WO2015189993A1 - 空気調和機 - Google Patents

Abstract

　空気調和機１を固定する壁面Ｗに当接して固定され、壁面Ｗとの当接面の裏面とケーシング２の背面とを離間させてケーシング２を背面側から支持する支持板７と、ケーシング２の背面に、壁面Ｗとケーシング２の背面との間に形成された空間から室内の空気を吸い込む背面側吸気口５とを備える。

Description

空気調和機

　この発明は、室内の空気を取り込み、熱交換した調和空気を室内に吹き出す空気調和機に関するものである。

　従来、内蔵されたファンにより室内空気を吸い込み、本体内に設置された熱交換器により冷媒と空気との熱交換を行い、調和空気として室内に吹き出す空気調和機において、熱交換効率を向上させるための技術が種々開示されている。
　例えば、特許文献１には、壁面などに取り付ける背面板と、内部にファンを設けたケーシング部および吹き出し口を形成した背面体と、背面体側に向かって開口した吸込み口と、熱交換器と、熱交換器と前面板との間に空気流路を形成し、運転時に当該空気流路がケーシング部の吸い込み側に連通する前面体を傾倒させることで生じる背面板との隙間から吸気してショートサーキットを回避し、熱交換効率を向上させる室内機が開示されている。

　また、特許文献２には、上部本体と下部本体との間に室内壁面に沿うダクト装置を設け、一方から吹き出した冷気または暖気をもう一方で吸気して再度熱交換した後室内に吹き出す空気調和機が開示されている。さらに、特許文献３には、熱交換器を側面視でくの字に連結し、くの字の頂点である連結部に対応させてファンの吹き出し口を設け、熱交換効率を良好にしたビルトイン型空気調和装置が開示されている。さらに、特許文献４には、プロペラファンが配置された空間の両側面に設けられた熱交換機の熱交換面積を増やして通風抵抗を低減する室内機が開示されている。

特開平４－４３２３５号公報 特開２０００－２０５６４４号公報 特開２０１２－１３２９５号公報 特開２０１０－２４３０８１号公報

　しかしながら、上述した特許文献１の室内機では、運転時に前面体が傾倒して吸気面積を確保するため、停止時と運転時で室内機の外観が大きく変わってしまい、美観を損ねるという課題があった。また、上述した特許文献２の空気調和機では、ダクト装置を設ける必要があり、美観を損ねるという課題があった。さらに、上述した特許文献３のビルトイン型空気調和装置では、吸気口、ファン、熱交換器、吹出口を一直線上に並べる必要があり、室内機の厚みまたは高さが増加して圧迫感を与え、美観を損ねるという課題があった。さらに、上述した特許文献４の室内機では、正面に大きな吹出口が必要となり、さらに壁掛けの際に壁面から延びる支持板が必要となり、どちらも美観を損ねるという課題があった。

　この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、停止時と運転時とで大きく形態を変えることなく、且つ該空気調和機を正面側から見た場合の美観を損ねることなく、より多くの空気を取り込んで高い熱交換効率を発揮する空気調和機を提供することを目的とする。

　この発明に係る空気調和機は、該空気調和機を固定する壁面に当接して固定され、当該壁面との当接面の裏面と筐体の背面とを離間させて筐体を背面側から支持する支持部材と、筐体の背面に、壁面と筐体の背面との間に形成された空間から室内の空気を吸い込む背面側吸気口とを備えるものである。

　この発明によれば、停止時と運転時とで大きく形態を変えることなく、また正面側から見た場合の美観を損ねることなく、より多くの空気の取り込みを可能として高い熱交換効率を発揮させることができる。

実施の形態１に係る空気調和機の斜視図である。 実施の形態１に係る空気調和機の側面図である。 図１のＡ－Ａ線断面図である。 実施の形態１に係る空気調和機の支持板の他の構成を示す斜視図である。 実施の形態２に係る空気調和機の斜視図である。 実施の形態２に係る空気調和機の側面図である。 図５のＣ－Ｃ線断面図である。 図５のＤ－Ｄ線断面図であり、固定機構を示す拡大図である。 実施の形態２に係る空気調和機の壁面への固定機構のその他の例を示す図である。 実施の形態３に係る空気調和機の斜視図である。 実施の形態３に係る空気調和機の側面図である。 図１０のＦ－Ｆ線断面図である。

