JP2016213347A - 固体電解コンデンサおよび固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサおよび固体電解コンデンサの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 しみ上がりを抑制することができる固体電解コンデンサおよび固体電解コンデンサの製造方法を提供すること。【解決手段】 固体電解コンデンサA1は、弁作用金属よりなる多孔質焼結体11と、多孔質焼結体11から突出する陽極ワイヤ12と、多孔質焼結体11に積層された誘電体層13と、陽極ワイヤ12が貫通する第1膜状部141を含み、且つ導電性を有する撥水膜14と、誘電体層13に積層された固体電解質層15と、を備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、固体電解コンデンサおよび固体電解コンデンサの製造方法に関する。
従来から、電子回路においては、コンデンサが幅広く利用されている。コンデンサの中でも固体電解コンデンサは、比較的小型で大容量であることから電子回路によく用いられている。
従来の固体電解コンデンサは、陽極ワイヤが突出した多孔質焼結体を備える。多孔質焼結体の表面には、誘電体層および固体電解質層が積層されている。陽極ワイヤの根元には、ワッシャーが嵌め込まれている。ワッシャーは、たとえばフッ素樹脂などの絶縁性物質からなる。ワッシャーには、陽極ワイヤを貫通させるための孔が形成されている。
固体電解コンデンサの製造工程においては、固体電解質層を形成するために、多孔質焼結体をたとえば硝酸マンガン水溶液に漬ける。この際、ワッシャーを嵌め込まずに陽極ワイヤを硝酸マンガン水溶液に漬けると、陽極ワイヤに沿って硝酸マンガン水溶液がしみ上がってしまう。このしみ上がりが起こると、漏れ電流不良が生じることとなる。従来から、しみ上がりを防止するために、陽極ワイヤにワッシャーを嵌め込んだ状態で多孔質焼結体を硝酸マンガン水溶液に漬ける、といった対策が講じられている。
しかしながら、従来の固体電解コンデンサにおいては、ワッシャーの孔と陽極ワイヤとの間にわずかな隙間が生じることがあった。このような隙間が生じると、毛細管現象によって当該隙間を硝酸マンガン水溶液がしみ上がるおそれがあった。また、このような隙間の発生を防止するとともに、固体電解コンデンサの基本特性として、低ESR(等価直列抵抗)化の要請が高まっている。
特開2007−305930号公報
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、しみ上がりを抑制しつつ、低ESR化を図ることができる固体電解コンデンサおよび固体電解コンデンサの製造方法を提供することをその課題とする。
本発明の第1の側面によって提供される固体電解コンデンサは、弁作用金属よりなる多孔質焼結体と、上記多孔質焼結体から突出する陽極ワイヤと、上記多孔質焼結体に積層された誘電体層と、上記陽極ワイヤが貫通する第1膜状部を含み、且つ導電性を有する撥水膜と、上記誘電体層に積層された固体電解質層と、を備える。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記撥水膜は、導電性ポリマーを含む。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記撥水膜は、フッ素樹脂を含む。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記撥水膜は、シリコーンを含む。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記固体電解質層は上記第1膜状部を囲む形状である。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記撥水膜は、上記陽極ワイヤが突出する方向に向かって上記第1膜状部から延び、且つ、上記陽極ワイヤを覆う第2膜状部を更に含む。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記多孔質焼結体には細孔が形成され、上記第1膜状部の一部は上記細孔に形成されている。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記陽極ワイヤが突出する方向に交差する方向に延び、且つ、上記陽極ワイヤを支持する枕電極と、上記枕電極を支持し、且つ、上記枕電極を介して上記陽極ワイヤと導通する陽極実装端子と、を更に備える。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記陽極実装端子は、実装面と、上記実装面と反対側に位置し且つ上記枕電極を支持する支持面と、上記実装面と反対側に位置し且つ上記突出する方向と反対方向の端部に位置する退避面と、を有し、上記退避面と上記実装面との距離は、上記支持面と上記実装面との距離より小さい。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記陽極実装端子には、上記突出する方向の端部において、上記実装面から上記支持面側に凹むフィレット部が形成されている。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記退避面に形成された絶縁層を更に備える。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記陽極ワイヤおよび上記枕電極を覆う樹脂パッケージを更に備え、上記陽極ワイヤおよび上記枕電極は各々、上記樹脂パッケージから露出し、且つ、互いに面一である端面を有し、上記樹脂パッケージは、上記陽極ワイヤの端面と面一である端面を有する。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記枕電極は、上記陽極ワイヤのうち上記撥水膜から離間している部位に接合されている。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記陽極ワイヤを向く第1面と上記第1面と反対側の第2面とを有する基材と、上記基材の第2面に形成され、且つ、上記陽極ワイヤと導通する実装陽極膜と、上記基材の第2面に形成され、且つ、上記固体電解質層と導通する実装陰極膜と、を更に備える。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記基材の第1面に形成され、且つ、上記実装陽極膜と導通する表面陽極膜と、上記基材の第1面に形成され、且つ、上記実装陰極膜と導通する表面陰極膜とを更に備える。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記基材には、上記陽極ワイヤが突出する方向における一端に、上記第2面から上記第1面側に凹む段差部が形成されている。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記陽極ワイヤが突出する方向に交差する方向に延び、且つ、上記陽極ワイヤを支持する枕電極を更に備え、上記表面陽極膜は上記枕電極を支持する。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記陽極ワイヤおよび上記枕電極を覆う樹脂パッケージを更に備え、上記樹脂パッケージは、上記陽極ワイヤの端面と面一である端面を有する。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記枕電極は、上記陽極ワイヤのうち上記撥水膜から離間している部位に接合されている。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記陽極ワイヤを覆う樹脂パッケージを更に備え、上記陽極ワイヤは、上記樹脂パッケージから露出する端面を有し、上記樹脂パッケージ、上記基材、および、上記実装陽極膜は各々、上記陽極ワイヤの端面と面一の端面を有する。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記陽極ワイヤ、上記樹脂パッケージ、上記基材、および、上記実装陽極膜の各端面を覆う側面陽極膜を更に備える。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記側面陽極膜は、メッキにより形成されている。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記多孔質焼結体は、上記陽極ワイヤが突出する面を有し、上記陽極ワイヤは、上記陽極ワイヤが突出する面において、上記陽極ワイヤが突出する面の中心から偏心した位置より突出している。
