JP2016206033A - 振動状態推定装置、振動状態推定方法、およびプログラム - Google Patents

振動状態推定装置、振動状態推定方法、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】振動の周期を推定するための振動の波形を精度高く抽出することが可能な、振動状態推定装置を提供する。【解決手段】振動状態推定装置は、ビート信号の二次元平面における分布に基づいてビート信号を一次元の第1候補信号に変換する第1変換部131と、ビート信号の二次元平面における位置の時間変化に基づいてビート信号を一次元の第2候補信号に変換する第2変換部132と、第1変換部から出力された第1候補信号および第2変換部から出力された第2候補信号に基づいて第1候補信号または第2候補信号の少なくともいずれかを選択することにより一次元信号を決定する信号決定部133と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、振動状態推定装置、振動状態推定方法、およびプログラムに関する。
近年、被験者の健康状態を判定するために、被験者の呼吸などの振動を非接触で検出し、検出された振動状態を推定する技術が開発されている。例えば、下記特許文献1には、被験者が使用する寝具に備えつけられたエアパッドを介して被験者の振動を計測し、計測された信号から被験者の振動の周期を算出する手段について開示されている。また、下記特許文献2には、ドップラーセンサにより取得された被験者の振動を示すIQ信号(I:In−phase、Q:Quadrature−phase)について、IQ平面と呼ばれる二次元平面上における信号のノルムから振動の1周期ごとの波形の境界を特定することにより振動の周期を算出する技術が開示されている。
特開2006−263032号公報 特開2014−014708号公報
しかし、上記特許文献1においては、振動波形に含まれる微細な揺らぎをローパスフィルタにより減少させているため、微細な揺らぎを含む振動の波形は正確に抽出されておらず、推定される振動の周期の精度は高くない。また、上記特許文献2においては、振動を示すIQ信号にノイズが重畳している場合、または、振動が連続的で切れ目なく生じている場合、振動の周期の区切りとなる振動の停止区間が検出されにくくなるため、振動の周期を推定することが困難となる。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、振動の周期を推定するための振動の波形を精度高く抽出することが可能な、新規かつ改良された振動状態推定装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、ビート信号の二次元平面における分布に基づいて上記ビート信号を一次元の第1候補信号に変換する第1変換部と、上記ビート信号の二次元平面における位置の時間変化に基づいて上記ビート信号を一次元の第2候補信号に変換する第2変換部と、上記第1変換部から出力された上記第1候補信号および上記第2変換部から出力された上記第2候補信号に基づいて上記第1候補信号または上記第2候補信号の少なくともいずれかを選択することにより一次元信号を決定する信号決定部と、を備える、振動状態推定装置が提供される。
上記信号決定部は、上記第1候補信号の特徴量と上記第2候補信号の特徴量とを比較することにより決定される評価値に基づいて上記第1候補信号または上記第2候補信号の少なくともいずれかを選択してもよい。
上記信号決定部は、上記第1候補信号の周波数と上記第2候補信号の周波数とを比較することにより上記評価値を決定してもよい。
上記信号決定部は、変換前の上記ビート信号の二次元平面における分布に基づいて推定される上記分布の中心を基準とする上記ビート信号の回転角度の変化量に応じて決定される評価値に基づいて上記第1候補信号または上記第2候補信号の少なくともいずれかを選択してもよい。
上記信号決定部は、上記第1候補信号および上記第2候補信号の双方を選択する場合、上記第1候補信号および上記第2候補信号を、上記評価値を用いて重み付けすることにより、上記一次元信号を決定してもよい。
上記信号決定部は、上記第1候補信号もしくは上記第2候補信号のうち一時刻前に選択された一方の候補信号と異なる候補信号を選択する場合、または、上記第1候補信号および上記第2候補信号の双方を選択する場合、上記第1候補信号または上記第2候補信号のうち一方の候補信号の位相を、他方の候補信号の位相に整合させてもよい。
上記第1変換部は、上記ビート信号を表現する二次元ベクトルと、上記ビート信号の共分散行列に対する最大固有値に対応した固有ベクトルとの内積を算出することにより、上記ビート信号を上記第1候補信号に変換してもよい。
上記第2変換部は、上記ビート信号の二次元平面における分布に基づいて推定される上記分布の中心からの上記ビート信号の位置までの距離と、上記中心を基準とする上記ビート信号の回転角度の変化量との積を算出することにより、上記ビート信号を上記第2候補信号に変換してもよい。
上記振動状態推定装置は、上記信号決定部により決定された上記一次元信号の周波数を推定する周波数推定部と、上記周波数推定部により推定された上記周波数に基づいて上記一次元信号の基準位置を推定する基準位置推定部と、上記基準位置推定部により推定された一の基準位置と連続する他の基準位置との間隔を上記一次元信号の周期として算出する周期算出部と、をさらに備えてもよい。
上記ビート信号は、生体の呼吸に伴う振動に応じてドップラーセンサにより検出されたビート信号であってもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ビート信号の二次元平面における分布に基づいて上記ビート信号を一次元の第1候補信号に変換するステップと、上記ビート信号の二次元平面における位置の時間変化に基づいて上記ビート信号を一次元の第2候補信号に変換するステップと、変換された上記第1候補信号および変換された上記第2候補信号に基づいて上記第1候補信号または上記第2候補信号の少なくともいずれかを選択することにより一次元信号を決定するステップと、を含む、振動状態推定方法が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、ビート信号の二次元平面における分布に基づいて上記ビート信号を一次元の第1候補信号に変換する第1変換部と、上記ビート信号の二次元平面における位置の時間変化に基づいて上記ビート信号を一次元の第2候補信号に変換する第2変換部と、上記第1変換部から出力された上記第1候補信号および上記第2変換部から出力された上記第2候補信号に基づいて上記第1候補信号または上記第2候補信号の少なくともいずれかを選択することにより一次元信号を決定する信号決定部と、として機能させるためのプログラムが提供される。
以上説明したように本発明によれば、振動の周期を推定するための振動の波形を精度高く抽出することが可能である。
本発明の一実施形態に係る振動状態推定システムの概要を示す図である。 本発明の一実施形態に係る振動状態推定装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る信号変換部の構成例を示すブロック図である。 ビート信号のIQ平面における軌跡の一例を示す図である。 ビート信号のIQ平面における軌跡の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る第1変換部により出力された第1候補信号の一例を示す図である。 ビート信号のIQ平面における軌跡について本発明の一実施形態に係る第2変換部による変換処理を実施する例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る信号決定部における一次元信号の決定処理フローの一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る信号決定部により算出された指標値の分布を示す図である。 本発明の一実施形態に係る振動状態推定装置の動作例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る振動状態推定装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.振動状態推定システムの構成例>
図1は、本発明の一実施形態に係る振動状態推定システム1の概要を示す図である。図1を参照すると、振動状態推定システム1は、ドップラーセンサ2、および振動状態推定装置10を有する。
ドップラーセンサ2は、図1に示すように、例えば部屋の天井等に設置され、検出エリアである部屋の屋内に向けて、光、電磁波、または音波等の放射波を放射し、物体(例えば図1においては人物P)により反射された反射波を受信する。このとき、反射波の周波数は、物体の振動等の運動により生じるドップラー効果により、放射波の周波数から変化する。ドップラーセンサ2は、放射波の周波数と反射波の周波数との差分の周波数を有するビート信号を生成する。ドップラーセンサ2は直交検波方式を搭載してもよく、その場合、ドップラーセンサ2は、余弦波成分(I成分)および正弦波成分(Q成分)の2種類のビート信号を生成する。ドップラーセンサ2は、生成したビート信号を振動状態推定装置10に出力する。
