JP2016210698A - 粉末化粧料 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1には、半透明球状粉体とシリコーンと水とを含有する化粧料が開示されている。
特許文献2には、複数の略球状粒子が凝集合一し、表面に複数の凹凸を有する形状の異形複合粉体を含有する凹凸補正化粧料が開示されている。
特許文献3には、特定の比表面積及び平均粒子径を有する架橋型アクリル系樹脂粉末と、特定のIOB(Inorganic/Organic Balance)値を有する油剤との組み合わせを含有する固形粉末化粧料が開示されている。
特許文献4には、球状ポリメタクリル酸アルキルエステル粉末と揮発性シリコーン油とを含有する肌の凹凸隠し用油性化粧料が開示されている。
一般に、球状粉体は、肌への接触面積が小さいため、肌に密着し難く、流動し易いという性質を有する。そのため、球状粉体を単に化粧料に配合するだけでは、化粧崩れが生じ易く、毛穴、シワ等を目立ち難くする効果をより得るために、球状粉体の配合量を多くすると、化粧崩れがより生じ易くなる。球状粉体を多く配合する場合には、乳化型ファンデーションや油性ファンデーションといった剤形にすることが多く、球状粉体を配合し、肌への密着性及び化粧持続性に優れた粉末化粧料を実現することは難しい。
即ち、本発明の目的は、毛穴、シワ等の肌表面の凹凸を補正することができ、肌への密着性及び化粧持続性に優れた粉末化粧料を提供することである。
<1> 100℃における動粘度が200mm2/s以上1000mm2/s以下である水添ポリイソブテン(A)と、平均粒子径が0.1μm以上150μm以下であり、かつ、屈折率が1.4以上1.8以下である球状粉体(B)と、セスキイソステアリン酸ソルビタン(C)と、重量平均分子量が2000未満であり、かつ、ポリエチレングリコール構造を有する、25℃で液体の化合物(D)と、を含む粉末化粧料。
<2> 25℃で液体の化合物(D)が、重量平均分子量が2000未満であり、かつ、平均重合度が2以上20以下のポリエチレングリコール構造を有する<1>に記載の粉末化粧料。
<3> セスキイソステアリン酸ソルビタン(C)の含有量が、粉末化粧料の全質量に対して0.01質量%以上5質量%以下である<1>又は<2>に記載の粉末化粧料。
<5> 更に、油剤を含み、水添ポリイソブテン(A)、セスキイソステアリン酸ソルビタン(C)、25℃で液体の化合物(D)、及び油剤の総含有量が、粉末化粧料の全質量に対して6質量%以上12質量%以下である<1>〜<4>のいずれか1つに記載の粉末化粧料。
<6> 25℃で液体の化合物(D)が、PEG−6、PEG−12、メチルグルセス−10、及びメチルグルセス−20から選ばれる少なくとも1種である<1>〜<5>のいずれか1つに記載の粉末化粧料。
本明細書において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本発明の粉末化粧料は、100℃における動粘度が200mm2/s以上1000mm2/s以下である水添ポリイソブテン(A)(以下、単に「水添ポリイソブテン(A)」ともいう。)と、平均粒子径が0.1μm以上150μm以下であり、かつ、屈折率が1.4以上1.8以下である球状粉体(B)(以下、単に「球状粉体(B)」ともいう。)と、セスキイソステアリン酸ソルビタン(C)と、重量平均分子量が2000未満であり、かつ、ポリエチレングリコール構造を有する、25℃で液体の化合物(D)(以下、単に「25℃で液体の化合物(D)」ともいう。)と、を含む粉末化粧料である。
本発明の粉末化粧料は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、水添ポリイソブテン(A)、球状粉体(B)、セスキイソステアリン酸ソルビタン(C)、及び25℃で液体の化合物(D)以外の他の成分を含んでもよい。
本発明の粉末化粧料では、平均粒子径が0.1μm以上150μm以下であり、かつ、屈折率が1.4以上1.8以下である球状粉体(B)を、100℃における動粘度が200mm2/s以上1000mm2/s以下である水添ポリイソブテン(A)、セスキイソステアリン酸ソルビタン(C)、及び重量平均分子量が2000未満であり、かつ、ポリエチレングリコール構造を有する、25℃で液体の化合物(D)とともに含むことで、毛穴、シワ等の肌表面の凹凸を補正することができ、肌への密着性及び化粧持続性に優れた粉末化粧料となる。
