JP2016211816A - 空気調和機の室内機 - Google Patents

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剛 加賀谷
Takeshi Kagaya
剛 加賀谷
幸夫 太田
Yukio Ota
幸夫 太田
渡辺 正彦
Masahiko Watanabe
正彦 渡辺
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Abstract

【課題】機能性と意匠性を兼ね備えた端子台カバーを有する空気調和機の室内機を提供する。
【解決手段】風向板7,8が配設される空気の吹出し口15と、露受け部と前記吹出し口15とが具備されるキャビネット2と、前記キャビネット2に配設される送風機および熱交換器と、上面部に吸い込み口1が形成されてなる化粧カバー4と、を備え、前記風向板7,8の側方には端子台カバー5が配設され、前記端子台カバー5はその側面部と前記キャビネット2の前記吹出し口15の側面部とが固定されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気調和機の室内機に関する。
従来、空気調和機の室内機は、空気の吸込口を上面側のみならず前面側にも設けることで、風量の確保が比較的容易となるようにされていた。
ここで、図7(a),(b)を参照しながら、特許文献1に記載の比較例にかかる空気調和機の全体構成、および端子台カバーについて簡単に説明する。
比較例にかかる空気調和機の室内機1Cの外観は、図7(a),(b)に示すように、キャビネット2と、化粧カバー4aと、フロントパネル4bと、可動パネル4cとを含んで構成される。
ここで、化粧カバー4aとフロントパネル4b、および可動パネル4cはそれぞれが別体で成形され、組み立てられる構造となっている。つまり、フロントパネル4bは化粧カバー4aと一体ではなく、着脱可能にされている。
また、可動パネル4cはフロントパネル4bの図示しない可動軸を中心に、回動するようにして取り付けられている。つまり、可動パネル4cは例えばフロントパネル4bの構成物として機能するものである。運転時には可動パネル4cの上部がフロントパネル4bから離間するようにして開くことによって、空気の吸い込み面積を増加させる(特許文献1の図4も併せて参照)。
そして図7(b)に示すように、エアフィルタの清掃時や室内機1Cの設置時には、フロントパネル4bは化粧カバー4aの上部に備えられた可動軸を回動中心として、化粧カバー4aの下部から離間するようにして開く。
そして、フロントパネル4bを化粧カバー4aから開くと、例えば右端に端子台カバー5が備えられている。但し、端子台カバー5は右端とは別の位置に設けられている場合もある。
この端子台カバー5は、フロントパネル4bを開くことで取り外しができるようにされる。このようにして、端子台カバー5を取り外すと、端子台カバー5の内部に設けられた端子台が現れる。そして、正面側から例えば室外機との接続ケーブルが接続できる。
このように、比較例にかかる空気調和機の室内機の端子台カバー5は通常、フロントパネル4bによって覆われている。
特開2009−097762号公報
ところで、可動パネル4cおよびフロントパネル4bが化粧カバー4aと別体だと製造原価が上昇する場合がある。また、近年空気調和機はデザイン性が重視され、空気の吸込口は上面側のみとして、正面側は吸込口が廃されたフラットな外観形状が好まれている。そこで、可動パネル4cおよびフロントパネル4bを廃止しこれらを化粧カバー4aと一体構造として、製造原価を低減させる場合がある。その場合でも端子台カバーは必要であり、端子台カバーに関しては、機能性の観点と意匠性の観点とを調和させることが望まれる。
そこで本発明は前記の課題に鑑みて為されたものであり、その目的は、機能性と意匠性を兼ね備えた端子台カバーを有する空気調和機の室内機を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、風向板が配設される空気の吹出し口と、露受け部と前記吹出し口とが具備されるキャビネットと、前記キャビネットに配設される送風機および熱交換器と、上面部に吸い込み口が形成されてなる化粧カバーと、を備え、前記風向板の側方には端子台カバーが配設され、前記端子台カバーはその側面部と前記キャビネットの前記吹出し口の側面部とが固定されていることを特徴とする。
