本発明の実施形態について図面を参照して以下に説明する。
図1は、本発明の各実施形態に係る空気調和機の外観斜視図である。本発明の各実施形態に係る空気調和機は、室内機1と室外機2とを備える分離型の空気調和機である。本発明の各実施形態に係る空気調和機は、室内機1と室外機2との間で電力及び制御信号を伝送するためのVA線3と、室内機1と室外機2との間で冷媒を循環させるための冷媒配管4及び5と、水を排出するドレイン管6と、室内機1から延出する電源コードの端部に設けられる電源プラグ7とを備えている。なお、図1においては図示を省略しているが、通常、VA線3と、冷媒配管4及び5と、ドレイン管6とは化粧カバーによってまとめて覆われる。
図2は、本発明の各実施形態に係る空気調和機の冷凍サイクルを示す図である。なお、図2において図1と同一の部分には同一の符号を付す。
室外機2内には、圧縮機11と、四方弁12と、室外熱交換器13と、膨張弁14と、室外ファン15とが設けられる。室内機1内には、室内熱交換器16と、室内ファン17とが設けられる。
圧縮機11は、冷媒管18内に冷媒を流通させ冷凍サイクルを運転する。冷媒管18の一部が、室内機1と室外機2との間で冷媒を循環させるための冷媒配管4及び5に該当する。
室外熱交換器13及び室内熱交換器16は、冷媒管18に近接する多数のフィン(不図示)を有しており、フィン間を通過する空気と熱交換を行う。
圧縮機11には四方弁12及び冷媒管18を介して室外熱交換器13及び室内熱交換器16の各一端が接続される。室外熱交換器13及び室内熱交換器16の他端同士は膨張弁14及び冷媒管18を介して接続される。
室外ファン15は室外熱交換器13に対向配置される。室外ファン15の駆動によって室外の空気が室外熱交換器13に供給され、室外熱交換器13と室外の空気との熱交換が促進される。室外熱交換器13と熱交換した空気は室外ファン15に面して室外機2の正面に開口する排気口(図1参照)を介して外部に排気される。
室内熱交換器16及び室内ファン17は室内機1に設けた送風通路(不図示)内に配される。室内ファン17の駆動によって室内の空気が送風通路に流入して室内熱交換器16に供給され、送風通路を流通する空気と室内熱交換器16とが熱交換される。室内熱交換器16と熱交換した空気は室内機1の正面下方に運転状態において開口し運転停止状態において閉口する吹出口(図1参照)を介して室内に送出される。
暖房運転時には室外ファン15及び室内ファン17が駆動され、四方弁12が図中、実線で示すように切り替えられる。これにより、圧縮機11の駆動によって矢印Aに示す方向に冷媒が流通し、圧縮機11により圧縮された高温高圧の冷媒は室内熱交換器16で放熱しながら凝縮する。
高温の冷媒は膨張弁14で低温低圧となり、室外熱交換器13に送られる。室外熱交換器13に流入する冷媒は吸熱しながら蒸発して低温のガス冷媒となり、圧縮機11に送られる。この冷凍サイクルにより、冷凍サイクルの高温部となる室内熱交換器16と熱交換した空気が室内ファン17により室内に送出され、室内の暖房が行われる。また、冷凍サイクルの低温部となる室外熱交換器13と熱交換した空気が室外ファン15により外部に排気される。
冷房運転時には室外ファン15及び室内ファン17が駆動され、四方弁12が図中、破線で示すように切り替えられる。これにより、圧縮機11の駆動によって矢印Aと逆方向に冷媒が流通し、室内熱交換器16が冷凍サイクルの低温部となるとともに室外熱交換器13が冷凍サイクルの高温部となる。室内熱交換器16と熱交換した空気が室内ファン17により室内に送出され、室内の冷房が行われる。室内熱交換器16と熱交換した空気の水蒸気の凝集によって発生する水はドレイン管6(図1参照)から外部に排出される。また、冷凍サイクルの高温部となる室外熱交換器13と熱交換した空気が室外ファン15により外部に排気される。
<第1実施形態>
図3は、本発明の第1実施形態に係る空気調和機の要部構成図である。本実施形態においては、ラッチ型リレーRY1が請求項に記載されている「スイッチ」に対応しており、マイクロコンピュータ105が請求項に記載されている「制御部」に対応している。
本実施形態に係る空気調和機は、カレントトランスCT1と、ダイオードブリッジ回路DB1と、インターリーブ型力率改善回路101と、平滑コンデンサC1と、インバータ回路102と、圧縮機の三相交流モータ103とを備えている。また、本実施形態に係る空気調和機は、整流平滑回路104と、マイクロコンピュータ105と、インターリーブ制御回路106と、インバータ制御回路107と、バイパス回路108とを備えている。
商用交流電源100から出力される商用交流電圧は、ダイオードブリッジ回路DB1により整流され、インターリーブ型力率改善回路101によって力率が改善される。
インターリーブ型力率改善回路101は、リアクタL1、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)であるトランジスタQ1、及びダイオードD1によって構成される第1の昇圧回路と、リアクタL2、IGBTであるトランジスタQ2、及びダイオードD2によって構成される第2の昇圧回路とを有している。第1の昇圧回路と第2の昇圧回路それぞれが位相をずらしてスイッチング動作することによってインターリーブ型力率改善回路101は力率改善動作とともに昇圧動作を行う。なお、トランジスタQ1及びQ2はMOSトランジスタであっても構わない。
インターリーブ型力率改善回路101から出力された電圧は平滑コンデンサC1によって平滑されて直流電圧となり、その直流電圧がインバータ回路102に供給される。
