JP2016212032A - 物体検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】検出精度を高めた物体検出装置を提供する。【解決手段】物体検出装置は、検出光22を発光する発光部と検出光22の拡散反射光を受光する受光部とを備え、検出光22の光軸方向Aにおいて発光部から予め設定した距離だけ離れた位置までを検出範囲として有する拡散反射型の光電センサーと、検出範囲外に位置し、検出範囲外にて検出光22が照射される反射面51からの拡散反射光のうちで検出範囲内にて検出光22の光路外に位置する床面に向かう拡散反射光の少なくとも一部を遮蔽する遮蔽板45を有する遮蔽部材30とを備える。【選択図】図3

Description

本発明は、拡散反射型の光電センサーを用いた物体検出装置に関する。
拡散反射型の光電センサー(例えば、特許文献1参照。)は、例えば、バスの乗降口付近における乗客等の有無を検出する物体検出装置に利用されている。拡散反射型の光電センサーは、指向性の高い検出光を発光する発光部、および、該検出光の光路上の物体からの拡散反射光の一部を集光する受光レンズと該受光レンズの集光した光が入射する受光素子とで構成される受光部を備える。拡散反射型の光電センサーは、発光部と受光部とが共通の筐体内に並んで配置されるため乗降口の片側に設置するだけで乗降口付近における物体の検出が可能である。また、拡散反射型の光電センサーは、レンズと受光素子との相対位置の変更によって検出範囲が調整可能であり、受光素子からの電気信号に基づいて検出範囲内における物体の有無が判別可能である。
特開2003−294413号公報
ところで、乗降口付近の床面に光反射率の高い部分が存在する場合には、検出範囲外の物体からの拡散反射光の一部が床面で反射し、その反射光が受光部に入光してしまう。そのため、この反射光の光量が多くなるほど光電センサーの検出精度が低下してしまう。
本発明は、検出精度を高めた物体検出装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する物体検出装置は、検出光を発光する発光部と前記検出光の光路上に位置する物体からの前記検出光の拡散反射光を受光する受光部とを備え、前記検出光の光軸方向において前記発光部から予め設定した距離だけ離れた位置までを検出範囲として有する拡散反射型の光電センサーと、前記検出範囲外に位置する遮蔽部材であって、前記検出範囲外にて前記検出光の光路上に位置する反射面からの拡散反射光のうちで前記検出範囲内にて前記検出光の光路外に位置する床面に向かう拡散反射光の少なくとも一部を遮蔽する遮蔽板を有する前記遮蔽部材とを備える。
上記構成によれば、遮蔽部材は、検出範囲外にある反射面からの拡散反射光のうちで検出範囲内の床面に向かう拡散反射光の少なくとも一部を遮蔽する遮蔽板を備える。そのため、反射面からの拡散反射光の一部が床面で反射して受光部に入光したとしても、該反射光の光量が少なくなる。その結果、物体検出装置の検出精度を高めることができる。
上記物体検出装置において、前記受光部は、前記検出範囲内からの拡散反射光を検出する第1受光領域と、前記検出範囲外からの拡散反射光を検出する第2受光領域とを有し、前記遮蔽部材は、前記反射面からの拡散反射光のうち、前記床面での反射により前記第1受光領域に入射する成分を遮蔽することが好ましい。
上記構成によれば、反射面からの拡散反射光のうち、床面で反射した光は、検出範囲外からの拡散反射光を検出する第2受光領域に入射する。その結果、反射面からの拡散反射光が物体検出装置の検出精度に与える影響がさらに小さくなる。
上記物体検出装置において、前記遮蔽部材は、前記光軸方向に延びる前記遮蔽板を複数有し、前記複数の遮蔽板は、互いに間隔を空けた多重構造を構成することが好ましい。
上記構成によれば、反射面からの拡散反射光が複数の遮蔽板で遮蔽されることから、遮蔽部材の小型化を図ることができる。