本発明の第2の側面によって提供される固体電解コンデンサの製造方法は、弁作用金属よりなり、且つ、陽極ワイヤが突出するように設けられた多孔質焼結体を形成する工程と、フッ素樹脂よりなり、且つ、上記陽極ワイヤを囲む撥水膜を形成する工程と、上記多孔質焼結体に誘電体層を形成する工程と、上記撥水膜を形成する工程の後に、上記誘電体層に固体電解質層を形成する工程と、を備え、上記撥水膜を形成する工程は、導電性を有する上記撥水膜を形成する。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記撥水膜を形成する工程は、撥水性材料と導電性材料とが混合された上記撥水膜を形成する。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記導電性材料は、導電性ポリマーである。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記撥水性材料は、シリコーンである。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記撥水性材料は、フッ素樹脂である。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記撥水膜を形成する工程は、フッ素樹脂よりなる樹脂材を溶融させる工程を含む。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記樹脂材は複数の粒状体である。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
本発明の第1実施形態にかかる固体電解コンデンサを示す断面図である。 図1のII方向矢視図である。 (a)は、図1の領域α1の部分拡大図であり、(b)は、図1の領域β1の部分拡大図である。 本発明の第1実施形態にかかる固体電解コンデンサの製造方法の流れを示すフローチャートである。 (a)は、本発明の第1実施形態にかかる固体電解コンデンサの製造工程の一工程を示す断面図であり、(b)は、本発明の第1実施形態にかかる固体電解コンデンサの製造工程の一工程を示す平面図である。 本発明の第1実施形態にかかる固体電解コンデンサの製造工程の一工程を示す図である。 本発明の第1実施形態にかかる固体電解コンデンサの製造工程の一工程を示す図である。 本発明の第1実施形態にかかる固体電解コンデンサの製造工程において得られるコンデンサ素子を示す断面図である。 本発明の第1実施形態にかかる固体電解コンデンサの製造方法の変形例の流れを示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態の変形例にかかる固体電解コンデンサの製造工程の一工程を示す図である。 本発明の第1実施形態の変形例にかかる固体電解コンデンサの製造工程の一工程を示す図である。 本発明の第1実施形態の第1変形例にかかる固体電解コンデンサの断面図である。 本発明の第1実施形態の第2変形例にかかる固体電解コンデンサの側面図である。 本発明の第2実施形態にかかる固体電解コンデンサを示す断面図である。 本発明の第3実施形態にかかる固体電解コンデンサを示す断面図である。 図15のXVI方向矢視図である。 図15に示した固体電解コンデンサの底面図である。 本発明の第4実施形態にかかる固体電解コンデンサを示す断面図である。 本発明の第5実施形態にかかる固体電解コンデンサを示す断面図である。 本発明の第8実施形態にかかる固体電解コンデンサを示す断面図である。 本発明の第8実施形態にかかる固体電解コンデンサの製造工程の一工程を示す図である。
以下、本発明の実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
[第1実施形態]
図1〜図10を用いて本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態にかかる固体電解コンデンサを示す断面図である。図2は、図1のII方向矢視図である。図3(a)は、図1の領域α1の部分拡大図であり、同図(b)は、図1の領域β1の部分拡大図である。なお、図3は、理解の便宜上、模式的に示している。
これらの図に示す固体電解コンデンサA1は、コンデンサ素子1と、導電性接着層2と、樹脂パッケージ3と、枕電極4と、陽極実装端子51と、陰極実装端子52とを備える。固体電解コンデンサA1は、たとえば回路基板S1aに面実装された状態で用いられる。固体電解コンデンサA1は、図1の上下方向の寸法がたとえば0.8mmであり、図1の左右方向の寸法がたとえば1.6mmであり、図1の紙面奥行き方向の寸法がたとえば0.85mmである。
コンデンサ素子1は、多孔質焼結体11と、陽極ワイヤ12と、誘電体層13(図3参照)と、撥水膜14と、固体電解質層15と、導電層16とを含む。多孔質焼結体11は、直方体形状であり、タンタルもしくはニオブなどの弁作用金属よりなる。図3(a),(b)に示すように、多孔質焼結体11には多数の細孔18が形成されている。多孔質焼結体11は、方向xを向く面11aと、方向xの反対側を向く面11cと、面11aおよび面11cとつながる4つの面11b(図1にて2つのみ示す)とを有する。面11a,11b,11cはそれぞれ、矩形状である。陽極ワイヤ12は、タンタルもしくはニオブなどの弁作用金属よりなる。陽極ワイヤ12は、多孔質焼結体11の面11aから、方向xに向かって突出している。陽極ワイヤ12の直径は、たとえば0.15mmである。
図3(a),(b)に示すように、誘電体層13は、多孔質焼結体11に積層されている。誘電体層13は、多孔質焼結体11を構成する弁作用金属の酸化物よりなる。このような弁作用金属の酸化物としては、五酸化タンタルや五酸化ニオブなどが挙げられる。
図1に示すように、撥水膜14は、多孔質焼結体11および陽極ワイヤ12を覆っている。撥水膜14は、撥水性と導電性とを有する。本実施形態においては、撥水膜14は、フッ素樹脂と導電性ポリマーとが混合されていることにより、撥水性と導電性とを有する。本実施形態において、このようなフッ素樹脂は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化エチレンプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、および、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)よりなる群の少なくとも一つから選択される樹脂のみを含んでなる。また、導電性ポリマーとしては、例えばポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)にポリスチレンスルフォン酸をドーパントとしてドープした材質が挙げられる。撥水膜14は、固体電解質層15を形成するための溶液が陽極ワイヤ12をしみ上がることを防止するためのものである。なお、フッ素樹脂の他に、たとえばシリコーンを用いることにより、撥水膜14に撥水性を持たせてもよい。