本発明の粉末化粧料が、このような効果を奏し得る理由については、明らかではないが、本発明者らは、以下のように推測している。
また、本発明の粉末化粧料においては、球状粉体(B)と、100℃における動粘度が200mm2/s以上1000mm2/s以下である水添ポリイソブテン(A)と、セスキイソステアリン酸ソルビタン(C)と、重量平均分子量が2000未満であり、かつ、ポリエチレングリコール構造を有する、25℃で液体の化合物(D)とを組み合わせて含むことで、球状粉体(B)が、水添ポリイソブテン(A)、セスキイソステアリン酸ソルビタン(C)、及び25℃で液体の化合物(D)によって良好に被覆される結果、肌への密着性及び化粧持続性に優れた粉末化粧料となると考えられる。
本発明の粉末化粧料では、上述のとおり、球状粉体(B)と、水添ポリイソブテン(A)と、セスキイソステアリン酸ソルビタン(C)と、25℃で液体の化合物(D)とを組み合わせて含むことで、球状粉体(B)が、水添ポリイソブテン(A)、セスキイソステアリン酸ソルビタン(C)、及び25℃で液体の化合物(D)によって良好に被覆されるため、粉末同士の密着性も向上し、成形性に優れると考えられる。
本発明の粉末化粧料は、100℃における動粘度が200mm2/s以上1000mm2/s以下である水添ポリイソブテン(A)を含む。
水添ポリイソブテンの100℃における動粘度が200mm2/s以上であると、粘度が低すぎず、肌への密着性及び化粧持続性に優れる粉末化粧料となる。
水添ポリイソブテンの100℃における動粘度が1000mm2/s以下であると、粘度が高すぎず、粉末化粧料中で水添ポリイソブテンが良好に分散するため、肌に塗った際にムラが生じ難く、肌への密着性及び化粧持続性に優れる粉末化粧料となる。また、固形状に成形する場合に、成形性に優れる粉末化粧料となる。
また、水添ポリイソブテンの100℃における動粘度は、好ましくは1000mm2/s以下であり、より好ましくは900mm2/s以下である。
水添ポリイソブテン(A)の市販品の例としては、日油(株)製のパールリーム18(動粘度(98.9℃):300mm2/s)及びパールリーム24(動粘度(98.9℃):800mm2/s)が挙げられる。
セスキイソステアリン酸ソルビタン(C)については後述するので、ここでは詳細な説明を省略する。
本発明の粉末化粧料は、平均粒子径が0.1μm以上150μm以下であり、かつ、屈折率が1.4以上1.8以下である球状粉体(B)を含む。
本発明の粉末化粧料は、球状粉体(B)を含むことで、毛穴、シワ等の肌表面の凹凸を補正することができる。
ここで、球状粉体とは、正反射及び/又は乱反射を抑制する性質を有するものであり、形状が、真球状、略球状、及び回転楕円体状の粉体を含み、更に表面に凹凸を有する球状の粉体も含む。
球状粉体の平均粒子径は、好ましくは0.5μm以上であり、より好ましくは0.7μm以上である。
また、球状粉体の平均粒子径は、好ましくは100μm以下であり、より好ましくは50μm以下である。
なお、後述のとおり、球状粉体(B)としては、市販品を用いることができる。球状粉体(B)が市販品の場合には、平均粒子径は、市販品のカタログデータを優先して採用する。
球状粉体の屈折率が1.8以下であると、透明感のある塗布膜が得られ、自然な仕上がりが期待できる粉末化粧料となる。
球状粉体の屈折率は、好ましくは1.7以下であり、より好ましくは1.6以下である。
なお、後述のとおり、球状粉体(B)としては、市販品を用いることができる。球状粉体(B)が市販品の場合には、屈折率は、市販品のカタログデータを優先して採用する。
