JP2016210867A - 耐紫外線吸収剤性ポリウレタン組成物、該組成物を用いたコーティング材、及び塗膜 - Google Patents

耐紫外線吸収剤性ポリウレタン組成物、該組成物を用いたコーティング材、及び塗膜 Download PDF

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Abstract

【課題】 化粧品や日焼け止め剤等に含まれる紫外線吸収剤に対する耐久性に優れたポリウレタン組成物、並びに該組成物から得られた成型体、コーティング材及び塗料配合液を提供する。【解決手段】 芳香環構造及び脂環構造からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造を3.2mmol/g以上含有するポリエステルポリオールと、硬化剤とを含む耐紫外線吸収剤性ポリウレタン組成物を、成型体、コーティング材及び塗料配合液に用いる。【選択図】 なし

Description

本発明は、種々の分野、特に携帯電話、ダブレット、家電製品、OA機器等の電子機器部材,家電部材,日用雑貨品部材及び自動車部材に有用な耐紫外線吸収性ポリウレタン樹脂組成物、該組成物を用いた成形体及びコーティング材に関する。
ポリウレタン樹脂は、ポリイソシアネート成分、ポリオール成分を反応させて得られるものであり、各成分の種類、組み合わせにより様々な性能を有するポリウレタン樹脂が提供されている。特に、このような樹脂を使用した成形体やコーティング材は、電子機器部材用品、家具・家電用途、日用雑貨用途、及び自動車部材用途に多く使用されている。しかしながら、このような成形体やコーティング材が長期間人体と接触して使用された場合、汗に含まれる皮脂成分やスキン保護クリームに含まれるオレイン酸や例えば日焼け止め剤(クリーム、ローション等)に含まれる紫外線吸収剤成分などで、成形体やコーティング材の表面の劣化や粘着性を帯びる現象が発生し、長期間の使用に耐えられないものという問題があった。
このような背景の中で、皮脂成分の主成分であるオレイン酸に対して耐油性を示すポリウレタン系樹脂の開発が進められている。耐オレイン酸性に優れたポリウレタン系樹脂としては、ポリイソシアネート化合物と、1,5−ペンタンジオール及び1,6−ヘキサンジオールとを任意の組成比で使用したポリカーボネートジオールと、ポリシロキサンとを必須成分とした硬化性組成物が提案されている(例えば特許文献1〜4参照)。
しかしながら、これらの特許文献に記載の硬化性組成物は、日焼け止め剤に含まれる紫外線吸収剤に対する耐性について満足できるものではなかった。
すなわち、これまでのポリウレタン系樹脂コーティング材はオレイン酸や牛脂等の油成分に対する耐久性には改善が見られていたが、化粧品や日焼け止め剤(クリーム、ローション等)に含まれる紫外線吸収剤に対する耐性は不十分であることが多く、紫外線吸収剤が付着することによって、成型体表面の外観劣化を生じることがある。そのため、紫外線吸収剤に耐性のある塗料が求められている。
特開2007−112986号公報 特開2008−063395号公報 特開2008−075048号公報 特開2008−303284号公報
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、化粧品や日焼け止め剤等に含まれる紫外線吸収剤に対する耐久性(以下、「耐紫外線吸収剤性」という場合がある。)に優れたポリウレタン組成物(以下、「耐紫外線吸収剤性ポリウレタン組成物」という。)、該組成物から得られた成型体、コーティング材及び塗料配合液を提供することである。
本発明者らは上記した課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、特定の構造を有するポリエステルポリオールと、硬化剤とを含むポリウレタン組成物を見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、以下の[1]〜[8]に示されるものである。
[1]芳香環構造及び脂環構造からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造を3.2mmol/g以上含有するポリエステルポリオールと、硬化剤とを含む耐紫外線吸収剤性ポリウレタン組成物。
[2]芳香環構造及び脂環構造からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造を有するポリエステルポリオールが、芳香環又は脂環を有する多価カルボン酸又はそれらの酸無水物と多価アルコールとを反応させて得られたものである事を特徴とする上記[1]に記載の耐紫外線吸収剤性ポリウレタン組成物。