図1の部分拡大図、図2によく表れているように、撥水膜14は、第1膜状部141と、第2膜状部142とを有する。第1膜状部141は、陽極ワイヤ12が貫通し、且つ、陽極ワイヤ12の周方向の全体にわたって、陽極ワイヤ12に密着している。第1膜状部141は、多孔質焼結体11の面11aに沿って広がる。第1膜状部141は、面11aにおいて、面11aの端縁の近傍には形成されておらず、陽極ワイヤ12寄りの部位にのみ形成されている。第1膜状部141は、方向xを向く平坦な面141aを有する。面141aは、面141aの全体にわたって、面11aからの距離が一様である。すなわち、第1膜状部141は、第1膜状部141の全体にわたって、厚さL1aが一様である。厚さL1aは、たとえば50μm以下であり、本実施形態では、厚さL1aは2μm〜4μmである。コンデンサ素子1の体積を大きくするためには、厚さL1aはなるべく小さい方が好ましい。図3(a)に示すように、第1膜状部141の一部は細孔18に形成されていることもある。このとき、第1膜状部141は多孔質焼結体11に食い込むように形成されているといえる。だが、ここでいう厚さL1aは、面11a(多孔質焼結体11のうち最も方向x側に位置する部位)と、面141aとの離間距離をいう。
図1の部分拡大図によく表れているように、第2膜状部142は、方向xに向かって第1膜状部141から延びる。図2に示すように、第2膜状部142は、陽極ワイヤ12を覆っており、且つ、陽極ワイヤ12の周方向の全体にわたって、陽極ワイヤ12に密着している。図1の部分拡大図に示すように、第2膜状部142は、陽極ワイヤ12の径方向外方を向く面142aを有する。面142aは、面142aの全体にわたって、陽極ワイヤ12の表面からの距離が一様である。すなわち、第2膜状部142は、第2膜状部142の全体にわたって、厚さL1bが一様である。厚さL1bは、たとえば50μm以下であり、本実施形態では、厚さL1bは2μm〜4μmである。ここでいう厚さL1bは、陽極ワイヤ12の表面と、面142aとの離間距離をいう。また、第2膜状部142の厚さL1bは、第1膜状部141の厚さL1aと同一であってもよい。
図3(b)に示すように、固体電解質層15は、誘電体層13に積層されている。固体電解質層15の一部は、細孔18に形成されている。図1に示すように、固体電解質層15の一部は、多孔質焼結体11の面11a,11b,11cに形成されている。固体電解質層15は、面11aにおいて、陽極ワイヤ12寄りの部位には形成されておらず、面11aの端縁の近傍にのみ形成されている。固体電解質層15は、第1膜状部141と密着している。図2に示すように、面11a上にて固体電解質層15は、第1膜状部141を囲む形状となっている。
図1に示すように、固体電解質層15は、方向xに向かって第1膜状部141よりも隆起する部位を有する。このように固体電解質層15の隆起した部位の最大厚さL1c(図3(b)参照)は、たとえば、2μm〜100μmである。上述のように固体電解質層15の一部は細孔18に形成されているが、ここでいう最大厚さL1cは、面11a(多孔質焼結体11のうち最も方向x側に位置する部位)と、固体電解質層15の最も隆起した部位との方向xにおける離間距離をいう。固体電解質層15は、たとえば、二酸化マンガンや導電性ポリマーよりなる。固体電解コンデンサA1が用いられる際には、固体電解質層15と誘電体層13との界面に電荷が蓄蔵される。
導電層16は、固体電解質層15を覆っている。導電層16は、固体電解質層15と導通している。導電層16は、たとえばグラファイト層と銀層とからなる積層構造を有する。
導電性接着層2は、たとえば銀ペーストである。樹脂パッケージ3は、たとえばエポキシ樹脂よりなる。樹脂パッケージ3は、コンデンサ素子1を保護するためのものである。
枕電極4は、コンデンサ素子1に後述の陽極実装端子51および陰極実装端子52を取り付ける際に、陽極ワイヤ12を支持するためのものである。枕電極4は、方向xと交差する方向に延びており、本実施形態では、図1の上下方向に延びている。枕電極4は、陽極ワイヤ12のうち第2膜状部142から離間した部位に接合され、且つ、陽極ワイヤ12と導通している。枕電極4は、たとえば、銅メッキが施された、42アロイなどのNi−Fe合金よりなる。
陽極実装端子51および陰極実装端子52は、固体電解コンデンサA1を回路基板S1aに実装するためのものである。陽極実装端子51および陰極実装端子52はいずれも、たとえば、銅メッキが施された、42アロイなどのNi−Fe合金よりなる。
陽極実装端子51は、枕電極4を支持し、且つ、枕電極4を介して陽極ワイヤ12と導通している。陽極実装端子51の一部は、樹脂パッケージ3から露出している。陽極実装端子51において樹脂パッケージ3から露出している面は、固体電解コンデンサA1を回路基板S1aに実装するための実装面513となっている。実装面513がハンダ89によって回路基板S1aに対し接着されることにより、固体電解コンデンサA1は回路基板S1aに対し実装される。
陽極実装端子51は、厚肉部511と、厚肉部511よりも厚さ(図1の上下方向における寸法)が薄い薄肉部512とを含む。厚肉部511にて実装面513と反対側に位置する面は、枕電極4を支持する支持面514となっている。支持面514は、実装面513と平行である。厚肉部511の方向x側の部分には、実装面513から支持面514側に凹むフィレット部511aが形成されている。これにより、実装面513と回路基板S1aとを接着するハンダ89の一部は、ハンダフィレットとして形成される。
薄肉部512は、陽極実装端子51が導電層16ないし固体電解質層15に接触するのを防止するために形成されている。薄肉部512にて実装面513と反対側に位置する面は、退避面515となっている。退避面515は、実装面513と平行である。退避面515は、陽極実装端子51において、方向xと反対側の端部に位置している。退避面515は薄肉部512におけるものであるから、退避面515と実装面513との距離は、支持面514と実装面513との距離よりも小さい。退避面515は、必ずしも実装面513と平行である必要はなく、支持面514から方向xの反対側に向かうにつれて、徐々に実装面513に接近する面であってもよい。本実施形態では、退避面515は、支持面514と起立面516を介してつながっている。起立面516は、退避面515に対し垂直である面であり、退避面515から支持面514に延びる。
陰極実装端子52は、導電性接着層2および導電層16を介して固体電解質層15と導通している。陰極実装端子52の一部は、樹脂パッケージ3から露出している。陰極実装端子52において樹脂パッケージ3から露出している面は、固体電解コンデンサA1を回路基板S1aに実装するための実装面523となっている。実装面523がハンダ89によって回路基板S1aに対し接着されることにより、固体電解コンデンサA1は回路基板S1aに対し実装される。実装面523の面積と実装面513の面積とが同一であるならば、セルフアライメントに効果的である。陰極実装端子52の方向xの反対側の部分には、陽極実装端子51と同様に、フィレット部52aが形成されている。陰極実装端子52にて実装面523と反対側に位置する面は、等価直列抵抗(ESR)を向上させる観点から、大きい方が好ましい。
次に、図4〜図8を用いて固体電解コンデンサA1の製造方法の一例について説明する。まず、コンデンサ素子1の製造方法について説明する。図4には、コンデンサ素子1の製造方法の流れを示す。
まず、図5に示す多孔質焼結体11’を形成する工程S1を行う。工程S1においては、たとえば、タンタルまたはニオブなどの弁作用金属の微粉末に陽極ワイヤ12’の一部を進入させた状態で加圧成形を行う。この加圧成形により得られた加圧成型体に対して焼結処理を施す。この焼結処理により、弁作用金属の微粉末どうしが焼結し、多数の細孔を有する多孔質焼結体11’が形成される。
