JP2016207760A - シールドスリーブ - Google Patents

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Abstract

【課題】後付が可能であって且つ形状保持性に優れるとともに、シールド特性に優れるシールドスリーブを提供すること。【解決手段】縦糸と横糸からなる布体からなり、上記縦糸が延在する方向を長さ方向として、該長さ方向に連続した開口部を有する筒形状のシールドスリーブにおいて、上記縦糸が、少なくとも導電性線材を有し、上記横糸が、熱可塑性樹脂のモノフィラメントからなる支持糸と、金属層を少なくとも連続して備える高分子材料の繊維からなる導電性糸とからなるシールドスリーブ。上記横糸において、上記支持糸の太さが上記導電性糸の繊維の太さよりも太く、上記支持糸と上記導電性糸が引き揃えられているシールドスリーブ。上記縦糸の少なくとも一部が、上記横糸の支持糸に食い込んでいるシールドスリーブ。【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、自動車、家電機器、重電機器等において、電線・ケーブルを格納するとともに、電線・ケーブルから外部へのノイズや外部から電線・ケーブルへのノイズを遮蔽するシールドスリーブに係り、特に、後付が可能であって且つ形状保持性に優れるとともに、シールド特性に優れるものに関する。
従来より、電線・ケーブルから発せられる電磁波によるノイズを外部機器に伝えないため、又は、外部機器から発せされる電磁波によって電線・ケーブルを伝わる信号にノイズが加わらないようにするため、いわゆるシールドスリーブが使用されている。この従来のシールドスリーブは、金属線を編組したチューブや導電性粉末を混合した樹脂やゴムのチューブといった筒形状のものである。電線・ケーブルは、この筒形状のシールドスリーブにおける両端面の何れかから挿入され、シールドスリーブ内に格納されることとなる。
しかしながら、このようなシールドスリーブは、予め電線・ケーブルやその束に被せておく必要があり、例えば、先に電線等にコネクタ等を接続した後では、シールドスリーブを後付けで配置させることができなかった。これに対して、筒形状でありながらも、長さ方向に連続した開口部を有するシールドスリーブが種々開発されている(例えば、特許文献1〜6参照。)。これら特許文献1〜6のようなシールドスリーブであれば、開口部から電線等をシールドスリーブ内部に挿入することができるため、例え電線等の両端にコネクタを接続したとしてもシールドスリーブを後付けで配置させることができる。また、電線束の内の一部の電線を分岐させた場合でも、開口部より導出させることができるため、不規則な形状の部品にも対応することができる。
また、本発明に関連する技術として、例えば、特許文献7が挙げられる。
特開昭61−275441公報:レイケム 特許第5466730号公報:星和電機 特許第5323816号公報:フェデラルモーグル 特許第5546061号公報:フェデラルモーグル 特許第5463137号公報:フェデラルモーグル 特許第5529277号公報:フェデラルモーグル 特開2014−122456公報:クラベ
上記のように特許文献1〜6は、長さ方向に連続した開口部を有しているため、形状が非常に崩れやすいものであった。これにより、具体的には、円筒形を保持できずに潰れて内部空間が小さくなり、電線等を格納することが困難となるという問題、開口部を開いた際に開きが戻らず、格納された電線等がはみ出てしまうという問題、布地の目が開いてしまい、外見が見苦しくなるだけでなく、シールド特性の低下や格納された電線のはみ出しが生じてしまうという問題、シールドスリーブ形状に凹凸が生じることにより、周辺の部材と干渉してしまうという問題が生じていた。それと同時に、自動車をはじめとした種々の機器においては、電子部品の多用化と精密化がますます進んでおり、それに使用される電線・ケーブルにも充分なシールド対策をする必要に迫られている。
本発明は、このような従来技術の欠点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、後付が可能であって且つ形状保持性に優れるとともに、シールド特性に優れるシールドスリーブを提供することにある。
上記目的を達成するべく、本発明のシールドスリーブは、縦糸と横糸からなる布体からなり、上記縦糸が延在する方向を長さ方向として、該長さ方向に連続した開口部を有する筒形状のシールドスリーブにおいて、上記縦糸が、少なくとも導電性線材を有し、上記横糸が、熱可塑性樹脂のモノフィラメントからなる支持糸と、金属層を少なくとも連続して備える高分子材料の繊維からなる導電性糸とからなることを特徴とするものである。
