[第1実施例]
図1はこの発明の情報処理システム10の構成の一例を示す図である。この図1を参照して、この発明の第1実施例である情報処理システム10は、MFP(Multifunction Peripheral)12、POS(Point of sales)端末14、サーバ16、コインベンダー18および複数のハンディターミナル200を含む。MFP12、POS端末14、サーバ16および複数のハンディターミナル200は、それぞれ、インターネットのようなネットワーク20を介して通信可能に接続される。
MFP12は、複写機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能などを備える画像形成装置である。たとえば、MFP12は、スーパーマーケットまたはコンビニエンスストアなどの店舗に配置され、主として、ユーザはMFP12でコピーまたは/およびプリントを行なう。したがって、この発明はMFP12だけでなく、複写機(コピー機)、印刷装置(プリンタ)およびファクシミリのような他の画像形成装置に適用可能である。
MFP12は、画像読取部および画像形成部を備える。画像読取部は、光源、複数のミラー、結像レンズおよびラインセンサ等を備える。この画像読取部は、原稿表面を光源によって露光し、原稿表面から反射した反射光を複数のミラーによって結像レンズに導く。そして、結像レンズによって反射光をラインセンサの受光素子に結像させる。ラインセンサでは、受光素子に結像した反射光の輝度や色度が検出され、原稿表面の画像に基づく読取画像データが生成される。
また、画像形成部は、汎用のレーザプリンタであり、感光体、帯電器、露光装置、現像装置、転写装置、定着装置などを備え、画像処理回路で処理された画像データ(印刷用画像データ)に対応する画像を記録紙(用紙)などに印刷する。簡単に説明すると、レーザプリンタでは、帯電された感光体ドラムに静電潜像が形成され、この静電潜像にトナーが現像される。つまり、トナー像が形成される。そして、感光体ドラムに形成されたトナー像が転写ローラによって用紙に転写され、転写されたトナー像が溶融および圧接されることにより、用紙に定着される。したがって、画像データに対応する画像が紙面に印刷される。ただし、カラーで印刷する場合には、黒、マゼンタ、シアン、イエローの各色について設けられた感光体ドラムに、各色についての静電潜像が形成され、各色のトナー像が形成され、各色のトナー像が中間転写ローラに一次転写され、その後、用紙に転写(二次転写)される。ただし、上記の画像データとしては、画像読取部で原稿を読み取った画像データ(読取画像データ)、外部コンピュータから送信された(読み込んだ)画像データまたはMFP12に装着された外部メモリから読み込んだ画像データ等が用いられる。
POS端末14は、店舗に設置され、ユーザが購入する商品の精算等を行うものである。また、図示は省略するが、POS端末14は、通信モジュール、キーボード、ディスプレイ、レシートプリンタ、およびカードリーダなどを備え、主として会計場所等に設置され、当該店舗におけるレジ係等の店員によって操作される。
サーバ16は、汎用のサーバであり、CPU、RAMおよび通信モジュールなどのコンポーネントを備えている。このサーバ16は、POS端末14およびハンディターミナル200とネットワーク20を介して通信可能に接続される。たとえば、ユーザはサーバ16に、画像データを予め登録しておき、MFP12で所定の操作を行うことにより、登録された画像データを読み込んで、プリントすることができる。
コインベンダー18は、MFP12と有線または無線で通信可能に接続される課金装置であり、MFP12を用いて、コピーまたはプリント或いはファクシミリ送信を行うことに応じて費用を決済する。このコインベンダー18には、硬貨投入口、硬貨返却口および釣銭返却ボタンなどが設けられる。たとえば、ユーザがコインベンダー18に硬貨投入口から硬貨を投入すると、残高がコインベンダー18の表示部に表示されるとともにMFP12に通知される。MFP12は、残高の通知を受信すると、コピーまたはプリント或いはファクシミリ送信可能な状態となり、ユーザの操作の受け付けを開始する。MFP12は、コピーまたはプリント或いはファクシミリ送信に応じた費用を残高から減算し、コインベンダー18に残高を通知する。これに応じて、コインベンダー18の表示部に表示された残高が更新される。また、釣銭返却ボタンが操作されると、残高の硬貨が硬貨返却口から返却される。
なお、コインベンダー18の電気的な構成、機能および用途は既に周知であり、また、この発明の本質的な内容では無いため、詳細な説明は省略することにする。
ハンディターミナル200は、通信モジュールおよびバーコードリーダなどを備え、店舗で店員が携帯し使用するものであり、商品の仕様情報の確認、価格情報の管理または在庫状況の管理等を行うものである。このハンディターミナル200は、サーバ16およびPOS端末14とネットワーク20を介して通信可能に接続される。
図2は図1に示すMFP12の電気的な構成を示すブロック図である。図2に示すように、MFP12はCPU32を含む。CPU32には、バス70を介して、RAM34、タッチパネル制御回路36、描画制御回路38、操作部検出回路44、人検出センサ48、原稿読取部50、記録媒体読取部52、忘れ物検出センサ54、および無線通信回路56が接続される。また、タッチパネル制御回路36にはタッチパネル40が接続され、描画制御回路38には本体ディスプレイ42が接続され、操作部検出回路44には操作部46が接続される。
CPU32は、MFP12の全体的な制御を司る。RAM34は、CPU32のワーク領域およびバッファ領域として用いられる。無線通信回路56は、他のコンピュータまたはアクセスポイントとの間で無線通信を行う機能を有する。したがって、MFP12は、サーバ16、POS端末14または他のMFP12と直接またはネットワーク20を介して通信することができる。ただし、有線で通信可能に接続されるようにしてもよい。
タッチパネル制御回路36は、タッチパネル40に必要な電圧などを付与するとともに、タッチパネル40のタッチ有効範囲内でのタッチ操作(タッチ入力)を検出して、そのタッチ入力の位置を示すタッチ座標データをCPU32に出力する。
タッチパネル40は、汎用のタッチパネルであり、静電容量方式、電磁誘導方式、抵抗膜方式、赤外線方式など、任意の方式のものを用いることができる。この第1実施例では、タッチパネル40としては、静電容量方式のタッチパネルが本体ディスプレイ42の表示面上に設けられる。
描画制御回路38は、GPUおよびVRAMなどを含んでおり、CPU32の指示の下、GPUは、RAM34に記憶された画像生成データを用いて本体ディスプレイ42に種々の画面を表示するための表示画像データをVRAMに生成し、生成した表示画像データを本体ディスプレイ42に出力する。本体ディスプレイ42としては、たとえばLCDまたはEL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどを用いることができる。
操作部検出回路44は、操作部46の操作に応じた操作信号ないし操作データをCPU32に出力する。操作部46は、複数の操作ボタンないし操作キーを含み、具体的には、各種のモード(コピー、プリンタ、ファクシミリ)を選択するための選択キー、印刷部数を設定したり電話番号を入力したりするための数字キー(テンキー)、♯キー、※キーが含まれるとともに、印刷またはファクシミリの送信を開始させたり停止させたりするための開始キー(スタートキー)および停止キー(キャンセルキー)が含まれる。
なお、この第1実施例では、MFP12の入力手段の一例として、タッチパネル40および操作部46が設けられる場合について説明するが、他の入力手段として、マイクがさらに設けられてもよい。
