JP2006263032A - 睡眠深度計測装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】無拘束かつ簡便な方法で計測したセンサ出力から安定して抽出できる生体信号に基づき、睡眠深度を精度良く判別する睡眠深度計測装置を提供する。
【解決手段】本発明は、被験者の生体情報に基づき睡眠深度を判別する睡眠深度計測装置を提供する。この装置は、被験者の生体信号を無拘束で計測したセンサ出力から睡眠時振動の周期を算出する信号処理手段と、睡眠時振動周期から被験者の睡眠深度の推定値を求める睡眠深度推定手段と、を備える。睡眠深度計測装置は、推定値に基づいて被験者の睡眠状態を判定する睡眠状態判定手段をさらに備える。この睡眠状態判定手段は、推定値が所定のしきい値より大きい場合、浅い睡眠状態と判定し、推定値が所定のしきい値以下の場合、深い睡眠状態と判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、睡眠深度を判別する装置に関する。より詳細には、本発明は、無拘束かつ簡便な方法で計測した生体信号に基づき、被験者の睡眠深度を判別する装置に関する。
人間の通常の睡眠時には、浅い睡眠状態となるレム睡眠と、深い睡眠状態となるノンレム睡眠が周期的に発生する。レム睡眠およびノンレム睡眠にはさらに複数の睡眠段階(深度)が定義されており、このような睡眠深度の遷移を調べることによって健康状態を把握することが可能である。従来の睡眠深度の評価手段として、ポリソムノグラフィ(PSG)が知られている(例えば非特許文献1を参照)。
PSGは、脳波図(EEG)4チャンネル、顎の筋電図(EMG)2チャンネル、眼電図2チャンネル、口および鼻の気流(呼吸)センサ、胸部および腹部の周囲長変化の呼吸センサ、両足のEMG、を同時に計測する。これら多種の計測データは、一晩の計測終了後に専門知識を持つ技術者によって数時間かけて分析される。その結果、睡眠深度は、覚醒、レム睡眠、4種類のノンレム睡眠の6段階に分類される。計測データの種類が多く、計測精度も高いので、PSGによる評価の信頼性は高い。
しかし、PSGは、被験者に貼り付けるセンサが多く、また全てのセンサが有線であるため、被験者の拘束感や負担が大きくなる。また、PSGは、睡眠深度の評価基準に幅がるので、同じデータであっても担当の技術者によって評価結果が異なる場合がある。
麻酔学の分野において、麻酔中の意識状態を反映するBIS(Bispectral index)という指標が知られている。BISは、患者のEEG特性を分析することによって、患者の意識状態、つまり麻酔の効き具合を0〜100の値で表現することができる。近年、BISが、自然睡眠中にもダイナミックに変動することが報告されている。
図6は、非特許文献2による、覚醒(図中W)、レム睡眠(同REM)、ノンレム睡眠段階1(同1)、ノンレム睡眠段階2(同2)、ノンレム睡眠段階3(同3)、ノンレム睡眠段階4(同4)の各睡眠段階と、対応するBISとの関係を示す図である。この図から、REMと1との間以外のすべての睡眠段階の間でBISが有意に異なる値を示していることがわかる。
このように、BISは、EEGという1種類の生体信号から睡眠段階を有意に識別することが可能である点で有効である。しかし、EEGを計測するために有線のセンサを被験者に貼り付ける必要があり、被験者の拘束感や負担を取り除くことはできない。
一方、人間の睡眠深度を無拘束で識別することができれば、被験者の負担の無い睡眠環境を提供できるので、医療分野のみならず福祉または家電分野などへの拡大が期待でき非常に有効である。このような着眼点に立ち、無拘束で生体信号を計測して睡眠状態を推定する従来技術がある(例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3、および特許文献4を参照)。これらの従来技術では、敷き布団の下に敷いた圧力振動センサの出力から、呼吸、心拍、体動などの被験者の生体情報を無拘束で計測することが可能である。
しかし、従来技術では、圧力振動センサの出力から生体情報を抽出するため、一部の生体情報に信頼性の低いものが含まれるという欠点がある。特に心拍成分は、布団下に設置された圧力振動センサで計測するためには非常に微弱であり、設置環境や対象人物などの様々な条件(周囲の環境振動、ベッドや布団の堅さの違い、寝相や寝返りなどの変動要因)に対してロバストに安定したデータを得ることは困難である。
