JP2016206464A - 反射シート、並びにこれを用いた太陽電池モジュールおよびled照明 - Google Patents

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Abstract

【課題】コスト、作業時間をかけることなく、紫外線から近赤外線までの幅広い波長において光を高反射し、熱吸収効果も得ることのできる反射シート、並びにこれを用いた太陽電池モジュールおよびLED照明の提供。
【解決手段】基材1と、この基材上に形成される白色層2と、この白色層上に設けられる樹脂層3とを含む反射シート10であって、前記白色層は芳香族ジカルボン酸と下記一般式(1)で表される化合物と炭素数が5から7の脂肪族ジオールとを共重合することにより得られる熱可塑性樹脂と白色顔料を用いて形成される。
Figure 2016206464

【選択図】図1

Description

本発明は、反射シート、並びにこれを用いた太陽電池モジュールおよびLED照明に関する。
本発明は、例えば農業用ビニールフィルム、外層看板の表面保護用フィルム、変色、退色、および光劣化等を防止するためのバリアフィルム、板ガラス、窓ガラスまたは車両用ガラス等に貼付して用いる太陽光カットフィルム、太陽電池用バックシート、LED照明等に用いられる反射シート、並びにこれを用いた太陽電池モジュールおよびLED照明に関する。
太陽光のうち波長の短い紫外線は、可視光線や赤外線と比較して人体や動植物に有害な影響を与える。そのため、例えば家屋の窓ガラスや農業用ビニール等には、紫外線の遮蔽、または反射効果が求められている。
また近年においては、環境汚染の防止や安全性の観点から、化石燃料や電子力等のエネルギーインフラに代わる太陽電池等の次世代エネルギーインフラが注目されている。一般的な太陽電池としては、材料としてシリコンを用いるシリコン系、銅、インジウム、セレン、およびカリウム等を用いて化合物半導体を形成する化合物系、並びに光電変換層に有機化合物を用いた有機系が挙げられる。これらの太陽電池は、主に可視光線をエネルギーに変換することにより発電を行っている。
このような太陽電池においては、可視光線のエネルギー変換率の向上が喫緊の課題である。そのため、1%でも多くの太陽光、特に可視光線を反射する反射シート(太陽電池用バックシート)が望まれている。
一方、上述の通り太陽光のエネルギー変換率の向上が求められる昨今では、紫外線や近赤外線もエネルギー変換できる太陽電池の開発が進んでおり、今後は紫外線から近赤外線までの幅広い波長において太陽光を効率よく反射し得る反射シートが望まれる。
更には、近年の省エネ等の要望の高まりを受けて広まっているLED照明においても、光源であるLEDから発せられる光を高反射し得る反射シートが強く望まれている。
可視光線や近赤外線の反射率の向上を図る反射シートとしては、アルミフィルム蒸着層を設けたり、シートの表面に表面処理を行うことで凸凹を設けたりするものが挙げられる。しかし、これらの製造にはアルミの蒸着や表面処理といった工程を経る必要があり、生産効率の低下や反射シートのコストアップに繋がる。
また従来の紫外線対応の反射シートとしては、酸化チタン、酸化ナトリウム、酸化亜鉛等の紫外線反射剤、若しくはオキシベンゾン、シラソーマ等の紫外線吸収剤を配合したフィルムを用いたり、これらを含有する樹脂組成物をフィルムに塗布したりすることによって、紫外線を遮断、吸収、または反射させていた。しかし、紫外線吸収剤を含むフィルム等は、紫外線吸収剤の周囲の樹脂等が劣化することによって耐候性が低下し、また単に酸化チタン等の紫外線反射剤を含むフィルム等においては、紫外線反射剤が入射する紫外線を乱反射させるものの、これらの紫外線反射剤間で何度も乱反射が繰り返されることによってフィルム内または反射シートの紫外線吸収量が増大し、フィルムの劣化および反射シートの劣化を招くという問題があった。
上記紫外線の問題を解決する技術としては、基材上に設けた光安定剤を含有するポリマー層の上に、更に複数の異なる屈折率を有する材料(屈折率膜層はSiまたはAlを含む酸化物、若しくは窒酸化物を含有し、高屈折率膜層はZn、Ti、Sn、In、Nb、Si、TaまたはAlを含む酸化物、窒酸化物、若しくは窒化物を含有する)から構成される紫外線反射層を設ける方法(特許文献1参照)等が挙げられる。しかし、これは低屈折率層と高屈折率層を交互に積層するために作業効率が悪く、また酸化物等からなる膜層を形成することからコストも増大するという問題がある。
また反射シートを太陽電池用バックシートとして用いる場合、使用する太陽電池の種類によって高反射が望まれる波長領域は微妙に異なることから、太陽電池の種類に応じて性能の異なるバックシートを開発・用意しなければならず、相互に応用利用することが困難であるという問題もあった。
国際公開WO2010/024193号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、コストおよび作業時間をかけることなく、紫外線から近赤外線までの幅広い波長において光を高反射し、熱吸収効果も得ることのできる反射シート、並びにこれを用いた太陽電池モジュールおよびLED照明を提供することをその目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は以下の構成を有する。
(1)本発明の反射シートは、基材と、この基材上に形成される白色層と、この白色層上に設けられる樹脂層とを含む反射シートであって、前記白色層は、芳香族ジカルボン酸と下記一般式(1)で表される化合物と炭素数が5から7の脂肪族ジオールとを共重合することにより得られる熱可塑性樹脂と白色顔料とを含む白色樹脂組成物を用いて形成されることをその特徴とする。
Figure 2016206464