人検出センサ48は、MFP12の前方の所定の範囲(後述する第1範囲A)に存在する人(ユーザ)を検出するための距離センサであり、たとえば、赤外線センサ、超音波センサおよびレーザ距離センサ等が用いられる。この第1実施例では、CPU32は、人検出センサ48によって検出される距離データが示す距離が所定距離以内である場合に、MFP12の前に人が存在することを検出する。ただし、人検出センサ48としては、カメラ(イメージセンサ)を用いることもできる。この場合には、MFP12の前方の所定の範囲(図3に示す第1範囲Aを含む範囲)をカメラで撮影し、撮影画像から人の有無を検出することができる。また、人検出センサ48としては、床センサ(圧力センサ)を用いることもできる。この場合には、MFP12の前方の所定の範囲に床センサを設けておき、床センサの出力に基づいて人の有無を検出することができる。
図3はMFP12の前方の第1範囲Aに人が存在する場合を示す図解図である。図4はMFP12の前方の第1範囲Aに人が存在しない場合を示す図解図である。
たとえば、第1範囲Aは、MFP12を操作するユーザが存在すると考えられる範囲であり、半径が第1距離L1の半円で定義される。ただし、第1距離L1は、MFP12の前面の中央からの距離である。また、第1範囲Aの大きさおよび形状は、MFP12が適用される場所および利用状況などに応じて適宜変更可能である。詳細な説明は省略するが、この第1範囲A内に存在する人(ユーザ)を検出可能な位置および個数の距離センサが人検出センサ48として設けられる。ただし、人検出センサ48の検出可能範囲は、第1範囲Aを含んでいればよく、第1範囲Aと一致する必要はない。
図3に示すように第1範囲Aに人が存在する場合には、人検出センサ48は、図4に示すように第1範囲Aに人が存在しない場合(第1距離L1より)も短い距離の距離データをCPU32に出力する。CPU32は、第1距離L1よりも短い距離の距離データを取得した場合に、第1範囲Aに人が存在すると判断する。
また、CPU32は、第1範囲Aに人が存在すると判断し、MFP12が操作された場合には、当該人がMFP12を利用するユーザであると判断する。一方、CPU32は、第1範囲Aに人が存在すると判断しても、MFP12が操作されない場合には、当該人は単にMFP12の前に存在する人、または、単にMFP12の前を通り過ぎる人であると判断する。
ただし、この第1実施例では、MFP12が操作された場合とは、タッチパネル40または操作部46が操作された場合のみならず、原稿台カバーが開閉された場合、原稿が原稿載置台に載せられた場合、およびコインベンダー18に硬貨が投入された場合も含む。
なお、原稿載置台は、原稿読取部に設けられる透明のガラスである。また、MFP12が、自動原稿送り装置(ADF)を備える場合には、MFP12が操作された場合には、原稿を1枚ずつ自動的に給紙するための原稿載置トレイに原稿が載せられた場合も含まれる。
図2に戻って、原稿読取部50は、図示は省略するが、光源、複数のミラー、結像レンズおよびラインセンサ等を備える。この原稿読取部50は、原稿載置台の所定位置に載置された原稿の表面を光源によって露光し、原稿表面から反射した反射光を複数のミラーによって結像レンズに導く。そして、結像レンズによって反射光をラインセンサの受光素子に結像させる。ラインセンサでは、受光素子に結像した反射光の輝度または色度が検出され、原稿表面の画像に基づく読取画像データが生成される。ラインセンサとしては、CCD(Charge Coupled Device)またはCIS(Contact Image Sensor)等が用いられる。また、図示は省略するが、上記の原稿台カバーは、原稿読取部50の原稿載置台を覆うように設けられ、ヒンジを用いて開閉可能にMFP12の本体に連結される。
記録媒体読取部52は、図示は省略するが、各種の記録媒体(SDカード、USBメモリまたはHDDドライブなど)を装着可能な接続部(コネクタまたはメモリスロットなど)に接続される。この記録媒体読取部52は、接続部に装着された記録媒体から画像データを読み出し、RAM34に記憶する。ただし、画像データは、写真または文書についてのデータである。
忘れ物検出センサ54は、MFP12に原稿、印刷物、記録媒体または釣銭などの物が有るかどうかを検出する。この忘れ物検出センサ54は、原稿検出センサ、印刷物検出センサ、記録媒体検出センサおよび釣銭検出センサを含む。
たとえば、原稿検出センサとしては、原稿台カバーの開閉状態を検出するセンサ(開閉検出センサ)であり、透過型の光学センサと原稿台カバーの開閉に応じて上下に移動されるアクチュエータで構成される。原稿台カバーが開の状態では、アクチュエータは上方に移動され、したがって、光学センサでは発光部から出力される光が受光部で受光される。一方、原稿台カバーが閉の状態では、当該原稿台カバーによってアクチュエータは下方に押下げられ、したがって、光学センサでは発光部から出力される光がアクチュエータで遮られ、受光部にその光が入射されない。
したがって、CPU32は、原稿検出センサの出力に基づいて、コピー後に原稿台カバーが開閉されたかどうかを判断し、原稿読取部50に原稿が載置されているかどうかを判断する。また、MFP12にADFが設けられている場合は、原稿が排出される原稿トレイに原稿検出センサとして機能するアクチュエータを用いた機械的なスイッチを設けられる。CPU32は、このスイッチのオン/オフに基づいて原稿トレイに原稿が有るかどうかを判断する。
また、印刷物検出センサとしては、印刷物が排出される排出トレイに、印刷物検出センサとして機能するアクチュエータを用いた機械的なスイッチが設けられる。CPU32は、このスイッチのオン/オフに基づいて排出トレイに印刷物が有るかどうかを判断する。
さらに、記録媒体検出センサとしては、CPU32が、記録媒体読取部52のメモリスロットに装着された記録媒体と直接通信できるか否かに基づいて、記録媒体読取部52の接続部に記録媒体が装着されているか否かを検出するセンサとして機能する。
さらにまた、釣銭検出センサとしては、釣銭返却口の奥の排出された釣銭が載置される皿を貫通するように、上下方向に光を照射する透過型の光学センサが設けられる。釣銭が取られていない(残っている)場合には、発光部から出力された光は釣銭で遮られる。一方、釣銭が取られた場合には、発光部から出力された光は受光部で受光される。したがって、CPU32は、釣銭検出センサの出力に基づいて釣銭が残っているかどうかを判断する。
これらの原稿検出センサ、印刷物検出センサおよび釣銭検出センサは一例であり、限定されるべきでない。他のセンサまたは他の方法で、原稿が原稿載置台または排出トレイにあること、印刷物が排出トレイにあること、釣銭が残っていることを検出するようにしてもよい。
たとえば、CPU32は、人検出センサ48で検出された距離データに基づいて第1範囲Aに人が存在することを判断した後に、人検出センサ48で検出された距離データに基づいて第1範囲Aに人が存在しないと判断し、かつ忘れ物検出センサ54の出力に基づいて、原稿、印刷物、記録媒体および釣銭の少なくとも1つが残っていると判断した場合には、忘れ物が有ると判断する。
なお、人検出センサ48で検出された距離データに基づいて第1範囲Aに人が存在することを判断するのは、MFP12を用いて、コピーまたはプリント或いはファクシミリ送信が行われた後に、忘れ物が有るかどうかを判断するためである。
ただし、CPU32は、人検出センサ48で検出された距離データに基づいて第1範囲Aに人が存在することを判断した後に、忘れ物検出センサ54の出力に基づいて、原稿、印刷物、記録媒体および釣銭の少なくとも1つが残っていると判断した場合であっても、人検出センサ48によって検出された距離データに基づいて、第1範囲Aに人が存在すると判断する場合には、忘れ物が無いと判断する。また、CPU32は、人検出センサ48で検出された距離データに基づいて第1範囲Aに人が存在することを判断した後に、人検出センサ48で検出された距離データに基づいて第1範囲Aに人が存在しないと判断し、かつ忘れ物検出センサ54の出力に基づいて、原稿、印刷物、記録媒体および釣銭のいずれも残っていないと判断した場合には、忘れ物が無いと判断する。