球状粉体としては、具体的には、架橋型シリコーン/網状型シリコーン共重合体、ポリスチレン、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、ポリアミド、ポリメチルシルセスキオキサン、シリコーンエラストマー、ポリウレタン、ポリエチレン、結晶セルロース、無水ケイ酸、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素等を含んでなる球状粉体、これらの球状粉体に対して、フッ素化合物、油脂(シリコーン系油剤を含む)、金属石鹸、ロウ、界面活性剤、炭化水素等を用いる公知の方法により、表面処理を施した球状粉体などが挙げられる。
市販品の例としては、KSP−100、KSP−101、KSP−102、KSP−105(以上、信越化学工業(株)製、ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサンクロスポリマー、商品名)、KSP−300(信越化学工業(株)製、ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサンクロスポリマー、商品名)、KSP−411(信越化学工業(株)製、ポリシリコーン−1クロスポリマー、商品名)、ガンツパール(登録商標) GM−2800(ガンツ化成(株)製、商品名)マツモトマイクロスフェアー(登録商標) M−305、M−306、M−600(以上、松本油脂製薬(株)製、メタクリル酸メチルクロスポリマー、商品名)、M−100 M−101(以上、松本油脂製薬(株)製、ポリメタクリル酸メチル、商品名)、GMP−0800(ガンツ化成(株)製、メタクリル酸メチルクロスポリマー、商品名)、GMP−0820(ガンツ化成(株)製、アクリレーツクロスポリマー、商品名)、GBM−55COS、GPM−0830(以上、ガンツ化成(株)製、アクリレーツコポリマー、商品名)、ガンツパール(登録商標) GPA−550(ガンツ化成(株)製、商品名)、オルガソール(登録商標) 2002D、2002EXD(以上、ARKEMA社製、商品名)、ナイロン微粒子(東レ(株)製、ナイロン12、グレード:SP−500、商品名)等が挙げられる。
本発明の粉末化粧料は、セスキイソステアリン酸ソルビタン(C)を含む。
本発明の粉末化粧料は、セスキイソステアリン酸ソルビタンを含むことで、肌への密着性及び化粧持続性に優れる粉末化粧料となる。また、セスキイソステアリン酸ソルビタンは、粉末化粧料中での分散性に優れるため、粉末化粧料を固形状に成形した場合に、表面に色ムラや凹凸が生じ難く、良好な外観の固形粉末化粧料を得ることができる。
本発明の粉末化粧料は、重量平均分子量が2000未満であり、かつ、ポリエチレングリコール(PEG)構造を有する、25℃で液体の化合物(D)を含む。
25℃で液体の化合物(D)の重量平均分子量は、好ましくは100以上であり、より好ましくは200以上であり、更に好ましくは250以上である。
また、25℃で液体の化合物(D)の重量平均分子量は、好ましくは1500以下であり、より好ましくは1200以下であり、更に好ましくは1000以下である。
25℃で液体の化合物(D)としては、具体的には、PEG−4(Mw=194、平均重合度:4)、PEG−6(Mw=282、平均重合度:6)、PEG−8(Mw=370、平均重合度:8)、PEG−12(Mw=546、平均重合度:12)等が挙げられる。また、25℃で液体の化合物(D)としては、メチルグルコースにPEGが付加した構造を有するメチルグルセス−10(平均重合度:10)、メチルグルセス−20(平均重合度:20)等も挙げられる。
25℃で液体の化合物(D)の市販品の例としては、PEG−300(Mw=282、平均重合度:6、三洋化成工業(株)製、商品名)、ブラウノンPEG−300(青木油脂工業(株)製、商品名)、ポリグリコール 1300(クラリアントジャパン(株)製、商品名)、トーホーポリエチレングリコール 300(東邦化学工業(株)製、商品名)、PEG#300(日油(株)製、商品名)、PEG#300K(ライオン(株)製、商品名)、PEG−600(Mw=546、平均重合度:12、三洋化成工業(株)製、商品名)、マクビオブライド(登録商標) MG−10E(Mw=634、平均重合度:10、グルコースにPEGが付加した構造を有するメチルグルセス−10、日油(株)製、商品名)、マクビオブライド(登録商標) MG−20E(Mw=1074、平均重合度:20、グルコースにPEGが付加した構造を有するメチルグルセス−20、日油(株)製、商品名)等が挙げられる。