(2)上記(1)に記載の構成にあって、前記白色顔料は酸化チタンであり、この酸化チタンは、平均粒径が0.1μmから0.3μmの酸化チタン(A)と、平均粒径が0.3μmから0.5μmの酸化チタン(B)とを含むことをその特徴とする。
(3)上記(1)または(2)に記載の構成にあって、前記酸化チタン(A)と前記酸化チタン(B)の配合量は、前記白色樹脂組成物全量に対して前記酸化チタン(A)が17重量%から20重量%、前記酸化チタン(B)が7重量%から10重量%であることをその特徴とする。
(4)上記(1)から(3)のいずれか1に記載の構成にあって、前記白色層は水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、タルクおよびバリウムの少なくとも1つを含むことをその特徴とする。
(5)上記(1)から(4)のいずれか1に記載の構成にあって、前記基材および前記樹脂層の少なくとも一方は白色顔料を含むことをその特徴とする。
(6)本発明の太陽電池モジュールは、上記(1)から(5)のいずれか1に記載の反射シートを用いたことをその特徴とする。
(7)本発明のLED照明は、上記(1)から(5)のいずれか1に記載の反射シートを用いたことをその特徴とする。
本発明の反射シートは、コストおよび作業時間をかけることなく、紫外線から近赤外線までの幅広い波長において光を高反射し、熱吸収効果も得ることができる。そのため、これを太陽電池モジュールに用いた場合、太陽電池の種類を問わず良好な発電効率を得ることができると共に、光反射による温度上昇を抑制できるため、反射シート自身の耐候性だけでなく、太陽電池の耐候性をも向上することができる。また本発明の反射シートを用いたLED照明も光源から発せされる光を高反射することができると共に、光反射による温度上昇を抑制できるため、LED照明の製品寿命をより延ばすことができる。
本発明の一実施形態に係る反射シートの概略断面図。 本発明の一実施形態に係る反射シートを用いた太陽電池モジュールの概略断面図。 本発明の実施例および比較例に係る反射シートについて紫外可視分光光度計を用いて光を照射した場合の300nmから2000nmの反射率を測定したグラフ。
以下、本発明の一実施形態について詳述する。
本実施形態の反射シートは、基材と、この基材上に形成される白色層と、この白色層上に設けられる樹脂層とを含む。
1.基材
本実施形態の反射シートに用いられる基材としては、ガラス、樹脂基材、樹脂フィルム等、前記白色層と前記樹脂層を保持することができるものであれば制限なく使用できる。この中でも特に樹脂基材または樹脂フィルムが好ましく用いられる。
前記樹脂基材または樹脂フィルムとしては、特にポリエステルからなる樹脂基材または樹脂フィルムが好ましく用いられ、その中でもポリエチレンナフタレートまたはポリエチレンテレフタレートからなる樹脂基材または樹脂フィルムが特に好ましく用いられる。
また本実施形態においては、前記基材として白色顔料を配合した白色基材を用いることができる。このような白色基材を用いることにより白色基材と白色層に含まれる白色顔料が相乗効果を発揮し、これを用いた反射シートは特に紫外線から可視光を高反射し得る。
このような白色顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、リトポン等を用いることができる。これらの中でも特に酸化チタンが白色顔料として好ましく用いられる。
前記酸化チタンとしては、ルチル型酸化チタン、アナターゼ酸化チタンのどちらも使用することができる。また酸化チタンに水酸化アルミニウムおよびシリコン、若しくは水酸化アルミニウムおよびジルコニアで表面処理を行ったものも好適に用いることができる。
ルチル型酸化チタンとしては、例えばタイペーク(登録商標)R−550、タイペークR−630、タイペークR−670、タイペークR−680、タイペークR−780、タイペークR−820、タイペークR−830、タイペークR−850、タイペークR−930、タイペークCR−50、タイペークCR−57、タイペークCR−58、タイペークCR−60、タイペークCR−63、タイペークCR−67、タイペークCR−80、タイペークCR−85、タイペークCR−90、タイペークCR−93、タイペークCR−95、タイペークCR−97、タイペークUT771(以上、石原産業(株)製)、タイピュア(登録商標)R−100、タイピュアR−101、タイピュアR−102、タイピュアR−103、タイピュアR−104、タイピュアR−105、タイピュアR−108、タイピュアR−706、タイピュアR−900、タイピュアR−902、タイピュアR−960、タイピュアR−931(以上、デュポン(株)製)、R−21、R−25、R−32、R−42、R−44、R−7E、R−5N、R−61N、R−62N、R−45M、R−49S、GTR−100、GTR−300、D−918、TCR−29、TCR−52、FTR−700(以上、堺化学工業(株)製)等が挙げられる。
また、アナターゼ型酸化チタンとしては、例えばTITON A−110、TITON A−190、TITON A−197、TITON TCA−123E、TITON SA−1、TITON SA−1L(以上、堺化学工業(株)製)、TA−100、TA−200、TA−300、TA−400、TA−500、TP−2(以上、富士チタン工業(株)製)、TITANIX(登録商標) JA−1、TITANIX JA−3、TITANIX JA−4、TITANIX JA−5、TITANIX JA−C、TITANIX JR−603(以上、テイカ(株)製)、KA−10、KA−15、KA−20、KA−30(以上、チタン工業(株)製)、タイペークA−100、タイペークA−220、タイペークW−10(以上、石原産業(株)製)等が挙げられる。