なお、図2に示すMFP12の電気的な構成は単なる一例であり、これに限定される必要はない。
図5は図1に示すPOS端末14の電気的な構成を示すブロック図である。図5に示すように、第1実施例のPOS端末14はCPU112を含む。CPU112には、バス140を介してRAM114、タッチパネル制御回路116、描画制御回路118、操作部検出回路124および無線通信回路128が接続される。また、タッチパネル制御回路116にはタッチパネル120が接続され、描画制御回路118にはディスプレイ122が接続され、操作部検出回路124には操作部126が接続される。
CPU112は、POS端末14の全体的な制御を司る。RAM114は、CPU112のワーク領域およびバッファ領域として用いられる。無線通信回路128は、他のコンピュータまたはアクセスポイントと無線通信を行う機能を有する。したがって、POS端末14は、MFP12およびサーバ16と直接またはネットワーク20を介して通信することができる。
タッチパネル制御回路116は、タッチパネル120に必要な電圧などを付与するとともに、タッチパネル120のタッチ有効範囲内でのタッチ操作(タッチ入力)を検出して、そのタッチ入力の位置を示すタッチ座標データをCPU112に出力する。
描画制御回路118は、GPUおよびVRAMなどを含んでおり、CPU112の指示の下、GPUは、RAM114に記憶された画像生成データを用いてディスプレイ122に種々の画面を表示するための表示画像データをVRAMに生成し、生成した表示画像データをディスプレイ122に出力する。
操作部検出回路124は、操作部126において、いずれの操作が選択されたかを検出するためのものであって、操作部126での操作を検出して、CPU112に出力する。また、操作部126は、複数の操作ボタンを含む。
なお、図5に示すPOS端末14の電気的な構成は単なる一例であり、これに限定される必要はない。
図6は図1に示すハンディターミナル200の電気的な構成を示すブロック図である。図6に示すように、第1実施例のハンディターミナル200はCPU212を含む。CPU212には、バス240を介してRAM214、タッチパネル制御回路216、描画制御回路218、操作部検出回路224および無線通信回路228が接続される。また、タッチパネル制御回路216にはタッチパネル220が接続され、描画制御回路218にはディスプレイ222が接続され、操作部検出回路224には操作部226が接続される。
CPU212は、ハンディターミナル200の全体的な制御を司る。RAM214は、CPU212のワーク領域およびバッファ領域として用いられる。無線通信回路228は、他のコンピュータまたはアクセスポイントと無線通信を行う機能を有する。したがって、ハンディターミナル200は、MFP12、POS端末14およびサーバ16と直接またはネットワーク20を介して通信することができる。
タッチパネル制御回路216は、タッチパネル220に必要な電圧などを付与するとともに、タッチパネル220のタッチ有効範囲内でのタッチ操作(タッチ入力)を検出して、そのタッチ入力の位置を示すタッチ座標データをCPU212に出力する。
描画制御回路218は、GPUおよびVRAMなどを含んでおり、CPU212の指示の下、GPUは、RAM214に記憶された画像生成データを用いてディスプレイ222に種々の画面を表示するための表示画像データをVRAMに生成し、生成した表示画像データをディスプレイ222に出力する。
操作部検出回路224は、操作部226において、いずれの操作が選択されたかを検出するためのものであって、操作部226での操作を検出して、CPU212に出力する。また、操作部226は、複数の操作ボタンを含む。
なお、図6に示すハンディターミナル200の電気的な構成は単なる一例であり、これに限定される必要はない。
このような構成の情報処理システム10は、コンビニエンスストア、電気量販店またはスーパーマーケットなどの店舗に適用され、店舗に配置されるMFP12を用いて、ユーザがコピーまたはプリント或いはファクシミリ送信を行うサービスを提供することができる。
このようなサービスでは、たとえば、ユーザがMFP12でコピーまたはプリントを行なった場合には、コピーまたはプリントの終了後に、原稿、印刷物、記録媒体および釣銭を取らなければならない場合があり、これらを取り忘れることがある。つまり、忘れ物をすることがある。また、ユーザがファイクシミリ送信を行った場合にも、ファクシミリ送信後に、原稿または/および釣銭を取り忘れることがある。
ここで、忘れ物検出センサ54の出力に基づいて忘れ物が有ることが検出された場合に、ユーザが事前に認証情報を入力してMFP12にログインし、サーバ16に認証情報に対応して当該ユーザが所持する端末の連絡先が登録されている場合には、MFP12はサーバ16から当該連絡先を取得して、当該連絡先に忘れ物が有ることの情報を送信し、ユーザが所持する端末を用いて忘れ物が有ることの警告を通知することができる。
しかしながら、事前にユーザが自身の認証情報を入力していない場合または認証情報が入力されていてもユーザが所持する端末の連絡先が登録されていない場合には、忘れ物が有ることが検出された場合であっても、ユーザに忘れ物が有ることの警告を通知することができない。したがって、ユーザが忘れ物に気付かず、忘れ物を紛失してしまう可能性がある。
このような不都合を回避するために、この第1実施例では、忘れ物が有る場合に、MFP12は店側端末に忘れ物が有ることの情報を送信し、店側端末から店員に忘れ物が有ることの警告(説明の都合上、以下「第1警告」という。)を通知するようにしてある。ただし、この第1実施例では、店側端末は、POS端末14および複数のハンディターミナル200である。
図7はPOS端末14に表示される第1警告ウインドウ150の一例を示す図解図である。
上述したように、人検出センサ48および忘れ物検出センサ54の出力に基づいて忘れ物が有ることが判断された場合に、MFP12は、POS端末14および複数のハンディターミナル200に忘れ物情報を送信する。たとえば、忘れ物情報は、忘れ物が有ることと、MFP12およびコインベンダー18に残っている物(原稿、印刷物、記録媒体および釣銭の少なくとも1つ)の種類についての情報である。
POS端末14は、忘れ物情報を受信すると、図7に示すように、POS端末14のディスプレイ122に第1警告ウインドウ150を表示する。ただし、図示は省略するが、POS端末14のディスプレイ122には、商品の精算または在庫の確認などを行う機能が割り当てられた各種アイコンが表示された基本画面152が表示されている。この第1実施例では、第1警告ウインドウ150は、基本画面152の前面に表示される。
図示等は省略するが、ハンディターミナル200も同様に、忘れ物情報を受信すると、そのディスプレイ222に第1警告ウインドウ150を表示する。また、図示等は省略するが、第1警告ウインドウ150はMFP12の本体ディスプレイ42にも表示される。
図7に示す例では、忘れ物情報に含まれる種類の情報が原稿を示す場合の第1警告ウインドウが示され、この第1警告ウインドウ150には、“!!!警告!!!/店内の複合機に忘れ物<原稿>があります”の警告メッセージが表示される。したがって、店員に原稿の忘れ物が有ることの警告が通知される。ただし、忘れ物が、原稿以外の印刷物、記録媒体または釣銭である場合についても同様であり、複数種類の忘れ物が有る場合には、それらのすべてが通知される。また、この第1警告ウインドウ150は、当該第1警告ウインドウ150の表示領域がタッチされることによって閉じることができる。たとえば、店員が当該第1警告の通知を受け、忘れ物を回収(確保)したことに応じて、第1警告ウインドウ150の表示領域がタッチされると、当該第1警告ウインドウ150は非表示される。