なお、ドップラーセンサ2は、物体の振動が検出可能であれば任意の位置に設置可能である。また、図1に示した例では、ドップラーセンサ2は放射波の送信部と反射波の受信部とが一体となって構成されているが、ドップラーセンサ2は、送信部と受信部とを分離した構成により実現されてもよい。また、ドップラーセンサ2が放射する放射波は、物体の振動によりドップラー効果を生じさせることが可能であれば、任意の周波数帯の波であってもよい。例えば、呼吸の振動をドップラーセンサが検知する場合、2.4GHz〜10.5GHz帯などの、呼吸の振動の変位と比較して波長が大きい波が用いられることが多い。しかし、本実施形態においては、呼吸の振動の幅広い変位を対象として、かつ波形に含まれる微細なゆらぎを検出するために、24GHz帯などの準ミリ波やミリ波の帯域の波が用いられることが好ましい。
振動状態推定装置10は、ドップラーセンサ2から出力されたビート信号から、被験者(例えば人物P)の振動状態を推定する装置である。振動状態推定装置10は、例えば、ネットワーク上の一または複数の情報処理装置によって実現されてもよい。より具体的には、振動状態推定装置10は、サーバやPC(Personal Computer)等により実現されてもよい。ここで、本明細書において振動状態とは、例えば物体の振動波形から得られる振幅や周期を意味する。例えば、振動状態推定装置10は、人物Pの呼吸等の振動から得られるビート信号から、人物Pの振動状態を推定することが可能である。振動状態推定装置10は、例えば、不図示の通信部を介して、推定した振動状態を有線または無線により外部装置等に送信することが可能である。これにより、例えば、上記外部装置において、振動状態について解析を行うことが可能となる。振動状態の解析により、例えば、人物Pの健康状態等を把握することが可能となる。なお、振動状態の解析については、上記のような外部装置ではなく、振動状態推定装置10本体において行うことも可能である。
ここで、人物Pの振動から得られるビート信号には、人物Pの様々な運動に起因する信号が含まれ得る。例えば、人物Pの呼吸の振動のみならず、人物Pの体動や心拍などの振動もビート信号に含まれ得る。さらに、ドップラーセンサ2が生成したビート信号には、周囲の環境に起因するノイズ等も含まれ得る。そのため、例えば呼吸の振動を検出対象とする場合、呼吸の波形情報のみをビート信号から検出することが望ましい。
例えば、特開2006−263032号公報においては、呼吸の周期を検出するために、振動信号に対して、呼吸の周波数帯に相当する0.15〜0.30Hzのバンドパスフィルタによるフィルタ処理が施されている。しかしその場合、呼吸の1周期ごとに微細な揺らぎが生じている場合において、その揺らぎがバンドパスフィルタにより低減されてしまうため、微細な揺らぎを伴う振動を表現する波形を抽出することが困難となる。また、上記公報に開示されている技術をビート信号に対して適用させる場合、振動の振幅の大きさによっては、詳細は後述するが、振動波形に高周波成分が重畳されてしまう。この場合、一回の呼吸において複数のピークを有する波形が抽出されるため、呼吸による振動の周期を誤って推定してしまう可能性がある。
また、特開2014−014708号公報においては、IQ平面上におけるビート信号のノルムを算出し、ノルムが略ゼロとなる時刻を呼吸の吸い込みと吐き出しの切り替わり時として検出することにより、呼吸の周期が推定されている。しかし、例えばビート信号にノイズが多く重畳している場合や、呼吸の動作が切れ目なく連続的である場合、ノルムが略ゼロとなる時刻の検出が困難となる。そのため、呼吸の周期を誤って推定してしまう可能性がある。
そこで、上記事情を一着眼点にして、振動状態推定装置10を創作するに至った。本発明の一実施形態に係る振動状態推定装置10は、例えば、呼吸などの振動の周期を推定するための振動の波形を精度高く抽出することが可能である。以下、一実施形態に係る振動状態推定装置10の構成についてより詳細に説明する。
<2.振動状態推定装置の構成例>
図2は、本発明の一実施形態に係る振動状態推定装置10の構成例を示すブロック図である。図2を参照すると、振動状態推定装置10は、ビート信号取得部110、フィルタ部120、信号変換部130、周波数推定部140、基準位置推定部150、および周期算出部160を含む。図示された振動状態推定装置10は、取得したビート信号を一次元信号に変換し、変換した一次元信号の周波数を推定し、推定された周波数からビート信号の周期を算出するための一次元信号における基準位置を推定する。これにより、微細な揺らぎを含む呼吸の振動を抽出し、さらに微細な揺らぎを含む呼吸の振動の周期を一回の呼吸ごとに推定することが可能となる。これにより、例えば推定された振動の周期のばらつきから、被験者のストレス状態などを検知することが可能である。以下、各構成の機能について説明する。
(ビート信号取得部)
ビート信号取得部110は、ドップラーセンサ2から出力されるビート信号D(t)を取得する。ドップラーセンサ2から出力されるビート信号D(t)はI成分とQ成分の2波の成分を有し、振幅をA(t)、波長をλ、時刻tにおけるドップラーセンサ2と対象物体(例えば図1に示された人物P)との距離をd(t)、初期位相をφ、直流成分をO、ノイズ成分をwとすると、ビート信号D(t)は、下記の数式1のように表現される。
ビート信号取得部110は、取得したビート信号D(t)をフィルタ部120に出力する。なお、詳しくは後述するが、他の実施形態において振動状態推定装置がフィルタ部120を有さない場合は、ビート信号取得部110はビート信号D(t)を信号変換部130に出力してもよい。また、ビート信号取得部110は、取得したビート信号D(t)を時系列に不図示の記憶部に記憶してもよい。
(フィルタ部)
フィルタ部120は、ビート信号取得部110が取得したビート信号D(t)に含まれる直流成分Oなどの低周波成分や、ノイズ成分wなどを減少または除去するフィルタ処理を実施し、フィルタ処理されたビート信号D(t)を信号変換部130に出力する。これにより、例えば、ビート信号D(t)の振幅が微弱である場合において、ビート信号D(t)を不図示の増幅器等により増幅させることが可能となる。フィルタ部120は、例えば、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、バンドパスフィルタ、IIRフィルタなどの多様なフィルタを用いることができ、またこれらのフィルタの組み合わせを用いてもよい。また、フィルタ部120は、例えば、人物Pの体動や心拍など、呼吸とは関係のない振動を含む成分を低減させてもよい。なお、本実施形態ではフィルタ部120によりビート信号D(t)に含まれる直流成分Oやノイズ成分w等が低減されるが、他の実施形態においてビート信号D(t)についてのフィルタ処理が不要であると判断された場合、振動状態推定装置10は必ずしもフィルタ部120を含まなくてもよい。
(信号変換部)
信号変換部130は、ビート信号取得部110またはフィルタ部120から出力されたビート信号D(t)を一次元信号r(t)に変換する。より具体的には、信号変換部130は、少なくとも2つの変換手段によりビート信号D(t)から変換された一次元の候補信号のうち、少なくともいずれかを用いて決定された一次元信号r(t)を出力する。I成分とQ成分を有する二次元信号であるビート信号D(t)を一次元信号r(t)に変換することにより、呼吸の振動の周期を推定するための処理が容易になる。なお、信号変換部130の構成および処理については後述する。
(周波数推定部)
周波数推定部140は、信号変換部130から出力された一次元信号r(t)の有する周波数f(t)を推定する。例えば、周波数推定部140は、呼吸周期の大きな揺らぎに合わせるために、一次元信号r(t)と参照信号との位相差、および位相差の時間変化に基づいて一次元信号r(t)の周波数を推定する、第1周波数推定部を有してもよい。また、周波数推定部140は、第1周波数推定部により推定された推定周波数に対応する周期に相当する区間長を有する比較信号を一次元信号r(t)から切り出し、比較信号と上記の区間長を有する一次元信号r(t)との相関係数を算出することにより一次元信号r(t)の周波数を推定する、第2周波数推定部を有してもよい。以下、第1周波数推定部により推定された一次元信号r(t)の周波数を第1推定周波数f(t)と、また、第2周波数推定部により推定された一次元信号r(t)の周波数を第2推定周波数f(t)と呼称する。
−第1周波数推定部