インバータ回路102は、2つのIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)が直接接続された直列回路を3つ並列接続している回路構成であり、各直列接続回路におけるIGBT同士の接続ノードの電圧がインバータ回路102の各相出力電圧となる。なお、各IGBTのコレクタ−エミッタ間にはエミッタからコレクタに向けて順方向となるようにダイオードが接続されている。インバータ回路102は直流電圧を三相正弦波状電圧に変換し、三相交流モータ103に供給する。
整流平滑回路104は、ダイオードD3、抵抗R1、及びコンデンサC2によって構成され、カレントトランスCT1から出力される検出信号(電源回路の入力電流を検出する検出信号)を整流かつ平滑してマイクロコンピュータ105に供給する。
マイクロコンピュータ105は、センサによって検知される室内環境やユーザーのリモコン操作により設定された運転状態に基づいて、インターリーブ制御回路106にインターリーブ型力率改善回路101の駆動制御内容を指示し、インバータ制御回路107にインバータ回路102の駆動制御内容を指示する。また、マイクロコンピュータ105は、電源回路の入力電流が過電流であると判断すると、インターリーブ型力率改善回路101及びインバータ回路102の動作を停止させる。
インターリーブ制御回路106はマイクロコンピュータ105の指示に従ってインターリーブ型力率改善回路101を駆動し、インバータ制御回路107はマイクロコンピュータ105の指示に従ってインバータ回路102を駆動する。
バイパス回路108は、ラッチ型リレーRY1と、ラッチ型リレーRY1に直列接続されるヒューズF1とによって構成される。ラッチ型リレーRY1がオフ状態のときにバイパス回路108は遮断状態になり、ラッチ型リレーRY1がオン状態のときにバイパス回路108はインターリーブ型力率改善回路101をバイパスする。
ラッチ型リレーRY1の状態はマイクロコンピュータ105によって制御される。マイクロコンピュータ105からラッチ型リレーRY1にワンショットパルス信号が供給される度にラッチ型リレーRY1の状態が切り替わる。これにより、ノーマリオン型リレーではオフ状態において常時発生し、ノーマリオフ型リレーではオン状態において常時発生するリレーコイルでの損失が、ワンショットパルス信号が供給されるときのみに発生することになる。したがって、リレーコイルでの損失を大幅に低減することができる。
マイクロコンピュータ105は、圧縮機103が軽負荷状態となる空気調和機の運転状態であるときに、ラッチ型リレーRY1をオン状態にし、圧縮機103が重負荷状態となる空気調和機の運転状態であるときに、ラッチ型リレーRY1をオフ状態にする。これにより、圧縮機103が軽負荷状態となる空気調和機の運転状態であるときに、インターリーブ型力率改善回路101において損失が発生することを防止することができる。
ヒューズF1は、ラッチ型リレーRY1の接点が溶着した場合において、圧縮機103が軽負荷状態となる空気調和機の運転状態であるときに流れる電流では溶断せず、ラッチ型リレーRY1の接点が溶着した場合において、圧縮機103が重負荷状態となる空気調和機の運転状態であるときに流れる電流に至る前に溶断する定格のヒューズを採用する。これにより、ラッチ型リレーRY1の定格電流を、ヒューズF1の定格電流より僅かに大きくすれば良くなり、ラッチ型リレーRY1の接点が溶着した場合において、圧縮機103が重負荷状態となる空気調和機の運転状態であるときに流れる電流より大きくする必要がなくなる。したがって、定格電流が小さい安価なラッチ型リレーを用いることができる。また、定格電流が所定値より大きいリレーは、安全のため、プリント配線基板に直接実装せず、リード線を介してプリント配線基板に接続されることがある。しかしながら、このような取り決めがある場合でも、本実施形態では、定格電流が小さいラッチ型リレーを用いることができるので、ラッチ型リレーをプリント配線基板に直接実装することができ、実装工程の簡略化により低コスト化を図ることができる。
上述したラッチ型リレーRY1及びヒューズF1の定格電流の設定により、ラッチ型リレーRY1の接点が溶着した場合において圧縮機103が重負荷状態となると、バイパス回路108を流れる電流がラッチ型リレーRY1の定格電流を超える前にヒューズF1が溶断する。これにより、ラッチ型リレーRY1からの発火や発煙などの事故を防止することができる。
なお、ヒューズF1が溶断した後もバイパス回路108が機能しなくなるだけであり、インターリーブ型力率改善回路101を経由してインバータ回路102に電流供給がなされるため、空気調和機としては何ら機能が制限されることなく、通常通り使用することができる。
<第2実施形態>
図4は、本発明の第2実施形態に係る空気調和機の要部構成図である。なお、図4において図3と同一の部分には同一の符号を付し詳細な説明を省略する。本実施形態においては、マイクロコンピュータ105が請求項に記載されている「判定部」に対応する機能を有しており、ネットワーク通信部110、LED112、及びリモコン通信部113それぞれが請求項に記載されている「報知部」に対応している。
本実施形態に係る空気調和機は、本発明の第1実施形態に係る空気調和機に、バイパス回路108の異常を検知する異常検知部と、異常検知部によって前記バイパス回路108の異常が検知された場合にバイパス回路108の異常を報知する報知部とを追加した構成である。
