JP6486224B2 - 二相誘導モータの制御装置およびヒートポンプ機器 - Google Patents

二相誘導モータの制御装置およびヒートポンプ機器 Download PDF

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Description

この発明は、二相誘導モータの制御装置、および二相誘導モータで駆動される圧縮機を備えたヒートポンプ機器に関し、たとえば、空気調和機などにおいて好適に用いられるものである。
二相誘導モータは、二相の固定子巻線(主巻線および補助巻線)によって回転磁界を生成し、この回転磁界によって回転子を駆動するものである。通常は、補助巻線にコンデンサを接続することによって、主巻線を流れる電流と補助巻線を流れる電流とに90°の位相差を生じさせる方式(ランニングコンデンサ方式)が用いられる。これに対して、ランニングコンデンサを設けずに、インバータ回路によって生成した二相交流電流を主巻線および補助巻線に供給するインバータ駆動方式も用いられている。さらに、上記のランニングコンデンサ方式とインバータ駆動方式とを切替えて二相誘導モータを駆動する方法も提案されている。
たとえば、特許文献1(特開2010−101518号公報)は、通常時は、インバータ駆動方式で二相誘導モータを駆動し、インバータの故障時にランニングコンデンサ方式によって二相誘導モータを駆動する運転制御方法を開示する。
特許文献2(実開昭63−55798号公報)に開示された制御回路は、ランニングコンデンサ方式の誘導モータを、商用電源およびインバータ電源の各々で駆動できるようにしたものであり、上記の特許文献1に開示されたものとは構成が異なる。具体的にこの文献の場合、補助巻線に接続された複数のコンデンサの接続が切替可能になっており、これらのコンデンサは商用電源での運転時に並列接続され、インバータ電源での運転時に直列接続される。
特開2010−101518号公報 実開昭63−55798号公報
本願の発明者は、ランニングコンデンサ方式の二相誘導モータとインバータ駆動方式の二相誘導モータとを比較検討した結果、これまで十分に認識されてこなかった以下のような問題点があることを見出した。すなわち、ランニングコンデンサ方式の二相誘導モータは、回路構成がシンプルであるために低コストであるが、モータ起動時に非常に大きなモータ電流が流れるという問題がある。入力される交流電源電圧が大きい場合には電源ブレーカが作動する場合もあり得る。一方、インバータ駆動方式の場合には、起動時のモータ電流は大幅に低減できるが、インバータの変換効率に限界があるために固定子巻線に印加する電圧が不足し、結果としてモータの回転速度を十分に上げられないという問題がある。
この発明は上記の問題点を考慮してなされたものであり、その主な目的は、二相誘導モータの制御装置において、起動時のモータ電流のピーク値を抑制するとともにモータ電圧ができるだけ制限されないようにすることである。
この発明は、一局面において、二相誘導モータの制御装置である。二相誘導モータは、回転磁界を生成するための第1巻線および第2巻線を含む。制御装置は、切替回路と、第1の駆動回路と、第2の駆動回路と、制御部とを備える。切替回路は、単相交流電圧の供給先を切替える。第1の駆動回路は、切替回路から供給された単相交流電圧を第1巻線に印加するとともにコンデンサを介して第2巻線に印加する。第2の駆動回路は、コンバータおよびインバータを含む。コンバータは、切替回路から供給された単相交流電圧を直流電圧に変換する。インバータは、コンバータの出力直流電圧を2相交流電圧に変換し、変換した2相交流電圧を第1および第2巻線に印加する。制御部は、切替回路の切替制御を行うことによって、単相交流電圧の実効値または振幅が閾値以下の場合に、第1の駆動回路を用いて二相誘導モータの起動および運転を行い、単相交流電圧の実効値または振幅が閾値を超える場合に、第2の駆動回路を用いて二相誘導モータの起動および運転を行う。
第1の駆動回路によって二相誘導モータが駆動される場合、単相交流電圧の実効値または振幅が増加するにつれて、二相誘導モータの起動時における第1および第2巻線の電流ピーク値は増加する。この場合、好ましくは、起動時の電流ピーク値が上限値に達したときの単相交流電圧の実効値または振幅を第1の基準値とすると、閾値は第1の基準値に等しく設定される。
第2の駆動回路によって二相誘導モータが駆動される場合、単相交流電圧の実効値または振幅が増加するにつれて、二相誘導モータの最大回転速度は増加する。この場合、好ましくは、第2の駆動回路によって駆動された場合の二相誘導モータの最大回転速度が、第1の駆動回路によって駆動された場合の二相誘導モータの回転速度に達したときの単相交流電圧の実効値または振幅を第2の基準値とすると、第1の基準値が第2の基準値未満の場合、閾値は第1の基準値に等しく設定され、第1の基準値が第2の基準値以上の場合、閾値は第2の基準値に等しく設定される。
この発明は、他の局面において、ヒートポンプ機器である。ヒートポンプ機器は、冷媒を凝縮させる凝縮器と、凝縮器を通過した冷媒を膨張させる膨張弁と、膨張弁を通過した冷媒を蒸発させる蒸発器と、蒸発器を通過した冷媒を圧縮し、圧縮した冷媒を凝縮器に吐出する圧縮機とを備える。圧縮機は、圧縮機構を駆動する二相誘導モータと、二相誘導モータを制御する上記の制御装置とを含む。