第1周波数推定部は、時刻tにおける一次元信号r(tk)と参照信号との位相差ψ(tk)から、第1推定周波数f(tk)を算出する。第1周波数推定部は、まず、一次元信号r(t)と、参照信号とを積算し、積算された信号の低周波成分を、ローパスフィルタ等を用いて抽出することにより、一次元信号r(tk)と参照信号との位相差ψ(tk)を算出する。ここでは参照信号として、位相変化による周期推定を容易とするため、位相とその時間変化をパラメータにもつ正弦波、または余弦波が用いられる。その場合、参照信号は、時刻tk−1に推定された第1周波数f(tk−1)を有する正弦波、あるいは余弦波の信号である。そして、第1周波数推定部は、位相差ψ(tk)と、時刻tk−1に算出された位相差ψ(tk−1)との変化分を算出する。位相差の時間変化分ψ(tk)−ψ(tk−1)は、一次元信号r(t)の周波数の変化によって生じたものと仮定して、第1周波数推定部は、参照信号の周波数f(tk−1)に、位相差の時間変化分ψ(tk)−ψ(tk−1)に相当する周波数を加算して、第1推定周波数f(tk)を出力する。
なお、上記位相差の時間変化分が所定の閾値以上であった場合、周波数のフィードバック値が大きく見積もられやすいため、第1推定周波数f(tk)が振動を伴って収束しないといった問題がある。そのため、参照信号の周波数f(tk−1)に加算する周波数の値は、位相差の時間変化分ψ(tk)−ψ(tk−1)に相当する周波数に、1未満の係数を積算した値でもよい。これにより、比較的短い時間で第1推定周波数f(t)が収束することが可能である。
また、算出された第1推定周波数f(tk)が所定の周波数帯域に存在しない場合、参照信号の周波数f(tk−1)を、第1推定周波数f(tk)として出力してもよい。ここで所定の周波数帯域とは、例えば、本実施形態においては、呼吸運動の周期に相当する周波数帯域を意味する。
−第2周波数推定部
第2周波数推定部は、入力された一次元信号r(t)の相関分析を行うことにより、第1周波数推定部により得られた第1推定周波数f(tk)より局所的な変化において精度の高い第2推定周波数f(tk)を推定する。まず、第2周波数推定部は、一次元信号r(t)から、時刻tk−Tから時刻tkまでの区間を切り出し、これを比較信号として扱う。Tは、先に推定された第1推定周波数f(tk−1)に対応する周期である。次に、第2周波数推定部は、切り出された比較信号を用いて、相関係数を算出する。相関係数の算出範囲は、tk−2Tからtk−Tの範囲を含むことが好ましい。そして第2周波数推定部は、上記の算出範囲において、区間長Tを有する一次元信号r(t)と、比較信号との相関係数R(τ)が最大となるタイムラグτmaxを算出する。このとき、第2周波数推定部は、τ=τmaxのときの相関係数R(τmax)を不図示の記憶部に記憶してもよい。第2周波数推定部は、相関係数算出範囲において算出される相関係数が最大となるときのタイムラグτmaxから、第2推定周波数f(t)を算出する。例えば、第2推定周波数f(t)は、タイムラグτmaxの逆数であってもよい。
−判定部
周波数推定部140は、上述した2つの推定された周波数について、いずれの周波数を用いるかを判定する判定部を有してもよい。例えば、判定部は、2つの推定された周波数の差が所定の閾値以内であるかに基づいて、いずれの周波数を推定周波数f(t)として用いるかを判定してもよい。また、第2周波数推定部で算出されたタイムラグτmaxの値に基づいて、第1推定周波数f(tk)と第2推定周波数f(t)のいずれの周波数を用いるかを判定してもよい。
以上より、周波数推定部140は、おおよその周波数を推定できる第1周波数推定部と、イレギュラーな変動には追従することが困難であるが、波形の局所的な変化を検出することにより周波数を推定する第2周波数推定部とのどちらを用いるかを判定部により判定することにより、微細な揺らぎを多く含む波形の周波数を、1回の呼吸ごとに高い精度で推定することができる。周波数推定部140により推定された推定周波数f(t)は、基準位置推定部150に出力される。
(基準位置推定部)
基準位置推定部150は、推定周波数f(t)に基づいて一次元信号r(t)の基準位置を推定する。ここで基準位置とは、本明細書においては、一次元信号r(t)の1周期ごとの波形について、各波形の類似する波形のうち、ピーク位置などの共通する特徴を持った位置を意味する。一次元信号r(t)は時系列信号であるため、基準位置は時刻により特定される。また、基準位置は、例えば波形のボトム位置でもよいし、r(t)=0となる位置でもよい。
基準位置推定部150は、まず、推定時刻tを終点とする推定周波数f(tk)に対応する周期Tを区間長とする基準信号を、一次元信号r(t)から切り出す。基準位置推定部150は、切り出された基準信号の基準位置を推定する。例えば、基準位置推定部150は、基準信号と同一の周期Tを有する所定の初期位相(本実施形態においては、初期位相を0とする)の余弦波または正弦波を生成し、上記余弦波または正弦波と基準信号との位相差を算出してもよい。ここで算出された位相差と時刻tから、一次元信号r(t)の基準信号区間内における基準位置を推定することが可能である。
なお、基準位置推定部150は、推定された基準位置の誤差を補正するために、上記基準信号の区間内において複数回推定された基準位置の分布から、統計手段を用いて基準位置を確定してもよい。例えば、基準位置推定部150は、基準位置の分布から得られるモード(最頻値)を、基準位置として確定してもよい。
以上より、基準位置推定部150は、一次元信号r(t)の基準位置を推定することにより、微細な揺らぎを含む波形においても、周期を算出するための情報を導出することが可能となる。基準位置推定部150は、推定または確定した基準位置を周期算出部160に出力する。
(周期算出部)
周期算出部160は、基準位置推定部150から出力された複数の基準位置から、ビート信号D(t)の周期を算出する。具体的には、周期算出部160は、連続する基準位置の差分を、ビート信号D(t)の1周期として算出してもよい。これにより、微細な揺らぎを含む波形により表現される呼吸振動の周期を、1回の呼吸ごとに算出することが可能である。
<3.信号変換部の構成例>
図3は、本発明の一実施形態に係る信号変換部130の構成例を示すブロック図である。図3を参照すると、信号変換部130は、第1変換部131と、第2変換部132と、信号決定部133とを含む。以下、それぞれの構成要素について説明する。
(第1変換部)
第1変換部131は、ビート信号取得部110、またはフィルタ部120から取得したビート信号D(t)について、ビート信号D(t)のIQ平面における分布に基づいて、ビート信号D(t)を一次元の第1候補信号R(t)に変換し、変換した第1候補信号R(t)を信号決定部133に出力する。例えば、第1変換部131は、ビート信号D(t)を表現する二次元ベクトルと、ビート信号D(t)の共分散行列の最大固有値に対応する固有ベクトルとの内積を算出することにより、ビート信号D(t)を第1候補信号R(t)に変換してもよい。つまり、第1変換部131は、ビート信号D(t)を最大固有値に対応する主成分方向に射影した第1候補信号R(t)を得ることができる。具体的には、第1候補信号R(t)は、下記の数式2により算出されてもよい。
ここで、b(t)はビート信号D(t)のI成分とQ成分を表現する二次元ベクトル、p(t)は、ビート信号D(t)の共分散行列の最大固有値に対応する固有ベクトルである。なお、ビート信号D(t)を表現する二次元ベクトルの原点は、例えばビート信号D(t)の分布に基づいて推定されてもよい。例えば、過去数秒〜数十秒におけるビート信号D(t)の軌跡の、IQ平面の原点からの最大位置および最小位置の中点が、原点であってもよい。また、最小二乗法等によりビート信号D(t)の軌跡を円や楕円として近似し、その近似した図形の中心点が原点であってもよい。また、フィルタ部120においてハイパスフィルタやバンドパスフィルタを用いてフィルタ処理されたビート信号はIQ平面の原点に近接するので、IQ平面の原点が二次元ベクトルの原点であってもよい。
図4は、ビート信号D(t)のIQ平面における軌跡の一例を示す図である。図4に示されるグラフG1を参照すると、IQ平面上においてビート信号D(t)の軌跡Tr1が示されている。例えば、呼吸の振動の変位がドップラーセンサ2から放射される放射波の波長の1/10程度であるなど比較的小さい場合、ビート信号D(t)は、軌跡Tr1のような扁平な8の字の分布となることが多い。このような場合、例えば軌跡Tr1について主成分分析を行った場合、軸Pc1が示す第1主成分に対応する最大固有値は、他の主成分と比較して大きな値を示す。第1変換部131は、ビート信号D(t)を第1主成分に射影することにより、第1候補信号R(t)を得ることができる。
なお、本実施形態に係る第1変換部131は、軌跡Tr1について主成分分析等を行うことにより得られる固有値および固有ベクトルを用いてビート信号D(t)を第1候補信号R(t)に変換する。しかし、例えば、軌跡Tr1のような扁平な8の字の分布について、上記扁平方向の軸方向を抽出し、上記軸方向における信号の動きを抽出することが可能であれば、第1変換部131は主成分分析以外の方法を用いてビート信号D(t)を第1候補信号R(t)に変換してもよい。
(課題)