前記基材に白色顔料を配合する場合、その平均粒径は、好ましくは0.25μm以上、さらに好ましくは0.28μm以上、特に好ましくは0.30μm以上である。平均粒径が0.25μm未満であると、効率的に散乱できる光の波長が低波長側へずれるため、近赤外光領域での反射率が低下することがある。
また前記基材に配合する白色顔料の平均粒径が10μmを超えると、粒度分布によっては粗大な粒子を含有するため、フィルムにピンホールを生じるなどの不具合が発生することがある。
前記基材に白色顔料を配合する場合、その配合量は、0.5重量%以上、好ましくは3重量%から80重量%、さらに好ましくは20重量%から80重量%である。白色顔料の配合量が80重量%を超えると、基材が脆くなり、実用的な機械的強度が得られないことがあるため好ましくない。
また前記基材の厚さは、50μmから200μmであることが好ましい。なお、前記基材には白色層を形成する面とは反対側の面に樹脂フィルムを貼り合わせても良い。このような樹脂フィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートからなるフィルムが好ましく用いられる。
更には、このような樹脂フィルムに前記白色顔料を配合しても良い。白色顔料を含むポリエステルフィルムとしては、例えば東洋紡(株)製のクリスパー(登録商標)K1212、帝人デュポンフィルム(株)製のテイジン(登録商標)テトロン(登録商標)フィルムVW等が挙げられる。
2.白色層
本実施形態に係る白色層は、芳香族ジカルボン酸と下記一般式(1)で表される化合物と炭素数が5から7の脂肪族ジオールとを共重合することにより得られる熱可塑性樹脂と、白色顔料とを含む白色樹脂組成物を用いて形成される。
Figure 2016206464
(1)前記芳香族ジカルボン酸と上記一般式(1)で表される化合物と炭素数が5から7の脂肪族ジオールとを共重合することにより得られる熱可塑性樹脂
前記芳香族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、4,4−スチルベンジカルボン酸、4,4−ビフェニルジカルボン酸、オルトフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸が挙げられる。この中でもテレフタル酸とイソフタル酸を併用して使用することが好ましい。
また前記炭素数が5から7の脂肪族ジオールとしては、例えばネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール等が挙げられる。
前記芳香族ジカルボン酸、上記一般式(1)で表される化合物、および前記炭素数が5から7の脂肪族ジオールとを共重合する方法は特に限定されず、一般的な方法を用いることができる。各成分の共重合比、共重合時の温度等の共重合の条件は、得られる熱可塑性樹脂に求められるガラス転移温度、粘度等によって適宜変更することができる。
このような熱可塑性樹脂としては、例えばバイロン(登録商標)(東洋紡(株)製)を用いることができ、その中でも特にバイロン(登録商標)TU−02HAが好ましく用いられる。
前記熱可塑性樹脂の配合量は、前記白色樹脂組成物全量に対して50重量%から80重量%であることが好ましい。
なお、前記白色樹脂組成物には、前記熱可塑性樹脂を硬化させる目的で、これに含まれる水酸基と反応して架橋するイソシアネート化合物を併せて配合することができる。イソシアネート化合物の配合により、形成される白色層に耐湿性、耐熱性を付与することができ、また前記基材および前記樹脂層との密着性をより向上することができる。そのため、イソシアネート化合物は、1分子中に複数のイソシアネート基を有することが好ましい。
このようなイソシアネート化合物としては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンビス(4、1−フェニレン)=ジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3、5、5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネートおよびキシリレンジイソシアネート等のジイソシアネート;ジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体;ジイソシアネートの三量体であるイソシアヌレート体;ジイソシアネートのビュレット結合体、並びにポリメリックジイソシアネート等が挙げられる。
このようなイソシアネート化合物の配合量は、前記熱可塑性樹脂全量に対して0.03重量%から10重量%であることが好ましい。
(2)白色顔料
前記白色顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、リトポン等を用いることができる。これらの中でも特に酸化チタンが白色顔料として好ましく用いられる。
前記酸化チタンとしては、前記基材に配合する酸化チタンと同じものを用いることができるが、平均粒径が0.1μmから0.3μmの酸化チタン(A)と、平均粒径が0.3μmから0.5μmの酸化チタン(B)とを含むことが好ましい。また特に水酸化アルミニウムでコーティングし、更にその上にシリコンまたはジルコニアで表面処理を行ったものが好ましく用いられる。このような酸化チタンとしては、石原産業(株)製のCr−Super70等が挙げられる。
このように平均粒径の異なる酸化チタンを含む白色樹脂組成物を用いて白色層を形成する場合、形成される白色層と前記基材および前記樹脂層との界面に粒径の異なる酸化チタンが存在することとなる。これにより、前記基材および前記樹脂層に表面処理加工を施したものと同じ効果を奏することができ、幅広い波長(紫外線から近赤外線)の光を拡散して太陽電池セル側に戻すことにより高い反射率を得ることができる。
また前記白色層には平均粒径が0.3μmから0.5μmと粒径の大きい酸化チタン(B)が存在することにより、当該白色層による熱吸収効果をも奏することができる。