本発明の第1実施形態において説明したように、ヒューズF1が溶断した後もバイパス回路108が機能しなくなるだけであり、空気調和機としては何ら機能が制限されることなく、通常通り使用することができる。
しかしながら、バイパス回路108が機能しなくなると、圧縮機103が軽負荷状態となる空気調和機の運転状態であるときに、インターリーブ型力率改善回路101において損失が発生してしまい、空気調和機の消費電力が増加するという問題が生じる。一方、空気調和機としては何ら機能が制限されることなく、通常通り使用することができるため、本発明の第1実施形態に係る空気調和機ではユーザーは上記の問題に気付かない。
本実施形態に係る空気調和機は、ヒューズF1の溶断すなわちバイパス回路108の異常が発生したときにその旨を報知することができる。これにより、ユーザーにラッチ型リレーRY1やヒューズF1の交換を促すことができる。
バイパス回路108が正常であれば、ラッチ型リレーRY1がオン状態からオフ状態に切り替わりにより、インターリーブ型力率改善回路101の損失が無い状態から有る状態に変化し、圧縮機103の負荷条件が同一であってもカレントトランスCT1によって検出される入力電流が増加する。また、バイパス回路108が正常であれば、ラッチ型リレーRY1がオフ状態からオン状態に切り替わりにより、インターリーブ型力率改善回路101の損失が有る状態から無い状態に変化し、圧縮機103の負荷条件が同一であってもカレントトランスCT1によって検出される入力電流が減少する。
上記の現象を利用して、本実施形態では、マイクロコンピュータ105が、ラッチ型リレーRY1の状態が切り替わるようにラッチ型リレーRY1を制御した前後におけるカレントトランスCT1によって検出された入力電流の変化が所定量以下であれば、バイパス回路108が異常であると判定する。なお、所定量はノイズなどを考慮して設定するとよい。
マイクロコンピュータ105は、バイパス回路108が異常であると判定した場合、その判定結果をフォトカプラPC1を介して室内機1(図1参照)内に設けられているマイクロコンピュータ109に伝送する。
マイクロコンピュータ109は、バイパス回路108が異常であるという判定結果を受け取ると、LED駆動部111を制御してLED112を点滅させる。LED112は、バイパス回路108の異常を報知するためのLEDであって、室内機1(図1参照)のユーザーから視認可能な位置に設けられている。
また、マイクロコンピュータ109は、バイパス回路108が異常であるという判定結果を受け取ると、ネットワーク通信部110からインターネット等のネットワークを経由して所定の携帯電話機やスマートフォンにバイパス回路108の異常を報知する信号が送信されるように、ネットワーク通信部110を制御する。所定の携帯電話機やスマートフォンは、バイパス回路108の異常を報知する信号を受信すると、自己の表示部にバイパス回路108の異常を知らせる表示を行わせる。なお、本実施形態では、ネットワーク通信部110を室内機1(図1参照)に設けたが、ネットワーク通信部110を室外機2(図1参照)に設け、マイクロコンピュータ105がネットワーク通信部110を制御するようにしてもよい。
また、マイクロコンピュータ109は、バイパス回路108が異常であるという判定結果を受け取ると、リモコン通信部113から双方向通信可能なリモートコントローラ114にバイパス回路108の異常を報知する信号が送信されるように、リモコン通信部113を制御する。リモートコントローラ114は、バイパス回路108の異常を報知する信号を受信すると、自己の表示部にバイパス回路108の異常を知らせる表示を行わせる。リモコン通信部113と双方向通信可能なリモートコントローラ114との通信方式は特に限定されないが、例えば赤外線通信やBluetooth(登録商標)通信などを用いることができる。
<第3実施形態>
図5は、本発明の第3実施形態に係る空気調和機の要部構成図である。なお、図5において図4と同一の部分には同一の符号を付し詳細な説明を省略する。本実施形態においては、マイクロコンピュータ105が請求項に記載されている「判定部」に対応する機能を有しており、ダイオードD4、抵抗R2〜R4、フォトカプラPC2、及びコンデンサC3によって構成される回路が請求項に記載されている「電圧検出部」に対応している。
本実施形態に係る空気調和機は、本発明の第2実施形態に係る空気調和機と同様に、本発明の第1実施形態に係る空気調和機に、バイパス回路108の異常を検知する異常検知部と、異常検知部によって前記バイパス回路108の異常が検知された場合にバイパス回路108の異常を報知する報知部とを追加した構成である。
本実施形態に係る空気調和機は、異常検知部の具体的な構成が本発明の第2実施形態に係る空気調和機と異なっている。なお、報知部に関しては本発明の第2実施形態に係る空気調和機と同一であるため、本実施形態の説明においては報知部に関する説明を省略する。
バイパス回路108が正常であれば、図6に示す通り、ラッチ型リレーRY1がオフ状態である場合はバイパス回路108に電流が流れずバイパス回路108の両端電圧が周期的に変動し、ラッチ型リレーRY1がオン状態である場合はバイパス回路108を流れる電流が周期的に変動しバイパス回路108の両端電圧は零またはほぼ零になる。