好ましくは、制御部は、圧縮機の運転を開始する直前の凝縮器の温度または凝縮器の周辺温度に基づいて閾値を設定する。
この発明によれば、起動時のモータ電流のピーク値を抑制するとともにモータ電圧ができるだけ制限されないように二相誘導モータを制御することができる。
第1の実施形態による二相誘導モータの制御装置の構成を示すブロック図である。 二相誘導モータのモータ電圧およびモータ電流の波形の一例を示す図である。 第1の実施形態による二相誘導モータの運転制御手順を示すフローチャートである。 入力電源電圧の実効値と二相誘導モータの最大回転速度および起動時のモータ電流のピーク値との関係を概略的に示す図である。 図4で負荷トルクが大きい場合において、電圧VB1を閾値に設定した場合の二相誘導モータの特性を示す図である。 図4で負荷トルクが小さい場合において、電圧VB2を閾値に設定した場合の二相誘導モータの特性を示す図である。 図3のステップS110で用いられる閾値の設定方法の一例を示すフローチャートである。 図3のステップS110で用いられる閾値の設定方法の変形例を示すフローチャートである。 空気調和機の冷媒回路を模式的に示す図である。 二相誘導モータの始動時の負荷トルクと凝縮器温度との関係を模式的に示す図である。 図3のステップS110で用いられる閾値と圧縮機停止時の凝縮器温度との関係の一例を模式的に示す図である。 図3のステップS110で用いられる閾値と圧縮機停止時の凝縮器温度との関係の他の例を模式的に示す図である。 空気調和機の圧縮機で用いられる二相誘導モータの運転制御手順を示すフローチャートである。
以下、実施形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、同一または相当する部分には同一の参照符号を付して、その説明を繰返さない。
<第1の実施形態>
[二相誘導モータの制御装置の構成]
図1は、第1の実施形態による二相誘導モータの制御装置の構成を示すブロック図である。図1を参照して、二相誘導モータ2を駆動制御する制御装置10は、切替回路20と、第1の駆動回路30と、第2の駆動回路60と、交流電圧検出器70,73,74と、交流電流検出器71,72と、制御部61とを含む。
二相誘導モータ2は、回転子3と、固定子巻線としての主巻線4および補助巻線5とを含む。回転子3として、たとえば、かご型回転子を用いることができる。図1において、主巻線4に印加された電圧をVmainとし、主巻線4に流れる電流をImainとする。補助巻線5に印加された電圧をVauxとし、補助巻線5に流れる電流をIauxとする。主巻線4に流れる電流Imainの位相と補助巻線5に流れる電流Iauxの位相とを異ならせることによって回転磁界が形成され、この回転磁界によって回転子3が回転駆動される。
制御装置10において、切替回路20は、制御部61からの制御信号SW1に基づいて、単相交流電源1からの単相交流電圧を第1の駆動回路30に供給する場合と第2の駆動回路60に供給する場合とのいずれかに切替え可能に構成されている。
具体的に、図1の例では、切替回路20は、切替スイッチ21,24を含む。切替スイッチ21は入力端子22と出力端子23a,23bとを含み、切替スイッチ24は入力端子25と出力端子26a,26bとを含む。単相交流電源1は、切替スイッチ21の入力端子22と切替スイッチ24の入力端子25との間に接続される。切替スイッチ21,24を第1の出力端子23a,26aの側にそれぞれ切替えることによって、単相交流電源1からの電圧は第1の駆動回路30に供給される。逆に、切替スイッチ21,24を第2の出力端子23b,26bの側にそれぞれ切替えることによって、単相交流電源1からの電圧は第2の駆動回路60に供給される。
第1の駆動回路30は、切替回路20を介して供給された単相交流電圧に基づいて、ランニングコンデンサ方式によって二相誘導モータ2を駆動する。駆動回路30は、コンデンサ31と開閉回路32とを含む。
コンデンサ31は、補助巻線5を流れる電流Iauxの位相を、主巻線4を流れる電流Imainの位相よりも90°遅らせるために設けられている。具体的に、切替スイッチ21の第1の出力端子23aは、主巻線4の一方端(ノードN1)と接続されるとともに、コンデンサ31を介して補助巻線5の一方端(ノードN2)と接続される。切替スイッチ24の第1の出力端子26aは、主巻線4の他方端および補助巻線5の他方端(両者の共通ノードN3)と接続される。
開閉回路32は、コンデンサ31の一方端と二相誘導モータ2のノードN1との間に接続された開閉スイッチ33と、コンデンサ31の他方端と二相誘導モータ2のノードN2との間に接続された開閉スイッチ34とを含む。開閉スイッチ33,34は、制御部61からの制御信号SW2に基づいてオンまたはオフに切替わる。具体的に、切替回路20を介して単相交流電源1からの電圧が第1の駆動回路30に供給されている場合には、開閉スイッチ33,34はオン状態に設定される。逆に、単相交流電源1からの電圧が第2の駆動回路60に供給されている場合には、開閉スイッチ33,34はオフ状態に設定される。これによって、コンデンサ31が二相誘導モータ2から切り離される。