[3]芳香環構造及び脂環構造からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造を有するポリエステルポリオールの平均官能基数が、8〜15であることを特徴とする上記[1]又は[2]のいずれかに記載の耐紫外線吸収剤性ポリウレタン組成物。
[4]硬化剤として、脂肪族系イソシアネート及び脂環族系イソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることを特徴とする上記[1]乃至上記[3]のいずれかに記載の耐紫外線吸収剤性ポリウレタン組成物。
[5]硬化剤として、ヘキサメチレンジイソシアネートのアダクト体を用いることを特徴とする上記[1]乃至上記[4]のいずれかに記載の耐紫外線吸収剤性ポリウレタン組成物。
[6]上記[1]乃至上記[5]のいずれかに記載の耐紫外線吸収剤性ポリウレタン組成物から得られた成型体。
[7]上記[1]乃至上記[5]のいずれかに記載の耐紫外線吸収剤性ポリウレタン組成物から得られたコーティング材。
[8]上記[1]乃至上記[5]のいずれかに記載の耐紫外線吸収剤性ポリウレタン組成物から得られた塗料配合液。
本発明の耐紫外線吸収剤性ポリウレタン組成物は、化粧品や日焼け止め剤等に含まれる紫外線吸収剤に対する耐久性に優れるため、部材のコーティング材に用いる事で、化粧品や日焼け止め剤等に含まれる紫外線吸収剤に対する耐久性を当該部材に付与することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の耐紫外線吸収剤性ポリウレタン組成物は、芳香環構造及び脂環構造からなる群より選ばれる少なくとも1つの構造を3.2mmol/g以上含有するポリエステルポリオールと、硬化剤とを含むことを特徴とする。
ここで、本発明において耐紫外線吸収剤性の指標に用いられる紫外線吸収剤について説明する。紫外線吸収剤としては、例えば、パラアミノ安息香酸系、けい皮酸系、ベンゾフェノン系、サリチル酸系、ベンゾイルトリアゾール系、及びその他の芳香族系紫外線吸収剤からなる群より選ばれる一種、又は二種以上の混合物が知られており、これらの物質が成形体やポリウレタン系コーティング材に移行することで、成形体表面の外観劣化や粘着性を帯びるといった現象が見られる。
本発明の耐紫外線吸収剤性ポリウレタン組成物は、後述する実施例に示すとおり、これら紫外線吸収剤のうち、少なくとも、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、サリチル酸2−エチルヘキシル、サリチル酸3,3,5−トリメチルシクロヘキシル、3,3−ジフェニル−2−シアノアクリル酸2−エチルヘキシル、2−エチルヘキシル−4−メトキシシンナマート、及び4−tert−ブチルベンゾイル(4−メトキシベンゾイル)メタンに対し、優れた耐久性を示す。
次に、本発明の耐紫外線吸収剤性ポリウレタン組成物に使用されるポリエステルポリオールについて説明する。本発明のポリエステルポリオールは、多価カルボン酸又はそれらの酸無水物と多価アルコールとを反応させたものである。多価カルボン酸又はそれらの酸無水物としては、耐紫外線吸収剤性の観点から芳香族及び脂環族からなる群より選ばれる少なくとも1つの構造を有する事が好ましい。また、多価アルコールとしては、特に制限されるものではないが、耐薬品性の観点から3価以上のアルコールを含む事が好ましい。また、性能が低下しない範囲で、芳香族多価カルボン酸及び脂環族多価カルボン酸と脂肪族多価カルボン酸を併用することもできる。
なお、芳香環構造、脂環構造含有量の算出方法は、次式で示される。
(ポリエステルポリオールを得るために用いる原料中の芳香環及び脂環の総モル数)/(得られたポリエステルポリオールの樹脂分の総質量)。
<芳香族多価カルボン酸>
芳香族多価カルボン酸の具体例としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニル−2,2’−ジカルボン酸、ビフェニル−3,3’−ジカルボン酸、ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸等が挙げられる。
また、これらの芳香族多価カルボン酸の酸無水物を使用してもよい。
<脂環族多価カルボン酸>