上記物体検出装置において、前記各遮蔽板は、互いに隣接する遮蔽板に対向する面の少なくとも一方に、前記反射面側の端部まで延びて前記間隔を前記反射面側ほど大きくする傾斜面を含むことが好ましい。
上記構成によれば、反射面からの拡散反射光が遮蔽板で反射する際の反射角が小さくなるから、反射面からの拡散反射光について遮蔽板間での繰り返し反射が生じやすくなる。これにより、反射面からの拡散反射光が遮蔽板間で繰り返し反射したのちに床面で反射して受光部に入光するとしても、受光部に入光する際の光量が少なくなる。
上記物体検出装置において、前記遮蔽板は、前記発光部側の端部における断面形状が前記発光部側へ張り出す形状であることが好ましい。
上記構成によれば、発光部側の端部における断面形状が発光部側へ張り出す形状であることから、該端部における検出光の拡散反射光のうちで床面へと向かう拡散反射光を少なくすることができる。その結果、遮蔽板からの拡散反射光が物体検出装置の検出精度に与える影響を小さくすることができる。
上記物体検出装置において、前記遮蔽板は、前記検出光に対する光吸収性を有する材料で形成されていることが好ましい。
上記構成によれば、反射面からの拡散反射光が遮蔽板で反射する際に該拡散反射光を効果的に減衰させることができる。
上記物体検出装置において、前記遮蔽部材は、前記反射面を有する反射板をさらに備え、前記反射板は、前記反射面に凹凸を有することが好ましい。
上記構成によれば、反射面が凹凸を有することから、反射面において検出光が拡散され、該反射面における検出光の反射率そのものを低減することができる。その結果、反射面からの拡散反射光が物体検出装置の検出精度に与える影響をさらに小さくすることができる。
上記物体検出装置において、前記遮蔽部材は、前記検出光が入光する開口部を正面に有する筒状の枠体を備え、前記遮蔽板は、前記枠体の中心軸方向に延びて前記枠体の内側に一体的に形成され、前記反射板は、前記枠体の背面に支持され前記背面おける前記枠体の開口部を閉塞するように構成することができる。
一実施形態の物体検出装置の搭載例を模式的に示す図である。 物体検出装置の概略構成を示す概略構成図である。 遮蔽部材の分解斜視図である。 図3の4−4線における遮蔽部材の底壁側の部分断面図である。 遮蔽板の長さと間隔との関係を説明するための図であって、(a)は反射面からの拡散反射光が床面で反射したときの光路を模式的に示す図であり、(b)は床面で反射した反射光について受光素子への入射位置を模式的に示す図である。 反射面からの拡散反射光について、第1上面および第1下面における反射の一例を模式的に示す図である。 遮蔽部材を覆うカバーとともに遮蔽部材の設置例を示す斜視図である。
図1〜図6を参照して、物体検出装置の一実施形態について説明する。
図1に示すように、物体検出装置15は、例えば、バスの乗降口11付近に設置され、乗降口11の床面12からの高さが比較的低い位置における物体の有無を検出することで扉開閉時における乗客の安全を確保する装置である。物体検出装置15は、拡散反射型の光電センサー20と乗降口11に対する光電センサー20の反対側に位置する遮蔽部材30とを備える。光電センサー20および遮蔽部材30の各々は、車体に設けられた図示しない設置部に固定されており、光電センサー20は、乗降口11を横切る検出光22を発光する。
図2に示すように、光電センサー20は、共通する筐体内に発光部21と受光部23とを備える。発光部21は、半導体レーザ等の指向性の高い検出光22を発光し、検出光22は、床面12と平行に光軸方向Aが設定されている。検出光22は、例えば赤外光であり、その光路上に何らかの物体に存在すると、その物体からの拡散反射光となる。遮蔽部材30は、発光部21と対向する位置であって検出光22の光路上に位置している。
