JP2016209818A - 殺菌装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】設置が容易な殺菌装置を提供する。
【解決手段】装置10は、回転軸32を有するモータ30と、モータ30の外周に配置され、回転軸32の軸方向に延びる流路60と、回転軸32に取り付けられ、回転により流路60に軸方向の水流を発生させるインペラ40と、流路60を流れる水に紫外光を照射する発光素子50と、モータ30、流路60、インペラ40および発光素子50を内部に収容する筐体20と、を備える。発光素子50は、流路60に沿って複数設けられてもよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、殺菌装置に関し、特に、貯留水を殺菌する装置に関する。
浴槽やプール、ビルやマンションの屋上等に設置される貯水槽などでは長期間の使用によって水中や壁面に細菌が繁殖し、貯留水の衛生状態が悪化しうる。そのため、貯留水の衛生状態を保つために、薬剤による殺菌処理や紫外光の照射による殺菌処理がなされる。紫外光を利用して殺菌する装置として、浴槽の壁に設置して使用する装置(例えば、特許文献1参照)や、浴槽の水に浮かべて使用する装置(例えば、特許文献2参照)などがある。
特開2005−81227号公報 特開2014−108372号公報
殺菌装置を導入するために貯水槽に工事をする必要があると、その間、貯水槽が使用できず、貯水槽が設置されるビルやマンションの使用者の生活に支障をきたすとともに、貯水槽の改修のためにイニシャルコストが発生する。既存の貯水槽に対して工事等をせずに、短時間で容易に導入可能な殺菌装置が望まれている。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その例示的な目的のひとつは、設置が容易な殺菌装置を提供することにある。
本発明のある態様の殺菌装置は、回転軸を有するモータと、モータの外周に配置され、回転軸の軸方向に延びる流路と、回転軸に取り付けられ、回転により流路に軸方向の水流を発生させるインペラと、流路を流れる水に紫外光を照射する発光素子と、モータ、流路、インペラおよび発光素子を内部に収容する筐体と、を備える。
この態様によれば、貯水槽の中に設置することで貯留水を取り込んで紫外光を照射して殺菌する殺菌装置を提供できる。また、軸方向に延びるモータの外周に流路を設ける構成とすることで、装置全体を小型化することができる。また、筐体の内部に必要な構成が収容されているため、簡単に殺菌装置を設置することができる。
流路は、筐体の内面と、モータを覆うスリーブの外面との間に形成されてもよい。
流路の壁面がポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で構成されてもよい。
発光素子は、流路に沿って複数設けられてもよい。
流路は、軸方向に離れた位置に入口と出口を有してもよい。発光素子は、軸方向に紫外光を発するように入口および出口の少なくとも一方に設けられてもよい。
筐体の外側に取り付けられる紐状部材をさらに備えてもよい。
発光素子およびモータに外部から電力を供給する電源線をさらに備えてもよい。電源線は、紐状部材に固定されていてもよい。
紐状部材の一部を筐体から離れた位置に係止するためのフックをさらに備えてもよい。
本発明の殺菌装置によれば、装置を容易に設置することができる。
実施の形態に係る殺菌装置の構成を概略的に示す断面図である。 殺菌装置の構成を概略的に示す断面図である。 貯水槽に設置した殺菌装置を概略的に示す図である。 変形例に係る殺菌装置の構成を概略的に示す断面図である。 変形例に係る殺菌装置の構成を概略的に示す断面図である。 変形例に係る殺菌装置の構成を概略的に示す断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
図1は、実施の形態に係る殺菌装置10の構成を概略的に示す図である。図2は、殺菌装置10の構成を概略的に示す断面図であり、図1のA−A線断面およびB−B線断面を示す。殺菌装置10は、モータ30によりインペラ40を回転させ、軸方向に流れる水流X2を流路60内に発生させるとともに、流路60に流れる水に発光素子50から紫外光を照射して水を殺菌する。
本明細書において、モータ30の回転軸32が延びる方向を軸方向ということがある。また、軸方向に直交する方向を径方向といい、軸方向を包囲する方向を周方向ということがある。なお、これらの方向に関する表現は、回転軸32を基準として殺菌装置10が回転対称に形成されることを必ずしも意味するものではない。