なお、第1警告ウインドウ150の表示の態様はこれに限定されず、基本画面152に予めメッセージ表示領域が設けられている場合は、当該メッセージ表示領域に警告メッセージを表示するようにしても良い。また、第1警告ウインドウ150を閉じるための閉じるボタンが第1警告ウインドウ150または基本画面152の表示領域に表示されるようにしてもよい。
MFP12の上記のような動作は、MFP12のCPU32がRAM34に記憶されたMFP12用の制御プログラムを実行することによって実現される。ただし、MFP12用の制御プログラムは、忘れ物の検出および警告を通知するためのMFP12用の情報処理プログラムとコピーまたはプリント或いはファクシミリ送信を実行するための画像形成プログラムとを含む。具体的な処理については、後でフロー図を用いて説明する。
図8は図2に示したMFP12に内蔵されるRAM34のメモリマップ300の一例を示す図解図である。図8に示すように、RAM34は、プログラム記憶領域302およびデータ記憶領域304を含む。プログラム記憶領域302には、上述したように、制御プログラム(MFP12用の情報処理プログラムおよび画像形成プログラム)が記憶される。制御プログラムは、通信プログラム302a、操作検出プログラム302b、人検出プログラム302c、忘れ物検出プログラム302d、警告プログラム302e、印刷プログラム302fおよび表示プログラム302gなどで構成される。ただし、情報処理プログラムは、通信プログラム302a、操作検出プログラム302b、人検出プログラム302c、忘れ物検出プログラム302dおよび警告プログラム302eなどで構成される。
通信プログラム302aは、POS端末14、サーバ16および複数のハンディターミナル200と、直接またはネットワーク20を介して通信するためのプログラムである。ただし、通信プログラム302aは、電話回線を介して他のMFPまたはファクシミリと通信するためのプログラムでもある。
操作検出プログラム302bは、タッチパネル40がタッチされたことに応じてタッチパネル制御回路36から出力された座標データ(タッチ座標データ)を検出するとともに、操作部46に含まれる操作ボタンが操作されたことに応じて操作部検出回路44から入力される操作データを検出するためのプログラムでもある。
人検出プログラム302cは、人検出センサ48から出力された距離データを取得し、第1範囲Aに人が存在するかどうかを検出するためのプログラムである。
忘れ物検出プログラム302dは、コピーまたはプリント或いはファクシミリ送信を終了した後に、人検出プログラム302cの検出結果および忘れ物検出センサ54の出力に基づいて、忘れ物が有るかどうかを判断し、忘れ物が有る場合に、忘れ物情報についてのデータ(忘れ物情報データ304b)を作成し、データ記憶領域304に記憶するためのプログラムである。
警告プログラム302eは、忘れ物情報データ304bに従って、POS端末14および複数のハンディターミナル200に忘れ物情報を送信するためのプログラムである。このとき、通信プログラム302aが実行され、MFP12は、POS端末14および複数のハンディターミナル200と通信する。
印刷プログラム302fは、原稿読取部50によって原稿から読み取った画像データ、記録媒体読取部52によって記録媒体から読み取った画像データ、または外部から入力される画像データなどに応じて多色または単色の画像を記録媒体(用紙)に形成するためのプログラムである。
表示プログラム302gは、GPUを制御して、画像生成データ304aを用いて、第1警告ウインドウ150、各種の操作画面およびプレビューに対応する表示画像データを生成し、本体ディスプレイ42に出力するためのプログラムである。
なお、図示は省略するが、プログラム記憶領域302には、MFP12が備える各種の機能を選択および実行するためのプログラムなども記憶される。
RAM34のデータ記憶領域304には、画像生成データ304aおよび忘れ物情報データ304bなどが記憶される。
画像生成データ304aは、第1警告ウインドウ150、各種の操作画面およびプレビューに対応する表示画像データを生成するためのポリゴンデータまたはテクスチャデータなどのデータである。
忘れ物情報データ304bは、忘れ物情報についてのデータであり、上述たように、忘れ物情報は忘れ物が有ることおよび忘れ物の種類の情報である。この忘れ物情報データ304bは、MFP12、POS端末14またはハンディターミナル200において所定の操作が行われると、削除される。
なお、図示は省略するが、データ記憶領域304には、タッチパネル40または操作部46の操作に応じて入力されるタッチ座標データまたは操作データなど、制御プログラムの実行に必要な他のデータが記憶されたり、制御プログラムの実行に必要なタイマ(カウンタ)またはレジスタが設けられたりする。
図9は図1に示したPOS端末14に内蔵されるRAM114のメモリマップ400の一例を示す図解図である。図9に示すように、RAM114は、プログラム記憶領域402およびデータ記憶領域404を含む。RAM114のプログラム記憶領域402には、上述したように、POS端末14用の情報処理プログラムが記憶される。この情報処理プログラムは、通信プログラム402a、操作検出プログラム402b、表示プログラム402cおよび警告プログラム402dなどで構成される。ただし、操作検出プログラム402bについては、上述した操作検出プログラム302bと同様であるので詳細な説明は省略する。また、表示プログラム402cについては、上述した表示プログラム302gと同様であるので詳細な説明は省略する。
通信プログラム402aは、MFP12、サーバ16および複数のハンディターミナル200と、直接またはネットワーク20を介して通信するためのプログラムである。
警告プログラム402dは、MFP12から送信された忘れ物情報に従って、第1警告ウインドウ150をディスプレイ122に表示するためのプログラムである。
なお、図示は省略するが、プログラム記憶領域402には、POS端末14で実行可能な各種の機能を選択および実行するためのプログラムなども記憶される。
また、RAM114のデータ記憶領域404には、画像生成データ404aが記憶される。画像生成データ404aは、第1警告ウインドウ150および各種の操作画面に対応する表示画像データを生成するためのポリゴンデータまたはテクスチャデータなどのデータである。
なお、図示は省略するが、データ記憶領域404には、タッチパネル120をタッチしたことに応じて入力されるタッチ座標データまたは操作部126の操作ボタンが操作されたことに応じて入力される操作データなど、POS端末14用の情報処理プログラムの実行に必要な他のデータが記憶されたり、POS端末14用の情報処理プログラムの実行に必要なタイマ(カウンタ)またはレジスタが設けられたりする。
図10は図1に示したハンディターミナル200に内蔵されるRAM214のメモリマップ500の一例を示す図解図である。図10に示すように、RAM214は、プログラム記憶領域502およびデータ記憶領域504を含む。RAM214のプログラム記憶領域502には、上述したように、ハンディターミナル200用の情報処理プログラムが記憶される。この情報処理プログラムは、通信プログラム502a、操作検出プログラム502b、表示プログラム502cおよび警告プログラム502dなどで構成される。ただし、操作検出プログラム502bについては、上述した操作検出プログラム302bと同様であるので詳細な説明は省略する。また、表示プログラム502cについては、上述した表示プログラム302gと同様であるので詳細な説明は省略する。
通信プログラム502aは、MFP12、POS端末14およびサーバ16と、直接またはネットワーク20を介して通信するためのプログラムである。