受光部23は、発光部21の上方であって床面12に対する発光部21の反対側に位置している。受光部23は、受光面が上下方向に2分割された受光素子27と、受光素子に拡散反射光を集光する受光レンズ24とを備えている。受光素子27は、第1受光領域25と第2受光領域26とを備える。受光レンズ24は、検出光22の拡散反射光を受光素子27の受光面に結像する。受光素子27は、第1受光領域25と第2受光領域26との境界に基準点P1を有する。この基準点P1と受光レンズ24の主点P2とを通る仮想直線28は、検出光22の光軸に対して交点P3で交差する。光電センサー20は、検出光22の光軸方向Aにおいて発光部21から交点P3までの範囲を検出範囲Bとして有する。光電センサー20では、受光レンズ24の位置が上方向に変位すると検出範囲Bが拡がり、受光レンズ24の位置が下方向に変位すると検出範囲Bが狭くなる。検出範囲B内の物体からの拡散反射光は、受光レンズ24によって主に第1受光領域25に集光される。検出範囲B外の物体からの拡散反射光は、受光レンズ24によって主に第2受光領域26に集光される。受光部23は、第1および第2受光領域25,26の各々の受光量に応じた電気信号を処理部29に出力する。
処理部29は、受光部23からの電気信号に基づいて第1および第2受光領域25,26の受光量を演算する。処理部29は、上側に位置する第1受光領域25の受光量と第2受光領域26の受光量との光量差が閾値以上であるときに検出光22の光路上における物体の位置を演算し、検出範囲B内の物体の有無を検出する。
図3〜図5を参照して遮蔽部材30について説明する。
図3に示すように、遮蔽部材30は、矩形筒状の枠体31と、枠体31の内側に位置する複数の遮蔽板45と、枠体31の背面に支持される反射板50とを備える。
枠体31および遮蔽板45は、検出光22に対する光吸収性の高い材料、例えば白色のポリアセタールといった樹脂材料を用いた射出成形により一体的に成型されている。枠体31は、遮蔽板45を保持する部分であり、頂壁32、底壁33、および、一対の側壁34,35を備えた矩形筒状の形状を有する。枠体31は、その中心軸方向が光軸方向Aと略平行に配置され、また、頂壁32および底壁33が乗降口11の床面12に対して略平行に配置される。頂壁32、底壁33、および、一対の側壁34,35は、枠体31の正面において面一であり、枠体31の正面に検出光22が入光するのに十分な大きさを有する開口部36を形成する。頂壁32および底壁33は、枠体31の背面において面一であり、枠体31の中心軸方向における長さが一対の側壁34,35よりも長く形成されている。頂壁32の上面には、枠体31の背面側の端部に取付部37が並設されている。取付部37は、枠体31の背面に開口して例えば反射板50を枠体31の背面に取り付けるための締結部材38が締結される雌ねじ部39を有する。また、底壁33は、枠体31の背面に開口して反射板50を枠体31の背面に取り付けるための締結部材40が締結される雌ねじ部41を有する。なお、図3の枠体31には、3つの雌ねじ部39が形成されている。こうした構成によれば、枠体31に対する反射板50の取り付けについての汎用性が向上し、例えば振動といった遮蔽部材30の設置環境に応じて複数の締結部材38を用いて反射板50を取り付けることが可能となる。
枠体31の内側には、一対の側壁34,35に架け渡される複数の遮蔽板45が一体的に形成されている。各遮蔽板45は、枠体31の中心軸方向に沿って延びる板状の形状を有し、枠体31の頂壁32および底壁33に対して略平行に形成されている。各遮蔽板45は、枠体31の正面において頂壁32、底壁33、および、一対の側壁34,35と面一であり、枠体31の背面において頂壁32および底壁33と面一である。各遮蔽板45における発光部21側の端部45bは、発光部21側に張り出す断面形状を有しており、端部45bの角部が断面R形状に形成されている。各遮蔽板45は、枠体31の中心軸方向において長さLを有し、枠体31の幅方向において検出光22の幅よりも大きな幅Wを有する。各遮蔽板45は、頂壁32および底壁33と協働して互いに等しい間隔hで重なる多重構造を構成するとともに、最も頂壁32側の遮蔽板45と最も底壁33側の遮蔽板45との間に検出光22が入光可能に形成される。