本実施形態に係る空気調和機は、ダイオードD4、抵抗R2〜R4、フォトカプラPC2、及びコンデンサC3によって構成されバイパス回路108の両端電圧を検出する電圧検出部を備えている。電圧検出部の検出結果はマイクロコンピュータ105に送られる。バイパス回路108の両端電圧がダイオードD4及びフォトカプラPC2内のフォトダイオードの合成順方向電圧を超えているときに、電圧検出部の検出結果はHighレベルになる。一方、バイパス回路108の両端電圧がダイオードD4及びフォトカプラPC2内のフォトダイオードの合成順方向電圧を超えていないときに、電圧検出部の検出結果はLowになる。
上記の現象を利用して、本実施形態では、マイクロコンピュータ105が、ラッチ型リレーRY1がオン状態になるようにラッチ型リレーRY1を制御しているにもかかわらず、バイパス回路108の両端電圧が周期的に変動していれば、バイパス回路108が異常であると判定する。
<第4実施形態>
図7は、本発明の第4実施形態に係る空気調和機の要部構成図である。なお、図7において図4と同一の部分には同一の符号を付し詳細な説明を省略する。
本実施形態に係る空気調和機は、本発明の第2実施形態に係る空気調和機と同様に、本発明の第1実施形態に係る空気調和機に、バイパス回路108の異常を検知する異常検知部と、異常検知部によって前記バイパス回路108の異常が検知された場合にバイパス回路108の異常を報知する報知部とを追加した構成である。
本実施形態に係る空気調和機は、異常検知部の具体的な構成が本発明の第2実施形態に係る空気調和機と異なっている。なお、報知部に関しては本発明の第2実施形態に係る空気調和機と同一であるため、本実施形態の説明においては報知部に関する説明を省略する。
バイパス回路108が正常であれば、図6に示す通り、ラッチ型リレーRY1がオフ状態である場合はバイパス回路108に電流が流れずバイパス回路108の両端電圧が周期的に変動し、ラッチ型リレーRY1がオン状態である場合はバイパス回路108を流れる電流が周期的に変動しバイパス回路108の両端電圧は零またはほぼ零になる。
本実施形態に係る空気調和機は、カレントトランスCT2、ダイオードD5、抵抗R5、及びコンデンサC4によって構成されバイパス回路108を流れる電流を検出する電流検出部を備えている。電流検出部の検出結果はマイクロコンピュータ105に送られる。
上記の現象を利用して、本実施形態では、マイクロコンピュータ105が、ラッチ型リレーRY1がオン状態になるようにラッチ型リレーRY1を制御しているにもかかわらず、バイパス回路108に電流が流れていなければ、前記バイパス回路が異常であると判定する。
<第5実施形態>
図8は、本発明の第5実施形態に係る空気調和機の要部構成図である。なお、図8において図3と同一の部分には同一の符号を付し詳細な説明を省略する。本実施形態においては、マイクロコンピュータ105の機能及びインターリーブ制御回路106が請求項に記載されている「インターリーブ制御部」に対応し、マイクロコンピュータ105が請求項に記載されている「不安定検知部」に対応する機能を有している。
本実施形態に係る空気調和機は、本発明の第1実施形態に係る空気調和機からバイパス回路108を取り除いた構成である。
マイクロコンピュータ105は、電源回路から出力される直流電圧Vdcが圧縮機の回転数に応じた目標値に近づくように、インターリーブ制御回路106にインターリーブ型力率改善回路101の駆動制御内容を指示する。圧縮機の回転数と直流電圧Vdcの目標値との関係は、例えばマイクロコンピュータ105の内部メモリに不揮発的に記憶されている。
マイクロコンピュータ105は、圧縮機の回転数が所定値A(図10参照)未満である運転状態において、電源回路からインバータ回路102への電力供給が不安定であるかを判定している。当該判定の一例を図9に示す。
マイクロコンピュータ105は、圧縮機の回転数が所定値A未満である運転が開始されると、図9に示す処理を開始する。
まずステップS10において、マイクロコンピュータ105は、圧縮機の回転数及び冷凍サイクルの温度が安定している状態であるか否かを判定する。例えば圧縮機の回転数が5分間で20rpm以内の変動幅に収まっているときに圧縮機の回転数が安定していると判定する。また例えば、室外熱交換器13の温度と室内熱交換器16の温度がそれぞれ5分間で3℃以内の変動幅に収まっているときに冷凍サイクルの温度が安定している状態であると判定する。圧縮機の回転数検出は、例えば三相交流モータ103に回転数を検出するセンサを設け、そのセンサの出力信号をマイクロコンピュータ105に供給すると良い。室外熱交換器13の温度検出及び室内熱交換器16の温度検出は、例えば室外熱交換器13の近傍及び室内熱交換器16の近傍それぞれに温度センサを設け、各温度センサの出力信号をマイクロコンピュータ105に供給すると良い。
圧縮機の回転数及び冷凍サイクルの温度が安定している状態でないと判定した場合(ステップS10のNO)、ステップS10の判定を継続する。一方、圧縮機の回転数及び冷凍サイクルの温度が安定している状態であると判定した場合(ステップS10のYES)、ステップS20に移行する。
ステップS20において、マイクロコンピュータ105は、電源回路からインバータ回路102への電力供給が不安定であるかを判定している。例えば、空気調和機の消費電流の変動が大きい場合(例えば、カレントトランスCT1で検出される電流が20%以上の変動を1分以内に5回以上する場合)に電源回路からインバータ回路102への電力供給が不安定であると判定してもよく、直流電圧Vdcの変動が大きい場合(例えば、直流電圧Vdcが10%以上の変動を1分以内に5回以上する場合)に電源回路からインバータ回路102への電力供給が不安定であると判定してもよい。
