JP5442318B2 - 荷重データを解析する装置、その装置の制御方法およびプログラム - Google Patents

荷重データを解析する装置、その装置の制御方法およびプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP5442318B2
JP5442318B2 JP2009119031A JP2009119031A JP5442318B2 JP 5442318 B2 JP5442318 B2 JP 5442318B2 JP 2009119031 A JP2009119031 A JP 2009119031A JP 2009119031 A JP2009119031 A JP 2009119031A JP 5442318 B2 JP5442318 B2 JP 5442318B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
value
data
unit
determination
time
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009119031A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010264127A (ja
Inventor
晴一 山田
茂男 窪田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Aircool Corp
Original Assignee
Denso Aircool Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Aircool Corp filed Critical Denso Aircool Corp
Priority to JP2009119031A priority Critical patent/JP5442318B2/ja
Publication of JP2010264127A publication Critical patent/JP2010264127A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5442318B2 publication Critical patent/JP5442318B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)

Description

本発明は、荷重データを解析する装置、その装置の制御方法およびプログラムに関するものである。
特許文献1には、複数の感圧素子を有するセンサーシートにより、被験者の寝具に加わる荷重変化を捉えた荷重信号から呼吸信号を抽出し、さらに、その呼吸信号から無呼吸低呼吸指数を精度良く求めることができる解析装置を提供することが記載されている。解析装置は、呼吸信号に含まれる複数の振幅の平均値により、有意な呼吸障害パターンを判定して、呼吸障害の数をカウントする第1のカウンタ部と、この第1のカウンタ部によりカウントされた、単位時間当たりの呼吸障害の数が所定の数より多いときに、呼吸信号に含まれる単振幅の値により、有意な呼吸障害パターンを判定して、再度、呼吸障害の数をカウントする第2のカウンタ部とを有する。重症の患者に対して、より精度の高い無呼吸低呼吸指数を求め、ポリソムノグラフィー(PSG)のスクリーニング検査としての精度を向上できる。
睡眠時無呼吸症候群の重症度は、AHI(無呼吸低呼吸指数(Apnea Hypopnea Index))が用いられる。このAHIは、睡眠1時間当たりの無呼吸と低呼吸とを合わせた回数を示す。AHIの測定には、ポリソムノグラフィー(PSG)が用いられる。PSGでは、脳波、眼球の動き、心電図、筋肉の動きなどの様々な生理学的変化を一夜の睡眠を通して記録し、その結果を解析することにより睡眠時無呼吸症候群のタイプおよび重症度の評価を行なう。PSGによる検査は、多種多様な生理学的変化を記録するために、精度は高いと考えられている。しかしながら、PSGでは、多種多様なセンサーを患者に取り付ける必要があるために、就眠中の患者の負担は大きく、自然な就眠中の状況が検出されにくいという問題もあり、さらに、検査結果の解析に時間を要し、その費用も高額になるという問題もある。
センサーシートにより得られる荷重信号により呼吸信号を取得する方法は、手軽で、就眠中の患者への負担はほとんどなく、自然な就眠中の状況を検出でき、検査結果の解析も比較的容易であり、そのための費用も安くなる。したがって、この呼吸信号を解析する装置および方法は、PSGによる測定を必要とする患者か否かを判断するためのスクリーニング用の測定装置あるいは過程として適している。さらには、睡眠時無呼吸症候群の重症度の判定装置あるいは過程への適用も検討されている。
特開2007−181613号公報
呼吸信号を用いて呼吸状態を精度よく判定するためには、センサーシートから得られる呼吸信号に含まれるノイズを除去する必要がある。呼吸信号には、たとえば、周期性四肢運動によるノイズが含まれており、特許文献1には、呼吸信号における複数の振幅の平均値を算出し、その平均値の差から呼吸信号の振幅の変化を判断することにより、ノイズ成分を除去する方法が開示されている。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、10秒以上続く無呼吸が、一晩の睡眠中(7時間)に30回以上、もしくは1時間に平均5回以上認められ、かつ、その一部は脳波上覚醒している睡眠時にも認められる場合を言うとされている。したがって、脳波上覚醒している状態でも呼吸障害の有無を判定することが要求され、脳波上覚醒している場合は呼吸以外の体動が多いので、それによるノイズを除去する方法が従来から検討されている。
睡眠時の障害は無呼吸症候群に限られない。たとえば、足がピクつく睡眠障害として周期性四肢運動障害(Periodic Limb Movement Disorder,PLMD)が知られている。PLMDは、すでに睡眠に入っているときに起きる疾患で、むずむず足症候群と高い確率で合併して発症することが知られている。PLMDが発症すると、眠りが浅くなり昼間の眠気の発生につながる。SASを発症している患者とPLMDを発症している患者とは多くのケース異なっている。したがって、睡眠障害の診断には、SASに限らず、PLMDも簡易に精度よく検出できることが要望されている。
また、近年、2歳から10歳程度の小児がSASを発症することが報告されている。小児SASは小児の発育に悪影響を与えることが問題になっており、小児SASの早期発見が要望されている。小児SASの簡易検査機器を用いた方法としては、鼻の下や胸、腹、指先等にセンサーを取りつける方法がある。小児は、センサーを取り付けていることによる不快感が我慢できずにセンサーを外してしまったり、睡眠後も体動が多いためセンサーが外れてしまったりという問題があり、これらの方法で有効な検査を行うことが難しい。一方、センサーシートは敷いてその上で小児が寝るだけなので被験者の体にセンサーを直に付ける必要がない。このため、小児の睡眠を妨げることなく、小児SASを精度よく判定できる方法として有望であるが、小児SAS特有の体動もあり、まだ解決すべき課題がある。