また、上記横糸において、上記支持糸の太さが上記導電性糸の繊維の太さよりも太く、上記支持糸と上記導電性糸が引き揃えられていることが考えられる。
また、上記導電性糸が、金属被膜がなされた高分子材料の繊維によるスパンヤーン又はマルチフィラメントであることが考えられる。
また、上記支持糸が、芯鞘構造のモノフィラメントであることが考えられる。
また、上記縦糸の導電性線材が、金属線であることが考えられる。
また、上記縦糸が、金属線と、非導電性糸とからなることが考えられる。
また、上記縦糸の非導電性糸が、高分子材料の繊維からなるマルチフィラメントであることが考えられる。
また、上記縦糸の非導電性糸を構成する繊維が、芯鞘構造であることが考えられる。
また、上記縦糸の少なくとも一部が、上記横糸の支持糸に食い込んでいることが考えられる。
本発明で使用している熱可塑性樹脂のモノフィラメントは、加熱して変形させた後の形状を保持することができる。この熱可塑性樹脂のモノフィラメントを横糸として使用することにより、シールドスリーブを筒形状に保持した状態で適切な加熱を行えば、シールドスリーブの筒形状を保持させることができる。また、このモノフィラメントは弾性復元力があるので、シールドスリーブの開口部を開いて電線等を格納した後も、元の開口部が閉じた形状に確実に復元することになる。この点は、横糸に使用している導電性糸も有利に働く。横糸として導電性糸でなく金属線を使用した場合、金属線は塑性変形するため、開口部を開いた形状に変形保持されてしまい、元の開口部が閉じた形状に戻らなかったり、金属線がいびつな形に折れてシールドスリーブの表面や内側に凸部が生じてしまったりする可能性がある。本発明の導電性糸であれば、このような塑性変形は生じず、モノフィラメントの弾性復元力による動きに追従することになるので、シールドスリーブの形状が変形してしまうことはない。
シールドスリーブの構成を説明するための斜視図である。 シールドスリーブの構成を説明するための断面図である。 シールドスリーブを実用に供した例を説明する斜視図である。 他の形態のシールドスリーブの構成を説明するための斜視図である。 シールド特性を測定した結果を示すグラフである。 シールドスリーブ(加熱成型前)の電子顕微鏡写真である。 シールドスリーブ(加熱成型後)の電子顕微鏡写真である。
以下、図1〜3を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明する。
本実施の形態による製造工程の流れを説明する。まず、縦糸として、錫メッキ軟銅線を用意し、横糸として、銀メッキナイロン繊維からなる導電性糸と、ポリエチレンテレフタレート樹脂モノフィラメントからなる支持糸を引き揃えたものとし、これらを平織りして布体を作成した。この布体について、縦糸が延在する方向を長さ方向として、円筒形の金型に導入し、同時に加熱をして布体を円筒形状に成型し、シールドスリーブ10とした。
ここで、本実施の形態によるシールドスリーブ10には、開口部1aが形成されており、この開口部1aでは、周方向端部の重ね合わせが生じるようになっていることが好ましい。この重ね合わせ率について、図2を参照に詳しく説明する。シールドスリーブ10の長手方向に垂直な断面における、シールドスリーブ10の周囲長C、重ね合わさせた部分の長さLの割合であり、
重ね合わせ率(%)=重ね合わさせた部分の長さL/シールドスリーブ10の周囲長C×100
で表される。
開口部1aの重ね合わせについて、上記した重ね合わせ率が10%以上60%以下であることが好ましい。10%未満であると、強い屈曲や加圧などによって開口部1aが開き、内部に収納していた電線等がはみ出てしまう可能性がある。また、60%を超えると、材料費が無駄になるとともに、電線等を内部に収納する作業が困難となり、更には、柔軟性が低下してしまう傾向にある。また、開口部1aは、上記実施の形態のように直線状でなくてもよく、例えば、図4に示すようにらせん状に形成されることも考えられる。
このようにして得られたシールドスリーブ10であれば、例えば、電線等に被せる際も、開口部1aから電線をシールドスリーブ内部に挿入することができるため、例え電線の両端にコネクタを接続したとしてもシールドスリーブを後付けで配置させることができる。また、図3に示すとおり、電線束20の内の一部の電線20´を分岐させた場合でも、開口部1aより導出させることができるように、不規則な形状の部品にも対応することができる。
本発明における横糸は、熱可塑性樹脂のモノフィラメントからなる支持糸と、金属層を少なくとも連続して備える高分子材料の繊維からなる導電性糸とからなるものである。