前記酸化チタン(A)と前記酸化チタン(B)の配合量は、前記白色樹脂組成物全量に対して前記酸化チタン(A)が17重量%から20重量%、前記酸化チタン(B)が7重量%から10重量%であることが好ましい。前記酸化チタン(A)および前記酸化チタン(B)の配合量をこのように調整することにより、反射シートの幅広い波長における高反射と熱吸収効果を更に向上することができる。
(3)その他
前記白色樹脂組成物には、例えば、他の樹脂、並びに水酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、タルクおよびバリウムの少なくとも1つ、有機溶剤、添加剤等を配合することができる。
前記他の樹脂としては、例えば前記熱可塑性樹脂以外の熱可塑性樹脂(その他の熱可塑性樹脂)、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。
その他の熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、液晶ポリエステル等のポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンー1、ポリブチレン等のポリオレフィン;スチレン系樹脂、ポリオキシメチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルフォン、ポリケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリアリレート、ポリエーテルニトリル、フェノール樹脂(例えばフェノールノボラック型)、フェノキシ樹脂、並びにこれらの共重合体、変性体を用いることができる。これらは、必要に応じて単独でまたは複数を組み合わせて用いることができる。
本実施形態においては、水酸基を有する、若しくは水酸基を付加したその他の熱可塑性樹脂が好ましく用いられる。このようなその他の熱可塑性樹脂としては、水酸基を有するオリゴマーまたはポリマーであれば、特に限定されず用いることができる。例えば、ポリアミド、ポリエステルおよび水酸基を有するビニル重合体、若しくは各種アクリレート、メタクリレートの共重合体、フェノール樹脂、クレゾール樹脂等を挙げることができる。
前記ポリエステルとしては、例えば、ニッポラン(登録商標)800、1100、121、1004、136、141、4070(以上、日本ポリウレタン工業(株)製)等を挙げることができる。
前記その他の熱可塑性樹脂を用いる場合、前記熱可塑性樹脂との合計配合量は前記白色樹脂組成物全量に対して50重量%から80重量%であることが好ましい。
前記白色樹脂組成物にその他の熱可塑性樹脂を配合する場合、当該その他の熱可塑性樹脂に含まれる水酸基と反応して架橋するイソシアネート化合物を適宜配合することができる。前記その他の熱可塑性樹脂と反応するイソシアネート化合物の配合量は、当該その他の熱可塑性樹脂全量に対して0.03重量%から10重量%であることが好ましい。
このようなイソシアネート化合物としては、前記熱可塑性樹脂と併せて配合するものと同じものを用いることができる。
次に前記光硬化性樹脂としては、活性エネルギー線照射により硬化する樹脂組成物であれば公知のものを使用することができ、例えば、光重合性オリゴマー、および光重合性ビニルモノマー等が挙げられる。
前記光硬化性樹脂を用いる場合、前記熱可塑性樹脂との合計配合量は前記白色樹脂組成物全量に対して50重量%から80重量%であることが好ましい。
前記白色樹脂組成物に光硬化性樹脂を配合する場合、併せて光重合開始剤を配合することが好ましい。このような光重合開始剤としては、例えばアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン等のアセトフェノン類;メチルアンソラキノン、2−エチルアンソラキノン、2−タ−シャリ−ブチルアンソラキノン、1−クロロアンソラキノン、2−アミルアンソラキノンなどのアンソラキノン類;チオキサントン、2、4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタ−ル、ベンジルジメチルケタ−ルなどのケタ−ル類;ベンゾフェノン、4,4−ビスメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類などが挙げられる。これらは単独または複数を組み合わせて使用することができる。
前記光重合開始剤を用いる場合、その配合量は特に限定されず、使用する光硬化性樹脂の種類、量によって適宜変更することができる。
次に前記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和イミド樹脂、シアネート樹脂、イソシアネート樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、オキセタン樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アリル樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、シリコーン樹脂、トリアジン樹脂およびメラミン樹脂、ユリア樹脂が挙げられる。これらの中でも、エポキシ樹脂が好ましく用いられる。
前記エポキシ樹脂としては、1個以上のエポキシ基を有する化合物が挙げられる。その中でも2個以上のエポキシ基を有する化合物が好ましく用いられる。このようなエポキシ樹脂としては、例えばブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等のモノエポキシ化合物、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、フェニル−1,3−ジグリシジルエーテル、ビフェニル−4,4’−ジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エチレングリコールまたはプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物等が挙げられる。