第2の駆動回路60は、切替回路20を介して供給された単相交流電圧に基づいて、インバータ駆動方式によって二相誘導モータ2を駆動する。第2の駆動回路60は、切替回路20を介して供給された単相交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ40と、コンバータ40の出力直流電圧を二相交流電圧に変換して固定子巻線に供給するインバータ50とを含む。
図1の例では、コンバータ40は、ダイオード41,42,43,44によって構成されるダイオードブリッジ整流回路と平滑コンデンサ45とを含む。平滑コンデンサ45に代えて、力率改善コンバータを設けても構わない。
インバータ50は、6個の半導体スイッチング素子51〜56と、これらの半導体スイッチング素子に対して並列かつ逆バイアス方向にそれぞれ接続された6個のダイオードとを含む。図1の場合、半導体スイッチング素子51〜56の各々はIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)によって構成されるが、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)またはバイポーラトランジスタなどであっても構わない。
以下、半導体スイッチング素子51〜56の接続について説明する。半導体スイッチング素子51,52は、コンバータ40の高電圧側の出力ノードNpと低電圧側の出力ノードNnとの間に直列に接続される。半導体スイッチング素子51,52の接続ノードNaは、二相誘導モータ2のノードN1と接続される。同様に、半導体スイッチング素子53,54は、出力ノードNp,Nn間に直列に、かつ直列接続された半導体スイッチング素子51,52の全体と並列に接続される。半導体スイッチング素子53,54の接続ノードNbは、二相誘導モータ2のノードN2と接続される。半導体スイッチング素子55,56は、出力ノードNp,Nn間に直列に、かつ直列接続された半導体スイッチング素子51,52の全体および直列接続された半導体スイッチング素子53,54の全体と並列に接続される。半導体スイッチング素子55,56の接続ノードNcは、二相誘導モータ2のノードN3と接続される。
次に、インバータ50の動作について簡単に説明する。半導体スイッチング素子51〜56のスイッチングは、制御部61からの制御信号S1〜S6によってそれぞれ制御される。最初に、半導体スイッチング素子51,56がオン状態となり、他のスイッチング素子がオフ状態になることによって、主巻線4に正方向の主電流Imainが流れる。次に、半導体スイッチング素子53,56がオン状態になり、他のスイッチング素子がオフ状態になることによって、補助巻線5に正方向の補助電流Iauxが流れる。次に、半導体スイッチング素子52,55がオン状態となり、他のスイッチング素子がオフ状態になることによって、主巻線4に負方向の主電流Imainが流れる。次に、半導体スイッチング素子54,55がオン状態となり、他のスイッチング素子がオフ状態になることによって、補助巻線5に負方向の補助電流Iauxが流れる。以下、上記の制御が繰り返されることによって回転磁界が生成される。
交流電圧検出器70は、単相交流電源1から入力される入力電源電圧Vinを検出する。交流電流検出器71は、主巻線4に供給される主電流Imainを検出する。交流電流検出器72は、補助巻線5に供給される補助電流Iauxを検出する。交流電圧検出器73は、主巻線4に印加される電圧Vmainを検出する。交流電圧検出器74は、補助巻線5に印加される電圧Vauxを検出する。
制御部61は、CPUおよびメモリなどを含むマイクロコンピュータを基に構成され、二相誘導モータ2の制御装置10全体の動作を制御する。たとえば、制御部61は、検出された入力電圧Vin、主巻線4の電流検出値Saおよび電圧検出値Sc、ならびに補助巻線5の電流検出値Sbおよび電圧検出値Sdに基づいて、インバータ50を構成する半導体スイッチング素子51〜56のスイッチングをそれぞれ制御するための制御信号S1〜S6を生成する。さらに、制御部61は、入力電源電圧Vinの実効値または振幅に基づいて、切替回路20の切替えならびに開閉回路32の開閉をそれぞれ制御するための制御信号SW1,SW2を生成する。切替回路20の制御方法の詳細については、図3〜図8を参照して後述する。
[ランニングコンデンサ方式とインバータ駆動方式の各々の問題点について]
以下、ランニングコンデンサ方式で二相誘導モータを駆動する場合、ならびにインバータ駆動方式で二相誘導モータを駆動する場合の各々の問題点について説明する。
図2は、二相誘導モータのモータ電圧およびモータ電流の波形の一例を示す図である。図2(A)は、ランニングコンデンサ方式で二相誘導モータを起動して運転する場合のモータ電圧およびモータ電流の波形の一例を示す。図2(B)は、インバータ駆動方式で二相誘導モータを起動して運転する場合のモータ電圧およびモータ電流の波形の一例を示す。図2(A)および(B)のいずれの場合も入力交流電圧の実効値は200Vであるとする。