横糸に使用される支持糸としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリエチレンナフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維等のポリエステル繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維、ポリエーテルサルフォン繊維、ポリエーテルケトン繊維といった熱可塑性樹脂のモノフィラメントが使用される。これら単独種の材料からなるモノフィラメントで構成しても良いし、複数種の材料からなるモノフィラメントを併用して構成しても良い。
また、支持糸として使用されるモノフィラメントとしては、いわゆる芯鞘構造となっている繊維を使用することもできる。具体的には、芯である中心部分を高融点の材料、鞘である周辺部分を低融点の材料としたものが考えられる。支持糸は、熱可塑性樹脂からなることから、シールドスリーブを筒形状に成型する際に加熱されて軟化する。その際に、芯鞘構造のモノフィラメントであれば、芯部分は溶融せずにモノフィラメントの形状を維持しつつ、鞘部分の低融点の材料がより低粘度に溶融し、縦糸が食い込んで抱え込むように保持させることになる。これにより、縦糸と横糸のズレが生じにくくなり、シールドスリーブの形状保持がより確実になる。また、低融点の材料である鞘部分の割合を調節することで、鞘部分が溶融して織目を埋めることになり、シールドスリーブとして防水性を備えさせることもできる。
横糸に使用される導電性糸としては、金属層を連続して備えるものが使用される。ここで言う連続して備えるとは、導電性糸の長さ方向に連続して備えているということである。例えば、高分子材料による糸の外周に、導電性塗料を塗布したり、金属箔等を巻き付けたりして金属層を形成した糸や、高分子材料の繊維にメッキや蒸着によって金属被膜を形成し、この繊維を集合させてスパンヤーン又はマルチフィラメントとし、上記の金属被膜を金属層として機能させた糸が考えられる。本発明においては、金属層の剥離が起こりにくいという観点より、後者の金属被膜がなされた高分子材料の繊維によるスパンヤーン又はマルチフィラメントの方が好ましい。また、この金属被膜がなされた高分子材料の繊維と、金属被膜がなされていない高分子材料の繊維とを撚り合わせや引き揃え等によって併せて使用することも考えられる。金属層を構成する材料としては、例えば、銅、銀、金、錫、亜鉛、アルミニウム、クロム、ニッケル等、種々のものが考えられるが、導電性と耐腐食性の観点より、銀又は金であることが好ましい。また、高分子材料の繊維としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリエチレンナフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維等のポリエステル繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維、ポリエーテルサルフォン繊維、ポリエーテルケトン繊維などが考えられる。これら繊維を引き揃え撚り合わせることで集合させたものが糸となり、糸には、ステープル(短繊維)を撚り合わせてなるスパンヤーン(短繊維糸)と、フィラメント(長繊維)を撚り合わせてなるマルチフィラメント(長繊維糸)がある。これらの内、引張強度の面よりマルチフィラメントを使用することが好ましい。
これら、横糸の支持糸と導電性糸は、撚り合わせても良いし、一方をもう一方に横巻しても良いし、引き揃えても良い。また、支持糸と導電性糸の太さも使用条件等を考慮して適宜選定すれば良い。支持糸の太さについては、上記のように必要とされる特性に応じて設定すればよいが、形状保持性、柔軟性および織成の容易さのバランスを考慮して、0.10mm〜1.0mm、特に0.10〜0.40mmの範囲にすることが好ましい。これらの中でも、支持糸と導電性糸を引き揃え、且つ、支持糸の太さが導電性糸を構成する繊維の太さよりも太いことが好ましい。これにより、縦糸が導電性糸ではなく支持糸に優位的に接することになる。支持糸は、熱可塑性樹脂からなることから、シールドスリーブを筒形状に成型する際に加熱されて軟化するが、その際に、支持糸と縦糸が接していることで、縦糸が支持糸に食い込むことなる。これにより、縦糸と横糸のズレが生じにくくなり、シールドスリーブの形状保持がより確実になる。