本発明の粉末化粧料は、水添ポリイソブテン(A)、球状粉体(B)、セスキイソステアリン酸ソルビタン(C)、及び25℃で液体の化合物(D)以外に、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、他の成分を含んでもよい。
他の成分としては、例えば、油剤、顔料、及びその他の添加剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
以下、本発明の粉末化粧料において、好適に含有される他の成分について説明する。
本発明の粉末化粧料は、更に、油剤を含むことが好ましい。
油剤としては、具体的には、流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワラン、ミツロウ、カルナウバロウ、オリーブ油、ラノリン、高級アルコール、脂肪酸、高級脂肪酸、エステル油(例えば、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール)、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、キャンデリラロウ、ジグリセライド、トリグリセライド、シリコーン油(例えば、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン)、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタン、ホホバ油、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール等の化粧料に汎用される油分が挙げられる。
既述の油分に対して相溶性を示し、25℃で液体の紫外線吸収剤としては、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、オクトクリレン等の化粧料に汎用される紫外線吸収剤が挙げられる。
本発明の粉末化粧料が油剤を含む場合、油剤の含有量は、粉末化粧料の成形性、使用性(例えば、塗布性)、及び肌への密着性の観点から、粉末化粧料の全質量に対して、好ましくは3質量%以上10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以上8質量%以下である。
本発明の粉末化粧料中における水添ポリイソブテン(A)、セスキイソステアリン酸ソルビタン(C)、25℃で液体の化合物(D)、及び油剤の総含有量が、上記範囲内であると、粉末化粧料の使用性(例えば、塗布の均一性)、肌への密着性、及び化粧持続性をより向上し得る。
本発明の粉末化粧料は、体質顔料、色材顔料、パール顔料等の顔料を含有することが好ましい。
本発明の粉末化粧料は、更に、体質顔料を含有してもよい。「体質顔料」とは、色相の調整に実質的に寄与しない顔料を意味する。
本発明の粉末化粧料が体質顔料を含む場合、体質顔料の含有量は、粉末化粧料の全質量に対して、好ましくは20質量%以上70質量%以下であり、より好ましくは30質量%以上60質量%以下である。
本発明の粉末化粧料が体質顔料を含む場合、体質顔料を、1種単独で又は2種以上組み合わせて含んでもよい。
本発明の粉末化粧料は、更に、色材顔料を含んでもよい。「色材顔料」とは、色相の調整に寄与し、かつ、パール顔料以外の顔料を意味する。
酸化鉄としては、赤色酸化鉄、黒色酸化鉄、及び黄色酸化鉄から選ばれる少なくとも1種が好ましく、所望の肌の色に調整する観点から、本発明の粉末化粧料は、赤色酸化鉄、黒色酸化鉄、及び黄色酸化鉄を含むことが好ましい。
色材顔料の平均粒子径としては、例えば、酸化鉄では、数十nm以上数百nm以下が好ましく、顔料級酸化チタン以外の白色顔料では、十数nm以上数十nm以下が好ましく、顔料級酸化チタンでは、百nm以上数百nm以下が好ましい。
例えば、酸化鉄の市販品の例としては、OTS−2 RED R−516L(赤色酸化鉄、大東化成工業(株)製、商品名)、OTS−2 BLACK BL−100(黒色酸化鉄、大東化成工業(株)製、商品名)、及びOTS−2 YELLOW LLXLO(黄色酸化鉄、大東化成工業(株)製、商品名)が挙げられる。