枠体31は、枠体31の背面側の端部に、一対の側壁34,35の一部を切り欠く形状を有し枠体31の内側面と枠体31の外側面とを連通する連通路46,47を有する。枠体31の背面側にて、連通路47は、各遮蔽板45の側部45aを枠体31の外部に露出させ、連通路46は、各遮蔽板45の側部45aとは反対側の側部を外部に露出させる。
反射板50は、微小な凹凸を有する反射面51を備えた光拡散シート52と光拡散シート52を補強する補強板53とで構成される。光拡散シート52は、例えばプラスチックで形成され、反射面51に撥水性を有する。補強板53は、例えばポリアセタールといった光拡散シート52よりも機械的強度の高い材料で形成されている。締結部材38,40は、光拡散シート52および補強板53に形成された貫通孔52a,52b,53a,53bを通じて雌ねじ部39,41に締結される。これにより、反射板50は、頂壁32、底壁33、および、各遮蔽板45の端部に反射面51が接した状態で枠体31に支持され、頂壁32と底壁33とで形成される枠体31の背面側の開口部を閉塞する。
遮蔽部材30は、例えば乗降口11の側方に設けられた図示しない設置部に固定される。遮蔽部材30は、一方の側壁35の下端部に枠体31の側方に延びる取付鍔部55を有する。取付鍔部55には、枠体31の軸方向における両端部の中央に取付凹部56,57が形成されている。遮蔽部材30は、図示しない設置部と取付鍔部55との位置合わせをしたのち、取付凹部56,57を通じて取付鍔部55を貫通する締結部材が設置部に締結されることにより固定される。遮蔽部材30は、検出光22の光軸方向Aと枠体31の中心軸方向とが平行となるように、また、最も頂壁32側の遮蔽板45、最も底壁33側の遮蔽板45、および、一対の側壁34,35によって囲まれる領域に検出光22が入光するように設置される。
図4に示すように、反射板50の反射面51には、遮蔽板45間を通過した検出光22が入射し、反射面51からは検出光22の拡散反射光58が発生する。各遮蔽板45は、反射面51と床面12との間に位置して反射面51からの拡散反射光58のうちで床面12に向かう拡散反射光58の一部を遮蔽する。
遮蔽板45の上面60は、拡散反射光58の一部を遮蔽する遮蔽面である。上面60は、枠体31の中心軸方向における中央から背面側の端部まで延びる第1上面61と、該中央から正面側の端部まで延びる第2上面62とを有する。また、遮蔽板45の下面63は、第1上面61の反対側の面であって枠体31の軸方向における中央から背面側の端部まで延びる第1下面64と、第2上面62の反対側の面であって該中央から正面側の端部まで延びる第2下面65とを有する。
第1上面61は、枠体31の中心軸方向に対して傾斜する面であって、上面60が対向する遮蔽板45との間隔を反射面51側ほど大きくする傾斜面である。また、第2上面62は、枠体31の中心軸方向に対して傾斜する面であって、上面60が対向する遮蔽板45との間隔を検出光22が入光する枠体31の正面側ほど大きくする傾斜面である。なお、底壁33の上面33aも遮蔽板45の上面60と同様の形状を有する。
第1下面64は、枠体31の中心軸方向に対して傾斜する面であって、下面63が対向する遮蔽板45との間隔を反射面51側ほど大きくする傾斜面である。また、第2下面65は、枠体31の中心軸方向に対して傾斜する面であって、下面63が対向する遮蔽板45との間隔を検出光22が入光する枠体31の正面側ほど大きくする傾斜面である。なお、頂壁32の下面も遮蔽板45の下面63と同様の形状を有する。