しかし、呼吸の振動の変位が比較的大きい場合、上述した第1変換部131によりビート信号D(t)から変換された第1候補信号R(t)の波形は、呼吸の振動を必ずしも正確に表現するとは限らない。図5は、ビート信号D(t)のIQ平面における軌跡の一例を示す図である。図5に示されるグラフG2aを参照すると、IQ平面上においてビート信号D(t)の軌跡Tr2が示されている。例えば、呼吸の振動の変位がドップラーセンサ2から放射される放射波の波長の1/2以上であるなど比較的大きい場合、軌跡Tr2のように、円弧を描くような分布となることが多い。この軌跡Tr2により表現されるビート信号D(t)の分布において主成分分析を行った場合、最大固有値の値は低くなり、主成分方向を適切に定めることが困難である。また、仮に主成分方向を示す軸が適切に得られた場合であっても、第1変換部131によって得られた第1候補信号R(t)は、本来の呼吸周期よりも短い周期を有する高周波の信号を含む形状となり得る。
図6は、本発明の一実施形態に係る第1変換部131により出力された第1候補信号R(t)の一例を示す図である。図6を参照すると、第1候補信号R(t)の時間変化を示す波W1が示されている。このとき、波W1は、高周波成分による歪みW11〜W14を含んでいる。これは、ビート信号D(t)の移動方向が呼吸の切り替わりや揺らぎにより反転したり、ビート信号D(t)が1回の呼吸の間に円弧を何周も描くように移動することにより、主成分方向に射影される第1候補信号R(t)の波W1が、呼吸の周期よりも短い周期(高周波)の振動を含んでしまうためである。そのため、呼吸の振動の変位が、例えば、ドップラーセンサ2の放射波の波長の1/2以上である場合、第1変換部131により変換された第1候補信号R(t)の波形は、実際の呼吸の振動を表す波形(図6に示した例では、波W1が波形W21〜W24を含む波形)とは異なり、高周波成分による歪みを含んでしまう。その結果、例えば、一次元信号r(t)の波形が高周波の信号を含む場合、波形から振動の周期を判定することは困難となり得る。
そこで、信号変換部130は、ビート信号D(t)の位置の時間変化を反映させてビート信号D(t)を一次元の第2候補信号R(t)に変換する第2変換部132をさらに含む。第2変換部132は、第1変換部131では正確な抽出が困難である変位の大きい呼吸の振動を抽出することができる。具体的には、第2変換部132は、ビート信号D(t)の分布ではなくビート信号D(t)の逐次的な変化を追いかけることにより一次元の信号を得ることが可能である。
(第2変換部)
第2変換部132は、ビート信号取得部110、またはフィルタ部120から取得したビート信号D(t)について、ビート信号D(t)のIQ平面における位置の時間変化に基づいて、ビート信号D(t)を一次元の第2候補信号R(t)に変換し、変換した第2候補信号R(t)を信号決定部133に出力する。例えば、第2変換部132は、ビート信号D(t)のIQ平面における分布に基づいて推定される分布の中心からのビート信号D(t)の位置までの距離(振幅に相当)と、分布の中心を基準とするビート信号D(t)の回転角度の変化量との積を算出することにより、ビート信号D(t)を第2候補信号R(t)に変換してもよい。例えば、R(t)は、下記の数式3における連続関数(本実施形態においては、シグモイド関数)を利用した関数を用いて算出されてもよい。
ここで、Amp(t)はビート信号D(t)の振幅、θ(t)はビート信号D(t)のIQ平面上における角度であり、θ’(t)は、角度θ(t)の単位時間の角度の変化量、または角度θ(t)の時間微分値である。また、a、b、およびcはいずれも定数であり、自由に設定可能である。
図7は、ビート信号D(t)のIQ平面における軌跡について第2変換部132による変換処理を実施する例を示す図である。図7に示されるグラフG2bを参照すると、軌跡Tr2上におけるビート信号D(t)について、振幅Amp(t)および角度θ(t)が示されている。振幅Amp(t)および角度θ(t)の変化量θ’(t)の積は、図7で示されている領域Av1の面積速度に相当する。この面積速度は、呼吸の振動の単位時間当たりの大きさに相当する。また、変化量θ’(t)は、呼吸の振動の方向(息の吸い込み、吐き出し)により正負の値を取るため、呼吸の振動の方向を表現できる。そのため、振幅Amp(t)と変化量θ’(t)の積により、呼吸運動の状態を的確に表現することが可能となる。
なお、振幅Amp(t)は、ビート信号D(t)のIQ平面における分布に基づいて推定される分布の中心からのビート信号D(t)の位置までの距離に相当し、また、角度θ(t)は、分布の中心を基準とするビート信号D(t)の回転角度に相当する。ここで、分布の中心とは、例えば図7に示した中心点C1を指す。ここで、ビート信号D(t)の分布の中心は、ビート信号D(t)の分布に基づいて推定されてもよい。例えば、過去数秒〜数十秒におけるビート信号D(t)の分布について、IQ平面の原点からの最大位置と最小位置との中間位置や、分布の中央に相当する位置が、ビート信号D(t)の分布の中心であってもよい。また、最小二乗法等によりビート信号D(t)の軌跡を円や楕円として近似し、その近似した図形の中心点が分布の中心であってもよい。また、フィルタ部120においてハイパスフィルタやバンドパスフィルタを用いてフィルタ処理されたビート信号D(t)はIQ平面の原点に近接するように分布するので、IQ平面の原点がビート信号D(t)の分布の中心であってもよい。
(信号決定部)
信号決定部133は、第1変換部131から出力された第1候補信号R(t)および第2変換部132から出力された第2候補信号R(t)に基づいて第1候補信号R(t)または第2候補信号R(t)の少なくともいずれかを選択することにより、周波数推定部140に出力する一次元信号r(t)を決定する。例えば、信号決定部133は、第1候補信号R(t)または第2候補信号R(t)の一方を一次元信号r(t)と決定してもよい。また、信号決定部133は、第1候補信号R(t)と第2候補信号R(t)とを統合させた信号を一次元信号r(t)と決定してもよい。
図4に示した呼吸の振動が小さい場合のビート信号D(t)の軌跡Tr1においては、分布の中心からの角度θ(t)の変化量θ’(t)は、図5に示したビート信号D(t)の軌跡Tr2の場合と比較して、ノイズや量子化誤差の影響により精度が低くなる。つまり、呼吸の振動が小さい場合は、第2候補信号R(t)よりも、第1候補信号R(t)の方が、呼吸の振動の波形を正確に表現し得る。一方で、上述したように、図5に示した呼吸の振動が大きい場合のビート信号D(t)の軌跡Tr2においては、第1候補信号R(t)よりも、第2候補信号R(t)の方が、呼吸の振動の波形を正確に表現し得る。そのため、信号決定部133は、第1候補信号R(t)または第2候補信号R(t)についてそれぞれ比較し、比較結果に基づいて出力する一次元信号r(t)を決定する。
ここで、信号決定部133は、一次元信号r(t)を決定するためのパラメータとして、評価値sを決定する。評価値sは、呼吸の振動の変位に応じて呼吸の振動を表現する波形の精度が変化する第1候補信号R(t)および第2候補信号R(t)のどちらを優先的に用いるべきかを評価する値である。つまり、評価値sを算出し、評価値sに基づいて一次元信号r(t)を決定することにより、呼吸の振動の変位にとらわれず、呼吸の振動がより正確に反映された波形を生成することが可能となる。評価値sは、例えば、0〜1の間で決定する値であってもよい。この場合、例えば、評価値sが0に近ければ第1候補信号R(t)が、評価値sが1に近ければ第2候補信号R(t)が、他方の候補信号よりも呼吸の振動の波形をより正確に表現し得るということを意味する。また、本実施形態においては、評価値sは単一であるが、他の実施形態においてはかかる例に限定されない。例えば、評価値sは、第1候補信号R(t)および第2候補信号R(t)についてそれぞれ算出されてもよく、信号決定部133は、各候補信号の評価値sに基づいて出力する一次元信号r(t)を決定してもよい。また、評価値sの数値範囲についても、0〜1の範囲に限定されず、任意の範囲であってもよい。
以下、信号決定部133における一次元信号r(t)の決定処理フローについて、評価値sの決定方法を含めて説明する。
<4.信号決定処理フロー>
図8は、本発明の一実施形態に係る信号決定部133における一次元信号r(t)の決定処理フローの一例を示す図である。本実施形態に係る信号決定部133は、まず、評価値sを決定するための指標値を算出し、その後、信号決定部133は、算出した指標値を用いて、評価値sを決定する。その後、信号決定部133は、決定された評価値sを用いて一次元信号r(t)を決定する。
[4−1.指標値の算出]
まず、信号決定部133は、第1候補信号R(t)および第2候補信号R(t)の少なくともいずれかを選択するための評価値sを決定するための指標値を算出する処理を行う(S201)。信号決定部133は、例えば、以下の2つの手段の少なくともいずれかを用いて算出する。
(周波数による指標値の算出)