本発明によれば、機能性と意匠性を兼ね備えた端子台カバーを有する空気調和機の室内機を提供できる。
本発明の実施形態にかかる空気調和機の室内機の斜視図であり、室外機を含めた全体を説明する図である。 本発明の実施形態にかかる空気調和機の室内機の内部構造を説明する斜視図である。 本発明の実施形態にかかる空気調和機の室内機のキャビネットを示す斜視図である。 本発明の実施形態にかかる空気調和機の室内機の、(a)は端子台カバーの形状を示す斜視図、(b)は図1、図4(a)に示すX−X矢視断面図である。 本発明の実施形態にかかる空気調和機の室内機の端子台カバーを取り外した形状を示す斜視図である。 本発明の実施形態の変形例にかかる空気調和機の室内機の、(a)は端子台カバーを正面右下から見た斜視図、(b)は端子台カバーを正面左下から見た斜視図である。 比較例にかかる空気調和機の室内機の、(a)は全体構成を示す斜視図、(b)はフロントパネルを開いた状態を示す斜視図である。
以下、本発明の一実施形態に係わる空気調和機の室内機について、詳細に説明する。
以下では説明の便宜上、各図面で共通する部材には同一の符号を付して重複する説明を省略する。正面背面上下左右の方向軸については、各図の記載によるものとする。
なお、以下では室内の壁部に取り付けられる壁掛け型の室内機を例に挙げて説明するが、本発明の実施形態は、床置き型の室内機に適用することもできる。
(実施形態の説明)
次に、図1を参照しながら、本発明の実施形態にかかる空気調和機の室内機、および室外機を含めた全体の外観を説明する。(なお、以下では図2、図3も適宜参照のこと)。
図1に示すように、本発明の実施形態にかかる空気調和機の室内機1Aは、部品点数を少なくするためにフロントパネル部が化粧カバー4と一体構造となるように成形されている。そして、化粧カバー4の上面部には上部吸込口1(吸い込み口)およびエアフィルタ3(後記図2も参照)が配設され、ここから室内空気を吸い込んで(図1の矢印a)、熱交換器9(後記図2を参照)を介して熱交換を行う。そして、空気吹出し口15(吹出し口)から、上下風向板7および左右風向板8を介して風向が所定方向(例えば矢印bの方向)に調整されて、室内に送風される。
空気吹出し口15の右隣には、例えば端子台カバー5が配置される。つまり、端子台カバー5は空気吹出し口15に配設される上下風向板7(風向板)、左右風向板8(風向板)とこの室内機1Aの側方端との間に例えば隣接して配設される。そして、端子台カバー5(本体部5a)は例えば室内機1Aの表示部の機能を備えた板状部5bを備えている。そして板状部5bを含め、端子台カバー5の外表面は空気調和機の室内機1Aの意匠面を構成している。また、端子台カバー5は、ねじ6によって空気吹出し口15の側面部分にあたるキャビネット2にねじ止めされて、固定される。
また、化粧カバー4のフロントパネル部は、比較例の室内機1Cとは異なり空気の吸込口が廃されて、意匠面がフラットな略板状部を有するようにされている。
なお、本実施形態にかかる空気調和機の室内機1Aは、図示しない圧縮機、室外熱交換器、室外送風機、四方弁、膨張弁を備えた室外機20と、接続配管21などを介して接続される。そして、当該接続配管21の内部に冷媒を循環させることで、室内を空調する。図1中の符号Cbは、接続ケーブル(後記図5参照)を示している。
次に、図2を参照しながら、本発明の実施形態にかかる空気調和機の室内機の内部構造を説明する。
本実施形態にかかる空気調和機の室内機1Aは、前記したように、略板状部を有するフロントパネル部が化粧カバー4と一体成形されている。モータ11(送風機)の運転によって図示しない貫流ファンが駆動され、上面部に設けられた上部吸込口1から空気が吸い込まれる。そして、エアフィルタ3で空気中の塵埃がフィルタリングされ、熱交換器9へと送られる。
熱交換器9は、正面側に配置される熱交換器と、図示しない背面側に配置される熱交換器とを含んでなる。例えば正面側に配置される熱交換器は屈曲部を有し、これと背面側に配置される熱交換器とが例えば略「Λ」状に互いに立て掛けられるようにして設置されている(図2では正面側の熱交換器のみ図示)。