各遮蔽板45の長さLおよび間隔hは、遮蔽部材30の設置場所に応じて設定される。長さLは、遮蔽部材30の設置場所において確保可能な長さに設定される。また、各遮蔽板45間の間隔hは、最も底壁33側に位置する遮蔽板45を基準にして設定される。間隔hは、遮蔽板45の上面60における背面端から間隔hだけ離れた点P4と該遮蔽板45の上面60における正面端の点P5との位置関係に基づいて設定される。
図5(a)および図5(b)に示すように、間隔hは、長さLを基準とした上記点P4と点P5とを通る直線光66aが検出範囲B内の床面12で反射した場合に、その反射光66bが受光部23の基準点P1よりも第2受光領域26側に入射する間隔に設定される。これにより、光電センサー20は、反射面51からの拡散反射光58が床面12で反射し、その反射光が受光部23に入射したとしても検出範囲B外からの光として扱うこととなる。また、間隔hが、最も底壁33側の遮蔽板45を基準として設定されることで、他の遮蔽板45間における反射面51からの拡散反射光58が検出範囲B内の床面12で反射しても、その反射光が第1受光領域25には入射せずに第2受光領域26に入射する。なお、検出光22の拡散反射は、遮蔽板45の先端部においても生じるため、遮蔽板45は、数が少なく、かつ、厚みが小さい方が好ましい。
上記実施形態の物体検出装置15の作用効果を以下に示す。
(1)物体検出装置15を構成する遮蔽部材30は、反射面51から検出範囲B内にある床面12に向かう拡散反射光58の少なくとも一部を遮蔽する遮蔽板45を備える。そのため、該拡散反射光58の一部が床面12で反射して受光部23に入光したとしても、その反射光について受光素子27が受光する受光量が少なくなる。そのため、例えば雨天時等に床面12に水たまりが形成されて床面12の反射率が高くなったとしても、反射面51からの拡散反射光58が物体検出装置15の検出精度に与える影響が小さくなる。その結果、物体検出装置15の検出精度を高めることができる。
(2)遮蔽板45は、反射面51からの拡散反射光58のうちで床面12での反射により第1受光領域25に入射する拡散反射光58を遮蔽する。すなわち、反射面51からの拡散反射光58の一部が床面12で反射して受光部23に入光したとしても、その反射光は、検出範囲B外からの拡散反射光として扱われる。その結果、物体検出装置15の検出精度をさらに高めることができる。
(3)遮蔽部材30は、枠体31の中心軸方向に沿って延びる複数の遮蔽板45を有する。これら複数の遮蔽板45は、互いに等しい間隔hを空けた多重構造を構成している。そのため、反射面51からの拡散反射光58を1つの遮蔽板で遮蔽するよりも、遮蔽板45の長さLを短くすることができる。これにより、遮蔽部材30の小型化を図ることができる。その結果、遮蔽部材30の設置位置、ひいては物体検出装置15の設置位置に関する自由度が向上する。
(4)図6に示すように、第1上面61は、上面60が対向する遮蔽板45との間隔を反射面51側ほど大きくする傾斜面である。そのため、第1上面61が枠体31の軸方向に沿う面である場合よりも、反射面51からの拡散反射光58が第1上面61で反射する際の反射角θ1が小さくなる。これにより、反射面51からの拡散反射光58について遮蔽板45間での繰り返し反射が生じやすくなり、反射面51からの拡散反射光58が遮蔽板45間で反射を繰り返して受光部23に入光したとしても、その光を減衰させることができる。
(5)図6に示すように、第1下面64は、下面63が対向する遮蔽板45との間隔を反射面51側ほど大きくする傾斜面である。そのため、第1下面64が枠体31の軸方向に沿う面である場合よりも、反射面51からの拡散反射光58が第1下面64で反射する際の反射角θ2が小さくなる。その結果、上記(4)と同様の効果を得ることができる。
(6)第1上面61および第1下面64の双方が上述した傾斜面であることにより、(4)に記載した効果がより顕著なものとなる。
