本明細書によって開示される技術は、搬送経路を切り替えて原稿を搬送して読み取る画像読取装置に用いられる技術に関する。
従来から、複数の搬送経路を有し、原稿毎に搬送経路を切り替えて原稿を搬送して読み取る画像読取装置が知られている(例えば、特許文献1)。この装置では、原稿の厚さを搬送中に判定し、判定した原稿の厚さに応じて原稿をいずれの搬送経路で搬送するかを切り替える技術が開示されている。
複数の搬送経路を有する画像読取装置では、各搬送経路で搬送された原稿を読み取った読取結果に対して、異なる補正処理を施すことが必要な場合がある。例えば、各搬送経路で搬送される原稿の種類が定められている場合、原稿種類の違いにより、一方の搬送経路で搬送された原稿に対して他方の搬送経路で搬送された原稿よりも高精度に読取結果を補正することが必要な場合がある。また、各搬送経路の形状の違いにより、各搬送経路で搬送される原稿の搬送速度に微差が生じており、少なくとも一方の搬送経路で搬送された原稿に対して補正処理をすることが必要な場合がある。しかし、従来技術では、異なる搬送経路を用いて読み取られた読取結果に対する補正処理に対して、十分に検討されていなかった。
本明細書に開示される発明は、搬送経路を切り替えて原稿を搬送して読み取る画像読取装置において、搬送経路に応じて読取結果を補正する技術に関する。
本明細書によって開示される画像読取装置は、原稿が載置される載置部と、前記載置部に載置された前記原稿を第1搬送経路及び第2搬送経路のいずれか一方の搬送経路に沿って搬送する搬送部と、前記第1搬送経路と前記第2搬送経路との共通搬送経路上に設けられ、前記搬送部によって搬送される前記原稿を主走査方向に読み取る読取部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記原稿がいずれの搬送経路に沿って搬送されるかを設定する設定処理と、設定された前記搬送経路に沿って前記原稿を搬送し、前記読取部によって読み取られた読取結果を、設定された前記搬送経路によって、前記主走査方向に直交する副走査方向における拡大又は縮小倍率を示す副走査倍率を切り替えて補正する補正処理と、を実行する。
この画像読取装置では、原稿を搬送する第1搬送経路及び第2搬送経路が設けられており、原稿はいずれか一方の搬送経路に沿って搬送される。そして、搬送経路に沿って搬送される原稿を読み取った読取結果に対して、搬送経路によって副走査倍率を切り替えて補正する。この画像読取装置によれば、各搬送経路の形状や各搬送経路に搬送される原稿の種類等の搬送経路の個体差に応じて各搬送経路毎に個別の副走査倍率を設定することができ、各搬送経路で搬送された原稿を読み取った読取結果に対して、異なる補正処理を実行することができる。
また、上記の画像読取装置では、前記補正処理には、前記原稿が前記第1搬送経路に沿って搬送される場合に、前記原稿を読取完了後に、前記読取結果から第1の副走査倍率を決定し、決定された前記第1の副走査倍率で前記読取結果を補正する第1補正処理と、前記原稿が前記第2搬送経路に沿って搬送される場合に、前記原稿を読取途中に、予め定められた第2の副走査倍率で前記読取結果を補正する第2補正処理と、を含む構成としても良い。
この画像読取装置によれば、第1搬送経路に沿って搬送された原稿に対しては、実際に原稿を用いて読み取った読取結果に応じて副走査倍率を決定することができる。また、第2搬送経路に沿って搬送された原稿に対しては、予め定められた副走査倍率を用いて原稿の読取中に読取結果の補正を開始するので、原稿の読取開始から読取結果の補正完了までの時間を短縮することができる。
また、上記の画像読取装置では、前記制御部は、前記第1補正処理において、前記原稿の前記副走査方向における副走査方向長を推定し、前記読取結果の前記副走査方向における副走査方向データ幅が前記副走査方向長と等しくなる前記第1の副走査倍率を決定する構成としても良い。
この画像読取装置によれば、第1搬送経路に沿って搬送される原稿に対して、副走査方向における副走査方向データ幅が、原稿の副走査方向長と等しくなるように高精度に補正された読取結果を取得することができる。
また、上記の画像読取装置では、前記読取部は、前記主走査方向への読み取りを前記副走査方向に複数回繰り返して前記原稿を読み取り、前記副走査方向長に対応した前記主走査方向への基準の読取回数を示す基準読取数が記憶された記憶部を更に備え、前記制御部は、前記第1補正処理において、前記原稿が読み取られた際の読取数が前記原稿の副走査方向長に対応した前記基準読取数と等しくなる前記第1の副走査倍率を決定する構成としても良い。
この画像読取装置によれば、第1搬送経路に沿って搬送される原稿に対して、副走査方向における副走査方向データ幅が、原稿の副走査方向長と等しくなるように高精度に補正された読取結果を取得することができる。
また、上記の画像読取装置では、前記制御部は、前記第1補正処理において、前記原稿に対して1回目の前記主走査方向への読み取りにより読み取られた単位読取結果の前記主走査方向における主走査方向データ幅から前記副走査方向長を推定する構成としても良い。
この画像読取装置によれば、原稿の読取結果から原稿の副走査方向長を推定することができる。
また、上記の画像読取装置では、前記第1搬送経路は、基準厚さよりも厚い原稿を搬送する搬送経路であって、前記第2搬送経路は、前記基準厚さよりも薄い原稿を搬送する搬送経路である構成としても良い。
この画像読取装置によれば、比較的厚い原稿についての高精度に補正された読取結果を取得することができる。
また、上記の画像読取装置では、前記読取結果を記憶する記憶部を更に備え、前記第1
搬送経路は、基準原稿サイズよりも小型な原稿を搬送する搬送経路であって、前記第2搬送経路は、前記基準原稿サイズよりも大型な原稿を搬送する搬送経路である構成としても良い。
この画像読取装置によれば、第1搬送経路に比較的小型な原稿のみを搬送するので、第1補正処理において、第1の副走査倍率を決定する際に、一旦、原稿を読み取った読取結果のすべてを記憶部に記憶する場合でも、記憶部に必要とされる容量を縮小することができる。
また、上記の画像読取装置では、前記第2搬送経路は、前記第1搬送経路よりも曲率半径の小さい湾曲部を有する構成としても良い。
この画像読取装置によれば、搬送経路の形状に起因して生じる読取結果への影響を抑制するように、読取結果を補正することができる。
また、上記の画像読取装置では、前記第1搬送経路上に設けられ、前記第1搬送経路を遮断する遮断状態と、前記第1搬送経路に沿って前記原稿を搬送する搬送状態のいずれかの状態に切り替わる切替部を更に備え、前記制御部は、前記設定処理において、前記切替部の状態が前記搬送状態の場合に、前記原稿を前記第1搬送経路に沿って搬送されるように設定し、前記切替部の状態が前記遮断状態の場合に、前記原稿を前記第2搬送経路に沿って搬送されるように設定する構成としても良い。
この画像読取装置によれば、切替部の状態に応じて、いずれの搬送経路に沿って原稿を搬送するかを設定することができる。
本明細書によって開示される画像読取装置では、搬送経路を切り替えて原稿を搬送して読み取る画像読取装置において、搬送経路に応じて読取結果を補正することができる。
画像読取装置の概略的な断面図
画像読取装置の電気的構成を概略的に示すブロック図
実施形態1の読取処理を示すフローチャート
補正前読取処理を示すフローチャート
拡大・縮小処理を示すフローチャート
読取補正処理を示すフローチャート
原稿と読取画像を示す図
実施形態2の読取処理を示すフローチャート
<実施形態1>
実施形態1を、図1ないし図7を用いて説明する。
1.画像読取装置の機械的構成
図1に示すように、画像読取装置1は、ユーザにより給紙トレイ2に載置された複数の原稿Gを排紙トレイ4A、4Bに搬送するとともに、搬送中の原稿Gを本体部3に含まれるCIS30を用いて読み取るシートフィードスキャナである。給紙トレイ2は、載置部の一例である。
画像読取装置1の本体部3には、給紙トレイ2と排紙トレイ4を接続する搬送経路22
が設けられており、この搬送経路22の周辺に、給紙ローラ40と、分離パッド42と、搬送ローラ44と、CIS30と、フロントセンサ(以下、Fセンサ)13と、リアセンサ(以下、Rセンサ)14と、排紙ローラ46と、変向板48と、トレイ板50と、を備える。CIS30は、読取部の一例であり、トレイ板50は、切替部の一例である。
給紙ローラ40は、給紙トレイ2に載置された原稿Gに当接し、摩擦力により、給紙トレイ2に載置された原稿Gを本体部3の内部へと引き込む。この際、原稿Gは、分離パッド42の摩擦力により各原稿G毎に分離され、搬送経路22へと送り出される。
搬送ローラ44は、モータM(図2参照)により駆動され、本体部3の内部へと引き込まれた原稿Gを搬送経路22に沿って搬送する。CIS30は、その主走査方向D1が搬送経路22に沿った搬送方向D2に直交する姿勢で搬送経路22上の読取位置L1に配置され、読取位置L1を通過する原稿Gを主走査方向D1に読み取る。
排紙ローラ46は、搬送ローラ44と同様にモータMにより駆動され、搬送経路22上に搬送された原稿Gを排紙トレイ4に送り出す。排紙ローラ46の搬送経路22を挟んで対向する位置に、変向板48が配置されている。変向板48は、変向部19(図2参照)により制御されており、排紙トレイ4Aへと続く第1搬送経路22Aに沿った第1姿勢F1と、排紙トレイ4Bへと続く第2搬送経路22Bに沿った第2姿勢F2と、のいずれか一方の姿勢となるように制御される。