なお、熱交換器9の右側に隣接する位置には、モータ11(図2では一部のみ図示)、および電気品箱10が設置される。熱交換器9で熱交換された空気は空気吹出し口15から室内へと送風される。
なお、空気吹出し口15は例えばドレンパン16(露受け部)と表裏が射出成形などで一体となる形状を呈している。つまり、ドレンパン16の裏面が空気吹出し口15(吹出し風路)の上面を構成し、キャビネット2の下部のケーシング部が空気吹出し口15の下面を構成している。
そして、ドレンパン16と空気吹出し口15との一体物はさらに、キャビネット2とも射出成形などで一体成形されている(詳細は図3で後記)。
また空気吹出し口15には、風向を上下に変えることのできる上下風向板7、および風向を左右に変えることのできる左右風向板8(図1も参照)が備えられている。
空気吹出し口15の右側に隣接する部分には、例えば表示基板12およびこれと並ぶようにして端子台13が備えられる。表示基板12には、例えば運転状況を表示するLEDが備えられる。また、端子台13には室外機20(図1参照)から延びる、接続ケーブルCb(後記図5参照)が結線される。
なお、端子台13には、端子台カバー5が装着される。そして、端子台カバー5は、例えばねじ6によって、キャビネット2と固定される。また、端子台カバー5は例えば係合部5eの係り合いによって、化粧カバー4と固定される(詳細後記)。
次に、図3はキャビネット2の斜視図である。図3を参照しながら、本発明の実施形態にかかる空気調和機の室内機1Aのキャビネット2の形状について説明する。なお、図3は図2のうちモータ11、電気品箱10、熱交換器9、端子台13および表示基板12、端子台カバー5、化粧カバー4の記載を省略したものである。
図3に示されるように、本発明の実施形態にかかる空気調和機の室内機1Aのキャビネット2は、ドレンパン16と繋ぎ目なく一体で例えば射出成形されている。なお、ドレンパン16の下方には空気吹出し口15が形成されている。ドレンパン16と空気吹出し口15は表裏一体で、キャビネット2と連続するようにして一体成形されている。以上を換言すると、ドレンパン(露受け部)16または空気吹出し口15(吹出し口)とキャビネット2とは、それぞれが少なくとも一体で成形されている。
なお、図3中のキャビネット2と、上下風向板7とは別体で成形されている。
次に、図4(a)、(b)を参照しながら、本発明の実施形態にかかる空気調和機の室内機の端子台カバーの構造を説明する。図4の(a)は端子台カバーの形状を示す斜視図、(b)は図1、図4(a)に示すX−X矢視断面図である。
図4(a)に示すように、端子台カバー5は、左右の側面部5a1をなす側壁を含んでなる本体部5aと、前記した板状部5bとを有している。そして、端子台カバー5の例えば左端の側面部5a1の側壁には、固定用のねじ6が挿通されるねじ孔5cが備えられている。ねじ孔5cは長孔で形成される。この長孔の形状は特に限定されないが、本実施形態では例えば略楕円形状を呈するように形成されている。そして、楕円状の長孔の長軸が端子台カバー5の正面側の意匠面となる板状部5bの面方向に対して略垂直となるようにされている。
このようにする理由は以下の通りである。端子台カバー5は、端子台カバー5の固定用のねじ6を用いて、キャビネット2と一体で成形された空気吹出し口15(またはドレンパン16)の側面部に固定されて装着される。このため、化粧カバー4と、意匠面に垂直な高さ方向すなわち板状部5bと略直交する方向にずれが生じやすくなっている(図1も併せて参照)。
また、運転停止時(つまり上下風向板7が閉じているとき)に、端子台カバー5と上下風向板7との境目は、ズレや段差がなくフラットな状態にすることが意匠的に好ましい。しかし、上下風向板7は長尺の可動部品であるため、ずれや段差が生じやすい。このずれなどをなくそうとすると、部品の製造時や組立時のそれぞれで高い精度が必要となり、高コストになってしまう問題がある。
そこで、固定用のねじ孔5cの形状を板状部5bに略直交する長孔形状を呈するようにすることによって、端子台カバー5を装着した場合の、左端の当該意匠面に垂直な高さ方向の調整を可能としたものである。