(7)各遮蔽板45では、発光部21側の端部45bが発光部21側に張り出す形状に形成されている。そのため、端部45bにおける拡散反射光のうちで床面12に向かう拡散反射光を少なくすることができる。これにより、遮蔽板45からの拡散反射光が物体検出装置15の検出精度に与える影響が小さくなる。
(8)遮蔽板45が検出光22に対する光吸収性の高い材料で形成されている。そのため、反射面51からの拡散反射光58が遮蔽板45で反射するたびにその反射光を効果的に減衰させることができる。これにより、上記(4)〜(6)に記載した効果をより顕著に得ることもできる。
(9)反射面51が微小な凹凸を有する。そのため、反射面51に入射した検出光22が拡散され、反射面51での拡散反射光58を含め、反射面51で反射した際に光電センサー20側へ向かう光の光量そのものを少なくすることができる。
また、雨天時等において遮蔽板45間に侵入した水が反射面51に付着しても反射面51において濡れ広がりにくくなる。これにより、反射率が高くなる領域が限定されることで反射面51全体として反射率が高くなることが抑えられる。すなわち、反射面51に水が付着したとしても、物体検出装置15における検出精度の低下を抑えることができる。なお、こうした効果は、光拡散シート52が撥水性を有することでより顕著に得られる。
(10)一対の側壁34,35には、反射面51側における遮蔽板45の側部を遮蔽部材30の外部に露出する連通路46,47が形成されている。そのため、反射面51からの拡散反射光58の一部が連通路46,47を通じて枠体31の外部へと導出される。これにより、反射面51からの拡散反射光58のうち、枠体31内での反射によって枠体31の開口部36に向かう光が少なくなる。
また、遮蔽板45間に侵入した水は、検出光22に対する反射率の高い領域を形成する。そのため、こうした水は、遮蔽部材30から早期に排出されることが好ましい。この点、遮蔽部材30は、遮蔽板45間に侵入した水を枠体31の外部へと連通路46,47を通じて排出することができる。しかも、第1上面61が上記傾斜面であることから、遮蔽板45間に侵入した水が反射面51側に案内されて連通路46,47を通じて排出されやすくなる。その結果、反射率の高い水が遮蔽板45間に滞留しにくくなる。また、枠体31が筒状の形状を有することで遮蔽板45間への側方からの水の侵入が抑えられる。
(11)第2上面62は、上面60が対向する遮蔽板45との間隔を枠体31の正面側ほど大きくする傾斜面であることから、遮蔽板45間に侵入した水を枠体31の正面側へと案内して枠体31の開口部36を通じて外部に排出することができる。
(12)第2下面65は、下面63が対向する遮蔽板45との間隔を枠体31の正面側ほど大きくする傾斜面である。そのため、第2下面65が枠体31の軸方向に沿う面である場合に比べて、枠体31の開口部36側へ進む光について第2下面65での反射角が大きくなる。その結果、第2下面65で反射した光が床面12で反射するとしても、その反射位置が光電センサー20に近い位置となり、また、床面12での反射角も大きくなる。これにより、第2下面65で反射した光が床面12で反射したとしても受光部23に入光しにくくなる。
(13)ところで、遮蔽部材30は、遮蔽部材30の幅方向を回転軸とする回転方向に位置ずれが生じると、遮蔽板45そのものに入射する検出光22の割合が増えてしまう。これにより、反射面51からの拡散反射光58が減少する一方で遮蔽板45からの拡散反射光が増えてしまい、この遮蔽板45からの拡散反射光が物体検出装置15の検出精度を低下させるおそれがある。
この点、上述した遮蔽部材30は、遮蔽部材30の側方に延びる取付鍔部55を有し、該取付鍔部55において枠体31の中心軸方向に沿って並ぶ2つの位置で固定される。これにより、上記回転方向における位置ずれが生じにくくなるから、物体検出装置15の検出精度をより確実に高めることができる。