　以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態１．
　図１から図３は実施の形態１の空気調和機を示す図であり、図１は空気調和機の斜視図、図２は空気調和機の側面図、図３は図１のＡ－Ａ線断面図である。なお、図２は図１の空気調和機１を矢印Ｂ方向から見た図である。
　図１から図３を参照しながら、空気調和機１の全体構成を説明する。なお、本発明では室内機と室外機を備えるセパレート式の空気調和機の室内機（壁掛け式）を空気調和機１と呼ぶ。以下、実施の形態２および実施の形態３においても同様である。

　図１（ａ）は空気調和機全体を示す斜視図であり、図１（ｂ）は空気調和機の支持板を示す斜視図である。
　図１に示すように、空気調和機１は、ケーシング（筐体）２および丸みを帯びた前面パネル３などにより外郭が形成される。空気調和機１の上部（天面）に室内の空気を吸い込む天面側吸気口４が形成されている。さらに図３に示すように、空気調和機１の背面に室内の空気を吸い込む背面側吸気口５が形成され、空気調和機１の下部には吹出口６が形成されている。さらに、空気調和機１を壁面Ｗに取り付けるための支持板７が配置されている。

　支持板７は、板状の金属板からなり、図１（ｂ）に示すように、壁面Ｗに固定される固定面７ａと、当該固定面７ａの左右側部を折り曲げて形成されてケーシング２の背面に固定される第１の固定部材７ｂおよび第２の固定部材７ｃで構成される。第１の固定部材７ｂおよび第２の固定部材７ｃは、金属板の左右側部を同一方向に例えば９０°折り曲げ、さらに折り曲げた金属板をＬ字形状が形成されるように外側方向に例えば９０°折り曲げて形成する。なお、第１の固定部材７ｂおよび第２の固定部材７ｃにおいて、ケーシング２の背面に当接する当接面が形成されればよく、折り曲げ角度は９０°に限定されるものではなく、折り曲げ形状もＬ字形状に限定されるものではなく一例である。

　第１の固定部材７ｂの当接面の上方および下方にはそれぞれ係止爪７ｄ，７ｅが形成され、第２の固定部材７ｃの当接面の上方および下方にはそれぞれ係止爪７ｆ，７ｇが形成されている。空気調和機１を壁面Ｗに固定する場合には、固定面７ａに形成されたビス穴７ｈを介して支持板７を壁面Ｗにビスで固定し、さらにケーシング２の背面に設けられた係合溝（不図示）に第１の固定部材７ｂの係止爪７ｄ，７ｅおよび第２の固定部材７ｃの係止爪７ｆ，７ｇを係合させて固定する。

　次に、空気調和機１の詳細な構成について説明する。但し、本実施の形態は、背面側吸気口５および支持板７を設けた点に特徴があるため、その他の構成について説明を簡略化する。
　図３に示すように、空気調和機１は、ケーシング２と、ケーシング２内に設置され、室内の空気を吸引すると共に吸引した空気を室内へ吹き出す送風ファン８と、送風ファン８が形成する風路９内に配置され、吸引した空気を調和（冷却、加熱、除湿など）する熱交換器１０と、調和空気の風向を制御する左右風向調整ベーン１１および上下風向調整ベーン１２とを有している。以下、各構成部材について個別に説明する。

　ケーシング２は、図１および図２に示すように両端面が塞がれた箱形状であって、天面（図３の上側）の一部が開口し、該開口に室内の空気を吸い込む天面側吸気口４を形成し、背面（図３の右側）の一部が開口し、該開口に室内の空気を吸い込む背面側吸気口５を形成し、底面（図３の下側）の一部が開口し、該開口に天面側吸気口４および背面側吸気口５から吸い込んだ空気を吹き出す吹出口６を形成している。吹出口６の上方に前面パネル３が設置されている。