また、第1搬送経路22Aが本体部3と交差する位置の第1搬送経路22A上に、トレイ板50が配置されている。トレイ板50は、状態センサ10(図2参照)によりその状態が検出されており、開放状態F3と閉鎖状態F4のいずれかの状態に切り替わる。トレイ板50は、開放状態F3となることで排紙トレイ4Aを構成し、原稿Gが第1搬送経路22Aに沿って搬送される状態を形成する。また、閉鎖状態F4となることで第1搬送経路22Aを遮断し、原稿Gが第1搬送経路22Aでなく第2搬送経路22Bに沿って搬送される状態を形成する。開放状態F3は、搬送状態の一例であり、閉鎖状態F4は、遮断状態の一例である。
第1搬送経路22Aと第2搬送経路22Bは、給紙トレイ2から排紙ローラ46に至る範囲において共通している。つまり、第1搬送経路22Aと第2搬送経路22Bは、読取位置L1を共通するとともに、後述する検知位置L2を共通する。
その一方、第1搬送経路22Aと第2搬送経路22Bは、排紙ローラ46から排紙トレイ4A、4Bに至る範囲において異なる。この範囲において、第1搬送経路22Aは、略直線状に設けられており、第2搬送経路22Bは、その一部が排紙ローラ46に沿って曲線状に設けられる。つまり、第2搬送経路22Bでは、排紙ローラ46に沿った湾曲部分Xにおいて、第1搬送経路22Aよりも曲率半径が小さくなる。湾曲部分Xは、湾曲部の一例である。
そのため、第1搬送経路22Aは、基準厚さよりも厚い原稿Gや基準原稿サイズよりも小型な原稿Gなど、湾曲部分Xを通過させた場合に、ジャムや搬送速度の低下などが発生してしまい、湾曲部分Xにおける搬送に適さない原稿Gの搬送に用いられる。それに対し、第2搬送経路22Bは、基準厚さよりも薄い原稿Gや基準原稿サイズよりも大型な原稿Gなど、湾曲部分Xを通過させた場合でも、ジャムや搬送速度の低下などが発生せず、湾曲部分Xにおける搬送が可能な原稿Gの搬送に用いられる。
ここで、基準厚さ及び基準原稿サイズは、第1搬送経路22Aと第2搬送経路22Bの形状に基づいて決定される。本実施形態では、名刺やはがきは、基準厚さよりも厚く、基
準原稿サイズよりも小型な原稿Gに分類され、A4普通紙やB5普通紙は、基準厚さよりも薄く、基準原稿サイズよりも大型な原稿Gに分類される。
トレイ板50が図1に実線で示す開放状態F3である場合、変向板48は図1に実線で示す第1姿勢F1に制御され、原稿Gは第1搬送経路22Aに沿って搬送される。そして、開放状態となったトレイ板50によって構成される排紙トレイ4Aに原稿Gが配置される。
一方、トレイ板50が図1に点線で示す閉鎖状態F4である場合、変向板48は図1に点線で示す第2姿勢F2に制御され、原稿Gは第2搬送経路22Bに沿って搬送されて、排紙トレイ4Bに排紙される。つまり、給紙ローラ40と搬送ローラ44と排紙ローラ46とによって、給紙トレイ2に載置された複数の原稿Gを第1搬送経路22A及び第2搬送経路22Bのいずれか一方の搬送経路に沿って搬送する搬送部15が形成されている。
Fセンサ13は、給紙トレイ2に配置され、給紙トレイ2に原稿Gが載置された場合にオンし、給紙トレイ2に原稿Gが載置されていない場合にオフする。つまり、Fセンサ13は、給紙トレイ2に原稿Gが有るか否かを検知する。Rセンサ14は、搬送経路22において読取位置L1よりも上流側の検知位置L2に配置され、原稿Gが搬送経路22上の検知位置L2を通過する場合にオンし、原稿Gが検知位置L2を通過していない場合にオフする。
さらに、画像読取装置1には、各種のボタンからなり、ユーザからの操作入力を受け付ける入力部11、画像読取装置1の状態を表示する液晶ディスプレイからなる表示部12が設けられている(図2参照)。
2.画像読取装置の電気的構成
図2に示すように、画像読取装置1は、中央処理装置(以下、CPU)20、ROM26、RAM27、画像処理部28、デバイス制御部16、アナログフロントエンド(以下、AFE)17、駆動回路18、変向部19、を備え、これらにバス29を介して、状態センサ10、入力部11、表示部12、Fセンサ13、Rセンサ14、などが接続されている。図3に点線21で示すように、CPU20と、ROM26と、RAM27と、画像処理部28を含めたものは、制御部の一例であり、ROM26及びRAM27は、記憶部の一例である。
ROM26には、画像読取装置1の動作を制御するための各種のプログラムが記憶されており、CPU20は、ROM26から読み出したプログラムに従って各部の制御を行う。ROM26には、その他に、基準読取数NKや補正定数THが記憶されている。基準読取数NKは、原稿Gのサイズ毎に決定されたCIS30の主走査方向D1への基準の読取回数である。また、補正定数THは、搬送部15の構成や搬送経路22の形状に基づいて決定される補正の定数である。
デバイス制御部16は、CIS30に接続されており、CPU20からの命令に基づいて読取制御信号をCIS30に送信する。CIS30は、デバイス制御部16からの読取制御信号に基づいて原稿Gを読み取る。補正定数THは、第2の副走査倍率の一例である。
CIS30は、搬送経路22の読取位置L1を搬送される原稿Gに対して、主走査方向D1に複数回読み取りを繰り返す。CIS30は、図7に示すように、1回の主走査方向D1の読み取りで単位読取画像TGを取得する。単位読取画像TGは、搬送方向D2において規定幅KWを有する原稿Gの規定範囲KHを読み取った読取画像に相当する。CIS
30は、主走査方向D1に読み取りを繰り返すことで、単位読取画像TGが主走査方向D1と直交する副走査方向D3に複数個集まって構成される読取画像YGを読み取り、読取画像YGをAFE17に出力する。読取画像YGは、読取結果の一例である。
AFE17は、CIS30に接続されており、CPU20からの命令に基づいて、CIS30から出力されるアナログ信号の読取画像YGをデジタル信号、つまり階調データの読取画像YGに変換する。AFE17は、変換した階調データを、バス29を介してRAM27に記憶する。
画像処理部28は、RAM27に記憶された読取画像YGに2値化処理やエンハンス処理等のエッジ抽出処理を行う。また、画像処理部28は、RAM27に記憶された読取画像YGの副走査方向D3の倍率を補正する補正処理を行う(図7の矢印54参照)。画像処理部28は、副走査方向D3の倍率を拡大する場合、CIS30により読み取られた単位読取画像TGと単位読取画像TGとから線形補間等によって、その単位読取画像TG間の新たな単位読取画像TGを生成する。また、副走査方向D3の倍率を縮小する場合、CIS30により読み取られた単位読取画像TGからその一部を削除する。画像処理部28により処理された読取画像YGは、RAM27に再び記憶される。
駆動回路18は、モータMに接続されている。モータMは、周知であって、回転軸に固定されたロータ(不図示)と、その外側に付けられたステータ(不図示)とによって構成される。モータMを駆動する駆動回路18は、ステータに巻かれているコイルに励磁相に対応した電流を順次通電することで、ロータを一定の角度単位で正確に回転させることができる。なお、励磁相とは、駆動回路18がモータMのコイルにどのように電流を供給するかを示す位相である。そして、その励磁相に応じて、ステッピングモータの回転位置(ロータの位置)が定まっている。
駆動回路18は、CPU20からの指示によってクロック信号が入力される。そして、駆動回路18は、そのクロック信号の1パルス毎に励磁相を指示する信号を更新し、その信号に基づいてコイルに電流を供給することで、モータMを1ステップずつ回転させる。モータMは、パルス信号の1パルスで、1ステップの回転角度分、回転駆動する。モータMが1ステップ分駆動すると、搬送ローラ44及び排紙ローラ46が駆動し、搬送経路22上を原稿Gが所定距離の分だけ搬送される。CPU20は、原稿Gを搬送する際に、駆動回路18にパルス信号を送信し、これに従って搬送部15は、そのパルス信号のパルスの数に規定距離を掛けた距離だけ原稿Gを搬送する。以後、CPU20が駆動回路18に送信するパルス信号のパルスの数を、ステップ数と呼ぶ。
3.読取処理
次に、図3ないし図7を参照して、画像読取装置1における原稿Gの読取処理について説明する。図3は、CPU11が所定のプログラムに従って実行する読取処理のフローチャートを示す。CPU11は、Fセンサ13を用いて給紙トレイ2に原稿Gが載置されたことが確認され、入力部11を介して使用者から原稿Gの読取指示が入力されると、処理を開始する。
CPU20は、読取処理を開始すると、原稿Gの搬送に先だって、搬送経路22を設定する設定処理を実行する(S2〜S6)。設定処理において、CPU20は、状態センサ10を用いてトレイ板50の状態を確認する(S2)。CPU20は、トレイ板50が開放状態である場合(S2:YES)、原稿Gを第1搬送経路22Aに沿って搬送するために、変向部19を用いて変向板48を第1姿勢F1に切り替える。また、CPU20は、第1搬送経路22Aに沿って原稿Gを搬送することを示す第1フラグをオンする(S4)。