ステップS20において電源回路からインバータ回路102への電力供給が不安定であると判定すると、マイクロコンピュータ105は、電源回路からインバータ回路102への電力供給が不安定であることを検知する。
ステップS20の判定が終わると、再びステップS20の判定を行い、判定結果を随時更新する。なお、ステップS20に移行した後、圧縮機の回転数及び冷凍サイクルの温度が安定している状態でなくなれば、図9に示すフローを最初からやり直すことになる。
本実施形態では、マイクロコンピュータ105は、圧縮機の回転数が所定値A未満である運転状態において電源回路からインバータ回路102への電力供給が不安定であることを検知すると、図10に示す太点線のように直流電圧Vdcの目標値の設定を上げることで、不安定の解消を図る。直流電圧Vdcの目標値の設定は例えば10Vずつ段階的に上げるようにする。すなわち直流電圧Vdcの目標値の設定を10V上げても不安定が解消されない場合に直流電圧Vdcの目標値の設定をさらに10V上げるようにして不安定が解消されるまでこれを繰り返す。
これにより、電源回路からインバータ回路102への電力供給が安定しているときの効率の悪化を抑えることができる。したがって、効率の悪化を極力抑えながら軽負荷の状態(圧縮機の回転数が所定値A未満である運転状態)においてインバータ回路への電力供給が不安定になることを防止することができる。
なお、不安定を解消するための直流電圧Vdcの目標値の設定変更は、例えば圧縮機の回転数が所定値A未満である運転が終了する毎、空気調和機の運転が終了する毎などにリセットされるようにすればよい。
<第6実施形態>
本発明の第6実施形態に係る空気調和機は、圧縮機の回転数が所定値A(図11参照)未満である運転状態において電源回路からインバータ回路102への電力供給が不安定であることをマイクロコンピュータ105が検知したときの処理方法が本発明の第5実施形態に係る空気調和機と異なっており、それ以外は本発明の第5実施形態に係る空気調和機と同様である。
本実施形態では、マイクロコンピュータ105は、圧縮機の回転数が所定値A未満である運転状態において電源回路からインバータ回路102への電力供給が不安定であることを検知すると、図11に示す太点線のように直流電圧Vdcの目標値を保持したまま圧縮機の回転数を上げることで、不安定の解消を図る。圧縮機の回転数は例えば200rpmずつ段階的に上げるようにする。すなわち圧縮機の回転数を200rpm上げても不安定が解消されない場合に圧縮機の回転数をさらに200rpm上げるようにして不安定が解消されるまでこれを繰り返す。
これにより、電源回路からインバータ回路102への電力供給が安定しているときの効率の悪化を抑えることができる。したがって、効率の悪化を極力抑えながら軽負荷の状態(圧縮機の回転数が所定値A未満である運転状態)においてインバータ回路への電力供給が不安定になることを防止することができる。
なお、不安定を解消するための圧縮機の回転数変更は、例えば圧縮機の回転数が所定値A未満である運転が終了する毎、空気調和機の運転が終了する毎などにリセットされるようにすればよい。
<第7実施形態>
本発明の第7実施形態に係る空気調和機は、要部構成が図3に示す構成である点が本発明の第5実施形態に係る空気調和機及び本発明の第6実施形態に係る空気調和機と異なっている。また、本発明の第7実施形態に係る空気調和機は、圧縮機の回転数が所定値A未満である運転状態において電源回路からインバータ回路102への電力供給が不安定であることをマイクロコンピュータ105が検知したときの処理方法が本発明の第5実施形態に係る空気調和機及び本発明の第6実施形態に係る空気調和機と異なっている。上記以外に関しては、本発明の第7実施形態に係る空気調和機は本発明の第5実施形態に係る空気調和機及び本発明の第6実施形態に係る空気調和機と同様である。
本実施形態では、マイクロコンピュータ105は、圧縮機の回転数が所定値A未満である運転状態において電源回路からインバータ回路102への電力供給が不安定であることを検知すると、ラッチ型リレーRY1をオン状態にしてインターリーブ型力率改善回路101をバイパス回路108によってバイパスさせる。
これにより、電源回路からインバータ回路102への電力供給が安定しているときの効率の悪化を抑えることができる。したがって、効率の悪化を極力抑えながら軽負荷の状態(圧縮機の回転数が所定値A未満である運転状態)においてインバータ回路への電力供給が不安定になることを防止することができる。
なお、不安定を解消するためのインターリーブ型力率改善回路101に対するバイパス経路の形成は、例えば圧縮機の回転数が所定値A未満である運転が終了する毎、空気調和機の運転が終了する毎などにリセットされるようにすればよい。
<第8実施形態>
本発明の第8実施形態に係る空気調和機の要部構成は図8に示す構成を同一である。
マイクロコンピュータ105は、圧縮機の回転数が所定値A(図12参照)以上である運転状態において、圧縮機が脱調しているかを判定している。例えば、三相交流モータ103にロータ位置検出部を設け、マイクロコンピュータ105がロータ位置検出部の出力信号とインバータ制御回路107への制御指令内容とを比較することで圧縮機が脱調しているかを判定することができる。
本実施形態では、マイクロコンピュータ105は、圧縮機の回転数が所定値A以上である運転状態において圧縮機が脱調していることを検知すると、次回からの圧縮機の回転数が所定値A以上である運転状態において図12に示す太点線のように直流電圧Vdcの目標値の設定を上げることで、圧縮機の脱調を抑制する。直流電圧Vdcの目標値の設定は例えば3Vずつ段階的に上げるようにする。すなわち直流電圧Vdcの目標値の設定を3V上げても再度圧縮機の脱調が起こる場合に直流電圧Vdcの目標値の設定をさらに3V上げるようにして圧縮機の脱調が起こらなくなるまでこれを繰り返す。