図2(A)を参照して、横軸の時間が200m秒のときに二相誘導モータが起動される。ランニングコンデンサ方式の場合には、起動時に、200Vの実効値の交流電圧が二相誘導モータの主巻線4および補助巻線5に急に印加されることになるので、過剰なモータ電流が起動時に流れるという問題点がある。図2(A)の場合に、起動時のモータ電流のピーク値は約38Aである。起動時のピーク電流値は、入力交流電圧の実効値が増加するほど増加する。この結果、単相交流電源1の入力部に通常設けられている過電流ブレーカ(図1において不図示)が動作する場合がある。
図2(B)を参照して、横軸の時間が0.2秒のときに二相誘導モータが起動される。インバータ駆動方式の場合は、インバータから出力される電流および電圧の振幅ならびに周波数を制限することによって、起動時のモータ電流にピーク値が生じないようにすることができる。図2(B)のピーク電流値は4Aまで低減されている。しかしながら、インバータの変換効率に限界があるので(特に、二相モータは三相モータに比べて変換効率が低くなる)、ランニングコンデンサ方式の場合に比べてモータ電圧が低くなる。図2(B)のモータ電圧は約100Vである。インバータ駆動方式の場合のモータ電圧は、入力交流電圧の実効値が増加するほど増加する。
[制御部の動作]
以上の問題点を考慮して、この実施形態の制御装置10の制御部61は、以下のように二相誘導モータの運転制御を行う。
図3は、第1の実施形態による二相誘導モータの運転制御手順を示すフローチャートである。図1および図3を参照して、まず、制御部61は、二相誘導モータ2の起動前に、交流電圧検出器70を用いて単相交流電源1からの入力電圧Vinの実効値(または振幅値)を検出する(ステップS100)。この結果、入力電圧Vinの実効値(または振幅値)が予め設定された閾値を超えている場合には(ステップS110でYES)は、制御部61は、切替回路20の接続を第2の駆動回路60側(インバータ50側)に切替える(ステップS120)。そして、制御部61は、インバータ50によって二相誘導モータ2を起動し、運転する(ステップS130)。
一方、入力電圧Vinの実効値(または振幅値)が閾値以下の場合には(ステップS110でNO)は、制御部61は、切替回路20の接続を第1の駆動回路30側(ランニングコンデンサ回路側)に切替える(ステップS140)。そして、制御部61は、第1の駆動回路30(ランニングコンデンサ回路)によって二相誘導モータ2を起動し、運転する(ステップS150)。
以上の制御によって、起動時のモータ電流のピーク値を抑制するとともにモータ電圧ができるだけ制限されないようにすることができる。以下、上記の閾値の決定方法について説明する。以下の説明では、切替回路20の接続を第1の駆動回路30側に切替えて、二相誘導モータ2を起動して運転する場合を第1の運転モードと称し、切替回路20の接続を第2の駆動回路60側に切替えて、二相誘導モータ2を起動して運転する場合を第2の運転モードと称する。
[運転制御の際の閾値の設定手順]
図4は、入力電源電圧の実効値と二相誘導モータの最大回転速度および起動時のモータ電流のピーク値との関係を概略的に示す図である。
図4の上側のグラフを参照して、第1の運転モード(ランニングコンデンサ方式)の場合、二相誘導モータの回転速度R1は、入力電源電圧Vinの周波数で決まる一定値になる。第2の運転モード(インバータ駆動方式)の場合、二相誘導モータ2の最大回転速度R2は、電源電圧Vinの実効値(または振幅値)が増加するほど増加する。第1の運転モードの場合の回転速度R1の特性曲線と第2の運転モードの場合の最大回転速度R2の特性曲線との交点における電圧をVCとする。
図4の下側のグラフを参照して、第2の運転モード(インバータ駆動方式)の場合、起動時のモータ電流のピーク値IP2は、入力電源電圧Vinの実効値(または振幅値)によらず比較的低い値に抑制することができる。一方、第1の運転モード(ランニングコンデンサ方式)の場合、起動時のモータ電流のピーク値IP1は、電源電圧Vinの実効値(または振幅値)が増加するほど増加する。さらに、二相誘導モータ2の負荷トルクが大きい程、起動時のピーク電流は増大する。
ここで、モータ電流の上限値をBLとする。上限値BLは、二相誘導モータの固定子巻線の定格電流およびコンデンサ31の耐圧などを考慮して決定されるが、通常は、制御装置10の入力側に設けられた過電流ブレーカの動作電流よりも若干低い値に設定される。図4を参照して、ランニングコンデンサ方式におけるモータ電流のピーク値IP1が上限値BLに達したときの電圧をVBとする(負荷トルクが大きい場合をVB1とし、負荷トルクが小さい場合VB2とする)。一実施例では、この電圧VBが前述の二相誘導モータの運転制御の場合の閾値に設定される。変形例では、電圧VCが電圧VBよりも小さい場合には、電圧VCが閾値に設定され、電圧VCが電圧VB以上の場合には、電圧VBが閾値に設定される。以下、図面を参照してさらに詳しく説明する。