一方、トレイ板50が閉鎖状態である場合(S2:NO)、原稿Gを第2搬送経路22Bに沿って搬送するために、変向板48を第2姿勢F2に切り替える。また、CPU20は、第2搬送経路22Bに沿って原稿Gを搬送することを示す第2フラグをオンする(S6)。
CPU20は、設定処理を終了すると、駆動回路18及びモータMを用いて設定された搬送経路22に沿って原稿Gの搬送を開始する(S8)とともに、ステップ数をカウントする。また、CPU20は、主走査方向D1における読取回数を示す読取数Nをゼロにする(S10)。CPU20は、Rセンサ14を用いて搬送中の原稿Gの位置を検知し(S12:NO)、Rセンサ14がオンする(S12:YES)と、搬送経路22上の検知位置L2に原稿Gの搬送方向D2の先端が到達したことを検知し、読取処理及び補正処理を開始する(S16〜S20)。
読取処理及び補正処理を開始する際に、CPU20は、第1フラグと第2フラグのいずれかがオンしているかを確認する(S14)。そして、CPU20は、第1フラグがオンしている場合(S14:YES)、補正前読取処理(S16)及び拡大・縮小処理(S18)を実行する。また、第2フラグがオンしている場合(S14:NO)、読取補正処理(S20)を実行する。つまり、CPU20は、いずれのフラグがオンしているかによって、補正処理を切り替えて実行する。拡大・縮小処理は、第1補正処理の一例であり、読取補正処理は、第2補正処理の一例である。
(補正前読取処理)
CPU20は、第1フラグがオンしており、原稿Gを第1搬送経路22Aに沿って搬送する場合に、補正前読取処理を実行する(S16)。図4に、補正前読取処理のフローチャートを示す。補正前読取処理において、CPU20は、Rセンサ14がオンした後、搬送経路22の検知位置L2から読取位置L1までの距離に相当する第1ステップ数ST1をカウントするまで待機する(S32:NO)。そして、CPU20は、第1ステップ数ST1をカウントし(S32:YES)、読取位置L1に原稿Gの搬送方向D2の先端が到達した場合に、主走査方向D1に1回読み取りを実行し(S34)、読取数Nに1を加える(S36)。
次に、CPU20は、読取数Nを確認し(S38)、読取数Nが1である場合(S38:YES)、つまり補正前読取処理において1回目の単位読取画像TGが読み取られた場合、画像処理部28を用いて1回目の単位読取画像TGにエッジ抽出処理を実行する(S40)。CPU20は、エッジ抽出処理された1回目の単位読取画像TGを用いて、原稿Gの主走査方向D1の長さである主走査方向長LS(図7参照)を推定する(S42)。CPU20は、エッジ抽出処理された1回目の単位読取画像TGを用いて、当該単位読取画像TGの主走査方向D1の長さである主走査方向データ長DSを推定し、この主走査方向データ長DSを主走査方向長LSとして推定する。CPU20は、主走査方向長LSをRAM27に記憶し、S34からの処理を繰り返す。
一方、読取数Nが2以上である場合(S38:NO)、CPU20は、Rセンサ14を用いて搬送中の原稿Gの位置を検知する(S44)。CPU20は、Rセンサ14がオンしており、搬送経路22上の検知位置L2に原稿Gの搬送方向D2の後端が到達していない場合(S44:NO)、S34からの処理を繰り返す。
また、CPU20は、Rセンサ14がオフし、検知位置L2に原稿Gの搬送方向D2の後端が到達したけれども、Rセンサ14がオンしてから第1ステップ数ST1をカウントしておらず、読取位置L1に原稿Gの搬送方向D2の後端が到達していない場合も(S44:NO)、S34からの処理を繰り返す。
一方、CPU20は、Rセンサ14がオンしてから第1ステップ数ST1をカウントし、搬送経路22上の読取位置L1に原稿Gの搬送方向D2の後端が到達した場合に(S44:YES)、原稿Gの読み取りを完了し、第1ステップ数ST1をカウントした際の読取数Nを読取ライン数NLとしてRAM27に記憶して(S46)、補正前読取処理を終了する。
(拡大・縮小処理)
CPU20は、補正前読取処理を終了し、読取画像YGの読み取りを完了後に、拡大・縮小処理を実行する。拡大・縮小処理では、補正前読取処理において取得された読取画像YGを、副走査方向D3に拡大又は縮小する補正処理を実行する。図5に、拡大・縮小処理のフローチャートを示す。拡大・縮小処理において、CPU20は、まず、原稿Gの副走査方向D3の長さである副走査方向長LH(図7参照)を推定する(S52)。
副走査方向長LHの推定において、CPU20は、補正前読取処理において算出された主走査方向長LSから原稿Gのサイズを推定し、当該サイズに対応付けてROM26に記憶された基準読取数NKを選出する。CPU20は、基準読取数NKを推定することで、基準読取数NKに規定幅KWを積した値としての副走査方向長LHを推定する。
次に、CPU20は、読取画像YGを副走査方向D3に拡大又は縮小する倍率である副走査倍率BHを決定する(S54)。副走査倍率BHの決定において、CPU20は、RAM27に記憶された読取ライン数NLを読み出し、推定された基準読取数NKを読取ライン数NLで除して副走査倍率BHを決定する。副走査倍率BHは、第1の副走査倍率の一例である。
BH=NK/NL
CPU20は、決定した副走査倍率BHを用いて読取画像YGを補正する(S56)。CPU20は、副走査倍率BHが1よりも小さい場合、読取画像YGに含まれる単位読取画像TGから新たな単位読取画像TGを生成し、読取画像YGに含まれる単位読取画像TGの数が基準読取数NKと等しくなるように補正する。この際、CPU20は、副走査倍率BHに基づいて、所定数の単位読取画像TG毎に新たな単位読取画像TGを生成する。
また、CPU20は、副走査倍率BHが1よりも大きい場合、読取画像YGに含まれる単位読取画像TGの一部を削除し、読取画像YGに含まれる単位読取画像TGの数が基準読取数NKと等しくなるように補正する(図7の矢印54参照)。この際、CPU20は、副走査倍率BHに基づいて、所定数の単位読取画像TG毎に単位読取画像TGを削除する。
CPU20は、副走査倍率BHを用いて読取画像YGを補正する。これによって、図7に矢印56で示す誤差を補正し、読取画像YGに含まれる単位読取画像TGの数に規定幅KWを積した値としての副走査方向データ長DHを副走査方向長LHと等しくなるように補正する。
(読取補正処理)
一方、CPU20は、第2フラグがオンしており、原稿Gを第2搬送経路22Bに沿って搬送する場合に、補正前読取処理を実行する。図6に、読取補正処理のフローチャートを示す。本実施形態では、読取補正処理として、読取画像YGの副走査方向D3の倍率を縮小する場合の形態について説明する。読取補正処理において、CPU20は、ROM26に予め記憶された補正定数THを読み出す(S62)。また、CPU20は、主走査方向D1における読み取りの予定回数を示す予定数Yをゼロにする(S64)。
CPU20は、Rセンサ14がオンした後、第1ステップ数ST1をカウントするまで待機する(S66:NO)。そして、CPU20は、第1ステップ数ST1をカウントし(S66:YES)、搬送経路22上の読取位置L1に原稿Gの搬送方向D2の先端が到達した場合に、予定数Yに1を加え(S68)、予定数Yが補正定数THの倍数であるかを確認する(S70)。CPU20は、予定数Yが補正定数THの倍数でない場合(S70:NO)、主走査方向D1に1回読み取りを実行する(S72)。
一方、CPU20は、予定数Yが補正定数THの倍数である場合(S70:YES)、主走査方向D1の読み取りを実行しない。CPU20は、所定の場合に読み取りを実行しないことで、取得される単位読取画像TGを減らし、読取画像YGの副走査方向D3の倍率を縮小する。CPU20は、予定数Yが補正定数THの倍数である場合に主走査方向D1の読み取りを実行しないことで、予めROM26に記憶された補正定数THに基づいて読取画像YGの副走査方向D3の倍率を縮小する。
CPU20は、Rセンサ14を用いて搬送中の原稿Gの位置を検知し、Rセンサ14がオフし、かつRセンサ14がオフしてから第1ステップ数ST1をカウントするまで(S74:NO)、つまり、読取位置L1に原稿Gの搬送方向D2の後端が到達するまで、S68からの処理を繰り返す。そして、CPU20は、Rセンサ14がオフしてから第1ステップ数ST1をカウントし(S74:YES)、搬送経路22上の読取位置L1に原稿Gの搬送方向D2の後端が到達した場合に、原稿Gの読み取りを完了し、読取補正処理を終了する。
CPU20は、拡大・縮小処理又は読取補正処理を終了すると、図3に示す読取処理に戻る。CPU20は、搬送経路22の読取位置L1から各排紙トレイ4までの距離に相当する第2ステップ数STをカウントすると、原稿Gの搬送を停止し(S22)、読取処理を終了する。
4.本実施形態の効果
(1)本実施形態の画像読取装置1では、搬送経路22に沿って原稿Gを搬送し、搬送される原稿Gを読み取った読取画像YGに対して、副走査方向D3の倍率を補正する処理を実行する。その際、原稿Gが第1搬送経路22Aに沿って搬送された場合には、副走査倍率BHに基づいて副走査方向D3の倍率を補正し、原稿Gが第2搬送経路22Bに沿って搬送された場合には、補正定数THに基づいて副走査方向D3の倍率を補正する。つまり、この画像読取装置1では、原稿Gが搬送される搬送経路22に応じて副走査方向D3の倍率の基準となる値を切り替えて補正処理を実行することができ、各搬送経路22で搬送された原稿Gを読み取った読取画像YGに対して、異なる補正処理を実行することができる。