脂環族多価カルボン酸の具体例としては、1,2,3,6テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、4−メチルヘキサヒドロフタル酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−3−ジカルボン酸等が挙げられる。
また、これらの脂環族多価カルボン酸の酸無水物を使用してもよい。
<脂肪族多価カルボン酸>
脂肪族多価カルボン酸の具体例としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、スベリン酸、アゼライン酸等が挙げられる。
<多価アルコール>
多価アルコールの具体例としては、グリコール及び3価以上の多価アルコールが挙げられる。具体的なグリコールの例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、メチルプロパンジオール、シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールなどが挙げられる。3価以上の多価アルコールとしては、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリストール、ジペンタエリストール等が挙げられる。また、性能の低下しない範囲でグリコールと3価以上の多価アルコールを併用することもできる。
<反応触媒>
ポリエステルポリオールの製造には反応触媒を用いてもよい。この触媒としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ゲルマニウム、スズ、鉛、アンチモン、セリウム等の金属、金属アルコキシド、金属塩、金属酸化物等が挙げられる。本発明で好ましい触媒は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛、チタン、鉛の炭酸塩、カルボン酸塩、ホウ酸塩、ケイ酸塩、酸化物、有機金属化合物であり、有機チタン化合物が特に好ましい。
本発明の耐紫外線吸収剤性ポリウレタン組成物を構成するポリエステルポリオールは、一般的なポリエステルポリオールの製造方法で製造できる。
また、ポリエステルポリオールは有機溶剤に溶解させてもよい。
有機溶剤の具体例としては、オクタン等の脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル類、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート等のグリコールエーテルエステル類、ジオキサン等のエーテル類、ヨウ化メチレン、モノクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホニルアミド等の極性非プロトン溶媒、ダイアセトンアルコール等の第3級アルコール類などが挙げられる。これらの溶媒は、単独、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
次に、本発明の耐紫外線吸収剤性ポリウレタン組成物を構成する硬化剤について説明する。
<硬化剤>
硬化剤は、塗膜耐候性の観点から、脂肪族系ポリイソシアネート又は脂環族系ポリイソシアネート、及びそれらを組み合わせたポリイソシアネートであることが好ましい。さらに好ましくは、耐紫外線吸収剤性の観点からヘキサメチレンジイソシアネート(以下「HDI」という。)を一部ウレタン変性したアダクト体を用いることが特に好ましい。
また、硬化剤には性能が低下しない範囲で、芳香族系ポリイソシアネート、芳香脂肪族系ポリイソシアネートを用いることができ、芳香族系ポリイソシアネート、芳香脂肪族系ポリイソシアネート、脂肪族系ポリイソシアネート、脂環族系ポリイソシアネートを原料として得られるイソシアヌレート基含有ポリイソシアネート、ウレトジオン基含有ポリイソシアネート、ウレトジオン基及びイソシアヌレート基含有ポリイソシアネート、ウレタン基含有ポリイソシアネート、アロファネート基含有ポリイソシアネート、ビュレット基含有ポリイソシアネート、ウレトイミン基含有ポリイソシアネート等を単独、又は2種類以上を組み合わせて使用することもできる。
<脂肪族系ポリイソシアネート>
脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、2−メチル−ペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチル−ペンタン−1,5−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリオキシエチレンジイソシアネート等を挙げることができる。