信号決定部133は、例えば、第1候補信号R(t)の特徴量と第2候補信号R(t)の特徴量とを比較することにより決定される評価値sに基づいて、少なくともいずれかの候補信号を選択することが可能である。この特徴量とは、例えば、本実施形態においては、各候補信号の周波数であってもよい。つまり、信号決定部133は、第1候補信号R(t)および第2候補信号R(t)のそれぞれについて周波数を算出し、周波数の各々を比較することにより評価値sを決定してもよい。上述したように、呼吸の振動の変位がドップラーセンサ2から放射される放射波の波長の1/2以上であるなど比較的大きい場合、図6で示したように、第1候補信号R(t)は高周波成分を含むような波形を形成し得る。その場合、第1候補信号R(t)の周波数は、第2候補信号R(t)の周波数と比較して、高い値を取り得る。一方で、第1候補信号R(t)が高周波成分をあまり含まない場合は、各周波数はほぼ同じ値を取り得る。したがって、信号決定部133は、各候補信号の周波数を比較することにより、第1候補信号R(t)または第2候補信号R(t)の一方又は双方を選択するための評価値sを決定することが可能である。
ここで、信号決定部133は、評価値sを決定するための指標値x(t)を、各候補信号の周波数に基づいて算出してもよい。例えば、信号決定部133は、第1候補信号R(t)の周波数をfr1(t)、第2候補信号R(t)の周波数をfr2(t)として、以下の数式4を用いて、評価値sを決定するための指標値x(t)を算出してもよい。
ここで、kは定数であり、0.0〜1.0程度の値が好ましい。例えばk=1とした場合において、呼吸の振動の変位が比較的大きい場合、第1候補信号R(t)に高周波成分が含まれる場合、指標値x(t)は1.0よりも大きい値を取り得る。一方で、第1候補信号R(t)が高周波成分をあまり含まない場合は、指標値x(t)はほぼ1.0に近い値を取り得る。
なお、各候補信号の周波数は、例えば、各候補信号についてヒルベルト変換を用いることにより得られる複素成分を有する解析信号の位相の変化から算出されてもよい。一般に、ヒルベルト変換は、入力信号について、入力信号を実部とし、π/2の位相遅延器を経由した信号を虚部とする複素成分を有する解析信号に変換することができる。これにより、例えば、連続する2時刻における解析信号の位相の時間変化を抽出することで、入力信号である候補信号の周波数を算出することが可能である。なお、本実施形態において各候補信号の周波数はヒルベルト変換により得られる解析信号により算出されるが、上記周波数の算出方法についてはかかる例に限定されない。例えば、DFT(Discrete Fourier Transform:離散フーリエ変換)やウェーブレット解析などを用いて各候補信号のピークとなる周波数成分を算出することも可能である。ただし、上述したように、各候補信号は微細な揺らぎを含む一次元の波形を有しているため、各候補信号をフーリエ変換等により周波数領域に変換すると、上記のような微細な揺らぎを表現する周波数成分に関する情報が希薄化することが考えられる。そのため、各候補信号について、ヒルベルト変化など、時間領域において解析する手法を用いて周波数を算出することが好ましい。
(角度変化量による指標値の算出)
また、信号決定部133は、変換前のビート信号D(t)のIQ平面における分布に基づいて推定される分布の中心を基準とするビート信号D(t)の回転角度の変化量に応じて評価値sを決定してもよい。ここで、分布の中心、および回転角度は、第2変換部132において用いられた第2候補信号R(t)の算出方法における分布の中心、および回転角度θ(t)を意味する。例えば、呼吸の振動の変位が比較的小さい場合、回転角度θ(t)の変化量θ’(t)の変化も比較的小さくなる。一方で、呼吸の振動の変位が比較的大きい場合、θ’(t)の変化も比較的大きくなる。そのため、θ’(t)の大きさや偏差に基づいて呼吸の振動の変位を把握することが可能である。つまり、θ’(t)の変化について評価することにより、第1候補信号R(t)または第2候補信号R(t)の一方又は双方を選択するための評価値sを決定することが可能である。
例えば、信号決定部133は、以下の数式5を用いて、角度の変化量θ’(t)の偏差に基づいて、評価値sを決定するための指標値x(t)を算出してもよい。
ここで、Lは任意の遅延時間、Eは期待値を意味する。例えば、呼吸の振動が比較的小さい場合は、指標値x(t)の値は小さくなる。一方で、呼吸の振動が比較的大きい場合は、指標値x(t)の値は大きくなる。
なお、呼吸の振動が比較的小さい場合は、ビート信号D(t)の回転角度が小さいため、変化量θ’(t)が異常値を示す場合も多い。そのため、例えば信号決定部133は、変化量θ’(t)の分布についてメディアンフィルタ、移動平均による平滑化処理、または外れ値の除去処理等を実施することにより、呼吸の振動が比較的小さい場合におけるθ’(t)の値を補正してもよい。これにより、変化量θ’(t)による各候補信号の選択をより適切に実施することができる。また、変化量θ’(t)の値は、呼吸の振動が小さい場合は小さくなり、呼吸の振動が大きい場合は大きくなる。そのため、指標値x(t)の値は、例えば、θ’(t)と所定の閾値とを比較することにより算出されてもよいし、また、変化量θ’(t)の分布から決定されるマハラノビス距離に基づいて算出されてもよい。
(その他の指標値)
なお、本実施形態においては、各候補信号の周波数、およびビート信号D(t)の角度の変化量に基づいて指標値x(t)およびx(t)がそれぞれ算出されたが、本発明はかかる例に限定されず、多様な方法により指標値が算出されてもよい。例えば、信号決定部133は、各候補信号の振幅に含まれる特徴に基づいて指標値を算出してもよい。より具体的に説明すると、信号決定部133は、第1候補信号R(t)と第2候補信号R(t)の同時刻における振幅を比較し、複数の時刻における比較結果の分布と上記時刻における比較結果とに基づいて評価値sを決定するための指標値が算出されてもよい。これにより、一方の候補信号の振幅に異常があった際に、すぐに他方の候補信号を用いるように評価値sの値を決定することが可能である。また、信号決定部133は、振幅に含まれる特徴に基づいて指標値を算出する際に、双方の候補信号の振幅を正規化してもよい。これにより、双方の候補信号の振幅の大きさ以外の特徴を抽出が容易となり、評価値sを決定するための要因を増やすことが可能となる。
[4−2.評価値の決定]
信号決定部133は、算出された指標値x(t)またはx(t)の少なくともいずれかの分布に基づいて、評価値sを決定する処理を行う(S202)。例えば、信号決定部133は、算出された指標値x(t)またはx(t)の少なくともいずれかと、所定の閾値とを比較することにより、評価値sを決定してもよい。また、信号決定部133は、指標値x(t)またはx(t)の少なくともいずれかについて、機械学習の手法により最適化されたモデルを用いて評価値sを決定してもよい。例えば、信号決定部133は、マハラノビス距離や線形判別関数などの判別分析や、RVM(Relevance Vector Machine:関連ベクトルマシン)、スパースロジスティック回帰、およびベイズロジスティック回帰等のロジスティック回帰、並びに、Deep Learning(深層学習)等を含むニューラルネットワークなどを用いて評価値sを決定してもよい。以下、評価値sの決定手法の例について説明する。
(指標値の分布による評価)
例えば、信号決定部133は、算出された指標値x(t)またはx(t)の少なくともいずれかが所定の閾値以上であるか否かに応じて、評価値sを0または1のいずれかに決定してもよい。また、信号決定部133は、指標値x(t)またはx(t)の少なくともいずれかの値と上記の所定の閾値との差に基づいて、評価値sを0〜1の間において決定してもよい。
図9は、本発明の一実施形態に係る信号決定部133により算出された指標値の分布を示す図である。横軸は指標値x(t)を、縦軸は指標値x(t)を示す。なお、指標値x(t)は数式4により算出された値であり(k=1)、指標値x(t)は数式5により算出された値である。また、図中の△は、第1候補信号R(t)に高周波成分が含まれている場合を示し、図中の○は、第1候補信号R(t)に高周波成分が含まれていない場合を示している。図9を参照すると、指標値x(t)およびx(t)がともに比較的高い値を示す場合(境界B1の上部にプロットされた場合)、高周波成分を含む波形が多くなっている。この場合、例えば、境界B1を判別境界として、判別境界B1よりも上部にプロットされている指標値を示す場合、高周波成分を含む可能性の低い第2候補信号R(t)が選択されるように評価値sが決定されてもよい。具体的には、信号決定部133は、判別境界B1よりも上部にプロットされた場合は評価値sを1と決定し、判別境界B1よりも下部にプロットされた場合は評価値sを0と決定してもよい。これにより、評価値sを容易に決定することが可能となる。また、信号決定部133は、指標値x(t)およびx(t)についてプロットされた点と判別境界B1との距離から評価値sを決定してもよい。
また、信号決定部133は、プロットされた点と判別境界B1との距離に基づき、任意の関数を用いて評価値sを算出してもよい。この場合、信号決定部133は、例えば、判別境界B1の評価値sを0.5として、破線B2上の評価値sを0.75、破線B3上の評価値sを0.25となるような関数を用いて評価値sを算出してもよい。これにより、評価値sをより適切に決定することが可能である。また、図9に示した例では、単純な線形の判別境界B1に基づいて評価値sが算出され得るが、例えば、ベイズの識別規則やSVM(Support Vector Machine:サポートベクトルマシン)、カーネルトリック等を用いて、判別境界が設定されてもよい。これにより、より適切な評価値sを決定することが可能となる。