(2)本実施形態の画像読取装置1では、第1搬送経路22Aに沿って搬送された原稿Gの読取画像YGに対しては、読み取りが完了した読取画像YGに基づいて副走査倍率BHを決定する。具体的には、読取画像YGの副走査方向データ長DHが原稿Gの副走査方向長LHと等しくなるように、つまり読取画像YGに含まれる単位読取画像TGの数が基準読取数NKと等しくなるように副走査倍率BHを決定し、当該副走査倍率BHに基づいて読取画像YGを補正する。そのため、第1搬送経路22Aに沿って搬送される原稿Gに対して、副走査方向D3の倍率が高精度に補正された読取画像YGを取得することができる。
(3)また、本実施形態の画像読取装置1では、第2搬送経路22Bに沿って搬送された原稿Gの読取画像YGに対しては、予めROM26に記憶された補正定数THに基づいて
、原稿Gの読み取り途中に読取画像YGを補正する。そのため、読取画像YGの読み取りが完了した時点で、読取画像YGの補正を完了することができ、原稿Gの読取開始から読取画像YGの補正完了までの時間を短縮することができる。
(4)本実施形態の画像読取装置1では、原稿Gが第1搬送経路22Aに沿って搬送される場合に、当該原稿Gに対する1回目の主走査方向D1への読み取りにより取得された単位読取画像TGから原稿Gの主走査方向長LSを推定するので、早期に基準読取数NKを選出しておくことができ、これによって、早期に副走査方向長LHを推定しておくことができる。
(5)本実施形態の画像読取装置1では、名刺やはがきなど、比較的厚い原稿Gを第1搬送経路22Aによって搬送し、副走査倍率BHを用いて読取画像YGの副走査方向D3の倍率を補正する。比較的厚い原稿Gでは、比較的薄い原稿Gに比べて、搬送に必要な搬送ローラ44等のトルクが大きく、比較的薄い原稿Gに比べて、搬送速度が遅くなり易い。そのため、基準の搬送速度に基づいて決定されている補正定数THを用いて副走査方向D3の倍率を補正すると、読取画像YGを精度良く補正することができない場合がある。この画像読取装置1では、比較的厚い原稿Gを第1搬送経路22Aによって搬送し、読取画像YGから決定された副走査倍率BHを用いて読取画像YGの副走査方向D3の倍率を補正するので、比較的厚い原稿Gの読取画像YGを高精度に補正することができる。
(6)本実施形態の画像読取装置1では、名刺やはがきなど、比較的小型な原稿Gを第1搬送経路22Aによって搬送し、副走査倍率BHを用いて読取画像YGの副走査方向D3の倍率を補正する。比較的小型な原稿Gでは、比較的大型な原稿Gに比べて、原稿Gに対して搬送ローラ44からのトルクが伝わりにくく、比較的大型な原稿Gに比べて、搬送速度が遅くなり易い。そのため、基準の搬送速度に基づいて決定されている補正定数THを用いて副走査方向D3の倍率を補正すると、読取画像YGを精度良く補正することができない場合がある。この画像読取装置1では、比較的小型な原稿Gを第1搬送経路22Aによって搬送し、読取画像YGから決定された副走査倍率BHを用いて読取画像YGの副走査方向D3の倍率を補正するので、比較的小型な原稿Gの読取画像YGを高精度に補正することができる。
(7)また、比較的小型な原稿Gでは、比較的大型な原稿Gに比べて読取ライン数NLが少ない。そのため、副走査倍率BHを決定する際に、補正前の読取画像YGの全てをRAM27に記憶する場合でも、RAM27に必要とされる容量が増大してしまうのを抑制することができる。
(8)本実施形態の画像読取装置1では、曲率半径が異なり、原稿Gを搬送する際の搬送速度に差異が生じる虞がある2つの搬送経路22に対して、各搬送経路22毎に基準となる値を切り替えて、読取画像YGの副走査方向D3の倍率を補正する。そのため、搬送経路22の形状に起因して生じる読取画像YGへの影響を抑制するように、読取画像YGの副走査方向D3の補正の基準となる値を決定することができる。
(9)本実施形態の画像読取装置1では、トレイ板50の状態に基づいて原稿Gが搬送される搬送経路22を決定するので、使用者は、トレイ板50の状態を手動等で変更することで、原稿Gがいずれの搬送経路22で搬送されるかを決定することができる。
<実施形態2>
実施形態2を、図8を用いて説明する。本実施形態では、第1搬送経路22Aに対応する第1補正定数TH1及び第2搬送経路22Bに対応する第2補正定数TH2が予め決定されてRAM26に記憶されており、いずれの搬送経路22に沿って搬送された原稿Gの
読取画像YGに対しても補正定数THに基づいて副走査方向D3の倍率が補正される点で、実施形態1の画像読取装置1と異なる。各補正定数THは、対応する搬送経路22の形状、特に搬送経路22が有する湾曲部分の曲率半径や、搬送経路22における搬送に用いられる搬送ローラ44等に基づいて決定される。以下の説明では、実施形態1と同一の内容については重複した記載を省略する。
1.読取処理
CPU20は、読取処理を開始すると、原稿Gの搬送に先だって、搬送経路22を設定する設定処理を実行する(S82〜S86)。設定処理において、CPU20は、状態センサ10を用いてトレイ板50の状態を確認する(S82)。CPU20は、トレイ板50が開放状態である場合(S82:YES)、変向板48を第1姿勢F1に切り替えるとともに、ROM26に記憶された第1補正定数TH1を読み出し、代表補正定数TH0に第1補正定数TH1を代入する(S84)。
一方、トレイ板50が閉鎖状態である場合(S82:NO)、変向板48を第2姿勢F2に切り替えるとともに、ROM26に記憶された第2補正定数TH2を読み出し、代表補正定数TH0に第2補正定数TH2を代入する(S84)。CPU20は、設定処理を終了すると、設定された搬送経路22に沿って原稿Gの搬送を開始する(S88)とともに、ステップ数をカウントする。また、CPU20は、予定数Yをゼロにする(S90)。
次に、CPU20は、Rセンサ14を用いて搬送中の原稿Gの位置を検知し、Rセンサ14がオンし、かつRセンサ14がオンしてから第1ステップ数ST1をカウントするまで待機する(S92:NO)。そして、CPU20は、Rセンサ14がオンしてから第1ステップ数ST1をカウントすると(S92:YES)、予定数Yに1を加え(S94)、予定数Yが代表補正定数TH0の倍数であるかを確認する(S96)。
CPU20は、予定数Yが代表補正定数TH0の倍数でない場合(S96:NO)、主走査方向D1に1回読み取りを実行する(S98)。一方、CPU20は、予定数Yが代表補正定数TH0の倍数である場合(S96:YES)、主走査方向D1の読み取りを実行しない。
CPU20は、Rセンサ14を用いて搬送中の原稿Gの位置を検知し、Rセンサ14がオフし、かつRセンサ14がオフしてから第1ステップ数ST1をカウントするまで(S100:NO)、S94からの処理を繰り返す。そして、CPU20は、Rセンサ14がオフしてから第1ステップ数ST1をカウントすると(S100:YES)、原稿Gの読み取りを完了する。CPU20は、さらに第2ステップ数STをカウントすと、原稿Gの搬送を停止し(S102)、読取処理を終了する。
2.本実施形態の効果
(1)本実施形態の画像読取装置1では、原稿Gが搬送された搬送経路22に応じて補正定数THを切り替えて補正処理を実行する。そのため、形状や搬送される原稿Gが異なる搬送経路22に応じて各搬送経路22毎に補正定数THを設定することができ、各搬送経路22で搬送された原稿Gを読み取った読取画像YGに対して、異なる補正処理を実行することができる。
(2)本実施形態の画像読取装置1では、いずれの搬送経路22に沿って搬送された原稿Gの読取画像YGに対しても、予めROM26に記憶された補正定数THに基づいて、原稿Gの読み取り途中に読取画像YGを補正する。そのため、いずれの搬送経路22に沿って原稿Gを搬送した場合でも、原稿Gの読取開始から読取画像YGの補正完了までの時間
を短縮することができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、スキャナ機能を備えた画像読取装置1を用いて説明を行ったが、本発明はこれに限られず、プリンタ機能、コピー機能、ファクシミリ機能などを備えた複合機であっても良い。
(2)上記実施形態では、画像読取装置1が1つのCPU20を有し、この1つのCPU20によって読取処理等の各種処理が実行される例を用いて説明を行ったが、本発明はこれに限られない。例えば、複数のCPUにより各部が構成されてもよければ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などのハード回路のみにより各部が構成されてもよい。さらには、単数又は複数のCPU及びASICによって、各部が構成されてもよい。
(3)また、CPU20が実行するプログラムは必ずしもROM26に記憶されている必要はなく、CPU20自身に記憶されていてもよければ、他の記憶装置に記憶されていても良い。
(4)上記実施形態では、原稿Gがいずれの搬送経路22で搬送されるかをトレイ板50の姿勢により決定する例を用いて説明を行ったが、原稿Gが搬送される搬送経路22を決定する方法は上記に限らず、例えば、変向板48の状態により決定してもよければ、入力部11を介した使用者からの指示により決定されてもよい。