<脂環族系ポリイソシアネート>
脂環族ポリイソシアネートの具体例としては、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシレンジイソシアネート等を挙げることができる。
<芳香脂肪族系ポリイソシアネート>
芳香脂肪族ジイソシアネートの具体例としては、1,3−又は1,4−キシリレンジイソシアネート、1,3−又は1,4−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼン、ω,ω’−ジイソシアナト−1,4−ジエチルベンゼン等を挙げることができる。
<芳香族系ポリイソシアネート>
芳香族ポリイソシアネートの具体例としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジフェニルプロパン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシジフェニル−4,4’−ジイソシアネート等を挙げることができる。
上記の方法によって得られたポリエステルポリオール、及び耐紫外線吸収剤性ポリウレタン組成物には、必要に応じて、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、溶剤、難燃剤、加水分解抑制剤、潤滑剤、可塑剤、充填材、帯電防止剤、分散剤、触媒、貯蔵安定剤、界面活性剤、レベリング剤等の添加剤を適宜配合することができる。
次に、本発明の耐紫外線吸収剤性ポリウレタン組成物を使用した成形体、及びコーティング材について説明する。
本発明の耐紫外線吸収剤性ポリウレタン組成物は、携帯電話、ダブレット、家電製品、OA機器等の電子機器部材,家電部材,日用雑貨品部材及び自動車部材の成形体、又はコーティング材として使用される。
成形体としては、例えば、部材、構造物、フィルム、及びシートが含まれ、注型や塗布等の公知技術により成形されたものである。
また、本発明の耐紫外線吸収剤性ポリウレタン組成物をコーティング材として使用する場合、例えば、上記したポリエステルポリオールを含有したコーティング材用樹脂組成物に、上記した硬化剤と、必要に応じて上記の添加剤を混合、均一撹拌後、スプレー塗装、ナイフ塗工、ワイヤーバー塗工、ドクターブレード塗工、リバースロール塗工、カレンダー塗工等の公知技術により、基材上にコーティング膜を形成する。
上記の基材としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート−ABS樹脂、6−ナイロン樹脂、6,6−ナイロン樹脂、MXD6ナイロン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリアセタール樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、NBR樹脂、クロロプレン樹脂、SBR樹脂、SEBS樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン樹脂等の素材で成型された基材を挙げることができる。
これらの基材は、接着性を上げるために基材表面を予めコロナ放電処理、フレーム処理、紫外線照射処理、オゾン処理、プライマー処理、及び溶剤処理等の処理をすることもできる。
また、コーティング材の塗布量としては、特に限定するものではないが、例えば、乾燥膜厚が20μm以上になるように塗布することが好ましい。膜厚が20μm以上とすることで、コーティング材の耐紫外線吸収剤性を向上させることができる。
さらに、本発明の耐紫外線吸収剤性ポリウレタン組成物を塗料配合液として使用する場合、耐紫外線吸収剤性ポリウレタン組成物中のポリエステルポリオールの水酸基と、硬化剤として用いられるポリイソシアネートのイソシアネート基とのモル比(R)が、R=イソシアネート基/水酸基で、R=0.4〜2.5となるように配合することが好ましく、さらに好ましくはR=0.7〜1.5となるように配合するのが好ましい。希釈に用いる有機溶剤は、特に限定するものではないが、前記の有機溶剤の中から単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<ポリエステルポリオールの合成>
<製造例1>