例えば、顔料級ではない酸化チタンの市販品の例としては、SI06 TiO2 TTO−55(大東化成工業(株)製、平均粒子径:0.03μm〜0.05μm、商品名)が挙げられる。また、顔料級酸化チタンの市販品の例としては、SI06 TiO2 CR−50(大東化成工業(株)製、平均粒子径:0.25μm、商品名)等が挙げられる。
本発明の粉末化粧料が色材顔料を含む場合、色材顔料の含有量は、適切な彩度を得る観点から、粉末化粧料の全質量に対して、好ましくは1質量%以上20質量%以下であり、より好ましくは5質量%以上15質量%以下である。
本発明の粉末化粧料が色材顔料を含む場合、色材顔料を、1種単独で又は2種以上組み合わせて含んでもよい。
本発明の粉末化粧料は、更に、パール顔料を含んでもよい。「パール顔料」とは、色相の調整に寄与し、かつ、真珠光沢を有する顔料を意味する。
パール顔料としては、市販品を用いることもできる。市販品の例としては、ロナフレアバランス ゴールド(金色パール顔料、MERCK社製、商品名)、トランスプリズマーレッド(赤色パール顔料、MERCK社製、商品名)、ティミロン スーパーシルク MP−1005(銀色パール顔料、MERCK社製、商品名)、フラメンコシリーズ(BASF社製、商品名)等が挙げられる。
本発明の粉末化粧料がパール顔料を含む場合、パール顔料の含有量は、粉末化粧料の全質量に対して、好ましくは1質量%以上10質量%以下であり、より好ましくは2質量%以上8質量%以下である。
本発明の粉末化粧料がパール顔料を含む場合、パール顔料を、1種単独で又は2種以上組み合わせて含んでもよい。
本発明の粉末化粧料は、本発明の効果を損なわない範囲で、通常の化粧料に配合される成分を、その他の添加剤として、必要に応じて更に含んでもよい。その他の添加剤としては、界面活性剤、水溶性高分子、保湿剤、防腐剤、薬剤、紫外線吸収剤(既述の油剤に相当するものを除く。)、色素、無機塩又は有機酸塩、香料、キレート剤、pH調整剤、水等が挙げられる。
薬剤としては、ビタミン類、生薬、消炎剤、抗酸化剤、殺菌剤、制菌剤等の化粧料に汎用される薬剤が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤等の化粧料に汎用される紫外線吸収剤のうち、既述の油剤に相当する紫外線吸収剤以外のものが挙げられる。
本発明の粉末化粧料の用途は、特に限定されない。
本発明の粉末化粧料は、そのまま粉末状の化粧料として使用してもよく、粉末化粧料を固形状に成形し、固形粉末化粧料として使用してもよい。
本発明の粉末化粧料は、粉末同士の密着性が良く、成形性に優れるため、固形粉末化粧料に、好ましく適用することができる。
本発明の粉末化粧料は、具体的には、ファンデーション(例えば、ルースファンデーション及びプレストファンデーション、おしろい(例えば、ルースパウダー及びプレストパウダー)等として、好適に使用することができる。
本発明の粉末化粧料の製造方法は、特に限定されるものではなく、粉末化粧料の製造に適用し得る方法を、適宜選択することができる。
本発明の粉末化粧料は、例えば、粉末化粧料に含まれる各成分を、ヘンシェルミキサー等を用いて、混合物が示す色相が均一になるまで混合することにより製造することができる。
乾式成形法としては、例えば、粉末化粧料に含まれる各成分からなる混合物を、ハンマーミル等を用いて壊砕した後、プレス機で皿に打型する方法を適用することができる。
湿式成形法としては、例えば、粉末化粧料に含まれる各成分からなる混合物と溶剤とを混合し、得られたスラリーを容器に充填した後、溶剤を除去する方法を適用することができる。
<実施例1〜13、及び比較例1〜10>
下記の表1〜3に記載のA相(粉体相)及びB相(油相)の各成分を別個に秤量し、ヘンシェルミキサーにて混合粉砕し、混合物を得た。続いて、得られた混合物を、ハンマーミルを用いて壊砕した。その後、壊砕した混合物12gを、プレス機を用いて2.4t(2.4×103kg)の推力で角型の皿(大きさ:5.5cm×4.7cm)に打型することにより、固形状に成形された、実施例1〜13、及び比較例1〜9の各パウダーファンデーションを得た。