　送風ファン８は、図３に示すように空気調和機１を側面から見た場合に中央部分に配置され、天面側吸気口４および背面側吸気口５から吹出口６に至る風路９を形成する。熱交換器１０は、天面側吸気口４および背面側吸気口５と送風ファン８との間に送風ファン８を取り囲むように配置され、吸い込まれた空気を調和する。詳細には、熱交換器１０は、ケーシング２の前面パネル３側に配置された第１の熱交換器１０ａ、ケーシング２の天面側吸気口４側に配置された第２の熱交換器１０ｂ、およびケーシング２の背面側吸気口５側に配置された第３の熱交換器１０ｃで構成される。なお、熱交換器１０の配置は上述した形態に限定されるものではない。

　吹出口６には、室内に吹き出される調和空気の風向を制御する左右風向調整ベーン１１および上下風向調整ベーン１２を備える。左右風向調整ベーン１１は、室内へ吹出される調和空気の左右方向の風向を制御する。上下風向調整ベーン１２は、室内へ吹出される調和空気の上下方向の風向を制御する。なお、左右風向調整ベーン１１および上下風向調整ベーン１２は、例えば、ステッピングモータ等の駆動装置で駆動されるが、当該駆動装置の図示は省略している。

　支持板７を介してケーシング２を壁面Ｗに取り付けることにより、ケーシング２の背面と支持板７との間に空間が形成される。形成された空間により、背面側吸気口５からも室内の空気を吸い込むことが可能となり、例えばケーシング２の背面側に位置する第３の熱交換器１０ｃを拡大した場合にも十分な空気を供給することができる。これにより、空気調和機１の熱交換効率が向上する。また、支持板７を介してケーシング２を壁面に取り付けた際の空気調和機１の外観について述べると、支持板７は、ケーシング２の底面よりも上方に位置しているため、空気調和機１を前面パネル３側または下方から見た場合に、支持板７にはユーザの視線が届かない。このように、空気調和機１を前面パネル３側から見た場合の美観を損ねることなく、熱交換効率を向上させた取り付けを実現することができる。

　次に、図２および図３を参照しながら空気調和機１の動作について説明する。
　空気調和機１を稼働させると、モータ（不図示）が駆動する。モータの駆動に伴って送風ファン８が回転して天面側吸気口４および背面側吸気口５から室内の空気が空気調和機１内に吸い込まれる。天面側吸気口４から吸い込まれた空気は第１の熱交換器１０ａ、第２の熱交換器１０ｂおよび第３の熱交換器１０ｃを通過し、背面側吸気口５から吸い込まれた空気は第３の熱交換器１０ｃを通過する。吸い込まれた空気は、第１の熱交換器１０ａ、第２の熱交換器１０ｂ、第３の熱交換器１０ｃを通過する過程で調和され、調和された空気は送風ファン８に吸い込まれて風路９を通過し、左右風向調整ベーン１１および上下風向調整ベーン１２により所定の風向で空間に吹出される。

　以上のように、この実施の形態１によれば、空気調和機１のケーシング２を、支持板７を介して壁面Ｗに取り付けてケーシング２の背面と支持板７との間に空間を形成し、当該形成された空間から室内の空気を吸い込む背面側吸気口５を形成するように構成したので、ケーシング２の背面側からも室内空気の吸込みを行うことができ、より多くの空気を用いた熱交換処理を行うことができる。これにより、熱交換効率を向上させることができる。

　また、この実施の形態１によれば、支持板７を介してケーシング２を壁面Ｗに取り付けた際に、支持板７がケーシング２の底面より上方に位置するように構成したので、空気調和機１の正面あるいは下方からの美観を損ねることなく、熱交換効率を向上させる固定機構を設けることができる。