前記熱硬化性樹脂を用いる場合、前記熱可塑性樹脂との合計配合量は前記白色樹脂組成物全量に対して50重量%から80重量%であることが好ましい。
前記白色樹脂組成物に前記熱硬化性樹脂を配合する場合、当該熱硬化性樹脂の熱硬化を促進するために硬化触媒を配合することが好ましい。このような硬化触媒としては、例えばイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体;ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等のアミン化合物、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等のヒドラジン化合物;トリフェニルホスフィン等のリン化合物、ナフテン酸コバルトやナフテン酸銅等の金属石鹸等が挙げられる。
また、密着性付与剤としても機能するグアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等のS−トリアジン誘導体を配合することもできる。
これらは必要に応じて単独でまたは複数を組み合わせて用いることができる。またこのような硬化触媒の配合量は、前記熱硬化性樹脂100重量%に対して0.05重量%から10重量%、好ましくは0.1重量%から3重量%である。
また前記白色樹脂組成物には、水酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、タルクおよびバリウムの少なくとも1つを配合することができ、これらは単独または複数を組み合わせて使用することができる。またこれらの中でも特に水酸化アルミニウムが好ましく用いられる。これらを配合することにより、形成される白色層および反射シートの紫外線反射効果を向上することができる。
前記水酸化アルミニウムとしては公知のものを使用することでき、例えばC−3005、C−301、CL−303(以上、住友化学(株)製)、ハイジライト(登録商標)H−21、H−31、H−32、H−42、H−42M、H−43M(以上、昭和電工(株)製)が挙げられる。
当該水酸化アルミニウムの配合量は、白色樹脂組成物全量に対して0.5重量%から5重量%であることが好ましい。
また、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、タルク、バリウムについては、いずれも公知のものを使用することができる。これらの合計配合量は、白色樹脂組成物全量に対して0.5重量%から5重量%であることが好ましい。
前記白色樹脂組成物には、これを調製したり粘度を調整する目的で有機溶剤を配合することができる。
このような有機溶剤としては、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ヘキサメチレンジイソシアナートジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、炭酸プロピレン等のエステル類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素類;石油エーテル、石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等が挙げられる。これらは、単独でまたは複数を組み合わせて用いることができる。
これらの有機溶剤の配合量は、前記白色樹脂組成物全量に対して50重量%以下であることが好ましい。
前記添加剤としては、例えば前記白色層の前記基材と前記樹脂層との密着性を増すためにポリウレタン系接着剤を配合することができる。このようなポリウレタン系接着剤としては、例えば、セイカボンド(登録商標)E−263、セイカボンドC−26(以上、大日精化工業(株)製)、タケラック(登録商標)A3210、タケネート(登録商標)A3072等(以上、三井化学ポリウレタン(株)製)が挙げられる。このようなポリウレタン系接着剤の配合率は、前記白色樹脂組成物全量に対して10重量%以下であることが好ましい。
また前記添加剤として、必要に応じて、微粉シリカ、有機ベントナイト、モンモリロナイト等の増粘剤、シリコーン系、高分子系等の消泡剤、レベリング剤、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系等のシランカップリング剤等を前記白色樹脂組成物に配合することができる。これらの配合量は、前記白色樹脂組成物全量に対して10重量%以下であることが好ましい。
前記白色層は、例えば前記白色樹脂組成物を前記基材に塗布し、これを硬化することにより形成される。形成される前記白色層の厚さは、17μmから30μmであることが好ましい。前記白色層の厚さをこの範囲とすることにより、反射シートの可視光線の反射率をより高めることができる。
3.樹脂層
前記樹脂層としては、ポリエステルフィルム、またはポリエステル樹脂を含む樹脂組成物の塗布層からなることが好ましい。
前記樹脂層に用いられるポリエステルフィルムとしては、一般的に使用されるポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリナフタレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレート等からなるフィルムが挙げられる。これらの中でも特に、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましく用いられる。