なお、比較例10のパウダーファンデーションは、固形状に成形することができなかったため、以下に示す成形性以外の評価を行った。
1.外観評価
(1)外観
実施例1〜7、及び比較例1〜8のパウダーファンデーションについて、成形表面を目視にて観察し、外観を評価した。
外観の評価は、パウダーファンデーションの成形表面が均一であるか否かを指標とした。パウダーファンデーションの成形表面が均一であるか否かは、シミや色の異なる部分の有無、及び表面の滑らかさ(例えば、異物の有無)の観点から判断した。
結果を表1に示す。
(1)密着性(摩擦試験による評価)
実施例1〜13、及び比較例1〜10のパウダーファンデーションを用い、密着性の評価を行った。
密着性は、以下に示す手順の摩擦試験の結果を指標とし、評価した。
ウレタン樹脂製の白色バイオシート(商品名:バイオスキンシート、品番:P001−001、ビューラックス(株)製)に対して、パウダーファンデーション10mgを5cm×3cmの面積で塗布した。バイオシート上のパウダーファンデーションの塗布部について、分光光度計Spectrolino(製品名:Gretag Macbeth社製)を用いて、波長380nm〜730nmまでの分光反射率を測定し、L*a*b*表色系(CIE 1976年度)の定義に従って、光源がC光源であると仮定したときの反射光のL*a*b*を求めた。
摩擦試験前後の色差ΔEは、数値が小さいほど密着性に優れることを示す。
なお、実用上許容できるものは、摩擦試験前後の色差ΔEが10以下のものである。
実施例1〜13、及び比較例1〜9のパウダーファンデーションを用い、成形性の評価を行った。
成形性は、以下に示す手順の落下試験の結果を指標とし、評価した。
パウダーファンデーションを、皿底面と地面とを対向させ、プレス面を地面に対して水平にして、30cmの高さから落下させた。この落下を繰り返し行い、角穴径が5mmの篩を通り、角穴径が2mmの篩を通らないような大きさの欠け(割れ)が生じるまでの落下回数を測定した。落下試験は、1つのパウダーファンデーションにつき5回行い、5回の落下試験における落下回数の平均値を算出した。なお、落下回数の平均値は、小数点以下を四捨五入し、算出した。結果を表1〜3に示す。
上記の落下回数が多いほど、粉末同士の密着性が良く、成形性に優れることを示す。
なお、実用上許容できるものは、上記の落下回数が20以上のものである。
(1)使用性(塗布の均一性)
実施例1〜13、及び比較例1〜10のパウダーファンデーションを用い、以下に示す手順により、使用性の評価を行った。
使用性は、均一に塗れてムラになり難い(即ち、塗布の均一性が高い)か否かを指標とし、評価した。
化粧料評価の専門の女性パネラー10名の顔に、スポンジパフを用いて、パウダーファンデーションを塗布した。塗布後、パネラーは、顔の左右対称に光が照射される状態でいすに座り、パウダーファンデーションの塗布状態を目視にて観察した。
そして、パネラーは、パウダーファンデーションの塗布の均一性が、非常に高いと感じた場合には「5」、やや高いと感じた場合には「4」、普通と感じた場合には「3」、やや低いと感じた場合には「2」、低いと感じた場合には「1」と採点した。
パネラー10名の採点値を合計し、得られた合計値に基づき、下記の評価基準に従い、使用性を評価した。結果を表1〜3に示す。
なお、実用上許容できるものは、[S]及び[A]に分類されるものである。
S:合計値が40点以上50点以下である。
A:合計値が30点以上39点以下である。
B:合計値が20点以上29点以下である。
C:合計値が10点以上19点以下である。
実施例1〜13、及び比較例1〜10のパウダーファンデーションを用い、以下に示す手順により、毛穴及びシワの補正効果の評価を行った。
毛穴及びシワの補正効果は、毛穴及びシワの隠蔽の程度を指標とし、評価した。
化粧料評価の専門の女性パネラー10名の顔に、スポンジパフを用いて、パウダーファンデーションを塗布した。塗布後、パネラーは、顔の左右対称に光が照射される状態でいすに座り、毛穴及びシワの隠蔽の程度を目視にて観察した。
そして、パネラーは、毛穴及びシワの隠蔽効果が、非常に高いと感じた場合には「5」、やや高いと感じた場合には「4」、普通と感じた場合には「3」、やや低いと感じた場合には「2」、低いと感じた場合には「1」と採点した。