(ロジスティック回帰による評価)
また、信号決定部133は、ロジスティック回帰により構築した確率的識別モデルから、評価値sを決定してもよい。ここで、評価値sは数式6のシグモイド関数により定義され、評価値sを算出するための確率的識別モデルは、数式7に示された尤度p(y|w)で与えられるロジスティック回帰により構築される。なお、数式6および7において、σ(x)はシグモイド関数を意味する。
ただし、yは教師データ、wは学習パラメータ、xは指標値が格納されるベクトルであり、これらは以下の数式8〜10により定義される。
評価値sは、数式7において尤度p(y|w)が最大となる場合の学習パラメータw、および指標値が格納されるベクトルxに基づいて、数式6を用いて算出される。ロジスティック回帰を用いることにより、第1候補信号R(t)と第2候補信号R(t)のどちらが適切な波形であるかを決定する評価値sを、指標値の分布に基づいて算出することが可能である。なお、数式10においてはベクトルxに格納される指標値はx(t)およびx(t)の双方であったが、指標値x(t)またはx(t)のいずれかのみがベクトルxに格納されてもよい。また、周波数や角度変化量以外の多次元の指標値をベクトルxに追加してもよい。これにより、評価値sを様々なパラメータから決定することが可能である。
(ニューラルネットワークによる評価)
信号決定部133は、ニューラルネットワークを用いて、評価値sを算出してもよい。例えば、信号決定部133は、上記のような指標値を入力するための入力層、第1候補信号R(t)および第2候補信号R(t)を選択するための出力値(選定出力値)を出力するための出力層、および中間層からなる3層のフィードフォワード型ニューラルネットワークを構成してもよい。中間層は、例えば複数のノードにより構成されてもよく、また、Deep Learningのように複数の階層により構成されてもよい。ここで、ニューラルネットワークにより評価値sを決定するために、信号決定部133は、例えば、誤差逆伝播法等によりニューラルネットワークを学習させる必要がある。例えば、信号決定部133は、教師信号付きの指標値を入力層に入力し、出力された選定出力値と教師信号とを比較し、比較の結果生じた誤差を中間層にフィードバックすることにより、最適な選定出力値が出力されるようにニューラルネットワークを学習させる。これにより、中間層の各ノードにおいて演算された選定出力値の精度を向上させることが可能である。
そして、信号決定部133は、学習されたニューラルネットワークを用いて評価値sを決定する。信号決定部133は、例えば、入力層に各指標値を与え、その後出力層から出力された第1候補信号R(t)および第2候補信号R(t)の選定出力値に基づいて評価値sを決定してもよい。例えば、評価値sは、第2候補信号R(t)の選定出力値をシグモイド関数により変換された値としてもよい。また、評価値sは、各候補信号の選定出力値の合計に対する第2候補信号R(t)の選定出力値の比率としてもよい。これにより、第1候補信号R(t)および第2候補信号R(t)のどちらが適切な波形であるかを決定する評価値sを、ニューラルネットワークから直接算出することが可能である。また、ニューラルネットワークを用いることにより、周波数や角度変化量以外の多次元の指標値も入力層に入力することが可能である。これにより、評価値sを様々なパラメータから決定することが可能である。
(バイアスの設定)
また、第1候補信号R(t)または第2候補信号R(t)のいずれかを優先的に選択できるように、評価値sの決定プロセスにおいて、予めバイアスが加えられてもよい。例えば、呼吸の振動の変位が放射波の波長の1/3〜1/2程度である場合、第1候補信号R(t)および第2候補信号R(t)は、いずれも呼吸の振動の波形を同程度の精度で表現し得る。この場合、呼吸の振動の方向(吸う方向および吐く方向)を反映する第2候補信号R(t)を優先的に用いることが望ましい。そのため、例えば、信号決定部133は、評価値sの決定の際に、第2候補信号R(t)に重みを与えるようにバイアスを加えておいてもよい。この場合、具体的には、上記のようなロジスティック回帰における確率的識別モデルやニューラルネットワークの中間層において、第2候補信号R(t)に関する値が第1候補信号R(t)に関する値と比較して高い値が出力されるように調整されてもよい。これにより、第1候補信号R(t)および第2候補信号R(t)がいずれも呼吸の振動の波形を同程度の精度で表現している場合において、呼吸の振動の方向を反映した第2候補信号R(t)を優先的に選択することが可能となる。
[4−3.一次元信号の決定]
次に、信号決定部133は、評価値sに基づいて、出力すべき一次元信号r(t)を決定する処理を行う(S203)。まず、信号決定部133は、評価値sに基づいて、第1候補信号R(t)または第2候補信号R(t)の一方、または双方を選択する。そして、信号決定部133は必要な場合に応じて、複数の候補信号の位相を整合させる。そして、信号決定部133は、候補信号の選択時に双方の候補信号を選択した場合、双方の候補信号を統合する処理を行う。以下、一次元信号r(t)の決定処理について説明する。
(評価値の利用)
まず、信号決定部133は、評価値sに基づいて第1候補信号R(t)または第2候補信号R(t)の一方、または双方を選択する。例えば、信号決定部133は、評価値sが所定の閾値未満である場合に第1候補信号R(t)を、評価値sが所定の閾値以上である場合に第2候補信号R(t)を一次元信号r(t)として決定してもよい。また、信号決定部133は、双方の候補信号を統合することにより一次元信号r(t)を決定する場合、後述するように、評価値sを各候補信号の重みとして用いてもよい。
(位相の整合)
信号決定部133は、例えば、一次元信号r(t)として一時刻前に一方の候補信号を選択したあとに他方の候補信号に切り替える場合、または、双方の候補信号を統合する場合、双方の候補信号の位相を整合させる必要がある。例えば、第1候補信号R(t)の位相φと第2候補信号R(t)の位相φは必ずしも一致しているとは限らない。そのため、信号決定部133は、一方の候補信号の位相を他方の候補信号の位相に整合させる。これにより、一次元信号r(t)の信号の切り替え処理や、双方の候補信号の統合処理において、各候補信号の位相の不整合による波形の乱れを防ぐことができる。なお、本実施形態では、第1候補信号R(t)の位相を第2候補信号R(t)の位相に整合させる処理が実施される。以下、位相の整合処理について説明する。
信号決定部133は、位相の整合処理の前に、各候補信号の振幅を揃えるための正規化を行う。例えば、各候補信号における出力値の標準偏差、最大値と最小値の差、または絶対値の最大値等から、各候補信号の振幅が算出されてもよい。そして、算出された振幅に基づいて線形変換等により各候補信号の振幅が正規化されてもよい。また、一方の候補信号の振幅を他方の候補信号の振幅に合わせてもよい。この場合、信号決定部133は、呼吸の1周期よりも長い時間の信号を候補信号の各々から切り出し、切り出した信号から各候補信号の振幅を算出してもよい。例えば、呼吸の1周期は約3秒であるので、約3秒〜10秒程度の信号を切り出すことが好ましい。これにより、呼吸の変動による振幅の変動の影響を含んだうえで各候補信号の振幅を算出することが可能となる。なお、本実施形態では双方の候補信号の振幅について正規化を行うが、後処理において振幅の影響を問題としない場合は、振幅の正規化が行われなくてもよい。また、本実施形態では信号決定部133が正規化を行うが、ビート信号取得部110やフィルタ部120、第1変換部131や第2変換部132がビート信号D(t)や第1候補信号R(t)、第2候補信号R(t)について正規化を行ってもよい。また、信号決定部133は、正規化された各候補信号の振幅を元に戻す処理を行ってもよい。
各候補信号の正規化処理が実施された場合、各候補信号はそれぞれ以下の数式11および数式12のように表現される。
ここで、本実施形態においては、上述のとおり、信号決定部133は、第1候補信号R(t)の位相を第2候補信号R(t)の位相に整合させる処理を行う。信号決定部133は、ヒルベルト変換を用いて第1候補信号R(t)を解析信号Ref(t)に変換する(数式13)。
次に、信号決定部133は、R(t)とRef(t)を積算し、位相差Δφを抽出する(数式14)。
ここで、Δf=fr1−fr2、Δφ=φ−φであり、また、FLPF(x)は、fr1+fr2により表現される周波数成分を低減するローパスフィルタを表す式である。このローパスフィルタは、遮断特性が急峻であり、例えば0.1Hz以上の周波数成分を除去するフィルタであってもよい。これにより、R(t)とRef(t)を積算させたことにより生じるfr1+fr2の成分を除去することが可能である。また、Δfは各候補信号の周波数であり、ヒルベルト変換等によりΔfを算出することは可能である。しかし、各候補信号の周波数は近い値を有するので、信号決定部133は、Δfを0とみなしてもよい。これにより、Ph(t)を、各候補信号の位相差を示す信号とみなすことができる(数式15)。