なお、端子台カバー5の右端は、化粧カバー4と例えば後記する係合部5eの係合によって、当該意匠面に平行な方向および当該意匠面と垂直な高さ方向において、いずれも段差が生じないようにされている。補足すると、本実施形態では、端子台カバー5の右側は固定であり位置の調整はできないが、端子台カバー5は、上下風向板7のような可動部品でもなく短尺であるので、本来的にキャビネット2や化粧カバー4とのずれなどのない組み付けは可能である。
このようにすることによって、例えば端子台カバー5の意匠面となる板状部5bの上端部と化粧カバー4との表面上の段差を防ぐことが可能となる。また、端子台カバー5の意匠面(表面)となる板状部5bの左端部と運転停止時における上下風向板7の表面との段差を防ぐことが可能となる。つまり、意匠性に優れた端子台カバー5を提供できる。
特に、本実施形態では上下風向板7よりも短尺の端子台カバー5について、その上下風向板7と接する部分(端子台カバー5の左側)の位置を、ずれなどを解消できる方向に調整できるようにした。これによって、端子台カバー5の意匠面となる板状部5bの左端部と運転停止時における上下風向板7とは、ねじ孔5cによって該意匠面と垂直な高さ方向の位置の微調整ができるので、表面上のずれや段差を減らす大きな効果を奏することができる。
以上を換言すると、端子台カバー5は本体部5aの左端の側壁(短手方向の一端側の側壁。つまり空気吹出し口15の側の側壁。)にねじ6を挿通するためのねじ孔5cを備えてねじ6で固定されている。そして、ねじ孔5cは長孔形状を呈し、このねじ孔5cは長手方向が端子台カバー5の板状部5b(カバー部)の面方向に対して略垂直となる方向と略一致するように形成されている。このようにして、端子台カバー5の固定位置の微調整が可能にされている。
また、端子台カバー5の右端の側壁、すなわちねじ孔5cが形成される左端の側壁と対向する側の側壁は、室内機1Aの側方深くまで回り込んで形成されている。そして、1または複数か所(図4(a)では2箇所)において部分的に、略爪状を呈する係合部5eが、端子台カバー5の右端の側壁の上部からさらに化粧カバー4の方、すなわち上方へと飛び出すように突出して形成されている(図2、図3も併せて参照)。そして端子台カバー5は、係合部5eが化粧カバー4の側面部の先端部の位置に設けられた略爪状の被係合部4d(図4(b)で後記)と係り合わされて固定される。このようにして、係合部を室内機1Aの内面側に設けることによって、端子台カバー5は化粧カバー4と意匠面方向および意匠面に垂直な高さ方向に段差が生じないように装着することができる。つまり、高い意匠性を具備することができる。
また、図2に図示されているように、端子台13の左方にはこれと並ぶようにして運転状況を表示するLEDを搭載した表示基板12が配設されている。
そこで、端子台カバー5の板状部5bにはこの表示基板12のLEDの光が透過するように孔5dが形成されている。但し、LEDの光を透過させる方法は特にこれには限定されない。
そして、例えば孔5dの下に透光性のある銘板付きのシール(不図示)が貼り付けされている。銘板には表示基板12のLEDの灯火と対応するようにして、例えば「運転中」、「警告」、「冷房」、「暖房」、「除湿」、「タイマー」など、運転状況を示す図示しない文字や記号、イラストなどが表示される。このように、端子台カバー5の板状部5bは表示部の機能を兼ねている。
次に、図4(b)に示される、図1・図4(a)のX−X矢視断面図を参照しながら、端子台カバー5が、化粧カバー4およびキャビネット2に装着される様子を説明する。
図4(b)に示されるように、端子台カバー5の右端は、右端の側壁に部分的に設けられた係合部5e、すなわち右端の側壁の上部に略爪状に突出して形成された突起が、化粧カバー4の側面部の先端部に設けられた被係合部4dである略爪状の突起と係り合うようにされている。換言すると、端子台カバー5の右端の側壁(短手方向の他端側。つまり、空気吹出し口15の側の側壁と対向する側の側壁)は、この側壁の上部の少なくとも一部に略爪状に突出して形成された突起が、これと対向して前記化粧カバー4の側面部の先端部に設けられた略爪状の突起と係り合うように形成されている。
また、端子台カバー5の左端は、左端の側壁に形成されたねじ孔5cにねじ6が挿通されて、ねじの作用でキャビネット2と嵌め合わされている。