(5)上記実施形態では、原稿Gに対する1回目の主走査方向D1への読み取りにより取得された単位読取画像TGから原稿Gの主走査方向長LSを推定する例を用いて説明を行ったが、原稿Gの主走査方向長LSを推定するのに用いられる単位読取画像TGは2回目以降の単位読取画像TGであってもよい。さらには、原稿Gの主走査方向長LSは必ずしも原稿Gの読取画像YGから推定される必要はなく、例えば、入力部5を介した使用者からの指示により決定されてもよい。
(6)上記実施形態では、副走査倍率BH又は補正定数THに基づいて読取画像YGの副走査方向D3の倍率を補正する、と説明を行ったが、副走査倍率BHが1の場合、あるいは補正定数THが基準読取数NKと等しい場合、読取画像YGに補正がされない。つまり、「副走査方向D3の倍率を補正する」には、「副走査方向D3の倍率を等倍に補正する」ことを含むものとする。
(7)上記実施形態では、読取補正処理として、読取画像YGの副走査方向D3の倍率を縮小する例を用いて説明を行ったが、読取補正処理において、読取画像YGの副走査方向D3の倍率が拡大されてもよい。
22A、22B:搬送経路、44:搬送ローラ、46:排紙ローラ、50:トレイ板、BH:副走査倍率、D1:主走査方向、D3:副走査方向、DH:副走査方向データ長、DS:主走査方向データ長、LH:副走査方向長、LS:主走査方向長、NK:基準読取数、NL:読取ライン数、TG:単位読取画像、TH:補正定数、YG:読取画像
本明細書によって開示される技術は、搬送経路を切り替えて原稿を搬送して読み取る画像読取装置に用いられる技術に関する。
従来から、複数の搬送経路を有し、原稿毎に搬送経路を切り替えて原稿を搬送して読み取る画像読取装置が知られている(例えば、特許文献1)。この装置では、原稿の厚さを搬送中に判定し、判定した原稿の厚さに応じて原稿をいずれの搬送経路で搬送するかを切り替える技術が開示されている。
複数の搬送経路を有する画像読取装置では、各搬送経路で搬送された原稿を読み取った読取結果に対して、異なる補正処理を施すことが必要な場合がある。例えば、各搬送経路で搬送される原稿の種類が定められている場合、原稿種類の違いにより、一方の搬送経路で搬送された原稿に対して他方の搬送経路で搬送された原稿よりも高精度に読取結果を補正することが必要な場合がある。また、各搬送経路の形状の違いにより、各搬送経路で搬送される原稿の搬送速度に微差が生じており、少なくとも一方の搬送経路で搬送された原稿に対して補正処理をすることが必要な場合がある。しかし、従来技術では、異なる搬送経路を用いて読み取られた読取結果に対する補正処理に対して、十分に検討されていなかった。
本明細書に開示される発明は、搬送経路を切り替えて原稿を搬送して読み取る画像読取装置において、搬送経路に応じて読取結果を補正する技術に関する。
本明細書によって開示される画像読取装置は、原稿が載置される載置部と、前記載置部に載置された前記原稿を第1搬送経路及び第2搬送経路のいずれか一方の搬送経路に沿って搬送する搬送部と、前記第1搬送経路と前記第2搬送経路との共通搬送経路上に設けられ、前記搬送部によって搬送される前記原稿の画像を主走査方向に読み取る読取部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記搬送部により搬送される原稿の搬送経路を前記第1搬送経路及び前記第2搬送経路のいずれか一方の搬送経路に設定する設定処理と、前記搬送される原稿の原稿画像を前記読取部によって読み取る読取処理と、前記読取処理によって読み取られた原稿画像を、前記設定処理で設定された搬送経路によって、前記主走査方向に直交する副走査方向における拡大又は縮小倍率を示す副走査倍率を切り替えて補正する補正処理と、を実行可能であり、前記制御部は、前記設定処理によって前記第1搬送経路に設定された場合、前記読取処理によって読み取られた原稿画像の前記主走査方向における主走査方向原稿幅に基づいて、前記原稿の前記副走査方向における副走査方向長を推定し、前記原稿画像の前記副走査方向における副走査方向原稿幅が前記副走査方向長と等しくなる第1副走査倍率を決定する決定処理を実行し、前記補正処理において、前記決定処理により決定された前記第1副走査倍率で前記原稿画像を補正する。
この画像読取装置では、原稿を搬送する第1搬送経路及び第2搬送経路が設けられており、原稿はいずれか一方の搬送経路に沿って搬送される。そして、搬送経路に沿って搬送される原稿を読み取った読取結果に対して、搬送経路によって副走査倍率を切り替えて補正する。この画像読取装置によれば、各搬送経路の形状や各搬送経路に搬送される原稿の種類等の搬送経路の個体差に応じて各搬送経路毎に個別の副走査倍率を設定することができ、各搬送経路で搬送された原稿を読み取った読取結果に対して、異なる補正処理を実行することができる。
また、この画像読取装置によれば、第1搬送経路に沿って搬送された原稿に対しては、実際に原稿を用いて読み取った読取結果に応じて副走査倍率を決定することができる。
また、この画像読取装置によれば、第1搬送経路に沿って搬送される原稿に対して、副走査方向における副走査方向原稿幅が、原稿の副走査方向長と等しくなるように高精度に補正された読取結果を取得することができる。
また、この画像読取装置によれば、第1搬送経路に沿って搬送される原稿に対して、副走査方向における副走査方向原稿幅が、原稿の副走査方向長と等しくなるように高精度に補正された読取結果を取得することができる。
本明細書によって開示される画像読取装置では、搬送経路を切り替えて原稿を搬送して読み取る画像読取装置において、搬送経路に応じて読取結果を補正することができる。
画像読取装置の概略的な断面図
画像読取装置の電気的構成を概略的に示すブロック図
実施形態1の読取処理を示すフローチャート
補正前読取処理を示すフローチャート
拡大・縮小処理を示すフローチャート
読取補正処理を示すフローチャート
原稿と読取画像を示す図
実施形態2の読取処理を示すフローチャート
<実施形態1>
実施形態1を、図1ないし図7を用いて説明する。
1.画像読取装置の機械的構成
図1に示すように、画像読取装置1は、ユーザにより給紙トレイ2に載置された複数の原稿Gを排紙トレイ4A、4Bに搬送するとともに、搬送中の原稿Gを本体部3に含まれるCIS30を用いて読み取るシートフィードスキャナである。給紙トレイ2は、載置部の一例である。
画像読取装置1の本体部3には、給紙トレイ2と排紙トレイ4を接続する搬送経路22が設けられており、この搬送経路22の周辺に、給紙ローラ40と、分離パッド42と、搬送ローラ44と、CIS30と、フロントセンサ(以下、Fセンサ)13と、リアセンサ(以下、Rセンサ)14と、排紙ローラ46と、変向板48と、トレイ板50と、を備える。CIS30は、読取部の一例であり、トレイ板50は、切替部の一例である。
給紙ローラ40は、給紙トレイ2に載置された原稿Gに当接し、摩擦力により、給紙トレイ2に載置された原稿Gを本体部3の内部へと引き込む。この際、原稿Gは、分離パッド42の摩擦力により各原稿G毎に分離され、搬送経路22へと送り出される。
搬送ローラ44は、モータM(図2参照)により駆動され、本体部3の内部へと引き込まれた原稿Gを搬送経路22に沿って搬送する。CIS30は、その主走査方向D1が搬送経路22に沿った搬送方向D2に直交する姿勢で搬送経路22上の読取位置L1に配置され、読取位置L1を通過する原稿Gを主走査方向D1に読み取る。
排紙ローラ46は、搬送ローラ44と同様にモータMにより駆動され、搬送経路22上に搬送された原稿Gを排紙トレイ4に送り出す。排紙ローラ46の搬送経路22を挟んで対向する位置に、変向板48が配置されている。変向板48は、変向部19(図2参照)により制御されており、排紙トレイ4Aへと続く第1搬送経路22Aに沿った第1姿勢F1と、排紙トレイ4Bへと続く第2搬送経路22Bに沿った第2姿勢F2と、のいずれか一方の姿勢となるように制御される。
また、第1搬送経路22Aが本体部3と交差する位置の第1搬送経路22A上に、トレイ板50が配置されている。トレイ板50は、状態センサ10(図2参照)によりその状態が検出されており、開放状態F3と閉鎖状態F4のいずれかの状態に切り替わる。トレイ板50は、開放状態F3となることで排紙トレイ4Aを構成し、原稿Gが第1搬送経路22Aに沿って搬送される状態を形成する。また、閉鎖状態F4となることで第1搬送経路22Aを遮断し、原稿Gが第1搬送経路22Aでなく第2搬送経路22Bに沿って搬送される状態を形成する。開放状態F3は、搬送状態の一例であり、閉鎖状態F4は、遮断状態の一例である。
第1搬送経路22Aと第2搬送経路22Bは、給紙トレイ2から排紙ローラ46に至る範囲において共通している。つまり、第1搬送経路22Aと第2搬送経路22Bは、読取位置L1を共通するとともに、後述する検知位置L2を共通する。
その一方、第1搬送経路22Aと第2搬送経路22Bは、排紙ローラ46から排紙トレイ4A、4Bに至る範囲において異なる。この範囲において、第1搬送経路22Aは、略直線状に設けられており、第2搬送経路22Bは、その一部が排紙ローラ46に沿って曲線状に設けられる。つまり、第2搬送経路22Bでは、排紙ローラ46に沿った湾曲部分Xにおいて、第1搬送経路22Aよりも曲率半径が小さくなる。湾曲部分Xは、湾曲部の一例である。