殺菌装置10は、筐体20と、モータ30と、インペラ40と、発光素子50と、流路60を備える。
筐体20は、モータ30、インペラ40、発光素子50および流路60を内部に収容する。筐体20は、アルミニウムやステンレスなどの金属材料や樹脂材料などで形成される。筐体20のうち流路60の壁面を構成する箇所は、紫外光の反射率が高く、紫外光による劣化の小さい材料で構成されることが望ましい。このような材料として、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素系樹脂が挙げられる。
筐体20は、側面部22と、上面部23と、下面部24と、脚部25を有する。側面部22は、軸方向に延びる筒状の部材であり、例えば、図2に示すような円筒状の部材である。上面部23は、側面部22の一端を塞ぐように設けられ、下面部24および脚部25は、側面部22の他端を塞ぐように設けられる。下面部24には、筐体20の内部に水を取り込むための吸水口26が設けられ、上面部23には殺菌した水を吐き出すための排水口27が設けられる。吸水口26には、内部に取り込む水に含まれる異物や微生物などを除去するためのフィルタ28が設けられる。
脚部25は、殺菌装置10を貯水槽などに設置する際に、貯水槽の底壁と接する底面25aを有する。脚部25は、殺菌装置10の荷重を支持できるように側面部22、上面部23、下面部24よりも厚く形成される。脚部25の底面25aと下面部24の間に軸方向にずれた段差25bが設けられる。脚部25は、周方向の一部範囲にのみ設けられ、例えば、図2に示すように四箇所に設けられる。これにより、殺菌装置10を設置した際に、貯水槽の底壁と下面部24の間に隙間を設けて、吸水口26からの水の取り込みが可能となるようにする。
モータ30は、筐体20の中央部に配置され、回転軸32の軸方向が側面部22の長さ方向と沿うように配置される。モータ30の回転軸32は、筐体20に固定される軸受部34によって回転可能に支持されている。回転軸32と軸受部34の間には、オイルシール35と、メカニカルシール36が設けられる。モータ30の外周には軸受部34に固定されるスリーブ38が設けられる。軸受部34、オイルシール35、メカニカルシール36およびスリーブ38は、モータ30が設けられる空間39への浸水を防ぐように構成される。
軸受部34およびスリーブ38は、アルミニウムやステンレスなどの金属材料や樹脂材料などで成形される。スリーブ38は、流路60の壁面の一部を構成し、発光素子50に対向する位置に配置されるため、紫外光の反射率が高く、紫外光による劣化の小さい材料で構成されることが望ましい。よって、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素系樹脂でスリーブ38を形成することが好ましい。
流路60は、筐体20の内面と、軸受部34およびスリーブ38の外面との間に設けられる。筐体20の中央部にはモータ30および軸受部34が配置されているため、流路60は、筐体20の内部のうち側面部22に近い領域に設けられる。流路60は、側面部22に沿って軸方向に延びており、下面部24の近傍に入口62を有し、上面部23の近傍に出口64を有する。
発光素子50は、紫外光を発するLED(Light Emitting Diode)であり、その中心波長またはピーク波長が約200nm〜300nmの紫外領域に含まれるLEDである。発光素子50は、殺菌効率の高い波長である260nm付近の紫外光を発するものを用いることが好ましい。このような紫外光LEDとして、例えば、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)を用いたものが知られている。
発光素子50は、流路60に沿って複数設けられ、流路60を流れる水に紫外光を照射する。本実施の形態において、複数の発光素子50は、側面部22の内面に取り付けられ、軸方向に並んで配置される。発光素子50は、周方向の異なる複数の位置に設けられ、例えば図2に示すように、周方向に90度ずつずれた4箇所の位置に配置される。
発光素子50の前面には防水用のカバー52が設けられる。カバー52は、発光素子50が発する紫外光の透過率が高い材料で構成され、例えば、石英(SiO)やサファイア(Al)、非晶質のフッ素樹脂材料などで形成される。カバー52は、発光素子50の位置に部分的に設けられてもよいし、側面部22の内面の全体を覆うように設けられてもよい。