したがって、睡眠時の呼吸以外の身体あるいは四肢の周期的な動きを検出できることが要望されており、本発明は、これらの要望の1つおよび/または複数に応えようとするものである。
本発明の一態様は、被験者の下に、被験者の荷重分布の変化を検出するように配置された複数の検出素子のそれぞれから得られる荷重変動データを解析する装置である。この装置は、複数の検出素子それぞれの荷重変動データの微分した第1の微分値の絶対値をさらに微分した第2の微分値の第1の値を求め、第1の時間間隔で定期的に、複数の検出素子の第1の値を合計した成分を含む第1のデータを得る第1のユニットと、第1のデータに基づき、被験者の睡眠時の通常の呼吸によらない周期的な体動または周期性四肢運動の有無を判断する第2のユニットとを有する。
呼吸信号を得る場合は、呼吸周波数帯(0.2〜0.5Hz程度)の信号強度の最も高い、限られた検出素子からの信号を用いる。その検出素子の上に、被験者(就寝者、ユーザ)の胸部が載っており、限られた検出素子からの信号が、呼吸による体動を最も反映していると考えられるからである。
本発明の装置においては、被験者の下に、被験者の荷重分布の変化を検出するように配置された複数の検出素子のすべての検出素子から得られた第1の値を合計した成分を含む第1のデータを取得する。第1のデータは、合計した値であっても、平均した値であってもよい。さらに、第1の値は、それぞれの検出素子から得られた交流成分の絶対値に基づいており、第1の値を合計した成分には、四肢あるいは体の移動により位相が反転する、移動先および移動元に位置する複数の検出素子の荷重変動データが反映される。さらに、第1の値は、絶対値の変化量(微分値)を用いており、通常呼吸にともなう穏やかな体動よりも四肢の動きのような体動に対して敏感である。
したがって、第1のユニットにより得られる、複数の検出素子全ての第1の値を第1の時間間隔で定期的に合計した成分を含む第1のデータは、通常呼吸のような穏やかな体動ではなく、体あるいは四肢の運動あるいは移動を伴ったり、身体が大きく上下に動くような衝撃的な体動(体動量)の時間による変動を示すデータとなる。すなわち、第1のデータにより、特定の検出素子に限らず、荷重分布の変化を検出するように配置されたすべての検出素子の情報を合計することにより、いっそう広範囲な体あるいは四肢の動きを信号として捉えることができる。このため、第2のユニットにより、第1のデータに基づき、被験者の周期的な体動または周期性四肢運動の有無を判断することができる。
第1のユニットは、第1の値として、複数の検出素子それぞれの荷重変動データの微分した第1の微分値の絶対値をさらに微分した第2の微分値を求める第1の微分値により荷重変動データの交流成分を抽出できる。
第2のユニットは、第1のデータを、第1の時間間隔より長い第2の時間間隔の第1のデータの移動時間平均値に変換するサブユニットを含むことが望ましい。移動時間平均値を得ることにより第1のデータの高周波成分をノイズとして除去できる。
第2のユニットは、第1のデータの高低を繰り返す複数の周期的時間の標準偏差を得るサブユニットを含むことが望ましい。ある周期的時間を、その周期的時間を含む前後の2つから6つの周期的時間、さらに好ましくは、3つから5つの周期的時間、さらに好ましくは4つの周期的時間の標準偏差が判定値より小さければ周期性があると判断できる。
第2のユニットは、被験者が小児であり、標準偏差が第1の判定値より小さく、第1のデータの高低の1つの繰り返しに含まれる、値の低い時間が第2の判定値より長いことが所定の時間あたり(たとえば、一晩当たり)所定の回数(たとえば100回)以上あると、陥没呼吸があると判定する第1の判定ユニットを含むことが望ましい。複数の検出素子の一部の荷重変動データより被験者の呼吸数に対応する周波数帯域の信号成分を含む呼吸信号を生成し、無呼吸状態を判定する呼吸モニターユニットをさらに有する装置においては、呼吸モニターユニットが、第1の判定ユニットにより陥没呼吸があると判定されると、呼吸信号を生成する際の振幅許容値として通常値よりも大きな値を採用することにより小児SASをさらに精度よく判断できる。
第2のユニットは、標準偏差が第1の判定値より小さく、第1のデータの高低の1つの繰り返しに含まれる、値の低い時間が第3の判定値内であり、第1のデータの高低の1つの繰り返しに含まれる、値の高い時間が第4の判定値より短いと、周期性四肢運動があると判定する第2の判定ユニットを含むことが望ましい。PLMDの有無を判断できる装置を提供できる。
本発明の異なる態様の1つは、上記に記載の装置と、複数の検出素子が所定のパターンで配置されたセンサーユニットとを有する生体情報検出システムである。睡眠障害の要因となる周期的な四肢あるいは体の動きの有無を検出できる生体情報検出システムを提供できる。
本発明の他の態様の1つは、被験者の下に、被験者の荷重分布の変化を検出するように配置された複数の検出素子のそれぞれから得られる荷重変動データを解析する装置を制御する方法である。解析する装置は、CPUと、メモリとを含む。この方法は、以下の工程を有する。
1.CPUが複数の検出素子それぞれの荷重変動データの微分した第1の微分値の絶対値をさらに微分した第2の微分値の第1の値を求め、第1の時間間隔で定期的に、複数の検出素子の第1の値を合計した成分を含む第1のデータをメモリに格納すること。
2.第1のデータに基づき、被験者の睡眠時の通常の呼吸によらない周期的な体動または周期性四肢運動の有無を判断すること。
第1のデータを得ること(第1の工程)は、第1の値として、複数の検出素子それぞれの荷重変動データの微分した第1の微分値の絶対値をさらに微分した第2の微分値を求める
判断すること(第2の工程)は、第1のデータを、第1の時間間隔より長い第2の時間間隔の第1のデータの移動時間平均値に変換することを含むことが望ましい。
また、判断すること(第2の工程)は、第1のデータの高低を繰り返す複数の周期的時間の標準偏差を得ることを含むことが望ましい。
さらに、判断すること(第2の工程)は、被験者が小児であり、標準偏差が第1の判定値より小さく、第1のデータの高低の1つの繰り返しに含まれる、値の低い時間が第2の判定値より長いことが所定の時間あたり所定の回数以上あると、陥没呼吸があると判定することを含むことが望ましい。