特開2004−49838 特開2003−260040 特開2004−89267 特開2003−339674 A. Rechtschaffen and A. Kales, "A manual of standardized terminology, techniques and scoring system for sleep stages of human subjects", Public Haealth Service, U. S. Government Printing Office, 1968 S. Takahashi, T. Sakai, and A. Matsuki, "Relationship between bispectral index and sleep stages in man", Anesthesia Analg, 1999
従来の無拘束の睡眠深度計測手法では、睡眠深度の識別率を高めるために多種の生体信号を必要としていた。このため、無拘束では安定した計測が困難な生体情報についてもセンサ出力から抽出しなければならなかった。
そこで、本発明は、無拘束かつ簡便な方法で計測したセンサ出力から安定して抽出できる生体信号に基づき、睡眠深度を精度良く判別する睡眠深度計測装置を提供することを目的とする。
本発明は、被験者の生体情報に基づき睡眠深度を判別する睡眠深度計測装置を提供する。この装置は、被験者の生体信号を無拘束で計測したセンサ出力から睡眠時振動の周期を算出する信号処理手段と、睡眠時振動周期から被験者の睡眠深度の推定値を求める睡眠深度推定手段と、を備える。この発明により、無拘束かつ簡便な方法で計測した生体情報に基づき、睡眠深度を精度良く判別することが可能となる。
本発明の一実施形態では、センサ出力は、前記被験者の寝床の下に敷かれたエアパッドに接続されたセンサから得られ、前記被験者の睡眠中の動作に応じて変動する。このセンサにより、生体情報を無拘束で計測することが可能となる。
本発明の一実施形態では、信号処理手段は、センサの出力にバンドパスフィルタ処理および移動平均処理を行い、さらにピーク検出を行うことにより睡眠時振動周期を検出する。
本発明の一実施形態では、睡眠深度推定手段は、睡眠時振動周期のパワースペクトルのうち所定の周波数帯域のパワーを算出して睡眠時振動周期の変動値を求め、この変動値を所定の数式へ代入することにより推定値を算出する。本発明の一実施形態では、この数式は、自律神経の活性変動をモデルとした、特許請求の範囲において数1で表される式である。
本発明の一実施形態では、睡眠深度計測装置は、推定値に基づいて前記被験者の睡眠状態を判定する睡眠状態判定手段をさらに備える。また、睡眠状態判定手段は、推定値が所定のしきい値より大きい場合、浅い睡眠状態と判定し、推定値が所定のしきい値以下の場合、深い睡眠状態と判定する。さらに、本発明の一実施形態では、判定の結果を周辺機器に送る通信手段を備える。周辺機器は判定の結果に応じて所定のアクションを取るよう構成されている。
本発明の一実施形態では、睡眠時振動は、被験者の呼吸に伴う振動である。本発明の別の実施形態では、睡眠時振動は、被験者の呼吸に伴う振動と、寝返りおよび手足の動きを含む体動である。
また、本発明は、被験者の生体情報に基づき睡眠深度を判別するためのコンピュータプログラムを提供する。このプログラムは、被験者の生体信号を無拘束で計測したセンサ出力から睡眠時振動の周期を算出するステップと、睡眠時振動周期から被験者の睡眠深度の推定値を求めるステップと、をコンピュータに実行させる。
本発明の一実施形態では、計測するステップが、センサ出力にバンドパスフィルタ処理および移動平均処理を行い、さらにピーク検出を行うことにより前記睡眠時振動周期を検出するステップをさらに備える。
本発明の一実施形態では、推定値を求めるステップが、睡眠時振動周期のパワースペクトルのうち所定の周波数帯域のパワーを算出して睡眠時変動周期の変動値を求め、この変動値を所定の数式に代入することにより推定値を算出するステップをさらに備える。本発明の一実施形態では、この数式は、自律神経の活性活動をモデルとした、特許請求の範囲において数2で表される式である。
本発明の一実施形態では、推定値に基づいて前記被験者の睡眠状態を判定するステップをさらに備える。また、判定するステップは、推定値が所定のしきい値より大きい場合、浅い睡眠状態と判定し、前記推定値が所定のしきい値以下の場合、深い睡眠状態と判定する。