図5は、図4で負荷トルクが大きい場合において、電圧VB1を閾値に設定した場合の二相誘導モータの特性を示す図である。図5を参照して、ランニングコンデンサ方式における入力電源電圧Vinの実効値が電圧VB1に等しいとき、モータ電流のピーク値IP1がモータ電流の上限値BLに等しくなったとする。この場合において、入力電源電圧Vinの実効値が電圧VB1(=閾値)以下の場合に、制御部61は、第1の運転モード(ランニングコンデンサ方式)で二相誘導モータ2を起動して運転する。入力電源電圧Vinの実効値が電圧VB1(=閾値)を超えている場合には、制御部61は、第2の運転モード(インバータ制御方式)で二相誘導モータ2を起動して運転する。このような運転制御によって、起動時のモータ電流のピーク値が上限値BLを超えないようにできるともに、入力電源電圧Vinの実効値が比較的大きい場合に、ランニングコンデンサ方式の場合よりもモータの回転速度を上昇させることができる。
図6は、図4で負荷トルクが小さい場合において、電圧VB2を閾値に設定した場合の二相誘導モータの特性を示す図である。図6を参照して、ランニングコンデンサ方式における入力電源電圧Vinの実効値が電圧VB2に等しいとき、モータ電流のピーク値IP1がモータ電流の上限値BLに等しくなったとする。この場合において、入力電源電圧Vinの実効値が電圧VB2(=閾値)以下の場合に、制御部61は、第1の運転モード(ランニングコンデンサ方式)で二相誘導モータ2を起動して運転することができる。入力電源電圧Vinの実効値が電圧VB2(=閾値)を超えている場合には、制御部61は、第2の運転モード(インバータ制御方式)で二相誘導モータ2を起動して運転することができる。
ただし、図6の場合には、変形例として、電圧VB2よりも低い電圧VCを閾値に設定してもよい。電圧VCにおいて、インバータ駆動方式の場合の最大回転速度R2がランニングコンデンサ方式の場合の回転速度R1に等しくなるので、電圧VCにおいて運転モードを切替えることによって、二相誘導モータの最大回転数をより上昇させることができるからである。
以上を総括して、図3のフローチャートのステップS110で用いられる閾値の設定方法について説明する。
図7は、図3のステップS110で用いられる閾値の設定方法の一例を示すフローチャートである。図7の手順に従って閾値が予め設定される。
図1および図7を参照して、まず、切替回路20の接続をランニングコンデンサ回路(第1の駆動回路30)側に切替える(ステップS200)。次に、入力電源電圧Vinの実効値を徐々に増加させながら、第1の運転モード(ランニングコンデンサ方式)で二相誘導モータ2を起動することを繰返す。そして、起動時のピーク電流が上限値(ブレーカ動作電流よりも若干低い値)に等しくなったときの入力電源電圧VBを特定する(ステップS210)。この入力電源電圧VBが閾値に設定される(ステップS250)。
図8は、図3のステップS110で用いられる閾値の設定方法の変形例を示すフローチャートである。図8の手順に従って閾値が予め設定される。
図1および図8を参照して、まず、切替回路20の接続をランニングコンデンサ回路(第1の駆動回路30)側に切替える(ステップS200)。この接続状態で、入力電源電圧Vinの実効値を徐々に増加させながら、第1の運転モード(ランニングコンデンサ方式)で二相誘導モータ2を起動することを繰返す。そして、起動時のピーク電流が上限値(ブレーカ動作電流よりも若干低い値)に等しくなったときの入力電源電圧VBを特定する(ステップS210)。
次に、切替回路20の接続をインバータ(第2の駆動回路60)側に切替える(ステップS220)。この接続状態で、入力電源電圧Vinの実効値を徐々に増加させながら、第2の運転モード(インバータ駆動方式)で二相誘導モータ2を運転する。そして、モータの最大回転速度がランニングコンデンサ方式での回転速度に等しくなったときの入力電源電圧VCを検出する(ステップS230)。
上記の電圧VBが電圧VCよりも小さい場合には(ステップS240でYES)、電圧VBが閾値に設定される(ステップS250)。電圧VBが電圧VC以上の場合には(ステップS240でNO)、電圧VCが閾値に設定される(ステップS260)。
[効果]
以上の二相誘導モータの駆動装置によれば、起動時のモータ電流のピーク値を抑制するとともにモータ電圧ができるだけ制限されないように二相誘導モータを制御できる。
<第2の実施形態>
第2の実施形態では、第1の実施形態の二相誘導モータの制御装置を、ヒートポンプ機器の圧縮機に適用した場合について説明する。以下では、空気調和機を例に挙げて説明するが、以下の実施形態は、空気調和機以外のヒートポンプ機器(たとえば、冷蔵庫、給湯機など)にも適用可能である。
[空気調和機の冷媒回路]
図9は、空気調和機の冷媒回路を模式的に示す図である。図9を参照して、空気調和機100は、室外機側の熱交換器(以下「室外熱交換器」という)101と、膨張弁102と、室内機側の熱交換器(以下「室内熱交換器」という)103と、四方弁104と、圧縮機105とを含み、それらが順に閉ループ状に接続されている。圧縮機105は、冷媒を圧縮する。室外熱交換器101は、室外の空気および冷媒の間で熱交換する。膨張弁102は、冷媒の流量を調整するために制御される。室内熱交換器103は、室内の空気および冷媒の間で熱交換する。四方弁104は、冷房運転および暖房運転において冷媒の巡回方向を切替える。
圧縮機105の圧縮機構を駆動するためのモータとして第1の実施形態で説明した二相誘導モータ2が用いられる。さらにこの二相誘導モータの制御装置として第1の実施形態で説明した制御装置10が用いられる。