信号決定部133は、先に得たRef(t)と上記のPh(t)の複素共役を積算することにより、第1候補信号R(t)の周波数成分と第2候補信号R(t)の位相を有する複素信号R(t)を得ることができる(数式16)。そして、信号決定部133は、複素信号R(t)の実部を、第2候補信号R(t)の位相を有する第1候補信号R1a(t)として得ることができる(数式17)。
以上の位相の整合処理により、信号決定部133は、候補信号の切り替え時や候補信号の統合時において、各候補信号の位相を揃えた状態で処理を行うことが可能となる。これにより連続的な一次元信号r(t)を出力することが可能となる。なお、例えば切り替え時において位相を整合させた後に一次元信号r(t)を出力した場合、揺らぎを多く伴う波形においては、波形が歪な形に変形する可能性がある。そのため、信号決定部133は、例えば位相を整合させたのちに、上記位相に緩やかに変化するよう、指数平滑化平均等を用いて処理してもよい。また、一方の候補信号の位相が整合のために変化した場合、時間方向に対して上記候補信号の波形が変化することが考えられる。そのため、信号決定部133は、遅延処理等を行うことにより、緩やかに波形を変化させながら、上記候補信号の位相を他方の候補信号の位相に合わせこんでもよい。
(統合処理)
信号決定部133は、双方の候補信号を用いて一次元信号r(t)を決定する場合、位相を整合させたうえで、双方の候補信号を統合する処理を実施してもよい。例えば、信号決定部133は、以下の数式18のように評価値sを重みとして用いて一次元信号r(t)を決定することができる。
数式18で示された一次元信号r(t)は、位相補正された第1候補信号R1a(t)と第2候補信号R(t)の加重和として表現される。これにより、信号決定部133は、評価値sの値に追随して一次元信号r(t)の値を決定することが可能である。
以上のような一次元信号r(t)の決定処理によって、呼吸の振動の変位に応じて変動する第1候補信号R(t)および第2候補信号R(t)のうち、呼吸の振動の波形をより適切に表現している信号を選択することができる。これにより、呼吸の振動の変位の大きさに関わらず、呼吸の振動をより正確に反映させた一次元信号r(t)を出力することが可能である。そのため、後処理である周期推定処理において、微細な揺らぎを含み、振動の変位が大きく変動するような呼吸の振動の周期をより正確に推定することが可能となる。
<5.振動状態推定装置の動作例>
次に、本発明の一実施形態に係る振動状態推定装置10の動作例について説明する。図10は、本発明の一実施形態に係る振動状態推定装置10の動作例を示すフローチャートである。
まず、ビート信号取得部110は、ドップラーセンサ2から出力されたビート信号D(t)を取得する(S301)。そして、フィルタ部120は、取得されたビート信号D(t)から直流成分などの低周波成分を低減または除去するフィルタ処理を行う(S302)。
次に、信号変換部130は、フィルタ処理されたビート信号D(t)を一次元信号r(t)に変換する(S303)。そして、周波数推定部140は、変換された一次元信号r(t)の有する周波数を、一または複数の手段を用いて推定する(S304)。次に、基準位置推定部150は、推定された周波数を用いて、一次元信号r(t)の基準位置を推定する(S305)。そして、周期算出部160は、一次元信号r(t)における連続する基準位置の間隔から、呼吸の周期を算出する(S306)。周期の算出後、振動状態推定装置10は、引き続き振動の周期算出を実施するか否かを、ビート信号D(t)の取得の有無により、または、振動状態推定装置10のユーザの入力等により判定する(S307)。引き続き振動の周期算出が実施される場合(YES)、再度ステップS301のビート信号取得処理が実施される。一方、振動の周期算出が実施されない場合(NO)、振動状態推定装置10は動作を終了する。
<6.ハードウェア構成例>
以上、本発明の一実施形態に係る振動状態推定装置10の動作例について説明した。上述した振動状態推定装置10の情報処理は、ソフトウェアと、振動状態推定装置10との協働により実現される。以下では、本発明の実施形態に係る振動状態推定装置10のハードウェア構成を説明する。
図11は、本発明の実施形態に係る振動状態推定装置10のハードウェア構成例を示すブロック図である。図11を参照すると、振動状態推定装置10は、CPU(Central Processing Unit)901と、ROM(Read Only Memory)902と、RAM(Random Access Memory)903と、ホストバス904と、を備える。また、振動状態推定装置10は、ブリッジ905と、外部バス906と、インタフェース907と、入力装置908と、出力装置909と、ストレージ装置910と、ドライブ911と、ネットワークインタフェース912と、を備える。
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って振動状態推定装置10内の動作全般を制御する。また、CPU901は、マイクロプロセッサであってもよい。なお、CPU901は、振動状態推定装置10内の動作全般またはその一部を制御する。例えば、CPU901は、ROM902は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM903は、CPU901の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバス904により相互に接続されている。
ホストバス904は、ブリッジ905を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス906に接続されている。なお、必ずしもホストバス904、ブリッジ905および外部バス906を分離構成する必要はなく、1つのバスにこれらの機能を実装してもよい。
入力装置908は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、スイッチおよびレバーなどユーザが情報を入力するための入力手段と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路などから構成されている。振動状態推定装置10のユーザは、当該入力装置908を操作することにより、振動状態推定装置10に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
出力装置909は、例えば、CRTディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED装置およびランプなどの表示装置を含む。さらに、出力装置909は、スピーカ及びヘッドホンなどの音声出力装置を含む。出力装置909は、例えば、再生されたコンテンツを出力する。具体的には、表示装置は再生された映像データ等の各種情報をテキストまたはイメージで表示する。一方、音声出力装置は、再生された音声データや表示装置に表示されたテキストデータ等を音声に変換して出力する。
ストレージ装置910は、本発明の実施形態に係る振動状態推定装置10におけるデータ格納用の装置である。ストレージ装置910は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読み出し装置および記憶媒体に記憶されたデータを削除する削除装置などを含んでも良い。ストレージ装置は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)やSSD(Solid State Drive)で構成される。このストレージ装置910は、CPU901が実行するプログラムや各種データを格納する。なお、ストレージ装置910は、不図示の記憶部の機能を実現する。
ドライブ911は、記憶媒体用リーダライタであり、振動状態推定装置10に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ911は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記憶媒体96に記録されている情報を読みだして、RAM903に出力する。また、ドライブ911は、リムーバブル記憶媒体96に情報を書き込むこともできる。
ネットワークインタフェース912は、例えば、他の装置に接続するための通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。また、ネットワークインタフェース912は、無線LAN(Local Area Network)対応通信装置、LTE(Long Term Evolution)対応通信装置、またはブルートゥース通信装置であってもよい。また、ネットワークインタフェース912は、有線による通信を行うワイヤー通信装置であってもよい。なお、ネットワークインタフェース912は、不図示の通信部の機能を実現する。