これにより、圧縮機の脱調が起こらなければ電源回路の寿命が短くなることを抑えた設定にすることができる。したがって、電源回路の寿命が短くなることを極力抑えながら重負荷の状態において圧縮機のモータが脱調することを抑制することができる。
なお、圧縮機の脱調を抑制するための直流電圧Vdcの目標値の設定変更は、例えば空気調和機の運転が終了する毎などにリセットされるようにすればよい。
<第9実施形態>
本発明の第9実施形態に係る空気調和機は、圧縮機の回転数が所定値A以上である運転状態において圧縮機が脱調していることをマイクロコンピュータ105が検知したときの処理方法が本発明の第8実施形態に係る空気調和機と異なっており、それ以外は本発明の第8実施形態に係る空気調和機と同様である。
本実施形態では、マイクロコンピュータ105は、圧縮機の回転数が所定値A以上である運転状態において圧縮機が脱調していることを検知すると、次回からの圧縮機の回転数が所定値A以上である運転状態において図13に示す太点線のように圧縮機の最大回転数の設定を下げることで、圧縮機の脱調を抑制する。圧縮機の最大回転数の設定は例えば100rpmずつ段階的に下げるようにする。すなわち圧縮機の最大回転数の設定を100rpm上げても再度圧縮機の脱調が起こる場合に圧縮機の最大回転数の設定をさらに100rpm上げるようにして圧縮機の脱調が起こらなくなるまでこれを繰り返す。
これにより、圧縮機の脱調が起こらなければ電源回路の寿命が短くなることを抑えた設定にすることができる。したがって、電源回路の寿命が短くなることを極力抑えながら重負荷の状態において圧縮機のモータが脱調することを抑制することができる。
なお、圧縮機の脱調を抑制するための圧縮機の回転数変更は、例えば空気調和機の運転が終了する毎などにリセットされるようにすればよい。
<第10実施形態>
図19に示す従来の空気調和機が有する課題、すなわち、室外ファン用インバータ回路115に高い電圧が印加されることで、室外ファン用インバータ回路115での損失が大きくなるとともに、室外ファン用インバータ回路115で発生するノイズが大きくなるという課題を解決することができる空気調和機として、図14に示す比較例の空気調和機が考えられる。なお、図14において図3と同一の部分には同一の符号を付し詳細な説明を省略する。
図14に示す比較例の空気調和機では、商用交流電源100から出力される商用交流電圧をダイオードブリッジ回路DB2によって整流し、ダイオードブリッジ回路DB2から出力される脈流電圧を平滑コンデンサC5によって平滑化したのち、室外ファン用インバータ回路115及びスイッチング電源回路117に供給している。
室外ファン用インバータ回路115は平滑コンデンサC5から供給される直流電圧を三相正弦波状電圧に変換し、室外ファン用モータ116に供給する。室外ファン用モータ116の駆動により室外ファン15(図2参照)が回転する。マイクロコンピュータ105は、センサによって検知される室内環境やユーザーのリモコン操作により設定された運転状態に基づいて、室外ファン用インバータ回路115を制御する室外ファン用インバータ制御回路(不図示)に室外ファン用インバータ回路115の駆動制御内容を指示する。
スイッチング電源回路117は、平滑コンデンサC5から供給される直流電圧を所定値の直流電圧に変換し、その変換した直流電圧を室外機2(図1参照)に配置されているICに電源電圧として供給する。室外機2(図1参照)に配置されているICとしては、例えば、マイクロコンピュータ105、インターリーブ制御回路106、インバータ制御回路107、室外ファン用インバータ制御回路(不図示)等が挙げられる。
上述した図14に示す比較例の空気調和機は、図19に示す従来の空気調和機が有する課題を解決することができるものの、力率改善動作が圧縮機に流れる電流分にのみ有効となるため、結果として、商用交流電源100から比較例の空気調和機に入力される電圧及び電流の各波形が図15に示すようになり、空気調和機全体の力率は最大で90%程度となる。図15において、点線は商用交流電源100から比較例の空気調和機に入力される電圧を示し、実線は商用交流電源100から比較例の空気調和機に入力される電流を示している。
これにより、空気調和機が最大負荷状態となる暖房低温モードでの運転時に電流のピーク値が大きくなり商用交流電源100からの有効電力が取り出せなくなり、暖房低温モードにおける暖房性能を十分に出せなくなってしまう。
本発明の第10実施形態に係る空気調和機は、上記の新たな課題を解決することができる空気調和機である。本実施形態に係る空気調和機の要部構成図を図16に示す。本実施形態においては、平滑コンデンサC1が請求項に記載されている「第1の平滑コンデンサ」に対応し、平滑コンデンサC5が請求項に記載されている「第2の平滑コンデンサ」に対応し、インバータ回路102が請求項に記載されている「第1のインバータ回路」に対応し、室外ファン用インバータ回路115が請求項に記載されている「第2のインバータ回路」に対応している。
本発明の第10実施形態に係る空気調和機は、図14に示す比較例の空気調和機に力率改善回路118を追加した構成である。力率改善回路118は、ダイオードブリッジ回路DB2と平滑コンデンサC2との間に設けられる。