次に、撥水膜14を形成する工程S2を行う。なお、撥水膜14を形成する工程S2は、後述する誘電体層13を形成する工程S3の後に行ってもよく、後述する固体電解質層15を形成する工程S4の前であればよい。工程S2では、フッ素樹脂材料と導電性ポリマー材料とを含む液体材料を陽極ワイヤ12’および多孔質焼結体11’に付着させる。
図5(a),(b)に示すように、液体材料8を陽極ワイヤ12’に付着させる工程S21においては、先端が二股状になっている保持部材88の二股部分に、液体材料としての水性分散体8を保持させる。液体材料8は、フッ素樹脂材料および導電性ポリマー材料を含んでおり、比較的粘性が高い。
次に、同図(a),(b)の想像線で示すように、保持部材88を陽極ワイヤ12’に接近させ、保持部材88の二股部分を、陽極ワイヤ12’における多孔質焼結体11’の近傍部分に嵌めこむ。すると、保持部材88に保持された液体材料8は、陽極ワイヤ12’および多孔質焼結体11’に付着する。この際に、液体材料8は多孔質焼結体11’に偏って付着することがある。また、多孔質焼結体11’の表面状態によって、多孔質焼結体11’における液体材料8の広がり方が異なる。
次に、保持部材88を陽極ワイヤ12’から離間させる。すると、液体材料8が陽極ワイヤ12’および多孔質焼結体11’に塗布された状態となる。次に、多孔質焼結体11’および陽極ワイヤ12’に液体材料8を塗布したのち数秒ほど経過すると、液体材料8中の液体成分が多孔質焼結体11’にしみ込む。このように、液体材料8を陽極ワイヤ12’に付着させる工程S21を行う。
液体材料8は、たとえば、フッ素樹脂材料と導電性ポリマー材料とを溶媒に拡散させた材料が採用される。フッ素樹脂材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化エチレンプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、および、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)よりなる群の少なくとも一つから選択される樹脂のみを含んでなる。導電性ポリマーとしては、例えばポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)にポリスチレンスルフォン酸をドーパントとしてドープした材質が挙げられる。溶媒は、水、有機溶剤等を上記の導電性ポリマーにあわせて選択することができる
次に、図6に示すように、加熱する工程S22を行う。これにより、フッ素樹脂材料および導電性ポリマーが焼成され、撥水膜14が形成される。
本実施形態において、撥水膜14は、多孔質焼結体11’と陽極ワイヤ12’とに形成される。撥水膜14のうち多孔質焼結体11’に形成されるものは、第1膜状部141となる。撥水膜14のうち陽極ワイヤ12’に形成されるものは、第2膜状部142となる。第1膜状部141および第2膜状部142は、陽極ワイヤ12’に密着したものとなる。
なお、撥水膜14の厚さをより厚くするために、撥水膜14を形成する工程S2を繰り返し行ってもよい。また、撥水膜14の厚さをより薄くするために、工程21にて、液体材料8を希釈したものを陽極ワイヤ12’に塗布してもよい。
次に、誘電体層13を形成する工程S3を行う。工程S3は、たとえば、多孔質焼結体11’をリン酸水溶液の化成液に漬けた状態で陽極酸化処理を施すことによりなされる。
次に、図7に示すように、固体電解質層15を形成する工程S4を行う。工程S4においては、誘電体層13が形成された多孔質焼結体11を、水溶液87に漬ける。水溶液87は、たとえば、硝酸マンガンの水溶液、もしくは、導電性ポリマーの水溶液である。多孔質焼結体11を水溶液87に漬けるとき、水溶液87の界面が撥水膜14を超えない位置関係とする。水溶液87は撥水膜14との間に表面張力が生じ、撥水膜14には水溶液87は付着しない。仮に撥水膜14に水溶液87が一時的に付着しても、その後、多孔質焼結体11を水溶液87から引き揚げた時に、水溶液87は撥水膜14から流れ落ちる。多孔質焼結体11を水溶液87から引き揚げた後には、焼成処理を施す。多孔質焼結体11を水溶液87に漬け、その後、焼成処理を施す当該作業を繰り返すことにより、固体電解質層15を形成することができる。
次に、図8に示すように、たとえばグラファイト層および銀層からなる導電層16を形成する工程S5を行う。以上の工程S1〜S5を経ることにより、コンデンサ素子1が製造される。
次に、導電性接着層2を介して、導電層16と陰極実装端子52を接合する。また、たとえば溶接をすることにより、陽極ワイヤ12に枕電極4および陽極実装端子51を接合する。そして、コンデンサ素子1を覆うように樹脂パッケージ3をモールド成形する。以上の工程を経ることにより、図1に示す固体電解コンデンサA1を製造することができる。
次に、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態によれば撥水膜14は、撥水性と導電性とを有している。このため、固体電解質層15と接する撥水膜14は、固体電解質層15と導通しており、陰極の一部として機能する。これにより、多孔質焼結体11の面11aが撥水膜14に覆われていても、この覆われた領域においてもコンデンサの機能を担う導通現象が確保される。この結果、撥水膜14を設けるにも関わらず、ESRが増大することを回避することが可能である。したがって、しみ上がりを抑制しつつ、低ESR化を図ることができる。
撥水膜14が導電性ポリマーを含むことにより、撥水膜14は、酸化剤として機能しうる。すなわち、誘電体層13に微小な亀裂や欠損があったとしても、撥水膜14から酸素が供給されることにより、弁作用金属がただちに参加され、誘電体層13が修復される。したがって、漏れ電流の発生等を防止することができる。
次に、撥水膜14を形成する工程S2の変形例を示す。図9に示すように、本変形例においては、工程S2が、フッ素樹脂よりなる複数の粒状体81と導電性ポリマー材料とを含む液体材料を陽極ワイヤ12’に付着させる工程S21と、複数の粒状体81を溶融させ、且つ導電性ポリマーを焼成する工程S22とを含む。また、工程S21を行う際に、複数の粒状体81を多孔質焼結体11’にも付着させる。以下、詳細に説明する。
本変形例においては、液体材料8は、複数の粒状体81を界面活性剤で安定化させたものであって、導電性ポリマー材料を含む。
次に、図5に示した手法により、液体材料8を、多孔質焼結体11’および陽極ワイヤ12’に付着させる。すると、図10に示すように、液体材料8が陽極ワイヤ12’および多孔質焼結体11’に塗布された状態となる。次に、多孔質焼結体11’および陽極ワイヤ12’に液体材料8を塗布したのち数秒ほど経過すると、液体材料8中の液体成分が多孔質焼結体11’にしみ込む。そして、複数の粒状体81が多孔質焼結体11’と陽極ワイヤ12’とに付着した状態となる。このようにして、図11に示すように、液体材料8を陽極ワイヤ12’に付着させる工程S21が完了する。
本変形例において液体材料8としては、たとえば、ダイキン工業株式会社、PTFE Dシリーズ、型番D−210Cを用いることができる。この液体材料8を用いたときの各パラメータは以下のとおりである。陽極ワイヤ12’と多孔質焼結体11’とに塗布する液体材料8の質量は、約0.2gである。液体材料8に対する粒状体81の濃度は、約60質量%である。粒状体81の粒子径は、たとえば0.15μm〜0.30μmである。液体材料8に対する界面活性剤の濃度は、約6質量%/pである。液体材料8の粘度は、15〜35(cp,25℃)である。液体材料8の比重は、1.51〜1.54(25℃)である。液体材料8のpHは、9〜10である。