この方法は、複数の検出素子の一部の荷重変動データより被験者の呼吸数に対応する周波数帯域の信号成分を含む呼吸信号を生成し、無呼吸状態を判定すること(第3の工程)をさらに有し、第3の工程では、陥没呼吸があると判定されると、呼吸信号を生成する際の振幅許容値として通常値よりも大きな値を採用することが望ましい。小児SAS患者の場合は胸郭が柔らかいため、無呼吸になると胸が大きくへこむ「陥没呼吸」と呼ばれる呼吸になる。陥没呼吸が発生すると、胸部下における検出素子の変化量が大人の呼吸に比べて10倍以上にもなる。呼吸信号を生成する振幅許容値を大きくすることにより小児SASにおける無呼吸に伴う陥没呼吸を「体動」と認識して除外されることを抑制でき、無呼吸判定の精度を向上できる。
また、判断すること(第2の工程)は、標準偏差が第1の判定値より小さく、第1のデータの高低の1つの繰り返しに含まれる、値の低い時間が第3の判定値内であり、第1のデータの高低の1つの繰り返しに含まれる、値の高い時間が第4の判定値より短いと、周期性四肢運動があると判定することを含むことが望ましい。
本発明のさらに異なる態様の1つは、被験者の下に、被験者の荷重分布の変化を検出するように配置された複数の検出素子のそれぞれから得られる荷重変動データを解析する装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。解析する装置は、複数の検出素子それぞれの荷重変動データの微分した第1の微分値の絶対値をさらに微分した第2の微分値の第1の値を求め、第1の時間間隔で定期的に、複数の検出素子の第1の値を合計した成分を含む第1のデータを得る第1のユニットと、第1のデータに基づき、被験者の睡眠時の通常の呼吸によらない周期的な体動または周期性四肢運動の有無を判断する第2のユニットとを含む。このプログラム(プログラム製品)は、CD−ROMなどの適当な記録媒体に記録して提供できる。また、このプログラム(プログラム製品)は、インターネットなどのコンピュータネットワークを介して提供することも可能である。
センサーシートの概要を示す図。 生体検出システムの一例の構成を示す図。 解析装置の処理の概要を示すフローチャート。 解析処理における信号処理の一例を示すタイミングチャート。 異なる生体検出システムの構成を示す図。 異なる解析装置の処理の概要を示すフローチャート。 異なる解析処理における信号処理の一例を示すタイミングチャート。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。図1に、生体情報検出システムに用いられているセンサーシート2の概要を示している。図2に、被験者9の下に敷かれたセンサーシート2からの信号を解析する生体情報検出システム1の一例を示している。センサーシート2は、複数のサブシート2a、2b、2cを備え、それぞれのサブシート2a、2b、2cは、薄いプラスチック製のシート4を母材として含む。それぞれのシート4に検出素子である複数の感圧センサー(圧力センサー)7が適当な間隔で規則的に取り付けられている。このため、シート4を被験者9の下に敷くことにより、被験者9の下側に複数の感圧センサー7のアレイあるいはマトリクスを簡単に構築できる。サブシート2a、2bおよび2cには、複数の感圧センサー7から信号を出力するための配線8aおよび8bが設けられており、センサーシート2の端に設置された制御ボックス3より複数の感圧センサー7により得られた信号を出力することができる。
図2に示すように、センサーシート2をベッド6などに敷くことにより、多数の感圧センサー7をベッド6の上に配置できる。このため、ベッド6の上に横たわる被験者9に直に感圧センサーを取り付けなくても、被験者9の様々な体動を、寝具に加わる荷重変化として感圧センサー7からの信号(荷重信号)5に変換して捉えることができる。このため、感圧センサー7からの荷重信号5を解析することにより、被験者9の就寝中の呼吸状態やその他の状態を監視できる。
生体情報検出システム1は、センサーシート2と、センサーシート2の複数の感圧センサー7からの信号を解析するための解析装置10とを備えている。解析装置10は、適当なハードウェア資源を備えたコンピュータ20を備えている。コンピュータ20は、データおよびプログラムなどを記憶するためのメモリ21と、プログラムをダウンロードして処理を実行するCPU22と、データ処理に要求されるその他の資源とを備えている。メモリ21は、入出力可能な記録媒体、例えば、ハードディスクあるいは半導体メモリである。メモリ21には、解析用プログラム25が格納されており、CPU22が適当なタイミングでプログラム25をロードすることによりコンピュータ20を解析装置10として機能させる。解析用プログラム(プログラム製品)25は、フラッシュメモリやCD−ROMなどの適当な記録媒体に記録して提供することができる。また、解析用プログラム(プログラム製品)25は、インターネットなどのコンピュータネットワークを介して提供することも可能である。
解析装置10は、第1の時間間隔T1でセンサーシート2の複数の感圧センサー7から荷重信号5を取得するサンプリングユニット11を含む。感圧センサー7から出力される荷重信号5は、センサーシート2の側の制御ボックス3またはサンプリングユニット11によりデジタルデータ(荷重変動データ)12に変換され、感圧センサー7毎のデータとしてメモリ21に格納される。
解析装置10は、さらに、荷重変動データ12から周期的な体動の有無を判断する体動判定ユニット30と、複数の感圧センサー7の一部の荷重変動データ12より被験者9の呼吸数に対応する周波数帯域の信号成分を含む呼吸信号を生成し、無呼吸状態を判定する呼吸モニターユニット17を含む。呼吸モニターユニット17は、荷重変動データ12から呼吸信号14を生成する呼吸信号生成ユニット15と、呼吸信号14から無呼吸低呼吸指数(AHI)を求めるAHI解析ユニット16とを含む。荷重変動データ12の解析は、被験者9である患者の状態をモニタするのであればオンタイム(オンライン)で行なわれる。無呼吸症候群の検査は、通常、オンタイムで解析することは要求されず、睡眠中のデータが全て揃った段階あるいはデータがある程度用意できた段階でバッチ的に行なわれる。
体動判定ユニット30は、荷重変動データ12から体動量(第1のデータ)13を生成する第1のユニット31と、体動量13から周期的な体動または周期性四肢運動の有無を判断する第2のユニット32とを含む。第2のユニット32は、体動量13を移動時間平均値13aに変換するサブユニット33と、移動時間平均値13aの高低を繰り返す複数の周期的時間の標準偏差を求めるサブユニット34と、陥没呼吸の有無を判断する第1の判定ユニット35とを含む。
図3に、解析装置10の主な処理をフローチャートにより示している。この解析装置10のサンプリングユニット11は、ステップ51において、サンプリング周波数10Hz、すなわち、第1の時間間隔T1が100msで全感圧センサー7から荷重信号5を取得し、ステップ52で、荷重変動データ12を生成する。センサーシート2に配置されている感圧センサー7の数は162個である。