力率改善回路118の回路構成は特に限定されないが、例えば、リアクトルのみで構成される力率改善回路、簡易PAM方式の力率改善回路、アクティブフィルタ方式の力率改善回路等を挙げることができる。力率改善回路118は、室外ファン用インバータ回路115を構成するICに内蔵されてもよく、スイッチング電源回路117を構成するICに内蔵されてもよく、室外ファン用インバータ回路115を構成するICやスイッチング電源回路117を構成するICとは別に配置されてもよい。
力率改善回路118を設けたことによって、商用交流電源100から本実施形態に係る空気調和機に入力される電圧及び電流の各波形が図17に示すようになり、空気調和機全体の力率は最大で99%程度となる。図17において、点線は商用交流電源100から比較例の空気調和機に入力される電圧を示し、実線は商用交流電源100から比較例の空気調和機に入力される電流を示している。
これにより、力率の悪化を抑えながら省電力化および低ノイズ化を図ることができる。したがって、暖房低温モードにおける暖房性能を十分に出すことを可能としながら、省電力化および低ノイズ化を図ることができる。
<第11実施形態>
図18は、本発明の第11実施形態に係る空気調和機の要部構成図である。なお、図18において図16と同一の部分には同一の符号を付し詳細な説明を省略する。
スイッチング電源回路117の消費電力が小さい場合、力率改善回路を経由してスイッチング電源回路117に電力を供給しなくても、実施形態に係る空気調和機が商用交流電源100から受ける交流電圧と交流電流の力率が悪化することを抑えることができる。
本実施形態は、スイッチング電源回路117の消費電力が小さい場合に採用できる構成であって、商用交流電源100から出力される商用交流電圧は、ダイオードブリッジ回路DB3により整流され、平滑コンデンサC6によって平滑化されたのち、スイッチング電源回路117に供給される。それ以外の点は、第10実施形態と同様である。
<まとめ>
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。例えば、上記の第1実施形態〜第4実施形態及び第7実施形態ではラッチ型リレーRY1を用いたが、ラッチ型リレーRY1の代わりに他のスイッチを用いてもよい。ただし、非ラッチ型スイッチを用いると、スイッチでの損失が増加するため、ラッチ型スイッチを用いることが望ましい。
また、本発明の各実施形態の少なくとも二つを適宜組み合わせて実施してもよい。
例えば、上記の第5実施形態〜第8実施形態を組み合わせて、商用交流電源100から出力される商用交流電圧の変動等に応じて、(a)目標値の設定を上げる、(b)目標値を保持したまま圧縮機の回転数を上げる、及び(c)インターリーブ型力率改善回路をバイパスさせる、のいずれを実行するかを不安定検知の度に決定するようにしてもよい。
同様に、例えば、上記の第5実施形態〜第8実施形態を組み合わせて、商用交流電源100から出力される商用交流電圧の変動等に応じて、(a)圧縮機の最大回転数の設定を下げる、及び(b)目標値の設定を上げる、のいずれかを実行するかを圧縮機が回転異常を起こす度に決定するようにしてもよい。
また例えば、上記の第8実施形態及び第9実施形態では、圧縮機の脱調を検知したが、圧縮機の脱調の予兆を検知したときに(a)圧縮機の最大回転数の設定を下げる、及び(b)目標値の設定を上げる、のいずれかを実行するようにしてもよい。圧縮機の脱調の予兆は例えばロータ位置検出部の出力信号とインバータ制御回路107への制御指令内容とを比較することで求まる位相差に基づいて判定することができる。
以上説明した電源回路は、インターリーブ型力率改善回路(101)と、前記インターリーブ型力率改善回路(101)をバイパスさせるためのバイパス回路(108)と、制御部(105)と、を備え、前記バイパス回路(108)は、スイッチ(RY1)と、前記スイッチ(RY1)に直列接続されるヒューズ(F1)とを含み、前記制御部(105)は、前記スイッチ(RY1)の状態を制御し、前記スイッチ(RY1)がオフ状態のときに前記バイパス回路(108)は遮断状態になり、前記スイッチ(RY1)がオン状態のときに前記バイパス回路(RY1)は前記インターリーブ型力率改善回路(101)をバイパスする構成(第1の構成)である。
このような構成によると、インターリーブ型力率改善回路による力率改善及び昇圧が不要であるときにスイッチをオフ状態にすることで、インターリーブ型力率改善回路において損失が発生することを防止することができる。これにより、省電力化を図ることができる。
また、このような構成によると、スイッチが故障してオン状態のままになった場合でも、バイパス回路に大きな電流が流れると、ヒューズが溶断する。これにより、スイッチの定格電流を小さくしてもスイッチからの発火や発煙などの事故を防止することができる。したがって、スイッチの定格電流を小さくすることができ、低コスト化を図ることできる。
上記第1の構成の電源回路において、前記スイッチ(RY1)はラッチ型スイッチである構成(第2の構成)とすることが望ましい。
このような構成によると、ノーマリオン型スイッチではオフ状態において常時発生し、ノーマリオフ型スイッチではオン状態において常時発生するスイッチでの損失が、スイッチの状態切り替わり時のみに発生することになる。したがって、スイッチでの損失を大幅に低減することができる。
上記第1または第2の構成の電源回路において、前記バイパス回路の異常を検知する異常検知部と、前記異常検知部によって前記バイパス回路の異常が検知された場合に前記バイパス回路の異常を報知する報知部とを備える構成(第3の構成)とすることが望ましい。