本発明における縦糸は、少なくとも導電性線材を有しているものである。導電性線材としては、例えば、銅線、銅合金線、ステンレス鋼線、アルミニウム線、アルミニウム合金、銀線やこれらに各種メッキを施したもの等の金属線、各種樹脂中に導電性粉末を多量混練した線材形状にした導電性樹脂線、上記したような導電性糸などが考えられる。これらの中でも、金属線を使用することが好ましい。金属線は、導電性樹脂線や導電性糸と比べて、硬く、熱伝導率が高いため、シールドスリーブを筒形状に成型する際の加熱時に、支持糸により食い込み易くなる。
また、縦糸の全てを導電性線材とした場合、シールド特性は優れたものとなるが、金属線のみの場合はシールドスリーブとして重量が重いものとなり、導電性樹脂線のみの場合は強度が不十分となる可能性があり、また、導電性樹脂線や導電性糸を使用した場合は高コストとなってしまうことになる。そのため、縦糸には、導電性線材と併せて、高分子材料からなる非導電性糸を使用しても良い。これにより、軽量、低コストで且つ強度に優れたシールドスリーブとすることができる。特に、金属線と非導電性糸の組合せとすることが好ましい。非導電性糸としては、例えば、ガラス繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、アルミナ−シリカ繊維等の無機繊維からなる糸、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリエチレンナフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維等のポリエステル繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維、ポリエーテルサルフォン繊維、ポリエーテルケトン繊維、4フッ化エチレン繊維等の合成繊維からなる糸、絹、綿、麻、亜麻、羊毛等の天然繊維からなる糸などが考えられる。これらの非導電性糸として、シールドスリーブとしての柔軟性を得るため、モノフィラメントよりも、マルチフィラメントやスパンヤーンの方が好ましく、強度の点から特にマルチフィラメントが好ましい。また、この非導電性糸は、外観的にも目立ち、色調も自由に選定することができるので、非導電性糸の色を各種選定することで、シールドスリーブとしても種々の色のものを作ることができる。
また、縦糸として使用される非導電性糸としては、いわゆる芯鞘構造となっている繊維によるもの使用することもできる。具体的には、芯である中心部分を高融点の材料、鞘である周辺部分を低融点の材料とした繊維が考えられる。これにより、シールドスリーブを筒形状に成型する際の加熱で、芯部分は溶融せずに非導電性糸の溶断を防止しつつ、鞘部分の低融点の材料が低粘度に溶融し、縦糸同士を溶着させるとともに、横糸とも溶着して保持させることになる。これにより、縦糸同士、及び、縦糸と横糸のズレが生じにくくなり、シールドスリーブの形状保持がより確実になる。また、低融点の材料である鞘部分の割合を調節することで、鞘部分が溶融して織目を埋めることになり、シールドスリーブとして防水性を備えさせることもできる。
また、縦糸として導電性線材と非導電性糸をともに使用する場合、導電性線材と非導電性糸を撚り合わせても良いし、引き揃えても良いし、一方をもう一方に横巻しても良い。また、導電性線材と非導電性糸が異なる経路となるようにして織成しても良い。
上記の実施の形態では、布体として、平織りのものを使用したが、例えば、綾織、朱子織等の各種手法によって形成されたものも考えられる。また、布体の繊維糸の密度(目付け)については、小さすぎると、本発明によって得られるシールドスリーブの機械的強度(引張り強さ、伸び、耐磨耗性等)やシールド特性が低下してしまうとともに、織目がずれて隙間が開いてしまったり変形をしてしまったりする可能性がある。一方、大きすぎると、重量が増加したり織成時間が増大したりするなどして生産性が悪化しコストが上昇してしまうとともに、シールドスリーブの柔軟性が低下する傾向にある。また、上記布体の端部には、ホツレ防止のため絡み糸を施しても良い。