水成分散体8に混入する導電性ポリマーの材料としては、上述した例と同様である。
なお、液体材料8としては、ダイキン工業株式会社、PTFE Dシリーズ、型番D−1Eや、ダイキン工業株式会社、PTFE Dシリーズ、型番D−311や、ダイキン工業株式会社、PTFE Dシリーズ、型番ND−110を用いるとよい。
次に、加熱する工程S22を行う。これにより、粒状体81が溶融するとともに導電性ポリマーが焼成され、撥水膜14が形成される。工程S22は、たとえば、粒状体81の融点より高い温度の加熱炉にて行う。粒状体81がPTFEである場合、粒状体81の融点は327℃であるため、工程S22は約340℃の加熱炉にて行うとよい。粒状体81がPFAである場合、粒状体81の融点は304〜310℃であるため、工程S22は約340℃の加熱炉にて行うとよい。粒状体81がFEPである場合、粒状体81の融点は280℃であるため、工程S22は約300℃の加熱炉にて行うとよい。
本実施形態において、撥水膜14は、多孔質焼結体11’と陽極ワイヤ12’とに形成される。撥水膜14のうち多孔質焼結体11’に形成されるものは、第1膜状部141となる。撥水膜14のうち陽極ワイヤ12’に形成されるものは、第2膜状部142となる。撥水膜14は、複数の粒状体81が溶融することにより形成されている。そのため、第1膜状部141および第2膜状部142は、陽極ワイヤ12’に密着したものとなる。また複数の粒状体81が溶融する際には、溶融した樹脂が多孔質焼結体11’にわずかに入り込むと考えられる。そのため、第1膜状部141の一部は、多孔質焼結体11’における細孔内に形成されることがある。
なお、撥水膜14の厚さをより厚くするために、撥水膜14を形成する工程S2を繰り返し行ってもよい。また、撥水膜14の厚さをより薄くするために、工程21にて、液体材料8を水で希釈したものを陽極ワイヤ12’に塗布してもよい。
固体電解コンデンサA1においては、撥水膜14は、複数の粒状体81を溶融することにより形成される。そのため、撥水膜14は陽極ワイヤ12に、より密着したものとなる。したがって、固体電解質層15を形成する工程S4にて、陽極ワイヤ12と撥水膜14との間を毛細管現象によって水溶液87がしみ上がることを、抑制することができる。
従来、水溶液87がしみ上がることを防止するために、絶縁樹脂よりなる板を打ち抜いたワッシャーを用いている。この場合には、ワッシャーを陽極ワイヤ12に適切に嵌めこむことができないといった不具合が生じることがある。しかしながら、本実施形態にかかる固体電解コンデンサA1において、撥水膜14は、複数の粒状体81を溶融することにより形成されている。そのため、固体電解コンデンサA1は、水溶液87がしみ上がることを防止するためのワッシャーを用いる必要がない。したがって、固体電解コンデンサA1によると、ワッシャーを用いたことに起因する上述の不具合を回避することができる。
上述のように、粒状体81の粒子径は、たとえば0.15μm〜0.30μmである。そのため、従来のようにワッシャーを用いる場合と比較して、複数の粒状体81を溶融させることにより第1膜状部141を形成する本実施形態にかかる製造方法は、第1膜状部141の厚さL1aを小さくするのに適する。第1膜状部141の厚さL1aを小さくすることができると、方向xにおける固体電解コンデンサA1の寸法を維持する場合であっても、方向xにおける多孔質焼結体11の寸法を大きくすることができる。したがって、本実施形態にかかる製造方法は、固体電解コンデンサA1の大容量化を図るのに適する。一方、第1膜状部141の厚さL1aを小さくすることができると、固体電解コンデンサA1の容量を維持する場合であっても、方向xにおける固体電解コンデンサA1の寸法を小さくすることができる。したがって、本実施形態にかかる製造方法は、固体電解コンデンサA1の小型化を図るのに適する。
本変形例において、複数の粒状体81を陽極ワイヤ12’に付着させる工程S21は、液体材料8を陽極ワイヤ12’および多孔質焼結体11’に塗布することにより行っている。液体材料8にて複数の粒状体81は分散した状態となっている。そのため、本実施形態にかかる方法は、複数の粒状体81を分散した状態で陽極ワイヤ12’に付着させるのに適している。
図12は、本発明の第1実施形態の第1変形例にかかる固体電解コンデンサを示す断面図である。同図に示す固体電解コンデンサA11は、退避面515および起立面516に形成された絶縁層518を更に備えている点において、固体電解コンデンサA1と相違する。このような構成によると、陽極実装端子51が導電層16ないし固体電解質層15と接触し導通することを、防止することができる。
図13は、本発明の第1実施形態の第2変形例にかかる固体電解コンデンサを示す側面図である。同図に示す固体電解コンデンサA12は、枕電極4が陽極ワイヤ12に近づくにつれ幅狭となる台形状である点において、上述の固体電解コンデンサと異なる。このような構成によると、陽極ワイヤ12と枕電極4とを溶接により接合する際、枕電極4の幅狭となっている部分は多くの電流が流れるため、発熱しやすい。そのため、溶接により陽極ワイヤ12と枕電極4とを接合する際、枕電極4のうち陽極ワイヤ12の近傍の部分を溶融させやすい。したがって当該構成によると、溶接によって陽極ワイヤ12と枕電極4とを接合しやすくなる。
以下、本発明の他の実施形態について説明する。これらの実施形態では、第1実施形態と同一または類似の要素には、第1実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。
[第2実施形態]
図14は、本発明の第2実施形態にかかる固体電解コンデンサを示す断面図である。同図に示す固体電解コンデンサA2は、陽極ワイヤ12が多孔質焼結体11の面11aの中央から突出しておらず、面11aの中央から偏心した位置より突出している点において、第1実施形態にかかる固体電解コンデンサA1と相違する。
固体電解コンデンサA2は、固体電解コンデンサA1と同様の方法を用いて製造することができる。
次に、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態によれば撥水膜14は、撥水性と導電性とを有している。このため、固体電解質層15と接する撥水膜14は、固体電解質層15と導通しており、陰極の一部として機能する。これにより、多孔質焼結体11の面11aが撥水膜14に覆われていても、この覆われた領域においてもコンデンサの機能を担う導通現象が確保される。この結果、撥水膜14を設けるにも関わらず、ESRが増大することを回避することが可能である。したがって、しみ上がりを抑制しつつ、低ESR化を図ることができる。
撥水膜14が導電性ポリマーを含むことにより、撥水膜14は、酸化剤として機能しうる。すなわち、誘電体層13に微小な亀裂や欠損があったとしても、撥水膜14から酸素が供給されることにより、弁作用金属がただちに参加され、誘電体層13が修復される。したがって、漏れ電流の発生等を防止することができる。
固体電解コンデンサA2は、固体電解コンデンサA1に関して述べたのと同様の理由により、大容量化および小型化を図るのに適する。
さらに、固体電解コンデンサA2によると、枕電極4の同図の上下方向における寸法L1mを小さくすることができる。寸法L1mが小さいと、枕電極4は、陽極ワイヤ12に接合される際に変形しにくい。そのため、固体電解コンデンサA2によると、枕電極4が変形することにより枕電極4と陽極実装端子51とを適切に接合できなくなるといった不具合を、抑制することができる。
固体電解コンデンサA2は、固形物であるワッシャーを備えていない。固体電解コンデンサA2における撥水膜14は、液状物である液体材料8を用いて形成される。そのため、面11aの中央から偏心した位置より陽極ワイヤ12が突出している固体電解コンデンサA2を製造する場合であっても、撥水膜14を形成するために、ワッシャーなどの材料を変更する必要がない。そのため、固体電解コンデンサA2を製造する場合には、コストを抑制しつつ、設計を変更することができる。