攪拌機、温度計、加熱装置、蒸留塔を組んだ反応装置に無水フタル酸112g、ヘキサヒドロ無水フタル酸235g、トリメチロールプロパン344g、反応触媒としてテトラブチルチタネート0.0065g仕込み、窒素気流下にて常圧で150℃から1〜10℃/時間の割合で昇温しながら220℃まで加熱して反応を行い、水を留去させた。常圧で水の留去がなくなったら徐々に2.6kPaまで減圧して水を留去させた。反応装置内温度を140℃まで下げてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下PMAという)を350g仕込んでポリエステルポリオール溶液POH−1を得た。このプレポリマーの水酸基価は176KOHmg/gであった。
<製造例2>
製造例1と同様な反応装置にヘキサヒドロ無水フタル酸349g、トリメチロールプロパン343g、反応触媒としてテトラブチルチタネート0.0065g仕込み、窒素気流下にて常圧で150℃から1〜10℃/時間の割合で昇温しながら220℃まで加熱して反応を行い、水を留去させた。常圧で水の留去がなくなったら徐々に2.6kPaまで減圧して水を留去させた。反応装置内温度を140℃まで下げてPMAを350g仕込んでポリエステルポリオール溶液POH−2を得た。このプレポリマーの水酸基価は176KOHmg/gであった。
<製造例3>
製造例1と同様な反応装置に無水フタル酸347g、トリメチロールプロパン299g、ネオペンチルグリコール45g、反応触媒としてテトラブチルチタネート0.0065g仕込み、窒素気流下にて常圧で150℃から1〜10℃/時間の割合で昇温しながら220℃まで加熱して反応を行い、水を留去させた。常圧で水の留去がなくなったら徐々に2.6kPaまで減圧して水を留去させた。反応装置内温度を140℃まで下げてPMAを350g仕込んでポリエステルポリオール溶液POH−3を得た。このプレポリマーの水酸基価は170KOHmg/gであった。
<製造例4>
製造例1と同様な反応装置に無水フタル酸406g、トリメチロールプロパン179g、グリセリン119g、反応触媒としてテトラブチルチタネート0.0065g仕込み、窒素気流下にて常圧で150℃から1〜10℃/時間の割合で昇温しながら220℃まで加熱して反応を行い、水を留去させた。常圧で水の留去がなくなったら徐々に2.6kPaまで減圧して水を留去させた。反応装置内温度を140℃まで下げてPMAを350g仕込んでポリエステルポリオール溶液POH−4を得た。このプレポリマーの水酸基価は180KOHmg/gであった。
<製造例5>
製造例1と同様な反応装置に無水フタル酸298g、トリメチロールプロパン389g、反応触媒としてテトラブチルチタネート0.0065g仕込み、窒素気流下にて常圧で150℃から1〜10℃/時間の割合で昇温しながら220℃まで加熱して反応を行い、水を留去させた。常圧で水の留去がなくなったら徐々に2.6kPaまで減圧して水を留去させた。反応装置内温度を140℃まで下げてPMAを350g仕込んでポリエステルポリオール溶液POH−5を得た。このプレポリマーの水酸基価は195KOHmg/gであった。
<製造例6>
製造例1と同様な反応装置に無水フタル酸158g、アジピン酸250g、トリメチロールプロパン274g、1,3−ブタンジオール148g、反応触媒としてテトラブチルチタネート0.0065g仕込み、窒素気流下にて常圧で150℃から1〜10℃/時間の割合で昇温しながら200℃まで加熱して反応を行い、水を留去させた。常圧で水の留去がなくなったら徐々に2.6kPaまで減圧して水を留去させた。反応装置内温度を60℃まで下げて酢酸エチル350g仕込んでポリエステルポリオール溶液POH−6を得た。このプレポリマーの水酸基価は190KOHmg/gであった。
POH−1〜POH−4、及びPOH−5〜POH−6のポリエステルポリオールに使用した原料の配合量と性状を表1、表2に示す。
Figure 2016210867
Figure 2016210867
<コーティング材の作成>
得られたPOH−1〜POH−6の水酸基末端プレポリマー、及びポリカーボネートジオールの水酸基と、ポリイソシアネート(HDIアダクト、東ソー社製、商品名:コロネートHL、NCO含量12.7質量%、固形分75質量%)のイソシアネート基とのモル比が、R=イソシアネート基/水酸基で1.0となるように配合し、さらに全体の固形分が45質量%となるように、酢酸エチルで希釈し、塗料配合液を調製した。これをポリエチレンテレフタレート板(パルテック社製)に乾燥後の膜厚が30μmとなるようにアプリケーターで塗布し、25℃で1時間乾燥後、80℃で10時間養生させることによってコーティング材を作製した。比較例3で示すポリカーボネートジオールは、東ソー社製ニッポラン970(水酸基価224KOHmg/g)である。
各配合液組成と得られたコーティング材の諸物性を表3〜表4に示す。
Figure 2016210867