インペラ40は、モータ30の回転軸32の先端に取り付けられる。本実施の形態において、インペラ40は、吸水口26の近傍に設けられる。インペラ40は、回転により流路60を軸方向に流れる水流を発生させる。インペラ40の回転により、吸水口26から筐体20の中に向かう流れX1、流路60の入口62から出口64に向かう軸方向の流れX2、排水口27から筐体20の外に向かう流れX3が生じる。
図3は、貯水槽90に設置した殺菌装置10を概略的に示す図である。殺菌装置10は、貯水槽90の底壁92に脚部25が接するようにして貯水槽90の水中Wに設けられる。殺菌装置10は、チェーン70と、電源線72と、フック74をさらに備える。チェーン70は、筐体20の取付部29に接続される紐状部材である。チェーン70は、殺菌装置10を貯水槽90の内部に投入したり、貯水槽90の中から殺菌装置10を引き上げたりする際に用いることができる。
電源線72は、モータ30および発光素子50に外部から電力を供給するための電力線である。電源線72は、チェーン70に沿って並走するように設けられる。電源線72は、チェーン70に部分的に固定されていてもよいし、チェーン70と一体的に形成されてもよい。フック74は、チェーン70を一時的に係止して、殺菌装置10の使用中にチェーン70が貯水槽90の内部に落下することを防ぐ。このフック74は、例えば、筐体20から離れた位置となる貯水槽90のメンテナンス用の作業窓94などに設けられる。
以上の構成により、殺菌装置10は、モータ30の駆動によりインペラ40を回転させて筐体20の内部に水を取り込み、取り込んだ水に紫外光を照射して殺菌する。殺菌された水は筐体20の外へ吐き出される。殺菌装置10を継続的に動作させることにより、殺菌装置10が設置される貯水槽90の内部の水を殺菌装置10を通して循環させ、貯水槽90の内部の水全体を殺菌する。
本実施の形態によれば、モータ30を中央部に配置し、モータ30の外周を囲うように流路60を設ける構成としているため、装置を小型化することができる。また、流水に紫外光を照射するために必要な構成を筐体20の内部に収容しているため、設置や除去などの取り扱いを容易にすることができる。さらに、軸方向に延びる流路60に沿って複数の発光素子50を配置しているため、流路60のうち紫外光が照射される範囲を長くして、紫外光照射による殺菌能力を高めることができる。
また、本実施の形態によれば、筐体20やスリーブ38などの流路60の壁面を構成する部材として、紫外光の反射率の高いPTFE等の材料を用いることにより、発光素子50からの紫外光を壁面で反射させ、高強度の紫外光を流路60の水に照射できる。これにより、紫外光照射による殺菌能力を高めることができる。また、紫外光が照射されることによる劣化の小さいPTFE等の材料を用いることで、発光素子50からの紫外光による筐体20の劣化を防ぎ、殺菌装置10の耐久性を高めることができる。
また、本実施の形態によれば、筐体20にチェーン70などの紐状部材を取り付けることにより、殺菌装置10を貯水槽90に投入したり、貯水槽90から取り出したりする作業を容易にすることができる。これにより、貯水槽90のメンテナンスのために建物内の水道等が使用できなくなる時間を短くし、貯水槽90の使用者の利便性を高めることができる。また、貯水槽90を改修することなく殺菌装置10を設置できるため、殺菌装置10の導入にかかるイニシャルコストを低くすることができる。
また、本実施の形態によれば、外部から電力を供給するための電源線72を設けることで、殺菌装置10を連続して動作させることができる。また、チェーン70に沿って電源線72を配設することで、殺菌装置10の投入時や撤去時に電源線72が引っ張られて電源線72の接続部分等が損傷するのを防ぐことができる。
(変形例1)
図4は、変形例に係る殺菌装置10の構成を概略的に示す断面図であり、図1のB−B線断面に対応する。本変形例に係る殺菌装置10において、図1のA−A線断面は、図2に示す断面と同様である。本変形例では、軸方向の位置に応じて、発光素子50が設けられる周方向の位置が異なっている。具体的には、図1のA−A線断面の位置にある発光素子50の周方向の位置は、脚部25の位置に対応しているのに対し、B−B線断面の位置にある発光素子50の周方向の位置は、脚部25の位置から45度ずれている。このように発光素子50を配置することで、流路60の全体に効率的に紫外光を照射することができ、殺菌能力をより向上させることができる。
(変形例2)