なお、面11aの中央から偏心した位置より陽極ワイヤ12が突出する本実施形態にかかる構成は、上述の固体電解コンデンサA11,A12にも適用できる。
[第3実施形態]
図15〜図17を用いて本発明の第3実施形態について説明する。図15は、本実施形態にかかる固体電解コンデンサを示す断面図である。図16は、図15のXVI方向矢視図である。図17は、図15に示した固体電解コンデンサの底面図である。
これらの図に示す固体電解コンデンサA3は、枕電極4を備えておらず、且つ、陽極実装端子51と陰極実装端子52との断面がL字状である点において、固体電解コンデンサA1と主に相違する。
陽極ワイヤ12は、樹脂パッケージ3から露出している。陽極ワイヤ12は、樹脂パッケージ3から露出している端面12aを有する。
陽極実装端子51は、実装面513と端面517とを有する。実装面513および端面517は樹脂パッケージ3から露出している。実装面513および端面517は矩形状を呈する。図28に示すように、本実施形態において端面517は、台形状を呈する。端面517は、陽極ワイヤ12の端面12aと面一となっている。陽極実装端子51は、表面にメッキが施された一つの板状部材を折り曲げ成形されている。そのため、実装面513および端面517にはいずれも、メッキが施されている。これにより、固体電解コンデンサA3が回路基板S1aに実装される際には、実装面513のみならず端面517にも、回路基板S1aと接着するためのハンダ89を付着させることができる。したがって、このような構成によれば、視認性の高いハンダフィレットを形成することができる。
陰極実装端子52は、実装面523と端面527とを有する。実装面523および端面527は樹脂パッケージ3から露出している。実装面523および端面527は矩形状を呈する。陰極実装端子52は、陽極実装端子51と同様に、一つの板状部材を折り曲げ成形されている。そのため、実装面523および端面527にはいずれも、銅などのメッキが施されている。これにより、固体電解コンデンサA3が回路基板S1aに実装される際には、実装面523のみならず端面527にも、回路基板S1aと接着するためのハンダ89を付着させることができる。したがって、このような構成によれば、視認性の高いハンダフィレットを形成することができる。
次に、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態によれば撥水膜14は、撥水性と導電性とを有している。このため、固体電解質層15と接する撥水膜14は、固体電解質層15と導通しており、陰極の一部として機能する。これにより、多孔質焼結体11の面11aが撥水膜14に覆われていても、この覆われた領域においてもコンデンサの機能を担う導通現象が確保される。この結果、撥水膜14を設けるにも関わらず、ESRが増大することを回避することが可能である。したがって、しみ上がりを抑制しつつ、低ESR化を図ることができる。
撥水膜14が導電性ポリマーを含むことにより、撥水膜14は、酸化剤として機能しうる。すなわち、誘電体層13に微小な亀裂や欠損があったとしても、撥水膜14から酸素が供給されることにより、弁作用金属がただちに参加され、誘電体層13が修復される。したがって、漏れ電流の発生等を防止することができる。
固体電解コンデンサA3は、固体電解コンデンサA1に関して述べたのと同様の理由により、大容量化および小型化を図るのに適する。
[第4実施形態]
図18は、本発明の第4実施形態にかかる固体電解コンデンサを示す断面図である。同図に示す固体電解コンデンサA4は、陽極実装端子51および陰極実装端子52の形状が、固体電解コンデンサA3と相違する。
本実施形態においても、陽極実装端子51は陽極ワイヤ12に接合している。陽極実装端子51は、実装面513と、露出面519b,519cと、端面519dとを有する。実装面513は、方向xに沿って延びている。露出面519bは、実装面513とつながり、方向xを向いている。露出面519cは、露出面519bとつながり、方向xに沿って延びている。端面519dは、露出面519cとつながり、陽極ワイヤ12の端面12aと面一となっている。陰極実装端子52も陽極実装端子51と同一形状である。
このような固体電解コンデンサA4は、切断線CL3に沿って切断されることにより製造されたものである。また、陽極実装端子51は、一つの板状部材を折り曲げ成形されている。そのため、実装面513、露出面519b,519cにはいずれも、銅などのメッキが施されている。これにより、固体電解コンデンサA4が回路基板S1aに実装される際には、実装面513のみならず露出面519b,519cにも、回路基板S1aと接着するためのハンダ89を付着させることができる。したがって、このような構成によれば、陽極実装端子51に、視認性の高いハンダフィレットを形成することができる。同様の理由により、陰極実装端子52にも視認性の高いハンダフィレットを形成することができる。
次に、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態によれば撥水膜14は、撥水性と導電性とを有している。このため、固体電解質層15と接する撥水膜14は、固体電解質層15と導通しており、陰極の一部として機能する。これにより、多孔質焼結体11の面11aが撥水膜14に覆われていても、この覆われた領域においてもコンデンサの機能を担う導通現象が確保される。この結果、撥水膜14を設けるにも関わらず、ESRが増大することを回避することが可能である。したがって、しみ上がりを抑制しつつ、低ESR化を図ることができる。
撥水膜14が導電性ポリマーを含むことにより、撥水膜14は、酸化剤として機能しうる。すなわち、誘電体層13に微小な亀裂や欠損があったとしても、撥水膜14から酸素が供給されることにより、弁作用金属がただちに参加され、誘電体層13が修復される。したがって、漏れ電流の発生等を防止することができる。
固体電解コンデンサA4は、固体電解コンデンサA1に関して述べたのと同様の理由により、大容量化および小型化を図るのに適する。
[第5実施形態]
図19は、本発明の第5実施形態にかかる固体電解コンデンサを示す断面図である。
同図に示す固体電解コンデンサA5は、陽極実装端子51、および陰極実装端子52を備えておらず、プリント基板6を備えている点において、第1実施形態にかかる固体電解コンデンサA1と主に相違する。なお、固体電解コンデンサA5では、陽極ワイヤ12が多孔質焼結体11の面11aの中央から突出しておらず、面11aの中央から偏心した位置より突出している。
プリント基板6は、基材61と、表面陽極膜62と、表面陰極膜63と、実装陽極膜64と、実装陰極膜65と、スルーホール電極66,67とを含む。
基材61は、たとえばガラスエポキシ樹脂よりなる。基材61は、陽極ワイヤ12を向く第1面611と、第1面611と反対側の第2面612とを有する。基材61には、段差部617が形成されている。段差部617は、第2面612の方向xにおける端部において、第2面612から第1面611側に凹む形状である。
表面陽極膜62、表面陰極膜63、実装陽極膜64、および実装陰極膜65を構成する材料は、たとえばCu、Au、Ag、Al、Niなどの導電性材料から適宜選択される。
表面陽極膜62および表面陰極膜63はいずれも、第1面611に形成されている。本実施形態において、表面陽極膜62は枕電極4を支持している。これにより表面陽極膜62は、枕電極4を介して、陽極ワイヤ12と導通している。
表面陰極膜63は、導電性接着層2により導電層16と接着されている。これにより、表面陰極膜63は、導電性接着層2を介して、導電層16や固体電解質層15と導通している。表面陰極膜63は、第1面611の大部分を占めている。これは、等価直列抵抗(ESR)を向上させるのに適している。