そのため、第1搬送経路22Aは、基準厚さよりも厚い原稿Gや基準原稿サイズよりも小型な原稿Gなど、湾曲部分Xを通過させた場合に、ジャムや搬送速度の低下などが発生してしまい、湾曲部分Xにおける搬送に適さない原稿Gの搬送に用いられる。それに対し、第2搬送経路22Bは、基準厚さよりも薄い原稿Gや基準原稿サイズよりも大型な原稿Gなど、湾曲部分Xを通過させた場合でも、ジャムや搬送速度の低下などが発生せず、湾曲部分Xにおける搬送が可能な原稿Gの搬送に用いられる。
ここで、基準厚さ及び基準原稿サイズは、第1搬送経路22Aと第2搬送経路22Bの形状に基づいて決定される。本実施形態では、名刺やはがきは、基準厚さよりも厚く、基準原稿サイズよりも小型な原稿Gに分類され、A4普通紙やB5普通紙は、基準厚さよりも薄く、基準原稿サイズよりも大型な原稿Gに分類される。
トレイ板50が図1に実線で示す開放状態F3である場合、変向板48は図1に実線で示す第1姿勢F1に制御され、原稿Gは第1搬送経路22Aに沿って搬送される。そして、開放状態となったトレイ板50によって構成される排紙トレイ4Aに原稿Gが配置される。
一方、トレイ板50が図1に点線で示す閉鎖状態F4である場合、変向板48は図1に点線で示す第2姿勢F2に制御され、原稿Gは第2搬送経路22Bに沿って搬送されて、排紙トレイ4Bに排紙される。つまり、給紙ローラ40と搬送ローラ44と排紙ローラ46とによって、給紙トレイ2に載置された複数の原稿Gを第1搬送経路22A及び第2搬送経路22Bのいずれか一方の搬送経路に沿って搬送する搬送部15が形成されている。
Fセンサ13は、給紙トレイ2に配置され、給紙トレイ2に原稿Gが載置された場合にオンし、給紙トレイ2に原稿Gが載置されていない場合にオフする。つまり、Fセンサ13は、給紙トレイ2に原稿Gが有るか否かを検知する。Rセンサ14は、搬送経路22において読取位置L1よりも上流側の検知位置L2に配置され、原稿Gが搬送経路22上の検知位置L2を通過する場合にオンし、原稿Gが検知位置L2を通過していない場合にオフする。
さらに、画像読取装置1には、各種のボタンからなり、ユーザからの操作入力を受け付ける入力部11、画像読取装置1の状態を表示する液晶ディスプレイからなる表示部12が設けられている(図2参照)。
2.画像読取装置の電気的構成
図2に示すように、画像読取装置1は、中央処理装置(以下、CPU)20、ROM26、RAM27、画像処理部28、デバイス制御部16、アナログフロントエンド(以下、AFE)17、駆動回路18、変向部19、を備え、これらにバス29を介して、状態センサ10、入力部11、表示部12、Fセンサ13、Rセンサ14、などが接続されている。図3に点線21で示すように、CPU20と、ROM26と、RAM27と、画像処理部28を含めたものは、制御部の一例であり、ROM26及びRAM27は、記憶部の一例である。
ROM26には、画像読取装置1の動作を制御するための各種のプログラムが記憶されており、CPU20は、ROM26から読み出したプログラムに従って各部の制御を行う。ROM26には、その他に、基準読取数NKや補正定数THが記憶されている。基準読取数NKは、原稿Gのサイズ毎に決定されたCIS30の主走査方向D1への基準の読取回数である。また、補正定数THは、搬送部15の構成や搬送経路22の形状に基づいて決定される補正の定数である。
デバイス制御部16は、CIS30に接続されており、CPU20からの命令に基づいて読取制御信号をCIS30に送信する。CIS30は、デバイス制御部16からの読取制御信号に基づいて原稿Gを読み取る。補正定数THは、第2の副走査倍率の一例である。
CIS30は、搬送経路22の読取位置L1を搬送される原稿Gに対して、主走査方向D1に複数回読み取りを繰り返す。CIS30は、図7に示すように、1回の主走査方向D1の読み取りで単位読取画像TGを取得する。単位読取画像TGは、搬送方向D2において規定幅KWを有する原稿Gの規定範囲KHを読み取った読取画像に相当する。CIS30は、主走査方向D1に読み取りを繰り返すことで、単位読取画像TGが主走査方向D1と直交する副走査方向D3に複数個集まって構成される読取画像YGを読み取り、読取画像YGをAFE17に出力する。読取画像YGは、読取結果の一例である。
AFE17は、CIS30に接続されており、CPU20からの命令に基づいて、CIS30から出力されるアナログ信号の読取画像YGをデジタル信号、つまり階調データの読取画像YGに変換する。AFE17は、変換した階調データを、バス29を介してRAM27に記憶する。
画像処理部28は、RAM27に記憶された読取画像YGに2値化処理やエンハンス処理等のエッジ抽出処理を行う。また、画像処理部28は、RAM27に記憶された読取画像YGの副走査方向D3の倍率を補正する補正処理を行う(図7の矢印54参照)。画像処理部28は、副走査方向D3の倍率を拡大する場合、CIS30により読み取られた単位読取画像TGと単位読取画像TGとから線形補間等によって、その単位読取画像TG間の新たな単位読取画像TGを生成する。また、副走査方向D3の倍率を縮小する場合、CIS30により読み取られた単位読取画像TGからその一部を削除する。画像処理部28により処理された読取画像YGは、RAM27に再び記憶される。
駆動回路18は、モータMに接続されている。モータMは、周知であって、回転軸に固定されたロータ(不図示)と、その外側に付けられたステータ(不図示)とによって構成される。モータMを駆動する駆動回路18は、ステータに巻かれているコイルに励磁相に対応した電流を順次通電することで、ロータを一定の角度単位で正確に回転させることができる。なお、励磁相とは、駆動回路18がモータMのコイルにどのように電流を供給するかを示す位相である。そして、その励磁相に応じて、ステッピングモータの回転位置(ロータの位置)が定まっている。
駆動回路18は、CPU20からの指示によってクロック信号が入力される。そして、駆動回路18は、そのクロック信号の1パルス毎に励磁相を指示する信号を更新し、その信号に基づいてコイルに電流を供給することで、モータMを1ステップずつ回転させる。モータMは、パルス信号の1パルスで、1ステップの回転角度分、回転駆動する。モータMが1ステップ分駆動すると、搬送ローラ44及び排紙ローラ46が駆動し、搬送経路22上を原稿Gが所定距離の分だけ搬送される。CPU20は、原稿Gを搬送する際に、駆動回路18にパルス信号を送信し、これに従って搬送部15は、そのパルス信号のパルスの数に規定距離を掛けた距離だけ原稿Gを搬送する。以後、CPU20が駆動回路18に送信するパルス信号のパルスの数を、ステップ数と呼ぶ。
3.読取処理
次に、図3ないし図7を参照して、画像読取装置1における原稿Gの読取処理について説明する。図3は、CPU11が所定のプログラムに従って実行する読取処理のフローチャートを示す。CPU11は、Fセンサ13を用いて給紙トレイ2に原稿Gが載置されたことが確認され、入力部11を介して使用者から原稿Gの読取指示が入力されると、処理を開始する。
CPU20は、読取処理を開始すると、原稿Gの搬送に先だって、搬送経路22を設定する設定処理を実行する(S2〜S6)。設定処理において、CPU20は、状態センサ10を用いてトレイ板50の状態を確認する(S2)。CPU20は、トレイ板50が開放状態である場合(S2:YES)、原稿Gを第1搬送経路22Aに沿って搬送するために、変向部19を用いて変向板48を第1姿勢F1に切り替える。また、CPU20は、第1搬送経路22Aに沿って原稿Gを搬送することを示す第1フラグをオンする(S4)。
一方、トレイ板50が閉鎖状態である場合(S2:NO)、原稿Gを第2搬送経路22Bに沿って搬送するために、変向板48を第2姿勢F2に切り替える。また、CPU20は、第2搬送経路22Bに沿って原稿Gを搬送することを示す第2フラグをオンする(S6)。
CPU20は、設定処理を終了すると、駆動回路18及びモータMを用いて設定された搬送経路22に沿って原稿Gの搬送を開始する(S8)とともに、ステップ数をカウントする。また、CPU20は、主走査方向D1における読取回数を示す読取数Nをゼロにする(S10)。CPU20は、Rセンサ14を用いて搬送中の原稿Gの位置を検知し(S12:NO)、Rセンサ14がオンする(S12:YES)と、搬送経路22上の検知位置L2に原稿Gの搬送方向D2の先端が到達したことを検知し、読取処理及び補正処理を開始する(S16〜S20)。
読取処理及び補正処理を開始する際に、CPU20は、第1フラグと第2フラグのいずれかがオンしているかを確認する(S14)。そして、CPU20は、第1フラグがオンしている場合(S14:YES)、補正前読取処理(S16)及び拡大・縮小処理(S18)を実行する。また、第2フラグがオンしている場合(S14:NO)、読取補正処理(S20)を実行する。つまり、CPU20は、いずれのフラグがオンしているかによって、補正処理を切り替えて実行する。拡大・縮小処理は、第1補正処理の一例であり、読取補正処理は、第2補正処理の一例である。
(補正前読取処理)