本発明のシールドスリーブには、収束剤を塗布しても良い。これにより、シールドスリーブ端面のほつれを防止することができる。収束剤の塗布に際して、シールドスリーブを金型に導入する前に行い、シールドスリーブを金型に導入して加熱し、筒形状に成型すると同時に収束剤の乾燥を行うことが好ましい。勿論、収束剤の乾燥と金型への導入を別工程としても良い。収束剤は、シールドスリーブの外周面、内周面の両方に塗布してもよく、片方に塗布しても良いが、特に、内周面のみに塗布することが好ましい。これは、シールドスリーブを金型へ導入する前に収束剤を塗布する方法を採用した場合、シールドスリーブの外周面に収束剤が塗布されていると、金型に収束剤が付着してしまう可能性があるためである。収束剤を使用する場合は、粘度が50000cp以下のものを使用することが好ましい。ここで、粘度が50000cpを超えてしまうと、収束剤を塗布する際、塗りムラが生じて収束剤が均一に塗布されない可能性がある。また、シールドスリーブのアースを取るため、電極端子を接続する際、シールドスリーブの両面に収束剤を塗布されていると、この収束剤を除去する必要が生じる。ここで、収束剤がシールドスリーブの外周面、内周面の一方のみに塗布されていないものであれば、収束剤を除去しなくとも、収束剤が塗布されていない面に電極端子を接続すればよくなる。特に、収束剤がシールドスリーブの内周面のみに塗布されているものであれば、電極端子の接続が容易となり好ましい。また、収束剤について、導電性を有するものを使用すれば、外周面、内周面のどちら側に収束剤を塗布したとしても、電極端子の接続は容易となる。
収束剤のスリーブ部への付着量は、収束剤の粘度、固形分、チクソ指数等の収束剤仕様と、布体の繊維糸径、密度、厚さ等の布体仕様と、製造装置の生産速度、金型形状等の製造仕様で調整可能だが、収束剤の重量が、布体の重量の3%〜15%の範囲となるように制御することが好ましい。更に好ましくは、4.6%〜12.1%の範囲に制御する。収束剤の付着量が3%未満では、編組にホツレが生じる恐れがある。一方、付着量が15%を超えてしまうと、収束剤が浸透しすぎてシールドスリーブの外周面まで収束剤が到達してしまう可能性があり、外観状態が悪化してしまうとともに、コストが上昇してしまう。
収束剤としては、例えば、溶剤により希釈されたワニスであるシリコーン系ワニス,ウレタン系ワニス,エポキシ系ワニス,アクリル系ワニス,不飽和ポリエステル系ワニス,アミドイミドエステル系ワニス,ポリブタジエン系ワニス,ポリイミド系ワニス,一般に水性塗料と称され、水を分散媒とした塗料であるアクリル系エマルション,ウレタン系エマルション,ポリオレフィン系エマルション,酢酸ビニル系エマルション,ポリエチレン系エマルション,ポリエステル系エマルション,スチレン系エマルション,シリコーン系エマルション、無溶剤塗料とも称され希釈されず用いられる光硬化塗料,熱硬化塗料,触媒重合塗料などが挙げられ特に限定されない。これらは使用条件等を考慮して適宜選択すれば良い。特に水を分散媒とした塗料を使用する場合は、ゴム系分散系のものよりも樹脂系分散系のものの方が、集束効果が高く好ましい。また、収束剤の材料に適合した硬化剤を適宜添加して、収束剤の接着力を向上しても良い。
また、本発明のシールドスリーブ10に、難燃剤を塗布して難燃化させることもできる。例えば、グアニジン系化合物のような脂肪族系の難燃剤を噴霧によってシールドスリーブ10の表面に塗布することが考えられる。難燃化させるためには、シールドスリーブ10の表面に難燃剤が存すればよく、シールドスリーブ10の布体の内部まで含浸する必要はない。むしろ、難燃剤を布体の内部まで含浸させると、布体を筒形状に成形する際の加工が困難となることもある。また、延焼防止の観点から難燃剤はシールドスリーブ10の外周面に塗布されることが好ましい。難燃剤は上記した物に限られず、従来公知の種々のものが使用できる。これらは塗布等の施工が行えるような液体、溶液、分散体、粉体等の性状にして適宜使用することが考えられる。
(実施例1)
縦糸として、直径0.12mmの錫メッキ軟銅線310本を用意し、横糸として、銀メッキナイロン繊維からなる太さ208dtexの導電性糸と、直径0.25mmのポリエチレンテレフタレート樹脂モノフィラメントからなる支持糸を引き揃えたものとし、これらを平織りして幅50mmの布体を作成した。この布体について、縦糸が延在する方向を長さ方向として、内径13mmの円筒形の金型に導入し、同時に加熱をして布体を円筒形状に成型し、実施例1によるシールドスリーブ10を作成した。本実施例1における重ね合わせ率は40.6%であった。
(実施例2)
縦糸として、直径0.12mmの錫メッキ軟銅線186本とした他は、上記実施例1と同様にして実施例2によるシールドスリーブ10を作成した。本実施例2における重ね合わせ率は45.1%であった。
(実施例3)
縦糸として、直径0.12mmの錫メッキ軟銅線155本と、ポリエチレンテレフタレート樹脂の繊維のマルチフィラメントからなる太さ640dtexの非導電糸155本を用意し、横糸として、銀メッキナイロン繊維からなる太さ208dtexの導電性糸と、直径0.25mmのポリエチレンテレフタレート樹脂モノフィラメントからなる支持糸を引き揃えたものとし、これらを平織りして幅50mmの布体を作成した。この布体について、縦糸が延在する方向を長さ方向として、内径13mmの円筒形の金型に導入し、同時に加熱をして布体を円筒形状に成型し、実施例3によるシールドスリーブ10とした。本実施例3における重ね合わせ率は49.3%であった。