冷房運転時には、図9の実線の矢印で示されるように、圧縮機105、四方弁104、室外熱交換器101、膨張弁102、室内熱交換器103、四方弁104、圧縮機105の順に冷媒が巡回する。この場合、室外熱交換器101が、圧縮された高温の冷媒を凝縮して液化させるための凝縮器として機能し、室内熱交換器103が、液化された冷媒を蒸発させることで冷媒を低温の気体に変化させるための蒸発器として機能する。暖房運転時には、図9の破線の矢印で示されるように、圧縮機105、四方弁104、室内熱交換器103、膨張弁102、室外熱交換器101、四方弁104、圧縮機105の順に冷媒が巡回する。この場合、室外熱交換器101が蒸発器として機能し、室内熱交換器103が凝縮器として機能する。
空気調和機は、さらに、室外熱交換器101の温度を測定するための温度センサ106と、圧縮機105の出口での冷媒温度である吐出温度を測定するための温度センサ107と、室内熱交換器103の温度を測定するための温度センサ108とを含む。これらの温度センサ106,107,108は、たとえばサーミスタである。室外熱交換器101用の温度センサ106および室内熱交換器103用の温度センサ108はいずれも、熱交換器の入口と出口の中間に配置される。したがって、通常の場合には、これらの熱交換器が凝縮器として機能するときに検出される温度は冷媒の凝縮温度であり、蒸発器として機能するときに検出される温度は冷媒の蒸発温度である。
さらに、外気温を測定するための温度センサ(不図示)が室外熱交換器101を収納する室外機に取り付けられ、室内温度を測定するための温度センサ(不図示)が室内熱交換器103を収納する室内機に取り付けられている。これの温度センサもたとえばサーミスタによって構成することができる。
なお、本実施の形態では、暖房運転および冷房運転を切替え可能として説明するが、空気調和機は、暖房運転および冷房運転の一方のみ可能であってもよい。その場合、室外熱交換器101および室内熱交換器103の機能は、凝縮器または蒸発器として固定される。
[二相誘導モータの運転制御について]
図9に示す冷媒回路を駆動するヒートポンプ機器の場合、圧縮機105を駆動する二相誘導モータの負荷トルクは圧縮機105の出力側の冷媒温度によって変化する。したがって、冷媒温度に応じて図3のステップS110で用いられる閾値が変化することになる。以下、この点について詳しく説明する。
図10は、二相誘導モータの始動時の負荷トルクと凝縮器温度との関係を模式的に示す図である。図9および図10を参照して、二相誘導モータの起動時の負荷トルクは、起動直前の圧縮機105の出力側の冷媒温度、すなわち、凝縮器の温度に依存する。具体的には、凝縮器の温度が増加するにつれて二相誘導モータの起動時の負荷トルクが増加する。なお、圧縮機105の停止時には、凝縮器の温度は凝縮器の周辺温度(冷房運転時の外気温、暖房運転時の室内温度)に等しいので、凝縮器の温度に代えて凝縮器の周辺温度を圧縮機の出力側の冷媒温度としてもよい。
図11は、図3のステップS110で用いられる閾値と圧縮機停止時の凝縮器温度との関係の一例を模式的に示す図である。図7で説明した方法で閾値を設定する場合には、図11に示すように、圧縮機停止時(起動直前)の凝縮器の温度が増加するほど、閾値はより小さな値に設定される。なぜなら、凝縮器の温度が増加するほど(すなわち、冷媒温度が増加するほど)二相誘導モータの起動時の負荷トルクが増加するので、起動時のモータ電流のピーク値がより増加するからである。
図12は、図3のステップS110で用いられる閾値と圧縮機停止時の凝縮器温度との関係の他の例を模式的に示す図である。図8で説明した方法で閾値を設定する場合には、図11に示すように、圧縮機停止時(起動直前)の凝縮器の温度が閾値温度Tth以下の場合には、閾値は一定値VCに設定される。図4、図6、および図8で説明したように、凝縮器温度が比較的低い場合、すなわち、負荷トルクが比較的小さい場合には、図4および図6の電圧VCに閾値を設定することができるからである。逆に、圧縮機停止時(起動直前)の凝縮器の温度が閾値温度Tthを超えている場合には、圧縮機停止時(起動直前)の凝縮器の温度が増加するほど、閾値はより小さな値に設定される。図4、図5、および図8で説明したように、凝縮器温度が比較的高い場合、すなわち、負荷トルクが比較的大きい場合には、起動時のモータ電流のピーク値が上限値BLを超えないように、図4および図5の電圧VB1に閾値を設定する必要があるからである。
図13は、空気調和機の圧縮機で用いられる二相誘導モータの運転制御手順を示すフローチャートである。以下の説明において、図1の制御部61は、温度センサを用いた温度の検出および空気調和機全体の制御も行う。
図1、図9、および図13を参照して、まず、制御部61は、冷房運転を開始する場合には(ステップS10でYES)、二相誘導モータ2の起動前に、外気温(または室外熱交換器101の温度)を、温度センサを用いて検出する(ステップS20)。制御部61は、検出した外気温(または室外熱交換器101の温度)に基づいて閾値を決定する(ステップS30)。閾値と外気温(室外熱交換器101の温度)との関係の一例は、図11または図12に示されている。この関係は、予め実験的に決定され、制御部61を構成するコンピュータのメモリに記憶される。
