JP2016205988A - リーク試験方法及びその装置 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)液没試験:内部を気体で加圧した試験体を水などの液体の中に浸漬し、試験体内部から出てくる泡で漏れを検出する方法。一般的には液体に水を用いる場合が多く、その場合を水没試験という。水が試験体に対し悪影響を及ぼす場合は、フロンなどの有機溶剤を使用する場合や、水に界面活性剤を付加して大きな泡を発生させることにより、観察を容易に行うことができるようにする場合もある。
(5)超音波漏れ試験:漏れ箇所を気体が漏れ出るときに発生する超音波、又は試験体内部に置いた超音波発信器から漏れてくる超音波を超音波検知器によって検出する方法。超音波は漏れを電気信号にして、dB表示又はスピーカー音として表示する(特許文献1)。
具体的には、観察者の負担を軽減すること、観察結果の数値化及び記録を自動的に行い得ること、試験体の形状如何にかかわらず検出結果を一定になり易くすること、さらに、従来の液没試験用の水槽や気体供給装置などの設備を本発明の実施に適用できること、これらの課題を選択的に解決し得る新たなリーク試験方法とその実施に用いる装置の提供を課題とする。
また、本発明は、前記リーク試験を実施する装置として、前記液体内に前記試験体を配置して収納する容器と、前記試験体に気体を供給する装置と、前記容器の前記液面上方に配置された前記超音波検知器とを備えたことを特徴とするリーク試験装置を提供する。
具体的には、観察者の負担を軽減すること、観察結果の数値化及び記録を自動的に行い得ること、試験体の形状にかかわらず検出結果を一定になり易くすること、さらに、従来の液没試験用の水槽や気体供給装置などの設備を本発明の実施に適用できること、これらの課題を選択的に解決し得る新たなリーク試験方法とその実施に用いる装置を提供することができたものである。
(リーク試験装置について)
このリーク試験装置は、図1に示すように、試験用の液体33を収納する水槽などの容器11と、容器11の液面34の上方に配置された超音波検知器21とを備える。
容器11は、従来の液没試験に用いた設備を転用することができ、試験体31を容器11中に配置するための試験体保持部14を備える。試験体31は、液体33中に少なくとも検査箇所を完全に没した状態で試験体保持部14により固定される。
試験体31が端部に開口部を有するパイプなどの場合には、開口部を気密及び液密状態に保つための閉鎖部材を試験体保持部14に設けてもよいが、この閉鎖部材は試験体保持部14とは別体として予め開口部に取り付けた状態で、容器11内に配置するようにしてもよい。検査箇所と液面34との間の距離は、5 〜50cm程度が適当であるが、少なくとも検査箇所が液体33中に完全に浸かるものでありさえすれば実施することができる。試験体31の具体例としては、タンク、缶等の容器、バルブ等の配管用具等が挙げられるが、これらに特に限定されず、自動車用部品や家電用部品のような各種部品であってもよい。また、閉鎖部材を開口部の有る容器状のものとし、その開口部に試験体を気密及び液密状態でセットするようにすれば、板状の試験体であっても試験することができる。
なお、試験体31が重量物であって内部に気体を導入した状態で液体33中に沈んでいる場合にあっては、試験体保持部14を省略して実施することもできる。
また図示は省略したが、液体33を導入するための供給装置、供給路、排出路を付加して実施することもできるが、これらを用いずに、容器11の開口から直接液体33を注入するものであってもよい。
超音波検知器21は、従来の超音波漏れ試験に用いられるものと同様のものを用いることができるもので、具体的には超音波マイクロホンなどの超音波を検知して電機信号に変換するセンサを用いることができる。この超音波検知器21は液面34上方に配置され、試験体31のピンホールなどの欠陥部32から液体33中に気体が漏れ出ることによって生じる泡35が、液面34で破裂する際に発生する超音波を検知する。液面34と超音波検知器21との間の距離は、検知の観点からは近い方が望ましいが、あまり近いとセンサが水に濡れるおそれもあるため、50cm以下程度が適当であるが、超音波を感知できることを条件に種々変更して実施することができる。なお、図では、超音波検知器21を1個描いているが、複数の超音波検知器21を用いることもできる。