つまり、本実施形態の端子台カバー5の固定は、右端は端子台カバー5の係合部5eと化粧カバー4の被係合部4dとが係り合うことで行われる。また、左端は端子台カバー5の固定用のねじ6を左端の側壁に設けられたねじ孔5c(図4(a)参照)に挿通し、キャビネット2とねじ止めすることによって行われる。
この際、端子台カバー5(本体部5a)の右端の側壁(つまり、空気吹出し口15の側の側壁と対向する側の側壁)の高さ(長さ)L1は、左端の側壁(つまり、空気吹出し口15の側の側面部5a1を形成する側壁)の高さ(長さ)L2よりも高く(長く)なるようにして形成されている(L1>L2)。つまり、端子台カバー5の左右の側壁は、ねじ孔5cが形成される左端の側壁よりもこれと対向する右端の側壁の方が、室内機1Aの側方深くまで回り込むように形成されている(詳細は図5で後記)。
また、端子台カバー5のねじ孔5cは、上下風向板7が配設される空気吹出し口15の側面部にあたるキャビネット2と嵌め合わせ可能に形成されている(図1も併せて参照)。このようにすることによって、運転停止時には上下風向板7が閉じられて、正面から端子台カバー5の固定用のねじ6が見えなくなる。以上によって、優れた意匠性を備えさせることができる。
なお、運転停止時に固定用のねじ6を締めたり緩めたりする場合は、上下風向板7を手動で図1に示すような開けた状態にする。このようにすることで、容易にドライバーなどの工具をねじ6に充てがうことができ、固定用のねじ6を締めたり緩めたりできる。つまり、端子台カバー5の位置の微調整を行うことができる。
ところで、比較例にかかる空気調和機の室内機として、例えばドレンパン16と空気吹出し口15とキャビネット2とがそれぞれ別体で組み合わされることにより構成されるものがあった。そして、その場合の組み合わせ部、すなわち接続部においては、組み立て(端子台カバー5の嵌め合わせ)によって生ずる上下方向の段差や面方向の隙間などのずれや誤差を小さくすることについて、更なる改善の余地があった。
それに対して、本実施形態の室内機1Aは前述の通り、キャビネット2は、ドレンパン16およびこれと表裏一体をなす空気吹出し口15と射出成形などで一体成形されている。つまり、ドレンパン16および空気吹出し口15とキャビネット2とは一体物となり、これらの接続部が廃されている。本実施形態は、このような構造を備えた室内機1Aであるので、このような部分に端子台カバー5を装着しても、比較例の室内機のような嵌合によるずれや誤差が生じにくくなっている。
つまり、比較例にかかる室内機においては、ドレンパン16(および空気吹出し口15)、キャビネット2、化粧カバー4aの少なくとも3点がそれぞれ別体で組み合わさり、そこに端子台カバー5が被さるようにして装着されることになる。これに対して本実施形態の室内機1Aは、ドレンパン16(および空気吹出し口15)と射出成形などで一体化したキャビネット2、化粧カバー4の2点が組み合わさり、そこに端子台カバー5が被さるようにして装着される(図2、図4(b)を併せて参照)。
すなわち、本実施形態の室内機1Aの端子台カバー5は、比較例よりも接続箇所が少なくとも1か所以上減らされた部分に被さるようにして装着される。これによって、比較例よりもずれや誤差が生じにくくなっている。また、意匠性を向上させることができる。
さらには、端子台カバー5の固定用のねじ6は空気吹出し口15の側面部にあたるキャビネット2に挿通される(図4(b)参照)。ゆえに、運転停止時には空気吹出し口15は上下風向板7が閉じられて塞がれるので、正面からねじ6が直接は視認されず、意匠性の向上が図られる。また、ねじ孔5cは図4(a)に示すように板状部5bと略直交する方向に長孔形状を呈している。ゆえに、図4(b)の実線矢印で示すように、端子台カバー5の上下方向の位置調整を行うことができる。それゆえに、化粧カバー4と端子台カバー5の意匠面でのつなぎがさらによくなる構造となっている。
なお、図4(b)では、例えば端子台カバー5の本体部5aと、板状部5bとは異なる厚みの部材で構成されているが、これには特に限定されない。
次に、図5を参照しながら、本発明の実施形態にかかる空気調和機の室内機1Aの端子台カバー5を取り外した形状を説明する。