一方、制御部61は、暖房運転を開始する場合には(ステップS10でNO)、二相誘導モータ2の起動前に、室内温度(または室内熱交換器103の温度)を、温度センサを用いて検出する(ステップS30)。制御部61は、検出した室内温度(または室内熱交換器103の温度)に基づいて閾値を決定する(ステップS40)。閾値と室内温度(室内熱交換器103の温度)との関係の一例は、図11または図12に示されている。この関係は、予め実験的に決定され、制御部61を構成するコンピュータのメモリに記憶される。
次に、制御部61は、交流電圧検出器70を用いて単相交流電源1からの入力電圧Vinの実効値(または振幅値)を検出する(ステップS100)。この結果、入力電圧Vinの実効値(または振幅値)がステップS30またはS50で設定した閾値を超えている場合には(ステップS110でYES)は、制御部61は、切替回路20の接続を第2の駆動回路60側(インバータ50側)に切替える(ステップS120)。そして、制御部61は、インバータ50によって二相誘導モータ2を起動し、運転する(ステップS130)。
一方、入力電圧Vinの実効値(または振幅値)が閾値以下の場合には(ステップS110でNO)は、制御部61は、切替回路20の接続を第1の駆動回路30側(ランニングコンデンサ回路側)に切替える(ステップS140)。そして、制御部61は、第1の駆動回路30(ランニングコンデンサ回路)によって二相誘導モータ2を起動し、運転する(ステップS150)。
以上の制御によって、起動時のモータ電流のピーク値を抑制するとともにモータ電圧ができるだけ制限されないように、圧縮機用の二相誘導モータを制御することができる。
<第3の実施形態>
空気調和機で冷房運転または暖房運転を行う場合には、室内温度が設定温度に達したら圧縮機(すなわち、二相誘導モータ)を停止し、室内温度と設定温度との差の絶対値が所定値以上の場合に圧縮機(すなわち、二相誘導モータ)の運転を開始するように圧縮機の運転制御が行われる場合がある。このように圧縮機をオンオフ制御する場合にも、停止時の凝縮器温度(または凝縮器周辺温度)に基づいて、次に圧縮機を始動するときの運転モードを第1の運転モードおよび第2の運転モードのいずれかに切替えることができる。これによって、第2の実施形態の場合と同様に、起動時のモータ電流のピーク値を抑制するとともにモータ電圧ができるだけ制限されないように、圧縮機用の二相誘導モータを制御することができる。
<付記>
以下、以上の各実施形態で開示された発明の一部を列挙する。
(1)二相誘導モータ2の制御装置10が提供される。二相誘導モータ2は、回転磁界を生成するための第1巻線4および第2巻線5を含む。制御装置10は、切替回路20と、第1の駆動回路30と、第2の駆動回路60と、制御部61とを備える。切替回路20は、単相交流電圧の供給先を切替える。第1の駆動回路30は、切替回路20から供給された単相交流電圧を第1巻線4に印加するとともにコンデンサ31を介して第2巻線5に印加する。第2の駆動回路60は、コンバータ40およびインバータ50を含む。コンバータ40は、切替回路20から供給された単相交流電圧を直流電圧に変換する。インバータ50は、コンバータ40の出力直流電圧を2相交流電圧に変換し、変換した2相交流電圧を第1巻線4および第2巻線5に印加する。制御部61は、切替回路20の切替制御を行うことによって、単相交流電圧の実効値または振幅が閾値以下の場合に、第1の駆動回路30を用いて二相誘導モータ2の起動および運転を行い、単相交流電圧の実効値または振幅が閾値を超える場合に、第2の駆動回路60を用いて二相誘導モータ2の起動および運転を行う。
(2) 上記(1)において、第1の駆動回路30によって二相誘導モータ2が駆動される場合、単相交流電圧の実効値または振幅が増加するにつれて、二相誘導モータ2の起動時における第1および第2巻線の電流ピーク値は増加する。起動時の電流ピーク値が上限値BLに達したときの単相交流電圧の実効値または振幅を第1の基準値VBとすると、閾値は第1の基準値VBに等しく設定される。
(3) 上記(2)において、第2の駆動回路60によって二相誘導モータ2が駆動される場合、単相交流電圧の実効値または振幅が増加するにつれて、二相誘導モータ2の最大回転速度は増加する。第2の駆動回路60によって駆動された場合の二相誘導モータ2の最大回転速度が、第1の駆動回路30によって駆動された場合の二相誘導モータ2の回転速度に達したときの単相交流電圧の実効値または振幅を第2の基準値VCとすると、第1の基準値VBが第2の基準値VC未満の場合、閾値は第1の基準値VBに等しく設定され、第1の基準値VBが第2の基準値VC以上の場合、閾値は第2の基準値VCに等しく設定される。
(4) ヒートポンプ機器100は、冷媒を凝縮させる凝縮器(101または103)と、凝縮器を通過した冷媒を膨張させる膨張弁102と、膨張弁を通過した冷媒を蒸発させる蒸発器(103または101)と、蒸発器を通過した冷媒を圧縮し、圧縮した冷媒を凝縮器に吐出する圧縮機105とを備える。圧縮機105は、圧縮機構を駆動する二相誘導モータ2と、二相誘導モータ2を制御する上記(1)に記載の制御装置10とを含む。