(14)底壁33の上面33aが上記遮蔽板45の上面60と同じ形状を有することから、例えば、検出光22の一部が底壁33と遮蔽板45との間に入光するとしても、上記(4)と同様の作用効果が得られる。
(15)頂壁32の下面が上記遮蔽板45の下面63と同じ形状を有することから、例えば、検出光22の一部が頂壁32と遮蔽板45との間に入光するとしても、上記(5)と同様の作用効果が得られる。
(16)反射板50は、遮蔽板45の端部に反射面51が接した状態で枠体31に支持されている。そのため、遮蔽板45間における反射面51からの拡散反射光58が他の遮蔽板45間に入光することが抑えられる。これにより、各遮蔽板45間における拡散反射光58の反射態様を定常化することができる。その結果、反射面51からの拡散反射光58が物体検出装置15の検出精度に与える影響をより確実に小さくすることができる。
なお、上記実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・遮蔽部材30は、枠体31の背面側において頂壁32、底壁33、および、一対の側壁34,35が面一であり、これらによって形成される枠体31の背面側の開口部が反射板50で閉塞されてもよい。こうした構成によれば、各遮蔽板45間への側方からの水の侵入が抑えられる。
・枠体31は、遮蔽板45を保持可能であればよく、矩形筒状に限らず、例えば、円筒状であってもよい。
・遮蔽部材は、反射面からの拡散反射光のうちで検出範囲B内に位置する床面12に向かう拡散反射光の一部を遮蔽する遮蔽板45を有していればよい。そのため、遮蔽部材は、遮蔽部材そのものに検出光22を遮断する反射面を有していなくともよい。すなわち、遮蔽部材は、遮蔽部材とは別個に設けられた反射面からの拡散反射光の一部を遮蔽板で遮蔽するものであってもよく、遮蔽部材30において反射板50が割愛された構成であってもよい。また、遮蔽部材は、例えば、遮蔽部材30において側壁35、遮蔽板45、および、取付鍔部55で構成されていてもよいし、反射面を有する場合には反射板と反射板の反射面に一体的に形成された遮蔽板とで構成されてもよい。
・反射面51は、微小な凹凸を有する面に限らず、平面や曲面であってもよい。この際、反射面51が撥水性の高い材料で形成されることにより、反射面51における水の濡れ広がりが抑えられる。
・遮蔽部材30は、検出光22に対する光吸収性の高い樹脂材料に限らず、例えば、艶消しの表面処理を施した金属材で構成されていてもよい。
・遮蔽板45の端部45bは、断面形状が発光部21側へ張り出す形状である場合、角部が断面R形状のものに限らず、例えば、角部の断面形状がテーパー形状であってもよい。また、遮蔽板45の端部45bは、断面形状が発光部21側へ張り出す形状でない、例えば角部の断面形状が直角形状のものであってもよい。
・遮蔽板45の上面60は、例えば上面60が対向する遮蔽板45との間隔を反射面51側ほど大きくする傾斜面のみで構成されてもよい。遮蔽板45の下面63は、例えば下面63が対向する遮蔽板45との間隔を反射面51側ほど大きくする傾斜面のみで構成されてもよい。こうした構成であっても、遮蔽板45間に侵入した水を反射面51側、あるいは、検出光22の入光側へと案内することができる。また、遮蔽板45の上面60および下面63の少なくとも一方は、光軸方向Aと平行に配置される平坦面であってもよい。
・遮蔽板は、反射面からの拡散反射光のうちで検出範囲内に位置する床面に向かう拡散反射光の一部を遮蔽すればよい。そのため、遮蔽部材30の有する遮蔽板45の数は、遮蔽部材30の設置場所や光電センサー20との位置関係、光電センサー20の検出範囲B等に基づいて設定されればよい。そのため、遮蔽板45は、例えば1つでもよい。また、遮蔽板45の長さLおよび間隔hは、反射面51からの拡散反射光58のうちで、床面12で反射した光の一部が第1受光領域25に入射する値に設定されてもよい。