　なお、上述した実施の形態１では、支持板７をケーシング２側に例えば９０°折り曲げ、さらに折り曲げた金属板を外側方向にＬ字形状を形成するように折り曲げて、第１の固定部材７ｂおよび第２の固定部材７ｃを形成する場合を示したが、図４（ａ）に示す構成とすることも可能である。図４（ａ）では、支持板７をケーシング２側に例えば９０°折り曲げ、さらに折り曲げた金属板を内側方向にＬ字形状を形成するように折り曲げて、第１の固定部材７ｉおよび第２の固定部材７ｊを形成する例を示している。なお、支持板７をケーシング２の背面に固定するための第１の固定部材および第２の固定部材が形成されればよく、折り曲げ方向、折り曲げ角度は限定されるものではない。
　なお、係止爪７ｄ，７ｅ，７ｆ，７ｇの形成箇所は、第１の固定部材７ｂおよび第２の固定部材７ｃの上方および下方に限定されるものではなく、図４（ｂ）に示すように、第１の固定部材７ｂおよび第２の固定部材７ｃの外側側面に形成してもよい。

実施の形態２．
　この実施の形態２では、空気調和機の異なる固定機構について示す。
　図５から図８は実施の形態２の空気調和機を示す図であり、図５は空気調和機の斜視図、図６は空気調和機の側面図、図７は図５のＣ－Ｃ線断面図、図８は図５のＤ－Ｄ線断面図であって固定機構の詳細を示す拡大図である。なお、図６は図５の空気調和機１を矢印Ｅ方向から見た図である。実施の形態１の空気調和機１と同一または相当する部分については、実施の形態１で使用した符号と同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。

　図５（ａ）は空気調和機全体を示す斜視図であり、図５（ｂ）は空気調和機の支持板を示す斜視図である。
　図５に示すように、空気調和機１ａは、ケーシング２、前面パネル３などにより外郭が形成される。空気調和機１ａの天面には天面側吸気口４、背面には背面側吸気口５および下部に吹出口６が形成されている。また、空気調和機１ａを壁面Ｗに取り付けるための支持部１３がケーシング２の両側面に形成され、当該支持部１３と壁面Ｗとの間に支持板１４が配置される。空気調和機１ａを壁面Ｗに取り付けるための支持板１４が配置されている。実施の形態２の空気調和機１ａの壁面Ｗへの固定機構は、当該支持部１３および支持板１４により構成される。

　支持部１３は、図５および図６に示すように、ケーシング２の両側面を背面方向に所定量延設して形成した部材である。空気調和機１ａを前面パネル３側から見た場合に、ケーシング２の左側側面を延設して形成した第１の支持部１３ａと、ケーシング２の右側側面を延設して形成した第２の支持部１３ｂで構成されている。
　支持板１４は、図５（ｂ）に示すように板状の金属板で形成され、両側面には２つの係止爪１４ａ，１４ｂを備えた第１の固定部１４ｃ、２つの係止爪１４ｄ，１４ｅを備えた第２の固定部１４ｆを備える。さらに、支持板１４は、図５（ｂ）に示すように下辺の一部が凹状に切り欠かれた切欠き部１４ｇを有している。当該切欠き部１４ｇにより、空気調和機１ａを下方から見た場合にも、支持板１４にユーザの視線が届くことがない。

　空気調和機１ａを壁面Ｗに固定する場合には、まず支持板１４に形成されたビス穴１４ｈを介して支持板１４を壁面Ｗにビスで固定する。さらに、図８に示すように支持部１３の背面に設けられた係合溝（不図示）に第１の固定部１４ｃの係止爪１４ａ，１４ｂを係合させ、係合溝１３ｃ，１３ｄに第２の固定部１４ｆの係止爪１４ｄ，１４ｅを係合させて固定する。

　図９は、実施の形態２の空気調和機１ａの壁面Ｗへの固定機構のその他の例を示す図である。図９の例では、まず上述した支持板１４を用いておらず、ケーシング２の第１の支持部１３ａおよび第２の支持部１３ｂを壁面Ｗに直接当接させて固定する。支持部１３の内側に凹部を形成し、当該凹部に壁面Ｗへの固定を補強するための金属板１５を配置する。金属板１５および支持部１３に形成されたビス穴（不図示）を介して支持部１３を直接壁面Ｗに当接させ、ビス１６を用いて固定する。図９に示すように、支持部１３の内部に凹部が形成されているため、ドライバーを用いて支持部１３を壁面Ｗにビス固定することができる。