パネラー10名の採点値を合計し、得られた合計値に基づき、下記の評価基準に従い、毛穴及びシワの補正効果を評価した。結果を表1〜3に示す。
なお、実用上許容できるものは、[S]及び[A]に分類されるものである。
S:合計値が40点以上50点以下である。
A:合計値が30点以上39点以下である。
B:合計値が20点以上29点以下である。
C:合計値が10点以上19点以下である。
実施例1〜13、及び比較例1〜10のパウダーファンデーションを用い、以下に示す手順により、化粧持続性を評価した。
化粧持続性は、化粧崩れし難い(即ち、密着性が持続している)か否かを指標とし、評価した。
化粧料評価の専門の女性パネラー10名の顔に、スポンジパフを用いて、パウダーファンデーションを塗布した。塗布後、パネラーは、顔の左右対称に光が照射される状態でいすに座り、パウダーファンデーションの塗布状態を目視にて観察した。観察後、パネラーは、温度23℃、相対湿度50%の恒温恒湿室内にて過ごし、パウダーファンデーションの塗布から6時間後に、顔の左右対称に光が照射される状態でいすに座り、化粧崩れの様子を目視にて観察した。
そして、パネラーは、密着性の持続効果が、非常に高いと感じた場合には「5」、やや高いと感じた場合には「4」、普通と感じた場合には「3」、やや低いと感じた場合には「2」、低いと感じた場合には「1」と採点した。
パネラー10名の採点値を合計し、得られた合計値に基づき、下記の評価基準に従い、化粧持続性を評価した。結果を表1〜3に示す。
なお、実用上許容できるものは、[S]及び[A]に分類されるものである。
S:合計値が40点以上50点以下である。
A:合計値が30点以上39点以下である。
B:合計値が20点以上29点以下である。
C:合計値が10点以上19点以下である。
また、表3中の「プレス不可」とは、プレス機を用いた成形ができなかったことを意味する。
※1:マツモトマイクロスフェアー M−101(松本油脂製薬(株)製、商品名)
※2:KSP−101(信越化学工業(株)製、商品名)
※3:OTS−2 SERICITE FSE(形状:板状、大東化成工業(株)製、商品名)
※4:OTS−2 TALK JA−46R(形状:板状、大東化成工業(株)製、商品名)
※5:OTS−2 MICA Y−2300(大東化成工業(株)製、商品名)
※6:OTS−2 YELLOW LLXLO(大東化成工業(株)製、商品名)
※7:OTS−2 BLACK BL−100(大東化成工業(株)製、商品名)
※8:OTS−2 RED R−516L(大東化成工業(株)製、商品名)
※9:SI06 TiO2 TTO−55(B)(紫外線防止剤、平均粒子径:0.03μm〜0.05μm、大東化成工業(株)製、商品名)
※10:SI06 TiO2 CR−50(平均粒子径:0.25μm、大東化成工業(株)製、商品名)
※11:ロナフレアバランス ゴールド(酸化チタン被覆雲母(雲母チタン)を含む赤色パール剤、MERCK社製、商品名)
※12:NIKKOL(登録商標) SI−15RV(日光ケミカルズ(株)製、商品名)
※13:NIKKOL(登録商標) SS−10MV(日光ケミカルズ(株)製、商品名)
※14:ユビナール MC80N(紫外線吸収剤、BASFジャパン社製、商品名)
※15:KAK NDO(高級アルコール工業社製、商品名)
※16:パールリーム18(動粘度(98.9℃):300mm2/s、日油(株)製、商品名)
※17:パールリーム24(動粘度(98.9℃):800mm2/s、日油(株)製、商品名)
※18:パールリーム6(動粘度(98.9℃):3.6mm2/s、日油(株)製、商品名)
※19:パールリームEX(動粘度(98.9℃):2.5mm2/s、日油(株)製、商品名)
※20:パールリーム46(動粘度(98.9℃):4700mm2/s、日油(株)製、商品名)
※21:KF−56A(シリコーン油、信越化学工業(株)製、商品名)
※22:PEG−300(Mw=282、平均重合度:6、三洋化成工業(株)製、商品名)