ステップ53において、体動判定ユニット30の第1のユニット31は、第1の時間間隔T1毎の荷重変動データ12の交流成分の絶対値を感圧センサー7毎に求める。具体的には、荷重変動データ12の第1の微分値、すなわち、直前にサンプリングされた荷重変動データ12との差分の絶対値を求める。荷重変動データ12の第1の微分値は、直後にサンプリングされる荷重変動データ12との差分でもよく、また、サンプリングされた荷重変動データ12を補間して微分した値であってもよい。
ステップ54において、第1のユニット31は、さらに、第1の微分値の絶対値の変化量に対応した第1の値V1を、感圧センサー7毎に求める。第1の値V1は、具体的には、第1の微分値の絶対値のさらなる微分値(第2の微分値)、すなわち、直前にサンプリングされた荷重変動データ12の第1の微分値の絶対値と、今回サンプリングされた荷重変動データ12の第1の微分値の絶対値との差分である。荷重変動データ12の第1の微分値の絶対値のさらなる微分値(第2の微分値、第1の値)V1は、直後にサンプリングされる荷重変動データ12の第1の微分値の絶対値との差分でもよく、また、サンプリングされた荷重変動データ12の第1の微分値の絶対値を補間して微分した値であってもよい。
ステップ55において、第1のユニット31は、さらに、全感圧センサー7の第1の値V1を加算する。これにより、第1の時間間隔T1で定期的に、全ての感圧センサー(測定点の全点)7の第1の値V1を合計した成分を含む第1のデータ(体動量)13を得ることができる。体動量13は、すべての感圧センサー7の第1の値V1の合計値でもよく、合計値を感圧センサー7の数で割った平均値でもよい。この例では、100ms毎にセンサーシート2の単位で体動量13が得られ、第1のユニット31により体動量13はメモリ21に配列データとして格納される。
体動量(第1のデータ)13は、呼吸体動を検出する際のように特定の感圧センサー7の測定結果を反映した量(データ)ではなく、被験者9の荷重分布の変化を検出するようにマトリクスあるいはアレイ状にセンサーシート2に配置されたすべての感圧センサー7から得られた情報を合計したものである。したがって、この段階で得られる体動量13は、センサーシート2の上での被験者9の広範囲な体あるいは四肢の動きに関する情報を含むデータである。このため、体動量13に適当な処理を施すことにより、被験者9の周期的な体動または周期性四肢運動の有無を判断することができる。
体動判定ユニット30の第2のユニット32は、得られた体動量13の周期性を確認して周期的な体動の有無を判断する。ステップ56において、一晩の体動量13が得られると、第2のユニット32のサブユニット33は、ステップ57において、体動量13のサンプリング時間(第1の時間間隔)T1より長い第2の時間間隔T2で移動時間平均値14aを計算する。この例では、100msの間隔T1で得られた体動量13を、1秒分(10データ分)の間隔T2で移動時間平均値13aを計算する。体動量13に含まれる高周波分のノイズを除去できる。
第2のユニット32のサブユニット34は、図4に示すように、ステップ58において、体動量の移動時間平均値13aを適当な値をしきい値Vthとして、しきい値Vth以上の領域(値の高い時間帯、体動フラグ(f=1))81と、しきい値Vth未満の領域(値の低い時間帯、体動フラグ(f=0))80とに分ける。体動量の移動時間平均値13aの相対的な値は、感圧センサー7からの信号強度またはデジタル変換後の荷重変動データ12の強度に依存し、しきい値Vthも変わる。発明者らの測定によると、大人の通常呼吸が反映される体動量の移動時間平均値13aの最大値に対して、50〜150倍程度、さらに好ましくは80〜120倍程度、さらに好ましくは100倍程度の値をしきい値Vthに設定することにより、呼吸に起因しない、四肢または体動の周期的な動きを捉えやすいことが分かっている。
サブユニット34は、さらに、ステップ58において、体動量の移動時間平均値13aの高低の1つの繰り返しに含まれるn番目の周期的時間TCを抽出する。n番目の周期的時間TCは、値の高い時間帯81と、値の低い時間帯80とを1つずつ含む。さらに、サブユニット34は、n番目の周期的時間TCを含む前後4つの他の周期的時間の標準偏差σを計算する。すなわち、サブユニット34はステップ58において(TCn−3、TCn−2、TCn−1、TC)、(TCn−2、TCn−1、TC、TCn+1)、(TCn−1、TC、TCn+1、TCn+2)、(TC、TCn+1、TCn+2、TCn+3)の4つの組み合わせの標準偏差σ1〜σ4を計算する。
陥没呼吸の有無を判断する第1の判定ユニット35は、ステップ59において、標準偏差σ1〜σ4のいずれかが第1の判定値VD1より小さいか否かを判断する。陥没呼吸を伴う小児SASを発症している場合、無呼吸の後に陥没呼吸を伴う努力呼吸が発生する。したがって、値の低い時間帯80の開始時刻t1およびt3が無呼吸発生時刻であり、値の低い時間帯(時間Tnn)80が無呼吸区間に相当する。また、値の高い時間帯81の開始時刻t2が努力呼吸開始時刻であり、値の高い時間帯(時間Ten)81が努力呼吸区間に相当する。1組の時間Tnnおよび時間Tenを含む周期的時間TCが無呼吸発生間隔に相当する。
被験者9が小児SASを発症している場合、無呼吸発生間隔に周期性があり、周期性は標準偏差σで判断できる。小児SASの場合、周期性の標準偏差は30未満であり、20未満であることが望ましく、10未満であることがさらに好ましい。したがって、判定値(第1の判定値)VD1は4回で30であり、判定精度を高めるためには、第1の判定値VD1が20であることがさらに好ましく、第1の判定値VD1が10であることがさらに好ましい。標準偏差σを得る際に計算する周期的時間TCの前後の数は4に限定されず、3から6であってもよい。
第1の判定ユニット35は、ステップ59において、標準偏差σ1〜σ4のいずれかが第1の判定値VD1より小さいか否かを確認する。標準偏差σ1〜σ4のいずれかが第1の判定値VD1より小さいときは、n番目の周期的時間TCに周期性、特に、小児SASに関連する周期性があると判断する。
さらに、第1の判定ユニット35は、ステップ60において、周期的時間TCが第2の判定値VD2より長いか否かを判断する。無呼吸の場合、その発生間隔は通常10秒以上である。したがって、第2の判定値VD2は、8秒程度が望ましく、10秒程度がさらに好ましい。第1の判定ユニット35は、周期的時間TCが第2の判定値VD2以上であると無呼吸に伴う陥没呼吸があると判断する。陥没呼吸(努力呼吸)の持続時間Tenは判断しない。
第1の判定ユニット35は、ステップ59およびステップ60の条件が満足されると、無呼吸に伴う陥没呼吸が発生したと判断する。さらに、ステップ61および62において、第1の判定ユニット35は、一晩の体動量13に含まれる陥没呼吸の数をカウントする。このカウントが陥没呼吸指数Ireとなる。第1の判定ユニット35は、ステップ63において、陥没呼吸指数Ireが100以上であれば、陥没呼吸がある患者である、すなわち、SAS判定に影響を与える陥没呼吸があると判定する。