　空気調和機１ａのその他の構成は実施の形態１と同様であり、図５から図７に示すように、ケーシング２は両端面が塞がれた箱形状であって、天面の一部が開口した天面側吸気口４、背面の一部が開口した背面側吸気口５、天面側吸気口４および背面側吸気口５から吸い込んだ空気を吹き出す吹出口６を形成している。吹出口６の上方に前面パネル３が設置されている。また、空気調和機１ａの内部を構成する送風ファン８、風路９、熱交換器１０、左右風向調整ベーン１１および上下風向調整ベーン１２も実施の形態１と同様である。空気調和機１ａの動作についても実施の形態１と同様である。

　支持部１３を備えたケーシング２を壁面Ｗに取り付けることにより、ケーシング２の背面と支持板１４あるいは壁面Ｗとの間に空間が形成される。形成された空間により、背面側吸気口５からも室内の空気を吸い込むことが可能となり、例えばケーシング２の背面側に位置する第３の熱交換器１０ｃを拡大した場合にも十分な空気を供給することができる。これにより、空気調和機１ａの熱交換効率が向上する。また、支持板１４を介してケーシング２を壁面Ｗに取り付けた際の空気調和機１ａの外観について述べると、支持板１４の下辺に切欠き部１４ｇを有しているため、空気調和機１ａを前面パネル３側または下方から見た場合に、支持板１４にはユーザの視線が届かない。このように、空気調和機１ａを前面パネル３側から見た場合の美観を損ねることなく熱交換効率を向上させる固定方法を実現することができる。

　以上のように、この実施の形態２によれば、空気調和機１ａのケーシング２に支持部１３を設け、ケーシング２の背面と支持板１４あるいは壁面Ｗとの間に空間が形成されるように壁面Ｗへの取り付けを行い、当該形成された空間から室内の空気を吸い込む背面側吸気口５を形成するように構成したので、ケーシング２の背面側からも室内空気の吸込みを行うことができ、より多くの空気を用いた熱交換処理を行うことができる。これにより、熱交換効率を向上させることができる。

　また、この実施の形態２によれば、ケーシング２の両側面を延設して第１の支持部１３ａおよび第２の支持部１３ｂを形成すように構成したので、空気調和機１ａの美観を損ねることなく熱交換効率を向上させることができる。また、下辺の一部が凹状に切り欠かれた切欠き部１４ｇを有する支持板１４を介して空気調和機１ａを壁面Ｗに固定するように構成したので、空気調和機１ａの美観を損ねることなく、熱交換効率を向上させることができる。

　また、この実施の形態２によれば、ケーシング２の両側面を延設して形成した第１の支持部１３ａおよび第２の支持部１３ｂの内部に補強のための金属板１５を配置してビス固定するように構成したので、簡易な構成で空気調和機１ａを壁面に固定し、且つ空気調和機１ａの美観を損ねることなく熱交換効率を向上させることができる。

実施の形態３．
　この実施の形態３では、空気調和機の異なる固定機構について示す。
　図１０から図１２は実施の形態３の空気調和機を示す図であり、図１０は空気調和機の斜視図、図１１は空気調和機の側面図、図１２は図１０のＦ－Ｆ線断面図である。なお、図１１は図１０の空気調和機１ｂを矢印Ｇ方向から見た図である。実施の形態１の空気調和機１と同一または相当する部分については、実施の形態１で使用した符号と同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。

　図１０（ａ）は空気調和機全体を示す斜視図であり、図１０（ｂ）は空気調和機の支持部材を示す斜視図である。
　図１０に示すように、空気調和機１ｂは、ケーシング２および前面パネル３などにより箱形状の外郭が形成される。空気調和機１ｂの天面には天面側吸気口４、背面には背面側吸気口５および下部に吹出口６が形成されている。また、空気調和機１ｂを壁面Ｗに取り付けるための支持部材１７がケーシング２の背面に取り付けられている。