本発明の一実施形態では、睡眠時振動は、被験者の呼吸に伴う振動である。本発明の別の実施形態では、睡眠時振動は、被験者の呼吸に伴う振動と、寝返りおよび手足の動きを含む体動である。
本発明は、無拘束でも安定した計測が可能な呼吸および体動に基づいて睡眠深度を判別するので、従来技術と比べてロバスト性の高い安定した判別が可能となる。
また、本発明は、睡眠深度の推定手法として自律神経の活性変動をモデルとした推定式を用いるので、睡眠深度を精度良く判別することが可能である。
図1は、本発明の一実施形態による睡眠深度計測装置10の構成を示すブロック図である。この装置10は、睡眠中の被験者から無拘束で計測した睡眠時振動の周期の変動値に基づいて、高精度にBIS値を推定することができる。睡眠深度計測装置10は、信号処理部13、睡眠深度推定部15、および睡眠状態判定部17から構成される。
無拘束センサ11は、睡眠中の被験者の生体信号を無拘束で計測することができる。無拘束センサ11は、具体的には、図示しない振動センサとエアパッドから構成され、被験者の寝床の下に配置される。敷き布団の下に空気の入ったエアパッドを敷いておくことで、睡眠中の被験者の動作がエアパッドからエアチューブ(図示せず)を介して振動センサに伝達され、圧力変動として検出される。そして、振動センサは圧力変動を検知すると、検知信号を睡眠深度計測装置10内の信号処理部13に送る。このときのサンプリングレートは、例えば200ヘルツである。
なお、本実施例では、睡眠中の被験者の動作として、呼吸に伴う振動及び寝返りや手足の動き等に伴う体動を含んだものを生体信号として検出するように構成した。一般に、睡眠が浅くなると呼吸の乱れが大きくなり、かつ体動の出現が多くなる一方、睡眠が深くなると呼吸の乱れが小さくなり、かつ体動の出現が少なくなるという関係がある。従って、本実施例のように、呼吸に伴う振動と寝返り等に伴う体動とを共に検出して睡眠深度判定に用いると、その精度を高くすることができる。但し、呼吸に伴う振動等、1種類のみの振動を睡眠時振動として検出し本発明の睡眠深度判定に利用しても良い。本実施例では、呼吸に伴う振動と寝返り及び手足等の動きに伴う体動とをまとめて「睡眠時振動」と定義する。睡眠時振動の検出は、上述のエアパッドに限らず、他の計測方法によって睡眠時振動を検出する構成としても良い。
信号処理部13は、無拘束センサ11の出力から被験者の睡眠時振動周期(MVI)を算出する。信号処理部13は、AD変換された圧力変動データについて、はじめにバンドパスフィルタ処理と移動平均処理を施す。バンドパスフィルタの通過帯域は例えば0.15〜0.30ヘルツであり、移動平均の幅は例えば2.5秒である。
ここで、移動平均値とは、ある個数分のデータの平均値を時間軸で移動しながら連続して求めた平均値である。移動平均処理は、データ演算の際の不要な悪影響を除去するために実行される。上述のサンプリングレート、バンドパスフィルタの通過帯域、移動平均の幅などは、信号処理部13の演算能力、睡眠時振動周期の特性、重畳するノイズ帯域など、本発明の様々な要件を考慮して、適宜調整するのが望ましい。
図2は、バンドパスフィルタ処理および移動平均処理の後のセンサ出力を示す図である。図中aで示す期間が睡眠時振動の1周期である。その後、信号処理部13はピーク検出を行い、睡眠時振動周期(MVI)データを得る。図3は、睡眠時振動周期の一晩の間の変動を示す図である。信号処理部13は、算出したMVIデータを睡眠深度推定部15に送る。
再び図1を参照すると、睡眠深度推定部15は、被験者の睡眠時振動周期(MVI)に基づき睡眠深度の指標となるBIS推定値を求める。図4は、周知の従来手法により算出されたBIS値に応じた睡眠時振動周期のパワースペクトルを示す図である。図4(a)は、BIS値が低く、深い睡眠状態のときの睡眠時振動周期パワースペクトルである。図4(b)は、BIS値が高く、浅い睡眠状態のときの睡眠時振動周期パワースペクトルである。図4(a)および(b)に示されるように、深い睡眠状態ではBIS値が低く、睡眠時振動周期のパワースペクトルも低くなっており、浅い睡眠状態ではBIS値が高く、睡眠時振動周期のパワースペクトルも高くなっている。これは、睡眠が浅いほど、睡眠時振動周期の変動が激しくなることを示している。
睡眠時振動の周期は、一般的におよそ4.0〜6.7秒の範囲、すなわちおよそ0.15〜0.25ヘルツの範囲であることが知られている。従って睡眠時振動周期の変動はさらに低周波で推移するので、その範囲は0.15ヘルツ以下となる。また、後述のFFTの際に加わってしまう場合がある直流成分ノイズの影響を回避することも考慮して、睡眠時振動の周期のパワースペクトル帯域を0.04〜0.15ヘルツとした。