さらに、第1の判定ユニット35は、陥没呼吸がある患者であると判定されると、ステップ64で、呼吸信号生成ユニット15において呼吸信号14を生成する際の振幅許容値を通常値よりも大きくする。
解析装置10の呼吸信号生成ユニット15は、荷重変動データ12から、FFTなどの手法を用いて、被験者9の呼吸数に対応する周波数帯域の信号成分を呼吸信号として取得する。さらに、呼吸信号生成ユニット15は、呼吸信号の頂点データを取得し、これを解析用の呼吸信号14としてメモリ21に記録する。呼吸信号14は、呼吸による体動、例えば胸の上下動に伴うものを反映しており、ほぼ一定の周期で脈動する信号になる。無呼吸症候群の患者9の呼吸信号14は、脈動の振幅が一定ではなく、低振幅の信号の後に高振幅の信号が現れる呼吸障害パターンを備えたものとなる。呼吸信号生成ユニット15は、脈動する信号の各頂点のデータ(振幅と時刻あるいは周期など)を抽出し、振幅包絡線を描くデータを抽出し、それらの頂点データ(ピークデータ)の各値の集合を呼吸信号(呼吸データ、単振幅データ)18として出力する。AHI解析ユニット16は、呼吸信号14に含まれる呼吸障害パターンをカウントし、AHIを求め、無呼吸症候群であるか否かを判定または事前判定する。
呼吸信号生成ユニット15は、所定の間隔で被験者9が載っていると判断される感圧センサー7の位置を判断し、最も被験者9の胸の動きを反映している感圧センサー7から得られる荷重変動データ12から呼吸信号14を生成する。その際、従来の呼吸信号生成ユニットでは、載っていると判断される感圧センサー7の位置が数10%以上変化すれば、体動中と判定され、AHIカウント用の呼吸信号14は生成されない。また、5分間の呼吸信号14に含まれる振幅の非常に大きなピーク(PLM)をカウントし、所定の回数以上のPLMが見つかると、AHIカウント用の呼吸信号14は生成されない。PLMは、呼吸信号14に含まれる単発的なピークを示し、呼吸信号14に含まれるあるピークの振幅が前後のピークの振幅の2倍以上であると、そのピークをPLMと判定してカウントする。
従来の呼吸信号生成ユニットでは、体動率が35%以上、または、PLM回数が8回以上であれば、それらを覚醒の可能性を示す信号とし、患者9が覚醒している可能性が高いと判定する。さらに、体動率が25%以上で、かつ、PLM回数が4回以上の場合も患者9が覚醒している可能性が高いと判定する。さらに、従来の呼吸信号生成ユニットは、呼吸信号14に含まれるピークの振幅値が所定の値を超えると呼吸以外の体動による信号であるとして、AHIカウント用の呼吸信号14を生成しない。これらの処理により、センサーシート2からの信号を解析する従来のシステムでは、小児SASを発症している小児患者において発生しやすい陥没呼吸は単発的な体動と判断され、AHIカウント用の呼吸信号14が生成されず、AHI解析ユニット16における小児SASの検出確率が低いという問題があった。
本例の解析装置10においては、体動判定ユニット30により、呼吸を反映した体動よりも衝撃の大きな体動に対して、呼吸数に対応する周波数帯域に限らず、周期性の有無を判断することができる。特に、体動判定ユニット30の第1のユニット31においては、荷重変動データ12に含まれる交流成分を第1の微分値として抽出し、さらに、その第1の微分値の絶対値をさらに微分した値(第2の微分値)を第1の値V1として生成している。したがって、呼吸体動のような比較的滑らかな動きの成分よりも、衝撃的な体の動きや四肢の動きが第1の値V1に大きく反映される。
さらに、体動量13は、センサーシート2に配置されている感圧センサー7の全点の情報を、絶対値の微分を利用し位相を揃えて合算したデータである。このため、被験者9の体の移動や、衝撃的な体または四肢の動きにより圧力が急激に増加したり、急激に減少したりする感圧センサー7の情報が重畳され、いっそう、衝撃的な体の動きや四肢の動きが強く反映された体動量13を得ることができる。したがって、体動量13は、被験者9の荷重分布の変化を検出するように複数の感圧センサー7がマトリクス状に配置されたセンサーシート2の特性あるいは特徴が活かされたデータである。センサーシート2の面積的な効果を活かし、体動量13により、被験者9のより広範囲な体あるいは四肢の動きを判断することができる。
小児SASに伴う陥没呼吸は、努力呼吸ではあるが、呼吸数に対応する周波数帯域(0.2〜0.5Hz程度)ではなく、無呼吸発生間隔の周波数帯域(0.1Hz程度以下)で現れる動き(体動)であり、さらに、その振幅は、通常の呼吸体動の振幅の10倍以上になることが多い。本例の解析装置10の体動判定ユニット30は、体動をオンオフで判断するのでなく、時間に依存して量が変動する体動量13として取得できる。このため、体動量13に載っているノイズを除去したり、適当なしきい値Vthを設定することにより、解析した体動に合致した現象を抽出し、その周期性を判断できる。したがって、パラメータを適当に設定することにより、体動判定ユニット30により小児SASに伴う陥没呼吸の有無を高い確率で判断できる。
被験者9が陥没呼吸を伴う患者であることが判断できれば、従来、呼吸信号14のピークが大きすぎて単発的な体動として除去されていた呼吸信号14を、振幅許容値を通常値よりも大きく設定することにより、AHIカウント用の呼吸信号14としてAHI解析ユニット16に供給できる。また、陥没呼吸を伴う患者は、寝苦しいために睡眠中でもPLMに似た動作を頻発することが知られており、上述したPLMの条件を緩和したり、あるいは無効にすることにより、従来は除去されていた呼吸信号14をAHIカウント用の呼吸信号14としてAHI解析ユニット16に供給できる。呼吸信号生成ユニット15におけるその他の呼吸信号14の生成条件および/またはAHI解析ユニット16における睡眠時無呼吸症候群(SAS)の重症度の判定条件を、陥没呼吸を伴う患者であることを前提とした条件に変更することができる。したがって、センサーシート2を用いた生体情報検出システム1における、陥没呼吸を伴う小児SASの重症度の判定精度を向上でき、PSGによる判定結果との相関性を向上できる。
図5は、生体情報検出システムの異なる例を示している。この生体情報検出システム1aは、被験者9の脚部の下にセンサーシート2を敷き、センサーシート2からの信号を解析装置10aにより解析し、周期性四肢運動障害(PLMD)の有無を判断する。センサーシート2の構成は上記と同様につき省略する。また、以下の生体情報検出システム1aの構成で、上記のシステム1と共通する部分には共通の符号を付して説明を省略する。
解析装置10aはコンピュータ20を含み、メモリ21に格納された解析用プログラム25aをCPU22が適当なタイミングでロードすることによりコンピュータ20を解析装置10aとして機能させる。