本実施形態にかかる空気調和機の室内機1Aを例えば室内に据え付ける際には、図5に示すように、端子台カバー5をキャビネット2に固定するねじ6を外し、端子台カバー5を取り外す。そして、端子台13に室外機20から引き回された接続ケーブルCbを結線する。
この際、端子台13は、化粧カバー4のフロントパネル部の意匠面よりも内部に奥まって設置されている。しかし、本実施形態では、化粧カバー4のうち、端子台カバー5が装着される部分の開口部は、当該開口部の右端側が左端側よりも化粧カバー4の側面部まで深く回り込み、側面視で端子台13が露出する程度に深く切り欠かれて形成されている。(図4(b)で説明した、端子台カバー5の左右の側壁の高さ(長さ)L1>L2も併せて参照のこと)。このような開口面が広い形状によって、接続ケーブルCbの端子台13への接続が容易となっている。
なお、図5中の符号12はLEDの表示基板である。
(作用・効果)
本発明の実施形態にかかる空気調和機の室内機の作用・効果をまとめると、以下のようになる。
比較例にかかる空気調和機の室内機1Cでは、化粧カバー4とフロントパネル4bが別体となっている。この場合、端子台カバー5はフロントパネル4bの奥側に隠れている。ゆえに、正面方向からねじ止めを行っても、意匠性に影響が及ぶことはなかった。
しかし、本実施形態にかかる空気調和機の室内機1Aでは、化粧カバー4とフロントパネル4bは一体で成形される。この場合には、接続ケーブルCbの接続を端子台13の正面側から行うには、端子台13を覆う端子台カバー5が必要となる。この端子台カバー5は、意匠面にねじ止めして固定すると意匠性を損なうことがある。
詳しく補足すると、端子台カバー5はJIS規格上ねじ止めをして固定する必要がある。しかし、本実施形態にかかる空気調和機の室内機1Aは、フロントパネル4bと化粧カバー4とが一体で成形されており、フロントパネル4bの正面側でねじ止めを行うと意匠性を損なってしまう。
このため、本実施形態では、端子台カバー5をキャビネット2に固定するねじ6は、室内機1Aが、運転停止時に上下風向板7が閉じることによって見えなくなる位置、すなわち空気吹出し口15の側面部に止める構造とした。
なお、このようにしても、運転停止時に固定用のねじ6を締めたり緩めたりする場合は、例えば上下風向板7を手動で図1に示すような開けた状態にすればよい。このようにすれば、容易にドライバーなどの工具をねじ6に充てがうことができる。つまり、固定用のねじ6を締めたり緩めたりできるので、端子台カバー5の位置の微調整を行うことができる。
このようにすることによって、意匠性を損なわないで端子台カバー5をキャビネット2に固定できる。また、接続ケーブルCbを正面側から端子台13へ容易に接続することができる。このようにすることによって、端子台カバー5の意匠性の問題が解消されるので、化粧カバー4とフロントパネル4bを一体成形して、空気調和機の室内機の製造原価を低減させる効果を奏することができる。
(変形例)
次に、図6(a)、図6(b)を参照しながら、実施形態の変形例にかかる空気調和機の室内機1Bの端子台カバー5Bについて説明する。なお、図6(a)は正面右下から見た斜視図、(b)は正面左下から見た斜視図である。そして、実施形態と同一要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
実施形態にかかる端子台カバー5(図4(a)参照)は、右端の側壁の上部に、部分的に略爪状の係合部5eが形成されていた。これと比較して、本変形例にかかる端子台カバー5B(図6(a)参照)は、右端の側壁の上部全域に亘って、略爪状の係合部5e2が形成されている。
また、実施形態にかかる端子台カバー5(図4(a)参照)は、板状部5bに、表示基板12(図5参照)のLEDの光を透光させるための孔5dが形成されていた。これに対して、本変形例にかかる端子台カバー5B(図6(a)参照)は、孔5dに相当する孔が形成されておらず(つまり仮想線となっている)、板状部5b2全体が透光性を備えた樹脂部材で成形されている点が異なっている。
なお、端子台カバー5Bのその他の構成、つまり左端の側壁に設けられるねじ孔5cの位置や形状、および図4(b)で示される端子台カバー5Bの断面形状などは、実施形態の端子台カバー5と同様である。