実装陽極膜64および実装陰極膜65は、第2面612に形成されている。実装陽極膜64は、基材61に形成されたスルーホール電極66を介して、表面陽極膜62と導通している。これにより、実装陽極膜64は、陽極ワイヤ12と導通している。実装陰極膜65は、基材61に形成されたスルーホール電極67を介して、表面陰極膜63と導通している。これにより、実装陰極膜65は、導電層16や固体電解質層15と導通している。実装陽極膜64および実装陰極膜65がハンダ89によって回路基板S1aに対し接着されることにより、固体電解コンデンサA5は回路基板S1aに対し実装される。
次に、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態によれば撥水膜14は、撥水性と導電性とを有している。このため、固体電解質層15と接する撥水膜14は、固体電解質層15と導通しており、陰極の一部として機能する。これにより、多孔質焼結体11の面11aが撥水膜14に覆われていても、この覆われた領域においてもコンデンサの機能を担う導通現象が確保される。この結果、撥水膜14を設けるにも関わらず、ESRが増大することを回避することが可能である。したがって、しみ上がりを抑制しつつ、低ESR化を図ることができる。
撥水膜14が導電性ポリマーを含むことにより、撥水膜14は、酸化剤として機能しうる。すなわち、誘電体層13に微小な亀裂や欠損があったとしても、撥水膜14から酸素が供給されることにより、弁作用金属がただちに参加され、誘電体層13が修復される。したがって、漏れ電流の発生等を防止することができる。
図19に示すように、固体電解コンデンサA5を回路基板S1aに実装する際には、基材61にハンダ89は付着せず、ハンダ89は、実装陽極膜64や実装陰極膜65に付着するのみである。また、基材61には、段差部617が形成されている。そのため、固体電解コンデンサA5によると、方向xにおいて基材61や樹脂パッケージ3と重なる領域に、ハンダフィレットを形成することができる。これにより、固体電解コンデンサA5の実装密度を向上させることが可能となる。さらに、固体電解コンデンサA5は、固体電解コンデンサA1に関して述べたのと同様の理由により、大容量化および小型化を図るのに適する。したがって、固体電解コンデンサA5を備える電子製品の小型化を図ることができる。
固体電解コンデンサA5の構成は、上述の固体電解コンデンサA11,A12,A2にも適用できる。
[第6実施形態]
図20、図21を用いて、本発明の第6実施形態について説明する。図20は、本実施形態にかかる固体電解コンデンサを示す断面図である。
同図に示す固体電解コンデンサA6は、コンデンサ素子1と、導電性接着層2と、樹脂パッケージ3と、基材71と、実装陽極膜72と、実装陰極膜73と、側面陽極膜74と、側面陰極膜75とを備える。固体電解コンデンサA6における、コンデンサ素子1、および、導電性接着層2の各構成は固体電解コンデンサA1と略同様であるから説明を省略する。
基材71は、たとえばガラスエポキシ樹脂よりなる。基板71の厚さは、たとえば50μmである。基板71にはスルーホール電極が形成されていない。基材71は、陽極ワイヤ12を向く第1面711と、第1面711と反対側の第2面712とを有する。第1面711は、導電性接着層2によって、導電層16と接着されている。
実装陽極膜72および実装陰極膜73はいずれも第2面712に形成されている。実装陽極膜72および実装陰極膜73を構成する材料は、たとえばCu、Au、Ag、Al、Niなどの導電性材料から適宜選択される。
陽極ワイヤ12の端面12a、樹脂パッケージ3の端面3a、基材71の端面71a、および、実装陽極膜72の端面72aは、面一となっている。同様に、樹脂パッケージ3の端面3b、導電性接着層2の端面2b、基材71の端面71b、および、実装陰極膜73の端面73bは、面一となっている。
側面陽極膜74は、端面12a,3a,71a,72aを覆っている。側面陽極膜74は、陽極ワイヤ12および実装陽極膜72のいずれとも接している。これにより、側面陽極膜74を介して、実装陽極膜72が陽極ワイヤ12と導通している。
側面陰極膜75は、端面3b,2b,71b,73bを覆っている。側面陰極膜75は、導電性接着層2および実装陰極膜73のいずれとも接している。これにより、側面陰極膜75および導電性接着層2を介して、実装陰極膜73が導電層16や固体電解質層15と導通している。
図21を用いて、固体電解コンデンサA6の製造方法を簡単に説明する。
まず、第1実施形態で説明した方法と同様に、同図に示すコンデンサ素子1を製造する。次に、導電性接着層2を介して、コンデンサ素子1と、実装陽極膜72および実装陰極膜73が形成された基材71とを、接合する。次に、コンデンサ素子1を樹脂パッケージ3により覆う。これにより、同図に示す中間品が得られる。次に、当該中間品を切断線CL4,CL5により切断する。これにより、図20に示した端面12a,3a,71a,72a、および、端面3b,2b,71b,73bが形成される。次に、メッキによって、側面陽極膜74および側面陰極膜75を形成することにより、図20に示す固体電解コンデンサA6が得られる。
次に、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態によれば撥水膜14は、撥水性と導電性とを有している。このため、固体電解質層15と接する撥水膜14は、固体電解質層15と導通しており、陰極の一部として機能する。これにより、多孔質焼結体11の面11aが撥水膜14に覆われていても、この覆われた領域においてもコンデンサの機能を担う導通現象が確保される。この結果、撥水膜14を設けるにも関わらず、ESRが増大することを回避することが可能である。したがって、しみ上がりを抑制しつつ、低ESR化を図ることができる。
撥水膜14が導電性ポリマーを含むことにより、撥水膜14は、酸化剤として機能しうる。すなわち、誘電体層13に微小な亀裂や欠損があったとしても、撥水膜14から酸素が供給されることにより、弁作用金属がただちに参加され、誘電体層13が修復される。したがって、漏れ電流の発生等を防止することができる。
固体電解コンデンサA6は、固体電解コンデンサA1に関して述べたのと同様の理由により、大容量化および小型化を図るのに適する。
A1,A11,A12,A2,A3,A4,A5,A6 固体電解コンデンサ
1 コンデンサ素子
11,11’ 多孔質焼結体
11a,11b,11c 面
111b 第1側面
112b,113b 第2側面
114b 第3側面
12,12’ 陽極ワイヤ
12a 端面
13 誘電体層
14 撥水膜
14a 面
14b 開口
14c 端面
141 第1膜状部
141a 面
141n 近接部位
141m 離間部位
142 第2膜状部
142a 面
142b 開口
142c 端面
143 第1側面膜状部
143a 面
144,145 第2側面膜状部
146 第3側面膜状部
15 固体電解質層
16 導電層
18 細孔
2 導電性接着層
2b 端面
3 樹脂パッケージ
3a,3b 端面
4 枕電極
4a 端面
51 陽極実装端子
511 厚肉部
511a フィレット部
512 薄肉部
513 実装面
514 支持面
515 退避面
516 起立面
517 端面
518 絶縁層
519b,519c 露出面
519d 端面
52 陰極実装端子
523 実装面
527 端面
52a フィレット部
6 プリント基板
61 基材
611 第1面
612 第2面
617 段差部
62 表面陽極膜
63 表面陰極膜
64 実装陽極膜
65 実装陰極膜
66,67 スルーホール電極
71 基材
71a,71b 端面
711 第1面
712 第2面
72 実装陽極膜
72a 端面
73 実装陰極膜
73b 端面
74 側面陽極膜
741 部位