解析装置10aは、第1の時間間隔T1でセンサーシート2の複数の感圧センサー7から荷重信号5を取得するサンプリングユニット11を含み、感圧センサー7毎の荷重変動データ12がメモリ21に格納される。解析装置10aは、さらに、荷重変動データ12から周期的な体動の有無を判断する体動判定ユニット30を含む。体動判定ユニット30は、荷重変動データ12から体動量(第1のデータ)13を生成する第1のユニット31と、体動量13から周期性四肢運動(PLMD)の有無を判断する第2のユニット32とを含む。第2のユニット32は、体動量13を移動時間平均値13aに変換するサブユニット33と、移動時間平均値13aの高低を繰り返す複数の周期的時間の標準偏差を求めるサブユニット34と、PLMDの有無を判断する第2の判定ユニット36とを含む。
図6に、解析装置10aの主な処理をフローチャートにより示している。サンプリングユニット11および体動判定ユニット30の第1のユニット31の処理、すなわち、ステップ51からステップ56については、図3に示した解析装置10の処理と共通する。また、第2のユニット32のサブユニット33により移動時間平均値13aを求める処理(ステップ57)も共通する。
解析装置10aの第2のユニット32のサブユニット34は、図7に示すように、ステップ58において、体動量の移動時間平均値13aに対し、第1のしきい値Vth1と、第1のしきい値Vth1より小さな第2のしきい値Vth2を設定する。サブユニット34は、体動量の移動時間平均値13aが第1のしきい値Vth1以上になると、値の高い時間帯91を認識し、微動フラグをセットする(f=1)。サブユニット34は、体動量の移動時間平均値13aが第2のしきい値Vth2以下になると、値の低い時間帯90を認識し、微動フラグを解除する(f=0)。この処理により、体動量の移動時間平均値13aの高低の繰り返しを示す波形95が得られる。2つのしきい値Vth1およびVth2を用いてヒステリシスを定義して体動量の移動時間平均値13aの高低を判断する方法は、体動量13を移動時間平均値13aに変換しても高周波成分が残りやすい周期性四肢運動の有無を判断するのに適している。
四肢運動を認識するための第1のしきい値Vth1は、陥没呼吸による体動量の判定とほぼかわらず、大人の通常呼吸が反映される体動量の移動時間平均値13aの最大値に対して、50〜150倍程度、さらに好ましくは80〜120倍程度、さらに好ましくは100倍程度の値を設定することにより捉えやすい。四肢運動が収まった、すなわち、安静状態を判断する第2のしきい値Vth2は、第1のしきい値Vth1の半分あるいはそれ以下であることが望ましい。この例では、第2のしきい値Vth2を第1のしきい値Vth1の40%に設定している。たとえば、第1のしきい値Vth1は2000、第2のしきい値Vth2は800である。
サブユニット34は、さらに、ステップ58において、体動量の移動時間平均値13aの高低の1つの繰り返しに含まれるn番目の周期的時間TDを抽出する。n番目の周期的時間TDは、値の高い時間帯91と、値の低い時間帯90とを1つずつ含む。さらに、サブユニット34は、n番目の周期的時間TDを含む前後4つの他の周期的時間の標準偏差σを計算する。すなわち、サブユニット34はステップ58において(TDn−3、TDn−2、TDn−1、TD)、(TDn−2、TDn−1、TD、TDn+1)、(TDn−1、TD、TDn+1、TDn+2)、(TD、TDn+1、TDn+2、TDn+3)の4つの組み合わせの標準偏差σ1〜σ4を計算する。
PLMDの有無を判断する第2の判定ユニット36は、ステップ70において、標準偏差σ1〜σ4のいずれかが第1の判定値VD1より小さいか否かを判断する。第1の判定値VD1は、周期性の体動の有無を判断する値である。第1の判定値VD1は、上述した陥没呼吸を伴う小児SASと同じ値を採用してもよく、この装置10aにおいて検出しようとしているPLMDも周期性があり、その症状に適した周期性の判定値があれば、その値を採用できる。ここでは、上述した小児SASの判定と同じ値VD1(4回で30、好ましくは4回で20、さらに好ましくは4回で10)を採用している。標準偏差σを得る際に計算する周期的時間TDの前後の数は4に限定されず、3から6であってもよい。
検出された周期性のある体動がPLMDであれば、値の低い時間帯90の開始時刻t11およびt13が安静開始時刻であり、値の低い時間帯(時間TAn)90が安静区間に相当する。また、値の高い時間帯91の開始時刻t12が微動発生時刻であり、値の高い時間帯(時間TBn)91が微動発生区間に相当する。1組の時間TAnおよび時間TBnを含む周期的時間TDが微動発生間隔である。
第2の判定ユニット36は、ステップ70において、標準偏差σ1〜σ4のいずれかが第1の判定値VD1より小さいか否かを確認する。標準偏差σ1〜σ4のいずれかが第1の判定値VD1より小さいときは、n番目の周期的時間TDに周期性、特に、PLMDに関連する周期性があると判断する。
さらに、第2の判定ユニット36は、ステップ71において、値の低い時間帯(安静区間)90の時間TAnが以下の条件(第3の判定値)を満足するか否かを判断する。
4秒<TAn<90秒 ・・・(1)
PLMDの発生間隔は4秒から90秒と定義されているので、この条件に準じてPLMDの発生の有無を判断するためである。
さらに、第2の判定ユニット36は、ステップ72において、値の高い時間帯(微動発生区間)91の時間TBnが以下の条件(第4の判定値)を満足するか否かを判断する。
TBn<5秒 ・・・(2)
PLMDの持続時間は0.5秒から5秒と定義されているので、この条件に準じてPLMDの発生の有無を判断するためである。
第2の判定ユニット36は、ステップ70〜72の条件が満足されると、PLMDが発生したと判断する。さらに、ステップ73および74において、第2の判定ユニット36は、一晩の体動量13に含まれるPLMDの発生回数をカウントする。このカウントがPLMD指数となり、被験者9のPLMDの症状を判断するための有効な情報となる。
本例の解析装置10aにおいては、体動判定ユニット30により、呼吸を反映した体動よりも衝撃の大きな体動の周期性の有無を判断できる。したがって、PLMDのような周期性四肢運動障害の有無の判断には適している。周期性四肢運動障害(PLMD)は、睡眠時ミオクローヌス症候群とも呼ばれ、脚に限らず、手などの身体の各部位のぴくつきとして現れることがある。本例の生体情報検出システム1aは、センサーシート2を敷く場所により、脚に限らず手などに現れる周期性四肢運動障害を検出することも可能である。また、センサーシート2は、身体の上半身あるいは下半身に限らず、被験者9の全身をカバーするように被験者9の下に敷くことも可能であり、オンタイムあるいはバッチジョブにより被験者9のPLMDおよびSASの有無あるいは症状の度合を合わせて判断することも可能である。
なお、上述した各判定値および条件は一例であり、これらの値および条件は、センサーシート2の仕様、荷重信号5の測定条件などにより、適切に決められるものである。
1、1a 生体情報検出システム
2 センサーシート、 7 感圧センサー(圧力センサー)
10、10a 解析装置
17 呼吸モニターユニット
30 体動判定ユニット