警告プログラム502dは、MFP12から送信された忘れ物情報に従って、第1警告ウインドウ150をディスプレイ222に表示するためのプログラムである。
なお、図示は省略するが、プログラム記憶領域502には、ハンディターミナル200で実行可能な各種の機能を選択および実行するためのプログラムなども記憶される。
また、RAM214のデータ記憶領域504には、画像生成データ504aが記憶される。画像生成データ504aは、第1警告ウインドウ150および各種の操作画面に対応する表示画像データを生成するためのポリゴンデータまたはテクスチャデータなどのデータである。
なお、図示は省略するが、データ記憶領域504には、タッチパネル220または操作部226からの操作データなど、ハンディターミナル200用の情報処理プログラムの実行に必要な他のデータが記憶されたり、ハンディターミナル200用の情報処理プログラムの実行に必要なタイマ(カウンタ)またはレジスタが設けられたりする。
図11は図2に示すMFP12のCPU32の取忘れ処理の一例を示すフロー図である。この取忘れ処理は、MFP12およびコインベンダー18に忘れ物が有るかどうかを判断し、忘れ物が有る場合に、MFP12からPOS端末14および複数のハンディターミナル200に忘れ物情報を送信する処理である。
MFP12が起動されると、図11に示すように、MFP12のCPU32は、取忘れ処理を開始し、ステップS1で、人検出センサ48で検出した距離データを取得して、第1範囲Aに人(ユーザ)が存在するかどうかを判断する。ステップS1で“NO”であれば、つまり、第1範囲Aに人が存在しないと判断した場合は、そのまま同じステップS1に戻る。
一方、ステップS1で“YES”であれば、つまり、第1範囲Aに人が存在すると判断した場合は、ステップS3で、人検出センサ48で検出した距離データを取得して、第1範囲Aに人が存在しないかどうかを判断する。ここでは、CPU32は、一度第1範囲Aに存在した人が、第1範囲Aから出たかどうか、つまり、ユーザがMFP12の前から立ち去ったかどうかを判断する。
ステップS3で“NO”であれば、つまり、第1範囲Aに人が存在すると判断した場合は、ユーザがMFP12の近傍に存在すると判断し、そのまま同じステップS3に戻る。一方、ステップS3で“YES”であれば、つまり、第1範囲Aに人が存在しないと判断した場合は、ユーザがMFP12の前から立ち去ったと判断し、ステップS5に進む。
ステップS5では、MFP12に忘れ物が有るかどうかを判断する。忘れ物が有るかどうかの判断は上述したとおりである。ステップS5で“NO”であれば、つまり、MFP12に忘れ物が無い場合は、原稿の忘れ物は無いと判断し、ステップS1に戻る。一方、ステップS5で“YES”であれば、つまり、MFP12に忘れ物が有る場合は、ステップS7に進む。
ステップS7では、忘れ物が有ることおよび忘れ物の種類の情報についての忘れ物情報データ304bを作成する。続くステップS9では、第1警告ウインドウ150を本体ディスプレイ42に表示する。
続いて、ステップS11では、POS端末14に忘れ物情報を送信し、さらに、ステップS13で、ハンディターミナル200に忘れ物情報を送信して、ステップS1に戻る。ただし、CPU32は、ステップS11において、ステップS7で作成した忘れ物情報データ304bをPOS端末14に送信し、ステップS13において、ステップS7で作成した忘れ物情報データ304bをハンディターミナル200に送信する。
この第1実施例によれば、CPU32は、人検出センサ48および忘れ物検出センサ54の検出結果に基づいて、MFP12およびコインベンダー18に忘れ物が有るかどうかを判断し、忘れ物が有ると判断した場合に、警告プログラム302eに従って、POS端末14およびハンディターミナル200に忘れ物情報を送信するので、POS端末14またはハンディターミナル200を操作する店員に、MFP12およびコインベンダー18に忘れ物が有ることの警告を通知することができる。したがって、店舗などに設置されたMFP12およびコインベンダー18で、原稿、印刷物、記録媒体および釣銭についての忘れ物があった場合でも、店員が確保することにより、当該忘れ物の紛失を予防することができる。
また、第1実施例によれば、RAM34のデータ記憶領域304に忘れ物情報データ304bが記憶されている場合に忘れ物情報が店側端末に送信されるので、忘れ物情報データ304bを管理することによって、適切に店員に第1警告を通知することができる。
さらに、第1実施例によれば、POS端末14およびハンディターミナル200の両方に忘れ物情報を送信するようにしたが、いずれか一方に送信するようにしてもよい。
[第2実施例]
第2実施例の情報処理システム10は、MFP12が設けられる店舗内に存在するユーザが所持する端末(ユーザ端末)にも忘れ物情報を送信するようにした以外は第1実施例と同じであるため、第1実施例と異なる内容について説明し、重複した説明については省略することにする。
図12は第2実施例の情報処理システム10の構成の一例を示す図解図である。図12に示すように、第2実施例の情報処理システム10は、複数のユーザ端末600をさらに含む。
ユーザ端末600の典型的な例としては、スマートフォンまたはフューチャーフォンであり、通話機能、電子メール機能、ブラウザ機能などの様々な機能を備える。スマートフォンまたはフューチャーフォンの電気的な構成、機能および用途は既に周知であり、また、この発明の本質的な内容では無いため、詳細な説明は省略することにする。
また、第2実施例の情報処理システム10では、MFP12、POS端末14、サーバ16、複数のハンディターミナル200および複数のユーザ端末600は、それぞれ、インターネットのようなネットワーク20を介して通信可能に接続される。たとえば、ユーザ端末600は、店舗内に設けられるアクセスポイントを経由してネットワーク20に接続される。
また、第2実施例の情報処理システム10では、当該情報処理システム10を用いたサービス(忘れ物情報を送信するサービスを含む)の提供を受けるための専用のアプリケーションをインストールしているユーザ端末600に限り、ネットワーク20に接続できるようにしてある。したがって、ユーザ端末600は、情報処理システム10を利用するための専用のアプリケーションをインストールしており、かつ店舗内のアクセスポイントに接続可能な範囲にある場合に限り、ネットワーク20に接続することができる。たtぺば、ユーザ端末600を持ったユーザが店舗から出て、店舗内のアクセスポイントに接続可能な範囲外に移動した場合には、ユーザ端末600は、ネットワーク20に接続できなくなる。
なお、通信の方法は限定されず、ユーザ端末600およびPOS端末14が互いにWiFi(登録商標)方式またはブルートゥース(Bluetooth;登録商標)方式等の近距離通信が可能であれば、ユーザ端末600およびPOS端末14は直接通信するようにしてもよい。この場合、ユーザ端末600は、POS端末14を経由して、情報処理システム10のネットワーク20に接続することもできる。
上述したように、第2実施例の情報処理システム10では、CPU32は、人検出センサ48および忘れ物検出センサ54の検出結果に基づいて、MFP12に忘れ物が有ると判断した場合に、POS端末14、複数のハンディターミナル200および接続可能な全てのユーザ端末600に忘れ物情報を送信する。図示は省略するが、ユーザ端末600は、忘れ物情報を受信すると、自身のディスプレイに第1警告ウインドウ150を表示する。
以下、フロー図を用いて、第2実施例におけるMFP12に内蔵されるCPU32の取忘れ処理について説明するが、第1実施例で説明した取忘れ処理と同じ処理については同じ参照符号を付し、重複した内容については、説明を省略するまたは簡単に説明することにする。
図13は第2実施例のMFP12に内蔵されるMFPのCPU32の取忘れ処理の一例の一部を示すフロー図である。