また、前記樹脂層がポリエステル樹脂を含む樹脂組成物の塗布層からなる場合、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリナフタレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートを含む樹脂組成物を前記白色層の上に塗布して硬化させる、若しくは不飽和ポリエステル樹脂を含む樹脂組成物を前記白色層の上に塗布して熱硬化させる等によって形成される。
前記樹脂層には白色顔料を配合することができる。このような白色顔料としては前記基材に配合するものと同じものを使用することができ、特に酸化チタンが好ましく用いられる。
前記樹脂層に白色顔料を配合する場合のその配合量は、0.5重量%以上、好ましくは3重量%から80重量%、さらに好ましくは20重量%から80重量%である。白色顔料の配合量が80重量%を超えると、前記樹脂層が脆くなり、実用的な機械的強度が得られないことがあるため好ましくない。
また特に前記樹脂層としてポリエステルフィルムを用い、これに白色顔料として酸化チタンを配合する場合、当該ポリエステルフィルムは熱をかけて2軸延伸を行うため、前記ポリエステルフィルムに存在する酸化チタンの間隔が前記白色層とそれと異なるため、このような構成となる本実施形態の反射シートは、特に可視光線の高反射を実現することができる。
前記樹脂層として白色顔料を含むポリエステルフィルムを用いる場合、例えば帝人デュポンフィルム(株)製のテイジン(登録商標)テトロン(登録商標)フィルムU2、テイジン(登録商標)テトロン(登録商標)フィルムVW等を使用することができる。
なお、前記樹脂層はポリエステル樹脂以外に添加剤等を含んでいてもよく、このような添加剤としては、耐加水分解改質剤、固相重合促進剤、酸化防止剤、難燃剤等が挙げられる。
前記樹脂層の厚さは、17μmから30μmであることが好ましい。
また本実施形態の反射シートは、その光反射に影響を与えない範囲内で、前記基材と前記白色層の間、前記白色層と前記樹脂層の間、または前記樹脂層の表面に接着剤を塗布し、接着層を形成することもできる。これにより、前記基材と前記白色層、または前記白色層と前記樹脂層の密着力を向上することができる。また本実施形態に係る反射シートを太陽電池用バックシートとして用いる場合、前記樹脂層の表面にこのような接着層を形成することにより、当該反射シートと太陽電池モジュールの封止材であるEVAとの密着性を向上することができる。
このような接着剤としては、ポリウレタン系接着剤やイソシアネート系接着剤が好ましく用いられる。
前記ポリウレタン系接着剤としては、例えば、セイカボンド(登録商標)E−263、セイカボンドC−26(以上、大日精化工業(株)製)、タケラック(登録商標)A3210、タケネート(登録商標)A3072等(以上、三井化学ポリウレタン(株)製)が挙げられる。
また前記イソシアネート系接着剤としては、例えばコロネート(登録商標)L等(日本ポリウレタン工業(株)製)、の市販品を用いることができる。
これらのポリウレタン系接着剤、イソシアネート系接着剤には、接着性やポットライフに悪影響を与えない範囲で反応触媒やその他の添加剤を配合することができる。
本実施形態に係る反射シートの厚みは、その用途に応じて自由に調整することができるが、特に好ましくは195μmから350μmである。
本実施形態に係る反射シートは、例えば以下のような方法で製造される。
本実施形態においては前記基材としてポリエチレンナレフタレートからなるフィルムを用いる。
ポリエチレンナレフタレートフィルムに白色顔料を配合する場合、その方法は特に限定されず、従来の方法を適宜採用できる。例えば、ポリエチレンナフタレート成分を製造する任意の段階において前記白色顔料を添加する方法が挙げられる。なお、好ましくはエステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後に前記白色顔料を添加し、重縮合反応を進めてもよい。また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた白色顔料のスラリーとポリエステル原料とをブレンドしてもよい。また、混練押出機を用い、乾燥させた白色顔料とポリエステル原料とをブレンドする方法でもよい。
先ずポリエチレンナフタレートを溶解し、これをキャスティングドラムを用いて冷却固化させて未延伸フィルムとする。そしてこの未延伸フィルムをガラス転移温度Tg121℃〜(Tg+60)℃で長手方向に1回若しくは2回以上、その合計の倍率が3倍から6倍になるように延伸する。更にこれをTg121℃〜(Tg+60)℃で幅方向に倍率が3倍から6倍になるように延伸し、例えば厚さが250μmであるポリエチレンナフタレートフィルムを作製する。また更に必要に応じて、当該フィルムを180℃から230℃で1秒から60秒間、熱処理を行ってもよい。
次に前記ポリエチレンナフタレートフィルムの前記白色層を形成する面に、有機溶剤で塗布に適した粘度に調整された白色樹脂組成物をその膜厚が17μmから20μmとなるように塗布する。当該白色樹脂組成物には、粒径の異なる酸化チタン(A)および酸化チタン(B)に加え、水酸化アルミニウムを配合することが好ましい。
その後、前記ポリエチレンナフタレートフィルムに塗布された白色樹脂組成物を70℃から90℃の温度で乾燥することにより、これに含まれる有機溶剤を揮発させて塗膜を形成する。前記白色樹脂組成物の塗布方法としては、スクリーン印刷法、カーテンコート法、スプレーコート法、ロールコート法等を適宜用いることができる。また、有機溶剤の揮発乾燥には、熱風循環式乾燥炉、IR炉、ホットプレート、コンベクションオーブン等が用いられる。その後、80℃から100℃で張り合わせロール温度を保ち、前記基材を圧着させることにより、前記基材上に白色層が形成された反射シートを作成することができる。