図1の睡眠深度推定部15は、信号処理部で算出された睡眠時振動周期(MVI)データをFFTで周波数変換して睡眠時振動周期のパワースペクトルを得る。FFTを実行するために、MVIは予め1ヘルツで線形補間されている。FFTの窓は64点、すなわち64秒である。そして、0.04〜0.15ヘルツの区間のパワー値を算出して、これを睡眠時振動周期の変動値(MVV)とする。
睡眠深度推定部15は、算出したMVVを用いて、以下に示すBIS推定式からBIS推定値を算出する。この式は、自律神経の活性変動をモデルとして考案された式であり、Xmin〜Xmaxの範囲において、Xt+1が顕著な変化をするというシグモイド関数の特性を備える。すなわち、出力範囲はXminからXmaxの範囲になる。
Figure 2006263032
ここでXtは時刻tにおけるBIS推定値である。nMVVtは時刻tのMVVを計測開始時から時刻tまでのMVVの平均値で正規化した値である。これによって、睡眠時振動周期の個人差を解消し、睡眠深度判定の精度向上を図っている。Xmax、Xmin、A1、A2、M1、M2、k1、およびk2は所定の定数である。これらの定数は、例えば以下の表のような値となる。
Figure 2006263032
なお、本発明の一実施形態で使用される推定値の算出式(式(1))は、どの値を中心として(M1,M2)、どの位の範囲の数値を変化に反映させるか(k1、k2)が分かり易い、すなわちフィッティングし易いという特徴がある。また、A1,A2は単位推定時間あたりの変化量を決め、Xmax、XminはBIS推定値の上限と下限とを示す。しかし、推定値の算出式は式(1)のような関数に限定されず、同様の特性を持つ数式またはアルゴリズムを用いても良い。また、上記表1の各具体値は、表のものに限らず、計測対象者や発明の特性に応じて適宜調整することが望ましい。
図5は、式(1)により算出されたBIS推定値と、周知の従来手法による実測のBIS値とを示す図である。図中、実線21がBIS推定値であり、点線23が実測のBIS値である。式(1)によるBIS値の推定が、一晩の睡眠中全体を通じて良好に推定できていることがわかる。この例における、BIS推定値と実測BIS値との間の相互相関は、実験の結果0.8442であった。被験者10人について各3晩計測した合計30のデータにおいて、BIS推定値と実測BIS値との相互相関の平均値は0.6657であり、標準偏差は0.1543であった。
睡眠状態判定部17は、睡眠深度推定部15で算出されたBIS推定値に基づいて、被験者の睡眠状態を判定する。図6は、各睡眠段階のBIS値と、本実施形態の睡眠状態の判定基準を示す図である。本実施形態では、BIS値=70をしきい値と設定する。つまり、覚醒(図中W)、レム睡眠(同REM)、ノンレム睡眠段階1(同1)、およびノンレム睡眠段階2(同2)が「浅い睡眠状態」のグループであり、ノンレム睡眠段階3(同3)、およびノンレム睡眠段階4(同4)が「深い睡眠状態」のグループとなる。
睡眠状態判定部17は、BIS推定値がしきい値より大きい場合、「浅い睡眠状態」であると判定する。同様に、睡眠状態判定部17は、BIS推定値がしきい値以下の場合、「深い睡眠状態」であると判定する。この判定基準に基づき、睡眠深度推定部15の説明中に使用した被験者10人について、本願のBIS推定値と周知の従来法による実測BIS値との判定精度を算出した。基データは、上記2つの計測法を同時に採用した当該被験者10人について、各3晩計測して得られた合計30のデータである。全体の判定精度は81.46%であり、標準偏差は10.43%であった。なお、睡眠状態の判定基準は2段階に限られず、複数のしきい値を設けて複数の段階を判別する形式でも良い。
また、睡眠深度計測装置10は、通信装置19を介して外部機器と有線または無線、ホームLANや無線、赤外リモコンなどで接続し、睡眠状態判定部17が判定した被験者の睡眠状態を外部機器に提供することも可能である。例えば入眠時には、「深い睡眠状態」と判定された後にエアコンに停止指令を送る。また、朝の覚醒時には、予め設定した時刻から1睡眠周期(約90分)前からの区間について睡眠状態を判別し、「浅い睡眠状態」との判別が所定時間続いたときに目覚ましを起動する。