CPU20は、第1フラグがオンしており、原稿Gを第1搬送経路22Aに沿って搬送する場合に、補正前読取処理を実行する(S16)。図4に、補正前読取処理のフローチャートを示す。補正前読取処理において、CPU20は、Rセンサ14がオンした後、搬送経路22の検知位置L2から読取位置L1までの距離に相当する第1ステップ数ST1をカウントするまで待機する(S32:NO)。そして、CPU20は、第1ステップ数ST1をカウントし(S32:YES)、読取位置L1に原稿Gの搬送方向D2の先端が到達した場合に、主走査方向D1に1回読み取りを実行し(S34)、読取数Nに1を加える(S36)。
次に、CPU20は、読取数Nを確認し(S38)、読取数Nが1である場合(S38:YES)、つまり補正前読取処理において1回目の単位読取画像TGが読み取られた場合、画像処理部28を用いて1回目の単位読取画像TGにエッジ抽出処理を実行する(S40)。CPU20は、エッジ抽出処理された1回目の単位読取画像TGを用いて、原稿Gの主走査方向D1の長さである主走査方向長LS(図7参照)を推定する(S42)。CPU20は、エッジ抽出処理された1回目の単位読取画像TGを用いて、当該単位読取画像TGの主走査方向D1の長さである主走査方向データ長DSを推定し、この主走査方向データ長DSを主走査方向長LSとして推定する。CPU20は、主走査方向長LSをRAM27に記憶し、S34からの処理を繰り返す。
一方、読取数Nが2以上である場合(S38:NO)、CPU20は、Rセンサ14を用いて搬送中の原稿Gの位置を検知する(S44)。CPU20は、Rセンサ14がオンしており、搬送経路22上の検知位置L2に原稿Gの搬送方向D2の後端が到達していない場合(S44:NO)、S34からの処理を繰り返す。
また、CPU20は、Rセンサ14がオフし、検知位置L2に原稿Gの搬送方向D2の後端が到達したけれども、Rセンサ14がオンしてから第1ステップ数ST1をカウントしておらず、読取位置L1に原稿Gの搬送方向D2の後端が到達していない場合も(S44:NO)、S34からの処理を繰り返す。
一方、CPU20は、Rセンサ14がオンしてから第1ステップ数ST1をカウントし、搬送経路22上の読取位置L1に原稿Gの搬送方向D2の後端が到達した場合に(S44:YES)、原稿Gの読み取りを完了し、第1ステップ数ST1をカウントした際の読取数Nを読取ライン数NLとしてRAM27に記憶して(S46)、補正前読取処理を終了する。
(拡大・縮小処理)
CPU20は、補正前読取処理を終了し、読取画像YGの読み取りを完了後に、拡大・縮小処理を実行する。拡大・縮小処理では、補正前読取処理において取得された読取画像YGを、副走査方向D3に拡大又は縮小する補正処理を実行する。図5に、拡大・縮小処理のフローチャートを示す。拡大・縮小処理において、CPU20は、まず、原稿Gの副走査方向D3の長さである副走査方向長LH(図7参照)を推定する(S52)。
副走査方向長LHの推定において、CPU20は、補正前読取処理において算出された主走査方向長LSから原稿Gのサイズを推定し、当該サイズに対応付けてROM26に記憶された基準読取数NKを選出する。CPU20は、基準読取数NKを推定することで、基準読取数NKに規定幅KWを積した値としての副走査方向長LHを推定する。
次に、CPU20は、読取画像YGを副走査方向D3に拡大又は縮小する倍率である副走査倍率BHを決定する(S54)。副走査倍率BHの決定において、CPU20は、RAM27に記憶された読取ライン数NLを読み出し、推定された基準読取数NKを読取ライン数NLで除して副走査倍率BHを決定する。副走査倍率BHは、第1の副走査倍率の一例である。
BH=NK/NL
CPU20は、決定した副走査倍率BHを用いて読取画像YGを補正する(S56)。CPU20は、副走査倍率BHが1よりも小さい場合、読取画像YGに含まれる単位読取画像TGから新たな単位読取画像TGを生成し、読取画像YGに含まれる単位読取画像TGの数が基準読取数NKと等しくなるように補正する。この際、CPU20は、副走査倍率BHに基づいて、所定数の単位読取画像TG毎に新たな単位読取画像TGを生成する。
また、CPU20は、副走査倍率BHが1よりも大きい場合、読取画像YGに含まれる単位読取画像TGの一部を削除し、読取画像YGに含まれる単位読取画像TGの数が基準読取数NKと等しくなるように補正する(図7の矢印54参照)。この際、CPU20は、副走査倍率BHに基づいて、所定数の単位読取画像TG毎に単位読取画像TGを削除する。
CPU20は、副走査倍率BHを用いて読取画像YGを補正する。これによって、図7に矢印56で示す誤差を補正し、読取画像YGに含まれる単位読取画像TGの数に規定幅KWを積した値としての副走査方向データ長DHを副走査方向長LHと等しくなるように補正する。
(読取補正処理)
一方、CPU20は、第2フラグがオンしており、原稿Gを第2搬送経路22Bに沿って搬送する場合に、補正前読取処理を実行する。図6に、読取補正処理のフローチャートを示す。本実施形態では、読取補正処理として、読取画像YGの副走査方向D3の倍率を縮小する場合の形態について説明する。読取補正処理において、CPU20は、ROM26に予め記憶された補正定数THを読み出す(S62)。また、CPU20は、主走査方向D1における読み取りの予定回数を示す予定数Yをゼロにする(S64)。
CPU20は、Rセンサ14がオンした後、第1ステップ数ST1をカウントするまで待機する(S66:NO)。そして、CPU20は、第1ステップ数ST1をカウントし(S66:YES)、搬送経路22上の読取位置L1に原稿Gの搬送方向D2の先端が到達した場合に、予定数Yに1を加え(S68)、予定数Yが補正定数THの倍数であるかを確認する(S70)。CPU20は、予定数Yが補正定数THの倍数でない場合(S70:NO)、主走査方向D1に1回読み取りを実行する(S72)。
一方、CPU20は、予定数Yが補正定数THの倍数である場合(S70:YES)、主走査方向D1の読み取りを実行しない。CPU20は、所定の場合に読み取りを実行しないことで、取得される単位読取画像TGを減らし、読取画像YGの副走査方向D3の倍率を縮小する。CPU20は、予定数Yが補正定数THの倍数である場合に主走査方向D1の読み取りを実行しないことで、予めROM26に記憶された補正定数THに基づいて読取画像YGの副走査方向D3の倍率を縮小する。
CPU20は、Rセンサ14を用いて搬送中の原稿Gの位置を検知し、Rセンサ14がオフし、かつRセンサ14がオフしてから第1ステップ数ST1をカウントするまで(S74:NO)、つまり、読取位置L1に原稿Gの搬送方向D2の後端が到達するまで、S68からの処理を繰り返す。そして、CPU20は、Rセンサ14がオフしてから第1ステップ数ST1をカウントし(S74:YES)、搬送経路22上の読取位置L1に原稿Gの搬送方向D2の後端が到達した場合に、原稿Gの読み取りを完了し、読取補正処理を終了する。
CPU20は、拡大・縮小処理又は読取補正処理を終了すると、図3に示す読取処理に戻る。CPU20は、搬送経路22の読取位置L1から各排紙トレイ4までの距離に相当する第2ステップ数STをカウントすると、原稿Gの搬送を停止し(S22)、読取処理を終了する。
4.本実施形態の効果
(1)本実施形態の画像読取装置1では、搬送経路22に沿って原稿Gを搬送し、搬送される原稿Gを読み取った読取画像YGに対して、副走査方向D3の倍率を補正する処理を実行する。その際、原稿Gが第1搬送経路22Aに沿って搬送された場合には、副走査倍率BHに基づいて副走査方向D3の倍率を補正し、原稿Gが第2搬送経路22Bに沿って搬送された場合には、補正定数THに基づいて副走査方向D3の倍率を補正する。つまり、この画像読取装置1では、原稿Gが搬送される搬送経路22に応じて副走査方向D3の倍率の基準となる値を切り替えて補正処理を実行することができ、各搬送経路22で搬送された原稿Gを読み取った読取画像YGに対して、異なる補正処理を実行することができる。
(2)本実施形態の画像読取装置1では、第1搬送経路22Aに沿って搬送された原稿Gの読取画像YGに対しては、読み取りが完了した読取画像YGに基づいて副走査倍率BHを決定する。具体的には、読取画像YGの副走査方向データ長DHが原稿Gの副走査方向長LHと等しくなるように、つまり読取画像YGに含まれる単位読取画像TGの数が基準読取数NKと等しくなるように副走査倍率BHを決定し、当該副走査倍率BHに基づいて読取画像YGを補正する。そのため、第1搬送経路22Aに沿って搬送される原稿Gに対して、副走査方向D3の倍率が高精度に補正された読取画像YGを取得することができる。
(3)また、本実施形態の画像読取装置1では、第2搬送経路22Bに沿って搬送された原稿Gの読取画像YGに対しては、予めROM26に記憶された補正定数THに基づいて、原稿Gの読み取り途中に読取画像YGを補正する。そのため、読取画像YGの読み取りが完了した時点で、読取画像YGの補正を完了することができ、原稿Gの読取開始から読取画像YGの補正完了までの時間を短縮することができる。
(4)本実施形態の画像読取装置1では、原稿Gが第1搬送経路22Aに沿って搬送される場合に、当該原稿Gに対する1回目の主走査方向D1への読み取りにより取得された単位読取画像TGから原稿Gの主走査方向長LSを推定するので、早期に基準読取数NKを選出しておくことができ、これによって、早期に副走査方向長LHを推定しておくことができる。