このような構成によると、バイパス回路の異常が発生したときにその旨を報知することができる。これにより、ユーザーにスイッチやヒューズの交換を促すことができる。
上記第3の構成の電源回路において、前記異常検知部は、前記電源回路の入力電流を検出する入力電流検出部と、前記スイッチの状態が切り替わるように前記制御部が前記スイッチを制御した前後における前記入力電流の変化が所定量以下であれば、前記バイパス回路が異常であると判定する判定部とを備える構成(第4の構成)とすることが望ましい。
このような構成によると、過電流検出などの目的で設けられる入力電流検出部を流用してバイパス回路の異常を検知することができるので、低コスト化を図ることができる。
上記第3の構成の電源回路において、前記バイパス回路の両端電圧を検出する電圧検出部と、前記スイッチがオン状態になるように前記制御部が前記スイッチを制御しているにもかかわらず、前記両端電圧が周期的に変動していれば、前記バイパス回路が異常であると判定する判定部を備える構成(第5の構成)とすることが望ましい。
このような構成によると、バイパス回路を流れる電流を検出する電流検出部を設ける場合に比べて異常検知部を構成する部品のコストを抑えることができるので、低コスト化を図ることができる。
以上説明した空気調和機は、上記第1〜第5のいずれかの構成の電源回路と、前記電源回路から直流電力を受けるインバータ回路と、前記インバータ回路から供給される交流電力によって駆動する圧縮機とを備える構成(第6の構成)である。
以上説明した他の空気調和機は、インターリーブ型力率改善回路を含む電源回路と、前記電源回路から直流電力を受けるインバータ回路と、前記インバータ回路から供給される交流電力によって駆動する圧縮機と、前記電源回路から出力される直流電圧が前記圧縮機の回転数に応じた目標値に近づくように前記インターリーブ型力率改善回路を制御するインターリーブ制御部と、前記電源回路から前記インバータ回路への電力供給が不安定であることを検知する不安定検知部とを備え、前記圧縮機の回転数が所定値未満である運転状態において、前記電源回路から前記インバータ回路への電力供給が不安定であることが前記不安定検知部によって検知されると、(a)前記目標値の設定を上げる、(b)前記目標値を保持したまま前記圧縮機の回転数を上げる、及び(c)前記インターリーブ型力率改善回路をバイパスさせる、のいずれか一つを実行する構成(第7の構成)である。
このような構成によると、圧縮機の回転数が所定値未満である運転状態において、電源回路からインバータ回路への電力供給が不安定であることが不安定検知部によって検知されると、(a)目標値の設定を上げる、(b)目標値を保持したまま圧縮機の回転数を上げる、及び(c)インターリーブ型力率改善回路をバイパスさせる、のいずれか一つを実行するので、電源回路からインバータ回路への電力供給が安定しているときの効率の悪化を抑えることができる。したがって、効率の悪化を極力抑えながら軽負荷の状態においてインバータ回路への電力供給が不安定になることを防止することができる。
以上説明した更に他の空気調和機は、インターリーブ型力率改善回路を含む電源回路と、前記電源回路から直流電力を受けるインバータ回路と、前記インバータ回路から供給される交流電力によって駆動する圧縮機と、前記電源回路から出力される直流電圧が前記圧縮機の回転数に応じた目標値に近づくように前記インターリーブ型力率改善回路を制御するインターリーブ制御部とを備え、前記圧縮機の回転数が所定値以上である運転状態において、前記圧縮機が回転異常を起こした場合、(a)前記圧縮機の最大回転数の設定を下げる、及び(b)前記目標値の設定を上げる、のいずれか一つを実行する構成(第8の構成)である。
このような構成によると、圧縮機の回転数が所定値以上である運転状態において、圧縮機が回転異常を起こした場合、(a)圧縮機の最大回転数の設定を下げる、及び(b)目標値の設定を上げる、のいずれか一つを実行するので、圧縮機が回転異常を起こしていなければ電源回路の寿命が短くなることを抑えた設定にすることができる。したがって、電源回路の寿命が短くなることを極力抑えながら重負荷の状態において圧縮機のモータが脱調することを抑制することができる。
上記第8の構成の空気調和機において、前記回転異常が前記圧縮機の脱調である構成(第9の構成)とすることが望ましい。
このような構成によると、圧縮機が回転異常を起こしたか否かの判定が容易になる。
以上説明した更に他の空気調和機は、インターリーブ型力率改善回路(101)及び前記インターリーブ型力率改善回路(101)の後段に設けられる第1の平滑コンデンサ(C1)を含む第1の電源回路と、力率改善回路(118)及び前記力率改善回路(118)の後段に設けられる第2の平滑コンデンサ(C5)を含む第2の電源回路と、前記第1の電源回路から直流電力を受ける第1のインバータ回路(102)と、前記第1のインバータ回路から供給される交流電力によって駆動する圧縮機と、前記第2の電源回路から直流電力を受ける第2のインバータ回路(115)と、前記第2のインバータ回路(115)から供給される交流電力によって駆動するファン(15)とを備え、前記第1の電源回路の入力側と前記第2の電源回路とが共通接続される構成(第10の構成)である。
このような構成によると、力率の悪化を抑えながら第2のインバータ回路での損失及びノイズ発生を抑えることができるので、力率の悪化を抑えながら省電力化および低ノイズ化を図ることができる。