・図7に示すように、物体検出装置15は、検出光22が入光する入光口70を有して遮蔽部材30の覆うカバー71を備えていてもよい。こうした構成によれば、連通路46,47から導出された拡散反射光が受光部23に入光することが抑えられる。また、連通路46,47を通じて遮蔽部材30の内部に水が侵入することも抑えられる。
・物体検出装置15は、輸送車両の乗降口11付近の乗客の有無を検出するものに限らず、例えば、建築物の出入口付近における物体の有無の検出にも適用可能である。
11…乗降口、12…床面、15…物体検出装置、20…光電センサー、21…発光部、22…検出光、23…受光部、24…受光レンズ、25…第1受光領域、26…第2受光領域、27…受光素子、28…仮想直線、29…処理部、30…遮蔽部材、31…枠体、32…頂壁、33…底壁、34,35…側壁、36…開口部、37…取付部、38,40…締結部材、39,41…雌ねじ部、45…遮蔽板、45a…側部、45b…端部、46,47…連通路、50…反射板、51…反射面、52…光拡散シート、53…補強板、55…取付鍔部、56,57…取付凹部、58…拡散反射光、60…上面、61…第1上面、62…第2上面、63…下面、64…第1下面、65…第2下面、66a…直線光、66b…反射光、70…入光口、71…カバー。

Claims (8)

  1. 検出光を発光する発光部と前記検出光の光路上に位置する物体からの前記検出光の拡散反射光を受光する受光部とを備え、前記検出光の光軸方向において前記発光部から予め設定した距離だけ離れた位置までを検出範囲として有する拡散反射型の光電センサーと、
    前記検出範囲外に位置する遮蔽部材であって、前記検出範囲外にて前記検出光の光路上に位置する反射面からの拡散反射光のうちで前記検出範囲内にて前記検出光の光路外に位置する床面に向かう拡散反射光の少なくとも一部を遮蔽する遮蔽板を有する前記遮蔽部材とを備える物体検出装置。
  2. 前記受光部は、前記検出範囲内からの拡散反射光を検出する第1受光領域と、前記検出範囲外からの拡散反射光を検出する第2受光領域とを有し、
    前記遮蔽部材は、前記反射面からの拡散反射光のうち、前記床面での反射により前記第1受光領域に入射する成分を遮蔽する
    請求項1に記載の物体検出装置。
  3. 前記遮蔽部材は、前記光軸方向に延びる前記遮蔽板を複数有し、
    前記複数の遮蔽板は、互いに間隔を空けた多重構造を構成する
    請求項1または2に記載の物体検出装置。
  4. 前記各遮蔽板は、互いに隣接する遮蔽板に対向する面の少なくとも一方に、前記反射面側の端部まで延びて前記間隔を前記反射面側ほど大きくする傾斜面を含む
    請求項3に記載の物体検出装置。
  5. 前記遮蔽板は、前記発光部側の端部における断面形状が前記発光部側へ張り出す形状である
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の物体検出装置。
  6. 前記遮蔽板は、前記検出光に対する光吸収性を有する材料で形成されている
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の物体検出装置。
  7. 前記遮蔽部材は、前記反射面を有する反射板をさらに備え、
    前記反射板は、前記反射面に凹凸を有する
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の物体検出装置。
  8. 前記遮蔽部材は、前記検出光が入光する開口部を正面に有する筒状の枠体を備え、
    前記遮蔽板は、前記枠体の中心軸方向に延びて前記枠体の内側に一体的に形成され、
    前記反射板は、前記枠体の背面に支持され前記背面おける前記枠体の開口部を閉塞する
    請求項7に記載の物体検出装置。
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