75 側面陰極膜
8 水性分散体
81 粒状体
87 水溶液
88 保持部材
89 ハンダ
CL1,CL2,CL3,CL4,CL5 切断線
L1a,L1b,L1c,L1d,L1e,L1f,L1g 厚さ
L1m 寸法
S1a 回路基板
x 方向

Claims (30)

  1. 弁作用金属よりなる多孔質焼結体と、
    上記多孔質焼結体から突出する陽極ワイヤと、
    上記多孔質焼結体に積層された誘電体層と、
    上記陽極ワイヤが貫通する第1膜状部を含み、且つ導電性を有する撥水膜と、
    上記誘電体層に積層された固体電解質層と、を備える、固体電解コンデンサ。
  2. 上記撥水膜は、導電性ポリマーを含む、請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 上記撥水膜は、フッ素樹脂を含む、請求項1または2に記載の固体電解コンデンサ。
  4. 上記撥水膜は、シリコーンを含む、請求項1または2に記載の固体電解コンデンサ。
  5. 上記固体電解質層は上記第1膜状部を囲む形状である、請求項1ないし4のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  6. 上記撥水膜は、上記陽極ワイヤが突出する方向に向かって上記第1膜状部から延び、且つ、上記陽極ワイヤを覆う第2膜状部を更に含む、請求項1ないし5のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  7. 上記多孔質焼結体には細孔が形成され、
    上記第1膜状部の一部は上記細孔に形成されている、請求項1ないし6のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  8. 上記陽極ワイヤが突出する方向に交差する方向に延び、且つ、上記陽極ワイヤを支持する枕電極と、
    上記枕電極を支持し、且つ、上記枕電極を介して上記陽極ワイヤと導通する陽極実装端子と、を更に備える、請求項1ないし7のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  9. 上記陽極実装端子は、実装面と、上記実装面と反対側に位置し且つ上記枕電極を支持する支持面と、上記実装面と反対側に位置し且つ上記突出する方向と反対方向の端部に位置する退避面と、を有し、
    上記退避面と上記実装面との距離は、上記支持面と上記実装面との距離より小さい、請求項8に記載の固体電解コンデンサ。
  10. 上記陽極実装端子には、上記突出する方向の端部において、上記実装面から上記支持面側に凹むフィレット部が形成されている、請求項9に記載の固体電解コンデンサ。
  11. 上記退避面に形成された絶縁層を更に備える、請求項9に記載の固体電解コンデンサ。
  12. 上記陽極ワイヤおよび上記枕電極を覆う樹脂パッケージを更に備え、
    上記陽極ワイヤおよび上記枕電極は各々、上記樹脂パッケージから露出し、且つ、互いに面一である端面を有し、
    上記樹脂パッケージは、上記陽極ワイヤの端面と面一である端面を有する、請求項8ないし11のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  13. 上記枕電極は、上記陽極ワイヤのうち上記撥水膜から離間している部位に接合されている、請求項8ないし12のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  14. 上記陽極ワイヤを向く第1面と上記第1面と反対側の第2面とを有する基材と、
    上記基材の第2面に形成され、且つ、上記陽極ワイヤと導通する実装陽極膜と、
    上記基材の第2面に形成され、且つ、上記固体電解質層と導通する実装陰極膜と、を更に備える、請求項1ないし7のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  15. 上記基材の第1面に形成され、且つ、上記実装陽極膜と導通する表面陽極膜と、
    上記基材の第1面に形成され、且つ、上記実装陰極膜と導通する表面陰極膜とを更に備える、請求項14に記載の固体電解コンデンサ。
  16. 上記基材には、上記陽極ワイヤが突出する方向における一端に、上記第2面から上記第1面側に凹む段差部が形成されている、請求項15に記載の固体電解コンデンサ。
  17. 上記陽極ワイヤが突出する方向に交差する方向に延び、且つ、上記陽極ワイヤを支持する枕電極を更に備え、
    上記表面陽極膜は上記枕電極を支持する、請求項15または16に記載の固体電解コンデンサ。
  18. 上記陽極ワイヤおよび上記枕電極を覆う樹脂パッケージを更に備え、
    上記樹脂パッケージは、上記陽極ワイヤの端面と面一である端面を有する、請求項17に記載の固体電解コンデンサ。
  19. 上記枕電極は、上記陽極ワイヤのうち上記撥水膜から離間している部位に接合されている、請求項17または18に記載の固体電解コンデンサ。
  20. 上記陽極ワイヤを覆う樹脂パッケージを更に備え、
    上記陽極ワイヤは、上記樹脂パッケージから露出する端面を有し、
    上記樹脂パッケージ、上記基材、および、上記実装陽極膜は各々、上記陽極ワイヤの端面と面一の端面を有する、請求項14に記載の固体電解コンデンサ。
  21. 上記陽極ワイヤ、上記樹脂パッケージ、上記基材、および、上記実装陽極膜の各端面を覆う側面陽極膜を更に備える、請求項20に記載の固体電解コンデンサ。
  22. 上記側面陽極膜は、メッキにより形成されている、請求項21に記載の固体電解コンデンサ。
  23. 上記多孔質焼結体は、上記陽極ワイヤが突出する面を有し、
    上記陽極ワイヤは、上記陽極ワイヤが突出する面において、上記陽極ワイヤが突出する面の中心から偏心した位置より突出している、請求項1ないし22のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  24. 弁作用金属よりなり、且つ、陽極ワイヤが突出するように設けられた多孔質焼結体を形成する工程と、
    フッ素樹脂よりなり、且つ、上記陽極ワイヤを囲む撥水膜を形成する工程と、
    上記多孔質焼結体に誘電体層を形成する工程と、
    上記撥水膜を形成する工程の後に、上記誘電体層に固体電解質層を形成する工程と、を備え、
    上記撥水膜を形成する工程は、導電性を有する上記撥水膜を形成する、固体電解コンデンサの製造方法。
  25. 上記撥水膜を形成する工程は、撥水性材料と導電性材料とが混合された上記撥水膜を形成する、請求項24に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  26. 上記導電性材料は、導電性ポリマーである、請求項25に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  27. 上記撥水性材料は、シリコーンである、請求項25または26に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  28. 上記撥水性材料は、フッ素樹脂である、請求項25または26に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  29. 上記撥水膜を形成する工程は、フッ素樹脂よりなる樹脂材を溶融させる工程を含む、請求項28に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  30. 上記樹脂材は複数の粒状体である、請求項29に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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