(5) 上記(4)において、制御部61は、圧縮機105の運転を開始する直前の凝縮器(101または103)の温度または凝縮器の周辺温度に基づいて上記の閾値を設定する。
(6) 上記(5)において、制御部61は、凝縮器(101または103)の温度または凝縮器の周辺温度が増加するほど閾値を減少させる。
(7) 上記(5)において、制御部61は、凝縮器(101または103)の温度または凝縮器の周辺温度が基準温度Vth未満の場合には、閾値を凝縮器の温度または凝縮器の周辺温度によらない一定値VCに設定する。制御部61は、凝縮器(101または103)の温度または凝縮器の周辺温度が基準温度Vth以上の場合には、凝縮器の温度または凝縮器の周辺温度が増加するほど、閾値を減少させる。
(8) 上記(5)において、ヒートポンプ機器は、空気調和機であり、四方弁をさらに備える。四方弁は、冷房運転時に圧縮機から凝縮器としての室外熱交換器に冷媒が流れ、暖房運転時に圧縮機から凝縮器としての室内熱交換器に冷媒が流れるように、冷媒の流路を切替える。制御部61は、冷房運転時に室外熱交換器101の温度または外気温に基づいて閾値を設定する。制御部61は、暖房運転時に室内熱交換器103の温度または室内温度に基づいて閾値を設定する。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものでないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 単相交流電源、2 二相誘導モータ、3 回転子、4 主巻線(第1巻線)、5 補助巻線(第2巻線)、10 制御装置、20 切替回路、30 第1の駆動回路(ランニングコンデンサ回路)、31 コンデンサ、32 開閉回路、40 コンバータ、50 インバータ、51〜56 半導体スイッチング素子、60 第2の駆動回路、61 制御部、70,73,74 交流電圧検出器、71,72 交流電流検出器、100 空気調和機(ヒートポンプ機器)、101 室外熱交換器、102 膨張弁、103 室内熱交換器、104 四方弁、105 圧縮機、106,107,108 温度センサ。

Claims (5)

  1. 二相誘導モータの制御装置であって、
    前記二相誘導モータは、回転磁界を生成するための第1巻線および第2巻線を含み、
    前記制御装置は、
    単相交流電圧の供給先を切替える切替回路と、
    前記切替回路から供給された前記単相交流電圧を前記第1巻線に印加するとともにコンデンサを介して前記第2巻線に印加する第1の駆動回路と、
    コンバータおよびインバータを含む第2の駆動回路とを備え、
    前記コンバータは、前記切替回路から供給された前記単相交流電圧を直流電圧に変換し、
    前記インバータは、前記コンバータの出力直流電圧を2相交流電圧に変換し、変換した前記2相交流電圧を前記第1および第2巻線に印加し、
    さらに、前記切替回路の切替制御を行うことによって、前記単相交流電圧の実効値または振幅が閾値以下の場合に、前記第1の駆動回路を用いて前記二相誘導モータの起動および運転を行い、前記単相交流電圧の実効値または振幅が前記閾値を超える場合に、前記第2の駆動回路を用いて前記二相誘導モータの起動および運転を行う制御部とを備える、二相誘導モータの制御装置。
  2. 前記第1の駆動回路によって前記二相誘導モータが駆動される場合、前記単相交流電圧の実効値または振幅が増加するにつれて、前記二相誘導モータの起動時における前記第1および第2巻線の電流ピーク値は増加し、
    前記起動時の電流ピーク値が上限値に達したときの前記単相交流電圧の実効値または振幅を第1の基準値とすると、前記閾値は前記第1の基準値に等しく設定される、請求項1に記載の二相誘導モータの制御装置。
  3. 前記第2の駆動回路によって前記二相誘導モータが駆動される場合、前記単相交流電圧の実効値または振幅が増加するにつれて、前記二相誘導モータの最大回転速度は増加し、
    前記第2の駆動回路によって駆動された場合の前記二相誘導モータの最大回転速度が、前記第1の駆動回路によって駆動された場合の前記二相誘導モータの回転速度に達したときの前記単相交流電圧の実効値または振幅を第2の基準値とすると、前記第1の基準値が前記第2の基準値未満の場合、前記閾値は前記第1の基準値に等しく設定され、前記第1の基準値が前記第2の基準値以上の場合、前記閾値は前記第2の基準値に等しく設定される、請求項2に記載の二相誘導モータの制御装置。
  4. 冷媒を凝縮させる凝縮器と、
    前記凝縮器を通過した前記冷媒を膨張させる膨張弁と、
    前記膨張弁を通過した前記冷媒を蒸発させる蒸発器と、
    前記蒸発器を通過した前記冷媒を圧縮し、圧縮した前記冷媒を前記凝縮器に吐出する圧縮機とを備え、
    前記圧縮機は、
    圧縮機構を駆動する二相誘導モータと、
    前記二相誘導モータを制御する請求項1に記載の制御装置とを含む、ヒートポンプ機器。
  5. 前記制御部は、前記圧縮機の運転を開始する直前の前記凝縮器の温度または前記凝縮器の周辺温度に基づいて前記閾値を設定する、請求項4に記載のヒートポンプ機器。
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