図7は、本発明の一実施形態による睡眠深度推定処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS101において、無拘束センサ11によって被験者の生体情報を計測する。無拘束センサ11は、具体的には振動センサとエアパッドから構成され、被験者の寝床の下に配置されている。振動センサは、睡眠中の被験者の動作によるエアパッドの変形を圧力の変動として検出する。サンプリングレートは、例えば200ヘルツである。
ステップS103において、無拘束センサ11の出力にバンドパスフィルタ処理を施す。バンドパスフィルタの通過帯域は、例えば0.15〜0.30ヘルツである。
ステップS105において、フィルタ処理後の信号に、移動平均処理を施す。移動平均の幅は、例えば2.5秒である。
ステップS107において、ピーク検出を実行し、各ピークの距離から被験者の睡眠時振動周期(MVI)データを算出する。また、睡眠時振動周期データはイベントデータなので、線形補間で1ヘルツにリサンプルする。
ステップS109において、FFTを実行し、睡眠時振動周期(MVI)データのパワースペクトルを求める。そして、所定区間のパワーを算出して、睡眠時振動周期の変動値(MVV)とする。所定区間は、例えば0.04〜0.15ヘルツである。
ステップS111において、睡眠時振動周期の変動値(MVV)を(1)式に代入してBIS推定値を算出する。
ステップS113において、BIS推定値が所定値より大きいかどうかを点検する。所定値は、例えば70である。BIS推定値が所定値より大きければ、ステップS115に進み、被験者の睡眠状態を「浅い睡眠」と判定する。BIS推定値が所定値以下ならば、ステップS117に進み、被験者の睡眠状態を「深い睡眠」と判定する。
なお、本発明の要部は、図1の睡眠深度推定部15および睡眠状態判定部17であり、信号処理部13を外部に設けておき、本発明は算出されたMVIに基づき睡眠深度推定部15が所定の処理を行う構成としても良い。
また、本発明による図1の信号処理部13、睡眠深度推定部15、および睡眠状態判定部17の機能は、ハードウェアで実現しても良いし、ソフトウェアプログラムで実現しても良い。プログラムで上記の機能を実現する場合、予め本発明の睡眠深度計測装置に当該プログラムが格納されるように構成しても良く、外部からCD−ROMのような記録媒体、無線、または有線によってプログラムが必要に応じて供給されるような構成としても良い。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこのような実施形態に限定されるものではない。
本発明の一実施形態による睡眠深度計測装置の構成を示すブロック図である。 バンドパスフィルタ処理および移動平均処理の後のセンサ出力を示す図である。 図2のセンサ出力にピーク検出を実行して得られた睡眠時振動周期(MVI)を示す図である。 深い睡眠状態および浅い睡眠状態における睡眠時振動周期のパワースペクトルを示す図である。 本発明の一実施形態による睡眠深度推定手法で算出されたBIS推定値と、実測BIS値とを示す図である。 BIS値による睡眠ステージと本発明の一実施形態の睡眠状態判定基準を示す図である。 本発明の一実施形態による睡眠深度推定処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
10 睡眠深度計測装置
11 無拘束センサ
13 信号処理部
15 睡眠深度推定部
17 睡眠状態判定部
19 通信装置

Claims (18)

  1. 被験者の生体情報に基づき睡眠深度を判別する睡眠深度計測装置であって、
    前記被験者の生体信号を無拘束で計測したセンサ出力から睡眠時振動の周期を算出する信号処理手段と、
    前記睡眠時振動周期から前記被験者の睡眠深度の推定値を求める睡眠深度推定手段と、
    を備える睡眠深度計測装置。
  2. 前記センサ出力は、前記被験者の寝床の下に敷かれたエアパッドに接続されたセンサから得られ、前記被験者の睡眠中の動作に応じて変動する、請求項1に記載の睡眠深度計測装置。
  3. 前記信号処理手段は、前記センサ出力にバンドパスフィルタ処理および移動平均処理を行い、さらにピーク検出を行うことにより前記睡眠時振動周期を検出する、請求項1または請求項2に記載の睡眠深度計測装置。
  4. 前記睡眠深度推定手段は、前記睡眠時振動周期のパワースペクトルのうち所定の周波数帯域のパワーを算出して睡眠時変動周期の変動値を求め、該変動値を所定の数式に代入することにより前記推定値を算出する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の睡眠深度計測装置。
