JP2016210287A - 車両の樹脂ウィンドウ - Google Patents

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唯常 石本
Yuijo Ishimoto
唯常 石本
基裕 小嶋
Motohiro Kojima
基裕 小嶋
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Abstract

【課題】乗員の視界を良好に確保できつつ、窓として必要な耐久性を備えた車両の樹脂ウィンドウを提供すること。【解決手段】透明または半透明な硬質の樹脂製の基材10から成る車両の樹脂ウィンドウ1の意匠面側には、可視光の波長以下の微細な凹凸構造を有する硬質性の膜体20が形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、車両の樹脂ウィンドウに関し、詳しくは、透明または半透明な硬質の樹脂製の基材から成る車両の樹脂ウィンドウに関する。
従来、自動車の窓の一部(例えば、リアガラス、サンルーフのガラス等)には、透明または半透明な硬質の樹脂製の基材から成る樹脂ウィンドウが使用されている。ここで、下記特許文献1には、意匠面側に反射防止のコーティングが施された樹脂ウィンドウが開示されている。これにより、乗員の視界を良好に確保できる。
特開2010−224315号公報
しかしながら、上述した特許文献1の技術では、コーティングの層に自動車の窓として必要な耐久性(主に耐傷性)を備えていなかった。
本発明は、このような課題を解決しようとするもので、その目的は、乗員の視界を良好に確保できつつ、窓として必要な耐久性を備えた車両の樹脂ウィンドウを提供することである。
本発明は、上記の目的を達成するためのものであって、以下のように構成されている。
請求項1に記載の発明は、透明または半透明な硬質の樹脂製の基材から成る車両の樹脂ウィンドウであって、その意匠面側には、可視光の波長以下の微細な凹凸構造を有する硬質性の膜体が形成されている。
請求項1の発明によれば、従来技術と同様に、乗員の視界を良好に確保できる。また、膜体が硬質性を有するものであるため、従来技術とは異なり、窓として必要な耐久性を備えることができる。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両の樹脂ウィンドウであって、凹凸構造は、基材の意匠面側に形成されており、膜体は、凹凸構造の表面に沿って形成されている。
請求項2の発明によれば、例えば、凹凸構造を膜体で形成する場合と比較すると、凹凸を簡便に形成できる。したがって、樹脂ウィンドウの製造工程を簡便化できる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の車両の樹脂ウィンドウであって、凹凸構造は、膜体の意匠面側に形成されている。
請求項3の発明によれば、例えば、凹凸構造を基材によって形成する場合と比較すると、基材を成形する金型のキャビィテー面の構成を簡素化できる。
実施例1に係る樹脂ウィンドウの縦断面の模式図である。 実施例2に係る樹脂ウィンドウの縦断面の模式図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図面を用いて説明する。
(実施例1)
まず、図1を参照して、本発明の実施例1を説明する。この実施例1の樹脂ウィンドウ1は、主として、樹脂製の基材10から構成されている。この基材10は、透明または半透明な硬質の樹脂から構成されている。この基材10として、例えば、PC、アクリル、PCとアクリルのアロイ(混ぜたもの)、PET、塩ビ等が考えられる。
図1からも明らかなように、この基材10の意匠面側は、可視光の波長以下の微細な凹凸構造(ナノレベルの凹凸構造)となっている。この凹凸構造の凹凸のピッチは、例えば、300nmである。また、この凹凸構造の凹凸の深さは、例えば、300nmである。このように凹凸構造にすることにより、空気〜基材10の間で発生する屈折率の変化を徐々に変化させることができる。したがって、屈折率が大きく変化する境界面がなくなるため、反射が起こり難くなる。なお、この基材10は、自動車の窓の一部(例えば、リアガラス、サンルーフのガラス等)であり、例えば、3次元の曲面を成すように形成されている。
この基材10の意匠面側には、凹凸構造の表面に沿って硬質性の膜体20が形成されている。すなわち、この基材10の意匠面側は、凹凸構造の表面に沿って硬質性の膜体20が成膜されている。この硬質性の膜体20として、例えば、SiO2薄膜、薄い金属膜、薄いアルミ膜等が考えられる。この膜体20の厚みは、例えば、3nmである。なお、この膜体20の成膜方法として、例えば、真空蒸着、スパッタリング、CVD、PVD等が考えられる。樹脂ウィンドウ1は、このように構成されている。
本発明の実施例1に係る樹脂ウィンドウ1は、上述したように構成されている。この構成によれば、基材10の意匠面側には、硬質性の膜体20が形成されている。そのため、従来技術と同様に、乗員の視界を良好に確保できる。また、膜体20が硬質性を有するものであるため、従来技術とは異なり、窓として必要な耐久性を備えることができる。
また、この構成によれば、凹凸構造は、基材10によって形成されている。そのため、後述する実施例2の説明のように、凹凸を膜体20で形成する場合と比較すると、凹凸を簡便に形成できる。したがって、樹脂ウィンドウ1の製造工程を簡便化できる。
また、この構成によれば、基材10は、3次元の曲面を成すように形成されている。そのため、樹脂ウィンドウ1の使用の用途を広めることができる。
(実施例2)
次に、図2を参照して、本発明の実施例2を説明する。この実施例2の樹脂ウィンドウ101は、既に説明した樹脂ウィンドウ1と比較すると、その製造の工程が異なる形態のものである。なお、以下の説明にあたって、実施例1で説明した部材と同一または均等な部材には、図面において、同一符号を付すことで重複する説明は省略することとする。
図2からも明らかなように、この実施例2の基材10の意匠面側は、フラット(凹凸構造となっていない)なものとなっている。そして、この基材10の意匠面側には、凹凸を成す硬質性の膜体20が成膜されている。その際、接着層として、プライマから成る接着体30が用いられている。樹脂ウィンドウ101は、このように構成されている。
本発明の実施例2に係る樹脂ウィンドウ1は、上述したように構成されている。この構成によれば、実施例1の樹脂ウィンドウ1と同様の作用効果を得ることができる。また、この構成によれば、凹凸は、膜体20によって形成されている。そのため、上述した実施例1の説明のように、凹凸を基材10によって形成する場合と比較すると、基材10を成形する金型のキャビィテー面の構成を簡素化できる。
上述した内容は、あくまでも本発明の一実施の形態に関するものであって、本発明が上記内容に限定されることを意味するものではない。
実施例1では、凹凸構造の凹凸のピッチは、例えば、300nmであり、凹凸構造の凹凸の深さは、例えば、300nmである形態を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、凹凸構造の凹凸のピッチは、1〜400nmであれば構わない。また、凹凸構造の凹凸の深さも、1〜400nmであれば構わない。
また、実施例1では、膜体20の厚みは、例えば、3nmである形態を説明した。
しかし、これに限定されるものでなく、膜体20の厚みは、例えば、1〜300nmであれば構わない。
1 樹脂ウィンドウ(実施例1)
10 基材
20 膜体
101 樹脂ウィンドウ(実施例2)

Claims (3)

  1. 透明または半透明な硬質の樹脂製の基材から成る車両の樹脂ウィンドウであって、
    その意匠面側には、可視光の波長以下の微細な凹凸構造を有する硬質性の膜体が形成されている車両の樹脂ウィンドウ。
  2. 請求項1に記載の車両の樹脂ウィンドウであって、
    凹凸構造は、基材の意匠面側に形成されており、
    膜体は、凹凸構造の表面に沿って形成されている車両の樹脂ウィンドウ。
  3. 請求項1に記載の車両の樹脂ウィンドウであって、
    凹凸構造は、膜体の意匠面側に形成されている車両の樹脂ウィンドウ。



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