図13に示すように、第2実施例では、MFP12のCPU32は、忘れ物が有ると判断し(ステップS5で“YES”)、ステップS7で、忘れ物情報データ304bを生成すると、ステップS9で、第1警告ウインドウ150を本体ディスプレイ42に表示し、ステップS31で、接続可能な全てのユーザ端末600に忘れ物情報を送信(ブロードキャスト)して、ステップS11に進む。
なお、この第2実施例の取忘れ処理では、ステップS1〜S9の処理およびステップS11〜S13の処理は、第1実施例と同じある。
この第2実施例によれば、CPU32は、忘れ物が有ると判断した場合には、POS端末14および複数のハンディターミナル200のみならず、店舗内のユーザ端末600に忘れ物情報を送信するので、店員に加え、店舗内のユーザ端末600を持ったユーザにも忘れ物が有ることの警告を通知することができ、忘れ物の紛失を予防することができる。
なお、上述したように、厳密には、店舗内のアクセスポイントに接続可能な範囲であれば、店舗の外にユーザ端末600が存在する場合であっても、忘れ物情報を受信可能であり、かかる場合にも、ユーザに忘れ物が有ることの警告が通知される。
[第3実施例]
第3実施例の情報処理システム10では、ユーザが認証情報を用いてMFP12にログインすることができ、ログインしたユーザについては当該ユーザの連絡先に忘れ物情報を送信するようにした以外は第2実施例と同じであるため、第2実施例と異なる内容について説明し、重複した説明については省略することにする。
第3実施例では、MFP12のRAM34のプログラム記憶領域302には、ユーザ認証処理を行うための認証処理プログラムが記憶される。そして、CPU32は、認証処理プログラムに従って、ユーザ認証処理を行う。また、データ記憶領域304には、ログインしているユーザを識別可能なユーザ情報データが記憶される。このユーザ情報データは、ログインしたユーザについての識別情報(ユーザID)、当該ユーザIDに対応して登録された連絡先、ログインした時刻(年月を含む)およびログアウトした時刻(年月を含む)が記述される。
ただし、連絡先の情報はユーザIDに対応してサーバ16に登録されており、ログインの処理を行う場合に、MFP12はサーバ16と通信して、入力されたユーザIDおよびパスワードが正しいかどうかを問い合わせる。ユーザIDおよびパスワードが正しい場合には、認証がOKであることと登録された連絡先がMFP12に通知される。ただし、ユーザが連絡先を登録していない場合には、認証がOKであることのみが通知される。一方、ユーザIDおよびパスワードの少なくとも一方が正しくない場合には、認証がNGであることがMFP12に通知される。
認証処理プログラムは、当該MFP12にログインするユーザを認証するための認証処理を実行するためのプログラムである。この認証処理プログラムに従って、CPU32は、MFP12の利用開始時にユーザが認証情報を入力すると、つまりログイン操作があると、入力された認証情報をサーバ16に問い合わせて情報処理システム10についてのサービスを利用可能なユーザであるかどうかを判断し、サービスを利用可能なユーザであれば、ログインさせる。たとえば、認証情報は、ユーザIDとパスワードを含む。ただし、認証情報を、ユーザに配布するICカードに記憶しておき、このICカードから読み込むようにしてもよい。
また、第3実施例の情報処理システム10では、忘れ物情報データ304bは、どのユーザの忘れ物かを示すデータを含む。たとえば、CPU32は、忘れ物が有ると判断した場合には、ログインしているユーザまたは直前にログインしていたユーザのユーザIDを含む忘れ物情報データ304bを作成する。ただし、ログインしていないユーザについては、ユーザIDを含めることができないため、ユーザIDの代わりにユーザが特定できないことを示すデータ(Nullデータ)が忘れ物情報データ304bに含まれる。
したがって、第3実施例の情報処理システム10では、CPU32は、忘れ物が有ると判断した場合に、忘れ物情報データ304bに含まれるユーザIDに対応する連絡先を取得し、この連絡先のユーザ端末600に忘れ物情報を送信する。ユーザ端末600に忘れ物情報を送信する方法としては、登録されたユーザの連絡先に忘れ物情報を記載した電子メールを送信することが考えられる。
以下、フロー図を用いて、第3実施例におけるCPU32の取忘れ処理について説明するが、第2実施例で説明した取忘れ処理と同じ処理については同じ参照符号を付し、重複した内容については、説明を省略するまたは簡単に説明することにする。
図14は第3実施例のMFP12に内蔵されるCPU32の取忘れ処理の一例の一部を示すフロー図である。図15は第3実施例のMFP12に内蔵されるCPU32の取忘れ処理の他の一部であって、図14に後続するフロー図である。
図14に示すように、第3実施例では、MFP12のCPU32は、取忘れ処理を開始すると、ステップS1で第1範囲Aに人が存在するかどうかを判断する。ステップS1で“NO”であれば、同じステップS1に戻る。一方、ステップS1で“YES”であれば、ステップS51で、ログイン操作があるかどうかを判断する。
ステップS51で“NO”であれば、つまり、ログイン操作がない場合は、そのままステップS3に進む。一方、ステップS51で“YES”であれば、つまり、ログイン操作がある場合は、ステップS53で、認証処理プログラムに従ってログイン処理を行い、データ記憶領域304にユーザ情報データを記憶(更新)して、ステップS3に進む。
また、図15に示すように、ステップS9で、第1警告を本体ディスプレイ42に表示すると、ステップS55で、忘れ物をしたユーザを特定できるかどうかを判断する。ここでは、CPU32は、データ記憶領域304のユーザ情報データを参照して、ログイン中のユーザまたは直前にログインしていたユーザが存在するかどうかを判断する。
ステップS55で“NO”であれば、つまり、忘れ物をしたユーザを特定できない場合は、ステップS31で、接続可能な全てのユーザ端末600に第1警告を通知して、ステップS11に進む。
一方、ステップS55で“YES”であれば、つまり、忘れ物をしたユーザを特定できる場合は、ステップS57で、特定したユーザのユーザ端末600と通信可能かどうかを判断する。ここでは、CPU32は、ユーザ情報データを参照して、特定したユーザのユーザIDに対応して連絡先が記述されているかを判断する。
ステップS57で“NO”であれば、つまり、特定したユーザのユーザ端末600と通信できない場合は、上述したステップS31に進む。一方、ステップS57で“YES”であれば、つまり、特定したユーザのユーザ端末600と通信可能である場合は、ステップS59で、特定したユーザのユーザ端末600に忘れ物情報を送信して、ステップS11に進む。
なお、この第3実施例の取忘れ処理では、ステップS3〜S9の処理およびステップS11〜S13の処理は、第2実施例と同じある。
この第3実施例によれば、MFP12にログインしたユーザについては、連絡先が登録されている場合には、忘れ物が有ると判断したときに、MFP12は、POS端末14および複数のハンディターミナル200のみならず、ログインしたユーザのユーザ端末に忘れ物情報を送信するので、店員に加え、忘れ物をしたユーザに忘れ物が有ることを気付かせることができ、忘れ物の紛失を予防することができる。
[第4実施例]
第4実施例の情報処理システム10では、忘れ物が有る状態で、忘れ物をしたユーザ以外のユーザによってMFP12が操作された場合、店舗端末または/および忘れ物をしたユーザの連絡先に忘れ物が持ち去られる可能性があることを示す警告情報を送信するようにした以外は第3実施例と同じであるため、第3実施例と異なる内容について説明し、重複した説明については省略することにする。