　支持部材１７は、図１０（ｂ）に示すように金属板を箱形状に折り曲げて形成し、箱形状の側面にプレス加工で形成した小孔である通気孔１７ａを備える。通気孔１７ａは空気の吸込みに必要な開口となっている。支持部材１７の箱形状の側面には、上述したパンチングメタル状以外にも金網や細かい格子状金属板なども適用可能である。さらに、支持部材１７は、壁面Ｗに固定される固定面１７ｂ、ケーシング２の背面に固定するための４つの係止爪１７ｃ，１７ｄ，１７ｅ，１７ｆを備える。空気調和機１ｂを壁面Ｗに固定する場合には、まず支持部材１７の固定面１７ｂに形成されたビス穴１７ｇを介して壁面Ｗにビスで固定し、さらにケーシング２の背面に設けられた４つの係合溝（不図示）に係止爪１７ｃ，１７ｄ，１７ｅ，１７ｆを係合させて固定する。

　空気調和機１ｂのその他の構成は実施の形態１と同様であり、図１０から図１２に示すように、ケーシング２は両端面が塞がれた箱形状であって、天面の一部が開口した天面側吸気口４、背面の一部が開口した背面側吸気口５、天面側吸気口４および背面側吸気口５から吸い込んだ空気を吹き出す吹出口６を形成している。吹出口６の上方に前面パネル３が設置されている。また、空気調和機１ｂの内部を構成する送風ファン８、風路９、熱交換器１０、左右風向調整ベーン１１および上下風向調整ベーン１２も実施の形態１と同様である。空気調和機１ｂの動作についても実施の形態１と同様である。

　支持部材１７を介してケーシング２を壁面Ｗに取り付けることにより、ケーシング２の背面と支持部材１７の固定面１７ｂとの間に空間が形成される。形成された空間により、通気孔１７ａを介して背面側吸気口５からも室内の空気を吸い込むことが可能となり、例えばケーシング２の背面側に位置する第３の熱交換器１０ｃを拡大した場合にも十分な空気を供給することができる。これにより、空気調和機１ｂの熱交換効率が向上する。また、支持部材１７を介してケーシング２を壁面Ｗに取り付けた際の空気調和機１ｂの外観について述べると、支持部材１７は、ケーシング２の底面よりも上方に位置しているため、空気調和機１ｂを前面パネル３側または下方から見た場合に、支持部材１７にはユーザの視線が届かない。このように、空気調和機１ｂを前面パネル３側から見た場合の美観を損ねることなく熱交換効率を向上させる固定機構を設けることができる。

　以上のように、この実施の形態３によれば、空気調和機１ｂのケーシング２を、支持部材１７を介して壁面Ｗに取り付けてケーシング２の背面と支持部材１７の固定面１７ｂとの間に空間を形成し、当該形成された空間から通気孔１７ａを介して室内の空気を吸い込む背面側吸気口５を形成するように構成したので、ケーシング２の背面側からも室内空気の吸込みを行うことができ、より多くの空気を用いた熱交換処理を行うことができる。これにより、熱交換効率を向上させることができる。

　また、この実施の形態３によれば、支持部材１７を介してケーシング２を壁面Ｗに取り付けた際に、支持部材１７がケーシング２の底面より上方に位置するように構成したので、空気調和機１ｂの正面あるいは下方からの美観を損ねることなく、熱交換効率を向上させる固定機構を設けることができる。

　また、この実施の形態３によれば、空気の吸込みに必要となる通気孔１７ａを支持部材１７の側面に形成するように構成したので、通気孔１７ａを介して背面側吸気口５からも室内の空気を吸い込むことが可能となり、熱交換効率を向上させることができる。

　なお、上述した実施の形態１から実施の形態３では、支持板７，１４および支持部材１７は金属板で構成する例を示したが、ケーシング２を壁面に強固に固定可能な素材であれば種々適用可能である。

　なお、上述した実施の形態１から実施の形態３では、支持板７，１４および支持部材１７とケーシング２との固定を支持板７，１４および支持部材１７に設けた係止爪とケーシング２に設けた係合溝との係合により行う場合を示したが、固定方法はこれに限定されるものではない。