Figure 2016210867
表3及び表4に用いられている略称は以下のとおりである。
(1)化合物a:2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
(2)化合物b:サリチル酸2−エチルヘキシル
(3)化合物c:サリチル酸3,3,5−トリメチルシクロヘキシル
(4)化合物d:3,3−ジフェニル−2−シアノアクリル酸2−エチルヘキシル
(5)化合物e:2−エチルヘキシル−4−メトキシシンナマート
(6)化合物f:4−tert−ブチルベンゾイル(4−メトキシベンゾイル)メタン(グリセリン3%希釈液)。
また、表3及び表4に示す評価結果は以下の評価方法に基づくものである。
<碁盤目テープ剥離試験>
塗膜の密着性をJIS K−5600−8−5−2の碁盤目テープ剥離試験に準拠して評価した。表中の数値は、100マス中、剥がれないで残ったマスの個数を意味する。
<耐紫外線吸収剤性>
コーティング膜に、下記化合物(1)〜(5)を0.02g滴下し、80℃で1時間放置後滴下物を拭き取り、外観を目視で評価した。
化合物(6)は固体であるため3%となるようにグリセリンに溶解し、溶解液をコーティング膜に0.02g滴下し、80℃で1時間放置後滴下物を拭き取り、外観を目視で評価した。
<化合物>
(1)2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
(2)サリチル酸2−エチルヘキシル
(3)サリチル酸3,3,5−トリメチルシクロヘキシル
(4)3,3−ジフェニル−2−シアノアクリル酸2−エチルヘキシル
(5)2−エチルヘキシル−4−メトキシシンナマート
(6)4−tert−ブチルベンゾイル(4−メトキシベンゾイル)メタン。
<評価基準>
・コーティング膜に変化が見られないもの(評価:A)
・コーティング膜が僅かに薬液痕を生じたもの(評価:B)
・コーティング膜が著しく膨潤、光沢の変化を生じたもの(評価:C)
・コーティング膜が溶解を生じたもの(評価:D)。
表3、表4に示すように、実施例1〜実施例4に係るコーティング材は、耐紫外線吸収剤性に優れていることがわかった。一方、比較例1〜比較例3のコーティング材は、耐紫外線吸収剤性に劣るものであった。

Claims (8)

  1. 芳香環構造及び脂環構造からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造を3.2mmol/g以上含有するポリエステルポリオールと、硬化剤とを含む耐紫外線吸収剤性ポリウレタン組成物。
  2. 芳香環構造及び脂環構造からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造を有するポリエステルポリオールが、芳香環又は脂環を有する多価カルボン酸又はそれらの酸無水物と多価アルコールとを反応させて得られたものである事を特徴とする請求項1に記載の耐紫外線吸収剤性ポリウレタン組成物。
  3. 芳香環構造及び脂環構造からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造を有するポリエステルポリオールの平均官能基数が、8〜15であることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の耐紫外線吸収剤性ポリウレタン組成物。
  4. 硬化剤として、脂肪族系イソシアネート及び脂環族系イソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の耐紫外線吸収剤性ポリウレタン組成物。
  5. 硬化剤として、ヘキサメチレンジイソシアネートのアダクト体を用いることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の耐紫外線吸収剤性ポリウレタン組成物。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の耐紫外線吸収剤性ポリウレタン組成物から得られた成型体。
  7. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の耐紫外線吸収剤性ポリウレタン組成物から得られたコーティング材。
  8. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の耐紫外線吸収剤性ポリウレタン組成物から得られた塗料配合液。
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