以上、振動状態推定装置10のハードウェア構成の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。かかる構成は、実施する時々の技術レベルに応じて適宜変更され得る。
<7.まとめ>
ここまで、図1〜図11を用いて、本発明の一実施形態について説明した。本発明の一実施形態によれば、振動状態推定装置10は、取得したビート信号を複数の信号変換手段を用いて一次元の候補信号に変換しつつ、変換された複数の候補信号のいずれが呼吸の振動をより正確に表現しているかを評価し、評価結果に基づいて出力すべき一次元信号を決定する。これにより、呼吸の振動の変動が大きい場合であっても、呼吸の振動をより正確に反映させた一次元信号を抽出することが可能である。したがって、後処理である振動の周期推定処理において、実際の呼吸の振動に近い波形に基づいて振動の周期を推定することが可能となるので、振動の周期をより高い精度で推定することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、振動状態推定装置10は、ドップラーセンサ2から出力されるビート信号をリアルタイムで取得し、並行して解析する動作を実施していたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、他の実施形態に係る振動状態推定装置は、一度取得した信号を記憶部に保存し、推定処理を実施したい際に記憶部から再度信号を取り出して解析を行ってもよい。これにより、過去に取得したビート信号についてまとめて解析を行うことが可能となる。
また、上記実施形態では、被験者がドップラーセンサ2による検知が可能なエリアに存在していることが想定されていたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、被験者が椅子やベッドなどの位置にいる場合にのみドップラーセンサが被験者を検知することができるように、ドップラーセンサが設置されてもよい。これにより、解析対象となる被験者を限定することが可能となる。また、振動状態推定装置は、被験者の有無や被験者による歩行などの大きな活動を検知する手段を組み合わせてもよい。これにより、被験者が睡眠しているなど限られた状態にある場合にのみ推定処理を実施することが可能となる。
また、上記実施形態では、生体による呼吸の振動を解析対象とする例を説明したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、本発明は、生体の心拍、脈拍、およびけいれん運動、並びに、機械の振動およびクランク等の往復運動など、多様な振動運動に対して適用可能である。この場合、ドップラーセンサの放射波の波長を解析対象の振動の変位に応じて適切に設定することにより、あらゆる振動の微細な揺らぎを含む一次元信号を抽出することが可能である。
また、上記実施形態では、ドップラーセンサ2と振動状態推定装置10とが振動状態推定システム1を構成していたが、本発明は係る例に限定されない。例えば、ドップラーセンサ2と振動状態推定装置10とが一体となった振動状態推定装置または振動状態推定システムが提供されてもよい。
また、本明細書の振動状態推定装置10および信号変換部130の処理における各ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、振動状態推定装置10または信号変換部130の処理における各ステップは、フローチャートとして記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
また、振動状態推定装置10に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアを、上記の振動状態推定装置10の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。
1 振動状態推定システム
2 ドップラーセンサ
10 振動状態推定装置
110 ビート信号取得部
120 フィルタ部
130 信号変換部
131 第1変換部
132 第2変換部
133 信号決定部
140 周波数推定部
150 基準位置推定部
160 周期算出部

Claims (12)

  1. ビート信号の二次元平面における分布に基づいて前記ビート信号を一次元の第1候補信号に変換する第1変換部と、
    前記ビート信号の二次元平面における位置の時間変化に基づいて前記ビート信号を一次元の第2候補信号に変換する第2変換部と、
    前記第1変換部から出力された前記第1候補信号および前記第2変換部から出力された前記第2候補信号に基づいて前記第1候補信号または前記第2候補信号の少なくともいずれかを選択することにより一次元信号を決定する信号決定部と、
    を備える、振動状態推定装置。
  2. 前記信号決定部は、前記第1候補信号の特徴量と前記第2候補信号の特徴量とを比較することにより決定される評価値に基づいて前記第1候補信号または前記第2候補信号の少なくともいずれかを選択する、請求項1に記載の振動状態推定装置。
  3. 前記信号決定部は、前記第1候補信号の周波数と前記第2候補信号の周波数とを比較することにより上記評価値を決定する、請求項2に記載の振動状態推定装置。
  4. 前記信号決定部は、変換前の前記ビート信号の二次元平面における分布に基づいて推定される前記分布の中心を基準とする前記ビート信号の回転角度の変化量に応じて決定される評価値に基づいて前記第1候補信号または前記第2候補信号の少なくともいずれかを選択する、請求項1に記載の振動状態推定装置。
  5. 前記信号決定部は、前記第1候補信号および前記第2候補信号の双方を選択する場合、前記第1候補信号および前記第2候補信号を、前記評価値を用いて重み付けすることにより、前記一次元信号を決定する、請求項2〜4のいずれか1項に記載の振動状態推定装置。
  6. 前記信号決定部は、前記第1候補信号もしくは前記第2候補信号のうち一時刻前に選択された一方の候補信号と異なる候補信号を選択する場合、または、前記第1候補信号および前記第2候補信号の双方を選択する場合、前記第1候補信号または前記第2候補信号のうち一方の候補信号の位相を、他方の候補信号の位相に整合させる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の振動状態推定装置。
  7. 前記第1変換部は、前記ビート信号を表現する二次元ベクトルと、前記ビート信号の共分散行列に対する最大固有値に対応した固有ベクトルとの内積を算出することにより、前記ビート信号を前記第1候補信号に変換する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の振動状態推定装置。
  8. 前記第2変換部は、前記ビート信号の二次元平面における分布に基づいて推定される前記分布の中心からの前記ビート信号の位置までの距離と、前記中心を基準とする前記ビート信号の回転角度の変化量との積を算出することにより、前記ビート信号を前記第2候補信号に変換する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の振動状態推定装置。
  9. 前記信号決定部により決定された前記一次元信号の周波数を推定する周波数推定部と、
    前記周波数推定部により推定された前記周波数に基づいて前記一次元信号の基準位置を推定する基準位置推定部と、
    前記基準位置推定部により推定された一の基準位置と連続する他の基準位置との間隔を前記一次元信号の周期として算出する周期算出部と、
    をさらに備える、請求項1〜8のいずれか1項に記載の振動状態推定装置。
  10. 前記ビート信号は、生体の呼吸に伴う振動に応じてドップラーセンサにより検出されたビート信号である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の振動状態推定装置。
  11. ビート信号の二次元平面における分布に基づいて前記ビート信号を一次元の第1候補信号に変換するステップと、
    前記ビート信号の二次元平面における位置の時間変化に基づいて前記ビート信号を一次元の第2候補信号に変換するステップと、
    変換された前記第1候補信号および変換された前記第2候補信号に基づいて前記第1候補信号または前記第2候補信号の少なくともいずれかを選択することにより一次元信号を決定するステップと、
    を含む、振動状態推定方法。
  12. コンピュータを、
    ビート信号の二次元平面における分布に基づいて前記ビート信号を一次元の第1候補信号に変換する第1変換部と、
    前記ビート信号の二次元平面における位置の時間変化に基づいて前記ビート信号を一次元の第2候補信号に変換する第2変換部と、
    前記第1変換部から出力された前記第1候補信号および前記第2変換部から出力された前記第2候補信号に基づいて前記第1候補信号または前記第2候補信号の少なくともいずれかを選択することにより一次元信号を決定する信号決定部と、
    として機能させるためのプログラム。
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