(5)本実施形態の画像読取装置1では、名刺やはがきなど、比較的厚い原稿Gを第1搬送経路22Aによって搬送し、副走査倍率BHを用いて読取画像YGの副走査方向D3の倍率を補正する。比較的厚い原稿Gでは、比較的薄い原稿Gに比べて、搬送に必要な搬送ローラ44等のトルクが大きく、比較的薄い原稿Gに比べて、搬送速度が遅くなり易い。そのため、基準の搬送速度に基づいて決定されている補正定数THを用いて副走査方向D3の倍率を補正すると、読取画像YGを精度良く補正することができない場合がある。この画像読取装置1では、比較的厚い原稿Gを第1搬送経路22Aによって搬送し、読取画像YGから決定された副走査倍率BHを用いて読取画像YGの副走査方向D3の倍率を補正するので、比較的厚い原稿Gの読取画像YGを高精度に補正することができる。
(6)本実施形態の画像読取装置1では、名刺やはがきなど、比較的小型な原稿Gを第1搬送経路22Aによって搬送し、副走査倍率BHを用いて読取画像YGの副走査方向D3の倍率を補正する。比較的小型な原稿Gでは、比較的大型な原稿Gに比べて、原稿Gに対して搬送ローラ44からのトルクが伝わりにくく、比較的大型な原稿Gに比べて、搬送速度が遅くなり易い。そのため、基準の搬送速度に基づいて決定されている補正定数THを用いて副走査方向D3の倍率を補正すると、読取画像YGを精度良く補正することができない場合がある。この画像読取装置1では、比較的小型な原稿Gを第1搬送経路22Aによって搬送し、読取画像YGから決定された副走査倍率BHを用いて読取画像YGの副走査方向D3の倍率を補正するので、比較的小型な原稿Gの読取画像YGを高精度に補正することができる。
(7)また、比較的小型な原稿Gでは、比較的大型な原稿Gに比べて読取ライン数NLが少ない。そのため、副走査倍率BHを決定する際に、補正前の読取画像YGの全てをRAM27に記憶する場合でも、RAM27に必要とされる容量が増大してしまうのを抑制することができる。
(8)本実施形態の画像読取装置1では、曲率半径が異なり、原稿Gを搬送する際の搬送速度に差異が生じる虞がある2つの搬送経路22に対して、各搬送経路22毎に基準となる値を切り替えて、読取画像YGの副走査方向D3の倍率を補正する。そのため、搬送経路22の形状に起因して生じる読取画像YGへの影響を抑制するように、読取画像YGの副走査方向D3の補正の基準となる値を決定することができる。
(9)本実施形態の画像読取装置1では、トレイ板50の状態に基づいて原稿Gが搬送される搬送経路22を決定するので、使用者は、トレイ板50の状態を手動等で変更することで、原稿Gがいずれの搬送経路22で搬送されるかを決定することができる。
<実施形態2>
実施形態2を、図8を用いて説明する。本実施形態では、第1搬送経路22Aに対応する第1補正定数TH1及び第2搬送経路22Bに対応する第2補正定数TH2が予め決定されてRAM26に記憶されており、いずれの搬送経路22に沿って搬送された原稿Gの読取画像YGに対しても補正定数THに基づいて副走査方向D3の倍率が補正される点で、実施形態1の画像読取装置1と異なる。各補正定数THは、対応する搬送経路22の形状、特に搬送経路22が有する湾曲部分の曲率半径や、搬送経路22における搬送に用いられる搬送ローラ44等に基づいて決定される。以下の説明では、実施形態1と同一の内容については重複した記載を省略する。
1.読取処理
CPU20は、読取処理を開始すると、原稿Gの搬送に先だって、搬送経路22を設定する設定処理を実行する(S82〜S86)。設定処理において、CPU20は、状態センサ10を用いてトレイ板50の状態を確認する(S82)。CPU20は、トレイ板50が開放状態である場合(S82:YES)、変向板48を第1姿勢F1に切り替えるとともに、ROM26に記憶された第1補正定数TH1を読み出し、代表補正定数TH0に第1補正定数TH1を代入する(S84)。
一方、トレイ板50が閉鎖状態である場合(S82:NO)、変向板48を第2姿勢F2に切り替えるとともに、ROM26に記憶された第2補正定数TH2を読み出し、代表補正定数TH0に第2補正定数TH2を代入する(S84)。CPU20は、設定処理を終了すると、設定された搬送経路22に沿って原稿Gの搬送を開始する(S88)とともに、ステップ数をカウントする。また、CPU20は、予定数Yをゼロにする(S90)。
次に、CPU20は、Rセンサ14を用いて搬送中の原稿Gの位置を検知し、Rセンサ14がオンし、かつRセンサ14がオンしてから第1ステップ数ST1をカウントするまで待機する(S92:NO)。そして、CPU20は、Rセンサ14がオンしてから第1ステップ数ST1をカウントすると(S92:YES)、予定数Yに1を加え(S94)、予定数Yが代表補正定数TH0の倍数であるかを確認する(S96)。
CPU20は、予定数Yが代表補正定数TH0の倍数でない場合(S96:NO)、主走査方向D1に1回読み取りを実行する(S98)。一方、CPU20は、予定数Yが代表補正定数TH0の倍数である場合(S96:YES)、主走査方向D1の読み取りを実行しない。
CPU20は、Rセンサ14を用いて搬送中の原稿Gの位置を検知し、Rセンサ14がオフし、かつRセンサ14がオフしてから第1ステップ数ST1をカウントするまで(S100:NO)、S94からの処理を繰り返す。そして、CPU20は、Rセンサ14がオフしてから第1ステップ数ST1をカウントすると(S100:YES)、原稿Gの読み取りを完了する。CPU20は、さらに第2ステップ数STをカウントすと、原稿Gの搬送を停止し(S102)、読取処理を終了する。
2.本実施形態の効果
(1)本実施形態の画像読取装置1では、原稿Gが搬送された搬送経路22に応じて補正定数THを切り替えて補正処理を実行する。そのため、形状や搬送される原稿Gが異なる搬送経路22に応じて各搬送経路22毎に補正定数THを設定することができ、各搬送経路22で搬送された原稿Gを読み取った読取画像YGに対して、異なる補正処理を実行することができる。
(2)本実施形態の画像読取装置1では、いずれの搬送経路22に沿って搬送された原稿Gの読取画像YGに対しても、予めROM26に記憶された補正定数THに基づいて、原稿Gの読み取り途中に読取画像YGを補正する。そのため、いずれの搬送経路22に沿って原稿Gを搬送した場合でも、原稿Gの読取開始から読取画像YGの補正完了までの時間を短縮することができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、スキャナ機能を備えた画像読取装置1を用いて説明を行ったが、本発明はこれに限られず、プリンタ機能、コピー機能、ファクシミリ機能などを備えた複合機であっても良い。
(2)上記実施形態では、画像読取装置1が1つのCPU20を有し、この1つのCPU20によって読取処理等の各種処理が実行される例を用いて説明を行ったが、本発明はこれに限られない。例えば、複数のCPUにより各部が構成されてもよければ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などのハード回路のみにより各部が構成されてもよい。さらには、単数又は複数のCPU及びASICによって、各部が構成されてもよい。
(3)また、CPU20が実行するプログラムは必ずしもROM26に記憶されている必要はなく、CPU20自身に記憶されていてもよければ、他の記憶装置に記憶されていても良い。
(4)上記実施形態では、原稿Gがいずれの搬送経路22で搬送されるかをトレイ板50の姿勢により決定する例を用いて説明を行ったが、原稿Gが搬送される搬送経路22を決定する方法は上記に限らず、例えば、変向板48の状態により決定してもよければ、入力部11を介した使用者からの指示により決定されてもよい。
(5)上記実施形態では、原稿Gに対する1回目の主走査方向D1への読み取りにより取得された単位読取画像TGから原稿Gの主走査方向長LSを推定する例を用いて説明を行ったが、原稿Gの主走査方向長LSを推定するのに用いられる単位読取画像TGは2回目以降の単位読取画像TGであってもよい。さらには、原稿Gの主走査方向長LSは必ずしも原稿Gの読取画像YGから推定される必要はなく、例えば、入力部5を介した使用者からの指示により決定されてもよい。
(6)上記実施形態では、副走査倍率BH又は補正定数THに基づいて読取画像YGの副走査方向D3の倍率を補正する、と説明を行ったが、副走査倍率BHが1の場合、あるいは補正定数THが基準読取数NKと等しい場合、読取画像YGに補正がされない。つまり、「副走査方向D3の倍率を補正する」には、「副走査方向D3の倍率を等倍に補正する」ことを含むものとする。
(7)上記実施形態では、読取補正処理として、読取画像YGの副走査方向D3の倍率を縮小する例を用いて説明を行ったが、読取補正処理において、読取画像YGの副走査方向D3の倍率が拡大されてもよい。
22A、22B:搬送経路、44:搬送ローラ、46:排紙ローラ、50:トレイ板、BH:副走査倍率、D1:主走査方向、D3:副走査方向、DH:副走査方向データ長、DS:主走査方向データ長、LH:副走査方向長、LS:主走査方向長、NK:基準読取数、NL:読取ライン数、TG:単位読取画像、TH:補正定数、YG:読取画像