  5. 前記数式は、自律神経の活性変動をモデルとした、
    Figure 2006263032
    で表される式であり、ここでXtは時刻tにおける前記推定値であり、nMVVtは時刻tの前記変動値を計測開始時から時刻tまでの前記変動値の平均値で正規化した値であり、Xmax、Xmin、A1、A2、M1、M2、k1、およびk2は所定の定数である、請求項4に記載の睡眠深度計測装置。
  6. 前記推定値に基づいて前記被験者の睡眠状態を判定する睡眠状態判定手段をさらに備える、請求項1乃至5のいずれかに記載の睡眠深度計測装置。
  7. 前記睡眠状態判定手段は、前記推定値が所定のしきい値より大きい場合、浅い睡眠状態と判定し、前記推定値が所定のしきい値以下の場合、深い睡眠状態と判定する、請求項6に記載の睡眠深度計測装置。
  8. 前記判定の結果を周辺機器に送る通信手段をさらに備え、前記周辺機器は、前記判定の結果に応じて所定のアクションを取るよう構成されている、請求項6または請求項7に記載の睡眠深度計測装置。
  9. 前記睡眠時振動は、前記被験者の呼吸に伴う振動である、請求項1乃至8のいずれかに記載の睡眠深度計測装置。
  10. 前記睡眠時振動は、前記被験者の呼吸に伴う振動と、寝返りおよび手足の動きを含む体動である、請求項1乃至8のいずれかに記載の睡眠深度計測装置。
  11. 被験者の生体情報に基づき睡眠深度を判別するためのコンピュータプログラムであって、
    前記被験者の生体信号を無拘束で計測したセンサ出力から睡眠時振動の周期を算出するステップと、
    前記睡眠時振動周期から前記被験者の睡眠深度の推定値を求めるステップと、
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  12. 前記計測するステップが、前記センサ出力にバンドパスフィルタ処理および移動平均処理を行い、さらにピーク検出を行うことにより前記睡眠時振動周期を検出するステップをさらに備える、請求項11に記載のプログラム。
  13. 前記推定値を求めるステップが、前記睡眠時振動周期のパワースペクトルのうち所定の周波数帯域のパワーを算出して睡眠時変動周期の変動値を求め、該変動値を所定の数式に代入することにより前記推定値を算出するステップをさらに備える、請求項11または請求項12に記載のプログラム。
  14. 前記数式は、自律神経の活性変動をモデルとした、
    Figure 2006263032
    で表される式であり、ここでXtは時刻tにおける前記推定値であり、nMVVtは時刻tの前記変動値を計測開始時から時刻tまでの前記変動値の平均値で正規化した値であり、Xmax、Xmin、A1、A2、M1、M2、k1、およびk2は所定の定数である、請求項13に記載のプログラム。
  15. 前記推定値に基づいて前記被験者の睡眠状態を判定するステップをさらに備える、請求項11乃至14のいずれかに記載のプログラム。
  16. 前記判定するステップは、前記推定値が所定のしきい値より大きい場合、浅い睡眠状態と判定し、前記推定値が所定のしきい値以下の場合、深い睡眠状態と判定する、請求項15に記載の睡眠深度計測装置。
  17. 前記睡眠時振動は、前記被験者の呼吸に伴う振動である、請求項11乃至16のいずれかに記載のプログラム。
  18. 前記睡眠時振動は、前記被験者の呼吸に伴う振動と、寝返りおよび手足の動きを含む体動である、請求項11乃至16のいずれかに記載のプログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009041939A (ja) * 2007-08-06 2009-02-26 Seiko Instruments Inc 目覚まし時計
JP2011083564A (ja) * 2009-10-15 2011-04-28 Sleep System Kenkyusho:Kk 自律神経成分指標推定装置及び自律神経成分指標推定方法
US10485455B2 (en) 2015-04-23 2019-11-26 Oki Electric Industry Co., Ltd. Estimation device, vibration state estimation method, and recording medium

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