なお、上述のように前記白色樹脂組成物を前記ポリエチレンナレフタレートフィルムに塗布するのではなく、当該白色樹脂組成物からなるドライフィルムを用いて前記塗膜を形成してもよい。
このようなドライフィルムは、例えばポリエチレンテレフタレート等からなるキャリアフィルムに前記白色樹脂組成物を塗布乾燥して白色樹脂層を形成し、その上に剥離可能なポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のカバーフィルムとを積層したものである。具体的には、当該白色樹脂層は、キャリアフィルムに前記白色樹脂組成物をブレードコーター、リップコーター、コンマコーター、フィルムコーター、メイヤーバーコーター、マイクログラビアコーター等で塗布し、上記と同様にこれを乾燥することにより形成される。
そして、当該ドライフィルムのカバーフィルムを剥がし、当該白色樹脂層と前記ポリエチレンナレフタレートフィルムとを重ね、ラミネーター等を用いてこれらを張り合わせることにより、前記ポリエチレンナレフタレートフィルム上に白色樹脂層の塗膜が形成される。そして、当該塗膜を上記と同様に加熱すれば、前記ポリエチレンナレフタレートフィルム上に白色層を形成することができる。
次いで前記白色層上に樹脂層を形成する。当該樹脂層としては、例えばポリエチレンナフタレートフィルム(以下、前記基材と区別するために「樹脂フィルム」という。)を用いることができる。このような樹脂フィルムの製造方法としては、例えば溶解されたポリエチレンナレフタレートをキャスティングドラムを用いてこれを冷却固化させて未延伸フィルムとする。そしてこの未延伸フィルムをガラス転移温度Tg121℃〜(Tg+60)℃で長手方向に1回若しくは2回以上、その合計の倍率が3倍から6倍になるように延伸する。更にこれをTg121℃〜(Tg+60)℃で幅方向に倍率が3倍から6倍になるように延伸し、厚さが50μmから75μmの樹脂フィルムであるポリエチレンナフタレートフィルムを作製する。また更に必要に応じて、当該フィルムを180℃から230℃で1秒から60秒間、熱処理を行ってもよい。
そして当該白色層の表面に前記樹脂フィルムを接着または圧着することにより、本実施形態に係る反射シートが作製される。当該接着方法としては、前記白色層の表面に前記樹脂フィルムを加熱されたロール群等を用いて熱圧着することにより行う。
なお、他の実施形態として、前記樹脂フィルムの表面に白色層を形成し、当該白色層の表面に前記ポリエチレンナフタレートフィルムを熱圧着することにより反射シートを製造することもできる。
またこれらの実施形態以外にも、前記ポリエチレンナフタレートフィルムと前記樹脂フィルム間に前記白色樹脂組成物を押し出して積層する押出サンドラミネーター法を用いることにより反射シートを製造することもできる。
次に、図1を用いて本実施形態の反射シートを簡単に説明する。
本実施形態の反射シート10は、ポリエステルフィルムからなる基材1と、白色層2と、樹脂層3からなる。
なお、前記基材および前記樹脂層に白色顔料として酸化チタンを配合し、前記白色層に酸化チタンおよび水酸化アルミニウムを配合した反射シートは、より一層の幅広い波長における光反射を実現することができる。
また、このような反射シートを結晶シリコン型太陽電池のバックシートとして用いた場合の太陽電池モジュールについて、図2を用いて説明する。
本実施形態の太陽電池モジュール100は、反射シート10(太陽電池用バックシート)と、EVAからなる封止材20と、太陽電池セル30と、ガラスからなる表面保護材基材40とからなる。表面保護基材40から入射する太陽光は太陽電池セル30に吸収され、エネルギーに変換される。太陽電池セル30が吸収できなかった太陽光は、封止材20を透過して反射シート10に入射する。そして、反射シート10は、入射する太陽光を紫外線から近赤外線までの幅広い波長において効率よく反射し、これを太陽電池セル30に戻すことができる。
このような構成を有する本実施形態の反射シートは、紫外線から近赤外線までの幅広い波長の光を高反射することができ、また熱吸収効果も発揮し得ることができる。そのため当該反射シートを例えば太陽電池用バックシートとして用いた場合、入射する太陽光を紫外線から近赤外線までの幅広い波長において効率よく反射することで太陽電池モジュールの発電効率を高めることができる。
このように、幅広い波長において光を高反射することのできる太陽電池用バックシートは、太陽電池の種類を選ばずに使用することができる。
例えば具体的には、現在多く使用されているシリコン系のうち単結晶型、多結晶型といった液晶型の太陽電池は500nmから900nmの波長の太陽光を利用して発電を行う。一方、アモルファス型と結晶型が組み合わさったダンデム型は300nmから900nmの波長の太陽光を利用して発電を行う。更に色素増感型は500nmから1500nmの波長の太陽光を利用して発電を行う。
本実施形態の反射シートは、このように最大発電帯が異なる太陽電池に対して、適宜所望の発電帯の波長における高い反射率を実現することができ、いずれの太陽電池に対しても好適に用いることができる。
また本実施形態の反射シートは、幅広い波長の光に対して高い反射率を実現できることから、LED照明の反射シートといった用途にも好適に使用することができる。
実施例
以下の各成分を混合、撹拌することにより白色樹脂組成物を調製した。
バイロン TU02−HA(東洋紡(株)製 熱可塑性樹脂) 250重量部
D−918(堺化学工業(株)製 酸化チタン 平均粒径0.26μm) 70重量部
R−38L(堺化学工業(株)製 酸化チタン 平均粒径0.4μm) 30重量部
タケネートR600(三井化学(株)製 イソシアネート化合物) 10重量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル(有機溶剤) 140重量部
