係数の差が大きいために熱膨張の整合がとれなくなったことや、(2)ガラス粘度が低すぎたために、接合時(加熱時)に隣接するガラス層同士が馴染みすぎて積層構造を維持し難かったこと、等が考えられる。
また、例1〜10,例60〜67、及び、例30〜38,例90〜98の接合体では、850℃の1回焼成で被接合部材間が良好に(クラック無く)接合され、さらに750℃での高温耐久性が実現されていた。一方で、ガラス層の熱膨張係数が均質な接合体や、端部のガラス層と被接合部材との熱膨張係数の差が2ppm/Kを超える接合体では、被接合部材と接合材との間に剥離やクラック等の不具合が確認された。
上述の通り、ここに開示される接合材によれば、熱膨張係数の異なる被接合部材間に、気密性の高い接合部を形成することができる。また、ガラス層の積層方向で熱膨張係数を段階的に増大させ、かつ最表面(端部)に位置するガラス層と被接合部材との熱膨張係数の差を2ppm/K以下とすることで、熱膨張の差に起因する残留応力を緩和して強固に一体化された接合体を実現することができる。この接合体は、例えば300℃以上750℃以下の高温環境においてもその一体化された形状を良好に維持することができる。これらの結果は、本発明の技術的意義を示すものである。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
10 接合材(積層ガラス)
10a 第一の面(セラミック部材側の面)
10b 第二の面(金属部材側の面)
12 X層(熱膨張係数小ガラス層)
14 Y層
16 Z層(熱膨張係数大ガラス層)
20、30 接合体
22、32 被接合部材(セラミック部材)
24、34 接合部(接合材)
26、36 被接合部材(金属部材)

Claims (9)

  1. 熱膨張係数の異なる部材間の接合に用いられる接合材であって、
    3層以上のガラス層を積層して構成され、
    ガラス層の積層方向では、一方の端部のガラス層から他方の端部のガラス層に向かって熱膨張係数が段階的に増大し、かつ、隣り合うガラス層間の熱膨張係数の差はいずれも2ppm/K以下であり、
    前記3層以上のガラス層のガラス粘度(測定温度750℃)はいずれも7.2Pa・s以上である、接合材。
  2. 前記3層以上のガラス層がいずれもリューサイト結晶を含む、請求項1に記載の接合材。
  3. 前記3層以上のガラス層がいずれも酸化物換算のモル比で以下の成分:
    LiO 1〜3mol%、
    O 5〜20mol%、
    SiO 60〜90mol%、
    Al 2〜8mol%、
    MgO、CaO及びSrOのうちの少なくとも1種 1〜8mol%、
    ZnO 0〜10mol%、
    を含む、請求項1に記載の接合材。
  4. 前記一方の端部のガラス層がZnOを含む、請求項3に記載の接合材。
  5. 前記一方の端部のガラス層の熱膨張係数が7ppm/K以上9.3ppm/K以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の接合材。
  6. 前記他方の端部のガラス層の熱膨張係数が9.5ppm/K以上14ppm/K以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の接合材。
  7. 前記熱膨張係数の異なる部材間を800℃以上1000℃以下で接合することができる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の接合材。
  8. セラミック部材と、金属部材と、両部材間を接合する接合部と、を備え、
    前記接合部は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の接合材で構成され、
    前記セラミック部材と、前記接合材を構成する前記一方の端部のガラス層と、の熱膨張係数の差は2ppm/K以下であり、
    前記金属部材と、前記接合材を構成する前記他方の端部のガラス層と、の熱膨張係数の差は2ppm/K以下である、接合体。
  9. 前記セラミック部材は、熱膨張係数が7ppm/K以上8ppm/K以下のセラミック材料によって構成されており、
    前記金属部材は、熱膨張係数が10ppm/K以上13ppm/K以下の金属材料によって構成されている、請求項8に記載の接合体。
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