液体33は、試験体31の欠陥部32から漏出した気体が泡35となるもことを条件に種々の液体を用いることができるが、コストや試験体31への影響を考慮すると水道水や純水などの水を用いることが適当である。
次に、上述のリーク試験装置を用いたリーク試験方法について説明する。
容器11内に液体33を注入する前又は後に、試験体31を配置して試験体保持部14で固定する。この配置の前又は後に、気体供給装置12の流路13を試験体31に接続し、液体33内に少なくとも検査箇所が没した状態で、気体を導入する。試験体31に欠陥部32があれば、試験体31内に導入された気体が、欠陥部32から液体33中に漏れ出て泡35となって上昇し、液面34で破裂する。その際に発生する超音波が超音波検知器21で検知され、解析装置22で処理され、必要に応じて記録装置23に記録される。このように、液面34での破裂にて発生する超音波を検知するため、試験体31の形状や欠陥部32の位置に関わらず、超音波の検知条件が一定となり易い。
上記の試験方法に沿って下記の試験を行った。
試験体31:銅管部品(直径20mm、長さ50mm、肉厚0.3mmの銅管の一端を閉じた欠陥部を有する部品)を3個(試験体No.1〜試験体No.3)
容器11:高さ20cmの水槽
試験用の液体33
実施例1:水道水(微泡剤なし)
実施例2〜4:微泡剤10w%含有の水道水。微泡剤:エタノール。
実施例5:微泡剤10w%含有の水道水。微泡剤:エタノール50w%に対してイソプロパノール50w%を配合。
試験体31の水深:10cm
気体供給装置12:0.4MPの高圧空気を供給
超音波検知器21:超音波マイクロホン(増幅アンプ付)
集音体24
実施例1及び2:なし
実施例3〜5:直径6cm×高さ7cmの有天略円筒体(天部に超音波マイクロホンを装着)
集音体24の液面からの高さ
実施例1〜3及び5:50mm
実施例4:100mm
解析装置22:増幅アンプにて増幅した値をdB表示
一端が閉ざされた各試験体31の他端に気体供給装置12の流路13を接続して容器11内に配置すると共に、試験体31の水深が上記水深となるように試験用の液体33を容器内に満たした。
気体供給装置12から気体を試験体31に導入すると共に、超音波検知器21で超音波を検知し、解析装置22でdB表示した。
実施例1及び2では集音体31を用いずに実施し、実施例3〜5では集音体31を用いて実施した。実施例3及び5では、集音体31の下端が液中に位置し、実施例4では、集音体31の下端が液面上方に位置していた。
試験結果を表1に示す。実施例1では、目視による観察で直径1〜2cm程度の泡が発生し、その結果が比較的小さな値ではあるがdB表示され、欠陥部の有無が確認された。実施例2〜5では、目視による観察で直径1mm以下程度の微細な泡が発生し、その結果が比較的大きな値でdB表示され、欠陥部の有無が良好に確認された。集音体31の下端が液中に位置していた実施例3が最も良好な結果を示した。なお、表1には、各試験体における試験中の最大値のdBを示した。
12 気体供給装置
13 流路
14 試験体保持部
21 超音波検知器
22 解析装置
23 記録装置
24 集音体
25 先端
31 試験体
32 欠陥部
33 液体
34 液面
35 泡
Claims (4)
- 試験体を容器内の液体に浸漬し、試験体の内部から出てくる泡で漏れを検出するリーク試験において、
前記容器の液面上方に超音波検知器を配置し、前記泡が前記液面で破裂する際に生じる超音波を前記超音波検知器で検知することを特徴とするリーク試験方法。 - 前記液体は、水と微泡剤との混合液であり、
前記微泡剤は、前記液体中にて発生する泡を、水のみからなる液体にて発生する泡よりも微細な泡とするものであることを特徴とする請求項1に記載のリーク試験方法。 - 請求項1又は2に記載のリーク試験方法を実施するための装置であって、前記液体内に前記試験体を配置して収納する容器と、前記試験体に気体を供給する装置と、前記容器の前記液面上方に配置された前記超音波検知器とを備えたことを特徴とするリーク試験装置。
- 前記超音波検知器と前記液体との間に配置された集音体を備え、
前記集音体は、前記超音波を前記超音波検知器に集める構造を有することを特徴とする請求項3に記載のリーク試験装置。
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