第4実施例では、MFP12のRAM34のプログラム記憶領域302、POS端末14のRAM114のプログラム記憶領域402、およびハンディターミナル200のRAM214のプログラム記憶領域502には、忘れ物確保プログラム、警告情報送信プログラムおよび所在通知プログラムが記憶される。
そして、MFP12のCPU32、POS端末14のCPU112またはハンディターミナル200のCPU212は、所定の操作(以下、「忘れ物確保操作」という。)を受け付けた場合、忘れ物確保プログラムに従って、忘れ物確保処理を行う。
ここで、忘れ物確保操作は、たとえば、第1警告の通知を受けた店員が、忘れ物を確保(回収)したことに応じて、POS端末14またはハンディターミナル200に表示された第1警告ウインドウ150の表示領域をタッチする操作を含む。また、忘れ物確保操作は、忘れ物をしたユーザが、忘れ物を確保したことに応じて、自身のユーザ端末600に表示された第1警告ウインドウ150の表示領域をタッチする操作も含む。さらに、忘れ物確保操作は、店員または忘れ物をしたユーザが、忘れ物を確保したことに応じて、MFP12に表示された第1警告ウインドウ150の表示領域をタッチする操作も含む。
なお、忘れ物確保操作としては、第1警告ウインドウ150の表示領域をタッチする操作に限定されず、POS端末14、ハンディターミナル200またはユーザ端末600において、忘れ物を確保したことの確認を行う機能が割り当てられたアイコンを表示させ、当該アイコンをタッチする操作でも良い。
ただし、忘れ物確保操作では、忘れ物を確保した人を特定するために、操作者の認証処理を行う。たとえば、忘れ物をしたユーザが忘れ物確保操作を行う場合は、ユーザ認証処理を行うため、上述したログイン操作が要求される。また、店員が忘れ物確保操作を行う場合は、店員固有のIDカードを読み取るなどの認証操作が要求される。
忘れ物確保プログラムは、店員または忘れ物をしたユーザが忘れ物を確保し、忘れ物確保操作が行われた場合に、忘れ物情報データ304bの更新処理を実行するためのプログラムである。
たとえば、忘れ物をしたユーザが忘れ物を確保し、忘れ物確保操作が行われた場合には、当該忘れ物についての忘れ物情報データ304bが削除される。また、店員が忘れ物を確保した場合には、忘れ物が確保された店舗名など、忘れ物の所在を示すデータを追加して、当該忘れ物についての忘れ物情報データ304bが更新される。
また、忘れ物確保プログラムは、店員が忘れ物を確保した場合、忘れ物をしたユーザのユーザ端末600と通信可能であれば、更新された忘れ物情報データ304bを参照して、当該ユーザ端末600に忘れ物が確保されたことおよび忘れ物の所在を含む確保情報を送信するためのプログラムでもある。
警告情報送信プログラムは、忘れ物が有る状態で、忘れ物をしたユーザ以外のユーザ(他のユーザ)によってMFP12が操作された場合に、忘れ物が持ち去られる可能性があることを示す警告情報を店舗端末または/および忘れ物をしたユーザのユーザ端末600に送信するためのプログラムである。
この場合、MFP12は、POS端末14および複数のハンディターミナル200に忘れ物が持ち去られる可能性があることの警告情報を送信し、店側端末から店員に忘れ物が持ち去られる可能性があることの警告(説明の都合上、以下「第2警告」という。)を通知するようにしてある。また、MFP12が忘れ物をしたユーザのユーザ端末600と通信可能であれば、当該ユーザ端末600に忘れ物が持ち去られる可能性があることの警告情報を送信し、当該ユーザ端末600から忘れ物をしたユーザに第2警告を通知するようにしても良い。
また、警告情報送信プログラムは、忘れ物確保操作が行われる前に、つまり、忘れ物が有る状態で他のユーザによってMFP12が操作された場合に、忘れ物が持ち去られる可能性があることを示す警告情報についてのデータ(警告情報データ)を追加して、忘れ物情報データ304bの更新処理を実行するためのプログラムでもある。ただし、警告情報データは、忘れ物情報データ304bに追加する必要はなく、忘れ物情報データ304bと関連付けてRAM34に記憶されても良い。
所在通知プログラムは、店員によって忘れ物が確保された後に、MFP12に忘れ物をしたユーザがログインした場合には、忘れ物が確保されている店舗の情報など、忘れ物の所在を示す画面をMFP12の本体ディスプレイ42に表示するためのプログラムである。ただし、所在通知プログラムは、忘れ物が確保されていない場合には、忘れ物の返却ができないことを示す画面をMFP12の本体ディスプレイ42に表示する。
たとえば、忘れ物の所在を示す画面には、MFP12に忘れ物が返却されたかどうかの確認を行う機能が割り当てられたアイコンが表示され、当該アイコンがタッチされた場合には、忘れ物をしたユーザが忘れ物を確保したと判断する。このとき、当該忘れ物についての忘れ物情報データ304bが削除される。
以下、フロー図を用いて、第4実施例におけるCPU32の取忘れ処理について説明するが、第3実施例で説明した取忘れ処理と同じ処理については同じ参照符号を付し、重複した内容については、説明を省略するまたは簡単に説明することにする。
図16は第4実施例のMFP12に内蔵されるCPU32の取忘れ処理の一例の一部を示すフロー図である。図16に示すように、第4実施例では、CPU32は、取忘れ処理を開始すると、ステップS1で第1範囲Aに人が存在するかどうかを判断する。ステップS1で“YES”であれば、つまり、第1範囲Aに人が存在すると判断した場合は、ステップS71で、忘れ物が有るかどうかを判断する。
ステップS71で“NO”であれば、つまり、忘れ物が無い場合は、そのままステップS51に進む。一方、ステップS71で“YES”であれば、つまり、忘れ物が有る場合は、ステップS73で、後述する忘れ物確保処理(図17および図18参照)を実行し、ステップS1に戻る。なお、ステップS51以降の処理は、第3実施例と同じである。
図17および図18は第4実施例のMFP12に内蔵されるCPU32の忘れ物確保処理の一例を示すフロー図である。なお、ここでは、MFP12において忘れ物確保処理が行われる場合について説明するが、POS端末14、ハンディターミナル200およびユーザ端末600で忘れ物確保処理が行われる場合も同様である。
図17に示すように、CPU32は、忘れ物確保処理を開始すると、ステップS91で、第1範囲Aに存在する人(ユーザ)を特定できるかどうかを判断する。ここでは、ログイン操作があるかどうかを判断する。
ステップS91で“NO”であれば、つまり、ログイン操作がない場合は、後述するステップS101に進む。一方、ステップS91で“YES”であれば、つまり、ログイン操作がある場合は、ステップS93で、ログインしたユーザが忘れ物をしたユーザであるかどうかを判断する。ここでは、CPU32は、忘れ物情報データ304bを参照して、ログイン操作で入力されたユーザIDと、忘れ物情報データ304bに含まれるユーザIDとを照らし合わせて、ログインしたユーザと忘れ物をしたユーザとが一致するかどうかを判断する。以下、ログインしたユーザの忘れ物が有るかどうかを判断する場合について同様である。
ステップS93で“NO”であれば、つまり、ログインしたユーザが忘れ物をしたユーザでない場合は、後述するステップS101に進む。
一方、ステップS93で“YES”であれば、つまり、ログインしたユーザが忘れ物をしたユーザである場合は、ステップS95で、忘れ物が無いかどうかを判断する。つまり、忘れ物が無くなったかどうかを判断する。ここでは、CPU32は、忘れ物検出センサ54の検出結果を取得して、忘れ物が無いかどうかを判断する。
ステップS95で“NO”であれば、つまり、忘れ物が残っている場合は、そのまま同じステップS95に戻る。一方、ステップS95で“YES”であれば、つまり、忘れ物が無い場合は、ステップS97で、忘れ物が確保されたかどうかを確認する。ここでは、CPU32は、本体ディスプレイ42に、忘れ物を確保したかどうかを確認するアイコンを表示し、当該アイコンが選択された場合に、忘れ物が確保されたと判断する。以下、忘れ物が確保されたかどうかを判断する場合について同様である。