なお、本体部5a2と、板状部5b2とは、厚みの異なる部材で構成されていてもよいし、等しい厚みの部材で構成されていてもよい。また、本体部5a2と、板状部5b2とは、射出成形などで一体成形されていてもよい。
このような端子台カバー5Bとしても、実施形態と同様の作用・効果を奏することができる。このような端子台カバー5Bとすることもできる。
また、端子台カバー5Bの更なる変形例として、板状部5b2は、表示基板12のLEDの光が透過できる程度に、少なくとも透光部に該当する部分の樹脂の厚みを薄くすることによって、敢えて透光性がやや劣る樹脂を用いて成形されていてもよい。
この場合も、本体部5a2と、板状部5b2とは、厚みの異なる部材で構成されていてもよいし、等しい厚みの部材で構成されていてもよい。また、本体部5a2と、板状部5b2とは、射出成形などで一体成形されていてもよい。
上記した実施形態または変形例は、本発明を分かりやすくするために詳細に説明したものであり、本発明は必ずしも、説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、ある実施形態または変形例の構成の一部を他の実施形態または変形例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態または変形例の構成に、他の実施形態または変形例の構成の一部もしくは全てを加えることも可能である。
また、実施形態または変形例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1A,1B,1C 室内機
1 上部吸込口(吸い込み口)
2 キャビネット
3 エアフィルタ
4,4a 化粧カバー
4b フロントパネル
4c 可動パネル
5 端子台カバー
5a 本体部
5a1 側壁(側面部)
5b 板状部(カバー部)
5c ねじ孔
5d 孔
5e 係合部
6 ねじ
7 上下風向板(風向板)
8 左右風向板(風向板)
9 熱交換器
10 電気品箱
11 モータ(送風機)
12 表示基板
13 端子台
15 空気吹出し口(吹出し口)
16 ドレンパン(露受け部)
21 接続配管
Cb 接続ケーブル

Claims (6)

  1. 風向板が配設される空気の吹出し口と、
    露受け部と前記吹出し口とが具備されるキャビネットと、
    前記キャビネットに配設される送風機および熱交換器と、
    上面部に吸い込み口が形成されてなる化粧カバーと、
    を備え、
    前記風向板の側方には端子台カバーが配設され、
    前記端子台カバーはその側面部と前記キャビネットの前記吹出し口の側面部とが固定されていること
    を特徴とする空気調和機の室内機。
  2. 前記露受け部または前記吹出し口と前記キャビネットとはそれぞれが少なくとも一体で射出成形されていること
    を特徴とする、請求項1に記載の空気調和機の室内機。
  3. 前記端子台カバーは前記吹出し口の側の側壁にねじを挿通するためのねじ孔を備えて前記ねじで固定され、
    前記ねじ孔は長孔形状を呈し、
    前記ねじ孔は長手方向が前記端子台カバーのカバー部の面方向に対して略垂直となる方向と略一致するように形成されており、前記端子台カバーの固定位置の微調整が可能であること
    を特徴とする、請求項1に記載の空気調和機の室内機。
  4. 前記端子台カバーは前記吹出し口の側の側壁と対向する側の側壁に、前記側壁の上部の少なくとも一部に形成された突起が、これと対向する前記化粧カバーの側面部の先端部に設けられる突起と係り合うようにされていること
    を特徴とする、請求項3に記載の空気調和機の室内機。
  5. 前記端子台カバーは前記風向板とこの室内機の側方端との間に配設され、
    前記端子台カバーの前記吹出し口の側の側壁と対向する側の側壁の長さは前記吹出し口の側の側壁の長さよりも長くなるようにして形成されていること
    を特徴とする、請求項4に記載の空気調和機の室内機。
  6. 前記端子台カバーの前記カバー部は内部の光源の光を透光させることができること
    を特徴とする、請求項3ないし請求項5のいずれか1項に記載の空気調和機の室内機。
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