Claims (17)

  1. 被験者の下に、前記被験者の荷重分布の変化を検出するように配置された複数の検出素子のそれぞれから得られる荷重変動データを解析する装置であって、
    前記複数の検出素子それぞれの前記荷重変動データの微分した第1の微分値の絶対値をさらに微分した第2の微分値の第1の値を求め、第1の時間間隔で定期的に、前記複数の検出素子の前記第1の値を合計した成分を含む第1のデータを得る第1のユニットと、
    前記第1のデータに基づき、前記被験者の睡眠時の通常の呼吸によらない周期的な体動または周期性四肢運動の有無を判断する第2のユニットとを有する装置。
  2. 請求項において、
    前記第2のユニットは、前記第1のデータを、前記第1の時間間隔より長い第2の時間間隔の前記第1のデータの移動時間平均値に変換するサブユニットを含む、装置。
  3. 請求項1または2において、前記第2のユニットは、前記第1のデータの高低を繰り返す複数の周期的時間の標準偏差を得るサブユニットを含む、装置。
  4. 請求項において、前記第2のユニットは、前記被験者が小児であり、前記標準偏差が第1の判定値より小さく、前記第1のデータの高低の1つの繰り返しに含まれる、値の低い時間が第2の判定値より長いことが所定の時間あたり所定の回数以上あると、陥没呼吸があると判定する第1の判定ユニットを含む、装置。
  5. 請求項において、前記複数の検出素子の一部の前記荷重変動データより前記被験者の呼吸数に対応する周波数帯域の信号成分を含む呼吸信号を生成し、無呼吸状態を判定する呼吸モニターユニットをさらに有し、
    前記呼吸モニターユニットは、前記第1の判定ユニットにより陥没呼吸があると判定されると、前記呼吸信号を生成する際の振幅許容値として通常値よりも大きな値を採用する、装置。
  6. 請求項において、前記第2のユニットは、前記標準偏差が第1の判定値より小さく、前記第1のデータの高低の1つの繰り返しに含まれる、値の低い時間が第3の判定値内であり、前記第1のデータの高低の1つの繰り返しに含まれる、値の高い時間が第4の判定値より短いと、周期性四肢運動があると判定する第2の判定ユニットを含む、装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の装置と、
    前記複数の検出素子が所定のパターンで配置されたセンサーユニットとを有する、生体情報検出システム。
  8. 被験者の下に、前記被験者の荷重分布の変化を検出するように配置された複数の検出素子のそれぞれから得られる荷重変動データを解析する装置を制御する方法であって、
    前記解析する装置は、CPUと、メモリとを含み、
    当該方法は、
    前記CPUが前記複数の検出素子それぞれの前記荷重変動データの微分した第1の微分値の絶対値をさらに微分した第2の微分値の第1の値を求め、第1の時間間隔で定期的に、前記複数の検出素子の前記第1の値を合計した成分を含む第1のデータを前記メモリに格納することと、
    前記CPUが前記第1のデータに基づき、前記被験者の睡眠時の通常の呼吸によらない周期的な体動または周期性四肢運動の有無を判断することとを有する方法。
  9. 請求項において、
    前記判断することは、前記第1のデータを、前記第1の時間間隔より長い第2の時間間隔の前記第1のデータの移動時間平均値に変換することを含む、方法。
  10. 請求項8または9において、前記判断することは、前記第1のデータの高低を繰り返す複数の周期的時間の標準偏差を得ることを含む、方法。
  11. 請求項10において、前記判断することは、前記被験者が小児であり、前記標準偏差が第1の判定値より小さく、前記第1のデータの高低の1つの繰り返しに含まれる、値の低い時間が第2の判定値より長いことが所定の時間あたり所定の回数以上あると、陥没呼吸があると判定することを含む、方法。
  12. 請求項11において、前記複数の検出素子の一部の前記荷重変動データより前記被験者の呼吸数に対応する周波数帯域の信号成分を含む呼吸信号を生成し、無呼吸状態を判定することをさらに有し、
    前記無呼吸状態を判定することは、陥没呼吸があると判定されると、前記呼吸信号を生成する際の振幅許容値として通常値よりも大きな値を採用する、方法。
  13. 請求項10において、前記判断することは、前記標準偏差が第1の判定値より小さく、前記第1のデータの高低の1つの繰り返しに含まれる、値の低い時間が第3の判定値内であり、前記第1のデータの高低の1つの繰り返しに含まれる、値の高い時間が第4の判定値より短いと、周期性四肢運動があると判定することを含む、方法。
  14. 被験者の下に、前記被験者の荷重分布の変化を検出するように配置された複数の検出素子のそれぞれから得られる荷重変動データを解析する装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
    前記解析する装置は、
    前記複数の検出素子それぞれの前記荷重変動データの微分した第1の微分値の絶対値をさらに微分した第2の微分値の第1の値を求め、第1の時間間隔で定期的に、前記複数の検出素子の前記第1の値を合計した成分を含む第1のデータを得る第1のユニットと、
    前記第1のデータに基づき、前記被験者の睡眠時の通常の呼吸によらない周期的な体動または周期性四肢運動の有無を判断する第2のユニットとを含む、プログラム。
  15. 請求項14において、
    前記第2のユニットは、前記第1のデータを、前記第1の時間間隔より長い第2の時間間隔の前記第1のデータの移動時間平均値に変換するサブユニットと、
    前記移動時間平均値の高低を繰り返す複数の周期的時間の標準偏差を得るサブユニットとを含む、プログラム。
  16. 請求項15において、前記第2のユニットは、前記被験者が小児であり、前記標準偏差が第1の判定値より小さく、前記第1のデータの高低の1つの繰り返しに含まれる、値の低い時間が第2の判定値より長いことが所定の時間あたり所定の回数以上あると、陥没呼吸があると判定する第1の判定ユニットを含む、プログラム。
  17. 請求項15において、前記第2のユニットは、前記標準偏差が第1の判定値より小さく、前記第1のデータの高低の1つの繰り返しに含まれる、値の低い時間が第3の判定値内であり、前記第1のデータの高低の1つの繰り返しに含まれる、値の高い時間が第4の判定値より短いと、周期性四肢運動があると判定する第2の判定ユニットを含む、プログラム。
JP2009119031A 2009-05-15 2009-05-15 荷重データを解析する装置、その装置の制御方法およびプログラム Expired - Fee Related JP5442318B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009119031A JP5442318B2 (ja) 2009-05-15 2009-05-15 荷重データを解析する装置、その装置の制御方法およびプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009119031A JP5442318B2 (ja) 2009-05-15 2009-05-15 荷重データを解析する装置、その装置の制御方法およびプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010264127A JP2010264127A (ja) 2010-11-25
JP5442318B2 true JP5442318B2 (ja) 2014-03-12