ステップS97で“NO”であれば、つまり、忘れ物が確保されていない場合は、そのまま同じステップS97に戻る。一方、ステップS97で“YES”であれば、つまり、忘れ物が確保された場合は、ステップS99で、忘れ物情報データ304bを削除して、忘れ物確保処理を終了して、メインルーチン(図16に示した取忘れ処理)にリターンする。
また、上述したように、ステップS91またはステップS93で“NO”であれば、ステップS101に進む。このステップS101では、第1範囲Aに存在する人が店員であるかどうかを判断する。ここでは、CPU32は、店員固有のIDカードによる認証操作があったかどうかに基づいて、第1範囲Aに存在する人が店員であるかどうかを判断する。
詳細な説明は省略したが、MFP12は、IDカードに記録された情報を読み取る装置を備えている。
ステップS101で“YES”であれば、つまり、第1範囲Aに存在する人が店員である場合は、図18に示すステップS103で、忘れ物が無いかどうかを判断する。ステップS103で“NO”であれば、つまり、忘れ物がまだ有る(残っている)場合は、そのまま同じステップS103に戻る。一方、ステップS103で“YES”であれば、つまり、忘れ物が無い場合は、ステップS105で、忘れ物が確保されたかどうかを判断する。
ステップS105で“NO”であれば、つまり、忘れ物が確保されていない場合は、そのまま同じステップS105に戻る。一方、ステップS105で“YES”であれば、つまり、忘れ物が確保された場合は、ステップS107で、忘れ物情報データ304bを更新する。ここでは、CPU32は、忘れ物情報データ304bに、忘れ物が確保された店舗名など、忘れ物の所在を示すデータを追加する。
続くステップS109では、忘れ物をしたユーザのユーザ端末600と通信可能かどうかを判断する。ステップS109で“NO”であれば、つまり、忘れ物をしたユーザのユーザ端末600と通信できない場合は、忘れ物確保処理を終了して、メインルーチンにリターンする。
一方、ステップS109で“YES”であれば、つまり、忘れ物をしたユーザのユーザ端末600と通信できる場合は、ステップS111で、更新された忘れ物情報データ304bに従って、忘れ物をしたユーザのユーザ端末600に忘れ物が確保されたことを含む確保情報を送信して、忘れ物確保処理を終了して、メインルーチンにリターンする。
図17に戻って、ステップS101で“NO”であれば、つまり、第1範囲Aに存在する人が店員でない場合は、ステップS113で、忘れ物が無いかどうかを判断する。ステップS113で“NO”であれば、つまり、忘れ物が残っている場合は、そのまま同じステップS113に戻る。一方、ステップS113で“YES”であれば、つまり、忘れ物が無い場合は、ステップS115で、忘れ物情報データ304bを更新する。ここでは、CPU32は、忘れ物情報データ304bに、警告情報データを追加する。
続くステップS117では、忘れ物をしたユーザのユーザ端末600と通信可能かどうかを判断する。ステップS117で“NO”であれば、つまり、忘れ物をしたユーザのユーザ端末600と通信できない場合は、後述するステップS121に進む。
一方、ステップS117で“YES”であれば、つまり、忘れ物をしたユーザのユーザ端末600と通信できる場合は、ステップS119で、更新された忘れ物情報データ304bを参照して、警告情報を送信して、ステップS121に進む。
ステップS121では、POS端末14に警告情報を送信し、さらに、ステップS13で、ハンディターミナル200に警告情報を送信して、忘れ物確保処理を終了して、メインルーチンにリターンする。
図19は第4実施例のMFP12に内蔵されるCPU32の忘れ物通知処理の一例を示すフロー図である。図19に示すように、ユーザがMFP12においてログイン操作を行うと、CPU32は、ステップS151で、認証処理プログラムに従ってログイン処理を行い、ステップS153で、ログインしたユーザの忘れ物が有るかどうかを判断する。
ステップS153で“NO”であれば、つまり、ログインしたユーザの忘れ物が無い場合は、忘れ物通知処理を終了する。
一方、ステップS153で“YES”であれば、つまり、ログインしたユーザの忘れ物が有る場合は、ステップS155で、忘れ物が確保されているかどうかを判断する。ここでは、CPU32は、忘れ物情報データ304bを参照して、忘れ物が確保されているかどうかを判断する。
ステップS155で“NO”であれば、つまり、忘れ物が確保されていない場合は、ステップS157で、忘れ物を返却できないことを示す画面を本体ディスプレイ42に表示して、忘れ物通知処理を終了する。
一方、ステップS155で“YES”であれば、つまり、忘れ物が確保されている場合は、ステップS159で、忘れ物の所在を示す画面を本体ディスプレイ42に表示する。ここでは、CPU32は、忘れ物情報データ304bを参照して、忘れ物が何処の店舗において確保されているかなどの情報を取得し、忘れ物の所在を示す画面を本体ディスプレイ42に表示する。
続くステップS161では、忘れ物が返却されたかどうかをユーザに確認する返却確認画面を本体ディスプレイ42に表示する。ここでは、CPU32は、返却確認画面に、忘れ物が返却されたかどうかを確認するアイコンを表示する。続くステップS163で、忘れ物が返却されたかどうかを判断する。ここでは、忘れ物が返却されたかどうかを確認するアイコンが選択された場合に、忘れ物が返却されたと判断する。
ステップS163で“NO”であれば、つまり、その場で忘れ物が返却されなかった場合は、そのまま忘れ物通知処理を終了する。
一方、ステップS163で“YES”であれば、つまり、忘れ物が返却された場合は、ステップS165で、忘れ物情報データ304bを削除して、忘れ物通知処理を終了する。
この第4実施例によれば、ユーザが忘れ物を確保した場合に、所定の操作を受け付けることによって忘れ物情報データ304bを削除するので、忘れ物が確保されて警告が不要になった場合に忘れ物情報データ304bを削除するなど、忘れ物情報を適切に管理することができる。
また、この第4実施例によれば、忘れ物情報データ304bが削除される前に他のユーザによってMFP12が操作された場合に、忘れ物情報データ304bを更新して、少なくともPOS端末14およびハンディターミナル200に第2警告を通知するので、他のユーザがMFP12を利用する場合に、忘れ物が持ち去られる可能性があることを店員に気付かせることができ、当該忘れ物の紛失を予防することができる。
なお、第1実施例〜第4実施例では、忘れ物として、原稿、印刷物、記録媒体または釣銭などの有体物を例にあげて説明したが、これに限定される必要は無い。忘れ物は、有体物に限られず、画像データなどの無体物であってもよい。たとえば、サーバ16などに予め画像データを登録しておき、MFP12でサーバ16に登録された画像データを取得してプリントを行なうことができる情報処理システムがある。このような情報処理システムでは、サーバ16にアクセス可能な状態のままユーザがMFP12から離れた場合、他人によってサーバ16に登録された画像データがプリントされる危険性がある。つまり、サーバ16にアクセス可能な状態のままユーザがMFP12から離れた場合、忘れ物をしている状態と同視できる。この場合、MFP12において店員固有のIDカードによって認証することによって、強制的にログアウトするようにしてもよい。
また、忘れ物情報データ304bは、MFP12のRAM34に記憶されることに限定されず、サーバ16に記憶されてもよい。
さらに、上述の実施例で挙げた具体的な数値、画面構成等は一例であり、実際の製品に応じて適宜変更することが可能である。また、上述の実施例で示したフロー図の各ステップは、同じ結果が得られるのであれば、処理される順番は適宜変更することが可能である。