※23:マクビオブライド(登録商標) MG−20E(Mw=1074、平均重合度:20、メチルグルコースにPEGが付加した構造を有するメチルグルセス−20、日油(株)製、商品名)
※24:PEG−600(Mw=546、平均重合度:12、三洋化成工業(株)製、商品名)
※25:FIXATE(登録商標) G−100 POLYMER(ルーブリゾール・アドバンスト・マテリアルズ社製、商品名)
※26:マツモトマイクロスフェアー M−305(松本油脂製薬(株)製、商品名)
※27:マクビオブライド(登録商標) MG−10E(Mw=634、平均重合度:10、メチルグルコースにPEGが付加した構造を有するメチルグルセス−10、日油(株)製、商品名)
これに対して、比較例1〜9のパウダーファンデーション及び比較例10のルースファンデーションは、毛穴及びシワの補正効果、密着性、並びに化粧持続性の少なくとも1つの評価において、劣る結果を示した。
さらに、実施例1〜13のパウダーファンデーションは、いずれも成形性に優れており、水添ポリイソブテン(A)、球状粉体(B)、セスキイソステアリン酸ソルビタン(C)、及び25℃で液体の化合物(D)を含む粉末化粧料は、粉末同士の密着性に優れることが推測される。
球状粉体(B)を含まない比較例9のパウダーファンデーションは、球状粉体(B)を含むパウダーファンデーション(例えば、実施例10及び実施例11)と比較して、毛穴及びシワの補正効果の評価において、劣る結果を示した。
セスキイソステアリン酸ソルビタン(C)の代わりに、セスキイソステアリン酸ソルビタン(C)以外のソルビタン脂肪酸エステルであるステアリン酸ソルビタンを含む比較例7のパウダーファンデーションも、毛穴及びシワの補正効果、密着性、並びに化粧持続性の全ての評価において、劣る結果を示した。
25℃で液体の化合物(D)の代わりに、重量平均分子量が2000未満であり、かつ、ポリエチレングリコール構造を有しない、25℃で液体の化合物を含む比較例8のパウダーファンデーションも、毛穴及びシワの補正効果、密着性、並びに化粧持続性の評価において、劣る結果を示した。
Claims (6)
- 100℃における動粘度が200mm2/s以上1000mm2/s以下である水添ポリイソブテン(A)と、平均粒子径が0.1μm以上150μm以下であり、かつ、屈折率が1.4以上1.8以下である球状粉体(B)と、セスキイソステアリン酸ソルビタン(C)と、重量平均分子量が2000未満であり、かつ、ポリエチレングリコール構造を有する、25℃で液体の化合物(D)と、を含む粉末化粧料。
- 25℃で液体の化合物(D)が、重量平均分子量が2000未満であり、かつ、平均重合度が2以上20以下のポリエチレングリコール構造を有する請求項1に記載の粉末化粧料。
- セスキイソステアリン酸ソルビタン(C)の含有量が、粉末化粧料の全質量に対して0.01質量%以上5質量%以下である請求項1又は請求項2に記載の粉末化粧料。
- 球状粉体(B)が、メタクリル酸メチルクロスポリマー、ポリメタクリル酸メチル、ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサンクロスポリマー、ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサンクロスポリマー、及びポリシリコーン−1クロスポリマーから選ばれる少なくとも1種である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の粉末化粧料。
- 更に、油剤を含み、水添ポリイソブテン(A)、セスキイソステアリン酸ソルビタン(C)、25℃で液体の化合物(D)、及び油剤の総含有量が、粉末化粧料の全質量に対して6質量%以上12質量%以下である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の粉末化粧料。
- 25℃で液体の化合物(D)が、PEG−6、PEG−12、メチルグルセス−10、及びメチルグルセス−20から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の粉末化粧料。
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