(実施例4)
縦糸として、直径0.12mmの錫メッキ軟銅線93本と、ポリエチレンテレフタレート樹脂の繊維のマルチフィラメントからなる太さ640dtexの非導電糸93本を使用した他は、上記実施例3と同様にして実施例4によるシールドスリーブ10を作成した。本実施例4における重ね合わせ率は30.6%であった。
上記実施例1〜実施例4によるシールドスリーブ10について、吸収クランプ法によりシールド特性を測定した。測定は、CISPR25に準拠して行い、周波数範囲を30〜1000MHzとし、入力信号120dBμVにて、周波数測定とした。測定試料は、導体径7mmφの1本の電線をシールドスリーブ10に格納して長さ2mとしたものとした。まず、信号をシールドスリーブ10へ流し、測定試料全長に渡って吸収クランプで測定して、測定周波数域内の各最大値をS1とする。次に、信号を電線導体へ流し、測定試料全長に渡って吸収クランプで測定し、測定周波数域内の各最大値S2とする。シールド効果Sは、S=S2−S1(dB)で算出した減衰量(dB)で示される。その結果を図5に示す。何れの実施例も、充分なシールド効果が得られており、シールド特性に優れていることが確認された。
また、実施例1によるシールドスリーブについて、走査型電子顕微鏡での観察を行った。図6は実施例1について、金型での加熱成型をする前の電子顕微鏡写真であり、図7は実施例1について、金型で加熱をして筒形状に成型をした後の電子顕微鏡写真であるまた、図6,図7において、写真の横方向に延在しているのが縦糸、写真の縦方向に延在しているのが横糸となっている。加熱成型前には、縦糸の錫メッキ軟銅線と、横糸のポリエチレンテレフタレート樹脂モノフィラメントからなる支持糸は単に接しているだけであった。しかし、金型で加熱して成型した後には、縦糸の錫メッキ軟銅線が、横糸のポリエチレンテレフタレート樹脂モノフィラメントからなる支持糸に食い込んだ状態となっていた。これにより、縦糸と横糸がずれなくなっており、優れた形状保持性を有していることが確認された。
本発明によれば、後付が可能であって且つ形状保持性に優れるとともに、シールド特性に優れるシールドスリーブを得ることができる。このシールドスリーブは、例えば、自動車、家電機器、重電機器、産業機器、計測機器、医療機器等において、電線・ケーブルを格納するとともに、電線・ケーブルから外部へのノイズや外部から電線・ケーブルへのノイズを遮蔽するシールドスリーブとして好適に使用することができる。
1a 開口部
10 シールドスリーブ

Claims (9)

  1. 縦糸と横糸からなる布体からなり、上記縦糸が延在する方向を長さ方向として、該長さ方向に連続した開口部を有する筒形状のシールドスリーブにおいて、
    上記縦糸が、少なくとも導電性線材を有し、上記横糸が、熱可塑性樹脂のモノフィラメントからなる支持糸と、金属層を少なくとも連続して備える高分子材料の繊維からなる導電性糸とからなることを特徴とするシールドスリーブ。
  2. 上記横糸において、上記支持糸の太さが上記導電性糸の繊維の太さよりも太く、上記支持糸と上記導電性糸が引き揃えられていることを特徴とする請求項1記載のシールドスリーブ。
  3. 上記導電性糸が、金属被膜がなされた高分子材料の繊維によるスパンヤーン又はマルチフィラメントであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のシールドスリーブ。
  4. 上記支持糸が、芯鞘構造のモノフィラメントであることを特徴とする請求項1〜請求項3何れか記載のシールドスリーブ。
  5. 上記縦糸の導電性線材が、金属線であることを特徴とする請求項1〜請求項4何れか記載のシールドスリーブ。
  6. 上記縦糸が、金属線と、非導電性糸とからなることを特徴とする請求項1〜請求項4何れか記載のシールドスリーブ。
  7. 上記縦糸の非導電性糸が、高分子材料の繊維からなるマルチフィラメントであることを特徴とする請求項6記載のシールドスリーブ。
  8. 上記縦糸の非導電性糸を構成する繊維が、芯鞘構造であることを特徴とする請求項7記載のシールドスリーブ。
  9. 上記縦糸の少なくとも一部が、上記横糸の支持糸に食い込んでいることを特徴とする請求項2〜請求項8何れか記載のシールドスリーブ。
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