図5は、変形例に係る殺菌装置10の構成を概略的に示す断面図であり、上述の図1に対応する断面を示す。本変形例は、モータ30およびインペラ40の配置が軸方向に反転している点で上述の実施の形態と異なる。つまり、排水口27の近くにインペラ40が設けられ、モータ30は、吸水口26の側に設けられる。インペラ40は、排水口27から水を吐き出す向きの水流を発生させる。発光素子50は、軸受部34に対向する位置に設けられる。本変形例においても、上述の実施の形態と同様の効果を得ることができる。さらなる変形例においては、発光素子50は、スリーブ38に対向する位置に設けられてもよい。
(変形例3)
図6は、変形例に係る殺菌装置10の構成を概略的に示す断面図であり、上述の図1に対応する断面を示す。本変形例は、側面部22の内面に発光素子50が設けられず、流路60の入口62に設けられる第1発光素子50aと、流路60の出口64に設けられる第2発光素子50bを備える点で上述の実施の形態と異なる。
第1発光素子50aは、脚部25の内面に取り付けられ、前面に第1カバー52aが設けられる。第1発光素子50aは、流路60の入口62から出口64に向かって軸方向に紫外光を発するように設けられる。第2発光素子50bは、上面部23の内面に取り付けられ、前面に第2カバー52bが設けられる。第2発光素子50bは、流路60の出口64から入口62に向かって軸方向に紫外光を発するように設けられる。
本変形例によれば、流路60が延びる軸方向に紫外光を発するように第1発光素子50aおよび第2発光素子50bを設けるため、上述の実施の形態と比べて少ない素子数で流路60の全体に紫外光を照射することができる。さらなる変形例においては、第1発光素子50aおよび第2発光素子50bの双方を設けずに、第1発光素子50aと第2発光素子50bのいずれか一方のみを設けてもよい。また、側面部22の内面に設けられる発光素子50と組み合わせて用いてもよい。
以上、本発明を実施例にもとづいて説明した。本発明は上記実施の形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。
上述の実施の形態においては、電源線72により外部から電力を供給する構成とした。さらなる変形例においては、筐体20の内部に電池を収容し、電池から供給される電力によりモータ30および発光素子50を駆動してもよい。
10…殺菌装置、20…筐体、30…モータ、32…回転軸、40…インペラ、50…発光素子、60…流路、62…入口、64…出口、72…電源線、74…フック。

Claims (8)

  1. 回転軸を有するモータと、
    前記モータの外周に配置され、前記回転軸の軸方向に延びる流路と、
    前記回転軸に取り付けられ、回転により前記流路に前記軸方向の水流を発生させるインペラと、
    前記流路を流れる水に紫外光を照射する発光素子と、
    前記モータ、前記流路、前記インペラおよび前記発光素子を内部に収容する筐体と、を備えることを特徴とする殺菌装置。
  2. 前記流路は、前記筐体の内面と、前記モータを覆うスリーブの外面との間に形成されることを特徴とする請求項1に記載の殺菌装置。
  3. 前記流路の壁面がポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の殺菌装置。
  4. 前記発光素子は、前記流路に沿って複数設けられることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の殺菌装置。
  5. 前記流路は、前記軸方向に離れた位置に入口と出口を有し、
    前記発光素子は、前記軸方向に紫外光を発するように前記入口および前記出口の少なくとも一方に設けられることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の殺菌装置。
  6. 前記筐体の外側に取り付けられる紐状部材をさらに備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の殺菌装置。
  7. 前記発光素子および前記モータに外部から電力を供給する電源線をさらに備え、
    前記電源線は、前記紐状部材に固定されていることを特徴とする請求項6に記載の殺菌装置。
  8. 前記紐状部材の一部を前記筐体から離れた位置に係止するためのフックをさらに備えることを特徴とする請求項6または7に記載の殺菌装置。
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