厚さ188μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡(株)製 クリスパー(登録商標)K1212)の片面にスクリーン印刷により上記白色樹脂組成物を乾燥塗膜が17μmから20μmとなるように印刷した。その後、当該乾燥塗膜を120℃で60分加熱して熱硬化させて白色層を得た。
次いで、当該白色層上に厚さ75μmのPETフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製のテイジン(登録商標)テトロン(登録商標)フィルムVW)を積層してこれを熱圧着し、実施例に係る試験片を作製した。
比較例
以下の各成分を混合、撹拌することにより白色樹脂組成物を調製した。
ニッポラン136(日本ポリウレタン工業(株)製 熱可塑性樹脂) 100重量部
タイペークCR−90(石原産業(株)製 酸化チタン) 1000重量部
水酸化アルミニウム 20重量部
タケネートR600(三井化学(株)製 イソシアネート化合物) 10重量部
プロピレングリコールモノエチルエーテル(有機溶剤) 20重量部
エクアミド(出光興産(株)製 有機溶剤:アミド系溶剤) 20重量部
AEROSIL200((株)日本アエロジル製 球状シリカ) 20重量部
スチレン−無水マレイン酸共重合体(スチレン系樹脂) 600重量部
BYK−A515(ビックケミー・ジャパン(株)製 消泡剤) 20重量部
厚さ188μmのポリエチレンナフタレート(PEN)基材(帝人デュポンフィルム(株)製 テオネックス)の片面に上記白色樹脂組成物をスクリーン印刷により乾燥塗膜が20μmとなるように印刷し、これを120℃で60分間加熱し熱硬化させて、白色層を有する試験片を作製した。
<反射率>
実施例および比較例について、紫外可視分光光度計((株)島津製作所製 UV−3100PC)を用い、以下の条件にて樹脂層(樹脂フィルム)側から300nmから2000nmの反射率を測定した。これらの比較結果を図3に示す。
なお、実施例については樹脂層に相当する厚さ75μmのPETフィルム側から、比較例については白色層側から光を照射した。
<測定条件>
測定方法:拡散反射法
入射角:7度
光源:ハロゲンランプ
検出器:フォトマル(300nmから860nm)、PbS(860nmから2000nm)
参照:標準白色板(Labsphere社製 Soectralon)
<発熱および発電>
実施例に係る反射シートを太陽電池用バックシートとして使用した単結晶型および多結晶型の太陽電池モジュールを用意した。なお。単結晶型のシリコンサイズは66.8cm、多結晶型のシリコンサイズは50.0cmである。
当該単結晶型および多結晶型太陽電離モジュールについて、緯度:北緯31度、経度:東経120度の地点にて、天気:快晴、気温:9℃から12℃、湿度:88%前後の条件下にて、午前9時から午後12時30分までの間放置すると共に、定期的に各太陽電池モジュールの温度と電圧を測定した。太陽電池モジュールの温度の計測結果を表1に、電圧の計測結果を表2に表す。
なお電圧の測定にはMF47機能のアナログマルチメーターを用いた。また表1の単位は℃、表2の単位はDCVである。
Figure 2016206464
※1 単結晶の初期値については測定不可(測定機器の測定可能温度以下)であった。
Figure 2016206464
以上、図3から明らかなように、実施例の反射シートは、紫外線から近赤外線までの幅広い波長における光を十分に反射できることが分かる。
また表1および表2からも明らかなように、このような反射シートを用いた太陽電池モジュールは、使用時間経過における発電効率の低下および温度の上昇を抑制でき、長期的に安定した発電を行うことができる。
1 基材
2 白色層
3 樹脂層
10 反射シート
20 封止材
30 太陽電池セル
40 表面保護材
100 太陽電池モジュール

Claims (7)

  1. 基材と、この基材上に形成される白色層と、この白色層上に設けられる樹脂層とを含む反射シートであって、
    前記白色層は、芳香族ジカルボン酸と下記一般式(1)で表される化合物と炭素数が5から7の脂肪族ジオールとを共重合することにより得られる熱可塑性樹脂と白色顔料とを含む白色樹脂組成物を用いて形成されることを特徴とする反射シート。
    Figure 2016206464
  2. 前記白色顔料は酸化チタンであり、
    この酸化チタンは、平均粒径が0.1μmから0.3μmの酸化チタン(A)と、平均粒径が0.3μmから0.5μmの酸化チタン(B)とを含むことを特徴とする請求項1に記載の反射シート。
  3. 前記酸化チタン(A)と前記酸化チタン(B)の配合量は、前記白色樹脂組成物全量に対して前記酸化チタン(A)が17重量%から20重量%、前記酸化チタン(B)が7重量%から10重量%であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の反射シート。
  4. 前記白色層は水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、タルクおよびバリウムの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の反射シート。
  5. 前記基材および前記樹脂層の少なくとも一方は白色顔料を含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の反射シート。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の反射シートを用いた太陽電池モジュール。
  7. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の反射シートを用いたLED照明。
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