　なお、本発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、各実施の形態の任意の構成要素の変形、または各実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。

　この発明に係る空気調和機は、より多くの室内空気を取り込み、熱交換効率を向上させることが可能であるため、低エネルギーで良好な空調機能を実現する空気調和機などに適している。

　１，１ａ，１ｂ　空気調和機、２　ケーシング、３　前面パネル、４　天面側吸気口、５　背面側吸気口、６　吹出口、７，１４　支持板、７ａ，１７ｂ　固定面、７ｂ，７ｉ　第１の固定部材、７ｃ，７ｊ　第２の固定部材、７ｄ，７ｅ，７ｆ，７ｇ，１４ａ，１４ｂ，１４ｄ，１４ｅ，１７ｃ，１７ｄ，１７ｅ，１７ｆ　係止爪、７ｈ，１４ｈ，１７ｇ　ビス穴、８　送風ファン、９　風路、１０　熱交換器、１０ａ　第１の熱交換器、１０ｂ　第２の熱交換器、１０ｃ　第３の熱交換器、１１　左右風向調整ベーン、１２　上下風向調整ベーン、１３　支持部、１３ａ　第１の支持部、１３ｂ　第２の支持部、１３ｃ，１３ｄ　係合溝、１４ｃ　第１の固定部，１４ｆ　第２の固定部、１４ｇ　切欠き部、１５　金属板、１６　ビス、１７ 支持部材，１７ａ　通気孔。

Claims (6)

1. 　筐体内部に熱交換器および送風ファンを収容し、前記筐体の前面に調和空気を吹き出す吹出口、および前記筐体の天面に室内の空気を吸い込む天面側吸気口を有する空気調和機において、
   　該空気調和機を固定する壁面に当接して固定され、当該壁面との当接面の裏面と前記筐体の背面とを離間させて前記筐体を背面側から支持する支持部材と、
   　前記筐体の背面に、前記壁面と前記筐体の背面との間に形成された空間から室内の空気を吸い込む背面側吸気口とを備えたことを特徴とする空気調和機。
2. 　前記支持部材は、前記壁面に当接して固定される固定面と、前記固定面の前記壁面との当接面の裏面側に立設された第１の固定部材および第２の固定部材とにより構成され、
   　前記第１の固定部材および第２の固定部材は、前記筐体の背面であって、前記背面側吸気口の左側および右側にそれぞれ当接して前記筐体を支持することを特徴とする請求項１記載の空気調和機。
3. 　前記支持部材は、前記筐体の左右側部を、前記背面側吸気口の形成面に対して突出させて形成した第１の支持部および第２の支持部と、一方の面が前記壁面に当接して固定され、他方の面が前記第１の支持部および第２の支持部に当接して前記筐体を支持する板状部材である支持板とにより構成されることを特徴とする請求項１記載の空気調和機。
4. 　前記支持板は、下辺の一部が切り欠かれた切欠き部を有することを特徴とする請求項３記載の空気調和機。
5. 　前記支持部材は、前記壁面に当接して固定される固定面と、当該固定面の周囲を形成する側面部との五面体で構成され、
   　前記側面部は、前記背面側吸気口から室内の空気を吸い込むための複数の通気孔を有し、開口側端部が前記背面側吸気口の外周部に当接して前記筐体を支持することを特徴とする請求項１記載の空気調和機。
6. 　筐体内部に熱交換器および送風ファンを収容し、前記筐体の前面に調和空気を吹き出す吹出口、および前記筐体の天面に室内の空気を吸い込む天面側吸気口を有する空気調和機において、
   　前記筐体の左右側部を、前記筐体の背面に対して突出させて形成した第１の支持部および第２の支持部と、
   　該空気調和機を固定する壁面と、前記筐体の背面との間に形成された空間から室内の空気を吸い込む背面側吸気口とを備え、
   　前記第１の支持部および第２の支持部は、前記壁面に当接して支持板を介して固定され、当該壁面と前記筐体の背面とを離間させて前記筐体を支持することを特徴とする空気調和機。

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