Family

ID=43361674

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009119031A Expired - Fee Related JP5442318B2 (ja) 2009-05-15 2009-05-15 荷重データを解析する装置、その装置の制御方法およびプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5442318B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6360369B2 (ja) * 2014-06-30 2018-07-18 学校法人中部大学 睡眠障害検査装置
JP6893760B2 (ja) * 2015-11-19 2021-06-23 シャープ株式会社 生体情報測定装置、生体情報管理システム、生体情報測定装置の制御方法、制御プログラム
JP6666940B2 (ja) * 2018-03-14 2020-03-18 ミネベアミツミ株式会社 体動判定システム及びベッドシステム
JP7080722B2 (ja) * 2018-05-17 2022-06-06 パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ 検知方法、検知装置及び検知システム

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3820811B2 (ja) * 1999-08-02 2006-09-13 株式会社デンソー 呼吸器系疾患のモニタ装置
CA2393880A1 (en) * 2002-07-17 2004-01-17 Tactex Controls Inc. Bed occupant monitoring system
JP5070701B2 (ja) * 2006-01-10 2012-11-14 株式会社デンソー 寝具に加わる被験者の荷重変化により得られる呼吸信号の解析方法および装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010264127A (ja) 2010-11-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5070701B2 (ja) 寝具に加わる被験者の荷重変化により得られる呼吸信号の解析方法および装置
JP3976752B2 (ja) 睡眠状態推定装置及びプログラム
JP6516846B2 (ja) 睡眠監視のデバイス及び方法
JP6247393B2 (ja) 睡眠モニタリングデバイス、睡眠モニタリングシステム、睡眠モニタリング方法及び対応するコンピュータプログラム
JPWO2017179698A1 (ja) 生体情報分析装置、システム、及び、プログラム
JP6585074B2 (ja) 被験者の生理学的活動をモニタするためのシステムおよび方法
JP4993980B2 (ja) 呼気時間を出力可能な装置および方法
JP6894451B2 (ja) 被検者の睡眠段階を判定するための判定システム及び方法
CN111867450A (zh) 睡眠呼吸暂停检测系统和方法
JP6932630B2 (ja) 睡眠状態判定装置及びプログラム
JP2002219116A (ja) 睡眠周期検出装置
CN113473910A (zh) 睡眠监测系统和方法
Dafna et al. Sleep-quality assessment from full night audio recordings of sleep apnea patients
JP5442318B2 (ja) 荷重データを解析する装置、その装置の制御方法およびプログラム
JP7106729B2 (ja) 異常判定装置及びそれに用いるプログラム
JP6518056B2 (ja) 睡眠状態判定装置、睡眠状態判定方法及びプログラム
JP2017164397A (ja) 睡眠段階判定方法、睡眠段階判定装置、及び睡眠段階判定プログラム
CN111867470B (zh) 睡眠/觉醒判定系统
JP2009297455A (ja) 睡眠状態推定装置
Ferri et al. Quantifying leg movement activity during sleep
JP2019136526A (ja) 睡眠状態判定装置及び睡眠状態判定方法
JP7127905B1 (ja) 機械学習を用いて対象者の体位を判定する装置、方法及びプログラム
Heise et al. Unobtrusively detecting apnea and hypopnea events via a hydraulic bed sensor
JP4868514B2 (ja) 生体状態を推定した結果を出力する装置および方法
JP2020073108A (ja) 睡眠段階判定方法、睡眠段階判定装置、及び睡眠段階判定プログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120418

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130419

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130627

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130826

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131203

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131218

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees